(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/536 20210101AFI20221215BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M10/04 W
(21)【出願番号】P 2019012631
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】室屋 陽平
(72)【発明者】
【氏名】山中 友和
(72)【発明者】
【氏名】山脇 拓也
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 龍平
【審査官】立木 林
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0040918(US,A1)
【文献】特開2014-104493(JP,A)
【文献】国際公開第2013/030879(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極板と、
前記第1電極板と極性の異なる第2電極板と、
前記第1電極板と前記第2電極板を含む電極体と、
前記第1電極板に電気的に接続された第1電極集電体と、を備え、
前記第1電極板は、第1電極芯体と、前記第1電極芯体上に形成された第1電極活物質層を有し、
前記電極体は、前記第1電極芯体が積層された第1電極芯体積層部を有
し、
前記第1電極集電体は、周囲の厚みよりも厚みの薄い薄肉部と、前記第1電極芯体積層部が配される側と反対側の面であって、且つ当該集電体の幅方向の前記電極体の中央側の端部において、前記薄肉部の周囲の前記薄肉部よりも厚みの厚い部分の一部に形成され、前記第1電極芯体の厚み方向に突出したリブを含む二次電池の製造方法であって、
前記第1電極芯体積層部を有する前記電極体を作製する電極体作製工程と、
前記第1電極芯体積層部に前記第1電極集電体を超音波接合する超音波接合工程を有し、
前記超音波接合工程において
、前記薄肉部と前記第1電極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込み、前記薄肉部と前記第1電極芯体積層部を超音波接合する二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記超音波接合工程において、前記第1電極集電体は凹部を有し、前記凹部の底面を構成する部分が前記薄肉部であり、
前記凹部の底面に前記第1電極芯体積層部を当接し、
前記第1電極芯体積層部において前記凹部の底面と当接する面とは反対側の面に前記ホーンを当接し、
前記薄肉部において、前記凹部の底面とは反対側の面に前記アンビルを当接した状態で超音波接合を行う請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記超音波接合工程において、前記第1電極集電体は凹部を有し、前記凹部の底面を構成する部分が前記薄肉部であり、
前記凹部の底面に前記アンビルを当接させて超音波接合を行う請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、正極板及び負極板を含む電極体を電解質とともに電池ケース内に収容した構造を有している。電極体を構成する正極板及び負極板は、それぞれ金属製の芯体の表面に活物質層が形成されている。そして、正極板及び負極板のそれぞれに設けられた芯体露出部は、集電体を介して、電池ケースに取り付けられた端子と電気的に接続されている。
【0003】
芯体と集電体とを接合する方法として、超音波接合により接合する方法が知られている。超音波接合は、積層された芯体と集電体とをホーンとアンビルとで挟み込みながら、超音波による振動エネルギーを接合面に加えることによって行われる。なお、積層された芯体と集電体とを確実に挟み込むために、ホーン及びアンビルの表面には、それぞれ複数の突起部が設けられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ホーンの表面に設けられた突起部の形状を円弧状にしたり、ホーンの周辺に、突起部が形成されていないマージン領域を設ける方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一つの目的は、芯体と集電体を接合する際に集電体の変形が抑制された二次電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態の二次電池の製造方法は、
第1電極板と、
前記第1電極板と極性の異なる第2電極板と、
前記第1電極板と前記第2電極板を含む電極体と、
前記第1電極板に電気的に接続された第1電極集電体と、を備え、
前記第1電極板は、第1電極芯体と、前記第1電極芯体上に形成された第1電極活物質層を有し、
前記電極体は、前記第1電極芯体が積層された第1電極芯体積層部を有する二次電池の製造方法であって、
前記第1電極芯体積層部を有する前記電極体を作製する電極体作製工程と、
前記第1電極芯体積層部に前記第1電極集電体を超音波接合する超音波接合工程を有し、
前記超音波接合工程において、前記第1電極集電体は、周囲の厚みよりも厚みの薄い薄肉部を有し、前記薄肉部と前記第1電極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込み、前記薄肉部と前記第1電極芯体積層部を超音波接合する。
【0008】
図17(a)は、第1電極芯体積層部340上に第1電極集電体306を配置した状態
であり、第1電極芯体積層部340と第1電極集電体306を超音波接合する前の状態を示す平面図である。
図17(b)は、第1電極芯体積層部340上に第1電極集電体306を配置した状態であり、第1電極芯体積層部340と第1電極集電体306を超音波接合した後の状態を示す平面図である。第1電極芯体積層部340と第1電極集電体306を超音波接合する際、ホーンとアンビルにより第1電極芯体積層部340と第1電極集電体306を押圧して超音波振動を与える。このため、
図17(b)に示すように、超音波接合により、第1電極集電体306の幅が大きくなるように第1電極集電体306が変形する場合がある。そして、幅が大きくなるように第1電極集電体306が変形すると、第1電極集電体306が接続された電極体を電池ケースに挿入する際、第1電極集電体306において変形した部分が電池ケースに接触し、電極体の電池ケースへの挿入性が低下する虞がある。あるいは、第1電極集電体306において変形した部分が、電極体と電池ケースの間に配置された絶縁シートを損傷される虞がある。
【0009】
本開示の一形態の二次電池の製造方法により、第1電極集電体と第1電極芯体積層部を超音波接合する際に、第1電極集電体の幅が大きくなるように第1電極集電体が変形することを効果的に抑制できる。したがって、より信頼性の高い二次電池が提供される。なお、第1電極板は正極板であってもよいし、負極板であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、芯体と集電体を接合する際に集電体の変形が抑制された二次電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る角形二次電池の角形外装体の正面部分と絶縁シート正面部分とを取り除いた電池内部を示す模式的な正面図である。
【
図2】実施形態に係る角形二次電池の上面図である。
【
図3】(a)は実施形態に係る正極板の平面図である。(b)は実施形態に係る負極板の平面図である。
【
図4】実施形態に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込む前の状態を示す図である。
【
図5】実施形態に係る正極集電体において、正極芯体積層部が接合される面の平面図であり、正極芯体積層部と接合される前の状態を示す図である。
【
図6】実施形態に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込んだ後の状態を示す図である。
【
図7】実施形態に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部を超音波接合した後の状態を示す図である。
【
図8】変形例1に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込む前の状態を示す図である。
【
図9】変形例1に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込んだ後の状態を示す図である。
【
図10】変形例1に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部を超音波接合した後の状態を示す図である。
【
図11】変形例1に係る正極集電体において、正極芯体積層部が接合される部分であって、正極芯体積層部が接合される面とは反対側の面を示す図であり、正極芯体積層部と接合された後の状態を示す図である。
【
図12】変形例2に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部をホーンとアンビルで挟み込んだ後の状態を示す図である。
【
図13】変形例2に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体と正極芯体積層部を超音波接合した後の状態を示す図である。
【
図14】変形例2に係る正極集電体と正極芯体積層部の断面図であり、正極集電体にテープを張り付けた後の状態を示す図である。
【
図15】変形例2に係る正極集電体と正極芯体積層部の平面図であり、正極集電体にテープを張り付けた後の状態を示す図である。
【
図16】正極芯体積層部の接合部の拡大断面図である。
【
図17】(a)及び(b)は従来技術に関する図である。(a)第1電極集電体を第1芯体積層部上に配置した状態を示す図である。(b)第1電極集電体と第1芯体積層部を超音波接合した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態に係る二次電池としての角形二次電池100について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0013】
まず、一実施形態に係る角形二次電池100の構成を説明する。
図1及び
図2に示すように、角形二次電池100は、上方に開口を有する角形外装体1と、当該開口を封口する封口板2を備える。角形外装体1及び封口板2により電池ケース200が構成される。角形外装体1及び封口板2はそれぞれ金属製であり、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。角形外装体1内には、帯状の正極板と帯状の負極板とが帯状のセパレータを挟んで巻回された偏平状の巻回型の電極体3が非水電解質(図示省略)と共に収容される。角形外装体1と電極体3の間には樹脂製の絶縁シート14が配置されている。封口板2には電池ケース200内の圧力が所定値以上となると破断し、電池ケース200内のガスを電池ケース200外に排出するガス排出弁15が設けられている。また、封口板2に設けられた電解質注液孔16が、封止部材17により封止されている。
【0014】
図3(a)に示すように、正極板4は、金属製の正極芯体4aと、正極芯体4aの両面に形成された正極活物質層4bを有する。正極板4は、幅方向の端部に、長手方向に沿って、正極芯体4aの両面に正極活物質層4bが形成されていない正極芯体露出部を有する。正極芯体4aは、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。正極活物質層4bは、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物等を用いることができる。また、正極活物質層4bは、バインダー及び導電材を含むことが好ましい。バインダーとしては樹脂製のバインダーが好ましく、例えばポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。導電部材としてはカーボンブラック等の炭素材料が好ましい。
【0015】
図3(b)に示すように、負極板5は、金属製の負極芯体5aと、負極芯体5aの両面に形成された負極活物質層5bを有する。負極板5は、幅方向の端部に、長手方向に沿って、負極芯体5aの両面に負極活物質層5bが形成されていない負極芯体露出部が形成されている。負極芯体5aは、銅又は銅合金製であることが好ましい。負極活物質層5bは、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、黒鉛や非晶質炭素等の炭素材料、シリコンや酸化シリコン等のシリコン材料等を用いることができる。負極活物質層5bは、バインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては樹脂製のバインダーが好ましく、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメシルセルロース(CMC)を含むことが好ましい。負極活物質層5bは必要に応じて導電材を含んでもよい。
【0016】
巻回型の電極体3は、一方の端部に巻回された正極芯体露出部を有し、他方の端部に巻回された負極芯体露出部を有する。巻回された正極芯体露出部は、正極芯体4aが積層された正極芯体積層部40を構成する。巻回された負極芯体露出部は、負極芯体5aが積層された負極芯体積層部50を構成する。
【0017】
正極芯体積層部40には正極集電体6が接続されている。正極集電体6は封口板2に取
り付けられた正極端子7と接続されている。封口板2と正極集電体6の間には樹脂製の内部側絶縁部材10が配置されている。封口板2と正極端子7の間には樹脂製の外部側絶縁部材11が配置されている。内部側絶縁部材10及び外部側絶縁部材11により、正極集電体6及び正極端子7は封口板2と電気的に絶縁されている。正極集電体6及び正極端子7は、金属製であり、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。
【0018】
負極芯体積層部50には負極集電体8が接続されている。負極集電体8は封口板2に取り付けられた負極端子9と接続されている。封口板2と負極集電体8の間には樹脂製の内部側絶縁部材12が配置されている。封口板2と負極端子9の間には樹脂製の外部側絶縁部材13が配置されている。内部側絶縁部材12及び外部側絶縁部材13により、負極集電体8及び負極端子9は封口板2と電気的に絶縁されている。負極集電体8及び負極端子9は、金属製であり、例えば、銅又は銅合金製であることが好ましい。また、負極端子9は、銅又は銅合金からなる部分と、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分を有することが好ましい。そして、銅又は銅合金からなる部分を銅又は銅合金からなる負極集電体8と接続し、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分が封口板2よりも外部側に露出するようにすることが好ましい。
【0019】
正極端子7は、封口板2よりも電池外部側に配置される鍔部7aと、鍔部7aの一方の面に形成された挿入部(図示省略)を有する。挿入部が封口板2に設けられた正極端子取り付け孔(図示省略)を貫通し、正極集電体6に接続される。
負極端子9は、封口板2よりも電池外部側に配置される鍔部9aと、鍔部9aの一方の面に形成された挿入部(図示省略)を有する。挿入部が封口板2に設けられた負極端子取り付け孔(図示省略)を貫通し、負極集電体8に接続される。
【0020】
なお、正極集電体6と正極端子7を、他の導電部材を介して電気的に接続してもよい。また、負極集電体8と負極端子9を、他の導電部材を介して電気的に接続してもよい。
【0021】
正極集電体6は、封口板2と電極体3の間に配置されるベース部6aと、ベース部6aの端部から電極体3側に延びるリード部6bを有する。ベース部6aに正極端子7が接続されている。リード部6bが正極芯体積層部40に接合されている。リード部6bの幅方向の端部にはリブ6cが設けられる。なお、リブ6cを省略することもできる。
負極集電体8は、封口板2と電極体3の間に配置されるベース部8aと、ベース部8aの端部から電極体3側に延びるリード部8bを有する。ベース部8aに負極端子9が接続されている。リード部8bが負極芯体積層部50に接合されている。リード部8bの幅方向の端部にはリブ8cが設けられている。なお、リブ8cを省略することもできる。
【0022】
正極集電体6のリード部6bにおいて、正極芯体積層部40と接合された部分の正極芯体積層部40と接合された面とは反対側の面には、凹凸形成部6xが形成されている。この凹凸形成部6xは、正極集電体6と正極芯体積層部40を超音波接合する際に、正極集電体6にアンビルに設けられたアンビル突起が食い込むことにより形成される。即ち、凹凸形成部6xは、アンビルによる押圧痕である。
【0023】
負極集電体8のリード部8bにおいて、負極芯体積層部50と接合された部分の負極芯体積層部50と接合された面とは反対側の面には、凹凸形成部8xが形成されている。この凹凸形成部8xは、負極集電体8と負極芯体積層部50を超音波接合する際に、負極集電体8にアンビルに設けられたアンビル突起が食い込むことにより形成される。即ち、凹凸形成部8xは、アンビルによる押圧痕である。
【0024】
[封口板への各部品取り付け]
以下に、正極集電体6、正極端子7、負極集電体8及び負極端子9の封口板2への取り付け方法を説明する。
まず、封口板2に設けられた正極端子取り付け孔(図示省略)の周囲において、封口板2の電池外部側に外部側絶縁部材11を配置し、封口板2の内面側に内部側絶縁部材10及び正極集電体6のベース部6aを配置する。次に、正極端子7の挿入部を電池外部側から、外部側絶縁部材11の貫通孔、封口板2の正極端子取り付け孔、内部側絶縁部材10の貫通孔及びベース部6aの貫通孔に挿入し、正極端子7の挿入部の先端側をベース部6a上にカシメる。これにより、正極端子7、外部側絶縁部材11、封口板2、内部側絶縁部材10及び正極集電体6が一体的に固定される。なお、正極端子7の挿入部の先端のカシメられた部分をベース部6aに溶接してもよい。
【0025】
同様に、封口板2に設けられた負極端子取り付け孔(図示省略)の周囲において、封口板2の電池外部側に外部側絶縁部材13を配置し、封口板2の電池内部側に内部側絶縁部材12及び負極集電体8のベース部8aを配置する。次に、負極端子9の挿入部を電池外部側から、外部側絶縁部材13の貫通孔、封口板2の負極端子取り付け孔、内部側絶縁部材12の貫通孔及びベース部8aの貫通孔に挿入し、負極端子9の挿入部の先端側をベース部8a上にカシメる。これにより、負極端子9、外部側絶縁部材13、封口板2、内部側絶縁部材12及び負極集電体8が一体的に固定される。なお、負極端子9の挿入部の先端のカシメられた部分をベース部8aに溶接してもよい。
【0026】
[角形二次電池100の組立て]
封口板2に取り付けられた正極集電体6と正極芯体積層部40を接合し、封口板2に取り付けられた負極集電体8と負極芯体積層部50を接合する。そして、電極体3を絶縁シート14で覆い、絶縁シート14で覆われた電極体3を角形外装体1に挿入する。そして、封口板2を角形外装体1にレーザー溶接により溶接し、角形外装体1の開口を封口板2で封口する。封口板2の電解質注液孔16から非水電解質を電池ケース200内に注入した後、電解質注液孔16を封止部材17で封止する。これにより角形二次電池100となる。
【0027】
以下、正極集電体6と正極芯体積層部40の接合方法を例に、集電体と芯体積層部の接合方法を説明する。なお、負極集電体8と負極芯体積層部50の接合も同様の方法で行うことができる。
【0028】
[集電体と芯体積層部の接合]
図4及び
図5に示すように、リード部6bに薄肉部6eが設けられた正極集電体6を用いる。リード部6bにおいて正極芯体積層部40と対向する側の面に凹部6dが形成されることにより、その周囲の厚みよりも厚みの薄い薄肉部6eが形成されている。なお、
図4は、リード部6bの幅方向に沿った断面図であり、
図1における左右方向に沿った断面図である。
【0029】
図4に示すように、リード部6bにおいて凹部6dが形成された面側に正極芯体積層部40を配置する。そして、ホーン90とアンビル91で、正極芯体積層部40とリード部6bを挟み込む。ホーン90は先端に複数のホーン突起90aを有する。そして、ホーン突起90aが正極芯体積層部40と接するようにする。アンビル91は先端に複数のアンビル突起91aを有する。そして、アンビル突起91aがリード部6bと接するようにする。
【0030】
図6に示すように、ホーン90とアンビル91で、正極芯体積層部40とリード部6bを挟み込むことにより、ホーン突起90aが正極芯体積層部40に食い込み、アンビル突起91aがリード部6bに食い込んだ状態とする。そして、ホーン90に超音波振動を与
えることにより、
図7に示すように正極芯体積層部40における正極芯体4a同士、及び正極芯体積層部40とリード部6bが接合される。これにより、正極芯体積層部40に接合部41が形成される。
【0031】
正極芯体積層部40は、リード部6bにおける薄肉部6eに接合される。即ち、接合部41の少なくとも一部が凹部6d内に配置されるようになる。正極芯体積層部40の表面には、芯体側凹凸形成部41xが形成される。また、リード部6bには、アンビル91による押圧痕である凹凸形成部6xが形成される。
【0032】
上述の構成によると、正極集電体6のリード部6bにおいてホーン90及びアンビル91により挟み込まれて押圧される部分が、周囲よりも厚みの薄い薄肉部6eとなっている。このため、リード部6bが押圧された際、リード部6bにおいて押圧された部分から移動するリード部6bを構成する金属の量を低減することができる。更に、薄肉部6eの周囲に、薄肉部6eの厚みよりも厚みの大きい部分が存在するため、リード部6bの幅方向の変形を効果的に抑制できる。また、リード部6bにおいて正極芯体積層部40と接合する部分の厚みを小さくすることで、超音波接合に必要なエネルギーを低減できるため、リード部6bの変形をより効果的に抑制できる。
このように、上述の構成により、正極芯体積層部40とリード部6bとをホーン90及びアンビル91により挟み込み超音波接合を行った場合でも、リード部6bの幅が大きくなるようにリード部6bが変形することを効果的に抑制できる。
【0033】
なお、リード部6bの幅方向(
図7において左右方向)において、薄肉部6eの両側に薄肉部6eの厚みよりも厚みの大きい領域が形成されていることが好ましい。
薄肉部6eの厚みは、その周囲の厚みに対して20~70%であることが好ましく、20~65%であることがより好ましく、20%~30%であることが更に好ましい。なお、負極集電体8のリード部8bに薄肉部を設ける場合も同様である。
【0034】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる薄肉部6eの厚みは、0.2~1mmであることが好ましく、0.2~0.9mmであることがより好ましく、0.2~0.4mmであることが更に好ましい。
なお、銅又は銅合金製の負極集電体8のリード部8bに薄肉部を設ける場合は、薄肉部の厚みが0.1~0.6mmであることが好ましく、0.1~0.5mmであることがより好ましく、0.1~0.2mmであることが更に好ましい。
【0035】
リード部6bの幅方向の一方の端部にはリブ6cが設けられていることが好ましい。リブ6cを設けることにより、超音波接合の際のリード部6bの変形がより効果的に抑制できる。リブ6cは、リード部6bにおいて正極芯体積層部40が配置される側の面とは反対側の面に形成されることが好ましい。また、リブ6cは、リード部6bの幅方向において、電極体3の中央側の端部に形成されていることが好ましい。これにより、リード部6bの側端部が電極体3に接触するように変形し電極体3を損傷させることを抑制できる。
【0036】
リード部6bの幅方向において、凹部6dの幅は、リード部6bの幅の30~95%であることが好ましく、30~80%であることがより好ましく、30~70%であることが更に好ましい。なお、負極集電体8のリード部8bに凹部を設ける場合も同様である。
【0037】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるリード部6bの場合、リード部6bの幅方向において、凹部6dの幅は2~10mmであることが好ましく、2~6mmであることがより好ましく、2~5mmであることが更に好ましい。
銅又は銅合金からなる負極集電体8のリード部8bに凹部を設ける場合、リード部8bの幅方向において、凹部の幅は2~10mmであることが好ましく、2~6mmであるこ
とがより好ましく、2~5mmであることが更に好ましい。
【0038】
リード部6bの幅方向において、薄肉部6eの両側に形成される薄肉部6eの厚みよりも厚みの大きい部分の幅は、0.5mm以上とすることが好ましく、1mm以上とすることがより好ましい。なお、負極集電体8のリード部8bに薄肉部を設ける場合も同様である。
【0039】
なお、ホーン90において正極芯体積層部40と接する部分の幅は、凹部6dの幅よりも小さい。また、アンビル91においてリード部6bと接する部分の幅は、凹部6dの幅よりも小さい。また、超音波接合により形成される凹凸形成部6xの幅は、凹部6dの幅より小さい。なお、凹部6dの幅は、凹部6dの底面の幅とする。
【0040】
リード部6bにおいて正極芯体積層部40と対向する面に凹部6dを設ける場合、凹部6dを構成する側面は、凹部6dを構成する底面に対して傾斜していることが好ましい。即ち、
図4に示すように凹部6dを構成する側面と凹部6dを構成する底面がなす角が鈍角であることが好ましい。これにより、正極芯体積層部40が損傷することを抑制できる。また、凹部6dの縁部はR化ないし面取りされていることが好ましい。
【0041】
[変形例1]
図8~11に、変形例1に係る正極集電体と正極芯体積層部の接合形態を示す。変形例1では、上述の実施形態とは正極集電体のリード部の形状が異なる。変形例1に係る正極集電体106は、リード部106bにおいて正極芯体積層部40と対向する面とは反対側の面に凹部106dが設けられることにより、リード部106bに薄肉部106eが形成されている。正極集電体106は、リード部106bの幅方向の端部にリブ106cを有する。
【0042】
図8に示すように、リード部106bにおいて凹部106dが形成された面とは反対側の面に正極芯体積層部40を配置する。そして、ホーン90及びアンビル91で、正極芯体積層部40とリード部106bを挟み込む。
【0043】
図9に示すように、アンビル91がリード部106bに形成された凹部106dの底面に接するようにする。なお、アンビル91のアンビル突起91aが凹部106dの底面に食い込むようにする。
【0044】
図10及び
図11に示すように、リード部106bの薄肉部106eにおいて、リード部106bと正極芯体積層部40が接合される。正極芯体積層部40における正極芯体4a同士、及び正極芯体4aとリード部106bが接合されて接合部41が形成される。リード部106bに形成されるアンビル91の押圧痕である凹凸形成部106xは、凹部106dの底面に形成される。なお、正極芯体積層部40における接合部41の表面には、芯体側凹凸形成部41xが形成される。
【0045】
変形例1の構成であると、リード部106bの幅方向において、その両側よりも厚みの薄い薄肉部106eで超音波接合される。よって、超音波接合の際に、リード部106bの幅が大きくなるようにリード部106bが変形することを効果的に抑制できる。なお、凹部106d及び薄肉部106eの大きさ等については、上述の実施形態の構成と同様とすることができる。
【0046】
[変形例2]
図12及び13に、変形例2に係る正極集電体と正極芯体積層部の接合形態を示す。変形例2では、上述の実施形態とは正極集電体のリード部の形状が異なる。変形例2に係る
正極集電体206においては、リード部206bの両面に凹部(外面側凹部206d、内面側凹部206f)が形成されている。これにより、リード部206bに薄肉部206eが形成されている。そして、薄肉部206eにおいて、リード部206bと正極芯体積層部40が接合される。
【0047】
図13に示すように、リード部206bの内面側凹部206fの底面に正極芯体積層部40が接合されて、接合部41が形成されている。また、リード部206bの外面側凹部206dの底面に、アンビル91の押圧痕である凹凸形成部206xが形成されている。なお、リード部206bの幅方向の端部にはリブ206cが形成されている。
【0048】
変形例2の形態では、リード部206bの両面に凹部が形成されることにより形成された薄肉部206eが正極芯体積層部40に超音波接合されている。したがって、リード部206bが押圧された際、リード部206bにおいて押圧された部分から移動するリード部206bを構成する金属の量を低減することができる。更に、薄肉部206eの周囲に、薄肉部206eの厚みよりも厚みの大きい部分が存在するため、リード部206bの幅方向の変形を効果的に抑制できる。また、リード部206bにおいて正極芯体積層部40と接合する部分の厚みを小さくすることで、超音波接合に必要なエネルギーを低減できるため、リード部206bの変形をより効果的に抑制できる。更に、リード部206bの両面に凹部が形成されているため、リード部206bにおいて正極芯体積層部40と対向する側の面に形成された凹部(内面側凹部206f)の深さを小さくすることができる。よって、正極芯体積層部40がホーン90により押圧された際の正極芯体積層部40の変位を小さくすることができ、より安定的に超音波接合できる。
【0049】
[変形例3]
図14及び
図15は、変形例3の形態を示す図である。
図14は、
図15におけるXIV-XIVの断面図である。変形例3では、正極集電体にテープが貼り付けられている以外は、上述の変形例1と同様の構成である。
図14及び
図15に示すように、正極集電体106のリード部106bにテープ60が貼り付けられている。テープ60は、凹凸形成部106xを覆うように配置され、凹部106dの周囲に貼り付けられている。このため、超音波接合の際に生じて凹凸形成部106xに付着した金属小片、あるいは超音波接合の際に凹凸形成部106xに生じたバリが脱離することにより生じた金属小片が、凹部106dとテープ60により形成される空間に閉じ込められる。したがって、金属小片が電極体3の内部に侵入し、短絡の原因となることを効果的に抑制できる。
【0050】
なお、テープ60は、基材層60aと、基材層60a上に形成された接着層60bからなることが好ましい。基材層60aは、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、等から選択される部材あるいはそれらの混合物であることが好ましい。特に基材層60aはポリプロピレンからなることが好ましい。基材層60aの厚みは、20μm~200μmであることが好ましい。接着層60bは、常温(25°)で粘着性を有することが好ましい。また、熱溶着可能なものであってもよい。接着層60bは、ゴム系の接着剤、アクリル系、ポリエチレン系等から選択される部材あるいはそれらの混合物であることが好ましい。特に接着層60bはゴム系の接着剤であることが好ましい。なお、テープ60は、一つの層からなるものでもよい。例えば、テープ60は熱溶着性樹脂からなり、テープ60を正極集電体106に熱溶着してもよい。
【0051】
また、テープ60に代えて、カバー部材で凹部106dを覆うようにカバー部材を正極集電体106に接続してもよい。カバー部材は、シート状、板状、又はブロック状等の部材とすることができる。カバー部材は、例えば、樹脂製、セラミック製、又は金属製とす
ることができる。カバー部材と正極集電体106の接続は、接着、溶着、嵌合等により行うことができる。
【0052】
また、凹凸形成部106xの表面に樹脂を塗布してもよい。凹凸形成部106xの表面に樹脂を塗布する際、樹脂が液状、あるいはゲル状である場合、凹部106dの底面に凹凸形成部106xが形成されていることにより、樹脂を所定の範囲内に塗布しやすくなる。
【0053】
<超音波接合>
集電体と芯体積層部を超音波接合する際の条件は、特に限定されないが、例えば、ホーン荷重を1000N~2500N(100kgf~250kgf)、周波数を19kHz~30kHz、接合時間を200ms~500msに設定して超音波接合を行ってもよい。また、周波数が20kHzの場合、ホーン振幅を最大振幅(例えば50μm)の50%~90%としてもよい。芯体積層部に超音波振動が加えられることにより、芯体積層部を構成する芯体の各表面、集電体の表面の酸化膜が摩擦によって取り除かれ、芯体同士が固相接合されると共に、芯体と集電体が固相接合されることが好ましい。
【0054】
<接合部>
超音波接合により、芯体積層部に形成される接合部が以下のような状態になるように超音波接合を行うことが好ましい。以下のような状態になるように超音波接合することにより、超音波接合する際のホーン及びアンビルにより芯体積層部及び集電体の挟み込む力が過度にならず、集電体の変形をより効果的に抑制できる。
【0055】
図16は、上述の実施形態、変形例1~3における正極芯体積層部40に形成された接合部41の拡大断面図である。接合部41には、隣接する正極芯体4a同士が超音波接合されることにより形成された接合層46が形成されている。また、正極芯体4aの積層方向において、接合層46と接合層46の間には、中央層45が存在する。一枚の正極芯体4aにおいて、両外面近傍がそれぞれ隣接する正極芯体4aと接合されることにより接合層46が形成される。また、中央層45は、正極芯体4aの厚み方向における中央領域が略変化せずに残っている部分である。
【0056】
接合層46におけるアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径は、中央層45におけるアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径よりも小さくなっていることが好ましい。また、中央層45におけるアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径は、接合部41の周囲における正極芯体4aにおけるアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径と略同じであることが好ましい。
【0057】
例えば、接合層46を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径(長径)は、中央層45を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径(長径)の30~70%であることが好ましく、30~60%であることがより好ましい。なお、接合層46を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒のアスペクト比(短径:長径)は1:1~1:3であることが好ましい。接合層46を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径(長径)が0.1~1.0μmであることが好ましい。中央層45を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒のアスペクト比(短径:長径)は1:3~1:10であることが好ましい。中央層45を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径(長径)が1.7~8.0μmであることが好ましい。
【0058】
正極芯体積層部40において接合部41の周囲の部分(超音波接合されていない部分)における正極芯体4aを構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒のアスペク
ト比(短径:長径)は1:3~1:10であることが好ましい。正極芯体積層部40において接合部41の周囲の部分(超音波接合されていない部分)における正極芯体4aを構成するアルミニウム又はアルミニウム合金の結晶粒の平均粒径(長径)は1.7~8.0μmであることが好ましい。
【0059】
<その他>
上述の実施形態、変形例1~3においては、正極集電体の構成、正極集電体と正極芯体積層部の接合方法等について詳細を説明したが、負極集電体の構成、負極集電体と負極芯体積層部の接合方法等についても同様の構成とすることができる。
【0060】
本開示の二次電池の製造方法は、正極側及び負極側の少なくとも一方に適用される。
【0061】
上述の実施形態、変形例1~3においては、偏平状の巻回電極体を有する角形二次電池を例示したが、これに限定されない。電極体は、セパレータを挟んで正極板と負極板とが交互に複数枚積層された積層型の電極体であってもよい。積層型の電極体の場合、矩形状の芯体露出部が複数積層された芯体積層部とすることができる。なお、巻回電極体の場合でも、矩形状の芯体露出部が複数積層された芯体積層部とすることもできる。また、巻回電極体を、その巻回軸が封口板に対して垂直となる向きで電池ケース内に配置してもよい。また、電極体における封口板側の端部に正極芯体積層部と負極芯体積層部が配置される構成であってもよい。
【0062】
正極芯体がアルミニウム又はアルミニウム合金製である場合、正極芯体の厚みは5~30μmであることが好ましく、10~20μmであることがより好ましい。また、正極芯体積層部における正極芯体の積層数は10~100層であることが好ましく、30~100層がより好ましい。
【0063】
負極芯体が銅又は銅合金製である場合、負極芯体の厚みは5~30μmであることが好ましく、6~15μmであることがより好ましい。また、負極芯体積層部における負極芯体の積層数は10~100層であることが好ましく、30~100層がより好ましい。
【0064】
正極板、負極板、セパレータ、電解質等に関しては、公知の材料を用いることができる。
【符号の説明】
【0065】
100・・・角形二次電池
200・・・電池ケース
1・・・角形外装体
2・・・封口板
3・・・電極体
4・・・正極板
4a・・・正極芯体
4b・・・正極活物質層
5・・・負極板
5a・・・負極芯体
5b・・・負極活物質層
6・・・正極集電体
6a・・・ベース部
6b・・・リード部
6c・・・リブ
6d・・・凹部
6e・・・薄肉部
6x・・・凹凸形成部
7・・・正極端子
7a・・・鍔部
8・・・負極集電体
8a・・・ベース部
8b・・・リード部
8c・・・リブ
8x・・・凹凸形成部
9・・・負極端子
9a・・・鍔部
10・・・内部側絶縁部材
11・・・外部側絶縁部材
12・・・内部側絶縁部材
13・・・外部側絶縁部材
14・・・絶縁シート
15・・・ガス排出弁
16・・・電解質注液孔
17・・・封止部材
40・・・正極芯体積層部
41・・・接合部
41x・・・芯体側凹凸形成部
50・・・負極芯体積層部
90・・・ホーン
90a・・・ホーン突起
91・・・アンビル
91a・・・アンビル突起
106、206・・・正極集電体
106b、206b・・・リード部
106c、206c・・・リブ
106d・・・凹部
106e、206e・・・薄肉部
206d・・・外面側凹部
206f・・・内面側凹部
106x、206x・・・凹凸形成部
45・・・中央層
46・・・接合層