(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】電子部品、電子部品の製造方法、電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20221215BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20221215BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20221215BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20221215BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L21/56 T
H01L23/28 D
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2018104831
(22)【出願日】2018-05-31
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】西尾 文孝
(72)【発明者】
【氏名】高塚 雅嗣
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-204081(JP,A)
【文献】特公平07-093338(JP,B2)
【文献】特開2010-165991(JP,A)
【文献】特開2010-040826(JP,A)
【文献】特開2002-299517(JP,A)
【文献】特開2016-034092(JP,A)
【文献】特開2013-102114(JP,A)
【文献】特開2002-289746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 21/56
H01L 23/28
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面及び前記第2表面に接続された側面と、前記側面に形成され、前記第1表面から前記第2表面まで延在する溝部と、を有する配線基板と、
前記第1表面に沿って前記第1表面に配置された第1電極と、
前記第2表面に沿って前記第2表面に配置された第2電極と、
前記溝部の内面の全面にわたって配置され、前記第1電極及び前記第2電極に電気的に接続された接続導体と、
前記第1表面に配置され、前記第1電極に電気的に接続された電子素子と、
前記第1表面に配置され、前記電子素子、及び前記第1電極の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備え、
前記第2電極の縁の全ては、前記側面から離間している、電子部品。
【請求項2】
前記第1電極の縁の全ては、前記側面から離間している、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記溝部の半径は、0.5mm以下である、請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記樹脂部は、エポキシ樹脂からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第1表面は、矩形状を呈しており、
前記樹脂部は、前記第1表面における一の縁から前記一の縁とは反対側の他の縁まで延在している、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1電極は、前記樹脂部の縁に沿って延在する延在部を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記溝部は、前記第1表面及び前記第2表面の角部に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記溝部は、前記第1表面及び前記第2表面の角部から離間して配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記電子素子は、発光素子であり、
前記樹脂部は、レンズ部を有している、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項10】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面及び前記第2表面に開口する貫通孔と、を有する配線基板を用意する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記第1表面に沿って前記第1表面に配置された第1電極、前記第2表面に沿って前記第2表面に配置された第2電極、並びに、前記貫通孔の内面の全面にわたって配置され、前記第1電極及び前記第2電極に電気的に接続された接続導体を形成する第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記第1表面に電子素子を配置し、前記電子素子と前記第1電極とを互いに電気的に接続する第3ステップと、
前記第3ステップの後に、少なくとも前記電子素子及び前記電子素子と前記第1電極との接続部を覆う樹脂部を前記第1表面に形成する第4ステップと、
前記第4ステップの後に、前記貫通孔を通るカットラインにおいて前記配線基板を前記第1表面側から切断することにより、電子部品を得る第5ステップと、を備え、
前記第2ステップでは、前記カットラインから離間した前記第2電極を形成する、電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記第4ステップでは、トランスファモールドにより前記樹脂部を形成する、請求項10に記載の電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記第2ステップでは、前記樹脂部の形成予定領域の縁に沿って延在する延在部を有する前記第1電極を形成し、
前記第4ステップでは、前記樹脂部を形成するための成形型によって前記延在部を押圧しつつ、前記樹脂部を形成する、請求項10又は11に記載の電子部品の製造方法。
【請求項13】
前記第5ステップでは、ブレードダイシングにより前記配線基板を切断する、請求項10~12のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電子部品と、
実装電極を有し、前記電子部品が実装された実装基板と、を備え、
前記第2電極が半田により前記実装電極に電気的に接続されている、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、電子部品の製造方法、及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貫通孔を有する配線基板に、一方面から貫通孔を介して他方面まで延在するように電極を形成する工程と、一方面に電子素子を配置する工程と、一方面の一部に樹脂部を配置する工程と、貫通孔を通るカットラインにおいて配線基板を切断することにより、電子部品を得る工程と、を備える電子部品の製造方法が知られている(例えば特許文献1参照)。このような電子部品の製造方法においては、カットラインを跨ぐように一方面及び他方面に電極が形成され、配線基板の切断と同時に一方面及び他方面上の電極が切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような電子部品の製造方法では、一方面の一部に樹脂部が配置されているため、配線基板を一方面側から切断する必要がある。このとき、他方面上の電極の切断面に、一方面とは反対側に向けて突出したバリが形成されることがある。このようなバリが形成されていると、電子部品を例えば実装基板上に載置する際に位置ずれが生じるおそれや、電子部品を実装基板に安定的に実装することができないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、精度良く且つ安定的に実装することが可能な電子部品、そのような電子部品の製造方法、及び、精度良く且つ安定的に実装された電子部品を備える電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品は、第1表面と、第1表面とは反対側の第2表面と、第1表面及び第2表面に接続された側面と、側面に形成され、第1表面から第2表面まで延在する溝部と、を有する配線基板と、第1表面に沿って第1表面に配置された第1電極と、第2表面に沿って第2表面に配置された第2電極と、溝部の内面の全面にわたって配置され、第1電極及び第2電極に電気的に接続された接続導体と、第1表面に配置され、第1電極に電気的に接続された電子素子と、第1表面に配置され、電子素子、及び第1電極の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備え、第2電極の縁の全ては、側面から離間している。
【0007】
この電子部品では、電子素子及び樹脂部が配置された第1表面とは反対側の第2表面に配置された第2電極の縁の全てが、配線基板における溝部が形成された側面から離間している。この電子部品の製造工程においては、配線基板の切断時に第2電極が切断されない。そのため、この電子部品では、第2電極にバリが形成されておらず、第2電極の表面が平坦である。したがって、この電子部品は精度良く且つ安定的に実装することが可能である。更に、第1電極及び第2電極に電気的に接続された接続導体が、溝部の内面の全面にわたって配置されている。これにより、第2電極を例えば半田付けにより実装基板の実装電極に電気的に接続する際に、溝部内に半田を均一に這い上がらせることができ、確実な電気的接続及び強固な固定を実現することができる。更に、配線基板の切断時に接続導体が切断されるため、接続導体にはバリが形成される可能性があるが、溝部内に均一に這い上がった半田によって当該バリを取り込むことができるため、当該バリが剥がれ、剥がれたバリによって短絡等が引き起こされるのを抑制することができる。更に、第2電極の縁の全てが配線基板の側面から離間しているため、第2電極及び実装電極の形成領域を小さくすることができ、その結果、電子部品の実装精度を向上することができる。
【0008】
本発明の電子部品では、第1電極の縁の全ては、側面から離間していてもよい。この場合、第1電極にバリが形成されるのを抑制することができ、その結果、当該バリに起因する短絡等の発生を抑制することができる。
【0009】
本発明の電子部品では、溝部の半径は、0.5mm以下であってもよい。このように溝部の断面積が小さく接続導体のパターニングが困難である構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0010】
本発明の電子部品では、樹脂部は、エポキシ樹脂からなっていてもよい。この場合、配線基板に搭載された部品や配線等を好適に保護することができる。
【0011】
本発明の電子部品では、第1表面は、矩形状を呈しており、樹脂部は、第1表面における一の縁から一の縁とは反対側の他の縁まで延在していてもよい。この場合、電子部品のハンドリング性を向上することができる。更に、配線基板における一の縁側の側面又は他の縁側の側面が実装基板上に載置されるように電子部品を実装する場合に、当該実装を容易化及び確実化することができる。
【0012】
本発明の電子部品では、第1電極は、樹脂部の縁に沿って延在する延在部を有していてもよい。この場合、電子部品の製造工程において、樹脂部を形成するための成形型によって延在部を押圧しつつ、樹脂部を形成することができる。これにより、第1電極と成形型とは密着し易いため、溶融樹脂の漏出を抑制することができる。更に、第1電極を配線基板に強固に固定することができる。
【0013】
本発明の電子部品では、溝部は、第1表面及び第2表面の角部に配置されていてもよい。このような構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0014】
本発明の電子部品では、溝部は、第1表面及び第2表面の角部から離間して配置されていてもよい。このような構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0015】
本発明の電子部品では、電子素子は、発光素子であり、樹脂部は、レンズ部を有していてもよい。このような構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0016】
本発明の電子部品の製造方法は、第1表面と、第1表面とは反対側の第2表面と、第1表面及び第2表面に開口する貫通孔と、を有する配線基板を用意する第1ステップと、第1ステップの後に、第1表面に沿って第1表面に配置された第1電極、第2表面に沿って第2表面に配置された第2電極、並びに、貫通孔の内面の全面にわたって配置され、第1電極及び第2電極に電気的に接続された接続導体を形成する第2ステップと、第2ステップの後に、第1表面に電子素子を配置し、電子素子と第1電極とを互いに電気的に接続する第3ステップと、第3ステップの後に、少なくとも電子素子及び電子素子と第1電極との接続部を覆う樹脂部を第1表面に形成する第4ステップと、第4ステップの後に、貫通孔を通るカットラインにおいて配線基板を第1表面側から切断することにより、電子部品を得る第5ステップと、を備え、第2ステップでは、カットラインから離間した第2電極を形成する、電子部品の製造方法。
【0017】
この電子部品の製造方法では、配線基板を切断するカットラインから離間した第2電極が第2表面上に形成されるため、配線基板の切断時に第2電極が切断されない。そのため、得られた電子部品においては、第2電極にバリが形成されておらず、第2電極の表面が平坦である。この電子部品は精度良く且つ安定的に実装することが可能である。更に、得られた電子部品においては、第1電極及び第2電極に電気的に接続された接続導体が、溝部の内面の全面にわたって配置されている。これにより、第2電極を例えば半田付けにより実装基板の実装電極に電気的に接続する際に、溝部内に半田を均一に這い上がらせることができ、確実な電気的接続及び強固な固定を実現することができる。更に、配線基板の切断時に接続導体が切断されるため、接続導体にはバリが形成される可能性があるが、溝部内に均一に這い上がった半田によって当該バリを取り込むことができるため、当該バリが剥がれ、剥がれたバリによって短絡等が引き起こされるのを抑制することができる。更に、第2電極の縁の全てが配線基板の側面から離間しているため、第2電極及び実装電極の形成領域を小さくすることができ、その結果、電子部品の実装精度を向上することができる。
【0018】
本発明の電子部品の製造方法においては、第4ステップでは、トランスファモールドにより樹脂部を形成してもよい。この場合、樹脂部を形成するための成形型内に溶融樹脂を均一に流し込むことができ、樹脂部を精度良く形成することができる。
【0019】
本発明の電子部品の製造方法においては、第2ステップでは、樹脂部の形成予定領域の縁に沿って延在する延在部を有する第1電極を形成し、第4ステップでは、樹脂部を形成するための成形型によって延在部を押圧しつつ、樹脂部を形成してもよい。この場合、第1電極と成形型とは密着し易いため、溶融樹脂の漏出を抑制することができる。更に、第1電極を配線基板に強固に固定することができる。
【0020】
本発明の電子部品の製造方法においては、第5ステップでは、ブレードダイシングにより配線基板を切断してもよい。この場合、配線基板を高速に且つ精度良く切断することができる。
【0021】
本発明の電子装置は、上記電子部品と、実装電極を有し、電子部品が実装された実装基板と、を備え、第2電極が半田により実装電極に電気的に接続されている。この電子装置では、上述した理由により、電子部品を精度良く且つ安定的に実装することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、精度良く且つ安定的に実装することが可能な電子部品、そのような電子部品の製造方法、及び、精度良く且つ安定的に実装された電子部品を備える電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図6】一実施形態に係る電子部品の製造方法を示す斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る電子部品の製造方法を示す斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る電子部品の製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[電子部品の構成]
【0025】
図1~
図5に示される電子部品1は、配線基板2と、一対の電極3,4と、電子素子5と、樹脂部6と、を備えている。電子部品1は、例えば、電子素子5として発光ダイオード(LED)等の光半導体素子を備えた表面実装型の電子デバイスである。電子部品1は、例えば、実装対象である実装基板(図示省略)に実装され、チップオンボード構造の電子装置を構成する。なお、
図2では、理解の容易化のために樹脂部6が破線で示されている。
【0026】
配線基板2は、例えば、矩形の板状(直方体状)に形成されたガラスエポキシ基板である。配線基板2は、第1表面21と、第1表面21とは反対側の第2表面22と、第1表面21及び第2表面22にそれぞれ接続された4つの側面23,24,25,26と、4つの溝部(スルーホール)27と、を有している。第1表面21、第2表面22及び各側面23~26は、それぞれ矩形状を呈している。第1表面21は、電子素子5が搭載される素子搭載面であり、第2表面22は、実装基板上に載置される載置面である。第1表面21は、側面23,24,25,26との間にそれぞれ位置する4つの縁21a,21b,21c,21dを有している。第2表面22は、側面23,24,25,26との間にそれぞれ位置する4つの縁22a,22b,22c,22dを有している。
【0027】
4つの溝部27は、それぞれ、側面23~26のうち隣り合う2つの側面に跨がって形成され、第1表面21から第2表面22まで延在している。つまり、4つの溝部27は、第1表面21の4つの角部(隅部)及び第2表面22の4つの角部(隅部)にそれぞれ配置されている。各溝部27は、延在方向に沿って一様な断面形状を有している。各溝部27の断面(第1表面21に平行な断面)は、中心角が90度の扇形状(1/4円形状)を呈している。当該断面における各溝部27の半径は、0.5mm以下である。
【0028】
電極3は、第1表面21に沿って第1表面21に配置された第1電極31と、第2表面に沿って第2表面22に配置された一対の第2電極32,33と、第1電極31及び第2電極32、又は第1電極31及び第2電極33に電気的に接続された一対の接続導体34,35と、を有している。第1電極31は、中央部31aと、一対の周辺部31bと、一対の接続部31cと、延在部31dと、を含んでいる。
【0029】
中央部31aは、矩形状を呈しており、第1表面21の中央部に配置されている。一対の周辺部31bは、隣り合う2つの溝部27の周辺にそれぞれ配置されている。各周辺部31bは、溝部27の縁に沿って円弧状に延在している。一方の周辺部31bは、第1表面21における縁21aから縁21aと隣り合う縁21bまで延在している。他方の周辺部31bは、第1表面21における縁21bから、縁21bに対して縁21aとは反対側に隣り合う縁21cまで延在している。
【0030】
一方の接続部31cは、中央部31a及び一方の周辺部31bに接続されており、他方の接続部31cは、中央部31a及び他方の周辺部31bに接続されている。各接続部31cは、直線状に延在している。延在部31dは、一方の接続部31c及び他方の接続部31cに接続されている。延在部31dは、一方の接続部31cから他方の接続部31cまで、樹脂部6の縁に沿って円弧状に延在している。電極3は、電子部品1の向きを誤って実装することを抑制するためのインデックスマーク部31eを更に含んでいる。
【0031】
一対の第2電極32,33は、第1電極31の一対の周辺部31bに対応して、隣り合う2つの溝部27の周辺にそれぞれ配置されている。本実施形態では、一対の第2電極32,33と一対の周辺部31bとは、平面視において(第1表面21に垂直な方向から見た場合に)互いの一部が重なるように配置されている。
【0032】
第2電極32は、略矩形状(例えば略正方形状)を呈している。第2電極32における溝部27側の部分は、溝部27の縁に沿った湾曲形状を呈している。第2電極32の一端32aは、第2表面22の縁22aから所定の距離を空けて、縁22aと平行に向かい合っている。第2電極32の他端32bは、第2表面22における縁22aと隣り合う縁22bから所定の距離を空けて、縁22bと平行に向かい合っている。このように、第2電極32の縁の全ては、側面23~26から離間している。換言すれば、第2電極32は、第2表面22の縁のうち、溝部27に面する縁を除いた全ての縁22a~22dから離間している(縁22a~22dからオフセットされている)。なお、「第2電極32の縁が側面23~26から離間している」とは、第2電極32の縁が縁22a~22dのいずれかに至っている場合(平面視において第2電極32の縁が縁22a~22dのいずれかと重なっている場合)を含まない。この点は、後述する第2電極33,42,43についても同様である。
【0033】
第2電極33は、溝部27の縁に沿った湾曲形状を呈している。第2電極33の一端33aは、第2表面22の縁22bから所定の距離を空けて、縁22bと平行に向かい合っている。第2電極33の他端33bは、第2表面22における縁22bから、縁22bに対して縁22aとは反対側に隣り合う縁22cから所定の距離を空けて、縁22cと平行に向かい合っている。このように、第2電極33の縁の全ては、側面23~26から離間している。第2電極33と第2電極33とが異なる形状を有していることにより、第2電極33と第2電極33とが向かい合う方向において電子部品1の向きを誤って実装することを抑制することができる。なお、第1表面21及び第2表面22のそれぞれには、レジスト層が設けられている。
図5では、レジスト層の縁が符号Bで示されている。
【0034】
一対の接続導体34,35は、第1電極31の一対の周辺部31b及び一対の第2電極32,33に対応して、隣り合う2つの溝部27の内面27aにそれぞれ配置されている。内面27aは、例えば、平面視において円弧状に湾曲しており、側面23~26のうち隣り合う2つの側面に接続されている。各接続導体34,35は、溝部27の内面27aの全面にわたって配置されている。接続導体34は、第1電極31の一方の周辺部31b、及び第2電極32に電気的に接続されている。接続導体35は、第1電極31の他方の周辺部31b、及び第2電極33に電気的に接続されている。
【0035】
電極4は、第1表面21に沿って第1表面21に配置された第1電極41と、第2表面に沿って第2表面22に配置された一対の第2電極42,43と、第1電極41及び第2電極42、又は第1電極31及び第2電極43に電気的に接続された一対の接続導体44,45と、を有している。第1電極41は、一対の周辺部41bと、一対の接続部41cと、延在部41dと、リード部41eと、を含んでいる。
【0036】
一対の周辺部41bは、第1電極31の一対の周辺部31bとは反対側において、隣り合う2つの溝部27の周辺にそれぞれ配置されている。各周辺部41bは、溝部27の縁に沿って円弧状に延在している。一方の周辺部41bは、第1表面21における縁21aから、縁21aに対して縁21bとは反対側に隣り合う縁21dまで延在している。他方の周辺部41bは、第1表面21における縁21dから縁21cまで延在している。
【0037】
延在部41dは、平面視において第1表面21の中心を通る直線に関して第1電極31の延在部31dと対称に配置されている。つまり、延在部41dは、樹脂部6の縁に沿って円弧状に延在している。一方の接続部41cは、延在部41d及び一方の周辺部41bに接続されており、他方の接続部41cは、延在部41d及び他方の周辺部41bに接続されている。各接続部41cは、直線状に延在している。リード部41eは、延在部41dにおける一方の接続部41c側の端部から周辺部41bとは反対側に向けて延在している。なお、第1電極31は、平面視において第1表面21の中心を通る直線に関してリード部41eと略対称に形成された部分を更に含んでいる。
【0038】
一対の第2電極42,43は、第1電極41の一対の周辺部41bに対応して、隣り合う2つの溝部27の周辺にそれぞれ配置されている。本実施形態では、一対の第2電極42,43と一対の周辺部41bとは、平面視において互いの一部が重なるように配置されている。
【0039】
第2電極42は、略矩形状(例えば略正方形状)を呈している。第2電極43における溝部27側の部分は、溝部27の縁に沿った湾曲形状を呈している。第2電極42の一端42aは、第2表面22の縁22aから所定の距離を空けて、縁22aと平行に向かい合っている。第2電極42の他端42bは、第2表面22における縁22aに対して縁22bとは反対側に隣り合う縁22dから所定の距離を空けて、縁22dと平行に向かい合っている。このように、第2電極42の縁の全ては、側面23~26から離間している。
【0040】
第2電極43は、略矩形状(例えば略正方形状)を呈している。第2電極43における溝部27側の部分は、溝部27の縁に沿った湾曲形状を呈している。第2電極43の一端43aは、第2表面22の縁22dから所定の距離を空けて、縁22dと平行に向かい合っている。第2電極43の他端43bは、第2表面22における縁22cから所定の距離を空けて、縁22cと平行に向かい合っている。このように、第2電極43の縁の全ては、側面23~26から離間している。第2電極43と第2電極33とが異なる形状を有していることにより、第2電極43と第2電極33とが向かい合う方向において電子部品1の向きを誤って実装することを抑制することができる。
【0041】
一対の接続導体44,45は、第1電極41の一対の周辺部41b及び一対の第2電極42,43に対応して、隣り合う2つの溝部27の内面27aにそれぞれ配置されている。各接続導体44,45は、溝部27の内面27aの全面にわたって配置されている。接続導体44は、第1電極41の一方の周辺部41b、及び第2電極42に電気的に接続されている。接続導体45は、第1電極41の他方の周辺部41b、及び第2電極43に電気的に接続されている。
【0042】
電子素子5は、導電性を有する接着剤7により、電極3の第1電極31の中央部31aに電気的に接続されている。つまり、電子素子5は、第1電極31及び接着剤7を介して第1表面21上に配置されている。また、電子素子5は、ワイヤ8により電極4の第1電極41のリード部41eに電気的に接続されている。
【0043】
樹脂部6は、電子素子5、電子素子5と第1電極41との接続部、及び各第1電極31,41の一部を覆うように、第1表面21の一部に配置されている。樹脂部6は、例えば、エポキシ樹脂からなり、光透過性を有している。樹脂部6は、レンズ部61と、一対の支持部62と、を有している。
【0044】
レンズ部61は、第1表面21の中央部に配置されている。レンズ部61は、第1表面21とは反対側に向けて凸状に湾曲した表面を有し、電子素子5から出力された光を集光する。一対の支持部62は、互いの間にレンズ部61を挟んでいる。一方の支持部62は、第1表面21の縁21aに至っており、他方の支持部62は第1表面21の縁21cに至っている。つまり、樹脂部6は、第1表面21における縁21a(一の縁)から縁21c(一の縁とは反対側の縁)まで延在している。一方の支持部62の端面62aは、側面23と同一の平面上に位置しており、他方の支持部62の端面62aは、側面25と同一の平面上に位置している。なお、樹脂部6は、電子素子5、及び第1電極41の少なくとも一部を覆っていればよく、樹脂部6の形状及び配置は本実施形態の例に限られない。
[電子部品の製造方法]
【0045】
続いて、
図6~
図8を参照しつつ、電子部品1の製造方法を説明する。まず、第1表面21と、第2表面22と、第1表面21及び第2表面22に開口する複数の貫通孔70と、を有する配線基板80を用意する(
図6、第1ステップ)。配線基板80は、上述した配線基板2に対応する部分Rを複数含んでいる。複数の部分Rは、例えば、互いに隣接するように格子状に配置されている。以下で説明する各加工ステップが各部分Rについて同時に行なわれる。そして、加工完了後の配線基板80が、部分R同士の境界上に設定されたダイシングライン(カットライン)Lにおいてダイシングされることにより、配線基板80から配線基板2が分離され、電子部品1が得られる。
【0046】
第1ステップでは、各部分Rにおける各溝部27に対応する位置、すなわちダイシングラインL同士の交点に貫通孔70を形成する。つまり、ダイシングラインLは貫通孔70を通る。貫通孔70は、例えば、第1表面21に垂直な方向に沿って配線基板80を貫通し、断面円形状を呈している。
【0047】
続いて、第1電極31,41、第2電極32,33,42,43及び接続導体34,35,44,45を配線基板80に形成する(
図6、第2ステップ)。具体的には、めっき及びパターニングにより、電極3,4に対応する複数の電極パターンPを配線基板80に形成する。複数の電極パターンPは、一の方向に沿って配列されている。各電極パターンPにおいては、電極パターンPの配列方向に隣り合う一方の部分Rの電極3と他方の部分Rの電極4とが一体的に形成されている。また、電極パターンPの配列方向に垂直な方向に隣り合う一方の部分Rの電極3と他方の部分Rの電極3とが一体的に形成されており、電極パターンPの配列方向に垂直な方向に隣り合う一方の部分Rの電極4と他方の部分Rの電極4とが一体的に形成されている。
【0048】
第2ステップでは、上述した延在部31d,41dを有する第1電極31,41が形成される。これらの延在部31d,41dは、樹脂部6の形成予定領域の縁Aに沿って延在する。また、第2ステップでは、ダイシングラインLから離間した第2電極32,33,42,43が形成される。
【0049】
続いて、各部分Rの第1表面21に電子素子5を配置し、電子素子5と第1電極31,41とを互いに電気的に接続する(
図7、第3ステップ)。具体的には、電子素子5を接着剤7により電極3の第1電極31に電気的に接続すると共に、電子素子5をワイヤ8により電極4の第1電極41に電気的に接続する。
【0050】
続いて、樹脂部6を第1表面21の一部に形成する(
図8、第4ステップ)。第4ステップでは、例えば、トランスファモールドにより樹脂部6を形成する。具体的には、一対の成形型を型締めして樹脂部6に対応するキャビティを画定し、溶融した樹脂材料をキャビティ内に流し込み、樹脂材料を硬化させることにより、樹脂部6を形成する。
図8の例では、電極パターンPの配列方向に垂直な方向に隣り合う部分Rの樹脂部6が一体的に形成されるように、キャビティ(成形型)の形状が設定されている。第4ステップでは、成形型によって第1電極31,41の延在部31d,41dを押圧しつつ、樹脂部6を形成する。
【0051】
続いて、ダイシングラインLにおいて配線基板80を第1表面21側から切断することにより、電子部品1を得る(第5ステップ)。第5ステップでは、例えば、第2表面22をダイシングテープに貼り付けて配線基板80を固定し、ブレードダイシングにより配線基板80を切断する。具体的には、例えば、回転するブレードをダイシングラインLに沿って移動させながら、ブレードの切断刃によって配線基板80を第1表面21側から切断する。配線基板80の切断時には、各電極パターンPにおける電極3,3の境界及び電極3,4の境界において第1電極31,41及び接続導体34,35,44,45が切断されて互いに分離される。また、第4ステップで一体的に形成された複数の樹脂部6が互いの境界において切断されて分離される。以上の工程により得られた電子部品1は、実装基板に実装され得る。例えば、第2表面22を実装基板の実装面上に載置し、第2電極32,33,42,43を半田付けにより実装基板の実装電極に電気的に接続する。これにより、電子部品1が実装基板に実装された電子装置が得られる。
[作用及び効果]
【0052】
以上説明した電子部品1では、電子素子5及び樹脂部6が配置された第1表面21とは反対側の第2表面22に配置された第2電極32,33,42,43の縁の全てが、配線基板2における溝部27が形成された側面23~26から離間している。電子部品1の製造工程においては、配線基板80の切断時に第2電極32,33,42,43が切断されない。そのため、第2電極32,33,42,43にバリが形成されておらず、第2電極32,33,42,43の表面が平坦である。したがって、電子部品1は精度良く且つ安定的に実装することが可能である。更に、第1電極31,41及び第2電極32,33,42,43に電気的に接続された接続導体34,35,44,45が、溝部27の内面27aの全面にわたって配置されている。これにより、第2電極32,33,42,43を例えば半田付けにより実装基板の実装電極に電気的に接続する際に、溝部27内に半田を均一に這い上がらせることができ、確実な電気的接続及び強固な固定を実現することができる。更に、配線基板80の切断時に接続導体34,35,44,45が切断されるため、接続導体34,35,44,45にはバリが形成される可能性があるが、溝部27内に均一に這い上がった半田によって当該バリを取り込むことができるため、当該バリが剥がれ、剥がれたバリによって短絡が引き起こされるのを抑制することができる。更に、第2電極32,33,42,43の縁の全てが側面23~26から離間しているため、第2電極32,33,42,43及び実装電極の形成領域を小さくすることができ、その結果、電子部品1の実装精度を向上することができる。更に、樹脂部6が第1表面21の一部に配置されているため、例えば樹脂部6が第1表面21の全面に配置されている場合と比べて、配線基板2に反りが生じるのを抑制することができる。なお、接続導体34,35,44,45の端部にバリが形成されたとしても、当該バリは側方に向けて延びるため、電子部品1の実装には影響を及ぼし難い。「接続導体34が溝部27の内面27aの全面にわたって配置されている」とは、接続導体34の端部にバリが形成され、接続導体34の極一部が内面27aから剥がれている場合を含む。この点は接続導体35,44,45についても同様である。
【0053】
また、電子部品1では、溝部27の半径が0.5mm以下である。このように溝部27の断面積が小さく接続導体34,35,44,45のパターニングが困難である構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0054】
また、電子部品1では、樹脂部6がエポキシ樹脂からなる。これにより、配線基板2に搭載された部品や配線等を好適に保護することができる。すなわち、電子素子5やワイヤ8を含む搭載部品、及び電極3,4等の保護を図ることができる。また、レンズ部61の成形が可能となる。
【0055】
また、電子部品1では、樹脂部6が、第1表面21における縁21aから縁21cまで延在している。これにより、電子部品1のハンドリング性を向上することができる。更に、配線基板2における縁21a側の側面23又は縁22c側の側面25が実装基板上に載置されるように電子部品1を実装する場合に、当該実装を容易化及び確実化することができる。すなわち、電子部品1では、第2表面22を実装基板上に載置して電子部品1を実装基板に実装することもできるし、側面23又は側面25を実装基板上に載置して電子部品1を実装基板に実装することもできる。後者の場合、樹脂部6の支持部62がレンズ部61を支持するように機能するため、電子部品1を容易に且つ確実に実装することができる。
【0056】
また、電子部品1では、樹脂部6の各端面62aが、側面23又は側面25と同一の平面上に位置している。これにより、配線基板2の側面23,25が実装基板上に載置されるように電子部品1を実装する場合に、当該実装を一層容易化及び確実化することができる。
【0057】
また、電子部品1では、第1電極31が、樹脂部6の縁に沿って延在する延在部31dを有している。同様に、第1電極41が、樹脂部6の縁に沿って延在する延在部41dを有している。これにより、電子部品1の製造工程において、樹脂部6を形成するための成形型によって延在部31d,41dを押圧しつつ、樹脂部6を形成することができる。これにより、第1電極31,41と成形型とは密着し易いため、溶融樹脂の漏出を抑制することができる。更に、第1電極31,41を配線基板2に強固に固定することができる。なお、延在部31dは、成形時に配線基板2の表面と成形型との間に位置するように配置されていればよく、延在部31dの形状及び配置は本実施形態の例に限られない。延在部31dに加えて又は代えて、第1電極31,41から分離され、成形時に配線基板2の表面と成形型との間に位置する金属部材が第1表面21に設けられてもよい。この場合、成形型の密着性を高めることができる。
【0058】
また、電子部品1では、溝部27が第1表面21及び第2表面22の角部に配置されている。このような構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。更に、4つの溝部27が第1表面21及び第2表面22の4つの角部にそれぞれ配置されている。これにより、4つの角部のそれぞれにおいて電子部品1を実装基板に実装することができ、電子部品1を一層安定的に実装することが可能となる。このような実装は、例えば、電子部品1が実装された実装基板を他の基板に差し込んで使用するような場合に特に有効である。更に、4つの溝部27が第1表面21及び第2表面22の4つの角部にそれぞれ配置されているため、配線基板2の側面23,25が実装基板上に載置されるように電子部品1を実装する場合に、電子部品1を一層安定的に実装することができる。また、電子部品1では、電子素子5が発光素子であり、樹脂部6がレンズ部61を有している。このような構成においても、高精度且つ安定的な実装を実現することができる。
【0059】
上述した電子部品1の製造方法では、配線基板80を切断するダイシングラインLから離間した第2電極32,33,42,43が第2表面22上に形成されるため、配線基板80の切断時に第2電極32,33,42,43が切断されない。そのため、得られた電子部品1においては、第2電極32,33,42,43にバリが形成されておらず、第2電極32,33,42,43の表面が平坦である。このような電子部品1は精度良く且つ安定的に実装することが可能である。
【0060】
また、電子部品1の製造方法においては、トランスファモールドにより樹脂部6を形成する。これにより、樹脂部6を形成するための成形型内に溶融樹脂を均一に流し込むことができ、樹脂部6を精度良く形成することができる。
【0061】
また、電子部品1の製造方法においては、樹脂部6の形成予定領域の縁Aに沿って延在する延在部31d,41dを有する第1電極31,41を形成し、樹脂部6を形成するための成形型によって延在部31d,41dを押圧しつつ、樹脂部6を形成する。これにより、第1電極31,41と成形型とは密着し易いため、溶融樹脂の漏出を抑制することができる。更に、第1電極31,41を配線基板80に強固に固定することができる。
【0062】
また、電子部品1の製造方法においては、ブレードダイシングにより配線基板80を切断する。これにより、配線基板80を高速に且つ精度良く切断することができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、上記実施形態において、第1電極31,41の全ての縁が、側面23~26から離間していてもよい。この場合、第1電極31,41にバリが形成されるのを抑制することができ、その結果、当該バリに起因する短絡等の発生を抑制することができる。更に、電子部品1のハンドリング性を向上することもできる。この場合、上述した第2ステップでは、ダイシングラインLから離間した第1電極31,41が形成される。なお、「第1電極31,41の縁が側面23~26から離間している」とは、第1電極31,41の縁が縁21a~21dのいずれかに至っている場合(平面視において第1電極31,41の縁が縁21a~21dのいずれかと重なっている場合)を含まない。
【0064】
上記実施形態では、溝部27が第1表面21及び第2表面22の角部に配置されていたが、溝部27は、角部から離間して配置されていてもよい。換言すれば、溝部27は、第1表面21及び第2表面22の辺部に配置されていてもよい。配線基板2は、角部に配置された溝部27と、角部から離間して配置された溝部27とを有していてもよいし、角部から離間して配置された溝部27のみを有していてもよい。配線基板2は、1つの溝部27のみを有していてもよい。この場合、溝部27に配置されない接続導体34又は接続導体35は、配線基板2の内部を通るように設けられてもよい。
【0065】
上記実施形態では、電極4が一対の第2電極32,33及び一対の接続導体34,35を有していたが、電極3は、1つの第2電極及び1つの接続導体のみを有していてもよい。同様に、電極4は、1つの第2電極及び1つの接続導体のみを有していてもよい。第1電極31,41及び第2電極32,33,42,43の形状は上述した例に限られない。溝部27の断面形状は扇形状に限られない。例えば、溝部27は、第1表面21及び第2表面22の辺部に配置される場合、半円形状を呈していてもよい。
【0066】
電子素子5は、受光素子等の他の半導体素子であってもよい。樹脂部6は、必ずしもレンズとして機能するものでなくてもよく、樹脂部6における第1表面21とは反対側の表面は平坦であってもよい。樹脂部6は、第1表面21の全面に配置されていてもよい。上記実施形態において、樹脂部6は、トランスファモールドに代えて、コンプレッションモールド、キャスティング、ポッティング、又は成形物(キャップ等)の貼り付けにより形成されてもよい。配線基板80は、ブレードダイシングに代えて、ブレーキング又はレーザ加工により切断されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…電子部品、2…配線基板、21…第1表面、21a~21d…縁、22…第2表面、22a~22d…縁、23~26…側面、27…溝部、27a…内面、31,41…第1電極、31d,41d…延在部、32,33,42,43…第2電極、34,35,44,45…接続導体、5…電子素子、6…樹脂部、61…レンズ部、62a…端面、70…貫通孔、80…配線基板、L…ダイシングライン(カットライン)。