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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】除雪システム
(51)【国際特許分類】
   E01H 8/10 20060101AFI20221215BHJP
   E01B 19/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
E01H8/10
E01B19/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018060560
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019173325
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木上 昭吾
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0251579(US,A1)
【文献】国際公開第2015/049879(WO,A1)
【文献】特公昭49-020404(JP,B1)
【文献】特開平04-363403(JP,A)
【文献】特開平04-189901(JP,A)
【文献】特開平03-183806(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0016821(KR,A)
【文献】実開昭56-125402(JP,U)
【文献】特開平11-286904(JP,A)
【文献】中国実用新案第206219909(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 8/10
E01B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道分岐部に設置される除雪システムであって、
制御装置と、前記軌道分岐部の雪を除去するために流体を噴射する噴射装置と、前記軌道分岐部のレールを加熱する加熱装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記レールの温度に基づいて、前記噴射装置から噴射する流体の噴射圧、噴射回数及び噴射時間のうちの少なくとも一つを制御し、かつ、前記噴射装置の稼働状態に応じて、前記加熱装置の稼働状態を決定す
除雪システム。
【請求項2】
前記除雪システムは、前記軌道分岐部に存在する雪の有無を検出する検出部を備え、
前記制御装置は、前記検出部によって前記雪の存在が検出されるときに、前記噴射装置及び前記加熱装置を稼働させる
請求項1に記載の除雪システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記噴射装置に設けられて前記噴射装置を制御し、
前記制御装置は、前記加熱装置をさらに制御する
請求項1又は2に記載の除雪システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記加熱装置に設けられて前記加熱装置を制御し、
前記制御装置は、前記噴射装置をさらに制御する
請求項1又は2に記載の除雪システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪システムに関する。
【背景技術】
【0002】
降雪のある地域では、軌道に設置された軌道分岐部の基本レールと基本レールの隣りに位置し基本レールに対して接離可能なトングレールとの間に落下した雪等の異物を空気噴射によって除去する噴射装置が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
噴射装置は、トングレールの先端方向に開口を有するノズルを設け、圧縮機によって圧縮された空気をノズルから噴射することで、基本レールとトングレールとの間の雪を吹き飛ばして除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-240605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、噴射装置が設置された軌道分岐部には、加熱装置も設置されていることがある。このような軌道分岐部では、噴射装置と加熱装置とがそれぞれ別々に稼動している。そこで、噴射装置と加熱装置とを備える除雪システムにおいて、除雪システムを効果的に稼動させることが求められている。なお、噴射装置の制御装置を噴射制御装置とし、加熱装置の制御装置を加熱制御装置とする。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射装置及び加熱装置を効果的に稼動させることのできる除雪システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する除雪システムの制御装置は、軌道分岐部に存在する雪を流体の噴射によって除去する噴射装置と、前記軌道分岐部のレールを加熱する加熱装置と、を備える除雪システムの制御装置であって、前記噴射装置又は前記加熱装置の一方の制御に応じて、他方を制御する。
【0008】
上記構成によれば、噴射装置の制御と加熱装置の制御とを組み合わせて行うことで、噴射装置と加熱装置とが別々に稼動されることで発生する無駄を減らして噴射装置及び加熱装置を効果的に稼動させることができる。
【0009】
上記除雪システムの制御装置について、前記除雪システムは、前記軌道分岐部に存在する雪の有無を検出する検出部を備え、前記検出部によって前記雪の存在が検出されるときに、前記噴射装置及び前記加熱装置を稼働させることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、雪が存在するときには噴射装置及び加熱装置を稼働させることで迅速に雪を除去することができる。
上記除雪システムの制御装置について、前記レールの温度に基づいて前記噴射装置と前記加熱装置とを制御することが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、加熱装置のみを軌道分岐部のレールの温度に基づいて制御する場合と比較すると、噴射装置もレールの温度に基づいて制御するため、加熱装置の無駄な稼動を低減することができる。
【0012】
上記除雪システムの制御装置について、前記加熱装置によって加熱された前記レールの温度に基づいて、前記噴射装置から噴射する流体の噴射圧、噴射回数、噴射時間の少なくとも一つを制御することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、流体の噴射圧、噴射回数、噴射時間の少なくとも一つを制御することで、加熱されたレールの温度に基づいて流体を噴射することができる。
上記課題を解決する噴射制御装置は、軌道分岐部に存在する雪を流体の噴射によって除去する噴射装置を制御する噴射制御装置であって、前記軌道分岐部のレールを加熱する加熱装置を制御する。
【0014】
上記構成によれば、噴射装置の制御と加熱装置の制御とを組み合わせて行うことで、噴射装置と加熱装置とが別々に稼動されることで発生する無駄を減らして噴射装置と加熱装置とを効果的に稼動させることができる。
【0015】
上記課題を解決する加熱制御装置は、軌道分岐部のレールを加熱する加熱装置を制御する加熱制御装置であって、前記軌道分岐部に存在する雪を流体の噴射によって除去する噴射装置を制御する。
【0016】
上記構成によれば、噴射装置の制御と加熱装置の制御とを組み合わせて行うことで、噴射装置と加熱装置とが別々に稼動されることで発生する無駄を減らして噴射装置と加熱装置とを効果的に稼動させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、噴射装置及び加熱装置を効果的に稼動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】除雪システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図。
図2】同実施形態の除雪システムが設置される軌道分岐部の概略構成を示す図。
図3】同実施形態の除雪システムの噴射装置の運転モードを示す図。
図4】同実施形態の除雪システムによる除雪処理を示すフローチャート。
図5】同実施形態の除雪システムによる不転換処理を示す図。
図6】除雪システムの第2の実施形態による除雪処理を示すフローチャート。
図7】除雪システムの変形例の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、図1図5を参照して、除雪システムの制御装置の第1の実施形態について説明する。
【0020】
図1に示すように、軌道分岐部には、降雪のある地域では、除雪システム1が設置されている。除雪システム1は、軌道分岐部に存在する雪を流体の噴射によって除去する噴射装置2と、軌道分岐部のレールを加熱する加熱装置3とを備えている。ここで、雪には、雪そのものに加え、雪が解けて固まった氷を含む。
【0021】
図2に示すように、軌道分岐部10は、軌道を分岐させるとともに、軌道を転換する部分である。軌道分岐部10は、枕木11に固定されている一対の基本レール12と、基本レール12に対して移動する一対のトングレール13と、トングレール13を移動させる転てつ器14とを備えている。軌道分岐部10は、トングレール13が転てつ器14によって移動されることで軌道を転換する。転てつ器14は、モータによってトングレール13を移動させる電気式である。軌道分岐部10では、軌道分岐部10を列車が通過するときに、基本レール12とトングレール13との乗り移りに伴う振動で列車の床下の雪が落下する。この列車の床下に付着していた雪は固い雪も含む。そして、軌道分岐部10において、基本レール12とトングレール13との間に雪等の異物が存在することで軌道を転換することができないことを不転換という。
【0022】
噴射装置2は、圧縮空気式であって、流体として圧縮空気を噴射することで軌道分岐部10の基本レール12とトングレール13との間に存在する雪を吹き飛ばす装置である。噴射装置2は、基本レール12の側面に設置される配管21と、この配管21の先端にそれぞれ設置されるエアノズル22とを備えている。エアノズル22の開口部は、基本レール12とトングレール13とが密着した状態で基本レール12とトングレール13との間に位置する。エアノズル22の開口部は、トングレール13の先端方向に指向し、雪をトングレール13の先端方向に吹き飛ばす。基本レール12には、配管21とエアノズル22とのセットが複数設置されている。
【0023】
加熱装置3は、電熱式であるヒータ31を備えている。ヒータ31は、基本レール12の側面に設置され、基本レール12を加熱することで雪を解かす。なお、基本レール12に限らず、トングレール13を温めてもよい。また、ヒータパネル等を枕木11間に設置して基本レール12やトングレール13を温めてもよい。ヒータ31は、電熱式に限らず、ガス式であってもよい。
【0024】
図1に示すように、噴射装置2は、一対の基本レール12のうち定位側基本レール12Aの側面に第1配管21Aが設置され、反位側基本レール12Bの側面に第2配管21Bが設置されている。第1配管21Aの先端には、第1エアノズル22Aが設置されている。第1配管21Aには、空気の噴射を制御する第1電磁弁24Aが設置されている。第2配管21Bの先端には、第2エアノズル22Bが設置されている。第2配管21Bには、空気の噴射を制御する第2電磁弁24Bが設置されている。第1電磁弁24A及び第2電磁弁24Bには、圧縮空気が溜められた空気タンク25が接続されている。空気タンク25に接続される配管は、分岐して第1電磁弁24Aと第2電磁弁24Bに接続されている。空気タンク25には、空気タンク25の圧力を検出する圧力センサ27が設置されている。コンプレッサ26は、空気タンク25の圧力が閾値以下となると、稼動して圧縮空気を空気タンク25に供給する。すなわち、コンプレッサ26から供給された圧縮空気が空気タンク25に溜められて、空気タンク25に接続された第1電磁弁24A及び第2電磁弁24Bのオンオフ切替によって第1エアノズル22A及び第2エアノズル22Bから空気が噴射される。
【0025】
加熱装置3は、一対の基本レール12のうち定位側基本レール12Aの側面に延出方向に沿って第1ヒータ31Aが設置され、反位側基本レール12Bの側面に延出方向に沿って第2ヒータ31Bが設置されている。加熱装置3は、定位側基本レール12Aの温度を検出する第1温度センサ32Aが定位側基本レール12Aに設置され、反位側基本レール12Bの温度を検出する第2温度センサ32Bが反位側基本レール12Bに設置されている。第1温度センサ32A及び第2温度センサ32Bは、検出した温度情報を含む温度信号を出力する。なお、第1温度センサ32A及び第2温度センサ32Bを加熱装置3の構成としたが、噴射装置2の構成としてもよく、除雪システム1の構成であればよい。
【0026】
除雪システム1は、噴射装置2及び加熱装置3の両方を制御する除雪制御装置4を備えている。なお、加熱装置3は、制御装置を備えておらず、除雪制御装置4によって制御される。除雪制御装置4は、噴射装置2の第1電磁弁24A及び第2電磁弁24Bに対してオンオフ制御を行うことで空気の噴射を制御する。また、除雪制御装置4は、加熱装置3の第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bのオンオフ制御を行うことで加熱を制御する。
【0027】
除雪制御装置4は、シーケンス制御装置であるプログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)を備え、ラダープログラムと呼ばれる専用プログラムに従って動作する。PLCは、CPU(Central Processing Unit)及び記憶部を備えている。除雪制御装置4には、圧力センサ27、第1温度センサ32A、第2温度センサ32B、ポイント位置センサ41、列車検知センサ42、降雪検知センサ43等の入力機器が接続されている。また、除雪制御装置4には、第1電磁弁24A、第2電磁弁24B、コンプレッサ26、第1ヒータ31A、第2ヒータ31B等の出力機器が接続されている。除雪制御装置4は、ラダープログラムによってこれら被制御機器を制御する。
【0028】
ポイント位置センサ41は、基本レール12の定位と反位との間におけるトングレール13の位置を転てつ器14のモータの電流値に基づいて検出して、位置情報を含む位置信号を出力する。除雪制御装置4は、ポイント位置センサ41から入力された位置信号に基づいて転換したか否かを判定する。例えば、ポイント位置センサ41は、基本レール12とトングレール13との間に雪が存在してトングレール13が移動できないと、移動できていない位置情報を含む位置信号を出力する。軌道分岐部10は、不転換が発生すると、転換を再度行うリトライや、不転換の情報を運転指令所等に送信する。
【0029】
列車検知センサ42は、例えば超音波センサを備え、列車が通過すると列車通過検知信号を出力する。
降雪検知センサ43は、検知部に付着する雪の水分を検知すると、降雪信号を出力する。なお、水分量に応じて降雪量を含めて降雪信号を出力してもよい。また、降雪検知センサ43は、水分検知方式に限らず、雪が反射した赤外線を検知することで降雪を検知する赤外線方式であってもよい。
【0030】
図3に示すように、除雪制御装置4は、噴射装置2によって「事後噴射」と「予防噴射」と「間欠噴射」とを行う。事後噴射は、軌道分岐部10が不転換となったときに、存在する雪を除去する目的で空気を噴射することである。なお、軌道分岐部10が不転換時にリトライ動作を行うときには、リトライ動作する度に空気を噴射するリトライ噴射を行う。予防噴射は、軌道分岐部10を列車が通過したときに雪が落下するおそれがあるため、不転換を予防する目的で列車が通過する毎に空気を噴射することである。間欠噴射は、降雪時に積雪を回避する目的で空気を一定間隔で噴射することである。
【0031】
除雪制御装置4は、レール温度及び降雪情報に応じて、上記の「事後噴射」と「予防噴射」と「間欠噴射」とを組み合わせた噴射パターンからなる運転モードを設定する。レベル1の運転モードでは、除雪制御装置4は、空気の噴射頻度が少なくなるように、事後噴射のみ行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が比較的高く、降雪がないときに、レベル1の運転モードに設定する。レベル2の運転モードでは、除雪制御装置4は、空気の噴射頻度が中ほどになるように、事後噴射及び予防噴射を行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が比較的低い又は降雪があるときに、レベル2の運転モードに設定する。レベル3の運転モードでは、除雪制御装置4は、空気の噴射頻度が多くなるように、事後噴射、予防噴射、及び間欠噴射を行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が比較的低く、降雪があるときに、レベル3の運転モードに設定する。なお、各レベルの運転モードは、設置環境や列車等に応じて任意に変更可能である。
【0032】
図2に示すように、除雪制御装置4は、第1エアノズル22Aと第2エアノズル22Bとの両方から同時に噴射せず、第1エアノズル22Aと第2エアノズル22Bとの一方から噴射させる。除雪制御装置4は、基本レール12からトングレール13が離れている側の配管21に圧縮空気を供給するように、第1電磁弁24A又は第2電磁弁24Bをオン制御して開放させる。このように片側噴射とすることで必要となる空気圧又は空気量を抑制することができる。なお、第1エアノズル22Aと第2エアノズル22Bとの両方からの同時噴射が必要であれば、空気タンク25の空気圧を必要圧力とすればよい、又は空気量を必要量とすればよい。除雪制御装置4は、圧力センサ27から空気タンク25の圧力値を取得して、圧力値が閾値以下となると、コンプレッサ26を稼動させて圧縮空気を空気タンク25に供給させる。
【0033】
図1に示すように、除雪制御装置4は、噴射装置2と加熱装置3との一方の制御に応じて、噴射装置2と加熱装置3との他方を制御する。第1の実施形態では、除雪制御装置4は、噴射装置2の稼働状態に応じて、加熱装置3の稼働状態を決定する。すなわち、除雪制御装置4は、噴射装置2の運転モードを設定した上で、加熱装置3のヒータ31の稼働を設定する。また、除雪制御装置4は、軌道分岐部10の基本レール12の温度に基づいて噴射装置2と加熱装置3とを制御する。すなわち、基本レール12の温度が例えば5℃以上と比較的高ければ、降雪があったとしても雪はすぐに解けてしまう一方で、基本レール12の温度が例えば5℃未満と比較的低ければ、降雪があると雪は解けずに積もる可能性がある。そのため、除雪制御装置4が基本レール12の温度に基づいて噴射装置2と加熱装置3とを制御すれば、軌道分岐部10の不転換を抑制しつつ、噴射装置2と加熱装置3とを効果的に稼動させることができる。
【0034】
除雪システム1の構成のうち、第1電磁弁24A、第2電磁弁24B、空気タンク25、コンプレッサ26、圧力センサ27、及び除雪制御装置4を含む構成を、空気源ユニット23とする。空気源ユニット23は、軌道分岐部10に設置される機器を接続することで除雪システム1として機能させることができるユニットである。軌道分岐部10に設置される機器は、第1配管21A、第1エアノズル22A、第2配管21B、第2エアノズル22B、第1ヒータ31A、第2ヒータ31B、第1温度センサ32A、第2温度センサ32B、ポイント位置センサ41、列車検知センサ42、降雪検知センサ43等である。加熱装置3の構成である第1ヒータ31A、第2ヒータ31B、第1温度センサ32A、第2温度センサ32Bを、空気源ユニット23に接続することで、噴射装置2の機能に加えて、加熱装置3の機能を有することができる。そして、空気源ユニット23の除雪制御装置4が噴射装置2及び加熱装置3を制御することができる。
【0035】
次に、図4及び図5を参照して、上記のように構成された除雪システム1の作用について説明する。
図4に示すように、除雪制御装置4は、以下の除雪処理を行う。
【0036】
まず、除雪制御装置4は、レール温度及び降雪情報を取得する(ステップS11)。すなわち、除雪制御装置4は、第1温度センサ32Aから出力された温度信号によって定位側基本レール12Aの温度を取得し、第2温度センサ32Bから出力された温度信号によって反位側基本レール12Bの温度を取得する。また、除雪制御装置4は、降雪検知センサ43から出力された降雪信号によって降雪情報を取得する。
【0037】
続いて、除雪制御装置4は、噴射の運転モードを設定する(ステップS12)。すなわち、除雪制御装置4は、取得した基本レール12の温度及び降雪情報に基づいて噴射装置2の運転モードを設定する。具体的には、除雪制御装置4は、基本レール12の温度が例えば5℃以上且つ降雪がないときにレベル1の運転モードに設定する。レベル1の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射のみを行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が5℃未満又は降雪があるときにレベル2の運転モードに設定する。レベル2の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射及び予防噴射を行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が5℃未満且つ降雪があるときにレベル3の運転モードに設定する。レベル3の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射、予防噴射、及び間欠噴射を行う。
【0038】
続いて、除雪制御装置4は、ヒータの稼働を設定する(ステップS13)。すなわち、除雪制御装置4は、噴射装置2の稼動状態を加味して、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bの稼働を設定し、従来よりも低い温度でヒータ31を稼働させることができる。例えば、従来の噴射装置と加熱装置とが別々に稼動していたときには、加熱装置のヒータは5℃未満でオン制御し、15℃以上でオフ制御していた。しかしながら、本実施形態では、除雪システム1の加熱装置3の第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bは、3℃未満でオン制御し、10℃以上でオフ制御するように設定することができる。これは、加熱装置3が基本レール12を温めて剥がれ易くなった雪を噴射装置2の空気によって吹き飛ばすため、雪を全て溶かす必要がないからである。
【0039】
図5に示すように、除雪制御装置4は、除雪処理において不転換時に以下の不転換処理を行う。なお、除雪制御装置4は、不転換時には、転てつ器14によって転換動作が行われる度に噴射装置2に事後噴射を行わせる。
【0040】
まず、除雪制御装置4は、ヒータが作動しているか否かを判定する(ステップS21)。すなわち、除雪制御装置4は、不転換の原因が雪の存在であれば、基本レール12を加熱することで不転換を解消することができる可能性があるため、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bがオン制御であるか否かを確認する。そして、除雪制御装置4は、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bがオフ制御であると判定した場合には(ステップS21:NO)、ヒータを作動させる(ステップS24)。すなわち、除雪制御装置4は、噴射装置2の運転モードに関係なく、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bを強制的にオン制御して、基本レール12を加熱する。
【0041】
一方、除雪制御装置4は、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bがオン制御であると判定した場合には(ステップS21:YES)、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bのオン制御を継続させる(ステップS22)。
【0042】
続いて、除雪制御装置4は、軌道分岐部10が不転換であるか否かを判定する(ステップS23)。すなわち、除雪制御装置4は、不転換が解消されたか否かを確認する。そして、除雪制御装置4は、軌道分岐部10が不転換でないと判定した場合には(ステップS23:NO)、不転換が解消されているので、不転換処理を終了する。
【0043】
一方、除雪制御装置4は、軌道分岐部10が不転換であると判定した場合には(ステップS23:YES)、不転換が解消されていないので、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。すなわち、除雪制御装置4は、基本レール12が温まるまで時間が必要なので、不転換処理を開始してから所定時間を経過するのを待つ。そして、除雪制御装置4は、所定時間が経過していないと判定した場合には(ステップS24:NO)、所定時間が経過するのを待つために、ステップS23に移行する。
【0044】
一方、すなわち、除雪制御装置4は、所定時間が経過したと判定した場合には(ステップS24:YES)、基本レール12を所定時間温めても不転換を解消することができないため、不転換処理を終了する。除雪制御装置4は、不転換が解消することができないことを運転指令所等に送信する。
【0045】
上記のように、除雪システム1は、加熱装置3が基本レール12を加熱して剥がれ易くなった雪を噴射装置2の空気によって吹き飛ばす。このため、除雪システム1の噴射装置2及び加熱装置3の消費エネルギー(消費電力等)を低減することができ、除雪システム1を効果的に稼働させることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)除雪システム1の除雪制御装置4が噴射装置2の制御と加熱装置3の制御とを組み合わせて行うことで、噴射装置と加熱装置とが別々に稼動されることで発生する無駄を減らして噴射装置2及び加熱装置3を効果的に稼動させることができる。
【0047】
(2)加熱装置3のみを軌道分岐部10の基本レール12の温度に基づいて制御する場合と比較すると、噴射装置2も基本レール12の温度に基づいて制御するため、加熱装置3の無駄な稼動を低減することができる。
【0048】
(3)噴射装置2は、加熱装置3と組み合わせて制御することで、必要な噴射圧を低減することができる。すなわち、コンプレッサ26の必要性能を低減することができる。また、噴射圧を低減することができれば、噴射音による騒音を抑制することができるようになる。
【0049】
(4)加熱装置3は、噴射装置2と組み合わせて制御することで、必要な熱量を低減することができる。すなわち、ヒータ31の必要性能を低減することができる。また、ヒータ31の稼働時間を低減することができればランニングコストを抑制することができるようになる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図6を参照して、除雪システムの制御装置の第2の実施形態について説明する。この実施形態の除雪システム1の除雪制御装置4は、噴射装置2及び加熱装置3の制御の仕方が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
図1に示すように、除雪制御装置4は、噴射装置2と加熱装置3との一方の制御に応じて、噴射装置2と加熱装置3との他方を制御する。第2の実施形態では、除雪制御装置4は、加熱装置3の稼働状態に応じて、噴射装置2の稼働状態を決定する。すなわち、除雪制御装置4は、加熱装置3のヒータ31の稼働を設定した上で、噴射装置2の運転モードを設定する。また、除雪制御装置4は、軌道分岐部10の基本レール12の温度に基づいて噴射装置2と加熱装置3とを制御する。
【0052】
次に、図6を参照して、上記の除雪システム1の作用について説明する。
図6に示すように、除雪制御装置4は、以下の除雪処理を行う。
まず、除雪制御装置4は、第1の実施形態のステップS11と同様に、レール温度及び降雪情報を取得する(ステップS31)。
【0053】
続いて、除雪制御装置4は、ヒータの稼働を設定する(ステップS32)。すなわち、除雪制御装置4は、取得した基本レール12の温度及び降雪情報に基づいて第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bの稼働を設定する。具体的には、除雪制御装置4は、基本レール12の温度が例えば5℃以上であるときに第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bをオフ制御し、基本レール12の温度が例えば5℃未満又は降雪があるときに第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bをオン制御する。また、除雪制御装置4は、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bをオン制御した後、基本レール12の温度が例えば10℃以上となったらオフ制御する。
【0054】
続いて、除雪制御装置4は、噴射の運転モードを設定する(ステップS33)。すなわち、除雪制御装置4は、加熱装置3の稼働状態を加味して、噴射装置2の運転モードを設定する。具体的には、除雪制御装置4は、基本レール12の温度が例えば5℃以上且つヒータ31が作動していないときにレベル1の運転モードに設定する。レベル1の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射のみを行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が5℃未満且つヒータ31が作動していないときにレベル2の運転モードに設定する。レベル2の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射及び予防噴射を行う。除雪制御装置4は、基本レール12の温度が3℃未満且つヒータ31が作動しているときにレベル3の運転モードに設定する。レベル3の運転モードでは、除雪制御装置4は、事後噴射、予防噴射、及び間欠噴射を行う。このように、降雪があるときでも、ヒータ31によって雪を解かすことができるため、噴射装置2の稼働を低減することができる。これは、加熱装置3が基本レール12を加熱して剥がれ易くなった雪を噴射装置2の空気によって吹き飛ばすため、雪を全て溶かす必要がないからである。
【0055】
なお、除雪制御装置4は、第1の実施形態と同様に、除雪処理において不転換時に不転換処理を行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(3)、及び(4)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
【0056】
(5)加熱装置3のヒータ31の稼働を設定した上で、噴射装置2の運転モードを設定するため、加熱装置3によって雪が溶けることを加味して、噴射装置2の稼働を低減することができる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、図7を参照して、除雪システムの制御装置の第3の実施形態について説明する。この実施形態の除雪システムは、噴射装置及び加熱装置のそれぞれが制御装置を備えている点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
図7に示すように、除雪システム101は、噴射装置102と加熱装置103とを備えている。
噴射装置102は、第1の実施形態の噴射装置2の構成に加えて、空気の噴射を制御する噴射制御装置20を備えている。噴射制御装置20は、シーケンス制御装置であるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を備え、ラダープログラムと呼ばれる専用プログラムに従って動作する。噴射制御装置20には、圧力センサ27、ポイント位置センサ41、列車検知センサ42、降雪検知センサ43等の入力機器が接続されている。また、噴射制御装置20には、第1電磁弁24A、第2電磁弁24B、コンプレッサ26等の出力機器が接続されている。噴射制御装置20は、ラダープログラムによってこれら被制御機器を制御する。噴射制御装置20は、第1電磁弁24A及び第2電磁弁24Bに対してオンオフ制御を行うことで空気の噴射を制御する。
【0059】
加熱装置103は、第1の実施形態の加熱装置3の構成に加えて、加熱を制御する加熱制御装置30を備えている。加熱制御装置30は、シーケンス制御装置であるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を備え、ラダープログラムと呼ばれる専用プログラムに従って動作する。加熱制御装置30には、第1温度センサ32A、第2温度センサ32B等の入力機器が接続されている。また、加熱制御装置30には、第1ヒータ31A、第2ヒータ31B等の出力機器が接続されている。加熱制御装置30は、ラダープログラムによってこれら被制御機器を制御する。加熱制御装置30は、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bのオンオフ制御を行うことで加熱を制御する。
【0060】
噴射制御装置20と加熱制御装置30とは、接続線100によって通信可能に相互接続されている。噴射制御装置20は、加熱制御装置30から接続線100を介して、レール温度を取得する。一方、加熱制御装置30は、噴射制御装置20から接続線100を介して、降雪情報及び不転換情報を取得する。なお、接続線100が通信部に相当し、接続線100に代えて無線通信を可能とする通信部を噴射制御装置20と加熱制御装置30とにそれぞれ備えてもよい。
【0061】
噴射制御装置20は、加熱制御装置30の稼働状態に応じて、噴射制御装置20の稼働状態を決定する。加熱制御装置30は、噴射制御装置20の稼働状態に応じて、加熱装置103の稼働状態を決定する。
【0062】
噴射制御装置20と加熱制御装置30とは、どちらの稼働を優先するか決定した上で優先した一方の装置の稼働状態に応じて他方の装置を稼働させる。
噴射装置102の稼働を優先するときには、まず噴射制御装置20は、第1の実施形態と同様に、レール温度及び降雪情報に基づいて噴射装置102の運転モードを設定する。そして、加熱制御装置30は、噴射装置102の運転モードに応じて、加熱装置103のヒータ31の稼働を設定する。なお、噴射制御装置20は、降雪情報のみに基づいて噴射装置102の運転モードを設定してもよい。加熱制御装置30は、噴射装置102の運転モードに加え、レール温度に応じて加熱装置103のヒータ31の稼働を設定してもよい。
【0063】
加熱装置103の稼働を優先するときには、まず加熱制御装置30は、第2の実施形態と同様に、レール温度及び降雪情報に基づいて加熱装置103のヒータ31の稼働を設定する。そして、噴射制御装置20は、加熱装置103のヒータ31の稼働に応じて、噴射装置102の運転モードを設定する。なお、加熱制御装置30は、レール温度のみに基づいて加熱装置103のヒータ31の稼働を設定してもよい。噴射制御装置20は、加熱装置103のヒータ31の稼働に加え、降雪情報に応じて噴射装置102の運転モードを設定してもよい。
【0064】
加熱制御装置30は、噴射装置102の運転モードに関係なく、ヒータ31を強制的にオン制御して、基本レール12を加熱する。
上記のように、加熱装置103が設置された軌道分岐部10に噴射装置102を追加するときに、噴射装置102と加熱装置103とが別々に稼動するよりも噴射装置102と加熱装置103とが組み合わせて制御される。このため、消費エネルギー(消費電力等)を低減することができ、除雪システム101を効果的に稼働させることができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)~(4)、第2の実施形態の(5)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(6)噴射制御装置20を備えた噴射装置102と、加熱制御装置30を備えた加熱装置103とを備えた除雪システム101であっても、噴射装置102の制御と加熱装置103の制御とを組み合わせて行うことで除雪システム101を効果的に稼動させることができる。
【0066】
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第1及び第2の実施形態において、軌道分岐部10に雪が存在するときに、除雪制御装置4が噴射装置2及び加熱装置3を稼働させてもよい。例えば、図1に破線で示すように、除雪制御装置4に軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する検出部4Aを備える。そして、検出部4Aは、除雪制御装置4に接続されたカメラ51、導電率センサ52、振動センサ53の少なくとも1つから軌道分岐部10の状況を把握して、軌道分岐部10の雪の有無を検出する。カメラ51であれば、カメラ51が軌道分岐部10を撮影し、カメラ51が撮影した画像を除雪制御装置4が取得して、該画像から検出部4Aが軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する。導電率センサ52であれば、導電率センサ52が軌道分岐部10の基本レール12及びトングレール13の少なくとも一方の導電率を計測し、雪の存在で導電率が変化することから検出部4Aが軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する。振動センサ53であれば、振動センサ53が軌道分岐部10の基本レール12及びトングレール13の少なくとも一方の振動を計測し、雪等の異物の存在で振動が変化することから検出部4Aが軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する。
【0067】
・また、検出部4Aは、カメラ51、導電率センサ52、振動センサ53の少なくとも1つから軌道分岐部10の状況を把握して、軌道分岐部10が不転換の有無を検出してもよい。そして、検出部4Aは、軌道分岐部10が不転換であるときに、噴射装置2及び加熱装置3の少なくとも一方を稼働させてもよい。
【0068】
・上記第3の実施形態において、軌道分岐部10に雪が存在するときに、噴射制御装置20と加熱制御装置30との少なくとも一方が噴射装置102及び加熱装置103の少なくとも一方を稼働させてもよい。例えば、図7に破線で示すように、噴射制御装置20に軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する検出部20Aを備える。加熱制御装置30に軌道分岐部10に存在する雪の有無を検出する検出部30Aを備える。検出部20A及び検出部30Aはいずれか一方のみでもよい。そして、検出部20A及び検出部30Aは、噴射制御装置20に接続されたカメラ51、導電率センサ52、振動センサ53の少なくとも1つから軌道分岐部10の状況を把握して、軌道分岐部10の雪の有無を検出する。加熱制御装置30は、噴射制御装置20から接続線100を介してカメラ51、導電率センサ52、振動センサ53から情報を取得する。このようにすれば、軌道分岐部10に雪が存在するときには噴射装置102及び加熱装置103の少なくとも一方を稼働させることで迅速に雪を除去することができる。
【0069】
・上記各実施形態では、レール温度及び降雪情報に基づいて運転モードを設定したが、降雪情報を用いず、レール温度のみに基づいて運転モードを設定してもよい。例えば、除雪制御装置4は、基本レール12の温度が5℃以上のときにレベル1の運転モードに設定し、基本レール12の温度が5℃未満3℃以上のときにレベル2の運転モードに設定し、基本レール12の温度が3℃未満のときにレベル3の運転モードに設定する。
【0070】
・上記各実施形態では、基本レール12の温度に基づいて制御を行ったが、トングレール13の温度に基づいて制御を行ってもよい。また、基本レール12の温度及びトングレール13の温度の両方に基づいて制御を行ってもよい。例えば、基本レール12の温度とトングレール13の温度とを比較して低い方の温度に基づいて制御を行ってもよい。
【0071】
・上記各構成において、図1及び図7に示すように、除雪システム1,101は、軌道分岐部10の周囲の気温を検出して、気温情報を含む気温信号を出力する気温センサ44を備えてもよい。そして、除雪制御装置4及び加熱制御装置30は、第1ヒータ31A及び第2ヒータ31Bをレール温度ではなく、外気温でオンオフ制御してもよい。このようにすれば、軌道分岐部10に雪が存在するときには噴射装置2,102及び加熱装置3,103の少なくとも一方を稼働させることで迅速に雪を除去することができる。
【0072】
・上記第1及び第2の実施形態では、除雪制御装置4をPLCとしたが、除雪制御装置4はPLCに限らず、ラダープログラム以外によって被制御機器を制御する装置としてもよい。
【0073】
・上記各構成において、軌道分岐部10のレールの温度に基づいて噴射装置2,102の流体の噴射圧、噴射回数、噴射時間を稼働時に変更してもよい。流体の噴射圧を高めれば吹き飛ばすことができる雪の量や距離を増やすことができ、噴射回数を増やせば吹き飛ばすことができる雪の量や距離を増やすことができ、噴射時間が長くなれば吹き飛ばすことができる雪の量や距離を増やすことができる。
【0074】
・上記各実施形態では、単に雪を吹き飛ばして除去するものについて説明したが、空気を噴射する以前の段階で加熱する加熱手段を設けて熱風を噴射してもよい。また、この他にも前述したノズルを備えた配管ユニットを加熱装置として用いて、軌道分岐部10が不転換時に基本レール12とトングレール13との間の加熱に用いてもよい。
【0075】
・また、噴射装置2,102は、流体として空気に限らず、水や、熱水を噴射してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1,101…除雪システム、2,102…噴射装置、3,103…加熱装置、4…除雪制御装置、4A…検出部、10…軌道分岐部、11…枕木、12…基本レール、12A…転位側基本レール、12B…反位側基本レール、13…トングレール、14…転てつ器、20…噴射制御装置、20A…検出部、21A…第1配管、21B…第2配管、22A…第1エアノズル、22B…第2エアノズル、23…空気源ユニット、24A…第1電磁弁、24B…第2電磁弁、25…空気タンク、26…コンプレッサ、27…圧力センサ、30…加熱制御装置、30A…検出部、31A…第1ヒータ、31B…第2ヒータ、32A…第1温度センサ、32B…第2温度センサ、41…ポイント位置センサ、42…列車検知センサ、43…降雪検知センサ、44…気温センサ、51…カメラ、52…導電率センサ、53…振動センサ、100…接続線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7