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  • 特許-対ノック式反力アーム機構 図1
  • 特許-対ノック式反力アーム機構 図2
  • 特許-対ノック式反力アーム機構 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】対ノック式反力アーム機構
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/14 20060101AFI20221215BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B25B23/14 640M
B25B21/00 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021539089
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2020076070
(87)【国際公開番号】W WO2020207122
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】201910298303.9
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518110198
【氏名又は名称】広汽本田汽車有限公司
【氏名又は名称原語表記】GAC HONDA AUTOMOBILE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 1, Guangben Road, Huangpu, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李 何興
(72)【発明者】
【氏名】馮 驥龍
(72)【発明者】
【氏名】李 光智
(72)【発明者】
【氏名】王 昆玄
(72)【発明者】
【氏名】▲ディアォ▼ 一鳴
(72)【発明者】
【氏名】謝 輝
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203993693(CN,U)
【文献】特開2005-030552(JP,A)
【文献】特開平08-039415(JP,A)
【文献】特開平11-226826(JP,A)
【文献】特開平10-244471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/14
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対ノック式反力アーム機構であって、
クロスメンバと、
前記クロスメンバに取り付けられて前記クロスメンバの長手方向に沿って平行移動可能なモーメントアームレバーと、
前記クロスメンバの一端に固定的に接続されて電動工具を固定するための工具挟持装置と、を含み、
前記モーメントアームレバーと前記クロスメンバとの間には引っ張られた弾性部材が接続され、前記モーメントアームレバーの底端には、ナット又はボルトを嵌着するための固定スリーブが接続され、電動工具が工具挟持装置に挟持された時、前記固定スリーブは電動工具の動力出力端に正対
前記工具挟持装置に取り付けられた電動工具が前記モーメントアームレバーと交差して設置されるように、前記工具挟持装置は、前記モーメントアームレバーに対して所定の角度をなす、ことを特徴とする対ノック式反力アーム機構。
【請求項2】
前記工具挟持装置は、軸取付板及び挟持部材を含み、前記軸取付板の第1端は前記クロスメンバの一端に固定的に接続され、前記軸取付板の第2端は前記挟持部材に固定的に接続され、前記挟持部材は、電動工具の外周壁を挟持するためのスリーブ式である、ことを特徴とする請求項1に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項3】
前記軸取付板は、アングル状に形成され、連結板部と、前記連結板部の一端に接続され、前記連結板部に対して所定の角度をなす取付板部とを含み、前記挟持部材が前記取付板部の外端に垂直に取り付けられることにより、前記挟持部材に取り付けられた電動工具は、前記モーメントアームレバーと同じ角度をなす、ことを特徴とする請求項2に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項4】
前記クロスメンバの底端にはその長手方向に沿ってリニアガイドが取り付けられ、前記リニアガイドにはスライダがスライド可能に接続され、前記モーメントアームレバーの先端は、前記スライダに固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項5】
前記モーメントアームレバーの先端は、スライドベースを介して前記スライダに接続され、前記弾性部材の一端は前記スライドベースに接続され、他端は前記クロスメンバにおける前記工具挟持装置に近い一端に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項6】
前記モーメントアームレバーの先端には、前記モーメントアームレバーを前記工具挟持装置から離間させるための移動ハンドルが接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項7】
前記移動ハンドルと前記モーメントアームレバーとの間には、折り畳み構造が設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項8】
前記挟持部材と前記モーメントアームレバーとのなす角度の範囲は10°~60°である、ことを特徴とする請求項3に記載の対ノック式反力アーム機構。
【請求項9】
前記クロスメンバにはリフティングアイが設けられ、前記弾性部材はバネである、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の対ノック式反力アーム機構。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結装置の技術分野に関し、特に、対ノック式(opposite-knocking type)反力アーム機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルトは、ナットと組み合わせて部品間の締結接続に用いられる。作業者が組立・締結作業を行う時、まず、空気圧レンチを使用して仮締結を行い、その後、締結時にボルトとナットとの間が反力の存在により共回りすることを防止するように、レンチを組み合わせて用いることにより手動で締結する必要がある。この過程において、作業者は、レンチを使用して手動で締め作業を行うため、共回りせずに完全にロックすることを確保できず、よって、ワークを所定の位置までロックすることを確保するために、締結作業後に、トルク試験を行う必要がある。しかし、トルク試験中でも、同様に、共回りを防止する必要があり、かつ2人で協力して操作する必要があるため、時間が掛かり、作業効率が低く、コストが高くなる。そして、作業者は、空気圧レンチを使用するため、左右の手に加えられる振動力が大きいと共に、トルク作業を担当する作業者は、ワークのトルクを確保するために、ねじる回数が多くなり、トルクが大きい場合には、その作業負荷が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の背景技術における問題を解決するために、本発明は、締結作業を行う時に反力を直接相殺させることでき、対応するトルク工程を削減し、作業効率の向上に寄与するとともに、作業負荷を低減させることができる対ノック式反力アーム機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに基づき、本発明は、クロスメンバと、前記クロスメンバに取り付けられて前記クロスメンバの長手方向に沿って平行移動可能なモーメントアームレバーと、前記クロスメンバの一端に固定的に接続されて電動工具を固定するための工具挟持装置と、を含み、
前記モーメントアームレバーと前記クロスメンバとの間には引っ張られた弾性部材が接続され、前記モーメントアームレバーの底端には、ナット又はボルトを嵌着するための固定スリーブが接続され、電動工具が工具挟持装置に挟持された時、前記固定スリーブは電動工具の動力出力端に正対する、対ノック式反力アーム機構を提供する。
【0005】
好ましい態様としては、前記工具挟持装置に取り付けられた電動工具が前記モーメントアームレバーと交差して設置されるように、前記工具挟持装置は、前記モーメントアームレバーに対して所定の角度をなす。
【0006】
好ましい態様としては、前記工具挟持装置は、軸取付板及び挟持部材を含み、前記軸取付板の第1端は前記クロスメンバの一端に固定的に接続され、前記軸取付板の第2端は前記挟持部材に固定的に接続され、前記挟持部材は、電動工具の外周壁を挟持するためのスリーブ式である。
【0007】
好ましい態様としては、前記軸取付板は、アングル状に形成され、連結板部と、前記連結板部の一端に接続され、前記連結板部に対して所定の角度をなす取付板部とを含み、前記挟持部材が前記取付板部の外端に垂直に取り付けられることにより、前記挟持部材に取り付けられた電動工具は、前記モーメントアームレバーと同じ角度をなす。
【0008】
好ましい態様としては、前記クロスメンバの底端にはその長手方向に沿ってリニアガイドが取り付けられ、前記リニアガイドにはスライダがスライド可能に接続され、前記モーメントアームレバーの先端は前記スライダに固定的に接続される。
【0009】
好ましい態様としては、前記モーメントアームレバーの先端は、スライドベースを介して前記スライダに接続され、前記弾性部材の一端は前記スライドベースに接続され、他端は前記クロスメンバにおける前記工具挟持装置に近い一端に接続される。
【0010】
好ましい態様としては、前記モーメントアームレバーの先端には、前記モーメントアームレバーを前記工具挟持装置から離間させるための移動ハンドルが接続される。
【0011】
好ましい態様としては、前記移動ハンドルと前記モーメントアームレバーとの間には、折り畳み構造が設けられる。
【0012】
好ましい態様としては、前記挟持部材と前記モーメントアームレバーとのなす角度の範囲は10°~60°である。
【0013】
好ましい態様としては、前記クロスメンバにはリフティングアイが設けられ、前記弾性部材はバネである。
【0014】
従来技術と比べ、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の対ノック式反力アーム機構は、クロスメンバと、モーメントアームレバーと、工具挟持装置とを含み、モーメントアームレバーは、クロスメンバの長手方向に平行移動可能であり、モーメントアームレバーとクロスメンバとの間には引っ張られた状態にある弾性部材が接続されて設けられ、モーメントアームレバーの底端には固定スリーブが設けられることにより、ロックする必要があるナット又はボルトを嵌着し、かつ、工具挟持装置により電動工具を固定することで、固定スリーブが電動工具の動力出力端に正対するようになり、使用時、電動工具の動力出力端がボルト又はナットを嵌着するための締付スリーブに嵌着され、すなわち、締付スリーブが該固定スリーブに対向して設けられ、ボルト及びナットの締結工程に入る時、作業者は、弾性部材の弾性力に抵抗して、クロスメンバに沿って工具挟持装置から離れる方向にモーメントアームレバーを引くことにより、固定スリーブと締付スリーブとの間に螺着されるボルトとナットを収容可能な十分な空間を有することを確保するように、モーメントアームレバーを電動工具から一定の距離で離間させ、この後、電動工具の動力出力端及び固定スリーブを両端からそれぞれ対応するボルト/ナット(又はナット/ボルト)に嵌着し、嵌着が完了した後、モーメントアームレバーを放して、弾性部材の復帰力の作用で、電動工具の動力出力端及び固定スリーブは、ボルト/ナットに緩みなく圧着する。このような左右開きの締め付け方式は、便利で効率的であり、かつ弾性部材により確実に圧着し、締結時に緩みがないようにする。電動工具とモーメントアームレバーとの位置が相対的に固定されているため、モーメントアームレバーの一端は固定モーメントアームとして用いられ、工具挟持装置の一端は、電動工具に固定されて締結モーメントアームとして用いられ、そのため、作業者が後で電動工具を起動させ仮締結を開始する時又は締結作業が完了した後、ボルトとナットとの間に共回り傾向により発生する反力は、電動工具とモーメントアームレバーとからなる反力アーム機構によって直接相殺され、それにより、ボルトとナットとが共回りしないことを確保することができ、締結トルクが設定値の要求を満たすことができ、そして、対応するトルク工程を削減し、作業効率の向上に寄与するとともに、労働強度を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例による対ノック式反力アーム機構の構造を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例による対ノック式反力アーム機構の側面図である。
図3】本発明の実施例による対ノック式反力アーム機構の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態についてさらに詳細に説明する。明らかなように、説明する実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしないという前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0018】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」等の用語により指示された方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づき、本発明の説明上の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作されることを明示又は暗示するものではないので、本発明を限定するものと理解されるべきではない。「第1」、「第2」などの用語は、説明のために用いられ、同じタイプの技術的特徴を区別するためのものであり、相対的な重要性を明示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0019】
図1は、本発明の対ノック式反力アーム機構を模式的に示している。この対ノック式反力アーム機構は、クロスメンバ10と、モーメントアームレバー20と、工具挟持装置30とを含み、モーメントアームレバー20は、前記クロスメンバ10に取り付けられてクロスメンバ10の長手方向に沿って並進可能であり、工具挟持装置30は、前記クロスメンバ10の一端に固定的に接続され、電動工具100を固定するためのものである。さらに、モーメントアームレバー20とクロスメンバ10との間には、伸長状態にある弾性部材40が接続され、モーメントアームレバー20の底端には、ナット又はボルトを嵌着するための固定スリーブ21が接続される。使用時、電動工具100を工具挟持装置30に取り付け、かつ、電動工具100の動力出力端101は、締付スリーブ102に嵌着され、締付スリーブ102の外端は、ボルト又はナットを嵌着するために用いられ、この時、より重要なことは、固定スリーブ21が、電動工具の動力出力端101が嵌着された締付スリーブ102に正対することである。
【0020】
上記技術的特徴に基づく対ノック式反力アーム機構は、モーメントアームレバー20の底端に締め付けが必要なナット又はボルトを嵌着するための固定スリーブ21が設けられ、かつ工具挟持装置30で電動工具100を固定することにより、固定スリーブ21が電動工具100の動力出力端101に正対するようになり、すなわち、電動工具の動力出力端101が嵌着された締付スリーブ102は、該固定スリーブ21と対向して設けられ、締付スリーブ102の外端は、ボルト又はナットを嵌着するために用いられる。ボルト及びナットの締結工程に入る時、作業者は、弾性部材40の弾性力に抵抗して、クロスメンバ10に沿って工具挟持装置30から離れる方向にモーメントアームレバー20を引くことにより、固定スリーブ21と締付スリーブ102との間に、螺着されるボルトとナットを収容可能な空間が形成されることを確保するように、モーメントアームレバー20を電動工具100から一定の距離で離間させ、この後、電動工具の動力出力端101における締付スリーブ102と固定スリーブ21とを両端からそれぞれ対応するボルト/ナット(又はナット/ボルト)に嵌着し、嵌着が完了した後、モーメントアームレバー20を放して、弾性部材40の弾性力の作用で、締付スリーブ102及び固定スリーブ21は、ボルト/ナットに緩みなく圧着する。このような左右開きの締め付け方式は、便利で効率的であり、かつ弾性部材40で確実に圧着し、締結時に緩みがないようにする。電動工具100とモーメントアームレバー20との位置は、相対的に固定されるため、モーメントアームレバー20の一端は固定モーメントアームとして用いられ、工具挟持装置30の一端は、電動工具100に固定されて締結モーメントアームとして用いられる。そのため、作業者が電動工具100を起動させ仮締結を開始する時、又は締結作業が完了した後、ボルトとナットとの間に共回り傾向により発生する反力は、電動工具100とモーメントアームレバー20とからなる反力アーム機構によって直接相殺され、それにより、ボルトとナットとが共回りしないことを確保することができ、締結トルクが設定値の要求を満たすようにし、対応するトルク工程を削減し、作業効率の向上に寄与するとともに、作業負荷を低減させることができる。好ましくは、スリーブのトルク締結効果を向上させるために、固定スリーブ21及び締付スリーブ102の内部はいずれも十二角に設定される。
【0021】
対ノック式反力アーム機構の操作の利便性及び反力相殺の効果を向上させるために、上記工具挟持装置30は、上記モーメントアームレバー20に対して所定の角度をなすように設けられ、それにより、工具挟持装置30に取り付けられた電動工具100は、モーメントアームレバー20と交差して設置される。このように電動工具100がモーメントアームレバー20と交差して設置されることにより、操作の視野角を大きくするとともに、人間工学的に好適で、作業者がボルト又はナットに対して嵌入式の予備位置合せを行うことを容易にし、生産効率を向上させることができる。また、交差設置の形態は、レンチで締め付けて共回りを防止する形態を模して、反力相殺をより容易にすることができる。
【0022】
具体的には、図1及び図2に示すように、工具挟持装置30は、軸取付板31及び挟持部材32を含み、上記軸取付板31の第1端は、上記クロスメンバ10の一端に固定的に接続され、上記軸取付板31の第2端は、上記挟持部材32に固定的に接続される。本実施例では、上記挟持部材32はスリーブ式であり、使用時、電動工具100の外周壁を固定するように、電動工具100はスリーブ式の挟持部材32内に挿入される。
【0023】
上記構成に加えて、図2に示すように、上記軸取付板31は、アングル状に形成され、具体的には、連結板部311と、連結板部311の一端に接続され、連結板部311に対して所定の角度をなす取付板部312を含み、上記挟持部材32は、上記取付板部312の外端に垂直に取り付けられ、これにより、上記挟持部材32に取り付けられた電動工具100は、上記モーメントアームレバー20と同じ角度をなす。さらに、連結板部311と取付板部312とのなす角度、及び挟持部材32とモーメントアームレバー20とのなす角度の範囲は、10°~60°であり、好ましくは10°、20°、30°、40°、50°又は60°である。所定の角度を該範囲内に設定することにより、使用者による該反力アーム機構の操作がより便利になる。
【0024】
より具体的には、図1及び図3に示すように、上記クロスメンバ10の底端にはその長手方向に沿ってリニアガイド11が取り付けられ、上記リニアガイド11にはスライダ12がスライド可能に接続され、上記モーメントアームレバー20の先端は、上記スライダ12に固定的に接続され、リニアガイド11及びスライダ12の設置により、モーメントアームレバー20がクロスメンバ10の長手方向に沿って平行移動可能にすることが容易になり、使用時、作業者がモーメントアームレバー20を引くと、モーメントアームレバー20を電動工具100から離れた方向へ移動させることができ、ボルト/ナットに対する予備位置合わせを容易にする。
【0025】
より好ましくは、上記モーメントアームレバー20の先端には、上記モーメントアームレバー20を上記工具挟持装置30から離間させるための移動ハンドル23が接続され、使用時、作業者が移動ハンドル23を引くだけで、モーメントアームレバー20を電動工具100から離れた方向に移動させることができ、ボルト/ナット対する予備位置合わせが容易になり、作業者の使用をより容易にする。さらに、上記移動ハンドル23とモーメントアームレバー20との間には折り畳み構造が設けられ、図1及び図2に示すように、折り畳み構造は、具体的に移動ハンドル23とモーメントアームレバー20の先端との間に接続されるフランジ231であり、フランジ231の一端は、移動ハンドル23に固定的に接続され、他端は、モーメントアームレバー20の先端にヒンジ連結され、ボルトとナットとの位置合わせが完了した後に、締結工程に入る時、フランジ231により移動ハンドル23をクロスメンバ10の長手方向に合わせて折り畳み、それにより、操作のスベースを大きくする。
【0026】
好ましい実施形態として、図1及び図3に示すように、上記モーメントアームレバー20の先端は、スライドベース22を介して上記スライダ12に接続され、スライドベース22の設置により、弾性部材40の装着接続を容易にし、このように、弾性部材40の一端はスライドベース22に接続され、弾性部材40の他端は、クロスメンバ10における上記工具挟持装置30に近い一端に接続される。本実施例では、弾性部材40はバネであることが好ましく、無論、他の実施例では、弾性部材40は他の弾性材料で製造された部品であってもよく、ここでは説明を省略する。より具体的には、スライドベース22は、U字状の折曲板であり、折曲板はクロスメンバ10の上下両側に亘って接続され、折曲板の下端は、スライダ12とモーメントアームレバー20の先端との間に接続され、これにより、モーメントアームレバー20が折曲板を介して折曲板とともにスライダ12に固定的に接続され、折曲板の上端にはバネピン41が挿設され、バネの一端は、バネピン41に引っ掛けられて、バネピン41がバネの引張力によって回転することを防止するように、セルフロックナット221によりバネピン41を固定する。
【0027】
反力アーム機構の取り付けを容易にし、補助者が手で持つことを回避するために、一例として、クロスメンバ10にはリフティングアイ13が接続され、リフティングアイ13は、固定板14を介してクロスメンバ10の一端に取り付けられ、リフティングアイ13には、複数の吊り点孔131が形成され、吊り点孔131を利用して反力アーム機構を吊り上げることができ、使用時、作業者が該機構を手前に引くだけで操作でき、使用後に直接放せばよく、操作の利便性を大幅に向上させる。
【0028】
なお、本発明の説明において、明確に規定及び限定される場合を除き、「取付」、「繋ぐ」、「接続」は広義に解釈されるべきであり、例えば、固定的に接続されていてもよいし、着脱可能に接続されていてもよいし、又は一体的に接続されていてもよい。機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0029】
以上のように、本発明の対ノック式反力アーム機構は、ボルトとナットとの間に発生する反力を直接相殺することができ、共回りの発生を効果的に防止するとともに、締結トルクが設定値の要求を満たすようにすることで、後続の対応するトルク工程の部署を設ける必要なく、作業効率を向上させるとともに、労働強度を軽減することができ、高い利用及び普及価値を有する。
【0030】
本発明では、詳細に説明しない方法及び装置はいずれも従来技術であるため、説明を省略する。
【0031】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態であり、なお、本発明の技術分野における当業者であれば、本発明の技術的原理から逸脱しない限り、いくつかの改良及び置換を行うことは可能であり、これらの改良及び置換も、本発明の保護範囲内にあるとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0032】
10 クロスメンバ、11 リニアガイド、12 スライダ、13 リフティングアイ、131 吊り点孔、14 固定板、20 モーメントアームレバー、21 固定スリーブ、22 スライドベース、221 セルフロックナット、23 移動ハンドル、231 フランジ、30 工具挟持装置、31 軸取付板、311 連結板部、312 取付板部、32 挟持部材、40 弾性部材、41 バネピン、100 電動工具、101 動力出力端、102 締付スリーブ。
図1
図2
図3