(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ヒートショック防止システム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20221215BHJP
F24F 11/523 20180101ALI20221215BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20221215BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20221215BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221215BHJP
F24F 11/54 20180101ALI20221215BHJP
【FI】
G08B21/24
F24F11/523
F24F11/89
G08B23/00 510E
G08B25/04 K
F24F11/54
(21)【出願番号】P 2018102590
(22)【出願日】2018-05-29
【審査請求日】2021-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】山下 環
(72)【発明者】
【氏名】山谷 千秋
(72)【発明者】
【氏名】望月 計
(72)【発明者】
【氏名】本田 晃久
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-035980(JP,A)
【文献】特開2013-206415(JP,A)
【文献】意匠登録第1601498(JP,S)
【文献】特開2005-083960(JP,A)
【文献】特開2017-122592(JP,A)
【文献】再公表特許第2015/005093(JP,A1)
【文献】特開2005-098990(JP,A)
【文献】特開2005-249441(JP,A)
【文献】特開2000-331273(JP,A)
【文献】特開2018-171269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G06F3/01
3/048-3/04895
3/14-3/153
G08B19/00-31/00
G09G5/00-5/36
5/377-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と第1の無線通信部とを備え、通信用のケーブルを有さない第1の温度測定装置と、
測定した温度を前記第1の温度測定装置に無線送信するための第2の無線通信部を備え、通信用のケーブルを有さない第2の温度測定装置と、
測定した温度を前記第1の温度測定装置に無線送信するための第3の無線通信部を備え、通信用のケーブルを有さない第3の温度測定装置とを備えたヒートショック防止システムであって、
前記第2の温度測定装置及び前記第3の温度測定装置の少なくともいずれか一方は、濡水対策構造を有し、浴室に設置され、
前記第1の温度測定装置は、前記第1の温度測定装置を表す第1の印と、前記第2の温度測定装置を表す第2の印と、前記第3の温度測定装置を表す第3の印とを、前記表示部に表示するように制御する表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記第1の温度測定装置が設置された部屋と、前記第2の温度測定装置が設置された部屋と、前記第3の温度測定装置が設置された部屋とが、温度バリアフリーの状態になっているか否かをユーザに報せる第1の報知部を備え、
前記第1の報知部は、
前記第1の温度測定装置が測定した温度と、前記第2の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合
には、前記表示部における、前記第1の印と前記第2の印との間の
ラインをつながった状態で表示し、当該所定値を超える場合には、前記表示部における、前記第1の印と前記第2の印との間のラインをつながりが切れた状態で表示し、
前記第1の温度測定装置が測定した温度と、前記第3の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合
には、前記表示部における、前記第1の印と前記第3の印との間の
ラインをつながった状態で表示し、当該所定値を超える場合には、前記表示部における、前記第1の印と前記第3の印との間のラインをつながりが切れた状態で表示し、
前記第2の温度測定装置が測定した温度と、前記第3の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合
には、前記表示部における、前記第2の印と前記第3の印との間の
ラインをつながった状態で表示し、当該所定値を超える場合には、前記表示部における、前記第2の印と前記第3の印との間のラインをつながりが切れた状態で表示するヒートショック防止システム。
【請求項2】
前記第1の印と前記第2の印との間のライン、前記第1の印と前記第3の印との間のライン、及び前記第2の印と前記第3の印との間のラインがつながった状態とは、これらのラインの各々における太線と枠線の両方が表示された状態を意味し、
前記第1の印と前記第2の印との間のライン、前記第1の印と前記第3の印との間のライン、及び前記第2の印と前記第3の印との間のラインのつながりが切れた状態とは、これらのラインの各々における太線が表示されず、枠線のみが表示された状態を意味することを特徴とする請求項1に記載のヒートショック防止システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1の温度測定装置が測定した温度、前記第2の温度測定装置が測定した温度、及び前記第3の温度測定装置が測定した温度の少なくとも1つが所定の温度範囲外である場合に、ユーザに報らせる第2の報知部をさらに備え、
前記第2の報知部は、
前記第1の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第1の印を異なる態様で表示し、
前記第2の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第2の印を異なる態様で表示し、
前記第3の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第3の印を異なる態様で表示することを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載のヒートショック防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがヒートショックになるのを防ぐためのヒートショック防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の増加に伴い、政府等から、いわゆるヒートショック対策の必要性が喚起されている。ここで、「ヒートショック」とは、急激な温度変化による血圧の乱高下や脈拍の変動が原因で起こる健康被害(例えば、失神、心筋梗塞または脳梗塞)のことをいう。特に、冬季に、温かいリビング等の部屋と寒い脱衣所及び浴室との間を移動した時に、いわゆるヒートショックが起こり易い。
【0003】
従来のヒートショックを防止するための技術として、浴室の温度を調整するための(浴室)空調システム及び浴室暖房装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-223709号公報
【文献】特開2017-15347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載されている(浴室)空調システム、及び特許文献2に記載されている浴室暖房装置は、大掛かりな設備であり、導入の際に工事が必要であるため、導入に要するコストが高く、しかも、導入のタイミングの自由度が低い(導入のタイミングが、実質的に、住宅の新築時及び改築時に限られてしまう)。しかし、一般的に、浴室空調装置(浴室暖房装置)の設置されていない古い住宅の方が、ヒートショック関連の事故が起こりやすい。従って、ヒートショックを防止するためのシステムは、既存の住宅にも容易に後付けで設置することができるものでなければ、余り意味がない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、既存の住宅にも容易に後付けで設置することができ、しかも、導入に要するコストを抑えつつ、ユーザがヒートショックの状態になるのを防ぐことが可能なヒートショック防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のヒートショック防止システムは、表示部と第1の無線通信部とを備え、通信用のケーブルを有さない第1の温度測定装置と、測定した温度を前記第1の温度測定装置に無線送信するための第2の無線通信部を備え、通信用のケーブルを有さない第2の温度測定装置と、測定した温度を前記第1の温度測定装置に無線送信するための第3の無線通信部を備え、通信用のケーブルを有さない第3の温度測定装置とを備えたヒートショック防止システムであって、前記第2の温度測定装置及び前記第3の温度測定装置の少なくともいずれか一方は、濡水対策構造を有し、浴室に設置され、前記第1の温度測定装置は、前記第1の温度測定装置を表す第1の印と、前記第2の温度測定装置を表す第2の印と、前記第3の温度測定装置を表す第3の印とを、前記表示部に表示するように制御する表示制御部をさらに備え、前記表示制御部は、前記第1の温度測定装置が設置された部屋と、前記第2の温度測定装置が設置された部屋と、前記第3の温度測定装置が設置された部屋とが、温度バリアフリーの状態になっているか否かをユーザに報せる第1の報知部を備え、前記第1の報知部は、前記第1の温度測定装置が測定した温度と、前記第2の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合と前記所定値を超える場合とで、前記表示部における、前記第1の印と前記第2の印との間の表示を異ならせ、前記第1の温度測定装置が測定した温度と、前記第3の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合と前記所定値を超える場合とで、前記表示部における、前記第1の印と前記第3の印との間の表示を異ならせ、前記第2の温度測定装置が測定した温度と、前記第3の温度測定装置が測定した温度との温度差が、所定値以内の場合と前記所定値を超える場合とで、前記表示部における、前記第2の印と前記第3の印との間の表示を異ならせるものである。
【0008】
このヒートショック防止システムにおいて、前記表示制御部は、前記第1の温度測定装置が測定した温度、前記第2の温度測定装置が測定した温度、及び前記第3の温度測定装置が測定した温度の少なくとも1つが所定の温度範囲外である場合に、ユーザに報らせる第2の報知部をさらに備え、前記第2の報知部は、前記第1の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第1の印を異なる態様で表示し、前記第2の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第2の印を異なる態様で表示し、前記第3の温度測定装置が測定した温度が、所定の温度範囲内である場合と前記所定の温度範囲外である場合とで、前記第3の印を異なる態様で表示するようにしてもよい。
【0009】
このヒートショック防止システムにおいて、前記第2の温度測定装置及び前記第3の温度測定装置の少なくともいずれか一方は、表面に防水処理が施された温度センサと、前記温度センサにかかる水滴が、自機の装置外部へ流れ出るように傾斜が設けられたセンサ取付部とをさらに備え、前記第2の無線通信部及び前記第3の無線通信部の少なくともいずれか一方は、密閉されたモジュールに含まれ、前記温度センサからの出力信号を、温度データとして、前記第1の温度測定装置に無線送信し、前記濡水対策構造は、前記温度センサの表面に施された前記防水処理、前記センサ取付部に設けられた前記傾斜、及び前記モジュールの密閉構造であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の温度測定装置、第2の温度測定装置、及び第3の温度測定装置が、いずれも、それぞれの無線通信部(第1の無線通信部、第2の無線通信部、又は第3の無線通信部)を備えるようにすることにより、通信用のケーブルを有さないようにした。これにより、通信用のケーブルの配線工事が不要になるので、第2の温度測定装置及び第3の温度測定装置のうち、濡水対策構造を有する温度測定装置を、浴室に置き、残りの温度測定装置と第1の温度測定装置とを、浴室以外の部屋に置くだけで、システムを導入することができる。従って、既存の住宅にも容易に後付けで設置することができ、しかも、導入に要するコストを抑えることができる。
【0011】
しかも、本発明によれば、第1の報知部が、第1の温度測定装置、第2の温度測定装置、及び第3の温度測定装置のうち、2つの温度測定装置が測定した温度の差(温度差)が、所定値以内の場合と所定値を超える場合とで、これらの温度測定装置を表す印(第1の印、第2の印、及び第3の印のうちの2つの印)の間の表示を異ならせるようにした。これにより、ユーザが、第2の温度測定装置が設置された部屋、及び第3の温度測定装置が設置された部屋に行かなくても、第1の温度測定装置の表示部を見ただけで、第1の温度測定装置が設置された部屋と、第2の温度測定装置が設置された部屋と、第3の温度測定装置が設置された部屋とが、温度バリアフリーの状態になっているか否かを、一目で直感的に分かることができる。従って、上記特許文献1及び2のような大掛かりな設備を備えたシステムと異なり、導入に要するコストを抑えつつ、ユーザがヒートショックの状態になるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態のヒートショック防止システムの概略構成を示す図。
【
図2】同ヒートショック防止システムにおける親機の電気的ブロック構成図。
【
図3】上記親機のCPUにより実現される機能ブロック構成図。
【
図4】同ヒートショック防止システムにおける子機の電気的ブロック構成図。
【
図5】上記親機の表示部における表示エリアを示す図。
【
図6】上記親機の表示部に表示される温度差表示を示す図。
【
図7】上記親機と2つの子機が測定した各温度が、いずれも、快適な温度範囲内で、かつ、これらの各測定温度間の差が、いずれも、5°C以内の場合における、上記温度差表示の表示態様を示す図。
【
図8】上記親機と2つの子機が測定した各温度が、いずれも、快適な温度範囲内であるが、親機と2つ目の子機が測定した測定温度間の差が5°Cを超える場合における、上記温度差表示の表示態様を示す図。
【
図9】1つ目の子機が測定した温度が、快適な温度範囲内に入っていない場合における、上記温度差表示の表示態様を示す図。
【
図10】上記親機の表示モードが湿度表示モードの時における、表示部の表示例を示す図。
【
図11】裏側筐体を取り外した状態の子機の内部構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態によるヒートショック防止システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態によるヒートショック防止システム1は、3つの測定装置、すなわち、親機2(請求項における第1の温度測定装置)と、子機3(請求項における第2の温度測定装置)と、子機4(請求項における第3の温度測定装置)とを備えている。また、親機2は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置である表示部6を備えている。親機2、子機3、及び子機4は、例えば、
図1に示されるように、それぞれ、リビング(ルーム)7、脱衣所8、浴室9に配置される。具体的には、例えば、親機2は、リビング7の壁に掛けられ、子機3と、子機4は、それぞれ、脱衣所8の床と、浴室9の床に置かれる。当然に、親機2はリビング7にある棚又は窓台に置かれてもよく、子機3は脱衣所8にある棚又は窓台に置かれてもよく、子機4は浴室9にある棚又は窓台に置かれてもよい。
図1の例では、子機3、子機4は、それぞれ、自機が置かれた脱衣所8、浴室9の温度及び湿度を測定して、測定した温度及び湿度を、親機2に無線送信する。そして、親機2は、自機が測定したリビング7の温度及び湿度に加えて、子機3及び子機4から無線で受信した脱衣所8及び浴室9の温度又は湿度を、表示部6に表示する。
【0014】
ここで、このヒートショック防止システム1では、親機2、子機3、及び子機4が、いずれも、親機2、子機3、及び子機4の間の通信を、無線通信(例えば、特定小電力無線)で行うようにした。このため、親機2、子機3、及び子機4は、いずれも、通信用のケーブルを有さない。このヒートショック防止システム1では、親機2、子機3、及び子機4を、上記のような構成にしたことにより、通信用のケーブルの配線工事が不要になるので、親機2をリビング、台所等の部屋の壁に掛け、子機3を脱衣所8等の部屋に置き、濡水対策構造を有する子機4を浴室9に置くだけで、システムを導入することができる。従って、このヒートショック防止システム1は、既存の住宅にも容易に後付けで設置することができ、しかも、導入に要するコストを抑えることができる。
【0015】
ヒートショック防止システム1では、親機2、子機3、及び子機4のいずれも、電池を備えることによって電源が供給されてもよく、配置される部屋のコンセント(ソケット)から電源が供給されてもよい。ここで、親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全てが、電池(電池19又は電池39)をさらに備える場合には、電池を備えた親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全てが、電源供給用のケーブルを備える必要がなくなる。そのため、電池を備えた親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全ては、コンセント(ソケット)の位置を考慮することなく配置できるため、親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全ての配置の自由度が高まる。以下に説明するヒートショック防止システム1の実施形態は、親機2、子機3、及び子機4の全てが電池(電池19又は電池39)を備えるものとして説明する。
【0016】
図2は、上記の親機2の電気的ブロック構成を示す。
図2に示されるように、親機2は、上記の表示部6に加えて、装置全体の制御と各種演算を行うCPU10と、自機が配置された部屋(例えば、リビング7)の温度を測定する温度センサ11と、自機が配置された部屋の湿度を測定する湿度センサ12とを備えている。温度センサ11には、例えば、サーミスタ等の半導体温度センサが用いられる。湿度センサ12には、例えば、静電容量変化方式又は、抵抗変化方式の湿度センサが用いられる。これらのうち、静電容量変化方式の湿度センサは、一般的に抵抗変化方式の湿度センサと比較して、応答速度が速く、高温及び低温の環境下でも使用可能であり、しかも、低湿度測定能力に優れているので、湿度センサ12として、静電容量変化方式のものを用いるのが望ましい。また、親機2の本体側部に設けられた操作部13は、ユーザが各種の設定入力を行うためのキーを有している。
【0017】
また、親機2は、子機3及び子機4との間の無線通信を行うための無線通信部14(請求項における第1の無線通信部)を備えている。この無線通信部14は、アンテナ15と通信制御IC16とから構成されている。さらに、親機2は、メモリ17と、電池19(第1の電池)とを備えている。メモリ17は、各種のプログラムとデータを記憶するROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。メモリ17に記憶されているプログラムには、表示部6における画面表示を制御するための表示制御プログラム18が含まれている。電池19は、親機2内の各回路に電源を供給する。
【0018】
図3は、上記の親機2のCPU10により実現される機能ブロックを示す。
図3に示すように、表示制御部21は、第1の報知部22、及び第2の報知部23を備えて(含んで)いる。CPU10内の各ブロック(表示制御部21、第1の報知部22、及び第2の報知部23)の機能は、CPU10がメモリ17に格納された、表示制御プログラム18を実行することにより実現される。ただし、この構成に限られず、例えば、第1の報知部22及び第2の報知部23のブロックの機能の少なくとも一つを、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される個別のハードウェアによって実現してもよい。
【0019】
詳細については後述するが、表示制御部21は、自機(親機2)を表す第1の印と、子機3を表す第2の印と、子機4を表す第3の印とを、表示部6に表示するように制御する。第1の報知部22は、自機(親機2)が設置された部屋(例えば、リビング7)と、子機3が設置された部屋(例えば、脱衣所8)と、子機4が設置された部屋(例えば、浴室9)とが、温度バリアフリーの状態になっているか否かをユーザに報せる。ここで、温度バリアフリーとは、温度差がない状態を表す。なお、「温度差がない」とは、温度差がゼロ(0)の場合に限定されるものではなく、本実施形態では、所定値以上の温度差(例えば、5℃以上の温度差)がない状態を、温度バリアフリーの状態になっているものとして説明する。第2の報知部23は、自機(親機2)が測定した温度、子機3が測定した温度、及び子機4が測定した温度の少なくとも1つが所定の温度範囲外である場合に、ユーザに報せる。
【0020】
図4は、上記の子機3及び子機4の電気的ブロック構成を示す。子機3と子機4の電気的ブロック構成は、同じであるので、以下の説明では、子機3の電気的ブロック構成のみを説明する。
図4に示されるように、子機3は、装置全体の制御と各種演算を行うCPU30と、自機が配置された部屋の温度を測定する温度センサ31と、自機が配置された部屋の湿度を測定する湿度センサ32とを備えている。また、子機3は、親機2との間の無線通信を行うための無線通信部34(請求項における第2の無線通信部)(子機4においては請求項における第3の無線通信部)を備えている。この無線通信部34は、アンテナ35と通信制御IC36とから構成されている。さらに、子機3は、メモリ37と、電池39(第2の電池)(子機4においては第3の電池)とを備えている。メモリ37は、各種のプログラムとデータを記憶するROMと、RAMを含んでいる。電池39は、子機3内の各回路に電源を供給する。
【0021】
次に、
図5を参照して、親機2の表示部6における表示エリアについて説明する。親機2の表示部6における表示エリアは、
図5に示すように、カレンダ・時計表示エリア41、親機2の測定結果表示エリア42、1つ目の子機3の測定結果表示エリア43、及び2つ目の子機4の測定結果表示エリア44に分かれている。カレンダ・時計表示エリア41には、現在の月、日、曜日、時間、及び時計標準電波の受信状況を表す電波時計通信マークが表示される。親機2の測定結果表示エリア42には、親機2が測定した(親機2が設置された部屋の)温度と湿度に加えて、親機2を表す親機マーク46(請求項における「第1の印」)が表示される。なお、親機2の測定結果表示エリア42には、親機2の表示モードが温度表示モードであっても湿度表示モードであっても、親機2が測定した温度及び湿度の双方が表示されている。
【0022】
1つ目の子機3の測定結果表示エリア43には、子機3が測定した(子機3が設置された部屋の)温度又は湿度に加えて、子機3を表す第1子機マーク47(請求項における「第2の印」)と、子機3からの受信電波の強さを表す通信マーク48が表示される。なお、親機2の表示モードが、温度表示モードの時には、測定結果表示エリア43には、
図5に示すように、子機3が測定した温度が表示され、親機2の表示モードが、湿度表示モードの時には、測定結果表示エリア43には、子機3が測定した湿度が表示される。また、子機3が設置された部屋の環境が、季節性インフルエンザにかかり易い環境のときには、
図5に示すように、子機3の測定結果表示エリア43に、インフルエンザ注意レベルマーク49が表示される。なお、
図5の例では表示されていないが、親機2が設置された部屋の環境が、季節性インフルエンザにかかり易い環境のときには、親機2の測定結果表示エリア42にも、インフルエンザ注意レベルマークが表示される。
【0023】
2つ目の子機4の測定結果表示エリア44には、子機4が測定した(子機4が設置された部屋の)温度又は湿度に加えて、子機4を表す第2子機マーク50(請求項における「第3の印」)と、子機4からの受信電波の強さを表す通信マーク51が表示される。なお、親機2の表示モードが、温度表示モードの時には、測定結果表示エリア44には、
図5に示すように、子機4が測定した温度が表示され、親機2の表示モードが、湿度表示モードの時には、測定結果表示エリア44には、子機4が測定した湿度が表示される。また、子機4が設置された部屋の環境が、季節性インフルエンザにかかり易い環境のときには、子機4の測定結果表示エリア44に、インフルエンザ注意レベルマーク52が表示される。
【0024】
また、親機2の表示モードが、温度表示モードの時には、
図6に示すように、表示部6の中央部に、温度差表示61が表示される。この温度差表示61は、親機2が設置された部屋(例えば、リビング)と、子機3が設置された部屋(例えば、脱衣所)と、子機4が設置された部屋(例えば、浴室)とが、快適な温度範囲内で、かつ、温度バリアフリーの状態になっているか否かをユーザに報せるための表示である。親機3のCPU10の表示制御部21(の第1の報知部22及び第2の報知部23)は、親機2、子機3、及び子機4の各測定装置による測定温度と、これらの測定温度間の差(温度差)に応じて、温度差表示61の表示を変化させる(異ならせる)。
【0025】
次に、
図7乃至
図9を参照して、上記温度差表示61の表示態様の詳細について説明する。親機2、子機3、及び子機4が設置された各部屋の室温(親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度)が、いずれも、17°C~28°Cの快適な温度範囲内(請求項における「所定の温度範囲内」に相当)で、かつ、これらの各部屋間の温度差(親機2、子機3、及び子機4が測定した各測定温度間の差)が、いずれも、5°C(請求項における「所定値」に相当)以内の場合、親機2の表示制御部21は、温度差表示61を、
図7に示す態様で表示する。すなわち、この場合には、親機2の表示制御部21(の第1の報知部22及び第2の報知部23)は、親機マーク46、第1子機マーク47、及び第2子機マーク50の全てを点灯させると共に、親機マーク46と第1子機マーク47との間のライン65、第1子機マーク47と第2子機マーク50との間のライン66、及び第2子機マーク50と親機マーク46との間のライン67の全てを、つながった状態で表示する。ここで、「つながった状態」とは、各ライン65、66、67における太線68と枠線69の両方が表示(点灯)された状態を意味する。なお、上記のライン65、ライン66、及びライン67は、それぞれ、請求項における「第1の印と第2の印との間」、「第2の印と前記第3の印との間」、及び「第1の印と記第3の印との間」に相当する。
【0026】
これに対して、親機2、子機3、及び子機4が設置された各部屋の室温(親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度)が、いずれも、17°C~28°Cの快適な温度範囲内であっても、これらの各部屋間の温度差(親機2、子機3、及び子機4が測定した各測定温度間の差)が5°Cを超える場合には、親機2の表示制御部21(の第1の報知部22)は、上記の3つのライン65~67のうち、温度差が5°Cを超えるラインを、(輪の)つながりが切れた状態で表示する。ここで、「つながりが切れた状態」とは、各ライン65、66、67における太線68が表示されず、枠線69のみが表示(点灯)された状態を意味する。例えば、親機2、子機3、及び子機4が設置された各部屋の室温(親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度)が、いずれも、17°C~28°Cの快適な温度範囲内であるが、親機2が設置された部屋と子機4が設置された部屋との温度差(親機2と子機4が測定した測定温度間の差)が5°Cを超える場合には、親機2の表示制御部21(の第1の報知部22)は、
図8に示すように、ライン67を、つながりが切れた状態で表示する。すなわち、親機2の表示制御部21(の第1の報知部22)は、ライン67における枠線69のみを表示する。
【0027】
また、親機2、子機3、及び子機4が設置された各部屋の室温(親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度)が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内に入っていない場合には、親機2の表示制御部21(の第2の報知部23)は、上記の17°C~28°Cの温度範囲内に入っていない部屋に設置された測定装置を表すマークと、このマークから延びるラインを、所定の時間間隔で(例えば、0.5秒毎に)、点滅させる。例えば、子機3が設置された部屋の室温(子機3が測定した温度)が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内に入っていない場合には、親機2の表示制御部21(の第2の報知部23)は、
図9に示すように、子機3を表す第1子機マーク47と、このマークから延びるライン65及びライン66を、点滅させる。この場合に、点滅させられるライン(例えば、
図9中のライン65及びライン66)では、枠線69のみが点滅表示され、太線68は表示されない。なお、親機2の表示制御部21(の第2の報知部23)は、親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内に入っていない場合には、親機2、子機3、及び子機4が測定した各測定温度間の差が5°Cを超えるか否かに関わらず、上記のマークとラインの点滅処理を行う。
【0028】
上記のように、通常(初期設定)では、快適な温度範囲は、17°C~28°Cの範囲に設定されるが、この快適な温度範囲の下限値(17°C)と上限値(28°C)とは、操作部13を用いた指示操作により、17°C~28°Cの間の値に、変更可能であり、ユーザの感覚や、使用(設置)場所に合わせて、快適な温度範囲をカスタマイズすることができる。なお、正確に言うと、上限値は、下限値以上、28°C以下の範囲で、設定(変更)可能である。
【0029】
図10は、親機2の表示モードが湿度表示モードの時における、表示部6の表示例を示す。親機2の表示モードが、湿度表示モードの時には、
図10に示すように、表示部6の中央部には、上記の温度差表示61の代わりに、湿度表示マーク71が表示される。この湿度表示マーク71は、上記の親機マーク46と第1子機マーク47と第2子機マーク50との間を、細線72で結んだものである。なお、上述したように、この湿度表示モードの時には、測定結果表示エリア43と測定結果表示エリア44には、それぞれ、子機3が測定した湿度と、子機4が測定した湿度が表示される。
【0030】
次に、
図11乃至
図14を参照し、浴室9に配置され得ることを想定して、子機4に設けられた濡水対策構造について説明する。
図11は、裏側筐体91(
図12及び
図14参照)を取り外した時の子機4の内部構成を示す。
図11に示すように、子機4の表側筐体81の内部は、仕切り枠86で、センサ取付部83と、モジュール取付部84とに仕切られている。なお、
図14に示すように、子機4の裏側筐体91の内部も、表側筐体81側の仕切り枠86と対になる仕切り枠96で、センサ収納空間93と、モジュール収納空間94とに仕切られている。
【0031】
センサ取付部83には、温湿度センサ82が取り付けられている。この温湿度センサ82は、温度検出素子と湿度検出素子を有するモジュールであり、
図4における温度センサ31と湿度センサ32とを合わせたものである。温湿度センサ82の表面には、例えば、空気は透過するが、水分は通さない防水シート(例えば、樹脂系の防水シート)を貼る等の方法により、防水処理が施されている。なお、
図12に示す側面通気口90、及び
図13に示す表面通気口92は、温湿度センサ82が空気に触れるようにするために設けた通気口である。温湿度センサ82は、側面通気口90及び表面通気口92を通ってセンサ取付部83内部に流入した空気の温度と湿度を測定することにより、子機4が設置された部屋の室温と湿度を測定する。
【0032】
また、
図11に示すように、センサ取付部83(における仕切り枠86)には、温湿度センサ82にかかる水滴が、子機4の装置外部へ流れ出るように、傾斜部85が設けられている。また、
図14に示すように、裏側筐体91のセンサ収納空間93を形成する仕切り枠96にも、傾斜部95が設けられている。これらの傾斜部85と傾斜部95を設けたことにより、子機4のセンサ取付部83(及びセンサ収納空間93)の内部に水が入った場合でも、この水のうち殆どは、
図12に示す側面通気口90のうち、一番下側の側面通気口90から、子機4の装置外部へ流れ出る。従って、子機4のセンサ取付部83の内部に水が入って、温湿度センサ82に水滴がかかった場合でも、温湿度センサ82が水に浸されたままになることを防ぐことができるので、温湿度センサ82が、水温を測定してしまうことを防ぐことができる。
【0033】
また、上記のモジュール取付部84には、モジュール87が、取り付けられている。モジュール87は、アンテナ35と、基板88の表面(
図11で示される基板88の面の反対側の面)側に設けられたIC等の回路とから構成される。このモジュール87は、表側筐体81と、表側筐体81に設けられた仕切り枠86と、裏側筐体91と、裏側筐体91に設けられた仕切り枠96とで密閉されている。
図4で説明した無線通信部34は、上記の密閉されたモジュール87に含まれ、上記の温湿度センサ82からの出力信号を、温度データ及び湿度データとして、親機2に無線送信する。なお、モジュール87(における基板88の表面側)に設けられた回路には、上記の無線通信部34の通信制御IC36に加えて、
図4に示すCPU30とメモリ37とが含まれる。また、
図14に示す電池収納ボックス97は、
図4に示す電池39を収納する。
【0034】
上記の温湿度センサ82の表面に施された防水処理(防水シート添付)、センサ取付部83(における仕切り枠86)に設けられた傾斜(傾斜部85)、裏側筐体91の仕切り枠96に設けられた傾斜(傾斜部95)、及びモジュール87の密閉構造が、子機4に設けられた濡水対策構造である。このような濡水対策構造を採った(設けた)ことにより、子機4は、浴室9において使用することができる。なお、上記の例では、裏側筐体91のセンサ収納空間93を形成する仕切り枠96にも、傾斜部95を設けたが、センサ取付部83を形成する仕切り枠86にだけ、傾斜部を設けるようにしてもよい。また、子機4に設けられた濡水対策構造には、
図11乃至
図13に示す脚89も、含んでもよい。この脚89を設けたことにより、子機4を、浴室内の窪んだ(水が溜まりやすい)場所に置いた場合でも、子機4内の温湿度センサ82及びモジュール87が、水没し難くすることができる。
【0035】
上記のように、本実施形態のヒートショック防止システム1によれば、親機2、子機3、及び子機4が、いずれも、それぞれの無線通信部(無線通信部14又は無線通信部34)を備えるようにすることにより、通信用のケーブルを有さないようにした。これにより、通信用のケーブルの配線工事が不要になるので、濡水対策構造を有する子機4を、浴室9に置き、親機2と子機3とを、浴室9以外の部屋(例えば、リビング7、脱衣所8等)に置くだけで、システムを導入することができる。従って、このヒートショック防止システム1は、既存の住宅にも容易に後付けで設置することができ、しかも、導入に要するコストを抑えることができる。また、親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全てが、電池(電池19又は電池39)をさらに備える場合には、電池を備えた親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全てが、電源供給用のケーブルを備える必要がなくなる。そのため、電池を備えた親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全ては、コンセント(ソケット)の位置を考慮することなく配置できるため、親機2、子機3、及び子機4のいずれか又は全ての配置の自由度が高まる。
【0036】
しかも、本実施形態のヒートショック防止システム1によれば、CPU10の第1の報知部22が、親機2、子機3、及び子機4のうち、2つの測定装置が測定した温度の差(温度差)が、5°C以内の場合と5°Cを超える場合とで、これらの測定装置を表す印(親機マーク46、第1子機マーク47、及び第2子機マーク50)の間の表示(ライン65~67の表示)を異ならせるようにした。これにより、ユーザが、子機3が設置された部屋、及び子機4が設置された部屋に行かなくても、親機2の表示部6を見ただけで、親機2が設置された部屋と、子機3が設置された部屋と、子機4が設置された部屋とが、温度バリアフリーの状態になっているか否かを、一目で直感的に分かることができる。例えば、ユーザは、リビング7に居ながら親機2の表示部6を見るだけで、子機3が配置された脱衣所8又は子機4が配置された浴室9の温度が、親機2が配置されたリビング7よりも5°Cを超えて下回っていることが直感的に分かる。この場合、ユーザは、入浴をするために脱衣所8で服を脱ぐ前、又は浴室9に裸で入室する前に、脱衣所8又は浴室9の温度を上げる判断がしやすくなる。従って、上記特許文献1及び2のような大掛かりな設備を備えたシステムと異なり、導入に要するコストを抑えつつ、ヒートショックの発生を防ぐことができる。
【0037】
また、本実施形態のヒートショック防止システム1によれば、親機2のCPU10(の第2の報知部23)は、親機2が測定した温度が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内である場合と、上記の温度範囲外である場合とで、親機マーク46を異なる態様で表示し、子機3が測定した温度が、上記の温度範囲内である場合と、上記の温度範囲外である場合とで、第1子機マーク47を異なる態様で表示し、子機4が測定した温度が、上記の温度範囲内である場合と、上記の温度範囲外である場合とで、第2子機マーク50を異なる態様で表示するようにした。上記のように、各測定装置(親機2、子機3、及び子機4)が測定した温度が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内であるか否かに基づいて、各測定装置を表す印(親機マーク46、第1子機マーク47、及び第2子機マーク50)を異なる態様で表示するようにしたことにより、各測定装置が測定した温度自体に基づいて、各部屋の温度環境が、ユーザが快適に過ごせるものであるか否かを直感的に分かりやすく報知することができる。
【0038】
さらに、本実施形態のヒートショック防止システム1によれば、子機3と子機4のうち、少なくとも子機4が、表面に防水処理が施された温湿度センサ82と、温湿度センサ82にかかる水滴が自機の装置外部へ流れ出るように傾斜(傾斜部85)が設けられたセンサ取付部83とを備え、子機4の無線通信部34が、密閉されたモジュール87に含まれるようにした。子機4に上記のような濡水対策構造(温湿度センサ82の表面に施された防水処理、センサ取付部83に設けられた傾斜(傾斜部85)、及びモジュール87の密閉構造)を設けたことにより、子機4は、浴室9において使用することができる。
【0039】
変形例:
なお、本発明は、上記の各実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
【0040】
変形例1:
上記の実施形態では、親機2をリビング7、台所等の部屋の壁に掛け、子機3を脱衣所8等の部屋に置き、濡水対策構造を有する子機4を浴室9に置くようにした。けれども、本発明のヒートショック防止システム1における親機2、子機3、及び子機4の設置の方法は、これに限られず、例えば、子機3を脱衣所8等の部屋の壁に掛けてもよいし、子機4を浴室9の壁に掛けてもよい。
【0041】
変形例2:
上記の実施形態では、(1)親機2、子機3、及び子機4のうちの2つの測定装置が測定した温度間の差が、所定値以内で、かつ、(2)これらの測定装置が測定した温度が、いずれも、所定の温度範囲内である場合に、これらの測定装置に相当するマークの間のライン(ライン65、ライン66、又はライン67)を、つながった状態で表示し、上記(1)及び(2)のいずれかの条件が満たされない場合には、上記のラインを、つながりが切れた状態で表示するようにした。けれども、上記(2)の条件が満たされるか否かに関わらず、(1)の条件(親機2、子機3、及び子機4のうちの2つの測定装置が測定した温度間の差が、所定値以内であるという条件)が満たされれば、これらの測定装置に相当するマークの間のライン(ライン65、ライン66、又はライン67)を、つながった状態で表示するようにしてもよい。
【0042】
変形例3:
上記の実施形態では、上記(1)及び(2)の両方の条件が満たされる場合に、これらの測定装置に相当するマークの間のライン(ライン65、ライン66、又はライン67)を、太線68と枠線69の両方が点灯された状態で表示し、上記(2)のみの条件が満たされる場合には、上記のラインを、枠線69のみが点灯された状態で表示するようにし、上記(1)のみの条件が満たされる場合、並びに上記(1)及び(2)の双方の条件が満たされない場合には、上記のラインを、枠線69のみが点滅されるよう表示するようにした。けれども、上記(1)及び(2)の両方の条件が満たされる場合に、これらの測定装置に相当するマークの間のラインを、太線68のみが点灯された状態で表示するようにしてもよいし、上記(1)及び(2)のいずれかの条件が満たされない場合には、上記のラインの太線68及び枠線69のいずれも表示しないように(消灯)してもよい。
【0043】
変形例4:
上記の実施形態では、親機2、子機3、及び子機4が設置された各部屋の室温(親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度)が、17°C~28°Cの快適な温度範囲内に入っていない場合には、上記の17°C~28°Cの温度範囲内に入っていない部屋に設置された測定装置を表すマークと、このマークから延びるラインを、所定の時間間隔で点滅させるようにした。けれども、親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度が、快適な温度範囲内に入っていない場合に、この温度範囲内に入っていない部屋に設置された測定装置を表すマークのみを、所定の時間間隔で点滅させて、このマークから延びるライン(の枠線)を、点灯させるようにしてもよい。また、親機2、子機3、及び子機4が測定した各温度が、快適な温度範囲内に入っていない場合に、この温度範囲内に入っていない部屋に設置された測定装置を表すマークのみに、×印を重ねて表示してもよいし、上記の測定装置を表すマークと、このマークから延びるラインの両方に、×印を重ねて表示してもよい。
【0044】
変形例5:
上記の実施形態では、センサ取付部83に、温湿度センサ82にかかる水滴が、子機4の装置外部へ流れ出るように、傾斜部85を設けた。けれども、必ずしも、センサ取付部に傾斜(部)を設ける必要はない。例えば、温湿度センサを、子機の下部に取り付けて、子機の筐体における、温湿度センサの周囲の側面(筐体下面と筐体側面の下部)に通気口を設ける構成にすれば、上記の実施形態のように、センサ取付部に傾斜(部)を設けなくても、温湿度センサにかかる水滴が、子機の装置外部へ流れ出るようにすることができる。
【0045】
変形例6:
上記の実施形態では、請求項における第1の温度測定装置、第2の温度測定装置、及び第3の温度測定装置が、いずれも、温度と湿度の両方を測定可能な測定装置(親機2、子機3、及び子機4)である場合の例について示した。けれども、本発明のヒートショック防止システムにおける第1の温度測定装置、第2の温度測定装置、及び第3の温度測定装置は、これに限られず、温度を測定することができる装置であればよい。
【符号の説明】
【0046】
1 ヒートショック防止システム
2 親機(第1の温度測定装置)
3 子機(第2の温度測定装置)
4 子機(第3の温度測定装置)
6 表示部
9 浴室
14 無線通信部(第1の無線通信部)
19 電池(第1の電池)
21 表示制御部
22 第1の報知部
23 第2の報知部
34 無線通信部(第2の無線通信部、第3の無線通信部)
39 電池(第2の電池、第3の電池)
46 親機マーク(第1の印)
47 第1子機マーク(第2の印)
50 第2子機マーク(第3の印)
65 ライン(第1の印と第2の印との間)
66 ライン(第2の印と第3の印との間)
67 ライン(第1の印と第3の印との間)
82 温湿度センサ(防水処理が施された温度センサ)
83 センサ取付部
85 傾斜部(傾斜)
87 モジュール