(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】バルブ並びにこれの組み立て方法及び監視方法
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20221215BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20221215BHJP
F16K 5/06 20060101ALN20221215BHJP
F16J 15/3296 20160101ALN20221215BHJP
【FI】
F16K37/00 J
F16K51/00 F
F16K5/06 Z
F16J15/3296
(21)【出願番号】P 2018181720
(22)【出願日】2018-09-27
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】森田 智也
(72)【発明者】
【氏名】薬師神 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】平松 浩司
(72)【発明者】
【氏名】柳田 保昌
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-077741(JP,U)
【文献】実開平01-133570(JP,U)
【文献】特開昭57-082742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 51/00
F16J 15/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口流路および出口流路を連通する連通部を有するバルブボディと、
前記連通部に配設された弁体と、
前記弁体を動かすアクチュエータと、
前記バルブボディを挿通し、前記アクチュエータと前記弁体とを連結するステムと、
前記ステムの周囲
のシール部ではない場所のステムの軸に対する法線方向の圧力を検知できるセンサと、が備えられているバルブ。
【請求項2】
前記センサが
3つ以上備えられ、当該センサが前記ステムの軸の周囲に配されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
入口流路および出口流路を連通する連通部を有するバルブボディと、
前記連通部に配設された弁体と、
前記弁体を動かすアクチュエータと、
前記バルブボディを挿通し、前記アクチュエータと前記弁体とを連結するステムと、
前記ステムの周囲のシール部ではない場所のステムの軸に対する法線方向の圧力を検知できる3つ以上センサと、が備えられているバルブの組み立て方法であって、
前記センサにより検知された各圧力により前記ステムの軸の傾きの大きさと方向を算出し、各センサからの出力に基づいて算出される軸の傾きの大きさが所定値以下になるように調整しながら前記バルブを組み立てるバルブ組み立て方法。
【請求項4】
請求項2に記載のバルブを監視するバルブ監視方法であって、
前記センサにより検知された各圧力により前記ステムの軸の傾きの大きさを算出し、算出された軸の傾きと定められた軸の傾きの許容基準値とを比較して監視することを特徴とするバルブ監視方法。
【請求項5】
コンピュータに格納され、請求項2に記載のバルブのステムの傾きと方向を算出するプログラムであって、前記コンピュータの記憶部には前記ステムの傾きの大きさと方向によって前記センサからの各信号がどのように変化するかを示す予め作成したマップが記憶されており、
センサからの各信号を受信し、対応する受信チャンネルに前記各信号を保存するステップと、
前記各受信チャンネルが実際に受信した信号の組合せのパターンと前記マップとを比較して前記ステムの傾きと大きさを算出するステップと、
算出された前記ステムの傾きの大きさと方向を表示部に表示させるステップと、を有するプログラム。
【請求項6】
請求項2記載のバルブと、前記センサと有線または無線でつながったサーバを有するバルブ監視システムであって、
前記サーバは、前記センサからの各信号を受信するチャンネルを備える受信部と、
前記ステムの傾きの大きさと方向によって各センサの信号がどのように変化するかを予め作成したマップを記憶する記憶部と、
前記受信部の各チャンネルが実際に受信した信号の組合せパターンと、前記マップとを比較して前記ステムの傾きと大きさを算出する演算部とを含み、
前記演算部で算出された前記ステムの傾きの大きさと、定められた軸の傾きの許容基準値とを比較して、ステムの傾きの大きさが前記許容基準値を超えたときに警告を発する発信部を具えていることを特徴とするバルブ監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バルブ並びにこれの組み立て方法及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボール弁等のバルブは、流体の流れを制御するための機器として、製造装置、プラント装置、検査装置等の数多くの製品分野に利用されている。
【0003】
バルブは、入口流路、出口流路を連通する連通部を有するバルブボディと、この連通部に配設されるこの連通部に配設される弁体とを有している。手動バルブの場合は上部に備えられるハンドルによって、自動バルブの場合はモータによって弁体は駆動させられ、ハンドルまたはモータと弁体との間に、ステムと呼ばれる連結部材が介在している。
【0004】
例えば、特許文献1の
図1に記載の自動ボール弁では、流体がバルブ本体1からステム2の軸方向に漏出するのを防止するために、パッキン50がステム2の周囲に設けられている。
【0005】
アクチュエータ61とステム2とはハウジング12とで連結されている。この特許文献の
図1においては、アクチュエータ61の駆動軸とステム2とはできるだけ同軸となるように連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動ボール弁等において、アクチュエータとハウジングの位置合わせが適切でないと、弁体が先端に備えられているステムとアクチュエータの駆動軸の軸が芯ずれを起こすことがある。芯ずれを起こした状態でバルブの開閉をさせると、グランドパッキン等のシール材に偏った応力が発生して、グランドパッキン等のシール部から流体が漏れ出す可能性がある。
【0008】
従来、自動ボール弁等の自動弁の組み立てにおいて、ステムとアクチュエータの駆動軸との軸合わせは、目視手段によって行われてきた。この軸合わせ方法では、作業者によるばらつきが大きく、組み立て後においての軸ずれの程度の検査が困難であった。
【0009】
この発明の目的は、組み立て時にアクチュエータの駆動軸とステムとの軸ずれを検知し、軸ずれが許容範囲であるかの確認を行うことができるバルブ並びにこれの組み立て方法及び監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(1)は、入口流路および出口流路を連通する連通部を有するバルブボディと、前記連通部に配設された弁体と、前記弁体を動かすアクチュエータと、前記バルブボディを挿通し、前記アクチュエータと前記弁体とを連結するステムと、前記ステムの周囲に、ステムの軸に対する法線方向の圧力を検知できるセンサと、が備えられているバルブである。
【0011】
アクチュエータの駆動軸とステムの間に軸ずれがある場合において、アクチュエータの駆動軸を回転させてステムを回転させると、ステムとバルブボディとの間に備えられているセンサは、ステムの軸に対する法線方向の圧力を検知できることから、アクチュエータの駆動軸とステムの間に軸ずれがあることを検知できる。
【0012】
アクチュエータの駆動軸とステムとの間の軸ずれが大きければ大きいほど、アクチュエータの駆動軸を回転させてステムを回転させたときにセンサが検知する最大応力は大きくなるので、軸ずれの程度を検出することができる。この軸ずれの程度が許容範囲であるかどうかを予め定めた基準と比較することによって、バルブの組み立ての合否を判定することができる。
【0013】
本発明(2)は、前記センサが4つ以上備えられ、当該センサが前記ステムの軸の周囲に配されていることを特徴とする本発明(1)に記載のバルブである。
【0014】
4つ以上のセンサがステムの軸の周囲に配されていると、アクチュエータの駆動軸とステムの間の軸ずれがどの方向にずれているかも併せて検知することができる。このように4つ以上のセンサを搭載することで、組み立て時に軸の芯ずれが起きないように組み立てることができるので、組み立て後に軸ずれが許容範囲外で再度分解して組み立て直すという不具合が起こりにくくなる。
【0015】
本発明(3)は、前記センサにより検知された各圧力により前記ステムの軸の傾きの大きさと方向を算出し、各センサからの出力に基づいて算出される軸の傾きの大きさが所定値以下になるように調整しながら本発明(2)に記載のバルブを組み立てるバルブ組み立て方法である。
【0016】
4つ以上のセンサからの信号の大きさと、全てのセンサからの信号のパターンを検知することによって、組み立て時にアクチュエータの駆動軸とステムとをどの方向にどれだけ修正すれば軸ずれを小さくできるかわかるので、このバルブ組み立て方法によれば、軸ずれを小さく抑えたバルブを組み立てることができる。
【0017】
本発明(4)は、本発明(2)に記載のバルブを監視するバルブ監視方法であって、前記センサにより検知された各圧力により前記ステムの軸の傾きの大きさを算出し、算出された軸の傾きと定められた軸の傾きの許容基準値とを比較して監視することを特徴とするバルブ監視方法である。
【0018】
バルブを設置した後において、センサからの信号を検知してモニタリングすることによって、流体の漏れが発生する傾向にないかを事前に知ることができる。これによって、無差別な保守点検ではなく、漏れの可能性のあるバルブを特定して保守することができるので、効率的で無駄のない保守管理をすることができる。
【0019】
本発明(5)は、コンピュータに格納され、本発明(2)に記載のバルブのステムの傾きと方向を算出するプログラムであって、前記コンピュータの記憶部には前記ステムの傾きの大きさと方向によって前記センサからの各信号がどのように変化するかを示す予め作成したマップが記憶されており、センサからの各信号を受信し、対応する受信チャンネルに前記各信号を保存するステップと、前記各受信チャンネルが実際に受信した信号の組合せのパターンと前記マップとを比較して前記ステムの傾きと大きさを算出するステップと、算出された前記ステムの傾きの大きさと方向を表示部に表示させるステップと、を有するプログラムである。
【0020】
このプログラムによれば、4つ以上のセンサからの信号を受信して、その信号の大きさとパターンとを検知し、ステムの傾きの大きさと方向によって各チャンネルの信号がどのように変化するかを示す予め作成され記憶部に記憶されたマップと比較して自動的にステムの傾きの方向と大きさを知ることができる。
【0021】
本発明(6)は、本発明(2)記載のバルブと、前記センサと有線または無線でつながったサーバを有するバルブ監視システムであって、前記サーバは、前記センサからの各信号を受信するチャンネルを備える受信部と、前記ステムの傾きの大きさと方向によって各センサの信号がどのように変化するかを予め作成したマップを記憶する記憶部と、前記受信部の各チャンネルが実際に受信した信号の組合せパターンと、前記マップとを比較して前記ステムの傾きと大きさを算出する演算部とを含み、前記演算部で算出された前記ステムの傾きの大きさと、定められた軸の傾きの許容基準値とを比較して、ステムの傾きの大きさが前記許容基準値を超えたときに警告を発する発信部を備えていることを特徴とするバルブ監視システムである。
【0022】
このバルブ監視システムによれば、センサをバルブに搭載することによって、組み立て後にアクチュエータの駆動軸とステムとの軸ずれに起因するステムの軸の傾きを検知し、その傾きが許容範囲であるかの確認を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明のバルブによると、組み立て時にアクチュエータの駆動軸とステムとの軸ずれを検知し、軸ずれが許容範囲であるか否かの確認を行うことができるバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】実施例1の自動バルブのバルブ本体の拡大図を示す。
【
図3】4つのセンサがステムの周囲に配されている状態を模式的に示す。
【
図4】ステムが軸ずれによって傾いたときに、
図3に示すセンサがどのように圧力を受けるかを模式的にしめす。
【
図5】3つのセンサがステムの周囲に配されている状態を模式的に示す。
【
図6】ステムが軸ずれによって傾いたときに、
図5に示すセンサがどのように圧力を受けるかを模式的にしめす。
【
図7】実施例1の自動バルブを監視する監視システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0026】
図1は、この発明による自動バルブの実施例1を示すものであり、自動バルブ1は、バルブ本体10とアクチュエータ6とその間のハウジング7の3つの構成部分からなっている。
【0027】
図2は、実施例1の自動バルブ1のバルブ本体10の拡大図である。このバルブは、フローティング型ボール弁と呼ばれるものであり、弁体が回転することにより流体の流通が行われる。ボール形状の弁体3は、バルブボディ2の連通部24内に納められ、貫通孔31を有する球形であり、上部にステム4が一体に形成されている。
【0028】
弁座5は弁体3の左右に設けられて弁体3と当接しており、それぞれ皿ばねであるスプリング8が弁体3に付勢している。バルブボディ2は、左右からフランジ9に挟持され、この左右の2つのフランジ9は、ボルト91およびナット92によって締結され、この締結力によって、左右のスプリング8をそれぞれ左右のフランジ9の弁体3側の端面が付勢している。バルブボディ2と左右のフランジ9との間には、流体の漏出を防ぐためのOリング51が、バルブボディ2の左右端面に備えられている。
【0029】
左側のフランジ9の内部には入口流路21が形成され、右側のフランジ9の内部には出口流路22が形成されており、それぞれの流路は、開状態のときに貫通孔31と連通する。ステム4の下部には軸の周囲にバルブボディ2との摺動をスムースにするためのステムベアリング44が配置され、上部に流体の漏出防止のためのグランドパッキン40が配置されている。
【0030】
グランドパッキン40は、外側がテーパー面である円筒状のボトムパッキン46と内側がテーパー面である円筒状のトップパッキン45からなるパッキン部と、トップパッキン45の上部に配置されたパッキンサポート42からなる。なお、パッキン部の形状としてはこれに限らず、様々な断面形状の環状部材が積み重なったものも用いられる。パッキンサポート42の上部にパッキン押え43が備えられている。
【0031】
この実施例1の自動バルブでは、センサ100は、ステム4の外周側のステムベアリング44とバルブボディ2との間に配置されている。
図2では、センサ100は、2箇所しか現れていないが、実際にはステム4の周囲の4箇所に等間隔で配置されている。
【0032】
センサ100は、
図1に示す以外に、ステム4とバルブボディ2との間に配置されてもよいし、その他、ステム4の周囲であってステム4の軸に対する法線方向の圧力を検知できる場所であればいずれの位置に配置されてもよい。
【0033】
センサ100を配置・埋め込む方法は、金属製部材に凹所を設け、その中にセンサを設置して接着剤等を用いて埋め込む方法、凹所にセンサを圧入嵌合する方法、ロウ付けによる方法、粉末冶金焼結による方法などの種々の方法によっておこなうことができるが、それらに限定されることはない。
【0034】
図3は、4つのセンサ100がステム4の周囲に配されている状態を模式的に示すものであり、4つのセンサ100はステム4の周囲であって、ステム4の高さ方向で同じ高さ位置に等間隔(90°間隔)で配置されている。それぞれの位置は、バルブボディ2に対してどの位置に配置するかは予め定められており、それらの位置をCH1(チャンネル1)~CH4(チャンネル4)とする。センサ100は、ステム4に対して法線方向の外方圧力を検知することができる方向に取り付けられている。センサは5つ以上であってもよい。また、
図3に示す実施例では4つのセンサ100は等間隔の回転対称位置に配置されているが、これは計算を容易にするにために過ぎず、センサ間の角度は特に回転対称位置であることに限定されるものではない。
【0035】
図4は、ステム4が軸ずれによって傾いたときに、
図3に示すセンサ100がどのように圧力を受けるかを模式的に示すものである。(A)は、水平方向に圧力Pがかけられた状態を、(B)は、水平から45°上方方向に圧力Pがかけられた状態を、(C)は、水平から90°上方方向に圧力Pがかけられた状態を示している。
【0036】
図4の(A)では、CH1のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向内方に受ける。CH2のセンサ100も、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向内方に受ける。CH3のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向外方に受ける。CH4のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向外方に受ける。法線方向外方の圧力をプラス方向とし、法線方向内方の圧力をマイナス方向とすると、これらのセンサは、法線方向外方の圧力を検知できるので、4つのセンサ100が検知する圧力のパターンは
図4の(A)の下に示すようになる。このパターンが現れたときは、水平右方向の圧力をステム4は受けていると判断できる。
【0037】
図4の(B)では、CH1のセンサ100は、法線方向の圧力を受けない。CH2のセンサ100は、圧力Pと同じ大きさの圧力Pvを法線方向内方に受ける。CH3のセンサ100は、法線方向の圧力を受けない。CH4のセンサ100は、圧力Pと同じ大きさの圧力Pvを法線方向外方に受ける。4つのセンサ100が検知する圧力のパターンは
図4の(B)の下に示すようになる。このパターンが現れたときは、水平右上方向45°の方向の圧力をステム4は受けていると判断できる。
【0038】
図4の(C)では、CH1のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向外方に受ける。CH2のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向内方に受ける。CH3のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向内方に受ける。CH4のセンサ100は、圧力Pのcos(45°)倍の大きさの圧力P
Vを法線方向外方に受ける。4つのセンサ100が検知する圧力のパターンは
図4の(C)の下に示すようになる。このパターンが現れたときは、垂直方向の圧力をステム4は受けていると判断できる。
【0039】
このようにセンサ100が検知する信号の大きさとパターンによって、アクチュエータの駆動軸とステム4の軸心のずれに起因するステム4の受ける応力を検知することができる。
【0040】
図5及び6は、センサ100が負圧を検知できるタイプのセンサを用いたときのセンサの配置とセンサ100からの信号を示している。このタイプのセンサを用いるとセンサの数は3つで検知することが可能となる。この場合においても、センサ100が検知する信号の大きさとパターンによって、アクチュエータの駆動軸とステム4の軸心のずれに起因するステム4の受ける応力を検知することができる。
【0041】
図7は、実施例1の自動バルブ1と監視装置110を有する監視システムを模式的に示したものである。
【0042】
自動バルブ1の4つのセンサ100から検知信号が信号線(符号なし)を経由して監視装置110の受信アンテナ111を経由して受信部112のCH1~CH4に入って、比較部113に送られる。有線の信号線を経由する信号伝達以外に、無線による信号伝達方法によっても良い。なお、受信部112に送られる信号は、検知信号とともにバルブを識別するための信号が送られても良い。
【0043】
比較部113では、CH1~4の信号の大きさとパターンが解析される。解析は、検知した信号の大きさとパターンと、予めステムの傾きの大きさと方向によって各チャンネルの信号がどのように変化するかを予め作成したマップとの比較を行うことによって行われる。この比較によって、自動バルブ1のステム4の軸ずれによる傾きがどのように変化しているかを検知することができる。
【0044】
比較された結果は情報として、監視装置110の表示部114に表示させて確認することができる。さらに、監視システムは、この情報を発信部115に送り、発信アンテナ116からインターネットネットワーク117に電波発信して、集中管理サーバ118に送ることができる。
【0045】
集中管理サーバ118は、設備やプラントの全継手の識別管理が行われており、点検漏れや締め付けが適切でない継手を即座に発見して、警告を発することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ;バルブ
2 ;バルブボディ
3 ;弁体
4 ;ステム
5 ;弁座
6 ;アクチュエータ
7 ;ハウジング
8 ;スプリング
9 ;フランジ
10;バルブ本体
21;入口流路
22;出口流路
24;連通部
31;貫通孔
40;グランドパッキン
42;パッキンサポート
43;パッキン押え
44;ステムベアリング
45;トップパッキン
46;ボトムパッキン
51;Oリング
91;ボルト
92;ナット
100;センサ
110;監視装置
111;受信アンテナ
112;受信部
113;比較部
114;表示部
115;発信部
116;発信アンテナ
117;インターネットネットワーク
118;集中管理サーバ