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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】鋼部材の補強構造及び鋼部材の補強方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20221215BHJP
   F16B 39/02 20060101ALI20221215BHJP
   F16B 39/10 20060101ALI20221215BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20221215BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20221215BHJP
   F16B 7/06 20060101ALI20221215BHJP
   B66C 6/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
E04G23/02 F
F16B39/02 E
F16B39/10 L
F16B7/04 301R
F16B2/12 B
F16B7/06 Z
B66C6/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018152400
(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公開番号】P2020026682
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】青野 正典
(72)【発明者】
【氏名】橋本 克也
(72)【発明者】
【氏名】松本 庄司
(72)【発明者】
【氏名】松浦 雄一
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-078263(JP,A)
【文献】特開2011-231544(JP,A)
【文献】特開平06-073709(JP,A)
【文献】特開2015-092114(JP,A)
【文献】実開平05-094508(JP,U)
【文献】特開2018-016456(JP,A)
【文献】特開2007-315484(JP,A)
【文献】実公昭44-028504(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0241588(US,A1)
【文献】特開2010-178574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/02
E01D 22/00
B66C 6/00
F16B 2/12
F16B 7/04
F16B 7/06
F16B 39/10
F16B 39/02
E04B 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強構造であって、
貫通孔を有する複数の前記挟持金具と、複数の前記挟持金具における各々の前記貫通孔に挿通される挿通部材とを備え、
前記挟持金具は、前記第1鋼部材の長手方向で間隔を空けて並べて配置され、
一の前記挟持金具の前記貫通孔と他の前記挟持金具の前記貫通孔とが前記第1鋼部材の長手方向で略一致されて配置され、
かつ前記挿通部材は、前記第1鋼部材の長手方向に延びて形成され、
前記挿通部材は、前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第1鋼部材に取り付けられる第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定されること
を特徴とする鋼部材の補強構造。
【請求項2】
第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強構造であって、
貫通孔を有する複数の前記挟持金具と、複数の前記挟持金具における各々の前記貫通孔に挿通される挿通部材とを備え、
前記挿通部材は、前記第1鋼部材が架設される第2鋼部材に固定されること
を特徴とする鋼部材の補強構造。
【請求項3】
前記挟持金具は、前記第1鋼部材及び前記補強部材を係止するための複数のボルトと、複数の前記ボルトを互いに連結する連結部とを有すること
を特徴とする請求項1又は2記載の鋼部材の補強構造。
【請求項4】
前記挿通部材は、前記第1鋼部材に設けられるスチフナよりも前記第1鋼部材の幅方向
の外側に配置されること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の鋼部材の補強構造。
【請求項5】
前記挿通部材は、前記連結部又は前記部に取り付けられる取付け部に設けられた貫通孔に挿通されること
を特徴とする請求項記載の鋼部材の補強構造。
【請求項6】
前記挿通部材は、緊張力が付与されること
を特徴とする請求項1~の何れか1項記載の鋼部材の補強構造。
【請求項7】
前記第1鋼部材は、クレーンガーダーとして用いられること
を特徴とする請求項1~の何れか1項記載の鋼部材の補強構造。
【請求項8】
第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、
貫通孔を有する複数の前記挟持金具を前記第1鋼部材の長手方向に間隔を空けて並べて配置するとともに、一の前記挟持金具の前記貫通孔と他の前記挟持金具の前記貫通孔とが前記第1鋼部材の長手方向で略一致されるように配置し、
数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、
複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に前記第1鋼部材の長手方向に延びて形成される挿通部材を挿通し、
前記挿通部材を前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第1鋼部材が取り付けられる第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定すること
を特徴とする鋼部材の補強方法。
【請求項9】
第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、
貫通孔を有する複数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、
複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に挿通部材を挿通し、
前記挿通部材を前記第1鋼部材が架設される第2鋼部材に固定すること
を特徴とする鋼部材の補強方法。
【請求項10】
第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、
貫通孔を有する複数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、
複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に挿通部材を挿通し、
前記挿通部材を前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第1鋼部材が取り付けられる第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定し、
複数の前記挟持金具のうちの何れかの前記挟持金具の挟持を解除してから前記挿通部材を前記貫通孔に挿通させた状態で当該挟持金具を移動し、
移動した当該挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持すること
を特徴とする鋼部材の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1鋼部材と第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強構造及び鋼部材の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等に設けられる天井クレーンは、重量物を運搬するためのものとして、クレーンガーダーと呼ばれる鋼部材の梁上に載置されたレール上を走行するものである。この鋼部材は、天井クレーンの走行に伴って繰り返しの振動により金属疲労等の損傷が発生した場合、天井クレーンを走行させるのに必要な耐力が低下して天井クレーンを走行させることができなくなるため、補強する必要がある。
【0003】
従来、鋼部材を補強する方法として、鋼部材に補強部材を当接して、これらをボルト接合や溶接により固定する方法が知られている。これらの補強方法によれば、部材の構造断面積を増加させることで、必要な耐力を確保することができる。
【0004】
しかしながら、従来の鋼部材の補強方法において、鋼部材に補強部材をボルト接合により固定する場合には、鋼部材にボルトを挿通させるための孔を開ける必要があるため、この孔開けに伴って鋼部材自体が損傷する虞があるだけでなく、孔を開けるのに時間を要するため現場での施工時間を短縮できないという問題点があった。
【0005】
また、従来の鋼部材の補強方法において、鋼部材に補強部材を溶接により固定する場合には、現場での溶接作業が必要となる。溶接作業には所定の技能を要するだけでなく溶接の品質自体にもばらつきが生じることから、この補強方法では、安定した品質を確保するのが難しい。また、この補強方法では、鋼部材自体が溶接の熱により損傷してしまう虞があり、溶接作業に時間を要するため現場での施工時間を短縮できないという問題点があった。
【0006】
ここで、ボルト接合や溶接を行うことなく、鉄骨造の建物を補強することを目的として、特許文献1に開示された挟締金具が提案されている。特許文献1に開示された挟締金具は、コ字型の金具本体と、挟締ボルトと、を備え、挟締ボルトによりコ字型の開口部内に配置された部材を上下方向から2箇所以上で挟締することを特徴とする。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された挟締金具は、開口部内に配置された部材を挟締する際に、それぞれが独立して設けられるため、振動の作用を受けた場合には、挟持した部材から外れて地上に落下する虞があった。特に、天井クレーンに用いられる鋼部材は、地上からの高さが4m~5m程度の高所に配置されるため、振動によって地上に落下する虞がある特許文献1に開示された挟締金具は、高所で使用することができないものであった。また、特許文献1に開示された挟締金具は、振動の発生頻度が少なく、振動の周期が長い地震動に対して適用されるものである。天井クレーンの走行に伴う繰り返しの振動は、地震動よりも振動の発生頻度が多く、振動の周期も短いことから、特許文献1に開示された挟締金具を、仮にこのような繰り返しの振動が作用する鋼部材に適用したとしても、挟持した部材から外れて地上に落下する虞が極めて高いという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2には、柱上変圧装置蓋保持具が提案されている。特許文献2に開示された柱上変圧装置蓋保持装置は、電柱に取付けられている柱上変圧装置の点検時に、取外した蓋を保持するための柱上変圧装置蓋保持具と柱上変圧装置蓋保持具を電柱の足場ボルトに吊り下げる吊り下げロープとを備え、蓋保持具本体の連結部の上部には吊り環が設けられている。これにより、特許文献2に開示された柱上変圧装置蓋保持装置は、吊り環に吊り下げロープの一端を括り付け、吊り下げロープの他端を電柱の足場ボルト等に固定すれば、吊り下げロープ及び柱上変圧装置蓋保持具を介して柱上変圧装置の蓋を確実に吊り下げておくことができる。
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示された柱上変圧装置蓋保持装置は、鋼部材の補強に用いられるものではない。また、特許文献2に開示された柱上変圧装置蓋保持装置は、電柱の足場ボルト等に固定する吊り下げロープが1つの柱上変圧装置蓋保持具に設けられるものであり、吊り下げロープが複数の柱上変圧装置蓋保持具に設けられるものではない。このため、特許文献2に開示された柱上変圧装置蓋保持装置は、柱上変圧装置蓋保持具を電柱の足場ボルトに吊り下げるために、それぞれの柱上変圧装置蓋保持具に設けられる吊り下げロープを電柱の足場ボルト等に固定する必要があるため、現場での施工時間を短縮できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2015-092114号公報
【文献】特開2010-178574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、鋼部材に孔開けや溶接を行うことなく現場での施工時間を短縮することが可能であり、補強に用いられる挟持金具が地上へ落下するのを防止することが可能となる鋼部材の補強構造及び鋼部材の補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明に係る鋼部材の補強構造は、第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強構造であって、貫通孔を有する複数の前記挟持金具と、複数の前記挟持金具における各々の前記貫通孔に挿通される挿通部材とを備え、前記挟持金具は、前記第1鋼部材の長手方向で間隔を空けて並べて配置され、一の前記挟持金具の前記貫通孔と他の前記挟持金具の前記貫通孔とが前記第1鋼部材の長手方向で略一致されて配置され、かつ前記挿通部材は、前記第1鋼部材の長手方向に延びて形成され、前記挿通部材は、前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第1鋼部材に取り付けられる第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定されることを特徴とする。
第2発明に係る鋼部材の補強構造は、第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強構造であって、貫通孔を有する複数の前記挟持金具と、複数の前記挟持金具における各々の前記貫通孔に挿通される挿通部材とを備え、前記挿通部材は、前記第1鋼部材が架設される第2鋼部材に固定されることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る鋼部材の補強構造は、第1発明又は第2発明において、前記挟持金具は、前記第1鋼部材及び前記補強部材を係止するための複数のボルトと、複数の前記ボルトを互いに連結する連結部とを有することを特徴とする。
【0015】
第4発明に係る鋼部材の補強構造は、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記挿通部材は、前記第1鋼部材に設けられるスチフナよりも前記第1鋼部材の幅方向の外側に配置されることを特徴とする。
【0017】
発明に係る鋼部材の補強構造は、第3発明において、前記挿通部材は、前記連結部又は前記部に取り付けられる取付け部に設けられた貫通孔に挿通されることを特徴とする。
【0018】
発明に係る鋼部材の補強構造は、第1発明~第発明の何れかにおいて、前記挿通部材は、緊張力が付与されることを特徴とする。
【0019】
発明に係る鋼部材の補強構造は、第1発明~第発明の何れかにおいて、前記第1鋼部材は、クレーンガーダーとして用いられることを特徴とする。
【0020】
発明に係る鋼部材の補強方法は、第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、貫通孔を有する複数の前記挟持金具を前記第1鋼部材の長手方向に間隔を空けて並べて配置するとともに、一の前記挟持金具の前記貫通孔と他の前記挟持金具の前記貫通孔とが前記第1鋼部材の長手方向で略一致されるように配置し、複数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に前記第1鋼部材の長手方向に延びて形成される挿通部材を挿通し、前記挿通部材を前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第1鋼部材が取り付けられる第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定することを特徴とする。
第9発明に係る鋼部材の補強方法は、第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、貫通孔を有する複数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に挿通部材を挿通し、前記挿通部材を前記第1鋼部材が架設される第2鋼部材に固定することを特徴とする鋼部材の補強方法。
【0021】
第10発明に係る鋼部材の補強方法は、第1鋼部材と前記第1鋼部材に当接される補強部材とを挟持する挟持金具を用いて鋼部材を補強する鋼部材の補強方法であって、貫通孔を有する複数の前記挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持し、複数の前記挟持金具における各々の貫通孔に挿通部材を挿通し、前記挿通部材を前記挟持金具、前記第1鋼部材又は前記第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定し、複数の前記挟持金具のうちの何れかの前記挟持金具の挟持を解除してから前記挿通部材を前記貫通孔に挿通させた状態で当該挟持金具を移動し、移動した当該挟持金具で前記第1鋼部材と前記補強部材とを挟持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
第1発明~第発明によれば、第1鋼部材と補強部材とを挟持金具で挟持することにより、補強部材の断面積の分だけ構造全体としての断面積が増加し、これに伴って耐力も増加することになるため、第1鋼部材を補強することが可能となる。
【0023】
第1発明~第発明によれば、第1鋼部材と補強部材とを挟持金具で挟持することにより、従来のような鋼部材に孔開けや溶接を行うことなく、挟持金具を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を短縮することが可能となる。また、第1発明~第発明によれば、従来のような鋼部材に孔開けや溶接を行うことがないため、第1鋼部材が損傷することなく構造の品質の安定化を図ることが可能となる。
【0024】
第1発明~第発明によれば、挿通部材が挟持金具の貫通孔に挿通されることにより、挿通部材を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0025】
第1発明~第発明によれば、複数の挟持金具における各々の貫通孔に挿通される挿通部材が、挟持金具、第1鋼部材又は第2鋼部材のうちの少なくとも何れかに固定されることにより、振動が第1鋼部材に作用して第1鋼部材及び補強部材を挟持した一の挟持金具が仮に外れた場合であっても、挿通部材が一の挟持金具の貫通孔に挿通された状態に保たれるため、一の挟持金具が挿通部材から脱落しないものとなり、その結果、一の挟持金具が地上に落下するのを防止することが可能となる。加えて、第1発明~第発明によれば、一の挟持金具が第1鋼部材から仮に外れた場合であっても、他の挟持金具が第1鋼部材と補強部材とを挟持した状態に保たれるため、他の挟持金具により第1鋼部材を補強部材が補強した状態を維持することが可能となる。
【0026】
発明~第発明によれば、挟持金具が複数のボルトを互いに連結する連結部を有することにより、振動が第1鋼部材に作用したとき、連結部により複数のボルトが互いに回転することなく、弛むのを防止することができ、その結果、挟持金具が地上に落下するのを防止する効果を著しく高めることが可能となる。
【0027】
発明、第3発明~第発明によれば、挿通部材は第1鋼部材が架設される第2鋼部材に固定されることにより、挿通部材が第2鋼部材に架設されることとなる。このため、挟持金具が挿通部材に保持されて脱落しないものとなる。このため、挟持金具が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。
【0028】
第4発明~第発明によれば、支持部材が第1鋼部材に設けられるスチフナよりも第1鋼部材の幅方向の外側に配置される。このため、第1鋼部材にスチフナが設けられた場合であっても、スチフナに阻害されることなく挿通部材を現場で容易に取り付けることが可能となり、現場での施工時間を短縮することが可能となる。
【0029】
発明、第3発明~第発明によれば、挟持金具が第1鋼部材の長手方向で間隔を空けて並べて配置され、一の挟持金具の貫通孔と他の挟持金具の貫通孔とが第1鋼部材の長手方向で略一致されて配置され、挿通部材が第1鋼部材の長手方向に延びて形成される。これにより、第1鋼部材の長手方向に延びて形成される挿通部材を、第1鋼部材の長手方向で間隔を空けて並べて配置された各々の貫通孔に挿通するだけで施工することが可能となり、現場での施工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0030】
発明~第発明によれば、前記連結部又は連部に取り付けられる取付け部に設けられた貫通孔に挿通されることにより、ボルトの緩みをより確実に防止しつつ挟持金具が地上へ落下するのを防止することが可能となる。このため、第発明~第発明によれば、第1鋼部材の下側のフランジ及び補強部材の上側のフランジが挟持金具の開口部に配置された状態を保つことができ、その結果、挟持金具が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。
【0031】
発明~第発明によれば、挿通部材に緊張力が付与されることにより、挿通部材の変形に抵抗する機能が向上するため、挿通部材が大きく変形せずに挿通部材の長手方向が第1鋼部材の長手方向に沿った状態に維持され、その結果、挟持金具が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。加えて、第発明~第発明によれば、一の挟持金具が第1鋼部材から仮に外れた場合であっても、緊張力が付与された挿通部材から他の挟持金具に伝達される衝撃力を低減させることが可能となり、当該他の挟持金具の落下を防止する効果を一層高めることが可能となる。
【0032】
発明によれば、第1鋼部材がクレーンガーダーとして用いられることにより、第1鋼部材にはクレーンの走行に伴って地震動よりも振動の発生頻度が多く、振動の周期も短い繰り返しの振動が作用するものの、複数の挟持金具における各々の貫通孔に挿通部材が挿通されることにより、クレーンガーダーとして用いられる第1鋼部材と補強部材とを挟持する挟持金具が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0033】
発明~第10発明によれば、挿通部材を挟持金具の貫通孔に挿通することにより、挿通部材を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0034】
第10発明によれば、貫通孔に挿通部材を挿通した後においても挟持金具の位置を調整することが可能となり、現場での施工性を向上させることが可能となる。
【0035】
また、第10発明によれば、挟持金具を移動して所定の位置に配置した後に挟持金具で第1鋼部材と補強部材とを挟持するとき、第2鋼部材に固定された挿通部材が挟持金具の貫通孔に挿通されているため、挟持金具が地上に落下するのを防止することが可能となる。即ち、第10発明によれば、挟持金具の施工中において、挟持金具が地上に落下するのを防止することが可能となり、極めて安全に施工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明を適用した鋼部材の補強構造の斜視図である。
図2図1の鋼部材の補強構造における挟持金具近傍を示す図である。
図3】本発明を適用した鋼部材の補強構造を第1鋼部材の長手方向を鉛直に切った断面図である。
図4図3の鋼部材の補強構造における挟持金具近傍を示す図である。
図5】本発明を適用した鋼部材の補強構造を第1鋼部材の幅方向を鉛直に切った断面図である。
図6】本発明を適用した鋼部材の補強構造における支持部材の調整部を第2鋼部材に固定した状態を示す図である。
図7】本発明を適用した鋼部材の補強構造における支持部材の支持部を第2鋼部材に固定した状態を示す図である。
図8】(a)は、本発明を適用した鋼部材の補強構造における挟持金具の第1変形例を示す図であり、(b)は、本発明を適用した鋼部材の補強構造における挟持金具の第2変形例を示す図である。
図9】本発明を適用した鋼部材の補強構造における挟持金具の第3変形例を示す図であり、
図10】本発明を適用した鋼部材の補強構造における支持部材の変形例を示す図である。
図11】本発明を適用した鋼部材の補強構造が柱材としての第1鋼部材に用いられる形態を示す図である。
図12】本発明を適用した鋼部材の補強構造が梁材としての第1鋼部材及び柱材としての第2鋼部材に用いられる形態を示す図である。
図13】本発明を適用した鋼部材の補強構造が梁材としての第1鋼部材及び柱材としての第2鋼部材に用いられる他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を適用した鋼部材の補強構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1を示す斜視図である。図2は、図1の鋼部材の補強構造1における挟持金具2近傍を示す図である。
【0039】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持する挟持金具2を用いて鋼部材を補強するものである。本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、貫通孔25を有する複数の挟持金具2と、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3とを備える。
【0040】
第1鋼部材7は、例えば、H形鋼が用いられ、2つのフランジ71、72と、これらのフランジ71、72同士を連結するウェブ73とを有する。第1鋼部材7は、互いに所定の間隔を空けて立設された複数の第2鋼部材9、9に架設され、長手方向が略水平方向に沿って配置される。第1鋼部材7は、下側のフランジ71に補強部材8が当接される。第1鋼部材7は、下側のフランジ71及び上側のフランジ72の間に、第1鋼部材7の座屈を防止するための鋼板等のスチフナ74が複数設けられる。第1鋼部材7は、梁材であり、クレーンガーダーとして用いられ、上側のフランジ72に図示しないレールが載置され、このレール上に天井クレーン等のクレーンを走行させることができる。第1鋼部材7は、地上から約4m~5mの高さに配置され、天井クレーンを走行させることにより繰り返しの振動が作用するものとなる。
【0041】
補強部材8は、第1鋼部材7を補強するためのものである。補強部材8は、例えば、H形鋼が用いられ、2つのフランジ81、82と、これらのフランジ81、82同士を連結するウェブ83を有する。補強部材8の上側のフランジ81は、第1鋼部材7の下側のフランジ71に当接される。なお、補強部材8は、これに限らず、鋼板が用いられてもよい。
【0042】
第2鋼部材9は、例えば、H形鋼が用いられ、2つのフランジ91、92と、これらのフランジ91、92同士を連結するウェブ93とを有する。第2鋼部材9は、フランジ91に第1鋼部材7の長手方向の端部が取り付けられ、第1鋼部材7を架設する柱材として用いられる。第2鋼部材9は、フランジ91に鋼板等の添接板95が取り付けられ、この添接板95は、フランジ91の幅方向の外側に向けて突出される。
【0043】
図3は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1を第1鋼部材7の長手方向を鉛直に切った断面図である。図4は、図3の鋼部材の補強構造1における挟持金具2近傍を示す図である。図5は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1を第1鋼部材7の幅方向を鉛直に切った断面図である。
【0044】
挟持金具2は、コの字状の金具本体21と、金具本体21に設けられる複数のボルト22を有する。金具本体21は、開口部21aが形成され、開口部21aの両側を挟むように突出された2つの突出部21b、21cを有する。挟持金具2は、例えば、「ピタグリップ」(登録商標)が用いられる。挟持金具2は、鋼製であり、重量が20kg程度である。
【0045】
挟持金具2は、開口部21aに第1鋼部材7の下側のフランジ71及び補強部材8の上側のフランジ81が配置され、第1鋼部材7の下側のフランジ71及び補強部材8の上側のフランジ81を係止するためのボルト22が金具本体21の突出部21bに設けられる。挟持金具2は、金具本体21の突出部21cとボルト22とにより、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持するものとなる。挟持金具2は、第1鋼部材7のウェブ73を挟んで両側にそれぞれ配置される。
【0046】
このように挟持金具2は、20kg程度の鋼製のものが用いられ、地上から4m~5m程度の高さに配置された第1鋼部材7に取り付けられるものであり、仮に振動が作用してボルトが緩むことで挟持金具2が地上に落下した場合には危険であるため、この落下を防止する必要がある。
【0047】
挟持金具2は、複数のボルト22を互いに連結する連結部23と、連結部23に取り付けられる取付部24と、挿通部材3が挿通される貫通孔25とを有する。
【0048】
連結部23は、鋼板等が用いられ、各々のボルト22の頭部に溶接により固定される。取付部24は、山型鋼、鋼板等が用いられ、連結部23に溶接により固定され、貫通孔25が設けられる。一の挟持金具2の貫通孔25と他の挟持金具2の貫通孔25とは、第1鋼部材7の長手方向で略一致されて配置される。なお、取付部24は、連結部23に溶接により固定されるものに限らず、連結部23と一体成型されてもよい。
【0049】
挿通部材3は、図1に示すように、第1鋼部材7の長手方向に沿って延長され、両端部が第1鋼部材7が架設される複数の第2鋼部材9、9にそれぞれ固定される。挿通部材3は、所定の剛性を有する棒鋼、ワイヤー等の本体部30と、本体部30の長手方向の両方の端部に取り付けられる調整部31、31とを有する。なお、本体部30は、第1鋼部材7の長手方向に沿って延長されるロープ等の索状体が用いられてもよい。調整部31は、ターンバックル等が用いられ、挿通部材3の長さを調整する機能を有する。挿通部材3は、調整部31で長さを調整することで、挿通部30に緊張力を作用させた状態で、第2鋼部材9に固定してもよい。
【0050】
挿通部材3は、図2及び図5に示すように、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通され、第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。
【0051】
図6は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挿通部材3の調整部31を第2鋼部材9に固定した状態を示す図である。挿通部材3は、図6に示すように、本体部30の端部に取り付けられた調整部31が、第2鋼部材9の添接板95に固定される。なお、図示は省略するが、挿通部材3は、アイボルトを介して第2鋼部材9に固定されていてもよい。
【0052】
図7は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挿通部材3の本体部30を第2鋼部材9に固定した状態を示す図である。挿通部材3は、図7に示すように、本体部30の端部が第2鋼部材9に溶接等により固定されてもよい。このように挿通部材3は、如何なる手段によって第2鋼部材9に固定されていてもよい。また、挿通部材3は、これに限らず、挟持金具2、第1鋼部材7又は第2鋼部材9の少なくとも何れかに固定されていればよい。
【0053】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強方法について説明する。
【0054】
図1図5に示すように、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、先ず、第1鋼部材7と補強部材8とを複数の挟持金具2で挟持する。挟持金具2で第1鋼部材7と補強部材8とを挟持する際には、第2鋼部材9に予め架設された第1鋼部材7の下側のフランジ71に、補強部材8の上側のフランジ81を当接させた上で、第1鋼部材7の下側のフランジ71及び補強部材8の上側のフランジ81を挟持金具2の開口部21aに配置し、複数のボルト22を締結する。複数のボルト22を締結することで、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で挟持することとなる。この挟持金具2による挟持作業を、各々の挟持金具2に対してそれぞれ行うことで、第1鋼部材7及び補強部材8を複数の挟持金具2で挟持する。
【0055】
そして、挟持金具2の複数のボルト22の頭部を連結部23で固定、例えば溶接により固定し、貫通孔25が設けられた取付部24を連結部23に固定、例えば溶接により固定する。尚、前述のように取付部24は、連結部23により固定されるものに限らず、連結部23と一体成型であってもよい。貫通孔25は、連結部23に設けられてもよい。
【0056】
鋼部材の補強方法は、次に、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通部材3の本体部30を挿通する。そして、貫通孔25に挿通した挿通部材3の本体部30に調整部31を取り付け、調整部31を第2鋼部材9に取り付けられた添接板95に固定する。このとき、調整部31により挿通部材3の長さを調整することで、本体部30に緊張力が付与される。このように、本体部30に緊張力を作用させた状態で、挿通部材3を第2鋼部材9に固定する。
【0057】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1の作用効果について説明する。
【0058】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図2に示すように、貫通孔25を有する複数の挟持金具2と、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3とを備えるものである。
【0059】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持金具2で挟持することにより、補強部材8の断面積の分だけ構造全体としての断面積が増加し、これに伴って耐力も増加することになるため、第1鋼部材7を補強することが可能となる。
【0060】
また、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持金具2で挟持することにより、従来のような鋼部材に孔開けや溶接を行うことなく、挟持金具2を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を短縮することが可能となる。また、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、従来のような鋼部材に孔開けや溶接を行うことがないため、第1鋼部材7が損傷することなく構造の品質の安定化を図ることが可能となる。
【0061】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挿通部材3が複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通されることにより、挿通部材3を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0062】
特に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挟持金具2が第1鋼部材7の長手方向で間隔を空けて並べて配置され、一の挟持金具2の貫通孔25と他の挟持金具2の貫通孔25とが第1鋼部材7の長手方向で略一致されて配置され、挿通部材3が第1鋼部材7の長手方向に延びて形成される。これにより、第1鋼部材7の長手方向に延びて形成される挿通部材3を、第1鋼部材7の長手方向で略一致されて配置された各々の貫通孔25に挿通するだけで施工することが可能となり、現場での施工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0063】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3が、第2鋼部材9に固定される。これにより、振動が第1鋼部材7に作用して第1鋼部材7及び補強部材8を挟持した一の挟持金具2が仮に外れた場合であっても、第2鋼部材9に固定された挿通部材3が一の挟持金具2の貫通孔25に挿通された状態に保たれるため、一の挟持金具2が挿通部材3から脱落しないものとなり、その結果、一の挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。加えて、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、一の挟持金具2が第1鋼部材7から仮に外れた場合であっても、他の挟持金具2が第1鋼部材7と補強部材8とを挟持した状態に保たれるため、他の挟持金具2により第1鋼部材7を補強部材8が補強した状態を維持することが可能となる。
【0064】
特に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7がクレーンガーダーとして用いられることにより、第1鋼部材7には天井クレーンの走行に伴って地震動よりも振動の発生頻度が多く、振動の周期も短い繰り返しの振動が作用するものの、挿通部材3が複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通されることにより、クレーンガーダーとして用いられる第1鋼部材7と補強部材8とを挟持する挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0065】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挟持金具2が複数のボルト22を互いに連結する連結部23を有することにより、振動が第1鋼部材7に作用したとき、連結部23により複数のボルト22が互いに回転することなく、弛むのを防止することができ、その結果、挟持金具2が地上に落下するのを防止する効果を著しく高めることが可能となる。加えて貫通孔25が設けられた取付部24が連結部23に固定されているため、複数のボルト22の緩みをより確実に防止すると同時に挟持金具2が地上に落下するのを防止する効果を併せ持つことになり、より好ましい効果が発揮できる。
【0066】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挿通部材3が所定の剛性を有することにより、振動が第1鋼部材7に作用したとき、挿通部材3が大きく変形せずに挿通部材3の長手方向が第1鋼部材7の長手方向に沿った状態に維持される。このため、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7の下側のフランジ71及び補強部材8の上側のフランジ81が挟持金具2の開口部21aに配置された状態を保つことができ、その結果、挟持金具2が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。
【0067】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挿通部材3は、第1鋼部材7が架設される第2鋼部材9に固定されることにより、挿通部材3が第2鋼部材9に架設されることとなる。このため、挟持金具2が挿通部材3に保持されて脱落しないものとなる。このため、挟持金具2が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。
【0068】
さらに、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挿通部材3の本体部30に緊張力が付与されることにより、挿通部材3の変形に抵抗する機能が向上する。このため、挿通部材3が大きく変形せずに挿通部材3の長手方向が第1鋼部材7の長手方向に沿った状態に維持され、その結果、挟持金具2が地上に落下するのを防止する効果を高めることが可能となる。加えて、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、一の挟持金具2が第1鋼部材7から仮に外れた場合であっても、緊張力が付与された挿通部材3から他の挟持金具2に伝達される衝撃力を低減させることが可能となり、他の挟持金具2の落下を防止する効果を一層高めることが可能となる。
【0069】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図3に示すように、挿通部材3が第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。このため、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7にスチフナ74が設けられた場合であっても、スチフナ74に阻害されることなく挿通部材3を現場で容易に取り付けることが可能となり、現場での施工時間を短縮することが可能となる。
【0070】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図6に示すように、挿通部材3の長さを調整する調整部31を有することにより、挿通部材3を第2鋼部材9に固定する際に、挿通部材3の長さを調整できるため、挿通部材3を現場で容易に取り付けることができ、現場での施工時間を短縮することが可能となる。
【0071】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挟持金具2の変形例について説明する。図8(a)は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挟持金具2の第1変形例を示す図であり、図8(b)は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挟持金具2の第2変形例を示す図である。
【0072】
挟持金具2は、図8(a)に示すように、金具本体21に取り付けられた鋼板等の取付部24に貫通孔25が設けられてもよい。このとき、挿通部材3は、複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通される。また、挿通部材3は、第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。
【0073】
挟持金具2は、図8(b)に示すように、金具本体21に貫通孔25が設けられてもよい。このとき、挿通部材3は、各々の挟持金具2の貫通孔25に挿通されて複数の挟持金具2を支持するものとなる。また、挿通部材3は、第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。
【0074】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図8(a)及び図8(b)に示すように、挿通部材3が第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。このため、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、スチフナ74が第1鋼部材7に設けられた場合であっても、スチフナ74に阻害されることなく挿通部材3を現場で容易に取り付けることが可能となり、現場での施工時間を短縮することが可能となる。
【0075】
図8(a)及び図8(b)に示す形態において、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、複数のボルト22を締結することで、第1鋼部材7及び補強部材8を複数の挟持金具2で挟持する。複数のボルト22を締結する際には、複数のボルト22を本締めをして、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で挟持してもよい。また、複数のボルト22を仮締めをして、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で仮止めするように挟持してもよい。
【0076】
本発明を適用した鋼部材の補強方法は、次に、複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通部材3を挿通する。そして、貫通孔25に挿通した挿通部材3の本体部30に調整部31を取り付け、調整部31を第2鋼部材9に取り付けられた添接板95に固定することで、挿通部材3を第2鋼部材9に固定する。
【0077】
このとき、複数のボルト22を仮締めをして第1鋼部材7と補強部材8とを複数の挟持金具2で仮止めするように挟持した場合には、挿通部材3を第2鋼部材9に固定した後に複数のボルト22を緩め、複数の挟持金具2のうちの何れかの挟持金具2の挟持を解除することで、貫通孔25に挿通部材3が挿通された状態で当該挟持金具2を第1鋼部材7の長手方向に向けて移動させることが可能となる。なお、挟持金具2の挟持の解除作業は、複数の挟持金具2のうちの1つ以上の挟持金具2を第1鋼部材7と補強部材8とを挟持した状態で行うこととなる。これにより、挟持金具2の解除したとしても、1つ以上の挟持金具2で第1鋼部材7と補強部材8とを挟持することとなるため、補強部材8が地上に落下することはない。
【0078】
そして、移動した挟持金具2を所定の位置に配置した後に、複数のボルト22の本締めをし、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で挟持することができる。なお、挟持金具2の挟持を解除し、挟持金具2を所定の位置に配置して再度挟持する作業は、必要に応じて、各々の挟持金具2に対して繰り返し行ってもよい。その後、必要に応じて、挟持金具2の複数のボルト22の頭部に連結部23を溶接により固定すればよい。
【0079】
このように、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、図8(a)及び図8(b)に示すように、貫通孔25が挟持金具2の金具本体21に取り付けられた取付部24に設けられる場合や貫通孔25が挟持金具2の金具本体21に設けられる場合には、貫通孔25に挿通部材3を挿通した後においても挟持金具2の位置を調整することが可能となり、現場での施工性を向上させることが可能となる。
【0080】
また、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、挟持金具2を移動して所定の位置に配置した後に挟持金具2で第1鋼部材7と補強部材8とを挟持するとき、第2鋼部材9に固定された挿通部材3が複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通されているため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。即ち、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、挟持金具2の施工中において、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となり、極めて安全に施工を行うことが可能となる。
【0081】
図9は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挟持金具2の第3変形例を示す図である。
【0082】
挟持金具2は、図9に示すように、金具本体21の突出部21bに鋼板等の連結部23が載置され、連結部23に取り付けられた鋼板やU字ボルト等の取付部24に貫通孔25が設けられる。この連結部23は、孔23aにボルト22が貫通される。また、連結部23は、複数のボルト22に溶接等で連結される。このとき、挿通部材3は、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される。また、挿通部材3は、第1鋼部材7に設けられるスチフナ74よりも第1鋼部材7の幅方向の外側に配置される。
【0083】
図9に示す形態において、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、金具本体21の突出部21bに取付部24が取り付けられた連結部23を載置し、孔23a及び突出部21bとにボルト22を貫通させる。そして、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、複数のボルト22を締結することで、第1鋼部材7及び補強部材8を複数の挟持金具2で挟持する。複数のボルト22を締結する際には、複数のボルト22を本締めをして、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で挟持してもよい。また、複数のボルト22を仮締めをして、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で仮止めするように挟持してもよい。
【0084】
本発明を適用した鋼部材の補強方法は、次に、複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通部材3を挿通する。そして、貫通孔25に挿通した挿通部材3の本体部30に調整部31を取り付け、調整部31を第2鋼部材9に取り付けられた添接板95に固定することで、挿通部材3を第2鋼部材9に固定する。
【0085】
このとき、複数のボルト22を仮締めをして第1鋼部材7及び補強部材8を複数の挟持金具2で仮止めするように挟持した場合には、挿通部材3を第2鋼部材9に固定した後に複数のボルト22を緩め、複数の挟持金具2のうちの何れかの挟持金具2の挟持を解除することで、貫通孔25に挿通部材3が挿通された状態で挟持金具2を第1鋼部材7の長手方向に向けて移動させることが可能となる。そして、移動した挟持金具2を所定の位置に配置した後に、複数のボルト22の本締めをし、複数のボルト22及び金具本体21の突出部21cにより第1鋼部材7及び補強部材8を挟持金具2で挟持することができる。その後、必要に応じて、挟持金具2の複数のボルト22の脚部に連結部23の孔23aを溶接により固定すればよい。
【0086】
このように、図9に示す形態においても、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、貫通孔25に挿通部材3を挿通した後に挟持金具2の位置を調整することが可能となり、現場での施工性を向上させることが可能となる。
【0087】
また、図9に示す形態においても、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、挟持金具2を移動して所定の位置に配置した後に挟持金具2で第1鋼部材7と補強部材8とを挟持するとき、第2鋼部材9に固定された挿通部材3が挟持金具2の貫通孔25に挿通されているため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。即ち、本発明を適用した鋼部材の補強方法は、挟持金具2の施工中において、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となり、極めて安全に施工を行うことが可能となる。
【0088】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挿通部材3の変形例について説明する。図10は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1における挿通部材3の変形例を示す図である。挿通部材3は、図10に示すように、第1鋼部材7の長手方向における両端部側に配置された挟持金具2'、2'にそれぞれ固定されてもよい。この挿通部材3は、本体部30の端部が挟持金具2’における取付部24に溶接により固定される。なお、図10に示す形態において、挿通部材3は、第1鋼部材7の長手方向における端部側に配置された挟持金具2'の取付部24の貫通孔25に挿通された上で、取付部24に固定されるが、本発明においては、挟持金具2'の取付部24に貫通孔25が省略されてもよい。このとき、挿通部材3は、本体部30を挟持金具2’における取付部24に溶接等で固定することで、挟持金具2’に固定されてもよい。
【0089】
挿通部材3が挟持金具2’に固定される場合には、例えば、本体部の端部に取り付けられた挿通部材3の長さを調整する機能を有するターンバックル、アイボルト等を介して挟持金具2’に固定されてもよい。挿通部材3が挟持金具2’に固定される場合には、如何なる手段によって挟持金具2’に固定されていてもよい。
【0090】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図10に示す形態においても、第1鋼部材7に振動が作用したとき、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通部材3が挿通されるため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0091】
また、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挿通部材3が第1鋼部材7の長手方向における両端部側に配置された挟持金具2'、2'に固定されることにより、挿通部材3の長さを第1鋼部材7を架設する複数の第2鋼部材9、9間の長さよりも短くできるため、施工費用を低減させることが可能となる。
【0092】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1が柱材としての第1鋼部材7に用いられる形態について説明する。図11は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1が柱材としての第1鋼部材7に用いられる形態を示す図である。
【0093】
第1鋼部材7は、長手方向が略鉛直方向に沿って配置され、所定の間隔を空けて複数立設される。第1鋼部材7は、第2鋼部材9の長手方向の端部が取り付けられ、第2鋼部材9を架設する柱材として用いられる。第1鋼部材7の一方のフランジ71には、補強部材8の一方のフランジ81が当接される。第1鋼部材7は、2つのフランジ71、72の間にスチフナ74が複数設けられる。挿通部材3は、例えば、調整部31がスチフナ74に固定されることで、第1鋼部材7に固定される。
【0094】
第2鋼部材9は、互いに所定の間隔を空けて立設された複数の第1鋼部材7に架設され、長手方向が略水平方向に沿って配置される。第2鋼部材9は、梁材であり、クレーンガーダーとして用いられ、上側のフランジ92に図示しないレールが載置され、このレール上に天井クレーン等のクレーンを走行させることができる。第2鋼部材9は、地上から約4m~5mの高さに配置され、天井クレーンを走行させることにより第1鋼部材7に繰り返しの振動が作用するものとなる。
【0095】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図11に示す形態において、第1鋼部材7に振動が作用したとき、複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通部材3が挿通されるため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0096】
また、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、挟持金具2の貫通孔25に挿通部材3を挿通させることにより、天井クレーンの走行により繰り返しの振動が第1鋼部材7に作用して第1鋼部材7及び補強部材8を挟持した一の挟持金具2が仮に外れた場合であっても、挿通部材3が一の挟持金具2の貫通孔25に挿通された状態に保たれるため、一の挟持金具2が挿通部材3から脱落しないものとなり、その結果、一の挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。加えて、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、他の挟持金具2が第1鋼部材7及び補強部材8を挟持した状態に保たれるため、他の挟持金具2により第1鋼部材7を補強部材8が補強した状態を維持することが可能となる。
【0097】
次に、本発明を適用した鋼部材の補強構造1が梁材としての第1鋼部材7及び柱材としての第2鋼部材9に用いられる形態について説明する。
【0098】
図12は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1が梁材としての第1鋼部材7及び柱材としての第2鋼部材9に用いられる形態を示す図である。
【0099】
第1鋼部材7及び第2鋼部材9は、鉄骨造の建築物に用いられ、第1鋼部材7は、建築物における梁材であり、第2鋼部材9は、建築物における柱材である。
【0100】
第2鋼部材9は、2つのフランジ91、92の間に、第2鋼部材9の座屈を防止するための鋼板等のスチフナ94が複数設けられる。第2鋼部材9の長手方向に沿って延長される挿通部材3は、例えば、ターンバックル等が用いられる調整部31がスチフナ94に固定されることで、第2鋼部材9に固定される。
【0101】
補強部材8は、建築物の耐震補強に用いられ、梁材としての第1鋼部材7及び柱材としての第2鋼部材9に取り付けられる。この補強部材8は、第1鋼部材7に当接されるフランジ81と、フランジ81に設けられるウェブ83と、第2鋼部材9に当接されるフランジ88と、フランジ88に設けられるウェブ89と、これらのウェブ83、89同士を連結する方杖85とを有する。
【0102】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図12に示すように、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持する複数の挟持金具2と、第2鋼部材9と補強部材8とを挟持する複数の挟持金具2と、第1鋼部材7の長手方向に沿って延長されて複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3と、第2鋼部材9の長手方向に沿って延長されて複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3とを備える。
【0103】
図12に示す形態において、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7及び第2鋼部材9に地震動による振動が作用したとき、第1鋼部材7に固定される挿通部材3及び第2鋼部材9に固定される挿通部材3が複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通されるため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0104】
図13は、本発明を適用した鋼部材の補強構造1が梁材としての第1鋼部材7及び柱材としての第2鋼部材9に用いられる他の形態を示す図である。
【0105】
補強部材8は、建築物の耐震補強に用いられ、梁材としての第1鋼部材7及び柱材としての第2鋼部材9に取り付けられる。この補強部材8は、第1鋼部材7に当接されるフランジ81と、第2鋼部材9に当接されるフランジ88と、これらのフランジ81、88同士を連結するウェブ83と、ウェブ83に設けられる鉄骨ブレース86とを有する。
【0106】
本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、図13に示すように、第1鋼部材7と補強部材8とを挟持する複数の挟持金具2と、第2鋼部材9と補強部材8とを挟持する複数の挟持金具2と、第1鋼部材7の長手方向に沿って延長されて複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3と、第2鋼部材9の長手方向に沿って延長されて複数の挟持金具2における各々の貫通孔25に挿通される挿通部材3とを備える。
【0107】
図13に示す形態において、本発明を適用した鋼部材の補強構造1は、第1鋼部材7及び第2鋼部材9に地震動による振動が作用したとき、第1鋼部材7に固定される挿通部材3及び第2鋼部材9に固定される挿通部材3が複数の挟持金具2の各々の貫通孔25に挿通されるため、挟持金具2が地上に落下するのを防止することが可能となる。
【0108】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【符号の説明】
【0109】
1 :補強構造
2 :挟持金具
2’ :挟持金具
21 :金具本体
21a :開口部
21b :突出部
21c :突出部
22 :ボルト
23 :連結部
24 :取付部
25 :貫通孔
3 :支持部材
30 :支持部
31 :調整部
7 :第1鋼部材
71 :フランジ
72 :フランジ
73 :ウェブ
74 :スチフナ
8 :補強部材
81 :フランジ
82 :フランジ
83 :ウェブ
85 :方杖
86 :鉄骨ブレース
88 :フランジ
89 :ウェブ
9 :第2鋼部材
91 :フランジ
92 :フランジ
93 :ウェブ
94 :スチフナ
95 :添接板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13