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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】サイクル機器
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/04 20110101AFI20221215BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F24F1/04
F24F1/02 371J
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018234919
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020094787
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中 政道
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108291729(CN,A)
【文献】特開2002-005494(JP,A)
【文献】特開平06-074485(JP,A)
【文献】特開2014-059105(JP,A)
【文献】特開2004-245474(JP,A)
【文献】特開平09-014691(JP,A)
【文献】特開2004-286293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0299207(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
F25B 1/00-49/04
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器を有する冷凍サイクル部、第1電源となる電池、および前記冷凍サイクル部にて生じたドレイン水を収容する第1タンクを有する本体部と、
前記本体部の下に設けられ、前記本体部を搭載した搭載状態、および前記本体部を取り外した非搭載状態が可能であり、前記搭載状態にて前記第1タンクと接続可能となる第2タンクを有するクレードル部と、
前記搭載状態にて、前記第1タンクから前記第2タンクへのドレイン水の水路を開放し、前記非搭載状態にて前記水路を遮断する水路開閉部とを備えているサイクル機器であって、
前記第1タンクは、前記第1電源を使用して当該サイクル機器を連続運転した場合に発生する前記ドレイン水を収容でき、かつそのドレイン水の量に相当する容量を有していることを特徴とするサイクル機器。
【請求項2】
前記搭載状態および前記非搭載状態を検知する状態センサと、
前記クレードル部に設けられ、商用電源を使用して電力供給する第2電源と、
前記非搭載状態では前記第1電源を使用し、前記搭載状態では、前記第2電源が使用可能である場合に前記第2電源を使用する一方、前記第2電源が使用不可である場合に前記第1電源を使用するように、前記第1電源と前記第2電源とを切り替える電源制御部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のサイクル機器。
【請求項3】
前記第1タンクの満水状態を検知する第1タンク満水センサと、
前記非搭載状態にて前記第1タンク満水センサが前記第1タンクの満水状態を検知したときに、前記冷凍サイクル部の運転を停止させる運転制御部とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のサイクル機器。
【請求項4】
前記第2タンクの満水状態を検知する第2タンク満水センサと、
前記搭載状態にて前記第2タンク満水センサが前記第2タンクの満水状態を検知したときに、前記冷凍サイクル部の運転を停止させる運転制御部とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のサイクル機器。
【請求項5】
前記水路開閉部は、
前記搭載状態および前記非搭載状態を検知する状態センサと、
前記水路を開閉する電磁弁と、
前記状態センサが前記搭載状態を検知したときに前記水路が開放され、前記状態センサが前記非搭載状態を検知したときに前記水路が遮断されるように前記電磁弁を制御する水路制御部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のサイクル機器。
【請求項6】
前記本体部は空気調和機であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のサイクル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルを使用するサイクル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクルを使用する持ち運び型のサイクル機器は、例えば特許文献1に開示されているように、ドレイン水を収容する排水タンクを内部に備えている。特許文献1には、乾式除湿機が開示されており、ドレイン水は熱交換器での結露により生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-179035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の持ち運び型のサイクル機器では、携帯性を重視した場合、小型かつ軽量化が求められる。この場合、小型かつ軽量化を阻む構成要素として、排水タンクが考えられる。すなわち、ドレイン水を収容するする排水タンクは、サイクル機器において必須の要素であるものの、余裕を見て大型化すると、サイクル機器の大型化を招来し、かつ多量のドレイン水を収容できるので、サイクル機器の重量化を招来する。
【0005】
本発明の一態様は、携帯する場合に小型かつ軽量となるサイクル機器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るサイクル機器は、熱交換器を有する冷凍サイクル部、第1電源となる電池、および前記冷凍サイクル部にて生じたドレイン水を収容する第1タンクを有する本体部と、前記本体部の下に設けられ、前記本体部を搭載した搭載状態、および前記本体部を取り外した非搭載状態が可能であり、前記搭載状態にて前記第1タンクと接続可能となる第2タンクを有するクレードル部と、前記搭載状態にて、前記第1タンクから前記第2タンクへのドレイン水の水路を開放し、前記非搭載状態にて前記水路を遮断する水路開閉部とを備えているサイクル機器であって、前記第1タンクは、前記第1電源を使用して当該サイクル機器を連続運転した場合に発生する前記ドレイン水を収容でき、かつそのドレイン水の量に相当する容量を有している
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、サイクル機器は、携帯する場合に小型かつ軽量となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るサイクル機器のクレードル部に対する本体部の搭載状態の外観を示す側面図である。
図2図1に示したサイクル機器の搭載状態の外観を示す斜視図である。
図3図2に示したサイクル機器の内部の構成を示す模式図である。
図4図1に示したサイクル機器のクレードル部に対する本体部の非搭載状態の内部の構成を示す模式図である。
図5図3に示したサイクル機器の本体部が備える冷凍サイクル部の冷房運転状態を示す説明図である。
図6図3に示したサイクル機器の本体部が備える冷凍サイクル部の暖房運転状態を示す説明図である。
図7図3に示したサイクル機器の制御系統の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の他の実施形態のサイクル機器の制御系統の構成を示すブロック図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態のサイクル機器の制御系統の構成を示すブロック図である。
図10図3に示した電池の容量と第1タンクの容量との関係の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るサイクル機器1のクレードル部12に対する本体部11の搭載状態の外観を示す側面図である。図2は、図1に示したサイクル機器1の外観を示す斜視図である。図3は、図1に示したサイクル機器1の搭載状態の内部の構成を示す模式図である。図4は、図1に示したサイクル機器1のクレードル部12に対する本体部11の非搭載状態の内部の構成を示す模式図である。
【0010】
(サイクル機器1の構成)
図1に示すように、サイクル機器1は、可搬型の装置であり、上部の本体部11と下部のクレードル部12とを備えている。本体部11は、冷凍サイクルを使用する構成であり、本実施形態では空気調和機である。クレードル部12は、本体部11に対する架台や受台となる部分であり、本体部11の下に位置し、本体部11を搭載可能である。すなわち、サイクル機器1は、クレードル部12の上に本体部11を搭載した搭載状態、およびクレードル部12上から本体部11を取り外した非搭載状態とすることが可能である。
【0011】
サイクル機器1は、図2に示すように、本体部11に取手13が設けられており、搭載状態において取手13を持つことにより、本体部11およびクレードル部12を携行可能である。
【0012】
(本体部11の構成)
本体部11は、外面を覆う筐体21を有している。筐体21は、側面および上面を有し、側面は円筒形状に形成され、上面は上方へ膨らむように曲面状に形成されている。筐体21の側面には、上側に第1吸気口22が形成され、下側に第2吸気口23が形成されている。筐体21の側面のこれら第1および第2吸気口22,23の位置とは反対側の位置には、吹出し口24が形成されている。また、筐体21の上面には排熱口25が形成されている。
【0013】
図3に示すように、本体部11の筐体21の内部には、最下部に、第2吸気口23側から吹出し口24側へ向かって、電池(第1電源)31、圧縮機32および第1タンク33が設けられ、上下方向の中央部に第1ファン34および第1熱交換器35が設けられ、最上部に第2熱交換器36が設けられている。このうち、圧縮機32、第1ファン34、第1熱交換器35および第2熱交換器36は後述する冷凍サイクル部61に含まれる。なお、第1熱交換器35は、本体部11の冷房運転時には蒸発器として動作し、本体部11の暖房運転時には凝縮器として動作する。一方、第2熱交換器36は、冷房運転時には凝縮器として動作し、暖房運転時には蒸発器として動作する。
【0014】
ここで、第1吸気口22は、第2熱交換器36へ送風するための外気を取り込む開口である。第2吸気口23は、第1熱交換器35へ送風するための外気を取り込む開口である。吹出し口24は、本体部11での空気調和動作で生じた冷気または暖気を吹き出すための開口である。排熱口25は、本体部11での空気調和動作により生じた熱を排出する開口である。
【0015】
(クレードル部12の構成)
クレードル部12は、外面を覆う筐体41を有している。筐体41は、側面および底面を有し、側面は円筒形状に形成され、底面は例えば平坦な面状に形成されている。なお、筐体21,41の形状は、上記形状に限定されず、用途やデザイン等に応じて適宜設定される。
【0016】
電池31は、直流電力を出力し、充放電可能な二次電池すなわち蓄電池であり、従来周知のものを使用可能である。第1タンク33は、第1熱交換器35にて生じたドレイン水を収容するタンクである。第1熱交換器35にて生じたドレイン水は、第1タンク33と接続されたドレイン水トレイ37によって受け止められる。したがって、ドレイン水トレイ37のドレイン水は、ドレイン水トレイ37から第1タンク33へ流れ込む。
【0017】
クレードル部12の筐体41の内部には、電源ユニット(第2電源)42および第2タンク43が設けられている。電源ユニット42は、電源プラグ44が商用電源のコンセントに接続された状態にて、商用電源の交流電力を直流電力に変換して出力可能である。
【0018】
(水路開閉部51)
クレードル部12の上に本体部11を配置した搭載状態では、第1タンク33の排水口33aと第2タンク43の取水口43aとが接続され、第1タンク33の内部のドレイン水が第2タンク43の内部へ流れ込むようになっている。この場合、排水口33aと取水口43aとにより形成される水路に設けられた水路開閉部51が開状態となる。水路開閉部51は、例えば、排水口33aと取水口43aとが嵌合することにより上記水路を開状態とする一方、排水口33aと取水口43aとの嵌合が外れることにより上記水路を閉状態とする機械的な弁である。
【0019】
あるいは、水路開閉部51は、上記水路に設けられた電磁弁を有する。水路開閉部51が電磁弁を有する場合、電磁弁は、搭載状態において開状態となり、非搭載状態において閉状態となるように制御される。この場合、水路開閉部51は、状態センサ53、電磁弁52および水路制御部73(以上図7参照)を備える。状態センサ53は、搭載状態および非搭載状態を検知する。水路制御部73は、状態センサ53が搭載状態を検知したときに上記水路が開放され、状態センサ53が非搭載状態を検知したときに上記水路が遮断されるように電磁弁52を制御する。
【0020】
(本体部11の冷凍サイクル部61の構成)
図5は、サイクル機器1の本体部11が備える冷凍サイクル部61の冷房運転状態を示す説明図である。図6は、冷凍サイクル部61の暖房運転状態を示す説明図である。
【0021】
本体部11は、詳細には図5および図6に示す冷凍サイクル部61を備えている。冷凍サイクル部61は、空気調和動作である冷房運転および暖房運転を行う構成である。
【0022】
冷凍サイクル部61の冷房運転では、図5に示すように、圧縮機32によって圧縮された高温かつ高圧の冷媒は、四方弁62を介して第2熱交換器36へ送られる。冷媒は、第2熱交換器36において、第2ファン63が第1吸気口22から吸い込んだ空気を第2熱交換器36に向けて送ることにより冷却されると液化する。第2熱交換器36を通過した空気は、第2熱交換器36内の冷媒が液化することより放出した熱を含んだ状態で、排熱口25から排出される。
【0023】
第2熱交換器36にて液化した冷媒は、膨張弁64に送られて、膨張弁64の微小なノズル穴から第1熱交換器35内へ噴射されることにより一気に気化する。気化した冷媒が第1熱交換器35の周囲の熱を奪っていくことにより、第1熱交換器35が冷やされる。第1ファン34が第2吸気口23から取り入れた空気は、第1熱交換器35を通過することにより冷却される。冷却された空気は、吹出し口24から冷気として吹き出される。一方、第1熱交換器35を出た冷媒は、圧縮機32に戻って再び圧縮される。
【0024】
冷凍サイクル部61の暖房運転では、図6に示すように、圧縮機32によって圧縮された高温かつ高圧の冷媒は、四方弁62を介して第1熱交換器35へ送られる。冷媒は、第1熱交換器35において、第1ファン34が第2吸気口23から吸い込んだ空気を第1熱交換器35に向けて送ることにより冷却されると液化する。第1熱交換器35を通過した空気は、第1熱交換器35の冷媒が液化することにより放出した熱を含んだ状態となり、吹出し口14から暖気として吹き出される。
【0025】
第1熱交換器35にて液化した冷媒は、膨張弁64に送られて、膨張弁64の微小なノズル穴から第2熱交換器36内へ噴射されることにより一気に気化する。気化した冷媒が第2熱交換器36の周囲の熱を奪っていくことにより、第2熱交換器36が冷やされる。第2ファン63が第1吸気口22から取り入れた空気は、第2熱交換器36を通過することにより冷却される。冷却された空気は排熱口25から排出される。一方、第2熱交換器36を出た冷媒は、圧縮機32に戻って再び圧縮される。
【0026】
(制御部71の構成)
図7は、サイクル機器1の制御系統の構成を示すブロック図である。図7に示すように、サイクル機器1は、制御部71および状態センサ53を備え、制御部71は電源制御部72および水路制御部73を備えている。
【0027】
状態センサ53は、サイクル機器1がクレードル部12の上に本体部11を搭載した搭載状態か、あるいはクレードル部12上から本体部11を取り外した非搭載状態かを検知する。
【0028】
電源制御部72は、状態センサ53の検知結果から、サイクル機器1が搭載状態である場合に、電源として電池31または電源ユニット42を使用し、サイクル機器1が非搭載状態である場合に、電源として電池31を使用するように、電源の切り替えを制御する。さらに、電源制御部72は、サイクル機器1が搭載状態である場合において、電源ユニット42が使用可能である場合に、電源として電源ユニット42を使用し、電源ユニット42が使用不可である場合に、電源として電池31を使用するように電源の切り替えを制御する。なお、電源ユニット42が使用不可の状態とは、例えば電源ユニット42の電源プラグ44が商用電源のコンセントに接続されていない状態である。
【0029】
水路制御部73は、水路開閉部51が電磁弁52である場合に電磁弁52の開閉動作を制御する。具体的には、水路制御部73は、状態センサ53の検知結果から、サイクル機器1が搭載状態である場合に、電磁弁52が開状態となるように電磁弁52を制御し、サイクル機器1が非搭載状態である場合に、電磁弁52が閉状態となるように電磁弁52を制御する。
【0030】
(サイクル機器1の利点)
本実施形態のサイクル機器1は、本体部11に第1タンク33を有し、クレードル部12に第2タンク43を有し、かつ本体部11をクレードル部12の上に搭載した搭載状態、および本体部11をクレードル部12上から取り外した非搭載状態とすることが可能である。これにより、サイクル機器1は、非搭載状態では、本体部11を小型かつ軽量の状態で携帯することができる。
【0031】
また、サイクル機器1は、搭載状態では第1タンク33および第2タンク43が使用可能となり、十分なタンク容量を確保し、連続運転時間を長くすることができる。
【0032】
また、サイクル機器1は、機械的な弁または電磁弁を有する水路開閉部51によって、搭載状態では水路を開放することにより第1タンク33から第2タンク43へのドレイン水の移動を可能とし、非搭載状態では水路を遮断することにより第1タンク33からのドレイン水の流出を防止することができる。
【0033】
また、サイクル機器1では、電源制御部72の制御により、サイクル機器1が搭載状態である場合において、電源ユニット42が使用可能である場合に、電源として電源ユニット42を使用し、電源ユニット42が使用不可である場合に、電源として電池31を使用する。これにより、サイクル機器1は、本体部11の電池31とクレードル部12の電源ユニット42との使用状態を適切に制御でき、電池31の容量が不必要に減少する事態を防止することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、サイクル機器1が空気調和機である場合について説明したが、サイクル機器1は、空気調和機に限定されず、例えば除湿装置など、冷凍サイクルを使用するその他の機器であってもよい。この点は、以下の他の実施形態に示すサイクル機器についても同様である。
【0035】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0036】
(制御部81の構成)
図8は、本実施形態のサイクル機器2の制御系統の構成を示すブロック図である。図8に示すように、サイクル機器2は、図7に示したサイクル機器1の構成に加えて第1タンク満水センサ54を備え、制御部71に代え制御部81を備えている。制御部81は、制御部71が有する構成に加えて運転制御部74を備えている。
【0037】
第1タンク満水センサ54は、第1タンク33の満水状態を検知する。運転制御部74は、冷凍サイクル部61の動作状態(冷凍サイクル部61が運転している状態)において第1タンク満水センサ54が第1タンク33の満水状態を検知すると、冷凍サイクル部61の動作(特に、圧縮機32の動作)を停止させる。この場合、サイクル機器2が搭載状態であり、かつ水路開閉部51が電磁弁52であれば、水路制御部73は電磁弁52を閉状態とする。サイクル機器2その他の構成は、サイクル機器1と同様である。
【0038】
(サイクル機器2の利点)
本実施形態のサイクル機器2では、運転制御部74は、冷凍サイクル部61の動作状態において第1タンク満水センサ54が第1タンク33の満水状態を検知すると、冷凍サイクル部61の動作を停止させる。これにより、それ以上のドレイン水が発生せず、運転開始時に第1タンク33内にドレイン水が既に存在していたような場合であっても、ドレイン水が第1タンク33から溢れる事態を防止することができる。
【0039】
サイクル機器2のその他の利点は、前述したサイクル機器1の利点と同様である。
【0040】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0041】
(制御部82の構成)
図9は、本実施形態のサイクル機器3の制御系統の構成を示すブロック図である。図9に示すように、サイクル機器3は、図8に示したサイクル機器2の構成に加えて第2タンク満水センサ55を備え、制御部81に代えて制御部82を備えている。制御部82は、制御部81が有する運転制御部74に代えて運転制御部75を備えている。
【0042】
第2タンク満水センサ55は、第2タンク43の満水状態を検知する。運転制御部75は、冷凍サイクル部61の動作状態において第2タンク満水センサ55が第2タンク43の満水状態を検知すると、冷凍サイクル部61の動作(特に、圧縮機32の動作)を停止させる。この場合、水路制御部73は、サイクル機器3が搭載状態であり、かつ水路開閉部51が電磁弁52であれば、電磁弁52を閉状態とする。サイクル機器3のその他の構成は、サイクル機器1,2と同様である。
【0043】
(サイクル機器3の利点)
本実施形態のサイクル機器3では、運転制御部75は、冷凍サイクル部61の動作状態において第2タンク満水センサ55が第2タンク43の満水状態を検知すると、冷凍サイクル部61の動作を停止させる。これにより、それ以上のドレイン水が発生せず、ドレイン水が第2タンク43から溢れる事態を防止することができる。
【0044】
サイクル機器3のその他の利点は、前述したサイクル機器1,2の利点と同様である。
【0045】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0046】
(第1タンク33の容量)
以上に示したサイクル機器1~3において、第1タンク33の容量を次のように設定してもよい。すなわち、第1タンク33の容量は、第2タンク43の容量よりも小さくなっている。さらに、第1タンク33の容量は、電池使用連続運転時のドレイン水、すなわち満充電状態の電池31を使用してサイクル機器1~3を連続運転した場合に発生したドレイン水を収容でき、かつ発生したドレイン水量に相当する容量に設定されている。この場合の第1タンク33の容量は、例えば電池使用連続運転時のドレイン水量以上、かつ電池使用連続運転時のドレイン水量の1.2倍以下である。
【0047】
図10には、電池31の容量と第1タンク33の容量との関係の例を示す。なお、図10において、電池31の容量が1000Wh未満である場合の第1タンク33の容量200cc未満の下限値、および電池31の容量が3000Wh以上である場合の第1タンク33の容量350cc以上の上限値は、実際の電池31の容量に応じて適宜設定される。
【0048】
(サイクル機器1~3の利点)
サイクル機器1~3は、第1タンク33の容量が、第2タンク43の容量よりも小さく、かつ電池使用連続運転時に発生するドレイン水を収容でき、かつその場合のドレイン水量に相当する容量に設定されている。したがって、サイクル機器1~3は、非搭載状態において、第1タンク33を予め空の状態としておけば、本体部11が連続運転した場合であっても発生したドレイン水を第1タンク33にて確実に収容することができる。これにより、第1タンク33を可及的に小さくでき、本体部11の小型化および軽量化をさらに促進することができる。
【0049】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るサイクル機器は、熱交換器を有する冷凍サイクル部、第1電源となる電池、および前記冷凍サイクル部にて生じたドレイン水を収容する第1タンクを有する本体部と、前記本体部の下に設けられ、前記本体部を搭載した搭載状態、および前記本体部を取り外した非搭載状態が可能であり、前記搭載状態にて前記第1タンクと接続可能となる第2タンクを有するクレードル部と、前記搭載状態にて、前記第1タンクから前記第2タンクへのドレイン水の水路を開放し、前記非搭載状態にて前記水路を遮断する水路開閉部とを備えている。
【0050】
本発明の態様2に係るサイクル機器は、上記態様1において、前記搭載状態および前記非搭載状態を検知する状態センサと、前記クレードル部に設けられ、商用電源を使用して電力供給する第2電源と、前記非搭載状態では前記第1電源を使用し、前記搭載状態では、前記第2電源が使用可能である場合に前記第2電源を使用する一方、前記第2電源が使用不可である場合に前記第1電源を使用するように、前記第1電源と前記第2電源とを切り替える電源制御部とを備えている構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様3に係るサイクル機器は、上記態様1または2において、前記第1タンクの満水状態を検知する第1タンク満水センサと、前記非搭載状態にて前記第1タンク満水センサが前記第1タンクの満水状態を検知したときに、前記冷凍サイクル部の運転を停止させる運転制御部とを備えている構成としてもよい。
【0052】
本発明の態様4に係るサイクル機器は、上記態様1または2において、前記第2タンクの満水状態を検知する第2タンク満水センサと、前記搭載状態にて前記第2タンク満水センサが前記第2タンクの満水状態を検知したときに、前記冷凍サイクル部の運転を停止させる運転制御部とを備えている構成としてもよい。
【0053】
本発明の態様5に係るサイクル機器は、上記態様1において、前記水路開閉部は、
前記搭載状態および前記非搭載状態を検知する状態センサと、前記水路を開閉する電磁弁と、前記状態センサが前記搭載状態を検知したときに前記水路が開放され、前記状態センサが前記非搭載状態を検知したときに前記水路が遮断されるように前記電磁弁を制御する水路制御部とを備えている構成としてもよい。
【0054】
本発明の態様6に係るサイクル機器は、上記態様1から5のいずれか1態様において、前記第1タンクは、前記第1電源を使用して当該サイクル機器を連続運転した場合に発生する前記ドレイン水を収容でき、かつそのドレイン水の量に相当する容量を有している構成としてもよい。
【0055】
本発明の態様7に係るサイクル機器は、上記態様1から6のいずれか1態様において、 前記本体部は空気調和機である構成としてもよい。
【0056】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0057】
1~3 サイクル機器
11 本体部
12 クレードル部
22 第1吸気口
23 第2吸気口
24 吹出し口
25 排熱口
31 電池(第1電源)
32 圧縮機
33 第1タンク
33a 排水口(水路)
35 第1熱交換器
36 第2熱交換器
42 電源ユニット(第2電源)
43 第2タンク
43a 取水口(水路)
51 水路開閉部
52 電磁弁
53 状態センサ
54 第1タンク満水センサ
55 第2タンク満水センサ
61 冷凍サイクル部
71,81,82 制御部
72 電源制御部
73 水路制御部
74,75 運転制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10