(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
H04Q9/00 371A
H04Q9/00 331A
(21)【出願番号】P 2020502939
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2019005487
(87)【国際公開番号】W WO2019167659
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2018034801
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大崎 大樹
(72)【発明者】
【氏名】保坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 悟
(72)【発明者】
【氏名】村井 宏行
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-187069(JP,A)
【文献】特開2011-075166(JP,A)
【文献】特開2005-012546(JP,A)
【文献】特開2015-068588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を遠隔操作する遠隔操作装置であって、
キートップとスイッチ素子とを備え、利用者による入力操作に基づいて操作信号を発する操作手段と、
この操作手段による前記機器の設定状態を表示する表示手段と、
前記操作手段からの前記操作信号に基づいて、前記機器や前記表示手段へ制御信号を発する制御手段と、
前記スイッチ素子、前記表示手段及び前記制御手段が実装される回路基板と、
この回路基板を収納し、前記操作手段と前記表示手段とが外側から臨むように開口部を有するケースと、
前記ケースの表面の少なくとも一部を覆う板状の透明部材と、
この透明部材を前記ケースに対して着脱可能に固定する固定手段と、
を備え、
前記ケースは、前記回路基板を収納する第1ケースと、前記キートップを収納する第2ケースと、を有し、前記第2ケースが前記第1ケースに対して着脱可能に固定されてなることを特徴とする遠隔操作装置。
【請求項2】
前記固定手段は、前記透明部材と前記ケースとの間に、シート状の意匠部材を介在させた状態で前記透明部材を前記ケースに固定することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記第2ケースは、前記第1ケースに対して着脱可能に固定される固定部を有し、
前記意匠部材は、前記固定部を覆うことを特徴とする請求項2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記透明部材は、前記操作手段を臨む開口孔を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記固定手段は、前記第1ケースに設けられる第1磁石と前記透明部材に設けられる第2磁石とからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線または有線にて通信することで機器を操作するための遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遠隔操作装置は、例えば、操作用スイッチなどを実装する回路基板や、液晶表示パネルなどの表示器等をケース内に収納して構成されるものが一般的であり、例えば、特許文献1に開示されるように、壁面に取り付けられるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、遠隔操作装置のケースは、壁面と同色にすることで、違和感を与えることや目立つことがないように望まれていたため、白色を適用して設計することが多かった。しかしながら、壁面が他の色である、あえて遠隔操作装置を印象付けるなどの目的から、求められる色や柄、模様などを含めた外観デザインが多様化している。
【0005】
そこで本発明の目的は、上述課題に着目し、所望の意匠へ容易に変更可能とする遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠隔操作装置は、
機器を遠隔操作する遠隔操作装置であって、
キートップとスイッチ素子とを備え、利用者による入力操作に基づいて操作信号を発する操作手段と、
この操作手段による前記機器の設定状態を表示する表示手段と、
前記操作手段からの前記操作信号に基づいて、前記機器や前記表示手段へ制御信号を発する制御手段と、
前記スイッチ素子、前記表示手段及び前記制御手段が実装される回路基板と、
この回路基板を収納し、前記操作手段と前記表示手段とが外側から臨むように開口部を有するケースと、
前記ケースの表面の少なくとも一部を覆う板状の透明部材と、
この透明部材を前記ケースに対して着脱可能に固定する固定手段と、
を備え、
前記ケースは、前記回路基板を収納する第1ケースと、前記キートップを収納する第2ケースと、を有し、前記第2ケースが前記第1ケースに対して着脱可能に固定されてなることを特徴とする。
【0007】
さらに望ましくは、前記固定手段は、前記透明部材と前記ケースとの間に、シート状の意匠部材を介在させた状態で前記透明部材を前記ケースに固定することを特徴とする。
【0008】
さらに望ましくは、前記第2ケースは、前記第1ケースに対して着脱可能に固定される固定部を有し、
前記意匠部材は、前記固定部を覆うことを特徴とする。
【0009】
さらに望ましくは、前記透明部材は、前記操作手段を臨む開口孔を有することを特徴とする。
【0010】
さらに望ましくは、前記固定手段は、前記第1ケースに設けられる第1磁石と前記透明部材に設けられる第2磁石とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、所望の意匠へ容易に変更可能とする遠隔操作装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の参考例による遠隔操作装置を示す図である。
【
図2】同参考例における遠隔操作装置の組み付け前の斜視図である。
【
図3】同参考例における制御的な構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態による遠隔操作装置を示す図である。
【
図5】同実施形態における遠隔操作装置の組み付け前の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の遠隔操作装置の実施形態として、空気調和機用のリモートコントローラ(以下、リモコンと記す)に適用したものを例に挙げて、図面を用いて説明する。
【0014】
図1及至
図3は、本発明の参考例としてのリモコンAを示す図である。
図1乃至
図2に示すように、リモコンAは、操作手段1と、表示手段2と、ケース3と、透明パネル(透明部材)4と、固定手段5と、意匠部材6とを備え、
図3に示すように、操作手段1や、表示手段2と、遠隔操作対象となる空気調和機(機器)Bと通信可能に接続される制御手段7をケース3内の回路基板に実装している。
【0015】
操作手段1は、利用者が触れることができるようにキートップを露出する押しボタンスイッチを適用でき、この場合、複数設けられる。キートップには、機能を示す文字やシンボルマークなどの意匠を印刷することもできる。また、操作手段1は、ケース3内の回路基板に実装されたタクトスイッチ素子を備え、利用者の押圧操作に基づくキートップの位置変化に連動してタクトスイッチ素子が作動し、操作信号として制御手段7へ出力できる。
【0016】
表示手段2は、液晶表示素子を用いた表示パネルを適用でき、制御手段7からの制御信号に基づいて所望の表示出力を行うことができる。表示手段2の表示内容は、例えば、空気調和機Bの設定状態や操作ガイド、室内/室外温度や、時刻などを表示できる。また、表示手段2に、透明なタッチパネルで覆うことで、操作手段(入力インタフェース)の一部として兼用することもできる。
【0017】
ケース3は、合成樹脂材からなり操作手段1の電子部品や表示手段2、制御手段7を実装する回路基板を収納する筐体である。また、ケース3は、この場合、板状であり、壁面に取り付ける取り付け面(後面)と反対側に、操作手段1や表示手段2を露出する開口部31を有する操作面32(前面)が設けられる。ケース3は、透明パネル4や意匠部材6を操作面32側に保持するための固定手段5である磁石51を複数保持している。ケース3は、この場合、白色の合成樹脂を適用しているが、透明や半透明の部材を用いたり、表面を鏡面や金属調に加工することもできる。
【0018】
透明パネル4は、アクリル等を用いた透明な合成樹脂を適用でき、ケース3の操作面32に固定手段5を用いて保持される。また透明パネル4は、操作面32側の面が平滑であり、操作面32と略同じ外郭形状をしており、操作手段1を露出するための開口孔41が設けられる。この場合、透明パネル4は、固定手段5を挿通するための孔42や、表示手段2に対応する孔43も設けられている。なお、透明パネル4は、有色の顔料を含む透光性部材であったり、一部に模様または操作機能名、ロゴ、機種名など印刷が施されたものであっても適用できる。
【0019】
固定手段5は、ケース3側に保持される磁石51と、この磁石51に接触し透明パネル4の孔42に挿通可能な外径の胴部52aと、孔42よりも大きな外径の頭部52bを有する金属部材52とからなる。固定手段5は、胴部52aが透明パネル4や意匠部材6の孔に挿通することで、ケース3の操作面32に沿った面方向の各部材4,6の位置決めを行うことができ、また、頭部52bと操作面32とで、透明パネル4や意匠部材6を挟み込むように介在させることで、操作面32に対して水平方向に各部材4,6を保持できる。なお、金属部材52は、図示した形状だけでなく、特に頭部52bにあっては、形状や色、材質など適宜選択することもでき、この場合、意匠部材6との組み合わせにて、デザイン的な自由度を高める効果を期待できる。
【0020】
意匠部材6は、紙や合成樹脂などシート状の部材を適用でき、透明パネル4に対向する面に、模様や色などの意匠を有している。意匠部材6は、透明パネル4とケース3の操作面32との間に、挟まれて平らな状態で保持される。なお、意匠部材6は、透明パネル4と同様に、操作手段1、表示手段2、金属部材52(胴部52a)を挿通するための開口が施されている。
【0021】
制御手段7は、操作手段1や空気調和機Bからの信号に基づいて、表示手段2を駆動したり、空気調和機Bへの設定を促す通信信号を出力することができ、例えば、演算回路や記憶回路、計時回路等を有するマイクロコンピュータを適用できる。この場合、制御手段7は、空気調和機Bと通信するための送受信回路を含み、有線または無線にて利用者の操作に基づく空気調和機Bの遠隔操作を行うことができる。
【0022】
以上の構成にすることで、リモコンAの外観意匠について意匠部材6の影響度合いを大きくすることができ、意匠部材6を利用者の好みに応じて変更することも可能となる。透明パネル4や固定手段5によって、意匠部材6の着脱が容易になるだけでなく、透明パネル4の平滑面によってシート状の部材を平坦にして保持できる作用もある。
【0023】
また、意匠部材6としてシート状であれば適用できるため、例えば、意匠部材6として、リモコンAが取り付けられる壁面に施される壁紙を加工して用いることもでき、壁面との一体感が一層高まるため、デザイン性を向上ができる。また、壁紙などの建材だけでなく、和紙や写真、ポスターなど多様な種類のシート材を選択して適用可能にする作用もある。
【0024】
また、取り外し可能な透明パネル4と意匠部材6とが略同じ形状であるために、外郭や開口孔41等の形状に合わせて、トレース処理、または切り取り加工できるため、意匠部材6としての適用が容易となる。
【0025】
斯かるリモコンAは、空気調和機(機器)Bを遠隔操作するリモコン(遠隔操作装置)Aであって、利用者による入力操作に基づいて操作信号を発する操作手段1と、この操作手段1による空気調和機Bの設定状態を表示する表示手段2と、操作手段1からの前記操作信号に基づいて、空気調和機Bや表示手段2へ制御信号を発する制御手段7と、操作手段1や制御手段7を実装する回路基板と、この回路基板を内蔵し、操作手段1と表示手段2とが外側から臨むように開口部31を有するケース3と、ケース3における操作手段1と表示手段2とを有する操作面32を覆い、この操作面32と対向する平滑面を有する板状の透明パネル4と、この透明パネル4をケース3に対して着脱可能に固定する固定手段5と、を備える。
【0026】
また、固定手段5は、透明パネル4とケース3との間に、シート状の意匠部材6を介在させた状態で透明パネル4をケース3に固定する。
【0027】
したがって、上述したように所望の外観意匠への変更について自由度が高く、変更作業においても容易とする遠隔操作装置となる。
【0028】
また、透明パネル4は、操作手段1を臨む開口孔41を有することによって、操作手段1を操作可能に露出するだけでなく、ケース3の操作面32に対して位置決めを行う作用がある。
【0029】
また、固定手段5は、ケース3に設けられる磁石51と、透明パネル4を挟み込む金属部材52とからなることによって、工具等を使わずに着脱作業が容易となる。
【0030】
次に、本発明の実施形態であるリモコンCについて、
図3及至
図7を用いて説明する。なお、前述の参考例と同一あるいは相当個所には適宜同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0031】
図3及至
図7に示すように、リモコンCは、操作手段1と、表示手段2と、ケース3と、透明パネル(透明部材)4と、固定手段5と、意匠部材6と、制御手段7と、回路基板8と、を備える。制御手段7は、
図3に示すように、遠隔操作対象となる空気調和機(機器)Bと通信可能に接続される。操作手段1と、表示手段2と、制御手段7と、はケース3内の回路基板8に実装される。
【0032】
操作手段1は、キートップ11とタクトスイッチ素子(スイッチ素子)12とを備える。このうち、キートップ11は、後述するケース3の第2ケース34に収納される。タクトスイッチ素子12は、後述するケース3の第1ケース33に回路基板8に実装された状態で収納される。
【0033】
ケース3は、合成樹脂材からなり、操作手段1、表示手段2、制御手段7及びこれらを実装する回路基板8を収納する筐体である。また、ケース3は、本実施形態においては、第1ケース33と、第2ケース34と、を備え、第1ケース33に対して第2ケース34が着脱可能に固定されてなる。
【0034】
第1ケース33は、回路基板8を収納する筐体である。第1ケース33は、この場合、中空の板状であり、壁面に取り付けられる取り付け面(後面)と反対側に、表示手段2を露出する第1開口部331を有する第1操作面332(前面)が設けられる。また、第1ケース33の第1操作面332側には、第2ケース34の外形形状に応じて窪んだ凹部333が設けられている。凹部333には、後述する第2ケース34の鍔部に対応してねじを螺合するねじ穴334が設けられている。また、
図6の部分断面部に示すように、凹部333の底面には回路基板8に実装されるタクトスイッチ素子12とキートップ11との間に位置するように前後方向に移動可能なヒンジ付きキー335が形成されている。また、凹部333の底面にはヒンジ付きキー335に応じた凸部337が形成されたエンボスシート336が配置されている。利用者がキートップ11を押圧操作すると、キートップ11の後方向への位置変化に連動して、凸部337、ヒンジ付きキー335の順に後方向に位置変化し、直接的にはヒンジ付きキー335がタクトスイッチ12を押圧して作動させ、操作信号を制御手段7へ出力する。
図6で示される方向Fは前方向を意味し、方向Bは後ろ方向を意味する。
【0035】
第2ケース34は、キートップ11を収納する筐体である。第2ケース34は、この場合、中空の板状であり、第1ケース33の凹部333に取り付けられる取付面(後面)と反対側に、キートップ11を露出させる第2開口部341を有する第2操作面342(前面)が設けられる。キートップ11は、第2ケース34内にヒンジ(図示しない)を介して前後方向に移動可能に設けられる。また、第2ケース34は、左右両側面から突出する鍔部343が設けられる。鍔部343にはネジ344を挿通する孔部345が設けられており、ネジ344によって第1ケース33に対して着脱可能に固定される固定部として機能する。なお、第2ケース34を第1ケース33に対して着脱可能に固定する方法は任意であり、ネジ344によるほか、磁石やフック等によって固定してもよい。
【0036】
透明パネル4は、本実施形態においては、第1ケース33の第1操作面332に固定手段5を用いて保持される。また透明パネル4は、第1操作面332側の面が平滑であり、操作面1312と略同じ外形形状をしており、キートップ11及び第2ケース34の第2操作面342を露出させる切り欠き部44が設けられている。なお、第2ケース34の第2操作面342は、前後方向の位置(高さ)が透明パネル4の前面と概ね一致するように設けられている。そのため、切り欠き部44を第2ケース34の外形に合わせることにより、透明パネル4を第1ケース33の第1操作面332に対して位置決めすることができる。
【0037】
固定手段5は、本実施形態においては、第1ケース33内に収納される複数の第1磁石53と、透明パネル4に設けられ第1磁石53と対になる複数の第2磁石54とからなる(
図6を参照)。本実施形態においては、第1,第2磁石53,54は、リモコンCの四隅に応じてそれぞれ4個所に設けられ、互いに引き合うように着磁されている。すなわち、固定手段5は、第1,第2磁石53,54の磁力により透明パネル4を第1ケース33の第1操作面332に着脱可能に固定する。なお、固定のための十分な磁力を確保できる場合は、第1,第2磁石53,54の一方を金属部材に置き換えてもよい。
【0038】
意匠部材6は、本実施形態においては、透明パネル4と第1ケース33の第1操作面332との間に挟まれて、平坦な状態で保持される。意匠部材6は、表示手段2を露出させる開口部61と、透明パネル4と同様にキートップ11及び第2ケース34の第2操作面342を露出させる切り欠き部62と、が設けられている。意匠部材6のうち切り欠き部62の左右両側に位置する部分は、第2ケース34の鍔部343と対向し、鍔部343を覆っている。すなわち、意匠部材6が鍔部343を覆うことにより、鍔部343は外部に露出しない。
【0039】
以上の構成にすることで、リモコンCは外観意匠について意匠部材6の影響度合いを大きくすることができ、意匠部材6を利用者の好みに応じて変更することも可能となる。透明パネル4や固定手段5によって、意匠部材6の着脱が容易になるだけでなく、透明パネル4の平滑面によってシート状の意匠部材6を平坦にして保持できる作用もある。
【0040】
また、意匠部材6としてシート状であれば適用できるため、例えば、意匠部材6として、リモコンCが取り付けられる壁面に施される壁紙を加工して用いることもでき、壁面との一体感が一層高まるため、デザイン性を向上ができる。また、壁紙などの建材だけでなく、和紙や写真、ポスターなど多様な種類のシート材を選択して適用可能にする作用もある。
【0041】
また、取り外し可能な透明パネル4と意匠部材6とが略同じ形状であるために、外郭等の形状に合わせて、トレース処理、または切り取り加工できるため、意匠部材6としての適用が容易となる。
【0042】
また、操作手段1のうちキートップ11を収納する第2ケース34を、回路基板8を収納する第1ケース33とは別体としてユニット化した。これにより、キートップ11及び/あるいは第2操作面342についても、利用者の好みに応じて色や意匠を変更することが可能となる。
【0043】
掛かるリモコンCは、空気調和機(機器)Bを遠隔操作するリモコン(遠隔操作装置)Cであって、
キートップ11とスイッチ素子12とを備え、利用者による入力操作に基づいて操作信号を発する操作手段1と、
この操作手段1による空気調和機Bの設定状態を表示する表示手段2と、
操作手段1からの前記操作信号に基づいて、空気調和機Bや表示手段2へ制御信号を発する制御手段7と、
スイッチ素子12、表示手段2及び制御手段7が実装される回路基板8と、
この回路基板8を収納し、操作手段1と表示手段2とが外側から臨むように開口部331,341を有するケース3と、
ケース3の前面の少なくとも一部を覆う板状の透明パネル(透明部材)4と、
この透明パネル4をケース3に対して着脱可能に固定する固定手段5と、
を備え、
ケース3は、回路基板8を収納する第1ケース33と、キートップ11を収納する第2ケース34と、を有し、第2ケース34が第1ケース33に対して着脱可能に固定されてなる。
【0044】
また、固定手段5は、透明パネル4とケース3との間に、シート状の意匠部材6を介在させた状態で透明パネル4をケース3に固定する。
【0045】
したがって、上述したように所望の外観意匠への変更について自由度が高く、変更作業においても容易とする遠隔操作装置となる。
【0046】
また、第2ケース34は、第1ケース33に対して着脱可能に固定される鍔部(固定部)343を有し、
意匠部材6は、鍔部343を覆う。
したがって、固定部が外部に露出することがなく、第2ケース34を別体にしたことによる美観の低下を抑制できる。
【0047】
また、透明パネル4は、操作手段1(キートップ11)を臨む切り欠き部(開口孔)44を有することにより、操作手段1を操作可能に露出するだけでなく、第1ケース33の第1操作面332に対して位置決めを行う作用がある。
【0048】
また、固定手段5は、第1ケース33に設けられる第1磁石53と透明パネル4に設けられる第2磁石54とからなることによって、工具等を使わずに着脱作業が容易となる。
【0049】
なお、本発明の遠隔操作装置を上述した実施の形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。例えば、固定手段として、磁力による結合を置き換えて、ビスによる螺合やフックによる係合、または、これらの組み合わせによって、透明パネル4及び意匠部材6が固定保持されるものであっても良い。
【0050】
また、遠隔操作の対象機器として、空気調和機だけでなく、例えば、給湯機や電灯などを操作するものであってもよく、特に壁面に取り付けられる遠隔操作装置として好適である。
【0051】
また、透明部材として、板状の透明パネル4を示したが、ケース3の壁面への取り付け面以外の面、例えば、側面まで連続して覆う形状の透明部材を適用することもでき、この場合、側面においても、利用者が選択した意匠部材をケースと該透明部材とで挟み込むことで、遠隔操作装置の外観デザインについて自由度をさらに高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、遠隔操作装置に関して、例えば、空気調和機や給湯機、電灯、あるいはシャッターや窓、カーテンなどの開閉装置などの機器を対象にした遠隔操作手段として好適である。
【符号の説明】
【0053】
A、C リモコン(遠隔操作装置)
B 空気調和機(機器)
1 操作手段
11 キートップ
12 タクトスイッチ素子(スイッチ素子)
2 表示手段
3 ケース
31 開口部
32 操作面
33 第1ケース
331 第1開口部
332 第1操作面
34 第2ケース
341 第2開口部
342 第2操作面
4 透明パネル(透明部材)
41 開口孔
42 孔
43 孔
44 切り欠き部
5 固定手段
51 磁石
52 金属部材
52a 胴部
52b 頭部
53 第1磁石
54 第2磁石
6 意匠部材
61 開口部
62 切り欠き部
7 制御手段
8 回路基板