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特許7194570ランプ故障検出装置、ランプ故障検出装置の設定方法、光源故障検出装置、光源故障検出装置の設定方法、およびランプアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ランプ故障検出装置、ランプ故障検出装置の設定方法、光源故障検出装置、光源故障検出装置の設定方法、およびランプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/23 20200101AFI20221215BHJP
   H05B 45/54 20200101ALI20221215BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20221215BHJP
   B60Q 11/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H05B47/23
H05B45/54
B60Q1/04 E
B60Q11/00 610B
B60Q11/00 625Z
B60Q11/00 635Z
B60Q11/00 640A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018223805
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020087830
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 洋之輔
(72)【発明者】
【氏名】中村 崇明
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-118809(JP,A)
【文献】特開2018-027736(JP,A)
【文献】特開2007-112237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
H05B 45/00
B60Q 1/04
B60Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるランプアセンブリであって、
各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)と
前記n個のランプの各々に電流を供給するランプ駆動回路と、
接地側より一番目のランプからm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
記接地側より一番目のランプから(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
複数の閾値を格納しているストレージと、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得するプロセッサと、
を備えており
前記複数の閾値の各々は、前記n個のランプのうち対応する一つが正常に動作している場合に印加される正常動作電圧に関連付けられており、
前記プロセッサは、
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを上回っている場合、前記m番目のランプのオープン故障を検出し、
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを下回っている場合、前記m番目のランプのショート故障を検出する、
ランプアセンブリ。
【請求項2】
前記一番目のランプから前記接地側より(n-1)番目のランプの少なくとも一つに前記電流が供給される状態と前記電流が供給されない状態を切り替えるスイッチを備えている、
請求項1に記載のランプアセンブリ。
【請求項3】
前記接地側よりn番目のランプは、ロービームランプであり、
前記n番目のランプを除く少なくとも一つのランプは、ハイビームランプである、
請求項1または2に記載のランプアセンブリ。
【請求項4】
車両に搭載されるランプ故障検出装置であって、
前記車両に搭載されて各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目のランプからm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
記接地側より一番目のランプから(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得するプロセッサと、
複数の閾値を格納しているストレージと、
を備えており
前記複数の閾値の各々は、前記n個のランプのうち対応する一つが正常に動作している場合に印加される正常動作電圧に関連付けられており、
前記プロセッサは、
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを上回っている場合、前記m番目のランプのオープン故障を検出し、
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを下回っている場合、前記m番目のランプのショート故障を検出する、
ランプ故障検出装置。
【請求項5】
車両に搭載されるランプ故障検出装置の設定方法であって、
前記ランプ故障検出装置は、
前記車両に搭載されて各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目のランプからm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
前記接地側より一番目のランプから(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得するプロセッサと、
ストレージと、
を備えており、
前記n個のランプの各々が正常に動作している場合に印加される正常動作電圧を各ランプについて取得し、
各々が前記n個のランプのうち対応する一つの前記正常動作電圧に関連付けられた複数の閾値を前記ストレージに格納し、
前記差分値と前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つとを、前記プロセッサが比較可能に
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを上回っている場合、前記m番目のランプのオープン故障を検出し、
前記差分値が前記m番目のランプに関連付けられた前記複数の閾値の一つを下回っている場合、前記m番目のランプのショート故障を検出する、
ランプ故障検出装置の設定方法。
【請求項6】
車両に搭載される光源故障検出装置であって、
前記車両に搭載されて直列接続されたn個の光源(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目の光源からm番目の光源(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
記接地側より一番目の光源から(m-1)番目の光源の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得するプロセッサと、
複数の閾値を格納しているストレージと、を備えており
前記複数の閾値の各々は、前記n個の光源のうち対応する一つが正常に動作している場合に印加される正常動作電圧に関連付けられており、
前記プロセッサは、
前記差分値が前記m番目の光源に関連付けられた前記複数の閾値の一つを上回っている場合、前記m番目の光源のオープン故障を検出し、
前記差分値が前記m番目の光源に関連付けられた前記複数の閾値の一つを下回っている場合、前記m番目の光源のショート故障を検出する、
光源故障検出装置。
【請求項7】
車両に搭載される光源故障検出装置の設定方法であって、
前記光源故障検出装置は、
前記車両に搭載されて各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個の光源(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目の光源からm番目の光源(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
前記接地側より一番目の光源から(m-1)番目の光源の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得するプロセッサと、
ストレージと、
を備えており、
前記n個の光源の各々が正常に動作している場合に印加される電圧がとりうる正常動作電圧を各光源について取得し、
各々が前記n個の光源のうち対応する一つの前記正常動作電圧に関連付けられた複数の閾値を前記ストレージに格納し、
前記差分値と前記m番目の光源に関連付けられた前記複数の閾値の一つとを、前記プロセッサが比較可能に
前記差分値が前記m番目の光源に関連付けられた前記複数の閾値の一つを上回っている場合、前記m番目の光源のオープン故障を検出し、
前記差分値が前記m番目の光源に関連付けられた前記複数の閾値の一つを下回っている場合、前記m番目の光源のショート故障を検出する、
光源故障検出装置の設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるランプ故障検出装置、および当該ランプ故障検出装置の設定方法に関連する。当該ランプ故障検出装置は、車両に搭載されて直列接続された複数のランプの少なくとも一つの故障を検出する。本発明は、車両に搭載される光源故障検出装置、および当該光源故障検出装置の設定方法にも関連する。当該光源故障検出装置は、車両に搭載されて直列接続された複数の光源の少なくとも一つの故障を検出する。本発明は、当該複数のランプまたは当該複数の光源と当該ランプ故障検出装置または当該光源故障検出装置を備えたランプアセンブリにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたランプ制御装置は、車両に搭載される複数のランプの点灯動作を制御する。複数のランプは、ランプ制御装置に対して直列に接続されている。ランプ制御装置は、複数の順方向電圧検出回路とマイコンを備えている。複数の順方向電圧検出回路の各々は、複数のランプの対応する一つに印加される順方向電圧を検出する。マイコンは、各順方向電圧検出回路により検出された順方向電圧と所定の異常判定値との比較結果に基づいて、各ランプのリーク故障を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-200610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、車両に搭載されて直列接続された複数のランプや複数の光源の故障を検出するための、より汎用性の高い技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成しうる一態様は、車両に搭載されるランプ故障検出装置であって、
各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目のランプからm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
前記一番目のランプから前記接地側より(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得し、当該差分値と書き替え可能な閾値との比較結果に基づいて前記m番目のランプの故障を検出するプロセッサと、
を備えている。
【0006】
上記の目的を達成しうる一態様は、上記のランプ故障検出装置の設定方法であって、
電流を供給するランプ駆動回路に接続される前記m番目のランプを選択し、
前記m番目のランプが正常に動作している場合に印加される正常動作電圧を取得し、
前記正常動作電圧を、前記閾値として前記プロセッサが参照可能にする。
【0007】
上記のような構成によれば、各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のうち、接地側よりm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)に印加されている電圧自体は、特定の電圧検出回路で検出されない。代わりに、接地側より一番目のランプからm番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第一電圧と、接地側より一番目のランプから(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧の差分値が、m番目のランプに印加されている電圧として扱われるとともに、プロセッサにより参照される閾値との比較に供される。
【0008】
他方、上記のような設定方法によれば、プロセッサにより参照される閾値は、駆動対象として選ばれたm番目のランプの正常動作電圧に応じて書き替えられる。したがって、m番目のランプの正常動作電圧に係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際にランプ駆動回路に接続されたm番目のランプの正常動作電圧に係る閾値と上記の差分値との比較により、m番目のランプのリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0009】
また、プロセッサにより参照される閾値が、駆動対象として選ばれたn個のランプの仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違するn個のランプに対して電圧検出回路を共用できる。電圧検出回路は、上述した第一電圧と第二電圧を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、各ランプのリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0010】
よって、車両に搭載されて直接接続された複数のランプの故障を検出するためのランプ故障検出装置の汎用性を高めることができる。
【0011】
したがって、上記の目的を達成しうる一態様は、車両に搭載されるランプアセンブリであって、
各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のランプと、
前記n個のランプの各々に電流を供給するランプ駆動回路と、
接地側より一番目のランプからm番目のランプ(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
前記一番目のランプから前記接地側より(m-1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得し、当該差分値と書き替え可能な閾値との比較結果に基づいて前記m番目のランプの故障を検出するプロセッサと、
を備えている。
【0012】
上記のランプアセンブリは、以下のように構成されうる。
前記一番目のランプから前記接地側より(n-1)番目のランプの少なくとも一つに前記電流が供給される状態と前記電流が供給されない状態を切り替えるスイッチを備えている。
【0013】
このような構成によれば、ランプ駆動回路に直列接続された複数のランプのうち少なくとも一つのランプの点消灯状態を個別に制御できる。
【0014】
例えば、前記n番目のランプは、ロービームランプであり、前記n番目のランプを除く少なくとも一つのランプは、ハイビームランプである。
【0015】
上記の目的を達成しうる一態様は、車両に搭載される光源故障検出装置であって、
直列接続されたn個の光源(nは2以上の整数)のうち、接地側より一番目の光源からm番目の光源(mは2以上n以下の整数)の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧を検出する第一電圧検出回路と、
前記一番目の光源から前記接地側より(m-1)番目の光源の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧を検出する第二電圧検出回路と、
前記第一電圧と前記第二電圧の差分値を取得し、当該差分値と書き替え可能な閾値との比較結果に基づいて前記m番目の光源の故障を検出するプロセッサと、
を備えている。
【0016】
上記の目的を達成しうる一態様は、上記の光源故障装置の設定方法であって、
電流を供給する光源駆動回路に接続される前記m番目の光源を選択し、
前記m番目の光源が正常に動作している場合に印加される電圧がとりうる正常動作電圧を取得し、
前記正常動作電圧を、前記閾値として前記プロセッサが参照可能にする。
【0017】
上記のような構成によれば、各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個の光源(nは2以上の整数)のうち、接地側よりm番目の光源(mは2以上n以下の整数)に印加されている電圧自体は、特定の電圧検出回路で検出されない。代わりに、接地側より一番目の光源からm番目の光源の各々に印加されている電圧の合計である第一電圧と、接地側より一番目の光源から(m-1)番目の光源の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧の差分値が、m番目の光源に印加されている電圧として扱われるとともに、プロセッサにより参照される閾値との比較に供される。
【0018】
他方、上記のような設定方法によれば、プロセッサにより参照される閾値は、駆動対象として選ばれたm番目の光源の正常動作電圧に応じて書き替えられる。したがって、m番目の光源の正常動作電圧に係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際に光源駆動回路に接続されたm番目の光源の正常動作電圧に係る閾値と上記の差分値との比較により、m番目の光源のリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0019】
また、プロセッサにより参照される閾値が、駆動対象として選ばれたn個の光源の仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違するn個の光源に対して電圧検出回路を共用できる。電圧検出回路は、上述した第一電圧と第二電圧を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、各光源のリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0020】
よって、車両に搭載されて直接接続された複数の光源の故障を検出するためのランプ故障検出装置の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係るランプアセンブリの構成例を示している。
図2】一実施形態に係るランプ故障検出装置の構成例を示している。
図3図2のランプ故障検出装置の別構成例を示している。
図4】別実施形態に係るランプ故障検出装置の構成例を示している。
図5】一実施形態に係る光源故障検出装置の構成例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0023】
図1は、車両に搭載される照明装置100の構成例を示している。照明装置100は、ハウジング101と透光カバー102を備えている。ハウジング101と透光カバー102は、灯室103を区画している。一実施形態に係るランプアセンブリ1は、灯室103に収容されている。
【0024】
ランプアセンブリ1は、ロービームランプ11とハイビームランプ12を備えている。ロービームランプ11は、車両の前方における比較的近距離に位置する路面を含む領域を照明するランプである。ハイビームランプ12は、車両の前方における比較的遠方まで照明光を照射するランプである。図1に示される透光カバー102は、ロービームランプ11とハイビームランプ12の各々から出射された光の通過を許容する。
【0025】
ランプアセンブリ1は、ランプ制御装置13を備えている。ロービームランプ11とハイビームランプ12は、ランプ制御装置13と電気的に接続される。ランプ制御装置13は、ロービームランプ11とハイビームランプ12の各々の点消灯動作を制御する装置である。
【0026】
図2は、一実施形態に係るランプアセンブリ1の構成例を模式的に示している。ロービームランプ11とハイビームランプ12は、電気的に直列接続されている。
【0027】
ロービームランプ11とハイビームランプ12の各々は、少なくとも一つの光源を備えている。光源は、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)のような半導体発光素子でもよいし、ハロゲンランプやHIDランプのようなランプ光源でもよい。ロービームランプ11とハイビームランプ12の少なくとも一方が複数の光源を備える場合、当該複数の光源は電気的に直列接続される。
【0028】
ハイビームランプ12は、接地側より一番目のランプの一例である。ロービームランプ11は、接地側よりm番目(m=2)のランプの一例である。
【0029】
ランプ制御装置13は、ランプ駆動回路131を備えている。ランプ駆動回路131は、ロービームランプ11とハイビームランプ12を点灯させるための電流を供給する回路である。ランプ駆動回路131は、例えば降圧型定電流スイッチングレギュレータ(DC/DCコンバータ)により実現されうる。
【0030】
ランプ制御装置13は、スイッチ132を備えている。スイッチ132は、電界効果トランジスタなどの半導体スイッチとして実現されうる。スイッチ132は、ランプ駆動回路131からハイビームランプ12へ供給される電流を迂回させる経路を形成するための回路である。
【0031】
ランプ制御装置13は、プロセッサ133を備えている。プロセッサ133は、スイッチ132の動作を制御することにより、ロービームランプ11とハイビームランプ12の点消灯動作を制御可能に構成されている。プロセッサ133は、スイッチ132の開閉状態を切り替える制御信号SCを出力する。制御信号SCは、例えば、対応する半導体スイッチの制御端子電圧を変化させる信号でありうる。
【0032】
制御信号SCによりスイッチ132が閉じられると、ハイビームランプ12を迂回してランプ駆動回路131からロービームランプ11のみへ電流が供給される経路が形成される。結果として、ロービームランプ11のみが点灯される。
【0033】
制御信号SCによりスイッチ132が開かれると、ランプ駆動回路131からロービームランプ11とハイビームランプ12の双方へ電流が供給される経路が形成される。結果として、ロービームランプ11とハイビームランプ12が点灯される。
【0034】
ランプアセンブリ1は、第一電圧検出回路141を備えている。第一電圧検出回路141は、ロービームランプ11に印加されている電圧VLとハイビームランプ12に印加されている電圧VHの合計である第一電圧V1を検出するように構成されている。第一電圧V1に対応する第一電圧信号SV1は、プロセッサ133に入力される。
【0035】
第一電圧検出回路141は、例えば、図2に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、ロービームランプ11とハイビームランプ12に印加される定格電圧とプロセッサ133へ入力可能な第一電圧信号SV1の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ133の仕様によっては、第一電圧検出回路141は、A/D変換回路を含みうる。
【0036】
ランプアセンブリ1は、第二電圧検出回路142を備えている。第二電圧検出回路142は、ハイビームランプ12に印加されている電圧VHに相当する第二電圧V2を検出するように構成されている。第二電圧V2に対応する第二電圧信号SV2は、プロセッサ133に入力される。
【0037】
第二電圧検出回路142は、例えば、図2に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、ハイビームランプ12に印加される定格電圧とプロセッサ133へ入力可能な第二電圧信号SV2の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ133の仕様によっては、第二電圧検出回路142は、A/D変換回路を含みうる。
【0038】
ランプアセンブリ1は、ストレージ134を備えている。ストレージ134は、適宜の書き替え可能な半導体メモリによって実現されうる。ストレージ134には、ロービームランプ11が正常に動作している場合の正常動作電圧NVLを示すデータNDLと、ハイビームランプ12が正常に動作している場合の正常動作電圧NVHを示すデータNDHが格納されている。データNDLとデータNDHは、書き替え可能とされている。正常動作電圧NVLは、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。正常動作電圧NVHは、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。
【0039】
プロセッサ133は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、ロービームランプ11とハイビームランプ12の各々の故障を検出するように構成されている。
【0040】
まず、プロセッサ133は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、第一電圧V1と第二電圧V2の差分値VDを取得する。差分値VDは、ロービームランプ11に印加されている電圧VLに対応する。
【0041】
続いて、プロセッサ133は、差分値VDを、ストレージ134に格納されているデータNDLが示す正常動作電圧NVLと比較する。差分値VD(すなわち電圧VL)が正常動作電圧NVLであれば、プロセッサ133は、ロービームランプ11が正常に動作していると判断する。正常動作電圧NVLは、閾値の一例である。
【0042】
差分値VD(すなわち電圧VL)が正常動作電圧NVLを上回っている場合、プロセッサ133は、ロービームランプ11にオープン故障が生じていると判断する。差分値VD(すなわち電圧VL)が正常動作電圧NVLを下回っている場合、プロセッサ133は、ロービームランプ11にショート故障が生じていると判断する。差分値VDがどの程度正常動作電圧NVLを上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。差分値VDがどの程度正常動作電圧NVLを下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0043】
ロービームランプ11にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ133は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、ロービームランプ11に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0044】
同様に、プロセッサ133は、第二電圧信号SV2に対応する第二電圧V2を、ストレージ134に格納されているデータNDHが示す正常動作電圧NVHと比較する。第二電圧V2(すなわち電圧VH)が正常動作電圧NVHであれば、プロセッサ133は、ハイビームランプ12が正常に動作していると判断する。
【0045】
第二電圧V2(すなわち電圧VH)が正常動作電圧NVHを上回っている場合、プロセッサ133は、ハイビームランプ12にオープン故障が生じていると判断する。第二電圧V2(すなわち電圧VH)が正常動作電圧NVHを下回っている場合、プロセッサ133は、ハイビームランプ12にショート故障が生じていると判断する。第二電圧V2がどの程度正常動作電圧NVHを上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。第二電圧V2がどの程度正常動作電圧NVHを下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0046】
ハイビームランプ12にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ133は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、ハイビームランプ12に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0047】
第一電圧検出回路141、第二電圧検出回路142、およびプロセッサ133は、ランプ故障検出装置15を構成する。
【0048】
前述のように、ストレージ134に格納されているデータNDLとデータNDHは、書き替え可能である。したがって、ランプ故障検出装置15は、以下の手順で初期設定されうる。
【0049】
まず、ランプアセンブリ1を構成するロービームランプ11とハイビームランプ12が選択される。選択されたロービームランプ11とハイビームランプ12は、ランプ制御装置13に対して電気的に直列接続される。
【0050】
ロービームランプ11は、正常に動作している場合に印加される正常動作電圧NVLが個体ごとに異なる。したがって、選択されたロービームランプ11の正常動作電圧NVLが、測定を通じて取得される。
【0051】
同様に、ハイビームランプ12は、正常に動作している場合に印加される正常動作電圧NVHが個体ごとに異なる。したがって、選択されたハイビームランプ12の正常動作電圧NVHが、測定を通じて取得される。
【0052】
続いて、取得されたロービームランプ11の正常動作電圧NVLに対応するデータNDLが、ストレージ134に格納される。換言すると、プロセッサ133が正常動作電圧NVLを参照可能とされる。既に格納済みのデータNDLが存在する場合、新たに取得された正常動作電圧NVLに対応するデータNDLにより書き替えられる。
【0053】
同様に、取得されたハイビームランプ12の正常動作電圧NVHに対応するデータNDHが、ストレージ134に格納される。換言すると、プロセッサ133が正常動作電圧NVHを参照可能とされる。既に格納済みのデータNDHが存在する場合、新たに取得された正常動作電圧NVHに対応するデータNDHにより書き替えられる。
【0054】
上記のような構成によれば、ロービームランプ11に印加されている電圧VL自体は、特定の電圧検出回路で検出されない。代わりに、ロービームランプ11とハイビームランプ12に印加されている電圧の合計である第一電圧V1とハイビームランプ12に印加されている電圧VHに対応する第二電圧V2の差分値VDが、ロービームランプ11に印加されている電圧VLとして扱われるとともに、プロセッサ133により参照される正常動作電圧NVLとの比較に供される。
【0055】
他方、プロセッサ133により参照される正常動作電圧NVLを示すデータNDLは、駆動対象として選ばれたロービームランプ11の仕様に応じて書き替えられる。したがって、ロービームランプ11の正常動作電圧NVLに係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際にランプ駆動回路131に接続されたロービームランプ11の正常動作電圧NVLと差分値VDとの比較により、ロービームランプ11のリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0056】
また、プロセッサ133により参照される正常動作電圧NVLを示すデータNDLが、駆動対象として選ばれたロービームランプ11の仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違する複数のロービームランプ11に対して第一電圧検出回路141と第二電圧検出回路142を共用できる。第一電圧検出回路141と第二電圧検出回路142の各々は、上述した第一電圧V1と第二電圧V2を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、ロービームランプ11のリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0057】
同様に、プロセッサ133により参照される正常動作電圧NVHを示すデータNDHは、駆動対象として選ばれたハイビームランプ12の仕様に応じて書き替えられる。したがって、ハイビームランプ12の正常動作電圧NVHに係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際にランプ駆動回路131に接続されたハイビームランプ12の正常動作電圧NVHと第二電圧V2との比較により、ハイビームランプ12のリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0058】
また、プロセッサ133により参照される正常動作電圧NVHを示すデータNDHが、駆動対象として選ばれたハイビームランプ12の仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違する複数のハイビームランプ12に対して第二電圧検出回路142を共用できる。第二電圧検出回路142は、第二電圧V2を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、ハイビームランプ12のリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0059】
したがって、車両に搭載されて直接接続されたロービームランプ11とハイビームランプ12の故障を検出するためのランプ故障検出装置15の汎用性を高めることができる。
【0060】
上記の処理を実行可能なプロセッサ133は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサとして提供されてもよいし、専用集積回路素子の一部として提供されてもよい。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUなどが例示されうる。汎用メモリとしては、RAMやROMが例示されうる。書き替え可能な汎用メモリがストレージ134の機能を担ってもよい。専用集積回路素子としては、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどが例示されうる。プロセッサ133とストレージ134は、独立した素子として提供されてもよいし、単一の素子内にパッケージされていてもよい。
【0061】
図2に破線で示されるように、ランプ制御装置13は、スイッチ135を備えうる。スイッチ135は、電界効果トランジスタなどの半導体スイッチとして実現されうる。制御信号SCによってスイッチ132が開かれ、スイッチ135が閉じられると、ランプ駆動回路131から供給される電流がロービームランプ11を迂回してハイビームランプ12に流れる。したがって、ハイビームランプ12のみを点灯させることができる。
【0062】
図3に示されるように、ロービームランプ11とハイビームランプ12が直列に接続される順序が置き換えられてもよい。この場合、ロービームランプ11は、接地側より一番目のランプの一例である。ハイビームランプ12は、接地側よりm番目(m=2)のランプの一例である。
【0063】
上記の実施形態においては、二つのランプがランプ駆動回路131に対して直列に接続されている。しかしながら、ランプ駆動回路に直列接続される複数のランプは、種別を問わず三つ以上でありうる。
【0064】
図4は、そのような別実施形態に係るランプアセンブリ2の構成例を模式的に示している。ランプアセンブリ2は、車両に搭載される。ランプアセンブリ2は、図1に示される照明装置100の灯室103内に収容されうる。
【0065】
ランプアセンブリ2は、n個のランプを備えている。nは、3以上の整数である。n個のランプは、第一ランプ21、第(n-1)ランプ2n-1、および第nランプ2nを含んでいる。第一ランプ21は、第(n-1)ランプ2n-1よりも接地側に接続されている。第(n-1)ランプ2n-1は、第nランプ2nよりも接地側に接続されている。第一ランプ21は、接地側より一番目のランプの一例である。
【0066】
n個のランプの各々は、図1に示される透光カバー102を通じて車両の外部へ照明光を出射する少なくとも一つの光源を備えている。光源は、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)のような半導体発光素子でもよいし、ハロゲンランプやHIDランプのようなランプ光源でもよい。n個のランプの少なくとも一つが複数の光源を備える場合、当該複数の光源は電気的に直列接続される。
【0067】
ランプアセンブリ2は、ランプ制御装置23を備えている。n個のランプは、ランプ制御装置23と電気的に接続される。ランプ制御装置23は、n個のランプの各々の点消灯動作を制御する装置である。ランプ制御装置23は、図1に示される照明装置100の灯室103内に収容されうる。
【0068】
ランプ制御装置23は、ランプ駆動回路231を備えている。ランプ駆動回路231は、n個のランプを点灯させるための電流を供給する回路である。ランプ駆動回路231は、例えば降圧型定電流スイッチングレギュレータ(DC/DCコンバータ)により実現されうる。
【0069】
ランプアセンブリ2は、プロセッサ233と第一電圧検出回路241を備えている。第一電圧検出回路241は、第一ランプ21から第nランプ2nの各々に印加されている電圧の合計である第一電圧V1(=V21+…+V2n-1+V2n)を検出するように構成されている。第一電圧V1に対応する第一電圧信号SV1は、プロセッサ233に入力される。第nランプ2nは、接地側よりm番目(m=n)のランプの一例である。
【0070】
第一電圧検出回路241は、例えば、図4に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、第一ランプ21から第nランプ2nの各々に印加される定格電圧とプロセッサ233へ入力可能な第一電圧信号SV1の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ233の仕様によっては、第一電圧検出回路241は、A/D変換回路を含みうる。
【0071】
ランプアセンブリ2は、第二電圧検出回路242を備えている。第二電圧検出回路242は、第一ランプ21から第(n-1)ランプ2n-1の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧V2(=V21+…+V2n-1)を検出するように構成されている。第二電圧に対応する第二電圧信号SV2は、プロセッサ233に入力される。第(n-1)ランプ2n-1は、接地側より(m-1)番目(m=n)のランプの一例である。
【0072】
第二電圧検出回路242は、例えば、図4に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、第一ランプ21から第(n-1)ランプ2n-1の各々に印加される定格電圧とプロセッサ233へ入力可能な第二電圧信号SV2の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ233の仕様によっては、第二電圧検出回路242は、A/D変換回路を含みうる。
【0073】
ランプアセンブリ2は、ストレージ234を備えている。ストレージ234は、適宜の書き替え可能な半導体メモリによって実現されうる。ストレージ234には、第nランプ2nが正常に動作している場合の正常動作電圧NVnを示すデータNDnと、第(n-1)ランプ2n-1が正常に動作している場合の正常動作電圧NVn-1を示すデータNDn-1が格納されている。データNDnとデータNDn-1は、書き替え可能とされている。正常動作電圧NVnは、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。正常動作電圧NVn-1は、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。
【0074】
プロセッサ233は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、第nランプ2nの故障を検出するように構成されている。
【0075】
まず、プロセッサ233は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、第一電圧V1と第二電圧V2の差分値VD2を取得する。差分値VD2は、第nランプ2nに印加されている電圧V2nに対応する。
【0076】
続いて、プロセッサ233は、差分値VD2を、ストレージ234に格納されているデータNDnが示す正常動作電圧NVnと比較する。差分値VD2(すなわち電圧V2n)が正常動作電圧NVnであれば、プロセッサ233は、第nランプ2nが正常に動作していると判断する。正常動作電圧NVnは、閾値の一例である。
【0077】
差分値VD2(すなわち電圧V2n)が正常動作電圧NVnを上回っている場合、プロセッサ233は、第nランプ2nにオープン故障が生じていると判断する。差分値VD2(すなわち電圧V2n)が正常動作電圧NVnを下回っている場合、プロセッサ233は、第nランプ2nにショート故障が生じていると判断する。差分値VD2がどの程度正常動作電圧NVnを上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。差分値VD2がどの程度正常動作電圧NVnを下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0078】
第nランプ2nにいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ233は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、第nランプ2nに故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0079】
ランプアセンブリ2は、第n電圧検出回路24nを備えている。第n電圧検出回路24nは、第一ランプ21に印加されている電圧V21に相当する第n電圧Vnを検出するように構成されている。第n電圧Vnに対応する第n電圧信号SVnは、プロセッサ233に入力される。
【0080】
第n電圧検出回路24nは、例えば、図4に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、第一ランプ21に印加される定格電圧とプロセッサ233へ入力可能な第n電圧信号SVnの電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ233の仕様によっては、第n電圧検出回路24nは、A/D変換回路を含みうる。
【0081】
n=3の場合、プロセッサ233は、第二電圧信号SV2と第n電圧信号SVnに基づいて、第(n-1)ランプ2n-1の故障を検出する。
【0082】
まず、プロセッサ233は、第二電圧信号SV2と第n電圧信号SVnに基づいて、第二電圧V2と第n電圧Vnの差分値VDnを取得する。差分値VDnは、第(n-1)ランプ2n-1に印加されている電圧V2n-1に対応する。
【0083】
続いて、プロセッサ233は、差分値VDnを、ストレージ234に格納されているデータNDn-1が示す正常動作電圧NVn-1と比較する。差分値VDn(すなわち電圧Vn-1)が正常動作電圧NVn-1であれば、プロセッサ233は、第(n-1)ランプ2n-1が正常に動作していると判断する。差分値VDnは、閾値の一例である。
【0084】
差分値VDn(すなわち電圧V2n-1)が正常動作電圧NVn-1を上回っている場合、プロセッサ233は、第(n-1)ランプ2n-1にオープン故障が生じていると判断する。差分値VDn(すなわち電圧Vn-1)が正常動作電圧NVn-1を下回っている場合、プロセッサ233は、第(n-1)ランプ2n-1にショート故障が生じていると判断する。差分値VDnがどの程度正常動作電圧NVn-1を上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。差分値VDnがどの程度正常動作電圧NVn-1を下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0085】
第(n-1)ランプ2n-1にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ233は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、第(n-1)ランプ2n-1に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0086】
ストレージ234には、第一ランプ21が正常に動作している場合の正常動作電圧NV1を示すデータND1が格納されている。データND1は、書き替え可能とされている。正常動作電圧NV1は、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。
【0087】
プロセッサ233は、第n電圧信号SVnに対応する第n電圧Vnを、ストレージ234に格納されているデータND1が示す正常動作電圧NV1と比較する。第n電圧Vn(すなわち電圧V21)が正常動作電圧NV1であれば、プロセッサ233は、第一ランプ21が正常に動作していると判断する。
【0088】
第n電圧Vn(すなわち電圧V21)が正常動作電圧NV1を上回っている場合、プロセッサ233は、第一ランプ21にオープン故障が生じていると判断する。第n電圧Vn(すなわち電圧V21)が正常動作電圧NV1を下回っている場合、プロセッサ233は、第一ランプ21にショート故障が生じていると判断する。第n電圧Vnがどの程度正常動作電圧NV1を上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。第n電圧Vnがどの程度正常動作電圧NV1を下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0089】
第一ランプ21にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ233は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、第一ランプ21に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0090】
すなわち、プロセッサ233は、任意のnについて、第(m-1)電圧検出回路から出力された第(m-1)電圧信号SVm-1と第m電圧検出回路から出力された第m電圧信号SVmに基づいて(mは2以上n以下の任意の整数)、接地側より(n-m+2)番目のランプの故障を検出する。第(m-1)電圧検出回路は、第一電圧検出回路の一例である。接地側より一番目のランプから(n-m+2)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計は、第一電圧の一例である。第m電圧検出回路は、第二電圧検出回路の一例である。接地側より一番目のランプから(n-m+1)番目のランプの各々に印加されている電圧の合計は、第二電圧の一例である。第一電圧と第二電圧の差分値は、閾値の一例である。
【0091】
第一電圧検出回路241、第二電圧検出回路242、第n電圧検出回路24n、およびプロセッサ233は、ランプ故障検出装置25を構成する。
【0092】
前述のように、ストレージ234に格納されているデータND1~NDnは、書き替え可能である。したがって、ランプ故障検出装置25は、以下の手順で初期設定されうる。
【0093】
まず、ランプアセンブリ2を構成するn個のランプが選択される。選択されたn個のランプは、ランプ制御装置23に対して電気的に直列接続される。
【0094】
n個のランプの各々は、正常に動作している場合に印加される正常動作電圧が個体ごとに異なる。したがって、選択されたn個のランプについて、正常動作電圧NV1~NVnが、測定を通じて取得される。
【0095】
続いて、取得されたn個のランプの正常動作電圧NV1~NVnに対応するデータND1~NDnが、ストレージ234に格納される。換言すると、プロセッサ233が正常動作電圧NV1~NVnを参照可能とされる。既に格納済みのデータND1~NDnが存在する場合、新たに取得された正常動作電圧NV1~NVnに対応するデータND1~NDnにより書き替えられる。
【0096】
上記のような構成によれば、各々が少なくとも一つの光源を含み直列接続されたn個のランプ(nは2以上の整数)のうち、接地側よりm番目のランプ2m(mは2以上n以下の整数)に印加されている電圧Vm自体は、特定の電圧検出回路で検出されない。代わりに、第一ランプ21からm番目のランプ2mの各々に印加されている電圧の合計である第一電圧と、第一ランプ21から接地側より(m-1)番目のランプ2m-1の各々に印加されている電圧の合計である第二電圧の差分値が、m番目のランプ2mに印加されている電圧Vmとして扱われるとともに、プロセッサ233により参照される正常動作電圧NVmとの比較に供される。
【0097】
他方、プロセッサ233により参照される正常動作電圧NVmを示すデータNDmは、駆動対象として選ばれたm番目のランプ2mの仕様に応じて書き替えられる。したがって、m番目のランプ2mの正常動作電圧NVmに係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際にランプ駆動回路231に接続されたm番目のランプ2mの正常動作電圧NVmと上記の差分値との比較により、m番目のランプ2mのリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0098】
また、プロセッサ233により参照される正常動作電圧NV1~NVnを示すデータND1~NDnが、駆動対象として選ばれたn個のランプの仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違するn個のランプに対して電圧検出回路を共用できる。電圧検出回路は、上述した第一電圧と第二電圧を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、各ランプのリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0099】
したがって、車両に搭載されて直接接続された複数のランプの故障を検出するためのランプ故障検出装置25の汎用性を高めることができる。
【0100】
ランプアセンブリ2は、スイッチ232を備えうる。スイッチ232は、電界効果トランジスタなどの半導体スイッチとして実現されうる。プロセッサ233は、スイッチ232の動作を制御することにより、第一ランプ21から第(n-1)ランプ2n-1の少なくとも一つにランプ駆動回路231からの電流が供給される状態とされない状態とを切り替えうる。プロセッサ233は、スイッチ232の開閉状態を切り替える制御信号SCを出力する。制御信号SCは、例えば、対応する半導体スイッチの制御端子電圧を変化させる信号でありうる。
【0101】
図4に示される例においては、制御信号SCによりスイッチ232が閉じられると、第一ランプ21から第(n-1)ランプ2n-1を迂回してランプ駆動回路231から第nランプ2nのみへ電流が供給される経路が形成される。結果として、第nランプ2nのみが点灯される。
【0102】
制御信号SCによりスイッチ232が開かれると、ランプ駆動回路231から全てのランプへ電流が供給される経路が形成される。結果として、全てのランプが点灯される。
【0103】
このような構成によれば、ランプ駆動回路231に直列接続された複数のランプのうち少なくとも一つのランプの点消灯状態を個別に制御できる。ランプ制御装置23におけるスイッチ232の数と配置は、点消灯状態の個別制御が必要なランプの数と直列接続における位置に応じて適宜に定められうる。
【0104】
上記の処理を実行可能なプロセッサ233は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサとして提供されてもよいし、専用集積回路素子の一部として提供されてもよい。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUなどが例示されうる。汎用メモリとしては、RAMやROMが例示されうる。書き替え可能な汎用メモリがストレージ234の機能を担ってもよい。専用集積回路素子としては、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどが例示されうる。プロセッサ233とストレージ234は、独立した素子として提供されてもよいし、単一の素子内にパッケージされていてもよい。
【0105】
図5は、一実施形態に係る光源アセンブリ3の構成例を模式的に示している。光源アセンブリ3は、車両に搭載される。光源アセンブリ3は、図1に示される照明装置100の灯室103内に収容されうる。
【0106】
光源アセンブリ3は、第一光源31と第二光源32を備えている。第一光源31と第二光源32は、電気的に直列接続されている。第一光源31と第二光源32の各々は、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)のような半導体発光素子でもよいし、ハロゲンランプやHIDランプのようなランプ光源でもよい。第一光源31と第二光源32は、共通のランプ30の一部でありうる。図1に示される透光カバー102は、第一光源31と第二光源32の各々から出射された光の通過を許容する。
【0107】
第二光源32は、接地側より一番目の光源の一例である。第一光源31は、接地側よりm番目(m=2)の光源の一例である。
【0108】
光源アセンブリ3は、光源制御装置33を備えている。第一光源31と第二光源32は、光源制御装置33と電気的に接続される。光源制御装置33は、第一光源31と第二光源32の各々の点消灯動作を制御する装置である。光源制御装置33は、図1に示される照明装置100の灯室103内に収容されうる。
【0109】
光源制御装置33は、光源駆動回路331を備えている。光源駆動回路331は、第一光源31と第二光源32を点灯させるための電流を供給する回路である。光源駆動回路331は、例えば降圧型定電流スイッチングレギュレータ(DC/DCコンバータ)により実現されうる。
【0110】
光源アセンブリ3は、プロセッサ333と第一電圧検出回路341を備えている。第一電圧検出回路341は、第一光源31に印加されている電圧V31と第二光源32に印加されている電圧V32の合計である第一電圧V1を検出するように構成されている。第一電圧V1に対応する第一電圧信号SV1は、プロセッサ333に入力される。
【0111】
第一電圧検出回路341は、例えば、図2に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、第一光源31と第二光源32に印加される定格電圧とプロセッサ333へ入力可能な第一電圧信号SV1の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ333の仕様によっては、第一電圧検出回路341は、A/D変換回路を含みうる。
【0112】
光源アセンブリ3は、第二電圧検出回路342を備えている。第二電圧検出回路342は、第二光源32に印加されている電圧V32に相当する第二電圧V2を検出するように構成されている。第二電圧V2に対応する第二電圧信号SV2は、プロセッサ333に入力される。
【0113】
第二電圧検出回路342は、例えば、図2に示されるような簡易な分圧回路によって実現されうる。分圧回路を構成する各抵抗素子の抵抗値は、第二光源32に印加される定格電圧とプロセッサ333へ入力可能な第二電圧信号SV2の電圧に基づいて適宜に定められうる。プロセッサ333の仕様によっては、第二電圧検出回路342は、A/D変換回路を含みうる。
【0114】
光源アセンブリ3は、ストレージ334を備えている。ストレージ334は、適宜の書き替え可能な半導体メモリによって実現されうる。ストレージ334には、第一光源31が正常に動作している場合の正常動作電圧NV1を示すデータND1と、第二光源32が正常に動作している場合の正常動作電圧NV2を示すデータND2が格納されている。データND1とデータND2は、書き替え可能とされている。正常動作電圧NV1は、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。正常動作電圧NV2は、上限値と下限値を有する電圧範囲として定められてもよい。
【0115】
プロセッサ333は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、第一光源31と第二光源32の各々の故障を検出するように構成されている。
【0116】
まず、プロセッサ333は、第一電圧信号SV1と第二電圧信号SV2に基づいて、第一電圧V1と第二電圧V2の差分値VDを取得する。差分値VDは、第一光源31に印加されている電圧V31に対応する。
【0117】
続いて、プロセッサ333は、差分値VDを、ストレージ334に格納されているデータND1が示す正常動作電圧NV1と比較する。差分値VD(すなわち電圧V31)が正常動作電圧NV1であれば、プロセッサ333は、第一光源31が正常に動作していると判断する。正常動作電圧NV1は、閾値の一例である。
【0118】
差分値VD(すなわち電圧V31)が正常動作電圧NV1を上回っている場合、プロセッサ333は、第一光源31にオープン故障が生じていると判断する。差分値VD(すなわち電圧V31)が正常動作電圧NV1を下回っている場合、プロセッサ333は、第一光源31にショート故障が生じていると判断する。差分値VDがどの程度正常動作電圧NV1を上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。差分値VDがどの程度正常動作電圧NV1を下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0119】
第一光源31にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ333は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、第一光源31に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0120】
同様に、プロセッサ333は、第二電圧信号SV2に対応する第二電圧V2を、ストレージ334に格納されているデータND2が示す正常動作電圧NV2と比較する。第二電圧V2(すなわち電圧V32)が正常動作電圧NV2であれば、プロセッサ333は、第二光源32が正常に動作していると判断する。
【0121】
第二電圧V2(すなわち電圧V32)が正常動作電圧NV2を上回っている場合、プロセッサ333は、第二光源32にオープン故障が生じていると判断する。第二電圧V2(すなわち電圧V32)が正常動作電圧NV2を下回っている場合、プロセッサ333は、第二光源32にショート故障が生じていると判断する。第二電圧V2がどの程度正常動作電圧NV2を上回っていればオープン故障であると判断するかは、適宜に定められうる。第二電圧V2がどの程度正常動作電圧NV2を下回っていればショート故障であると判断するかは、適宜に定められうる。
【0122】
第二光源32にいずれかの故障が検出された場合、プロセッサ333は、検出信号SDを出力する。検出信号SDは、車両における他の制御装置へ送信されうる。例えば、当該他の制御装置は、検出信号SDに基づいて、第二光源32に故障が生じている旨の報知を車両の乗員に対して行ないうる。報知は、視覚的報知、聴覚的報知、触覚的報知の少なくとも一つを通じて行なわれうる。
【0123】
第一電圧検出回路341、第二電圧検出回路342、およびプロセッサ333は、光源故障検出装置35を構成する。
【0124】
前述のように、ストレージ334に格納されているデータND1とデータND2は、書き替え可能である。したがって、光源故障検出装置35は、以下の手順で初期設定されうる。
【0125】
まず、光源アセンブリ3を構成する第一光源31と第二光源32が選択される。選択された第一光源31と第二光源32は、光源制御装置33に対し電気的に直列接続される。
【0126】
第一光源31は、正常に動作している場合に印加される正常動作電圧NV1(例えば発光ダイオードの場合における順方向電圧)が個体ごとに異なる。したがって、選択された第一光源31の正常動作電圧NV1が、測定を通じて取得される。
【0127】
同様に、第二光源32は、正常に動作している場合に印加される正常動作電圧NV2が個体ごとに異なる。したがって、選択された第二光源32の正常動作電圧NV2が、測定を通じて取得される。
【0128】
続いて、取得された第一光源31の正常動作電圧NV1に対応するデータND1が、ストレージ334に格納される。換言すると、プロセッサ333が正常動作電圧NV1を参照可能とされる。既に格納済みのデータND1が存在する場合、新たに取得された正常動作電圧NV1に対応するデータND1により書き替えられる。
【0129】
同様に、取得された第二光源32の正常動作電圧NV2に対応するデータND2が、ストレージ334に格納される。換言すると、プロセッサ333が正常動作電圧NV2を参照可能とされる。既に格納済みのデータND2が存在する場合、新たに取得された正常動作電圧NV2に対応するデータND2により書き替えられる。
【0130】
上記のような構成によれば、第一光源31に印加されている電圧V31自体は、特定の電圧検出回路で検出されない。代わりに、第一光源31と第二光源32に印加されている電圧の合計である第一電圧V1と第二光源32に印加されている電圧V32に対応する第二電圧V2の差分値VDが、第一光源31に印加されている電圧V31として扱われるとともに、プロセッサ333により参照される正常動作電圧NV1との比較に供される。
【0131】
他方、プロセッサ333により参照される正常動作電圧NV1を示すデータND1は、駆動対象として選ばれた第一光源31の仕様に応じて書き替えられる。したがって、第一光源31の正常動作電圧NV1に係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際に光源駆動回路331に接続された第一光源31の正常動作電圧NV1と差分値VDとの比較により、第一光源31のリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0132】
また、プロセッサ333により参照される正常動作電圧NV1を示すデータND1が、駆動対象として選ばれた第一光源31の仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違する複数の第一光源31に対して第一電圧検出回路341と第二電圧検出回路342を共用できる。第一電圧検出回路341と第二電圧検出回路342の各々は、上述した第一電圧V1と第二電圧V2を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、第一光源31のリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0133】
同様に、プロセッサ333により参照される正常動作電圧NV2を示すデータND2は、駆動対象として選ばれた第二光源32の仕様に応じて書き替えられる。したがって、第二光源32の正常動作電圧NV2に係る個体間のばらつきの影響が排除され、実際に光源駆動回路331に接続された第二光源32の正常動作電圧NV2と第二電圧V2との比較により、第二光源32のリーク故障とオープン故障の双方が、正確に判断される。
【0134】
また、プロセッサ333により参照される正常動作電圧NV2を示すデータND2が、駆動対象として選ばれた第二光源32の仕様に応じて書き替えられるので、仕様が相違する複数の第二光源32に対して第二電圧検出回路342を共用できる。第二電圧検出回路342は、第二電圧V2を検出する機能を少なくとも備えていればよいので、第二光源32のリーク故障とオープン故障の双方が判断可能でありながら、簡易な構成とされうる。
【0135】
したがって、車両に搭載されて直接接続された第一光源31と第二光源32の故障を検出するための光源故障検出装置35の汎用性を高めることができる。
【0136】
上記の実施形態においては、二つの光源が光源駆動回路331に対して直列に接続されている。しかしながら、光源駆動回路に直列接続される複数の光源は、種別を問わず三つ以上でありうる。この場合、各光源の故障は、図4を参照して説明したランプ故障検出装置25と同様の構成と手法によって検出されうる。
【0137】
上記の処理を実行可能なプロセッサ333は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサとして提供されてもよいし、専用集積回路素子の一部として提供されてもよい。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUなどが例示されうる。汎用メモリとしては、RAMやROMが例示されうる。書き替え可能な汎用メモリがストレージ334の機能を担ってもよい。専用集積回路素子としては、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどが例示されうる。プロセッサ333とストレージ334は、独立した素子として提供されてもよいし、単一の素子内にパッケージされていてもよい。
【0138】
上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の各実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【符号の説明】
【0139】
1、2:ランプアセンブリ、3:光源アセンブリ、11:ロービームランプ、12:ハイビームランプ、21:第一ランプ、2n-1:第(n-1)ランプ、2n:第nランプ、31:第一光源、32:第二光源、131、231:ランプ駆動回路、331:光源駆動回路、132、232:スイッチ、133、233、333:プロセッサ、141、241、341:第一電圧検出回路、142、242、342:第二電圧検出回路、24n:第n電圧検出回路、15、25:ランプ故障検出装置、35:光源故障検出装置、V1:第一電圧、V2:第二電圧、NVL、NVH、NV1、NV2、NVn-1、NVn:正常動作電圧、VD、VD2、VDn:差分値
図1
図2
図3
図4
図5