(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2020109811
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉上 昌也
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【審査官】森川 能匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-200408(JP,A)
【文献】特開2020-108482(JP,A)
【文献】特開2021-119872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の結果態様を導出可能なゲームを実行可能な遊技機であって、
前記ゲームに関する示唆を実行可能な示唆手段と、
遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態と
前記第1遊技状態よりも前記遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態とを含んで遊技制御可能な制御手段を含み、
前記制御手段は、
所定契機から所定ゲーム数の実行に対応して遊技状態を前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に遷移する遷移制御を実行可能であり、
前記第1遊技状態において前記第2遊技状態への遷移時期の示唆を前記示唆手段に実行さ
せ、
前記示唆手段は、
前記遷移時期を示唆可能な第1演出モードと、前記遷移時期を示唆不能な第2演出モードと、前記第1演出モードよりも高い確からしさで前記遷移時期を示唆可能な第3演出モードとを切替可能であり、
前記第1演出モードと前記第2演出モードを相互に切替可能にし、前記第1演出モードと前記第2演出モードから前記第3演出モードに切替可能にしながら前記第3演出モードから前記第1演出モードおよび前記第2演出モードへ切替不能にする、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
大当りに当選した場合、大当り遊技後に電チューサポート機能を付加した補助遊技状態に移行させる時短付き大当り、または大当り遊技後に電チューサポート機能が付加されない通常遊技状態に移行させる通常大当りのいずれか一方を選択する遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
提案された遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえない。
1つの側面では、本発明は、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、以下に示すような、遊技機を提供する。遊技機は、所定の結果態様を導出可能なゲームを実行可能な遊技機であって、ゲームに関する示唆を実行可能な示唆手段と、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態と第1遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態とを含んで遊技制御可能な制御手段を含む。制御手段は、所定契機から所定ゲーム数の実行に対応して遊技状態を第1遊技状態から第2遊技状態に遷移する遷移制御を実行可能であり、第1遊技状態において第2遊技状態への遷移時期の示唆を示唆手段に実行させる。示唆手段は、遷移時期を示唆可能な第1演出モードと、遷移時期を示唆不能な第2演出モードと、第1演出モードよりも高い確からしさで遷移時期を示唆可能な第3演出モードとを切替可能であり、第1演出モードと第2演出モードを相互に切替可能にし、第1演出モードと第2演出モードから第3演出モードに切替可能にしながら第3演出モードから第1演出モードおよび第2演出モードへ切替不能にする。
【発明の効果】
【0006】
1態様によれば、遊技機において、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
【
図3】第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。
【
図7】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
【
図8】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。
【
図9】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。
【
図10】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
【
図11】第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図12】第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【
図13】第1の実施形態の遊技状態の状態遷移の一例を示す図である。
【
図14】第1の実施形態のa時短の時短回数振分の一例を示す図である。
【
図15】第1の実施形態のb時短の時短回数振分の一例を示す図である。
【
図16】第1の実施形態のc時短の時短回数振分の一例を示す図である。
【
図17】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
【
図18】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【
図19】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。
【
図20】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その4)を示す図である。
【
図21】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その5)を示す図である。
【
図22】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その6)を示す図である。
【
図23】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その7)を示す図である。
【
図24】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その8)を示す図である。
【
図25】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その9)と時短種別移行シーケンスの一例を示す図である。
【
図26】第1の実施形態の本特図表示と飾り図柄表示の表示シーケンスの一例を示す図である。
【
図27】第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その1)を示す図である。
【
図28】第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その2)を示す図である。
【
図29】第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その3)を示す図である。
【
図30】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その10)を示す図である。
【
図31】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その11)を示す図である。
【
図32】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その12)を示す図である。
【
図33】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その13)を示す図である。
【
図34】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その14)を示す図である。
【
図35】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その15)を示す図である。
【
図36】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その16)を示す図である。
【
図37】第1の実施形態の変動パターン決定処理のフローチャートを示す図である。
【
図38】第1の実施形態の図柄決定処理のフローチャートを示す図である。
【
図39】第1の実施形態の打ち方警告処理のフローチャートを示す図である。
【
図40】第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
【
図41】第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【
図42】第2の実施形態の可動部材の動作と表示要素視認性の対応関係シーケンスの一例(その1)を示す図である。
【
図43】第2の実施形態の可動部材の動作と表示要素視認性の対応関係シーケンスの一例(その2)を示す図である。
【
図44】第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その1)を示す図である。
【
図45】第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その2)を示す図である。
【
図46】第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その3)を示す図である。
【
図47】第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その4)を示す図である。
【
図48】第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。
【
図49】第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その4)を示す図である。
【
図50】第3の実施形態の演出ステージ遷移の一例を示す図である。
【
図51】第3の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
【
図52】第3の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【
図53】第3の実施形態の説明演出挿入処理のフローチャートを示す図である。
【
図54】第4の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
【
図55】第4の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
【
図56】第4の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図57】第4の実施形態の遊技機の遊技性能の一例を示す図である。
【
図58】第4の実施形態の遊技機の遊技状態遷移の一例を示す図である。
【
図59】第4の実施形態の遊技状態ごとの演出モードの一例を示す図である。
【
図60】第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の一例を示す図である。
【
図61】第4の実施形態のモードAとモードBの遷移パターンの一例(その1)を示す図である。
【
図62】第4の実施形態のモードAとモードBの遷移パターンの一例(その2)を示す図である。
【
図63】第4の実施形態のモードDの遷移パターンの一例を示す図である。
【
図64】第4の実施形態の演出モードの遷移タイミングと天井報知の実行タイミングの一例を示す図である。
【
図65】第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
【
図66】第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【
図67】第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。
【
図68】第4の実施形態のモードDにおけるサブモード振分の一例を示す図である。
【
図69】第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の変形例(その1)を示す図である。
【
図70】第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の変形例(その2)を示す図である。
【
図71】第4の実施形態の天井報知処理のフローチャートを示す図である。
【
図72】第4の実施形態のモードC演出の一例(その1)を示す図である。
【
図73】第4の実施形態のモードC演出の一例(その2)を示す図である。
【
図74】第4の実施形態のモードC演出の一例(その3)を示す図である。
【
図75】第4の実施形態のモードC演出の一例(その4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
【0009】
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に正面視で左側を軸着側、右側を開放側にして開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
【0010】
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
【0011】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
【0012】
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
【0013】
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(
図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する
図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
【0014】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(
図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
【0015】
次に、遊技盤30について
図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
【0016】
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、
図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0018】
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(
図3参照)により検出される。
【0019】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図3参照)により検出される。
【0020】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図3参照)により検出される。
【0021】
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしてもよい。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
【0022】
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部91aが設けられている。誘導部91aは上面91bが左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面91bで受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
【0023】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特
図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図3参照)が配設されている。
【0024】
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(
図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(
図3参照)が設けられている。
【0025】
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
【0026】
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(
図3参照)設けられるものであってもよい。
【0027】
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
【0028】
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
【0029】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0030】
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特
図1保留表示部52と、特
図1図柄表示部53と、特
図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(
図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
【0031】
次に、遊技機の制御システムについて
図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
【0032】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0033】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
【0034】
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0035】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0036】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0037】
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特
図1変動表示ゲームおよび特
図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
【0038】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
【0039】
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
【0040】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
【0041】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0042】
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0043】
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0044】
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0045】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0046】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0047】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0048】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
【0049】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0050】
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、
図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、
図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
【0051】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特
図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、
図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
【0052】
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
【0053】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0054】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0055】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0056】
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0057】
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当りの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
【0058】
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
【0059】
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0060】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0061】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0062】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0063】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0064】
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
【0065】
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
【0066】
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0067】
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
【0068】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
【0069】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
【0070】
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0071】
次に、演出制御装置300の構成について
図4を用いて説明する。
図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0072】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
【0073】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
【0074】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0075】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
【0076】
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0077】
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
【0078】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0079】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
【0080】
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお
図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
【0081】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0082】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
【0083】
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0084】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
【0085】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
【0086】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0087】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
【0088】
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53や特
図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0089】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0090】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
【0091】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
【0092】
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
【0093】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
【0094】
次に、一括表示装置の構成について
図5を用いて説明する。
図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
【0095】
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特
図1保留表示部52と、特
図1図柄表示部53と、特
図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特
図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特
図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特
図1ゲームにおける保留数を表示する。特
図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特
図1ゲームにおける図柄を表示する。特
図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特
図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特
図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特
図2ゲームにおける保留数を表示する。
【0096】
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
【0097】
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について
図6から
図10を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。
図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。
図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。
図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
【0098】
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
【0099】
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0100】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
【0101】
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
【0102】
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
【0103】
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
【0104】
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
【0105】
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
【0106】
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
【0107】
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
【0108】
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0109】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0110】
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0111】
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0112】
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
【0113】
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0114】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0115】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
【0116】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
【0117】
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
【0118】
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
【0119】
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
【0120】
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
【0121】
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
【0122】
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
【0123】
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
【0124】
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
【0125】
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
【0126】
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
【0127】
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
【0128】
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
【0129】
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
【0130】
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
【0131】
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
【0132】
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
【0133】
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
【0134】
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
【0135】
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0136】
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
【0137】
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
【0138】
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
【0139】
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
【0140】
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
【0141】
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
【0142】
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
【0143】
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
【0144】
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
【0145】
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
【0146】
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0147】
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
【0148】
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
【0149】
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
【0150】
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
【0151】
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
【0152】
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
【0153】
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
【0154】
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
【0155】
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
【0156】
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
【0157】
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
【0158】
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0159】
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0160】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0161】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0162】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0163】
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
【0164】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0165】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
【0166】
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
【0167】
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
【0168】
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について
図11を用いて説明する。
図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
【0169】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
【0170】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
【0171】
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
【0172】
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
【0173】
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0174】
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特
図1,特
図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
【0175】
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
【0176】
次に、制御部は、特
図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特
図1ゲーム処理(ステップS82)、特
図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特
図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
【0177】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
【0178】
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0179】
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を
図12を用いて説明する。
図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【0180】
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
【0181】
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
【0182】
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
【0183】
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
【0184】
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
【0185】
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
【0186】
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
【0187】
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
【0188】
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
【0189】
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
【0190】
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
【0191】
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
【0192】
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
【0193】
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
【0194】
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
【0195】
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
【0196】
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
【0197】
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
【0198】
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
【0199】
次に、遊技機10の特図ゲームの遊技状態について
図13を用いて説明する。
図13は、第1の実施形態の遊技状態の状態遷移の一例を示す図である。特図ゲームの遊技状態は、大別して、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、遊技状態D、遊技状態E、および遊技状態Fがある。
【0200】
遊技状態Aは、確率状態が低確率であり、時短状態が時短なしの遊技状態であり、一般に通常遊技状態と呼ばれる遊技状態である。遊技状態Aは、遊技者にとって有利でない(不利な)遊技状態である。そのため多くの場合、遊技者は、遊技状態Aから遊技を開始して遊技状態Aで遊技を終える。
【0201】
遊技状態Bは、確率状態が低確率であり、時短状態がa時短の遊技状態であり、一般に低確時短状態と呼ばれる遊技状態の1つである。遊技状態Bは、遊技状態Aと比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0202】
遊技状態Cは、確率状態が高確率であり、時短状態がa時短の遊技状態であり、一般に高確時短状態と呼ばれる遊技状態である。遊技状態Cは、遊技状態Bと比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0203】
遊技状態Dは、確率状態が高確率であり、時短状態が時短なしの遊技状態であり、一般に高確時短なし状態と呼ばれる遊技状態である。遊技状態Dは、遊技状態Cと比較して遊技者にとって不利な遊技状態である。
【0204】
遊技状態Eは、確率状態が低確率であり、時短状態がb時短の遊技状態であり、一般に低確時短状態と呼ばれる遊技状態の1つである。遊技状態Eは、遊技状態Aと比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0205】
遊技状態Fは、確率状態が低確率であり、時短状態がc時短の遊技状態であり、一般に低確時短状態と呼ばれる遊技状態の1つである。遊技状態Fは、遊技状態Aと比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0206】
なお、時短a(A時短)は、発生契機を当りとする時短であり、終了条件成立まで継続する時短である。また、時短b(B時短)は、発生契機を低確状態における所定回数のゲームの実行とする時短であり、終了条件成立まで継続する時短である。また、時短c(C時短)は、発生契機を低確状態における所定結果の導出(所定図柄の導出)とする時短であり、終了条件成立まで継続する時短である。
【0207】
各遊技状態は、ゲーム(特図ゲーム)の実行ごとに他の遊技状態への遷移契機を得るが、所定の遷移条件成立がない場合には当該遊技状態に留まる。各遊技状態は、当りの発生を契機にして遊技状態Bまたは遊技状態Cに遷移し得る(遷移フローを実線で示す)。各遊技状態は、当りのうち当り1(低確当り)の発生を契機にして遊技状態Bに遷移し、当りのうち当り2(高確当り)の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する。たとえば、遊技状態Aは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに遷移する遷移フローf1と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する遷移フローf2を有する。遊技状態Bは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに留まる遷移フローf3と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する遷移フローf4を有する。遊技状態Cは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに遷移する遷移フローf5と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに留まる遷移フローf6を有する。遊技状態Dは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに遷移する遷移フローf7と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する遷移フローf8を有する。遊技状態Eは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに遷移する遷移フローf9と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する遷移フローf10を有する。遊技状態Fは、当り1の発生を契機にして遊技状態Bに遷移する遷移フローf11と、当り2の発生を契機にして遊技状態Cに遷移する遷移フローf12を有する。
【0208】
各遊技状態は、時短の発生や終了、高確状態の終了を契機にして遊技状態を遷移し得る(遷移フローを破線で示す)。たとえば、遊技状態Aは、ゲームの結果として所定の時短図柄を導出した場合に遊技状態Fに遷移する遷移フローf21と、所定回数のゲームを実行した場合に遊技状態Eに遷移する遷移フローf22を有する。遊技状態Bは、ゲームの結果として所定の時短図柄を導出した場合(ただしc時短の回数がa時短の残回数より小さい場合を除く)に遊技状態Fに遷移する遷移フローf23と、a時短が終了した場合に遊技状態Aに遷移する遷移フローf24を有する。遊技状態Cは、a時短が終了した場合に遊技状態Dに遷移する遷移フローf25と、高確状態が終了(低確状態へ移行)した場合に遊技状態Bに遷移する遷移フローf26を有する。遊技状態Dは、高確状態が終了(低確状態へ移行)した場合に遊技状態Aに遷移する遷移フローf27を有する。遊技状態Eは、ゲームの結果として所定の時短図柄を導出した場合(ただしc時短の回数がb時短の残回数より小さい場合を除く)に遊技状態Fに遷移する遷移フローf28と、b時短が終了した場合に遊技状態Aに遷移する遷移フローf29を有する。遊技状態Fは、ゲームの結果として所定の時短図柄を導出した場合(ただし新たなc時短の回数がc時短の残回数より小さい場合を除く)に遊技状態Fに留まる遷移フローf30と、所定回数のゲームを実行した場合(ただしb時短の回数がc時短の残回数より小さい場合を除く)に遊技状態Eに遷移する遷移フローf31と、c時短が終了した場合に遊技状態Aに遷移する遷移フローf32を有する。
【0209】
次に、a時短の時短回数とその振分について
図14を用いて説明する。
図14は、第1の実施形態のa時短の時短回数振分の一例を示す図である。a時短は、当り種別ごとに時短ゲーム数(a時短状態のゲーム数)があらかじめ設定されている。高確ゲーム数(高確状態のゲーム数)もまた、当り種別ごとにあらかじめ設定されている。なお、当り種別は、特
図1ゲームと特
図2ゲームとで共通であるが、異なるものであってもよい。また、a時短状態の終了条件は、時短ゲーム数の実行であるが、これに加えてその他の条件(たとえば、小当り回数等)を設定してもよい。
【0210】
当りAは、当り後の特図ゲームが低確率であり、高確ゲーム数が0回であり、時短ゲーム数が10回である。当りBは、当り後の特図ゲームが低確率であり、高確ゲーム数が0回であり、時短ゲーム数が100回である。当りCは、当り後の特図ゲームが高確率であり、高確ゲーム数が10回であり、時短ゲーム数が高確ゲーム数より大きい100回である。当りDは、当り後の特図ゲームが高確率であり、高確ゲーム数が50回であり、時短ゲーム数が高確ゲーム数より大きい100回である。当りEは、当り後の特図ゲームが高確率であり、高確ゲーム数が100回であり、時短ゲーム数が高確ゲーム数と同じ100回である。当りFは、当り後の特図ゲームが高確率であり、高確ゲーム数120回であり、時短ゲーム数が高確ゲーム数より小さい100回である。このように、遊技機10は、確率変動の有無と、高確ゲームの大きさ、時短ゲームの大きさと、これらの組合せとで多様なゲーム性を演出する。遊技機10は、高確ゲーム数よりも時短ゲーム数が大きい当りと、高確ゲーム数よりも時短ゲーム数が小さい当りと、高確ゲーム数と時短ゲーム数とが同じ当りとを用意することで多様なゲーム性を演出する。
【0211】
次に、b時短の時短回数とその振分について
図15を用いて説明する。
図15は、第1の実施形態のb時短の時短回数振分の一例を示す図である。b時短は、特図ゲームごとに天井到達の特図ゲーム数が設定され、天井到達条件ごとに時短ゲーム数が設定される。たとえば、特
図1ゲームの特図ゲーム数だけでの777ゲームの実行は、時短ゲーム数600回のb時短発生契機となる天井到達条件(天井到達条件1)である。特
図2ゲームの特図ゲーム数だけでの241ゲームの実行は、時短ゲーム数500回のb時短発生契機となる天井到達条件(天井到達条件2)である。特
図1ゲームと特
図2ゲームの合計特図ゲーム数での778ゲームの実行は、時短ゲーム数550回のb時短発生契機となる天井到達条件(天井到達条件3)である。遊技機10は、複数の天井到達条件を有することで遊技者による天井到達回数の把握を困難ならしめることができる。また、遊技機10は、天井到達条件ごとに時短ゲーム数を異ならせることで遊技者に攻略意欲を沸かせて興趣向上を図ることができる。
【0212】
なお、天井到達条件は、特
図1ゲームの特図ゲーム数だけの天井到達条件、特
図2ゲームの特図ゲーム数だけの天井到達条件、特
図1ゲームと特
図2ゲームの合計特図ゲーム数の天井到達条件のすべてを有するものに限らず、1つまたは2つを有するものであってもよい。また、天井到達条件となるゲーム数は、あらかじめ定める固定値であってもよいし、ゲーム数カウント開始時あるいはゲーム数カウント開示までに決定される可変値であってもよい。たとえば、ゲーム数カウント開始時に決定される可変値は、2以上の選択肢から抽選あるいは所定条件にしたがい選択されるものであってもよいし、乱数等を用いてあらかじめ特定されない値に決定されるものであってもよい。たとえば、天井到達条件となるゲーム数は、当り発生時に当り図柄にもとづいて決定されるものであってもよいし、当り後の最初の始動入賞にもとづいて決定されるものであってもよい。
【0213】
次に、c時短の時短回数とその振分について
図16を用いて説明する。
図16は、第1の実施形態のc時短の時短回数振分の一例を示す図である。c時短は、c時短発生契機となる特図ゲームにおける所定の図柄組合せが設定され、図柄組合せごとに出現率と時短ゲーム数が設定される。たとえば、特
図1ゲームは、図柄組合せA、B,Cのいずれかの導出をc時短発生契機とし、特
図2ゲームは、図柄組合せA、B,C,Dのいずれかの導出をc時短発生契機とする。なお、特
図1ゲームにおける図柄組合せとは、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53における7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様をいい、特
図2ゲームにおける図柄組合せとは、一括表示装置50の特
図2図柄表示部54における7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様をいう。たとえば、図柄組合せAは、出現率1/100であり、時短ゲーム数1である。図柄組合せBは、出現率1/200であり、時短ゲーム数10である。図柄組合せCは、出現率1/500であり、時短ゲーム数20である。図柄組合せDは、出現率1/4であり、時短ゲーム数5である。遊技機10は、c時短発生契機となる複数の図柄組合せを有することで多様なゲーム性を演出する。また、遊技機10は、特
図1ゲームにおけるc時短発生契機の出現率と比較して特
図2ゲームにおけるc時短発生契機の出現率を高くしたことで、特
図1ゲームにおけるc時短発生をゲーム性の多様性演出とし、特
図2ゲームにおけるc時短発生を新規なゲーム性の演出とすることができる。
【0214】
なお、遊技機10は、a時短、b時短、c時短ごとに、普図変動時間、普図当り確率、普図停止から普電開放までの時間、普電開放時間等を違えることで時短性能を違えるものであってもよい。また、遊技機10は、a時短中のb時短発生、a時短中のc時短発生、b時短中のc時短発生、c時短中のb時短発生、あるいはc時短中のc時短発生において、先に発生中の時短の時短性能を後から発生する時短が時短性能を更新するものであってもよいし、先に発生中の時短の時短性能を後から発生する時短が引き継ぐものであってもよい。また、遊技機10は、a時短中のb時短発生、a時短中のc時短発生、b時短中のc時短発生、c時短中のb時短発生、あるいはc時短中のc時短発生において、先に発生中の時短の時短残回数より後から発生する時短の時短回数が大きい場合に、先に発生中の時短残回数を後から発生する時短の時短回数で更新するものであってもよいし、条件なしに先に発生中の時短残回数を後から発生する時短の時短回数で更新するものであってもよいし、先に発生中の時短残回数に後から発生する時短の時短回数を加えて時短残回数を更新するものであってもよい。
【0215】
次に、演出制御装置300が実行する特図ゲームの表示について
図17から
図24を用いて説明する。なお、以下に示す表示画面は、表示装置41に表示される表示画面である。
図17は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
図18は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
図19は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。
図20は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その4)を示す図である。
図21は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その5)を示す図である。
図22は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その6)を示す図である。
図23は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その7)を示す図である。
図24は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その8)を示す図である。
【0216】
図17(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、特
図1ゲームまたは特
図2ゲーム(変動表示ゲーム)における変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。なお、表示画面500は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。なお、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける本特図は、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に表示される図柄(LEDの点灯態様)であり、大図柄群501と小図柄群502は、本特図に対応した飾り図柄である。また、図示しないが、遊技機10は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける図柄として、変動表示ゲームの結果態様の区別を示すことなしに変動状態と停止状態とを、たとえばLEDの点滅と点灯とによって示す第4図柄を有する。
【0217】
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
【0218】
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
【0219】
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
【0220】
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
【0221】
特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
【0222】
保留表示(待機保留表示)505は、保留アイコンの表示によって特
図1ゲームの保留数を示す。保留消化表示(消化保留表示)506は、保留消化アイコンの表示によって特図ゲームが変動中であることを示す。表示画面500は、保留表示505によって特
図1ゲームの保留記憶数または特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。また、表示画面500は、保留消化表示506によって、特に消化保留台座上に保留消化アイコンがないことによって、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームが変動中でないことを示す。
【0223】
図17(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。なお、表示画面510は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0224】
表示画面510では、特
図1保留数表示503は、特
図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、特
図2保留数表示504は、特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特
図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特
図1ゲーム)の保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0225】
なお、表示画面500や表示画面510は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
【0226】
また、保留表示505は、現在の遊技状態(たとえば、通常遊技状態)に対応して特
図1ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン507が表示される様子を示す。保留アイコン507は、たとえば、球形状であり、保留アイコン507もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。また、保留消化表示506は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン508が表示される様子を示す。保留消化アイコン508は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン508もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
【0227】
たとえば、表示画面510に示すように特
図1保留数表示503が「2」を表示し、特
図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、2つの保留記憶表示により保留記憶数が「2」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
【0228】
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
【0229】
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
【0230】
なお、保留表示505は、遊技状態に応じて特
図1ゲームの保留数と特
図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン507により表示するとしたが、特
図1ゲームの保留数と特
図2ゲームの保留数の合計保留数を保留アイコン507により表示するものであってもよい。
【0231】
図17(3)に示す表示画面512は、表示画面510における変動表示がゲーム結果としてはずれを導出したときの表示画面である。なお、表示画面512は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面512は、大図柄群501および小図柄群502において左図柄が「5」、中図柄が「2」、右図柄が「3」で停止して、はずれとなる結果態様を導出したことを示す。また、表示画面512は、特
図1保留数表示503が特
図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、特
図2保留数表示504が特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505が特
図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、保留消化表示506が特図変動表示ゲームの図柄停止中を示す。
【0232】
図18(1)に示す表示画面514は、ゲーム結果として当りを導出したときの表示画面である。なお、表示画面514は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面514は、大図柄群501および小図柄群502において左図柄が「3」、中図柄が「3」、右図柄が「3」で停止して、当りとなる結果態様を導出したことを示す。また、表示画面514は、特
図1保留数表示503が特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特
図2保留数表示504が特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505が特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留消化表示506が特図変動表示ゲームの図柄停止中を示す。
【0233】
図18(2)に示す表示画面516は、表示画面514に続く表示画面であり、当り状態中の表示画面である。表示画面516は、当り種別表示517と、当り演出表示518と、打ち方案内表示519と、履歴情報表示520を表示内容に含む。
【0234】
当り種別表示517は、当りの種別を示す表示であり、表示画面516における当り種別表示517は、当りが大当りであること、当り図柄が「3,3,3」であることを示す。当り演出表示518は、当り中の演出に関する表示であり、表示画面516における当り演出表示518は、当り中の現在のラウンドが5Rであること、1ラウンド当りの入賞個数(たとえば、丸の数で表示)が9個であること、当該ラウンドの入賞数(たとえば、黒丸の数)が6個であること、BGM(Back Ground Music)の種別が「BGM1」であることを示す。なお、当り演出表示518は、キャラクタ表示やムービー演出表示等を含むものであってもよい。打ち方案内表示519は、当り中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの白色矢印のアイコンとで案内する。履歴情報表示520は、当り中の遊技履歴を含む遊技履歴を表示する。表示画面516における履歴情報表示520は、「480P GET」により480個の遊技球を獲得したことを示し、「1200P CHANCE」により1200個の遊技球の獲得機会があることを示し、「1回当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当り(当該当りを含む)があったこと、「時短0回」により所定の履歴情報収集期間において時短が1度も発生していないことを示す。なお、所定の履歴情報収集期間は、初当りから当りと時短が通常遊技状態を挟むことなく連続する期間であるが、所定ゲーム数(たとえば、20ゲーム)に限って通常遊技状態を挟んでも初当りから当りと時短が連続する期間とみなしてもよい。
【0235】
なお、時短に関する履歴情報は、a時短、b時短、あるいはc時短の累積発生回数を表示することに加えて、あるいは累積発生回数を表示することに代えて、a時短、b時短、あるいはc時短それぞれの時短ゲーム数を合計した合計時短ゲーム数を表示するものであってもよい。また、合計時短ゲーム数は、a時短、b時短、あるいはc時短それぞれについて時短ゲーム数を合計した時短種別(時短モード)ごとの合計時短ゲーム数を表示するものであってもよい。
【0236】
図18(3)に示す表示画面522は、表示画面516の後の表示画面であり、当りにおけるエンディング状態中の表示画面である。表示画面522は、当り種別表示517と、注意喚起表示523と、打ち方案内表示519と、履歴情報表示524を表示内容に含む。注意喚起表示523は、遊技者に対して注意を喚起する表示であり、たとえば、遊技のめり込みを注意喚起するメッセージ「遊技は適度に」を表示する。なお、遊技者に対して注意を喚起する表示は、カードの取り忘れ等、その他のメッセージであってもよい。また、注意喚起表示523は、メーカー名等、所要の情報を表示するものであってもよい。履歴情報表示524は、当り終了時の遊技履歴を表示する。表示画面522における履歴情報表示524は、「1260P GET」により1260個の遊技球を獲得したことを示し、「1回当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当り(当該当りを含む)があったこと、「時短0回」により所定の履歴情報収集期間において1回の時短もないことを示す。
【0237】
図19(1)に示す表示画面526は、表示画面516と異なる当り状態の表示画面である。表示画面526は、当り種別表示527と、当り演出表示528と、打ち方案内表示519と、履歴情報表示529を表示内容に含む。
【0238】
当り種別表示527は、当りが大当りであること、当り図柄が「2,2,2」であることを示す。当り演出表示528は、当り中の現在のラウンドが4Rであること、1ラウンド当りの入賞個数(たとえば、丸の数で表示)が9個であること、当該ラウンドの入賞数(たとえば、黒丸の数)が8個であること、BGMの種別が「BGM2」であることを示す。なお、BGMの種別は、当りの種別に応じたものであってもよいし、遊技履歴に応じたものであってもよいし、遊技者によって選択されたものであってもよい。履歴情報表示529は、「1820P GET」により1820個の遊技球を獲得したことを示し、「1650P CHANCE」により1650個の遊技球の獲得機会があることを示し、「2連続当り」により所定の履歴情報収集期間において2回の当り(当該当りを含む)があったこと、「時短1回」により所定の履歴情報収集期間において1回の時短があったことを示す。
【0239】
図19(2)に示す表示画面530は、表示画面526の後のa時短(A時短)中の表示画面である。表示画面530は、時短情報表示531と、履歴情報表示532と、打ち方案内表示533と、飾り図柄表示534と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示535と、保留消化表示536と、保留アイコン537と、保留消化アイコン538を表示内容に含む。時短情報表示531は、時短種別と、時短残回数と、BGMの種別を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示531は、時短種別として「A時短モード」を表示してa時短(A時短)中であることを示し、時短残回数として「残り30回」を表示して時短残回数が30回であることを示し、BGMの種別として「BGM5」を表示してBGMの種別が「BGM5」であることを示す。履歴情報表示532は、「2080P GET」により2080個の遊技球を獲得したことを示し、「2連続当り 32」により所定の履歴情報収集期間において2回の当りがあったことと当り図柄が「3」と「2」であったことを示し、「時短2回」により所定の履歴情報収集期間において2回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。打ち方案内表示533は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの黒色矢印のアイコンとで案内する。なお、打ち方案内表示533は、打ち方案内表示519と表示態様(たとえば、アイコンの色彩)を違えて打ち方案内表示519における遊技状態と打ち方案内表示533における遊技状態とが異なることを案内する。遊技状態が異なることを案内する。飾り図柄表示534は、a時短中の表示態様(たとえば、図柄の大きさ変更やデザイン変更等)で大図柄群を表示する。保留表示535は、a時短中の表示態様で待機保留台座を表示し、a時短中の表示態様で保留アイコン537を表示する。保留消化表示536は、a時短中の表示態様で保留消化台座を表示し、a時短中の表示態様で保留消化アイコン538を表示する。これにより、遊技機10は、保留表示535と保留消化表示536とから現在の遊技状態がa時短中であることを案内することができる。
【0240】
図19(3)に示す表示画面540は、表示画面530より後のa時短終了条件成立時の表示画面であり、時短回数満了(時短残回数「0」)時の表示画面である。表示画面540における時短情報表示531は、時短種別として「A時短モード」、時短残回数として「終了」を表示してa時短が終了したことを示し、BGMの種別として「BGM0」を表示してBGMの種別が「BGM0」であることを示す。表示画面540における履歴情報表示532は、「2230P GET」により2230個の遊技球を獲得したことを示す。なお、履歴情報表示532における遊技球獲得数は、時短中においては、普電からの入賞個数を加算するものであってもよいし、普電からの入賞個数に加えて一般入賞口からの入賞個数を加算するものであってもよい。表示画面540における打ち方案内表示533は、a時短の終了に伴い、時短終了後の打ち方として左打ち遊技であることをメッセージ「左打ち」と左向きの黒色矢印のアイコンとで案内する。なお、遊技機10は、通常遊技状態への遷移後の所定期間、履歴情報表示532と打ち方案内表示533を表示することで遊技者に報知内容を強く知らしめる。表示画面540における飾り図柄表示534と小図柄群502は、はずれ図柄組合せ「3,5,4」を表示して、はずれであること、当りでないこと、時短図柄でもないことを案内する。表示画面540は、a時短終了により、保留表示535から保留表示505に変更し、保留消化表示536から保留消化表示506に変更する。これにより、遊技機10は、保留表示505と保留消化表示506とから現在の遊技状態が通常遊技状態中であることを案内することができる。
【0241】
図20(1)に示す表示画面542は、表示画面540と異なるa時短終了条件成立時の表示画面であり、時短図柄導出によりa時短終了条件が成立する時の表示画面である。表示画面542における時短情報表示531は、時短種別として「A時短モード」を表示してa時短(A時短)中であることを示し、時短残回数として「残り3回」を表示して時短残回数が3回であることを示し、BGMの種別として「BGM5」を表示してBGMの種別が「BGM5」であることを示す。表示画面542における履歴情報表示532は、「2230P GET」により2230個の遊技球を獲得したことを示し、「2連続当り 32」により所定の履歴情報収集期間において2回の当りがあったことと当り図柄が「3」と「2」であったことを示し、「時短2回」により所定の履歴情報収集期間において2回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。表示画面542における打ち方案内表示533は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの黒色矢印のアイコンとで案内する。表示画面542における飾り図柄表示534と小図柄群502は、時短図柄組合せ「2,4,1」を表示して、時短図柄組合せの導出を案内する。すなわち、遊技機10は、時短図柄組合せの導出によりa時短を終了し、c時短を開始する。なお、a時短の時短残回数がc時短の時短残回数より大きい場合、時短図柄組合せの導出があってもc時短が開始されず、a時短が終了することもない。表示画面542における保留表示535は、a時短中の表示態様(たとえば、デザイン変更等)で待機保留台座を表示し、a時短中の表示態様で保留アイコン537を表示する。保留消化表示536は、a時短中の表示態様で保留消化台座を表示する。これにより、遊技機10は、保留表示535と保留消化表示536とから遊技状態を案内することができる。
【0242】
図20(2)に示す表示画面551は、表示画面542に続く表示画面であり、a時短終了後のc時短開始時の表示画面である。表示画面551は、時短情報表示543と、履歴情報表示544と、打ち方案内表示545と、飾り図柄表示546と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示547と、保留消化表示548と、保留アイコン549と、保留消化アイコン550を表示内容に含む。時短情報表示543は、時短種別と、時短残回数と、BGMの種別を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示543は、時短種別として「C時短モード」を表示してc時短(C時短)中であることを示し、時短残回数として「残り5回」を表示して時短残回数が5回であることを示し、BGMの種別として「BGM7」を表示してBGMの種別が「BGM7」であることを示す。履歴情報表示544は、「2280P GET」により2280個の遊技球を獲得したことを示し、「2連続当り 32」により所定の履歴情報収集期間において2回の当りがあったことと当り図柄が「3」と「2」であったことを示し、「時短3回」により所定の履歴情報収集期間において3回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。打ち方案内表示545は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの交差斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。なお、打ち方案内表示545は、打ち方案内表示519,533と表示態様(たとえば、アイコンの色彩)を違えて打ち方案内表示519,533における遊技状態と打ち方案内表示545における遊技状態とが異なることを案内する。飾り図柄表示546は、c時短中の表示態様(たとえば、図柄の大きさ変更やデザイン変更等)で大図柄群を表示する。保留表示547は、c時短中の表示態様で待機保留台座を表示し、c時短中の表示態様で保留アイコン549を表示する。保留消化表示548は、c時短中の表示態様で保留消化台座を表示し、c時短中の表示態様で保留消化アイコン550を表示する。これにより、遊技機10は、保留表示547と保留消化表示548とから現在の遊技状態がc時短中であることを案内することができる。
【0243】
図20(3)に示す表示画面552は、表示画面551より後の表示画面であり、c時短が連続中の表示画面である。遊技機10は、c時短中に時短図柄を導出し、かつ現在のc時短の時短残回数よりも新たなc時短の時短残回数が大きい場合に、新たなc時短を実行する。表示画面552における時短情報表示543は、時短種別として「C時短モード」を表示してc時短(C時短)中であることを示し、時短残回数として「残り2回」を表示して時短残回数が2回であることを示し、BGMの種別として「BGM7」を表示してBGMの種別が「BGM7」であることを示す。表示画面552における履歴情報表示544は、「2320P GET」により2320個の遊技球を獲得したことを示し、「2連続当り 32」により所定の履歴情報収集期間において2回の当りがあったことと当り図柄が「3」と「2」であったことを示し、「時短9回」により所定の履歴情報収集期間において9回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。このように、遊技機10は、時短の連続回数を遊技履歴として遊技者に案内することができる。なお、履歴情報表示544は、時短の連続回数に代えて、あるいは時短の連続回数に加えて、時短種別の発生履歴を表示するものであってもよい。たとえば、9回の時短のうち初回がa時短でその後のすべてがc時短のときに、履歴情報表示544は、時短種別の発生履歴として「acccccccc」を表示する。
【0244】
なお、遊技機10は、通常遊技状態における特図変動表示中において当該特図変動表示の結果としてc時短を発生するとき、時短発生前から打ち方案内表示をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、
図21(1)に示す表示画面554のように、打ち方案内表示555を表示する。打ち方案内表示555は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの交差斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。打ち方案内表示555は、打ち方案内表示545のアイコンと同様の表示態様で矢印のアイコンを表示することでc時短の発生を示唆する。なお、打ち方案内表示555は、b時短の発生を示唆する場合にb時短に対応した表示態様で矢印のアイコンを表示する。これにより、遊技機10は、時短発生前から打ち方案内をおこなうことで時短発生に遅れない遊技案内をおこなうことができる。なお、打ち方案内表示555の表示タイミングは、演出制御装置300によって決定される。演出制御装置300は、時短発生契機となる変動表示コマンドを受信したこと、あるいは停止図柄を指示する停止図柄コマンドを遊技制御装置100から受信したことを契機にして打ち方案内表示555の表示タイミングを決定する。演出制御装置300は、打ち方案内表示555の表示契機となるコマンドの受信時に打ち方案内表示545を表示するようにしてもよいし、打ち方案内表示555の表示契機となるコマンドの受信から所定時間遅れて打ち方案内表示545を表示するようにしてもよいし、当該変動中の所定の演出タイミングで打ち方案内表示545を表示するようにしてもよいし、図柄停止時を基準にして所定の表示時間を確保するタイミングで打ち方案内表示545を表示するようにしてもよい。
【0245】
図21(2)に示す表示画面556は、表示画面554の後に発生したc時短中の表示画面である。表示画面556は、時短情報表示543と、履歴情報表示544と、打ち方案内表示545と、飾り図柄表示546と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示547と、保留消化表示548と、保留アイコン549と、保留消化アイコン550を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示543は、時短種別として「C時短モード」を表示してc時短(C時短)中であることを示し、時短残回数として「残り20回」を表示して時短残回数が20回であることを示し、BGMの種別として「BGM4」を表示してBGMの種別が「BGM4」であることを示す。履歴情報表示544は、「6P GET」により6個の遊技球を獲得したことを示し、「0連続当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当りもないことを示し、「時短1回」により所定の履歴情報収集期間において1回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。打ち方案内表示545は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの交差斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。なお、打ち方案内表示545は、打ち方案内表示555と同様の表示態様である。なお、履歴情報収集期間の起点は、従来、履歴情報収集期間の起点が当りであるところ、通常遊技状態からc時短を発生した場合においてc時短の発生時となる。これにより、遊技機10は、遊技者の時短発生履歴に関する関心を高めて興趣向上を図ることができる。
【0246】
たとえば、遊技機10は、
図21(3)に示す表示画面558のような履歴情報表示544を表示することができる。表示画面558における履歴情報表示544は、「72P GET」により72個の遊技球を獲得したことを示し、「0連続当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当りもないことを示し、「時短3回」により所定の履歴情報収集期間において3回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。このように、遊技機10は、当りを含まない時短だけの遊技履歴を収集し、遊技者に提示することができる。
【0247】
同様に、遊技機10は、通常遊技状態において当該特図変動表示の結果としてb時短を発生するとき、時短発生前から打ち方案内表示をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、
図22(1)に示す表示画面560のように、打ち方案内表示565を表示する。打ち方案内表示565は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。打ち方案内表示565は、c時短に対応した表示態様で矢印のアイコンを表示することでc時短の発生を示唆する。また、表示画面560は、時短案内表示561を表示内容に含む。時短案内表示561は、次回に発生する時短種別がB時短(b時短)であることを案内する。なお、表示画面560は、c時短に対応した表示態様の打ち方案内表示565に代えて、時短種別を特定しない表示態様にして発生する時短に対する期待感を遊技者に抱かせるようにしてもよい。その場合、表示画面560は、打ち方案内表示565に遅れて時短案内表示561を表示するようにしてもよい。
【0248】
図22(2)に示す表示画面562は、表示画面560の後に発生したb時短中の表示画面である。表示画面562は、時短情報表示563と、履歴情報表示564と、打ち方案内表示565と、飾り図柄表示566と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示567と、保留消化表示568と、保留アイコン569と、保留消化アイコン570を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示563は、時短種別として「B時短モード」を表示してb時短(B時短)中であることを示し、時短残回数として「残り600回」を表示して時短残回数が600回であることを示し、BGMの種別として「BGM11」を表示してBGMの種別が「BGM11」であることを示す。履歴情報表示564は、「6P GET」により6個の遊技球を獲得したことを示し、「0連続当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当りもないことを示し、「時短1回」により所定の履歴情報収集期間において1回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。打ち方案内表示565は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。なお、履歴情報収集期間の起点は、従来、履歴情報収集期間の起点が当りであるところ、通常遊技状態からb時短を発生した場合においてc時短の発生時となる。これにより、遊技機10は、遊技者の時短発生履歴に関する関心を高めて興趣向上を図ることができる。飾り図柄表示566は、b時短中の表示態様(たとえば、図柄の大きさ載変更やデザイン変更等)で大図柄群を表示する。保留表示567は、b時短中の表示態様で待機保留台座を表示し、b時短中の表示態様で保留アイコン569を表示する。保留消化表示568は、b時短中の表示態様で保留消化台座を表示し、b時短中の表示態様で保留消化アイコン570を表示する。これにより、遊技機10は、保留表示567と保留消化表示568とから現在の遊技状態がb時短中であることを案内することができる。
【0249】
ここで、b時短中の時短図柄導出について説明する。
図22(3)に示す表示画面572は、時短情報表示563に示すように時短残回数が残り540回であるときに、飾り図柄表示566および小図柄群502に示すように時短図柄「2,4,1」を導出した。時短図柄「2,4,1」は、たとえば時短回数5回の時短であり、現在の時短残回数が残り540回より小さい。そのため、遊技機10は、時短図柄「2,4,1」を導出したもののb時短からc時短に移行することなしにb時短を継続する。このとき、遊技機10は、履歴情報表示564において時短回数を更新しない。なお、遊技機10は、履歴情報表示564においてc時短への移行に関わらず時短図柄の導出回数を表示するようにしてもよい。
【0250】
図23(1)に示す表示画面574は、時短情報表示563に示すように時短残回数が残り3回であるときに、飾り図柄表示566および小図柄群502に示すように時短図柄「2,4,1」を導出した。時短図柄「2,4,1」は、たとえば時短回数5回の時短であり、現在の時短残回数が残り3回より大きい。そのため、遊技機10は、時短図柄「2,4,1」を導出したことにより、b時短からc時短に移行する。ただし、表示画面574において、遊技機10は、未だb時短であり、保留表示567と保留消化表示568とから現在の遊技状態がb時短中であることを案内する。また、表示画面574は、履歴情報表示564を表示内容に含み、履歴情報表示564においてb時短中の遊技履歴を表示する。
【0251】
図23(2)に示す表示画面576は、表示画面574に続く表示画面である。表示画面576は、時短案内表示577と、打ち方案内表示565と、飾り図柄表示566と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504を表示内容に含む。一方、表示画面576は、表示画面574が表示内容に含んでいた時短情報表示563と、履歴情報表示564と、保留表示567と、保留消化表示568と、保留アイコン569と、保留消化アイコン570を非表示にする。時短案内表示577は、メッセージ「C時短GET!」を表示して、b時短からc時短への移行があることを案内する。なお、打ち方案内表示565と、飾り図柄表示566は、その表示態様から未だb時短中であることを案内する。
【0252】
図23(3)に示す表示画面578は、表示画面576に続く表示画面である。表示画面578は、b時短からc時短へと移行した後の表示画面である。表示画面578は、時短情報表示543と、履歴情報表示544と、打ち方案内表示545と、飾り図柄表示546と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示547と、保留消化表示548と、保留アイコン549と、保留消化アイコン550を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示543は、時短種別として「C時短モード」を表示してc時短(C時短)中であることを示し、時短残回数として「残り5回」を表示して時短残回数が5回であることを示し、BGMの種別として「BGM7」を表示してBGMの種別が「BGM7」であることを示す。履歴情報表示544は、時短種別の移行(たとえば、b時短からc時短)時に遊技履歴をリセットせず、先の時短の遊技履歴を継続する。履歴情報表示544は、「1862P GET」により1862個の遊技球を獲得したことを示し、「0連続当り」により所定の履歴情報収集期間において1回の当りもないことを示し、「時短2回」により所定の履歴情報収集期間において2回の時短(当該時短を含む)があったことを示す。打ち方案内表示545は、時短中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの交差斜線ハッチング矢印のアイコンとで案内する。なお、打ち方案内表示545は、打ち方案内表示565と表示態様を違えることでb時短からc時短への移行があることを案内する。飾り図柄表示546は、飾り図柄表示566と表示態様を違えることでb時短からc時短への移行があることを案内する。保留表示547は、保留表示567と待機保留台座の表示態様を違えることでb時短からc時短への移行があることを案内する。保留消化表示548は、保留消化表示568と保留消化台座の表示態様を違えることでb時短からc時短への移行があることを案内する。なお、保留表示567および保留消化表示568から保留表示547および保留消化表示548への表示態様の変更は、表示画面576における非表示期間を含むことで遊技者による時短種別の移行の確認を容易にする。なお、遊技機10は、表示画面574から表示画面578への移行過程に、所要の表示要素を非表示にする非表示期間を設ける表示画面576を設けたが、表示画面574から表示画面576をパスして表示画面578に至るようにしてもよい。
【0253】
次に、待機保留台座および保留消化台座の表示態様の変更について変形例を、
図24(1)と
図24(2)に示す。表示画面580は、c時短中に発生した当り、あるいはb時短中に発生した当りを介して時短種別の移行があったa時短中の表示画面である。表示画面580は、時短情報表示531と、履歴情報表示532と、打ち方案内表示533と、飾り図柄表示534と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示535と、保留消化表示536と、保留アイコン537と、保留消化アイコン538を表示内容に含む。したがって、表示画面580は、c時短中の表示画面の表示態様を継続保持することをしない。これにより、遊技機10は、a時短以前の時短種別の表示態様を継続保持しないことで遊技者の時短への関心をリフレッシュする。なお、c時短からa時短の移行について説明したが、b時短からa時短への移行についても同様とすることができる。
【0254】
一方、表示画面582は、a時短中に時短種別の移行があってc時短中となった表示画面である。表示画面582は、時短情報表示543と、履歴情報表示544と、打ち方案内表示545と、飾り図柄表示546と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示535と、保留消化表示536と、保留アイコン537と、保留消化アイコン538を表示内容に含む。表示画面582の表示内容のうち、時短情報表示543と打ち方案内表示545と飾り図柄表示546は、c時短に対応した表示内容である。これにより、遊技機10は、現在の遊技状態がc時短であることを案内する。また、表示画面582の表示内容のうち、保留表示535と保留消化表示536と保留アイコン537と保留消化アイコン538は、a時短に対応した表示内容である。これにより、遊技機10は、時短種別移行前の遊技状態にa時短があったことを案内する。したがって、表示画面580は、a時短中の表示画面の表示態様について一部を継続保持する。これにより、c時短以前の時短種別の表示態様の一部を継続保持することで遊技者の時短への興趣を維持する。なお、a時短からc時短の移行について説明したが、a時短からb時短への移行、b時短からc時短への移行、c時短からb時短への移行についても同様とすることができる。なお、保留アイコンと保留消化アイコンについて、時短種別移行以前の表示態様を保持するとしたが、時短種別移行以前に消化中の保留消化アイコン、時短種別移行以前に待機中の保留アイコン、および時短種別移行以前に待機中の保留アイコンが消化されるときの保留消化アイコンに限り時短種別移行以前の表示態様を保持し、時短種別移行後の保留アイコンについては時短種別移行後の時短種別に対応した表示態様とするものであってもよい。これによれば、遊技機10は、保留アイコンと保留消化アイコンの表示態様から時短種別移行前の時短と時短種別移行後の時短とを遊技者に容易に把握させることができる。なお、時短種別の表示態様の一部を継続保持する表示内容は、打ち方案内表示や飾り図柄表示等、その他の表示内容であってもよい。
【0255】
次に、
図23(2)に示した表示画面576の別例となる表示例と、当該表示前後の時短種別移行シーケンスについて
図25を用いて説明する。
図25は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その9)と時短種別移行シーケンスの一例を示す図である。
【0256】
図25(1)に示す表示画面584は、表示画面576と同様のタイミングで表示される表示画面である。表示画面584は、表示画面576と比較して打ち方案内表示565を非表示にする点で相違する。
【0257】
図25(2)に示す時短種別移行シーケンスは、特図ゲームのn回目変動がB時短(b時短)であり、特図ゲームの(n+1)回目変動がC時短(c時短)となる時短種別移行を示す。特図ゲームは、n回目変動において所定期間の変動(図柄変動)を実行した後、所定期間の停止(図柄停止)をおこない、その後に(n+1)回目変動をおこなう。ここまで、種別の異なる時短は、連続するものとして説明したが、厳密には制御上において先の時短が終了してから後の時短が始まるまでの間にいずれの時短でもない時間(時短間隙時間)が生じる。このような時短間隙時間は、遊技者にとって意識することを要しないものであるが、種別の異なる2以上の時短が併存していないことを明示することは、公正な遊技機の提供という観点から軽視できない。そこで、遊技機10は、特図ゲームにおけるn回目変動の停止から(n+1)回目の変動開始までの間で、変動回数計測処理と、時短終了処理と、図柄表示処理と、打ち方案内表示とをおこなう。遊技機10は、先に変動回数計測処理をおこない、計測した変動回数にもとづいて時短終了条件の成立を判定する。遊技機10は、時短終了条件の成立判定に遅れて図柄表示を判定し、次の時短開始条件の成立を判定する。すなわち、遊技機10は、時短終了条件の成立判定、時短開始条件の成立判定という処理順序により、制御上において先の時短が終了してから後の時短が始まるまでに時短間隙時間を有する。遊技機10は、時短間隙時間をアピールするために、見かけ上において連続する時短の一部の表示要素を非表示とする。具体的には、遊技機10は、打ち方案内を非表示にすることによって時短間隙時間の存在をアピールする。すなわち、表示画面584における打ち方案内の非表示期間は、時短間隙時間の存在をアピールする表示画面の一例である。
【0258】
なお、時短間隙時間において非表示となる表示要素は、打ち方案内に限らず、待機保留台座や保留消化台座の表示、時短情報表示、履歴情報表示などであってもよい。また、時短間隙時間は、1つの値に固定されていてもよいし、2以上の値から選択されるものであってもよく、時短間隙時間に応じて再表示後の表示態様を違えて期待感を演出するものであってもよい。
【0259】
遊技制御装置100が一括表示装置50の特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に表示する特図(本特図)と、演出制御装置300が表示装置41に表示する特図(飾り図柄)の表示シーケンスについて
図26を用いて説明する。
図26は、第1の実施形態の本特図表示と飾り図柄表示の表示シーケンスの一例を示す図である。
【0260】
図26(1)に示す表示シーケンスは、本特図における時短図柄の表示と飾り図柄における時短図柄の表示とが同期する。たとえば、遊技制御装置100が特図ゲームのn回目変動において特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に時短図柄組合せ(LEDにおける特定の点灯パターン)を表示して、特図ゲームの(n+1)回目変動からC時短(c時短)となるとき、演出制御装置300もまた表示装置41に時短図柄組合せを表示する。そして、遊技機10は、特図ゲームの(n+1)回目変動で時短残回数(たとえば、20回)を表示し、1変動ごとに1デクリメントする。このように、遊技機10は、本特図における時短図柄組合せの表示機会に対応して、飾り図柄における時短図柄組合せを表示することができる。
【0261】
図26(2)に示す表示シーケンスは、本特図における時短図柄の表示と飾り図柄における時短図柄の表示とが必ずしも同期しない。たとえば、遊技制御装置100が特図ゲームのn回目変動において特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に時短図柄組合せ(LEDにおける特定の点灯パターン)を表示して、特図ゲームの(n+1)回目変動からC時短(c時短)となるとき、演出制御装置300もまた表示装置41に時短図柄組合せを表示する。ただし、演出制御装置300は、実際に獲得した時短残回数のうち一部だけを時短残回数として表示する。たとえば、演出制御装置300は、実際に獲得した時短残回数が20回のとき、一部となる10回だけを時短残回数として仮表示する。そして、演出制御装置300は、仮表示した時短残回数が0回になるタイミング、あるいはそれ以前に残りの時短回数の一部または全部を仮表示する。このとき、演出制御装置300は、遊技制御装置100が特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に時短図柄組合せを表示しなくても表示装置41に時短図柄組合せを表示する。これにより、遊技機10は、たとえば特図ゲームのn回目変動で発生したC時短中に、特図ゲームの(n+8)回目変動でさらにC時短が連続したように演出することができる。このように、遊技機10は、本特図における時短図柄組合せの表示機会よりも頻回に、飾り図柄における時短図柄組合せを表示することができる。なお、履歴情報表示における時短回数は、本特図における時短図柄組合せの表示回数にもとづくものであってもよいし、飾り図柄における時短図柄組合せの表示回数にもとづくものであってもよい。
【0262】
次に、時短種別移行時の時短残回数表示の変形例について
図27から
図29を用いて説明する。
図27は、第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その1)を示す図である。
図28は、第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その2)を示す図である。
図29は、第1の実施形態の時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスの一例(その3)を示す図である。
【0263】
図27(1)に示す時短残回数表示シーケンスは、A時短(a時短)からB時短(b時短)への時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスである。a時短からb時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、a時短に対応した表示態様(A態様)からb時短に対応した表示態様(B態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりa時短からb時短へと時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、a時短に対応した表示態様(A態様)からb時短に対応した表示態様(B態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりa時短からb時短へと時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、a時短中に表示していた表示を、b時短移行時に一時的に非表示としてからb時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、b時短にかからないようにa時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短開始時の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、a時短にかからないようにb時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短以降契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、a時短とb時短に跨るものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短開始時の案内に要する時間や表示領域の確保と、b時短移行契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域の確保のバランスを図ることができる。
【0264】
図27(2)に示す時短残回数表示シーケンスは、A時短(a時短)からC時短(c時短)への時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスである。a時短からc時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、a時短に対応した表示態様(A態様)からc時短に対応した表示態様(C態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりa時短からc時短へと時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、a時短に対応した表示態様(A態様)からc時短に対応した表示態様(C態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりa時短からc時短へと時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、a時短中に表示していた表示を、c時短移行時に一時的に非表示としてからc時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、c時短にかからないようにa時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短開始時の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、a時短にかからないようにc時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短以降契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、a時短とc時短に跨るものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短開始時の案内に要する時間や表示領域の確保と、c時短移行契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域の確保のバランスを図ることができる。
【0265】
図28(1)に示す時短残回数表示シーケンスは、B時短(b時短)からC時短(c時短)への時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスである。b時短からc時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、b時短に対応した表示態様(B態様)からc時短に対応した表示態様(C態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりb時短からc時短へと時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、b時短に対応した表示態様(B態様)からc時短に対応した表示態様(C態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりb時短からc時短へと時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、b時短中に表示していた表示を、c時短移行時に一時的に非表示としてからc時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、c時短にかからないようにb時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短開始時の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、b時短にかからないようにc時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短以降契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、b時短とc時短に跨るものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短開始時の案内に要する時間や表示領域の確保と、c時短移行契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域の確保のバランスを図ることができる。
【0266】
図28(2)に示す時短残回数表示シーケンスは、C時短(c時短)からB時短(b時短)への時短種別移行時の時短残回数表示シーケンスである。c時短からb時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、c時短に対応した表示態様(C態様)からb時短に対応した表示態様(B態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりc時短からb時短へと時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、c時短に対応した表示態様(C態様)からb時短に対応した表示態様(B態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりc時短からb時短へと時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、c時短中に表示していた表示を、b時短移行時に一時的に非表示としてからb時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、b時短にかからないようにc時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短開始時の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、c時短にかからないようにb時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短以降契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域を十分に確保できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、c時短とb時短に跨るものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短開始時の案内に要する時間や表示領域の確保と、b時短移行契機となる時短図柄導出の案内に要する時間や表示領域の確保のバランスを図ることができる。
【0267】
図28(3)に示す時短残回数表示シーケンスは、C時短(c時短)中に新たなC時短へと時短種別移行した時の時短残回数表示シーケンスである。c時短からc時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、c時短に対応した表示態様(C態様)を継続する。これにより、遊技機10は、時短種別に変更がないことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、c時短に対応した表示態様(C態様)を継続する。これにより、遊技機10は、時短種別に変更がないことを案内する。時短残回数は、先のc時短中に表示していた表示を、後のc時短移行時に一時的に非表示とすることなく継続表示する。
【0268】
図29(1)に示す時短残回数表示シーケンスは、B時短(b時短)から当りを介してA時短(a時短)へと時短種別移行する時の時短残回数表示シーケンスである。b時短からa時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、b時短に対応した表示態様(B態様)から当り中の非表示期間を経てa時短に対応した表示態様(A態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりb時短からa時短へと当りを経て時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、b時短に対応した表示態様(B態様)から当り中の非表示期間を経てa時短に対応した表示態様(A態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりb時短からa時短へと当りを経て時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、b時短中に表示していた表示を、当り中に一時的に非表示としてからa時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から当りを経て時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間に加えてa時短にかからないようにb時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、b時短中に期待感を演出できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間に加えてb時短にかからないようにa時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、a時短中に期待感を演出できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間を挟んでb時短とc時短に跨るものであってもよい。なお、遊技機10は、a時短中からb時短中まで当り期間を含んで遊技履歴(履歴情報表示)を表示することで、遊技履歴の連続性を案内することができる。
【0269】
図29(2)に示す時短残回数表示シーケンスは、C時短(c時短)から当りを介してA時短(a時短)へと時短種別移行する時の時短残回数表示シーケンスである。c時短からa時短へと時短種別を移行するとき、打ち方案内表示は、c時短に対応した表示態様(C態様)から当り中の非表示期間を経てa時短に対応した表示態様(A態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、打ち方案内表示の表示態様によりc時短からa時短へと当りを経て時短種別が移行したことを案内する。また、保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、c時短に対応した表示態様(C態様)から当り中の非表示期間を経てa時短に対応した表示態様(A態様)へと変更される。これにより、遊技機10は、保留台座表示の表示態様によりc時短からa時短へと当りを経て時短種別が移行したことを案内する。時短残回数は、c時短中に表示していた表示を、当り中に一時的に非表示としてからa時短中に再表示する。これにより、遊技機10は、時短残回数の表示と非表示の切替から当りを経て時短種別が移行したことを案内する。なお、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間に加えてa時短にかからないようにc時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、c時短中に期待感を演出できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間に加えてc時短にかからないようにa時短中にておこなうものであってもよい。これによれば、遊技機10は、a時短中に期待感を演出できる。また、時短種別移行時の時短残回数の非表示期間は、当り期間を挟んでc時短とa時短に跨るものであってもよい。なお、遊技機10は、c時短中からa時短中まで当り期間を含んで遊技履歴(履歴情報表示)を表示することで、遊技履歴の連続性を案内することができる。
【0270】
なお、時短種別移行時の保留台座表示(待機保留台座表示、保留消化台座表示)は、先に発生中の時短種別に対応した保留台座表示を後から発生した時短種別に対応する保留台座表示とするとしたが、保留台座表示の変更タイミングは、時短種別の変更タイミングとしてもよいし、所定のタイムラグを設けた変更タイミングとしてもよい。たとえば、所定のタイムラグを設けた保留台座表示の変更タイミングは、先の時短種別中に生じた保留消化を待った変更タイミングとすることができる。また、保留台座表示は、時短種別の変更があっても先の時短種別に対応する保留台座表示のまま変更をおこなわないものであってもよい。
【0271】
また、遊技機10は、時短種別移行時にモード演出を変更してもよい。モード演出は、時短種別に対応した所定の演出態様であり、たとえば背景表示、飾り図柄表示、キャラクタ表示、BGM、変動音や入賞音、始動記憶追加やリーチ演出時の効果音、あるいは各種音出力の音量、LEDやランプの発光態様や輝度等がある。遊技機10は、先に発生中の時短種別に対応したモード演出を後から発生した時短種別に対応するモード演出とする場合に、時短種別の変更タイミングでモード演出を変更してもよいし、所定のタイムラグを設けてモード演出を変更してもよい。たとえば、所定のタイムラグを設けたモード演出の変更タイミングは、先の時短種別中に生じた保留消化を待った変更タイミングとすることができる。また、モード演出は、時短種別の変更があっても先の時短種別に対応するモード演出のまま変更をおこなわないものであってもよい。
【0272】
次に、B時短の発生契機となる天井到達に先立ちおこなう天井モード演出について
図30から
図33を用いて説明する。
図30は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その10)を示す図である。
図31は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その11)を示す図である。
図32は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その12)を示す図である。
図33は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その13)を示す図である。
【0273】
天井モード演出は、天井到達ゲームに先立つ所定数の特図ゲームを対象とする演出であり、天井到達が近いことを知覚した遊技者が天井到達直前のゲームに対して興趣が低下しがちになることを抑制する演出である。天井モード演出は、たとえば背景表示、飾り図柄表示、キャラクタ表示、BGM、変動音や入賞音、始動記憶追加やリーチ演出時の効果音、あるいは各種音出力の音量、LEDやランプの発光態様や輝度等を専用の演出態様とする。なお、天井モード演出は、通常遊技状態(通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、通常遊技状態における演出態様のすべてを切り替えることをせず、一部において通常遊技状態における演出態様を継続する。
【0274】
遊技機10は、たとえば天井到達ゲームが777回目の特図ゲームであるとき、777回目より所定ゲーム数(天井モード演出期間)だけ手前から天井モード演出を実行する。たとえば、遊技機10は、天井到達ゲームの20ゲームだけ手前、すなわち757回目の特図ゲームから天井モード演出を実行する。なお、天井モード演出期間は、固定ゲーム数であってもよいし、2以上の選択肢から選択される可変ゲーム数であってもよい。遊技機10は、天井モード演出期間が固定であれば、遊技者に対して天井到達ゲームのタイミングを確実に案内することができるし、天井モード演出期間が可変であれば、遊技者に対して天井到達ゲームのタイミングに対する期待感を演出することができる。
【0275】
図30(1)に示す表示画面585は、天井到達の所定ゲーム数前(たとえば、757回目の特図ゲーム)の特図ゲームの表示画面であり、天井モード演出期間の開始を案内するファンファーレ画面である。表示画面585は、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、モード案内表示591を表示内容に含む。たとえば、天井モード演出は、通常遊技状態(通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、通常遊技状態に対応した飾り図柄を継続表示するようにしてもよい。表示画面585は、モード案内表示591においてメッセージ「天井モード突入!」を表示して天井モード演出の開始を案内し、メッセージ「アイテムをゲットしてゴールへ進め」を表示して天井モード演出の概要を案内する。なお、遊技機10は、ファンファーレ画面において大図柄群、保留表示、保留消化表示を非表示にする。
【0276】
図30(2)に示す表示画面586は、表示画面585に続く表示画面であり、表示画面585における特図ゲームよりも後から実行される特図ゲームの変動表示画面である。表示画面586は、ゲージ587と、宝箱588と、銃589と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508を表示内容に含む。たとえば、天井モード演出は、通常遊技状態(通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、通常遊技状態に対応した保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、および保留消化アイコン508を非表示期間(たとえば、表示画面585の表示期間)を挟んで継続表示する。
【0277】
天井モード演出は、たとえば銃589を構えて敵を倒しながらゴールを目指して宝箱の中身を獲得する演出である。ゲージ587は、ゴール(天井到達)までの目安を示し、ゴールまでの総距離とゴールまでの残り距離とを案内する。なお、ゲージ587は、天井モード演出期間の開始時にゴールまでの残り距離がゴールまでの総距離であり、ゲーム実行ごとに所定距離だけ進み、ゴールまでの残り距離を縮める。なお、ゲージ587は、ゲーム実行ごとに所定距離だけ進むとしたが、進行量は固定量であってもよいし、可変量であってもよい。なお、遊技機10は、天井モード演出において大図柄群を非表示にする。
【0278】
なお、遊技機10は、天井モード演出において、通常遊技状態における演出態様のすべてを切り替えることをせず、一部において通常遊技状態における演出態様を継続するとしたが、一部において通常遊技状態と天井演出モードとを併行するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、天井モードにおけるゴールを目指す天井モードゲームにおける演出と、変動表示ゲームにおける演出とを併行するようにしてもよい。その際、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の音出力や発光出力を、変動表示ゲームにおける演出の音出力や発光出力に優先するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の音出力の音量を、変動表示ゲームにおける演出の音出力の音量よりも大きくする。また、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の発光出力の輝度を、変動表示ゲームにおける演出の発光出力の輝度よりも大きくする。
【0279】
図30(3)に示す表示画面590は、表示画面586に続く表示画面である。表示画面590は、敵595を表示内容に含み、プッシュボタン25の操作を受け付けて銃589から敵595に向けて弾を発射する射撃演出を表示する。なお、表示画面590は、ゲーム回数が進行しているためゲージ587におけるゴールまでの残り距離が表示画面586よりも短くなっている。なお、遊技機10は、天井到達や先読み予告の期待感を、キャラクタの種類(たとえば、トラ、ライオン等)や態様(大きさ、色、眼鏡の有無等)、背景の態様(洞窟入り口の大きさや態様、草むらの大きさや数等)、銃の種類や大きさ等、宝箱の色や大きさ等、効果音や音声出力の態様(効果音の大きさや、トーン、声の大きさ、メッセージの内容等)によって演出する(たとえば、期待感を違える)ものであってもよい。
【0280】
図31(1)に示す表示画面592は、表示画面590に続く表示画面である。表示画面590における射撃演出は、射撃の結果として敵595を倒した場合にアイテムをゲットすることができる。表示画面592は、射撃演出においてゲットしたアイテム593,594を表示内容に含む。たとえば、アイテム593は、宝箱588の鍵のような形態であり、宝箱の開放に使われる。また、アイテム594は、星のような形状であり保留先読み演出に使われる。なお、表示画面592は、ゲーム回数が進行しているためゲージ587におけるゴールまでの残り距離が表示画面590よりも短くなっている。なお、遊技機10は、天井到達や先読み予告の期待感を、アイテムの種類や色彩、大きさ、ゲット時の効果音等によって演出する(たとえば、期待感を違える)ものであってもよい。
【0281】
図31(2)に示す表示画面596は、表示画面592に続く表示画面である。表示画面596は、ゲージ587がゴールに到達してb時短の発生契機となる天井ゲームに到達したことを案内する。表示画面596は、天井到達によりアイテム593を用いて宝箱588を開放する開放演出を表示する。
【0282】
図31(3)に示す表示画面598は、開放演出の結果、宝箱からメッセージ「時短ゲット」を取り出し、b時短獲得を案内する。なお、表示画面598は、天井到達ゲームで小図柄群がはずれ図柄を表示することを示す。なお、遊技機10は、開放演出において大図柄群、保留表示、保留消化表示を非表示にする。なお、b時短獲得時のはずれ図柄は、ランダムに生成される、はずれ図柄組合せでもよいし、あらかじめ用意される1のはずれ図柄組合せでもよいし、あらかじめ用意される2以上のはずれ図柄の組み合わせのうちから選択される1のはずれ図柄組合せでもよい。
【0283】
図32(1)に示す表示画面600は、表示画面592に続く表示画面であり、表示画面596の別例である。表示画面600は、ゲージ587がゴールに到達する前、すなわち時短の発生契機を待たずにアイテム593により宝箱588を開放するガセ開放演出を表示する。
【0284】
図32(2)に示す表示画面602は、表示画面600に続く表示画面である。表示画面602は、ガセ開放演出の結果、宝箱588からメッセージ「チャンスゲット」を取り出し、期待感を演出する。
【0285】
なお、遊技機10は、天井モード演出において天井到達前に当りを導出することがある。
図32(3)に示す表示画面604は、表示画面600に続く表示画面であり、表示画面602の別例である。表示画面604は、ガセ開放演出の結果、宝箱588からメッセージ「当りゲット」を取り出し、天井到達前の当りの導出を案内する。
【0286】
図33(1)に示す表示画面606は、表示画面592に続く表示画面であり、表示画面600の別例である。表示画面606は、保留先読み演出の1つを表示する。表示画面606は、保留先読み演出によりアイテム594を介して保留表示505における保留アイコン605の表示態様を変更して期待感を演出したり、当りを予告演出したりする。なお、保留先読み演出は、保留消化表示506にある保留消化アイコン508の表示態様を変更するものであってもよい。
【0287】
図33(2)に示す表示画面608は、表示画面592に続く表示画面であり、表示画面606の別例である。表示画面608は、保留先読み演出の1つを表示する。表示画面608は、保留先読み演出によりアイテム594を介して小図柄群502の表示態様を変更して当りの導出を演出する。たとえば、小図柄群502は、一時的に表示したはずれ図柄組合せを、アイテム594が衝突することで当り図柄組合せに変更する。
【0288】
次に、B時短の発生契機となる天井到達に先立ちおこなう天井モード演出の別例について
図34から
図36を用いて説明する。
図34は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その14)を示す図である。
図35は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その15)を示す図である。
図36は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例(その16)を示す図である。
【0289】
別例における天井モード演出は、天井と関係なく実行され得る特定演出と同様の演出態様を有する。したがって、天井到達ゲームに先立つ所定数の特図ゲームを対象とする演出でありながら、天井到達が近いことの知覚を遊技者にして容易ならざるものとしている。天井モード演出は、たとえば背景表示、飾り図柄表示、キャラクタ表示、BGM、変動音や入賞音、始動記憶追加やリーチ演出時の効果音、あるいは各種音出力の音量、LEDやランプの発光態様や輝度等を専用の演出態様とする。なお、天井モード演出は、現在の遊技状態(たとえば通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、現在の遊技状態における演出態様のすべてを切り替えることをせず、一部において現在の遊技状態における演出態様を継続する。
【0290】
遊技機10は、たとえば天井到達ゲームが777回目の特図ゲームであるとき、777回目より所定ゲーム数(天井モード演出期間)だけ手前から天井モード演出を実行する。たとえば、遊技機10は、天井到達ゲームの60ゲームだけ手前、すなわち717回目の特図ゲームから天井モード演出を実行する。一方で、遊技機10は、天井と関係なく特定演出を実行することから、特定演出の発生が天井モード演出との区別を困難にする。
【0291】
図34(1)に示す表示画面610は、天井到達の所定ゲーム数前(たとえば、757回目の特図ゲーム)の特図ゲームの表示画面であり、天井モード演出期間の開始を案内するファンファーレ画面である。表示画面610は、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、モード案内表示611を表示内容に含む。表示画面610は、モード案内表示611においてメッセージ「Attackチャンス! モード突入」を表示して天井モード演出の開始を案内する。また、特定演出においても特定演出期間の開始を案内するファンファーレ画面でメッセージ「Attackチャンス! モード突入」を表示する。したがって、メッセージ「Attackチャンス! モード突入」は、天井モード演出と特定演出の区別に貢献しない。なお、遊技機10は、ファンファーレ画面において大図柄群、保留表示、保留消化表示を非表示にする。たとえば、天井モード演出は、現在の遊技状態(通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、通常遊技状態に対応した飾り図柄を継続表示するようにしてもよい。
【0292】
図34(2)に示す表示画面612は、表示画面610に続く表示画面であり、表示画面585の次に実行される特図ゲームの変動表示画面である。表示画面612は、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、モード案内表示613と、保留表示505、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508を表示内容に含む。たとえば、天井モード演出は、現在の遊技状態(たとえば通常遊技状態A)であることを遊技者に案内するために、現在の遊技状態に対応した保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、および保留消化アイコン508を非表示期間(たとえば、表示画面610の表示期間)を挟んで継続表示する。表示画面612は、モード案内表示613においてメッセージ「星を10個ゲットして モード終了時にアタック!」を表示して天井モード演出の概要を案内する。
【0293】
図34(3)に示す表示画面614は、表示画面612より後の表示画面である。表示画面614は、ゲットした星アイコン615(星)と、大図柄群501と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508を表示内容に含む。なお、星アイコン615は、天井モード演出期間の開始時に0個であり、所定回数のゲーム実行ごとに1つが得られ、天井到達までに10個が得られる。たとえば、天井モード演出期間の開始が天井到達まで60ゲームのときであれば、星アイコン615は、5回のゲーム実行ごとに1つが得られ、最後の10回で1つずつ消費される。このようにして、遊技機10は、星アイコン615の数によって天井到達までの目安を案内する。なお、当該表示が天井モード演出によらず特定演出によるものであれば、天井到達の目安にならない。なお、星アイコン615は、所定回数のゲーム実行ごとに1つが得られるとしたが、所定回数は固定量であってもよいし、可変量であってもよい。なお、遊技機10は、通常の遊技演出と併行して天井モード演出を実行する。また、天井モード演出期間の開始は、たとえば天井到達まで50ゲームとする固定期間であってもよいし、所定範囲の任意のゲーム数の可変期間であってもよい。
【0294】
なお、遊技機10は、天井モード演出において、現在の遊技状態における演出態様のすべてを切り替えることをせず、一部において現在の遊技状態における演出態様を継続するとしたが、一部において現在の遊技状態と天井演出モードとを併行するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、天井モードにおけるゴールを目指す天井モードゲームにおける演出と、変動表示ゲームにおける演出とを併行するようにしてもよい。その際、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の音出力や発光出力を、変動表示ゲームにおける演出の音出力や発光出力に優先するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の音出力の音量を、変動表示ゲームにおける演出の音出力の音量よりも大きくする。また、遊技機10は、天井モードゲームにおける演出の発光出力の輝度を、変動表示ゲームにおける演出の発光出力の輝度よりも大きくする。
【0295】
図35(1)に示す表示画面616は、表示画面612より後の表示画面であり、10個の星アイコン615を得た後の表示画面である。遊技機10は、星アイコン615を得て天井到達の10回前のゲームから「Attackチャンス!」演出を実行する。たとえば、表示画面616は、ゲーム1回ごとに星アイコン615のうちから1つの星アイコン617を保留アイコン507に作用させる表示演出をおこなう。なお、遊技機10は、保留先読み演出を兼ねて保留アイコン507に作用する表示演出をおこなうことで、「Attackチャンス!」演出中に当りとなるゲームがある場合に保留アイコン507の表示態様を変更して期待感を演出する。また、遊技機10は、当りとなるゲームでなくても期待感を演出する表示態様に保留アイコン507を変更できる。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から時間値が大きい変動表示パターンの実行が指示された場合にロング激アツ演出を実行し、時間値が小さい変動表示パターンの実行が指示された場合であっても「Attackチャンス!」演出中に激アツ演出の実行を確保するためにショート激アツ演出を実行する。
【0296】
図35(2)に示す表示画面618は、「Attackチャンス!」演出中の表示画面である。遊技機10は、「Attackチャンス!」演出において、星アイコン615のうちから1つの星アイコン619を保留消化アイコン508に作用させる表示演出をおこなうことができる。遊技機10は、保留消化アイコン508に作用する表示演出をおこなうことで、「Attackチャンス!」演出中における当該変動が当りや時間値が大きい変動表示パターンの実行である場合に保留消化アイコン508の表示態様を変更して期待感を演出する。
【0297】
図35(3)に示す表示画面620は、「Attackチャンス!」演出中の表示画面である。遊技機10は、「Attackチャンス!」演出において、星アイコン615のうちから1つの星アイコン621を大図柄群501に作用させる表示演出をおこなうことができる。遊技機10は、大図柄群501に作用する表示演出をおこなうことで、「Attackチャンス!」演出中における当該変動が当りである場合に大図柄群501の表示態様を変更して期待感を演出する。たとえば、遊技機10は、星アイコン621によって大図柄群501を当り図柄組合せに変更する。
【0298】
なお、遊技機10は、天井到達や先読み予告の期待感を、星アイコン615,617,619,621の表示態様、効果音や音声出力の態様(効果音の大きさや、トーン、声の大きさ、メッセージの内容等)によって演出する(たとえば、期待感を違える)ものであってもよい。
【0299】
図36(1)に示す表示画面622は、「Attackチャンス!」演出中の表示画面であり、「Attackチャンス!」演出において当りを導出できなかったときの表示画面である。表示画面622は、モード案内表示623を表示内容に含む。モード案内表示623は、メッセージ「残念! Attackチャンス失敗」を表示する。遊技機10は、特定演出であれば、ここで演出を終了する。一方で、遊技機10は、天井モード演出であれば、さらに演出を継続する。
【0300】
図36(2)に示す表示画面624は、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、モード案内表示625を表示内容に含み、保留表示505、保留消化表示506を非表示にする。モード案内表示625は、トラのようなキャラクタによるセリフメッセージ「オマケをあげるよ」を表示する。
【0301】
図36(3)に示す表示画面626は、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、モード案内表示625と、保留表示567、保留消化表示568を表示内容に含む。モード案内表示625は、トラのようなキャラクタによるセリフメッセージ「開放モード突入」を表示してb時短突入を案内する。
【0302】
なお、遊技機10は、保留表示と保留消化表示について、表示画面622で保留表示505、保留消化表示506を表示し、表示画面624で非表示にし、表示画面626で保留表示567、保留消化表示568として表示態様を変えて再表示する。これにより、遊技機10は、b時短発生前に特
図1ゲームに対応していた保留表示と保留消化表示を、b時短発生後に特
図2ゲームに対応した保留表示と保留消化表示へと違和感なく切り替えることができる。
【0303】
なお、遊技機10は、天井到達や先読み予告の期待感を、キャラクタ625の表示態様、効果音や音声出力の態様(効果音の大きさや、トーン、声の大きさ、メッセージの内容等)によって演出する(たとえば、期待感を違える)ものであってもよい。
【0304】
このように遊技機10は、天井到達タイミングがあらかじめ知覚された場合に容易に到達しない天井に興趣が低下しがちなところ、天井到達タイミングの把握を容易ならざるものとして興趣低下を抑制する。また、遊技機10は、判然としない天井到達までの期間について天井モード演出によって興趣向上を図る。
【0305】
次に、遊技制御装置100が実行する変動パターン決定処理について
図37を用いて説明する。
図37は、第1の実施形態の変動パターン決定処理のフローチャートを示す図である。変動パターン決定処理は、タイマ割込み処理(
図11参照)の特
図1ゲーム処理(ステップS82)または特
図2ゲーム処理(ステップS83)において実行される処理である。
【0306】
[ステップS100]遊技制御装置100の制御部(以下、
図37の説明において単に制御部という)は、当該ゲームの結果が当りか否かを判定する。制御部は、当該ゲームの結果が当りである場合にステップS101に進み、はずれである場合にステップS102に進む。
【0307】
[ステップS101]制御部は、当りの変動パターンを選択して変動パターン決定処理を終了する。
[ステップS102]制御部は、当該ゲームによって天井到達するか否かを判定する。制御部は、当該ゲームによって天井到達する場合にステップS103に進み、天井到達しない場合にステップS104に進む。
【0308】
[ステップS103]制御部は、天井到達の変動パターンを選択して変動パターン決定処理を終了する。
[ステップS104]制御部は、当該ゲームが時短図柄を導出するか否かを判定する。制御部は、当該ゲームが時短図柄を導出する場合にステップS105に進み、時短図柄を導出しない場合にステップS106に進む。
【0309】
[ステップS105]制御部は、時短図柄の変動パターンを選択して変動パターン決定処理を終了する。
[ステップS106]制御部は、はずれの変動パターンを選択して変動パターン決定処理を終了する。
【0310】
このように遊技機10は、c時短となる変動パターンに優先してb時短となる変動パターンを決定する。すなわち、遊技機10は、c時短の発生契機とb時短の発生契機が重複した場合にb時短となる変動パターンを決定する。
【0311】
次に、遊技制御装置100が実行する図柄決定処理について
図37を用いて説明する。
図38は、第1の実施形態の図柄決定処理のフローチャートを示す図である。図柄決定処理は、タイマ割込み処理(
図11参照)の特
図1ゲーム処理(ステップS82)または特
図2ゲーム処理(ステップS83)において実行される処理である。
【0312】
[ステップS110]遊技制御装置100の制御部(以下、
図38の説明において単に制御部という)は、当該ゲームの結果が当りか否かを判定する。制御部は、当該ゲームの結果が当りである場合にステップS111に進み、はずれである場合にステップS112に進む。
【0313】
[ステップS111]制御部は、当り図柄を選択して図柄決定処理を終了する。
[ステップS112]制御部は、当該ゲームの結果が時短図柄導出か否かを判定する。制御部は、当該ゲームの結果が時短図柄導出である場合にステップS113に進み、時短図柄導出でない場合にステップS114に進む。
【0314】
[ステップS113]制御部は、時短図柄を選択して図柄決定処理を終了する。
[ステップS114]制御部は、はずれ図柄を選択して図柄決定処理を終了する。
このように遊技機10は、b時短となる図柄に優先してc時短となる図柄を決定する。すなわち、遊技機10は、b時短の発生契機とc時短の発生契機が重複した場合にc時短となる図柄を決定する。
【0315】
このようにして、遊技機10は、変動パターン決定処理と図柄決定処理とから、b時短の発生契機とc時短の発生契機が重複した場合にb時短に対応した変動パターンでc時短に対応した図柄を導出することができる。
【0316】
これにより、遊技機10は、遊技者がゲーム回数から天井到達タイミングを知っている場合に遊技者の期待に反した変動表示パターンの実行を抑止し、時短図柄導出に対応した変動パターンの実行により遊技者を混乱させることを抑止できる。また、遊技機10は、天井到達に対応した変動表示パターンを実行しながらも、時短図柄導出によって時短図柄導出の発生を遊技者に案内することができる。なお、遊技機10は、b時短の発生契機とc時短の発生契機が重複した場合に、時短残回数が大きい時短を選択して実行し、通常においてb時短が選択される。
【0317】
なお、遊技制御装置100は、図柄決定処理において決定した図柄を、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に表示するが、演出制御装置300は、当該決定に従わずに表示装置41に飾り図柄を表示するものであってもよい。たとえば、演出制御装置300は、b時短の発生契機とc時短の発生契機が重複した場合にはずれ図柄を表示してもよいし、天井到達を案内する特殊図柄を表示してもよいし、b時短の発生契機とc時短の発生契機が重複したことを示す特殊図柄を表示してもよい。
【0318】
次に、演出制御装置300が実行する打ち方警告処理について
図39を用いて説明する。
図39は、第1の実施形態の打ち方警告処理のフローチャートを示す図である。打ち方警告処理は、メイン処理(
図12参照)の演出表示編集処理(ステップD23)において実行される処理である。
【0319】
[ステップD100]演出制御装置300の制御部(以下、
図39の説明において単に制御部という)は、右打ち遊技を検出したか否かを判定する。制御部は、右打ち遊技を検出した場合にステップD101に進み、右打ち遊技を検出しない場合に打ち方警告処理を終了する。なお、右打ち遊技の検出は、遊技制御装置100から受信するゲート通過コマンドの有無によって判定できる。遊技制御装置100は、遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側に配設されている普通図柄始動ゲート34の遊技球通過を検出してゲート通過コマンドを演出制御装置300に送信する。なお、右打ち遊技の検出は、普通図柄始動ゲート34の遊技球通過に限らず、その他の入賞口への遊技球の入賞により検出するものであってもよい。
【0320】
[ステップD101]制御部は、現在の遊技状態が右打ち遊技に対応した制御状態であるか否かを判定する。制御部は、現在の遊技状態が右打ち遊技に対応した制御状態でない場合にステップD102に進み、右打ち遊技に対応した制御状態である場合に打ち方警告処理を終了する。右打ち遊技に対応した制御状態は、当り中や時短中の遊技状態をいう。たとえば、右打ち遊技に対応した制御状態は、
図13における遊技状態B,C,D,E,Fをいい、右打ち遊技に対応しない制御状態は、
図13における遊技状態Aをいう。
【0321】
[ステップD102]制御部は、実行中の変動表示パターンが特定変動表示パターンであるか否かを判定する。制御部は、実行中の変動表示パターンが特定変動表示パターンでない場合にステップD103に進み、実行中の変動表示パターンが特定変動表示パターンである場合に打ち方警告処理を終了する。特定変動表示パターンは、b時短あるいはc時短の発生契機となる変動表示パターンをいう。
【0322】
[ステップD103]制御部は、右打ち遊技に対応しない制御状態における右打ちを検出したことから打ち方が正しくないことを遊技者に警告する警告報知をおこなう。ただし、制御部は、右打ち遊技に対応しない制御状態における右打ちであってもb時短あるいはc時短の発生が予定されている変動表示中において警告報知をおこなわない。
【0323】
これにより、遊技機10は、当りに継続するa時短と同様に、b時短やc時短においても時短発生前から右打ち警告をキャンセルすることができる。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえない、あるいはゲーム性の多様化に対応して遊技状態データを表示することができていないという課題を有し、第1の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化に対応して興趣向上に貢献する遊技履歴を表示することができる遊技機を提供する。また、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえないという課題を有し、第1の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立可能な遊技機を提供する。
【0324】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能であり、ゲームに関する遊技履歴(たとえば、履歴情報表示532)を表示手段(たとえば、表示装置41)に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御手段は、結果態様としての当りの導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態B)にする第1契機制御(たとえば、a時短制御)と、結果態様としての当りとならない特定結果を導出するゲームの実行を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E,F)にする第2契機制御(たとえば、b時短制御、c時短制御)とを実行可能であり、第1契機制御にもとづく第2遊技状態において第2契機制御を実行するとき(たとえば、a時短中からb時短、あるいはa時短中からc時短)に遊技履歴を引き継ぎ、第1遊技状態から第2契機制御を実行するとき(たとえば、遊技状態Aからb時短、あるいは遊技状態Aからc時短)に遊技履歴を初期化する(
図23参照)。
【0325】
(2)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲームを実行可能な遊技機であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能であり、ゲームに関する所定報知(たとえば、待機保留台座や保留消化台座の表示、その他の表示、その他報知音、報知音声、報知発光、報知振動等)を報知手段(たとえば、表示装置41、上スピーカ19a、下スピーカ19b、枠装飾装置18、盤装飾装置46、演出ボタンSW25a等)に報知させる制御手段を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、当り)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態B)にする第1契機制御(たとえば、a時短制御)と、結果態様としての第1特定結果と異なる第2特定結果(たとえば、時短図柄)を導出するゲームの実行を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態F)にする第2契機制御(たとえば、c時短制御)とを実行可能であり、遊技状態を、第1契機制御にもとづく第2遊技状態に続いて第2契機制御にもとづく第2遊技状態にするとき(たとえば、a時短中からc時短)、第1契機制御にもとづく第2遊技状態から第2契機制御にもとづく第2遊技状態において所定報知を継続して報知させる(
図24参照)。
【0326】
(3)(2)の制御手段は、第1特定結果を導出することとなるゲームを特定ゲームとしてあらかじめ特定可能であって、特定ゲームの実行前の1以上のゲームを特定モードにおけるゲームとして演出し、特定モードにおいて第1特定結果の導出契機の案内報知を報知手段に報知させる。
【0327】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、天井到達)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)にする第1契機制御(たとえば、b時短制御)と、結果態様としての第1特定結果と異なる第2特定結果(たとえば、時短図柄)を導出するゲームの実行を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態F)にする第2契機制御(たとえば、c時短制御)とを実行可能であり、ゲームの変動表示パターンの決定において第2契機制御よりも第1契機制御を優先し、ゲームの変動表示結果(たとえば、停止図柄)の決定において第2契機制御よりも第1契機制御を優先する(
図37、
図38参照)。
【0328】
なお、(1)から(4)の第1遊技状態は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)の実行契機の獲得機会が遊技者に不利な遊技状態であって、(1)から(4)の第2遊技状態は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)の実行契機の獲得機会が遊技者に有利な遊技状態であってもよい。
【0329】
(5)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能であり、ゲームに関する所定報知(たとえば、待機保留台座や保留消化台座の表示、その他の表示、その他報知音、報知音声、報知発光、報知振動等)を報知手段(たとえば、表示装置41、上スピーカ19a、下スピーカ19b、枠装飾装置18、盤装飾装置46、演出ボタンSW25a等)に報知させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、当り)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)にする第1契機制御(たとえば、b時短制御)と、結果態様としての第1特定結果と異なる第2特定結果(たとえば、時短図柄)を導出するゲームの実行を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態F)にする第2契機制御(たとえば、c時短制御)とを実行可能であり、遊技状態を、第1契機制御にもとづく第2遊技状態に続いて第1契機制御にもとづく第2遊技状態にするとき(たとえば、b時短中からb時短)において、所定報知を一時的に非報知にする非報知期間(たとえば、
図25(2)に示す打ち方案内の非表示期間)を設けずに所定報知を継続して報知し、遊技状態を、第1契機制御にもとづく第2遊技状態に続いて第2契機制御にもとづく第2遊技状態にするとき(たとえば、b時短中からc時短)において、所定報知を一時的に非報知にする非報知期間(たとえば、
図25(2)に示す打ち方案内の非表示期間)を設けて所定報知を報知させる(
図25参照)。
【0330】
(6)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能であり、ゲームに関する所定報知(たとえば、待機保留台座や保留消化台座の表示、その他の表示、その他報知音、報知音声、報知発光、報知振動等)を報知手段(たとえば、表示装置41、上スピーカ19a、下スピーカ19b、枠装飾装置18、盤装飾装置46、演出ボタンSW25a等)に報知させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、当り)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)にする第1契機制御(たとえば、b時短制御)と、結果態様としての第1特定結果と異なる第2特定結果(たとえば、時短図柄)を導出するゲームの実行を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態F)にする第2契機制御(たとえば、c時短制御)とを実行可能であり、遊技状態を、第1契機制御にもとづく第2遊技状態に続いて第1契機制御にもとづく第2遊技状態にするとき(たとえば、b時短中からb時短)において、所定報知を一時的に非報知にする非報知期間(たとえば、
図25(2)に示す打ち方案内の非表示期間)を設けずに所定報知を継続して報知し、遊技状態を、第1契機制御にもとづく第2遊技状態に続いて第2契機制御にもとづく第2遊技状態にするとき(たとえば、b時短中からc時短)において、非報知期間を設けて所定報知を報知させる(
図25、
図28参照)。
【0331】
(7)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能であって、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、ゲームを第1態様(たとえば、背景表示、飾り図柄表示、キャラクタ表示、BGM、変動音や入賞音、始動記憶追加や演出時の効果音、あるいは各種音出力の音量、LEDやランプの発光態様や輝度等)で演出する第1演出手段(たとえば、表示装置41、スピーカ19a,19b、演出制御装置300)と、ゲームを第1態様と異なる第2態様(たとえば、背景表示、飾り図柄表示、キャラクタ表示、BGM、変動音や入賞音、始動記憶追加や演出時の効果音、あるいは各種音出力の音量、LEDやランプの発光態様や輝度等)で演出する第2演出手段(たとえば、表示装置41、スピーカ19a,19b、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、所定契機(たとえば、当り終了)から第1のゲーム数(たとえば、天井ゲーム数)の実行に対応して第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)から第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)に変更する状態変更制御を実行可能であり、所定契機から第1のゲーム数より少ない第2のゲーム数(たとえば、天井ゲーム数より所定ゲーム数だけ少ないゲーム数)の実行に対応して第2遊技状態への状態変更を示唆する示唆演出を所定ゲーム数にわたって実行可能であり、第1演出手段と第2演出手段とで第1遊技状態に対応する第1遊技状態対応演出をおこなうとき、第1演出手段と第2演出手段のうちいずれか一方が示唆演出(たとえば、ゲージ587と、宝箱588と、銃589の表示、BGM、効果音の出力等)をおこない、他方が第1遊技状態対応演出(たとえば、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508の表示、BGM、効果音の出力等)を継続する。
【0332】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。第2の実施形態の遊技機10は、第1の実施形態の遊技機10と同様の遊技性を有するとともに、可動部材による動作演出を実行可能である。第2の実施形態の遊技機10は、表示装置41の前面側で可動部材を動作させ、その動作態様により興趣を図る動作演出を実行可能である。可動部材は、表示装置41の前面側に位置するときに、表示装置41の表示内容の一部を遮蔽することがある。まず、第2の実施形態のゲーム表示画面における可動部材の動作について
図40と
図41を用いて説明する。
図40は、第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
図41は、第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【0333】
遊技機10は、変動表示ゲームおよび変動表示ゲームに関する表示を表示装置41に表示可能であり、表示画面630は、遊技機10が表示装置41に表示する、変動表示ゲームおよび変動表示ゲームに関する表示の一例である。また、遊技機10は、可動部材642を所要の動作機構により、表示装置41の表示面を遮蔽しない状態と、表示面を遮蔽する状態とに切替可能であり、遊技機10は、可動部材64の状態切替動作を多段階でおこなうことができるものであるが、2段階でおこなうものであってもよい。なお、可動部材642は、盤演出装置44(
図2、
図4参照)の一例であって演出制御装置300によって動作制御される。
【0334】
可動部材642は、センターケース40の下部に設けられ、表示装置41の下方向から、表示装置41の表示面の一部を遮蔽可能にして上方向に進出し、また下方向に退避する。可動部材642は、略蒲鉾形状の板状部材であって、一部を切り欠いて所要の表示の障害とならないようになっている。可動部材642は、所要の意匠が施され、また所要の発光装飾がなされることで、動作態様と装飾態様とにより遊技を演出する。可動部材642は、不透過部を有して表示装置41の表示面を遮蔽可能にするが、必ずしもすべてが不透過であることを要さず、透過部を有するものであってもよい。また、表示装置41の表示面における所定の表示領域の可動部材642による遮蔽は、可動部材642が所定の表示領域に重なることにより、遊技中の遊技者が通常の姿勢において所定の表示領域の一部または全部の視認性が損なわれものであればよく、必ずしも遊技者が姿勢変更をしたときまで視認性が損なわれるものでなくてもよい。
【0335】
図40(1)に示す表示画面630は、可動部材642が表示装置41の下方向に退避している表示状態であり、可動部材642によって表示要素のすべてについて十分な視認性が確保された表示状態である。
【0336】
表示画面630は、図柄停止中の表示画面であり、特
図1ゲームまたは特
図2ゲーム(変動表示ゲーム)における変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。なお、表示画面630は、Cモード(c時短遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面630は、大図柄群631と、小図柄群632と、特
図1保留数表示633と、特
図2保留数表示634と、保留表示635と、保留消化表示636とを表示する。なお、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける本特図は、一括表示装置50の特
図1図柄表示部53または特
図2図柄表示部54に表示される図柄(LEDの点灯態様)であり、大図柄群631と小図柄群632は、本特図に対応した飾り図柄である。また、図示しないが、遊技機10は、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームにおける図柄として、変動表示ゲームの結果態様の区別を示すことなしに変動状態と停止状態とを、たとえばLEDの点滅と点灯とによって示す第4図柄を有する。
【0337】
大図柄群631は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群631は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群631は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面630では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面630では大図柄群631は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
【0338】
小図柄群632は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群632は、大図柄群631による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群632は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面630では、小図柄群632を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
【0339】
一般に、大図柄群631は、小図柄群632と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群632は、大図柄群631と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
【0340】
なお、大図柄群631の表示位置は、可動部材642の可動範囲と重なる位置であり、可動部材642の進出により表示内容の一部または全部が遮蔽され得る。小図柄群632の表示位置は、可動部材642の可動範囲と重ならない位置であり、可動部材642の進出によっても表示内容が遮蔽されることがない。
【0341】
特
図1保留数表示633は、特
図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面630では、特
図1保留数表示633は、特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。特
図2保留数表示634は、特
図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面630では、特
図2保留数表示634は、特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
【0342】
保留表示(待機保留表示)635は、保留アイコンの表示によって特
図1ゲームの保留数を示す。保留消化表示(消化保留表示)636は、保留消化アイコンの表示によって特図ゲームが変動中であることを示す。表示画面630は、保留表示635によって特
図1ゲームの保留記憶数または特
図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。また、表示画面630は、保留消化表示636によって、特に消化保留台座上に保留消化アイコンがないことによって、特
図1ゲームまたは特
図2ゲームが変動中でないことを示す。
【0343】
なお、保留表示635と保留消化表示636の表示位置は、可動部材642の可動範囲と重なる位置であり、可動部材642の進出により表示内容の一部または全部が遮蔽され得る。特
図1保留数表示633と特
図2保留数表示634の表示位置は、可動部材642の可動範囲と重ならない位置であり、可動部材642の進出によっても表示内容が遮蔽されることがない。
【0344】
打ち方案内表示643は、当り中の打ち方として右打ち遊技であることをメッセージ「右打ち」と右向きの白色矢印のアイコンとで案内する。打ち方案内表示643は、可動部材642の可動範囲と重ならない位置であり、可動部材642の進出によっても表示内容が遮蔽されることがない。
【0345】
また、表示画面630は、時短情報表示639と、履歴情報表示640と、天井案内表示641を表示内容に含む。時短情報表示639は、時短種別と、時短残回数を表示内容に含む。たとえば、時短情報表示639は、時短種別として「Cモード」を表示してc時短中であることを示し、時短残回数として「残り20回」を表示して時短残回数が20回であることを示す。履歴情報表示640は、「2連続当り」により所定の履歴情報収集期間において2回の当りがあったことを示し、「時短1回」により所定の履歴情報収集期間において1回の時短(当該時短を含む)があったことを示し、「1200P」により所定の履歴情報収集期間において1200個の遊技球を獲得したことを示す。天井案内表示641は、所定のゲーム数カウント契機からのゲーム実行回数を示す。たとえば、天井案内表示641は、低確遊技状態に遷移後のゲーム実行回数が600回であることを示し、天井回数が777回であることが既知である場合に天井到達までに177回であることを示す。なお、天井案内表示641は、所定のゲーム数カウント契機からのゲーム実行回数を示すとしたが、天井到達までのゲーム数をゲーム実行ごとにデクリメント表示するものであってもよい。また、天井案内表示641は、遊技者が具体的な天井到達ゲームを感得できるように具体的な数値表示をおこなうものであってもよいし、遊技者が天井到達ゲームのおおよそを感得できるようにゲージ表示やメッセージ表示等の曖昧な表示であってもよい。天井案内表示641は、天井到達時期を示す天井到達時期表示、あるいは天井到達時機を示す天井到達時機表示としての側面を有する。
【0346】
図40(2)に示す表示画面644は、可動部材642が表示装置41の下方向に退避している表示状態であり、可動部材642によって表示要素のすべてについて十分な視認性が確保された表示状態である。
【0347】
表示画面644は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面644は、表示画面630の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面644では、大図柄群631の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面644では、小図柄群632の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0348】
表示画面644では、特
図1保留数表示633は、特
図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特
図2保留数表示634は、特
図2ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、保留表示635は、特
図2ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特
図2ゲーム)の保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面644では、保留消化表示636は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0349】
なお、表示画面630や表示画面644は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
【0350】
また、保留表示635は、現在の遊技状態(たとえば、c時短遊技状態)に対応して特
図2ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン637が表示される様子を示す。保留アイコン637は、たとえば、球形状であり、保留アイコン637もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。また、保留消化表示636は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン638が表示される様子を示す。保留消化アイコン638は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン638もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
【0351】
たとえば、表示画面644に示すように特
図1保留数表示633が「0」を表示し、特
図2保留数表示634が「2」を表示するとき、保留表示635は、2つの保留記憶表示により保留記憶数が「2」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
【0352】
保留表示635は、その表示態様(保留表示635に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
【0353】
保留消化表示636は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面630では保留消化表示636は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
【0354】
なお、保留表示635は、遊技状態に応じて特
図1ゲームの保留数と特
図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン637により表示するとしたが、特
図1ゲームの保留数と特
図2ゲームの保留数の合計保留数を保留アイコン637により表示するものであってもよい。
【0355】
なお、天井案内表示641は、図柄停止時にゲーム実行回数を1インクリメントするために、表示画面630と同様に600回を表示するが、図柄変動開始時にゲーム実行回数を1インクリメントして601回を表示するものであってもよい。
【0356】
図41(1)に示す表示画面646は、退避位置から上方向に1段階だけ進出した可動部材642により表示画面の一部が遮蔽された表示状態であり、表示要素の一部の視認性が損なわれた表示状態である。表示画面646は、大図柄群631がリーチ状態(たとえば、左図柄と右図柄が「2」で仮停止し、中図柄が「2」で停止するのを待つリーチ状態)を示し、可動部材642が退避位置から上方向に1段階だけ進出してリーチ演出に伴う動作演出を実行している様子を示す。
【0357】
表示画面646は、可動部材642により、待機保留の台座表示(保留表示635)と待機保留(保留アイコン637)の視認性のすべてが損なわれ、消化保留の台座表示(保留消化表示636)と消化保留(保留消化アイコン638)の視認性の一部が損なわれている様子を示す。表示画面646は、視認性の全部が損なわれている保留表示635と保留アイコン637に対応する情報を特
図1保留数表示633と特
図2保留数表示634とにより明示する。また、表示画面646は、保留消化表示636と保留消化アイコン638を視認性の一部を損ないながらも表示することができる。なお、表示画面646は、視認性の一部が損なわれている保留消化表示636と保留消化アイコン638に対応する情報を補足する表示として、小図柄群632により変動表示状態を明示し、大図柄群631により変動表示結果に対する期待感を案内する。また、表示画面646は、時短情報表示639と履歴情報表示640と天井案内表示641について視認性を損なうことなく表示する。また、天井案内表示641は、遊技者の注意を引くように可動部材642の切り欠き部に載置されるように表示される。
【0358】
図41(2)に示す表示画面648は、表示画面646と比較して上方向にさらに1段階進出した可動部材642により表示画面の一部が遮蔽された表示状態であり、表示要素の一部の視認性が一層損なわれた表示状態である。表示画面648は、大図柄群631に代わってSPリーチ演出表示649がSPリーチ(スーパーリーチ、発展リーチ)状態を示し、可動部材642が退避位置から上方向に2段階だけ進出してSPリーチ演出に伴う動作演出を実行している様子を示す。SPリーチ演出表示649は、たとえば、2匹のトラのようなキャラクタの対決を演出する表示である。
【0359】
表示画面648は、可動部材642により、待機保留の台座表示(保留表示635)と待機保留(保留アイコン637)と天井案内表示641の視認性のすべてが損なわれ、消化保留の台座表示(保留消化表示636)と消化保留(保留消化アイコン638)の視認性の一部が損なわれている様子を示す。表示画面648は、視認性の全部が損なわれている保留表示635と保留アイコン637に対応する情報を特
図1保留数表示633と特
図2保留数表示634とにより明示する。表示画面648は、視認性の全部が損なわれている天井案内表示641について、これに代わる表示を用意しない。これにより、遊技機10は、遊技者の天井案内表示641に対する関心を他の表示要素に向け、遊技者の関心を遊技演出に集中させて興趣低下を抑制し興趣向上を図る。
【0360】
なお、表示画面648は、保留消化表示636と保留消化アイコン638を視認性の一部を損ないながらも表示することができる。また、表示画面648は、視認性の一部が損なわれている保留消化表示636と保留消化アイコン638に対応する情報を補足する表示として、小図柄群632により変動表示状態を明示し、SPリーチ演出表示649により変動表示結果に対する期待感を案内する。
【0361】
また、表示画面648は、時短情報表示639と履歴情報表示640について視認性を損なうことなく表示する。また、履歴情報表示640は、遊技者の注意を引くように可動部材642の切り欠き部に載置されるように表示される。
【0362】
このように、遊技機10は、可動部材642の表示領域への進出により、一部の表示要素の視認性を抑制して、遊技者の関心を他の表示要素に振り向けることができる。これにより、遊技機10は、たとえば、期待感の高いリーチ演出が行われるとき、b時短までの天井到達が近いときに可動部材642により天井案内表示641を遮蔽するので遊技者の関心をリーチ演出の期待感に振り向けることができる。また、遊技機10は、時短情報表示639を明示し、天井案内表示641を遮蔽するので、過去の遊技履歴にもとづくゲーム数表示に代わって、時短残回数表示による未来の遊技への期待感を演出することができる。
【0363】
次に、可動部材642は、1回の変動表示ゲーム内において退避位置から上方向に2段階に進出可能である。可動部材642の進出タイミングと可動部材642の進出により遮蔽される表示要素とについて、
図42を用いて説明する。
図42は、第2の実施形態の可動部材の動作と表示要素視認性の対応関係シーケンスの一例(その1)を示す図である。
【0364】
遊技機10は、たとえば、低確遊技状態になってからの変動表示ゲーム数がnゲームであり、当該ゲームは、c時短遊技状態(C時短)であり、時短残回数がx回、天井到達までのゲーム数(天井到達回数)がm回である。
【0365】
当該ゲームは、前半変動、リーチ変動、SPリーチ変動を経て変動停止する変動表示パターンで変動表示演出が実行される。可動部材642は、前半変動の間、退避位置(L)、すなわち表示画面の全部を遮蔽しない位置にあり、表示要素A,B,Cのすべての視認性を良好にする。可動部材642は、リーチ変動の間、一段階進出位置(M)、すなわち表示画面の一部を遮蔽する位置にあり、表示要素A,Bの視認性を良好にするものの表示要素Cの視認性を不良にする。可動部材642は、SPリーチ変動の間、二段階進出位置(H)、すなわち表示画面のさらに一部を遮蔽する位置にあり、表示要素Aの視認性を良好にするものの表示要素B,Cの視認性を不良にする。可動部材642は、変動停止までに退避位置(L)に復帰し、変動停止中において退避位置(L)にあり表示要素A,B,Cのすべての視認性を良好にする。
【0366】
このような表示要素ごとの視認性変更は、遊技者の注目を制御可能にし、遊技者が関心を向けるに好ましい個所と、遊技者が関心を向けるに及ばない個所とを遊技者に案内することができる。
【0367】
なお言い換えれば、表示要素Aは、可動部材642の位置によらずに視認性が良好な表示要素であり、たとえば打ち方案内表示643、小図柄群632、特
図1保留数表示633、特
図2保留数表示634、時短情報表示639、履歴情報表示640がある。また、表示要素B,Cは、可動部材642の位置によっては視認性が良好に限らない(視認性が不良になり得る)表示要素であり、表示要素Cは、表示要素Bよりも可動部材642の位置による視認性不良の程度が大きな表示要素である。たとえば、表示要素Bは、大図柄群631、天井案内表示641がある。たとえば、表示要素Cは、保留表示635、保留消化表示636がある。なお、視認性不良の程度は、たとえば遮蔽される領域の大きさであってもよいし、遮蔽される時間の大きさであってもよいし、その両方であってもよい。
【0368】
また、表示要素A,B,Cは、すべての遊技状態で共通に表示要素が固定されるものであってもよいし、遊技状態ごとに固定されるものであってもよい。また、表示要素A,B,Cは、すべての時短遊技状態(a時短遊技状態、b時短遊技状態、c時短遊技状態)で共通に固定されていてもよいし、時短遊技状態ごとに固定されるものであってもよい。また、所定の時短遊技状態(a時短遊技状態、b時短遊技状態、c時短遊技状態)は表示要素A,B,Cの組合せを固定していてもよいし、変更してもよい。
【0369】
また、表示要素は、表示要素A,B,Cのいずれかに固定されるものに限らず、遊技状態に応じて表示要素A,B,Cのいずれかに設定されるものであってもよい。また、表示要素は、1の遊技状態において表示要素A,B,Cのいずれかに固定されるものに限らず、1の遊技状態のうちにおいても所定条件下で表示要素A,B,Cのうちの1つから他に変更されるものであってもよい。
【0370】
なお、表示要素は、可動部材642によって遮蔽される場合にあっても表示されることで遊技者が観察姿勢を変更することにより観察可能にされるものであってもよい。また、表示要素は、可動部材642によって遮蔽される場合にあっては表示されないことで遊技者が観察姿勢を変更することによっても観察されないものであってもよい。
【0371】
このように、遊技機10は、1回の変動表示ゲーム内において可動部材642を退避位置から上方向に2段階に進出可能であり、1回の変動表示ゲーム内において表示要素A,B,Cの視認性を変更可能である。なお、視認性を変更される表示要素A,B,Cに対応する表示要素の一例について
図40と
図41を用いて説明したが、表示要素A,B,Cの具体例については
図44から
図47を用いて説明する。
【0372】
次に、可動部材642は、2回以上の変動表示ゲームにわたって退避位置から上方向に2段階に進出可能である。可動部材642の進出タイミングと可動部材642の進出により遮蔽される表示要素とについて、
図43を用いて説明する。
図43は、第2の実施形態の可動部材の動作と表示要素視認性の対応関係シーケンスの一例(その2)を示す図である。
【0373】
遊技機10は、たとえば、低確遊技状態になってからの変動表示ゲーム数がnゲームであり、当該ゲームは、c時短遊技状態(C時短)であり、時短残回数がx回、天井到達までのゲーム数(天井到達回数)がm回である。
【0374】
可動部材642は、変動表示ゲーム数(nゲーム)の間、退避位置(L)にあり、表示要素A,B,Cのすべての視認性を良好にする。可動部材642は、変動表示ゲーム数(nゲーム)の次の変動表示ゲーム数((n+1)ゲーム)の間、一段階進出位置(M)にあり、表示要素A,Bの視認性を良好にするものの表示要素Cの視認性を不良にする。可動部材642は、変動表示ゲーム数((n+1)ゲーム)の次の変動表示ゲーム数((n+2)ゲーム)の間、二段階進出位置(H)にあり、表示要素Aの視認性を良好にするものの表示要素B,Cの視認性を不良にする。可動部材642は、変動表示ゲーム数((n+2)ゲーム)の終了後、退避位置(L)まで復帰し、表示要素A,B,Cのすべての視認性を良好にする。
【0375】
このように、遊技機10は、2回以上の変動表示ゲームにわたって可動部材642を退避位置から上方向に2段階に進出可能であり、2回以上の変動表示ゲームにわたって表示要素A,B,Cの視認性を変更可能である。
【0376】
なお、遊技機10は、2回以上の変動表示ゲームにわたって可動部材642の進出量を変更するときに、変更時期を1回の変動表示ゲームの開始時期(あるいは終了時期)としたが、1回の変動表示ゲームの途中でおこなうものであってもよい。また、遊技機10は、2回以上の変動表示ゲームにわたって可動部材642の進出量を維持するものであってもよい。また、遊技機10は、可動部材642の進出量を、退避位置(L)から一段階進出位置(M)、一段階進出位置(M)から二段階進出位置(H)、二段階進出位置(H)から退避位置(L)へと変更するとしたが、退避位置(L)から二段階進出する二段階進出位置(H)へと変更する変更態様があってもよいし、一段階進出位置(M)から退避位置(L)へと変更する変更態様があってもよい。
【0377】
次に、表示要素A,B,Cの具体例については
図44から
図47を用いて説明する。表示要素A,B,Cは、遊技制御状態に関わらず固定されるものであってもよいが、遊技機10は、遊技制御状態に応じて表示要素A,B,Cを変更し得る。なお、表示要素Aは、可動部材642の進出量によらずに視認性が良好に保たれる表示要素であり、可動部材642に遮蔽されない位置に表示される。表示要素Bは、可動部材642の進出量によっては視認性が損なわれる表示要素であり、可動部材642の進出量によっては遮蔽される位置に表示される。表示要素Cは、可動部材642が進出すれば視認性が損なわれる表示要素であり、可動部材642の進出があれば遮蔽される位置に表示される。
図44は、第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その1)を示す図である。
図45は、第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その2)を示す図である。
図46は、第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その3)を示す図である。
図47は、第2の実施形態の遊技状態別の表示要素振分の一例(その4)を示す図である。
【0378】
図44(1)に示す表示要素振分例は、A時短(a時短遊技状態)/C時短(c時短遊技状態)中の表示要素振分例を示す。小図柄群(小図柄群632)と、数字保留(特
図1保留数表示633と特
図2保留数表示634)と、当り回数(履歴情報表示640)と、第4図柄と、モード表示(時短情報表示639)と、時短連続回数(履歴情報表示640)と、獲得球数(履歴情報表示640)と、打ち方案内(打ち方案内表示643)と、強エラー(弱エラーよりも報知強度が強いエラー、たとえば、枠開放エラー等の不正監視に関するエラー)は、表示要素Aに含まれる。大図柄群(大図柄群631)と、待機保留(保留表示635、保留アイコン637)と、消化保留(保留消化表示636、保留消化アイコン638)と、時短残回数(時短情報表示639)と、弱エラー(強エラーよりも報知強度が弱いエラー、たとえば、玉抜きエラー等の不正監視に関しないエラー)と、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。天井到達時期(天井案内表示641)は、表示要素Cに含まれる。
【0379】
図44(2)に示す表示要素振分例は、B時短(b時短遊技状態)中の表示要素振分例を示す。小図柄群と、数字保留と、当り回数と、第4図柄と、モード表示と、時短連続回数と、獲得球数と、打ち方案内と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、時短残回数と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。
【0380】
図45(1)に示す表示要素振分例は、低確遊技状態A中の表示要素振分例を示す。低確遊技状態Aは、履歴情報表示640を非表示にする、あるいは履歴情報表示640を集計しない低確遊技状態である。小図柄群と、数字保留と、第4図柄と、モード表示と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。天井到達時期は、表示要素Cに含まれる。
【0381】
図45(2)に示す表示要素振分例は、低確遊技状態B中の表示要素振分例を示す。低確遊技状態Bは、履歴情報表示640を表示する、あるいは履歴情報表示640を集計する低確遊技状態である。小図柄群と、数字保留と、当り回数と、第4図柄と、モード表示と、時短連続回数と、獲得球数と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。
【0382】
図46(1)に示す表示要素振分例は、高確遊技(時短なし)中の表示要素振分例を示す。小図柄群と、数字保留と、当り回数と、第4図柄と、モード表示と、時短連続回数と、獲得球数と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。なお、高確遊技(時短あり)中であれば、打ち方案内は表示要素Aに含まれ、時短残回数は表示要素Bに含まれる。
【0383】
図46(2)に示す表示要素振分例は、当り中の表示要素振分例を示す。当り図柄と、当り回数と、モード表示と、獲得球数と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。
【0384】
図47(1)に示す表示要素振分例は、低確遊技状態中(ただし、天井到達ゲーム数777で実行ゲーム数500未満のとき)の表示要素振分例を示す。低確遊技状態Aは、履歴情報表示640を非表示にする、あるいは履歴情報表示640を集計しない低確遊技状態である。小図柄群と、数字保留と、第4図柄と、モード表示と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、天井到達時期と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。
【0385】
図47(2)に示す表示要素振分例は、低確遊技状態中(ただし、天井到達ゲーム数777で実行ゲーム数500以上、770未満のとき)の表示要素振分例を示す。低確遊技状態Aは、履歴情報表示640を非表示にする、あるいは履歴情報表示640を集計しない低確遊技状態である。小図柄群と、数字保留と、第4図柄と、モード表示と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。天井到達時期は、表示要素Cに含まれる。
【0386】
図47(3)に示す表示要素振分例は、低確遊技状態中(ただし、天井到達ゲーム数777で実行ゲーム数770以上のとき)の表示要素振分例を示す。低確遊技状態Aは、履歴情報表示640を非表示にする、あるいは履歴情報表示640を集計しない低確遊技状態である。小図柄群と、数字保留と、第4図柄と、モード表示と、天井到達時期と、強エラーは、表示要素Aに含まれる。大図柄群と、待機保留と、消化保留と、弱エラーと、音量設定と、輝度設定は、表示要素Bに含まれる。表示要素Cに対応する表示要素はない。
【0387】
このように、遊技機10は、遊技制御状態に応じて表示要素を表示要素A,B,Cに振り分けるものであってもよいし、天井到達ゲーム数と実行ゲーム数との関係において表示要素を表示要素A,B,Cに振り分けるものであってもよい。これにより、遊技機10は、遊技制御状態に応じた遊技者の関心を表示要素単位で制御可能にし、遊技制御状態に応じた興趣向上を好適に図ることができる。
【0388】
次に、曖昧な天井到達時期を表示する表示要素に対する可動部材の遮蔽例を
図48を用いて説明する。
図48は、第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。
【0389】
図48(1)に示す表示画面652は、可動部材650が表示要素を遮蔽しない退避位置にある様子を示す。表示画面652は、ゲージ653と、宝箱654と、大図柄群655と、小図柄群656と、特
図1保留数表示657と、特
図2保留数表示658と、保留表示659と、保留消化表示660と、保留アイコン661と、保留消化アイコン662を表示要素として表示内容に含む。
【0390】
ゲージ653は、天井到達までの目安を曖昧にして示す。なお、ゲージ653は、変動表示ゲームを実行ごとに所定量だけゲージが進み、天井到達までの残り量を縮める。なお、ゲージ653は、変動表示ゲーム実行ごとに所定量だけ進むとしたが、進行量は固定量であってもよいし、可変量であってもよい。
【0391】
宝箱654は、ゲージ653の残り量が0になったときに開放され、天井到達時にはb時短発生を案内する。なお、宝箱654は、ゲージ653の残り量が0になったときに開放されても、天井到達に至らないガセ演出に用いられるものであってもよい。たとえば、ガセ演出には、遊技者の期待を裏切る単なるハズレや、ゲージ653の進行量の引き戻し、遊技者の期待を超えて当りの発生や、c時短発生を案内するものであってもよい。
【0392】
図48(2)に示す表示画面664は、可動部材650が表示要素を遮蔽する位置まで進出する様子を示す。表示画面664は、可動部材650によりゲージ653の進行量が不明になる。なお、表示画面664は、可動部材650が表示要素を遮蔽しない退避位置に戻るまでにゲージ653の進行量を変更して可動部材650の動作演出に対する期待感を演出してもよい。また、表示画面664は、可動部材650により宝箱654の開放態様が不明になるようにしてもよい。なお、表示画面664は、可動部材650が表示要素を遮蔽しない退避位置に戻るまでに宝箱654の開放態様を変更して可動部材650の動作演出に対する期待感を演出してもよい。
【0393】
次に、可動部材642の遮蔽の変形例について
図49を用いて説明する。
図49は、第2の実施形態のゲーム表示画面の一例(その4)を示す図である。
図49に示す表示画面670は、表示画面648(
図41参照)と比較して上方向にさらに1段階進出した可動部材642により表示画面の一部が遮蔽された表示状態であり、表示要素の一部の視認性が一層損なわれた表示状態である。また、表示画面670は、表示画面648で視認性が損なわれていた表示要素の視認性が回復した表示状態である。
【0394】
表示画面670は、大図柄群631に代わってSPリーチ演出表示649がSPリーチ状態を示し、可動部材642が退避位置から上方向に3段階進出してSPリーチ演出に伴う動作演出を実行している様子を示す。表示画面670におけるSPリーチ演出表示649は、たとえば、3段階進出した可動部材642によりトラのようなキャラクタの1匹が弾き飛ばされる演出表示である。
【0395】
表示画面670は、可動部材642により、待機保留の台座表示(保留表示635)と待機保留(保留アイコン637)と消化保留の台座表示(保留消化表示636)と消化保留(保留消化アイコン638)と天井案内表示641の視認性が回復している様子を示す。表示画面670は、履歴情報表示640について視認性の一部または全部を損ないながらも表示する。表示画面670は、時短情報表示639について視認性を損なうことなく表示する。時短情報表示639は、遊技者の注意を引くように可動部材642の切り欠き部に載置されるように表示される。
【0396】
このように、遊技機10は、可動部材642の表示領域への進出により、一部の表示要素の視認性を抑制して、遊技者の関心を他の表示要素に振り向けることができる。これにより、遊技機10は、たとえば、期待感の高いリーチ演出が行われるとき、b時短までの天井到達が近いときに可動部材642により天井案内表示641を遮蔽するので遊技者の関心をリーチ演出の期待感に振り向けることができる。また、遊技機10は、時短情報表示639を明示し、天井案内表示641を遮蔽するので、過去の遊技履歴にもとづくゲーム数表示に代わって、時短残回数表示による未来の遊技への期待感を演出することができる。また、遊技機10は、一旦遮蔽した表示要素を再表示可能にするので、遊技者の関心を表示要素単位で制御可能にし、興趣向上を好適に図ることができる。
【0397】
なお、遊技機10は、可動部材642,650により遮蔽され、視認性不良にされた表示要素について、可動部材642,650により遮蔽されながら表示されるものであってもよいし、可動部材642,650により遮蔽されたことで非表示とするものであってもよい。
【0398】
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえない、あるいはゲーム性の多様化に対応して遊技状態データを表示することができていないという課題を有し、第2の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化に対応して興趣向上に貢献する遊技履歴を表示することができる遊技機を提供する。また、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえないという課題を有し、第2の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立可能な遊技機を提供する。
【0399】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、ゲームに関する所定報知(たとえば、時短残回数、天井到達時期)を表示可能な報知表示手段(たとえば、表示装置41、演出制御装置300)と、可動部材(たとえば、盤装飾装置46、可動部材642,650)の動作演出により所定報知を遮蔽可能な演出手段(たとえば、演出制御装置300)と、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、当り)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態B)にする第1契機制御(たとえば、a時短制御)と、所定契機(たとえば、高確遊技状態から低確遊技状態への遷移)から所定ゲーム数(天井到達ゲーム数)の実行に対応して遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)にする第2契機制御(たとえば、b時短制御)とを実行可能であり、第1契機制御による第2遊技状態で動作演出をおこなうとき、当該第2遊技状態から第1遊技状態への変更時期を報知する第1報知(たとえば、時短残回数の表示)を可動部材により遮蔽されない位置で報知表示手段に表示させ、所定ゲーム数の到達時期を報知する第2報知(たとえば、天井到達時期の表示)を可動部材により遮蔽される位置で報知表示手段に表示させる(
図41参照)。
【0400】
(2)(1)の制御手段は、第2遊技状態における遊技案内をおこなう遊技案内表示(たとえば、打ち方案内表示643)を可動部材によって遮蔽されない位置で報知表示手段に表示させる(
図40参照)。
【0401】
(3)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能な変動表示ゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、変動表示ゲームに関する示唆表示(たとえば、所定の信頼度での所定内容を報知する表示)として第1示唆と第1示唆(たとえば、時短残回数)と異なる第2示唆(たとえば、天井到達時期)を表示可能な示唆表示手段(たとえば、表示装置41、演出制御装置300)と、可動部材(たとえば、盤装飾装置46、可動部材642,650)の動作演出により示唆表示に重なることが可能な演出手段(たとえば、演出制御装置300)と、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、1回の変動表示ゲーム中(たとえば、特
図1または特
図2の変動表示開始から変動停止(図柄停止時間を含むものであってもよい)まで)において、第1示唆と第2示唆のうち少なくともいずれか一方の視認性を可動部材が重なることによって変更可能にする(
図40、
図42参照)。
【0402】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、ゲームに関する所定示唆(たとえば、時短残回数、天井到達時期)を表示可能な示唆表示手段(たとえば、表示装置41、演出制御装置300)と、可動部材(たとえば、盤装飾装置46、可動部材642,650)の動作演出により所定示唆を遮蔽可能な演出手段(たとえば、演出制御装置300)と、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とに変更可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、結果態様としての第1特定結果(たとえば、当り)の導出を契機にして遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態B)にする第1契機制御(たとえば、a時短制御)と、所定契機(たとえば、高確遊技状態から低確遊技状態への遷移)から所定ゲーム数(天井到達ゲーム数)の実行に対応して遊技状態を第2遊技状態(たとえば、遊技状態E)にする第2契機制御(たとえば、b時短制御)とを実行可能であり、第1契機制御による第2遊技状態で動作演出をおこなうとき、当該第2遊技状態から第1遊技状態への変更時期を示唆する第1示唆(たとえば、時短残回数の表示)を可動部材が重ならない位置で示唆表示手段に表示させ、所定ゲーム数の到達時期を示唆する第2示唆(たとえば、天井到達時期の表示)を可動部材が重なる位置で示唆表示手段に表示させ、第2遊技状態における遊技案内をおこなう遊技案内表示(たとえば、打ち方案内表示643)を可動部材が重ならない位置で示唆表示手段に表示させる(
図40、
図41参照)。
【0403】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の遊技機10について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。第3の実施形態の遊技機10は、第1の実施形態の遊技機10と同様の遊技性を有する。第3の実施形態の遊技機10は、表示演出として複数のステージを有し、各ステージには対応する世界観が設定されている。このような世界観は、初見の遊技者にとってわかりにくいものであり、何の説明もなしには世界観への没入感を得難く十分な興趣を得ることができない場合がある。そのため、第3の実施形態の遊技機10は、ステージ内において世界観を説明する説明演出を実行可能である。ただし、このような説明演出は、世界観の理解とともに遊技者にとって不要なものとなることから、興趣低下を惹起するおそれがある。第3の実施形態の遊技機10は、複数のステージを有していても、遊技経験に関わらず興趣向上を図ることができる。
【0404】
まず、遊技機10のステージ構成について
図50を用いて説明する。
図50は、第3の実施形態の演出ステージ遷移の一例を示す図である。遊技機10は、遊技状態Aと遊技状態Bとに遷移可能である。たとえば、遊技状態Aは、低確率遊技状態であり、遊技状態Bは、高確率遊技状態である。
【0405】
遊技状態Aは、ステージA1,A2,A3を有し、所定条件成立ごとにステージを遷移する。たとえば、遊技機10は、変動表示ゲーム100回ごとにステージA1からステージA2またはA3に遷移し、ステージA2からステージA3またはA1に遷移し、ステージA3からステージA1またはA2に遷移する。
【0406】
遊技状態Bは、ステージB1,B2,B3を有し、所定条件成立ごとにステージを遷移する。たとえば、遊技機10は、変動表示ゲーム1回ごとに1/10の抽選に当選するとステージB1からステージB2またはB3に遷移し、ステージB2からステージB3またはB1に遷移し、ステージB3からステージB1またはB2に遷移する。
【0407】
各ステージA1,A2,A3,B1,B2,B3には、それぞれの世界観が設定されていて、遊技者が世界観を理解することで一層の興趣向上を図れるようにしている。しかしながら、ステージの多様性は、遊技者による世界観の理解を容易ならざるものとする場合がある。そこで、遊技機10は、各ステージにおいてステージの世界観を説明する説明演出を実行する。なお、ステージの多様性は、ステージの世界観に限らず、ステージごとのゲーム性(リーチ率やリーチ信頼度、演出の多様性、表示要素の種類、表示要素の位置等)の多様性を含む。
【0408】
また、遊技状態A,Bは、確率状態に限らず、時短の有無、時短の種別により異なる遊技状態とされるものであってもよく、遊技状態の種別は2つに限らず、3以上の種別であってもよい。
【0409】
また、各遊技状態におけるステージ遷移条件は、所定回数の変動表示ゲームの実行でもよいし、特定の変動表示パターンの実行(たとえば、リーチ)であってもよいし、所定時間経過や、所定確率での抽選であってもよい。
【0410】
次に、説明演出について
図51と
図52を用いて説明する。
図51は、第3の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
図52は、第3の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【0411】
図51(1)に示す表示画面672は、ステージA1における変動表示中の表示画面である。表示画面672は、ステージキャラクタ表示673と、ステージ説明表示674と、ステージ名表示675を表示内容に含む。ステージキャラクタ表示673は、ブタのようなキャラクタを表示し、ステージA1の世界観を表示演出する。なお、ステージA1の世界観は、背景表示や大図柄群501や保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、保留消化アイコン508等のデザイン変更や、BGMや効果音の変更により演出されるものであってもよい。ステージ説明表示674は、ステージA1の世界観をメッセージ(たとえば、「魔王を倒せ!」)により演出(説明演出)する。ステージ名表示675は、現在のステージがステージA1であることを案内する。これにより、遊技機10は、遊技者にステージA1の世界観を案内できる。
【0412】
図51(2)に示す表示画面676は、ステージA1における変動表示中の表示画面である。表示画面676は、たとえば、表示画面672の次回変動である。表示画面676は、ステージキャラクタ表示673と、ステージ名表示675を表示内容に含むが、ステージ説明表示674を表示内容に含まない。これにより、表示画面676は、ステージA1の世界観を演出するが、遊技者にステージA1の世界観を案内しない。このように、遊技機10は、遊技者にステージA1の世界観を案内しないゲームを設定することで、過剰な説明演出を抑止する。このような説明演出を抑止したゲームは、1回だけおこなわれるものであってもよいが、2回以上連続するものであってもよい。
【0413】
図51(3)に示す表示画面678は、ステージA1における変動表示中の表示画面である。表示画面678は、たとえば、表示画面676より後の変動である。表示画面678は、ステージキャラクタ表示673と、ステージ説明表示674と、ステージ名表示675を表示内容に含む。ステージ説明表示674は、ステージA1の世界観をメッセージ(たとえば、「魔王は光に弱い」)により演出(説明演出)する。なお、ステージ説明表示674は、2以上のメッセージのうちから1つのメッセージを選択して表示するものであってもよいし、1つのメッセージだけを繰り返し表示するものであってもよい。
【0414】
このように、遊技機10は、ステージ説明表示674を含む表示画面と、ステージ説明表示674を含まない表示画面とを含めて変動表示ゲームを進行することで、世界観を説明する説明演出を実行可能にしながら、説明演出が過剰にならないようにしている。なお、説明演出の有無は、所定回数の変動表示ゲームの実行ごとでもよいし、特定の変動表示パターンの実行(たとえば、リーチ)ごとであってもよいし、所定時間経過ごとや、所定確率での抽選ごとであってもよい。
【0415】
図52(1)に示す表示画面680は、ステージA2における変動表示中の表示画面である。表示画面680は、ステージキャラクタ表示681と、ステージ説明表示682と、ステージ名表示675を表示内容に含む。ステージキャラクタ表示681は、トラのようなキャラクタを表示し、ステージA2の世界観を表示演出する。なお、ステージA2の世界観は、背景表示や大図柄群501や保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、保留消化アイコン508等のデザイン変更や、BGMや効果音の変更により演出されるものであってもよい。ステージ説明表示682は、ステージA2の世界観をメッセージ(たとえば、「伝説の剣を探せ」)により演出(説明演出)する。ステージ名表示675は、現在のステージがステージA2であることを案内する。これにより、遊技機10は、遊技者にステージA2の世界観を案内できる。
【0416】
図52(2)に示す表示画面684は、ステージA2における変動表示中の表示画面である。表示画面684は、たとえば、表示画面680の次回変動である。表示画面684は、ステージキャラクタ表示681と、ステージ名表示675を表示内容に含むが、ステージ説明表示682を表示内容に含まない。これにより、表示画面684は、ステージA2の世界観を演出するが、遊技者にステージA2の世界観を案内しない。このように、遊技機10は、遊技者にステージA2の世界観を案内しないゲームを設定することで、過剰な説明演出を抑止する。このような説明演出を抑止したゲームは、1回だけおこなわれるものであってもよいが、2回以上連続するものであってもよい。
【0417】
図52(3)に示す表示画面686は、ステージA2における変動表示中の表示画面である。表示画面686は、たとえば、表示画面684より後の変動である。表示画面686は、ステージキャラクタ表示681と、ステージ説明表示682と、ステージ名表示675を表示内容に含む。ステージ説明表示682は、ステージA2の世界観をメッセージ(たとえば、「伝説の剣、近いぞ!」)により演出(説明演出)する。なお、ステージ説明表示682は、2以上のメッセージのうちから1つのメッセージを選択して表示するものであってもよいし、1つのメッセージだけを繰り返し表示するものであってもよい。
【0418】
このように、遊技機10は、ステージ説明表示682を含む表示画面と、ステージ説明表示682を含まない表示画面とを含めて変動表示ゲームを進行することで、世界観を説明する説明演出を実行可能にしながら、説明演出が過剰にならないようにしている。なお、説明演出の有無は、所定回数の変動表示ゲームの実行ごとでもよいし、特定の変動表示パターンの実行(たとえば、リーチ)ごとであってもよいし、所定時間経過ごとや、所定確率での抽選ごとであってもよい。
【0419】
また、ステージキャラクタ表示673,681やステージ説明表示674,682、ステージ名表示675は、当該変動表示ゲームの期待感、あるいは先読み演出により当該変動表示ゲームより後に実行される変動表示ゲームの期待感に応じて、表示態様を違えて演出するものであってもよい。たとえば、表示画面686におけるステージキャラクタ表示681は、表示画面680,684におけるステージキャラクタ表示681よりも大きく表示されて、表示画面680,684におけるステージキャラクタ表示681と異なる期待感(たとえば、期待感上昇)を演出する。また、ステージ説明表示674,682は、メッセージ内容、文字サイズ、文字色、吹き出し色、吹き出し背景等を違えて、異なる期待感を演出するものであってもよい。また、ステージキャラクタ表示673,681は、キャラクタサイズに限らず、動作や、その他のキャラクタ(たとえば、プレミアムキャラクタ)への変更により、異なる期待感を演出するものであってもよい。
【0420】
次に、変動表示ゲーム実行ごとに説明演出を挿入するか否かを決定する説明演出挿入処理について
図53を用いて説明する。
図53は、第3の実施形態の説明演出挿入処理のフローチャートを示す図である。説明演出挿入処理は、メイン処理(
図12参照)の演出表示編集処理(ステップD23)において実行される処理である。
【0421】
[ステップD110]演出制御装置300の制御部(以下、
図53の説明において単に制御部という)は、遊技制御装置100より特定変動表示パターンを受信している場合にステップD111に進み、特定変動表示パターンを受信していない場合に説明演出挿入処理を終了する。なお、特定変動表示パターンは、ステージ説明表示を表示するのに十分な所定の変動時間を有している変動表示パターンであり、またリーチ変動など興趣性の高い変動表示パターンに該当しない変動表示パターンである。これにより、遊技機10は、ステージ説明表示の表示時間の確保と、ステージ説明表示がリーチ変動などの興趣性を損なうことを抑止する。
【0422】
[ステップD111]制御部は、説明演出の挿入トリガの検出を判定する。制御部は、説明演出の挿入トリガを検出した場合にステップD112に進み、説明演出の挿入トリガを検出しない場合に説明演出挿入処理を終了する。なお、説明演出の挿入トリガは、所定回数の変動表示ゲームの実行ごと、あるいは特定の変動表示パターンの実行(たとえば、リーチ)ごと、所定時間経過ごと、所定確率での抽選ごととして検出される。
【0423】
[ステップD112]制御部は、現在のステージ情報を取得する。
[ステップD113]制御部は、取得したステージ情報から現在のステージを特定し、現在のステージに対応した説明パターンを選択し、ステージ説明表示として設定する。制御部は、ステージ説明表示の設定後、説明演出挿入処理を終了する。
【0424】
これにより、遊技機10は、現在のステージに対応したステージ説明表示を適宜、かつ適度におこなうことができる。したがって、遊技機10は、複数のステージを有していても、遊技経験に関わらず興趣向上を図ることができる。また、遊技機10は、現在のステージがステージチェンジするまでにステージ説明表示について複数回の表示機会を確保可能にする。
【0425】
上述した第3の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応して初見の遊技者にとってゲーム性がわかりにくいものであったが、説明を煩雑にしては遊技者にとって不要な場合もあることから、興趣低下を惹起するおそれがあるという課題を有し、第3の実施形態の遊技機10は、複数のステージを有していても、遊技経験に関わらず興趣向上を図ることができる遊技機を提供する。また、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとはいえないという課題を有し、第3の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立可能な遊技機を提供する。
【0426】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定条件の成立により遷移可能な2以上の演出ステージ(たとえば、ステージA1,A2,A3)でゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能であり、演出ステージにおいて当該ステージの演出態様を説明する説明表示(たとえば、ステージ説明表示674,682)を表示するゲームと、説明表示を表示しないゲームとを実行する制御部を備える。
【0427】
[第4の実施形態]
第1の実施形態から第3の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30を備える遊技機として説明したが、第4の実施形態は遊技盤30と異なる遊技盤800(
図54参照)を備える遊技機として説明する。
図54は、第4の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
【0428】
遊技盤800の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤800の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)830を備えたセンターケース(遊技演出構成体)820が配置されている。表示装置830は、センターケース820に設けられた凹部に、センターケース820の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース820は表示装置830の表示領域の周囲を囲い、表示装置830の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
【0429】
表示装置830は、LEDによるドットマトリクス表示可能な表示画面を有する装置で構成されている。なお、表示装置830は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されるものであってもよい。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置830の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0430】
また、センターケース820の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、
図54に示す状態から表示装置830の中央へ向けて動作可能となっている。
【0431】
遊技領域32におけるセンターケース820の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(
図55参照)により検出される。
【0432】
また、遊技領域32におけるセンターケース820の下方左側には、一般入賞口35が配置され、センターケース820の下方右側であって後述する特別変動入賞装置95の右部には、一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図55参照)により検出される。
【0433】
また、遊技領域32におけるセンターケース820の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図55参照)により検出される。
【0434】
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース820よりも下方位置であって、普図始動ゲート34の左部には、第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、流入部分となる位置に可動部材37bが設けられる。可動部材37bは、普電ソレノイド37c(
図55参照)によって前後方向にスライド移動して流入部分への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避して流入部分への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。可動部材37bは、常時は閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図55参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしてもよい。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
【0435】
また、遊技領域32におけるセンターケース820の右側には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、および特
図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口1)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(可動片)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド38b(
図55参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口1)を備え、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)中、および後述する特定領域96への入賞による大当り遊技状態(特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図55参照)が配設されている。
【0436】
また、遊技領域32におけるセンターケース820の右下側には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、および特
図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口2)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材(開閉扉)95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド95b(
図55参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(大入賞口2)を備え、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図55参照)が配設されている。
【0437】
また、特別変動入賞装置95は、入賞口内に入賞した遊技球を特定領域96に誘導するV流路を備える。特別変動入賞装置95は、特定領域96に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(
図55参照)が設けられている。なお、特定領域スイッチ38eにおける遊技球の検出(特定領域96への入賞)は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38を閉じた状態から開いた状態に変換する大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生条件の1つとなっている。
【0438】
また、センターケース820は、ワープ流路を備えないが、ワープ流路を備えるようにしてもよい。たとえば、センターケース820の左側側部にワープ口(ワープ入口)を設け、ワープ口からワープ流路に流入した遊技球をセンターケース820内のステージ上を転動させ、その一部をワープ出口に案内するようにしてもよい。その場合、ワープ出口は、始動入賞口36の直上に位置するようにして、ワープ出口に案内された遊技球を始動入賞口36に入賞しやすくなるようにしてもよい。
【0439】
第4の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース820の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース820の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(左側遊技領域に位置する)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,95、一般入賞口35(右側遊技領域に位置する)などへの入賞を狙うことができるようになっている。
【0440】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤800の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0441】
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特
図1保留表示部52と、特
図1図柄表示部53と、特
図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(
図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
【0442】
遊技機10は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38の近傍右側に右打ち案内表示装置91cを備える。右打ち案内表示装置91cは、遊技者に右打ちを案内するときに点灯し、その他の状態で消灯する。なお、右打ち案内表示装置91cは、盤装飾装置46に含まれる。
【0443】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース820の右下に特図ゲーム変動表示状態表示装置98を備える。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、いわゆる第4図柄表示装置であって、2つのLEDで構成される。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、左側LEDにより特
図1変動表示ゲームの変動表示状態を表示し、右側LEDにより特
図2変動表示ゲームの変動表示状態を表示する。たとえば、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、点灯により特図変動表示ゲームの図柄停止状態を報知し、点滅により特図変動表示ゲームの図柄変動状態を報知する。なお、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、盤装飾装置46に含まれる。
【0444】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース820の右側に普図変動表示装置93と普図保留表示装置94を備える。普図変動表示装置93は、2つのLEDで構成され、交互点滅により普図ゲームの変動表示状態を報知し、点灯または消灯の組合せ態様により普図ゲームの変動表示結果を報知する。また、普図保留表示装置94は、2つのLEDで構成され、消灯、点灯、点滅の組合せ態様により0個から4個までの普図保留数を報知する。なお、普図変動表示装置93と普図保留表示装置94は、盤装飾装置46に含まれる。
【0445】
次に、遊技機の制御システムについて
図55を用いて説明する。なお、第1の実施形態の遊技機の説明においては遊技制御装置100を備える遊技機として説明したが、第4の実施形態は遊技制御装置100と異なる遊技制御装置100a(
図55参照)を備える遊技機として説明する。
図55は、第4の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
【0446】
遊技機10は、遊技制御装置100aを備え、遊技制御装置100aは、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
【0447】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38、95の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置95の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
【0448】
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口1)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口1ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置95(大入賞口2)の開閉部材95cを開閉させる大入賞口2ソレノイド95bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
【0449】
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100aのタイマ割込み処理について
図56を用いて説明する。
図56は、第4の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。第4の実施形態のタイマ割込み処理は、ステップS83とステップS84の間でステップS830を実行する点で、第1の実施形態のタイマ割込み処理と相違する。
【0450】
制御部は、特
図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特
図1ゲーム処理(ステップS82)、特
図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特
図2ゲーム処理(ステップS83)に続いて、いわゆる2種ゲームに関する処理をおこなう2種ゲーム処理(ステップS830)を実行し、その後に普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
【0451】
次に、第4の実施形態の遊技機10の遊技性能について
図57を用いて説明する。
図57は、第4の実施形態の遊技機の遊技性能の一例を示す図である。遊技機10は、いわゆる1種+2種と呼ばれるゲーム性を有する。1種と呼ばれるゲーム性は、特図ゲーム(変動表示ゲーム)における乱数抽選の結果として大当りを導出可能とするものであり、図柄の変動表示により乱数抽選の結果報知を演出する。2種と呼ばれるゲーム性は、所定タイミングにおける特定領域96への入賞検出によって大当りを導出可能とするものである。
【0452】
なお、遊技機10は、特図ゲームとして特
図1ゲームと特
図2ゲームとを実行可能である。特
図1ゲームは、始動入賞口36への1回の入賞を契機として1回の変動表示を実行可能であり、変動表示の実行権利を最大4つ(最大保留数)まで記憶可能である。特
図1ゲームは、大当り確率を1/199とし、小当り確率を0/199とし、その余の198/199をはずれとする。特
図1ゲームは、大当りのうちの1/2を普電サポートありとし、大当りのうちの1/2を普電サポートなしとする。
【0453】
特
図2ゲームは、普通変動入賞装置37への1回の入賞を契機として1回の変動表示を実行可能であり、変動表示の実行権利を最大1つ(最大保留数)まで記憶可能である。特
図2ゲームは、大当り確率を1/199とし、小当り確率を30/199とし、はずれを168/199とする。特
図2ゲームは、大当りのうちの1/1(大当り時サポあり確率)を普電サポートありとし、大当りのうちの0/1(大当り時サポなし確率)を普電サポートなしとする。すなわち、特
図2ゲームは、大当りのすべてを普電サポートありとする。なお、遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームとで大当り確率を同じとしたが異なるものであってもよい。
【0454】
2種ゲームは、ゲームの性質上、最大保留数や大当り確率、小当り確率の設定がない。2種ゲームは、大当りのうちの1/1を普電サポートありとし、大当りのうちの0/1を普電サポートなしとする。すなわち、2種ゲームは、大当りのすべてを普電サポートありとする。なお、遊技機10は、特
図1ゲームと特
図2ゲームと2種ゲームとで大当り時サポあり確率や大当り時サポなし確率を異なるものとしたが、すべてのゲームで同じであってもよいし異なるものであってもよい。
【0455】
次に、このような遊技性能を有する遊技機10のゲーム性について
図58を用いて説明する。
図58は、第4の実施形態の遊技機の遊技状態遷移の一例を示す図である。
遊技機10は、普電サポートがあるサポあり状態と、普電サポートがないサポなし状態とを切り替えて制御可能である。また、遊技機10は、特図ゲームの抽選確率を低確率に固定して制御可能である。すなわち、遊技機10は、普電サポートがなく、特図ゲームの抽選確率が低確率である「サポなし/低確」状態と、普電サポートがあり、特図ゲームの抽選確率が低確率である「サポあり/低確」状態とを切り替えて制御可能である。「サポなし/低確」状態は、サポなしゆえ、左打ち遊技を案内する遊技状態であり、特図ゲーム1による遊技進行が主体となる遊技状態である。「サポあり/低確」状態は、サポありゆえ、右打ち遊技を案内する遊技状態であり、特図ゲーム2および2種ゲームによる遊技進行が主体となる遊技状態である。
【0456】
遊技機10は、「サポなし/低確」状態が、遊技者が遊技を開始する際の初期状態となる。遊技機10は、「サポなし/低確」状態から遷移条件「状態遷移A」の成立により「サポあり/低確」状態に遷移する。遷移条件「状態遷移A」は、特
図1ゲームにおいて導出したサポあり大当りの終了である。なお、遊技機10は、「サポなし/低確」状態から遷移条件「状態遷移B」の成立においては「サポなし/低確」状態のままとなる。遷移条件「状態遷移B」は、特
図1ゲームにおいて導出したサポなし大当りの終了である。
【0457】
遊技機10は、「サポあり/低確」状態から遷移条件「状態遷移C」の成立においては「サポあり/低確」状態のままとなる。遷移条件「状態遷移C」は、特
図2ゲーム(特
図2ゲームの結果(小当り)に関連して実行される2種ゲームを含む)において導出したサポあり大当りの終了である。遊技機10は、「サポあり/低確」状態から遷移条件「状態遷移D」の成立により「サポなし/低確」状態に遷移する。遷移条件「状態遷移D」は、普電サポートの終了である。
【0458】
ここまでで説明した大当りを契機とする普電サポートは、いわゆるA時短である。遊技機10は、「サポなし/低確」状態における所定回数のゲームの実行を発生契機(遷移条件「状態遷移E」の成立)とする普電サポートとしてB時短を発生可能である。また、遊技機10は、「サポなし/低確」状態における所定結果の導出(所定図柄の導出)を発生契機(遷移条件「状態遷移F」の成立)とする普電サポートとしてC時短を発生可能である。
【0459】
ここまでで、いわゆる1種+2種と呼ばれるゲーム性について説明したが、遊技機10は、1種+2種と呼ばれるゲーム性に加えて、第1の実施形態で説明したA時短、B時短、C時短を発生可能である。すなわち、遊技機10は、A時短、B時短、C時短の発生により、「サポあり/低確」状態に遷移する。遊技機10は、「サポあり/低確」状態において低確状態ながら特
図2ゲームで小当りが比較的頻回に発生することにより2種ゲームによる大当りが発生しやすくなっている。
【0460】
次に、遊技状態ごとの演出モードについて
図59を用いて説明する。
図59は、第4の実施形態の遊技状態ごとの演出モードの一例を示す図である。遊技機10は、遷移可能な遊技状態に、「サポなし/低確」状態と「サポあり/低確」状態とを含む。「サポなし/低確」状態は、4つの演出モード(モードA、モードB、モードC、モードD)を含む。モードAは、天井報知(天井示唆報知)のない通常演出モードであり、モードBは、天井報知のある通常演出モードである。天井報知は、B時短への遷移時期(B時短の発生時期)を案内する報知であり、遷移時期を特定可能な報知態様であってもよいし、遷移時期を抽象的、あるいは所定の確からしさで案内や示唆する報知態様であってもよい。モードCは、B時短の遷移時期直前に天井報知をおこなう天井直前演出モードであり、B時短の遷移時期が近いことを案内する前兆演出をおこなう演出モードである。モードCは、確度の高い確からしさで天井報知をおこなう。モードDは、電源投入直後に天井報知をおこなう電源投入演出モードである。「サポあり/低確」状態は、1つの演出モード(モードE)を含む。モードDは、モードCよりも確度の低い確からしさで天井報知をおこなう。モードEは、天井報知のない電サポ演出モードである。
【0461】
モードAは、3つのサブモード(サブ演出モード)A1,A2,A3を有し、サイクリックにサブモードチェンジをおこなうことで遊技演出の単調防止を図っている。同様に、モードBは3つのサブモードB1,B2,B3を有し、モードCは3つのサブモードC1,C2,C3を有し、モードDは3つのサブモードD1,D2,D3を有し、モードEは3つのサブモードE1,E2,E3を有する。なお、各モードは、3つのサブモードを有するとしたが、3つに限らず、1つ、2つ、あるいは4つ以上であってもよい。また、モードごとのサブモードの数は、モードごとに異なるものであってもよい。また、各モードは、サブモードごとに報知内容や、報知タイミング、報知態様、報知内容の確からしさが異なるものであってもよい。報知内容の確からしさは、たとえば報知内容が具体的であるか、抽象的であるかによって異ならせることができる。より具体的には、報知内容「天井まで100ゲーム」や「天井まで30ゲーム」は具体的であり、より確からしい報知内容であるし、報知内容「天井まで遠い」や「天井が近い」は抽象的であり、あまり確からしいと言えない報知内容である。また、正しい報知内容に加えて不正確な報知内容を報知することで報知の信頼度(確からしさ)を異ならせることができる。
【0462】
次に、「サポなし/低確」状態における演出モード遷移について
図60を用いて説明する。
図60は、第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の一例を示す図である。なお、説明を簡単にするために、当りやC時短発生を考慮せず、B時短発生に絞って説明する。
【0463】
「サポなし/低確」状態における演出モードは、電源投入時に電源遮断時の演出モードによらずにモードDからスタートする。たとえば、遊技場において前日営業日の閉店時にモードCであった場合でも翌営業日の開店時にモードDからスタートするので、遊技機10は、開店時からモードC狙いの遊技者を排除できる。また、遊技機10は、前日営業日にモードCで遊技中に閉店してしまった遊技者が翌営業日の開店時から当該遊技機を遊技しようとするときに他者の排除により遊技機会向上を期待できる。また、遊技場において前日営業日の閉店時にモードA,Bであった場合でも翌営業日の開店時にモードDからスタートするので、遊技機10は、天井直前であることを否定しないので開店時の稼働向上を期待できる。電源投入時にスタートしたモードDは、天井到達でB時短が発生、あるいは報知終了条件成立でモードAに遷移する。
【0464】
モードAは、天井直前判定が成立すればモードCに遷移する。また、モードAは、報知開始条件成立でモードBに遷移する。モードBは、天井直前判定が成立すればモードCに遷移する。また、モードBは、報知終了条件成立でモードAに遷移する。モードCは、天井到達でB時短が発生する。
【0465】
なお、報知開始条件は、天井報知の開始条件である。報知開始条件は、所定契機(たとえば、「サポなし/低確」状態への遷移、前回の天井報知開始、前回の天井報知終了、所定演出の実行等)から所定ゲーム数の実行や、所定状態(たとえば、モードA滞在中、モードAにおいて所定演出実行後の所定期間(たとえば、特別演出実行後の4ゲーム、特別演出実行時の始動記憶消化まで等)等)における抽選での当選等とすることができる。
【0466】
また、報知終了条件は、天井報知の終了条件である。報知終了条件は、遊技終了の検出(たとえば、客待ち状態の遷移、客待ち状態遷移から所定時間経過、タッチ信号の不検出等)また、報知終了条件は、所定契機(たとえば、天井報知開始、所定演出の実行等)から所定ゲーム数の実行や、転落抽選等とすることができる。
【0467】
また、天井直前判定は、天井到達まで所定ゲーム数だけ残した時点で天井到達の直前であると判定する。天井到達までの所定ゲーム数は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。
【0468】
次に、モードAとモードBの遷移パターンについて
図61と
図62を用いて変形例を含めて説明する。
図61は、第4の実施形態のモードAとモードBの遷移パターンの一例(その1)を示す図である。
図62は、第4の実施形態のモードAとモードBの遷移パターンの一例(その2)を示す図である。
【0469】
図61(1),(2)に示す遷移パターンは、最初のモードAへの遷移から150ゲームごとにモードAからモードBへ遷移する。
図61(1)に示すように、遷移パターンは、モードAからモードBへの遷移があっても遊技終了検出によりモードBからモードAに遷移する。また、
図61(2)に示すように、遷移パターンは、モードAからモードBへの遷移があった後、遊技を継続する限りにおいてモードBを維持する。
【0470】
このように、遊技機10は、天井報知を求める遊技者に対して所定期間に渡る遊技により天井報知を開始することができる。また、遊技機10は、天井報知を不要とする遊技者の一時的な遊技終了に対応して天井報知を終了することができる。このような遊技機10は、初心者に対して適時に天井報知をおこなうことができる。また、遊技機10は、所定の稼働なしに天井報知をおこなわないので、遊技性に精通した遊技者が初心者の遊技者を出し抜く不公平を抑制する。
【0471】
図61(3)に示す遷移パターンは、
図61(1),(2)に示した遷移パターンの変形例である。
図61(3)に示す遷移パターンは、モードAに遷移してから150ゲーム後にモードAからモードBへ遷移し、モードAからモードBへの遷移があっても遊技終了検出によりモードBからモードAに遷移する。そして、
図61(3)に示す遷移パターンは、モードBからモードAに遷移してから150ゲーム後に、再びモードAからモードBへ遷移する。このような遊技機10は、
図61(1),(2)に示した遷移パターンと異なり、遊技開始から天井報知があるまで毎回150ゲームを要するので、遊技性に精通した遊技者が初心者の遊技者を出し抜く不公平を一層抑制する。
【0472】
なお、モードBからモードAに遷移してから150ゲーム後に、再びモードAからモードBへ遷移するとしたが、遊技終了検出から次の遊技開始までの期間が長いほどモードAからモードBへ遷移するまでのゲーム数を大きくするようにしてもよい。このようにすると、遊技機10は、遊技者が短い休憩をとった場合にモードBへの早い遷移を可能にし、稼働向上に貢献することができる。また、このような遊技機10は、遊技場の開店後のモードBへの遷移に時間を要するので、遊技性に精通した遊技者が初心者の遊技者を出し抜く不公平を抑制する。
【0473】
図62(1)に示す遷移パターンは、
図61(1),(2)に示した遷移パターンの変形例である。
図62(1)に示す遷移パターンは、最初のモードAへの遷移から150ゲームごとにモードAからモードBへ遷移する。
図62(1)に示すように、遷移パターンは、モードAからモードBへの遷移があっても50ゲーム経過によりモードBからモードAに遷移する。このような遊技機10は、所定周期で天井報知の開始と終了を繰り返す。
【0474】
なお、遷移条件となるゲーム数は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。たとえば、遷移条件となるゲーム数は、遷移回数に応じて150ゲーム、125ゲーム、100ゲームのように小さくなっていくものであってもよいし、遷移回数に応じて100ゲーム、150ゲーム、200ゲームのように大きくなっていくものであってもよいし、30ゲーム、100ゲーム、80ゲームのようにランダムに選択されるものであってもよい。
【0475】
また、遊技機10は、性能違いのシリーズ機を有して、それぞれの天井到達ゲーム数が異なる場合に、遷移条件となるゲーム数を天井到達ゲーム数に応じて異なるものとするものであってもよい。たとえば、遷移条件となるゲーム数は、天井到達ゲーム数が200ゲームの場合に50ゲームであり、天井到達ゲーム数が600ゲームの場合に150ゲームである。
【0476】
図62(2)に示す遷移パターンは、
図61(1),(2)に示した遷移パターンの変形例である。
図62(2)に示す遷移パターンは、モードAにおける特定演出発生を遷移条件にしてモードAからモードBへ遷移し、転落抽選によりモードBからモードAに遷移する。特定演出は、たとえば特定のキャラクタの出現や、特定の図柄組合せの出現、特定の専用図柄の出現等がある。このような遊技機10は、モードA、モードBそれぞれの滞在期間が不定となる。
【0477】
図62(3)に示す遷移パターンは、
図61(1),(2)に示した遷移パターンの変形例である。
図62(3)に示す遷移パターンは、モードAにおける抽選当選を遷移条件にしてモードAからモードBへ遷移し、特定演出発生によりモードBからモードAに遷移する。特定演出は、たとえば特定のキャラクタの出現や、特定の図柄組合せの出現、特定の専用図柄の出現等がある。このような遊技機10は、モードA、モードBそれぞれの滞在期間が不定となる。
【0478】
なお、モードAからモードBへの遷移条件、およびモードBからモードAへの遷移条件をともに抽選によりおこなうものであってもよい。また、遊技制御装置100が抽選をおこない、演出制御装置300が遊技制御装置100からコマンドとして抽選結果を通知されるものであってもよいし、遊技制御装置100が関与せずに演出制御装置300が抽選をおこなうものであってもよい。また、モードAからモードBへの遷移条件、およびモードBからモードAへの遷移条件をともに抽選によりおこなうとき、いずれか一方の抽選を遊技制御装置100がおこない、他方を演出制御装置300がおこなうものであってもよい。
【0479】
また、モードAからモードBへの遷移条件、およびモードBからモードAへの遷移条件をともにイベント検出によりおこなうものであってもよい。たとえば、遊技機10は、始動記憶が所定数以上であるときにモードAからモードBに遷移し、始動記憶が所定数未満であるときにモードBからモードAに遷移する。このような遊技機10は、遊技者によるモード遷移を制御可能にし、稼働向上に寄与する。
【0480】
次に、モードDの遷移パターンについて
図63を用いて説明する。
図63は、第4の実施形態のモードDの遷移パターンの一例を示す図である。遊技機10は、電源投入時に電源遮断時のモードによらず、モードDからゲーム演出を実行する。
【0481】
図63(1)に示す遷移パターンは、モードA,Bに代わってモードDが実行されている遷移パターンである。
図63(1)に示す遷移パターンは、モードDにおける所定ゲーム数(たとえば15ゲーム)の実行でモードDからモードAへ遷移する。なお、所定ゲーム数は、モードCに設定されている滞在ゲーム数に対応することが望ましい。モードCに設定されている滞在ゲーム数を超えてモードDにおけるゲームが実行されることを抑止し、モードCに代わってモードDが実行されていることが否定される興趣低下を抑止できる。
【0482】
図63(2)に示す遷移パターンは、モードCに代わってモードDが実行されている遷移パターンである。
図63(2)に示す遷移パターンは、モードDにおける所定ゲーム数(たとえば15ゲーム以内)の実行で天井に到達し、B時短が発生する。
【0483】
このように、遊技機10は、電源遮断時にモードA,B,Cのいずれであったか否かに関わらず電源投入時の演出モードをモードDとする。これにより、遊技機10は、開店時からモードC狙いの遊技者を排除できる。また、遊技機10は、前日営業日にモードCで遊技中に閉店してしまった遊技者が翌営業日の開店時から当該遊技機を遊技しようとするときに他者の排除により遊技機会向上を期待できる。また、遊技場において前日営業日の閉店時にモードA,Bであった場合でも翌営業日の開店時にモードDからスタートするので、遊技機10は、天井直前であることを否定しないので開店時の稼働向上を期待できる。
【0484】
次に、モードAからモードBへの遷移タイミングと天井報知の実行タイミングについて
図64を用いて説明する。
図64は、第4の実施形態の演出モードの遷移タイミングと天井報知の実行タイミングの一例を示す図である。
【0485】
図64(1)に示す演出モードの遷移パターンは、(n-1)回目のゲームからn回目のゲームへの切替時(たとえば、(n-1)回目のゲーム終了時、あるいはn回目のゲーム開始時)に、モードAからモードBに遷移する。すなわち、(n-1)回目のゲームは、モードAであり、n回目のゲームはモードBである。このような遊技機10は、演出制御装置300における変動表示コマンドや図柄停止コマンドの受信を契機にしてモード遷移をおこなうことができる。また、天井報知は、モードAにおいて非表示とし、モードBにおいて表示することができる。このような遊技機10は、モード切替とゲーム切替、天井報知の実行とが一致するため、遊技者にとって理解容易なゲーム性を提供する。
【0486】
図64(2)に示す演出モードの遷移パターンは、
図64(1)に示した演出モードの遷移パターンの変形例である。
図64(2)に示す演出モードの遷移パターンは、ゲームの切替時でなく、1回のゲーム中にモードAからモードBに遷移する。このような演出モードの遷移は、遊技演出、始動入賞やタッチ検出等、ゲーム切替によらないイベントトリガに適用する。たとえば、遊技機10は、変動表示ゲーム中の特定キャラクタの出現や、特定図柄の導出等をトリガにして、モードAからモードBに遷移する。また、天井報知は、モードAにおいて非表示とし、モードBにおいて表示することができる。このような遊技機10は、ゲーム切替から独立してモード切替をおこなうため、遊技者に対して意外感を演出することができる。また、このような遊技機10は、モード切替と天井報知の実行とが一致するため、遊技者にとって理解容易なゲーム性を提供する。
【0487】
図64(3)に示す演出モードの遷移パターンは、
図64(1)に示した演出モードの遷移パターンの変形例である。
図64(3)に示す演出モードの遷移パターンは、
図64(1)に示した演出モードの遷移パターンと同様である。しかしながら、天井報知は、モードAにおいて非表示としながらも、モードBにおいて表示と非表示とを切り替えることができる。このような遊技機10は、天井報知の煩わしさを軽減しつつ、適時に遊技者に所要の情報を提供可能にする。なお、天井報知は、モードAにおいて非表示としたが、モードBよりも低頻度で表示されるものであってもよい。これにより、遊技機10は、モードAとモードBの双方で天井を示唆する演出を実行可能にしながら演出モードの差別化を図ることができる。
【0488】
次に、天井報知について
図65、
図66を用いて説明する。
図65は、第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その1)を示す図である。
図66は、第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その2)を示す図である。
【0489】
図65(1)に示す表示画面690は、モードA(サブモード:モードA1)における変動表示中の表示画面の一例である。表示画面690は、大図柄群501と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508と、モード案内表示691を表示内容に含む。モード案内表示691は、現在の演出モードを案内する。表示画面690におけるモード案内表示691は、「モードA1」を表示して、現在の演出モードがモードAのサブモードの1つであることを案内する。なお、表示画面690は、天井報知をおこなわないモードAであるので、天井に関する情報を表示しない。
【0490】
図65(2)に示す表示画面694は、モードBにおける変動表示中の表示画面の一例である。表示画面694は、大図柄群501と、小図柄群502と、特
図1保留数表示503と、特
図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508と、モード案内表示691と、経過ゲーム数表示692を表示内容に含む。また、表示画面694は、天井報知をおこなうモードBであるので、経過ゲーム数表示692と、天井情報693を表示内容に含む。表示画面694におけるモード案内表示691は、「モードB1」を表示して、現在の演出モードがモードBのサブモードの1つであることを案内する。経過ゲーム数表示692は、ゲーム数計数開始からの経過ゲーム数を案内する。表示画面694における経過ゲーム数表示692は、「NOW 150G」を表示して、経過ゲーム数が150ゲーム(変動表示回数150回)であることを案内する。なお、ゲーム数計数開始は、あらかじめ定める所定の起点であり、たとえば前回当りの終了や前回時短の終了がある。天井情報693は、天井までの残りゲーム数を表示する。表示画面694における天井情報693は、「天井まで600G」を表示して、天井までの残りゲーム数が600ゲームであることを具体的に案内する。
【0491】
図65(3)に示す表示画面696もまた、モードB(サブモード:モードB1)における変動表示中の表示画面の一例である。表示画面696は、表示画面694の表示内容に加えて天井付加情報697を表示内容に含む。天井付加情報697は、天井報知中に天井情報693に付加される情報であり、遊技説明等、遊技に関する情報を表示する。表示画面696における天井付加情報697は、「天井到達したら右打ち!」を表示して、天井到達後の遊技方法を案内する。なお、天井付加情報697は、天井情報693とともに表示されるものであってもよいし、天井情報693と交代で表示されるものであってもよいし、天井情報693の表示時期と関係なく独立した時期に表示されるものであってもよい。たとえば、遊技機10は、モードBにおいて天井情報693を毎ゲーム表示し、天井付加情報697を5ゲームごとに表示する。これにより、遊技機10は、天井情報693の開示をおこないつつ、遊技者に所要の情報を煩雑にならない頻度で提供できる。
【0492】
図66(1)に示す表示画面698は、モードB(サブモード:モードB2)における変動表示中の表示画面の一例である。表示画面698は、表示画面696と異なる態様の、天井情報693と天井付加情報697を表示内容に含む。表示画面698における天井情報693は、「天井まで道半ば」を表示して、天井まで近くないことを曖昧に案内する。また、表示画面698における天井付加情報697は、「150Gごとに天井報知」を表示して、天井報知の時機を案内する。
【0493】
図66(2)に示す表示画面700は、モードB(サブモード:モードB3)における変動表示中の表示画面の一例である。表示画面700もまた、表示画面696と異なる態様の、天井情報693と天井付加情報697を表示内容に含む。表示画面700における天井情報693は、「時短発動充填30%」を表示して、天井までの過程の30%ほどの位置にあることを、おおよその形として案内する。また、表示画面700における天井付加情報697は、「前回の時短はA時短」を表示して、遊技履歴を案内する。このように、遊技機10は、モードBにおける異なるサブモードで、天井報知の内容や態様、付加情報を違えることで、適宜の情報開示をおこないつつ興趣向上を図る。
【0494】
図66(3)に示す表示画面702は、モードA(サブモード:モードA2)における変動表示中の表示画面の一例である。遊技機10は、モードAにおいて、天井報知をおこなわないとしたが、限定的な態様で天井報知をおこなうものであってもよい。たとえば、表示画面702は、天井情報693を表示内容に含まないが、経過ゲーム数表示692と天井付加情報697とを表示内容に含むものであってもよい。すなわち、遊技機10は、モードAにおいて天井報知をおこなわず、モードBにおいて天井報知をおこなうという択一的な制御をおこなうことに代えて、モードBにおいて天井報知をおこないながら、モードAにおいてモードBと比較して限定的あるいは抑制的な天井報知をおこなう。なお、限定的あるいは抑制的な天井報知は、報知内容を対象としてもよいし報知頻度を対象としてもよいし、その両方を対象とするものであってもよい。なお、表示画面702における天井付加情報697は、「天井前の時短突入もあるよ」を表示して、B時短以外にC時短発生の可能性があることを案内する。このように、遊技機10は、モードAにおいても、付加情報を案内して、適宜の情報開示による興趣向上を図る。
【0495】
次に、モードD(サブモード:モードD1)における変動表示中の表示画面について、
図67を用いて説明する。
図67は、第4の実施形態のゲーム表示画面の一例(その3)を示す図である。モードDは、モードCに代わって天井直前の演出を兼ねる場合があることから天井突入(B時短発生)に対する期待感を演出する。このとき、モードDは、サブモードごとに期待感演出を違える。
【0496】
図67(1)に示す表示画面704は、モードD(サブモード:モードD1)における変動表示中の表示画面の一例である。モードD1は、始動記憶の表示態様により天井突入を案内(示唆を含む)する演出モードである。表示画面704は、保留表示505と、保留消化表示506と、保留アイコン507と、保留消化アイコン508と、天井突入案内説明表示705を表示内容に含む。天井突入案内説明表示705は、「保留に注目」を表示して、保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、保留消化アイコン508の表示態様の変化に注目することを遊技者に促す。表示画面704は、保留アイコン507や保留消化アイコン508の形状や色彩を変更して天井到達を示唆する。また、モードD1は、保留アイコン507、保留消化アイコン508の表示態様を変化させる先読み予告演出の発生頻度を他のモードよりも高くして、保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、保留消化アイコン508の表示態様の変化に注目することを遊技者により強く促すものであってもよい。
【0497】
図67(2)に示す表示画面706は、モードD(サブモード:モードD2)における図柄停止中の表示画面の一例である。モードD2は、停止図柄の表示態様、あるいは停止図柄の組合せ表示態様により天井突入を案内(示唆を含む)する演出モードである。表示画面706は、大図柄群501と、小図柄群502と、天井突入案内説明表示705を表示内容に含む。表示画面706における天井突入案内説明表示705は、「停止図柄に注目」を表示して、大図柄群501、小図柄群502のいずれか一方、あるいはその両方の停止図柄表示態様に注目することを遊技者に促す。表示画面706は、大図柄群501や小図柄群502の1回の停止図柄表示態様や停止図柄組合せ、あるいは複数ゲームに亘る所定の停止図柄表示態様や停止図柄組合せの頻回な出現により天井到達を示唆する。たとえば、表示画面706は、大図柄群501や小図柄群502に停止図柄組合せ「567」を表示して、順子(じゅんつ)目の頻回な出現により天井到達を示唆する。また、大図柄群501を用いた天井示唆は、大当り図柄組合せを構成しない専用図柄(たとえば、「天井カウントダウン」という文字で構成された図柄)を左図柄として停止させ、中図柄と右図柄に数字図柄を表示して天井到達をカウントダウン表示するようにしてもよい。
【0498】
図67(3)に示す表示画面708は、モードD(サブモード:モードD3)における変動表示中の表示画面の一例である。モードD3は、背景やキャラクタ、ムービー等の演出表示の表示態様により天井突入を案内(示唆を含む)する演出モードである。表示画面708は、天井突入案内説明表示705と、キャラクタ表示709を表示内容に含む。表示画面708における天井突入案内説明表示705は、「出現キャラに注目」を表示して、キャラクタ表示709の出現に注目することを遊技者に促す。表示画面708は、キャラクタ表示709の出現時期や出現期間、種別、表示態様により天井到達を示唆する。
【0499】
次に、モードDにおけるサブモード振分について
図68を用いて説明する。
図68は、第4の実施形態のモードDにおけるサブモード振分の一例を示す図である。
図68(1)に示すモードDにおけるサブモード振分は、サブモード選択確率を同じにしてモードD1,D2,D3を等分に振り分ける。したがって、遊技機10は、遊技者に対してモードD1,D2,D3に対する期待感を同じにして多様な演出モードの遊技機会を提供する。
【0500】
図68(2)に示すモードDにおけるサブモード振分は、
図68(1)に示したモードDにおけるサブモード振分の変形例である。
図68(2)に示すモードDにおけるサブモード振分は、電源投入時の天井到達までのゲーム数によってサブモード選択確率を異ならせる。遊技機10は、天井到達までのゲーム数が16以上のときのサブモード選択確率を、モードD1を3/6とし、モードD2を2/6とし、モードD3を1/6とする。また、遊技機10は、天井到達までのゲーム数が15以下のときのサブモード選択確率を、モードD1を1/6とし、モードD2を2/6とし、モードD3を3/6とする。これにより、遊技機10は、天井到達への期待感をモードD1、モードD2、モードD3の順に高くなるように演出することができる。
【0501】
図68(3)に示すモードDにおけるサブモード振分は、
図68(1)に示したモードDにおけるサブモード振分の変形例である。
図68(3)に示すモードDにおけるサブモード振分は、電源遮断前の演出モードによってサブモード選択確率を異ならせる。遊技機10は、電源遮断前の演出モードがモードA,B,Dのときのサブモード選択確率を、モードD1を3/6とし、モードD2を2/6とし、モードD3を1/6とする。また、遊技機10は、電源遮断前の演出モードがモードCのときのサブモード選択確率を、モードD1を1/6とし、モードD2を2/6とし、モードD3を3/6とする。これにより、遊技機10は、天井到達への期待感をモードD1、モードD2、モードD3の順に高くなるように演出することができる。
【0502】
次に、
図60を用いて説明した「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の変形例について
図69と
図70を用いて説明する。
図69は、第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の変形例(その1)を示す図である。
図70は、第4の実施形態の「サポなし/低確」状態における演出モード遷移の変形例(その2)を示す図である。
【0503】
図69に示す演出モード遷移は、モードAにおいて天井直前判定が成立したときにモードCに遷移することに代えてモードDに遷移する点で相違する。これにより、遊技機10は、天井直前判定が成立したときにモードCに遷移するモードBと、天井直前判定が成立したときにモードDに遷移するモードAとを差別化し、遊技者に対してモードAよりもモードBに高い価値があることを演出できる。これにより、遊技機10は、高い稼働がモードB滞在に対応するときに稼働向上を図ることができる。
【0504】
なお、モードAにおいて天井直前判定が成立したときにモードDに遷移するとしたが、遊技機10は、所定条件にしたがい遷移先をモードCとモードDのいずれにするかを振り分けるものであってもよい。
【0505】
図70に示す演出モード遷移は、モードDにおいて天井到達しないときにモードAに遷移するとしたが、天井直前判定成立時にモードCに遷移する点で相違する。これにより、遊技機10は、モードD期間がいたずらに長くなることを抑止するとともにモードC遷移により遊技者に対して天井到達への安心感を演出することができる。
【0506】
なお、モードDにおいて天井直前判定が成立したときにモードCに遷移するとしたが、遊技機10は、所定条件にしたがいモードCへの遷移をおこなわずに天井到達を待つものであってもよい。
【0507】
次に、当り発生やC時短発生を考慮しながら天井報知をおこなうための天井報知処理について
図71を用いて説明する。
図71は、第4の実施形態の天井報知処理のフローチャートを示す図である。天井報知処理は、メイン処理(
図12参照)の演出表示編集処理(ステップD23)において実行される処理である。
【0508】
[ステップD120]演出制御装置300の制御部(以下、
図71の説明において単に制御部という)は、天井到達残回数(ゲーム数)を取得する。
[ステップD121]制御部は、保留記憶(始動記憶)を先読みし、保留記憶内での当り、またはC時短の発生があるか否かを判定する。制御部は、当りまたはC時短の発生がある場合にステップD122に進み、当りまたはC時短の発生がない場合にステップD124に進む。
【0509】
[ステップD122]制御部は、当りまたはC時短の発生までのゲーム数を取得する。
[ステップD123]制御部は、取得した当りまたはC時短の発生までのゲーム数で天井到達残回数を更新する。すなわち、制御部が報知対象とする天井到達残回数は、B時短発生までのゲーム数に加えて、当り発生までのゲーム数やC時短発生までのゲーム数を含む。このような報知対象を拡張した天井到達残回数は、1種+2種というゲーム性を有する遊技において特に有効である。遊技機10は、2種というゲーム性を有するために時短(種別を問わない)発生により時短中の1種当りを発生させることができなくても、小当りを契機にして2種当りを発生させることができる。したがって、遊技機10は、時短中にほぼ確実に小当りを発生可能な時短ゲーム数と小当り確率であれば、B時短の発生またはC時短の発生を契機にして当りを発生させることができる。そのため、遊技機10は、1種当りの発生と、時短の発生を区別することなく、あるいは区別容易にしないで、遊技者に有利な遊技状態の発生として案内することができる。
【0510】
[ステップD124]制御部は、天井到達残回数にしたがい演出態様を選択して天井報知処理を終了する。なお、制御部は、天井到達残回数に加えて、当り発生までのゲーム数やC時短発生までのゲーム数により天井到達残回数を更新したか否かを含めて演出態様を選択するものであってもよい。
【0511】
これにより、遊技機10は、B時短発生の天井到達を待たずに当りが発生したり、C時短が発生したりしても整合性のある天井報知演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、B時短発生の天井到達が近くない場合にあっても、遊技者の興趣を損なわない天井報知演出をおこなうことができる。
【0512】
次に、当り発生なくB時短発生の天井に至るモードC演出を
図72を用いて説明し、B時短発生の天井到達残回数を書き換えて当り発生に至るモードC演出を
図73を用いて説明する。
図72は、第4の実施形態のモードC演出の一例(その1)を示す図である。
図73は、第4の実施形態のモードC演出の一例(その2)を示す図である。
【0513】
図72(1)に示す表示画面710は、モードC(サブモード:モードC1)における変動表示中の表示画面の一例である。モードC1は、キャラクタを用いて天井突入を案内(示唆を含む)する演出モードである。表示画面710は、キャラクタ711を表示内容に含む。キャラクタ711は、円筒状の容器のような表示態様であり、揺動動作によりキャラクタ711への注目を遊技者に促す。キャラクタ711は、煽り動作としての、揺動動作の後に円筒状の容器から別のキャラクタを登場させる。
【0514】
図72(2)に示す表示画面712は、表示画面710に続く表示画面の一例である。表示画面712は、キャラクタ713と天井情報714を表示内容に含む。キャラクタ713は、トラのような表示態様であり、円筒状の容器のようなキャラクタ713から登場する。キャラクタ713は、煽り動作としての、揺動動作の後に円筒状の容器から別のキャラクタを登場させる。キャラクタ713は、その表示態様に対応したメッセージとして、天井情報714とともに表示される。天井情報714は、天井までの残りゲーム数を表示する。表示画面712における天井情報714は、「あと10回」を表示して、天井までの残りゲーム数が10回であることを案内する。
【0515】
天井情報714は、当り発生やC時短発生がない限りにおいて、
図72(3)に示すように、ゲーム進行(変動表示ゲームの実行)ごとに残りゲーム数を1ずつデクリメントして表示する。
【0516】
図72(4)に示す表示画面716は、当り発生やC時短発生なくB時短発生に至った表示画面である。表示画面716は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」を表示してB時短発生を案内する。メッセージ「スペシャルチャンス突入」は、1種当りの発生と、時短の発生を区別することなく、あるいは区別容易にしない報知態様の一例である。なお、表示画面716は、モード案内表示691において「B時短」を表示して、B時短の発生を明確に案内するものであってもよい。「B時短」を表示するモード案内表示691は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」よりも小さなものであったり、目立たないものであったり、あるいは表示されないものであったりしてもよく、メッセージ「スペシャルチャンス突入」が演出するゲーム性への没入感を一層強調するものであってもよい。
【0517】
図73(1)に示す表示画面718は、表示画面712に続く表示画面の一例である。表示画面718は、キャラクタ713と天井情報714を表示内容に含む。表示画面718における天井情報714は、「あと7回」を表示して、天井までの残りゲーム数が7回であることを案内する。
【0518】
図73(2)に示す表示画面720は、表示画面718におけるゲームの次のゲームの表示画面の一例である。表示画面720は、キャラクタ713と天井情報714を表示内容に含む。表示画面720における天井情報714は、表示画面718におけるゲームの次のゲームであるから、本来「あと6回」を表示すべきところ、保留記憶内の当りを検出して「あと3回」を表示して、当りまでの残りゲーム数が3回であることを案内する。このとき、キャラクタ713は、天井情報714にエフェクトをかけて天井情報714の書き換えを演出する。
【0519】
天井情報714は、
図73(3)に示すように、ゲーム進行(変動表示ゲームの実行)ごとに残りゲーム数を1ずつデクリメントして表示する。
図73(4)に示す表示画面722は、当り発生に至った表示画面である。表示画面722は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」を表示して当り発生を案内する。メッセージ「スペシャルチャンス突入」は、1種当りの発生と、時短の発生を区別することなく、あるいは区別容易にしない報知態様の一例である。なお、表示画面722は、モード案内表示691において「当り」を表示して、当り発生を明確に案内するものであってもよい。「当り」を表示するモード案内表示691は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」よりも小さなものであったり、目立たないものであったり、あるいは表示されないものであったりしてもよく、メッセージ「スペシャルチャンス突入」が演出するゲーム性への没入感を一層強調するものであってもよい。なお、表示画面722は、小図柄群502において当り図柄組合せ「666」を表示して当りを案内する。
【0520】
このようにして、遊技機10は、天井到達を待つモードCの演出を単調とならないものとすることができ、遊技者に対して多様な特典の発生に対する期待感を演出することができる。
【0521】
次に、C時短発生なくB時短発生の天井に至るモードC演出を
図74を用いて説明し、B時短発生の天井到達残回数を書き換えてC時短発生に至るモードC演出を
図75を用いて説明する。
図74は、第4の実施形態のモードC演出の一例(その3)を示す図である。
図75は、第4の実施形態のモードC演出の一例(その4)を示す図である。
【0522】
図74(1)に示す表示画面724は、モードC(サブモード:モードC2)における変動表示中の表示画面の一例である。モードC2は、モード滞在中に継続して表示されるキャラクタの表示態様により天井突入を案内(示唆を含む)する演出モードである。表示画面724は、キャラクタ725と演出用保留アイコン726を表示内容に含む。キャラクタ725は、スペシャルチャンスを封入した塊のような表示態様であり、その表示態様によりキャラクタ725への注目を遊技者に促す。キャラクタ725は、塊が破壊されることによって天井到達度を案内し、封入されたスペシャルチャンスの解放で天井到達を案内する。演出用保留アイコン726は、保留消化時にキャラクタ725に作用し天井到達度の更新があることを案内する。なお、演出用保留アイコン726は、複数種類が用意され、いずれが表示されるかによって天井到達度の更新の信頼度を示唆する。たとえば、演出用保留アイコン726の種類が「金槌」であるとき天井到達度を低信頼度で10%更新し、演出用保留アイコン726の種類が「伝説の剣」であるとき天井到達度を高信頼度で10%更新する。なお、演出用保留アイコン726の種類は、天井到達度の更新の信頼度の示唆に代えて、あるいは示唆に加えて、更新する値の大きさを示唆するものであってもよい。
【0523】
図74(2)に示す表示画面728は、表示画面724に続く表示画面の一例である。表示画面728は、キャラクタ725,729と天井情報730を表示内容に含む。表示画面728におけるキャラクタ725は、表示画面724におけるキャラクタ725の一部が欠けたような表示態様であり対応する天井到達度を案内する。キャラクタ729は、演出用保留アイコン726の保留消化に伴い出現するキャラクタであり、演出用保留アイコン726に対応する表示態様を有する。天井情報730は、天井到達度を案内する。なお、天井到達度は、正確に天井までの残りゲーム数を表示するものではないが、遊技者に対してモードCにおける天井到達の目安、あるいは次ゲームまでの天井到達の信頼度を案内する。表示画面728における天井情報730は、「10%破壊」を表示して、天井到達度が10%程度であること(たとえば、天井到達までまったく近くないこと)を案内する。
【0524】
天井情報730は、当り発生やC時短発生がない限りにおいて、
図74(3)に示すように、演出用保留アイコン726の保留消化ごとに天井到達度を最小10%刻みで更新表示する。
【0525】
図74(4)に示す表示画面732は、当り発生やC時短発生なくB時短発生に至った表示画面である。表示画面732は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」を表示してB時短発生を案内する。メッセージ「スペシャルチャンス突入」は、1種当りの発生と、時短の発生を区別することなく、あるいは区別容易にしない報知態様の一例である。なお、表示画面732は、モード案内表示691において「B時短」を表示して、B時短の発生を明確に案内するものであってもよい。「B時短」を表示するモード案内表示691は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」よりも小さなものであったり、目立たないものであったり、あるいは表示されないものであったりしてもよく、メッセージ「スペシャルチャンス突入」が演出するゲーム性への没入感を一層強調するものであってもよい。
【0526】
図75(1)に示す表示画面734は、表示画面728に続く表示画面の一例である。表示画面734は、キャラクタ725と天井情報730を表示内容に含む。表示画面734における天井情報730は、「30%破壊」を表示して、天井到達度が30%程度であること(たとえば、天井到達までそう近くないこと)を案内する。
【0527】
図75(2)に示す表示画面736は、表示画面734におけるゲームの次のゲームの表示画面の一例である。表示画面736は、キャラクタ725と、天井情報730と、キャラクタ737を表示内容に含む。キャラクタ737は、キャラクタ725を一撃で破壊する特別演出用のキャラクタであり、C時短発生時に出現する。
【0528】
図75(3)に示す表示画面738は、表示画面736と同じゲームの表示画面の一例である。表示画面738は、キャラクタ737がキャラクタ725を一撃で破壊するエフェクト表示を表示するとともに、天井情報730に「100%破壊」を表示して、天井到達したことを案内する。ただし、遊技機10の遊技制御は、天井到達によるB時短発生でなく、時短図柄導出によるC時短発生である。
【0529】
図75(4)に示す表示画面740は、C時短発生に至った表示画面である。表示画面740は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」を表示してC時短発生を案内する。メッセージ「スペシャルチャンス突入」は、C時短発生と、B時短発生を区別することなく、あるいは区別容易にしない報知態様の一例である。なお、表示画面740は、モード案内表示691において「C時短」を表示して、C時短発生を明確に案内するものであってもよい。「C時短」を表示するモード案内表示691は、メッセージ「スペシャルチャンス突入」よりも小さなものであったり、目立たないものであったり、あるいは表示されないものであったりしてもよく、メッセージ「スペシャルチャンス突入」が演出するゲーム性への没入感を一層強調するものであってもよい。なお、表示画面740は、小図柄群502において時短図柄組合せ「241」を表示してC時短発生を案内する。
【0530】
このようにして、遊技機10は、天井到達を待つモードCの演出を単調とならないものとすることができ、遊技者に対して多様な特典の発生に対する期待感を演出することができる。
【0531】
なお、第4の実施形態の遊技機10は、第1遊技状態において第2遊技状態への遷移時期の示唆を表示装置41に表示しておこなうとしたが、その他の演出装置(たとえば、スピーカ19a,19b、盤装飾装置46、枠装飾装置18、盤演出装置44、プッシュボタン25等)を用いて、音声、発光、可動物動作(振動や送風を含む)等により示唆をおこなうものであってもよいし、また2以上の演出装置の組合せ態様により示唆をおこなうものであってもよい。
【0532】
なお、第4の実施形態の遊技機10は、B時短の天井到達に関する情報を天井情報や天井付加情報として示唆、あるいは報知するとしたが、B時短の天井到達に関する情報の示唆や報知を遊技場係員による設定対象としてもよく、示唆や報知の有無や頻度、示唆や報知のタイミングや期間、示唆や報知の対象となる情報、示唆や報知の態様の一部またはすべてを設定対象とすることができる。たとえば、遊技機10は、電源投入後に情報開示をおこなうか否か、客待ちデモ画面で情報開示をおこなうか否か、遊技中に情報開示をおこなうか否か、規定ゲームごとに情報開示をおこなうか否か、抽選による情報開示をおこなうか否か、RTCにもとづく情報開示をおこなうか否か等を設定できる。また、遊技機10は、抽選による情報開示をおこなう場合に、抽選結果に対応した停止図柄表示や、変動パターンの実行、特定演出の実行をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、所定条件を満たした場合に必ず情報開示をおこなうようにしてもよいし、確率的に情報開示をおこなうようにして情報開示の意外性や希少性を演出可能にしてもよい。また、遊技機10は、情報開示を正しく報知するか、曖昧さを含む示唆に留めるかを設定可能にしてもよい。また、遊技機10は、情報開示の始期だけでなく終期(たとえば、1ゲーム限り、所定ゲーム継続、所定時間継続、所定条件成立まで継続等)、期間中の開示頻度を設定可能にしてもよい。
【0533】
なお、遊技機10は、B時短の天井到達に関する情報の示唆や報知を、所定状態における所定操作(たとえば、ガラス枠開放状態におけるプッシュボタン25等の所定操作)に限定することで、遊技者を排して設定操作対象を遊技場係員に限定できる。たとえば、遊技機10は、客待ち状態かつガラス枠開放状態において、プッシュボタン25の所定時間(たとえば、5秒)の押下操作を検出して設定変更モードに切り替える。なお、設定変更モードは、不正対策の観点からガラス枠開放エラーと並行して実行されるものであってもよいし、操作性向上の観点からガラス枠開放エラーをキャンセルして実行されるものであってもよい。設定変更モードは、客待ち画面に代わって設定変更画面を表示装置41に表示し、客待ち音声に代わって設定変更音声をスピーカ19a,19bから出力する。
【0534】
B時短の天井到達に関する情報開示の設定変更操作は、設定変更画面に表示されるメニューにしたがっておこなうことが可能であり、選択操作や決定操作、全画面への戻り操作、設定変更の終了操作等が可能である。選択操作は、設定変更項目を選択可能であり、必要に応じて詳細設定をおこなうことができる。たとえば、設定変更操作は、情報開示の設定変更を選択すると、情報開示のON/OFFを選択肢として提示し、ONを選択すると開示内容や開示時期、開示期間、開示頻度、開示態様を選択可能にする。決定操作は、選択内容の決定をおこなう操作である。設定変更モードは、決定操作後の決定内容報知期間経過後、あるいはガラス枠15の閉塞、決定操作なしの戻り操作、何も操作がないまま所定時間経過等により終了する。
【0535】
このような遊技機10は、遊技場のニーズを組んだ情報開示が可能であり、イベント等での集客効果を図ったり、初心者と熟練者の熟度の違いによる不公正の排除を図ったりすることを遊技場の事情に鑑みておこなうことができる。
【0536】
また、このような遊技機10は、遊技者の立場においても安心公正な遊技が可能であり、稼働向上に貢献し得る。また、遊技機10は、B時短という新しい遊技性に対する遊技場や遊技者の不安感を、遊技場の実情や客層に鑑みた情報開示により安定した運用を可能にする。
【0537】
なお、遊技機10は、設定変更操作を遊技場係員だけでなく遊技者に開放するものであってもよい。その場合、遊技機10は、遊技場の運用方針にしたがう範囲に設定対象を制限するものであってもよい。
【0538】
上述した第4の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、ゲーム性の多様化に対応しているとは言えず、初見の遊技者にとってゲーム性がわかりにくいものであった。第4の実施形態の遊技機10は、ゲーム性の多様化と理解容易性とを両立可能な遊技機を提供する。
【0539】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、所定の結果態様を導出可能なゲーム(たとえば、特
図1ゲーム、特
図2ゲーム)を実行可能な遊技機であって、ゲームに関する示唆(たとえば、天井到達時期)を実行可能な示唆手段(たとえば、表示装置41、スピーカ19a,19b、盤装飾装置46、枠装飾装置18、盤演出装置44、演出制御装置300)と、遊技者に不利な遊技状態である第1遊技状態(たとえば、遊技状態A)と遊技者に有利な遊技状態である第2遊技状態(たとえば、遊技状態B,E,F)とを含んで遊技制御可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、所定契機から所定ゲーム数の実行に対応して遊技状態を第1遊技状態から第2遊技状態に遷移する遷移制御を実行可能であり、第1遊技状態において第2遊技状態への遷移時期(たとえば、時短残回数の表示)の示唆を示唆手段に実行させる(
図60参照)。
【0540】
(2)(1)の制御手段は、ゲーム単位で示唆を実行可能な示唆可能状態と示唆を実行しない示唆無し状態とを切替可能である(
図64参照)。
(3)(2)の制御手段は、示唆無し状態における第1条件の成立により示唆可能状態に遷移し、示唆可能状態における第2条件の成立により示唆無し状態に遷移する(
図60から
図63参照)。
【0541】
(4)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、客待ち状態)から所定ゲーム数(たとえば、150ゲーム)の実行に対応して示唆無し状態から示唆可能状態に遷移する(
図61から
図63参照)。
【0542】
(5)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、客待ち状態)から所定演出(たとえば、プレミアム演出、リーチ演出等)の所定数(たとえば、1回、10回等)の実行に対応して示唆無し状態から示唆可能状態に遷移する(
図62(2)参照)。
【0543】
(6)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、ゲーム(変動表示ゲーム)の実行ごと、リーチ演出の発生ごと等)の抽選に対応して示唆無し状態から示唆可能状態に遷移する(
図62(3)参照)。
【0544】
(7)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、客待ち状態、1分間のゲーム不実行等)に対応して示唆可能状態から示唆無し状態に遷移する(
図61から
図63参照)。
(8)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、客待ち状態)から所定演出(たとえば、プレミアム演出、リーチ演出等)の所定数(たとえば、1回、10回等)の実行に対応して示唆可能状態から示唆無し状態に遷移する(
図62(3)参照)。
【0545】
(9)(3)の制御手段は、所定契機(たとえば、ゲーム(変動表示ゲーム)の実行ごと、リーチ演出の発生ごと等)の抽選に対応して示唆可能状態から示唆無し状態に遷移する(
図62(2)参照)。
【0546】
(10)(1)の制御手段は、所定条件に対応して示唆報知に加えて所定情報を含む付加報知を示唆手段に実行させる(
図65、
図66参照)。
(11)(1)の制御手段は、第1の確からしさで第2遊技状態への遷移を示唆する第1示唆演出モードと、第1の確からしさよりも低い第2の確からしさで第2遊技状態への遷移を示唆する第2示唆演出モードとでゲーム演出を実行可能であり、第1遊技状態から第2遊技状態への遷移前に所定ゲーム数に亘って第1示唆演出モードでゲーム演出を実行し、電源遮断時に第1示唆演出モードであったか否かに関わらず電源投入時の演出モードを第2示唆演出モードとでゲーム演出を実行する(
図60、
図68参照)。
(12)(11)の第2示唆演出モードは、異なる態様で第2遊技状態への遷移を示唆する2以上のサブ演出モードを含む(
図68、
図72から
図75参照)。
(13)(11)の第2示唆演出モードは、異なる確からしさで第2遊技状態への遷移を示唆する2以上のサブ演出モードを含む(
図68参照)。
【0547】
なお、第4の実施形態の遊技機10は、1種+2種と呼ばれるゲーム性を有するものとして説明したが、確率変動機能を有する1種のみのゲーム性を有する者にも適用可能である。
【0548】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0549】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0550】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0551】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0552】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
【0553】
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0554】
10 遊技機
30 遊技盤
41 表示装置
100 遊技制御装置
300 演出制御装置