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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】生体信号測定装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20221215BHJP
   A61B 5/0531 20210101ALI20221215BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A61B5/02 310B
A61B5/0531
A61B5/1455
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018247323
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2019118831
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】10-2017-0183327
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】文 鉉 ▲せき▼
(72)【発明者】
【氏名】李 承 俊
(72)【発明者】
【氏名】沈 載 旭
(72)【発明者】
【氏名】張 炯 碩
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/182677(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324440(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
A61B 5/0531
A61B 5/1455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、
前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、
前記光源アレイの周囲に配され、複数の電極を含む第2電極アレイと、
前記第1電極前記第2電極アレイのそれぞれの電極とを通じて、前記複数の電極のそれぞれに対する被検体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態及び前記被検体と前記光学センサーとの間の接触不良位置を判断する処理部と、
を含む生体信号測定装置。
【請求項2】
前記第1電極及び前記第2電極アレイのそれぞれは、リング状である請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項3】
前記第1電極及び前記第2電極アレイのそれぞれは、同心型リング状である請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項4】
前記インピーダンス測定部は、前記第1電極と前記複数の電極のそれぞれを通じて被検体に電流を印加し、前記被検体に印加された電流によって、前記第1電極と前記複数の電極のそれぞれの間にかかる電圧を測定し、前記印加された電流及び前記測定された電圧に基づいて、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスを獲得する請求項のいずれか1つに記載の生体信号測定装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、前記接触状態及び前記接触不良位置を判断する請求項のいずれか1つに記載の生体信号測定装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、前記接触状態が良好であると判断する請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項7】
前記光学センサーは、光信号を測定し、
前記処理部は、前記接触状態が良好であると判断されれば、前記測定された光信号を用いて、前記被検体の生体情報を推定する請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項8】
前記生体情報は、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗のうち少なくとも1つを含む請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記複数の電極のうち少なくとも1つに対するインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、前記接触状態が不良であると判断する請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記測定されたインピーダンスが所定の臨界値を超過する前記複数の電極のうち少なくとも1つで接触不良の位置を判断する請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項11】
前記光学センサーは、光信号を測定し、
前記処理部は、前記接触状態が不良であると判断されれば、光信号測定中断のための光センサー制御、前記測定された光信号無視、前記接触状態を向上させるためのアラームまたはガイド情報生成、前記測定された光信号補正のうち少なくとも1つを行う請求項に記載の生体信号測定装置。
【請求項12】
光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、前記光源アレイの周囲に配され、複数の電極を含む第2電極アレイと、を含む生体信号測定装置の動作方法において、
前記第1電極前記第2電極アレイのそれぞれの電極とを通じて、前記複数の電極のそれぞれに対する被検体のインピーダンスを測定する段階と、
前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態及び前記被検体と前記光学センサーとの間の接触不良位置を判断する段階と、
を含む生体信号測定装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体信号測定装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、健康に関する関心が増加するにつれて、多種の生体信号測定技術が開発されている。例えば、最近、ユーザーが着用するウェアラブルデバイスにも、生体信号を測定するためのセンサーを搭載しており、ユーザーは、ウェアラブルデバイスに装着されたセンサーを用いてユーザーの生体信号を測定することができる。分析対象の種類や測定目的などによって、ユーザーは、一時的または所定時間持続的に生体信号を測定することができる。そして、このように獲得された生体信号は、単独で、または他の生体信号と結合してユーザーの健康を表す指標として活用されうる。
【0003】
人の動きなどによって測定位置や測定条件などが常に変動されうるので、生体信号を測定するセンサーは、測定の正確性や再現性が要求される。特に、光学センサーの場合には、被検体に対する接触状態によって測定された光信号にノイズが含まれやすいので、接触状態が測定の正確性や再現性に大きな影響を及ぼしうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、生体信号測定装置及びその動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による生体信号測定装置は、光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、前記光源アレイの外郭に配された第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極を用いて被検体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態を判断する処理部と、を含みうる。
【0006】
前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれは、リング状であり得る。
【0007】
前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれは、同心型リング状であり得る。
【0008】
前記インピーダンス測定部は、前記第1電極及び前記第2電極を通じて被検体に電流を印加し、前記被検体に印加された電流によって、前記第1電極及び前記第2電極の間にかかる電圧を測定し、前記印加された電流及び前記測定された電圧に基づいて、前記インピーダンスを獲得することができる。
【0009】
前記処理部は、前記測定されたインピーダンスを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、前記接触状態を判断することができる。
【0010】
前記処理部は、前記測定されたインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、前記接触状態が良好であると判断することができる。
【0011】
前記光学センサーは、光信号を測定し、前記処理部は、前記接触状態が良好であると判断されれば、前記測定された光信号を用いて、前記被検体の生体情報を推定することができる。
【0012】
前記生体情報は、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗のうち少なくとも1つを含みうる。
【0013】
前記処理部は、前記被検体のインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、前記接触状態が不良であると判断することができる。
【0014】
前記光学センサーは、光信号を測定し、前記処理部は、前記接触状態が不良であると判断されれば、光信号の測定を中断させるための前記光学センサーの制御、前記測定された光信号無視、前記測定された光信号補正、前記接触状態を向上させるためのアラームまたはガイド情報生成のうち少なくとも1つを行うことができる。
【0015】
他の態様による生体信号測定装置は、光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、前記光源アレイの周囲に配され、複数の電極を含む第2電極アレイと、前記第1電極及び前記第2電極アレイを用いて、前記複数の電極のそれぞれに対する被検体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態及び前記被検体と前記光学センサーとの間の接触不良位置を判断する処理部と、を含みうる。
【0016】
前記第1電極及び前記第2電極アレイのそれぞれは、リング状であり得る。
【0017】
前記第1電極及び前記第2電極アレイのそれぞれは、同心型リング状であり得る。
【0018】
前記インピーダンス測定部は、前記第1電極と前記複数の電極のそれぞれを通じて被検体に電流を印加し、前記被検体に印加された電流によって、前記第1電極と前記複数の電極のそれぞれの間にかかる電圧を測定し、前記印加された電流及び前記測定された電圧に基づいて、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスを獲得することができる。
【0019】
前記処理部は、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、前記接触状態及び前記接触不良位置を判断することができる。
【0020】
前記処理部は、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、前記接触状態が良好であると判断することができる。
【0021】
前記光学センサーは、光信号を測定し、前記処理部は、前記接触状態が良好であると判断されれば、前記測定された光信号を用いて、前記被検体の生体情報を推定することができる。
【0022】
前記生体情報は、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗のうち少なくとも1つを含みうる。
【0023】
前記処理部は、前記複数の電極のうち少なくとも1つに対するインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、前記接触状態が不良であると判断することができる。
【0024】
前記処理部は、前記測定されたインピーダンスが所定の臨界値を超過する前記複数の電極のうち少なくとも1つで接触不良の位置を判断することができる。
【0025】
前記光学センサーは、光信号を測定し、前記処理部は、前記接触状態が不良であると判断されれば、光信号測定中断のための光センサー制御、前記測定された光信号無視、前記接触状態を向上させるためのアラームまたはガイド情報生成、前記測定された光信号補正のうち少なくとも1つを行うことができる。
【0026】
さらに他の態様による光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、前記光源アレイの外側に配された第2電極と、を含む生体信号測定装置の動作方法は、前記第1電極及び前記第2電極を用いて被検体のインピーダンスを測定する段階と、前記測定されたインピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態を判断する段階と、を含みうる。
【0027】
前記インピーダンスを測定する段階は、前記第1電極及び前記第2電極を通じて被検体に電流を印加する段階と、前記被検体に印加された電流によって、前記第1電極及び前記第2電極の間にかかる電圧を測定する段階と、前記印加された電流及び前記測定された電圧に基づいて、前記インピーダンスを獲得する段階と、を含みうる。
【0028】
前記接触状態を判断する段階は、前記測定されたインピーダンスを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、前記接触状態を判断することができる。
【0029】
前記接触状態を判断する段階は、前記測定されたインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、前記接触状態が良好であると判断することができる。
【0030】
生体信号測定装置の動作方法は、光信号を測定する段階と、前記接触状態が良好であると判断されれば、前記測定された光信号を用いて、前記被検体の生体情報を推定する段階と、をさらに含みうる。
【0031】
前記生体情報は、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗のうち少なくとも1つを含みうる。
【0032】
前記接触状態を判断する段階は、前記測定されたインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、前記接触状態が不良であると判断することができる。
【0033】
生体信号測定装置の動作方法は、光信号を測定する段階と、前記接触状態が不良であると判断されれば、光信号の測定を中断させるための光学センサーの制御、前記測定された光信号無視、前記測定された光信号補正、及び前記接触状態を向上させるためのアラームまたはガイド情報生成のうち少なくとも1つを行う段階と、をさらに含みうる。
【0034】
さらに他の態様による光検出器及び前記光検出器の周囲に配された光源アレイを含む光学センサーと、前記光検出器と前記光源アレイとの間に配された第1電極と、前記光源アレイの周囲に配され、複数の電極を含む第2電極アレイと、を含む生体信号測定装置の動作方法は、前記第1電極及び前記第2電極アレイを用いて、前記複数の電極のそれぞれに対する被検体のインピーダンスを測定する段階と、前記複数の電極のそれぞれに対するインピーダンスに基づいて、前記被検体と前記光学センサーとの間の接触状態及び前記被検体と前記光学センサーとの間の接触不良位置を判断する段階と、を含みうる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、電極を用いて被検体のインピーダンスを測定し、該測定されたインピーダンスに基づいて被検体と光学センサーとの接触状態を判断することにより、生体信号測定の正確度を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】皮膚と電極とが接触する時の等価回路を示す図面である。
図2】生体信号測定装置の一実施形態を示すブロック図である。
図3】光学センサーの一実施形態を示す図面である。
図4】光学センサーと電極部との配置の一実施形態を示す図面である。
図5】光学センサーの構造を概略的に示す図面である。
図6A】処理部でスペクトル再構築過程を説明する図面である。
図6B】処理部でスペクトル再構築過程を説明する図面である。
図6C】処理部でスペクトル再構築過程を説明する図面である。
図7】生体信号測定装置の他の実施形態を示すブロック図である。
図8】光学センサーと電極部との配置の一実施形態を示す図面である。
図9】光学センサーと電極部との配置の他の実施形態を示す図面である。
図10】光学センサーと電極部との配置のさらに他の実施形態を示す図面である。
図11】電極別インピーダンスの例を示す図面である。
図12】各光源から照射されて測定された光信号の例を示す図面である。
図13】接触状態判断方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図14】生体信号測定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図15】生体信号測定方法の他の実施形態を示すフローチャートである。
図16】生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。
図17】接触状態判断方法の他の実施形態を示すフローチャートである。
図18】生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。
図19】生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。
図20】生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。
図21】生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。
図22】生体信号測定装置のさらに他の実施形態を示すブロック図である。
図23】手首型ウェアラブルデバイスを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付け加えるに当って、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同じ符号を有させることに留意しなければならない。また、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が、実施形態の理解を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0038】
一方、各段階において、各段階は、文脈上、明白に特定の順序を記載していない以上、明記された順序と異なって起こりうる。すなわち、各段階は、明記された順序と同様に行われ、実質的に同時に行われることもあり、逆順にも行われる。
【0039】
後述される用語は、実施形態による機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザー、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0040】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は、用語によって限定されるものではない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含み、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0041】
また、本明細書での構成部に対する区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したものに過ぎない。すなわち、2個以上の構成部が1つの構成部に合わせられるか、または1つの構成部がより細分化された機能別に2個以上に分化されて備えられることもある。そして、構成部のそれぞれは、自身が担当する主機能の以外にも、他の構成部が担当する機能のうち、一部または全部の機能を追加的に行っても、構成部のそれぞれが担当する主機能のうち、一部機能が他の構成部によって専担されて行われても良い。各構成部は、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されるか、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで具現可能である。
【0042】
図1は、皮膚と電極とが接触する時の等価回路を示す図面である。
【0043】
図1を参照すれば、電極が皮膚と接触する場合、電極と皮膚の等価回路は、電極と皮膚との接触によって発生する接触インピーダンス10と皮膚内部のインピーダンスを示す生体インピーダンス20として表現される。
【0044】
接触インピーダンス10は、電極と皮膚との物理的な接触面積によって変化する値であって、電極と皮膚との接触面積が大きいほど、接触インピーダンス10は減少するが、一方、生体インピーダンス20は、電極と皮膚との物理的な接触よりは主に生理学的変化(例えば、発汗、皮膚構成成分の変化など)によって変化する。
【0045】
2個の電極を被検体の皮膚に接触させて被検体のインピーダンスを測定する場合、測定された被検体のインピーダンスは、接触インピーダンス10と生体インピーダンス20との直列連結で表現される。ここで、電極と被検体の皮膚との物理的接触面積の変化は、生体インピーダンス20には影響がないが、接触インピーダンス10に影響を及ぼして、結局、被検体のインピーダンスの変化をもたらす。
【0046】
したがって、一実施形態によれば、被検体の皮膚に電極を接触させて測定された被検体のインピーダンスの変化をモニタリングすることにより、被検体の皮膚と電極との間の接触状態を判断することができる。
【0047】
図2は、生体信号測定装置の一実施形態を示すブロック図であり、図3は、光源アレイと光検出器との配置の一実施形態を示す図面であり、図4は、光学センサーと電極部との配置の一実施形態を示す図面である。
【0048】
図2の生体信号測定装置200は、電子装置に搭載されうる。この際、電子装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション装置、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイスなどを含み、ウェアラブルデバイスは、手首時計型、手首バンド型、指輪型、ベルト型、ネックレス型、足首バンド型、太ももバンド型、腕バンド型などを含みうる。しかし、電子装置は、上述した例に制限されず、ウェアラブルデバイスも、上述した例に制限されるものではない。
【0049】
図2を参照すれば、生体信号測定装置200は、光学センサー210、電極部220、インピーダンス測定部230及び処理部240を含みうる。
【0050】
光学センサー210は、被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信することができる。このために、光学センサー210は、複数の光源を含む光源アレイ211と光検出器212とを含みうる。
【0051】
光源アレイ211の各光源は、互いに異なる波長の光を被検体に照射することができる。例えば、各光源は、所定波長の光、例えば、近赤外線(Near Infrared Ray、NIR)を被検体の皮膚に照射することができる。しかし、測定目的や測定しようとする構成成分の種類によって、各光源から照射される光の波長は変わりうる。そして、各光源は、必ずしも単一の発光体で構成される必要はなく、多数の発光体の集合で構成することもできる。各光源は、発光ダイオード(light emitted diode、LED)、レーザダイオード(laser diode)及び蛍光体などを含みうる。
【0052】
光検出器212は、被検体から反射または散乱された光信号を受信することができる。光検出器212は、受信された光信号を電気的信号に変換して処理部240に伝達することができる。一実施形態によれば、光検出器212は、フォトダイオード(photo diode)、フォトトランジスタ(photo transistor、PTr)または電荷結合素子(charge-coupled device、CCD)などを含みうる。光検出器212は、必ずしも1つの素子で構成される必要はなく、多数の素子が集まってアレイ形態で構成することができる。
【0053】
光源アレイ211の複数の光源は、光検出器212の外郭で光検出器212の周囲に、または周囲を取り囲むように配置される。例えば、光源アレイ211は、光検出器212を中心に光検出器212の周囲に、または周囲を取り囲むように同心円状に配置される。
【0054】
例えば、図3を参照すれば、光学センサー210は、中心にフォトダイオード(PD)が配され、フォトダイオード(PD)を中心に外郭に同心円状にn個のLEDアレイが配置される。各LEDは、λ1、λ2、λ3、…、λnの互いに異なるピーク波長を有するようにあらかじめ設定しうる。例えば、光源の一部が同じ温度を有するように設定されても、電流強度やパルス持続時間などを細部的に調節することにより、ピーク波長をシフトさせて、互いに異なるピーク波長を有させうる。
【0055】
光学センサー210は、光源アレイ211の各光源のピーク(peak)波長帯を調節する波長調節器213をさらに含みうる。図2は、波長調節器213が1つであると示されているが、これは、説明の便宜のための一例に過ぎない。すなわち、波長調節器213は、各光源が対象体に放出するピーク波長を個別的に調節するために、全体光源の個数に相応するように備えられ、この場合、各波長調節器213は、各光源の一面に密着設置される。波長調節器213は、処理部240の制御によって、各光源のピーク波長を調節することができる。
【0056】
例えば、波長調節器213は、各光源の温度を調節してピーク波長を調節する温度調節部材(例えば、抵抗発熱体や熱電素子など)で形成されうるが、これに制限されるものではなく、光源の放出波長帯を調節することができる多様な部材が活用されうる。
【0057】
電極部220は、被検体と接触する第1電極221及び第2電極222を含みうる。第1電極221は、光検出器212と光源アレイ211との間に配され、第2電極222は、光源アレイ211の外郭に配置される。一実施形態によれば、第1電極221及び第2電極222は、光学センサー210の中心を基準に同心型リング状に形成されうる。
【0058】
例えば、図4を参照すれば、光学センサー210の中心部には、光検出器212が配され、光検出器212の外郭には、光検出器212を取り囲んだ同心型リング状の第1電極221が配置される。また、第1電極221の外郭には、第1電極221を取り囲むように配された6個の光源211a、211bを含む同心円状の光源アレイ211が配され、光源アレイ211の外郭には、光源アレイ211を取り囲んだ同心型リング状の第2電極222が配置される。一方、図4は、6個の光源211a、211bを含む例を図示するが、これに限定されるものではない。すなわち、光学センサー210に含まれる光源の個数は、測定しようとする対象の種類や光学センサー210の動作方法などによって変わりうる。
【0059】
第1電極221及び第2電極222は、生体信号測定装置200の表面から突き出し、その突出する高さは同一である。ここで、生体信号測定装置200の表面から突出するということは、突出高さが0であって、第1電極221及び第2電極222の表面が生体信号測定装置200の表面と平行に埋設されているものも含む。但し、突出する具体的な高さは、第1電極221及び第2電極222を通じて測定しようとする対象の種類や光学センサー210の動作方法や構造(例えば、光学センサー210の突出高さなど)などによって変わりうる。例えば、第1電極221及び第2電極222が突出する高さは、光学センサー210が突出した高さと同じであり得る。しかし、これに限定されるものではない。
【0060】
インピーダンス測定部230は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体のインピーダンスを測定することができる。このために、インピーダンス測定部230は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体に所定の電流を印加する電源及び印加された電流によって、第1電極及び第2電極の間にかかる電圧を測定する電圧計などを含みうる。インピーダンス測定部230は、印加された電流及び測定された電圧に基づいて、電圧、電流及びインピーダンスとの関係式(V=I*Z)を用いて被検体のインピーダンスを獲得することができる。
【0061】
但し、インピーダンス測定部230の具体的な構成及びインピーダンス測定方法に対して特別な提案があるものではない。例えば、当業者で現在広く使われているインピーダンス測定器の構成及び方法はもとより、将来に使われるインピーダンス測定器の構成及び方法も、いずれも使われる。
【0062】
処理部240は、生体信号測定装置200の全般的な動作を制御することができる。
【0063】
処理部240は、ユーザーの要請に応じて光学センサー210を制御することができる。
【0064】
処理部240は、光源アレイ211を制御して対象体に光を照射することができる。処理部240は、光源アレイ211の各光源を駆動する前に各光源から放出されるピーク波長を設定することができる。この際、処理部240は、波長調節器213を制御して、各光源のピーク波長を設定することができる。
【0065】
処理部240は、各光源のピーク波長が設定されれば、各光源の電源をオンにして対象体に光を照射するように制御することができる。この際、処理部240は、光源アレイ211の各光源のオン(on)/オフ(off)を時分割方式で制御することができる。しかし、これは、一実施形態に過ぎず、これに限定されるものではなく、処理部240は、複数の光源の電源を同時にオンして、同時に光を照射するように制御することもでき、既定のピーク波長によって光源を2つ以上のグループに分類し、該分類された各光源のグループを時分割方式で制御することもできる。但し、これらは、1つの例示に過ぎず、バッテリの状態、光学センサー210の適用分野、及び光検出器212のサイズなどの多様な情報に基づいて、光源の制御方法が調整されうる。
【0066】
この際、各光源別に放出時間、駆動順序、電流の強度(current intensity)及びパルス持続時間(pulse duration)などを含む光源駆動条件があらかじめ設定され、処理部240は、既定の光源駆動条件を参考にして光源の駆動方法を制御することができる。また、駆動する光源の電流の強度及びパルス持続時間によって光源を駆動することにより、温度調節によって設定された光源のピーク波長を他の波長どおりにシフト(shift)させることができる。これを通じて、複数の光源のピーク波長を細密な間隔で設定することができる。
【0067】
処理部240は、インピーダンス測定部230を制御することができる。例えば、処理部240は、インピーダンス測定部230を制御して被検体のインピーダンスを測定することができる。
【0068】
処理部240は、インピーダンス測定部230から測定された被検体のインピーダンスに基づいて被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる。一実施形態によれば、処理部240は、測定された被検体のインピーダンスを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる。例えば、処理部240は、測定された被検体のインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断し、測定された被検体のインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断することができる。この際、接触良好は、光学センサー210から有効な光信号を測定することができる程度に被検体と光学センサー210とが完全に接触された状態を意味し、接触不良は、光学センサー210から有効な光信号を測定することができない程度に、被検体と光学センサー210とが不完全に接触するか、一部または全部が互いに離隔している状態を意味する。
【0069】
被検体が電極部220の各電極221、222に完全に接触されている場合、被検体と各電極221、222との接触面積が最大になり、それにより被検体のインピーダンス(より詳細には、接触インピーダンス)は最小になる。一方、被検体が電極部220の各電極221、222に不完全に接触するか、一部または全部が互いに離隔している場合、被検体と各電極221、222との接触面積は減少し、それにより被検体のインピーダンス(より詳細には、接触インピーダンス)は増加する。すなわち、被検体と電極部220との接触状態によって被検体のインピーダンス(より詳細には、接触インピーダンス)は変わる。被検体と電極部220との接触状態と被検体と光学センサー210との接触状態は、その対象を異ならせるので、完全に同一であると見られない。しかし、光学センサー210は、第2電極222の内側に配されるので、被検体と電極部220とが完全に接触されて被検体のインピーダンスが所定の臨界値以下である場合は、被検体と光学センサー210との接触状態を良好であると見なし、被検体と電極部220とが不完全に接触するか、一部または全部が互いに離隔して被検体のインピーダンスが所定の臨界値を超過する場合は、被検体と光学センサー210との接触状態を不良であると見なしうる。
【0070】
処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態の判断結果によって所定の機能を行える。
【0071】
一実施形態によれば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断されれば、光検出器212から受信された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる。例えば、処理部240は、光検出器212から受信された光信号に基づいて被検体のスペクトルを再構築し、該再構築された被検体のスペクトルを分析して、被検体の生体情報を推定することができる。この際、生体情報としては、例えば、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗などを含みうる。
【0072】
他の実施形態によれば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、アラーム及び/またはガイド情報生成、光学センサー210を通じる光信号測定中断、及び/または光学センサー210を通じて測定された光信号無視、光学センサー210を通じて測定された光信号の補正などの機能を行える。例えば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、所定のアラーム及び/またはガイド情報を生成して、出力手段を通じて出力することができる。この際、ガイド情報は、被検体と光学センサー210との完全な接触を誘導して、被検体と光学センサー210との接触状態を向上させるための情報を含みうる。他の例を挙げれば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断されるまで光学センサー210の動作を停止させて、光学センサー210を通じる光信号の測定を中断することができる。さらに他の例を挙げれば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、光学センサー210を通じる光信号の測定を継続するが、接触不良当時に測定された光信号を無視して分析データに反映しないこともある。さらに他の例を挙げれば、処理部240は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、インピーダンスと光信号との関係を定義した補正モデルを用いて測定された光信号を補正することができる。この際、補正モデルは、あらかじめ構築されて内部または外部データベースに保存することができる。
【0073】
図5は、光学センサーの構造を概略的に示す図面である。
【0074】
図2及び図5を参照して、光学センサー210の構造についてより詳細に説明する。
【0075】
図2及び図5を参照すれば、光学センサー210は、ハウジング214を含み、ハウジング214に各光源211a、211b及び光検出器212などが装着されうる。図5において、光源211a、211b及び光検出器212は、2個と示されているが、これは、説明の便宜のためであり、その個数において、特に制限されるものではない。
【0076】
また、光学センサー210は、対象体(OBJ)と接触する下部に形成されたカバー215を含み、この際、カバー215は、AR(Anti-Reflection)コーティングされたガラス(glass)で形成されうる。
【0077】
また、光学センサー210は、ハウジング214に実装されて光源211a、211bから照射された光の方向を調整する方向調節器216a、216bをさらに含みうる。方向調節器216a、216bは、光源211a、211bから照射された光の方向を対象体(OBJ)の被検部位に向けるように調節し、光学ミラー(mirror)で形成されうる。方向調節器216a、216bは、方向や角度が初期にあらかじめ設定しうる。但し、これに制限されるものではないので、処理部240の制御によって方向や角度が自動で調節されるように形成されることも可能である。
【0078】
光源211a、211bによって照射された光は、矢印で示したように、光経路に沿って対象体(OBJ)に入り、対象体(OBJ)の組織特性によって散乱または反射して光検出器212の方向に移動する。光検出器212は、対象体(OBJ)から戻ってくる光を検出する。この際、光学センサー210は、対象体(OBJ)によって反射または散乱される光の方向を光検出器212の方向に向かうように集中させる光集中器217を含みうる。この際、光集中器217は、光学レンズのような光学モジュールで形成されうる。
【0079】
また、波長調節器213a、213bは、光源211a、211bの一面に密着されて設けられることもある。この際、波長調節器213a、213bは、対応する各光源211a、211bと分離可能に設けられるか、光源211a、211bと一体に形成されうる。この際、波長調節器213a、213bは、光源211a、211bの温度を調節する抵抗発熱体や熱電素子のような温度調節部材で形成されうる。
【0080】
処理部240は、波長調節器213a、213b及び光源211a、211bと電気的に連結されて、駆動する光源211a、211bが既定のピーク波長帯の光を放出できるように、各波長調節器213a、213bを制御することができる。
【0081】
一方、一実施形態によれば、第1電極221は、同心型リング状に形成されて、光検出器212と光源211a、211bとの間で光検出器212の周囲に、または周囲を取り囲むように配され、第2電極222は、同心型リング状に形成されて、光源211a、211bを含む光源アレイの外郭で光源211a、211bの周囲に、または周囲を取り囲むように配置される。
【0082】
すなわち、図4及び図5を参照すれば、第1電極221は、光検出器212の外郭で光検出器212の周囲に、または周囲を取り囲むように配され、第2電極222は、光源アレイ211の外郭で光源アレイ211の周囲に、または周囲を取り囲むように配置される。したがって、第1電極221は、光源アレイ211と光検出器212との間のカバー215領域に配され、第2電極222は、光源アレイ211の外側のカバー215領域に配置される。
【0083】
図6Aから図6Cは、処理部でスペクトル再構築過程を説明する図面である。
【0084】
図3及び図6Aを参照すれば、光源アレイは、n個のLEDからなるLEDアレイで形成され、各LEDのピーク波長は、光源駆動条件(例えば、温度、電流強度及びパルス持続時間など)に基づいて、λ1、λ2、λ3、…、λnを有するように設定しうる。例えば、光源の一部が同じ温度を有するように設定されても、電流強度やパルス持続時間などを細部的に調節することにより、ピーク波長をシフトさせて、互いに異なるピーク波長を有させうる。
【0085】
図6Bを参照すれば、処理部は、設定された駆動順序及びパルス持続時間などに基づいて、各光源を順次に駆動しながら、光を放出させ、光検出器(PD)は、対象体(OBJ)から戻ってくる光を検出する。この際、一部の光源のみを駆動することも可能であり、光源をグループに分類して、各グループ別に時分割で駆動することも可能である。
【0086】
図6Cを参照すれば、処理部は、検出器(PD)から検出された光信号を受信してスペクトルを再構築することができる。この際、処理部は、下記の[数1]式及び[数2]式を通じて不良条件問題(ill-posed problem)を解くチコノフ規則化(Tikhonov regularization)方法を用いてスペクトルを再構築することができる。
【0087】
【数1】
【0088】
ここで、Aは、各光源別の駆動条件によって測定された基準スペクトル特性のマトリックスであり、Uは、各光源別に同様に設定された駆動条件で光検出器によって実際に測定された値のマトリックスを示す。また、zは、再構築されたスペクトルを示す。
【0089】
【数2】
【0090】
ここで、uは、光検出器で実際に測定されたマトリックスUの各コンポーネントを示し、Eは、単位行列、Aは、カーネルマトリックスであって、各光源別に駆動条件によって測定された基準スペクトルのマトリックスを意味する。αは、ノイズ除去単位を示し、Tは、転置行列を示し、Zは、再構築されたスペクトルを示す。
【0091】
図7は、生体信号測定装置の他の実施形態を示すブロック図であり、図8は、光学センサーと電極部との配置の一実施形態を示す図面であり、図9は、光学センサーと電極部との配置の他の実施形態を示す図面であり、図10は、光学センサーと電極部との配置のさらに他の実施形態を示す図面である。
【0092】
図7の生体信号測定装置700は、電子装置に搭載されうる。この際、電子装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PDA、PMP、ナビゲーション、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイスなどを含み、ウェアラブルデバイスは、手首時計型、手首バンド型、指輪型、ベルト型、ネックレス型、足首バンド型、太ももバンド型、腕バンド型などを含みうる。しかし、電子装置は、上述した例に制限されず、ウェアラブルデバイスも、上述した例に制限されるものではない。
【0093】
図7から図10を参照すれば、生体信号測定装置700は、光学センサー710、電極部720、インピーダンス測定部730及び処理部740を含みうる。
【0094】
光学センサー710は、被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信することができる。このために、光学センサー710は、複数の光源を含む光源アレイ711と光検出器712とを含みうる。
【0095】
光源アレイ711の各光源は、互いに異なる波長の光を被検体に照射することができる。例えば、各光源は、所定波長の光、例えば、近赤外線(NIR)を被検体の皮膚に照射することができる。しかし、測定目的や測定しようとする構成成分の種類によって、各光源から照射される光の波長は変わりうる。そして、各光源は、必ずしも単一の発光体で構成される必要はなく、多数の発光体の集合で構成することもできる。各光源は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード及び蛍光体などを含みうる。
【0096】
光検出器712は、被検体から反射または散乱された光信号を受信することができる。光検出器712は、受信された光信号を電気的信号に変換して処理部740に伝達することができる。一実施形態によれば、光検出器712は、フォトダイオード、フォトトランジスタ(PTr)または電荷結合素子(CCD)などを含みうる。光検出器712は、必ずしも1つの素子で構成される必要はなく、多数の素子が集まってアレイ形態で構成することができる。
【0097】
光源アレイ711は、光検出器712の周囲に、または周囲を取り囲むように配置される。例えば、光源アレイ711の複数の光源は、光検出器712を中心に光検出器712の周囲に、または周囲を取り囲むように同心円状に配置される。
【0098】
一方、光学センサー710は、光源アレイ711の各光源のピーク波長帯を調節する波長調節器713をさらに含みうる。
【0099】
電極部720は、被検体と接触する第1電極721、及び複数の第2電極を含む第2電極アレイ722を含みうる。第1電極721は、光検出器712と光源アレイ711との間に配され、第2電極アレイ722の複数の第2電極は、光源アレイ711の外郭で光源アレイ711の周囲に、または周囲を取り囲むように配置される。一実施形態によれば、第1電極721及び第2電極アレイ722は、光学センサー710の中心を基準に同心型リング状に形成されうる。
【0100】
例えば、図8を参照すれば、光学センサー710の中心部には、1つの光検出器712が配され、光検出器712の外郭には、光検出器712を取り囲んだ同心型リング状の第1電極721が配置される。また、第1電極721の外郭には、第1電極721を取り囲むように配された6個の光源711a、711bを含む同心円状の光源アレイ711が配され、光源アレイ711の外郭には、光源アレイ711を取り囲むように配された2個の第2電極722a、722bを含む同心型リング状の第2電極アレイ722が配置される。一方、図8は、6個の光源711a、711bを含む例を図示するが、これに限定されるものではない。すなわち、光学センサー710に含まれる光源の個数は、測定しようとする対象の種類や光学センサー710の動作方法などによって変わりうる。また、2個の第2電極722a、722bのサイズ及び/または表面積は、同一または異なることもある。
【0101】
さらに他の例を挙げて、図9を参照すれば、光学センサー710の中心部には、1つの光検出器712が配され、光検出器712の外郭には、光検出器712を取り囲んだ同心型リング状の第1電極721が配置される。また、第1電極721の外郭には、第1電極721を取り囲むように配された6個の光源711a、711bを含む同心円状の光源アレイ711が配され、光源アレイ711の外郭には、光源アレイ711を取り囲むように配された3個の第2電極722a、722b、722cを含む同心型リング状の第2電極アレイ722が配置される。一方、図9は、6個の光源711a、711bを含む例を図示するが、これに限定されるものではない。すなわち、光学センサー710に含まれる光源の個数は、測定しようとする対象の種類や光学センサー710の動作方法などによって変わりうる。また、3個の第2電極722a、722b、722cのサイズ及び/または表面積は、同一または異なることもある。
【0102】
さらに他の例を挙げて、図10を参照すれば、光学センサー710の中心部には、1つの光検出器712が配され、光検出器712の外郭には、光検出器712を取り囲んだ同心型リング状の第1電極721が配置される。また、第1電極721の外郭には、第1電極721を取り囲むように配された6個の光源711a、711bを含む同心円状の光源アレイ711が配され、光源アレイ711の外郭には、光源アレイ711を取り囲むように配された4個の第2電極722a、722b、722c、722dを含む同心型リング状の第2電極アレイ722が形成されうる。一方、図10は、6個の光源711a、711bを含む例を図示するが、これに限定されるものではない。すなわち、光学センサー210に含まれる光源の個数は、測定しようとする対象の種類や光学センサー710の動作方法などによって変わりうる。また、4個の第2電極722a、722b、722c、722dのサイズ及び/または表面積は、同一または異なることもある。
【0103】
一方、図8から図10は、第2電極が2個~4個である場合を例として挙げているが、これに限定されるものではない。すなわち、システムの性能及び用途、光源の個数などによって、第2電極の個数は変わりうる。
【0104】
第1電極721及び第2電極アレイ722の各第2電極は、生体信号測定装置700の表面から突き出し、その突出する高さは同一である。ここで、生体信号測定装置700の表面から突出するということは、突出高さが0であって、第1電極721及び第2電極アレイ722の各第2電極の表面が生体信号測定装置700の表面と平行に埋設されていることも含む。但し、突出する具体的な高さは、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて測定しようとする対象の種類や光学センサー710の動作方法や構造(例えば、光学センサー710の突出高さなど)などによって変わりうる。例えば、第1電極721及び第2電極アレイ722が突出する高さは、光学センサー710が突出した高さと同じであり得る。しかし、これに限定されるものではない。
【0105】
インピーダンス測定部730は、第1電極721及び第2電極アレイ722の各第2電極を通じて、各電極に対する被検体の電極別インピーダンスを測定することができる。このために、インピーダンス測定部730は、第1電極721及び第2電極アレイ722の各第2電極を通じて被検体に所定の電流を印加する電源及び印加された電流によって、第1電極及び各第2電極の間にかかる電圧を測定する電圧計などを含みうる。インピーダンス測定部730は、印加された電流及び測定された電圧に基づいて、電圧、電流及びインピーダンスとの関係式(V=I*Z)を用いて被検体の電極別インピーダンスを獲得することができる。例えば、図8に示したように、第2電極アレイ722が2個の第2電極722a、722bを含む場合、インピーダンス測定部730は、第1電極721及び第2電極722aを通じて被検体に電流を印加し、第1電極721及び第2電極722aにかかる電圧を測定して、被検体の第2電極722aに対する電極別インピーダンス(第1インピーダンス)を測定し、第1電極721及び第2電極722bを通じて被検体に電流を印加し、第1電極721及び第2電極722bにかかる電圧を測定して、被検体の第2電極722bに対する電極別インピーダンス(第2インピーダンス)を測定することができる。
【0106】
処理部740は、生体信号測定装置700の全般的な動作を制御することができる。
【0107】
処理部740は、ユーザーの要請に応じて光学センサー710を制御することができる。この際、処理部740は、光源アレイ711の各光源のオン/オフを時分割方式で制御することができる。処理部740は、光源別の電流強度及びパルス持続時間などの駆動条件に基づいて、各光源を駆動することができる。但し、これに限定されるものではなく、処理部740は、複数の光源の電源を同時にオンして、同時に光を照射するように駆動することもできる。
【0108】
処理部740は、インピーダンス測定部730を制御することができる。例えば、処理部740は、インピーダンス測定部730を制御して被検体の電極別インピーダンスを測定することができる。
【0109】
処理部740は、インピーダンス測定部730から測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との間の接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる。一実施形態によれば、処理部740は、測定された被検体の電極別インピーダンスのそれぞれを所定の臨界値と比較し、該比較の結果に基づいて、被検体と光学センサー210との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる。例えば、処理部740は、被検体の電極別インピーダンスいずれもが所定の臨界値以下であれば、被検体と光学センサー710との接触状態が良好であると判断し、1つ以上の電極別インピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、被検体と光学センサー710との接触状態が不良であると判断することができる。この際、処理部740は、所定の臨界値を超過した電極別インピーダンスが測定された第2電極方向で接触不良が発生したと判断することができる。例えば、図7において、インピーダンス測定部730が第1電極721及び第2電極722aを通じて被検体の第1インピーダンスを測定し、第1電極721及び第2電極722bを通じて被検体の第2インピーダンスを測定した場合であって、第1インピーダンスは、所定の臨界値以下であるが、第2インピーダンスは、所定の臨界値を超過したと仮定する。この場合、処理部740は、第2インピーダンスが測定された第2電極722bの方向の接触状態が不良であると判断することができる。
【0110】
処理部740は、被検体と光学センサー710との接触状態の判断結果によって所定の機能を行える。
【0111】
一実施形態によれば、処理部740は、被検体と光学センサー710との接触状態が良好であると判断されれば、光検出器712から受信された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる。例えば、処理部740は、光検出器712から受信された光信号に基づいて被検体のスペクトルを再構築し、該再構築された被検体のスペクトルを分析して、被検体の生体情報を推定することができる。この際、生体情報としては、例えば、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗などを含みうる。スペクトル再構築方法は、図6Aから図6Cを参照して前述したものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0112】
他の実施形態によれば、処理部740は、被検体と光学センサー710との接触状態が不良であると判断されれば、アラーム及び/またはガイド情報生成、光学センサー710を通じる光信号測定中断、光学センサー710を通じて測定された光信号無視、及び/または光学センサー710を通じて測定された光信号の補正などの機能を行える。例えば、処理部740は、被検体と光学センサー710との接触状態が不良であると判断されれば、所定のアラーム及び/またはガイド情報を生成して出力手段を通じて出力することができる。この際、ガイド情報は、被検体と光学センサー710との完全な接触を誘導して、被検体と光学センサー710との接触状態を向上させるための情報を含みうる。他の例を挙げれば、処理部740は、被検体と光学センサー710との接触状態が不良であると判断されれば、被検体と光学センサー710との接触状態が良好であると判断されるまで光学センサー210の動作を停止させて、光学センサー710を通じる光信号の測定を中断することができる。さらに他の例を挙げれば、処理部740は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、光学センサー710を通じる光信号の測定を継続するが、接触不良位置の光源から照射されて測定された光信号を無視して分析データに反映しないこともある。さらに他の例を挙げれば、処理部740は、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断されれば、接触不良位置の電極別インピーダンスに基づいて接触不良位置の光源から照射されて測定された光信号を補正することができる。この際、処理部740は、インピーダンスと光信号との関係を定義した補正モデルを利用できる。補正モデルは、あらかじめ構築されて内部または外部データベースに保存することができる。
【0113】
図11は、電極別インピーダンスの例を示す図面であり、図12は、各光源から照射されて測定された光信号の例を示す図面である。図11及び図12は、図10の光学センサー及び電極部の構造を有する生体信号測定装置から測定された例である。
【0114】
図11において、参照番号1110は、第1電極721及び第2電極722aを通じて測定されたインピーダンスであり、参照番号1120は、第1電極721及び第2電極722bを通じて測定されたインピーダンスであり、参照番号1130は、第1電極721及び第2電極722cを通じて測定されたインピーダンスであり、参照番号1140は、第1電極721及び第2電極722dを通じて測定されたインピーダンスである。また、図12において、参照番号1210は、光源(A)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1220は、光源(B)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1230は、光源(C)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1240は、光源(D)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1250は、光源(E)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1260は、光源(F)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1270は、光源(G)から照射されて測定された光信号であり、参照番号1280は、光源(H)から照射されて測定された光信号である。
【0115】
図10から図12を参照すれば、第1電極721及び第2電極722aを通じて測定されたインピーダンス1110、第1電極721及び第2電極722bを通じて測定されたインピーダンス1120、及び第1電極721及び第2電極722dを通じて測定されたインピーダンス1120が増加し、それと同時に光源(A)から照射されて測定された光信号1210、光源(B)から照射されて測定された光信号1220、光源(C)から照射されて測定された光信号1230及び光源(H)から照射されて測定された光信号1280が増加したということが分かる。すなわち、第2電極722aの方向に接触不良が発生し、このような接触不良がインピーダンス1110、1120、1140を増加させ、光信号1210、1220、1230、1280を増加させる原因になったということが分かる。また、インピーダンス1110、1120、1140の増加と光信号1210、1220、1230、1280の増加は、一定の相関関係を有するということが分かる。
【0116】
したがって、このような相関関係に基づいて補正モデルを構築することが可能であり、生体信号測定装置700は、あらかじめ構築された補正モデルを用いて接触不良位置の電極別インピーダンスに基づいて測定された光信号を補正することが可能である。
【0117】
図13は、接触状態判断方法の一実施形態を示すフローチャートである。図13の接触状態判断方法は、図2の生体信号測定装置200によって行われる。
【0118】
図2及び図13を参照すれば、生体信号測定装置200は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体のインピーダンスを測定することができる(1310)。この際、第1電極221及び第2電極222の配置は、図2から図4を参照して前述したものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。一実施形態によれば、生体信号測定装置200は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体に所定の電流を印加し、該印加された電流によって、第1電極及び第2電極の間にかかる電圧を測定し、印加された電流及び測定された電圧に基づいて、電圧、電流及びインピーダンスとの関係式(V=I*Z)を用いて被検体のインピーダンスを獲得することができる。
【0119】
生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスに基づいて被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる(1320)。一実施形態によれば、生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断し、測定された被検体のインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断することができる。この際、接触良好は、光学センサー210から有効な光信号を測定することができる程度に被検体と光学センサー210とが完全に接触された状態を意味し、接触不良は、光学センサー210から有効な光信号を測定することができない程度に、被検体と光学センサー210とが不完全に接触するか、一部または全部が互いに離隔している状態を意味する。
【0120】
図14は、生体信号測定方法の一実施形態を示すフローチャートである。図14の生体信号測定方法は、図2の生体信号測定装置200によって行われる。
【0121】
図2及び図14を参照すれば、生体信号測定装置200は、光学センサー210を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(1410)。
【0122】
生体信号測定装置200は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体のインピーダンスを測定することができる(1420)。この際、第1電極221及び第2電極222の配置は、図2から図4を参照して前述したものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0123】
生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスに基づいて被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる(1430)。例えば、生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスが所定の臨界値以下であれば、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断し、測定された被検体のインピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、被検体と光学センサー210との接触状態が不良であると判断することができる。
【0124】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(1440)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(1450)。例えば、生体信号測定装置200は、測定された光信号を用いて被検体のスペクトルを再構築し、該再構築された被検体のスペクトルを分析して、被検体の生体情報を推定することができる。この際、生体情報としては、例えば、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗などを含みうる。
【0125】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(1440)、被検体と光学センサー210との接触状態が良好であると判断されるまで光学センサー210の動作を停止させて、光学センサー210を通じる光信号の測定を中断することができる(1460)。
【0126】
図15は、生体信号測定方法の他の実施形態を示すフローチャートである。図15の生体信号測定方法は、図2の生体信号測定装置200によって行われる。
【0127】
図2及び図15を参照すれば、生体信号測定装置200は、光学センサー210を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(1510)。
【0128】
生体信号測定装置200は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体のインピーダンスを測定することができる(1520)。
【0129】
生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスに基づいて被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる(1530)。
【0130】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(1540)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(1550)。
【0131】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(1540)、光学センサー210を通じる光信号の測定を継続するが、接触不良当時に測定された光信号を無視して分析データに反映しないこともある(1560)。
【0132】
図16は、生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。図16の生体信号測定方法は、図2の生体信号測定装置200によって行われる。
【0133】
図2及び図16を参照すれば、生体信号測定装置200は、光学センサー210を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(1610)。
【0134】
生体信号測定装置200は、第1電極221及び第2電極222を通じて被検体のインピーダンスを測定することができる(1620)。
【0135】
生体信号測定装置200は、被検体のインピーダンスに基づいて被検体と光学センサー210との接触状態を判断することができる(1630)。
【0136】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(1640)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(1650)。
【0137】
生体信号測定装置200は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(1640)、所定のアラーム及び/またはガイド情報を生成して出力することができる(1660)。この際、ガイド情報は、被検体と光学センサー710との完全な接触を誘導して、被検体と光学センサー710との接触状態を向上させるための情報を含みうる。例えば、ガイド情報は、第1電極のうち、如何なるものが被検体と接触が不良であるか否かを表すイメージを含みうるが、これに限定されるものではない。
【0138】
図17は、接触状態判断方法の他の実施形態を示すフローチャートである。図17の接触状態判断方法は、図7の生体信号測定装置700によって行われる。
【0139】
図7及び図17を参照すれば、生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて被検体の電極別インピーダンスを測定することができる(1710)。この際、第1電極721及び第2電極アレイ722の配置は、図7から図10を参照して前述したものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。一実施形態によれば、生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722の各第2電極を通じて被検体に所定の電流を印加し、該印加された電流によって、第1電極及び各第2電極の間にかかる電圧を測定し、印加された電流及び測定された電圧に基づいて、電圧、電流及びインピーダンスとの関係式(V=I*Z)を用いて被検体の電極別インピーダンスを獲得することができる。
【0140】
生体信号測定装置700は、測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる(1720)。例えば、生体信号測定装置700は、被検体の電極別インピーダンスのそれぞれを所定の臨界値と比較し、被検体の電極別インピーダンスいずれもが所定の臨界値以下であれば、被検体と光学センサー710との接触状態が良好であると判断し、1つ以上の電極別インピーダンスが所定の臨界値を超過すれば、被検体と光学センサー710との接触状態が不良であると判断することができる。また、生体信号測定装置700は、所定の臨界値を超過した電極別インピーダンスが測定された第2電極方向で接触不良が発生したと判断することができる。
【0141】
図18は、生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。図18の生体信号測定方法は、図7の生体信号測定装置700によって行われる。
【0142】
図7及び図18を参照すれば、生体信号測定装置700は、光学センサー710を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(1810)。
【0143】
生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて被検体の電極別インピーダンスを測定することができる(1820)。この際、第1電極721及び第2電極アレイ722の配置は、図7から図10を参照して前述したものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0144】
生体信号測定装置700は、測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる(1830)。
【0145】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(1840)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(1850)。例えば、生体信号測定装置700は、測定された光信号を用いて被検体のスペクトルを再構築し、該再構築された被検体のスペクトルを分析して、被検体の生体情報を推定することができる。この際、生体情報としては、例えば、血圧、血管年齢、動脈硬化度、心拍出量、血管弾性度、血糖、中性脂肪、コレステロール、タンパク質、尿酸及び血管末梢抵抗などを含みうる。
【0146】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(1840)、被検体と光学センサー710との接触状態が良好であると判断されるまで光学センサー710の動作を停止させて、光学センサー710を通じる光信号の測定を中断することができる(1860)。
【0147】
図19は、生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。図19の生体信号測定方法は、図7の生体信号測定装置700によって行われる。
【0148】
図7及び図19を参照すれば、生体信号測定装置700は、光学センサー710を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(1910)。
【0149】
生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて被検体の電極別インピーダンスを測定することができる(1920)。
【0150】
生体信号測定装置700は、測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる(1930)。
【0151】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(1940)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(1950)。
【0152】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(1940)、光学センサー710を通じる光信号の測定を継続するが、接触不良位置の光源から照射されて測定された光信号を無視して分析データに反映しないこともある(1960)。
【0153】
図20は、生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。図20の生体信号測定方法は、図7の生体信号測定装置700によって行われる。
【0154】
図7及び図20を参照すれば、生体信号測定装置700は、光学センサー710を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(2010)。
【0155】
生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて被検体の電極別インピーダンスを測定することができる(2020)。
【0156】
生体信号測定装置700は、測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる(2030)。
【0157】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(2040)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(2050)。
【0158】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(2040)、所定のアラーム及び/またはガイド情報を生成して出力することができる(2060)。この際、ガイド情報は、被検体と光学センサー710との完全な接触を誘導して、被検体と光学センサー710との接触状態を向上させるための情報を含みうる。
【0159】
図21は、生体信号測定方法のさらに他の実施形態を示すフローチャートである。図21の生体信号測定方法は、図7の生体信号測定装置700によって行われる。
【0160】
図7及び図21を参照すれば、生体信号測定装置700は、光学センサー710を用いて被検体に光を照射し、被検体から反射または散乱された光を受信して、被検体の光信号を測定することができる(2110)。
【0161】
生体信号測定装置700は、第1電極721及び第2電極アレイ722を通じて被検体の電極別インピーダンスを測定することができる(2120)。
【0162】
生体信号測定装置700は、測定された被検体の電極別インピーダンスに基づいて被検体と光学センサー710との接触状態を判断し、接触不良である場合、接触不良の位置を判断することができる(2130)。
【0163】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が良好であると判断されれば(2140)、測定された光信号に基づいて被検体の生体情報を推定することができる(2150)。
【0164】
生体信号測定装置700は、接触状態の判断結果、接触状態が不良であると判断されれば(2140)、接触不良位置の電極別インピーダンスに基づいて接触不良位置の光源から照射されて測定された光信号を補正することができる(2160)。この際、生体信号測定装置700は、インピーダンスと光信号との関係を定義した補正モデルを利用できる。
【0165】
図22は、生体信号測定装置のさらに他の実施形態を示すブロック図である。図22の生体信号測定装置2200は、電子装置に搭載されうる。この際、電子装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PDA、PMP、ナビゲーション、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイスなどを含み、ウェアラブルデバイスは、手首時計型、手首バンド型、指輪型、ベルト型、ネックレス型、足首バンド型、太ももバンド型、腕バンド型などを含みうる。しかし、電子装置は、上述した例に制限されず、ウェアラブルデバイスも、上述した例に制限されるものではない。
【0166】
図22を参照すれば、生体信号測定装置2200は、光学センサー2210、電極部2220、インピーダンス測定部2230、処理部2240、入力部2250、保存部2260、通信部2270及び出力部2280を含みうる。ここで、光学センサー2210、電極部2220、インピーダンス測定部2230、処理部2240は、図2または図7の光学センサー210、710、電極部220、720、インピーダンス測定部230、730、処理部240、740とそれぞれ同一なので、その詳細な説明は省略する。
【0167】
入力部2250は、ユーザーから多様な操作信号を入力されうる。一実施形態によれば、入力部2250は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(touch pad)(定圧/静電)、ジョグホイール(Jog wheel)、ジョグスイッチ(Jog switch)、H/Wボタンなどを含みうる。特に、タッチパッドがディスプレイと互いにレイヤ構造を成す場合、それをタッチスクリーンと呼ぶ。
【0168】
保存部2260は、生体信号測定装置2200の動作のためのプログラムまたは命令を保存し、生体信号測定装置2200に入力されるデータ及び生体信号測定装置2200から出力されるデータを保存することができる。また、保存部2260は、光学センサー2210を通じて測定した光信号、インピーダンス測定部2230から測定された被検体のインピーダンス、処理部2240の接触状態の判断結果、生体情報、及びガイド情報など保存することができる。
【0169】
保存部2260は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクなど少なくとも1つのタイプの記録媒体を含みうる。また、生体信号測定装置2200は、インターネット上で保存部2260の保存機能を行うウェブストレージ(web storage)など外部記録媒体を運用することもできる。
【0170】
通信部2270は、外部装置と通信を行うことができる。例えば、通信部2270は、生体信号測定装置2200に入力されたデータ、保存されたデータ、処理されたデータなどを外部装置に伝送するか、外部装置から接触状態判断及び生体情報獲得に役に立つ多様なデータを受信することができる。
【0171】
この際、外部装置としては、例えば、生体信号測定装置2200に入力されたデータ、保存されたデータ、処理されたデータなどを使用する医療装備、結果物を出力するためのプリントまたはディスプレイ装置であり得る。それ以外にも、外部装置は、デジタルTV、デスクトップコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PDA、PMP、ナビゲーション、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイスなどであり得るが、これらに制限されるものではない。
【0172】
通信部2270は、ブルートゥース(登録商標)(bluetooth(登録商標))通信、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)、WLAN通信、ジグビー(Zigbee)通信、赤外線(Infrared Data Association、IrDA)通信、WFD(Wi-Fi Direct)通信、UWB(ultra-wideband)通信、Ant+通信、Wi-Fi通信、RFID(Radio Frequency Identification)通信、3G通信、4G通信及び5G通信などを用いて外部装置と通信することができる。しかし、これは、一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0173】
出力部2280は、入力部2250を通じてユーザーから入力されたデータ、光学センサー2210を通じて測定した光信号、インピーダンス測定部2230から測定された被検体のインピーダンス、処理部2240の接触状態の判断結果、生体情報、及びガイド情報などを出力することができる。一実施形態によれば、出力部2280は、入力部2250を通じてユーザーから入力されたデータ、光学センサー2210を通じて測定した光信号、インピーダンス測定部2230から測定された被検体のインピーダンス、処理部2240の接触状態の判断結果、生体情報、及びガイド情報などを聴覚的方法、視覚的方法及び触覚的方法のうち少なくとも1つの方法で出力することができる。このために、出力部2280は、ディスプレイ、スピーカー、振動機などを含みうる。
【0174】
図23は、手首型ウェアラブルデバイスを示す図面である。
【0175】
図23を参照すれば、手首型ウェアラブルデバイス2300は、ストラップ2310及び本体2320を含みうる。
【0176】
ストラップ2310は、本体2320の両側に連結されて互いに締結されるように分離形成されるか、スマートバンド形態で一体に形成されうる。ストラップ2310は、本体2320がユーザーの手首に着用されるように手首を取り囲むようにフレキシブル(flexible)な部材で形成されうる。
【0177】
本体2320は、本体の内部に前述した生体信号測定装置200、700、2200を搭載することができる。また、本体2320の内部には、手首型ウェアラブルデバイス2300及び生体信号測定装置200、700、2200に電源を供給するバッテリが内蔵されうる。
【0178】
光学センサー及び電極は、本体2320の下部にユーザーの手首に向けて露出されるように装着されうる。これを通じて、ユーザーが手首型ウェアラブルデバイス2300を着用すれば、自然に光学センサー及び電極がユーザーの皮膚に接触することができる。
【0179】
手首型ウェアラブルデバイス2300は、本体2320に装着されるディスプレイ2321と入力部2322とをさらに含みうる。ディスプレイ2321は、手首型ウェアラブルデバイス2300、生体信号測定装置200、700、2200から処理されたデータ及び処理結果データなどを表示することができる。入力部2322は、ユーザーから多様な操作信号を入力されうる。
【0180】
上述した実施形態は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。前記のプログラムを具現するコード及びコードセグメントは、当該分野のコンピュータプログラマーによって容易に推論されうる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取れるデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含みうる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスクなどを含みうる。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードとして保存されて実行可能である。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明は、生体信号測定装置及びその動作方法関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0182】
10 接触インピーダンス
20 生体インピーダンス
200、700、2200 生体信号測定装置
210、710、2210 光学センサー
211、711 光源アレイ
211a、711a 光源
211b、711b 光源
212、712 光検出器
213、713 波長調節器
213a 波長調節器
213b 波長調節器
214 ハウジング
215 カバー
216a 方向調節器
216b 方向調節器
217 光集中器
220、720、2220 電極部
221、721 第1電極
222 第2電極
230、730、2230 インピーダンス測定部
240、740、2240 処理部
722 第2電極アレイ
2250、2322 入力部
2260 保存部
2270 通信部
2280 出力部
2300 手首型ウェアラブルデバイス
2310 ストラップ
2320 本体
2321 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
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図10
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