(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/36 20060101AFI20221215BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20221215BHJP
【FI】
G06F11/36 184
G07B15/00 B
G06F11/36 188
(21)【出願番号】P 2019015668
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】593092482
【氏名又は名称】JR東日本メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和雄
(72)【発明者】
【氏名】今塚 勝雄
(72)【発明者】
【氏名】室田 智也
(72)【発明者】
【氏名】山田 知行
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-293711(JP,A)
【文献】特開2013-125420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/36
G06F 11/07
G07B 15/00
G06Q 50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改集札機の機能に関する複数の設定項目が分割された複数の区分それぞれについて、区分に含まれる設定項目の設定値の決定条件の選択に用いられる選択画面への入力に基づいて、1つ以上の前記決定条件を選択する選択手段と、
前記選択手段により前記複数の区分それぞれについて選択された1つ以上の前記決定条件に応じて、区分ごとに設定項目の設定値のパターンを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたパターンに基づいて、前記複数の設定項目の設定値のパターンを、前記機能の検証に用いられる検証データとして生成する第1の生成手段と、
を有し、
前記決定手段は、前記複数の区分のうち、前記選択手段により直交表を用いて設定値を決定することを示す条件が前記決定条件として選択された区分については、前記条件に対応する予め定められた直交表を用いて、設定項目の設定値のパターンを決定する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記複数の区分のうち、前記選択手段によりユーザからの指定に基づいて設定値を決定することを示す条件が前記決定条件として選択された区分については、ユーザからの指定に基づいて、設定項目の設定値のパターンを決定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択画面を介して前記検証の項目が選択された場合、前記選択画面に対して、選択された前記検証の項目に応じた前記決定条件の初期値を入力する入力手段を更に有する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記改集札機それぞれの前記機能に関する複数の処理手段と、
前記第1の生成手段により生成された前記検証データの前記複数の処理手段それぞれへの入力に応じて、前記複数の処理手段それぞれから出力される出力データに基づいて、前記複数の改集札機の前記機能を検証する検証手段と、
を更に有する請求項1乃至3何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の生成手段により生成された前記検証データを、前記複数の処理手段それぞれに対して入力可能な形式に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段により前記複数の処理手段それぞれに対して入力可能な形式に変換された前記検証データが前記複数の処理手段それぞれに入力されたことに応じて前記複数の処理手段それぞれから出力される出力データそれぞれを、共通の形式に変換する第2の変換手段と、
を更に有し、
前記検証手段は、前記第2の変換手段により変換された出力データに基づいて、前記複数の改集札機の前記機能を検証する請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の生成手段により生成された複数の前記検証データそれぞれの前記複数の処理手段それぞれへの入力に応じて、前記複数の処理手段それぞれから出力される複数の出力データそれぞれに基づいて、前記複数の前記検証データそれぞれについて、前記複数の改集札機の前記機能を検証する請求項4又は5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の生成手段により生成された前記検証データの前記複数の処理手段それぞれへの入力に応じて、前記複数の処理手段それぞれから出力される出力データに基づいて、前記機能の検証に用いられる検証データを生成する第2の生成手段を更に有する請求項4乃至6何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の改集札機それぞれの機能に関する複数の処理手段を含む情報処理装置であって、
前記複数の改集札機それぞれの前記機能の検証に用いられる検証データを、前記複数の処理手段それぞれに対して入力可能な形式に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段により前記複数の処理手段それぞれに対して入力可能な形式に変換された前記検証データが前記複数の処理手段それぞれに入力されたことに応じて前記複数の処理手段それぞれから出力される出力データそれぞれを、共通の形式に変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段により変換された前記出力データに基づいて、前記複数の改集札機の前記機能を検証する検証手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
改集札機の機能に関する複数の設定項目が分割された複数の区分それぞれについて、区分に含まれる設定項目の設定値の決定条件の選択に用いられる選択画面への入力に基づいて、1つ以上の前記決定条件を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで前記複数の区分それぞれについて選択された1つ以上の前記決定条件に応じて、区分ごとに設定項目の設定値のパターンを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定されたパターンに基づいて、前記複数の設定項目の設定値のパターンを、前記機能の検証に用いられる検証データとして生成する生成ステップと、
を含み、
前記決定ステップでは、前記複数の区分のうち、前記選択ステップで直交表を用いて設定値を決定することを示す条件が前記決定条件として選択された区分については、前記条件に対応する予め定められた直交表を用いて、設定項目の設定値のパターンを決定する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至7何れか1項記載の情報処理装置の各手段として、機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道等の改集札システムにおいて、単純な入出場の可否判断だけでなく、様々な処理を複合した複雑な改集札判定処理が行われている。例えば、定期券にストアードフェア(SF:プリペイド機能のこと)機能が付加された乗車券を利用した自動精算、SF料金の自動補充(AC:オートチャージ)が行われている。特許文献1には、ICカードの定期券の有効期間切れを利用者に報知し、定期券の有効期間が切れている場合ストアードフェアデータに基づいて、入出場処理を行う技術が開示されている。
また、改集札機の利用情報は、鉄道会社だけでなく、クレジットカード会社等との共有される場合もあり、高度な処理の正確性が求められている。
構築したシステムの仕様適合の検証においては、複数の設定項目の設定値の組み合わせ(パターン)が用いられるが、全てのパターンについて、検証するとなると、膨大な回数の検証が必要となり、処理の負担が過大となる。
そこで、膨大な数のパターンから代表的なパターンを生成して、生成されたパターンについて、実機、実媒体を利用した検証が実施されている。例えば、改札機を横浜駅出場機設定とし、新宿・鶴見間の定期で、新宿で入場した場合の、出場の可否判定、SF料金の引き去り額等の処理結果データが正しいか、作成した期待値と比較して検証が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、改集札機の機能の検証においては、検証に用いられる複数の設定項目についての代表的な設定値のパターンを生成したり、検証対象の改集札機それぞれに対して検証データを入力し結果のデータを取得したりするのに手間がかかっていた。
本発明は、改集札機の機能の検証にかかる手間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の情報処理装置は、改集札機の機能に関する複数の設定項目が分割された複数の区分それぞれについて、区分に含まれる設定項目の設定値の決定条件の選択に用いられる選択画面への入力に基づいて、1つ以上の前記決定条件を選択する選択手段と、前記選択手段により前記複数の区分それぞれについて選択された1つ以上の前記決定条件に応じて、区分ごとに設定項目の設定値のパターンを決定する決定手段と、前記決定手段により決定されたパターンに基づいて、前記複数の設定項目の設定値のパターンを、前記機能の検証に用いられる検証データとして生成する第1の生成手段と、を有し、前記決定手段は、前記複数の区分のうち、前記選択手段により直交表を用いて設定値を決定することを示す条件が前記決定条件として選択された区分については、前記条件に対応する予め定められた直交表を用いて、設定項目の設定値のパターンを決定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、改集札機の機能の検証にかかる手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、従来の検証の仕組みの一例を説明する図である。
【
図2】
図2は、検証装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、検証装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、検証データの生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、決定条件の選択結果の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、直交表を用いて設定値の決定処理の一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、直交表を用いて設定値の決定処理の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本実施形態の例における検証装置200は、複数の異なる改集札機の機能を検証する処理を行う。本実施形態では、検証装置200がそれぞれ異なる3つの会社(A社、B社、C社)が提供する改集札機の機能を検証する処理について説明する。本実施形態では、これらの改集札機は、鉄道等で利用される改集札機である。
図1は、従来行われていた改集札機の機能の検証の仕組みの一例を説明する図である。
従来、予め生成された検証データを、各社の改集札機に実際の利用媒体を用いたり、装置に直接入力可能な形式に変換したりした上で、各社の改集札機に入力し、各社の改集札機から出力された処理結果を突き合わせて確認(突合)可能な形式に変換した上で、比較検証していた。各社の改集札機から出力されたデータが一致すれば、検証データに対して各社の改集札機の機能が、3社が一様に同じ間違いを発生させている場合を除き、正常に働いていると検証できることとなる。
検証データは、鉄道の利用条件、ICカード等の媒体、改集札機等に関する複数の設定項目についての設定値のパターンのデータである。ここでパターンとは、複数の設定項目についての設定値の組み合わせの1つ1つのことである。鉄道の利用条件に関する設定項目には、乗車駅、降車駅等がある。ICカードに関する設定項目には、プリペイド額、オートチャージ額、オートチャージ実行金額、定期開始時点、定期終了時点、定期出発駅、定期到着駅等がある。改集札機に関する設定項目には、利用日時、配置駅等がある。
【0009】
従来は、予め生成された各設定項目の設定値の代表的なパターンを検証データとして、検証が行われていた。しかし、このような代表的なパターンのみの検証では、不十分な検証しかできない場合がある。また、鉄道の利用パターンに応じて各種情報の設定をした上で、出力される期待値を作成する必要があるため、検証データ生成には手間がかかっていた。ここで、期待値とは、検証データが入力される際に出力される出力データの予想値である。そこで、本実施形態では、検証装置200は、より効率的に、より適切な検証データを生成するための処理を行う。
また、従来は、各社の改集札機に対して外部から検証データを入力して、検証データの入力に応じて各社の改集札機から出力される処理結果のデータを取得して、外部の装置等で突合が行われていた。このように、従来、各社の改集札機に対して外部から検証データを入力や、処理結果の吸い上げに手間がかかっていた。そこで、本実施形態では、検証装置200は、各社の改集札機そのものとの間での情報の入出力を行わずに検証を行う。
【0010】
図2は、検証装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。検証装置200は、改集札機の機能の検証を行う情報処理装置であり、本実施形態では、パーソナルコンピュータ(PC)であるとする。ただし、他の例として、検証装置200は、サーバ装置、タブレット装置等の他の情報処理装置であってもよい。
検証装置200は、CPU201、主記憶装置202、補助記憶装置203、入力部204、出力部205、ネットワークI/F206を含む。各要素は、システムバス207を介して、相互に通信可能に接続されている。
CPU201は、検証装置200を制御する中欧演算装置である。主記憶装置202は、CPU201のワークエリア、データの一時的な記憶領域として機能するRandom Access Memory(RAM)等の記憶装置である。補助記憶装置203は、各種プログラム、各種設定情報、各種表示画面等を記憶する記憶装置である。補助記憶装置203は、Read Only Memory(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等である。
【0011】
入力部204は、検証装置200への情報の入力に用いられるマウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド等の入力装置である。出力部205は、検証装置200からの情報の出力に用いられるモニタ、タッチパネルの表示部、スピーカ等の出力装置である。ネットワークI/F206は、外部の装置との間でのインターネット、LAN等のネットワークを介した通信に用いられるインターフェースである。
CPU201が補助記憶装置203に記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することで、
図3で後述する機能、
図4で後述するフローチャートの処理等が実現される。
【0012】
図3は、検証装置200の機能構成の一例を示す図である。
検証装置200は、生成部310、判定制御部320、I/F部330、A社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360、突合部370、出力制御部380を含む。
生成部310は、A~C社それぞれの改集札機の機能の検証に用いられる検証データを生成する。
判定制御部320は、生成部310により生成された検証データをA社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360それぞれに入力し、共通の形式の処理結果のデータを取得する。
【0013】
I/F部330は、A社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360それぞれと、判定制御部320と、の間で入出力が行われるデータの形式を調整する。I/F部330は、A社I/F部331、B社I/F部332、C社I/F部333を含む。
A社I/F部331~C社I/F部333それぞれは、生成部310により生成された検証データを、対応する判定ソフトに入力可能な形式に変換し、変換した検証データを対応する判定ソフトに入力する。そして、A社I/F部331~C社I/F部333それぞれは、検証データの入力に応じて対応する判定ソフトから出力される出力データ(処理結果のデータ)を、予め定められた形式に変換して、判定制御部320に返す。
A社判定ソフト340~C社判定ソフト360は、それぞれA~C社の所有する改集札機に含まれるソフトウェアであって、予め定められた機能を有するソフトウェアである。本実施形態では、この予め定められた機能は、料金の正当性、定期期間等を判定する機能、及び、判定処理結果に応じて出力データを作成する機能とする。以下では、料金の正当性、定期期間等を判定する機能と、判定処理結果に応じて出力データを作成する機能と、を合せて判定機能とする。A社判定ソフト340~C社判定ソフト360それぞれは、判定機能に関する処理手段の一例である。
【0014】
A社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360それぞれの違いと、I/F部330の処理の概要と、について説明する。
従来、複数の会社の改集札機において、ICカード等の媒体と情報の入出力を行う媒体処理ユニット(R/W)は、共通のものが使用されていた。そのため、R/Wにおける情報入出力に係る処理については、同じ手順の処理として標準化されていた。
しかしながら、判定機能等の機能に関しては、判定機能、改札機制御機能、上位通信機能等について各社独自に設計がされていた。改札機制御機能とは、改札の扉を制御する機能である。上位通信機能とは、改集札機を制御する上位の管理装置との間の通信を制御する機能である。そのため、機能の明確な区別がされておらず、各機能を有する単一のソフトウェアが必ずしも存在するわけではなく、各社の改集札機について、単純に判定機能のみを行うソフトウェアを切り出すということができない場合があった。
【0015】
本実施形態の例では、A社~C社の改集札機のソフトウェアであるA社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360の機能がそれぞれ異なっている。本実施形態では、A社の改集札機は、判定機能を独立して実現するソフトウェアとして、A社判定ソフト340を含む。B社の改集札機は、上位通信機能と改札機制御機能と判定機能とを一体として実現するソフトウェアとして、B社判定ソフト350を含む。また、C社の改集札機は、改札機制御機能と判定機能とを一体として実現するソフトウェアとして、C社判定ソフト360を含む。したがって、各社の改集札機における判定機能のみを有するソフトウェアのみを検証に用いることができないこととなる。
また、各社の判定機能を有するソフトウェアを検証するために、各社の改集札機の判定機能を有するソフトウェアの内容を検証システムに適合させるように修正して、検証システムに組み込むことが考えられる。しかし、不具合発生時の原因が、改集札機のソフトウェアなのか、検証システムに組み込んだ際のソフトウェアへの変更による影響なのか、原因が不明確となるという問題がある。
そこで、本実施形態では、補助記憶装置203は、A社~C社の改集札機それぞれの判定機能を有するソフトウェア(A社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360)のプログラムを、変更を加えない形式で、予め記憶する。そして、CPU201は、このプログラムにしたがって処理を実行することで、これらのソフトウェアを実現する。これらのソフトウェアそれぞれは、各社独自の仕様で設計されており、情報の入力、出力に関する内部処理手順に差異がある。
【0016】
そこで、検証装置200は、I/F部330を介して、各社のソフトウェアとの間での情報の入出力を行うことで、この処理手順の差異を吸収することとする。I/F部330は、例えば、上位通信機能を持つソフトウェアに対しては、そのソフトウェアを含む改集札機に入力可能な形式で、検証データを入力する。また、I/F部330は、例えば、上位通信機能を持たないソフトウェアに対しては、そのソフトウェアに入力可能な形式に変換した上で検証データを入力する。また、処理結果として、ドア動作やランプ点灯等に関する処理結果のデータが含まれる場合、I/F部330は、それらのデータをマスクして利用しなくすることで、各種改集札機動作との連携を無視できるようにする。
このようにすることで、検証装置200は、各社の改集札機で利用されている判定ソフトをそのまま用いて、各社の改集札機の判定機能を検証できる。これにより、検証装置200は、各社の改集札機の判定ソフトを変更する場合に比べて、不具合の発生の原因が不明となる事態を防止できる。また、検証の際に、実際に各社の改集札機に対して外部から検証データの入力、処理結果の吸い上げを行う必要がないため、検証装置200は、検証にかかる手間を軽減できる。
【0017】
図3の説明に戻る。
突合部370は、判定制御部320により取得されたA社判定ソフト340~C社判定ソフト360それぞれから出力された処理結果のデータを、比較し、照合することで突合する。より具体的には、突合部370は、処理結果のデータ全てが一致する場合、A社判定ソフト340~C社判定ソフト360それぞれが、検証データに対して適切な処理ができたと検証する。また、突合部370は、処理結果のデータに一致しないデータが含まれる場合、A社判定ソフト340~C社判定ソフト360のうちの何れか1つ以上が、検証データに対して適切な処理ができていないと検証する。
出力制御部380は、突合部370による突合の結果を出力する。本実施形態では、出力制御部380は、突合部370による突合の結果を、出力部205のモニタに表示することで出力する。ただし、他の例として、出力制御部380は、外部の表示部に表示するよう制御することで出力してもよいし、突合部370による突合の結果を補助記憶装置203に記憶することで出力してもよいし、予め定められた送信先に送信することで出力してもよい。
【0018】
本実施形態の処理の概要について説明する。
本実施形態の例では、判定機能の検証に用いられる複数の設定項目が分割された複数の区分が予め定められている。より具体的には、複数の設定項目は、それぞれ独立して設定可能な設定項目の区分として、分割されている。独立して設定できる項目には、利用における入場駅、出場駅や、定期利用区間、オートチャージの実行設定等がある。以下では、複数の設定項目が分割された区分を、設定区分とする。
例えば、定期を利用した鉄道の利用では、A駅、B駅間の定期を持った利用者が、A駅入場、B駅出場すると、定期のみの利用として判断される。C駅出場とすると、A駅、B駅間は定期利用となり、B駅、C駅間はSF利用と判断して、判定処理が実施される。これら、入場駅、出場駅、定期利用区間それぞれは、相互に依存しておらず、検証データ作成時に、独立して設定が可能な設定項目である。
また、オートチャージのサービスでは、SF(ストアードフェア)利用により利用後の残額がオートチャージ実行金額を下回った場合、設定した金額がクレジットカード等から積み増しされる。オートチャージの実行金額、積み増し金額の設定項目は、利用客により希望値が設定できるようになっている。これらの設定項目も、他の設定項目とは独立して設定できる。
【0019】
各設定区分の情報(各設定区分にどの設定項目が含まれるかを示す情報)は、予め補助記憶装置203に記憶されている。検証装置200は、補助記憶装置203に記憶された各設定区分の情報を用いる。
本実施形態では、検証装置200は、各設定区分に含まれる設定項目の設定値の決定条件の指定を受付ける。決定条件とは、対応する設定区分に含まれる設定項目の設定値それぞれをどのように決定するかを示す条件である。検証装置200は、各設定区分について、指定された決定条件に対応する方法で、設定区分に含まれる設定項目の設定値を決定する。これにより、検証装置200は、全ての設定項目についての設定値のパターンを、検証データとして取得する。検証装置200は、取得した検証データをA社判定ソフト340~C社判定ソフト360に入力し、出力された処理結果のデータに基づいて、各社の改集札機の判定機能の検証を行う。
【0020】
図4を用いて、検証装置200の検証データの生成処理の詳細を説明する。
S401において、生成部310は、出力部205のモニタに、各設定区分についての決定条件の選択に用いられる選択画面を表示する。本実施形態では、生成部310は、S401で、
図5に示す選択画面500を表示する。
選択画面500は、ボタン群501、タブ502、ボタン群503、領域504、領域505、領域506、ボタン507を含む。
【0021】
ボタン群501は、検証データが、どの項目の検証に用いられるかの指定に用いられる複数のボタンである。ボタン群501のボタンそれぞれは、検証の項目に対応している。
タブ502それぞれは、決定条件の選択を行う設定区分の種類に対応するタブである。生成部310は、選択されたタブ502に対応する設定区分についての決定条件の選択に用いられる情報を表示する。
ボタン群503それぞれは、対応する設定区分についての決定条件の選択に用いられるボタン群である。ボタン群503のボタンそれぞれは、選択肢となる決定条件に対応している。本実施形態では、選択肢となる決定条件には、予め定められた値を設定値に決定する条件を示す「標準」、
図7、8、S406等で後述する直交表を用いて設定値を決定する条件を示す「割振」、設定値を指定して決定する条件を示す「個別設定」の3種類がある。
領域504は、実行される検証の項目が表示される領域である。生成部310は、ユーザにより入力部204を介して、入力された項目名を領域504に表示する。領域505は、選択された決定条件で生成された検証データ(設定値のパターン)の数が表示される領域である。領域506は、備考、メモ等の付加情報が入力される領域である。ボタン507は、選択された決定条件で生成された検証データの保存を指示するためのボタンである。
【0022】
生成部310は、入力部204を介して、ユーザによるS401で表示した選択画面500への入力を受付ける。より具体的には、生成部310は、ボタン群501から1つのボタンの選択を受付ける。
また、本実施形態では、検証の項目毎に、各設定区分についての決定条件の初期値が予め定められており、この初期値の情報が予め補助記憶装置203に記憶されている。生成部310は、ボタン群501から選択されたボタンに対応する検証項目に応じて、ボタン群503それぞれについて、予め定められた決定条件の初期値に対応するボタンに対してチェックを入力する。これにより、検証装置200は、ユーザによる入力の手間を軽減し、利便性を向上できる。ボタン群501を用いて選択された検証項目ごとに、各設定区分について、決定条件が選択された様子を、
図6に示す。
ただし、他の例として、生成部310は、ボタン群503それぞれについて、ボタン群503から1つのボタンの選択をユーザから受付けてもよい。また、生成部310は、検証項目の選択に応じてボタン群503それぞれについて、決定条件の初期値に対応するボタンを選択した後で、ボタン群503について、ボタンの選択を改めてユーザから受付けてもよい。これにより、ユーザは、初期値から調整したい部分について調整することができるようになる。
本実施形態では、ボタン群503それぞれにおいて、複数のボタンに対してチェックを入力することが可能である。即ち、あるボタン群503について、複数のボタンにチェックが入力される(複数の決定条件が選択される)場合がある。
【0023】
S402において、生成部310は、選択画面500のボタン群503それぞれについて選択されたボタンに基づいて、各設定区分についての決定条件を選択する。生成部310は、複数のボタンが選択されているボタン群503については、選択された複数のボタンに対応する複数の決定条件を、対応する設定区分についての決定条件として選択する。
S403において、生成部310は、S402で決定条件を選択した複数の設定区分から1つの設定区分を選択する。以下では、S403で選択された設定区分を選択区分とする。
S404において、生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「標準」の決定条件が含まれるか否かを判定する。生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「標準」の決定条件が含まれると判定した場合、処理をS405に進め、含まれないと判定した場合、処理をS406に進める。
S405において、生成部310は、選択区分に含まれる各設定項目の設定値を予め定められた値として、選択区分に含まれる各設定項目の設定値のパターンを決定する。
S406において、生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「割振」の決定条件が含まれるか否かを判定する。生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「割振」の決定条件が含まれると判定した場合、処理をS407に進め、含まれないと判定した場合、処理をS408に進める。
【0024】
S407において、生成部310は、選択区分に含まれる各設定項目の設定値のパターンを、選択区分について選択された決定条件に対応する予め定められた直交表に基づいて決定する。この予め定められた直交表は、補助記憶装置203に予め記憶されているとする。生成部310は、補助記憶装置203からこの直交表を取得し、用いる。
ここで、S407の処理の詳細について説明する。
まず、直交表について説明する。直交表とは、各種設定、定量的入力情報に対して、物理的・定量的な出力結果が得られる系において、最適な出力を得るための条件選定の評価に使われるツールである。より具体的には、直交表は、複数の因子について各因子が取り得る値(水準)の組み合わせを示す表であり、任意の2因子について、その水準の全ての組合せが現れされている表である。また、直交表に示される水準の組み合わせの個数は、水準の全ての組み合わせの個数以下である。また、直交表に含まれる因子の個数が3つ以上である場合、直交表に示される水準の組み合わせの個数は、水準の全ての組み合わせの個数よりも少ない個数である。
本実施形態では、検証装置200は、定量的な物理量とは異なる複数の設定項目について、直交表を用いて、設定値を決定する。
【0025】
図7を用いて、直交表を用いた設定値の決定処理について説明する。
図7の下部には、直交表の一例が示されている。以下では、この直交表を、L4直交表とする。L4直交表は、3つの因子に対応する表である。各因子は、2つの値(水準)である1と2とのうちの何れかを取り得る。
因子1~3のうちの2つの組み合わせは、(因子1、因子2)、(因子1、因子3)、(因子2、因子3)の3つがある。この3つの組み合わせそれぞれについて、水準の組み合わせは、(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)の4つがある。
L4直交表を確認すると、(因子1、因子2)、(因子1、因子3)、(因子2、因子3)の3つの因子の組み合わせそれぞれについて、(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)の4つの水準の組み合わせが全て網羅されていることが分かる。
【0026】
選択区分に含まれる設定項目が、「設定1」、「設定2」、「設定3」であるとする。そして、各設定項目が取り得る値は、「入」と「切」との2つであるとする。
図7の左上の表が示すように、「設定1」、「設定2」、「設定3」の値の組み合わせは、2の3乗で8通りとなる。
生成部310は、L4直交表における因子1~3それぞれを、「設定1」、「設定2」、「設定3」に付け替える。また、生成部310は、L4直交表における1、2それぞれを、「入」、「切」に付け替える。これにより、生成部310は、選択区分の設定項目の設定値の4通りのパターンを生成する。
図7の右上の表は、生成された4つのパターンを示す表である。
生成部310は、因子1~3全体の8通りのパターンを4通りに絞り込んだこととなる。生成部310は、この絞り込んだ4通りのパターンを、検証データにおける「設定1」、「設定2」、「設定3」の設定値のパターンとして決定する。
【0027】
本実施形態では、生成部310は、直交表を用いて、何れの2つの設定項目の組み合わせについても、全ての設定値の組み合わせを網羅するように、選択区分の設定項目の設定値を決定する。これにより、生成部310は、2つの設定項目の組み合わせについて全ての場合を検証可能な検証データを生成できる。
このように、生成部310は、選択区分の設定項目について、網羅的に検証データを生成することができる。
本実施形態では、生成部310は、「割振」の決定条件が選択された設定区分ごとに、設定項目の設定値を、直交表を用いて求めることとなる。
【0028】
図8を用いて、もう一例、直交表を用いた設定値の決定処理について説明する。
図8の右下部には、直交表の一例が示されている。以下では、この直交表を、L12直交表とする。L12直交表は、6つの因子に対応する表である。因子1は、4つの水準である1と2と3と4とのうちの何れかを取り得る。また、因子2~6それぞれは、2つの水準である1と2とのうちの何れかを取り得る。
因子1~6のうちの2つの組み合わせは、6C
2である15通りある。この15通りの組み合わせのうち、因子1と他の因子との組み合わせについての水準の組み合わせは、(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)、(3、1)、(3、2)、(4、1)、(4、2)の8つがある。また、因子1以外の因子同士の組み合わせについての水準の組み合わせは、(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)の4つがある。
L12直交表を確認すると、因子の組み合わせそれぞれについての水準の組み合わせが全て網羅されていることが分かる。
【0029】
図8の例では、選択区分に含まれる設定項目は、「不正回数」、「不正SW1」、「不正SW2」、「繰返し入場SW1」、「繰返し入場SW2」、「不正警告SW」である。そして、「不正回数」の設定項目が取り得る値は、「0」、「1」、「2」、「3」の4つである。また、その他の設定項目が取り得る値は、「入」と「切」との2つである。各設定項目の設定値の組み合わせは、4×2
5=128通りとなる。
生成部310は、L12直交表における因子1~6それぞれを、「不正回数」、「不正SW1」、「不正SW2」、「繰返し入場SW1」、「繰返し入場SW2」、「不正警告SW」に付け替える。また、生成部310は、L12直交表における因子1についての1、2、3、4それぞれを、「0」、「1」、「2」、「3」に付け替える。また、生成部310は、L12直交表における因子2~6についての1、2それぞれを、「入」、「切」に付け替える。これにより、生成部310は、選択区分の設定項目の設定値の12通りのパターンを生成する。
図8の右上の表は、生成された12個のパターンを示す表である。
生成部310は、因子1~6全体の128通りのパターンを12通りに絞り込んだこととなる。生成部310は、この絞り込んだ12通りのパターンを、検証データにおける「不正回数」、「不正SW1」、「不正SW2」、「繰返し入場SW1」、「繰返し入場SW2」、「不正警告SW」の設定値のパターンとして決定する。
【0030】
図4の説明に戻る。
S408において、生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「個別設定」の決定条件が含まれるか否かを判定する。生成部310は、選択区分についてS402で決定された決定条件に、種類「個別設定」の決定条件が含まれると判定した場合、処理をS409に進め、含まれないと判定した場合、処理をS410に進める。
S409において、生成部310は、選択区分の設定項目の設定値を、ユーザにより入力部204を介して指定された値にした場合の選択区分の設定項目の設定値のパターンを決定する。より具体的には、生成部310は、出力部205に設定値の入力を受付ける画面を表示し、ユーザに提示する。そして、生成部310は、ユーザにより入力部204を介してその画面に入力された値を、選択区分の設定項目の設定値として、選択区分の設定項目の設定値のパターンを決定する。
これにより、検証装置200は、ユーザが所望する検証データを生成することができ、より利便性を向上できる。
S410において、生成部310は、S405、S407、S409の処理のうち選択区分について実行した全ての処理において決定したパターン全てを、選択区分における設定項目の設定値のパターンとして決定する。
S411において、生成部310は、設定区分の全てについてS403で選択区分として選択したか否かを判定する。生成部310は、設定区分の全てについてS403で選択区分として選択したと判定した場合、処理をS412に進め、S403で選択区分として選択していない設定区分があると判定した場合、処理をS403に進める。
【0031】
S412において、生成部310は、S410で決定した各設定区分の設定項目の設定値のパターン同士を組み合わせて、全ての設定区分の設定項目の設定値のパターンのデータを、検証データとして生成する。そして、生成部310は、生成した検証データの個数を、領域505に表示する。そして、生成部310は、ボタン507の選択を検知したことに応じて、生成した検証データを補助記憶装置203に記憶し、保存する。
例えば、設定区分が設定区分1、設定区分2、設定区分3の3つであり、設定区分1について「標準」の決定条件と「割振り」の決定条件との2つが選択され、設定区分2について「割振」の決定条件1つが選択され、設定区分3について「割振」の決定条件1つが選択されたとする。そして、設定区分1についてのS405の処理で設定項目の設定値のパターンが予め定められた1通りのパターンが決定され、設定区分1についてのS407の処理で、直交表に基づいて4通りのパターンが決定されたとする。また、設定区分2についてのS407の処理で、直交表に基づいて12通りのパターンが決定されたとする。また、設定区分3についてのS407の処理で、直交表に基づいて4通りのパターンが決定されたとする。この場合、S412で生成される検証データの数は、設定区分1についてのパターン(1+4)×設定区分2についてのパターン(12)×設定区分3についてのパターン(4)=240個となる。
【0032】
以上の処理により、検証データが生成される。
検証装置200は、
図4の処理で検証データを生成した後に、生成した検証データを用いて、検証を行う。より具体的には、判定制御部320は、I/F部330を介して、検証データをA社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360それぞれに入力し、共通の形式の処理結果のデータを取得する。そして、突合部370は、判定制御部320により取得されたA社判定ソフト340~C社判定ソフト360それぞれから出力された処理結果のデータを、比較し、照合する。そして、出力制御部380は、突合部370による突合の結果を出力する。
【0033】
従来、改集札機の設定に手間がかかるため、改集札機の判定や稼働に係る各種設定項目の設定をした上で、媒体を実機にかざし、処理結果を得て検証が行われていた。シミュレータを用いる場合も、改集札機の設定と媒体の設定とを個別の情報として持ち、改集札機の設定を行った上で、媒体の判定処理が行われていた。例えば、改集札機の配置駅の設定項目の設定値を新宿駅とした上で、様々な区間・期間の定期を利用した結果、どのような処理結果となるかを検証するという検証方法である。
本実施形態で生成された複数の検証データそれぞれについて検証を行う場合、改集札機についての設定項目の設定値が、検証データごとに細かく変動してしまうため、検証データごとに設定値を変更させることで、処理に時間がかかってしまう場合がある。そこで、本実施形態では、検証装置200は、検証処理において、検証データに含まれる改集札機についての設定項目のデータと、乗降情報についての設定項目のデータと、を先に、各社の判定ソフトに入力し、機器設定・乗降情報設定を行う。そして、検証装置200は、その後に、検証データに含まれる媒体についての設定項目のデータを、各社の判定ソフトに入力し、処理結果を取得するようにする。
また、検証装置200は、指定された検証データについての検証が指示された場合、指定された検証データについて、検証を行い、検証結果を出力する。また、検証装置200は、複数の検証データについてまとめて検証が指示された場合、複数の検証データそれぞれについて、順次、検証を行い、複数の検証データそれぞれについての検証の結果を出力する。
【0034】
各社の判定ソフトから判定結果として出力されるデータは、入力された検証データが示す設定の媒体が改集札機を通過した場合における媒体の設定、改集札機の設定等の検証データに含まれるデータと同様の種類のデータとなる。そのため、各社の判定ソフトから出力された出力データには、入力される検証データと同じ種類のデータが含まれる場合がある。
そこで、検証装置200は、
図4の処理で生成された検証データを用いた各社の判定ソフトの検証を行う際に、検証データの入力に応じて各社の判定ソフトからを出力されるデータを用いて、新たに検証データを生成してもよい。
例えば、生成部310は、検証データの入力に応じて各社の判定ソフトからを出力され、共通の形式に変換されたデータが検証データと同じ形式のデータである場合、出力され変換されたデータを新たな検証データとして生成してもよい。また、生成部310は、検証データの入力に応じて各社の判定ソフトからを出力されるデータに、検証データに含まれる種類のデータが存在する場合、その部分のデータに、検証データの他の部分のデータを追加することで、新たな検証データを生成してもよい。例えば、生成部310は、判定ソフトから出力されたデータに含まれる媒体の設定のデータをそのまま用いて、改札機の設定のみを追加することで、新たな検証データを生成する。
これにより、検証装置200は、更に効率的に検証データを生成することができ、検証データの生成の手間を更に削減できる。
【0035】
以上、本実施形態では、検証装置200は、検証についての複数の設定項目の設定値を、設定区分ごとに、選択された決定条件に応じて決定した。検証装置200は、直交表を用いて決定することを示す決定条件「割振」が選択された選択区分について、直交表を用いて、設定値を決定した。これにより、検証装置200は、選択区分の設定項目について設定値の組み合わせにおいて、効率的、網羅的に検証データを作成することが実現する。即ち、検証装置200は、検証データの生成に係る手間を軽減できる。
また、本実施形態では、検証装置200は、A~C社それぞれが所有する改集札機のソフトウェアであるA社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360を含む。検証装置200は、それぞれのソフトウェアに入力可能な形式に変換した上で、検証データを、A社判定ソフト340、B社判定ソフト350、C社判定ソフト360それぞれに入力し、処理結果を取得する。そして、検証装置200は、取得した処理結果を共通の形式に変換した上で、突合を行い各社の改集札機の機能の検証を行った。これにより、検証装置200は、A~C社それぞれが所有する改集札機に対して、外部から検証に係るデータの入出力を行うことなく、各社の改集札機の機能の検証を行うことができる。即ち、検証装置200は、A~C社それぞれが所有する改集札機に対して、外部から検証に係るデータの入出力を行う手間を軽減できる。
【0036】
本実施形態では、検証装置200は、A~C社の3社の改集札機の機能の検証を行うこととした。ただし、他の例として、検証装置200は、4社以上の改集札機、又は、改集札機相当の判定処理をする装置の機能の検証を行うこととしてもよいし、2社の改集札機、又は、改集札機相当の判定処理をする装置の機能の検証を行うこととしてもよい。
また、本実施形態では、検証装置200は、選択画面を出力部205のモニタに表示し、選択画面への入力を、入力部204を介して受け付けることとした。ただし、他の例として、検証装置200は、検証装置200とネットワークを介して接続された外部の情報処理装置の表示部に選択画面を表示するよう制御してもよい。また、その場合、検証装置200は、その外部の情報処理装置から、その情報処理装置の入力部を介して選択画面へ入力された情報を受付けるようにしてもよい。
【0037】
<その他の実施形態>
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した検証装置200の機能構成の一部又は全てをハードウェアとして検証装置200に実装してもよい。
【符号の説明】
【0038】
200 検証装置、201 CPU