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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】表示装置及び操作装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 3/60 20060101AFI20221214BHJP
   G11B 19/20 20060101ALI20221214BHJP
   G11B 27/34 20060101ALI20221214BHJP
   G11B 31/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G11B3/60 Z
G11B19/20 Q
G11B27/34 S
G11B31/00 R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021522591
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2019021832
(87)【国際公開番号】W WO2020240855
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼城 七生
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0039245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0148922(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0230175(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0094369(US,A1)
【文献】特開2004-088259(JP,A)
【文献】登録実用新案第3182500(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 3/60
G11B 19/20
G11B 27/34
G11B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコードプレーヤーのターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルとともに回転される回転体と、
前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って前記回転体に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーを表示する表示部と、を備え
前記表示部は、前記回転体の回転中心を中心とする同心円状に配置される複数の発光体を有し、
前記複数の発光体の一部は、前記マーカーを示すことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項に記載の表示装置において、
前記表示部は、前記楽曲の現在の再生位置から前記ポイントまでの時間を、前記複数の発光体のうち、前記マーカーを示す一部の発光体の発光状態によって表示することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
レコードプレーヤーのターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルとともに回転される回転体と、
前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って前記回転体に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーを表示する表示部と、を備え
前記ポイントは、前記楽曲において指定された指定時間によって示され、
前記表示部は、前記楽曲の現在の再生位置から前記指定時間までの時間を残時間とした場合、前記回転体において前記楽曲の現在の再生位置に応じた仮想の再生位置から、前記残時間を前記回転体の回転速度によって除算して得られる剰余に応じた角度の位置に前記マーカーを表示することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項に記載の表示装置において、
前記回転体において前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って設けられ、前記レコードプレーヤーに設けられる磁性体と作用する複数のホール素子を備え、
前記仮想の再生位置は、前記複数のホール素子のうち、前記ポイントに関するポイント情報が受信されたときに前記磁性体とのホール効果によって生じた電気信号を出力するホール素子の配置位置に基づいて設定されることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
レコードプレーヤーのターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルとともに回転される回転体と、
前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って前記回転体に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーを表示する表示部と、
前記回転体に設けられ、外部機器と通信して、前記外部機器から前記ポイントに関するポイント情報を受信する通信部と、
前記回転体に設けられ、前記通信部によって受信された前記ポイント情報に基づく前記マーカーを前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の表示装置と、
前記回転体に設けられ、前記回転体の回転状態を検出する回転検出部と、
前記回転検出部によって検出された前記回転体の回転状態を示す回転情報を送信する送信部と、を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
レコードプレーヤーのターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルとともに回転される回転体と、前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って前記回転体に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーを表示する表示部と、を備える表示装置と、
前記回転体に設けられ、前記回転体の回転状態を検出する回転検出部と、
前記回転検出部によって検出された前記回転体の回転状態を示す回転情報を送信する送信部と、を備えることを特徴とする操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DJ等の操作者によって操作されるジョグダイヤルと、ジョグダイヤルの中央に設けられたジョグ表示部と、を有する光ディスク再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光ディスク再生装置では、ジョグ表示部は、回転数が毎分33回転に設定されているアナログレコードの1回転分の時間分、すなわち、60/33秒分の音声ストリームのオーディオ出力信号を円周上に波形表示する。また、ジョグ表示部は、アナログレコードの回転速度と同じ速度で時計回りにジョグ表示部の円周上を移動するように、再生位置表示を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-141948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、DJには、ジョグダイヤルを有するDJプレーヤー等の機器より、レコードプレーヤーを好むDJが居る。また、レコードプレーヤーを好むDJは、レコード盤において楽曲の節目等の所望の再生位置、いわゆるキューポイントに合わせてシール等を付すマーキングを行うことがある。
一方、レコードプレーヤーのレコード盤の操作情報をコンピューターで読み取り、コンピューター内の楽曲ファイルを再生する商品がある。近年のDJアプリケーションは、楽曲データの所望の位置にキューポイントを予め設定しておき、キューポイント呼び出すことで、瞬時に再生位置をキューポイントに移動することができる。しかし、再生位置をキューポイントに移動した場合、再生位置とレコード盤のマーキングの位置関係がずれてしまう。そのためDJは、アプリケーション上でキューポイントを呼び出す前に、レコード盤のマーキング位置を揃える必要があり、煩雑である。
【0005】
このような煩雑さに対し、例えば、特許文献1に記載の光ディスク再生装置におけるジョグ表示部に、再生中の楽曲データに設定されたキューポイントを、再生位置表示と同様に表示することが考えられる。すなわち、アナログレコードの回転速度と同じ速度で時計回りに、ジョグ表示部の円周上を移動するように、キューポイントを表示させることが考えられる。このような構成では、ジョグ表示部上のキューポイントの位置を、ジョグダイヤルの回転状態に応じて変更する必要がある。
しかしながら、キューポイントは、ジョグダイヤルの回転方向及び回転量が検出された後に移動されることとなるので、ジョグダイヤルの回転に対してキューポイントの移動が遅れやすいという問題がある。この問題は、例えばジョグダイヤルに対してスクラッチ操作が行われた場合に顕著となる。
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、楽曲に設定されたポイントに応じたマーカーを表示できる表示装置及び操作装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る表示装置は、レコードプレーヤーのターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルとともに回転される回転体と、前記回転体の回転中心を中心とする周方向に沿って前記回転体に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーを表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に係る操作装置は、上記表示装置と、前記回転体に設けられ、前記回転体の回転状態を検出する回転検出部と、前記回転検出部によって検出された前記回転体の回転状態を示す回転情報を送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
第1態様に係る表示装置及び第2態様に係る操作装置によれば、楽曲に設定されたポイントに応じたマーカーを表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態における再生システムの構成を示す模式図。
図2】一実施形態における再生装置の構成を示すブロック図。
図3】一実施形態における操作子の外観を示す平面図。
図4】一実施形態における操作子の内部構成を示す模式図。
図5】一実施形態における操作子が有する制御部の構成を示すブロック図。
図6】一実施形態におけるマーカー表示処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[再生システムの概略構成]
図1は、本実施形態に係る再生システム1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係る再生システム1は、図1に示すように、再生装置2と、レコードプレーヤーRPに設けられる固定体4及び操作子5を有する操作装置3とを備える。再生システム1は、レコードプレーヤーRPのターンテーブルRP1に対する操作者の操作に応じた楽曲の再生を行う他、操作者によって予め楽曲データに設定されたキューポイント等のポイントに応じたマーカーを表示する。
以下、再生システム1の各構成について説明する。
【0012】
[再生装置の構成]
図2は、再生装置2の構成を示すブロック図である。
再生装置2は、楽曲データを再生することによって楽曲を再生する他、操作子5から受信される操作情報に基づいて、再生中の楽曲に対して種々の音響効果を付与する。また、再生装置2は、操作子5の後述する表示部52に表示される表示情報を操作子5に送信する。再生装置2は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成できる。
再生装置2は、図2に示すように、端子部21、通信部22、記憶部23、メモリー24及び制御部25を有し、これらがバスラインBLによって接続されている。
【0013】
端子部21は、図示しないマウス及びキーボード等の入力装置が接続される他、再生装置2の操作画面を表示する表示部DPが接続される。端子部21は、接続された入力装置から入力された入力信号を制御部25に出力する他、操作画面の画像信号を表示部DPに出力する。
通信部22は、操作子5等の外部機器と無線にて通信する。例えば、通信部22は、操作子5から受信された操作信号を制御部25に出力する他、制御部25から入力される表示情報を操作子5に送信する。本実施形態では、通信部22と操作子5との通信は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した通信方式によって行われるが、他の通信方式によって行われてもよい。
【0014】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を備えて構成されている。記憶部23は、例えば楽曲データを記憶するとともに、操作者によって楽曲毎に設定されたマーカーを記憶する。
メモリー24は、制御部25によるワークメモリーである。メモリー24には、例えば記憶部23に記憶された楽曲データが一時的に記憶される。
【0015】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路を備えて構成されており、再生装置2を制御する。制御部25は、選択部251、設定部252、再生部253、取得部254及び送信部255を有する。
【0016】
選択部251は、端子部21から入力される入力信号に基づいて、記憶部23に記憶された楽曲データのうち、操作者によって選択された楽曲データを選択する。
設定部252は、選択部251によって選択された楽曲データに対して、端子部21から入力される入力信号に基づいて、操作者によって指定された位置にポイントを設定する。具体的に、設定部252がポイントを設定する際には、設定部252は、選択された楽曲データにおいて指定されたポイントの時間、すなわち、楽曲データにおける指定時間を、当該楽曲データと関連付けて記憶部23に記憶させる。
なお、ポイントとは、操作者によって楽曲データに設定され、楽曲データの頭出しに用いられるキューポイントや、楽曲におけるスクラッチポイントである。ポイントは、1つの楽曲データに対して複数設定することも可能である。
【0017】
再生部253は、操作者によって再生操作が行われた場合に、選択部251によって選択された楽曲データを再生する。この際、再生部253は、通信部22にて受信された操作情報に基づいて、再生中の楽曲データに種々の音響効果を付与する。
取得部254は、再生中の楽曲データに設定されたポイントに関する情報であるポイント情報を取得する。ポイント情報は、楽曲データにおいて再生部253によって再生が開始される再生開始位置の時間と、当該楽曲データに設定されたポイントの時間と、を含む。楽曲データに設定されたポイントの時間は、楽曲データにおいてポイントとして指定された時間(指定時間)である。なお、マーカー情報は、楽曲データにおける再生開始位置からポイントまでの時間を含む情報であってもよい。
送信部255は、取得部254によって取得されたポイント情報を操作子5に送信する。詳しくは後述するが、送信部255によって送信されたポイント情報に基づいて、操作子5がマーカーを表示する。
【0018】
[レコードプレーヤーの構成]
ここで、操作装置3が設けられるレコードプレーヤーRPの一例を説明する。
レコードプレーヤーRPは、図1に示すように、アナログレコード盤(以下、レコード盤と略す)を再生可能に構成されており、コンサートやクラブシーンにおいてDJパフォーマンスを実施可能である。レコードプレーヤーRPは、ターンテーブルRP1、トーンアームRP2、パワースイッチRP3、スタートストップボタンRP4、スピードチェンジボタンRP5、テンポスライダーRP6及びイルミネーターRP7を備える。
【0019】
ターンテーブルRP1は、レコード盤を載置可能な円形状を有し、レコードプレーヤーRPの天面RPSにおける略中央に回転可能に設けられている。ターンテーブルRP1は、レコードプレーヤーRPの内部に収容された図示しないモーターによって回転される。
トーンアームRP2は、天面RPSにおける1つの隅部を中心として、回転可能に設けられている。トーンアームRP2の先端には、ヘッドシェルRP21が設けられている。ヘッドシェルRP21の先端には、レコード盤を再生するレコード針が装着されたカートリッジが取り付けられる。
【0020】
レコード盤に記録された楽曲を再生する場合には、レコード盤が載置されたターンテーブルRP1を一定速度で回転させるとともに、トーンアームRP2の先端に設けられたレコード針をレコード盤に落とす。この状態で、操作者は、ターンテーブルRP1を正逆回転させたり、回転速度を低下させたりすることにより、スクラッチ、ピッチベンド等のDJパフォーマンスを行うことができる。
【0021】
パワースイッチRP3及びスタートストップボタンRP4は、ターンテーブルRP1の左側に設けられている。操作者は、スイッチRP3及びボタンRP4を操作することにより、ターンテーブルRP1を回転させたり、停止させたりすることができる。
スピードチェンジボタンRP5は、スタートストップボタンRP4の右側に設けられている。操作者は、スピードチェンジボタンRP5を操作することにより、ターンテーブルRP1の回転速度をLP盤の再生に適した33RPMに設定でき、また、ターンテーブルRP1の回転速度をEP盤の再生に適した45RPMに設定できる。
【0022】
テンポスライダーRP6は、トーンアームRP2の右側に設けられている。操作者は、テンポスライダーRP6を操作することにより、レコード盤の再生速度を調整できる。
イルミネーターRP7は、ターンテーブルRP1の外周縁右側に設けられている。イルミネーターRP7は、上記レコード針をレコード盤に落とす位置を照明する。
【0023】
[操作装置の構成]
操作装置3は、ターンテーブルRP1に対する操作者の入力操作に応じた操作情報を再生装置2に送信する。具体的に、操作装置3は、ターンテーブルRP1の回転状態を示す回転情報、すなわち、ターンテーブルRP1の回転角、回転方向及び回転速度を含む回転情報を含む操作情報を送信する。
操作装置3は、固定体4及び操作子5を備えて構成される。
【0024】
[固定体の構成]
固定体4は、レコードプレーヤーRPの天面RPSにおいて、ターンテーブルRP1の配置部以外の部位に着脱可能に取り付けられている。すなわち、固定体4は、天面RPSにおいてターンテーブルRP1の配置部以外の任意の位置に取付可能である。
固定体4は、天面RPSから天面RPSの法線方向に起立する起立部41と、起立部41の先端にて屈曲して天面RPSと略平行に延出する延出部42と、を有する略L字状の形成されている。
固定体4は、延出部42の内部に磁性体43を有する。磁性体43は、ターンテーブルRP1に載置される操作子5に設けられたホール素子54に作用する磁界を発生する。
【0025】
[操作子の外観構成]
図3は、操作子5の外観を示す平面図である。
操作子5は、ターンテーブルRP1に載置され、操作者による操作に応じて操作情報を送信する。この他、操作子5は、再生装置2から受信されるポイント情報に基づいて、ポイントに応じたマーカーMKを表示する。すなわち、操作子5は、マーカーを表示する表示装置としての機能も有する。
このような操作子5は、図3に示すように、回転体51と、回転体51にそれぞれ設けられる表示部52及びタッチセンサー53と、を有する。
【0026】
回転体51は、レコード盤と同様の円盤状に形成されている。回転体51は、ターンテーブルRP1に載置され、ターンテーブルRP1とともに回転されて、操作者によって直接操作される。なお、回転体51の直径寸法は、天面RPSに載置された回転体51を天面RPSと対向する位置から見て、固定体4の延出部42の一部が回転体51と重なる程度の大きさである。具体的に、回転体51の直径寸法はLP盤の直径寸法と略一致する。
回転体51は、ターンテーブルRP1の中央に突設されたボスRP11が挿入される孔部511を中央に有する。
【0027】
表示部52は、回転体51における内側の領域に、回転体51の周方向に沿って配置されている。具体的に、回転体51をレコード盤に見立てた場合、表示部52は、レコード盤においてレーベルが貼付される領域の外周に応じた位置に設けられる。
このような表示部52は、複数の発光体521が回転体51の孔部511を中心とする同心円状に隙間なく配列された構成を有する。換言すると、表示部52は、回転体51の回転中心を中心とする同心円状に配置された複数の発光体521を有する。なお、発光体521としては、LED等の固体光源を例示できる。また、発光体521は、回転体51の回転中心を中心とし、数多く設けられていることがより好ましい。
表示部52による表示は、後述する表示制御部60によって制御される。例えば表示部52は、複数の発光体521のうち、一部の発光体521によって上記したポイントに応じたマーカーMKを示す。この際、表示部52は、楽曲データの再生位置からポイントまでの時間を、マーカーMKを示す発光体521の点灯状態によって表示する。
【0028】
タッチセンサー53は、操作者による回転体51への押圧操作(タッチ操作)を検出する。タッチセンサー53は、操作者による押圧操作を検出すると、後述する制御部57に制御信号を出力する。本実施形態では、タッチセンサー53は、回転体51におけるターンテーブルRP1とは反対側の面である表面51Aにおいて、表示部52に対する外側領域の略全面に設けられている。タッチセンサー53のセンシング方式は、静電容量式等、操作者の押圧操作を検出できるものであればよく、タッチセンサー53のセンシング方式は問わない。
【0029】
[操作子の内部構成]
図4は、操作子5の内部構成を示す模式図である。
操作子5は、それぞれ上記した回転体51、表示部52及びタッチセンサー53に加えて、図4に示すように、それぞれ回転体51の内部に設けられたホール素子54、ジャイロセンサー55、通信部56及び制御部57を有する。
【0030】
ホール素子54は、上記した磁性体43とともに、回転体51の回転状態を検出する回転検出部RDを構成する。すなわち、操作装置3は、回転検出部RDを備える。
ホール素子54は、円盤状の回転体51における外縁に沿って等間隔に複数設けられている。換言すると、ホール素子54は、ターンテーブルRP1とともに回転されている回転体51を天面RPSと対向する位置から見て、回転体51において磁性体43と重なる領域に、回転体51の周方向に沿って等間隔に複数設けられている。本実施形態では、ホール素子54の数は、12であるが、ホール素子54の数は適宜変更可能である。
各ホール素子54は、制御部57とそれぞれ個別に接続されている。そして、各ホール素子54は、ターンテーブルRP1とともに回転体51が回転されて、磁性体43に接近した際に、磁性体43にて生じる磁界を受けてホール効果によって生じる起電力を、制御部57に出力する。
【0031】
ジャイロセンサー55は、回転体51の回転状態、ひいては、ターンテーブルRP1の回転状態を検出するものであり、回転検出部RDを構成する。すなわち、ジャイロセンサー55は、回転体51の周方向における角速度、ひいては、ターンテーブルRP1の角速度を検出する。ジャイロセンサー55は、検出した角速度を制御部57に出力する。
通信部56は、制御部57による制御の下、上記した通信方式によって再生装置2と通信する。通信部56は、再生装置2から受信されるポイント情報を制御部57に出力する他、制御部57によって生成された操作情報を再生装置2に送信する。
【0032】
図5は、制御部57の構成を示すブロック図である。
制御部57は、図示しない電池から供給される電力によって駆動する回路素子を備えて構成されるモジュールであり、表示部52の表示等、操作子5の動作を制御する。制御部57は、図5に示すように、解析部58、送信部59及び表示制御部60を有する。
【0033】
解析部58は、各ホール素子54から入力される電気信号と、ジャイロセンサー55から入力される角速度とに基づいて、回転体51の回転状態、すなわち、ターンテーブルRP1の回転状態を解析する。具体的に、解析部58は、回転体51の回転状態として、回転体51の回転角、回転方向及び回転速度を解析する。
例えば、解析部58は、ホール素子54から入力される電気信号の波形を解析することによって回転方向を解析できる。また、解析部58は、回転体51の周方向に沿って等間隔に配置された各ホール素子54のうち、単位時間当たりに電気信号を出力するホール素子54の数に基づいて、回転速度を解析できる。回転角も同様である。また、解析部58は、ジャイロセンサー55から入力される角速度に基づいて、回転体51の回転方向、回転速度及び回転角を解析できる。従って、回転体51の回転状態の解析について言えば、操作子5は、ホール素子54及びジャイロセンサー55のうち少なくともいずれか有していればよい。
そして、解析部58は、各ホール素子54から入力される電気信号に基づいて解析された回転体51の回転状態と、ジャイロセンサー55から入力される角速度に基づいて解析された回転体51の回転状態とのうち、一方を他方の誤差補正に用いる。これにより、解析部58は、回転体51及びターンテーブルRP1の回転状態を、精度よく解析できる。
【0034】
送信部59は、通信部56によって各種情報を無線にて送信する。例えば、送信部59は、ターンテーブルRP1の回転状態を示す回転情報として、解析部58によって解析された回転体51の回転状態を示す回転情報を含む操作情報を送信する。また例えば、送信部59は、タッチセンサー53によって検出された操作者の押圧操作を示す操作情報を送信する。
【0035】
図6は、表示制御部60によって実行されるマーカー表示処理を示すフローチャートである。
表示制御部60は、表示部52による表示を制御する。例えば、表示制御部60は、再生装置2から受信されるポイント情報に基づいて、再生中の楽曲データに設定されたポイントに応じたマーカーMKを表示部52に表示させる。
詳述すると、表示制御部60は、楽曲データにおいて再生部253によって再生が開始される再生開始位置の時間、及び、当該楽曲データに設定されたポイントの時間(指定時間)を含むポイント情報が受信された場合には、図6に示すマーカー表示処理を実行して、マーカーMKを表示部52に表示させる。
【0036】
マーカー表示処理では、まず、表示制御部60が、ターンテーブルRP1とともに回転する操作子5をレコード盤と見なした場合の仮想の再生位置を設定する(ステップS1)。
ここで、操作子5は、ターンテーブルRP1に載置されるものの、トーンアームRP2に設けられたレコード針は操作子5に落とされない。このことから、操作子5をレコード盤と見なした場合の針の位置、すなわち、現在の再生位置を操作者は把握できない。
一方、本実施形態では、レコードプレーヤーRPには、操作子5の一部を覆う固定体4が設けられている。そして、固定体4は、ホール素子54との間でホール効果を生じさせる磁性体43を有する。このため、固定体4の位置をレコード針の位置と見立てると、操作者が操作子5における仮想の再生位置を把握しやすいだけでなく、各ホール素子54から入力される電気信号に基づいて、固定体4の位置を制御部57が特定できる。
このことから、表示制御部60は、各ホール素子54から入力される電気信号に基づいて、操作子5に対する固定体4の位置を特定し、特定した固定体4の位置を仮想の再生位置として設定する。
【0037】
次に、表示制御部60は、受信されたポイント情報に基づいて、再生中の楽曲データにおいて、ポイント情報の受信タイミングでの再生位置、すなわち、現在の再生位置からポイントまでの残時間を算出する(ステップS2)。具体的に、表示制御部60は、ポイント情報に含まれるポイントの時間(指定時間)から、ポイント情報に含まれる再生開始位置の時間を減算することによって残時間を算出する。
なお、このようなステップS2を表示制御部60が実行する理由は、操作者による入力操作に基づいて、再生部253が必ずしも楽曲データの最初から当該楽曲データを再生しないことが考えられるためである。
【0038】
この後、表示制御部60は、表示部52を構成する複数の発光体521のうち、マーカーMKを示すために発光させる発光体521である対象発光体を特定する(ステップS3)。
具体的に、表示制御部60は、ステップS2にて算出された残時間をターンテーブルRP1の回転速度で除算したときの剰余を得る。そして、表示制御部60は、表示部52を構成する複数の発光体521のうち、上記仮想の再生位置から剰余に応じた角度に設けられた発光体521を、対象発光体と特定する。
【0039】
次に、表示制御部60は、対象発光体を発光させて、マーカーMKを示す(ステップS4)。この際、表示制御部60は、残時間を監視し、残時間に応じて対象発光体の発光状態を変化させる。
例えば、残時間が所定の第1閾値より大きい場合には、表示制御部60は、第1周波数で対象発光体を点滅させる。また、残時間が第1閾値以下で、かつ、第1閾値より小さい第2閾値より大きい場合には、表示制御部60は、第1周波数より大きい第2周波数で対象発光体を点滅させる。更に、残時間が第2閾値以下である場合には、表示制御部60は、対象発光体を点灯させる。第2閾値を、例えばターンテーブルRP1の1周に要する時間とすることにより、ターンテーブルRP1が1周する前に、再生位置がポイントに到達することを操作者に認識させることができる。
なお、表示制御部60が変化させる対象発光体の発光状態は、対象発光体の点滅及び点灯に限らない。例えば、発光体521が複数色で発光可能であれば、表示制御部60は、対象発光体の発光色を変化させることによって、発光状態を変化させてもよい。
【0040】
次に、表示制御部60は、ポイント情報が受信されてからの経過時間を計時しており、現在の再生位置がポイントに到達したか否かを判定する(ステップS5)。換言すると、ステップS5では、表示制御部60が、上記残時間が0になったか否かを判定する。
ステップS5の判定処理にて、残時間が0でない、すなわち、ポイントに到達していないと判定すると、表示制御部60は、処理をステップS4に戻す。これにより、対象発光体の発光状態が残時間に応じて制御される。
ステップS5の判定処理にて、残時間が0である、すなわち、ポイントに到達したと判定すると、表示制御部60は、対象発光部を消灯させる(ステップS6)。なお、現在の再生位置がポイントに到達したことを示す情報を再生装置2から操作子5が受信することによって、表示制御部60が、現在の再生位置がポイントに到達したと判定してもよい。また、ステップS6において、表示制御部60が行う点灯制御は、対象発光部を消灯させることに限らない。例えば、発光体521が複数色で発光可能であれば、表示制御部60は、対象発光体の発光色を変化させることによって、発光状態を変化させてもよい。
【0041】
このステップS6が終了されると、表示制御部60は、上記したマーカー表示処理を終了させる。一方、マーカー表示処理の実行中に、再生される楽曲データが変更される等して新たなポイント情報が受信されると、表示制御部60は、現在実行中のマーカー表示処理を終了し、新たに受信されたポイント情報に基づくマーカー表示処理を実行する。
【0042】
なお、ポイントの時間である指定時間を複数含むポイント情報が受信された場合、すなわち、1つの楽曲データに複数のポイントが設定されている場合には、表示制御部60は、それぞれのポイントの時間に対して、ステップS2~S6を実行する。この際、各マーカーMKを示す対象発光体の発光状態を、上記のように変化させることによって、それぞれのマーカーMKを示してもよい。例えば、複数の対象発光体の点灯色を異ならせることによって、各マーカーMKを示してもよい。一方、表示制御部60は、上記残時間が最も小さいマーカーMKのみ表示させてもよい。
また、ポイント情報として、楽曲データにおける再生開始位置からポイントまでの時間を含むポイント情報が受信された場合、すなわち、上記残時間を含むポイント情報が受信された場合には、表示制御部60は、ステップS2を省略できる。
【0043】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る再生システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
表示装置としての操作子5は、レコードプレーヤーRPのターンテーブルRP1に載置され、ターンテーブルRP1とともに回転される回転体51と、回転体51の回転中心を中心とする周方向に沿って回転体51に設けられ、再生される楽曲に予め設定されたポイントに応じたマーカーMKを表示する表示部52と、を備える。
このような構成によれば、表示部52に表示されたマーカーMKを確認することにより、再生中の楽曲データに予め設定されたキューポイントやスクラッチポイント等のポイントの位置を確認できる。従って、レコード盤毎にシールを貼付する等の作業を省略できる他、操作子5、ひいては、ターンテーブルRP1に対する回転操作を実施しやすくすることができる。
また、マーカーは、ターンテーブルRP1とともに回転される回転体51の表示部52によって示されるので、回転体51が載置されたターンテーブルRP1を順方向及び逆方向に回転させるスクラッチ操作を行った場合でも、検出処理や判定処理によって表示が遅延してマーカーの位置がずれることがない。従って、回転体51及びターンテーブルRP1に対する回転操作に依らずに、マーカーを表示できる。
【0044】
表示部52は、回転体51の回転中心を中心とする同心円状に配置された複数の発光体521を有する。複数の発光体521の一部は、マーカーMKを示す。
このような構成によれば、回転される回転体51において、同心円状に配置された複数の発光体521のうち一部の発光体521がマーカーMKを表示する。これによれば、回転体51の1周におけるどの位置にでもマーカーMKを示すことができる。
【0045】
表示部52は、楽曲の現在の再生位置からポイントまでの時間を、複数の発光体521のうち、マーカーMKを示す一部の発光体521の発光状態によって表示する。
このような構成によれば、楽曲の現在の再生位置からポイントまでの時間を、操作者に認識させることができる。従って、操作者がDJパフォーマンスを実施しやすくすることができる。
【0046】
楽曲データに設定されるポイントは、楽曲データにおける指定時間によって示される。表示部52は、楽曲の現在の再生位置から指定時間までの時間を残時間とした場合、回転体51において現在の再生位置に応じた仮想の再生位置から、残時間を回転体51の回転速度、すなわち、ターンテーブルRP1の回転速度によって除算して得られる剰余に応じた角度の位置にマーカーMKを表示する。
このような構成によれば、現在の再生位置に対する上記角度にマーカーMKが示されるので、ターンテーブルRP1に載置される操作子5の回転体51を、シール等のマークが付されたレコード盤と見なすことができる。従って、ターンテーブルRP1を用いたDJパフォーマンスを操作者が実施しやすくなる。
【0047】
操作子5は、回転体51において回転体51の回転中心を中心とする周方向に沿って設けられ、レコードプレーヤーRPに設けられる磁性体43と作用する複数のホール素子54を備える。上記仮想の再生位置は、複数のホール素子54のうち、ポイント情報が受信されたときに磁性体43とのホール効果によって生じた電気信号を出力するホール素子54の配置位置に基づいて設定される。
このような構成によれば、レコードプレーヤーRPに設けられた磁性体43の位置を、レコード盤に落とされるレコード針の位置と見なすことができる。そして、上記のように設定される仮想の再生位置から上記剰余に応じた角度の位置にマーカーMKが示されることにより、ポイントに応じたマーカーMKをより正確な位置に表示できる。
【0048】
操作子5は、通信部56及び表示制御部60を備える。通信部56は、回転体51に設けられ、外部機器である再生装置2と通信して、再生装置2からポイントに関するポイント情報を受信する。表示制御部60は、回転体51に設けられ、通信部56によって受信されたポイント情報に基づくマーカーMKを表示部52に表示させる。
このような構成によれば、楽曲データを再生する再生装置2からポイント情報が受信されるので、現在再生中の楽曲データに設定されたポイントに応じたマーカーMKを表示部52が表示できる。
【0049】
操作装置3は、表示装置として機能する操作子5を備える。すなわち、操作装置3は、回転体51に設けられ、回転体51の回転状態を検出する回転検出部RDと、回転検出部RDによって検出された回転体51の回転状態を示す回転情報を含む操作情報を送信する送信部59と、を備える。上記のように、回転検出部RDは、磁性体43及びホール素子54と、ジャイロセンサー55と、を含む。
このような構成によれば、操作者は、マーカーMKを表示する操作子5を、シール等のマークが付されたレコード盤のように操作することにより、再生装置2の再生部253によって、再生されている楽曲データに種々の音響効果を付与できる。
【0050】
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、表示装置としての操作子5は、ターンテーブルRP1の回転状態を示す回転情報として、操作子5の回転状態を示す回転情報を含む操作情報を送信するとともに、再生装置2から受信されるマーカー情報に基づいて、再生中の楽曲データに設定されたマーカーを表示するとした。しかしながら、これに限らず、操作子5は、操作情報を送信しなくてもよい。例えば、レコードプレーヤーRPが、ターンテーブルRP1の回転状態を示す回転情報、及び、ターンテーブルRP1に対する操作者の押圧操作を検出した検出結果を含む操作情報を送信するのであれば、操作子5は、マーカーの表示のみを行う構成であってもよい。すなわち、少なくとも表示部52及び表示制御部60を備える回転体51を、表示装置として構成してもよい。このような表示装置は、ターンテーブルRP1に載置されたレコード盤の上に更に載置されて利用されてもよい。なお、当該表示装置は、仮想の再生位置を設定する際に利用されるホール素子54と、マーカー情報を受信する通信部56とを有することが好ましい。
【0051】
上記実施形態では、表示部52は、回転体51における内側の領域に設けられるとした。しかしながら、これに限らず、回転体51における外側の領域、例えば、外周縁に設けられていてもよい。
上記実施形態では、表示部52は、回転体51の回転中心を中心とする同心円状に配置された複数の発光体521を有するとした。しかしながら、これに限らず、表示部52は、複数の画素を有する表示パネルであってもよい。この場合でも、マーカーMKを表示可能な領域は、回転体51の回転中心を中心とする同心円状の領域であることが好ましい。
また、マーカーMKを示す発光体521は、1つに限らない。すなわち、マーカーMKは、複数の発光体521によって示されてもよい。
【0052】
上記実施形態では、楽曲における現在の再生位置からポイントまでの残時間を、マーカーMKを示す発光体521の発光状態によって示すとした。しかしながら、これに限らず、マーカーMKを示す発光体521は、残時間に依らずに点灯又は点滅していてもよい。すなわち、残時間は表示されなくてもよい。
また、残時間を別の表示部によって表示することとしてもよく、このような別の表示部を、表示装置である操作子5が備えていてもよい。
更に、残時間は、マーカーMKを示す発光体521である対象発光体とは異なる発光体521によって表示してもよい。この場合、例えば、異なる発光体521が、対象発光体とは異なる色で発光したり、或いは、対象発光体とは異なる周波数で発光したりすることによって、残時間を表示してもよい。
また、マーカーMKを示す発光体521の発光状態を、ポイントの種別に応じた変更してもよい。例えば、キューポイントに対応するマーカーMKを示す発光体521の発光色と、スクラッチポイントに対応するマーカーMKを示す発光体521の発光色とを異ならせてもよい。この場合、再生装置2が送信し、表示装置としての操作子5が受信するポイント情報に、ポイントの種別が含まれていることが好ましい。
【0053】
上記実施形態では、ポイント情報は、外部機器としての再生装置2から無線で送信され、操作子5の通信部56が、ポイント情報を受信するとした。しかしながら、これに限らず、ポイント情報は、再生装置2とは異なる他の外部機器が送信してもよく、操作子5が予め記憶していてもよい。この場合、表示制御部60は、操作子5に予め記憶されているポイント情報のうち、操作者によって選択されたポイント情報に基づいて、マーカーMKを表示部52に表示させてもよい。
【0054】
上記実施形態では、回転体51における仮想の再生位置から、上記残時間を回転体51の回転速度、すなわち、ターンテーブルRP1の回転速度によって除算して得られる剰余に応じた角度に位置する発光体521によって、マーカーMKが示されるとした。しかしながら、これに限らず、表示部52において、マーカーMKを示す発光体521の位置は、他の方法によって規定してもよい。
【0055】
上記実施形態では、仮想の再生位置は、回転体51の周方向に沿って設けられた複数のホール素子54のうち、ポイント情報が受信されたタイミングにて、磁性体とのホール効果によって生じた電気信号を出力したホール素子54の配置位置に応じて設定されるとした。しかしながら、これに限らず、回転体51が、回転体51の回転軸に直交する方向のうち所定の方向を認識可能であれば、回転体51の当該所定の方向における位置を、仮想の再生位置としてもよい。例えば、ターンテーブルRP1に載置された操作子5において、トーンアームRP2のレコード針が落とされる位置を、仮想の再生位置としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…再生システム、2…再生装置、3…操作装置、4…固定体、43…磁性体、5…操作子(表示装置)、51…回転体、52…表示部、521…発光体、53…タッチセンサー、54…ホール素子、55…ジャイロセンサー、56…通信部、57…制御部、58…解析部、59…送信部、60…表示制御部、MK…マーカー、RD…回転検出部、RP…レコードプレーヤー、RP1…ターンテーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6