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特許7194250In-situ注入を適用する中実造形方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】In-situ注入を適用する中実造形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/245 20170101AFI20221214BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20221214BHJP
   B29C 64/264 20170101ALI20221214BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221214BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221214BHJP
   B22F 10/43 20210101ALI20221214BHJP
   B22F 10/37 20210101ALI20221214BHJP
   B22F 10/16 20210101ALI20221214BHJP
   B22F 12/55 20210101ALI20221214BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20221214BHJP
   B22F 12/40 20210101ALI20221214BHJP
   B22F 12/30 20210101ALI20221214BHJP
【FI】
B29C64/245
B29C64/165
B29C64/264
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F10/43
B22F10/37
B22F10/16
B22F12/55
B28B1/30
B22F12/40
B22F12/30
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190414
(22)【出願日】2021-11-24
(62)【分割の表示】P 2018544260の分割
【原出願日】2017-02-24
(65)【公開番号】P2022033816
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】62/342,290
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/300,105
(32)【優先日】2016-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517352005
【氏名又は名称】トリオ ラブズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIO LABS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】アダム ティー シー スティージ
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-522326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0093115(US,A1)
【文献】特開平03-183530(JP,A)
【文献】特開2001-341208(JP,A)
【文献】特開2000-234104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/00-12/90
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末複合製造方法であって:
粉末材料を造形プラットフォームに供給するステップと;
前記造形プラットフォームを通して供給した光硬化性材料を前記粉末材料に注入するステップと;
イメージング装置を選択的に作動させて前記光硬化性材料を照射することにより,粉末複合部品の層を少なくとも部分的に固化させるステップと;
前記粉末材料の供給,前記粉末材料への前記光硬化性材料の注入,及び前記光硬化性材料の部分的な固化を反復して,前記粉末複合部品を形成するステップと;を含み,注入された前記粉末材料の第1層上に前記イメージング装置が投影する断面イメージは,前記光硬化性材料の流れを後続層に注入可能とするように設計される,方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって,前記粉末材料の前記造形プラットフォームへの供給が:
計量された前記粉末材料を粉末材料供給源から放出するステップと;
前記計量された粉末材料を前記造形プラットフォームまで移送するステップと;
を含む,方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって,前記粉末材料の前記造形プラットフォームまでの移送が前記粉末材料の密度制御を含む,方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって,前記粉末材料の前記密度制御は,前記粉末材料の体積粉末積載密度を,堆積後の自由密度よりも大となるように増加させるステップを含む,方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって,前記粉末材料の前記造形プラットフォームへの供給が,異なる前記粉末材料を複数の粉末供給源から前記造形プラットフォームに供給するステップを含む,方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって,前記異なる粉末材料を,プラスチック粉末,セラミック粉末及び半導体粉末からなる群より選択する,方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって,前記複数の粉末供給源からの異なる粉末材料の供給が,造形材料及び支持材料の造形プラットフォームへの供給を含む,方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって,前記造形材料が金属材料を含み,前記支持材料が非金属材料を含む,方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法であって,前記イメージング装置の選択的な作動が,前記粉末複合部品のそれぞれの断面における選択された部分に亘って前記光硬化性材料を照射することにより,前記粉末複合部品の層を,前記光硬化性材料を供給する反復的なステップの間に前記光硬化性材料が該層を通して流れるに十分な気孔率を有するよう,少なくとも部分的に固化させるステップを含み;
前記粉末材料の供給,前記粉末材料への前記光硬化性材料の注入,及び前記光硬化性材料の選択的照射の反復的ステップが,反復的に:
・前記粉末材料を前記粉末複合部品における1つ以上の照射済み層の頂部上に供給するステップ;
・前記粉末複合部品における前記1つ以上の照射済み層を通して前記光硬化性材料を供給して前記粉末材料中に注入するステップ;並びに
・前記イメージング装置を選択的に作動させて前記光硬化性材料を照射することにより,前記粉末複合部品における次の層を少なくとも部分的に固化させるステップ;
を含む,方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって,前記粉末複合部品のそれぞれの断面における選択された部分に亘って前記粉末材料及び前記光硬化性材料を照射するステップが,前記粉末複合部品のそれぞれの断面の70%未満への照射を含む,方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法であって,前記イメージング装置の選択的な作動が,前記粉末複合部品のそれぞれの断面における周縁部のみを照射して,前記粉末材料及び前記光硬化性材料の周りにスキンを形成するステップを含み;
前記方法は,前記スキンの形成後に:
・前記光硬化性材料を前記粉末材料から除去するステップと;
・前記粉末材料に結合剤を注入するステップと;
・前記スキンを除去して,前記粉末材料及び前記結合剤で構成されるグリーン体を露出させるステップと;
を含む,方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法であって,前記粉末材料を供給し,前記粉末材料に前記光硬化性材料を注入し,前記光硬化性材料を選択的に照射するステップの反復に先立ち,前記造形プラットフォームを前記イメージング装置から離れる方向に一段降下させ,前記粉末複合部品の各層を先行する層の頂部上に形成する,方法。
【請求項13】
請求項に記載の方法であって,前記粉末複合部品を固体部品に変換するための事後処理を行う,方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は,2016年 2月26日付の米国仮特許出願第62/300,105号,及び2016年 5月27日付の
米国仮特許出願第62/342,290号の優先権を主張するものであり,これらの先行出願の開示
は全体が参照により本願に取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願に開示する主題は,一般的には物体の中実造形方法に関する。特に,本主題は,金
属材料,プラスチック材料,セラミック材料,又は1種以上の材料を組み合わせた複合材
料から物体を中実造形するためのシステム,装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造(AM)は,中実造形(SFF),三次元印刷(3DP)及び中実イメージン
グとしても既知であり,視覚表現的で機能的な部品の試作のために益々広範に採用される
に至っている。幾つかの場合,これは量産製造のためにも最も経済的な手段となっている
。デジタルモデルに基づいて部品を製造するためには様々な手段が存在しており,その何
れも完全なデザインサイクルのために必要とされる時間及びコストを削減するものであり
,これにより多くの業界においてイノベーションのペースが改善されている。
【0004】
一般的に,SFFは積層方式で実行され,この場合にはデジタルモデルが水平なスライ
スに分割され,各スライスが造形面上における二次元イメージとして形成される。これら
のスライスが連続的に形成されて薄い層の集団が製造され,これら全体でデジタルモデル
により表される三次元物体を構成する。伝統的な製造技術,例えばコンピュータ数値制御
(CNC)による機械加工,射出成型,及びその他の技法とは対照的に,SFFは,製造
時間及びコストを大幅に低減するものであり,それ故に,伝統的技法による少量生産では
過度に高額となり得る研究及び開発目的で広範に適用されるに至っている。更に,一般的
にSFF装置は,CNC工作機械と対比して高度の熟練が不要である。CNC工作機械に
より製造される個別部品は,長いセットアップ時間及び機械稼働の高コストに基づいて,
一般的にコスト高である。CNCで製造される部品は,往々にして,SFFで製造される
部品よりも高強度・高精細であり,これにより幾つかの用途では好適とされている。CN
Cで製造される部品の解像度及び機能性がSFF技術により達成可能となるまで,部品製
造におけるSFFの使用は制約された現状を維持することであろう。
【0005】
粉末射出成形(PIM)は,他の成形方法では伝統的に不可能とされていた高精度部品
の製造技術として広範に適用されるに至った量産技術である。粉末を樹脂結合剤とブレン
ドして射出原料を形成し,これをプラスチック射出成型におけると同様に金型内に射出す
る。製造されるパーツは,「グリーン」パーツと称される粉末複合パーツである。グリー
ンパーツは,結合剤を略完全に除去する「デバインディング」と称されるプロセスで処理
される。その結果として得られるパーツは,「ブラウン」パーツと称される。次に,この
ブラウンパーツに熱処理を施して,粉末粒子を互いに焼結させる。このプロセスの間にパ
ーツは収縮し,粉末粒子間の空孔が取り除かれる。最終結果物は略完全密度を有するパー
ツである。更なる事後処理を行えば,密度を99.5%超とすることもできる。
【0006】
SFFのために最も普通に適用される技術の幾つかには,ステレオリゾグラフィー(S
LA),選択的堆積モデリング(SDM),熱融解堆積モデリング(FDM)及び選択的
レーザ焼結(SLS)が含まれる。これらのアプローチは,使用可能な材料,層の形成態
様,並びに製造されたパーツの解像度及び品質において異なっている。典型的に,層は,
バルク材料堆積法又は選択的材料堆積法により形成される。層形成のためにバルク堆積法
を適用する技術において,層のイメージングは,典型的には熱的,化学的又は光学的プロ
セスによって達成される。インクジェット印刷ヘッドを使用して結合剤を粉末床内に堆積
させることによって,PIMプロセスにおけるグリーンパーツと同様なパーツを製造する
技術,すなわちバインダージェッティング方法が存在している。このグリーンパーツに同
様の態様で事後処理を施せば,最終部品を製造することができる。残念ながら,このプロ
セスによって製造される部品は,グリーンシートを製造するプロセスの不完全性のため,
往々にして高精度用途のための公差基準に適合するものではない。
【発明の概要】
【0007】
本願は,各種用途に供する部品(例えば,プラスチック部品,金属部品及びセラミック
部品を)を製造するための中実造形方法及び関連する方法の実施形態を開示する。
【0008】
幾つかの実施形態において,本願に開示するSFF方法及び装置は,デジタルモデルの
三次元中実表現物を製造するための材料層を受け止める表面と,必要とされる造形材料層
を堆積させるための1つ又は複数の部品と,造形材料を,デジタルモデルに含まれるデー
タに対応する断面にイメージングする1つ又は複数の部品とを含むことができる。一実施
形態において,造形材料は,粒状材料及び光硬化性樹脂材料で構成される。造形面におけ
るこれらの材料の組み合わせは,粉末部品を製造するために使用されてきた上述した装置
におけるレオロジー的な制約を克復するものである。他の実施形態において,層イメージ
ングのために使用されるイメージング技術は,最終部品を製造するための事後処理が行え
る多孔質部品の製造を含むことができる。
【0009】
更に,幾つかの実施形態において,以下に記載する方法及び装置は,造形材料の1つと
して粒状材料(例えば,セラミック材料,プラスチック材料又は金属材料)を使用するこ
とができる。この装置により製造されたパーツは,造形プロセスの完了後に処理を施して
隣接粒子間の結合を促進させることができる。そのような処理には,熱的,化学的及び圧
力的処理,又はこれらの組み合わせが非限定的に含まれる。この製造及び処理プロセスの
結果物には,中実金属パーツ,中実セラミックパーツ,中実プラスチックパーツ,多孔質
金属パーツ,多孔質セラミックパーツ,多孔質プラスチックパーツ,中実複合プラスチッ
クパーツ,並びに1種又は複数種の材料よりなる複合パーツが非限定的に含まれる。
【0010】
粒状材料の材料堆積は幾通りかの手段で達成することができ,これにはブレード機構に
よる塗布,造形面への堆積を後続させる移送面への静電堆積,及び造形面への堆積を後続
させる圧力ローラへの静電堆積が非限定的に含まれる。光硬化性材料(例えば樹脂)の注
入は,専用の注入造形プラットフォームを介して,そして造形中の部品の本体を通しての
注入によって達成することができる。
【0011】
層イメージングは幾通りかの手段で達成することができ,これにはプログラム可能な面
光源,例えばDLPプロジェクタによるバルクイメージング,又は回転プリズムを使用し
てラスターパターンを達成するラスターレーザ光源が非限定的に含まれる。
【0012】
更に,一態様において,粒状材料及び樹脂材料で構成される複合物体を,所与の三次元
物体を表すデジタルデータから製造可能とする中実造形(SFF)装置が提供される。
【0013】
他の態様において,材料層を形成するためにバルク堆積法を使用するSFF装置が提供
される。
【0014】
他の態様において,材料の複合層を形成するために粒状材料を光硬化性材料と組み合わ
せるSFF装置が提供される。
【0015】
他の態様において,材料の広範な組み合わせを使用可能とするために材料成分を互換可
能とするSFF装置が提供される。
【0016】
他の態様において,注入造形プラットフォームを通して粉末層への in-situ 注入を行
って複合層の製造を行うSFF装置が提供される。
【0017】
他の態様において,SFF装置によって製造された物体は,材料成分の内的結合を改善
するために,熱的,化学的又は機械的に処理することができる。
【0018】
他の態様において,処理は,流体チャンバ内における加圧,溶媒への露出,粒状材料の
結合を促進するための昇温,造形プロセスに由来する内部応力を緩和するための昇温,あ
るいは主たる粒状材料よりも低融点の三次材料,例えばセラミック材料及び/又は金属材
料の注入を後続させる粒状材料の部分的焼結を含むことができる。
【0019】
他の態様において,処理は,印刷された多孔質物体からの残留液状材料の排出,及び多
孔質物体の空孔を充満させて完成物体を製造するための二次材料の注入を含むことができ
る。
【0020】
他の態様において,屈折性ラスターシステムによる指向性エネルギを使用する粉末材料
の直接融合によって部品を製造するSFF装置が提供される。
【0021】
本主題の幾つかの態様について上述し,これらは全体的又は部分的に本主題により達成されるものであるが,添付図面を参照しつつ以下の記載を読み進めれば,別の態様も明白となる。
本主題の主な特徴は次のとおりである。
[1]
粉末複合製造機であって:
造形プラットフォームと;
該造形プラットフォームに粉末材料を配送するための粉末移送装置と;
前記造形プラットフォームに接続され,前記粉末材料中に光硬化性樹脂を注入するように構成された樹脂供給システムと;
前記造形プラットフォームの上方に配置され,前記光硬化性材料を選択的に照射して粉末複合部品の層を少なくとも部分的に固化させるように構成されたイメージング装置と;を備える,粉末複合製造機。
[2]
[1]に記載の粉末複合製造機であって,前記造形プラットフォームが前記イメージング装置に対して可動であって,前記粉末複合部品における複数層を形成可能である,粉末複合製造機。
[3]
[1]に記載の粉末複合製造機あって,前記粉末移送装置が,粉末材料を粉末供給チャンバから造形チャンバまで供給するための可動ローラを含む,粉末複合製造機械。
[4]
[3]に記載の粉末複合製造機であって,前記ローラが,逆転ローラ又は静電移送ローラの一方を含む,粉末複合製造機。
[5]
[1]に記載の粉末複合製造機であって,前記粉末移送装置が,粉末材料を複数の粉末供給源から供給可能である,粉末複合製造機。
[6]
[1]に記載の粉末複合製造機であって,前記造形チャンバに供給される粉末材料の密度を制御するための補償装置を備える,粉末複合製造機。
[7]
粉末複合製造方法であって:
粉末材料を造形プラットフォームに供給するステップと;
前記粉末材料に光硬化性樹脂を注入するステップと;
イメージング装置を選択的に作動させて前記光硬化性樹脂を照射することにより,粉末複合部品の層を少なくとも部分的に固化させるステップと;
粉末材料の供給,粉末材料への光硬化性材料の注入,及び光硬化性材料の部分的な固化を反復して,前記粉末複合部品を形成するステップと;
を含む,方法。
[8]
[7]に記載の方法であって,粉末材料の造形プラットフォームへの供給が:
計量された粉末材料を粉末材料供給源から放出するステップと;
計量された粉末材料を造形プラットフォームまで移送するステップと;
を含む,方法。
[9]
[7]に記載の方法であって,粉末材料の造形プラットフォームまでの移送が粉末材料の密度制御を含む,方法。
[10]
[9]に記載の方法であって,粉末材料の密度制御は,粉末材料の体積粉末積載密度を,堆積後の自由密度よりも大となるように増加させるステップを含む,方法。
[11]
[7]に記載の方法であって,粉末材料の造形プラットフォームへの供給が,異なる造形材料を複数の粉末剤用供給源から造形プラットフォームに供給するステップを含む,方法。
[12]
[11]に記載の方法であって,異なる粉末材料を,プラスチック粉末,セラミック粉末及び半導体粉末からなる群より選択する,方法。
[13]
[11]に記載の方法であって,複数の粉末材料供給源からの異なる造形材料の供給が,造形材料及び支持材料の造形プラットフォームへの供給を含む,方法。
[14]
[13]に記載の方法であって,造形材料が金属材料を含み,支持材料が非金属材料を含む,方法。
[15]
[7]に記載の方法であって,イメージング装置の選択的な作動が,粉末複合部品のそれぞれの断面における選択された部分に亘って光硬化性材料を照射することにより,粉末複合部品の層を,光硬化性材料を供給する反復的なステップの間に光硬化性材料が該層を通して流れるに十分な気孔率を有するよう,少なくとも部分的に固化させるステップを含み;
粉末材料の供給,粉末材料への光硬化性材料の注入,及び光硬化性材料の選択的照射の反復的ステップが,反復的に:
・粉末材料を粉末複合部品における1つ以上の照射済み層の頂部上に供給するステップ;
・粉末複合部品における1つ以上の照射済み層を通して光硬化性材料を供給して粉末材料中に注入するステップ;並びに
・イメージング装置を選択的に作動させて光硬化性材料を照射することにより,粉末複合部品における次の層を少なくとも部分的に固化させるステップ;
を含む,方法。
[16]
[15]に記載の方法であって,粉末複合部品のそれぞれの断面における選択された部分に亘って粉末材料及び光硬化性材料を照射するステップが,粉末複合部品のそれぞれの断面の70%未満への照射を含む,方法。
[17]
[7]に記載の方法であって,イメージング装置の選択的な作動が,粉末複合部品のそれぞれの断面における周縁部のみを照射して,粉末材料及び光硬化性材料の周りにスキンを形成するステップを含み;
前記方法は,スキンの形成後に:
・光硬化性材料を粉末材料から除去するステップと;
・粉末材料に結合剤を注入するステップと;
・スキンを除去して,粉末材料及び結合剤で構成されるグリーン体を露出させるステップと;
を含む,方法。
[18]
[7]に記載の方法であって,粉末材料を供給し,粉末材料に光硬化性材料を注入し,光硬化性材料を選択的に照射するステップの反復に先立ち,造形プラットフォームをイメージング装置から離れる方向に一段降下させ,粉末複合部品の各層を先行する層の頂部上に形成する,方法。
[19]
[7]に記載の方法であって,粉末複合部品を固体部品に変換するための事後処理を行う,方法。
[20]
中実造形法により物体を形成するための方法であって,該方法が:
光硬化性材料を造形プラットフォームに供給するステップと;
イメージング装置を選択的に作動させて前記光硬化性材料を前記物体のそれぞれの断面における選択された部分に亘って照射することにより,前記物体の材料層を少なくとも部分的に固化させるステップと;
光硬化性材料を造形プラットフォームに供給し,光硬化性材料を選択的に照射する前記ステップを反復して,前記物体を形成するステップと;
を含み,イメージング装置の選択的な作動は,前記材料層を,光硬化性材料を供給する反復的なステップの間に光硬化性材料が該材料層を通して流れるに十分な気孔率を有するよう,少なくとも部分的に固化させるステップを含む,方法。
[21]
[20]に記載の方法であって,光硬化性材料を供給するステップが:
粉末材料を前記造形プラットフォームに供給するステップと;
前記粉末材料に光硬化性樹脂を注入するステップと;
を含む,方法。
[22]
[21]に記載の方法であって,イメージング装置の選択的な作動が,前記材料層の周りで光硬化性材料の周縁部における連続的な部分を選択的に照射することにより,非多孔質の境界部を形成するステップを含み;
粉末材料に光硬化性樹脂を注入するステップが,前記非多孔質の境界部内に配置された粉末材料部分のみにおける注入を含む,方法。
[23]
[20]に記載の方法であって,イメージング装置を選択的に作動させて,製造すべき物体のそれぞれの断面における選択された部分に亘って光硬化性材料を照射するステップが,該物体のそれぞれの断面の70%未満を照射するステップを含む,方法。
[24]
[20]に記載の方法であって,光硬化性材材料を供給するステップが,光硬化性樹脂を造形プラットフォームに供給するステップを含む,方法。
[25]
[20]に記載の方法であって,光硬化性材料を供給し,光硬化性材料を選択的に照射して前記物体を形成するステップが,反復的に:
光硬化性材料を前記物体における1つ以上の照射済み層を通して供給するステップと;
イメージング装置を選択的に作動させて,前記物体における1つ以上の照射済み層の頂部上における光硬化性材料の層を照射することにより,前記物体における次の層を少なくとも部分的に固化させるステップと;
を含む,方法。
[26]
[25]に記載の方法であって,前記物体における1つ以上の照射済み層を通して光硬化性材料を供給するステップが,光硬化性材料の少なくとも一部を,1つ以上の照射済み層内に生成される垂直方向の圧力勾配を低減させる構成とした1つ以上の樹脂チャネルを通して供給するステップを含む,方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本主題の特徴及び利点は,以下の詳細な記載から,一層容易に理解することができる。
その記載は,単に例示的で非限定的な実施例として提示されるに過ぎない添付図面を参照
して読み取るべきものである。
図1】本主題の実施形態に係る中実造形機と共に使用する屈折ラスター機構の右正面斜視図である。
図2図1のラスター装置を使用する中実造形機の右正面斜視図である。
図3】本主題の実施形態の第2実施例に係る屈折ラスター機構を使用する中実造形機の左正面斜視図である。
図4図3の造形機の左正面詳細図である。
図5図4の造形機の断面図である。
図6図3の造形機の立面詳細図である。
図7図6の造形機の断面図である。
図8図3の造形機の下側からの右詳細図である。
図9図3の造形機の左立面図である。
図10図3の造形機の下側からの左断面図である。
図11】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第1実施例を第1位置で示す左立面斜視図である。
図12図11の造形機の断面図である。
図13図12の造形機の第2位置における詳細図である。
図14図11の造形機の第3位置における左立面斜視図である。
図15図14の造形機の断面図である。
図16図11の造形機の第4位置における左立面斜視図である。
図17図16の造形機の断面図である。
図18】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第2実施例を第1位置で示す左立面斜視図である。
図19図18の造形機の第2位置における左立面図である。
図20】本主題の実施形態に係る粉末複合造形機の第3実施例を示す左立面斜視図である。
図21図20の造形機の断面図である。
図22】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第1方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図23】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図24】本主題の実施形態に係る粉末複合部品を製造するための第3方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図25】上述した図11図21の粉末複合造形機の何れにおいても実装可能なフィードバックシステムの左立面斜視図である。
図26】本主題の実施形態に係る中実造形で製造可能な部品の左立面斜視図である。
図27図26の部品を製造する方法を線図的に示す断面図である。
図28】本主題の実施形態に係る第2中実造形で製造することのできる部品の斜視図である。
図29図28の部品を製造する方法を線図的に示す断面図である。
図30図29の造形方法の断面図である。
図31図29の造形方法の断第2面図である。
図32図31の造形方法の詳細図である。
図33図27の部品を製造する第2方法を線図的に示す断面図である。
図34図33の造形方法の詳細図である。
図35図28の部品を製造する第3方法を線図的に示す詳細断面図である。
図36図28の部品を製造する第4方法を線図的に示す詳細断面図である。
図37図29の造形プロセスの他の形態を使用する造形機の左立面斜視図である。
図38図37の造形機の詳細図である。
図39】部品の製造プロセスにおける図37の造形機の詳細図である。
図40図39の造形機及び部品の断面図である。
図41】本主題の実施形態に係る部品又はプラスチック部品を製造するための従来の製造方法で使用されるラスターパターンの一層を上側から示す説明図である。
図42】本主題の実施形態に係る部品又はプラスチック部品を製造するための従来の製造方法で使用されるラスターパターンの二層を上側から示す説明図である。
図43図28の部品を製造するために使用することのできる硬化パターンの第1セットを上側から示す説明図である。
図44図28の部品を製造するために使用することのできる硬化パターンの第2セットを上側から示す説明図である。
図45】モジュラー流路を有する部品を製造するために使用することのできる硬化パターンセットを上側から示す説明図である。
図46】本主題の実施形態に係る上述した製造方法に使用されるin-situ注入方法を使用して製造された部品の第1層の左断面図である。
図47図46の部品の第1層及び第2層の説明図である。
図48】本主題の実施形態に係る上述した製造方法に使用される第2のin-situ注入方法を使用して製造された部品の第1層の左断面図である。
図49】本主題の実施形態に係る粉末材料の直接融合のための屈折ラスター機構を使用する中実造形機の左立面斜視図である。
図50図49の装置の斜視図である。
図51】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図52】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図53】本主題の実施形態に係る粉末複合グリーンパーツを製造する第3方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図54】本主題の実施形態に係る多孔質ブラウンパーツを製造する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図55】本主題の実施形態に係るグリーンパーツ又はブラウンパーツを事後処理する方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図56】本主題の一実施形態に係るグリーンパーツ又はブラウンパーツを事後処理する第2方法のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本主題は,各種用途に供する部品(例えば,プラスチックパーツ,金属パーツ及びセラ
ミックパーツ)を中実造形するためのシステム,装置及び方法を提供する。一態様におい
て,本主題は,光硬化性材料層のイメージングにおいて使用するためのイメージング装置
を提供する。SLA造形機において,レーザを使用して樹脂層を硬化させることによりイ
メージを生成する上での共通技術は,レーザを,造形中の物体の断面境界に始点及び終点
を有するラスターラインをもって,造形面を横断するようにラスター移動させることであ
る。図1及び2は,光硬化性樹脂の層をイメージングするために使用するラスター機構15
0を示す。図1及び2に示すように,光源から平行放射ビーム156が放射される。ビーム15
6はプリズム158に入射して屈折する。プリズム158を出射する際に第2屈折が生じ,その
結果として変位ビーム160が生じる。この場合にプリズム158は,厚さがビーム156の直径
を超える矩形断面であるが,一般的には偶数個の面を有する多角形断面とすることができ
る。幾つかの場合,プリズム158の面は,必要とされる屈折及び変位挙動に応じて,必ず
しも平行である必要はない。この実施形態において,プリズム158はロータリーアクチュ
エータ162で回転させ,これにより変位ビーム160で造形面102を横切るラスター移動を生
じさせることができる。このようにして,1つ又は複数のプリズムラスターモジュール15
0を図2に示すように造形面102を横切って並進移動させ,これにより,イメージングされ
る断面に応じて光源154がオンオフ切り替えされている間にバルクイメージングが達成さ
れる。
【0024】
幾つかの実施形態において,屈折ラスター機構のビーム変位能は,使用される屈折プリ
ズムのサイズに関連する。一般的に,上述した機構によって生成される全線幅は,回転プ
リズムの占有スペースよりも小さく,これは造形面をカバーするために複数のラスター機
構を使用しようとする場合の幾何学的な課題である。図3図10は,この課題を克服す
るSLA造形機の可能な一実施形態を示し,これは全体が参照符号10で表される。
【0025】
図3図10の実施形態において,SLA造形機10は,造形プラットフォーム102,造
成バット410及びイメージングシステムを含む。造形プラットフォーム102は造形バット41
0を下降移動させるものであり,造形バットは光硬化性樹脂を収めるものである。材料層
のイメージングが行われると,造形プラットフォーム102を上昇移動させて当該層の下側
での樹脂の流れを許容することにより,次の層のイメージングが行われる。このプロセス
を,部品400が製造されるまで反復させる。
【0026】
上述したように,偶数のエッジ部を有する多角形プリズムは,連続回転ラスター機構に
容易に適用することができる。この場合,図3図10の実施形態においては,2つの八
角プリズム414, 416が使用される。各プリズムは,3本の別個のビームをラスターさせる
ように使用される。マルチビームラスター機構において,より多数のビームは所与のプリ
ズムでイメージングし得るエリアを拡幅するが,ビーム源のマウント及びアラインメント
の幾何学的配置が複雑となる。幾つかの実施形態において,この配置は,一般的に,特に
ビーム源をプリズムから遠隔配置して全てのビーム源をモジュール内に配置可能とする場
合に,所与のビーム源の光路長を増加させるものであり,これはビーム源についての精度
要件を増大させることとなる。所与のプリズムを通過させるビームの数は,ビーム源につ
いての過大な精度要件を課することなく,造形エリアを完全にイメージング可能とするよ
うに選択することができる。使用されるビームの寸法は,ビームがプリズムを通過する際
にビーム間の干渉が各ラスター機構からの出力に影響を及ぼさないように決定することが
できる。
【0027】
特に,例えばメソスケール及びマクロスケールの部品を製造するように構成される実施
形態において,プリズム内におけるビーム間の干渉を生じさせるビーム径を使用する必要
はない。しかしながら,そのようなアプリケーションが所望であれば,プリズムの厚さは
,ビームがプリズム内において,互いに交差することなく,しかもモジュールにおける他
の部品の機能に悪影響を及ぼすことなく,スキュー状態で互いに通過する食い違い配置と
なるように選択することができる。改めて図3図10を参照すると,第1プリズム414
は,3つのビーム源430, 432, 436からの3本のビームの第1セットをラスターさせるよ
うに使用することができる。第2プリズム416は,3つのビーム源434, 438, 440からの3
本のビームの第2セットをラスターさせるように使用することができる。これらのプリズ
ムは,各プリズムからの3本のラスター線が,後述するように,集合的に造形領域全体の
イメージングを行うようにオフセット配置することができる。図示の実施形態において,
これらのプリズム414, 416の回転はベルト及びプーリ機構で達成されるが,一般的には任
意の回転駆動手段で達成することができる。この場合,モータ460がベルト464を駆動する
ためのプーリ462を駆動し,そのベルトにより回転運動を他の2つのプーリ466, 468に伝
達し,これらによりプリズム414, 416を回転駆動する。これらのプリズムの角度位置は,
エンコーダ(図示せず)又は他の電子的な角度測定装置により測定することができる。
【0028】
レーザ及びプリズムアレーの機能を説明するため,1つのビーム源440と,これにより
生成されるビーム418に着目する。このビーム418は,第2回転プリズム416に入射し,出
射変位ビーム500を生成する。出射ビーム500はミラー426で反射され,その際に反射ビー
ムは垂直に指向する。一般的に,垂直アラインメントは,6本の出射ビームを回転ミラー
により造形面に向けて反射するプロセスを容易化するためにこれらが概ね互いに整列して
いる限り,厳格に要求されるものではない。ビーム500は,第2ミラー452によりパニング
ミラーアレー454に向けて反射される。
【0029】
他の5つのビーム源430, 432, 434, 436, 438も,2本の出射ビーム496, 498が既に垂
直であるため,垂直アラインメントのためにミラーを必要としない点を除き,同様に機能
させることができる。図示の実施形態において,他の3つのミラー420, 422, 424は,他
の3本の出射ビーム492, 494, 490の垂直アラインメントのために使用される。前述した
第2ミラー452は,垂直アラインメントの行われた3本の出射ビーム494, 498, 500をパニ
ングミラーアレー454に向けて反射し,他のミラー450は垂直アラインメントの行われた残
り3本の出射ビーム490, 492, 496をパニングミラーアレー454に向けて反射する。
【0030】
各ビームは,造形バット410の表面における特定の領域に亘ってラスターさせることに
より,造形エリアの部分のイメージングを行う。造形エリア全体のイメージングを行うた
めには,隣接するラスター領域を僅かに重ねるのが望ましく,この重なりは,制御ソフト
ウェア内においてキャリブレーションの間に補正することができる。これにより,造形エ
リアを完全にイメージングする能力が担保され,造形機の部品の幾何学的公差に対応させ
ることができる。この形態においては,2本のビーム494, 500がミラー422, 426を使用す
るため,これらのミラー422, 426のエッジ部が干渉せず,プリズム416から出射する中央
ビーム498により画定されるラスター領域に重なりを生じさせる形態は容易に達成し得る
ものではない。従って,この形態は,これらのビーム494, 498, 500を離隔させて,各ラ
スター領域の間のギャップ幅を所与のラスター領域よりも狭めるものである。他のプリズ
ム414からのビーム490, 492, 496の第2セットを僅かにオフセットさせてこれらのギャッ
プをカバーすることにより,造形エリアの完全なイメージングを可能とする。
【0031】
パニングミラーアレー454は,その回転によりラスタービームが全造形エリアを横断す
るように,モータ412により駆動することができる。幾つかの実施形態において,1つ又
は複数のプリズム414, 416及びパニングミラーアレー454の位置データをリアルタイムで
測定し,その測定データを,6本のビーム490, 492, 494, 496, 498, 500の位置を計算し
,各ビーム源430, 432, 434, 436, 438, 440を変調させることにより,造形プラットフォ
ーム102上で製造される部品400のイメージングを行わせるために使用することができる。
【0032】
他の態様において,本主題は,粉末材料の組み合わせから部品を製造するSFFシステ
ム,装置及び方法を提供する。このようなシステム,装置及び方法は,各種イメージング
システムの何れであっても併用可能であり,これには上述したプリズムラスターシステム
が非限定的に含まれる。図11図17は,第1形態に係る粉末複合製造機械20を示す。
図11及び12は,この機械20を第1位置で示す。幾つかの実施形態において,機械20は
,粉末供給チャンバ520を含む。このチャンバは,物体を製造するための粉末供給ピスト
ン518及び粉末材料512を収めるものである。造形チャンバ522は,粉末に樹脂を注入する
ための内部流路515及び分配チャンバ516を有する造形プラットフォーム517を収めるもの
である。幾つかの実施形態において,造形プラットフォーム517の頂部上にフィルタ514を
配置して,造形プラットフォーム517の頂部における孔列内への粉末の逆流を防止するこ
とができる。これらの孔は,樹脂を粉末512に注入するために使用されるものである。
【0033】
粉末供給ピストン518を第2位置まで持ち上げると,粉末材料512が粉末供給チャンバ52
0から押出される。粉末は粉末搬送装置,例えば搬送ローラ510によって造形プラットフォ
ーム517まで搬送される。幾つかの実施形態において,搬送ローラ510は,粉末512を粉末
供給チャンバ520から造形プラットフォーム517まで搬送するために逆転搬送又は静電搬送
を使用することができる。このプロセスの間に過剰な粉末の損失が生じる場合がある;こ
の過剰粉末は,当業者において既知の各種手段によって管理することができる。更に,図
示の実施形態では粉末搬送装置として搬送ローラ510を使用しているが,本願に開示され
る概念が,当業界において既知の各種材料供給/堆積装置の何れについても等しく適用可
能であることは,言うまでもない。
【0034】
図14及び図15は,第3位置における造形機を示す。第3位置は,粉末搬送装置(例
えば,搬送ローラ510)を完全に作動させて粉末512の層を造形プラットフォーム517上に
堆積させるものである。第3位置において,樹脂を造形プラットフォーム517内の流路515
内に,そして分配チャンバ516内に圧送し,これにより樹脂を造形プラットフォーム517の
頂部における全ての孔に対してアクセス可能とする。樹脂は,フィルタ514を通して流れ
,粉末512に浸み込む。強制された流れと毛細管作用により,粉末層への完全な注入が行
われる。粉末層が樹脂注入プロセスとは別個に製造されたものであり,しかも樹脂注入プ
ロセスが粉末層の密度に顕著な影響を及ぼさないように制御されるため,粉末層の密度は
粉末堆積プロセスのパラメータにより決定され,既存の粉末SFF技術によるよりも遥か
に高い粉末負荷密度を達成することができる。
【0035】
図16及び図17に示すように,注入された層は,DLPプロジェクタ等のプログラム
可能な平面光源110により,あるいは上述した屈折ラスターシステムを含む1つ又は複数
のその他の光学的イメージング装置により,あるいは異なる光源の組み合わせにより,イ
メージングを行うことができる。注入プロセスを後続層について継続させるため,注入さ
れた粉末の第1層上に投影される断面イメージは,樹脂の流れを後続層に注入可能とする
ように設計することができる。従って,これらの層は多孔質構造が形成されるようにイメ
ージングを行うのが有利であり得る。層が中実断面としてイメージングされる場合には,
その結果として得られる構造が後続層に対する樹脂の流れを規制することがあり得る。こ
のような多孔質構造を達成することのできる例示的なイメージングプロセスについては,
図35図38を参照して後述する。
【0036】
図18及び図19は,上述した粉末複合SFF造形機20の第2形態を示す。この形態
においては,圧密ピストン530及び延長アーム532を使用して,注入に先立って粉末層を緻
密化する(堆積後の自由密度よりも高密度とする)。粉末堆積パラメータによっては,堆
積プロセスの間に粉末の理想的な密度が達成されず,粉末緻密化のために付加的な手段が
必要となることがあり得る。この場合,堆積させた粉末512をピストン530によって圧密し
て,結果的に得られる部品の体積粉末負荷密度を高める。これは,焼結や熱的及び/又は
化学的処理を非限定的に含む事後処理に関連する部品の特性を改善し得るものである。
【0037】
図20及び図21は,上述した粉末複合SFF造形機20の第3形態を示す。この形態
においては,付加的な粉末供給チャンバ546が使用される。この供給源546は,支持粉末ピ
ストン544により支持粉末542を供給するものであり,これに対して本来の造形粉末512は
形成すべき物体の本体のためにのみしようされる。この場合,ローラ510を静電イメージ
ング装置として使用して,造形粉末512及び支持粉末542を,所望の最終的な物体を形成す
るに適切な形状にイメージングする。この層に対して,上述したように注入及びイメージ
ングを行い,場合によっては上述した付加的な緻密化処理を行うことができる。
【0038】
単一の粉末供給源及び光学的イメージングの代わりに,2つの粉末供給源及び光学的イ
メージングを適用する場合の利点は,複数種の粉末が使用可能となることである。例えば
,造形粉末をインベストメント鋳造に好適な特性を有するポリマーで構成し,支持粉末を
グラファイト又は他の高温材料で構成して,印刷された物体をインベストメント鋳造のた
めに無修正で直ちに使用可能とするのが有益な場合がある。更に,金属粉末を造形材料と
して使用し,グラファイト又は他の高温材料を支持材料として使用して,印刷された物体
を付加的な事後処理又は浄化を行わずに焼結炉内に装入可能とするのが有益な場合がある
。この場合にグラファイトは,焼結プロセスの間に物体を支持し続け,焼結プロセス後に
容易に除去することが可能である。これは,樹脂結合剤が焼結プロセスの間に焼き尽くさ
れるためである。更に,金属粉末を造形材料として使用し,非金属粉末(例えば,プラス
チック粉末又はセラミック粉末)を支持材料として使用して,支持材料をデバインディン
グプロセスの間に除去するのが有益な場合がある。更に,3種以上の粉末,例えば,物体
の構造のための鉄粉末,機能的電子部品のためのシリコン又は他の半導体粉末,導電路の
ための動又は他の金属粉末を使用するのが有益な場合がある。粉末の粒径及び組成は,グ
リーンパーツを単一の焼成温度下で焼結させ得るように決定することができる。このプロ
セスの利点は,印刷されたパーツに機能的電子システムが統合可能となることである。
【0039】
幾つかの用途において,樹脂に添加剤を含有させことが有益な場合がある。例えば,樹
脂に電解性又は導電性添加剤を含有させて,造形面における電荷を制御可能とすることが
有益な場合がある。この導電性添加剤によれば,例えば電子写真的な粉末堆積システムの
使用に際しての作動特性を,特に使用される粉末がそれ以外の点では導電性を有しない場
合に改善することができる。これに加えて,方面活性剤を含有させて,粉末基体に浸み込
む際の樹脂混合物の濡れ性を変化させることが有益な場合がある。この変化は,注入速度
を高めて製造プロセス全体を加速し得るものである。
【0040】
図22は,上述した粉末製造プロセスの詳細なアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。一般的に,バルク粉末層を形成し,粉末層に非選択的な態様でin-situ注入を行い,
層のイメージングを行って,製造すべき物体の断面を表す多孔質層を形成し,このプロセ
スを物体全体が成形されるまで反復する任意の機構により,上述した利点を達成すること
ができる。この多孔質物体は,その内部に残留する液状樹脂を硬化させて物体を中実物体
に変化させるための付加的な硬化処理を含む事後処理を施すことができる。物体は,焼結
処理により樹脂結合剤を部分的又は完全に除去すると共に内部の粉末を部分的又は完全に
緻密化するための事後処理を施すことができる。パーツが部分的に焼結されている場合,
新たなパーツに三次材料(例えば,元のパーツに使用される粉末よりも低融点の金属)を
満たすことができる。
【0041】
図23は,図21について上述した方法における粉末の密度を高める付加的なプロセス
の詳細なアルゴリズムを示すフローチャートである。一般的に,樹脂基体内における粉末
粒子の懸濁状態を維持するために分散剤を使用する調製済みの樹脂/粉末混合物において
は,50-60%の体積粉末負荷密度が普通である。しかしながら,粉末冶金において,
完全に緻密な最終製品に焼結することが意図されるグリーンパーツの場合には,通常,8
0%を超える密度が目標値とされる。50-60%を超える密度(例えば,幾つかの実施
形態では70%を超える密度)は,樹脂が関与しない各種の粉末堆積法により達成するこ
とができる;好適なグリーンパーツの粉末負荷密度を達成するためには,粉末層の付加的
な緻密化が必要とされることがあり得る。一般的に,デジタル的に製造されるグリーンパ
ーツにおいては,可能な限り高い粒子負荷密度を達成するのが望ましい。しかしながら,
粉末粒子の圧密により接着が生じ,これにより製造後のグリーンパーツから余剰の未硬化
材料を除去するプロセスが阻害されるため,高度の緻密化は制約される。余剰材料を除去
するプロセスは各種の方法で補助することができ,これには攪拌処理,超音波処理,ある
いは溶媒又は他の化合物による処理が非限定的に含まれる。一般的に,事後処理の間に余
剰材料を除去する能力を損なわない限度で最も高い粒子負荷密度が,最も好適な粒子負荷
密度である。これは,上述した粉末圧密機構を非限定的に含む各種の手段で達成すること
ができる。一般的に,圧密及び注入のパラメータは,一方のプロセスが他方のプロセスに
干渉しないように選択することができる。
【0042】
図24は,造形粉末及び支持粉末を供給して層の静電的なイメージングを行い,これに
引き続いて多孔質部分の注入及びイメージングを行って層成形プロセスを完了させるプロ
セスの詳細なアルゴリズムを示すフローチャートである。付加的な緻密化を適用すること
ができ,一般的に支持粉末及び造形粉末は任意の順序で,又は同時に堆積させることがで
きる。前述したように,これにより粉末の広範な組み合わせが使用可能となる;更に,イ
メージングプロセスをパーツの幾何学的形態とは無関係に実行することができ,これはイ
メージングプロセスを簡略化する点で有利である。一般的に,多孔質部品を形成するイメ
ージングパターンを生成可能な任意の光源を使用することができる;製造すべきパーツと
適合するイメージを生成する必要はない。これは,パーツの層を粉末堆積の間に静電的に
イメージングすることができるからである。
【0043】
図25は,造形面における粉末512を撮像するためのカメラ511,又はその他の視覚的フ
ィードバック機構を使用するフィードバックシステムを示す。幾つかの配合及び形態では
,粉末に樹脂を注入する際に暗色化が生じ,これをカメラ511により検出すれば注入プロ
セスが完全かつ均一であることを検証することができる。この検証は,イメージング装置
110によるイメージングに先立って注入が完了したことの保証の一助となるものである。
カメラ511を使用しない場合には,既定量の樹脂を粉末512の層内に注入しても,必要とさ
れる樹脂量についての予測誤差の大きさ又は強度によっては粉末512が過剰又は不適切に
注入される懸念がある。
【0044】
図26及び図27は,部品と,無駄な粉末を減少させる改良を前述した粉末SFF方法
に施して部品を製造する方法を示す。前述した方法では,造形エリア内にある全ての粉末
に樹脂が注入される。一旦粉末が樹脂と混合すると,その粉末を将来使用のために回収す
るのが困難であり得る。多くの粉末,特に金属粉末やセラミック粉末は非常に高価であり
,無駄な材料や製造コストを削減する観点から,造形プロセスの間に樹脂が注入される粉
末の量を制限するのが有利である。
【0045】
前述したSFF方法におけると同様に,樹脂注入チャネル604を有する造形プラットフ
ォーム602を使用して,その表面に堆積させた樹脂を注入可能とする。この造形プロセス
の形態において,スキン606のイメージングを行う。スキンは中実であり,その境界を越
えての樹脂の浸透を許容しない。スキン606は,レーザモジュールをデジタル変調させる
ことによりイメージングを行い,これにより中実(すなわち,無孔質)の境界層を形成す
る。一般的に,これは本明細書に開示するラスター機構によって,あるいはプロジェクタ
やガルバノメータ等の二次的イメージング機構を使用して達成することができる。スキン
606の機能は,製造手段から独立している。スキン606は,造形プラットフォーム602の表
面に沿って開始し,造形プロセスの間に形成されている物体600及び支持構造610に対して
,造形プラットフォーム602におけるどの孔から樹脂を供給するかを規制する。この場合
,物体600及び支持構造610はいずれも多孔質であり,製造プロセスの間にこれらを通して
の樹脂の流れを許容する。製造プロセスの間に中実スキン606を使用する利点は,相当量
の注入されなかった粉末608が存在し,これを回収して次の造形プロセスで使用し得るこ
とである。レーザ照射により粉末を融解させてパーツを製造する従来の粉末ベースの製造
において,この融解プロセスの熱的効果は残留粉末の有用性に悪影響を及ぼす。次の造形
において品質を維持するため,往々にして,未使用の粉末は完全に廃棄する必要が生じる
。微細スケールの金属粉末は非常に高価であり,この製造方法は,造形プロセス後に使用
されなかった相当量の粉末を回収して,製造プロセスにおける無駄及びコストを削減可能
とするものである。このような結果を達成するために使用されるイメージングプロセスに
ついては,図41図44に関連して後述する。
【0046】
他の態様において,図28図32に示すように,本主題は,前述した多孔質イメージ
ング技術の利点を活用して中実プラスチック部品(粉末複合部品ではない。)を製造する
ために使用可能な別のSFF方法を提供する。部品620は造形プラットフォーム602上で製
造され,造形プラットフォーム602は,造形面において樹脂を注入するための注入チャネ
ル604を使用するものである。このプロセスは,イメージング用のアクセスウィンドウ626
を有する造形チャンバ内に封じ込めることができる。アクセスウィンドウ626は,造形プ
ロセスで使用される樹脂を硬化させ得る適宜の光学的イメージングシステムによるイメー
ジングのためのアクセスを許容するために透明であるが,造形チャンバ624内における雰
囲気を制御可能とするために化学的には不透性とされている。
【0047】
前述した方法におけると同様に,部品620は,中実スキン628を有する多孔質構造とする
ことができる。しかしながら,前述した方法によって形成される粉末複合構造とは対照的
に,粉末は存在せず,液状樹脂の新たな層が,部品610を通して樹脂を頂部イメージング
面まで圧送することにより製造され,ここで液体表面628が形成される。このプロセスの
利点は,新たな樹脂層の形成プロセスを加速できることである。これは,新たにイメージ
ングされた層が造形バットの底部に積み重ねられず,前述した倒立造形形態において慣用
的であった,次の層の形成前の剥離が必要とされないからである。この場合,表面張力に
より液体層628が造形中の部品620の頂面で維持される;これは,後述するように,形成さ
れる層の幾何学的形態に影響を及ぼしかねない。
【0048】
図33及び34は,二次的な支持流体634を造形チャンバ630に対して支持流体ポート63
2経由で添加する別の実施形態を示す。支持流体は,一般的には,使用される樹脂に対し
て非混和性であって,使用される樹脂よりも低密度であり,造形中の物体620の頂部から
の樹脂の溢流を防止することができる。更に,支持流体は,液面628の形成に際しての幾
何学的エッジ効果を緩和するように選択することができる。
【0049】
図35は,大気制御を使用して造形チャンバ630内における酸素濃度を増加させる更な
る実施形態を示す。溶解した酸素は,光硬化性樹脂において通常使用される自由ラジカル
重合を阻害する。この追加的な酸素は,重合が殆んど,又は全く生じない重合デッドゾー
ン638を生成する。従って,新たな造形層は,一般的には液体層628の活性ゾーンのみに生
じる。大気中の酸素は,重合を少なくとも部分的に阻止するに適切ではあるが,酸素濃度
を増加させて活性ゾーン及びデッドゾーンの厚さを制御するのが有利な場合がある。この
場合,支持流体634も酸素バリアとして作用し,液体層628内における潜在的な酸素濃度勾
配エッジ効果を抑制する。代替的に,酸素濃度勾配エッジ効果が部品精度を,特定用途に
対する所要精度を下回らせるものではないと判断される場合には,図28~32に示した
実施形態において大気酸素制御を利用することもできる。
【0050】
図36は,造形プラットフォーム602を通して樹脂を供給して,中実スキン622を有する
多孔質パーツ620を形成する更なる実施形態を示す。この場合,溢流樹脂がパーツ620を包
囲する。樹脂に対して非混和性であり,所望の粘性と光学的及び熱的特性を有する充填流
体627を,入口ポート621のアレーを通して供給し,排出ポート623を通して造形チャンバ
から排出する。この充填流体627は,溢流樹脂625とイメージングウィンドウ626の間のギ
ャップを満たす。充填流体627は,幾つかの実施形態においては水で,又は所要の特性を
有するその他の流体で構成することができる。前述した支持流体634が,使用される樹脂
よりも高い密度を有するように選択されるのとは対照的に,充填流体627は,使用される
樹脂よりも低い密度を有するように選択することができる。このようにして,支持流体63
4はパーツ620周りでの造形チャンバ630内のスペースの大部分を占めるように設計され,
他方,充填流体627は造形チャンバ630が殆んど樹脂で充填される状況下で使用できるもの
であり,充填流体627は溢流樹脂625の頂部を横切って流れ,これにより造形中のパーツ62
0の頂部における新たな樹脂の均一な分布を担保するように設計することができる。
【0051】
更に,幾つかの実施形態において,充填流体627は,イメージングプロセスの間に生成
される熱エネルギを吸収するように構成する。光硬化性樹脂を使用する迅速製造の間,相
当量の熱が生成され,その熱は造形中のパーツ620の機械的特性に悪影響を及ぼしかねな
い。この問題は,充填流体627を追加してこのプロセスのための冷却媒体として作用させ
ることにより解消することができる。所与の流体における特定の冷却能力は,樹脂と冷却
流体との相互作用に応じて変化する;特定の樹脂のためには,特定の流体がより適当であ
り得る。冷却流体は,冷却効果を最適化する(最も低い界面熱抵抗とする)と共に,粘性
の相互作用を活用して樹脂の分布を補助するように選択すべきである。このイメージング
において,充填流体627は溢流樹脂625とイメージングウィンドウ626との間のギャップを
完全に満たすものであるが,幾つかの実施形態において,充填流体627は溢流樹脂625とイ
メージングウィンドウ626との間にエアギャップを介在させることもできる。一般的に,
エアギャップがなければ,材料層のイメージングを行うために光学エネルギが通過しなけ
ればならない光学的界面の数が減少し,光学エネルギの乱れや精度低下の懸念が払拭され
るが,流体627の特性や造形チャンバ624を通過する際の速度によってはエアギャップが望
ましい場合がある。
【0052】
本主題の他の態様において,図37図40は,ボトムアップ型の造形システムを使用
する別の実施形態を示し,これは図3~10について前述した実施形態と類似するもので
ある。ボトムアップ型の造形形態における主たる課題の一つは,イメージングすべき新た
な層のためにパーツの下側に新たな樹脂を流入可能とする前に,硬化した材料層を造形バ
ットの底部から剥離させる必要性である。この形態において,造形バット410の底部は二
層,すなわち剛性透明ウィンドウ413と,この剛性ウィンドウに対してギャップ(例えば
エアギャップ)を隔てて配置される可撓性透明ウィンドウ411とを含む。パーツ603を可撓
性ウィンドウ411から取り出す際,ウィンドウ411の撓みにより,全体が一度に引き出され
るのではなく,ウィンドウが新たな層から分離され,より穏やかな剥離プロセスが実行可
能となる。幾つかの実施形態において,圧力センサ415をギャップに連通させて配置し,
この圧力センサを使用して可撓性ウィンドウ411と剛性ウィンドウ413との間のギャップ内
における空気体積の間接的な指標とすることにより,どの時点で可撓性ウィンドウ411が
初期位置(非変形位置)に復帰して新たな層がイメージング可能となったかを決定するこ
とができる。
【0053】
剥離に関連する問題を改善するため,幾つかの実施形態においては,前述した実施形態
におけると同様に,造形プラットフォーム602を通して,そして多孔質パーツ603を通して
樹脂を圧送する。パーツ603を通して樹脂を圧送すれば,新たな材料層を形成する際に粘
性抵抗が生じて,この種の製造システムを低速化させる顕著な制約要因になる,という課
題を容易に克服することができる。製造中のパーツ603における多孔質の内部構造により
樹脂に垂直方向の圧力勾配を生じさせ,これにより造形面における流体圧がより低く,造
形プラットフォーム内における造形圧がより高くなる。この圧力勾配を緩和し,部品に生
じ得る応力を低下させるため,1つ又は複数の追加的な樹脂チャネル605を造形プロセス
の間に形成し,かつ,事後処理の間に除去することができる。垂直方向の圧力勾配が完全
に消失できない場合でも,1つ又は複数の追加的な樹脂チャネル605は,圧力を部品の損
傷が生じにくいレベルまで低下させる上で有用な場合がある。ここに示すチャネル605は
中空の樹脂供給路であり,造形中のパーツ603において通常は生じる圧力勾配と対比して
,その高さ方向における樹脂圧損失は無視し得るほどである。この方法は,一般的には,
造形プラットフォーム602を通して樹脂を供給して多孔質部品を製造する,前述した何れ
の方法及び形態に適用することができる。
【0054】
上述したプラスチック製造方法では,多孔質パーツが製造される。このパーツは,その
内部に残留する流体を硬化させるための事後効果を必要とすることがあり得る。代替的に
,残留する液状樹脂を排出し,他のポリマーをパーツに充填して硬化させることができる
。そのポリマーは,所要の機械的特性を発現するように選択される光硬化性樹脂,エポキ
シ樹脂又はその他の充填剤で構成することができる。更に,パーツの多孔性は,部品の焼
損特性が部品内部における材料の削減によって顕著に改善されるインベスト鋳造プロセス
において有利な場合がある。
【0055】
他の態様において,本主題は,中実立体造形法により物体を形成するための方法を提供
する。使用されるSFF方法の種類の如何を問わず,必要とされる空孔率は,光硬化性材
料に対する照射の制御によって達成することができる。例えば,幾つかの実施形態におい
て,光硬化性材料を照射するために使用されるイメージング装置を,造形中の物体の断面
における選択された部分(例えば40~70%未満)のみのイメージングを行うように作
動させることができる。特に,図41図44は,図3図10について前述したイメー
ジングシステムを含む多様なイメージングシステムの何れを使用する場合でも生成可能な
ラスターパターンセットを示す。図41は第1層について使用される第1硬化パターン64
0を示し,図42は第2層について使用される第2硬化パターン642を示す。硬化パターン
を適切に選択し,造形プロセスにおいて隣接層間で第1硬化パターン640及び第2硬化パ
ターン642を交互に切り替えるものと仮定すると,最終結果として空孔率が40~60%
を超える格子構造が得られ,流体が容易に通過可能な,構造的に信頼性の高い物体を形成
することができる。硬化させた構造の公称空孔率は60%を超えることとすることができ
るが,前述したように,粉末基体は低い空孔率を有することが望ましい。この技術を粉末
複合製造に適用すると,造形中の物体の複合空孔率は15~25%以下となる可能性が高
い。一般的に,粉末負荷密度が高ければより高品質の部品が得られるが,樹脂の流れが大
幅に抑制されることとなる;従って,造形プロセス及び事後処理の間に部品を損なわない
ための必要最小限の構造的一体性を与えると共に,樹脂の流れに対する抵抗を低減するよ
うに硬化パターンの空孔率を最大化する硬化パターンを使用するのが望ましい。
【0056】
図43は,図28図32について前述したプラスチック製造方法に適用されるこれら
の硬化パターンを示す。この方法は,多孔質の内部構造650周りの中実スキン652を硬化さ
せるものである。この硬化方法は,図3図10について前述したシステムを含む,1つ
又は複数のプログラム可能な光源を使用して達成することができる。代替的に,各種のプ
ログラム可能な光源の何れかを単独で,又は組合わせて使用することにより,所望の硬化
パターンを達成することもできる。図44は,図26及び図27について前述した複合製
造方法に適用されるこれらの硬化パターンを示す。前述したように,境界層654により部
品を中実スキン652から分離させた状態で,多孔質構造650のイメージングを行う。注入さ
れなかった粉末656は,後の使用のために回収される。この場合,スキンは,境界層に沿
う流体流路として作用する。造形中の物体が,通常は支持構造を必要とするオーバーハン
グ領域を有する場合,これは,樹脂のオーバーハング領域への注入を許容する流体流れ構
造で置き換えることができ,これらを支持するための支持構造を取付ける必要はなくなる
。それでもスキンは使用されなかった粉末を回収するために樹脂の流れを制御し,スキン
と造形中の物体との間の境界部は,物体を支持粉末(注入された粉末及び注入されなかっ
た粉末の両者)により支持可能とし,造形中の物体に直接結合される物理的な支持体を必
要としない。その結果,物体の表面は,他のSLA製造プロセスでは典型的とされていた
,支持材料との結合部による傷を有しない。スキン652及び物体650の分離により,注入の
ための追加的な流体流が生じ,これにより,部品を焼結やその他の処理に先立って浄化す
る際に必要とされる事後処理の工数を減少させることができる。
【0057】
図45は,前述した粉末複合又は多孔質ポリマー製造方法及び形態の何れについても適
用可能な硬化パターンを示す。幾つかの場合,部品を複数の多孔質サブセクション657, 6
58で構成するのが望ましいことがある。これらのセクション657, 658を分割する壁659が
十分に薄くて,後続層内における樹脂の流れを不当に制約するものでないと仮定すると,
これは,前述した製造方法及び形態に大幅な変更を加えなくとも実施することができる。
このようなイメージング方法が有利である幾つかの適用例が存在する。例えば,射出成形
のためのツールを印刷する場合,往々にして,射出成形の間におけるツール温度を制御す
るための共形的な冷却チャネルを形成するのが望ましい。これらの多孔質サブセクション
は,工具性能を向上するための共形的な冷却チャネルとして使用することができる。更に
,印刷された部品の異なるセクションにおいて異なる機械的特性が望ましい場合には,前
述した事後処理の間に部品に注入を行う方法に改良を施すことができる。多孔質サブセク
ションは,硬化しなかった樹脂を排出し,異なる材料を注入することにより,可撓性,剛
性,靭性,強度,あるいは印刷されたパーツの特定領域で望まれるその他の物理的特性を
高めることができる。印刷されたツールの例において,特定の肉厚を有するツールの内面
により,あるゾーンを画定することができる;このゾーンは,分離された多孔質セクショ
ンとして形成し,耐熱材料を充填することによりツール性能を向上することができる。一
方,この第1ゾーンの外側における追加的なゾーンは,この内側ゾーン周りでの共形的な
冷却チャネルとして形成することができる。
【0058】
図46及び47は,注入された層と第2層との注入の間における相互作用を示す。前述
したように,粉末粒子660は,造形プラットフォーム602上に堆積され,樹脂が注入される
。これらの粒子660間に,より多くの粒子を堆積させ得るギャップとなるメニスカス662が
形成され,これは依然として多孔質構造における粉末を互いに結合させるためにイメージ
ング可能な十分な樹脂を提供する。粉末粒子の第2層664に樹脂を注入し,第2層への注
入プロセスの間に新たなメニスカス666を形成する。このプロセスを,部品全体が形成さ
れるまで反復する。
【0059】
図48は,粉末層への注入及びイメージングを可能とする代替的な方法を示す。造形エ
リアの雰囲気を酸素レベルが高まるように制御すれば,所与の層における各メニスカス66
2において重合デッドゾーンが生じる。これにより,重合が生じ得る表面668が低下する。
この方法の利点は,より多くのスペースに新たな粉末を堆積させ,その際に粉末を互いに
結合させるシステム能力を犠牲にする必要のないことである。これに関連して,このシス
テムは樹脂の流れが阻害されない粉末粒子相互間の安定した結合が可能となり,造形され
た部品における粉末の配置が均一である。これにより,事後処理の間における焼結のため
に最良のグリーンパーツが提供される。
【0060】
図49及び50は,粉末を直接融解させて印刷された部品を製造する別の形態を示す。
従来のレーザ焼結では,レーザガルバノメータを使用して粉末層の部分を融解させること
により部品を製造するが,そのようなシステムは,典型的には10 m/s未満のスキャニン
グ速度しか達成できない。これらの適用例において,熱的な影響を抑制するためにラスタ
ー速度を高めるのが有利であるが,これは解像度の犠牲(例えば,結合プロセスの間にお
ける熱飽和による溶接ビードの発生)を伴う。前述したラスターモジュール150は使用す
るエネルギの波長に対して不応性であるため,適切な屈折材料でプリズム158を構成でき
ると仮定すれば,任意の波長のエネルギを使用することができる。この実施形態において
,ラスターモジュール150からの出射ビーム160は,図3図10について前述したイメー
ジングシステムにおけると同様に,固定ミラー670で反射され,回転アクチュエータ672に
より制御されるパニングミラー674上に入射する。その結果として得られるビームを次に
造形プラットフォーム上の粉末層に亘ってラスターさせ,で示達偏重してパーツの部分の
イメージングを行う。更に,レーザガルバノメータを使用するシステムでは典型的には1
0 m/s未満のスキャニング速度しか達成できないところ,開示されたラスターモジュール
150は100 m/sを超えるスキャニング速度で作動させることができ,その場合でもビー
ム位置のモニタリングにおいて非常に高い精度を維持することができる。
【0061】
図51は,前述した何れかの方法及び形態を使用して粉末複合グリーンパーツを製造す
る方法を示す。前述した方法及び形態において,樹脂は,造形プラットフォームを通して
粉末中に注入される。このプロセスの速度は,その注入プロセスの速度に部分的に依存す
る。この速度は,樹脂に粘度低下剤(VRA)を添加することによって改善することがで
きる。その目的のためには,アルコール等の有機溶媒が適合する場合がある。理想的には
,VRAは蒸気圧が高いので,造形面に露出し,イメージングプロセスの間に熱が生成さ
れる際にVRAが蒸発し,樹脂内におけるVRA濃度が高く,造形面におけるVRA濃度
が低くなる濃度勾配を生成する。
【0062】
図52は,グリーンパーツを製造するための第2方法を示す。前述した方法及び形態に
おいては,グリーンパーツを形成するためにスキンと多孔質の内部構造のイメージングを
行う。一般的に,多孔質の内部構造全体を形成する必要がなく,スケルトン的な内部構造
の形成で足りる場合がある。前述したように,グリーンパーツにおける内部構造の重要な
機能は,製造及び事後処理段階で支持構造を提供することである;この課題に対して適当
であると共に,硬化させるべき材料を最小化し得る構造であれば,いかなる構造であって
も所与の部品のための造形時間を最適化することができる。幾つかの場合,事後硬化を行
って,デバインディング及び焼結プロセスに耐える構造的一体性をグリーンパーツに付与
する必要があり得る。
【0063】
図53は,グリーンパーツを製造するための第3方法を示す。これは,図52について
記載した方法の変形例である。この方法においては,パーツのスキンのみについてイメー
ジングを行う。この方法と,前述した方法との重要な相違点として,この方法においてイ
メージングされる「スキン」は,スキンの内面が,製造中のパーツの外面となるように画
定されことである。スキンのイメージングプロセスでは,造形中のパーツ内部に相当量の
硬化されない樹脂が残留する。この樹脂は,印刷プロセスの完了後にパーツから排出し,
又は吸出すことができ,その結果として得られる部品にはワックス又はその他の結合剤を
注入することができる。スキンは化学的処理により除去することができ,これにより粉末
と二次的な結合剤のみを含むグリーンパーツが得られる。この方法は,光硬化性ポリマー
の焼損特性が最適以下である場合に有利な場合がある。特に,典型的な光硬化性ポリマー
の多くは,インベスト鋳造に使用される場合に,焼損プロセス後に残留する相当の灰分含
有量を有する。この灰分含有量は,典型的には材料の元の体積の端数として測定される。
特に鋳造目的に供される樹脂は,灰分含有量が概ね0.1-0.25%であり得るが,状
況によってはこのレーティングが高すぎると考えられる場合があり,そのような場合には
ワックス又は他の二次的結合剤の使用が望ましいことがある。例えば,PIM製造におい
ては,典型的に,デバインディング又は焼結の間に完全に除去可能な(ずなわち,灰分含
有量が無視できる程度となる)ワックス又は他の結合剤が使用される。良好な焼損特性を
有する幾つかの光硬化性ポリマーが開発されているが,何れもPIM製造において伝統的
に使用されているポリマーと同様の良好な性能を有するものではない;本プロセスは,関
与する全ての材料の利点を取り込んだものである。幾つかの実施形態において,スキンの
イメージングは前述した形態におけると同様に行われ,事後処理前に除去する必要はない
。本方法の最適な実施形態は,使用される結合剤及び粉末に依存する。
【0064】
図54は,図49及び図50に示した形態を使用することにできる多孔質パーツの製造
方法を示す。ぽしまー結合剤で結合されたグリーンパーツを製造する代わりに,本方法は
,粉末原料の直接注入を使用して部分的に焼結させた多孔質部品を製造する。典型的に,
レーザ焼結を行う実施形態においては,焼結の間における材料層の収縮によって相当の内
部応力が生成される。材料層を部分的にのみ焼結させれば,そのような応力の大部分を回
避することができる。これにより,互いに僅かにしか接着していない粉末粒子の配置で構
成されるパーツが得られ,これは前述したグリーンパーツのデバインディングに得られる
ブラウンパーツと同様である。従って,このパーツは同様の態様で事後処理を行って,緻
密化された最終部品を製造可能とするものである。事後処理は均一な加熱を含むため,そ
のプロセスの間に付加的な熱応力が生成されることはない。
【0065】
図55及び56は,焼結プロセスにおける精度を向上する方法を示す。この方法は,焼
結用のブラウンパーツを製造し得る前述した方法及び形態の何れにも適用できるものであ
る。一般的に,グリーンパーツにおいては可及的に高い粉末負荷密度を達成するのが望ま
しい。この密度は,グリーンパーツにおける全体積に対する当該パーツの粉末体積として
算出される。これは,焼結中に相似る収縮量を予測するものでもある。収縮量が大きけれ
ば物体が歪み,精度が損なわれる。一般的に,粉末床注入方法では,約60-65%の粉
末負荷密度が容易に達成可能である。形成及びデバインディングが行われると,ブラウン
パーツが製造される。このパーツは,図49図50及び図54に示した方法及び形態に
よっても製造することができる。このパーツは,体積が密度を約65%とすることができ
る。この初期密度を高めるため,粒子サイズ分布に複数のピークを有するマルチモード粉
末を使用することができる。更に,ブラウンパーツに二次的な注入プロセスを施すことに
より密度を高めることもできる。ブラウンパーツの粉末負荷密度を高めるため,これには
,形成の際に使用される初期粉末と同一材料よりなるナノ粒子を注入することができる。
ブラウンパーツに残される空孔を通して自由流動するに十分な微細度の粒子を導入するに
あたり,支持液体中における粒子懸濁液としてブラウンパーツに流入させ,又は粒子の流
動性を高めるための超音波励振下でブラウンパーツを粒子浴に浸漬することができる。表
面に沿って粒子又は粒子懸濁液を流すことは,研磨的なプロセスである点に留意されたい
。パーツの構造的一体性を保全するため,パーツに初期の部分的な焼結を施して粒子を相
互間で更に結合させると共に,二次的な粒子注入を許容するに十分な空孔率を維持するこ
とが必要ななる場合がある。ブラウンパーツが部分的に焼結して粒子が注入されると,そ
の空孔率(パーツ内における非粉末物質の堆積率)を約35%から約10-12%まで低
下させることができ,これにより緻密なパーツを得るために必要とされる収縮量の低下及
び潜在的な歪みの抑制を達成することができる。
【0066】
粒子物質を追加してグリーンパーツにおける粉末体積率を高める上記の方法は,特に,
成形中のパーツにおける離散的な空孔ゾーンのイメージングを行う前述した方法と組み合
わせたときに有利な効果を発現する。例えば,グリーンパーツにおける異なるゾーンを分
離すれば,完全焼結に先立って特定のセクションに特定の材料を注入することにより,完
成したパーツにおける異なる領域を異なる密度とすることができる。部品は,多孔質の内
部による利益を享受しつつ,緻密なスキンを必要とすることがある;これは,印刷された
金属ツール,特に内部に共形的な冷却チャネルを有するツールにも適用可能である。これ
は,ドリルビット,ミリングビット,ルータビット等のツールにも適用可能であり,これ
らは切削エッジを形成するための完全に緻密化した外面を要すると同時に,ツールを通し
て冷媒を流すために若干の空孔の利点を享受するものである。この場合,冷媒を流出させ
るための出口ポートとして僅かな多孔質領域を残す必要があり,その結果として任意の幾
何学的形態にデジタル的に製造することのできる高性能の切削ツールが得られるものであ
る。
【0067】
前述した方法の多くにおいて,特に,部分的又は完全に緻密化された最終部品に焼結さ
せることのできるグリーンパーツの製造に関連して,主要な造形材料として使用される金
属粉末及びセラミック粉末に言及した。一般的に,この造形プロセスにおいては,任意の
粉末又は粉末ブレンドを使用することができ,その粉末又は粉末ブレンドに適合する所望
の流れ特性を有する任意の樹脂を使用することが可能である。幾つかの付加的な選択肢を
挙げれば,次のとおりである。
【0068】
プラスチック粉末及びグラファイト粉末のブレンドを使用すれば,最終製品に自己潤滑
性を付与することができる。更に,金属粉末及びグラファイト粉末のブレンドを使用すれ
ば,同様の特性を有する最終製品を得ることができる。プラスチック粉末及び金属粉末の
ブレンドを使用し,プラスチックと金属の配合比を5:1とすれば,誘導処理又はマイク
ロウェーブ処理を通じての事後処理により,金属粒子から放出される熱で隣接するプラス
チック粒子同士を更に融着させることができる。所望の事後処理ステップ及び所望の最終
製品に応じて,更なる粉末の組み合わせを造形粉末として,そして更なる粉末の組み合わ
せを支持粉末として使用することができる。
【0069】
本主題は,その精神及び本質的特徴から逸脱することなく,他の形態でも実施し得るも
のである。すなわち,開示された実施形態は,全ての点において例示的であって,限定的
ではないと考えるべきである。本主題を特定の好適実施形態について記載したが,当業者
にとって明白な他の実施形態も本主題の範囲に属する。
図1
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