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特許7194595グランザイムBを指向するイメージングおよび治療
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】グランザイムBを指向するイメージングおよび治療
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/06 20060101AFI20221215BHJP
   C07K 7/08 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 51/08 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 47/62 20170101ALI20221215BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20221215BHJP
   G01N 33/573 20060101ALI20221215BHJP
   A61K 101/00 20060101ALN20221215BHJP
   A61K 103/00 20060101ALN20221215BHJP
   C12N 9/99 20060101ALN20221215BHJP
【FI】
C07K7/06 ZNA
C07K7/08
A61K51/08 200
A61K51/08 100
A61K49/00
A61K47/62
A61K47/54
G01N33/573 A
A61K101:00
A61K103:00
C12N9/99
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018568685
(86)(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017040212
(87)【国際公開番号】W WO2018005926
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/357,845
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/435,541
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】マフムード,ウマー
(72)【発明者】
【氏名】ラリマー,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェレンバーグ-クレー,エリック
【審査官】池上 文緒
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513591(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0119633(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0184493(US,A1)
【文献】Circ. Res. (2015) vol.117, issue 6, p.502-512
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 7/00
A61K 51/08
A61K 49/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、以下:
-X-X-X-X-X-D(配列番号1)または
-X-X-X-X-X-D-X(配列番号8)
のアミノ酸配列を含む、グランザイムBに結合する基であり、式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータAまたはGであり
は、Iまたはであり
は、Eまたはであり
、Pまたはであり
は、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む求電子基であって-C(O)H、-C(O)C1~6アルキル、-C(O)C1~6ハロアルキル、-C(O)C1~6アルコキシ、-C(O)C1~6ハロアルコキシ、-C(O)-(C1~6アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C1~6ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基であり、
Aが、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択されるキレート剤をさらに含む、
前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Cは、以下のアミノ酸配列:
(a)ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2)、
(b)G-G-G-I-E-F-D(配列番号3)、
(c)ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)、
(d)ベータA-G-G-G-I-E-P-D(配列番号22)、または
(e)ベータA-G-G-G-T-E-A-A-A-A-S-S-C-F-I-E-F-D(配列番号23)である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Cが、ベータA-G-G-G-I-E-P-D(配列番号22)であり、そこに求電子基のXが結合している、請求項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素からなる群から選択される1または複数のイメージング剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記常磁性イオンが、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)からなる群から選択され、
前記x線イメージング剤が、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)、ビスマス(III)、およびヨード化x線イメージング剤からなる群から選択され、
前記放射性同位元素が、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択され、
前記フルオロフォアが、Alexa 350、Alexa 430、AMCA、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODPY-R6G、13BODLPY-TMR、BODLPY-TRX、カスケードブルー、Cy3、Cy5、6-FAM、イソチオシアン酸フルオレセイン、HEX、6-JOE、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、量子ドット、パシフィックブルー、REG、ローダミングリーン、ローダミンレッド、レノグラフィン、ROX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、AF350、AF405、AF532、AF488、AF647、AF680、AF750、Cy5、Cy5.5、Cy7、インドシアニングリーン(ICG)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、およびdsREDからなる群から選択される、
請求項に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、PETイメージング剤、SPECTイメージング剤、およびコンピュータ断層撮影イメージング剤からなる群から選択されるイメージング剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、または1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)である、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Bが、1もしくは複数のアミノ酸残基、1もしくは複数の炭水化物、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
細胞試料中または組織試料中のグランザイムBまたは免疫応答をイメージングする方法であって、
前記細胞試料または組織試料を、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物と接触させるステップを含む、方法。
【請求項10】
a)対象におけるグランザイムBをイメージングし、
b)対象における免疫応答をイメージングし、
c)対象における疾患の処置をモニタリングし、又は
d)対象における疾患の処置における免疫応答をモニタリングすることに使用するための、
請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
前記疾患が、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択され、
前記対象は、適切なイメージング法でイメージングされる、
前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
対象における疾患を処置する方法に使用するための組み合わせであって、
請求項1~のいずれか一項に記載の第1の化合物、またはその薬学的に許容される塩と;
請求項1~のいずれか一項に記載の第2の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含み、
Aは、毒性の放射性同位元素を含み、
前記対象は、適切なイメージング法でイメージングされ、
前記疾患が、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される、
前記組み合わせ
【請求項12】
前記第1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、H、11C、14C、18F、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、および201Tlからなる群から選択される、非毒性の放射性同位元素を含み、
前記第1の化合物の基Aが、任意に、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、およびデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択されるキレート剤をさらに含む、請求項11に記載の組み合わせ
【請求項13】
前記第2の化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、アルファ放射体およびベータ放射体からなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む、請求項11または12に記載の組み合わせ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による支援を受けた研究または開発
本発明は、助成金番号P50-CA127003および5R01CA166582-03の下に、米国国立衛生研究所により付与された政府助成によりなされた。米国連邦政府は、本発明において、一定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、それらの各々の開示が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、2016年7月1日に出願された米国仮出願第62/357,845号明細書、および2016年12月16日に出願された同第62/435,541号明細書の利益を主張する。
【0003】
技術分野
本発明は、イメージング法に有用な化合物に関し、より特定すると、ポジトロン断層撮影を含む医用イメージングを使用してグランザイムBをイメージングするのに有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0004】
グランザイムBとは、細胞性免疫応答時に、細胞傷害性リンパ球(CTL)によるエキソサイトーシスを介して放出されるセリンプロテアーゼであり、FAS/FASL経路と共に、T細胞ががん細胞死を媒介する2つの主要な機構のうちの1つを表す。グランザイムBは、T細胞と、それらの標的との間で形成される免疫シナプスにおいて、小孔形成タンパク質であるパーフォリンと共に放出される。次いで、放出されたグランザイムBの一部は、主にパーフォリン小孔を介してがん細胞に侵入し、そこでグランザイムBは、複数の基質を活性化させてカスパーゼカスケードの活性化をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、とりわけ、細胞中または組織中のグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)細胞または組織の試料を、式I:
【0006】
【化1】
【0007】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)細胞または組織を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、細胞内または組織内のグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法を提示する。
【0008】
本出願は、対象におけるグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0009】
【化2】
【0010】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、対象におけるグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0011】
本出願は、細胞または組織の試料中の免疫応答をイメージングする方法であって、
i)細胞または組織の試料を、式I:
【0012】
【化3】
【0013】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)細胞または組織の試料を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、細胞または組織の試料中の免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0014】
本出願は、対象における免疫応答をイメージングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0015】
【化4】
【0016】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、対象における免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0017】
本出願は、対象における疾患の処置をモニタリングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0018】
【化5】
【0019】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0020】
本出願は、対象における疾患の処置における免疫応答をモニタリングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0021】
【化6】
【0022】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0023】
一部の実施形態では、Aは、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素からなる群から選択される1または複数のイメージング剤を含む。
【0024】
一部の実施形態では、常磁性イオンは、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)からなる群から選択される。
【0025】
一部の実施形態では、x線イメージング剤は、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)、ビスマス(III)、およびヨード化x線イメージング剤からなる群から選択される。
【0026】
一部の実施形態では、放射性同位元素は、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される。
【0027】
一部の実施形態では、Aは、PETイメージング剤、SPECTイメージング剤、およびコンピュータ断層撮影イメージング剤からなる群から選択されるイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、201Tlからなる群から選択される放射性同位元素を含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、68Gaを含むPETイメージング剤である。
【0028】
一部の実施形態では、Aは、キレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、および1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)である。
【0029】
一部の実施形態では、Aは、フルオロフォアである。一部の実施形態では、Aは、Alexa 350、Alexa 430、AMCA、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODPY-R6G、13BODLPY-TMR、BODLPY-TRX、カスケードブルー、Cy3、Cy5、6-FAM、イソチオシアン酸フルオレセイン、HEX、6-JOE、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、量子ドット、パシフィックブルー、REG、ローダミングリーン、ローダミンレッド、レノグラフィン、ROX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、AF350、AF405、AF532、AF488、AF647、AF680、AF750、Cy5、Cy5.5、Cy7、インドシアニングリーン(ICG)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、およびdsREDからなる群から選択されるフルオロフォアである。
【0030】
本出願は、対象における疾患を処置する方法であって、
i)対象に、第1の式I:
【0031】
【化7】
【0032】
[式中、
Aは、非毒性の放射性同位元素を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)対象に、第2の式I:
【0033】
【化8】
【0034】
[式中、
Aは、毒性の放射性同位元素を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
を含む方法をさらに提示する。
【0035】
一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される対象の細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0036】
一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、グランザイムBに結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0037】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、H、11C、14C、18F、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、201Tlからなる群から選択される、非毒性の放射性同位元素を含む。
【0038】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、キレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される。
【0039】
一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、アルファ放射体およびベータ放射体からなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む。一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、211At、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、227Th、90Y、177Lu、および131Iからなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む。
【0040】
一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のアミノ酸残基、1もしくは複数の炭水化物、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のC1~30アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC1~30アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC1~30チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、1または複数の-(OCHCH)-基を含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、式-(OCHCH-の任意選択の連結基であり、pが、1~40の整数である。一部の実施形態では、pは、10~40の整数である。一部の実施形態では、pは、20~40の整数である。一部の実施形態では、pは、25~35の整数である。
【0041】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0042】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体であり、クローンGB11、クローンGrB-7、およびNCL-L-Gran-Bからなる群から選択される。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体断片である。
【0043】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約100アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約50アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約25アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約15アミノ酸残基の長さである。
【0044】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される。
【0045】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、FまたはPである。
【0046】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);および
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0047】
一部の実施形態では、Cは、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0048】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D-X(配列番号8)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む求電子基である。
【0049】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、FまたはPである。
【0050】
一部の実施形態では、Xは、-C(O)H、-C(O)C1~6アルキル、-C(O)C1~6ハロアルキル、-C(O)C1~6アルコキシ、-C(O)C1~6ハロアルコキシ、-C(O)-(C1~6アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C1~6ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である。一部の実施形態では、Xは、-C(O)Hである。
【0051】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する有機低分子である。一部の実施形態では、有機低分子は、低分子ペプチド模倣体である。
【0052】
一部の実施形態では、Cは、式III:
【0053】
【化9】
【0054】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~10アリール、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C6~10アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはRおよびRは、それらが接合した炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR10基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各RおよびRは、独立に、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R、R、R、およびRは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、-N(R11、HET、およびC6~10アリールにより置換され、式中、C6~10アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11は、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である。
【0055】
一部の実施形態では、Cは、
【0056】
【表1】
【0057】
またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0058】
一部の実施形態では、Aは、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素のうちの1または複数を含むイメージング剤であり、
Bは、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0059】
一部の実施形態では、Aは、放射性同位元素を含み、
Bは、1もしくは複数のC1~30アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC1~30アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC1~30チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0060】
一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、1または複数のC30アルキレン基、1または複数のアミド基、1または複数のC30アルキレンオキシ基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0061】
一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、1または複数の-(-OCHCH)-基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0062】
一部の実施形態では、Aは、キレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、および1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)である。
【0063】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約100アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約50アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約25アミノ酸残基の長さである。一部の実施形態では、グランザイムBに結合するポリペプチドは、約4~約15アミノ酸残基の長さである。
【0064】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される。
【0065】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、FまたはPである。
【0066】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);および
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0067】
一部の実施形態では、Cは、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0068】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D-X(配列番号8)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む求電子基である。
【0069】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、FまたはPである。
【0070】
一部の実施形態では、Xは、-C(O)H、-C(O)C1~6アルキル、-C(O)C1~6ハロアルキル、-C(O)C1~6アルコキシ、-C(O)C1~6ハロアルコキシ、-C(O)-(C1~6アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C1~6ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である。一部の実施形態では、Xは、-C(O)Hである。
【0071】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する有機低分子である。一部の実施形態では、有機低分子は、低分子ペプチド模倣体である。一部の実施形態では、Cは、式III:
【0072】
【化10】
【0073】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~10アリール、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C6~10アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはRおよびRは、それらが接合した炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR10基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各RおよびRは、独立に、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R、R、R、およびRは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、-N(R11、HET、およびC6~10アリールにより置換され、式中、C6~10アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11は、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である。
【0074】
一部の実施形態では、Cは、
【0075】
【表2】
【0076】
またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0077】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBの不可逆的結合剤である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBの阻害剤である。
【0078】
一部の実施形態では、方法は、ステップi)の投与の前に、治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、治療剤の投与は、細胞もしくは組織の試料中、または対象において、免疫応答を誘導する。
【0079】
一部の実施形態では、治療剤は、抗炎症剤、ステロイド、免疫療法薬剤、化学療法剤、および治療用抗体からなる群から選択される。一部の実施形態では、治療剤は、化学療法剤である。
【0080】
一部の実施形態では、疾患は、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、がんである。一部の実施形態では、がんは、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、肺がん、リンパ腫、黒色腫、膀胱がん、腎細胞癌、多発性骨髄腫、膵臓がん、および前立腺がんからなる群から選択される。一部の実施形態では、がんは、結腸がんである。一部の実施形態では、がんは、黒色腫である。
【0081】
一部の実施形態では、疾患は、移植片対宿主病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、リウマチ熱、感染後糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂溶性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚性好酸球増加症、エリテマトーデス、座瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病と関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異形成、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト-小柳-原田症候群、サルコイドーシス、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性(chronicまたはinveterate)喘息、遅発性喘息および気道過敏、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症により引き起こされる血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、火傷と関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis、multiple neuritis)、単発性神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、赤芽球癆、再生不良性貧血(aplastic anemia、hypoplastic anemia)、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏症、皮膚性T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪過多、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質の病変、糸球体腎炎、男性型脱毛症、脱毛による老人性脱毛症、頭髪の発芽の欠如、ならびに/または頭髪の発生および頭髪の成長の減少による老人性脱毛症、筋ジストロフィー、膿皮症、セザリー症候群、アジソン病、虚血症-再灌流による臓器の損傷、移植性疾患、虚血性疾患、内毒素ショック、偽膜性大腸炎、薬物または放射線により引き起こされる大腸炎、急性虚血性腎不全、慢性腎不全、酸素肺または薬物により引き起こされる中毒症、肺がん、肺気腫、白内障、鉄沈着症、色素性網膜炎、加齢黄斑変性、ガラス体瘢痕化、角膜アルカリバーン、多形紅斑性皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、老化、発がん、癌腫の転移および高山病、ヒスタミンまたはロイコトリエンC4放出関連疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、部分肝切除、急性肝壊死、毒素により引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎、ショック、無酸素症、B型ウイルス性肝炎、非A型/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症型肝不全、遅発性肝不全、慢性肝炎の急性増悪(acute-on-chronic liver failure)、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、リンパ系由来の悪性腫瘍、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ球性リンパ腫、および慢性リンパ球性リンパ腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、自己免疫性筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、グレーブス眼症、喘息、強皮症、およびシェーグレン症候群からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、骨髄拒絶、臓器移植片拒絶、および移植片対宿主病からなる群から選択される。
【0082】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9);
68Ga-NOTA-(OCHCH27-G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10);および
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)
からなる群から選択される。
【0083】
本出願は、式I:
【0084】
【化11】
【0085】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基であって、
a)X-X-X-X-X-X-D(配列番号1)
[式中、
、X、およびXは、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される]
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列と、
b)式III:
【0086】
【化12】
【0087】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩とからなる群から選択される基であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~10アリール、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C6~10アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはRおよびRは、それらが接合した炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR10基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各RおよびRは、独立に、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R、R、R、およびRは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、-N(R11、HET、およびC6~10アリールにより置換され、式中、C6~10アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11は、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である、化合物、またはその薬学的に許容される塩をさらに提示する。
【0088】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9);
68Ga-NOTA-(OCHCH27-G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10);および
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)
からなる群から選択される。
【0089】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される、全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書では、本発明における使用のための方法および材料が記載されるが、当技術分野で公知の、他の適切な方法および材料もまた、使用することができる。材料、方法、および例は、例示的なものであるに過ぎず、限定的であることを意図するものではない。本明細書において言及される、全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースのエントリー、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。齟齬が生じる場合は、定義を含む本文献に従う。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】免疫療法で処置されたマウスと、非処置マウスとについてのウェスタンブロット解析を示す図である。
図2A】処置腫瘍についてのウェスタンブロット解析を、非処置腫瘍と対比して示し、細胞傷害性T細胞応答と関連するマーカーの上昇を裏付け、グランザイムB発現の増大が最も顕著であることを裏付ける図である。
図2B】ベータ-アクチンに照らして標準化された、グランザイムBおよびCD8の発現についての解析であって、処置腫瘍内のグランザイムBと、非処置腫瘍内のグランザイムBとの有意差(20.4±4.1対4.7±1.6)を裏付ける一方で、CD8では、有意差が観察されなかった(21.5±5.0対14.3±3.0)ことを裏付ける解析を示す図である。
図3A】接種後10日目に切り出された、二重処置腫瘍(左の4つの腫瘍)および対照腫瘍(右の4つの腫瘍)についてのウェスタンブロット解析を示す図である。
図3B】接種後12日目に切り出された、二重処置腫瘍(左の4つの腫瘍)および対照腫瘍(右の4つの腫瘍)についてのウェスタンブロット解析を示す図である。
図468Ga-NOTA-GPの、精製グランザイムBへの結合を、68Ga-NOTA-GPの、BSAへの結合と比較して表すデータを示す図である。バーは、6連の平均値±SDを表す。
図568Ga-NOTA-GPによる、グランザイムBの阻害を表すデータを示す図である。
図668Ga-NOTA-GPの、CT26細胞内のグランザイムBへの結合を、グランザイムB(すなわち、GZB)を接種されなかったCT26細胞と比較して表すデータを示す図である。
図7A】組合せ療法(抗PD-1および抗CTLA-4)で処置されたマウスの腫瘍対血液比と、非処置マウスの腫瘍対血液比とを示す図である。
図7B】1時間および2時間のex vivoの生体内分布研究により、PETイメージングの所見が確認されることを示す図である。腎臓による取込みは、腎臓からの排出と符合する。
図868Ga-NOTA-GPを使用する、マウスにおけるグランザイムB発現についての、in vivo PET画像を示す図である。
図968Ga-NOTA-GPを使用する、マウスにおけるグランザイムB発現についての、in vivo PET画像を示す図である。
図1068Ga-NOTA-GPを使用する、マウスにおけるグランザイムB発現についての、in vivo PET画像を示す図である。
図1168Ga-NOTA-GPを使用するPET画像を示す図である。画像は、PETイメージングが、二重処置CT-26腫瘍と、対照CT-26腫瘍とを識別することを示す。処置腫瘍の腫瘍対左室比(TBR)についての、対照腫瘍と対比した解析は、処置腫瘍についての、1.69±0.26のTBRに対して、非処置腫瘍の平均値TBRが、0.93±0.11であり、83%の増大(P<0.05)を示す。
図12】CD3+T細胞および核と比べた、グランザイムBの位置についての免疫蛍光解析を示す図である。免疫蛍光画像は、処置腫瘍内のグランザイムBであって、CD3と共局在化しないグランザイムBの上昇を示す。
図13】免疫療法で処置されたマウスおよび非処置マウスにおける、グランザイムBおよびCD3についての免疫組織化学アッセイの代表的結果を示す図である。免疫細胞は、処置腫瘍および非処置腫瘍のいずれにも浸潤するが、処置腫瘍だけが、グランザイムBを、活発に発現させることを例示する図である。
図14】実施例9で記載される、CT26腫瘍およびMC38腫瘍についての、ex vivo免疫ブロット解析の結果を示す図である。図14Aは、腫瘍接種後12日目における、非処置CT26腫瘍および非処置MC38腫瘍についてのウェスタンブロット解析を示す。図14Bは、12日目におけるタンパク質の発現についての定量化を示し、バーは、4連の平均値±SEMを表す。図14Cは、MC38腫瘍およびCT26腫瘍について、12日目におけるグランザイム発現の定量化を示す。**対応のないt検定によるP<0.005。
図15】生理食塩液(図15A)、単剤療法(図15B)、P+C組合せ療法(図15C)、およびP+T組合せ療法(図15D)で処置されたCT26保有マウスについての、代表的なPET-CT画像を示す図である。上の画像は、全身取込みの、冠状断面への最大値投影であり、下の画像は、同じデータの体軸断面へのスライスを表す。腫瘍を円で囲み、Tでマークし、腎臓に、Kでマークする。
図16】生理食塩液(図16A)、単剤療法(図16B)、P+C組合せ療法(図16C)、およびP+T組合せ療法(図16D)で処置されたMC38保有マウスについての、代表的な最大値投影と、体軸断面内の単一のPET-CT画像の例とを示す図である。画像は、12日目の、68Ga-GPの注射の1時間後に撮影した。腫瘍を円で囲み、Tでマークし、腎臓に、Kでマークする。
図17】GZP PETイメージングの定量化による、グランザイムB取込みの比較を示す図である。図17Aは、測定される全ての腫瘍および処置型について、GZP PETイメージングにより決定された平均値TBRを表す箱髭図を示す。図17Bは、生理食塩液で処置されたCT26腫瘍内およびMC38腫瘍内のグランザイムBレベルについての、棒グラフによる比較(**p<0.005)を示す。4つの処置アーム間で、CT26保有マウス(図17C)およびMC38保有マウス(図17D)における、平均値TBRもまた比較した。ウェルチの対応のないt検定により、媒体処置マウスと比較した場合のp<0.05、**p<0.005。
図18】グランザイムB発現の定量化の後における腫瘍増殖を示す図である。生理食塩液で処置されたCT26保有マウスと比較した、単剤療法(図18A)、P+C組合せ療法(図18B)、およびP+T組合せ療法(図18C)についてのCT26増殖曲線を、黒実線で示す。PETイメージングにより決定される高グランザイム腫瘍を、グレーの実線で示し、低グランザイム腫瘍を、グレーの点線で示す。単剤療法(図18D)、P+C組合せ療法(図18E)、およびP+T組合せ療法(図18F)で処置されたMC38腫瘍についての増殖曲線を、グランザイムの取込みで差別化し、高グランザイムの処置マウスを、グレー実線で示し、低グランザイムの処置マウスを、グレー点線で示し、高グランザイムの媒体処置マウスを、黒点線で示し、低グランザイムの媒体処置マウスを、黒実線で示す。
図19】応答の、GZP PETイメージングスコアとの相関を示す図である。図19Aは、各処置群についての全般的な生存を、このレジメンについての平均TBRと関連させるカプラン-マイヤープロットを示す。図19Bは、各処置レジメンについて、TBRを、応答パーセントと対比したプロットを示す。ピアソンの相関によるr=0.91、p<0.0005)。各データ点は、各処置アームについての平均値TBR±SEMを表し、点線は、最良の当てはめ直線の95%信頼区間を意味する。
図20】NOTA-GP、GZPPEG、およびGZPSERPについて測定された、腫瘍(心臓)内のPET信号の時間経過を示す図である。
図21】実施例14に記載される、ヒト黒色腫についてのグランザイムB解析およびペプチド結合の結果を示す図である。図21Aは、抗PD-1チェックポイント阻害剤で処置された患者に由来し、改変RECIST基準に基づき、処置レスポンダー(TR)または処置非レスポンダー(TNR)として群分けされたヒト黒色腫試料を示す。図21Bは、9例の患者における、グランザイムBの、免疫蛍光顕微鏡法による、時間間隔を漸増させる場合の定量化を示し、治療の16日後という早期における、応答患者と、非応答患者との間の、グランザイムB発現の有意差を明らかにする。図21Cは、抗グランザイムB抗体(抗GrB)またはヒト化GZPペプチド(臨床用GZP)を使用する、マッチさせた試料の比較を示し、抗体とペプチドとの間の、同様の染色パターンであって、非処置患者より、処置患者においてはるかに強い染色パターンを明らかにする。図21Dは、処置されたレスポンダーの黒色腫患者において、核染色(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)によりにより裏付けられる、ヒトGZP(GZP Pep)と、抗GrB(GrB Ab)との共局在化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0091】
がん免疫療法は、近年にわたり、がん治療において、著明な進歩を表してきた。プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)および細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)などの免疫チェックポイントを指向する抗体は、一部の患者に対する肯定的な転帰により承認されている。免疫腫瘍学の分野への研究は、開発中のCAR-T細胞、ワクチン、低分子、および抗体を含む戦略と共に持続している。これらの療法の将来性にもかかわらず、これらは、万能療法ではない。これらの免疫療法は、著明な有害事象と関連する場合があり、これは、代償が大きく、応答率は、典型的に、20~50%であり、患者の大部分は、治療に応答しないことを意味する。さらに、応答は、しばしば、解剖学的イメージング(例えば、CT、MRI)において、応答する腫瘍に、増殖の見かけを呈させる、免疫細胞浸潤物と関連するので、従来の方法を使用して、治療に対する個別の患者の応答を決定することは難しく、大量の、代謝的に活性な免疫細胞のために、FDG-PETイメージングとの親和性の増大を裏付けている。現行のイメージング技術の制約を踏まえ、がん免疫療法についての臨床研究は、典型的に、それらの研究の主要評価項目として、無進行生存ではなく、全生存を援用する。
【0092】
細胞傷害性T細胞活性についての下流のマーカーであるグランザイムBであれば、がん免疫療法の有効性を評価する、新規のバイオマーカーとして用いられうるであろう。腫瘍内のグランザイムBの発現は、CTLの存在または非存在について評価しうるだけでなく、活性のT細胞により放出されるエフェクタータンパク質であって、CTL活性の尺度も統合するエフェクタータンパク質としてもまた評価することができ、したがって、CTLの存在の評価の達成を困難とする、T細胞枯渇の問題も説明する。したがって、本出願は、新規のグランザイムB特異的イメージング剤を提示する。代表的なグランザイムBのイメージング剤を、がん免疫療法のモデルにおいて調べた。本出願は、グランザイムBのイメージングはまた、がん免疫療法に対する応答を予測するのにも使用しうるについて記載する。
【0093】
化合物
本出願は、とりわけ、式I:
【0094】
【化13】
【0095】
[式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提示する。
【0096】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBの不可逆的結合剤である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBの阻害剤である。
【0097】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-a:
【0098】
【化14】
【0099】
[式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0100】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0101】
一部の実施形態では、Cは、
a)グランザイムBに結合するポリペプチド、および
b)グランザイムBに結合する有機低分子
からなる群から選択される。
【0102】
一部の実施形態では、Cは、
a)グランザイムBに結合するポリペプチドであって、
-X-X-X-X-X-D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に選択されたアミノ酸(例えば、天然アミノ酸または非天然アミノ酸)であり、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、P、S、T、Q、N、A、H、V、およびDからなる群から選択される、ポリペプチドと、
b)式III:
【0103】
【化15】
【0104】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩とからなる群から選択される基であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~10アリール、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C6~10アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはRおよびRは、それらが接合した炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR10基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各RおよびRは、独立に、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R、R、R、およびRは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、-N(R11、HET、およびC6~10アリールにより置換され、式中、C6~10アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11は、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択され、
mが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である。
【0105】
一部の実施形態では、Aは、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素からなる群から選択される1または複数のイメージング剤を含む。
一部の実施形態では、Aは、1つ、2つ、または3つの、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素からなる群から選択されるイメージング剤を含む。一部の実施形態では、Aは、1つのイメージング剤を含む。一部の実施形態では、Aは、2つのイメージング剤を含む。一部の実施形態では、Aは、3つのイメージング剤を含む。
【0106】
一部の実施形態では、Aは、1または複数の、独立に選択された常磁性イオンを含みうる、1または複数のイメージング剤を含む。一部の実施形態では、常磁性イオンの各々は、独立に、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)からなる群から選択される。一部の実施形態では、Aは、1つ、2つ、または3つの、独立に選択された常磁性イオンを含む。一部の実施形態では、1または複数の、独立に選択された常磁性イオンを、独立に、直接的または間接的に(例えば、キレート剤を介して)、本明細書で提示される化合物に結合させる。
【0107】
一部の実施形態では、Aは、独立に選択されたx線イメージング剤である、1または複数のイメージング剤を含む。一部の実施形態では、x線イメージング剤の各々は、独立に、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)、ビスマス(III)、およびヨード化x線イメージング剤(例えば、ジアトリゾ酸塩、イオキサグル酸塩、メトリゾイン酸塩、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール、およびイオベルソール)からなる群から選択される。一部の実施形態では、Aは、1つ、2つ、または3つの、独立に選択されたx線イメージング剤を含む。
【0108】
一部の実施形態では、Aは、1または複数の独立に選択された放射性同位元素を含む、1または複数のイメージング剤を含む。一部の実施形態では、本明細書では、本明細書で提示される方法のうちの1または複数において、イメージング剤として有用な放射性同位元素が提示される。加えて、本明細書で提示される放射性同位元素のうちの1または複数はまた、1または複数の治療的適用において、例えば、対象に、治療有効量で投与される場合に有用でもありうる。例えば、131Iおよび64Cuは、対象に、低濃度(例えば、5mCi)で投与される場合に、イメージング剤(例えば、非毒性の放射性同位元素および/または非治療用の放射性同位元素)として有用でありうるが、対象に、高濃度で投与される場合に、治療剤(例えば、毒性の放射性同位元素および/または治療用の放射性同位元素)として有用でもありうる。一部の実施形態では、放射性同位元素の各々は、独立に、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される。一部の実施形態では、1または複数の、独立に選択された放射性同位元素を、独立に、直接的または間接的に(例えば、キレート剤を介して)、本明細書で提示される化合物に結合させる。
【0109】
一部の実施形態では、Aは、ポジトロン断層撮影(PET)イメージング剤、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)イメージング剤、およびコンピュータ断層撮影イメージング剤からなる群から選択されるイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、PETイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、SPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、コンピュータ断層撮影イメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、放射性同位元素によるコンピュータ断層撮影イメージング剤である。
【0110】
一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、および201Tlからなる群から選択される、1または複数の放射性同位元素を含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、および201Tlからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの放射性同位元素を含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、および201Tlからなる群から選択される、1つの放射性同位元素を含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。一部の実施形態では、Aは、68Gaを含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である。
【0111】
一部の実施形態では、Aは、キレート剤をさらに含む。キレート剤の例は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、および1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)からなる群から選択される。一部の実施形態では、キレート剤は、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)である。一部の実施形態では、Aは、1または複数のキレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、Aは、1つ、2つ、または3つのキレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、Aは、1つのキレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、Aは、2つのキレート剤をさらに含む。一部の実施形態では、Aは、3つのキレート剤をさらに含む。
【0112】
一部の実施形態では、Aは、独立に選択されたフルオロフォアである、1または複数のイメージング剤を含む。フルオロフォアの例は、Alexa 350、Alexa 430、AMCA、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODPY-R6G、13BODLPY-TMR、BODLPY-TRX、カスケードブルー、Cy3、Cy5、6-FAM、イソチオシアン酸フルオレセイン、HEX、6-JOE、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、量子ドット、パシフィックブルー、REG、ローダミングリーン、ローダミンレッド、レノグラフィン、ROX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、Alexafluorファミリー、Cy5、Cy5.5、Cy7、インドシアニングリーン(ICG)、および蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、およびdsRED)を含むがこれらに限定されない。
【0113】
一部の実施形態では、Aは、Alexa 350、Alexa 430、AMCA、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODPY-R6G、13BODLPY-TMR、BODLPY-TRX、カスケードブルー、Cy3、Cy5、6-FAM、イソチオシアン酸フルオレセイン、HEX、6-JOE、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、量子ドット、パシフィックブルー、REG、ローダミングリーン、ローダミンレッド、レノグラフィン、ROX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、AF350、AF405、AF532、AF488、AF647、AF680、AF750、Cy5、Cy5.5、Cy7、インドシアニングリーン(ICG)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、およびdsREDからなる群から選択されるフルオロフォアである。一部の実施形態では、Aは、1つ、2つ、または3つの、独立に選択されたフルオロフォアを含む。
【0114】
一部の実施形態では、Bは、1または複数のアミノ酸残基を含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、約1~約100アミノ酸残基、例えば、約1~約100、約1~約80、約1~約60、約1~約40、約1~約20、約1~約10、約1~約5、約5~約100、約5~約80、約5~約60、約5~約40、約5~約20、約5~約10、約10~約100、約10~約80、約10~約60、約10~約40、約10~約20、約20~約100、約20~約80、約20~約60、約20~約40、約40~約100、約40~約80、約40~約60、約60~約100、約60~約80、または約80~約100アミノ酸残基を含む任意選択の連結基である。
【0115】
一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、1もしくは複数の炭水化物基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のC1~50アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC1~50アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC1~50チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、1もしくは複数のC1~30アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC1~30アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC1~30チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である。
【0116】
一部の実施形態では、Bは、1または複数の-(OCHCH)-基を含む任意選択の連結基である。一部の実施形態では、Bは、式-(OCHCH-の任意選択の連結基であり、pは、約1~約100、例えば、約1~約100、約1~約80、約1~約60、約1~約40、約1~約20、約1~約10、約1~約5、約5~約100、約5~約80、約5~約60、約5~約40、約5~約20、約5~約10、約10~約100、約10~約80、約10~約60、約10~約40、約10~約20、約20~約100、約20~約80、約20~約60、約20~約40、約40~約100、約40~約80、約40~約60、約60~約100、約60~約80、または約80~約100の整数である。一部の実施形態では、pは、約10~約40の整数である。一部の実施形態では、pは、約20~約40の整数である。一部の実施形態では、pは、約25~約35の整数である。
【0117】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体であって、クローンGB11、クローンGrB-7、およびNCL-L-Gran-Bからなる群から選択される抗体である。一部の実施形態では、グランザイムBに結合する抗体は、クローンGrB-7である。
【0118】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体断片である。一部の実施形態では、Cは、クローンGB11、クローンGrB-7、またはNCL-L-Gran-Bから選択される抗体断片である。一部の実施形態では、Cは、クローンGrB-7の抗体断片である。
【0119】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体断片であり、この場合、抗体断片は、
GTEAAAASSCFVVAE(配列番号13);
GTEAAAASACFVVAE(配列番号14);
GTEAAAASSAFVVAE(配列番号15);
GTEAAAASSCAVVAE(配列番号16);
GTEAAAASSCFAVAE(配列番号17);
GTEAAAASSCFVAAE(配列番号18);
GTEAAAASSCFVVGE(配列番号19);および
GTEAAAASSCFVVAD(配列番号20)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0120】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する抗体断片であり、この場合、抗体断片は、
GTEAAAASSCFVVAE(配列番号13);
GTEAAAASACFVVAE(配列番号14);
GTEAAAASSAFVVAE(配列番号15);
GTEAAAASSCAVVAE(配列番号16);
GTEAAAASSCFAVAE(配列番号17);
GTEAAAASSCFVAAE(配列番号18);
GTEAAAASSCFVVGE(配列番号19);および
GTEAAAASSCFVVAD(配列番号20)
からなる群から選択される。
【0121】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド(例えば、プロテイナーゼ阻害剤9(PI-9)である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、および1または複数のタンパク質(例えば、2つ、3つ、4つ、または5つのタンパク質)である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、および1つのタンパク質である。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびセルピンP9である。
【0122】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に選択されたアミノ酸(例えば、天然アミノ酸または非天然アミノ酸)であり、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される。
【0123】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択される。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)およびGからなる群から選択される。一部の実施形態では、Xは、ベータAである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、Xは、ベータAであり、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各Gである。
【0124】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸である。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸であって、G、Q、N、S、およびTからなる群から選択される非帯電親水性アミノ酸である。
【0125】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Vである。
【0126】
一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Dである。一部の実施形態では、Xは、Sである。
【0127】
一部の実施形態では、Xは、Pである。一部の実施形態では、Xは、Sである。一部の実施形態では、Xは、Tである。一部の実施形態では、Xは、Qである。一部の実施形態では、Xは、Nである。一部の実施形態では、Xは、Aである。一部の実施形態では、Xは、Hである。一部の実施形態では、Xは、Vである。一部の実施形態では、Xは、Dである。
【0128】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号1に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号1に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号1に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号1に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0129】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);および
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0130】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4);
ベータA-G-G-G-I-E-P-D(配列番号22);
ベータA-G-G-G-T-E-A-A-A-A-S-S-C-F-I-E-F-D(配列番号23)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0131】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
ベータA-G-G-G-I-E-P-D(配列番号22);および
ベータA-G-G-G-T-E-A-A-A-A-S-S-C-F-I-E-F-D(配列番号23)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0132】
一部の実施形態では、Cは、配列番号2に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号2に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号2に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号2に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号2に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0133】
一部の実施形態では、Cは、配列番号3に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0134】
一部の実施形態では、Cは、配列番号4に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0135】
一部の実施形態では、Cは、配列番号22に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号22に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号22に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号22に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号22に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号22のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0136】
一部の実施形態では、Cは、配列番号23に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号23に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号23に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号23に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号23に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号23のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0137】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、
-X-X-D(配列番号5)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される。
【0138】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、PまたはFである。一部の実施形態では、Xは、Pである。
【0139】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号5に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、配列番号5に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであって、配列番号5に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであって、配列番号5に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0140】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、
I-E-F-D(配列番号6);および
I-E-P-D(配列番号7)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0141】
一部の実施形態では、Cは、配列番号6に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号6に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号6に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号6に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号6に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0142】
一部の実施形態では、Cは、配列番号7に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号7に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号7に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号7に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号7に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0143】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、
-X-X-X-X-X-D-X(配列番号8)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に選択されたアミノ酸(例えば、天然アミノ酸または非天然アミノ酸)であり、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、求電子基である。
【0144】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択される。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)およびGからなる群から選択される。一部の実施形態では、Xは、ベータAである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、Xは、ベータAであり、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各Gである。
【0145】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸である。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸であって、G、Q、N、S、およびTからなる群から選択される非帯電親水性アミノ酸である。
【0146】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Vである。
【0147】
一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Dである。一部の実施形態では、Xは、Sである。
【0148】
一部の実施形態では、Xは、Pである。一部の実施形態では、Xは、Sである。一部の実施形態では、Xは、Tである。一部の実施形態では、Xは、Qである。一部の実施形態では、Xは、Nである。一部の実施形態では、Xは、Aである。一部の実施形態では、Xは、Hである。一部の実施形態では、Xは、Vである。一部の実施形態では、Xは、Dである。
【0149】
一部の実施形態では、Xは、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む。一部の実施形態では、Xは、-C(O)H、-C(O)C1~6アルキル、-C(O)C1~6ハロアルキル、-C(O)C1~6アルコキシ、-C(O)C1~6ハロアルコキシ、-C(O)-(C1~6アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C1~6ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である。一部の実施形態では、Xは、-C(O)Hである。一部の実施形態では、Xは、表1のA欄に提示された置換基の群から選択される。
【0150】
一部の実施形態では、Cは、配列番号8に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号8に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号8に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号8に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0151】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、この場合、ポリペプチドは、
-X-X-D-X(配列番号21)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X、およびXは、各々、独立に選択されたアミノ酸(例えば、天然アミノ酸または非天然アミノ酸)であり、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、求電子基である。
【0152】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択される。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に、ベータA(すなわち、ベータ-アラニン)およびGからなる群から選択される。一部の実施形態では、Xは、ベータAである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、Xは、ベータAであり、XおよびXは、各Gである。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各Gである。
【0153】
一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸である。一部の実施形態では、X、X、およびXは、各々、独立に選択された、非帯電親水性アミノ酸であって、G、Q、N、S、およびTからなる群から選択される非帯電親水性アミノ酸である。
【0154】
一部の実施形態では、Xは、Iである。一部の実施形態では、Xは、Vである。
【0155】
一部の実施形態では、Xは、Eである。一部の実施形態では、Xは、Gである。一部の実施形態では、Xは、Dである。一部の実施形態では、Xは、Sである。
【0156】
一部の実施形態では、Xは、Pである。一部の実施形態では、Xは、Sである。一部の実施形態では、Xは、Tである。一部の実施形態では、Xは、Qである。一部の実施形態では、Xは、Nである。一部の実施形態では、Xは、Aである。一部の実施形態では、Xは、Hである。一部の実施形態では、Xは、Vである。一部の実施形態では、Xは、Dである。
【0157】
一部の実施形態では、Xは、配列番号9のアミノ酸配列のC末端を含む。一部の実施形態では、Xは、-C(O)H、-C(O)C1~6アルキル、-C(O)C1~6ハロアルキル、-C(O)C1~6アルコキシ、-C(O)C1~6ハロアルコキシ、-C(O)-(C1~6アルキル)-(5~10環のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6ハロアルキル)-(5~10環のヘテロアリール)、-C(O)-(C1~6アルコキシ)-(5~10環のヘテロアリール)、および-C(O)-(C1~6ハロアルコキシ)-(5~10環のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である。一部の実施形態では、Xは、-C(O)Hである。一部の実施形態では、Xは、表1のA欄に提示された置換基の群から選択される。
【0158】
一部の実施形態では、Cは、配列番号21に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号21に少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号21に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号21に少なくとも99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、Cは、配列番号21のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0159】
一部の実施形態では、Cは、グランザイムBに結合する有機低分子である。本明細書で使用される「有機低分子」という用語は、低分子量(例えば、900ドルトン未満、800ドルトン未満、700ドルトン未満、600ドルトン未満、または500ドルトン未満)の有機化合物を指す。一部の実施形態では、有機低分子であるCは、低分子ペプチド模倣体である。本明細書で使用される「ペプチド模倣体」という用語は、天然または合成のアミノ酸配列を表す、1または複数の官能基(例えば、アミン、アミド、カルボキシ、アルデヒドなど)を含む化合物を指す。
【0160】
一部の実施形態では、Cは、以下の構造:
【0161】
【化16】
【0162】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩である。
【0163】
一部の実施形態では、Cは、以下の構造:
【0164】
【化17】
【0165】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩である。
【0166】
一部の実施形態では、Cは、それらの各々の開示が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、国際出願公開第2014/153667号パンフレットおよび同第2003/065987号パンフレットにおいて提示される化合物の群から選択される、グランザイムBに結合する有機低分子である。
【0167】
一部の実施形態では、Cは、式III:
【0168】
【化18】
【0169】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C6~10アリール、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C6~10アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはRおよびRは、それらが接合した炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR10基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各RおよびRは、独立に、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
各R、R、R、およびRは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、-N(R11、HET、およびC6~10アリールにより置換され、式中、C6~10アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11は、水素、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択される。
【0170】
一部の実施形態では、mが0の場合、nは、0である。一部の実施形態では、nが0の場合、mは、0である。一部の実施形態では、mが0の場合、nは、0であり、nが0の場合、mは、0である。
【0171】
一部の実施形態では、mは、0である。一部の実施形態では、mは、1である。一部の実施形態では、mは、2である。一部の実施形態では、nは、0である。一部の実施形態では、nは、1である。一部の実施形態では、nは、2である。一部の実施形態では、mおよびnは、各々、0である。
【0172】
一部の実施形態では、RおよびRは、各々、独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、フェニル、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各フェニルおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換される。
【0173】
一部の実施形態では、RおよびRは、各々、独立に、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、フェニル、HET、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各フェニルおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換される。
【0174】
一部の実施形態では、RおよびRは、各々、独立に、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、2-オキソピロリジン、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの基により任意選択で置換され、フェニル、ピリジル、および2-オキソピロリジンは、独立に、ハロ、ヒドロキシ、および1つ、2つ、または3つのハロ基により任意選択で置換される、C1~4アルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの基により任意選択で置換される。
【0175】
一部の実施形態では、RおよびRは、各々、独立に、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、2-オキソピロリジン、および-N(R10からなる群から選択され、式中、各C1~6アルキル、C3~6シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの基により任意選択で置換され、フェニル、ピリジル、および2-オキソピロリジンは、独立に、ハロ、ヒドロキシ、および1つ、2つ、または3つのハロ基により任意選択で置換される、C1~4アルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの基により任意選択で置換され、R10は、水素、C1~4アルキル、および-C(O)C1~4アルキルからなる群から選択され、-C(O)C1~4アルキルは、任意選択で、N(R11、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンゾチオフェニル、およびフェニルにより置換され、フェニルは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換される。
【0176】
一部の実施形態では、Rは、HおよびC1~4アルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、Hである。
【0177】
一部の実施形態では、各Rは、H、ハロ、C1~6アルキル、およびC1~6ハロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、各Rは、独立に、HまたはC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、Hである。
【0178】
一部の実施形態では、各Rは、H、ハロ、C1~6アルキル、およびC1~6ハロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、各Rは、独立に、HまたはC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、Hである。
【0179】
一部の実施形態では、各Rは、H、ハロ、C1~6アルキル、およびC1~6ハロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、各Rは、独立に、HまたはC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、Hである。
【0180】
一部の実施形態では、Rは、HおよびC1~4アルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、Hである。
【0181】
一部の実施形態では、各Rは、H、ハロ、C1~6アルキル、およびC1~6ハロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、各Rは、独立に、HまたはC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、Hである。
【0182】
一部の実施形態では、各R、R、R、R、R、およびRは、Hである。
【0183】
一部の実施形態では、各HETは、各々が、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、1つまたは2つのオキソ基により任意選択で置換され、独立に選択された、単環式、5~6員のヘテロアリール、二環式、8~10員のヘテロアリール、単環式、4~6員のヘテロシクロアルキル、または二環式、8~10員のヘテロシクロアルキル基である。
【0184】
一部の実施形態では、Rは、非置換HET基である。一部の実施形態では、Rは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルから選択される、1つまたは2つの基で置換されたHET基である。一部の実施形態では、Rは、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、およびテトラゾリルからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、各々、独立に、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換される、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、およびテトラゾリルからなる群から選択される。
【0185】
一部の実施形態では、各HETは、各々、独立に、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、C1~4アルキル、およびC1~4ハロアルキルからなる群から選択される、1つまたは2つの置換基により任意選択で置換される、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロチエニルからなる群から独立に選択される。
【0186】
一部の実施形態では、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、式III-a:
【0187】
【化19】
【0188】
[式中、Rは、式IIIの化合物について上記で規定した通りである]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0189】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、表1
【0190】
【表3-1】
【0191】
【表3-2】
【0192】
【表3-3】
【0193】
【表3-4】
に提示された化合物、またはその薬学的に許容される塩の群から選択される。
【0194】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、表2
【0195】
【表4】
に提示された化合物、またはその薬学的に許容される塩の群から選択される。
【0196】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、表3
【0197】
【表5】
【0198】
[式中、
【0199】
【化20】
【0200】
は、基Cを、任意選択のリンカーBまたは式Iの基Aへと接続する結合を指し示す]
に提示された化合物、またはその薬学的に許容される塩の群から選択される。
【0201】
一部の実施形態では、Aは、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素のうちの1または複数を含むイメージング剤であり、
Bは、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0202】
一部の実施形態では、Aは、放射性同位元素を含み、
Bは、1もしくは複数のC1~30アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC1~30アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC1~30チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0203】
一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、1または複数のC30アルキレン基、1または複数のアミド基、1または複数のC30アルキレンオキシ基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0204】
一部の実施形態では、Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、1または複数の-(-OCHCH)-基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0205】
一部の実施形態では、
Aは、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素のうちの1または複数を含むイメージング剤であり、
Bは、約1~約100アミノ酸残基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0206】
一部の実施形態では、
Aは、放射性同位元素を含み、
Bは、約1~約100アミノ酸残基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0207】
一部の実施形態では、
Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、約1~約100アミノ酸残基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0208】
一部の実施形態では、
Aは、H、11C、14C、18F、32P、35S、36Cl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、59Fe、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、76Br、77Br、89Zr、90Y、99mTc、111In、123I、124I、125I、131I、152Eu、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、210At、211At、212Bi、213Bi、および225Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bは、約1~約100アミノ酸残基を含む任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される。
【0209】
一部の実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、式I-b、I-c、I-d、I-e、I-f、I-g、I-h、I-i、I-j、I-k、I-l、I-m、I-n、またはI-oの化合物:
【0210】
【化21】
【0211】
または薬学的に許容されるこれらの塩
である。
【0212】
一部の実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、式I-pまたはI-qの化合物:
【0213】
【化22】
である。
【0214】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9)
68Ga-NOTA-(OCHCH27-G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10)、および
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)
からなる群から選択される化合物である。
【0215】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9);
68Ga-NOTA-(OCHCH27-G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10);
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11);および
68Ga-NOTA-ベータA-G-G-G-T-E-A-A-A-A-S-S-C-F-I-E-F-D(化合物4、配列番号24)
からなる群から選択される化合物である。
【0216】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、68Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)である。
【0217】
合成
察知される通り、その塩を含む、本明細書で提示される化合物は、公知の有機合成法を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のうちのいずれかに従い合成することができる。例えば、本明細書で提示される式IIIの化合物は、その開示が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願第10/503,155号明細書において記載された手順に従い調製することができる。調製したら、当技術分野における標準技法を使用して、式IIIの化合物を、基A、または、任意選択で基Bに、共有結合的に結合させることができる。
【0218】
ペプチドの合成
1または複数のポリペプチドを含む、本明細書で提示される、式Iの化合物は、例えば、ペプチド結合を調製するための標準法(例えば、Merrifield et al, Journal of the American Chemical Society 85.14 (1963): 2149-2154において記載されている固相合成法)を使用して調製することができる。当業者には、ペプチドの合成法が周知であり、例えば、Bodanszky et al, Gastroenterology 71 (1976): 965-970; Houghten, Proceedings of the National Academy of Sciences 82.15 (1985): 5131-5135; Stewart et al, Solid phase peptide synthesis. Pierce Chemical Company, 1984において記載されている。このような合成における使用に適切な保護基は、上記の教科書のほか、McOmie, Protective Groups in Organic Chemistry, (1973):98においても見出されるであろう。これらの合成法は、1または複数のアミノ酸残基、または適切な、保護されたアミノ酸残基の、成長するペプチド鎖への逐次的な付加を伴う。通常、第1のアミノ酸残基のアミノ基またはカルボキシル基を、適切な、選択的に除去可能な保護基で保護する。リシンなど、反応性の側鎖基を含有するアミノ酸には、異なる、選択的に除去可能な保護基を活用する。
【0219】
一部の実施形態では、本出願のポリペプチドは、固相合成法を使用して調製することができる。例えば、アミノ酸を、その、保護されていないカルボキシル基またはアミノ基を介して、不活性の固体支持体へと接合させる。次いで、アミノ基またはカルボキシル基の保護基を、選択的に除去し、配列内の次のアミノ酸であって、相補的な(例えば、アミノまたはカルボキシル)基を適切に保護したアミノ酸を混合し、固体支持体へと既に接合させた残基と反応させる。次いで、アミノ基またはカルボキシル基の保護基を、新たに添加されたアミノ酸残基から除去し、次いで、さらなるアミノ酸(例えば、適切に保護されたアミノ酸)を添加する。所望のポリペプチド長が調製されるまで、この手順を繰り返す。所望のアミノ酸を、適正な配列で連結した後、任意の残りの末端保護基および側鎖基の保護基(および固体支持体)を、逐次的または共時的に除去して、最終的なペプチドをもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書で提示される式Iのポリペプチド化合物は、ベンジル化アミノ酸残基またはメチルベンジル化アミノ酸残基を含まない。他の箇所で記載される通り、コンフォメーションを制限する、分子内連結を形成するように、さらなる反応も必要でありうる。
【0220】
連結基
アフィニティーマトリックスの調製、多様な構造の修飾および安定化、リガンドおよび受容体の結合部位の同定、ならびに構造研究のために二官能性の架橋試薬が、広範に使用されている。2つの同一な官能基を有するホモ二官能性試薬は、同一なポリペプチドおよび異なるポリペプチドまたはポリペプチドの残基を架橋し、ポリペプチドのリガンドを、それらの特異的結合部位へと連結するときに、高度に効率的であることが示されている。ヘテロ二官能性試薬は、2つの異なる官能基を含有する。異なる官能基の示差的反応性を利用することにより、選択的かつ逐次的に、架橋を制御することができる。例えば、二官能性の架橋試薬は、アミノ、スルフヒドリル、グアニジノ、インドール、カルボキシルに特異的な基を含むがこれらに限定されない、それらの官能基の特異性に従い分けることができる。多くのヘテロ二官能性の架橋試薬は、一級アミン反応性基と、チオール反応性基とを含有する。
【0221】
ヘテロ二官能性の架橋試薬、および架橋試薬を使用する方法のさらなる例については、その開示が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,889,155号明細書において記載されている。架橋試薬は、求核性のヒドラジド残基を、求電子性のマレイミド残基と組み合わせ、一例では、アルデヒドの、遊離チオールとのカップリングを可能とする。架橋試薬は、多様な官能基を架橋するように修飾することができ、したがって、ポリペプチドを架橋するのに有用である。表4は、連結基Bを含む式Iの化合物を調製するのに有用であると考えられる、ある特定のヘテロ二官能性架橋剤について詳述する。
【0222】
【表6】
【0223】
特定のペプチドが、その天然配列内に、特定の架橋試薬に適さない残基を含有する化合物のためには、保存的な遺伝子変化または一次配列内の合成によるアミノ酸変化を活用することができる。
【0224】
イメージング剤
当技術分野では、それらの抗体への接合法と同様、多くの適切なイメージング剤が公知である(例えば、それらの各々の開示が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,021,236号明細書;同第4,938,948号明細書;および同第4,472,509号明細書を参照されたい)。放射性標識された、本明細書で提示される式Iの化合物は、当技術分野で周知の方法に従い調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、ナトリウムおよび/もしくはヨウ化カリウム、ならびに次亜塩素酸ナトリウムなどの化学的酸化剤、もしくはラクトペルオキシダーゼなどの酵素的酸化剤と接触させることにより、ヨウ素化させることができる。さらなる例では、本明細書で提示される式Iの化合物は、本明細書で提示される二官能性キレート剤(例えば、NOTA、DOTA、またはNODAGA)またはこれらの類似の誘導体の放射性金属化により、68Gaで標識することができる。
【0225】
当技術分野では、放射性同位元素を、有機化合物へと組み込むための合成法が周知であり、当業者は、本明細書で提示される化合物に適用可能な他の方法をたやすく認識するであろう。
【0226】
当業者は、記載される工程が、本明細書で提示される化合物を合成しうる、排他的な手段ではなく、合成有機反応の広範なレパートリーが、本明細書で提示される化合物の合成において潜在的に援用するのに利用可能であることを察知するであろう。当業者には、適切な合成経路を、どのようにして選択し、実行するのかが公知である。出発材料、中間体、および生成物の、適切な合成方法は、Advances in Heterocyclic Chemistry, Vols. 1-107 (Elsevier, 1963-2012); Journal of Heterocyclic Chemistry Vols. 1-49 (Journal of Heterocyclic Chemistry, 1964-2012); Carreira, et al. (Ed.) Science of Synthesis, Vols. 1-48 (2001-2010) and Knowledge Updates KU2010/1-4; 2011/1-4; 2012/1-2 (Thieme, 2001-2012); Katritzky, et al. (Ed.) Comprehensive Organic Functional Group Transformations, (Pergamon Press, 1996); Katritzky et al. (Ed.); Comprehensive Organic Functional Group Transformations II (Elsevier, 2ndEdition, 2004); Katritzky et al. (Ed.), Comprehensive Heterocyclic Chemistry (Pergamon Press, 1984); Katritzky et al., Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, (Pergamon Press, 1996); Smith et al., March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th Ed. (Wiley, 2007); Trost et al. (Ed.), Comprehensive Organic Synthesis (Pergamon Press, 1991)などの典拠を含む文献を参照することにより同定することができる。
【0227】
本明細書で記載される化合物を調製するための反応は、有機合成の当業者がたやすく選択しうる、適切な溶媒中で実行することができる。適切な溶媒は、反応を実行する温度(例えば、溶媒の凝固点~溶媒の沸点の範囲でありうる温度)では、出発材料(反応物)、中間体、または生成物と、実質的に非反応性でありうる。所与の反応は、1つの溶媒中で実行することもでき、1つを超える溶媒の混合物中で実行することもできる。特定の反応ステップに応じて、当業者は、特定の反応ステップに適する溶媒を選択することができる。
【0228】
本明細書で記載される化合物の調製は、多様な化学基の保護および脱保護を伴いうる。当業者は、保護および脱保護の必要、ならびに適切な保護基の選択を、たやすく決定することができる。保護基の化学反応については、例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)において見出すことができる。
【0229】
反応は、当技術分野で公知の任意の適切な方法に従いモニタリングすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV-可視光)、質量分析など、分光的手段によりモニタリングすることもでき、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、または薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によりモニタリングすることもできる。当業者は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および順相シリカクロマトグラフィーを含む、様々な方法により、化合物を精製することができる。
【0230】
本明細書の多様な箇所で、二価の連結置換基について記載する。各二価連結置換基は、連結置換基の順方向形態および逆方向形態の両方を含むことが具体的に意図される。例えば、-NR(CR’R’’)-は、-NR(CR’R’’)-および-(CR’R’’)NR-の両方を含む。構造が、連結基を、明確に要請する場合、この群について列挙されるマーカッシュ変項も、連結基であることが理解される。
【0231】
nを整数とする「n員の」という用語は、典型的に、環形成原子の数がnである部分内の環形成原子の数について記載する。例えば、ピペリジニルは、6員のヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは、5員のヘテロアリール環の例であり、ピリジルは、6員のヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンは、10員のシクロアルキル基の例である。
【0232】
本明細書で使用される「任意選択で置換された」という語句は、置換されていないか、または置換されていることを意味する。本明細書で使用される「置換された」という用語は、水素原子が除去され、置換基で置きかえられていることを意味する。所与の原子における置換は、価数により限定されることを理解されたい。
【0233】
定義を通して、「Cn~m」という用語は、端点を含み、nおよびmが、整数であり、炭素の数を指し示す範囲を指し示す。例は、C1~4、C1~6などを含む。
【0234】
本明細書で使用される「Cn~mアルキル」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、直鎖状の場合もあり、分枝状の場合もある、飽和炭化水素基であって、n~m個の炭素を有する飽和炭化水素基を指す。アルキル部分の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピルなどの高級相同体などの化学基を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含有する。
【0235】
本明細書で使用される「Cn~mアルコキシ」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、、式-O-アルキル[式中、アルキル基は、n~m個の炭素を有する]の基を指す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、tert-ブトキシなどを含む。一部の実施形態では、アルキル基は、1~6個、1~4個、または1~3個の炭素原子を有する。
【0236】
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、式-NHの基を指す。
【0237】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、、単環式の場合もあり、多環式(例えば、2つ、3つ、または4つの融合環を有する)の場合もある、芳香族炭化水素基を指す。「Cn~m アリール」という用語は、n~m個の環炭素原子を有するアリール基を指す。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルなどを含む。一部の実施形態では、アリール基は、6~20個の炭素原子、6~15個の炭素原子、または6~10個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール基は、置換フェニルまたは非置換フェニルである。
【0238】
本明細書で使用される「シクロアルキル」とは、環化アルキル基および/または環化アルケニル基を含む、非芳香族環状炭化水素を指す。シクロアルキル基は、単環基または多環基(例えば、2つ、3つ、または4つの融合環を有する)およびスピロ環を含みうる。シクロアルキル基は、3、4、5、6、7、8、9、または10個の環形成炭素(C3~10)を有しうる。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、オキソまたはスルフィド(例えば、C(O)またはC(S))により任意選択で置換することができる。シクロアルキル基はまた、シクロアルキリデンも含む。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル(norcarnyl)などを含む。一部の実施形態では、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはアダマンチルである。一部の実施形態では、シクロアルキルは、6~10個の環形成炭素原子を有する。一部の実施形態では、シクロアルキルは、アダマンチルである。シクロアルキルの定義にはまた、1または複数の芳香族環を、シクロアルキル環へと融合させた(すなわち、これと結合を共有させた)部分、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサンのベンゾ誘導体またはチエニル誘導体なども含まれる。融合芳香族環を含有するシクロアルキル基は、融合芳香族環の環形成原子を含む、任意の環形成原子を介して接合させることができる。
【0239】
本明細書で使用される「ハロ」とは、F、Cl、Br、またはIを指す。一部の実施形態では、ハロは、F、Cl、またはBrである。
【0240】
本明細書で使用される「Cn~mハロアルキル」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、1個から、同じでも異なっていてもよい2s+1個までのハロゲン原子を有するアルキル基を指し、ここで「s」は、アルキル基内の炭素原子の数であり、n~m個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、ハロアルキル基だけがフッ素化されている。一部の実施形態では、アルキル基は、1~6個、1~4個、または1~3個の炭素原子を有する。
【0241】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」とは、硫黄、酸素、および窒素から選択される、少なくとも1個のヘテロ原子環員を有する、単環式または多環式の芳香族複素環を指す。一部の実施形態では、ヘテロアリール環は、窒素、硫黄、および酸素から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリール部分内の、任意の環形成Nは、N-酸化物でありうる。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、5~10個の環原子、および窒素、硫黄、および酸素から独立に選択される、1、2、3または4個のヘテロ原子環員を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、5~6個の環原子、および窒素、硫黄、および酸素から独立に選択される、1または2個のヘテロ原子環員を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、5員または6員のヘテロアリール環である。5員のヘテロアリール環は、5つの環原子を有する環を伴うヘテロアリールであって、1個または複数個の(例えば、1、2、または3個の)環原子が独立に、N、O、およびSから選択されるヘテロアリールである。例示的な5員環のヘテロアリールは、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、および1,3,4-オキサジアゾリルである。6員のヘテロアリール環は、6つの環原子を有する環を伴うヘテロアリールであって、1個または複数個の(例えば、1、2、または3個の)環原子が独立に、N、O、およびSから選択されるヘテロアリールである。例示的な6員環のヘテロアリールは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびピリダジニルである。
【0242】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」とは、O、N、またはSから選択される、1個または複数個の環形成ヘテロ原子を有する、単環式または多環式の非芳香族複素環を指す。ヘテロシクロアルキルには、4、5、6、および7員の、単環式ヘテロシクロアルキル基が含まれる。ヘテロシクロアルキル基はまた、スピロ環も含みうる。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピロリジン-2-オン、1,3-イソキサゾリジン-2-オン、ピラニル、テトラヒドロプラン、オキセタニル、アゼチジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、ピロリジニル、イソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ベンズアゼピン(benzazapene)などを含む。ヘテロシクロアルキル基の、環形成炭素原子および環形成ヘテロ原子は、任意選択で、オキソまたはスルフィド(例えば、C(O)、S(O)、C(S)、またはS(O)など)により置換することができる。ヘテロシクロアルキル基は、環形成炭素原子または環形成ヘテロ原子を介して接合させることができる。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~3つの二重結合を含有する。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~2つの二重結合を含有する。ヘテロシクロアルキルの定義にはまた、1または複数の芳香族環を、シクロアルキル環へと融合させた(すなわち、これと結合を共有させた)部分、例えば、ピペリジン、モルホリン、アゼピンの、ベンゾ誘導体またはチエニル誘導体なども含まれる。融合芳香族環を含有するヘテロシクロアルキル基は、融合芳香族環の環形成原子を含む、任意の環形成原子を介して接合させることができる。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素、酸素、または硫黄から独立に選択される、1または2個のヘテロ原子を伴う、4~10、4~7または4~6個の環原子を有し、1または複数の酸化環員を有する。
【0243】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」という用語は、式-OHの基を指す。
【0244】
ある特定の箇所では、定義または実施形態は、具体的な環(例えば、アゼチジン環、ピリジン環など)を指す。そうでないことが指し示されない限りにおいて、これらの環は、原子の価数を超えないことを条件として、任意の環員へと接合させることができる。例えば、アゼチジン環を、環の任意の位置において接合させうるのに対し、ピリジン-3-イル環は、3位に接合させる。
【0245】
本明細書で使用される「化合物」という用語は、描示される構造の、全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、および同位体を含むことを意図する。本明細書で、名称または構造により、1つの特定の互変異性体形態として同定される化合物は、そうでないことが指定されない限りにおいて、他の互変異性体形態を含むことを意図する。
【0246】
本明細書で提示される化合物はまた、互変異性体形態も含む。互変異性体形態は、隣接する二重結合との単結合の交換とそれに付随するプロトンの移動から生じる。互変異性体形態は、同じ実験式と、総電荷とを有する異性体性のプロトン化状態である、プロトトロピック互変異性体を含む。プロトトロピック互変異性体の例は、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、およびプロトンが、複素環系の2つまたはこれを超える位置を占める円環形態、例えば、1H-イミダゾールおよび3H-イミダゾール、1H-1,2,4-トリアゾール、2H-1,2,4-トリアゾール、および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-イソインドールおよび2H-イソインドール、ならびに1H-ピラゾールおよび2H-ピラゾールを含む。互変異性体形態は、平衡状態にある場合もあり、適切な置換により、1つの形態へと立体的に固定されている場合もある。
【0247】
具体的に規定されない限りにおいて、本明細書で提示される化合物はまた、中間体または最終化合物において生じる、全ての原子の同位体も含みうる。同位体は、同じ原子数を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。そうでないことが言明されない限りにおいて、原子を、同位体または放射性同位元素(例えば、重水素、[11C]、[18F])と称する場合、原子は、同位体または放射性同位元素を、同位体または放射性同位元素の、少なくとも天然の存在度を超える量で含むと理解される。例えば、原子を、「D」または「重水素」と称する場合、位置は、0.015%(すなわち、重水素の組込み量のうちの少なくとも45%)である、重水素の天然存在度の、少なくとも3000倍である存在度で、重水素を有すると理解される。
【0248】
全ての化合物およびその薬学的に許容される塩は、水および溶媒(例えば、水和物および溶媒和物)など、他の物質と併せて見出すこともでき、単離することもできる。
【0249】
一部の実施形態では、化合物の調製は、例えば、所望の反応、または酸添加塩など、塩形態の形成の触媒に影響を及ぼす、酸または塩基の添加を伴いうる。
【0250】
酸の例は、無機酸の場合もあり、有機酸の場合もあり、強酸および弱酸を含むがこれらに限定されない。酸の一部の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、および硝酸を含む。一部の弱酸は、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、酒石酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、およびデカン酸を含むがこれらに限定されない。
【0251】
塩基の例は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素ナトリウムを含む。一部の強塩基は、水酸化物、アルコキシド、金属アミド、金属水素化物、金属ジアルキルアミド、およびアリールアミンを含むがこれらに限定されず、この場合、アルコキシドは、メチルオキシド、エチルオキシド、およびt-ブチルオキシドの、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩を含み;金属アミドは、ナトリウムアミド、カリウムアミド、およびリチウムアミドを含み;水素化金属は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、および水素化リチウムを含み;金属ジアルキルアミドは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、トリメチルシリル、およびシクロヘキシルで置換されたアミドの、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩を含む。
【0252】
一部の実施形態では、本明細書で提示される化合物またはこの塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離された」とは、化合物が、それが、形成されるかまたは検出された環境から、少なくとも部分的に、または実質的に分離されていることを意味する。部分的分離は、例えば、本明細書で提示される化合物が濃縮された組成物を含みうる。実質的な分離は、重量で、本明細書で提示される化合物またはこの塩のうちの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%を含有する組成物を含みうる。当技術分野では、化合物およびそれらの塩を単離するための方法は、規定の方法である。
【0253】
当技術分野では、本明細書で使用される「周囲温度」および「室温」または「rt」という表現が理解されており、一般に、温度、例えば、ほぼ、反応が実行される部屋の温度である、反応温度、例えば、約20℃~約30℃の温度を指す。
【0254】
本明細書では、「薬学的に許容される」という語句を、穏当な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適し、妥当な有益性/危険性比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すように援用する。
【0255】
本出願はまた、本明細書で記載される化合物の、薬学的に許容される塩も含む。本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」とは、開示される化合物の誘導体であって、既存の酸部分または塩基部分を、その塩形態へと転換することにより、親化合物を改変した誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例は、アミンなど、塩基性残基の、無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸など、酸性残基の、アルカリ塩または有機塩などを含むがこれらに限定されない。本出願の薬学的に許容される塩は、親化合物の従来の非毒性の塩であって、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される塩を含む。本出願の薬学的に許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または塩基形態を、水中または有機溶媒中、または2つの混合物中に化学量論量の、適切な塩基または酸と反応させることにより調製することができる。このような溶媒として好ましくは、一般に、エーテル、エチル酢酸、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはブタノール)、またはアセトニトリル(MeCN)などの非水性媒体である。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418およびJournal of Pharmaceutical Science, 66, 2 (1977)において見出される。塩形態を調製するための従来の方法は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, Wiley-VCH, 2002において記載されている。
【0256】
使用法
本出願は、グランザイムBをイメージングする方法をさらに提示する。一部の実施形態では、イメージング方法を、細胞、組織、細胞試料、組織試料、または対象において実施する。本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物および無脊椎動物を含む、任意の動物を指す。例えば、マウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長動物、魚類、およびヒトである。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。一部の実施形態では、対象は、マウスである。一部の実施形態では、対象は、魚類(例えば、ゼブラフィッシュ)である。一部の実施形態では、方法は、対象に、有効量の、本明細書で提示される化合物(例えば、式Iの化合物)、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、in vitro法である。一部の実施形態では、方法は、in vivo法である。
【0257】
本出願は、細胞中または組織中のグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)細胞または組織を、式I:
【0258】
【化23】
【0259】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)細胞または組織を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、細胞内または組織内のグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、
式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0260】
本出願は、細胞試料中または組織試料中のグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)細胞または組織の試料を、式I:
【0261】
【化24】
【0262】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)細胞試料または組織試料を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、細胞試料中または組織試料中のグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0263】
本出願は、対象におけるグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0264】
【化25】
【0265】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、対象におけるグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0266】
本出願は、細胞または組織の試料中の免疫応答をイメージングする方法であって、
i)細胞または組織の試料を、式I:
【0267】
【化26】
【0268】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)細胞または組織の試料を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、細胞または組織の試料中の免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0269】
本出願は、対象における免疫応答をイメージングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0270】
【化27】
【0271】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、対象における免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0272】
本出願は、対象における疾患の処置をモニタリングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0273】
【化28】
【0274】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0275】
本出願は、対象における疾患の処置における免疫応答をモニタリングする方法であって、
i)対象に、式I:
【0276】
【化29】
【0277】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法をさらに提示する。
【0278】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-a:
【0279】
【化30】
【0280】
[式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0281】
一部の実施形態では、式Iの基A、B、およびCを、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-a、I-b、I-c、I-d、I-e、I-f、I-g、I-h、I-i、I-j、I-k、I-l、I-m、I-n、もしくはI-oの化合物、または薬学的に許容されるこれらの塩である。一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-pもしくは式I-qの化合物、または薬学的に許容されるこれらの塩である。
【0282】
一部の実施形態では、本明細書で提示される方法は、イメージングの前に、化合物を、疾患と関連する細胞または組織部位(例えば、対象における細胞または組織部位)において、蓄積させるのに十分な待機時間をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提示される方法は、イメージングの前に、化合物を、疾患と関連する細胞または組織部位(例えば、対象における細胞または組織部位)において、グランザイムBに結合させるのに十分な待機時間をさらに含む。一部の実施形態では、十分な時間は、約30秒間~約24時間、例えば、約30秒間~約24時間、約30秒間~約12時間、約30秒間~約6時間、約30秒間~約2時間、約30秒間~約1時間、約30秒間~約30分間、約30秒間~約10分間、約10分間~約24時間、約10分間~約12時間、約10分間~約6時間、約10分間~約2時間、約10分間~約1時間、約10分間~約30分間、約30分間~約24時間、約30分間~約12時間、約30分間~約6時間、約30分間~約2時間、約30分間~約1時間、約1時間~約24時間、約1時間~約12時間、約1時間~約6時間、約1時間~約2時間、約2時間~約24時間、約2時間~約12時間、約2時間~約6時間、約6時間~約24時間、約6時間~約12時間、または約12時間~約24時間である。
【0283】
一部の実施形態では、適切なイメージング法は、非侵襲性イメージング法である。一部の実施形態では、適切なイメージング法は、最小限に侵襲性のイメージング法である。本明細書で使用される「最小限に侵襲性のイメージング法」という用語は、内部プローブの使用、またはシリンジを介する、化合物または放射性トレーサーの注射を援用するイメージング法を含む。イメージング法の例は、蛍光透視イメージング、x線イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、超音波イメージング、光音響イメージング、サーモグラフィーイメージング、断層撮影イメージング、心エコーイメージング、ポジトロン断層撮影(PET)イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングを伴うPET、PET-MRI、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)、および超音波イメージングを含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、適切なイメージング法は、PETイメージング、PET-CT、PET-MRI、およびSPECTからなる群から選択される。一部の実施形態では、適切なイメージング法は、ポジトロン断層撮影(PET)イメージング、コンピュータ断層撮影イメージングを伴うポジトロン断層撮影、および磁気共鳴イメージング(MRI)を伴うポジトロン断層撮影(PET)からなる群から選択される。一部の実施形態では、適切なイメージング法は、えり抜きのポジトロン断層撮影(PET)イメージングである。
【0284】
一部の実施形態では、本明細書で記載される疾患は、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される。
【0285】
一部の実施形態では、疾患は、がんである。一部の実施形態では、がんは、充実性腫瘍を含む。一部の実施形態では、がんは、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫など)である。一部の実施形態では、がんは、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、肺がん、リンパ腫、黒色腫、膀胱がん、腎細胞癌、多発性骨髄腫、膵臓がん、および前立腺がんからなる群から選択される。一部の実施形態では、がんは、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、濾胞性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、皮膚性T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、古典的ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症、真性多血症後骨髄線維症、黒色腫、腎細胞癌、前立腺がん、非小型細胞肺がん、小型細胞肺がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、尿路上皮癌、食道癌、胃食道癌、胃がん、多発性骨髄腫、結腸がん、直腸がん、頭頸部扁平上皮癌、上皮性卵巣がん(EOC)、原発性腹膜がん、卵管癌、HER2+乳がん、ER+/PR+/HER2-乳がん、トリプルネガティブ乳がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がん、メルケル細胞がん、鼻咽頭がん、副腎皮質癌、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍、子宮頸部の扁平上皮癌、膣の扁平上皮癌、および外陰部の扁平上皮癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、がんは、結腸がんである。
【0286】
一部の実施形態では、疾患は、移植片対宿主病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、リウマチ熱、感染後糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂溶性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚性好酸球増加症、エリテマトーデス、座瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病と関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異形成、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト-小柳-原田症候群、サルコイドーシス、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性(chronicまたはinveterate)喘息、遅発性喘息および気道過敏、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症により引き起こされる血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、火傷と関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis、multiple neuritis)、単発性神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、赤芽球癆、再生不良性貧血(aplastic anemia、hypoplastic anemia)、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏症、皮膚性T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪過多、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質の病変、糸球体腎炎、男性型脱毛症、脱毛による老人性脱毛症、頭髪の発芽の欠如、ならびに/または頭髪の発生および頭髪の成長の減少による老人性脱毛症、筋ジストロフィー、膿皮症、セザリー症候群、アジソン病、虚血症-再灌流による臓器の損傷、移植性疾患、虚血性疾患、内毒素ショック、偽膜性大腸炎、薬物または放射線により引き起こされる大腸炎、急性虚血性腎不全、慢性腎不全、酸素肺または薬物により引き起こされる中毒症、肺がん、肺気腫、白内障、鉄沈着症、色素性網膜炎、加齢黄斑変性、ガラス体瘢痕化、角膜アルカリバーン、多形紅斑性皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、老化、発がん、癌腫の転移および高山病、ヒスタミンまたはロイコトリエンC4放出関連疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、部分肝切除、急性肝壊死、毒素により引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎、ショック、無酸素症、B型ウイルス性肝炎、非A型/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症型肝不全、遅発性肝不全、慢性肝炎の急性増悪、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、リンパ系由来の悪性腫瘍、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ球性リンパ腫、および慢性リンパ球性リンパ腫からなる群から選択される。
【0287】
一部の実施形態では、疾患は、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、自己免疫性筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、グレーブス眼症、喘息、強皮症、およびシェーグレン症候群からなる群から選択される。
【0288】
一部の実施形態では、疾患は、骨髄拒絶、臓器移植片拒絶、および移植片対宿主病からなる群から選択される。
【0289】
本明細書で使用される「治療有効量」という語句は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医により、組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められる生物学的応答または医学的応答を誘発する、活性化合物または医薬剤の量を指す。一部の実施形態では、対象または個体へと投与される、化合物、またはその薬学的に許容される塩の投与量は、約1μg~約2g、例えば、約1μg~約2g、約1μg~約1000mg、約1μg~約500mg、約1μg~約100mg、約1μg~約50mg、約1μg~約1mg、約1μg~約500μg、約1μg~約100μg、約1μg~約10μg、約10μg~約2g、例えば、約10μg~約2g、約10μg~約1000mg、約10μg~約500mg、約10μg~約100mg、約10μg~約50mg、約10μg~約1mg、約10μg~約500μg、約10μg~約100μg、約100μg~約2g、例えば、約100μg~約2g、約100μg~約1000mg、約100μg~約500mg、約100μg~約100mg、約100μg~約50mg、約100μg~約1mg、約100μg~約500μg、約500μg~約2g、例えば、約500μg~約2g、約500μg~約1000mg、約500μg~約500mg、約500μg~約100mg、約500μg~約50mg、約500μg~約1mg、約1mg~約2g、約1mg~約1000mg、約1mg~約500mg、約1mg~約100mg、約1mg~50mg、または約50mg~約500mgである。
【0290】
本明細書で使用される「~を処置すること」または「処置」という用語は、(1)疾患を阻害すること;例えば、疾患、状態、または障害の病態または症状を経つつあるか、または提示しつつある個体における、疾患、状態、または障害を阻害すること(すなわち、病態および/または症状のさらなる発症を止めること);および(2)疾患を緩和すること;例えば、疾患の重症度を減じること、または疾患の1もしくは複数の症状を、軽減もしくは緩和することなど、疾患、状態、または障害の病態または症状を経つつあるか、または提示しつつある個体における、疾患、状態、または障害(すなわち、病態および/または症状に拮抗すること)を緩和することのうちの1または複数を指す。
【0291】
組合せ療法
疾患を処置する方法において援用する場合、本明細書で提示される化合物は、本明細書で提示される、さらなる薬剤のうちの1または複数と組み合わせて投与することができる。治療剤の例は、抗炎症剤、ステロイド、免疫療法剤、化学療法剤、および治療用抗体を含むがこれらに限定されない。
【0292】
一部の実施形態では、治療剤の投与は、細胞もしくは組織の試料中、または対象において、免疫応答を誘導する。一部の実施形態では、治療剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、治療剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、この場合、Aは、放射性同位元素である。
【0293】
一部の実施形態では、治療剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、この場合、Aは、放射性同位元素(例えば、治療用放射性同位元素)を含む。一部の実施形態では、治療剤は、式Iの化合物、または薬学的に許容される塩であり、この場合、Aは、毒性の放射性同位元素を含む。毒性の放射性同位元素の例は、アルファ放射体(例えば、211At、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、227Th)およびベータ放射体(例えば、90Y、131I、および177Lu)を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、毒性の放射性同位元素は、ベータ放射体である。一部の実施形態では、毒性の放射性同位元素は、90Y、131I、および177Luからなる群から選択されるベータ放射体である。一部の実施形態では、毒性の放射性同位元素は、アルファ放射体である。一部の実施形態では、毒性の放射性同位元素は、211At、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、227Thからなる群から選択されるアルファ放射体である。
【0294】
本出願は、対象における疾患を処置する方法であって、
i)対象に、第1の、式I:
【0295】
【化31】
【0296】
[式中、Aは、非毒性のイメージング剤(例えば、非毒性の放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)対象に、第2の、式I:
【0297】
【化32】
【0298】
[式中、Aは、毒性の放射性同位元素を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
を含む方法をさらに提示する。
【0299】
本出願は、対象における疾患を処置する方法であって、
i)対象に、第1の、式I:
【0300】
【化33】
【0301】
[式中、Aは、非治療用イメージング剤(例えば、非治療用放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)対象に、第2の、式I:
【0302】
【化34】
【0303】
[式中、Aは、治療用放射性同位元素を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
を含む方法をさらに提示する。
【0304】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、H、11C、14C、18F、35S、52Fe、58Co、64Cu、68Ga、76Br、77Br、89Zr、111In、123I、124I、125I、131I、186Re、188Re、201Tlからなる群から選択される、非毒性の放射性同位元素を含む。
【0305】
一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、211At、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、227Th、90Y、131I、および177Luからなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む。
【0306】
一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される対象の細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、グランザイムBに結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0307】
一部の実施形態では、対象は、ステップi)の投与の前に、処置される疾患を有すると、同定および/または診断されている。一部の実施形態では、対象を、ステップii)のイメージングの後で、処置される疾患を有すると、同定および/または診断する。例えば、処置される疾患は、本明細書で記載される、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される。
【0308】
一部の実施形態では、対象は、ステップi)の投与の前に、1または複数の免疫療法剤で処置されている。一部の実施形態では、疾患は、ステップi)の投与の前に投与される、1または複数の免疫療法剤に対して、耐性であることが決定されている。
【0309】
一部の実施形態では、方法は、
iv)第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の投与の後で、1または複数の免疫療法剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステップi)~iv)を、複数回にわたり繰り返す。
【0310】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩とは、同じである。一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、対象に、対象に投与された、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の量と比較して、高濃度で投与する。一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、対象に、対象に投与された、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の量と比較して、低濃度で投与する。一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、対象に、対象に投与された、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の量と比較して、ほぼ同じ濃度で投与する。
【0311】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩とは、異なる。
【0312】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aと同じである。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Bは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Bと同じである。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Cは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Cと同じである。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基BおよびCは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基BおよびCと同じである。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびBは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびBと同じである。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびCは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびCと同じである。
【0313】
一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aと異なる。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Bは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Bと異なる。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Cは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Cと異なる。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基BおよびCは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基BおよびCと異なる。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびBは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびBと異なる。一部の実施形態では、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびCは、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基AおよびCと異なる。
【0314】
本出願は、疾患を有する対象が、治療剤(例えば、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩)による処置に対して、肯定的な応答を示す可能性を決定する方法であって、
i)対象に、第1の式Iの化合物:
【0315】
【化35】
【0316】
またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップと
を含み、式中、Aは、非治療用イメージング剤(例えば、非治療用放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される、方法をさらに提示する。
【0317】
本出願は、治療剤(例えば、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩)による処置の有効性を予測する方法であって、
i)対象に、第1の式Iの化合物:
【0318】
【化36】
【0319】
またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップと
を含み、式中、Aは、非治療用イメージング剤(例えば、非治療用放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される、方法をさらに提示する。
【0320】
一部の実施形態では、方法は、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される細胞または組織に結合することが決定される場合、
iv)対象に治療剤を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップをさらに含む。
【0321】
一部の実施形態では、方法は、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される細胞または組織に結合することが決定される場合、
iv)対象に、第2の式Iの化合物:
【0322】
【化37】
【0323】
[式中、Aは、治療用放射性同位元素を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
またはその薬学的に許容される塩を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
をさらに含む。
【0324】
一部の実施形態では、処置される疾患は、本明細書で記載される、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、本明細書で記載されるがんである。
【0325】
一部の実施形態では、第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、対象に、治療有効量で投与する。
【0326】
一部の実施形態では、本明細書で提示される方法は、ステップi)の投与の前に、治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提示される方法は、ステップii)のイメージングの後で、治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提示される方法は、
iii)ステップii)のイメージングの後で、治療有効量の治療剤を投与するステップと;
iv)本明細書で提示される方法のステップi)およびii)を反復するステップと
をさらに含む。一部の実施形態では、治療剤は、本明細書で提示される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩以外の化合物である。
【0327】
一部の実施形態では、ステップi)~iv)を、複数回にわたり繰り返す。
【0328】
一部の実施形態では、本明細書で提示される化合物と、1または複数のさらなる治療剤とを、投与レジメンに従い、ある期間にわたり投与する。例示的な投与レジメンは、以下の組合せ:
【0329】
【表7】
を含むがこれらに限定されず、
【0330】
この場合、「A」は、本明細書で提示される化合物(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩)の投与を表し、「B」は、さらなる治療剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、この場合、群Aは、毒性の放射性同位元素および/もしくは治療用放射性同位元素、または式Iの化合物以外の、本明細書で提示される治療剤、もしくはその薬学的に許容される塩を含む)の投与を表す。一部の実施形態では、細胞、細胞試料、組織、組織試料、または対象を、本明細書で提示される化合物の投与の後で、適切なイメージング法によりイメージングする。一部の実施形態では、細胞、細胞試料、組織、組織試料、または対象を、さらなる治療剤の投与の後で、適切なイメージング法によりイメージングする。
【0331】
一部の実施形態では、本出願は、対象における疾患を処置する方法であって、
i)対象に、式I:
【0332】
【化38】
【0333】
[式中、Aは、非毒性のイメージング剤(例えば、非毒性の放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)対象に治療剤を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
を含む方法を提示する。
【0334】
一部の実施形態では、本出願は、対象における疾患を処置する方法であって、
i)対象に、式I:
【0335】
【化39】
【0336】
[式中、Aは、非治療用イメージング剤(例えば、非治療用放射性同位元素)を含み、BおよびCは、式Iの化合物について、本明細書で提示される規定に従い規定される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)対象に治療剤を投与し、これにより、対象における疾患を処置するステップと
を含む方法を提示する。
【0337】
一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される対象の細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、ステップiii)の投与の前に、第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、グランザイムBに結合するかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0338】
一部の実施形態では、対象は、ステップi)の投与の前に、処置される疾患を有すると、同定および/または診断されている。一部の実施形態では、対象を、ステップii)のイメージングの後で、処置される疾患を有すると、同定および/または診断する。
【0339】
一部の実施形態では、対象は、ステップi)の投与の前に、1または複数の免疫療法剤で処置されている。一部の実施形態では、疾患は、ステップi)の投与の前に投与される、1または複数の免疫療法剤に対して、耐性であることが決定されている。
【0340】
一部の実施形態では、方法は、
iv)ステップiii)の治療剤の投与の後で、1または複数の免疫療法剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステップi)~iv)を、複数回にわたり繰り返す。
【0341】
一部の実施形態では、さらなる治療剤を、対象に、治療有効量で投与する。
【0342】
一部の実施形態では、治療剤は、抗体である。組合せ療法における使用のための抗体の例は、トラスツズマブ(例えば、抗HER2)、ラニビズマブ(例えば、抗VEGF-A)、ベバシズマブ(例えば、抗VEGF)、パニツムマブ(例えば、抗EGFR)、セツキシマブ(例えば、抗EGFR)、リツキサン(抗CD20)、c-METを指向する抗体、およびグランザイムBの抗体阻害剤(例えば、クローンGB11、クローンGrB-7、およびNCL-L-Gran-B)、イピリムマブ(抗CTLA-4)、ニボルマブ(抗PD-1)、ペムブロリズマブ(抗PD-1)、アテゾリズマブ(抗PD-1)、エロツズマブ(抗SLAM7)、およびダラツムマブ(抗CD38)を含むがこれらに限定されない。
【0343】
一部の実施形態では、治療剤は、ステロイドである。ステロイドの例は、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、およびプレドニゾンなどのコルチコステロイドを含む。一部の実施形態では、さらなる薬剤は、コルチコステロイドである。
【0344】
一部の実施形態では、治療剤は、抗炎症化合物である。抗炎症化合物の例は、アスピリン、サリチル酸コリン、セレコキシブ、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、ミソプロストールを伴うジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、サルサラート、サリチル酸ナトリウム、スリンダク、トルメチンナトリウム、およびバルデコシキブを含む。
【0345】
一部の実施形態では、治療剤は、化学療法剤である。化学療法剤の例は、細胞増殖抑制剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソール、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩、EGFRに対する抗体、イマチニブメシル酸塩、イントロン、ara-C、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロランブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミド、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、フォリン酸、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、テニポシド、17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、ベキサール、ベルケイド、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、ビノレルビン、ポルフィマー、エルビタックス、リポソーム剤、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、フルベストラント、エキセメスタン、イホスファミド、リツキシマブ、C225、アレムツズマブ、クロファラビン、クラドリビン、アフィジコリン、スニチニブ、ダサチニブ、テザシタビン、Sml1、トリアピン、ジドックス、トリミドックス、アミドックス、3-AP、MDL-101,731、ベンダムスチン、オファツムマブ、およびGS-1101(また、CAL-101としても公知である)を含むがこれらに限定されない。
【0346】
一部の実施形態では、化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、ブスルファン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド(シトキサン)、ダカルバジン、イホスファミド、メクロレタミン(ムスタルゲン)、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、およびストレプトゾシン)、トリアジン(例えば、ダカルバジン)、代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、シタラビン(Ara-C)、フルダラビン、ゲムシタビン、およびメトトレキサート)、プリン類似体(例えば、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、およびペントスタチン(2-デオキシコホルマイシン))、有糸分裂阻害剤(例えば、ドセタキセル、エトポシド(VP16)、テニポシド、パクリタキセル、タキソール、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、抗腫瘍性抗生剤(例えば、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、マイトマイシン、プリカマイシン、およびイダルビシン)、白金化学療法剤(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、毒素(例えば、リシンA鎖(Burbage, Leukemia research, 21.7 (1997): 681-690)、ジフテリア毒素A(Massuda et al., Proceedings of the National Academy of Sciences, 94.26 (1997): 14701-14706; Lidor, American journal of obstetrics and gynecology, 177.3 (1997): 579-585)、百日咳毒素Aサブユニット、大腸菌(E. coli)エンテロトキシン毒素Aサブユニット、コレラ毒素Aサブユニット、およびシュードモナス(Pseudomonas)属毒素のC末端、および遺伝子治療ベクター(例えば、シグナル伝達タンパク質(例えば、Src、Abl、およびRas)、Jun、Fos、およびMyc)からなる群から選択される。
【0347】
一部の実施形態では、治療剤は、免疫療法剤である。免疫療法剤は一般に、細胞(例えば、がん細胞)をターゲティングし、破壊するように、免疫エフェクター細胞および分子を誘発する。免疫エフェクターは、例えば、細胞(例えば、腫瘍細胞)の表面上のマーカーに特異的な抗体でありうる。抗体が単独で、治療のエフェクターとして用いられる場合もあり、細胞の殺滅を実行するように、他の細胞を動員する場合もある。多様なエフェクター細胞は、細胞傷害性T細胞およびNK細胞を含むがこれらに限定されない。
【0348】
免疫療法剤の例は、アザチオプリン、クロランブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダクリズマブ、インフリキシマブ、メトトレキサート、タクロリムス、免疫刺激剤(例えば、IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、腫瘍壊死因子;インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、およびインターフェロンガンマ;F42K、ならびに他のサイトカイン類似体;MIP-1、MIP-1β、MCP-1、RANTES、IL-8などのケモカイン;またはFLT3リガンドなどの増殖因子)、抗原性ペプチド、抗原性ポリペプチド、もしくは抗原性タンパク質、または自家もしくは同種の腫瘍細胞組成物(例えば、Ravindranath & Morton, International reviews of immunology, 7.4 (1991): 303-329を参照されたい)、ホルモン療法、アデノコルチコステロイド、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、および酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、テストステロンプロピオン酸エステルおよびフルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、およびゴナドトロピン放出ホルモン類似体(例えば、ロイプロリド)を含むがこれらに限定されない。当技術分野では、さらなる免疫療法剤が公知であり、例えば、Rosenberg et al, New England Journal of Medicine, 319.25 (1988): 1676-1680;およびRosenberg et al, Annals of surgery, 210.4 (1989): 474において見出すことができる。
【0349】
本明細書で提示される治療剤は、広範な投与量範囲にわたり有効である可能性があり、一般に、有効量で投与される。しかし、実際に投与される治療剤の量は、通例、イメージングされる状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物、年齢、体重、および個体対象の応答、対象の症状の重症度などを含む、関与性の状況に従い、医師により決定されることが理解されるであろう。
【0350】
医薬組成物
医薬として援用する場合、本明細書で提示される化合物および治療剤は、医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、本明細書または別の場所で記載される通りに調製することができ、局所処置が所望されるのか、全身処置が所望されるのか、および処置される領域に応じて、様々な経路を介して投与することができる。投与は、局所投与(経皮送達、表皮送達、眼内送達、ならびに鼻腔内送達、膣内送達、および直腸内送達を含む粘膜への送達を含む)、肺内投与(例えば、噴霧器を含む、粉末またはエアゾールの吸入または吹送による投与;気管内投与または鼻腔内投与)、経口投与、または非経口投与でありうる。非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋内投与、または注射もしくは注入;または頭蓋内投与(例えば、髄腔内投与または脳室内投与)を含む。非経口投与は、単回ボーラス投与の形態の場合もあり、例えば、連続灌流ポンプによる場合もある。一部の実施形態では、本明細書で提示される化合物(例えば、式Iの化合物)は、非経口投与に適する。一部の実施形態では、本明細書で提示される化合物(例えば、式Iの化合物)は、静脈内投与に適する。局所投与のための医薬組成物および製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、および粉末を含みうる。従来の医薬の担体、水性、粉末、または油性基剤、増粘剤などは、必要または所望でありうる。一部の実施形態では、本明細書では、非経口投与に適する医薬組成物が提示される。一部の実施形態では、本明細書では、静脈内投与に適する組成物が提示される。
【0351】
また、有効成分としての、本明細書で提示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1または複数の薬学的に許容される担体(賦形剤)と組み合わせて含有する、医薬組成物も提示される。本明細書で提示される組成物を作製する場合、有効成分を、賦形剤と混合するか、賦形剤により希釈するか、または、例えば、カプセル、小袋、紙、または他の容器の形態で、このような担体中に封入することが典型的である。賦形剤は、希釈剤として用いられる場合、有効成分のための媒体、担体、または媒質として作用する、固体材料の場合もあり、半固体材料の場合もあり、液体材料の場合もある。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、粉末、トローチ、小袋、カシェ、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアゾール(固体媒質中または液体媒質中)、軟膏、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射用溶液、および滅菌粉末パッケージの形態でありうる。
【0352】
適切な賦形剤の一部の例は、限定せずに述べると、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。製剤は、限定せずに述べると、加えて、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルなどの保存剤;甘味剤;芳香剤、またはこれらの組合せを含む。
【0353】
キット
本出願は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を含むキットをさらに提示する。一部の実施形態では、キットは、本明細書で提示される、1または複数のさらなる治療剤をさらに含む。
【0354】
一部の実施形態では、キットは、本明細書で提示される化合物の、1または複数の成分(例えば、1または複数のイメージング剤、1または複数のキレート剤、1または複数の連結基、およびグランザイムBに結合する1または複数のペプチドまたは有機低分子)を含む。一部の実施形態では、キットの各構成要素を、キット内の個別の容器(例えば、個別のバイアル)内に保存する。一部の実施形態では、キットの構成要素を、水性媒質中にパッケージングすることもでき、凍結乾燥形態でパッケージングすることもできる。
【0355】
一部の実施形態では、キットは、例えば、添付文書またはラベルとしての指示書であって、投与される組成物の数量、投与のためのガイドライン、および/またはキットの構成要素を混合して、式Iの化合物、もしくはその薬学的に許容される塩を調製するためのガイドラインを指し示す指示書をさらに含む。一部の実施形態では、指示書は、本明細書で提示される方法のうちの1または複数を実施するための指示書をさらに含む。
【0356】
本明細書で提示されるキットは、所望の場合、当業者にたやすく明らかである通り、例えば、1または複数の薬学的に許容される担体を伴う容器、さらなる容器など、1または複数の、従来の医薬キットの構成要素をさらに含みうる。
【実施例
【0357】
本発明について、具体例により、より詳細に記載する。以下の例は、例示的な目的で提示するものであり、いかなる形であれ、本発明を限定することを意図するものではない。当業者は、変化させるか、または改変しても、本質的に同じ結果をもたらしうる、様々な、それほど重要でないパラメータを、たやすく認識するであろう。
【0358】
細胞系および試薬
CT-26細胞を、ATCC(Manassas、VA)から取り寄せ、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)培地中で培養した。BRAF V600E突然変異体黒色腫細胞は、既に記載されている、Tyr:CreER;BrafCA;Ptenlox/loxマウス(例えば、Dankort et al, Nature Genetics, 41.5, (2009):544-552を参照されたい)から発生させたものであり、David Fisher博士から恵与され、10%FBSを伴うDMEM中で培養された。抗マウスPD1(クローンRMP1-14)および抗マウスCTLA4(クローン9D9)を、Bio X Cell(West Lebanon、NH)から得た。ダブラフェニブは、LC Laboratories(Woburn、MA)から購入した。ウェスタンブロット解析のために、抗CD8(Ab108292、Abcam、Cambridge、MA)、抗CD3(sc-20047、Santa Cruz Biotechnology、Dallas、TX)、抗CD4(sc-19643、Santa Cruz)、抗FoxP3(12653s、Cell Signaling Technologies、Danvers、MA)、抗pSTAT(700349、ThermoFisher、Waltham、MA)、抗グランザイムB(4275s、Cell Signaling Technologies)、およびベータ-アクチン(Cell Signaling Technologies、4970S)1:1000を購入した。
【0359】
グランザイムBは、R&D systems(Minneapolis、MN)から購入し、製造元のプロトコールに従い、カテプシンB(R&D systems)を使用して活性化させた。酵素活性は、BOC-Ala-Ala-Asp-SBZL(SBZL=チオベンジルエステル)(Sigma)の切断、および405nmにおける吸光度の測定(NanoDrop 2000 Spectrophotometer、Thermo Scientific)を伴う、5,5’-ジチオ-ビス(2-ニトロ安息香酸)(Sigma)との反応により評価した。基質を添加する前における、37℃で30分間にわたるインキュベーションにより、グランザイムBを阻害するのに、非放射性ガリウムで標識されたNOTA-GZPの系列希釈液を使用した。加えて、68Ga-NOTA-GZP(実施例1)を、グランザイムB、グランザイムA(R&D Systems)、グランザイムH(R&D Systems)、グランザイムK(Enzo Life Sciences)の活性化形態、およびプログランザイムBと共にインキュベートして、ペプチドの特異性を評価した。37℃で、30分間にわたるインキュベーションの後、サイズ除外クロマトグラフィーにより、酵素を精製し、結合放射能を、ガンマカウンター(Wizard 2480、Perkin Elmer)により評価した。
【0360】
マウスの処置プロトコール
マウスは、Massachusetts General Hospital Institutional Animal Care and Use Committeeにより承認されている動物プロトコールに従い、Center for Comparative Medicine at Massachusetts General Hospitalにより飼育され、維持された。CT-26細胞1×10個を、Matrigelで、1:1に希釈し、雌BALB/Cマウスの右肩に注射した。
【0361】
イメージング研究のために、マウスを、CT-26腫瘍の接種後3、6、および9日目において、媒体、200μgの抗PD-1マウス治療用抗体(抗PD1)、または200μgの抗PD1および100μgの抗CTLA-4マウス治療用抗体(抗CTLA-4)の両方の腹腔内注射により処置した。BP細胞1×10個を、Matrigelで、1:1に希釈し、雌C57BL/6マウスの右肩に注射した。腫瘍が、3~5mmの直径に達したら、マウスを、媒体または0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および0.2%のTweenを伴う水性懸濁液中で調製されたダブラフェニブの、毎日の経口強制投与により処置した。BRAF阻害を開始した1日後、マウスを、指定された200μgの抗PD1による腹腔内注射へと、さらに無作為化した。ウェスタンブロットおよび免疫組織化学だけ、または相関解析のための、その後におけるイメージングのために、マウスを、指定日に屠殺した。
【0362】
相関増殖曲線解析を伴うイメージング研究のために、上記の通りに、CT-26を注射されたBALB/Cマウスを、接種後、3日ごとに、30日目まで、200μgの抗PD1および100μgの抗CTLA-4または抗PD1単独で処置した。マウスを、14日目にイメージングし、腫瘍サイズを、毎週3回測定した。
【0363】
実施例9~12に記載されるイメージング研究のために、抗マウスPD-1(クローンRPM1-14)療法、抗マウスCTLA-4(クローン9H10)療法、および抗マウスTIM-3(クローンRPM3-23)療法を、Bio X Cell(West Lebanon、NH)から得た。
【0364】
腫瘍についての生化学的解析
実施例9~12に記載される研究のために、腫瘍接種後12日目に、ex vivo解析のために、腫瘍を、屠殺されたマウスから切り出し、ウェスタンブロット法による解析の前に、1%のSDS溶液中で溶解させた。抗グランザイムB抗体(4275S、Cell Signaling Technologies、Danvers、MA)、抗CTLA-4抗体(ab134090、Abcam、Cambridge、MA)、抗PD-1抗体(12A7D7、ThermoFisher、Waltham、MA)、抗TIM-3抗体(ab185703、Abcam Cambridge、MA)、および抗β-アクチン抗体(4970S、Cell Signaling Technologies、Danvers、MA)を使用し、その後、製造元の推奨に従い、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗ウサギポリクローナル抗体(ab6721、Abcam、Cambridge、MA)により検出した。SignalFire(商標)ECL Reagent(Cell Signaling Technologies、Danvers、MA)を使用して、バンドを検出し、1分間にわたる曝露により、Kodak In-Vivo Multispectral イメージング System上で、Carestream MIソフトウェア(Carestresam Health Inc.、Woodbridge CT)を使用して、イメージングした。各試料についての、目的の標的の、β-アクチンの光学強度に対する、正味の相対光学強度比により、画像を、定量的に解析した。
【0365】
PETイメージング
マウスを、GE Triumph PET/CT上でイメージングした。CT収集後、PET画像を、15分間にわたり、2つの仰臥位において得た。3D-OSEM(反復4回、16サブセット)を使用して、画像を構築し、散乱同時計数および偶発同時計数について補正した。各腫瘍について、平均値標準取込み値(SUVmean)を、目的の3D領域内で計算し、30%閾値の等値曲線を使用して、腫瘍周囲で自動描図した。目的の領域はまた、左室、肝臓、肺、筋肉、および腎臓についても計算した。VivoQuant(InviCRO、Boston、MA)を使用して、画像を後加工した。
【0366】
実施例9~12に記載されるイメージング研究のために、接種後12日目に、マウスに、68Ga-NOTA-GPを静脈内注射し、その後、1時間後にイメージングした。イメージングは、齧歯動物用Triumph PET/CT(GE Healthcare、Wilmington、MA)を使用して実施した。PET画像を、15分間にわたり収集するのに続き、CTを収集した。3D-MLEMを使用して(反復4回、20サブセット)、再構成を達成し、散乱同時計数および偶発同時計数について補正した。画像の加工および解析には、VivoQuantソフトウェア(InviCRO、Boston、MA)を使用した。CT-解剖学相関を使用して、目的の3D領域を描図することにより、個別の腫瘍を、手作業で同定した。左心室を、目的の領域として同定することにより、バックグラウンドの血液プール放射能を測定した。68G aNOTA-GPの比取込みは、腫瘍による全取込みを、バックグラウンドの血液プールで除して、腫瘍対血液比(TBR)を導出することにより定量化した。
【0367】
生体内分布研究
尾静脈を介して、約1mCiの68Ga-NOTA-GPを注射した(実施例1を参照されたい)後、マウスを、1時間または2時間の時点において屠殺した。マウスの尿、血液、腫瘍、および重要臓器をサンプリングし、ガンマカウンター上で、放射能を評価した。
【0368】
統計学的解析
Graphpad Prism Version 4ソフトウェアを使用して、統計学的解析を実施した。競合的結合解析には、PA非線形回帰を使用した。ピアソン相関検定を実施して、ウェスタンブロットにより決定された、全腫瘍グランザイムB発現を、腫瘍対血液比(TBR)と相関させた。処置腫瘍についてのTBRと、非処置腫瘍についてのTBRとを、対応のあるt検定により比較した。
【0369】
GraphPad Prism Version 6ソフトウェア(GraphPad Software、Inc.、La Jolla、CA)を使用して 、実施例9~12で記載される統計学的解析およびグラフ化を実施した。免疫療法で処置された腫瘍と、媒体で処置された腫瘍との全ての比較には、ウェルチの補正を伴う、対応のないt検定を使用した。群サイズで重み付けされた一次回帰を使用して、各処置アームについて、応答パーセントを、平均腫瘍対血液比であるTBRと相関させた。ピアソンの相関係数に基づく統計学的推定を使用して、最良の当てはめ直線の、95%の信頼区間を規定した。
【0370】
[実施例1]
グランザイムBイメージング剤(68Ga-NOTA-GP)の合成
【0371】
【化40】
【0372】
標準的なFMOC化学反応を使用して、NOTA-β-Ala-Gly-Gly-Ile-Glu-Phe-Asp-CHO(すなわち、NOTA-GP;NOTA-GZP)を合成した。HPLCおよび質量分析により、化学的純度を解析した。計算値m/z:1176.949。さらに、ペプチドについてのHPLC解析は、90%を超える純度を例示したが、これは、全ての実験について十分であった。
【0373】
68Gaは、68Ge/68Gaジェネレーター(iThemba Labs、South Africa)から、0.6NのHClで溶出させて得た。溶離液を、約100μgのNOTA-GPを伴う、pH3.5~4.0の2M HEPESによる緩衝液系へと添加した。標識化反応は、室温で、10分間にわたり進めた。反応生成物を、逆相C18 Sep-Pak miniカートリッジ上にロードし、70%のエタノール200μLにより溶出させた。最終的な処方は、生理食塩液中に10%のエタノールへと調整した。68Ga-NOTA-GP(すなわち、68Ga-NOTA-GZP)の化学的純度および放射化学的純度は、放射薄層クロマトグラフィー(TLC)を介して測定した。放射性標識化は、67±11%の収率、>95%の放射化学的純度、および5190±1100MBq/mgの平均比活性をもたらした。
【0374】
[実施例1A]
ビオチニル化ヒトグランザイムBペプチドの合成
ビオチン-β-Ala-Gly-Gly-Gly-Ile-Glu-Pro-Asp-CHO(hGZP;配列番号25)を、上記の実施例1で記載した手順に従い合成した。計算値m/z:907.010。
【0375】
[実施例2]
免疫療法に応答する、グランザイムBの示差的発現
グランザイムBの発現の差違を、免疫療法による処置の経過にわたり定量化するために、CT26結腸がん保有マウス(BALB/C)を、腫瘍の接種後3、6、および9日目に、200ngの抗PD-1抗体および100ngの抗CTLA-4抗体で処置した。10日目に、マウスサブセットの(4匹の処置マウスおよび4匹の非処置マウス)を屠殺し、それらの腫瘍を切り出し、SDS-PAGEのために調製した。腫瘍についてのウェスタンブロット解析を実施した。グランザイムBの発現を定量化し、ローディング対照としてのベータ-アクチンの発現に照らして標準化した。結果は、グランザイムBが、処置マウスおよび非処置マウスのいずれにおいても、低レベルで発現し、2つの群間では、統計学的差違が見られないことを裏付けた。接種後14日目に、マウスを屠殺し、10日目のマウスと同じ方式で、ウェスタンブロットにより解析した。14日目の処置マウスは、グランザイムBの、100倍の高発現を示し、図1に示される通り、処置マウスと、非処置マウスとの間では、有意(4倍)差が見られた。
【0376】
14日目における、腫瘍への免疫細胞の浸潤および活性化についての初期解析は、二重薬剤免疫療法レジメン(抗PD1、抗CTLA4)、または対照としての媒体だけにより処置された、CT26腫瘍内のウェスタンブロット法により、実施した。図2Aに示される通り、処置マウスと、非処置マウスとの間では、CD8の発現レベルも、CD3の発現レベルも、有意には異ならなかった。CD4発現は、処置マウスでは、低レベルで存在し、非処置マウスでは、検出不能であった。グランザイムBを含む、機構的マーカーへのさらなる探索は、処置マウスと、非処置マウスとにおける、グランザイムB(すなわち、GZB)の発現の相違を明らかにした。β-アクチンの発現に照らして標準化された、ウェスタンブロットデータの定量化は、図2Bに示される通り、処置腫瘍において、非処置腫瘍(4.7±1.6)と比較して、有意に高レベルのGZB(GZB:β-アクチン=20.4±4.1)を明らかにした。比較すると、CD8:β-アクチンは、処置マウスでは、21.5±5.0であり、非処置マウスでは、14.3±3.0であった。GZBの発現レベルおよびCD8の発現レベルのいずれも、10日目および12日目と比較して上昇した。処置腫瘍の間では、GZB発現のダイナミックレンジが見られ、処置腫瘍4例中1例は、非処置マウスと同様のレベルで、低度のGZB発現を裏付けた。理論に束縛されずに述べると、GZB発現の不均質性は、分泌されるプロテアーゼのレベルが、免疫応答についてのバイオマーカーとして用いられうることを示唆する。GZBの一過性発現についてさらに検討するために、処置マウスおよび非処置マウスを、接種後10および12日目に屠殺し、上記で記載した方式で、ウェスタンブロット法にかけ、図3A~3Bに示す。
【0377】
[実施例3]
68Ga-NOTA-GPの、精製グランザイムBへの結合
グランザイムBを、プレートへと吸着させ、プレートを、脱脂粉乳でブロッキングした。68Ga-NOTA-GPを、1時間にわたり結合させ、ウェルを洗浄し、結合した68Ga-NOTA-GPを、2NのNaOHを伴うインキュベーションにより回収し、ガンマカウンターによりカウントした。図4に示される通り、ペプチドは、グランザイムBへの、対照タンパク質(BSA)に対するより、有意に(P<0.05)高度な結合を呈示した。図4におけるバーは、6連の平均値±SDを表す。図5に示される通り、in vitro活性研究は、NOTA-GPが、グランザイムB活性を、47±54nMのKiで阻害することを示す。
【0378】
[実施例4]
68Ga-NOTA-GPの、細胞への結合
CT26細胞を、96ウェルプレート内に播種し、70%のコンフルエンシーまで増殖させた。68Ga-NOTA-GPを、1%のBSA+RPMI緩衝液中に、100μCi/mLへと希釈し、ウェルへと添加する前に、グランザイムB(60nM)または媒体と共にプレインキュベートした。ペプチドを、洗浄および2MのNaOHによる溶出の前に、細胞と共に、30分間にわたりインキュベートした。ウェルを、ガンマカウンターによりカウントし、図6に示される通り、6つのウェルの平均値を、±SDでプロットしたところ、68Ga-NOTA-GPが、グランザイムBに結合し、がん細胞により特異的に取り込まれることが裏付けられる。
【0379】
[実施例5]
ex vivoにおける腫瘍特異性
68Ga-NOTA-GPが、精製グランザイムBに結合し、標的細胞内に、特異的に蓄積されたことを確認した後で、実施例2からウェスタンブロットデータを生成する(図1を参照されたい)のに使用された同じモデルを使用して、in vivoにおける腫瘍への蓄積を、CT26腫瘍保有マウスにおいて探索した。接種後14日目に、マウスに、370MBqの68Ga-NOTA-GPを注射し、注射の1時間後に、マウスを屠殺した。腫瘍および血液を、組合せ療法(抗PD-1および抗CTLA-4)で処置された7匹のマウスから回収した。腫瘍を、サイズに基づき、レスポンダー(重量<0.8mg)または非レスポンダー(重量≧0.8mg)として群分けした。ガンマカウンターを使用して、腫瘍中および血液中の両方における放射性68Ga-NOTA-GPの量を定量化し、重量に基づき調整し、腫瘍1グラム当たりの注射用量の、血液に対する比(TBR)を、各群内の腫瘍についてプロットした。図7に示される通り、レスポンダーである各マウスは、非レスポンダー(範囲:-0.95~2.48)より、高度な取込み(範囲:6.06~13.74)を示したが、これは、68Ga-NOTA-GPが、免疫療法に対して応答する腫瘍に対して特異的であることを指し示した。
【0380】
イメージングの後、マウスを屠殺し、腫瘍によるGZB発現を、ウェスタンブロットにより定量化した。TBRの、GZB発現との比較は、取込みと、GZB発現との有意な相関(P<0.001)を明らかにしたが、これは、腫瘍による、68Ga-NOTA-GPの取込みが、GZBの発現に依存することを指し示す。注射の1時間後および2時間後における、さらなるex vivo生体内分布研究は、腫瘍による示差的取込みと、急速な腎クリアランスとを確認した。図7Bに示される通り、処置腫瘍による取込みは、非処置対照腫瘍における、腫瘍1g当たり0.70および0.55注射用量%と比較して、1時間における腫瘍1g当たり1.15注射用量%、および2時間における腫瘍1g当たり1.02注射用量%と測定された。
【0381】
[実施例6]
グランザイムB発現についての、in vivo PETイメージング
非侵襲的イメージング法において、グランザイムBの発現を検出する68Ga-NOTA-GPの能力を評価するために、68Ga-NOTA-GPを、実施例5と同じ方式で注射した。注射の1時間後、マウスを、PETイメージングにかけた。PETイメージングを、30分間にわたり実施するのに続き、2分間にわたるCT収集を行った。3D-OSEM(反復4回、16サブセット)を使用して、画像を再構成し、偶発同時計数および散乱同時計数について補正し、図8に示す。画像は、処置マウスと、非処置マウスとの、腫瘍取込み(T)の顕著に異なる差違を示した。両方の群のマウスの腎臓における取込みもまた、観察したが、これは、ペプチドのクリアランスと符合した。このイメージング解析は、PETイメージングを使用して、in vivoにおける発現を検出ための、68Ga-NOTA-GPの値を裏付けた。
【0382】
[実施例7]
腫瘍保有マウスにおける免疫療法に対する、グランザイムB応答についての、in vivo PETイメージング
組合せチェックポイント阻害剤療法で処置された、腫瘍保有マウスにおけるグランザイムB発現の予測的性格についてさらに査定するために、4匹の処置マウスおよび3匹の媒体だけによるマウスにおいて、既に記載された同じ方式で、イメージングを実施した。腫瘍による取込みは、両方のマウス群において、明確に差別化された。図9に示される通り、処置マウスでは、4匹中3匹のマウスにおいて、高度な取込みが観察され、これは、チェックポイント療法に対して応答性であると考えられたのに対し、1匹のマウスは、低度の取込みを示すが、これは、治療に対する非応答性を予測するであろう。図10に示される通り、非処置マウスは、治療の欠如を踏まえると予期されることだが、トレーサーの取込みが低度な2匹のマウスを示す。1匹の非処置マウスは、高レベルのプローブの取込みを裏付けたが、これは、治療と関連しない、自発性免疫応答を表しうるであろう。
【0383】
接種後14日目に、マウスに、約37MBqの精製68Ga-NOTA-GPを、静脈内注射し、注射の1時間後にイメージングした。PETイメージングは、処置腫瘍内、腎臓内、および膀胱内の取込みを明らかにしたが、後二者は、小型ペプチドに特徴的な腎クリアランスと符合する。腫瘍による取込みを、左室による取込みで除することにより、PETイメージングによる68Ga-NOTA-GPの取込みを標準化して、腫瘍対血液比(TBR)を導出した。図11に示される通り、処置マウスの平均値TBRが、1.69±0.26と計算されるのに対し、非処置マウスの平均値TBRは、0.93±0.11であり、非処置マウスから、処置マウスへの、有意な増大(83%、P<0.05)が見られた。68Ga-NOTA-GPの取込みは、処置腫瘍および非処置腫瘍の両方にわたり観察された。ex vivoにおけるウェスタンブロットにより評価される、GZB発現との相関は、この相関が、プローブ分布のばらつきではなく、腫瘍間における、GZB発現のばらつきに起因することを裏付けた。
【0384】
[実施例8]
免疫療法後における、腫瘍内のグランザイムB発現について評価する、免疫蛍光染色
CTLの活性化の前に、GZBは、細胞傷害性顆粒内に含有されており、活性化の後、CTLとその標的細胞との間の免疫シナプスにおいて放出される。しかし、がん免疫療法ならびに放出後におけるGZBの運命の文脈では、位置(例えば、細胞内対細胞外)は、十分には理解されていない。腫瘍微小環境内のGZBの位置について、よりよく理解するために、腫瘍を、免疫組織化学および免疫蛍光により解析した。
【0385】
処置腫瘍および非処置腫瘍のスライスを、CD3に加えて、GZBについて染色して、GZBが、T細胞内に封鎖されているのか、分泌されているのかについて評価した。CD3についての染色は、処置腫瘍内では増大したT細胞浸潤物が、非処置腫瘍内では、低レベルであったことを示した。グランザイムB染色は、非処置腫瘍と、処置腫瘍とのさらなる差違も示し、GZB位置の、2つの顕著に異なるパターンも示した。観察された第1のパターンは、低強度で小型の表面領域によるパターンであって、CD3染色と共局在化し、図12に示される通り、処置腫瘍内および非処置腫瘍内の両方に見られ、CTL細胞傷害性顆粒内に含有されるGZBを表すと考えられるパターンであった。GZB染色の第2のパターンは、一般に、CD3と共局在化しない、大型で強い染色領域を結果としてもたらした。GZB IF試料についての蛍光閾値解析は、処置腫瘍内では、非処置内と対比して、より高強度の染色が見られることを示した(P<0.01)。理論に束縛されずに述べると、高強度のGZB染色領域は、これに先立つ、GZBのエキソサイトーシス領域に対応し、これは、腫瘍細胞の殺滅に既に参与しているGZB、または免疫シナプスから漏出したGZBであって、細胞外腔内に残存するGZBを表すことが提起される。これらの結果は、処置腫瘍内の高度なGZB発現が、免疫療法に応答して、プロテアーゼを分泌する活性CTLに起因し、免疫療法に対する腫瘍の応答をモニタリングするための、潜在的なバイオマーカーを表すことのさらなる証拠を提示した。図13に示される通り、IHC所見は、免疫蛍光による所見を確認する。
【0386】
[実施例9]
チェックポイント阻害剤の標的である、PD-1、PD-L1、CTLA-4、およびTIM-3についてのウェスタンブロット解析
CT26およびMC38を、Matrigel(Corning、Tewksbury、MA)中に、1:1(v:v)で希釈し、それぞれ、balb/cマウスまたはC57BL/6マウスの右上脇腹へと注射した。マウスを、腫瘍の接種後3、6、および9日目に、腹腔内注射により、生理食塩液(すなわち、媒体)、200μgの抗PD1(すなわち、単剤療法)、200μgの抗PD1および100μgの抗CTLA4(すなわち、P+C組合せ治療)、または200μgの抗PD1および250μgの抗TIM-3(すなわち、P+T組合せ治療)で処置した。12日目に、マウスを、イメージングするか、またはex vivoにおけるウェスタンブロット解析のために屠殺した。生存マウスのイメージング実験では、腫瘍の大きさを、MC38については、5日目から始め、CT26については、10日目から始めて、2~3日ごとに、カリパーで測定した。腫瘍が、500mmの容量を超えるか、または潰瘍化したら、マウスを屠殺した。
【0387】
MC38およびCT26の同系腫瘍を切り出し、図14A~14Cに示される通り、12日目に、免疫ブロットにより、チェックポイント阻害剤の標的分子である、PD-1、PD-L1、CTLA-4、およびTIM-3のベースラインレベルを決定するように査定した。CTLA-4のレベルは、MC38腫瘍内で、CT26腫瘍内の2倍であった(CTLA-4:β-アクチン=0.225対0.121、p=0.043)。PD-1、PD-L1、およびTIM-3の発現レベルは、各腫瘍型間で、有意には異ならなかった。MC38腫瘍内のグランザイムBをイメージングする実行可能性を評価するために、グランザイムBレベルについてもまた査定し、グランザイムB発現が、CT26腫瘍(0.013、p=0.014)内より、MC38腫瘍内で有意に高度(グランザイムB:β-アクチン=0.138)であることを見出した。
【0388】
[実施例10]
CT26腫瘍保有マウスおよびMC38腫瘍保有マウスについての、グランザイムB PETイメージング
12日目に、68Ga-NOTA-GPを使用して、グランザイムBレベルを、非侵襲的に評価するように、抗PD1単剤療法、P+C組合せ治療、P+T組合せ治療、または生理食塩液(実施例9を参照されたい)で処置された、CT26腫瘍保有マウスおよびMC38腫瘍保有マウスをイメージングした。PETイメージングは、解析される全てのマウスにおける、非腫瘍臓器による共通の取込みパターンであって、小型ペプチドに特徴的な腎クリアランスと符合する、腎臓および膀胱における蓄積を含むパターンを示した。しかし、図15A~17Dに示される通り、腫瘍による取込みの程度は、腫瘍モデルおよび治療レジメンに基づき変動した。
【0389】
例えば、CT26モデルでは、媒体処置マウスは、0.97±0.07の平均TBRにより反映される通り、腫瘍内および左室内で、トレーサー蓄積の差違を示さなかった。これと比較して、PD-1単剤療法およびP+C組合せ療法を施されるCT26腫瘍保有マウスは、腫瘍による高度な取込みを示し、平均値TBRは、それぞれ、1.32±0.15(p<0.05)および1.48±0.19(p<0.005)であった。これに対し、P+T組合せ療法で処置された、CT26腫瘍を伴うマウスは、腫瘍によるトレースの蓄積の、媒体処置マウスと比較した上昇を裏付けなかった(図17Cに示される通り、TBR=0.99±0.14)。3つの治療レジメン間で、応答を予測するのに、TBR閾値を実験的に規定するために、媒体で処置されたCT26腫瘍についての最高のTBRである、1.27を、これを上回る腫瘍を、高取込みとして分類し、これを下回る腫瘍を、低取込みとして分類する値として規定した。CT26モデルについてのこのカットオフを使用して、単剤療法処置マウス12例中4例、P+C組合せ療法処置マウス12例中6例、およびP+T組合せ療法処置マウス6例中0例を、高取込み例として分類した。
【0390】
MC38腫瘍保有マウスもまた、治療レジメンに基づく、腫瘍による示差的な取込みを裏付けた。MC38腫瘍を保有する生理食塩液処置マウスは、1.37±0.016の平均TBRを示し、生理食塩液で処置されたCT26腫瘍保有マウスの平均TBRより有意に高度であり(p<0.005)、図17Bに示される通り、MC38腫瘍内の、比較的高度なベースライングランザイムBレベルを指し示し、ウェスタンブロット結果と符合する。CT26モデルの場合と同様に、単剤療法およびP+C組合せ療法のいずれにより処置されたMC38腫瘍保有マウスも、それぞれ、関与性の対照マウスと比較して、有意に高度なTBRである、1.99±0.22(p<0.05)および2.17±0.21(p<0.005)をもたらした。しかし、CT26モデルの場合と異なり、P+T組合せ療法で処置されたMC38腫瘍は、図17Dに示される通り、3つの処置の間で、最低の平均値TBRを示したが、この群もまた、対照腫瘍より高度な取込みをもたらした(TBR=1.74±0.12、p<0.05)。高度な取込みを伴い、他の全ての媒体処置腫瘍と比較して、増殖の遅延を裏付けた、単一の媒体処置腫瘍を例外として、CT26腫瘍について上記で記載した同じ根拠を使用して、MC38腫瘍についての、高取込みおよび低取込みの閾値は、1.45として規定した。高取込みMC38腫瘍の数は、単剤療法処置マウス5例中4例、P+C組合せ療法処置マウス8例中8例、およびP+T組合せ療法処置マウス7例中5例を含んだ。
【0391】
[実施例11]
増殖曲線の解析
腫瘍は、20日目までに完全に退縮するか、または研究の終了時まで増殖し続け、あらかじめ規定された最大容量に達するか、もしくは潰瘍化したので、実施例9~10に記載されたCT26腫瘍の増殖は、二分枝的であった。これらの成長パターンに基づき、腫瘍容量が、0mmへと減少したら、マウスを、レスポンダーとして類別するか、腫瘍容量が、増大し続けたら、非レスポンダーとして類別した。図18A~18Cは、各治療レジメンについて、腫瘍容量の一過性の変化を例示し、媒体で処置された腫瘍を、黒色で表す。媒体で処置されたCT26マウスのいずれも、サイズが退縮しなかったが、抗PD-1単剤療法処置マウス12例中3例、P+C組合せ療法処置マウス12例中7例、およびP+T組合せ療法処置マウス6例中0例は、治療に応答した。
【0392】
実施例9~10で記載したMC38腫瘍モデルでは、応答パターンに基づき、3つの群:完全なレスポンダー、非レスポンダー、および部分的レスポンダーとして分類される第3の群を同定した。応答する腫瘍は、20日目までに、サイズが退縮し、非応答腫瘍は、14日目に、またはこの前に、サイズが、500mmに達し、部分的応答腫瘍は、14日目より遅い時点で、500mmに達した。図18D~18Fは、治療レジメンに基づく、MC38の場合の、腫瘍容量の変化についての、これらの一過性パターンを強調し、媒体処置された腫瘍の増殖曲線を、黒色で示す。媒体で処置されたMC38腫瘍7例中1例は、腫瘍増殖の、他の媒体処置腫瘍と比較した有意な遅延を示し、これにより、部分的レスポンダーとして分類された。この腫瘍は、1.45を超えるTBRを示し、図18D~18Fでは、それ自体、黒点線で示される。CT26腫瘍と比較して、高百分率のMC38腫瘍が、治療に応答し、単剤療法で処置された腫瘍5例中4例、およびP+C組合せ療法で処置された腫瘍8例中7例は、サイズが完全に退縮した。CT26と異なり、MC38腫瘍は、P+T組合せ療法に応答し、7例中1例の腫瘍は、完全に応答し、さらに、7例中4例は、治療に応答して、部分的な応答に特徴的である、増殖の遅延を裏付けた。
【0393】
[実施例12]
グランザイムB PETイメージングを使用する、応答の予測
実施例9~11で記載した、複数の腫瘍モデルおよび治療にわたる、グランザイムB PET(すなわち、GZP PET)イメージングベースの応答予測の精度についての尺度として、CT26腫瘍については、1.27のTBR閾値を使用し、MC38腫瘍については、1.45のTBR閾値を使用する、取込みの分類を活用した。この分類系を使用して、応答マウス27例中25例を、GZP PETイメージングにより、高取込み例として類別する一方で、処置に応答しなかったマウス38例中34例を、低取込み例として分類した。これは、免疫療法に対する応答を予測する68Ga-GZP PETの能力について、それぞれ、93%および89%の、全般的な感度および特異度を反映する。各治療型についてのプローブの感度および特異度を、表5に示す。
【0394】
【表8】
【0395】
個体ベースの画像応答についての、グランザイムB PETイメージングの精度が、有効性についての、群ベースの予測を可能とするかどうかを比較するために、各治療についての平均TBRを、全般的な生存と相関させた。最良の生存転帰を伴う処置はまた、図19Aに示される通り、各治療の生存についてのカプラン-マイヤープロットに基づき、最高の平均TBRも示した。応答パーセントと、平均腫瘍取込みとの関係が、相関するかどうかを決定するために、図19Bに示される通り、応答パーセントを、TBRに対してプロットした。結果として得られる曲線は、R=0.84と、有意に非ゼロの傾き(p<0.0005)とを伴う、直線的関係を示し、処置群の平均TBRが、生存パーセントと直線的に相関することを示唆する。
【0396】
[実施例13]
さらなるグランザイムBペプチドの合成
NOTA-ベータA-PEG27-G-G-G-I-E-F-D(GZPPEG;配列番号26;PEG=-(OCHCH)-)、およびNOTA-ベータA-G-G-G-T-E-A-A-A-A-S-S-C-F-I-E-F-D-CHO(GZPSERP;配列番号27)を各々、実施例1で記載した、標準的なFMOC化学反応に従い調製した。GZPSERPの計算値m/z[M+2H]2+=1973.31。
【0397】
さらなる基の、マウスにおける薬物動態および腫瘍対バックグラウンド比に対する効果を調べるように、両方のペプチドをデザインした。NOTA-GP(実施例1)、GZPPEG、およびGZPSERPを使用して、動的PET解析を実施した。驚くべきことに、GZPPEGは、NOTA-GPとほぼ同一な、腫瘍による取込み反応速度を示した。セルピンP9-グランザイムB結合配列と、グランザイムBペプチドとのハイブリッドブレンドであるGZPSERPは、はるかに低度な腫瘍対バックグラウンド比を結果としてもたらした。いかなる理論にも束縛されずに述べると、これらの効果は、ペプチドの強い疎水性の性質に起因し、これが、著明な凝集および肝臓による高度な取込みを結果としてもたらしたと考えられる。NOTA-GP、GZPPEG、およびGZPSERPについての、腫瘍/心臓内のPET信号の時間経過を、図20に示す。
【0398】
[実施例14]
ヒト黒色腫検体についての免疫組織化学解析
クエン酸緩衝液中の、標準的な抗原回復の後、ホルマリン固定パラフィン包埋切片に対して、免疫組織化学を実施した。グランザイムB発現を、抗グランザイムB抗体(ab5049、Abcam)、またはGZPのビオチニル化形およびヒト化形(hGZP、実施例1Aを参照されたい)により検出した。結合した抗体は、HRPコンジュゲートヤギ抗ウサギ抗体で検出し、IHC染色のために、DAB基質と共に反応させるか、または免疫蛍光による視覚化のために、AlexaFluor 488ヤギ抗ウサギ抗体もしくはAlexaFluor 594ヤギ抗ウサギ抗体(Life Technologies)と共に反応させる。結合したペプチドは、HRPコンジュゲートストレプトアビジン(Abcam)で検出した後、DAB基質またはオレゴングリーンコンジュゲートニュートラビジン(Life Technologies)と反応させた。患者試料は、免疫療法処置または非処置として群分けし、処置された検体は、改変RECIST基準を使用して、レスポンダーまたは非レスポンダーとしてさらに識別した。蛍光定量化は、ImageJソフトウェア(National Institutes of Health、Bethesda、MD)を使用して実施した。
【0399】
抗PD-1チェックポイント阻害剤(n=6のニボルマブおよびn=3のペムブロリズマブ)で処置された患者から得られた、9例のヒト黒色腫生検試料のコホートを、改変RECIST基準に基づく応答と、遡及的に相関させた。抗ヒトグランザイムB抗体を使用して、IHCにより、図21Aに示される通り、処置ありの生検試料は、処置されたレスポンダーと、非レスポンダーとの、グランザイムB染色の量および強度の、顕著に異なる差違を裏付けた。処置されたレスポンダーと、非レスポンダーとの差違の程度および大きさを定量化するために、定量的蛍光顕微鏡法を実施した。蛍光顕微鏡解析は、処置されたレスポンダー検体によるグランザイムB発現が、処置された非レスポンダーの、最大で約1,000倍であることを示し、図21Bに示される通り、時間経過に伴う、処置された検体によるグランザイムB発現の連続的な増大を示唆した。最後に、処置されたレスポンダー試料を、免疫組織化学および免疫蛍光の両方で解析して、ヒト組織内のグランザイムBを特異的に検出する、hGZP(実施例1A)の能力を比較し、抗グランザイムB抗体と比較した。図21C~21Dに示される通り、両方の技法により、強い相関が観察されたことから、hGZPの、ヒトグランザイムBへの高度に特異的結合が指し示される。これらの結果は、腫瘍によるグランザイムB発現には、ヒトレスポンダーと、非レスポンダーとの間で有意差が見られ、これらの差違は、ヒトグランザイムB特異的プローブにより認識されることを示唆する。
【0400】
他の実施形態
本発明について、その詳細な記載と共に記載してきたが、前出の記載は、付属の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を、例示することを意図するものであり、これを限定することを意図するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。

1.細胞中または組織中のグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)前記細胞または組織の試料を、式I:
【化41】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)前記細胞または組織を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、前記細胞内または組織内のグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
2.対象におけるグランザイムBをイメージングする方法であって、
i)前記対象に、式I:
【化42】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)前記対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、前記対象におけるグランザイムBをイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
3.細胞または組織の試料中の免疫応答をイメージングする方法であって、
i)前記細胞または組織の試料を、式I:
【化43】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップと、
ii)前記細胞または組織の試料を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、前記細胞または組織の試料中の前記免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
4.対象における免疫応答をイメージングする方法であって、
i)前記対象に、式I:
【化44】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)前記対象を、適切なイメージング法でイメージングし、これにより、前記対象における前記免疫応答をイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
5.対象における疾患の処置をモニタリングする方法であって、
i)前記対象に、式I:
【化45】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)前記対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
6.対象における疾患の処置における免疫応答をモニタリングする方法であって、
i)前記対象に、式I:
【化46】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと、
ii)前記対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと
を含み、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である、方法。
7.Aが、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素からなる群から選択される1または複数のイメージング剤を含む、上記1から6の表
に記載の方法。
8.前記常磁性イオンが、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)からなる群から選択される、上記7に記載の方法。
9.前記x線イメージング剤が、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)、ビスマス(III)、およびヨード化x線イメージング剤からなる群から選択される、上記7に記載の方法。
10.前記放射性同位元素が、 H、 11 C、 14 C、 18 F、 32 P、 35 S、 36 Cl、 51 Cr、 52 Fe、 57 Co、 58 Co、 59 Fe、 64 Cu、 67 Cu、 67 Ga、 68 Ga、 75 Se、 76 Br、 77 Br、 89 Zr、 90 Y、 99m Tc、 111 In、 123 I、 124 I、 125 I、 131 I、 152 Eu、 153 Sm、 166 Ho、 177 Lu、 186 Re、 188 Re、 201 Tl、 203 Pb、 210 At、 211 At、 212 Bi、 213 Bi、および 225 Acからなる群から選択される、上記7に記載の方法。
11.Aが、PETイメージング剤、SPECTイメージング剤、およびコンピュータ断層撮影イメージング剤からなる群から選択されるイメージング剤である、上記1から6のいずれかに記載の方法。
12.Aが、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である、上記1から6のいずれかに記載の方法。
13.Aが、 H、 11 C、 14 C、 18 F、 35 S、 52 Fe、 58 Co、 64 Cu、 68 Ga、 76 Br、 77 Br、 89 Zr、 111 In、 123 I、 124 I、 125 I、 131 I、 186 Re、 188 Re、 201 Tlからなる群から選択される放射性同位元素を含む、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤である、上記1から6のいずれかに記載の方法。
14.Aが、 68 Gaを含むPETイメージング剤である、上記1から6のいずれかに記載の方法。
15.Aが、キレート剤をさらに含む、上記1から14のいずれかに記載の方法。
16.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される、上記15に記載の方法。
17.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、および1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)からなる群から選択される、上記15に記載の方法。
18.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)である、上記15に記載の方法。
19.Aが、フルオロフォアである、上記1から6のいずれかに記載の方法。
20.Aが、Alexa 350、Alexa 430、AMCA、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODPY-R6G、13BODLPY-TMR、BODLPY-TRX、カスケードブルー、Cy3、Cy5、6-FAM、イソチオシアン酸フルオレセイン、HEX、6-JOE、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、量子ドット、パシフィックブルー、REG、ローダミングリーン、ローダミンレッド、レノグラフィン、ROX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、AF350、AF405、AF532、AF488、AF647、AF680、AF750、Cy5、Cy5.5、Cy7、インドシアニングリーン(ICG)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、およびdsREDからなる群から選択されるフルオロフォアである、上記1から6のいずれかに記載の方法。
21.対象における疾患を処置する方法であって、
i)前記対象に、第1の式I:
【化47】
[式中、
Aは、非毒性の放射性同位元素を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与するステップと;
ii)前記対象を、適切なイメージング法でイメージングするステップと;
iii)前記対象に、第2の式I:
【化48】
[式中、
Aは、毒性の放射性同位元素を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与し、これにより、前記対象における前記疾患を処置する、ステップと
を含む方法。
22.ステップiii)の前記投与の前に、前記第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、処置される前記対象の細胞または組織に結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、上記21に記載の方法。
23.ステップiii)の前記投与の前に、前記第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩が、グランザイムBに結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、上記21に記載の方法。
24.前記第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、 H、 11 C、 14 C、 18 F、 35 S、 52 Fe、 58 Co、 64 Cu、 68 Ga、 76 Br、 77 Br、 89 Zr、 111 In、 123 I、 124 I、 125 I、 131 I、 186 Re、 188 Re、 201 Tlからなる群から選択される、非毒性の放射性同位元素を含む、上記21から23のいずれかに記載の方法。
25.前記第1の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、キレート剤をさらに含む、上記21から24のいずれかに記載の方法。
26.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される、上記25に記載の方法。
27.前記第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、アルファ放射体およびベータ放射体からなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む、上記21から26のいずれかに記載の方法。
28.前記第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の基Aが、 211 At、 212 Pb、 212 Bi、 213 Bi、 225 Ac、 227 Th、 90 Y、 177 Lu、および 131 Iからなる群から選択される毒性の放射性同位元素を含む、上記21から26のいずれかに記載の方法。
29.Bが、1もしくは複数のアミノ酸残基、1もしくは複数の炭水化物、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である、上記1から28のいずれかに記載の方法。
30.Bが、1もしくは複数のC 1~30 アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC 1~30 アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC 1~30 チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基である、上記1から28のいずれかに記載の方法。
31.Bが、1または複数の-(OCH CH )-基を含む任意選択の連結基である、上記1から28のいずれかに記載の方法。
32.Bが、式-(OCH CH -の任意選択の連結基であり、pが、1~40の整数である、上記1から28のいずれかに記載の方法。
33.pが、10~40の整数である、上記32に記載の方法。
34.pが、20~40の整数である、上記32に記載の方法。
35.pが、25~35の整数である、上記32に記載の方法。
36.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される、上記1から35のいずれかに記載の方法。
37.Cが、グランザイムBに結合する抗体である、上記1から35のいずれかに記載の方法。
38.Cが、グランザイムBに結合する抗体であり、クローンGB11、クローンGrB-7、およびNCL-L-Gran-Bからなる群から選択される、上記1から35のいずれかに記載の方法。
39.Cが、グランザイムBに結合する抗体断片である、上記1から35のいずれかに記載の方法。
40.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドである、上記1から35のいずれかに記載の方法。
41.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約100アミノ酸残基の長さである、上記36または40に記載の方法。
42.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約50アミノ酸残基の長さである、上記36または40に記載の方法。
43.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約25アミノ酸残基の長さである、上記36または40に記載の方法。
44.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約15アミノ酸残基の長さである、上記36または40に記載の方法。
45.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、前記ポリペプチドが、
-X -X -X -X -X -D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X 、およびX は、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される、上記36または40に記載の方法。
46.X が、Iである、上記45に記載の方法。
47.X が、Eである、上記45に記載の方法。
48.X が、FまたはPである、上記45に記載の方法。
49.前記ポリペプチドが、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);および
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、上記45から48のいずれかに記載の方法。
50.Cが、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記45に記載の方法。
51.Cが、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記45に記載の方法。
52.Cが、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記45に記載の方法。
53.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、前記ポリペプチドが、
-X -X -X -X -X -D-X (配列番号8)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X 、およびX は、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む求電子基である、上記36または40に記載の方法。
54.X が、Iである、上記53に記載の方法。
55.X が、Eである、上記53または54に記載の方法。
56.X が、FまたはPである、上記53から55のいずれかに記載の方法。
57.X が、-C(O)H、-C(O)C 1~6 アルキル、-C(O)C 1~6 ハロアルキル、-C(O)C 1~6 アルコキシ、-C(O)C 1~6 ハロアルコキシ、-C(O)-(C 1~6 アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C 1~6 ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C 1~6 アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C 1~6 ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である、上記53から56のいずれかに記載の方法。
58.X が、-C(O)Hである、上記53から56のいずれかに記載の方法。
59.Cが、グランザイムBに結合する有機低分子である、上記1から35のいずれかに記載の方法。
60.前記有機低分子が、低分子ペプチド模倣体である、上記36または59に記載の方法。
61.Cが、式III:
【化49】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびR は、各々、独立に、水素、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキル、C 6~10 アリール、HET、および-N(R 10 からなる群から選択され、式中、各C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C 6~10 アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはR およびR は、それらが接合した前記炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR 10 基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各R およびR は、独立に、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
各R 、R 、R 、およびR は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10 は、水素、C 1~4 アルキル、および-C(O)C 1~4 アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C 1~4 アルキルは、任意選択で、-N(R 11 、HET、およびC 6~10 アリールにより置換され、式中、C 6~10 アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11 は、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である、上記1から35のいずれかに記載の方法。
62.Cが、
【表8】

またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、上記1から35および59から61のいずれかに記載の方法。
63.Aが、常磁性イオン、x線イメージング剤、フルオロフォア、および放射性同位元素のうちの1または複数を含むイメージング剤であり、
Bが、1もしくは複数のアルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のアルキレンオキシ基、1もしくは複数のチオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cが、グランザイムBに結合するポリペプチド、グランザイムBに結合する抗体、グランザイムBに結合する抗体断片、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される、上記1から6のいずれかに記載の方法。
64.Aが、放射性同位元素を含み、
Bが、1もしくは複数のC 1~30 アルキレン基、1もしくは複数のアミン基、1もしくは複数のアミド基、1もしくは複数のC 1~30 アルキレンオキシ基、1もしくは複数のC 1~30 チオール基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cが、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される、上記1から6のいずれかに記載の方法。
65.Aが、 H、 11 C、 14 C、 18 F、 32 P、 35 S、 36 Cl、 51 Cr、 52 Fe、 57 Co、 58 Co、 59 Fe、 64 Cu、 67 Cu、 67 Ga、 68 Ga、 75 Se、 76 Br、 77 Br、 89 Zr、 90 Y、 99m Tc、 111 In、 123 I、 124 I、 125 I、 131 I、 152 Eu、 153 Sm、 166 Ho、 177 Lu、 186 Re、 188 Re、 201 Tl、 203 Pb、 210 At、 211 At、 212 Bi、 213 Bi、および 225 Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bが、1または複数のC 30 アルキレン基、1または複数のアミド基、1または複数のC 30 アルキレンオキシ基、またはこれらの任意の組合せを含む任意選択の連結基であり、
Cが、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される、上記1から6のいずれかに記載の方法。
66.Aが、 H、 11 C、 14 C、 18 F、 32 P、 35 S、 36 Cl、 51 Cr、 52 Fe、 57 Co、 58 Co、 59 Fe、 64 Cu、 67 Cu、 67 Ga、 68 Ga、 75 Se、 76 Br、 77 Br、 89 Zr、 90 Y、 99m Tc、 111 In、 123 I、 124 I、 125 I、 131 I、 152 Eu、 153 Sm、 166 Ho、 177 Lu、 186 Re、 188 Re、 201 Tl、 203 Pb、 210 At、 211 At、 212 Bi、 213 Bi、および 225 Acからなる群から選択される、放射性同位元素を含み、
Bが、1または複数の-(-OCH CH )-基を含む任意選択の連結基であり、
Cが、グランザイムBに結合するポリペプチド、およびグランザイムBに結合する有機低分子からなる群から選択される、上記1から6のいずれかに記載の方法。
67.Aが、キレート剤をさらに含む、上記63から66のいずれかに記載の方法。
68.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール-O,O’-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、および1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TETA)、1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモイルメチル)-シクロドデカン(TCMC)、ならびにデスフェリオキサミンB(DFO)からなる群から選択される、上記67に記載の方法。
69.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、および1,4,7-トリアザシクロノナン-1-グルタル酸-4,7-二酢酸(NODAGA)からなる群から選択される、上記67に記載の方法。
70.前記キレート剤が、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)である、上記67に記載の方法。
71.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドである、上記63から70のいずれかに記載の方法。
72.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約100アミノ酸残基の長さである、上記63から70のいずれかに記載の方法。
73.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約50アミノ酸残基の長さである、上記63から70のいずれかに記載の方法。
74.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約25アミノ酸残基の長さである、上記63から70のいずれかに記載の方法。
75.前記グランザイムBに結合するポリペプチドが、約4~約15アミノ酸残基の長さである、上記63から70のいずれかに記載の方法。
76.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、前記ポリペプチドが、
-X -X -X -X -X -D(配列番号1)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X 、およびX は、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される、上記63から70のいずれかに記載の方法。
77.X が、Iである、上記76に記載の方法。
78.X が、Eである、上記76または77に記載の方法。
79.X が、FまたはPである、上記76から78のいずれかに記載の方法。
80.前記ポリペプチドが、
ベータA-G-G-I-E-F-D(配列番号2);
G-G-G-I-E-F-D(配列番号3);および
ベータA-G-G-I-E-P-D(配列番号4)
からなる群から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、上記76に記載の方法。
81.Cが、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記76に記載の方法。
82.Cが、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記76に記載の方法。
83.Cが、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、上記76に記載の方法。
84.Cが、グランザイムBに結合するポリペプチドであり、前記ポリペプチドが、
-X -X -X -X -X -D-X (配列番号8)
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、式中、
、X 、およびX は、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択され、
は、配列番号8のアミノ酸配列のC末端を含む求電子基である、上記63から70のいずれかに記載の方法。
85.X が、Iである、上記84に記載の方法。
86.X が、Eである、上記84または85に記載の方法。
87.X が、FまたはPである、上記84から86のいずれかに記載の方法。
88.X が、-C(O)H、-C(O)C 1~6 アルキル、-C(O)C 1~6 ハロアルキル、-C(O)C 1~6 アルコキシ、-C(O)C 1~6 ハロアルコキシ、-C(O)-(C 1~6 アルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C 1~6 ハロアルキル)-(5~10員のヘテロアリール)、-C(O)-(C 1~6 アルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)、および-C(O)-(C 1~6 ハロアルコキシ)-(5~10員のヘテロアリール)からなる群から選択される求電子基である、上記84から87のいずれかに記載の方法。
89.X が、-C(O)Hである、上記84から87のいずれかに記載の方法。
90.Cが、グランザイムBに結合する有機低分子である、上記63から70のいずれかに記載の方法。
91.前記有機低分子が、低分子ペプチド模倣体である、上記63から70および90のいずれかに記載の方法。
92.Cが、式III:
【化50】
の有機低分子、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびR は、各々、独立に、水素、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキル、C 6~10 アリール、HET、および-N(R 10 からなる群から選択され、式中、各C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C 6~10 アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換される;
またはR およびR は、それらが接合した前記炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR 10 基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各R およびR は、独立に、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
各R 、R 、R 、およびR は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10 は、水素、C 1~4 アルキル、および-C(O)C 1~4 アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C 1~4 アルキルは、任意選択で、-N(R 11 、HET、およびC 6~10 アリールにより置換され、式中、C 6~10 アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10環のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10環のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11 は、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である、上記63から70、90および91のいずれかに記載の方法。
93.Cが、

【表9】

またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、上記63から70、90および91のいずれかに記載の方法。
94.Cが、グランザイムBの不可逆的結合剤である、上記1から93のいずれかに記載の方法。
95.Cが、グランザイムBの阻害剤である、上記1から94のいずれかに記載の方法。
96.ステップi)の前記投与の前に、治療剤を投与するステップをさらに含む、上記1から95のいずれかに記載の方法。
97.前記治療剤の投与が、細胞もしくは組織の試料中、または対象において、免疫応答を誘導する、上記96に記載の方法。
98.前記治療剤が、抗炎症剤、ステロイド、免疫療法薬剤、化学療法剤、および治療用抗体からなる群から選択される、上記96または97に記載の方法。
99.前記治療剤が、化学療法剤である、上記96または97に記載の方法。
100.前記疾患が、自己免疫障害、炎症性障害、皮膚障害、がん、および心血管障害からなる群から選択される、上記5から99のいずれかに記載の方法。
101.前記疾患が、がんである、上記5から99のいずれかに記載の方法。
102.前記がんが、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、肺がん、リンパ腫、黒色腫、膀胱がん、腎細胞癌、多発性骨髄腫、膵臓がん、および前立腺がんからなる群から選択される、上記100または101に記載の方法。
103.前記がんが、結腸がんである、上記100または101に記載の方法。
104.前記疾患が、移植片対宿主病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、リウマチ熱、感染後糸球体腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂溶性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚性好酸球増加症、エリテマトーデス、座瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病と関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異形成、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト-小柳-原田症候群、サルコイドーシス、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性(chronicまたはinveterate)喘息、遅発性喘息および気道過敏、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症により引き起こされる血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、火傷と関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis、multiple neuritis)、単発性神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、赤芽球癆、再生不良性貧血(aplastic anemia、hypoplastic anemia)、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏症、皮膚性T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪過多、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質の病変、糸球体腎炎、男性型脱毛症、脱毛による老人性脱毛症、頭髪の発芽の欠如、ならびに/または頭髪の発生および頭髪の成長の減少による老人性脱毛症、筋ジストロフィー、膿皮症、セザリー症候群、アジソン病、虚血症-再灌流による臓器の損傷、移植性疾患、虚血性疾患、内毒素ショック、偽膜性大腸炎、薬物または放射線により引き起こされる大腸炎、急性虚血性腎不全、慢性腎不全、酸素肺または薬物により引き起こされる中毒症、肺がん、肺気腫、白内障、鉄沈着症、色素性網膜炎、加齢黄斑変性、ガラス体瘢痕化、角膜アルカリバーン、多形紅斑性皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、老化、発がん、癌腫の転移および高山病、ヒスタミンまたはロイコトリエンC4放出関連疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、部分肝切除、急性肝壊死、毒素により引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎、ショック、無酸素症、B型ウイルス性肝炎、非A型/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症型肝不全、遅発性肝不全、慢性肝炎の急性増悪、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、リンパ系由来の悪性腫瘍、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ球性リンパ腫、および慢性リンパ球性リンパ腫からなる群から選択される、上記5から103のいずれかに記載の方法。
105.前記疾患が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、自己免疫性筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、グレーブス眼症、喘息、強皮症、およびシェーグレン症候群からなる群から選択される、上記5から103のいずれかに記載の方法。
106.前記疾患が、骨髄拒絶、臓器移植片拒絶、および移植片対宿主病からなる群から選択される、上記5から103のいずれかに記載の方法。
107.式Iの化合物が、
68 Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9);
68 Ga-NOTA-(OCH CH 27 -G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10);および
68 Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)からなる群から選択される、上記1から6および96から106のいずれかに記載の方法。
108.式I:
【化51】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
Aは、1または複数のイメージング剤を含み、
Bは、任意選択の連結基であり、
Cは、グランザイムBに結合する基であって、
a)X -X -X -X -X -X -D(配列番号1)
[式中、
、X 、およびX は、各々、独立に、ベータA、G、Q、N、S、T、Y、C、R、D、およびEからなる群から選択され、
は、IおよびVからなる群から選択され、
は、E、G、D、およびSからなる群から選択され、
は、E、X、P、S、T、Q、N、A、H、V、F、およびDからなる群から選択される]
に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列と、
b)式III:
【化52】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩とからなる群から選択される基であり、式中、
nは、0、1、または2であり;
mは、0、1、または2であり;
およびR は、各々、独立に、水素、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキル、C 6~10 アリール、HET、および-N(R 10 からなる群から選択され、式中、各C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 3~6 シクロアルキルは、独立に、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され、各C 6~10 アリールおよびHETは、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換され;
またはR およびR は、それらが接合した前記炭素原子と一体となって、それらの各々が、任意選択で1つ、2つ、または3つのR 10 基により置換されていてもよい5~6員のシクロアルキル基または5~6員のヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
各R およびR は、独立に、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
各R 、R 、R 、およびR は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択され;
は、独立に、オキソ、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルからなる群から選択される1つ、2つ、または3つの置換基により任意選択で置換されうるHETであり;
10 は、水素、C 1~4 アルキル、および-C(O)C 1~4 アルキルからなる群から選択され、式中、-C(O)C 1~4 アルキルは、任意選択で、-N(R 11 、HET、およびC 6~10 アリールにより置換され、式中、C 6~10 アリールは、任意選択で1つ、2つ、または3つのハロ基により置換されていてもよく;
各HETは、独立に選択された、単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロアリール基、または単環式もしくは二環式の5~10員のヘテロシクロアルキル基であり、この場合、各HETは、O、S、およびNから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み、任意選択で1つまたは2つのオキソ基により置換され;
11 は、水素、C 1~4 アルキル、およびC 1~4 ハロアルキルから選択され、
ただしmが0であれば、nは、0であり、nが0であれば、mは、0である、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
109.式Iの前記化合物が、
68 Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-F-D(化合物1;配列番号9);
68 Ga-NOTA-(OCH CH 27 -G-G-G-I-E-F-D(化合物2;配列番号10);および
68 Ga-NOTA-ベータA-G-G-I-E-P-D(化合物3;配列番号11)からなる群から選択される、上記108に記載の化合物。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21