IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノースロップ グラマン システムズ コーポレイションの特許一覧

特許7194319適応ビームフォーミングのための記号品質推定
<>
  • 特許-適応ビームフォーミングのための記号品質推定 図1
  • 特許-適応ビームフォーミングのための記号品質推定 図2
  • 特許-適応ビームフォーミングのための記号品質推定 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】適応ビームフォーミングのための記号品質推定
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
H04B7/08 420
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020521605
(86)(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 US2018053727
(87)【国際公開番号】W WO2019083690
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】15/793,436
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ペク、アンドリュー、エス
(72)【発明者】
【氏名】トゥルオング、トンプソン
(72)【発明者】
【氏名】エキーワ、オットン
(72)【発明者】
【氏名】カネモリ、ケヴィン
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169060(JP,A)
【文献】特開2007-232269(JP,A)
【文献】特開2005-062782(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053756(WO,A1)
【文献】特開2015-076887(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1757178(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0279287(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01128624(EP,A2)
【文献】国際公開第2017/118337(WO,A1)
【文献】式田潤(他2名),超多素子アンテナシステムにおけるビーム空間チャネル推定の特性評価,電子情報通信学会2017年通信ソサイエティ大会通信講演論文集1,2017年09月15日,p.290
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための方法であって、
ビームフォーミングにより伝達され、ビームを記述する記号の閾値をリアルタイムで計算するステップと、
前記記号のパワーを推定するステップと、
前記閾値を使用し、前記閾値未満のパワーを有する記号を選択するステップと、
前記選択された記号を使用して、2番目からn番目に高いパワーを有する前記選択された記号の平均パワーを計算するステップと、
前記平均パワーを使用して記号品質を推定するステップと、
参照記号を送信するステップと、
前記参照記号の受信するステップと、
受信した前記参照記号と、前記記号品質の推定値の1つ以上を使用して前記記号のうちの1つ以上の重みを計算するステップと
を含む方法。
【請求項2】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための方法であって、
ビームフォーミングにより伝達され、ビームを記述する記号の閾値を計算するステップと、
前記ビームのパワーを以下の式を使用して前記ビームの絶対値として近似することにより前記記号のパワーを推定するステップと、
【数7】

ここで、
【数8】

は、前記推定されたパワーであり、Iは同相チャネルであり、Qは直角チャネルであり、
前記閾値を使用し、前記閾値未満のパワーを有する記号を選択するステップと、
前記選択された記号を使用して、2番目からn番目に高いパワーを有する前記選択された記号の平均パワーを計算するステップと、
前記平均パワーを使用して記号品質を推定するステップと、
参照記号を送信するステップと、
前記参照記号の受信するステップと、
受信した前記参照記号と、前記記号品質の推定値の1つ以上を使用して前記記号のうちの1つ以上の重みを計算するステップと
を含む方法。
【請求項3】
nは7に等しい、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記計算するステップは、各記号について閾値を計算するステップを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記計算するステップは、前記閾値を経時的に更新することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記計算するステップは、前記閾値に関する制御をユーザから受信することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記計算するステップは、地上で前記閾値を計算することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記計算するステップは、前記閾値をリアルタイムで計算することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記計算するステップは、前記ビームを生成する衛星とは別個のプロセッサを使用して、リアルタイムで前記閾値を計算することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値は、各ビームについて同じである請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値は、第2から第n番目の絶対値を有する前記選択された記号について同じである請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記計算するステップは、ビームが発生する領域に従って前記閾値を較正することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記計算するステップは、スライディングウィンドウ方法を使用して、前記スライディングウィンドウ内の最小残存値を除去するステップを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記計算するステップは、前記スライディングウィンドウ内の除去された最小残存値を次に大きい値で置き換えることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記計算するステップは、定数乗算器のためのシフトおよび加算を使用することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
記号が、正規直角位相偏移変調(QPSK)、位相偏移変調(PSK)、振幅および位相偏移変調(APSK)、二値位相偏移変調(BPSK)、差動位相偏移変調(DPSK)、対称差動位相偏移変調(SDPSK)、および直角振幅変調(QAM)信号フォーマットのうちの1つ以上を使用して計算される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項17】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための装置であって、
記号の品質を推定するように構成された記号品質推定部であって、
ビームフォーミングにより伝達される記号の閾値をリアルタイムで推定するように構成された閾値推定部と、
前記記号のパワーを調整するように構成され、前記閾値推定部に動作可能に接続されたパワー調整部と、
前記記号のパワーを推定するように構成され、前記パワー調整部および前記閾値推定部に動作可能に接続された記号パワー推定部と、
記号を選択し、閾値推定部に動作可能に接続された記号選択部と、
を含む前記記号品質推定部と、
基準記号を送信し、かつ前記基準記号を受信るように構成された品質推定部と、
前記記号品質推定部および前記品質推定部に動作可能に接続され、記号品質推定値の1つ以上を使用して記号重みを計算するように構成された記号重み計算部と
を含む装置。
【請求項18】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための装置であって、
記号の品質を推定するように構成された記号品質推定部であって、
ビームフォーミングにより伝達される記号の閾値を推定するように構成された閾値推定部と、
前記記号のパワーを調整するように構成され、前記閾値推定部に動作可能に接続されたパワー調整部と、
ビームのパワーを以下の式を使用して前記ビームの絶対値として近似することにより前記記号のパワーを推定するように構成され
【数7】

ここで、
【数8】

は、前記推定されたパワーであり、Iは同相チャネルであり、Qは直角チャネルであり、前記パワー調整部および前記閾値推定部に動作可能に接続された記号パワー推定部と、
記号を選択し、閾値推定部に動作可能に接続された記号選択部と、
を含む前記記号品質推定部と、
基準記号を送信し、かつ前記基準記号を受信するように構成された品質推定部と、
前記記号品質推定部および前記品質推定部に動作可能に接続され、記号品質推定値の1つ以上を使用して記号重みを計算するように構成された記号重み計算部と
を含む装置。
【請求項19】
前記記号重み計算部は、前記記号選択部を介して前記記号品質推定部に動作可能に接続される、請求項17又は請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための方法は、ビームを記述する記号の閾値を計算するステップと、前記記号のパワーを推定するステップと、前記閾値を使用し、前記閾値未満のパワーを有する記号を選択するステップと、前記選択された記号を使用して、2番目からn番目に高いパワーを有する前記選択された記号の平均パワーを計算するステップと、前記平均パワーを使用して記号品質を推定するステップと、参照記号を送信するステップと、前記参照記号の受信するステップと、受信した前記参照記号を使用してアルファ品質を推定し、前記記号品質の推定値および前記アルファ品質推定値のうちの1つ以上を使用して前記記号のうちの1つ以上の重みを計算するステップとを含む。
【0005】
適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装を実行するための装置は、記号の品質を推定するように構成された記号品質推定部であって、記号の閾値を推定するように構成された閾値推定部と、前記記号のパワーを調整するように構成され、前記閾値推定部に動作可能に接続されたパワー調整部と、前記記号のパワーを推定するように構成され、前記パワー調整部および前記閾値推定部に動作可能に接続された記号パワー推定部と、記号を選択し、閾値推定部に動作可能に接続された記号選択部と、を含む前記記号品質推定部と、基準記号を送信し、前記基準記号を受信し、かつ、送信された前記基準記号および受信された前記基準記号を使用して、品質推定パラメータアルファ(α)を推定するように構成されたアルファ品質推定部と、前記記号品質推定部および前記アルファ品質推定部に動作可能に接続され、記号品質推定値およびアルファ品質推定値のうちの1つ以上を使用して記号重みを計算するように構成された記号重み計算部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は様々な代表的な実施形態をより完全に説明するために使用される視覚的表現を提供し、本明細書で開示される代表的な実施形態およびそれらの固有の利点をより良く理解するために当業者によって使用され得る。これらの図面において、同様の参照番号は、対応する要素を識別する。
【0007】
図1】適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のための装置のブロック図である。
図2】適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のために装置によって使用される記号品質推定部の概略図である。
図3】適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本明細書では1つ以上の特定の実施形態を図面に示し詳細に説明する。しかし、本開示は本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明を、示され、説明された特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0009】
多重アンテナビームフォーミングは受信信号性能を最大化するために、特に種々の干渉困難環境において、最適ビーム重みの実時間計算を必要とする。ビーム重み計算は干渉悪環境で効果的に動作するために、高ダイナミックレンジでリアルタイムに高効率で正確な方法で実行される必要がある。本発明の実施形態は、適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のための方法および装置を提供する。より具体的には、本発明の実施形態がハードウェアアーキテクチャのための方法および装置、ならびに高効率のハードウェア実装を伴う性能要件を満たすように構成された複数のアンテナビームフォーミグの実装を提供する。
【0010】
逆行列計算は、ビーム数が増加することにつれて、ハードウェアの実施のために非常に複雑になる。直接逆行列計算は3ビームまでしか実用的でない。しかしながら、アンテナの数が多い場合には、直接逆行列計算はハードウェア実装に適していない数学的形式を伴う。QR分解は、コア処理要素の大規模な時分割を可能にするシストリックトポロジでビーム信号を処理するので、はるかに効率的になる。さらに、本発明の実施形態によれば、ハードウェア設計は、高パワー干渉によって課される高ダイナミックレンジ状況に対処するための機構を含む。この技術は動的スケーリングと可変ビーム結合を含む。
【0011】
例えば、パワーは、以下の式を使用して近似することができる:
【数1】

ここで、
【数2】

は推定パワーであり、Iは同相チャネルであり、Qは直角チャネルである。
【0012】
たとえば、時間の経過とともに閾値を更新することができる。例えば、閾値は、ユーザによって制御可能である。例えば、閾値は、地上で計算することができる。例えば、閾値は、地上でオフラインで計算することができる。例えば、閾値は、経時的に地上から更新することができる。例えば、閾値は、デフォルト値を含むことができる。例えば、閾値は、各ビームについて同じであってもよい。例えば、閾値は、異なるビームに対して異なることができる。例えば、閾値は、ビームが発生する領域に従って較正することができる。例えば、閾値は、プロセッサによってリアルタイムに計算することができる。例えば、閾値は、ビームを生成する衛星とは別のプロセッサによってリアルタイムで計算することができる。
【0013】
図1は、適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のための装置100のブロック図である。
【0014】
装置100は、記号の品質を推定するように構成された記号品質推定部110を備える。例えば、記号品質推定部110は、正規直角位相偏移変調(QPSK)、位相偏移変調(PSK)、振幅および位相偏移変調(APSK)、二値位相偏移変調(BPSK)、差動位相偏移変調(DPSK)、対称差動位相偏移変調(SDPSK)、および直角振幅変調(QAM)信号形式のうちの1つ以上を使用して記号の品質を推定するように構成される。
【0015】
装置100は、品質推定パラメータアルファ(α)を推定するように構成されたアルファ品質推定部120をさらに備える。アルファ品質推定部120は、記号品質推定部110に動作可能に接続される。アルファ品質推定部120は、基準記号を送信するように構成される。アルファ品質推定部120はさらに、基準記号を受信するように構成される。アルファ品質推定部120はさらに、送信された基準記号および受信された基準記号を使用して、品質推定パラメータアルファを推定するように構成される。
【0016】
記号品質推定部110は、記号の閾値を推定するように構成された閾値推定部130をさらに備える。記号品質推定部110は記号パワーを調整するように構成されたパワー調整部140を更に含み、パワー調整部140は閾値推定部130に動作可能に接続されている。
【0017】
記号品質推定部110は記号のパワーを推定するように構成された記号パワー推定部150を更に含み、記号パワー推定部150はパワー調整部140に動作可能に接続され、記号パワー推定部150も閾値推定部130に動作可能に接続される。記号品質推定部110は記号を選択する記号選択部160をさらに備え、記号選択部160は閾値推定部130に動作可能に接続される。記号選択部160は、記号パワーを閾値推定値と比較する比較器を備える。例えば、記号選択部160は、閾値以下のパワーを有する記号を選択する。
【0018】
記号品質推定部110は、記号重み計算部170に動作可能に接続される。例えば、記号品質推定部110は、記号選択部160を介して記号重み付け計算部170に動作可能に接続される。記号重み付け計算部170は、アルファ品質推定部120に動作可能に接続される。記号重み計算部170は、記号品質推定値およびアルファ品質推定値のうちの1つ以上を使用して記号重みを計算するように構成される。
【0019】
図2は、適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のために装置によって使用される記号品質推定部200の概略図である。ビーム210A~210Gはそれぞれ、記号品質推定部200に入射する。
【0020】
記号品質推定部200は、閾値推定部220A~220Gを含む。また、記号品質推定部220は、記号パワー推定部230A~230Gを含む。記号パワー推定部230A~230Gは、記号強度を使用して記号パワーを近似するように構成される。
【0021】
例えば、図示されるように、6ビームの場合、パワー調整部140は定数(この例では6)乗算器のための「シフト及び加算」機能を実行し、この例では記号品質を6で乗算して、閾値推定側での6による除算に対する計算コストを節約する。例えば、積分器は6番目までのパワーの大きさを有する6つの記号の値の合計に維持される。例えば、積分器は6番目までの絶対値の大きさを有する6つの記号の値の合計に維持される。例えば、「スライディングウィンドウ法」はローリングプロセスにおいて残りの記号の最小絶対値を有する記号を除去するために使用される。このローリング「スライディングウィンドウ」プロセスでは除去された記号が次に高い絶対値を有する記号に置き換えられる。例えば、ビームフォーミングは2つのヘッダ記号及び40のペイロード記号を有する「2+40」モードを使用して実行される。例えば、閾値は、2番目からn番目に大きい絶対値を有する記号について同じである。たとえば、nは7である。
【0022】
記号品質推定部200は、比較器240A~240Gを更に含む。少なくとも1つのビームに対して、そして好ましくは各ビームに対して、比較器240A~240Gは、記号パワー推定部230A~230Gによって計算された記号パワーと、閾値推定部220A~220Gによって推定された閾値とを比較する。
【0023】
記号品質推定部200は、加算器250をさらに備える。対応する閾値未満の大きさを有する記号については、比較器240A~240Gがその値を加算器250に送信する。加算器250は、6番目までの大きさの絶対値を有する記号を加算する。プロセスが所与のステップを完了すると、加算器250は、その結果を記号品質推定部200の出力として送信する。
【0024】
図3は、適応ビームフォーミングの効率的なハードウェア実装のための方法300のフローチャートである。方法300におけるステップの順序は、図3に示された順序や、以下の説明に限定されない。いくつかのステップは、最終結果に影響を及ぼすことなく、異なる順序で行うことができる。
【0025】
ステップ310では、ビームを記述する記号に対して閾値が計算される。次に、ブロック310は制御をブロック320に移す。
【0026】
ステップ320において、記号に対するパワーが推定される。例えば、推定は、パワーを絶対値として近似することを含む。次に、ブロック320は制御をブロック330に移す。
【0027】
ステップ330では、閾値を使用して、閾値未満のパワーを有する記号が選択される。次に、ブロック330は制御をブロック340に移す。
【0028】
ステップ340において、選択された記号を用いて、2番目からn番目に高いパワーを有する選択された記号の平均パワーが計算される。次に、ブロック340は制御をブロック350に移す。
【0029】
ステップ350において、平均パワーを使用して、記号品質が推定される。次に、ブロック350は制御をブロック360に移す。
【0030】
ステップ360において、基準記号が送信される。次に、ブロック360は制御をブロック370に移す。
【0031】
ステップ370では、基準記号が受信される。次に、ブロック370は制御をブロック380に移す。
【0032】
ステップ380において、受信された基準記号を使用して、アルファ品質が推定される。次に、ブロック380は、制御をブロック390に移す。
【0033】
ステップ390では、記号品質およびアルファ品質推定値のうちの1つ以上を使用して、記号のうちの1つ以上について重みが計算される。次に、ブロック390はプロセスを終了する。
【0034】
例えば、計算ステップは、以下の式を使用して閾値を計算することを含む。
【数3】

ここで、Iはi番目の記号に対する閾値であり、
【数4】

は、推定記号絶対値であり、δs、thは記号sおよび閾値thを使用して計算した後の推定ビーム絶対値であり、ここで、ビームフォーミングは2つのヘッダ記号および40のペイロード記号を備える「2+40」モードを使用して実行される。
【0035】
例えば、計算ステップは、以下の式を使用してパワーを近似することを含む。
【数5】

ここで、nは7に等しく、ビームフォーミングは2つのヘッダ記号および40のペイロード記号を備える「2+40」モードを使用して実行され、δ2 S, thは記号Sを使用して閾値thについて計算した後推定されたビームパワーであり、Sは記号パワーであり、δs、thは記号Sを使用して閾値thについて計算した後推定されたビーム絶対値であり、
【数6】

は、推定記号絶対値である。
【0036】
本発明の実施形態は例えば、正規直角位相偏移変調(QPSK)、位相偏移変調(PSK)、振幅および位相偏移変調(APSK)、二値位相偏移変調(BPSK)、差動位相偏移変調(DPSK)、対称差動位相偏移変調(SDPSK)、および直角振幅変調(QAM)信号フォーマットを含む、多種多様な文脈に適用することができる。
【0037】
本発明の利点は、広いダイナミックレンジを有するビーム重みの高効率リアルタイム計算を含む。高性能リアルタイム計算は、時間変動干渉の軽減に重大な影響を及ぼす。パワー計算から最高値を除外することは、妨害シナリオにおける閾値計算における極端なバイアスを低減または除去するのに役立ち、性能を改善する。パワーではなく絶対値を推定することにより、計算コストが大幅に節約される。推定された絶対値により、ビーム当たり少なくとも2回の乗算演算のサイジングコストの低減が得られる。
【0038】
上記の代表的な実施形態は例示的な構成における特定の構成要素を用いて説明されてきたが、他の代表的な実施形態が異なる構成および/または異なる構成要素を使用して実装され得ることが、当業者によって理解されるのであろう。例えば、平均パワーを決定するために第2~第n番目の絶対値の大きさを有するビームを使用する代わりに、第3~第n番目の絶対値の大きさを例えば使用することができ、又は別の例として、第1~第6番目の絶対値の大きさを使用することができることは、当業者には理解されるのであろう。
【0039】
本明細書で詳細に説明された代表的な実施形態および開示された主題は例および例示として提示されたものであり、限定として提示されたものではない。当業者であれば、記載された実施形態の形態および詳細に様々な変更を加えることができ、その結果、本発明の範囲内にある同等の実施形態が得られることを理解するのであろう。したがって、上記の説明の主題は例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。

図1
図2
図3