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  • 特許-コンテンツ再生装置、及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】コンテンツ再生装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20221215BHJP
   A63F 13/85 20140101ALI20221215BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20221215BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20221215BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20221215BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
E05B47/00 R
A63F13/85
A63F13/25
A63F13/90
H04N5/765
E05B65/00 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018107443
(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公開番号】P2019210693
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月20日における公表
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 久徳
(72)【発明者】
【氏名】司馬田 尊文
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-143978(JP,A)
【文献】特開2010-068932(JP,A)
【文献】特開2010-242448(JP,A)
【文献】国際公開第2017/119444(WO,A1)
【文献】特開2001-017732(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276943(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 47/00
A63F 13/85
A63F 13/25
A63F 13/90
H04N 5/765
E05B 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容するロッカーとユーザの頭部に装着可能な表示装置とを有し、前記表示装置にコンテンツを表示させるコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツの再生が開始される前に、シートベルトの装着を促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが装着された場合、前記ロッカーの電子錠を施錠し、コンテンツの再生が終了された後に、シートベルトの取り外しを促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが取り外された場合、前記ロッカーの電子錠を解錠する制御部を有するコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示装置が前記ユーザの頭部に装着される前に、前記ロッカーの電子錠を施錠する、
請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示装置が前記ユーザの頭部に装着される前に、前記ロッカーの電子錠を施錠するとともに、前記ロッカーが施錠されていることを前記ユーザに通知する、
請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ロッカーへの収納を促すガイダンスを再生し、前記ロッカーの電子錠を施錠した後、前記表示装置の装着を促すガイダンスを再生する、
請求項2または3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示装置の装着を促すガイダンスを再生し、前記表示装置が第1位置に移動された場合、前記ロッカーの電子錠を施錠する、
請求項2または3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示装置が前記ユーザの頭部から取り外された後に、前記ロッカーの電子錠を解錠する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示装置が前記ユーザの頭部から取り外された後に、前記ロッカーの電子錠を解錠するとともに、前記ロッカーが解錠されていることを前記ユーザに通知する、
請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記表示装置の取り外しを促すガイダンスを再生した後、前記ロッカーの電子錠を解錠する、
請求項6または7に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記表示装置が第2位置に移動された場合、前記ロッカーの電子錠を解錠する、
請求項6または7に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項10】
前記制御部は、地震、及び停電の少なくとも一つを検知すると、前記ロッカーの電子錠を解錠する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項11】
物品を収容するロッカーとユーザの頭部に装着可能な表示装置とを有し、前記表示装置にコンテンツを表示させるコンテンツ再生装置が、
前記コンテンツの再生が開始される前に、シートベルトの装着を促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが装着された場合、前記ロッカーの電子錠を施錠し、コンテンツの再生が終了された後に、シートベルトの取り外しを促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが取り外された場合、前記ロッカーの電子錠を解錠する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲームセンターや商業施設等に設置されるコンテンツ再生装置であって、ヘッドマウントディスプレイ(HMD、Head Mounted Display)をユーザの頭部に装着させ、コンテンツの状況に応じて、振動等をユーザに体感させるコンテンツ再生装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-102401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、ユーザが手荷物等を所持している場合に、荷物の盗難等が気になり、ユーザがコンテンツや体感に集中できない場合がある。
【0005】
そこで、ユーザがコンテンツ等により集中できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
物品を収容するロッカーとユーザの頭部に装着可能な表示装置とを有し、前記表示装置にコンテンツを表示させるコンテンツ再生装置が、前記コンテンツの再生が開始される前に、シートベルトの装着を促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが装着された場合、前記ロッカーの電子錠を施錠し、コンテンツの再生が終了された後に、シートベルトの取り外しを促すガイダンスを再生し、当該シートベルトが取り外された場合、前記ロッカーの電子錠を解錠する制御部を有する。

【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、ユーザがコンテンツ等により集中できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るコンテンツ再生装置の筐体の一例を示す図である。
図2A】実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成、及び配置例について説明する図である。
図2B】実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成、及び配置例について説明する図である。
図2C】実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成、及び配置例について説明する図である。
図3】制御装置のハードウェア構成の一例について説明する図である。
図4】制御装置の機能ブロック図である。
図5】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図6】制御部による前処理の一例を示すフローチャートである。
図7】収納装置へのユーザの荷物の収納を促すガイダンスの表示例を示す図である。
図8】シートベルトの装着を促すガイダンスの表示例を示す図である。
図9】ヘッドマウントディスプレイ等の装着を促すガイダンスの表示例を示す図である。
図10】制御部による後処理の一例を示すフローチャートである。
図11】収納装置からの荷物の取り出しを促すガイダンスの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0010】
<コンテンツ再生装置の筐体>
図1は、実施形態に係るコンテンツ再生装置10の筐体100の一例を示す図である。筐体100は、フロントボディ100A及びリアボディ100Bを有する。リアボディ100Bには、コンテンツの再生中にユーザが座るための搭乗部103が設けられている。フロントボディ100A及びリアボディ100Bが連結されると、フロントボディ100Aとリアボディ100Bとの間から、ユーザが筐体100の内部に入ることができる。
【0011】
コンテンツ再生装置10は、ゲームソフト(コンピュータゲーム)、及び映画等の動画(以下で「コンテンツ」と称する。)を再生(実行)する。なお、図1に示すコンテンツ再生装置10は、例えば、ゲームセンター等に設置されるゲーム装置でもよい。なお、実施形態に係るコンテンツ再生装置10は、映画館、及び遊園地等に設置されてもよい。映画館や遊園地に設置される場合、コンテンツ再生装置10は筐体100を有しなくてもよい。また、筐体100の形状を、例えば、個室、または乗り物等の形状にしてもよい。
【0012】
<コンテンツ再生装置の構成>
次に、図2A乃至図2Cを参照し、実施形態に係るコンテンツ再生装置10の構成、及び配置例について説明する。図2A乃至図2Cは、実施形態に係るコンテンツ再生装置10の構成、及び配置例について説明する図である。
【0013】
図2Aには、コンテンツ再生装置10の構成が示されている。図2Bには、フロントボディ100Aにおける各機器の配置例が示されている。図2Cには、リアボディ100Bにおける各機器の配置例が示されている。
【0014】
図2A乃至図2Cに示すように、コンテンツ再生装置10は、筐体100、ヘッドマウントディスプレイ101A、ヘッドフォン101B、コントローラ102、搭乗部103、体感装置104A、体感装置104B、体感装置104C、体感装置104D、・・・(以下で、それぞれを区別する必要がない場合は、単に「体感装置104」と称する。)、シートベルト105、モニタ106A、スピーカ106B、収納装置107(「収納部」の一例。)、カメラ108、及び制御装置110等を有する。
【0015】
ヘッドマウントディスプレイ101A、ヘッドフォン101B、コントローラ102、体感装置104、シートベルト105、モニタ106A、スピーカ106B、収納装置107、及びカメラ108は、ケーブル等で制御装置110とそれぞれ接続されている。
【0016】
ヘッドマウントディスプレイ101Aは、例えば、ユーザの頭部に装着可能な表示装置(ヘッドセット)であり、コンテンツの再生中において、ユーザの視線方向の変更に応じて、360度見渡せる3次元のバーチャルリアリティ(VR、Virtual Reality)映像を表示する。また、ヘッドマウントディスプレイ101Aは、例えば、コンテンツの再生が開始される前に、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の装着を促すガイダンスの画像を表示する。また、ヘッドマウントディスプレイ101Aは、例えば、コンテンツの再生が終了した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の取り外しを促すガイダンスの画像を表示する。
【0017】
ヘッドフォン101Bは、例えば、ユーザの頭部に装着するヘッドフォンであり、コンテンツの音声等を出力する。また、ヘッドフォン101Bは、例えば、コンテンツの再生が開始される前に、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の装着を促すガイダンスの音声を出力する。また、ヘッドフォン101Bは、例えば、コンテンツの再生が終了した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の取り外しを促すガイダンスの音声を出力する。なお、ヘッドマウントディスプレイ101Aとヘッドフォン101Bは、一体の装置として構成されてもよい。
【0018】
コントローラ102は、例えば公知のゲーム用のコントローラでもよいし、簡略化した略棒状等のコントローラでもよい。また、コントローラ102は、音声入力による操作を行えるものでもよいし、タッチパネルでもよい。また、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101Aを通じて目前にタッチパネル式の入力装置があるように表示し、ユーザが空中で指を動かすことで仮想のタッチパネルに入力する仮想のタッチパネルでもよい。
【0019】
体感装置104Aは、例えば、アクチュエータであり、再生中のコンテンツの状況に応じて搭乗部103を上下、前後、左右に移動させ、ユーザに遥動や振動等を体感させる装置である。
【0020】
体感装置104Bは、香りを放出する装置であり、コンテンツの再生中においてユーザに香りを体感させる装置である。
【0021】
体感装置104Cは、風、温風、冷風、及び霧混じりの風等を送る装置であり、例えばペルチェ素子、加湿装置、及び送風装置を有する。体感装置104Cは、コンテンツの再生中においてユーザに、例えば、風により空間の広がり等を感じさせる。また、体感装置104Cは、例えば、温風、及び冷風により、環境の変化等を感じさせる。また、体感装置104Cは、例えば、霧混じりの風により、雨や湿気など気候を感じさせる。
【0022】
体感装置104Dは、例えば、ポリチューブのようなソフトな素材の複数のフィルムが棒状部材(ロール)に取り付けられ、棒状部材を回転させ、フィルムをユーザの足に接触させることにより、コンテンツの再生中においてユーザに地を這う生物との接触等を体感させる装置である。
【0023】
シートベルト105は、ユーザの身体を搭乗部103に拘束するためのベルト状の安全装置である。シートベルト105は、ベルト105A、タング105B、及びバックル105Cを有する。搭乗部103に座っているユーザにより、ベルト105Aの先端に取り付けられたタング105Bがバックル105Cに挿されると、タング105Bがバックル105Cに固定され、シートベルト105が締められる。そして、搭乗部103に座っているユーザにより、バックル105Cのボタンが押されると、タング105Bがバックル105Cから外れ、シートベルト105が外れる。
【0024】
バックル105Cと制御装置110とは、ケーブルによって接続されており、バックル105Cは、タング105Bの着脱を制御装置110に通知する。
【0025】
モニタ106Aは、例えば、コンテンツの再生が開始される前に、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の装着を促すガイダンスの画像を表示する。また、モニタ106Aは、例えば、コンテンツの再生が終了した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の取り外しを促すガイダンスの画像を表示する。なお、モニタ106Aは、ヘッドマウントディスプレイ101Aと同じガイダンスの画像を表示してもよい。
【0026】
スピーカ106Bは、例えば、コンテンツの再生が開始される前に、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の装着を促すガイダンスの音声を出力する。また、スピーカ106Bは、例えば、コンテンツの再生が終了した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aやシートベルト105の取り外しを促すガイダンスの音声を出力する。なお、スピーカ106Bは、ヘッドフォン101Bと同じガイダンスの音声を出力してもよい。
【0027】
収納装置107は、例えば、ユーザが荷物等の物品を収容するためのロッカーであり、制御装置110からの制御信号に従い、電子錠107Aにより施錠、及び解錠を行う。収納装置107の電子錠107Aとして、例えば、通電により施錠または解錠を行うソレノイド電子錠を用いてもよい。
【0028】
カメラ108は、例えば、ステレオカメラによりヘッドマウントディスプレイ101Aに設けられたLEDからの可視光線を検出し、ヘッドマウントディスプレイ101Aを装着しているユーザの位置、及び向き(顔が向いている方向)を検出する。そして、判定したユーザの位置及び向きを制御装置110に通知する。
【0029】
制御装置110は、例えば、家庭用のゲーム機と、専用のシステムボードとをUSB(Universal Serial Bus)等で接続することにより構成されてもよい。制御装置110は、コントローラ102等からの入力に応答して、コンテンツを再生するとともに、ヘッドマウントディスプレイ101A、及びヘッドフォン101Bに、コンテンツの映像、及び音声をそれぞれ出力する。
【0030】
また、制御装置110は、コンテンツを再生し、再生中のコンテンツの状況に応じて体感装置104を制御する。また、制御装置110は、コンテンツの実行を開始する前に収納装置107の電子錠107Aを施錠し、コンテンツの実行が終了した後に収納装置107の電子錠107Aを開錠する制御を行う。
【0031】
<制御装置のハードウェア構成>
次に、図3を参照し、コンテンツ再生装置10が有する制御装置110のハードウェア構成について説明する。図3は、制御装置110のハードウェア構成の一例について説明する図である。
【0032】
図3に示す制御装置110は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置111、補助記憶装置112、メモリ装置113、CPU114、インタフェース装置115等を有する。
【0033】
制御装置110での処理を実現する制御プログラムは、記録媒体111Aによって提供される。制御プログラムを記録した記録媒体111Aがドライブ装置111にセットされると、制御プログラムが記録媒体111Aからドライブ装置111を介して補助記憶装置112にインストールされる。但し、制御プログラムのインストールは必ずしも記録媒体111Aより行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置112は、インストールされた制御プログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0034】
メモリ装置113は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置112からプログラムを読み出して格納する。CPU114は、メモリ装置113に格納されたプログラムに従って制御装置110に係る機能を実現する。インタフェース装置115は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0035】
なお、記録媒体111Aの一例としては、CD-ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置112の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体111A及び補助記憶装置112のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0036】
<機能構成>
次に、図4を参照し、制御装置110の機能構成について説明する。図4は、制御装置110の機能ブロック図である。
【0037】
コンテンツ再生装置10の制御装置110は、記憶部11を有する。記憶部11は、例えば、補助記憶装置112等を用いて実現される。記憶部11は、ゲームソフト等のコンテンツを記憶する。
【0038】
コンテンツ再生装置10の制御装置110は、コンテンツ再生部12、及び制御部13を有する。これら各部は、制御装置110にインストールされた1以上のプログラムが、制御装置110のCPU114に実行させる処理により実現される。
【0039】
コンテンツ再生部12は、コントローラ102で受け付けた操作に応答して、記憶部11に記憶されているコンテンツを再生し、コンテンツの動画像、及び音を、ヘッドマウントディスプレイ101A、及びヘッドフォン101Bにそれぞれ出力する。
【0040】
制御部13は、コンテンツ再生部12により再生されているコンテンツの状況に応じて、体感装置104等の制御を行う。制御部13は、例えば、ユーザが敵のキャラクタから攻撃されているシーンで、体感装置104Aを動作させることにより、ユーザに衝撃等を体感させる。
【0041】
また、制御部13は、コンテンツ再生部12によりコンテンツの再生が開始される前に、収納装置107の電子錠107Aを施錠する。そして、制御部13は、コンテンツの再生が終了された後に収納装置107の電子錠107Aを解錠する。
【0042】
<処理>
次に、図5を参照し、制御部13の処理について説明する。図5は、制御部13の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
まず、ステップS1において、制御部13は、ユーザからの所定の操作を受け付ける。ここで、制御部13は、例えば、硬貨または紙幣の投入、あるいは近距離無線通信等を用いた電子決済により、コンテンツの実行に対する代金の支払いを受け付ける。
【0044】
続いて、制御部13は、荷物の収納、シートベルトの装着、ヘッドマウントディスプレイ101Aの装着等を促す各種のガイダンスを再生するとともに、収納装置107の電子錠107Aを施錠する(ステップS2)。なお、以下で、ステップS2の処理を「前処理」と称する。
【0045】
続いて、コンテンツ再生部12は、コンテンツの再生を開始する(ステップS3)。続いて、制御部13は、コンテンツの状況に応じて、体感装置104を制御する(ステップS4)。続いて、コンテンツ再生部12は、コンテンツの再生を終了する(ステップS5)。
【0046】
続いて、制御部13は、荷物の取り出し、シートベルトの取り外し、ヘッドマウントディスプレイ101Aの取り外し等を促す各種のガイダンスを再生するとともに、収納装置107の電子錠107Aを解錠し(ステップS6)、処理を終了する。なお、以下で、ステップS6の処理を「後処理」と称する。
【0047】
≪前処理≫
次に、図6乃至図9を参照し、コンテンツの再生を開始する前に実行される、図5のステップS2の処理(前処理)について説明する。図6は、制御部13による前処理の一例を示すフローチャートである。図7は、収納装置107へのユーザの荷物の収納を促すガイダンスの表示例を示す図である。図8は、シートベルト105の装着を促すガイダンスの表示例を示す図である。図9は、ヘッドマウントディスプレイ101A等の装着を促すガイダンスの表示例を示す図である。
【0048】
ステップS101において、制御部13は、収納装置107へのユーザの荷物の収納を促すガイダンスを再生する。ここで、制御部13は、図7に示すガイダンスの画像をモニタ106Aに表示させるとともに、「荷物があればロッカーに入れて下さい。」等の音声をスピーカ106Bに出力させる。図7の例では、「手荷物入れは正面右下にあります」等のメッセージ701と、フロントボディ100Aにおける収納装置107の位置を示す画像702が表示されている。
【0049】
続いて、制御部13は、シートベルト105の装着を促すガイダンスを再生する(ステップS102)。ここで、制御部13は、図8に示すガイダンスの画像をモニタ106Aに表示させるとともに、「シートベルトを締めて下さい。」等の音声をスピーカ106Bに出力させる。図8の例では、「シートベルトを締めて下さい」等のメッセージ801と、シートベルトの装着方法を示す画像802が表示されている。
【0050】
続いて、制御部13は、シートベルト105が装着されたことを検知する(ステップS103)。続いて、制御部13は、収納装置107の電子錠107Aを施錠する(ステップS104)。シートベルト105により身体が拘束されている場合は、荷物を収納装置107の内部に入れることが比較的困難となるため、シートベルト105を装着する前に、ユーザが荷物を収納装置107に収納していると考えられる。そこで、ステップS104の処理により、シートベルト105によりユーザの身体が拘束された際に、収納装置107の施錠が自動で行われるようにする。
【0051】
なお、制御部13は、収納装置107の電子錠107Aを施錠するとともに、収納装置107の電子錠107Aが施錠されていることをユーザに通知してもよい。この場合、制御部13は、例えば、モニタ106A、及びスピーカ106Bにより、画像及び音声で施錠したことを通知してもよい。または、例えば、収納装置107の扉に設置されている赤ランプの点灯等により施錠されていることを通知してもよい。これにより、ユーザは、収納装置107の電子錠107Aが施錠されていることを、ヘッドマウントディスプレイ101A等の装着前に目視等で確認することができる。
【0052】
続いて、制御部13は、ヘッドマウントディスプレイ101A、及びヘッドフォン101Bの装着を促すガイダンスを再生し(ステップS105)、前処理を終了する。ここで、制御部13は、図9に示すガイダンスの画像をモニタ106Aに表示させるとともに、「ヘッドセットをかぶって下さい。」等の音声をスピーカ106Bに出力させる。図9の例では、「ヘッドセットをかぶって下さい。」等のメッセージ901と、ヘッドマウントディスプレイ101A等の装着方法を示す画像902が表示されている。
【0053】
これにより、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101A等がユーザの頭部に装着され、ユーザが収納装置107を目視できなくなる前に、収納装置107の施錠等を行うことができるため、ユーザは収納装置107の扉を手で引くこと等により、実際に施錠されているかを確認することができる。
【0054】
(前処理の変形例)
制御部13は、シートベルト105が装着された際に収納装置107の電子錠107Aを施錠する代わりに、またはこれに加えて、以下の場合に収納装置107の電子錠107Aを施錠してもよい。
【0055】
制御部13は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101Aの装着を促すガイダンスを再生した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aがユーザの頭部付近の位置(「第1位置」の一例。)に移動された場合に、収納装置107の電子錠107Aを施錠してもよい。これにより、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101A等がユーザの頭部に装着される前に、収納装置107の施錠等を行うことができる。なお、この場合、制御部13は、例えば、カメラ108により、ヘッドマウントディスプレイ101Aの位置を検出してもよい。
【0056】
≪後処理≫
次に、図10及び図11を参照し、コンテンツの再生を終了した後に実行される、図5のステップS6の処理(後処理)について説明する。図10は、制御部13による後処理の一例を示すフローチャートである。図11は、収納装置107からの荷物の取り出しを促すガイダンスの表示例を示す図である。
【0057】
ステップS201において、制御部13は、ヘッドマウントディスプレイ101A、及びヘッドフォン101Bの取り外しを促すガイダンスを再生する。
【0058】
続いて、制御部13は、シートベルト105の取り外しを促すガイダンスを再生する(ステップS202)。
【0059】
続いて、制御部13は、シートベルト105が取り外されたことを検知する(ステップS203)。続いて、制御部13は、収納装置107の電子錠107Aを解錠する(ステップS204)。
【0060】
続いて、制御部13は、収納装置107からの荷物の取り出しを促すガイダンスを再生し(ステップS205)、後処理を終了する。ここで、制御部13は、図11に示すガイダンスの画像をモニタ106Aに表示させるとともに、「忘れ物にお気を付け下さい」等の音声をスピーカ106Bに出力させる。図11の例では、「本日はプレイ頂き誠にありがとうございました」「忘れ物にお気を付け下さい」等のメッセージ1101と、フロントボディ100Aにおける収納装置107の位置を示す画像1102が表示されている。
【0061】
このように、制御部13は、ヘッドマウントディスプレイ101A等がユーザの頭部から取り外され、ユーザが収納装置107を目視できるようになった後に、収納装置107の解錠等を行う。これにより、例えば、ユーザがコンテンツの再生終了後に、ヘッドマウントディスプレイ101A等を直ちに取り外さずに、目を閉じて余韻を楽しむような場合でも、収納装置107に収納されている物品の盗難をより防ぐことができる。
【0062】
なお、制御部13は、収納装置107の電子錠107Aを解錠するとともに、収納装置107の電子錠107Aが解錠されていること(施錠されていないこと)をユーザに通知してもよい。この場合、制御部13は、例えば、モニタ106A、及びスピーカ106Bにより、画像及び音声で解錠したことを通知してもよい。または、例えば、収納装置107の扉に設置されている赤ランプの消灯等により解錠されていることを通知してもよい。これにより、ユーザは、収納装置107の電子錠107Aが解錠されていることをヘッドマウントディスプレイ101A等の装着後に目視等で確認することができる。
【0063】
また、上述した例のように、シートベルト105によりユーザの身体の拘束が解除された際に、収納装置107の施錠が自動で行われるようにすることにより、収納装置107に収納されている物品の盗難をより防ぐことができる。
【0064】
(後処理の変形例)
制御部13は、シートベルト105が取り外された際に収納装置107の電子錠107Aを解錠する代わりに、またはこれに加えて、以下の場合に収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。
【0065】
制御部13は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101Aの取り外しを促すガイダンスを再生した後、ヘッドマウントディスプレイ101Aが、カメラ108の下に設けられた台(テーブル)付近の位置(「第2位置」の一例。)に移動された場合に、収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。これにより、例えば、ヘッドマウントディスプレイ101A等がユーザの頭部から取り外された後に、収納装置107の解錠等を行うことができる。なお、この場合、制御部13は、例えば、カメラ108により、ヘッドマウントディスプレイ101Aの位置を検出してもよい。
【0066】
<変形例1>
制御部13は、コンテンツの再生中に地震、及び停電等の災害が発生を検知した場合、収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。これにより、例えば、地震等が発生した場合には、シートベルト105等を取り外す前に電子錠107Aが解錠されているため、ユーザはより迅速に収納装置107から荷物を取り出して避難することができる。
【0067】
この場合、制御部13は、例えば、コンテンツ再生装置10に設けられた地震センサにより所定の閾値以上の揺れを検知した場合、収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。または、制御部13は、例えば、コンテンツ再生装置10が設置されている地域に対する緊急地震警報を、インターネット等を介して受信した場合、収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。また、制御部13は、例えば、停電によりコンテンツ再生装置10に対する給電が停止した場合、収納装置107の電子錠107Aを解錠してもよい。
【0068】
<変形例2>
制御装置110は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0069】
<実施形態の効果>
従来、例えば、ゲームセンター等のゲーム装置、映画館、遊園地等のアトラクションにおいて、VR等のコンテンツを再生する場合、ユーザが施錠できない荷物置き場に荷物を置くと、荷物の盗難等が気になり、ユーザがコンテンツに集中できない場合がある。
【0070】
上述したように、実施形態に係るコンテンツ再生装置10は、コンテンツの再生が開始される前に、物品を収容する収納装置107の電子錠107Aを施錠し、コンテンツの再生が終了された後に電子錠107Aを解錠する。これにより、例えば、ゲームや映画等のコンテンツが再生されている間、貴重品や手荷物等の物品を安全に保管することができるため、ユーザはよりコンテンツに集中できる。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 コンテンツ再生装置
100 筐体
101A ヘッドマウントディスプレイ
101B ヘッドフォン
102 コントローラ
103 搭乗部
104 体感装置
105 シートベルト
106A モニタ
106B スピーカ
107 収納装置
107A 電子錠
108 カメラ
110 制御装置
11 記憶部
12 コンテンツ再生部
13 制御部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11