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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】触媒、触媒製品および触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/85 20060101AFI20221215BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20221215BHJP
   B01J 29/80 20060101ALI20221215BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20221215BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B01J29/85 A ZAB
B01J37/04 102
B01J29/80 A
B01J35/04 301Z
B01D53/94 222
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019092173
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020185540
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】509185192
【氏名又は名称】株式会社 ACR
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】北村 武昭
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0345218(US,A1)
【文献】特開2018-038978(JP,A)
【文献】特開2014-080345(JP,A)
【文献】特開2014-148441(JP,A)
【文献】特表2010-524677(JP,A)
【文献】特開2015-196115(JP,A)
【文献】特表2015-510448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化窒素をアンモニアで選択的に触媒還元するために用いる触媒であって、
CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、
リン酸化物が約15~約35質量%を含み、
シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~約5.2であって、
および、銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~約0.1の銅導入ゼオライトを含み、
一酸化窒素を含む排ガスと、
その選択還元に用いるアンモニアが、過不足の無い同一モル濃度にて、
200℃におけるNO 変換性能が、少なくとも85%であって
約500℃におけるNO 変換性能が、少なくとも85%であることを特徴とする触媒。
【請求項2】
前記リン酸化物が約17~約33質量%を含み、
前記シリカのアルミナに対するモル割合が約2.0~約5.0の範囲であって、
および前記銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.06~約0.09の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
熱水800℃による熟成後の触媒が、約200℃におけるNO変換性能が、水熱熟成の前の触媒の、約200℃におけるNO変換性能に対して、少なくとも95%であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
触媒が、少なくとも約2.00質量%の酸化銅を含むことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の触媒。
【請求項5】
触媒が、ハニカム基材に堆積されていることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
流通基材の少なくとも一部分が、基材を通って流れるガス流中に含まれる窒素の酸化物を還元するために適用されたCuCHA、CuAEIまたはCuAFXで被覆されていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の触媒。
【請求項7】
壁流基材の少なくとも一部分が、基材を通って流れるガス流中に含まれる窒素の酸化物を還元するために適用されたCuCHA、CuAEIまたはCuAFXで被覆されていることを特徴とする請求項に記載の触媒。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の触媒を含む触媒製品であって、
基材に堆積したCHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有するゼオライトと、ハニカム基材を含む触媒製品であって、ゼオライトは、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~約5.2、および銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~約0.1であることを特徴とする触媒製品。
【請求項9】
イオン交換銅が酢酸銅および/または硝酸銅を使用して交換されることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物を含むゼオライト、その製造方法、およびこのような銅ゼオライトを含む触媒に関する。
【0002】
より特定的には、本発明の実施の形態は、リン酸化物を含むCuCHAゼオライト、リン酸化物を含むCuAEIゼオライトおよび/またはリン酸化物を含むCuAFXゼオライトの触媒及びその製造方法及び排気ガス処理システムにこの触媒を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
SCR触媒は、ディーゼル自動車排気ガス処理後装置で尿素水を噴霧し、その尿素水が加水分解して得られるアンモニアを還元剤として(一般にSCR触媒といわれる選択的接触還元“Selective catalytic reduction”の略)に用いられる触媒担体として、固体酸点にアンモニア吸着能が高い点で合成ゼオライトが知られている。
【0004】
尿素由来のアンモニアSCR装置では、幾つかの化学反応が起こり、それらの全てが、NOxを窒素に還元する。支配的な反応は、NOとNH3とが等量モルで進行する、反応式(1)に代表される。
【0005】
[化1]
4NO + 4NH3 + O2 → 4N2 + 6H2O (1)
【0006】
また、特許文献1は、SCR触媒として、シリカとアルミナを主成分とするCHA結晶構造を有し、シリカのアルミナに対するモル割合が約15以上、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.25以上のような銅イオン交換ゼオライトを使用することが開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、SCR触媒として、リン酸化物、アルミナおよびシリカを主成分とするCHA結晶構造を有するSAPO-34の鉄および/または銅のイオン交換ゼオライトを使用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2008/106519号
【文献】国際公開第2008/118434号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
酸化窒素をアンモニアで選択的に触媒還元するための、銅をイオン交換したゼオライト触媒は公知である。車両の排ガス規制において、初期の浄化性能のみならず、保証する走行距離も一段と長くなり、排気ガスからのNOXの還元等の厳しい水熱条件下では、特許文献1による銅ゼオライト触媒は、200℃の活性が水熱前に比較し、熱水による熟成後で90%に低下し、規制の保証を満たさない課題があった。
【0010】
一方、特許文献2による銅ゼオライト触媒は、特許文献1と比較し低温活性および熱水による熟成耐久において優れている。しかしながら、350℃から高温になるに従い、尿素水噴射から加水分解で生成するアンモニアが部分酸化され、主にN2に変換されてアンモニアが不足し、アンモニア選択還元によるNOx浄化性能が低下するため、排ガス規制を満足するには、尿素噴射量をNOxとアンモニアとのmol比(ANRと言う)を400℃で約1.2以上、500℃で約1.3以上に増やす必要があり、特許文献2の触媒では尿素水消費量が浪費する問題があった。
【0011】
競争する、酸素との非選択的反応は、SCR触媒入り口の排ガス温度が350℃から500℃までの高温になるに従い、アンモニアの部分酸化反応が進行して、N2またはN2O(地球温暖化ガス)の生成が増加する。このように非選択的反応は、アンモニアがNOxの還元に使用されずアンモニアを消費する。その反応(2)に示す。
【0012】
[化2]
4NH3 +3O2 → 2N2 + 6H2O (2)
2NH3 +2O2 → N2O + 6H2O (3)
【0013】
一方、SCR触媒入り口の排ガス温度が500℃を超えると、アンモニアの完全酸化反応が進行する。アンモニアがNOxの還元に使用されずアンモニアから直接NOxを生成する。高度の排ガス規制を満足するために、Cuゼオライト触媒を用いて高活性のNOx浄化を行う場合において、SCR触媒入り口排ガス温度が500℃以下になるよう、内燃機関のEGR等の排ガス冷却システムで温度制御する必要がある。ただし、PM燃焼を行う場合は、500℃以上の排ガスとなるが、酸素濃度が少なく還元雰囲気になるため、尿素噴霧を行うことなくNOxが還元されるため、500℃以下でSCRシステムを制御する、この限りでない。
【0014】
[化3]
4NH3 +5O2 → 4NO + 6H2O (4)
【0015】
本発明の触媒は、車両走行負荷時の排ガス温度において、尿素水の消費量がANRで1.0~1.1の範囲で、低温度(約200℃)から高温度(約500℃)までの高いSCR活性および改良され熱水耐久力を有する触媒材料を提供するということにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、(International Zeolite Assosiationによって定義された)CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有するゼオライト、このようなゼオライトを含むCuゼオライト触媒、およびこのような触媒を組込んだ排気ガス処理(装置)に関する。この触媒は、排気ガス流(特にガソリン又はディーゼルエンジンから放出される排気ガス流)を処理するために使用される排気ガス処理システムの一部であって良い。
【0017】
本発明の一実施の形態は、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~約5.2であって、および銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~約0.1の銅導入ゼオライトを含む触媒、および(酸化窒素を還元するために設計されたもののような)排気ガスシステムにおける、その使用に関する。特定の実施の形態では、(NOX浄化のNH3SCRを示す)新規の銅導入ゼオライト触媒が提供される。本発明の一つ以上の実施の形態に従い製造された銅導入ゼオライト触媒は、熱水での卓越した安定性、及び200℃から500℃の広い温度範囲における高い触媒活性を示す触媒材料を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の触媒であれば、車両走行負荷時の排ガス温度において、尿素水の消費量がANRで1.0~1.1の範囲で、低温度(約200℃)から高温度(約500℃)までの高いSCR活性および改良され熱水耐久力を有する触媒材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明を代表する一例として、実施例1、実施例6、実施例7、比較例3および比較例10において、フレッシュ(初期)SCR触媒のNOx浄化を比較したグラフである。
図2図2は、本発明を代表する一例として、実施例1、実施例6、実施例7、比較例3および比較例10において、熱水による熟成(800℃、16時間)後のSCR触媒のNOx浄化を比較したグラフである。
図3図3は、実施例1に記載した、リン酸化物を骨格に25.0質量%を含むCHA型合成ゼオライトのXRD分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この技術分野で見出される、リン酸化物を含まないCuCHAゼオライト触媒と比較した場合、本発明の実施の形態に従う銅CHA触媒材料では、低温での活性と熱水での安定性が改良される。
一方、リン酸化物40~60質量%を多く含む、CuCHAゼオライト触媒と比較した場合、本発明の実施の形態に従うCuCHA触媒材料は、高温での活性が改良される。
【0021】
本発明の一実施の形態は、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、及びシリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~約5.2、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~約0.1であるゼオライトを含む触媒に関する。特定の実施の形態では、シリカのアルミナに対するモル割合が約2.0~約5.0の範囲であり、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が、約0.06~0.09の範囲である。
【0022】
特定の実施の形態では、
CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、
前記リン酸化物が約17~約33質量%を含み、
前記シリカのアルミナに対するモル割合が約2.0~約5.0の範囲であって、
および前記銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.06~約0.09の範囲であることを特徴とする。
【0023】
特定の実施の形態では、リン酸化物を実質上含まない(ゼオライト合成原料として加えない)CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造のゼオライトと、リン酸化物を40質量%以上含むCHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造のゼオライトとを混合し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、及びシリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~約5.2、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~約0.1であるゼオライトを含む触媒に関する。特定の実施の形態では、シリカのアルミナに対するモル割合が約2.0~約5.0の範囲であり、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が、約0.06~0.09の範囲である触媒も本発明に含まれる。
【0024】
少なくとも一つの実施の形態では、触媒は、ハニカム基材の上に堆積される。一つ以上の実施の形態では、ハニカム基材(honeycomb substrate)は、壁流基材を含む。他の実施の形態では、ハニカム基材は、流通基材(貫流基材:flow through substrate)を含む。ある実施の形態では、流通基材の少なくとも一部が、(基材を通って流れるガス流中に含まれる窒素酸化物を還元するために設けられた)本発明のCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXで被覆される。
【0025】
壁流基材を使用する一実施の形態では、壁流基材の少なくとも一部分が、基材を通って流れる(貫流する)ガス流中に含まれる窒素の酸化物を還元するために適用された、本発明のCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXで被覆されている。
【0026】
特定の実施の形態では、触媒製品は、(基材に堆積したCHA結晶構造を有するゼオライトを有する)ハニカム基材を含み、ゼオライトは、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~5.2であって、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~0.1である。触媒製品は、更に、バインダーを含んでいても良い。特定の実施の形態では、イオン交換した銅が、酢酸銅、硝酸銅および硫酸銅を使用できる。好ましくは、酢酸銅および/または硝酸銅を使用して変換される。
【0027】
本発明の他の局面は、上述したタイプの触媒を組み込んだ排気ガス処理システムに関する。更に他の局面は、ガス流中に含まれる窒素の酸化物を、酸素の存在下に還元する方法(該方法は、ガス流を上述した触媒と接触させることを含む)に関する。
【0028】
(詳細な説明)
本発明の例示的な実施の形態をいくつか説明する前に、本発明は、以下に記載する構成又は工程の詳細に限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施の形態が可能であり、そして種々の方法で行うことができる。
【0029】
本発明の一実施の形態では、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~5.2であって、そして銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~0.1のゼオライトが提供される。
【0030】
特定の実施の形態では、シリカのアルミナに対するモル割合が約2.0~5.0であり、そして銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.06~約0.09である。CHA、AEIおよび/またはAFXの構造を有する、CHA型のSAPO-34およびSSZ-13、AEI型のSAPO-18およびSSZ-39、AFX型のSAPO-56およびSSZ-16を含むが、これらに限定されるものではない。
【0031】
CHA、AEIおよび/またはAFXの構造を有するゼオライトの合成は、この技術分野では公知の種々の技術に従い行うことができる。例えば、代表的なSAPO-34またはSSZ-13合成では、シリカの供給源、アルミナの供給源またはリンの供給源および有機配向剤(organic directing agent)が、アルカリ性水性条件下に混合される。代表的なシリカ供給源は、種々のタイプのヒューミドシリカ、沈降シリカ、及びコロイド状シリカ、及びシリコンアルキキシドである。代表的なアルミナ供給源は、ベーマイト、シュードベーマイト(pseudo-boehmite)、アルミニウムヒドロキシド、アルミニウム塩、例えばアルミニウムサルフェート、及びアルニミウムアルコキシドを含む。代表的なリン酸供給源は、オルトリン酸、次亜リン酸またはリン酸ナトリウム等を含む。代表例では、水酸化ナトリウムが反応混合物に加えられるが、しかしこのことは必要とはされない。この合成のための代表的な配向剤は、アダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびモルフォリンであるが、他のアミン及び/又は4級アンモニウム塩が代用されて良く、又は後者の配向剤に加えても良い。反応混合物を圧力容器内で攪拌させながら加熱して、結晶性SAPO-34(CHA)、SSZ-13(CHA)、SAPO―18(AEI)およびSSZ-39(AEI)、SAPO-56(AFX)およびSSZ-16(AFX)または生成物を製造後に混合しても良い。代表的な反応温度は150~180℃の範囲である。代表的な反応時間は、1~5日間である。
【0032】
反応の終わりに、生成物はろ過され、そして水で洗浄される。この代わりに、生成物を遠心分離しても良い。有機添加剤を使用し、固体生成物の処理と分離を補助しても良い。生成物の処理(加工)において、任意にスプレー乾燥工程を行っても良い。固体生成物は空気又は窒素中で熱的に処理される。この代わりに、種々のシーケンスで、各ガス処理を施しても良く、又はガスの混合物を施しても良い。代表的な、か焼(焼成)温度は、400~850℃の範囲である。好ましくは、700~800℃の範囲が好ましい。
【0033】
本発明の一つ以上の実施の形態に従う、リン酸化物を含むCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXのゼオライト触媒を、触媒工程(該触媒工程は、酸化及び/又は熱水条件、例えば、約600℃を超える、例えば、約800℃を超え、及び約10%の水蒸気の存在下の条件を含む)で使用しても良い。より特定的には、本発明の実施の形態に従い製造されたCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXのゼオライト触媒は、リン酸含まないCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXと比較して、熱水的な安定性が増している。本発明の実施の形態に従い製造されたCuCHA、CuAEIおよび/またはCuAFXのゼオライト触媒は、NOXのアンモニアでの選択的な触媒還元における活性が改良されており、特に、少なくとも約600℃を超え、例えば、約800℃はそれ以上の高温下、及び約10%以上の水蒸気環境下に運転(操作)した場合にその活性が改良されている。CuCHAは、高い固有活性(intrinsic activity)を有しており、これにより、触媒材料の使用を少量にすることができ、従って、CuCHAのワッシュコートで被覆されたハニカム基材の背圧は低減される。一つ以上の実施の形態では、熱水熟成は、約800℃の温度で、約10%以上の高水蒸気環境下に、少なくとも約5時間~25時間、及び特定の実施の形態では約50時間まで、触媒を曝す(露出させる)ことを表す。
【0034】
本発明の実施の形態は、内燃式エンジンによって生成された、CHA、AEIおよび/またはAFXの結晶構造を有し、リン酸化物が約15~約35質量%を含み、シリカのアルミナに対するモル割合が約1.9~5.2であって、そして銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.05~0.1のSCR触媒、および前記本発明の触媒を組み込んだ排気ガス処理システムに関する。
【0035】
(触媒金属)
銅(II)イオンの担持に用いる原料は、銅(II)イオンの酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩が好
ましく、特に、酢酸塩および/または硝酸塩が好ましい。
【0036】
合成ゼオライトの金属担持方法として、一般にイオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法、物理混合法、骨格置換法等の方法を採用されている。触媒活性の観点で、好ましくは、イオン交換法である。
【0037】
(銅イオン交換)
イオン交換法の場合は、pH0.1~4.0に調整した酢酸銅(II)および/または硝
酸銅(II)の水溶液と、ゼオライトとを、50℃~80℃加温中で分散させイオン交換を
行う。ゼオライトの耐酸性の観点で、pHは、3.0~4.0が好ましい。
【0038】
(後処理方法)
本発明のSCR触媒の製造における後処理工程は、濾過および洗浄の工程を施すことなく、公知の方法の乾燥、焼成、粒度調整の工程を用いて良い。
【実施例
【0039】
以下に実施例を使用して本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0040】
(乾燥)
本発明のSCR触媒の製造における乾燥工程は、熱風乾燥機、真空乾燥機を用いて良く、含有水分が1質量%程度まで乾燥できていることが好ましい。乾燥効率を考えれば、乾燥温度は120~180℃が好ましい。
【0041】
(焼成)
本発明のSCR用触媒の製造における焼成温度は、好ましくは500~850℃である。さらに、好ましくは、700℃~800℃である。下限温度を下回ると、銅が本発明の合成ゼオライト結晶のフレームワークに組み込まれず、触媒活性が低下する。一方、上限温度を超えると合成ゼオライトの結晶崩壊が著しく進行し、触媒活性が低下する。
【0042】
(粒度調整)
粒度調整は、公知の方法の粉砕と分級とを組み合わせて調整できる。粉砕方法は、公知の方法を用いてよく、ボールミル粉砕機、ピンミル粉砕機、ハンマーミル粉砕機、ジェットミル粉砕機などが挙げられる。分級方法は、公知の方法を用いてよく、振動ふるい機、超音波振動ふるい機、揺動ふるい機、ターボスクリーナー、気流分級機(コーン型、エルボージェット)が使用できる。
【0043】
粉砕工程は、合成ゼオライトの結晶構造を破壊することなく、凝集のない単一粒子する粉砕方法が好ましい。結晶構造が破壊すると、アンモニアの吸着能が低下し、NOx浄化性能が低下する。
【0044】
本発明の触媒の平均粒径は、レーザ回折式粒度計によって測定され、粒径分布の体積累積50%に相当する粒径(D50)が、1~10μmであることが好ましい。
粒径(D50)が1μm以下であると、スラリーが高粘度になり基材に目詰まりを起こしやすく、10μm以上であると、コート強度が低下し剥離を起こしてしまう。
【0045】
一つ以上の実施の形態では、ディーゼル酸化触媒(DOC)から下流側にSCRを使用するシステムでは、DOC、触媒化煤フィルター(CSF)、尿素噴射部、本発明のSCR触媒およびアンモニア酸化触媒(AMOX)でシステムが構成される。
【0046】
本発明の一つ以上の実施の形態では、SCR触媒組成物は、セラミック製、無機繊維製または金属製のハニカム流通(貫流)基材上にワッシュコートされる。
【0047】
本発明の他の実施の形態では、SCR触媒組成物は、セラミック製のハニカム壁流基材上にワッシュコートされる。
【0048】
(SCR触媒の基材)
SCR触媒の基材は、気体流の通過処理を可能にするために、公知のハニカムフロースルー型であってよく、材質がセラミック、無機繊維および金属であってよい。十分な多孔質であるハニカムフロースルーモノリス担体は、コージライト、α-アルミナ、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、リシア輝石、アルミナ-シリカ-マグネシアまたはケイ酸ジルコニウム等セラミック様の公知のセラミック材料が使用できる。
【0049】
無機繊維の基材は、シリカファイバー、アルミナファイバーおよびシリコン、チタンまたはジルコニウムの酸化物からなるセラミックファイバーが使用できる。金属の担体は、チタンおよびステンレススチールまたは、ニッケル、クロミウムおよび/またはアルミニウムのうちの1つ以上を含む合金が使用できる。
【0050】
金属の基材は、金属又は金属合金で構成させていても良い。金属基材は、種々の形状、例えば波形シート又はモノリス状態であって良い。適切な金属担体は、耐熱金属及び金属合金、例えばチタン及びステンレス鋼及び鉄が主体の(又は鉄が大部分を占める)他の合金を含む。このような合金は、1種以上のニッケル、クロム及び/又はアルミニウを含んでも良く、そしてこれらの金属の合計量は、合金の少なくとも15質量%、例えば10~25質量%のクロム、3~8質量%のアルミニウム及び20質量%以下のニッケルを含むことが有利である。合金は、少量又は微量の1種以上の金属、例えばマンガン、銅、バナジウム、チタン、及びこれらに類するものを含んでも良い。金属基材の表面を、高温、例えば1000℃以上で酸化し、基材の表面上に酸化物層を形成することにより、合金の腐食(コロージョン)に対する抵抗性を改良しても良い。このような高温起因の酸化は耐火金属酸化物担体及び触媒的に促進する金属成分の基材への付着力を高める。
【0051】
SCR触媒の基材は、特にコスト面で、ハニカムフロースルーモノリス型のコージライト製が好ましい。
【0052】
(SCR触媒の担持)
SCR触媒の担持の一例として、コージライト製ハニカムフロースルーモノリス担体上に担持する場合、SCR触媒は、NOx浄化を達成と、長期間の使用、触媒の適正な耐久性を保持するために、少なくとも150g/L以上で担持する。好ましくは、SCR触媒が170~270g/Lの範囲の量で担体へ積載することを条件とする。
【0053】
(SCR触媒担持バインダー)
SCR触媒担持に適したバインダーには、アルミナおよびシリカを含むがこれらに制限されない。アルミナバインダーは、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、およびアルミニウム酸水酸化物を含む。アルミニウム塩およびコロイドの形態のアルミナも使用してもよい。シリカバインダーは、コロイドシリカを含むSiO2の種々の形態を含む。さらに、バインダー組成は、ジルコニア、アルミナ、およびシリカのいずれの組み合わせを含んでもよい。
【0054】
ハニカムモノリス基材に堆積された場合、このようなSCR触媒組成物は、約150~約300g/L(基材容積当たり)の濃度で堆積されていることが好ましい。
【0055】
セラミック基材は、如何なる適切な如何なる耐火材料から製造しても良く、適切な耐火材料は、例えばコージライト、コージライト-アルミナ、シリコン、ニトライド(窒化物)、ジルコンムライト、リシア輝石、アルミナ-シリアマグネシア、ジルコンシリケート、シリマナイト、マグネシウムシリケート、ジルコン、葉長石、アルファ-アルミナ、アルミナシリケート、及びこれらに類するものである。
【0056】
(結晶構造分析)
本発明の触媒を、X線回折(X-ray Diffraction)分析の粉末法を用いて、X腺回析パターンから格子面間隔(d)を求め、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースまたはICDD(International Centre for Diffraction Data)のPowder Diffraction File(PDF)に収載されているデータと照らして同定する。
【0057】
(触媒組成分析)
本発明の触媒50mgに、HF: 3mL、HNO3: 3mLを加え、マイクロウェーブオーブンを用いて溶解させる。その後、残渣に硝酸を加えて調製する。その調整液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES:Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry)を用いて、触媒成分の定量分析を行った。
【0058】
(排気ガス性能評価方法)
本発明の触媒は、排気ガスを想定した模擬ガスの容積濃度をFT-IR分析装置で調整し、実際のディーゼル車排ガスの温度域に合わせて模擬ガス温度を、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃および500℃でNOx浄化率を測定した。
【0059】
(熱水熟成試験方法)
本発明の触媒は、流通系リアクター内で、空間速度30000/h、水蒸気10%、800℃、16時間の熱水熟成試験をおこなった。
【0060】
(実施例1) CHA単一
実施例1は、リン酸化物が骨格に組み込まれたCHA型ゼオライトを合成し、前記合成ゼオライトに銅をイオン交換してCuCHA合成ゼオライトを得た。
【0061】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、85質量%オルトリン酸とを攪拌しながら混合する。そこに、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらアダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドをゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが8.1で、次の組成物を調製した。
【0062】
0.5(Al23):1.0(P25):0.6(SiO2):2.1(TMAdaOH):66(H2O)
【0063】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら72時間170℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは10.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0064】
(CHA型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するシリコアルミノフォスフェート系CHA型からなるゼオライトと同定した。
【0065】
前記CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が25.00wt%、SiO2が52.33wt%、Al23が23.68wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.68であった。
【0066】
次いで、前記CHA型合成ゼオライト100gを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、前記CHA合成ゼオライトと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0067】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.077であった。
【0068】
(実施例2) CHA混合
実施例2は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合し、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0069】
(CHA型SSZ-13のゼオライト合成)
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13を、以下の方法で合成した。
【0070】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、攪拌しながら、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらアダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAdaOH)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが8.4で、次の組成物を調製した。
【0071】
0.033(Al23):1.0(SiO2):0.19(TMAdaOH):46(H2O)
【0072】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら72時間150℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは10.6であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0073】
(CHA型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
【0074】
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するCHA型SSZ-13からなるゼオライトと同定した。
【0075】
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.00であった。
【0076】
(CHA型SAPO-34のゼオライト合成)
一方、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34を、以下の方法で合成した。
【0077】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、85質量%オルトリン酸とを攪拌しながら混合する。そこに、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが8.1で、次の組成物を調製した。
【0078】
1.0(Al23):1.0(P25):0.3(SiO2):1.0(TEAOH):64(H2O)
【0079】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら72時間170℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは10.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0080】
(CHA型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
【0081】
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するCHA型SAPO―34からなるゼオライトと同定した。
【0082】
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.50wt%、SiO2が9.60wt%、Al23が45.90wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.355であった。
【0083】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、1:1で混合して、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.25wt%、SiO2が52.13wt%、Al23が25.63wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.45であった。
【0084】
次いで、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0085】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.071であった。
【0086】
(実施例3) CHA混合
実施例3は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合比を変更した以外は、実施例2と同様にして、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0087】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0088】
実施例2と同様にして合成された、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、2:3で混合し、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が26.70wt%、SiO2が43.62wt%、Al23が29.68wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、2.49であった。
【0089】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0090】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.061であった。
【0091】
(実施例4) CHA混合
実施例4は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合比を変更した以外は、実施例2と同様にして、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0092】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0093】
実施例2と同様にして合成された、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、1:2で混合し、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が29.67wt%、SiO2が37.95wt%、Al23が32.38wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、1.99であった。
【0094】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0095】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.056であった。
【0096】
(実施例5)
実施例5は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合比を変更した以外は、実施例2と同様にして、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0097】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0098】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、3:2で混合して、得られた混合CHAI型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が17.80wt%、SiO2が60.63wt%、Al23が21.57wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、4.77であった。
【0099】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0100】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.084であった。
【0101】
(実施例6) CHA混合
実施例6は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合比を変更した以外は、実施例2と同様にして、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0102】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0103】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、9:20で混合して、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が30.69wt%、SiO2が35.99wt%、Al23が33.32wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、1.83であった。
【0104】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0105】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.055であった。
【0106】
(実施例7) CHA混合
実施例7は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを混合比を変更した以外は、実施例2と同様にして、その混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0107】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0108】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、5:3で混合して、得られた混合CHAI型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が16.69wt%、SiO2が62.76wt%、Al23が20.56wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、5.18であった。
【0109】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0110】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.089であった。
【0111】
(実施例8) CHA混合
実施例8は、混合CHA型合成ゼオライトに銅のイオン交換量を変更した以外は、実施例2と同様にして、CuCHA触媒を作製した。
【0112】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0113】
実施例2と同様にして、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、1:1で混合して、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.25wt%、SiO2が52.13wt%、Al23が25.63wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.45であった。
【0114】
次いで、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、1回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0115】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅のイオン交換量はICP分析した結果、CuOが2.03質量%で、原子比でCu/Alが0.051であった。
【0116】
(実施例9) CHA混合
実施例9は、混合CHA型合成ゼオライトに銅のイオン交換量を変更した以外は、実施例2と同様にして、CuCHA触媒を作製した。
【0117】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、5回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0118】
得られた銅イオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅のイオン交換量はICP分析した結果、CuOが4.06質量%で、原子比でCu/Alが0.102であった。
【0119】
(実施例10) CHA混合
実施例10は、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34の製法と、混合CHA型合成ゼオライトに銅のイオン交換量を変更した以外は、実施例2と同様にして、混合CHA型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuCHA触媒を作製した。
【0120】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、85質量%オルトリン酸とを攪拌しながら混合する。そこに、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらテトラヒドロパラオキサジン(THPO、別名:モルホリン)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、pHが8.1の懸濁液が、1.0(Al23):1.06(P25):0.28(SiO2):2.09(THPO):66(H2O)の組成物を調製した。
【0121】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、150rpm速度で攪拌しながら24時間170℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは10.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0122】
(CHA型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間、焼成を620℃で5時間おこない、室温まで徐冷し、後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
【0123】
得られた水素化CHA型合成ゼオライトのX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、結晶格子面(ミラー指数:100)が、d=9.4076[Å]であった。この結晶構造が、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するシリコアルミノフォスフェート系CHA型からなるSAPO―34のゼオライトと同定した。
【0124】
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が50.00wt%、SiO2が8.00wt%、Al23が42.00wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.323であった。
【0125】
実施例2に記載のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、前記リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、1:1で混合して、得られた混合CHA型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が25.00wt%、SiO2が51.33wt%、Al23が23.68wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.68であった。
【0126】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、2回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0127】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.43質量%で、原子比でCu/Alが0.066であった。
【0128】
(実施例11) CHA混合
実施例11は、CHA型合成ゼオライトに銅の導入量を変更した以外は、実施例10と同様にして、CuCHA触媒を作製した。
【0129】
ゼオライトは、実施例2で合成された同一のリン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、実施例10で合成された同一のリン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを用いた。
【0130】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合CHA型合成ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、4回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0131】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが3.65質量%で、原子比でCu/Alが0.099であった。
【0132】
(実施例12) AEI混合
実施例12は、リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを混合し、その混合AEI型合成ゼオライトに銅をイオン交換されたCuAEI触媒を作製した。
【0133】
(AEI型SSZ-39の合成)
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39を、以下の方法で合成した。
【0134】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水を入れ、そこへ攪拌しながら、1NのNaOHと、N,N-ジエチル-シス-2,6-ジメチルピペラジニウムカチオンヒドロキシド(DEDMPOH)とを所定量加えて室温で20分間攪拌する。次に、NH4 +状のY型ゼオライトとコロイダルシリカ(Ludox AS40)をと所定量加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが9.2で、次の組成物を調製した。
【0135】
0.06(Al2O3):1.0(SiO2):0.35(DEDMPOH):43(H2O)
【0136】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら7日間140℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは11.3であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0137】
(AEI型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するAEI型SSZ-39からなるゼオライトと同定した。
【0138】
得られたAEI型SSZ-39ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が89.65wt%、Al23が10.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、14.7であった。
【0139】
(AEI型SAPO-18のゼオライト合成)
一方、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18を、以下の方法で合成した。
【0140】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、85質量%オルトリン酸とを攪拌しながら混合する。そこに、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが7.8で、次の組成物を調製した。
【0141】
1.0(Al2O3):0.98(P2O5):0.075(SiO2):1.0(TEAOH):64(H2O)
【0142】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら120時間215℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは9.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0143】
(AEI型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するAEI型SAPO-18からなるゼオライトと同定した。
【0144】
得られたAEI型SAPO-18ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が61.00wt%、SiO2が1.80wt%、Al23が37.20wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.082であった。
【0145】
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを、1:1で混合して、得られたAEI型ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が30.50wt%、SiO2が45.72wt%、Al23が23.78wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.26であった。
【0146】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合AEI型合成ゼオライト100gのNH4 +状AEIを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0147】
得られた銅イオン交換されたCuAEI型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.077であった。
【0148】
(実施例13) AEI混合
実施例13は、リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを混合比を変更した以外は、実施例12と同様にして、CuAEI触媒を作製した。
【0149】
ゼオライトは、実施例12で合成された同一のリン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを用いた。
【0150】
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを、2:3で混合し、得られた混合AEI型合成ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が36.60wt%、SiO2が36.93wt%、Al23が26.46wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、2.37であった。
【0151】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合AEI型合成ゼオライト100gのNH4 +状AEIを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0152】
得られた銅イオン交換されたCuAEI型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.069であった。
【0153】
(実施例14) AEI混合
実施例14は、リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを混合比を変更した以外は、実施例12と同様にしてCuAEI触媒を作製した。
【0154】
ゼオライトは、実施例12で合成された同一のリン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを用いた。
【0155】
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを、5:3で混合して、得られたAEI型ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.88wt%、SiO2が56.70wt%、Al23が20.42wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、4.71であった。
【0156】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合AEI型合成ゼオライト100gのNH4 +状AEIを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0157】
得られた銅イオン交換されたCuAEI型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.089であった。
【0158】
(実施例15) AEI混合
実施例15は、混合AEI型合成ゼオライトに銅のイオン交換量を変更した以外は、実施例2と同様にしてCuAEI触媒を作製した。
【0159】
ゼオライトは、実施例12で合成された同一のリン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを用いた。
【0160】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合AEI型合成ゼオライト100gのNH4 +状AEIを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、1回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0161】
得られた銅をイオン交換されたCuAEI型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.03質量%で、原子比でCu/Alが0.055であった。
【0162】
(実施例16) AEI混合
実施例16は、混合AEI型合成ゼオライトに銅のイオン交換量を変更した以外は、実施例2と同様にしてCuAEI触媒を作製した。
【0163】
ゼオライトは、実施例12で合成された同一のリン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを用いた。
【0164】
次いで、実施例2と同様にして、前記混合AEI型合成ゼオライト100gのNH4 +状AEIを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、5回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0165】
得られた銅をイオン交換されたCuAEI型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが4.07質量%で、原子比でCu/Alが0.110であった。
【0166】
(実施例17) AEI+CHA異種混合
実施例17は、リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34との異種型合成ゼオライトを混合し、その異種型混合合成ゼオライトに銅をイオン交換して、Cu異種型混合ゼオライト触媒を作製した。
【0167】
前記AEI型SSZ-39は、実施例12と同様にしてゼオライトを合成した。一方、前記CHA型SAPO-34は、実施例2と同様にしてゼオライトを合成した。
【0168】
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むCHA型SAPO-34とを、1:1で混合して、得られた混合ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.25wt%、SiO2が49.63wt%、Al23が28.13wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、2.99であった。
【0169】
次いで、実施例2と同様にして、前記異種型混合合成ゼオライト100gのNH4 +状を400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI型ゼオライトとCuCHA型ゼオライトとの混合粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状と銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0170】
得られた銅イオン交換されたCuAEI型ゼオライトとCuCHA型ゼオライトとの異種型混合触媒は、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.065であった。
【0171】
(実施例18) CHA+AEI異種混合
実施例18は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18との異種型合成ゼオライトを混合し、その異種型混合合成ゼオライトに銅をイオン交換して、Cu異種型混合ゼオライト触媒を作製した。
【0172】
前記CHA型SSZ-13は、実施例2と同様にしてゼオライトを合成した。一方、前記AEI型SAPO-18は、実施例12と同様にしてゼオライトを合成した。
【0173】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むAEI型SAPO-18とを、1:1で混合して、得られた異種型混合ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が30.50wt%、SiO2が48.22wt%、Al23が21.28wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.85であった。
【0174】
次いで、実施例2と同様にして、前記異種型混合合成ゼオライト100gのNH4 +状を400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA型ゼオライトとCuAFI型ゼオライトとの混合粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状と銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0175】
得られた銅をイオン交換された前記異種型混合ゼオライト触媒は、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.086であった。
【0176】
(実施例19) CHA+AFX異種混合
実施例19は、リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むAFX型SAPO-56との異種型合成ゼオライトを混合し、その異種型混合合成ゼオライトに銅をイオン交換して、Cu異種型混合ゼオライト触媒を作製した。
【0177】
前記CHA型SSZ-13は、実施例2と同様にしてゼオライトを合成した。
【0178】
(CHA型SAPO-56のゼオライト合成)
一方、リン酸化物を含むAFX型SAPO-56を、以下の方法で合成した。
【0179】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、85質量%オルトリン酸とを攪拌しながら混合する。そこに、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらN,N,N’,N’-テトラメチルヘキサン-1,6-ジアミン(TMHD)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが7.8で、次の組成物を調製した。
【0180】
0.8(Al2O3):0.8(P2O5):0.6(SiO2):2.0(TMHD):40(H2O)
【0181】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら48時間200℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは9.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0182】
(AFX型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、主な回折ピークの相対強度(I)と格子面間隔(d)とを、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するAFX型SAPO-56からなるゼオライトと同定した。
【0183】
得られたAFX型SAPO-56ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.43wt%、SiO2が14.30wt%、Al23が41.27wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.588であった。
【0184】
リン酸化物を含まないCHA型SSZ-13と、リン酸化物を含むAFX型SAPO-56とを、1:1で混合して、得られた異種型混合ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.22wt%、SiO2が54.48wt%、Al23が23.31wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.97であった。
【0185】
次いで、実施例2と同様にして、前記異種型混合合成ゼオライト100gのNH4 +状を400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA型とCuAFX型との混合粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状と銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0186】
得られた銅をイオン交換された異種型混合ゼオライト触媒は、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量をICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.078であった。
【0187】
(実施例20) AEI+AFX異種混合
実施例20は、リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAFX型SAPO-56との異種型合成ゼオライトを混合し、その異種型混合合成ゼオライトに銅をイオン交換して、Cu異種型混合ゼオライト触媒を作製した。
【0188】
前記AEI型SSZ-39は、実施例12と同様にしてゼオライトを合成した。一方、前記AFX型SAPO-56は、実施例19と同様にしてゼオライトを合成した。
【0189】
リン酸化物を含まないAEI型SSZ-39と、リン酸化物を含むAFX型SAPO-56とを、1:1で混合して、得られた混合ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が22.22wt%、SiO2が51.98wt%、Al23が25.81wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、3.42であった。
【0190】
次いで、実施例2と同様にして、前記異種型混合合成ゼオライト100gのNH4 +状を400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuAEI型ゼオライトとCuAFX型ゼオライトとの混合粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状と銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中700℃で2時間か焼した。
【0191】
得られた銅イオン交換されたCuAEI型ゼオライトとCuAFX型ゼオライトとの混合触媒は、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.84質量%で、原子比でCu/Alが0.071であった。
【0192】
(比較例1) CHA単一
比較例1は、実施例2の、CHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.00であった。
【0193】
次いで、前記CHA型SSZ-13ゼオライトに、銅をイオン交換してCuCHA触媒を作製した。
SSZ-13100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、2回繰り返した。
【0194】
次に得られたCuCHA生成物を、大気中700℃で2時間か焼した。得られたCuCHA触媒は、ICP分析で測定して、CuOを2.41%含んで、原子比でCu/Alが0.30であった。平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0195】
(比較例2) CHA単一
比較例2は、比較例1の被覆スラリーに、2.0Mの硝酸銅(II)溶液が加えられ、合計CuOレベルを3.20%としたこと以外は、比較例1と同様にして、CuCHA触媒を得た。原子比でCu/Alが0.40で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0196】
(比較例3) CHA単一
比較例3は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.00であった。
【0197】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液を混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。
【0198】
得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0199】
得られたCuCHA触媒は2.75質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.33で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0200】
(比較例4) CHA単一
比較例4は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.0であった。
【0201】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、4回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0202】
得られたCuCHA触媒は3.36質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.38で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0203】
(比較例5) CHA単一
比較例5は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.0であった。比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、5回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0204】
得られたCuCHA触媒は3.85質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.44で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0205】
(比較例6) CHA単一
比較例6は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.0であった。比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、1回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0206】
得られたCuCHA触媒は1.94質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.24で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0207】
(比較例7) CHA単一
比較例7は、CHA型SSZ-13の組成を代えた以外は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
【0208】
(ゼオライト原料の調整)
まず、ガラス容器にイオン交換水と、攪拌しながら、擬ベーマイト(Pural SB)を加え、室温で20分間攪拌する。次いで、攪拌しながらアダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAdaOH)をゆっくり加え、1時間室温になるまで保持する。その後、コロイダルシリカ(Ludox AS40)を加え、5分間攪拌を継続し、懸濁液のpHが8.0で、次の組成物を調製した。
【0209】
0.063(Al23):1.0(SiO2):0.19(TMAdaOH):46(H2O)
【0210】
(水熱合成)
得られた懸濁液を攪拌付きオートクレーブ(加圧滅菌器)に移し、密閉して、50rpm速度で攪拌しながら72時間150℃で加熱後、室温まで徐冷した。オートクレーブから得られたゲル組成物を取り出し、その上澄み液取り分け、上澄み液のpHは10.2であった。上澄み液を取り除いたゲル組成物に、等体積量のイオン交換水を加え、振り混ぜて、遠心分離機にて、洗浄、固液分離を、繰り返し行った。
【0211】
(CHA型合成ゼオライト)
耐熱容器に、得られたゲル組成物を移し、乾燥を120℃で12時間後、20メッシュの篩網を通して粒度調整をおこなった。
【0212】
得られた合成ゼオライトをX線回折(X-ray Diffraction)分析の結果から、結晶格子面(ミラー指数:100)が、d=9.4085[Å]であった。この結晶構造が、国際合成ゼオライト学会のX線回折パターン・データベースおよびICDDのPDFと照らして、最大酸素環員数が8と、3次元構造を有するCHA型SSZ-13からなるゼオライトと同定した。得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が89.84wt%、Al23が10.16wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、15.0であった。比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、6回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0213】
得られたCuCHA触媒は4.57質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.30で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0214】
(比較例8) CHA単一
比較例8は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.0であった。
【0215】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0216】
得られたCuCHA触媒は2.94質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.36で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0217】
(比較例9) CHA単一
比較例9は、実施例2のCHA型SSZ-13ゼオライトと同様にして、ゼオライトを合成した。
得られたCHA型SSZ-13ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、SiO2が94.65wt%、Al23が5.35wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、30.0であった。
【0218】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、5回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0219】
得られたCuCHA触媒は3.70質量%のCuOを含んでいた。原子比でCu/Alが0.46で、平均粒径(D50)は、4μmであった。
【0220】
(比較例10) CHA単一
比較例10は、実施例2のCHA型SAPO-34ゼオライトと同様にしてゼオライトを合成した。
【0221】
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.50wt%、SiO2が9.60wt%、Al23が45.90wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.35であった。
【0222】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、3回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0223】
得られた銅をイオン交換されたCuCHA型ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが3.00質量%で、原子比でCu/Alが0.042であった。
【0224】
(比較例11) CHA単一
比較例11は、実施例2のCHA型SAPO-34ゼオライトと同様にしてゼオライトを合成した。
【0225】
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.50wt%、SiO2が9.60wt%、Al23が45.90wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.35であった。
【0226】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、5回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0227】
得られたCuCHA型合成ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが4.38質量%で、原子比でCu/Alが0.061であった。
【0228】
(比較例12) CHA単一
比較例12は、実施例2のCHA型SAPO-34ゼオライトと同様にしてゼオライトを合成した。
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.50wt%、SiO2が9.60wt%、Al23が45.90wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.35であった。
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、1回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0229】
得られたCuCHA型合成ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが2.08質量%で、原子比でCu/Alが0.029であった。
【0230】
(比較例13) CHA単一
比較例13は、実施例2のCHA型SAPO-34ゼオライトと同様にしてゼオライトを合成した。
得られたCHA型SAPO-34ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が44.50wt%、SiO2が9.60wt%、Al23が45.90wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.35であった。
【0231】
比較例1と同様にして、CHA型SSZ-13ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLと、1.0Mの硝酸銅(II)溶液とを混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、そして空気乾燥した。イオン交換、及びろ過を含む上述した工程を、得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥後、イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、1回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0232】
得られたCuCHA型合成ゼオライトは、平均粒径(D50)は、4μmであった。銅の含有量はICP分析した結果、CuOが1.97質量%で、原子比でCu/Alが0.028であった。
【0233】
(比較例14) AEI単一
比較例14は、実施例12のAEI型SAPO-18と同様にしてゼオライトを合成した。
得られたAEI型SAPO-18ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が61.00wt%、SiO2が1.80wt%、Al23が37.20wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.08であった。
【0234】
次いで、前記AEI型SAPO-18ゼオライトに、銅をイオン交換してCuAEI触媒を作製した。
SAPO―18単一ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を1回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0235】
得られたCuAEI触媒は、ICP分析した結果、CuOが1.80質量%であった。平均粒径(D50)は、4μmで、原子比でCu/Alが0.031あった。
【0236】
(比較例15) AEI単一
比較例15は、実施例12と同様にしてAEI型SAPO―18を合成した。得られたAEI型SAPO-18ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が61.00wt%、SiO2が1.80wt%、Al23が37.20wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.08であった。
【0237】
次いで、前記AEI型SAPO―18ゼオライトに、銅をイオン交換してCuAEI触媒を作製した。
SAPO―18単一ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を3回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0238】
得られたCuAEI触媒は、ICP分析した結果、CuOが3.00質量%であった。平均粒径(D50)は、4μmで、原子比でCu/Alが0.053あった。
【0239】
(比較例16) AEI単一
比較例16は、実施例12と同様にしてAEI型SAPO―18を合成した。得られたAEI型SAPO-18ゼオライトの組成は、ICP分析した結果、P25が61.00wt%、SiO2が1.80wt%、Al23が37.20wt%で、SiO2//Al23のmol比(SAR)は、0.082であった。
【0240】
次いで、前記AEI型SAPO―18ゼオライトに、銅をイオン交換してCuAEI触媒を作製した。
SAPO-18単一ゼオライト100gのNH4 +状CHAを400mLの1.0Mの硝酸銅(II)溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。酢酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH4 +状AEIと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで洗浄した。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を5回繰り返した後、大気中で700℃で2時間か焼した。
【0241】
得られたCuAEI触媒は、ICP分析した結果、CuOが4.38質量%であった。平均粒径(D50)は、4μmで、原子比でCu/Alが0.075あった。
【0242】
表1に、実施例1~実施例20および比較例1~比較例16で得られたSCR触媒を示す。
【0243】
次に、実施例1~実施例19および比較例1~比較例16のSCR触媒粉を、コロイド状シリカバインダー(固形分20質量%)とスラリー液を作製し、公知のコージェライト製ハニカムフロースルー型基材に堆積させた。
【0244】
(スラリー配合)
イオン交換水: 30g
SCR触媒粉: 30g
コロイド状シリカバインダー: 15g
【0245】
前記スラリー液をボールミルにて分散させ、前記ハニカム基材の容積当たり200g/Lに堆積させた。その後、80℃で乾燥、500℃でか焼させて、排ガス浄化性能試験を行った。
【0246】
空間速度(SV) :50000/h
温度 :150~500℃
一酸化窒素濃度 :500ppm
アンモニア濃度 :500ppm
プロパン濃度 :100ppm
一酸化炭素濃度 :50ppm
酸素濃度 :10%
二酸化炭素濃度 :10%
水分濃度 :10%
窒素濃度 :Balance
【0247】
(熱水熟成試験条件)
熱水熟成試験は、流通系リアクター内で、SCR触媒を以下の雰囲気下で処理した。
空間速度(SV) :30000/h
温度 :800℃
時間 :16時間
水分濃度 :10%
酸素濃度 :10%
窒素濃度 :Balance
【0248】
本発明の実施例1~実施例20は、比較例1~比較例9と比較して、いずれもNOx浄化において低温活性が高く、熱水による熟成後の耐久活性も良好な結果であった。
さらに、本発明の実施例1~実施例20は、比較例10~比較例16と比較して、いずれもNOx浄化において、高温活性が高い結果であった。
【0249】
【表1】
【0250】
【表2】
【0251】
【表3】
【0252】
【表4】
図1
図2
図3