(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】電気切替ユニットの摩耗を診断するための方法およびデバイスならびにそのようなデバイスを備える電気ユニット
(51)【国際特許分類】
G01R 31/327 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
G01R31/327
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017240750
(22)【出願日】2017-12-15
【審査請求日】2020-11-05
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】メール、ウジェーヌ、アラン、レミ
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼ、デフォルジュ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ、ジャン、モーリス、ロラール
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089603(JP,A)
【文献】国際公開第2005/111641(WO,A1)
【文献】特表2005-513729(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0139206(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/327-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するための方法であって、前記電気切替ユニットのモニタリングの段階(15)を備える方法において、
- 前記モニタリング段階が、
- 事前にロードされており、かつ前記電気切替ユニットを表す製品のタイプに対応する学習データ(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CRU)と、
- モニタリングされる前記ユニットに対応し、かつ初期化段階(14)に格納される初期化データ(CRP)とを使用すること、
および
- 前記モニタリング段階(15)が、
- 前記電気切替ユニットの開成時の測定曲線(CM)の測定(50)および獲得と、
- 前記測定曲線(CM)の値、保存された初期化データ(CRP)の値、およびロードされた第1の学習データ(CRU)の値の関数としての前記測定曲線(CM)のローカル記述子(DL1、DL2、DL3、DL4、DL5)の値の決定(30、31、51)と、
- 第2の学習データ(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)に対する前記測定曲線(CM)のローカル記述子(DL1、DL2、DL3、DL4、DL5)の値の位置付けの決定(52)と、
-
前記ローカル記述子(DL1、DL2、DL3、DL4、DL5)
の値の位置付け
の決定(52)によって決定された値および前記第2の学習データ(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)に対する前記測定曲線(CM)の関数としてのステータス・クラス全体の決定(32、53~55)と、を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ステータス・クラス全体の決定が、
- 前記ローカル記述子に最も近い位置付けの関数としての中間ステータス・クラス(CLI)の少なくとも3つの決定(52、54)と、
- 前記中間クラス(32)の関数としての前記クラス全体の選択(55)と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の診断方法。
【請求項3】
第1の記述子(D1、DL1)が、前記測定曲線(CM)の2つの注目点(21、22)の値の差(20)を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の診断方法。
【請求項4】
- 初期化データは、前記測定の安定化後の製品寿命の開始時に保存された、モニタリングされる製品に特有の少なくとも1つの参照曲線(CRP)を備え、
- 第2の記述子(D2、DL2)は、測定曲線(CM)と前記特有の参照曲線(CRP)との間の偏差を表し、前記測定曲線(CM)が前記特有の参照曲線(CRP)から離れているほど、前記ユニットが摩耗されていると見なされることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項5】
- ロードされた学習データが、摩耗ユニットの開成中の電気信号に対応する摩耗ユニットの少なくとも1つの参照曲線(CRU)を備え、
- 第3の記述子(D3、DL3)が、測定曲線(CM)と前記摩耗参照曲線(CRU)との間の偏差を表し、前記測定曲線(CM)が前記摩耗参照曲線(CRU)に近いほど、前記ユニットが摩耗していると見なされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項6】
第4の記述子(D4、DL4)が、前記測定曲線(CM)の2つの注目点(24、25)間の曲
線もしくは積分、または第1の変動方向における値および第2の逆の変動方向における値の2つのしきい値(26、27)に対応することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項7】
第5の記述子(D5、DL5)が、前記測定曲線(CM)上の信号の変動の兆候の変化等の注目点(22)の値の変動に対応することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項8】
ロードされた学習データが、前記電気切替ユニットの寿命の間の前記電気信号の予め規定された特性を表す記述子の傾向曲線(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)を表すことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項9】
記述子の前記傾向曲線(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)が、前記学習データのために必要とされるメモリ空間を減らすために、直線セグメントの定義フォーマットでロードされることを特徴とする、請求項8に記載の診断方法。
【請求項10】
事前ロードされる記述子の前記傾向曲線(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)の値が、モニタリングされるユニットのステータスまたは摩耗クラスと関連付けられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の診断方法。
【請求項11】
- 予め決められた回数の操作の間、
- 摩耗ユニットの開成中の電気信号に対応する前記摩耗ユニットの少なくとも1つの参照曲線(CRU)、および
- 前記電気切替ユニットの寿命の間の前記電気信号の予め規定された特性を表す記述子の少なくとも2つの傾向曲線(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5)を表す学習データを記録するための予備学習段階(11)と、
- 前記学習データ(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CRU)の格納(12)と、
- 前記学習データ(CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CRU)のローディング(13)と、
- 前記電気切替ユニット・モニタリング段階(15)における前記学習データの使用(52、53)と、を備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項12】
前記方法は、前記モニタリングされる製品の前記特有の参照曲線(CRP)を備える前記初期化データを決定するための初期化段階(14)を備え、前記モニタリングされる製品の前記特有の参照曲線(CRP)が、
- 予め決められた回数(Nstable)の測定(43)後、および/または
- 前記測定曲線(CM)が2つの連続する測定(CMn、CMn-1)の間にわずかしか変化しないときに、決定される、初期化段階(14)と、
- 前記特有の参照曲線の保存(44)と、
- 前記電気切替ユニット・モニタリング段階(15)における前記初期化データの使用(51)と、を備えることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項13】
電気切替ユニット(1)の接点(2)を作動させる電磁コイル(4)に接続された前記電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するためのデバイス(10)であって、前記診断デバイスが、請求項1乃至12に記載の診断方法を実行するための処理回路(10)を備えることを特徴とする、診断デバイス(10)。
【請求項14】
前記処理回路(10)が、前記ユニットから遠く離れた外部処理モジュール(9)に連結された前記ユニットに近接してローカル診断処理モジュール(7)を備えることを特徴とする、請求項13に記載の診断デバイス。
【請求項15】
電磁制御コイル(4)によって作動される電力電気接点(2)を備える電気切替ユニット(1)であって、前記接点(2)を作動させる前記電磁コイル(4)に接続された前記電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するため、および請求項1乃至12のいずれか一項に記載の診断方法を実行するためのデバイス(10)を備えることを特徴とする、電気切替ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するための方法であって、前記電気ユニットのモニタリングの段階を備える方法に関する。
【0002】
本発明はまた、本方法を実行する診断デバイスおよびユニットにも関する。
【背景技術】
【0003】
電気ユニットの状態を診断するための方法およびデバイスは、一般的には、1つまたは複数の電気特性を、値のパターンと比較することによってチェックする。これらの特性は、一般的には、電気信号の注目点の電圧、電流、または刻時点を含む。この種の診断方法は、特許出願EP2584575に開示される。
【0004】
他の方法は、2つのイベント間の時間またはイベントの継続時間を分析することによって、例えば接点等の電気ユニットの接点の摩耗を決定する。例えば、接点の開成または閉成の命令と前記開成または閉成の実際の瞬間との間の時間である。特許出願WO03054895は、制御コマンド後の一次電流の出現の瞬間の関数としての電気ユニットの接点の摩耗を検出する特定のやり方について説明する。
【0005】
既知の診断方法およびデバイスは、既存のユニットまたはすでに設置されたユニットに配備するのが容易ではないという満足の行く結果をもたらす。一般的に、電気ユニット内で介入が要求される。さらには、例えば接触器等の特定の電気ユニットのモニタリングについては、より詳細な情報および高レベルの確実性を有することが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】EP2584575
【文献】WO03054895
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、改善された確実性を有し、電気ユニット上での実行が容易であるという結果をもたらす、電気ユニットを診断するための方法およびデバイスである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、電気切替ユニットのモニタリングの段階を備える、前記電気ユニットの摩耗の状態を診断するための方法において、
- 前記モニタリング段階が、
- 事前にロードされており、かつ前記電気ユニットを表す製品のタイプに対応する学習データと、
- モニタリングされる前記ユニットに対応し、かつ初期化段階に格納される初期化データとを使用し、
および
- 前記モニタリング段階が、
- 前記電気ユニットの開成時の測定曲線の測定および獲得と、
- 前記測定曲線の値、保存された初期化データの値、およびロードされた第1の学習データの値の関数としての前記測定曲線のローカル記述子の値の決定と、
- 第2の学習データに対する測定曲線のローカル記述子の値の位置付けの決定と、
- ローカル記述子の前記値の位置付けの前記値および前記第2の学習データに対する測定曲線の関数としてのステータス・クラス全体の決定とを備える。
【0009】
好ましくは、本診断方法において、ステータス・クラス全体の決定は、
- 前記ローカル記述子に最も近い位置付けの関数としての中間ステータス・クラスの少なくとも3つの決定と、
- 前記中間クラスの関数としての前記クラス全体の選択とを備える。
【0010】
有利には、第1の記述子は、前記測定曲線の2つの注目点の間の値の差を表す。
【0011】
好ましくは、本診断方法において、
- 初期化データは、測定の安定化後の製品寿命の開始時に保存された、モニタリングされる製品に特有の少なくとも1つの参照曲線を備え、
- 第2の記述子は、測定曲線と前記特有の参照曲線との間の偏差を表し、前記測定曲線(CM)が前記特有の参照曲線(CRP)から離れているほど、前記ユニットが摩耗されていると見なされる。
【0012】
好ましくは、本診断方法において、
- ロードされた学習データは、摩耗ユニットの開成中の電気信号に対応する摩耗ユニットの少なくとも1つの参照曲線を備え、
- 第3の記述子は、測定曲線と前記摩耗参照曲線との間の偏差を表し、測定曲線が摩耗参照曲線に近いほど、ユニットが摩耗されていると見なされる。
【0013】
有利には、第4の記述子は、測定曲線の2つの注目点の間の曲面もしくは積分、または第1の変動方向における値および第2の逆の変動方向における値の2つのしきい値に対応する。
【0014】
有利には、第5の記述子は、例えば測定曲線上の信号の変動の兆候の変化等の注目点の値の変動に対応する。
【0015】
有利には、ロードされた学習データは、前記電気ユニットの寿命の間の前記電気信号の予め規定された特性を表す記述子の傾向曲線を表す。
【0016】
好ましくは、記述子の前記傾向曲線は、前記学習データのために必要とされるメモリ空間を減らすために、直線セグメントの定義フォーマット(straight line segment definition format)でロードされる。
【0017】
好ましい実施形態において、事前ロードされる記述子の前記傾向曲線の値は、モニタリングされるユニットのステータスまたは摩耗クラスと関連付けられる。
【0018】
特定の実施形態によると、本方法は、
- 予め決められた回数の操作の間、
- 摩耗ユニットの開成中の電気信号に対応する前記摩耗ユニットの少なくとも1つの参照曲線、および
- 前記電気ユニットの寿命の間の前記電気信号の予め規定された特性を表す記述子の少なくとも2つの傾向曲線を表す学習データを記録するための予備学習段階と、
- 前記学習データの格納と、
- 前記学習データのローディングと、
- 前記電気ユニット・モニタリング段階における学習データの使用とを備える。
【0019】
好ましくは、本方法は、モニタリングされる製品の前記特有の参照曲線を備える前記初期化データを決定するための初期化段階を備え、モニタリングされる製品の前記特有の参照曲線が、
- 予め決められた回数の測定後、および/または
- 測定曲線が2つの連続する測定の間にわずかしか変化しないときに、決定される、初期化段階と、
- 前記特有の参照曲線の保存と、
- 前記電気ユニット・モニタリング段階における初期化データの使用とを備える。
【0020】
本発明によると、電気切替ユニットの接点を作動させる電磁コイルに接続された前記電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するためのデバイスにおいて、診断デバイスは、上に規定される診断方法を実行するための処理回路を備える。
【0021】
特定の実施形態において、処理回路は、前記ユニットから遠く離れた外部処理モジュールに連結される前記ユニットに近接してローカル診断処理モジュールを備える。
【0022】
本発明によると、電磁制御コイルによって作動される電力電気接点を備える電気ユニットは、前記接点を作動させる前記電磁コイルに接続された電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するため、および上に規定される診断方法を実行するためのデバイスを備える。
【0023】
他の利点および特徴は、非限定的な例として提供され、添付の図面内に表される、本発明の特定の実施形態に関する以下の説明からより明白に分かる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に従う、モニタリング・デバイスを備える電気ユニットの全体図を表す図である。
【
図2】本発明の実施形態に従う方法の学習段階を表す図である。
【
図3】本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のローディングの段階を表す図である。
【
図4】本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法の初期化および処理の段階を表す図である。
【
図5】モニタリングされる電気ユニットの開成中の信号の測定曲線を表す図である。
【
図6】本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のための記述子のモデリングを表す図である。
【
図7】学習段階において生成され、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のために使用される記述子の傾向曲線を表す図である。
【
図8】学習段階において生成され、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のために使用される記述子の傾向曲線を表す図である。
【
図9】学習段階において生成され、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のために使用される記述子の傾向曲線を表す図である。
【
図10】学習段階において生成され、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のために使用される記述子の傾向曲線を表す図である。
【
図11】学習段階において生成され、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法のために使用される記述子の傾向曲線を表す図である。
【
図12】記述子および記述子の傾向曲線を使用した決定テーブルを示す図である。
【
図13】良好な状態または新品の状態にあるユニットの信号測定曲線および摩耗ユニットの信号測定曲線を表す図である。
【
図14】本発明の実施形態に従う方法の初期化の段階のステップを表す図である。
【
図15】本発明の実施形態に従う方法のモニタリング段階を表す図である。
【
図16】本発明の実施形態に従う方法のモニタリング段階のステップを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1では、接触器タイプの電気ユニット1は、負荷3に電力を供給するか、または負荷3への電力供給を停止するための1つまたは複数の電力電気接点2を備える。電気接点は、電磁コイル4によって制御される。コマンドまたは制御回路5は、電磁コイル4を制御して、接点2を閉成または開成する。回路5はまた、接点の閉成の瞬間の突入段階の間、ならびに減少したエネルギーおよび制御電流により閉成された接点を保持する段階の間、コイル内を流れる電流を制御する。
【0026】
ユニット1の摩耗を診断するためのデバイス10は、電気ユニットと関連付けられるか、あるいは電気ユニットの部分を形成する。このデバイス10は、例えば接点を制御するコイル4の電圧または電流等の電気量を表す信号を受信する。有利には、デバイス10は、接点の開成時にコイルによって生成される電圧信号を受信するために、コイルに並列接続される。コイル内を流れる電流信号も使用されることができる。しかしながら、優先的な実施形態において、電圧信号は、有利には、より安定しており、使用がより簡単である。したがって、デバイス10は、コイル4に接続されるアナログ・デジタル変換器6、信号を受信して電気ユニットの診断を進めるために変換器に接続される診断モジュール7、および電気ユニットの状態、特にその接点摩耗のレベルを信号伝達するためのデバイス8を備える。診断モジュール7はまた、別の、外部のまたは遠隔処理モジュール9と接続されることができ、それを用いてデータを処理することができる。この場合、診断デバイスは、2つ以上の部分に分かれている。外部にある部分は、いくつかのデバイスに共通であるか、または中央集中されることも可能である。処理モジュール9は、ユニットの状態の遠隔信号伝達を確実にすることができる。当然ながら、モジュールとデバイスとの間の通信は、有線または無線によって実施される。
【0027】
このようにして、例えば接触器等の電気ユニットの摩耗のモニタリングおよび診断は、好ましくは、前記接触器の開成時のコイルの電圧の分析によって行われる。この電圧は、接触器の可動部の移動速度を表す。この場合、接点の摩耗は、電気ユニットの可動部の移動速度の減少をもたらす。
【0028】
電気ユニットの摩耗の状態を診断することは、前記ユニットの寿命サイクルの間、著しい数の製品に対して実施される予備学習段階を備える。この学習段階は、学習データを獲得することを可能にし、学習データは、まずは格納され、モデル化され、保存され、次いでモニタリングされる各ユニットに対してその特有の摩耗のモニタリングのためにロードされる。
図2は、学習段階11および学習データの格納12を例示する。
【0029】
学習段階の間、測定曲線は、摩耗サイクルにおけるユニットの開成時に獲得される。測定曲線は、平均サイズの電気ユニットでは、数10ミリ秒、例えば30ms~50ms続く電気信号を表す。これらの継続時間は、ユニットのサイズおよびタイプによって大きく異なってもよい。信号は、一般的には、数百個のサンプル、例えば80~500個のサンプルでサンプリングされるが、異なる数も使用されることができ、それは、診断デバイスで使用されるプロセッサの計算能力に依存する。
【0030】
学習段階の間、電気ユニットは、ユニットの寿命をたどることを可能にする操作の量に供される。接触器の場合、操作回数は、例えば800,000回に達する可能性があるが、他の値も使用されることができる。データの量は大量になる場合もあるため、電気ユニットの特性の傾向は、記述子D1、D2、D3、D4、D5によって規定され、この記述子は、電気特性、および電気ユニットの寿命中の前記記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5と関連付けられる。診断されるユニットのデバイス内に、引き続いてロードされることになる学習データのサイズをさらに減少させるため、記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5は、タイプa+bxの直線セグメントを表すデータの形式で保存される。傾向曲線は、ユニットのライフスパンを規定するいくつかの連続的な直線セグメントを有することができる。記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5のセットは、製品の寿命にわたって、いくつかの次元において空間を形成する。記述子の、部分、曲線の一部、または値の一部は、電気ユニットの摩耗クラスと関連付けられる。ユニットの操作の数を考えると、測定曲線は、各開成時に必ずしも獲得されない。測定曲線の獲得は、操作の回数の範囲によって、またはより関連して、ユニットの傾向の関数として、定期的に間隔が空けられてもよい。例えば、操作の数は、寿命の終わりではより頻繁に、および寿命の始まりでは非常に間隔が空けられてもよい。
【0031】
学習段階はまた、摩耗参照曲線CRUを提供する。この摩耗参照曲線は、学習時に使用されるユニットの需要の終わりに、測定曲線から得られる。摩耗参照曲線CRUは、いくつかの測定曲線および/またはいくつかの摩耗ユニットにわたって平均化された曲線であってもよい。
【0032】
故に、学習段階の最後に、例えば記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5および摩耗参照曲線CRU等の学習データは、まずは格納され、モデル化され、保存され、次いで各ユニットに、それ自体の摩耗のモニタリングのためにロードされる。これらの学習データは、1つのかつ同じタイプのユニットと関連付けられるすべてのモニタリング・デバイスに共通である。
図3は、診断されるユニットに事前に格納された学習データのローディング13の段階を例示する。
【0033】
第1の好ましい実施形態において、本発明による診断方法は、
- 予め決められた回数の操作の間、
- 摩耗ユニット1の開成中の電気信号に対応する前記摩耗ユニットの少なくとも1つの参照曲線CRU、および
- 前記電気ユニットの寿命の間の前記電気信号の予め規定された特性を表す記述子の少なくとも2つの傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5
を表す学習データを記録するための予備学習段階11と、
- 学習データの格納と、
- 学習データのローディングと、
- 電気ユニット・モニタリング段階における学習データの使用とを備える。
【0034】
好ましい実施形態において、本発明による診断方法はまた、モニタリングされる製品の決定された特有の参照曲線CRPを備える初期化データを決定するための初期化段階14と、前記電気ユニット・モニタリング段階15における前記初期化データの使用とを備える。
【0035】
モニタリング段階では、モニタリングされる各ユニットに特有のローカル記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5は、測定曲線CMの獲得中に決定される。これらの記述子は、記述子のグローバル傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5を作成するために使用されたものと同じタイプのものである。5つの記述子D1、D2、D3、D4、D5を備える好ましい実施形態において、これらの記述子は、それぞれ、事前に作成され、保存され、ロードされた5つのグローバル傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、ならびに、それぞれ、電気ユニットの開成時に測定曲線から導出される各ユニットに特有の5つのローカル記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5を与える。
【0036】
図5は、電気ユニットの開成時の制御コイルの電気電圧信号を表す測定曲線CMを示す。そのような曲線は、電気ユニットのモニタリングの段階の間の測定曲線CM、および記述子の傾向曲線を作成するための学習段階の間の測定曲線の両方であってもよい。
【0037】
第1の記述子D1は、測定曲線CMの2つの注目点21と22との間の値の偏差または差20を表す。これらの点21および22は、有利には、信号の変動の方向の変化点、または前記測定信号のドリフトの兆候の変化である。第1の点21では、信号は、相対値において増大した後に減少し、第2の点22では、信号は、相対値において減少した後に増大していた。第1の点21と第2の点22との間の値の偏差は、製品寿命の間に減少される傾向がある。
図7は、この記述子D1の傾向を表す曲線CD1を例示する。
【0038】
第2の記述子D2は、測定される信号の測定曲線CMとモニタリングされる製品の初期または特有の参照曲線CRPとの間の偏差、変動、差、または相関を表す。例えば、ノルム値において、この記述子は、測定された曲線CMが特有または初期の参照曲線CRPに近い場合は”1”に近い値、および測定された曲線CMが、特有または初期の参照曲線CRPとは非常に異なるか、または離れている場合はゼロ”0”に近い値を有することができる。製品寿命の間、記述子D2の値は、1に近い値からゼロに近い値へと変化する。
図8は、この記述子D2の傾向を表す曲線CD2を例示する。その結果として、測定曲線CMが特有の参照曲線CRPから離れるほど、ユニットは摩耗されていると見なされることになる。
【0039】
第3の記述子D3は、測定される信号の測定曲線CMとモニタリングされる製品の摩耗参照曲線CRUとの間の偏差、変動、差、または相関を表す。摩耗参照曲線は事前にロードされている。例えば、ノルム値において、この記述子は、測定された曲線CMが摩耗参照曲線CRUとは非常に異なるか、または離れている場合はゼロ”0”に近い値、および測定値CMが摩耗参照曲線に近くなる場合は”1”に近い値を有することができる。製品寿命の間、記述子D3の値は、”0”に近い値から”1”に近い値へと変化する。
図9は、この記述子D3の傾向を表す曲線CD3を例示する。その結果として、測定曲線CMが摩耗参照曲線CRUに近いほど、ユニットは摩耗されていると見なされることになる。
【0040】
第4の記述子D4は、2つの注目点24と25との間の測定曲線CMの信号の積分23を表す。有利には、注目点は、それぞれ、信号の変動の方向の第1の変化後の第1のしきい値26、および信号の変動の方向の第2の変化後の第2のしきい値27であってもよい。製品寿命の間、記述子D4の値は、絶対値が減少する。説明される実施形態において、値は負であり、上昇曲線を示すゼロに近づく。
図10は、この記述子D3の傾向を表す曲線CD4を例示する。
【0041】
第5の記述子D5は、測定曲線CMの注目点22の値を表す。この点は、有利には、信号の変動の方向の変化点、または前記測定信号のドリフトの兆候の変化である。好ましくは、注目点は、信号が相対値において減少した後に増大している兆候の第2の変化の点22であってもよい。
図11は、この記述子D5の傾向を表す曲線CD5を例示する。この曲線は、
図6に示される学習曲線から導出される。この
図6では、学習段階の間、記述子D5の非常に多くの測定が実施され、曲線ND5によって示された。次いで、これらの多くの値は、モニタされるユニットにロードされる記述子CD5の傾向曲線を得るために、直線セグメントとしてモデル化された。
図11のこの曲線は、例えば、5つのセグメント28を備える。セグメントの数は無制限であるが、有利には、1~20の間にある。しかしながら、他の実施形態は、例えば、レベルによって、または多項式によって可能である。
【0042】
記述子のグローバル傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5の始まりに、記述子は、新品のユニットまたはバーンイン(burned in)されているユニットの特定のクラスCL1と関連付けられ、一方で、曲線の終わりには、記述子は、摩耗ユニットのクラスCL3と関連付けられる。クラスCL1とCL3との間は、記述子は、通常動作にあるユニットのクラスCL2と関連付けられる。
【0043】
少なくとも2つ以上の記述子D1、D2、D3、D4、D5の使用が、モニタリングされる電気ユニットの摩耗の状態をより正確または確実に検出することを可能にする。上記の記述子は、電気量に依存する。しかしながら、他の記述子も、電気量と、例えば温度またはユニットの水平位置もしくは垂直位置等の環境量とを組み合わせることによって使用されることができる。そのような量は、環境の関数として記述子を選択するために使用されることができる。記述子の曲線はまた、電気ユニットの特定のタイプの使用の関数として選択されることができる。製品のタイプまたは電気ユニットのタイプおよび前記ユニットの使用を規定することを可能にするパラメータ化データも、ローディング段階の間に対応する学習データと共にロードされる。
【0044】
図12は、記述子D1、D2、D3、D4、D5の値の例、およびそれらの比較、または本発明の実施形態に従う記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5に対する位置付け(positioning)を示す。箱30は、測定曲線CMの5つの記述子としてのフォーマッティングPt1={D1;D2;D3;D4;D5}を示す。箱31は、測定点または測定曲線に対応するこれらの記述子のノルム値Pt1{51;0.996;0.881;-70;-87}を与える。箱32は、最小グローバル偏差(33)からそれらをランク付けすることによって最も近い状況を示す。この場合、3つの摩耗クラス1、2つのクラス2、および1つのクラス3を有する6つの最も近い状況(34)が存在する。5つの最も近い状況に対して決定がなされる場合、結果は、過半数の摩耗クラス、即ち、クラス1となる。
【0045】
学習データが、例えば接触器等の電気ユニットの摩耗の診断を適用する準備の整ったデバイスにロードされるとき、初期化段階は、モニタリングされるユニットに特有の初期データを格納することを可能にする。これらの初期特性の中には、有利には、特有の参照曲線CRPの獲得がある。この参照曲線は、好ましくは、予め決められた回数の第1の開成に対応するユニットのバーンインの後、および/または測定曲線CMの変動が安定したときに格納される。
【0046】
図13は、曲線の2つの例を示す。特有の参照曲線CRPであってもよい第1の新品ユニット測定曲線CM、および事前にロードされた摩耗ユニット参照曲線CRUであってもよい摩耗ユニット測定曲線CM。ユニットの寿命の間の他の測定曲線CMは、これら2つの参照曲線CRPおよびCRUの間に位置することになる。
【0047】
図14は、モニタリング・デバイスが設置されるか、またはモニタリング・デバイスが関連付けられるモニタリングされる製品の前記特有の参照曲線CRPを備える前記初期化データを決定するための初期化段階14を表すフロー図を示す。ステップ40は、初期化段階の開始を示す。特有の参照曲線CRPの決定のプロセス41は、連続する測定曲線が獲得される処理ステップ42、および曲線の安定性のモニタリングのステップ43を備える。曲線CMは、予め決められた回数の測定Nstable後、および/または測定曲線CMが2つの連続する測定CMnとCMn-1との間にわずかしか変化しないときに、安定と認識される。
【0048】
ステップ44において、測定曲線CMは、特有の参照曲線CRPとして保存される。各々が開成した後に曲線間の偏差が小さくなる最低限の操作数の後、この曲線は、バーンイン後の製品寿命の開始時の電圧または電流の電気特性を表す。それは、製品寿命の終わりまで有効のままである。別の実施形態において、保存される曲線の安定性をさらに向上するため、特有の参照曲線CRPはまた、いくつかの安定曲線CMの平均であってもよい。
【0049】
この特有の参照曲線CRPは、特に、前記電気ユニットのモニタリングの段階15において少なくとも1つの記述子D2を決定するために使用される。
【0050】
図15は、前記電気ユニットを表す製品のタイプに対応する学習データが事前にロードされるローディング段階13、およびモニタリングされる前記ユニットに対応する初期化データが格納される初期化段階14の後、モニタリング段階15が電気ユニットの開成時にモニタリングを開始することを示す。
【0051】
この特定の実施形態において、ステップ45は、電気ユニットの開成を検出する。開成が検出されると、ステップ46は、ユニットのモニタリングを実施する。この検出は、デバイスの外部の信号によって、または測定信号もしくはその変動の分析によって実施されることができる。モニタリング段階は、好ましくは、電気ユニットの各開成時に開始される。しかしながら、それはまた、例えば、予め決められた回数の開成の後等、より広い間隔で開始されることができる。モニタリングはまた、ユニットのライフスパンに依存することができ、例えば、モニタリングは、より高い正確性のために、バーンイン後の寿命の始まりでは低い頻度で、寿命の終わりでは高い頻度であってもよい。
【0052】
図16は、本発明の実施形態に従って、モニタリング段階15のフロー図をモニタリングステップ46の詳細と共に示す。
【0053】
前記モニタリング段階は、
- ステップ50において、モニタリングされるユニットの開成時の測定曲線CMの測定および獲得と、
- ステップ51において、前記測定曲線CMの関数、保存された初期化データCRPの関数、および例えば摩耗参照曲線CRU等の第1の学習データの関数としての測定曲線CMのローカル記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5の値の決定と、
- ステップ52において、例えば記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5等のロードされた第2の学習データに対する測定曲線CMの記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5の値の位置付けの決定と、
- ステップ53~55において、ロードされた第2の学習データに対する測定曲線CMの記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5の値の位置付けの前記値の関数としてのステータス・クラス全体の決定とを備える。
【0054】
好ましくは、ステータス・クラス全体の決定は、
- ステップ53において、測定曲線CMのローカル記述子DL1、DL2、DL3、DL4、DL5の値と対応する記述子の傾向曲線CD1、CD2、CD3、CD4、CD5との間で最も近い点または偏差の決定と、
- ステップ54において、記述子の前記傾向曲線に対する記述子の最も近い位置付けの関数としての中間ステータス・クラスCLIの少なくとも3つの決定と、
- ステップ55において、前記中間クラスの結果の関数としての前記クラス全体の選択と、
- ステップ56において、ユニットの摩耗クラス全体の信号伝達または通信とを備える。
【0055】
ステップ53において、最も近い偏差の決定は、例えば、全記述子の値によって規定される点を用いて、好ましくはグローバルに行われることができる。しかしながら、それは、各記述子に対して個別に、または記述子の一部は一緒にまとめられて、また別の部分は個別に、混合もしくは準グローバルな方式で行われることができる。
【0056】
ステップ56において、電気ユニットの状態を信号伝達するデバイス8は、インジケータ・ランプまたは異なるチャネルを用いて、摩耗クラス全体を表示することができる。しかしながら、クラス値は、一緒にまとめられることができ、特に、バーンインされているユニットのクラスおよび通常動作クラスは、まとめられるか、単一の信号で一緒に信号伝達されることができる。
【0057】
上の説明は5つの記述子を指すが、他の記述子が、電気ユニットの行動を、その寿命すなわちライフスパンの間、特徴付けするために使用されることができる。記述子の数もまた異なってもよく、本方法およびデバイスは、1つの記述子から、本発明の実施形態を利用することを可能にする。しかしながら、多数の記述子は、より正確な摩耗クラスの識別の結果を有することを可能にする。
【0058】
本発明の実施形態に従って、電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するためのデバイスは、電気切替ユニットの接点を作動させる電磁コイルに接続される。それは、上記の診断方法を実行するための処理回路を備える。
【0059】
本発明に従って電磁制御コイルによって作動される電力電気接点を備える電気ユニットは、上記の診断方法を実行するために前記接点を作動させる前記電磁コイルに接続された電気切替ユニットの摩耗の状態を診断するためのデバイスを備える。
【0060】
本デバイスおよび方法は、モニタリングされるユニット上で永続的または一時的に実行されることができる。それらはまた、すでに設置されている電気ユニット上で実行されることができる。さらには、本方法のいくつかのステップは、ユニットの近くでローカルで実施されることができ、他のステップは、遠隔または中央集中方式で実施されることができる。例えば、曲線CMの獲得は、ローカルであってもよく、残りの処理は、より高度な計算のために遠隔で実施されることができる。この場合、処理動作は、
図1に表されるように、ローカル・モジュール7と遠隔モジュール9との間で共有されることができる。
【0061】
負荷または使用のカテゴリのいくつかのタイプは、学習およびモニタリング段階において識別される。負荷のタイプの処理は、異なる状況を考慮するように、学習段階の間に、好ましくはグローバルに行われる。例えば、いくつかのユニットが、異なるタイプの負荷のためにライフスパンにわたって使用されることになる。記述子の傾向曲線は、異なる負荷または使用の条件を有したユニットでの曲線を表すことになる。
【0062】
例えば電気接触器等の電気ユニットの使用のカテゴリは、特に、
- 負荷のタイプ:無誘導、誘導、リング・モータ、ケース・モータ、
- 制御のタイプ:電源投入、遮断、始動、制動、断続的な運転、
- 用途のタイプ:分配、加熱、圧縮器、換気装置、昇降機、ポンプ、様々な機械、および/または
- いくつかの基準の組み合わせ、に依存する。
【0063】
負荷のタイプ、または特定の使用を識別すること、およびそれに応じた方法を特徴付けることも可能である。例えば、容量性負荷または他の負荷に対する。
【0064】
使用の各カテゴリの摩耗クラスは、記述子によって規定される。それらは、製品の状態を特徴付け、製品のライフスパンの指標を有することを可能にする。
【0065】
主なクラスの非限定的なリストは、
- クラス1:新品の製品またはバーンインされている製品
- クラス2:使用中の製品
- クラス3:摩耗した製品
- クラス4:寿命の最後にある製品
であってもよい。
【0066】
上記の優先的な実施形態において、接点の摩耗の分析は、有利には、接触器のコイルの電圧の測定から行われる。しかしながら、他の信号、特に、コイル内を流れる電流を表す信号が使用されることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 電気ユニット
2 電力電気接点
3 負荷
4 電磁コイル
5 制御回路
6 アナログ・デジタル変換器
7 診断モジュール
8 デバイス
9 外部または遠隔処理モジュール
10 デバイス
11 学習段階
12 格納
13 ローディング
14 初期化段階
15 電気ユニット・モニタリング段階
20 偏差または差
21~22、24~25 注目点
26 第1のしきい値
27 第2のしきい値
28 セグメント