(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】貨幣処理システム、貨幣処理装置および貨幣処理方法
(51)【国際特許分類】
G07D 9/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
G07D9/00 Z
(21)【出願番号】P 2018109006
(22)【出願日】2018-06-06
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】小家 善朗
(72)【発明者】
【氏名】永井 孝和
(72)【発明者】
【氏名】木村 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】東川 誠久
(72)【発明者】
【氏名】本村 友彦
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177730(JP,A)
【文献】特開2017-228021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金される貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像
ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、
各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示させ、
各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする貨幣処理システム。
【請求項2】
前記貨幣情報は、複数の候補の中から選択により入力され、
前記制御部は、選択入力された前記貨幣情報を前記入力領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の貨幣処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、
前記貨幣情報が選択入力される際、適合の可能性の高い前記貨幣情報を、選択順が上位となる候補とする、
ことを特徴とする請求項
2に記載の貨幣処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記貨幣情報が選択入力される際、前記複数の候補を前記入力画面上に表示させ、
前記選択順が上位となる候補を、他の候補よりも強調させる、または、それら候補の並び順における上位の位置に配置させる、
ことを特徴とする請求項
3に記載の貨幣処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、
判定した前記貨幣情報を前記入力領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項1ないし
4の何れか一項に記載の貨幣処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
入金された貨幣の重なりの有無を判定し、
貨幣の重なりがある場合に、それに基づく表示を前記入力画面上に行う、
ことを特徴とする請求項1ないし
5の何れか一項に記載の貨幣処理システム。
【請求項7】
複数の貨幣を載置できる載置部を、さらに備え、
前記撮像部は、前記載置部に載置された前記複数の貨幣を撮像する、
ことを特徴とする請求項1ないし
6の何れか一項に記載の貨幣処理システム。
【請求項8】
入金される貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像
ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、
各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示させる、
ことを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項9】
貨幣処理システムが行う貨幣処理方法であって、
入金される複数の貨幣を撮像部により撮像し、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を表示部に表示し、
前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、
各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示し、
各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて記憶部に記憶する、
ことを特徴とする貨幣処理方法。
【請求項10】
入金される貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定し、
前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、
前記貨幣情報が、複数の候補の中から選択により入力される際、適合の可能性の高い前記貨幣情報を、選択順が上位となる候補とし、
選択入力された前記貨幣情報を前記入力領域に表示させ、
各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする貨幣処理システム。
【請求項11】
入金される貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定し、
前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、
前記貨幣情報が、複数の候補の中から選択により入力される際、適合の可能性の高い前記貨幣情報を、選択順が上位となる候補とし、
選択入力された前記貨幣情報を前記入力領域に表示させる、
ことを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項12】
貨幣処理システムが行う貨幣処理方法であって、
入金される複数の貨幣を撮像部により撮像し、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を表示部に表示し、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定し、
前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、
前記貨幣情報が、複数の候補の中から選択により入力される際、適合の可能性の高い前記貨幣情報を、選択順が上位となる候補とし、
選択入力された前記貨幣情報を前記入力領域に表示する、
ことを特徴とする貨幣処理方法。
【請求項13】
入金される複数の貨幣を載置できる載置部と、
前記載置部に載置された複数の貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定し、
各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする貨幣処理システム。
【請求項14】
入金される複数の貨幣を載置できる載置部と、
前記載置部に載置された複数の貨幣を撮像する撮像部と、
表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定する、
ことを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項15】
貨幣処理システムが行う貨幣処理方法であって、
入金される複数の貨幣を載置できる載置部に載置された複数の貨幣を撮像部により撮像し、
前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を表示部に表示し、
各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像に対応付けられた形態で前記入力画面上に設定し、
各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて記憶部に記憶する、
ことを特徴とする貨幣処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣を処理する貨幣処理システムおよび貨幣処理装置に関する。また、本発明は、これら貨幣処理システムおよび貨幣処理装置に用いて好適な貨幣処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、損貨(変形硬貨、汚損硬貨)や記念貨等の、市場流通に適さない特殊な硬貨を取り扱う硬貨処理装置が知られている。たとえば、このような硬貨処理装置の一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の硬貨処理装置では、入金口を介して筐体内部にある入金位置に一枚の硬貨が載置される。載置された硬貨は、入金位置においてカメラで撮像される。そしてこの画像は、硬貨の種類および金種に関する候補とともに表示部の入力画面上に表示される。操作者は、硬貨の画像を見ながら、その硬貨の種類および金種を複数の候補の中から選択する。硬貨の種類および金種が選択されると、これら情報が画像に紐付けられて記憶部に記憶される。その後、硬貨は、損貨であるか記念貨であるかに応じて、損貨箱または記念貨箱に振り分けて収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の硬貨処理装置では、入金対象の硬貨が複数枚ある場合に、1枚ずつ上記の操作が繰り返される。このため、ユーザにとって、入金操作が面倒であり、入金時間も長く掛かりやすい。
【0006】
特に、複数枚の硬貨について、それらの画像を一度にまたは連続して撮影するような構成が採られた場合であっても、入力画面が一枚の硬貨にしか対応していない場合には、一枚の硬貨についての選択処理が終わる度に入力画面を切り替えながら複数枚の硬貨について選択処理を行っていかなければならず、やはり、入金操作が面倒であり、入金時間も長く掛かりやすい。
【0007】
なお、旧券、損傷券等の特殊な紙幣を取り扱う紙幣処理装置についても、上記の硬貨処理装置と同様な入金操作が行われるため、上記のような課題が生じ得る。
【0008】
かかる課題に鑑み、本発明は、複数の貨幣を円滑かつ適切に処理することが可能な貨幣処理システム、貨幣処理装置および貨幣処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、貨幣処理システムに関する。この態様に係る貨幣処理システムは、入金される貨幣を撮像する撮像部と、表示部と、記憶部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示させ、各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる。
【0010】
たとえば、貨幣には、損貨(損傷硬貨)、旧貨(旧硬貨)、記念貨(記念硬貨)、損券(損傷紙幣)および旧券(旧紙幣)のうち、少なくとも何れか一つが含まれる。
【0011】
上記の構成によれば、操作者は、複数の貨幣の画像に対する貨幣情報の入力を一つの入力画面上で行うことができる。これにより、操作者は、貨幣の入金操作を円滑に行え、入金時間も短縮できる。また、操作者は、貨幣の画像に対応付けられた入力領域を容易に認識できる。さらに、操作者は、入力された貨幣情報を入力領域において確認できる。
【0014】
なお、特許請求の範囲の請求項1において、「近傍位置」には、入力領域の一部が貨幣の画像に重なる程度に近づいた位置が含まれる。
【0015】
本態様に係る貨幣処理システムにおいて、前記貨幣情報は、複数の候補の中から選択により入力され得る。この場合、前記制御部は、選択入力された前記貨幣情報を前記入力領域に表示させる。
【0016】
上記の構成によれば、操作者は、候補の中からの選択により貨幣情報を容易に入力できる。また、操作者は、入力された貨幣情報を入力領域において確認できる。
【0017】
上記の構成とされた場合、さらに、前記制御部は、前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、前記貨幣情報が選択入力される際、適合の可能性の高い前記貨幣情報を、選択順が上位となる候補とするような構成とされ得る。
【0018】
たとえば、前記制御部は、前記貨幣情報が選択入力される際、前記複数の候補を前記入力画面上に表示させ、前記選択順が上位となる候補を、他の候補よりも強調させる、または、それら候補の並び順における上位の位置に配置させる。
【0019】
このような構成とされれば、操作者は、貨幣情報を素早く入力できる。
【0020】
本態様に係る貨幣処理システムにおいて、前記制御部は、前記画像に基づいて、当該画像の貨幣に適合する前記貨幣情報を判定し、判定した前記貨幣情報を前記入力領域に表示させるような構成とされ得る。
【0021】
このような構成とされれば、入力領域に表示された貨幣情報が、対応する画像の貨幣情報に適合している場合に、操作者は、その画像についての貨幣情報を入力しなくて済む。よって、操作者は、貨幣の入金操作を一層円滑に行え、入金時間も一層短縮できる。
【0022】
本態様に係る貨幣処理システムにおいて、前記制御部は、入金された貨幣の重なりの有無を判定し、貨幣の重なりがある場合に、それに基づく表示を前記入力画面上に行うような構成とされ得る。
【0023】
上記の構成によれば、操作者は、入金された貨幣の中に重なる貨幣が存在することを入力画面上において把握できるので、不具合が生じたまま入金操作が継続されることを防止できる。
【0024】
本態様に係る貨幣処理システムにおいて、複数の貨幣を載置できる載置部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記撮像部は、前記載置部に載置された前記複数の貨幣を撮像する。
【0025】
上記の構成によれば、複数の貨幣を撮像する時間を短縮できるので、入金時間を一層短縮できる。
【0026】
本発明の第2の態様は、貨幣処理装置に関する。この態様に係る貨幣処理装置は、入金される貨幣を撮像する撮像部と、表示部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、複数の貨幣の入金があるとき、前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を前記表示部に表示させ、前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示させる。
【0027】
上記の構成によれば、第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0028】
本発明の第3の態様は、貨幣処理システムが行う貨幣処理方法に関する。この態様に係る貨幣処理方法は、入金される複数の貨幣を撮像部により撮像し、前記撮像部により撮像された複数の貨幣の画像を含む入力画面を表示部に表示し、前記入力画面上において、各前記画像に対する少なくとも金種を含む貨幣情報を入力するための入力領域を、各前記画像ごとに、各前記画像の近傍位置に視認可能に設定し、各前記画像に対して入力された前記貨幣情報を、各前記画像の近傍位置の前記入力領域に表示し、各前記画像と、当該画像に対して入力された前記貨幣情報とを対応付けて記憶部に記憶する。
【0029】
上記の構成によれば、第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0030】
上記のように、本発明によれば、複数の貨幣を円滑かつ適切に処理することが可能な貨幣処理システム、貨幣処理装置および貨幣処理方法を提供できる。
【0031】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る貨幣処理システムの外観を示す正面図である。
【
図2】
図2(a)、(b)は、第1実施形態に係る特殊硬貨処理装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3(a)、(b)は、第1実施形態に係る特殊硬貨処理装置の構成および動作を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4(a)、(b)は、第1実施形態に係る特殊硬貨処理装置の具体的構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5(a)は、第1実施形態に係る、硬貨載置ユニットを取り除いた特殊硬貨処理装置の構成を示す斜視図である。
図5(b)、(c)は、それぞれ、第1実施形態に係る、硬貨載置ユニットを上側および下側から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る、特殊硬貨処理装置の構成を示す断面図である。
【
図7】
図7(a)、(b)は、第1実施形態に係る、載置面に載置された硬貨の側面画像を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る特殊硬貨処理装置および操作端末の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る、特殊硬貨の入金処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10(a)~(d)は、それぞれ、第1実施形態に係る、特殊硬貨の入金処理の際に操作端末において表示される画面を示す図である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、第1実施形態に係る、硬貨の画像に対して金種を設定するための操作を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る、詳細画面を示す図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る、詳細画面の他の表示形態を示す図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る、有価媒体処理装置の内部構成を示す概要図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る、有価媒体処理装置の主たる構成を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る、損券等の特殊紙幣の入金処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17(a)~(c)は、それぞれ、第2実施形態に係る、特殊紙幣の入金処理の際に操作端末の操作表示部において表示される画面を示す図である。
図17(d)は、第2実施形態に係る、入金処理画面において、刷種項目および金種項目に対するドラッグの操作がなされたときの刷種および金種の変化について説明するための図である。
【
図18】
図18(a)~(d)は、変更例1に係る、特殊硬貨の入力処理において操作表示部に表示される入金処理画面が、処理の進行に応じて遷移する様子を示す図である。
【
図19】
図19(a)は、変更例2に係る、特殊硬貨の入金処理において操作表示部に表示される入金処理画面を示す図である。
図19(b)~(d)は、変更例2に係る、ウィンドウの他の例を示す図である。
【
図20】
図20は、変更例3に係る、特殊硬貨の入金処理において操作表示部301に表示される入金処理画面を示す図である。
【
図21】
図21は、さらに他の変更例に係る特殊硬貨処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0034】
本実施形態において、第1載置領域21および第2載置領域22が、特許請求の範囲に記載の「載置部」に対応する。また、カメラ51および読取部530が、特許請求の範囲に記載の「撮像部」に対応する。さらに、操作表示部301が、特許請求の範囲に記載の「表示部」に対応する。さらに、入金処理画面440、480が、特許請求の範囲に記載の「入力画面」に対応する。さらに、項目442d、刷種項目482bおよび金種項目482cが、特許請求の範囲に記載の「入力領域」に対応する。
【0035】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0036】
<第1実施形態>
図1は、貨幣処理システム1の外観を示す正面図である。
【0037】
貨幣処理システム1は、バラ紙幣処理装置2と、束紙幣処理装置3と、バラ硬貨処理装置4と、包装硬貨処理装置5と、有価媒体処理装置6と、特殊硬貨処理装置7と、操作端末8と、貨幣保管装置9と、を備える。
【0038】
バラ紙幣処理装置2は、バラ紙幣を金種別に収納できる紙幣収納部を有し、バラ紙幣を紙幣収納部へ入金する入金処理や紙幣収納部からバラ紙幣を出金する出金処理を行う。束紙幣処理装置3は、所定枚数(たとえば、100枚)のバラ紙幣を結束して束紙幣(帯封紙幣)を形成する束紙幣形成部と、束紙幣を収納する束紙幣収納部とを有する。束紙幣処理装置3は、バラ紙幣処理装置2と接続されており、バラ紙幣処理装置2から送られてきたバラ紙幣をもとに束紙幣形成部で束紙幣を生成して外部に投出し、あるいは、生成した束紙幣を束紙幣収納部に収納する。
【0039】
バラ硬貨処理装置4は、バラ硬貨を金種別に収納できる硬貨収納部を有し、バラ硬貨を硬貨収納部へ入金する入金処理や硬貨収納部からバラ硬貨を出金する出金処理を行う。包装硬貨処理装置5は、所定枚数(たとえば、50枚)のバラ硬貨を包装して包装硬貨を形成する包装硬貨形成部と、包装硬貨を収納する包装硬貨収納部とを有する。包装硬貨処理装置5は、バラ硬貨処理装置4と接続されており、バラ硬貨処理装置4から送られてきたバラ硬貨をもとに包装硬貨形成部で包装硬貨に生成して外部に投出し、あるいは、生成した包装硬貨を装硬貨収納部に収納する。
【0040】
有価媒体処理装置6は、バラ紙幣処理装置2および束紙幣処理装置3で取り扱われない有価媒体の処理を行う。具体的には、有価媒体処理装置6は、損券収納部、有価証券収納部を有し、現在発行されていない紙幣である旧券、市場流通に適さない損券および汚れや破れによってバラ紙幣処理装置2で処理できない損傷券を損券収納部に対して入出金する処理、および、小切手や手形などの特定の有価証券を有価証券収納部に対して入出金する処理を行う。また、有価媒体処理装置6は、新券収納部を有し、未使用の紙幣である新券を新券収納部から出金する処理を行う。
【0041】
特殊硬貨処理装置7は、損貨(変形貨幣、汚損貨幣)、旧貨、記念貨等の市場流通に適さない特殊な硬貨を取り扱う。これら特殊な硬貨は、バラ硬貨処理装置4では、取り扱うことができない。
【0042】
操作端末8は、操作表示部301と、プリンタ302とを備える。ユーザは、操作端末8を用いて、バラ紙幣処理装置2、束紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9に対する入金処理のための操作や出金処理のための操作を行う。
【0043】
貨幣保管装置9は、損貨(変形貨幣、汚損貨幣)、旧貨、記念貨等の市場の流通に適さない特殊な硬貨等の保管に用いられる。また、貨幣保管装置9は、束紙幣処理装置3に収納しきらない束紙幣や包装硬貨処理装置5に収納しきらない包装硬貨の保管に用いられる。
【0044】
図2(a)、(b)は、特殊硬貨処理装置7の構成を示す斜視図である。
【0045】
特殊硬貨処理装置7は、直方体形状の筐体10により、外郭が形成される。筐体10の上部前側に開口11が形成されている。この開口11が、シャッター12により開閉される。
図2(a)には、開口11がシャッター12により閉じられた状態が示され、
図2(b)には、開口11が開放された状態が示されている。シャッター12は、筐体10の左右の内側面に形成されたガイド溝13に沿って、前後方向に移動可能に筐体10に支持されている。
【0046】
シャッター12が開放されると、左右に並ぶ第1載置領域21と第2載置領域22が、外部に露出する。第1載置領域21と第2載置領域22は、仕切り23によって仕切られている。第1載置領域21の直下に、第1載置領域21に載置された硬貨を収納するための第1収納庫31が前方に引き出し可能に設置されている。また、第2載置領域22の直下に、第2載置領域22に載置された硬貨を収納するための第2収納庫32が前方に引き出し可能に設置されている。すなわち、第1載置領域21と第2載置領域22にそれぞれ対応付けられて、第1収納庫31と第2収納庫32が設けられている。
【0047】
本実施形態では、第1載置領域21が損貨の載置領域に設定され、第2載置領域22が記念貨の載置領域に設定されている。したがって、第1収納庫31には損貨が収納され、第2収納庫32には記念貨が収納される。第1収納庫31と第2収納庫32の真上の位置に、それぞれ、第1載置領域21と第2載置領域22に載置されるべき硬貨の種類を示すラベル33、34が付設されている。操作者は、これらのラベル33、34を参照することにより、第1載置領域21と第2載置領域22に載置されるべき硬貨の種類を把握できる。
【0048】
図3(a)、(b)は、特殊硬貨処理装置7の構成および動作を模式的に示す断面図である。
図3(a)、(b)には、それぞれ、
図2(a)のA-A’断面図が示されている。
図3(a)は、第1載置領域21と第2載置領域22に対象の硬貨が載置された後、シャッター12が閉じられた直後の状態が示され、
図3(b)には、その後、収納動作が開始された状態が示されている。
【0049】
図3(a)、(b)に示すように、第1載置領域21は、枠部材24と載置部材25とで構成されている。枠部材24の内側面は、仕切り23の側面とともに、第1載置領域21の内側面を構成し、載置部材25の上面は、第1載置領域21の底面、すなわち、第1載置領域21における硬貨の載置面を構成する。枠部材24は、筐体10内部に固定され、載置部材25は、前後に移動可能に、支持フレーム41に支持されている。支持フレーム41には、枠部材24の内側面と第1収納庫31とを連通させる開口41aが設けられている。第2載置領域22も、
図3(a)、(b)と同様の構成である。
【0050】
シャッター12の上部内側面には、第1載置領域21および第2載置領域22の両方を画角に含むカメラ51が設置されている。すなわち、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨は、全て、1つのカメラ51で同時に撮像される。この他、筐体10の内部には、第1載置領域21および第2載置領域22を照明するための発光ユニット(図示せず)が設置されている。
【0051】
図3(a)の状態から、載置部材25が図示しない駆動機構により後方に移動されると、第1載置領域21の底面が徐々に開放される。これにより、
図3(b)に示すように、硬貨C1が、開放された底面から開口41aを介して第1収納庫31の内部に落下する。載置部材25は、前端が枠部材24の後端側の内側面の位置まで移動する。これにより、第1載置領域21に載置された全ての硬貨C1が、第1収納庫31の内部に落下して、第1収納庫31に収納される。第2載置領域22に載置された硬貨も、同様の動作により、第2収納庫32に収納される。
【0052】
ところで、
図3(b)に示した硬貨の収納動作は、
図3(a)の状態において、カメラ51で撮像された各硬貨の撮像画像に対し、操作者が、所定の金種を割り当てた後、確定操作を行うことにより実行される。ここで、各硬貨の撮像画像は、硬貨ごとに切出されて、操作端末8に表示される。操作者は、操作端末8に表示された各硬貨の撮像画像を目視で確認しつつ、各撮像画像に当該硬貨の金種を設定する。その後、操作者が、操作端末8に対して確定操作を入力することにより、各撮像画像に金種が紐づけられて、操作端末8の記憶部に記憶される。こうして、各硬貨が管理される。
【0053】
しかし、このとき、複数の硬貨が重なった状態で、第1載置領域21または第2載置領域22の載置面に載置されることが起こり得る。この場合、下側の硬貨が、上側の硬貨に隠れて、カメラ51で撮像されないことがある。こうして撮像された画像を参照しても、操作者は、下側の硬貨の存在に気づかずに、実際に撮像された硬貨に対してのみ、金種の選択および入金のための確定処理を行うことになってしまう。これにより、違算が生じ得る。
【0054】
そこで、本実施形態では、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨の重なりを検出するための構成が設けられている。以下、この構成について、
図4(a)~
図6を参照して説明する。便宜上、
図4(a)~
図6では、より詳細な構成を示すために、新たな番号体系で各部材に番号が付されている。
【0055】
図4(a)、(b)は、特殊硬貨処理装置7の具体的構成を示す斜視図である。
【0056】
図4(a)、(b)には、筐体10内に収容された構造体の構成が示されている。
図4(a)は、載置部材132が最も前方に移動した状態を示し、
図4(b)は、載置部材132が最も後方に移動した状態を示している。
【0057】
特殊硬貨処理装置7は、支持フレーム101と、壁板111、121と、硬貨載置ユニット130と、仕切り141と、駆動機構150とを備えている。
【0058】
支持フレーム101は、金属材料から構成され、底板の左右両端から側板101a、101bが立ち上がった形状を有する。支持フレーム101の上部に、壁板111、121が前後に並ぶように設置されている。これら壁板111、121に仕切り141が設置されている。壁板111の上端111a、111bは、それぞれ、載置部材131、132の上面に沿った形状を有し、載置部材131、132の上面よりも上方に突出している。壁板121の下端121a、121bは、それぞれ、載置部材131、132の上面に沿った形状を有し、載置部材131、132の上面よりも上方に僅かに後退している。
【0059】
支持フレーム101の後端から前方に延びるようにガイド部材102が設置されている。また、支持フレーム101の左右の側板101a、101bの内側面に、それぞれ、前後に延びるガイド部材103が設置されている。ガイド部材102、103によって、硬貨載置ユニット130が、前後に移動可能に、支持フレーム101に支持されている。
【0060】
図5(a)は、
図4(a)、(b)の構造体から硬貨載置ユニット130を取り除いた構成を示す斜視図である。
図5(b)、(c)は、それぞれ、硬貨載置ユニット130を上側および下側から見た斜視図である。
【0061】
図5(b)、(c)に示すように、硬貨載置ユニット130は、載置部材131、132と、ベース部材133と、ラックギア134と、を備える。ベース部材133の上面前方に載置部材131、132が、左右に並ぶように設置されている。また、ベース部材133の上面後方にラックギア134が前後に延びるように設置されている。ベース部材133の前側には、左右方向の中央位置に、前後に延びる切欠き136が設けられている。この切欠き136を下方から覆うように、矩形のカバー137が設置されている。
【0062】
ベース部材133は、平面視において長方形の形状を有する。ベース部材133の外縁は、全周に亘って立ち上げられている。ベース部材133の左右の側面に、それぞれ、ローラ135が2つずつ設けられている。また、カバー137の下面にも、2つのローラ138が設けられている。
【0063】
載置部材131には、3つの載置面131aが所定の段差で形成されている。これら3つの載置面131aは、所定の段差で一方向に変位するように、すなわち、隣り合う載置面131aの高さ方向における変位の方向が全ての隣り合う載置面131aにおいて同じであるように配置されている。具体的には、最も右側の載置面131aに対して右から2番目の載置面131aが上方向の変位しており、右から2番目の載置面131aに対して最も左側の載置面131aが上方向に変位している。
【0064】
これら3つの載置面131aは、水平面に対して、右側が低くなるように、所定の角度(数度程度)だけ傾いている。各載置面131aの左右方向の幅は、載置面131aに対する載置対象の硬貨のうち直径が最大の硬貨の直径よりもやや大きい。また、各載置面131aの前後方向の幅は、載置対象の硬貨のうち直径が最大の硬貨の直径よりも大きく、本実施形態では複数枚(たとえば、4枚)載置可能に設定されている。
【0065】
隣り合う載置面131a間の段差によって、これら載置面131aの境界に壁面131bが形成されている。壁面131bの高さ方向の幅は、載置面131aに対する載置対象の硬貨のうち厚みが最大の硬貨の厚みよりも大きい。また、各載置面131aの右側端部には、上方に突出する突部131cが前後に延びるように形成されている。この突部131cによって、載置面131aから硬貨が滑り落ちることが規制される。
【0066】
載置部材132には、2つの載置面132aが所定の段差で形成されている。
【0067】
これら2つの載置面132aは、所定の段差で一方向に変位するように、すなわち、一方の載置面132aに対して他方の載置面132aが、段差をもって所定の一方向に変位するように配置されている。具体的には、左側の載置面132aに対して右側の載置面131aが上方向の変位している。
【0068】
これら2つの載置面132aは、水平面に対して、左側が低くなるように、所定の角度(数度程度)だけ傾いている。各載置面132aの左右方向の幅は、載置面132aに対する載置対象の硬貨のうち直径が最大の硬貨の直径よりもやや大きい。また、各載置面132aの前後方向の幅は、載置対象の硬貨のうち直径が最大の硬貨の直径よりも大きく、本実施形態では複数枚(たとえば、2枚)載置可能に設定されている。
【0069】
隣り合う載置面132a間の段差によって、これら載置面132aの境界に壁面132bが形成されている。壁面132bの高さ方向の幅は、載置面132aに対する載置対象の硬貨のうち厚みが最大の硬貨の厚みよりも大きい。また、各載置面132aの左側端部には、上方に突出する突部132cが前後に延びるように形成されている。この突部132cによって、載置面132aから硬貨が滑り落ちることが規制される。
【0070】
硬貨載置ユニット130は、左右のローラ135がそれぞれ、左右に並ぶ一対のガイド部材103に嵌められ、さらに、下面のローラ138がガイド部材102に嵌められることにより、支持フレーム101に支持される。このとき、仕切り141の下端がベース部材133の切欠き136に嵌まる。また、ラックギア134が、駆動機構150のギア152に噛み合う。こうして、
図4(a)の構造体が構成される。
【0071】
図4(a)に戻り、駆動機構150は、モータ151とギア152を備える。駆動機構150は、支持フレーム101とは別の部材に固定されている。モータ151の駆動に応じてギア152が駆動される。これにより、駆動力がギア152からラックギア134に伝達されて、硬貨載置ユニット130が前後に移動される。
【0072】
図4(a)において、第1載置領域21は、壁板111、121と、側板101aと、仕切り141と、載置部材131とで構成される。壁板111、121の内側面と、側板101aの内側面と、仕切り141の左側面とによって、第1載置領域21の内側面が構成され、載置部材131の上面、すなわち、載置面131aによって第1載置領域21の底面が構成される。
【0073】
また、第2載置領域22は、壁板111、121と、側板101bと、仕切り141と、載置部材132とで構成される。壁板111、121の内側面と、側板101bの内側面と、仕切り141の右側面とによって、第2載置領域22の内側面が構成され、載置部材132の上面、すなわち、載置面132aによって第2載置領域22の底面が構成される。
【0074】
図4(a)の状態から、モータ151が駆動されて、硬貨載置ユニット130が
図4(b)の位置に移動すると、第1載置領域21および第2載置領域22の底を構成する載置部材131、132が後方に退避し、第1載置領域21および第2載置領域22に、第1収納庫31および第2収納庫32に繋がる開口101c、101dが生じる。このとき、載置部材131、132に載置されていた硬貨は、壁板121によって移動を制限される。これにより、載置部材131、132に載置されていた硬貨は、開口101c、101dを介して、第1収納庫31および第2収納庫32に落下する。こうして、これら硬貨が、第1収納庫31および第2収納庫32に収容される。本実施形態では、第1載置領域21に載置された損貨が第1収納庫31に収容され、第2載置領域22に載置された記念貨が第2収納庫32に収容される。
【0075】
図6は、
図4(a)の構造体のB-B’断面図である。
【0076】
図6に示すように、カメラ51によって、第1載置領域21の載置面131aおよび第2載置領域22の載置面132aの全てが撮像されるよう、カメラ51と載置面131a、132aが配置されている。具体的には、カメラ51の画角αの範囲に全ての載置面131a、132aが含まれるように、カメラ51と載置面131a、132aが配置されている。カメラ51は、仕切り141の前後方向の中央位置の直上に配置されている。
【0077】
図6に示すように、仕切り141の両側面は傾斜面となっている。これら傾斜面にそれぞれ平板状のミラー142、143が設置されている。ミラー142、143の傾斜角は、カメラ51の撮像方向を載置面131a、132aに平行な方向に折り曲げるように設定される。
図6において、カメラ51から下方に向かう破線の矢印は、ミラー142、143に向かうカメラ51の撮像方向を示している。これにより、載置面131a、132aに載置された硬貨の側面の像が、ミラー142、143を介してカメラ51に取り込まれる。
【0078】
図7(a)、(b)は、載置面131aに載置された硬貨C1の側面画像を模式的に示す図である。
図7(a)は、全ての硬貨C1が重なりなく載置面131aに載置された状態を示し、
図7(b)は、一部の硬貨C1が重なって載置面131aに載置された状態を示している。
【0079】
図7(a)において、D1は、隣り合う載置面131a間の段差であり、D2は、硬貨C1の厚みである。段差D1は、厚みD2よりも大きい。突部131cによって硬貨C1の下部が隠された状態で硬貨C1が撮像される。このため、硬貨C1の側面画像は、本来の厚みD2よりも小さい厚みD3となる。硬貨C1に重なりがない場合、硬貨C1の上側には、次の載置面131aに形成された突部131cの上端までの範囲において、厚みD4の壁面131bが撮像される。
【0080】
これに対し、
図7(b)の状態では、2段目の載置面131aにおいて、2枚の硬貨C1の重なりが、2カ所生じている。この場合、重なりV1の位置では、その上段の載置面131aに載置された硬貨C1との境界となる壁面131bが生じないため、3つの硬貨が重なった厚みD5の側面画像が撮像される。また、重なりV2の位置では、2つの硬貨が重なった厚みD6の側面画像が撮像される。
【0081】
このように、重なりが生じた場合の硬貨C1の側面画像の厚みD5、D6は、重なりがない場合の硬貨C1の側面画像の厚みD3に比べて、顕著に大きくなる。したがって、厚みD3と厚みD6との間に閾値を設け、この閾値と各載置位置の硬貨の側面画像の厚みとを比較することにより、各載置位置において硬貨の重なりが生じているか否かを検出することができる。ここで、閾値は、載置面131aの載置され得る全ての金種の硬貨に対して重なりが検出可能となるように設定される。
【0082】
なお、載置面132aに載置された硬貨の側面画像は、
図7(a)、(b)の場合に比べて、載置面132aの段数が2つに減少するのみであり、その他の要素は、
図7(a)、(b)の場合と同様である。よって、載置面132aに載置された硬貨の重なりについても、上記と同様、側面画像の厚みを所定の閾値と比較することにより検出され得る。
【0083】
図8は、特殊硬貨処理装置7および操作端末8の構成を示すブロック図である。
【0084】
特殊硬貨処理装置7は、撮像処理部201と、シャッター駆動部202と、ユニット駆動部203と、通信部204と、制御部205と、記憶部206と、を備える。
【0085】
撮像処理部201は、制御部205からの制御によりカメラ51を駆動するとともに、カメラ51からの画像データを処理して制御部205に送信する。シャッター駆動部202は、シャッター12を駆動するためのモータおよび駆動回路を備え、制御部205からの制御により、シャッター12を開閉する。ユニット駆動部203は、
図4(a)、(b)に示した駆動機構150および駆動回路を備え、制御部205からの制御により、硬貨載置ユニット130を駆動する。通信部204は、制御部205からの制御により、操作端末8の通信部304との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。
【0086】
制御部205は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部206に記憶されたプログラムに従って、撮像処理部201、シャッター駆動部202、ユニット駆動部203および通信部204を制御する。記憶部206は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部205の制御プログラムを記憶し、また、制御部205の制御処理の際にワーク領域として利用される。
【0087】
操作端末8は、上述した操作表示部301およびプリンタ302の他、カードリーダ303、通信部304、制御部305および記憶部306を備える。
【0088】
操作表示部301は、ディスプレイ301aとタッチセンサ301bとを備えたタッチパネルで構成される。ディスプレイ301aは、各種情報を表示する。タッチセンサ301bは、ディスプレイ301aに対するユーザのタッチ操作を検出する。プリンタ302は、バラ紙幣処理装置2、束紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9に対する入金処理、出金処理等の各種処理の結果を、ジャーナルとして用紙に印字し出力する。
【0089】
カードリーダ303は、IDカードを読み取り、読み取ったデータを制御部305に出力する。通信部304は、特殊硬貨処理装置7の通信部204との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。この他、通信部304は、バラ紙幣処理装置2、束紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6および貨幣保管装置9の各通信部との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。
【0090】
制御部305は、CPU等の演算回路を備え、記憶部306に記憶されたプログラムに従って、操作表示部301、プリンタ302、カードリーダ303、通信部304を制御する。さらに、制御部305は、通信部304を介して、バラ紙幣処理装置2、束紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9との間で各種の指令や情報のやり取りを行うことにより、これら装置の動作を制御する。
【0091】
記憶部306は、ROM、RAMやハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部305の制御プログラムを記憶し、また、制御部305の制御処理の際にワーク領域として利用される。さらに、記憶部306は、損貨および記念貨の参照画像(表面および裏面)と金種とを対応付けた硬貨画像データベース306aを保持している。硬貨画像データベース306aは、硬貨の種類(損貨/記念貨)ごとに準備されている。硬貨画像データベース306aは、カメラ51により撮像された硬貨の画像の金種を判定する際に、制御部305により参照される。
【0092】
次に、特殊硬貨処理装置7へ特殊な硬貨である損貨および記念貨を入金するための処理について説明する。
【0093】
図9は、損貨等の特殊硬貨の入金処理を示すフローチャートである。
図10(a)~(d)は、それぞれ、特殊硬貨の入金処理の際に操作端末8の操作表示部301において表示される画面を示す図である。
図9の入金処理は、操作端末8の制御部305において実行される。
【0094】
特殊硬貨の入金処理において、操作者は、まず、
図10(a)に示すメニュー画面410を操作する。メニュー画面410には、処理項目の選択候補を表示する領域411が含まれている。操作者は、領域411中の“特殊貨幣”の処理項目を選択した後、領域412に含まれた貨幣の種類の中から、処理対象とされる損貨/旧貨および記念貨の項目を選択する。損貨/旧貨および記念貨の項目がハイライト表示される。さらに、領域413に、当該硬貨の入金を行うための特殊硬貨処理装置7の画像413aが表示される。操作者は、画像413aを参照することにより、どの装置に対して入金を行えばよいかを円滑に把握できる。その後、操作者は、ボタン414を操作する。これにより、
図9に示す処理が開始される。
【0095】
制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部205に対して、シャッター12を開放させる指示を送信する(S101)。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放される。また、制御部305は、操作表示部301にセット要求画面420を表示させる(S102)。これにより、操作表示部301の画面が、
図10(a)のメニュー画面410から
図10(b)のセット要求画面420に切り替わる。
【0096】
図10(b)を参照して、領域421には、
図10(a)の領域411と同様の画像が含まれる。領域422には、特殊硬貨処理装置7の硬貨載置領域における硬貨の種類の割り当て形態を示す画像422aが表示される。ここでは、左側の硬貨載置領域(第1載置領域21)が損貨を載置するための領域に割り当てられ、右側の硬貨載置領域(第2載置領域22)が記念貨を載置するための領域に割り当てられている。操作者は、画像422aを参照することにより、各載置領域に載置すべき硬貨の種類を的確に把握できる。
【0097】
領域423には、特殊硬貨処理装置7に処理対象の硬貨をセットすること、および、セット完了後にボタン424を操作することを促すメッセージ423aが含まれる。操作者は、メッセージ423aを参照して、特殊硬貨処理装置7の第1載置領域21および第2載置領域22に、それぞれ、処理対象の損貨および記念貨を載置する。処理対象の全ての損貨および記念貨をセットすると、操作者は、ボタン424を操作する。これにより、
図9のステップS103の判定がYESとなる。
【0098】
こうして、ステップS103の判定がYESとなると、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部205に対して、シャッター12を閉塞させる指示を送信する(S104)。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が閉塞される。さらに、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部205に対して、硬貨を撮像させる指示を送信する(S105)。これにより、特殊硬貨処理装置7において、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨が、カメラ51により撮像される。こうして撮像された画像のデータが、通信部204、304を介して、特殊硬貨処理装置7から操作端末8に送信される。制御部305は、受信したデータを、記憶部306に記憶させる。
【0099】
次に、制御部305は、受信した画像のデータを処理して、当該画像に含まれる各硬貨の画像を切り出す(S106)。このとき、制御部305は、切り出した各硬貨の画像に対して歪み補正を行い、真円に近い各硬貨の画像を取得する。そして、制御部305は、歪み補正後の各硬貨の画像と、硬貨画像データベース306aに保持された基準画像とを照合して、各硬貨の画像の金種を識別する(S107)。
【0100】
具体的には、制御部305は、各硬貨の画像について、マッチング度合いが所定の閾値以上で且つ最高の基準画像を硬貨画像データベース306aから抽出し、この基準画像に対応付けられた金種を、当該硬貨の画像に割り当てる。このとき、制御部305は、各硬貨の画像に割り当てられた基準画像が、損貨と記念貨の何れの種類に属するかを示す区分を、各硬貨の画像にさらに割り当てる。また、マッチング度合いが閾値以上の基準画像がない硬貨の画像については、金種が不明との識別結果が割り当てられる。
【0101】
こうして各硬貨の画像について金種を識別した後、制御部305は、第1載置領域21および第2載置領域22に対して、対応する種類(損貨/記念貨)の硬貨が適正にセットされたか否かを判定する(S108)。すなわち、制御部305は、各硬貨の画像に割り当てられた硬貨の種類の区分を参照し、損貨が載置されるべき第1載置領域21から取得された各硬貨の画像の何れかに記念貨の区分が割り当てられた場合、および、記念貨が載置されるべき第2載置領域22から取得された各硬貨の画像の何れかに損貨の区分が割り当てられた場合に、第1載置領域21および第2載置領域22に対して硬貨の置き間違いが生じたと判定する。
【0102】
硬貨の置き間違いが生じた場合(S108:YES)、制御部305は、
図10(c)に示す確認要求画面430を操作表示部301に表示させる(S109)。確認要求画面430では、
図10(b)に示したセット要求画面420に領域431の画像が重ねて表示される。領域431には、硬貨の置き間違いがあること、および、硬貨の再セットを行うことを促すメッセージ431aと、ボタン432が含まれる。操作者は、メッセージ431aを参照して、硬貨の置き間違いを把握した後、ボタン432を操作する。これにより、
図9のステップS110の判定がYESとなる。
【0103】
これに応じて、制御部305は、処理をステップS101に戻して、ステップS101以降の処理を再度実行する。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放されて、硬貨の置き直しが可能となる。操作者は、ステップS102で表示されるセット要求画面420等を参照しながら、適正な載置領域に硬貨を置き直す。その後、操作者は、上記と同様の操作を行う。
【0104】
硬貨の置き間違いがない場合(S108:NO)、制御部305は、
図10(d)に示す入金処理画面440を、操作表示部301に表示させる(S111)。
【0105】
図10(d)を参照して、入金処理画面440は、領域441~443と、ボタン444~446とを含んでいる。領域441には、硬貨の入金結果441a、441bが金種ごとに表示される。領域442には、撮像画像から切り出された各硬貨の画像(平面画像)442cが表示される。表示される各硬貨の画像442cは、上述の歪み補正後の画像である。領域442は、損貨の画像を表示させるためのタブ442aと、記念貨の画像を表示させるためのタブ442bとを備えている。タブ442aが選択されると、第1載置領域21にセットされた損貨の各画像が表示され、タブ442bが選択されると、第2載置領域22にセットされた記念貨の各画像が表示される。
【0106】
硬貨の各画像442cの直下の位置に、各画像の金種を示す項目442dが表示される。項目442dは、硬貨に係る情報の一つである金種を入力するために制御部305に設定された、視認可能な(画像で表現された)入力領域である。入金処理画面440の表示開始時には、
図9のステップS107で識別された各硬貨の画像442cの金種が、最初の候補として項目442dに表示される。ステップS107で金種が不明と判定された硬貨の画像442cには、“?”の記号が項目442dに表示される。“?”の記号が付された画像442c以外の画像442cについて、金種ごとに枚数が計数され、計数結果が、入金結果441a、441bとして、領域441に表示される。なお、領域441に、金種が不明の硬貨の枚数が表示されてもよく、合計金額が表示されてもよい。領域442には、画像442cをスクロールさせるためのスクロールバー442eが設けられている。
【0107】
なお、金種を示す項目442dは、必ずしも、各画像442cの直下に配置されなくてもよく、画像442cに対応付けられた形態であれば、他の位置に配置されてもよい。たとえば、画像442cの一部に重なるように項目442dが配置されてもよい。
【0108】
操作者は、項目442dに対する操作により、各硬貨の画像442cの金種を設定(入力)できる。
【0109】
図11(a)、(b)は、硬貨の画像442cに対して金種を設定するための操作を模式的に示す図である。
【0110】
たとえば、金種が不明と識別された画像442cに対して金種を設定する場合、操作者は、まず、当該画像442cを参照して、当該画像442cの硬貨の金種を目視により確認する。次に、操作者は、
図11(a)に示すように、当該画像442cに対応付けられた項目442dに指でタッチし、そのまま指を下方にドラッグ(スライド)させる。これにより、ドラッグの距離に応じて項目442dに表示される金種が変化する。
【0111】
たとえば、損貨のタブ442aが選択されている状態で、指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が1円となり、さらに指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が5円となる。その後、同様に、指を所定距離だけドラッグさせるごとに、項目442dの金種が、10円、50円、100円、500円と変化する。記念貨のタブ442bが選択されている状態で、指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が100円となり、さらに指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が500円となる。その後、同様に、指を所定距離だけドラッグさせるごとに、項目442dの金種が、千円、1万円、5万円、10万円と変化する。指を逆方向(上方)にドラッグさせると、金種の変化が反転する。
【0112】
こうして、操作者は、画像442cに対応する金種が項目442dに表示されるまで、指をドラッグさせる。そして、画像442cに対応する金種が項目442dに表示されると、操作者は、指を画面から離す。これにより、
図11(b)のように、項目442dに金種が設定される。このようにして、操作者は、複数の金種の候補の中から選択により画像442cに適合する金種を入力できる。
【0113】
このとき、操作者により金種が設定された項目442dは、
図9のステップS107で金種が識別された項目442dと区別可能な形態で表示される。たとえば、操作者により金種が設定された項目442dは、他の項目442d(金種が不明な項目、金種が識別された項目)とは異なる色が付されて表示される。なお、金種が不明な項目442dが、金種が識別された項目442dと異なる形態、たとえば、異なる色で表示されるようにしてもよい。
【0114】
操作者は、金種が不明と識別された他の画像442cについても、同様の操作により金種を設定する。また、操作者は、
図9のステップS107で金種が識別された項目442dについても、適宜、上記と同様の操作により、金種を修正する。こうして、各画像442cの金種が操作者により設定されると、これに応じて、領域441に表示される各金種の入金結果441a、441bが更新される。
【0115】
なお、
図11(a)、(b)に示した例では、指をドラッグ(スライド)させることにより金種の候補が変更されたが、金種の候補を変化させる方法は、これに限られるものではない。たとえば、項目442dをタップするごと、あるいはフリックするごとに金種の候補が変化する構成であってもよい。
【0116】
図10(d)に戻り、領域443には、硬貨の側面画像443a、443bが含まれている。側面画像443aは、
図6のミラー142を介して撮像された第1載置領域21における硬貨の側面画像である。また、側面画像443bは、
図6のミラー143を介して撮像された第2載置領域22における硬貨の側面画像である。側面画像443a、443bの何れかにおいて、硬貨の重なりが検出されると、ボタン443cが表示される。
【0117】
すなわち、制御部305は、
図7(a)、(b)を参照して説明した方法により、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨に重なりが生じたか否かを判定する。
図9に示されていないが、硬貨の重なりの判定は、たとえば、S106の画像の切り出しの処理と切り出した画像の歪み補正の処理の間に行われる。そして、制御部305は、第1載置領域21および第2載置領域22の少なくとも一方において硬貨の重なりを検出した場合に、領域443にボタン443cを含める。第1載置領域21および第2載置領域22の何れにも硬貨の重なりを検出しなかった場合、制御部305は、ボタン443cの表示を省略する。
【0118】
側面画像443a、443bを参照することにより、操作者は、第1載置領域21および第2載置領域22における硬貨の重なりの有無を確認できる。
【0119】
硬貨の重なりを確認する際に、操作者は、適宜、
図10(d)のボタン444を操作する。これにより、操作表示部301のディスプレイ301a全体に、
図12に示す詳細画面450が表示される。
【0120】
詳細画面450には、カメラ51の撮像画像の全体が表示される。領域451a、451bには、それぞれ、第1載置領域21および第2載置領域22を上方から撮像した画像が表示される。領域451c、451dには、それぞれ、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨の側面画像、すなわち、ミラー142、143を介して撮像された硬貨の側面画像が表示される。
【0121】
領域451c、451dに表示される側面画像は、ディスプレイ301aの表示領域の略全体に表示されるため、
図10(d)の入金処理画面440において表示される側面画像443a、443bよりも拡大される。よって、操作者は、この詳細画面450を参照することにより、各硬貨の重なりを、より正確に確認することができる。確認の後、操作者は、ボタン452を操作する。これにより、画面が、
図10(d)の入金処理画面440に戻る。
【0122】
図12に示した詳細画面においては、たとえば、
図13に示すように、重なりが検出された箇所を強調表示することとしてもよい。強調表示の形態は、
図13に示すように枠で囲む形態の他、色を付与する等の他の形態であってもよい。また、
図10(d)に示した側面画像443a、443bについても同様に、重なりが検出された箇所が強調表示されてもよい。
【0123】
なお、操作者は、領域442に対する金種の設定操作の際にも、適宜、ボタン444を操作して、詳細画面450を表示させる。これにより、操作者は、各画像の金種をより円滑に目視により確認することができる。
【0124】
図12に示すように、切り出しが済んでいる硬貨は、丸印453により囲まれる。切り出されなかった硬貨には丸印453が付されない。切り出されなかった硬貨が、詳細画面450上でタップされる。このとき、タップは硬貨の中心なされる。制御部305は、タップの中心から所定範囲(最大の硬貨のサイズより大きな範囲)の画像を切り出し、切り出した画像を、次に入金処理画面440が表示されたときに、領域422に、硬貨の画像442cとして加える。このようにすれば、
図9のS106で切り出せなかった画像を、入金処理画面440に加えることが可能となる。
【0125】
詳細画面450は、ピンチなどの操作により拡大できてもよい。この場合、拡大された画面が、スライドなどの操作により移動できるようにされてもよい。
【0126】
図9に戻り、制御部305は、入金処理画面440を表示させた後(S111)、金種受付処理(S112)および詳細確認受付処理(S113)を実行する。金種受付処理(S112)において、制御部305は、
図11(a)、(b)に示した操作を受け付け、操作者により当該操作がなされた場合に、上記のように、項目442dの金種を変更する。また、詳細確認受付処理(S113)において、制御部305は、
図10(d)のボタン444に対する操作を受け付け、ボタン444に対する操作がなされた場合に、
図12に示した詳細画面450を表示させる。
【0127】
ステップS112、S113の処理とともに、制御部305は、入金処理画面440に対して、操作者により、やりなおし操作または重なり確認操作がなされたか否かを判定する(S114)。具体的には、制御部305は、入金処理画面440中のボタン445またはボタン443cが操作者により操作されたか否かを判定する。
【0128】
操作者は、側面画像443a、443bまたは
図12に示した詳細画面450を参照して硬貨の重なりが生じたことを確認した場合に、ボタン443cを操作する。これにより、制御部305は、ステップS114の判定をYESとして、処理をステップS101に戻す。これに応じて、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放される。これにより、操作者は、第1載置領域21または第2載置領域22にアクセスして、硬貨の重なりを解消させる。
【0129】
この場合にも、
図13に示すように重なりが検出された箇所を強調表示することで、操作者は容易に硬貨の重なりを解消できる。
【0130】
なお、硬貨の重なり生じたと判定された場合に、ボタン443cが操作されなければ確定のボタン446を受け付けないようにしてもよい。この場合、ボタン443cが操作されると、セットをやり直すか否かを問い合わせる確認画面が表示される。確認画面においてセットをやり直す操作が行われると、処理がステップS101に戻され、セットをやり直さない操作が行われると、確認画面が消えて、ボタン446が受け付けられるようになる。このようにすれば、硬貨の重なりの確認が、操作者によって確実に行われるようになる。
【0131】
操作者は、処理対象の硬貨の一部を第1載置領域21または第2載置領域22にセットし忘れた場合、あるいは、ボタン443cが表示されていないものの
図12の詳細画面450により硬貨の重なりを見つけた場合等、入金処理をやり直す必要性を確認した場合、ボタン445を操作する。これにより、制御部305は、ステップS114の判定をYESとして、処理をステップS101に戻す。これに応じて、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放される。これにより、操作者は、第1載置領域21または第2載置領域22にアクセスして、硬貨入金のための操作をやり直す。
【0132】
やりなおし操作および重なり確認操作の何れも行われることなく(S114:NO)、
図10(d)の入金処理画面440において、操作者により、全ての硬貨の画像442cに対して金種が設定され、その後、処理を確定させるボタン446が操作されると(S115:YES)、制御部305は、入金確定処理を実行する(S116)。入金確定処理において、制御部305は、各硬貨の画像442cと項目442dに設定された金種、即ち入力された金種とを対応付けて、記憶部306に記憶させる。このとき同時に、制御部305は、領域441に示された入金結果441a、441bを記憶部306に記憶させる。
【0133】
こうして、入金確定処理を完了すると、制御部305は、通信部304を介して、処理の完了を示す通知を特殊硬貨処理装置7に送信する。これに応じて、特殊硬貨処理装置7の制御部205は、ユニット駆動部203を制御して、硬貨載置ユニット130を最後方位置へと移送させる。これにより、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された硬貨が、それぞれ、第1収納庫31および第2収納庫32に落下して収納される。その後、制御部205は、硬貨載置ユニット130を最前方位置(初期位置)へと移送させる。これにより、硬貨の入金処理が終了する。
【0134】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0135】
制御部305は、複数の硬貨の入金があるとき、カメラ51により撮像された複数の硬貨の画像442cを含む入金処理画面440を操作表示部301に表示させ、各画像442cに対する金種を入力するための項目442dを、各画像442cに対応付けられた形態で入金処理画面440上に設定し、各画像442cと、当該画像442cに対して入力された金種とを対応付けて記憶部306に記憶させる。この構成によれば、操作者は、複数の硬貨の画像に対する金種の入力を一つの入金処理画面440上で行うことができる。これにより、操作者は、複数枚の硬貨の入金操作を円滑に行え、入金時間も短縮できる。
【0136】
また、制御部305は、項目442dを、各画像442cの近傍位置に視認可能に設定する。この構成によれば、操作者は、硬貨の画像442cに対応付けられた項目442d(金種の入力場所)を容易に認識できる。
【0137】
さらに、金種は、複数の候補の中から選択により入力され、制御部305は、選択入力された金種を項目442dに表示させる。この構成によれば、操作者は、候補の中からの選択により金種を容易に入力できる。また、操作者は、入力された金種を項目442dにおいて確認できる。
【0138】
さらに、制御部305は、硬貨の画像に基づいて、当該画像の硬貨に適合する金種を判定し(貨幣の金種を識別し)、判定した金種(識別した金種)を最初の候補として項目442dに表示させる。この構成によれば、最初の候補の金種が、対応する画像442cの金種に適合している場合に、操作者は、その画像442cについての金種を入力しなくて済む。よって、操作者は、硬貨の入金操作を一層円滑に行え、入金時間も一層短縮できる。
【0139】
さらに、制御部305は、入金された硬貨の重なりの有無を判定し、硬貨の重なりがある場合に、それに基づく、確認を促すボタン443cの表示を入金処理画面440上に行う。この構成によれば、操作者は、入金された硬貨の中に重なる硬貨が存在することを入金処理画面440上において把握できるので、不具合が生じたまま入金操作が継続されることを防止できる。
【0140】
さらに、複数の硬貨を載置できる第1載置領域21および第2載置領域22を、さらに備え、カメラ51は、第1載置領域21および第2載置領域22に載置された複数の硬貨を撮像する。この構成によれば、複数の硬貨を撮像する時間を短縮できるので、入金時間を一層短縮できる。
【0141】
<第2実施形態>
本実施形態では、特殊硬貨処理装置7に対する特殊硬貨の入金操作と同様な旧券、損傷券等の入金操作が、有価媒体処理装置6に対して行われる。
【0142】
図14は、有価媒体処理装置6の内部構成を示す概要図である。
【0143】
有価媒体処理装置6は、筐体500内に、投入部510と、搬送部520と、読取部530と、一時保留部540と、有価証券収納部550と、第1損券収納部560と、第2損券収納部570と、新券収納部580と、投出部590とを備える。
【0144】
投入部510は、筐体500の前上部に設けられる。投入部510には、繰出機構511が設けられ、投入部510に束状態で投入された特定有価媒体(損券、損傷券、旧券、有価証券)が、繰出機構511によって、一枚ずつ搬送部520に繰り出される。
【0145】
搬送部520は、第1搬送部521と第2搬送部522とを含む。第1搬送部521は、投入部510と、一時保留部540と、有価証券収納部550と、第1損券収納部560と、第2損券収納部570と、投出部590とを結び、投入部510に投入された特定有価媒体を、一時保留部540や有価証券収納部550、第1損券収納部560、第2損券収納部570へ搬送したり、第1損券収納部560や第2損券収納部570に収納された損券等を投出部590へ搬送したりする。第2搬送部522は、新券収納部580と投出部590とを結び、新券収納部580に収納された新券を投出部590へ搬送する。第1搬送部521と第2搬送部522は、投出部590の近傍の搬送路520aが共通する。
【0146】
読取部530は、投入部510と一時保留部540の間の第1搬送部521に設けられる。読取部530は、カメラまたはラインセンサを含み、一時保留部540へと搬送される特定有価媒体を撮像して、その画像を読み取り、その画像のデータを取得する。読取部530は、特定有価媒体の表面と裏面の双方の画像を読み取れるようになっている。
【0147】
筐体500内(後面側)において、上から順に、一時保留部540、有価証券収納部550、第1損券収納部560および第2損券収納部570が配置される。
【0148】
一時保留部540は、投入部510に投入された特定有価媒体を一時的に保留する。一時保留部540は、テープ巻取り方式の保留部であり、正転および逆転が可能なドラム541を有し、このドラム541に一対のテープが巻き取られる構成とされる。ドラム541が正転すると、第1搬送部521で搬送されてきた特定有価媒体が、一枚ずつ一対のテープの間に挟まれた状態で、順次、ドラム541に巻き取られる。これにより、特定有価媒体が、順次、一時保留部540に保留される。一方、ドラム541が逆転すると、巻き取られた特定有価媒体が一枚ずつ一時保留部540から第1搬送部521へ繰り出される。
【0149】
有価証券収納部550は、小切手等の特定の有価証券を収納する。有価証券収納部550は、第1収納部551、第2収納部552および第3収納部553から構成される。これら収納部551、552、553は、スタッカ方式の収納部であり、第1搬送部521から送出された小切手等が上下に積み重ねられる構成とされる。たとえば、第1収納部551には、貨幣処理システム1が設置された銀行と同じ銀行における他の支店で発行された小切手等が収納され、第2収納部552には、貨幣処理システム1が設置された銀行の近辺の場所で発行された小切手等が収納され、第3収納部553には、貨幣処理システム1が設置された銀行から遠方の場所で発行された小切手等が収納される。なお、本実施形態では、各収納部551、552、553に繰出機構が設けられていないため、収納された小切手等を第1搬送部521へ繰り出すことができない。しかしながら、各収納部551、552、553に繰出機構を設けて、収納された小切手等を第1搬送部521へ繰り出せるようにしてもよい。
【0150】
第1損券収納部560および第2損券収納部570は、損券、損傷券および旧券(以下、「損券等」という)を収納する。第1損券収納部560は、スタッカ方式の収納部であり、第1搬送部521から送出された損券等が上下に積み重ねられる構成とされる。第1損券収納部560には繰出機構が設けられており、この繰出機構によって、収納された損券等が上から順に一枚ずつ第1搬送部521へ繰り出される。一方、第2損券収納部570は、テープ巻取り方式の収納部であり、正転および逆転が可能なドラム571を有し、このドラム571に一対のテープが巻き取られる構成とされる。ドラム571が正転すると、第1搬送部521で搬送されてきた損券等が、一枚ずつ一対のテープの間に挟まれた状態で、順次、ドラム571に巻き取られる。これにより、損券等が、順次、第2損券収納部570に収納される。一方、ドラム571が逆転すると、巻き取られた損券等が一枚ずつ第2損券収納部570から第1搬送部521へ繰り出される。
【0151】
筐体500内において、一時保留部540、有価証券収納部550、第1損券収納部560および第2損券収納部570の前方に、新券収納部580が配置される。
【0152】
新券収納部580は、新券を収納する。新券収納部580は、第1収納部581、第2収納部582、第3収納部583および第4収納部584から構成される。これら収納部581、582、583、584が有する繰出機構581a、582a、583a、584aによって、収納部581、582、583、584内の新券が一枚ずつ第2搬送部522に繰り出される。たとえば、第1収納部581には、1万円の新券が収納され、第2収納部582には、千円の新券が収納され、第3収納部583には、5千円の新券が収納される。また、第4収納部584に収納される新券については、操作者が選択できる。
【0153】
第2搬送部522には、簡易識別部523が配置される。簡易識別部523は、第2搬送部522で搬送される新券の金種のみの識別を行う。
【0154】
投出部590は、搬送部520に接続される。投出部590には、第1搬送部521で送られてきた損券等や第2搬送部522で送られてきた新券が積み重ねられた状態で投出される。投出部590には、羽根車591が設けられ、搬送部520で送られてきた損券等や新券は、これらが羽根車591の一対の羽根の間に挟まれた状態で羽根車591が
図14における反時計回りの方向へ回転することにより、投出部590に送られる。また、投出部590には、取出し検出部592が設けられる。取出し検出部592は、たとえば、発光素子と受光素子とからなり、投出部590から損券等や新券が取り出されると発光素子から光が受光素子に到達するようになることで、損券等や新券が取り出されたことを検出する。
【0155】
筐体500の前面には、投出部590の前方に、投出部590の開閉を行うシャッター501が設けられる。また、筐体500の前面には、扉502が設けられる。特定の権限を有する者が、この扉502を開けて筐体500の内部にアクセスできる。これにより、新券収納部580に新券を補充したり、新券収納部580から新券を取り出したりできる。さらには、有価証券収納部550から特定の有価証券を取り出すことができる。
【0156】
図15は、有価媒体処理装置6の主たる構成を示すブロック図である。
【0157】
有価媒体処理装置6は、上述した各部510~590の他、制御部610、記憶部620および通信部630を備える。
【0158】
制御部610は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部620に記憶されたプログラムに従って、各部610~690を制御する。読取部530により取得された特定有価媒体の画像のデータは、読取部530から制御部610へ送られる。
【0159】
記憶部620は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部610の動作プログラムを記憶し、また、制御部610の制御処理の際にワーク領域として利用される。
【0160】
通信部630は、操作端末8の通信部304との間で無線方式あるいは有線方式による信号の送受信を行う。
【0161】
次に、有価媒体処理装置6へ特殊な紙幣である損券等を入金するための処理について説明する。
【0162】
図16は、損券等の特殊紙幣の入金処理を示すフローチャートである。
図17(a)~(c)は、それぞれ、特殊紙幣の入金処理の際に操作端末8の操作表示部301において表示される画面を示す図である。
図16の入金処理は、操作端末8の制御部305において実行される。
【0163】
特殊紙幣の入金処理において、操作者は、特殊硬貨の場合と同様、まず、
図17(a)に示すメニュー画面410を操作する。操作者は、領域411中の“特殊貨幣”の処理項目を選択した後、領域412に含まれた貨幣の種類の中から、処理対象とされる損券/旧券の項目を選択する。損券/旧券の項目がハイライト表示される。さらに、領域413に、当該紙幣の入金を行うための有価媒体処理装置6の画像413bが表示される。その後、操作者は、ボタン414を操作する。これにより、
図16に示す処理が開始される。ここでは、複数枚の紙幣が入金されるとして、以下、説明を進める。
【0164】
制御部305は、操作表示部301にセット要求画面470を表示させる(S201)。これにより、操作表示部301の画面が、
図17(a)のメニュー画面410から
図17(b)のセット要求画面470に切り替わる。
【0165】
図17(b)を参照して、領域471には、
図17(a)の領域411と同様の画像が含まれる。領域472には、有価媒体処理装置6の投入部510近傍の画像472aが表示される。領域423には、有価媒体処理装置6に処理対象の紙幣をセットすること、および、セット完了後にボタン474を操作することを促すメッセージ473aが含まれる。操作者は、メッセージ473aを参照して、有価媒体処理装置6の投入部510に紙幣を投入し、ボタン474を操作する。これにより、
図16のステップS202の判定がYESとなる。
【0166】
こうして、ステップS202の判定がYESとなると、制御部305は、有価媒体処理装置6の制御部610に対して、入金開始の指示、即ち、紙幣を撮像して一時保留させる指示を送信する(S203)。これにより、有価媒体処理装置6において、投入部510から紙幣が全て繰り出され、その表裏が読取部530で撮像された後、一時保留部540に収納される。撮像された画像のデータが、通信部630、304を介して、有価媒体処理装置6から操作端末8に送信される。制御部305は、受信したデータを、記憶部306に記憶させる。
【0167】
次に、制御部305は、受信した各紙幣の画像と、紙幣画像データベース(図示せず)に保持された基準画像(表面および裏面)とを照合して、各紙幣の画像の刷種および金種を識別する(S204)。紙幣画像データベースは、硬貨画像データベース306aと同様、記憶部306に保持されている。基準画像には、刷種と金種が対応付けられている。
【0168】
具体的には、制御部305は、各紙幣の画像について、マッチング度合いが所定の閾値以上で且つ最高の基準画像を紙幣画像データベースから抽出し、この基準画像に対応付けられた刷種および金種を、当該紙幣の画像に割り当てる。また、マッチング度合いが閾値以上の基準画像がない硬貨の画像については、刷種と金種が不明との識別結果が割り当てられる。
【0169】
こうして各紙幣の画像について刷種および金種を識別した後、制御部305は、
図17(c)に示す入金処理画面480を、操作表示部301に表示させる(S205)。
【0170】
図17(c)を参照して、入金処理画面480は、領域481、482と、ボタン483とを含んでいる。領域481には、紙幣の入金枚数481aと内訳481bが表示される。また、領域481に、ボタン483が配置される。領域482には、表裏一組の紙幣の画像482aが上下方向に並ぶように表示される。
【0171】
各紙幣の画像482aの直ぐ横の位置に、各紙幣の刷種を示す刷種項目482bと金種を示す金種項目482cとが上下に並んで表示される。これら項目482b、482cは、紙幣に係る情報の一つである刷種と金種を入力するために制御部305に設定された入力領域である。入金処理画面480の表示開始時には、
図16のステップS204で識別された各紙幣の画像482aの刷種および金種が、最初の候補として、それぞれ刷種項目482bおよび金種項目482cに表示される。ステップS204で刷種および金種が不明と判定された紙幣の画像482aには、“?”の記号が刷種項目482bおよび金種項目482cに表示される。金種ごとに枚数が計数され、計数結果が、内訳481bとして、領域481に表示される。また、領域481には、内訳481bとして、金種が不明の紙幣の枚数も表示される。なお、領域481に、合計金額が表示されてもよい。ユーザは、領域442に設けられスクロールバー482dを操作して紙幣の画像482aと刷種項目482bおよび金種項目482cとの組を上下方向に移動させることにより、それまで表示されていない組を入金処理画面480上に表示できる。
【0172】
なお、刷種項目482bおよび金種項目482cは、必ずしも、各画像482aの直ぐ横に配置されなくてもよく、画像482aに対応付けられた形態であれば、他の位置に配置されてもよい。
【0173】
操作者は、刷種項目482bおよび金種項目482cに対する操作により、各紙幣の画像482aの刷種および金種を設定(入力)できる。
【0174】
図17(d)は、入金処理画面480において、刷種項目482bおよび金種項目482cに対するドラッグの操作がなされたときの刷種および金種の変化について説明するための図である。
【0175】
たとえば、刷種および金種が不明と識別された画像482aに対して刷種および金種を設定する場合、操作者は、まず、設定対象の画像482aに対応付けられた刷種項目482bに指でタッチし、そのまま指を下方にドラッグ(スライド)させる。これにより、
図17(d)に示すように、ドラッグの距離に応じて、刷種項目482bに表示される刷種が、新しい刷種から古い刷種への方向に変化する。指を逆方向(上方)にドラッグさせると、刷種の変化が反転する。操作者は、画像482aに対応する刷種が刷種項目482bに表示されるまで指をドラッグさせ、対応する刷種が表示されると指を画面から離す。これにより、刷種項目482bに刷種が設定される。
【0176】
次に、操作者は、設定対象の画像482aに対応付けられた金種項目482cに指でタッチし、そのまま指を下方にドラッグ(スライド)させる。これにより、
図17(d)に示すように、ドラッグの距離に応じて、金種項目482cに表示される金種が、高い金種から安い金種への方向に変化する。このとき、金種項目482cに表れる金種は、刷種項目482bに示された刷種に応じたものとなる。指を逆方向(上方)にドラッグさせると、金種の変化が反転する。操作者は、画像482aに対応する金種が金種項目482cに表示されるまで指をドラッグさせ、対応する金種が表示されると指を画面から離す。これにより、金種項目482cに金種が設定される。
【0177】
このとき、操作者により刷種および金種が設定された刷種項目482bおよび金種項目482cは、
図16のステップS204で刷種および金種が識別された刷種項目482bおよび金種項目482cと区別可能な形態で表示される。たとえば、操作者により金種が設定された刷種項目482bおよび金種項目482cは、他の刷種項目482bおよび金種項目482c(刷種および金種が不明な項目、刷種および金種が識別された項目)とは異なる色が付されて表示される。なお、刷種および金種が不明な刷種項目482bおよび金種項目482cが、刷種および金種が識別された刷種項目482bおよび金種項目482cと異なる形態、たとえば、異なる色で表示されるようにしてもよい。
【0178】
操作者は、刷種および金種が不明と識別された他の画像482aについても、同様の操作により刷種および金種を設定する。また、操作者は、
図16のステップS204で刷種および金種が識別された刷種項目482bおよび金種項目482cについても、適宜、上記と同様の操作により、刷種および金種を修正する。こうして、各画像482aの刷種および金種が操作者により設定されると、これに応じて、領域481に表示される内訳481bの紙幣枚数が更新される。
【0179】
なお、刷種および金種の候補を変化させる方法は、ドラッグの操作に限られるものではない。たとえば、刷種項目482bおよび金種項目482cをタップするごと、あるいはフリックするごとに刷種および金種の候補が変化する構成であってもよい。また、刷種および金種を選択入力している際に、その刷種および金種の正常な紙幣のサンプル画像が入金処理画面480に重なるように表示されてもよい。
【0180】
図16に戻り、制御部305は、入金処理画面480を表示させた後(S205)、金種受付処理(S206)を実行する。金種受付処理(S206)において、制御部305は、
図17(c)、(d)で説明したドラッグの操作を受け付け、その操作に従って、上記のように、刷種項目482bの刷種と金種項目482cの金種を変更する。
【0181】
図17(c)の入金処理画面480において、操作者により、全ての紙幣の画像482aに対して刷種および金種が設定され、その後、処理を確定させるボタン483が操作されると(S207:YES)、制御部305は、入金確定処理を実行する(S208)。入金確定処理において、制御部305は、各紙幣の画像482aと刷種項目482bおよび金種項目482cに設定された刷種および金種とを対応付けて、記憶部306に記憶させる。このとき同時に、制御部305は、領域441に示された入金結果である内訳481bを記憶部306に記憶させる。
【0182】
こうして、入金確定処理を完了すると、制御部305は、通信部304を介して、処理の完了を示す通知を有価媒体処理装置6に送信する。これに応じて、有価媒体処理装置6の制御部610は、一時保留部540に収納された紙幣を、第1損券収納部560および第2損券収納部570に移送し、収納させる。これにより、紙幣の入金処理が終了する。
【0183】
本実施形態の構成によれば、上記第1実施形態と同様、操作者は、複数の紙幣の画像に対する金種の入力を一つの入金処理画面480上で行うことができる。これにより、操作者は、紙幣の入金操作を円滑に行え、入金時間も短縮できる。
【0184】
また、操作者は、紙幣の画像482aに対応付けられた刷種項目482bおよび金種項目482cを容易に認識できる。
【0185】
さらに、操作者は、候補の中からの選択により刷種および金種を容易に入力できる。また、操作者は、入力された刷種および金種を刷種項目482bおよび金種項目482cにおいて確認できる。
【0186】
さらに、最初の候補の刷種および金種が、対応する画像482aの刷種および金種に適合している場合に、操作者は、その画像482aについての刷種および金種を入力しなくて済む。よって、操作者は、紙幣の入金操作を一層円滑に行え、入金時間も一層短縮できる。
【0187】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0188】
<変更例1>
図18(a)~(d)は、変更例1に係る、特殊硬貨の入力処理において操作表示部301に表示される入金処理画面440が、処理の進行に応じて遷移する様子を示す図である。
【0189】
上記第1実施形態では、画像の切り出し(S106)、硬貨の重なり判定、切り出した画像の歪み補正および金種の識別(S107)の4つの処理が順次行われ、これらの処理が全て終了した後に、S111で操作表示部301に入金処理画面440が表示された。
【0190】
これに対し、本変更例では、上記4つの処理が終了する前に操作表示部301に入金処理画面440が表示され、一つ処理が終わるたびに画面の内容が更新される。
【0191】
まず、制御部305は、画像の切り出しの処理が終了すると、
図18(a)のように、領域442に、切り出された画像442cと項目442dとを表示させる。このとき、切り出された画像442cは、歪んだ状態となる。また、全ての項目442dに“?”の記号が表示される。さらに、制御部305は、領域443に、硬貨の重なり判定の処理の進行具合を示すプログレスバー443dを表示させる。やり直しのボタン445および確定のボタン446は未だ表示されず、領域441に入金結果441a、441bも表示されない。この段階で、制御部305は、項目442dに対する操作の受け付けを開始する。
【0192】
次に、制御部305は、硬貨の重なり判定の処理が終了すると、
図18(b)のように、領域443に、硬貨の側面画像443a、443bを表示させる。さらに、制御部305は、硬貨の重なりが検出された場合は、ボタン443cを表示させ、このボタン443cに対する操作の受け付けを開始する。
【0193】
次に、制御部305は、画像の歪み補正の処理が終了すると、
図18(c)のように、歪んだ画像442cを歪み補正後の画像442cに差し替える。このとき、歪み補正が終わった画像442cから、順次、画像の差し替えが行われる。
【0194】
最後に、制御部305は、金種の識別の処理が終了すると、
図18(d)のように、金種が識別できた画像442cに対応する項目442dに金種を表示させる。このとき、識別が終わった画像442cから、順次、金種の表示が行われる。これにより、操作者のストレスが軽減される。なお、金種の識別の前に項目442dに対する操作が行われ、金種が設定された画像442cについては、金種の識別は行われない。制御部305は、やり直しのボタン445および確定のボタン446を表示させて、これらボタン445、446に対する操作の受け付けを開始する。さらに、制御部305は、領域441に入金結果441a、441bを表示させる。
【0195】
このように、本変更例によれば、画像の切り出し、硬貨の重なり判定、切り出した画像の歪み補正および金種の識別の4つの処理が全て終了しなくとも、入金処理画面440での金種の入力を行うことができ、また、硬貨の重なりがあったときに硬貨のセットのやり直しを行うことができる。よって、入金処理画面440の表示を待つことで生じる操作者のストレスが軽減される。
【0196】
<変更例2>
図19(a)は、変更例2に係る、特殊硬貨の入金処理において操作表示部301に表示される入金処理画面440を示す図である。
【0197】
本変更例では、金種を設定(入力)するための操作が、上記第1実施形態と異なる。即ち、入金処理画面440において、硬貨の画像に対応付けられた項目442dにタッチされると、制御部305は、入金処理画面440に重ねてウィンドウ447を立ち上げる。ウィンドウ447には、金種の候補447aが、上から下に所定の順番、たとえば、安い金種の順番に並ぶように配置される。候補447aの金種の一つがタッチされると、制御部305は、タッチされた候補447aの金種を、その画像442cの金種に設定する。ウィンドウ447内の候補447aの並びは、現在、項目442dに示されている金種(
図9のS106で識別された金種)に関係なく、一定とされる。
【0198】
図19(b)~(d)は、変更例2に係る、ウィンドウ447の他の例を示す図である。
【0199】
図19(b)に示すように、ウィンドウ447内の候補447aの並びが、硬貨の画像に基づく金種の識別結果に応じて変更されてもよい。この場合、制御部305は、ウィンドウ447内において、識別結果からその画像の金種である可能性の高い金種を、選択順の上位の候補447aとして、ウィンドウ447内の候補447aの並び順における上位の位置(上側の位置)に配置させる。
【0200】
たとえば、ウィンドウ447において、硬貨の画像に基づいて識別された金種が最上位の候補447aとして最上位の位置に配置され、以下は、形状、寸法、模様等を加味して識別された金種により近いと判断される金種から順に上位の位置に配置される。このようにすれば、操作者は、金種の設定(入力)を素早く行うことが可能となる。
【0201】
また、
図19(c)、(d)に示すように、制御部305は、ウィンドウ447内において、金種の識別結果からその画像の金種である可能性が高い金種を、選択順の上位の候補447aとし、その候補447aが強調されるような表示を行ってもよい。
【0202】
たとえば、
図19(c)のように、上位の候補447aの色が他の候補447aと異なるようにされてもよい。複数の上位の候補447aが強調される場合、順位に応じて色が変えられてもよい。また、
図19(d)のように、上位の候補447aに、それがわかる印、たとえば、星印が付されるようにされてもよい。複数の上位の候補447aが強調される場合、順位に応じて印の数が変えられてもよい。また、順位に応じて印の種類が変えられてもよい。このようにすれば、操作者は、金種の設定(入力)を素早く行うことが可能となる。
【0203】
なお、上記第2実施形態の入金処理画面480において、紙幣の画像に対応付けられた刷種項目482bおよび金種項目482cにタッチされると、それぞれ、入金処理画面440に重ねて、
図19(a)~(d)のウィンドウ447と同様の、刷種および金種を選択するためのウィンドウが表示されてもよい。
【0204】
また、上記第1実施形態の入金処理画面440のように、ドラッグの操作により項目442dの金種が変化する入力方法の場合に、
図19(b)と同様、変化する順番が、硬貨の画像に基づく金種の識別結果に応じて変更されてもよい。即ち、ドラッグの長さに応じて、その画像の金種である可能性の金種から順に、選択順が上位の候補として、項目442dに表示されてもよい。このようにすれば、操作者は、金種の設定(入力)を素早く行うことが可能となる。
【0205】
<変更例3>
図20は、変更例3に係る、特殊硬貨の入金処理において操作表示部301に表示される入金処理画面460を示す図である。
【0206】
図9に示す特殊硬貨の入金処理のS111において、制御部305は、
図20に示す入金処理画面460を表示させてもよい。制御部305は、
図9のS106において撮像画像から硬貨の画像を抽出するが、画像の切り取りと歪み補正は行わず、入金処理画面460において、カメラ51の撮像画像の全体を表示させ、抽出した硬貨の画像461を丸印462で囲み、画像461の近傍にその画像461の金種を示す項目463を表示させる。操作者は、上記第1実施形態の入金処理画面440と同様の操作を項目463に対して行うことにより、項目463の金種を変更できる。
【0207】
なお、硬貨として認識されず、抽出されなかった硬貨の画像461には、丸印462がつかず、項目463が付加されない。抽出されなかった硬貨の画像461がタップされると、タップ位置を中心に硬貨が存在すると見做され、その硬貨の画像461の近傍に項目463が表示される。
【0208】
入金処理画面460には、やり直しのボタン464および確定のボタン465の他、入金結果のボタン466が表示される。入金結果のボタン466が操作されると、入金結果のウィンドウ(図示せず)が入金処理画面460に重ねて表示される。入金結果のウィンドウには、記念貨の金種毎の枚数と、損貨の金種毎の枚数とが表示される。
【0209】
入金処理画面460において、ボタン465が操作されると、抽出された各硬貨の画像が切り取られて歪み補正がなされた後、金種に紐づけて記憶部306に記憶される。
【0210】
本変更例では、入金処理画面460上で、硬貨として認識されていない硬貨の画像461の存在を容易に把握できる。
【0211】
<その他の変更例>
上記第1実施形態では、特殊硬貨処理装置7は、複数枚の損貨が第1載置領域21に載置され、複数枚の記念貨が第2載置領域22に載置され、これら第1載置領域21の複数枚の損貨と第2載置領域22の複数枚の記念貨とが、カメラ51により同時に撮像される構成とされた。しかしながら、特殊硬貨処理装置7は、投入部に投入された複数枚の硬貨(損貨、記念貨)が、一枚ずつ繰り出されてカメラ51により撮像されるような構成とされてもよい。この場合、繰り出されて搬送部を移動する硬貨をラインセンサにより撮像するようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態では、有価媒体処理装置6は、投入部510に投入された複数枚の紙幣(損券、旧券)が、一枚ずつ繰り出されて読取部530(カメラ、ラインセンサ)により撮像される構成とされた。しかしながら、複数枚の紙幣が載置領域に載置され、載置領域の複数枚の紙幣が、カメラにより同時に撮像されるような構成とされてもよい。この場合、
図16の処理において、複数の紙幣の画像を含む撮像画像から、各紙幣の画像を切り出す処理と、切り出した画像の歪みを補正する処理とが追加される。
【0212】
また、上記第1実施形態では、項目442dに金種を入力する方法として、複数の候補の中から適合するものを選択する方法が採られた。しかしながら、入力方法は、これに限られるものではなく、たとえば、操作表示部301に表示されるキーボートやテンキーにより、文字や数字で金種が直接入力されてもよい。同様に、上記第2実施形態において、刷種項目482bの刷種および金種項目482cの金種が、キーボートやテンキーにより、文字や数字で直接入力されてもよい。
【0213】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、操作端末8は、タッチパネルを備える操作表示部301を備えた。しかしながら、操作端末8に、操作表示部301に替えて、ディスプレイ、キーボードおよびマウスが備えられてもよい。
【0214】
また、上記第2実施形態では、読取部530により紙幣の表面および裏面が撮像され、それらの画像が入金処理画面480に配置された。しかしながら、読取部530により紙幣の表面のみが撮像され、その画像が入金処理画面480に配置されるようにしてもよい。
【0215】
また、上記第2実施形態において、紙幣の重なりの有無が判定され、紙幣の重なりがあるときに、入金処理画面480に、紙幣の重なりがあることを示す画像の表示がなされてもよい。たとえば、紙幣の重なりを検出するため、一枚の紙幣の内部を透過できる強さの光を発光する発光素子と、紙幣を通過した光を受光する受光素子とが第1搬送部521に設けられる。発光素子からの光を受光素子が受光しない場合、紙幣の重なりがあると判定できる。
【0216】
また、上記第1実施形態では、操作表示部301が特殊硬貨処理装置7と別体であり、操作端末8の制御部305により
図9の処理が行われた。しかしながら、操作表示部301が特殊硬貨処理装置7に一体的に設けられ、
図9の処理が、特殊硬貨処理装置7側の制御部205によって行われてもよい。この構成では、特殊硬貨処理装置7が、特許請求の範囲に記載の貨幣処理装置に対応する。
【0217】
この場合、特殊硬貨処理装置7は、たとえば、
図21のように構成される。特殊硬貨処理装置7は、ディスプレイ207aおよびタッチセンサ207bからなる操作表示部207を備える。記憶部206は、
図8に示した硬貨画像データベース306aと同様の硬貨画像データベース206aを保持する。
【0218】
制御部205は、
図10(a)~(d)および
図12の画面を操作表示部207に表示させながら、
図9の処理を実行する。処理結果に基づく情報は、記憶部206に記憶されてもよく、あるいは、操作端末8側に送信されて、操作端末8側の記憶部306に記憶されてもよい。
【0219】
同様に、操作表示部301が有価媒体処理装置6に一体的に設けられ、
図16の処理が、有価媒体処理装置6側の制御部610によって行われてもよい。この構成では、有価媒体処理装置6が、特許請求の範囲に記載の貨幣処理装置に対応する。
【0220】
また、上記第1実施形態の構成において、
図9の処理が、特殊硬貨処理装置7側の制御部205によって行われてもよい。この場合、操作端末8の操作表示部301は、単に、画面の表示および操作入力の受け付けのために用いられる。この場合も、特殊硬貨処理装置7の記憶部206には、
図21の場合と同様、硬貨画像データベース206aが保持される。この他、
図9の処理が、特殊硬貨処理装置7側の制御部205と操作端末8側の制御部305との共同動作により行われてもよい。同様に、上記第2実施形態において、
図16の処理が、有価媒体処理装置6側の制御部610によって行われてもよく、有価媒体処理装置6側の制御部610と操作端末8側の制御部305との共同動作により行われてもよい。
【0221】
また、特殊硬貨処理装置7が、タブレット端末やスマートフォンとの通信機能を有し、タブレット端末等の表示機能、操作機能を用いて、特殊硬貨処理装置7への特殊な硬貨の入金処理が行われてもよい。同様に、有価媒体処理装置6が、タブレット端末やスマートフォンとの通信機能を有し、タブレット端末等の表示機能、操作機能を用いて、有価媒体処理装置6への特殊な紙幣の入金処理が行われてもよい。
【0222】
また、上記第1実施形態では、
図10(d)に示したボタン443cによって硬貨の重なりが操作者に報知されたが、重なりの報知の形態はこれに限られるものではない。たとえば、音声やランプの点灯等の他の報知手段によって、硬貨の重なりが操作者に報知されてもよい。
【0223】
また、上記第1実施形態では、側面画像の厚みを所定の閾値と比較することにより硬貨の重なりを検出したが、その他の方法で硬貨の重なりを検出することとしてもよい。
【0224】
さらに、上記第1実施形態において、特殊硬貨処理装置7に、特殊な硬貨として、外国硬貨を入金できてもよい。また、特殊硬貨および特殊紙幣に限らず、通常の硬貨および紙幣を処理する貨幣処理装置および貨幣処理装置を含む貨幣処理システムに本発明が適用されてもよい。
【0225】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、貨幣処理システム1が、バラ紙幣処理装置2と、束紙幣処理装置3と、バラ硬貨処理装置4と、包装硬貨処理装置5と、有価媒体処理装置6と、特殊硬貨処理装置7と、操作端末8と、貨幣保管装置9と、を備える構成とされた。しかしながら、本発明は、操作端末8と特殊硬貨処理装置7のみで構成されるなど、少なくとも操作端末8と特殊硬貨処理装置7が含まれる構成の貨幣処理システムに適用でき、また、操作端末8と有価媒体処理装置6のみで構成されるなど、少なくとも操作端末8と有価媒体処理装置6が含まれる構成の貨幣処理システムに適用できる。
【0226】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0227】
1 貨幣処理システム
6 有価媒体処理装置(貨幣処理装置)
7 特殊硬貨処理装置(貨幣処理装置)
8 操作端末
21 第1載置領域(載置部)
22 第2載置領域(載置部)
51 カメラ(撮像部)
301 操作表示部(表示部)
305 制御部
306 記憶部
440 入金処理画面(入力画面)
442c 画像
442d 項目(入力領域)
480 入金処理画面(入力画面)
482a 画像
482b 刷種項目(入力領域)
482c 金種項目(入力領域)
530 読取部(撮像部)