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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/40 20190101AFI20221215BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20221215BHJP
【FI】
G07D11/40
G07D11/16
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019100582
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020194437
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 拓郎
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-49026(JP,A)
【文献】特開2018-200561(JP,A)
【文献】実開昭60-164268(JP,U)
【文献】特開2006-120007(JP,A)
【文献】国際公開第2010/095235(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00-11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される媒体を処理する媒体処理装置であって、
前記媒体を搬送するための回転体と、
前記回転体を配置するための貫通孔を有し、前記回転体により搬送される前記媒体をガイドするガイド部と、
前記ガイド部の内面側に配置され、前記回転体と接触しないように前記回転体と所定の間隔を隔てて配置されている遮音部材と、
を備える媒体処理装置。
【請求項2】
前記回転体は、前記媒体処理装置の外側から視認できるように配置され、
前記遮音部材の面積は、前記回転体を前記媒体処理装置の外側から見た状態において、前記ガイド部の貫通孔の面積よりも大きい、
請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記回転体は、前記媒体処理装置の外側から視認できるように配置され、
前記遮音部材は、前記回転体を前記媒体処理装置の外側から見た状態において、前記ガイド部の貫通孔と重なるように配置されている、
請求項1または2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記遮音部材は、前記媒体処理装置の内部から外部に向かう音を遮るように構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記遮音部材は、前記回転体を覆うように形成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記遮音部材は、
前記回転体の回転軸が延びる方向に延びる第1部分と、
前記回転軸が延びる方向に対して垂直方向に延びる第2部分と、
を備える請求項5に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記第2部分は、前記第1部分の前記回転軸方向の両端に形成され、
前記両端の第2部分は、それぞれ、前記回転軸が通る切欠または孔を備える、
請求項6に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記第1部分と前記第2部分とは一体成形される、
請求項6または7に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記遮音部材は、別体として形成された前記第1部分と前記第2部分とを接続して形成される、
請求項6または7に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記回転体は、媒体を搬送するための羽根車である、
請求項1から9のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項11】
前記回転体は、前記媒体処理装置内に媒体を搬送するためのローラである、
請求項1から9のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項12】
前記遮音部材は、前記媒体処理装置に対して着脱可能である、
請求項1から11のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項13】
前記ガイド部は、検知部が前記媒体を検知するための検知用開口を備え、
前記遮音部材は、前記検知用開口と音源との間に配置される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項14】
前記検知部は、前記遮音部材に固定される、
請求項13に記載の媒体処理装置。
【請求項15】
前記ガイド部は、前記媒体処理装置に対して揺動可能であり、
前記遮音部材は、前記ガイド部が前記媒体処理装置に対して揺動されたとき、前記媒体処理装置の外部からアクセス可能となる、
請求項1から14のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紙葉類収納装置が開示されている。紙葉類処理装置は、例えば、紙幣を所定の位置に積層する羽根車等の回転体を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-194943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
羽根車等の回転体は、搬送される紙幣をガイドするガイド部の貫通孔から、一部、装置外部に露出する。装置内で発生した音は、ガイド部の貫通孔から装置外部に漏れることがあり、騒音となることがある。
【0005】
そこで本開示は、ガイド部の貫通孔から漏れる音を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の媒体処理装置は、搬送される媒体を処理する媒体処理装置であって、前記媒体を搬送するための回転体と、前記回転体を配置するための貫通孔を有し、前記回転体により搬送される前記媒体をガイドするガイド部と、前記ガイド部の内面側に配置され、前記回転体と接触しないように前記回転体と所定の間隔を隔てて配置されている遮音部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ガイド部の貫通孔から漏れる音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る媒体処理部の外観の外面側から見た斜視図である。
図2】媒体処理部の外観を内面側(図1の矢印A1方向)から見た斜視図である。
図3図1および図2のA-A矢視断面図である。
図4】媒体処理部の外観を示した平面図である。
図5】媒体処理部の外観を示した底面図である。
図6】媒体処理部の外観の概略を示した平面図である。
図7】遮音部材の外観を媒体処理部の外面側から見た斜視図である。
図8】遮音部材の外観を媒体処理部の内面側から見た斜視図である。
図9】遮音部材の外観を媒体処理部の内面側から見た別の斜視図である。
図10】媒体処理部の他の例を示した側断面図である。
図11】媒体処理部の別の例を示した側面図である。
図12】第2の実施の形態に係る紙幣処理部の外観を示した斜視図である。
図13】紙幣処理部の内部構造を示した図である。
図14】第3の実施の形態に係る紙幣整理機を示した外観図である。
図15】紙幣整理機の内部構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る媒体処理部1の外観を外面側から見た斜視図である。図2は、媒体処理部1の外観を内面側(図1の矢印A1方向)から見た斜視図である。
【0011】
図1および図2に示す媒体処理部1は、例えば、TCR(Teller Cash Recycler)または紙幣整理機などの貨幣処理装置の出金部に適用される。
【0012】
なお、媒体処理部1の外面側とは、貨幣処理装置に設けられた媒体処理部1により媒体搬送が行われる状態(通常の使用状態)において、媒体処理部1の外部空間側(周辺空間側)の面である。媒体処理部1の内面側とは、外面側の反対側である。すなわち、媒体処理部1の内面側とは、貨幣処理装置に設けられた媒体処理部1により媒体搬送が行われる状態において、媒体処理部1の内部側の面である。
【0013】
また説明の便宜上、適宜、図1図9に示した直交座標系に示した方向を用いて説明を行う。X1及びX2は、それぞれ、後述する回転体11aa~11ad,11ba,11bbの回転軸14が延びる方向における、一端方向及び他端方向を示す。Y1は、媒体処理部1において、回転体11aa~11adが設けられた側であり、Y2は、ガイド部12の支持部12cが設けられた側である。Z1は鉛直方向と反対方向を示し、Z2は鉛直方向を示す。
【0014】
なお、媒体は、例えば、紙幣、商品券、有価証券、または投票用紙等を含む概念である。
【0015】
媒体処理部1は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbと、ガイド部12と、を有している。また、媒体処理部1は、図2の点線枠B1に示すように、内面側に遮音部材13を有している。回転体11aa~11ad,11ba,11bbは、媒体処理装置1の外側から視認できるように配置されている。
【0016】
回転体11aaは羽根車である。回転体11ab,11ac,11adは、回転体11aaと同様の構成を有する羽根車である。
【0017】
回転体11baはローラであり、回転体11bbは回転体11baと同様の構成を有するローラである。回転体11baは、回転体11aaと回転体11abとの間に配置されている。回転体11bbは、回転体11acと回転体11adとの間に配置されている。
【0018】
図1では、4つの回転体11aa~11adと、2つの回転体11ba,11bbとを示しているが、これに限られない。回転体11aa~11adは、3個以下であってもよく、5個以上であってもよい。また、回転体11ba,11bbは、1個であってもよく、3個以上であってもよい。また、媒体処理部1は、回転体11ba,11bbを備えなくてもよい。
【0019】
回転体11aa~11ad,11ba,11bbは、1つの回転軸14に固定されている。すなわち、回転体11aa~11ad,11ba,11bbは、共通の回転軸14を中心に回転する。回転軸14は、例えば、モータ等の駆動部(図示せず)によって、矢印A4の方向に回転することにより、回転体11aa~11ad,11ba,11bbが回転する。
【0020】
ガイド部12は、媒体を繰出す排出口15を有している。回転体11aa~11ad,11ba,11bbは、排出口15の下流に配置されている。なお、下流とは、媒体が搬送される方向において下流という意味である。
【0021】
言い換えると、排出口15には搬送路22(図3参照)が接続されている。搬送路22により搬送されてきた媒体は、排出口15を介し、羽根車である回転体11aa~11adに受け渡される。
【0022】
媒体は、例えば、媒体の長辺を先頭にして、排出口15から繰出される。媒体は、回転体11aa~11adの複数の羽根のうちの隣り合う2つの羽根の間に挟まれるように、排出口15から、回転体11aa~11adに向けて排出される。回転体11aa~11adの2つの羽根に挟まれた媒体は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbの回転により、ガイド部12の底部12bに送り込まれる。
【0023】
なお、回転軸14は、水平方向に平行に延びている。当該水平方向は排出口15から繰出される媒体の長手方向と一致する。以下では、回転軸14の延びている方向を、軸方向と呼ぶことがある。回転軸14の軸方向は、媒体の搬送方向に対し、垂直である。
【0024】
次にガイド部12の詳細構成について説明する。ガイド部12は底部12bを有する。底部12bにおける媒体接触面は、水平方向に対して第1角度傾斜するように構成されている。底部12bに送り込まれた媒体は、長辺の先頭がガイド部12の底部12bに接触する。長辺の先頭が底部12bに接触した媒体は、回転体11aa~11adが回転することにより、隣り合う2つの羽根の間から抜き取られる。隣り合う2つの羽根の間から抜き取られた媒体は、直立した状態でガイド部12の支持部12cの方向に移動し、底部12bの上で直立した状態で集積される(例えば、図3の媒体P1を参照)。なお、隣り合う2つの羽根の間から抜き取られた媒体は、倒れた状態で底部12bの上に集積されてもよい。
【0025】
ガイド部12は湾曲部12aを有する。湾曲部12aは、回転軸14が延びる方向から見て、所定の曲率を有するように形成されている。湾曲部12aは、貫通孔を有している。回転体11aa~11ad,11ba,11bbの一部は、ガイド部12の湾曲部12aの貫通孔から、媒体処理部1の外面側に露出している。排出口15から繰出される媒体は、ガイド部12の貫通孔から一部露出した回転体11aa~11ad,11ba,11bbによって、ガイド部12の底部12bに送り込まれる。
【0026】
ガイド部12の湾曲部12aは、排出口15の下流に位置し、回転体11ba,11bbの曲面に沿った形状を有している。言い換えれば、ガイド部12の湾曲部12aは、円柱の一部側面に沿った形状を有している。
【0027】
言い換えると、回転軸14が延びる方向に、湾曲部12a、回転体11aa~11ad、および回転体11ba,11bbは、並んで配置されている。また、一対の湾曲部12aの間に、回転体11aa~11ad、および回転体11ba,11bbが配置されている。
【0028】
ガイド部12の底部12bは、孔12ba,12bbを有している。孔12ba,12bbに対応する位置には、後述するセンサが配置される。センサは媒体処理部1の内面側に配置される。センサは、孔12ba,12bbを介して、超音波や、光(電磁波)などを送信及び/又は受信する。これにより、底部12b上に集積される媒体を検知することができる。
【0029】
ガイド部12の底部12bの下流側は、上流側より低くなっている。回転体11aa~11adの隣り合う2つの羽根の間から抜き取られた媒体は、直立した状態で底部12bの上流側から、下流側に向かって移動する。なお、上流とは、媒体が搬送される方向において上流という意味である。
【0030】
ガイド部12の支持部12cは、底部12bの下流に位置し、底部12bから上方に向かって延びている。支持部12cにおける媒体接触面は、水平方向に対して、第2角度傾斜するように構成されている。第2角度は、前述の第1角度(底部12bにおける媒体接触面)と異なる。これにより、回転体11aa~11ad,11ba,11bbから送り出される媒体を、直立した状態で支持する(例えば、図3の媒体P1を参照)。
【0031】
ガイド部12の側部12dは、底部12bの上に集積される媒体の長手方向おける底部12bの両端から、上方に向かって延びている。
【0032】
このように、ガイド部12における、底部12b、支持部12c、及び、側部12dにより形成された領域に紙幣を集積することができる。
【0033】
排出口15から繰出される媒体は、ガイド部12の湾曲部12aにガイドされながら、ガイド部12の底部12bに送り込まれる。また、ガイド部12の湾曲部12aは、回転体11aa~11ad,11ba,11bbが配置される位置または位置周辺において、媒体をガイドする。
【0034】
また、回転体11aa~11adの2つの羽根から抜き出された媒体は、ガイド部12の底部12bにガイドされながら、支持部12cへと移動される。また、ガイド部12の底部12bは、回転体11aa~11ad,11ba,11bbから繰出された媒体を集積する。
【0035】
遮音部材13は、図2に示すように、媒体処理部1の内面側に配置される。遮音部材13は、媒体処理部1の内面側から発せられる音が、ガイド部12の底部12bの孔12ba,12bb、および、後述するガイド部12の湾曲部12aに設けられた貫通孔から、媒体処理部1の外面側に漏れるのを防止する。遮音部材13の詳細説明は後述する。
【0036】
図3は、図1および図2のA-A矢視断面図である。また、図3には、ガイド部12の底部12b上に、直立状態で集積された媒体P1が示してある。
【0037】
ガイド部12は、媒体を搬送する搬送路22を有している。搬送路22の終端には、排出口15が形成されている。
【0038】
ガイド部12には搬送路22が設けられている。搬送路22は、装置内部と排出口を接続している。例えば、図3に示す矢印A14から排出口15までの部分を、ガイド部12が有する搬送路22としてもよい。この場合、図3に示す矢印A14から下流をガイド部12としてもよい。
【0039】
また、ガイド部12が有する搬送路22は、例えば、排出口15から、媒体処理部1が適用される貨幣処理装置のループ搬送部との接続部分までとしてもよい。この場合、媒体処理部1は、ループ搬送部から分岐した分岐路を有する分岐ユニットとしてもよい。ガイド部12は、分岐ユニットの回転体11aa~11ad,11ba,11bbと、遮音部材13とを除いた、媒体をガイドする部分としてもよい。
【0040】
搬送路22を搬送する媒体は、回転体11aa(11ab~11ad)における隣り合う羽根の間に挿入されるように、排出口15から繰出される。排出口15から繰出された媒体は、回転体11aa(11ab~11ad)によってガイド部12の底部12bへと送り出される。
【0041】
次に遮音部材13の詳細構成について説明する。
【0042】
遮音部材13は、ガイド部12の内面側に配置されている。遮音部材13は、図3の矢印A11の方向から見て、概略的には、遮音部材13、ガイド部12の順に並んで配置されている。
【0043】
遮音部材13は、媒体処理部1の内面側で発生する音が媒体処理部1の外面側に漏れないようにする。媒体処理部1の内面側で発生する音は、媒体処理部1を適用した貨幣処理装置の内部の音源A12から発生する音である。このような音は、たとえば、搬送路22、及び、装置に設けられた図示しないモータなどの駆動部、等から発生する音である。なお、音源A12は、説明のため模式的に示した図にすぎず、音源A12の位置、大きさ(領域)は例示である。遮音部材13は、孔12ba(12bb)と、音源A12との間に配置される。
【0044】
遮音部材13は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbと接触しないように、配置されている。遮音部材13は、回転体11aa~11ad、11ba,11bbと所定の間隔を隔てて配置されている。具体的には、遮音部材13は、回転体11aaの羽根先と接触しないように配置される。
【0045】
遮音部材13は、たとえば、樹脂により形成されている。遮音部材13は、遮音に適した材料によって形成されてもよい。この場合、例えば、樹脂またはゴムなど、高分子化合物によって形成することができる。遮音部材13は、媒体処理部1に対して着脱可能であってもよい。
【0046】
センサ31は、遮音部材13の内面側に配置され、遮音部材13に固定される。センサ31は、ガイド部12に集積される媒体を検知するセンサである。センサ31は、ガイド部12の底部12bに設けられた孔12baを通して、ガイド部12に集積される媒体を検知する。
【0047】
遮音部材13の内面側には、ガイド部12に集積される媒体を検知する、センサ31とは別のセンサがもう1個配置される。別のセンサは、センサ31と同種のセンサであってもよい。別のセンサは、ガイド部12の底部12bに設けられたもう1つの孔12bb(図1を参照)を通して、ガイド部12に集積される媒体を検知する。
【0048】
センサ31および別のセンサの数は、1個であってもよく、また、3個以上であってもよい。ガイド部12の底部12bの孔12ba,12bbは、検知部の数に合わせてガイド部12の底部12bに形成される。
【0049】
図4は、媒体処理部1の外観を示した平面図である。図5は、媒体処理部1の外観を示した底面図である。
【0050】
図4に示す点線B2は、媒体処理部1の内面側に配置される遮音部材13の外縁を示している。遮音部材13は、媒体処理部1の平面視(または底面視)において、遮音部材13の外縁内に、ガイド部12の底部12bに形成された孔12ba,12bbと、回転体11aa~11ad,11ba,11bbとが収まるように、媒体処理部1の内面側に配置される。別言すれば、遮音部材13は、平面視において、孔12ba,12bbと、回転体11aa~11ad,11ba,11bbと、重なるように、媒体処理部1の内面側に配置される。
【0051】
遮音部材13の回転軸14の軸方向に延びる辺は、6つの回転体11aa~11ad,11ba,11bbのうちの両端にある回転体11aa,11adの間隔より大きく、かつ、ガイド部12の底部12bに形成された孔12ba,12bbの間隔より大きい。また、遮音部材13の回転軸14の軸方向に対し垂直方向に延びる辺は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbの直径より大きい。
【0052】
ガイド部12の湾曲部12aは、回転体11aa~11ad,11ba,11bbの一部を、媒体処理部1の外面側に露出するための貫通孔を有している。
【0053】
図6は、媒体処理部1の外観の概略を示した平面図である。図6では、図4に示した媒体処理部1の形状を簡略化して図示している。
【0054】
図6に示す孔12aa,12abは、ガイド部12の湾曲部12aに形成された貫通孔である。回転体11aa~11ad,11ba,11bbの一部は、孔12aa,12abから、媒体処理部1の外面側に露出される。遮音部材13は、ガイド部12に形成された孔12aa,12ab,12ba,12bbを介して、媒体処理部1の外面側と内面側とが通じないように、媒体処理部1の内面側に配置される。また、遮音部材13は、ガイド部12に対して回転軸14と同じ側に配置され、孔12aa,12ab,12ba,12bbと音源(図3の音源A12を参照)との間に配置される。
【0055】
遮音部材13は、媒体処理部1の内面側において、孔12aa,12ab,12ba,12bbを覆うように配置される。例えば、遮音部材13の一辺は、図3に示したように、孔12ba,12bbより下流側の底部12bの内面側に接続されてもよい。遮音部材13の他辺は、孔12aa,12abより上流側にある媒体処理部1の筐体に接続されてもよい。また、遮音部材13の他辺は、搬送路22に接続されてもよい。
【0056】
遮音部材13の面積は、平面視において、孔12aa,12abの面積より大きい。また、遮音部材13の面積は、平面視において、孔12ba,12bbの面積より大きい。別言すれば、遮音部材13は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbを媒体処理部1の外側から見た状態において、ガイド部12の孔12aa,12ab,12ba,12bbの面積よりも大きい。なお、「媒体処理部1の外側から見た状態」とは、「媒体処理部1の外面側および内面側の一方または両方から見た状態」である。
【0057】
遮音部材13は、平面視において、孔12aa,12ab,12ba,12bbと重なるように、媒体処理部1の内面側に配置される。別言すれば、遮音部材13は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbを媒体処理部1の外側から見た状態において、ガイド部12の孔12aa,12ab,12ba,12bbと重なるように配置される。
【0058】
遮音部材13は、孔12aa,12ab,12ba,12bbを遮蔽するように、媒体処理部1の内面側に配置される。遮音部材13は、媒体処理部1の内面側において、孔12aa,12ab,12ba,12bbを密閉することにより、媒体処理部1の内面側において発生する音が、媒体処理部1の外面側に漏れないようにする。
【0059】
図7図9は、遮音部材13の外観を示した斜視図である。遮音部材13は、回転軸14の軸方向に延びる第1部分41と、回転軸14の軸方向に対して垂直方向に延びる第2部分42a,42bとを有している。遮音部材13の第1部分41の外縁は、略四角形状を有している。
【0060】
第2部分42a,42bは、第1部分41の回転軸14の軸方向の両端に形成されている。第2部分42a,42bには、回転軸14を支持する切欠43a,43bが形成されている。
【0061】
遮音部材13の第1部分41の一部は、図7の点線B3に示すように、窪んだ形状を有している。遮音部材13は、ガイド部12の内面側に取付けられたとき、第1部分41の窪んだ部分が回転体11aa~11ad,11ba,11bbに位置するように配置される。すなわち、遮音部材13は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbを覆うように形成される。
【0062】
第1部分41には、孔41a,41bが形成される。孔41aには、図3で説明したセンサ31が固定される。孔41bには、もう1つの別のセンサが固定される。センサ31および別のセンサは、媒体処理部1の内面側で発生する音が孔41a,41bから漏れないように、孔41a,41bを密封するよう固定される。センサ31および別のセンサは、遮音部材13がガイド部12に取付けられた状態で取り外せるように、例えば、遮音部材13の内面側に固定されてもよい(例えば、図3のセンサ31を参照)。
【0063】
遮音部材13の第1部分41および第2部分42a,42bは、一体成形されてもよい。また、遮音部材13は、別体として形成された第1部分41と、第2部分42a,42bとを接続して成形されてもよい。
【0064】
遮音部材13の第2部分42a,42bは、切欠43a,43bを有するとしたが、これに限られない。回転軸14を支持するための貫通孔が形成されるように、遮音部材13の第2部分42a,42bを構成してもよい。
【0065】
以上説明したように、媒体を搬送するための回転体11aa~11ad,11ba,11bbと、回転体11aa~11ad,11ba,11bbを配置するための孔12aa,12abを有し、回転体11aa~11ad,11ba,11bbにより搬送される媒体をガイドするガイド部12と、ガイド部12の内面側に配置され、回転体11aa~11ad,11ba,11bbと接触しないように回転体11aa~11ad,11ba,11bbと所定の間隔を隔てて配置されている遮音部材13と、を備える。
【0066】
本実施形態によれば、媒体処理部1に設けた遮音部材13によって、媒体処理部1が取り付けられた装置内部において発生した音が、ガイド部12の回転体11aa~11ad,11ba,11bbを配置するための孔12aa,12abから装置外部に漏れるのを抑制することができる。
【0067】
(変形例1)
上記では、媒体処理部1は、貨幣処理装置の出金部に適用されとしたが、これに限られない。媒体処理部1は、例えば、貨幣処理装置の入金部または取込部に適用さてもよい。
【0068】
図10は、媒体処理部1の他の例を示した側断面図である。図10に示す媒体処理部1は、例えば、貨幣処理装置の入金部または取込部に適用される。図10に示すように、媒体処理部1は、回転体51a~51cと、ガイド部52と、遮音部材53と、を有している。
【0069】
回転体51aは、例えば、キッカローラである。回転体51bは、例えば、フィードローラである。回転体51cは、例えば、ゲートローラである。
【0070】
ガイド部52は、媒体P2を載置する載置部52aを有している。媒体P2は、例えば、紙幣であってもよい。ガイド部52の載置部52aには、回転体51aの一部が媒体処理部1の外面側に露出するための孔52aaが形成されている。
【0071】
ガイド部52は、載置部52aに載置された媒体P2を、媒体処理部1の内部に搬送するための搬送路62を有している。搬送路62には、回転体51bの一部が媒体処理部1の外面側に露出するための孔61aaが形成されている。
【0072】
回転体51aの一部は、ガイド部52の載置部52aに形成された孔52aaから媒体処理部1の外面側に露出し、載置部52aに載置された最下部の媒体P2に接触する。回転体51aは、図中時計回りに回転し、載置部52aに載置された最下部の媒体P2を搬送路62に蹴り出す。
【0073】
回転体51bの一部は、ガイド部52の搬送路62に形成された孔61aaから媒体処理部1の外面側に露出し、回転体51aによって蹴り出された媒体P2に接触する。回転体51bは、図中時計回りに回転し、回転体51aによって蹴り出された媒体P2を媒体処理部1の内部へ送り出す。
【0074】
回転体51cの一部は、ガイド部52の搬送路62に形成された孔61baから搬送路62に露出し、回転体51aによって蹴り出された媒体P2に接触する。回転体51cは、図中反時計回りに回転可能となっており、回転体51aによって蹴り出された媒体P2が1枚ずつ搬送路62に送り出されるようにする。
【0075】
遮音部材53は、ガイド部52の内面側に配置され、回転体51a,51bと接触しないように回転体51a,51bと所定の間隔を隔てて配置されている。遮音部材53は、媒体処理部1の内面側から外面側に向かう音を遮音する。すなわち、遮音部材53は、孔52aa,61aaから、媒体処理部1の外面側に漏れる音を遮音する。
【0076】
このように、媒体を搬送するための回転体51a,51bと、回転体51a,51bを配置するための孔52aa,61aaを有し、回転体51a,51bにより搬送される媒体をガイドするガイド部52と、ガイド部52の内面側に配置され、回転体51a,51bと接触しないように回転体51a,51bと所定の間隔を隔てて配置されている遮音部材53と、を備える。これにより、媒体処理部1は、ガイド部52の回転体51a,51bを配置するための孔52aa,61aaから漏れる音を抑制することができる。
【0077】
なお、ガイド部52が有する搬送路62は、例えば、媒体を媒体処理部1内に繰出す繰出口63から、真っ直ぐ延びる部分までとしてもよい。例えば、繰出口63から図10に示す矢印A41までの部分を、ガイド部52が有する搬送路62としてもよい。この場合、図10に示す矢印A41から上流をガイド部12としてもよい。
【0078】
また、ガイド部52が有する搬送路62は、例えば、媒体を媒体処理部1内に繰出す繰出口63から、媒体処理部1が適用される貨幣処理装置のループ搬送部との接続部分までとしてもよい。この場合、媒体処理部1は、ループ搬送部から分岐した分岐路を有する分岐ユニットとしてもよい。ガイド部52は、分岐ユニットの回転体51a~51cと、遮音部材53とを除いた、媒体をガイドする部分としてもよい。
【0079】
また、媒体処理部1は、回転体51cを覆う遮音部材を有してもよい。例えば、回転体51cは、ガイド部52と遮音部材とで囲まれてもよい。これにより、媒体処理部1は、孔61baから漏れる音を抑制できる。
【0080】
(変形例2)
図11は、媒体処理部1の別の例を示した側面図である。媒体処理部1は、回転体71と、搬送部72と、集積部73と、遮音部材74と、を有している。
【0081】
回転体71は、搬送部72の終端72aと、集積部73との間に配置される。回転体71は、搬送部72で搬送された媒体を集積部73に繰出し、集積してもよい。また、回転体71は、集積部73に集積された媒体を搬送部72に繰出してもよい。
【0082】
遮音部材74は、一端が搬送部72に接続され、他端が集積部73に接続される。遮音部材74は、回転体71に対し、媒体処理部1の内部側に配置される。遮音部材74は、回転体71と搬送部72との隙間および回転体71と集積部73との隙間において、媒体処理部1の内部から外部に漏れる音を抑制する。
【0083】
このように、媒体処理部1は、搬送部72の終端72aと、媒体を集積する集積部73との間に配置された回転体71と、回転体71に対し、媒体処理部1の内部側において、搬送部72と集積部73とに接続された遮音部材74とを備えてもよい。これにより、媒体処理部1は、装置内部から外部に漏れる音を抑制できる。
【0084】
(変形例3)
ガイド部12は、媒体処理部1に対して揺動可能であってもよい。遮音部材13は、ガイド部12が媒体処理部1に対して揺動されたとき、媒体処理部1の外部からアクセス可能となってもよい。
【0085】
例えば、図3に示すガイド部12は、図3の矢印A13の方向に揺動されてもよい。ガイド部12が、図3の矢印A13の方向に揺動されたとき、回転体11aa~11ad,11ba,11bbおよび遮音部材13もガイド部12に連れて揺動され、例えば、媒体処理部1の保守者は、遮音部材13にアクセス可能となる。
【0086】
遮音部材13の外側には、センサ31および別のセンサが配置されている。そのため、媒体処理部1の保守者は、ガイド部12を図3の矢印A13の方向に揺動することにより、センサ31および別のセンサを容易に交換することができる。
【0087】
(変形例4)
上記では、ガイド部12は、湾曲部12aと、底部12bと、支持部12cと、側部12dと、排出口15と、搬送路22と、を有するとしたがこれに限られない。ガイド部12は、回転体を配置するための貫通孔を有し、回転体により搬送される媒体をガイドする部位であってよい。
【0088】
例えば、図1に示したガイド部12は、回転体11aa~11ad,11ba,11bbを配置するための孔12aa,12ab(図6を参照)を有し、媒体を底部12bに案内する湾曲部12aであってもよい。また、図10に示したガイド部52は、回転体51aを配置するための孔52aaを有し、媒体を搬送路62に案内する載置部52aであってもよい。また、図10に示したガイド部52は、回転体51bを配置するための孔61aaを有する搬送路62であってもよい。
【0089】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した媒体処理部1が紙幣処理装置に適用される例について説明する。
【0090】
図12は、第2の実施の形態に係る紙幣処理装置100の外観を示した斜視図である。図13は、紙幣処理装置100の内部構造を示した図である。第2実施形態では、第1実施形態で説明した遮音部材が、出金部113及び入金部111それぞれに適用された紙幣処理装置100について説明する。なお、図13では、媒体処理部の詳細を簡略化して示している。
【0091】
紙幣処理装置100は、バラ紙幣の処理を行う。紙幣処理装置100は、上部の処理部101と、下部の金庫部102とを有している。処理部101を構成する上部筐体103の中には、入金部111、出金部113、一時保留部115、識別部116、および搬送部119の一部が配設されている。
【0092】
金庫部102は、金庫筐体104によって構成されている。金庫筐体104の中には、収納部117と、搬送部119の一部とが配設されている。金庫筐体104は、収納部117を、所定以上の防護レベルで防護するように構成されている。金庫筐体104の防護レベルは、上部筐体103の防護レベルよりも高くなっている。
【0093】
入金部111は、例えば、入金処理を行う際に、紙幣が投入される部分である。入金部111は、入金口112を有している。入金口112は、上部筐体103の上面に開口している。紙幣は、入金口112を通じて、入金部111に投入される。入金部111は、投入された紙幣を、一枚ずつ装置の中に取り込む機構を有している。
【0094】
出金部113は、例えば、出金処理の際に、紙幣が搬送される部分である。出金部113は、様々な用途に利用することが可能である。出金部113は、複数枚の紙幣を集積するよう構成されている。出金部113は、出金口114を有している。出金口114は、上部筐体103の上面に開口している。出金部113に集積されている紙幣は、出金口114を通じて取り出すことが可能である。なお、出金口114に、開閉するシャッターを設けてもよい。
【0095】
識別部116は、後述するループ搬送路120に配設されている。識別部116は、ループ搬送路120に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、少なくとも、真偽、金種および正損を識別する。
【0096】
一時保留部115は、紙幣を一時保留部115の中に取り込んで収納すること、および、一時保留部115の中に収納している紙幣を繰り出すこと、が可能に構成されている。一時保留部115は、いわゆるテープ式の収納機構を有している。一時保留部115は、例えば、入金処理を行う際に、入金対象の紙幣を一時的に収納する。入金処理が確定すると、一時保留部115は、収納している紙幣を繰り出す。繰り出された紙幣は、後述する収納部117に収納される。一時保留部115はまた、その他の用途に利用することも可能である。
【0097】
一時保留部115は、上部筐体103の中の前側の位置に配設されている。一時保留部115は、上部筐体103の中に、着脱可能に配置されている。一時保留部115が無くても、紙幣処理装置100は動作することが可能に構成されている。
【0098】
収納部117は、複数の紙幣収納装置118を有している。図例の紙幣処理装置100は、八個の紙幣収納装置118を有している。紙幣収納装置118は、金庫筐体104の中に、上下方向および水平方向に並んで配置されている。尚、紙幣収納装置118の数、および、紙幣収納装置118の配置は、どのようなものであってもよい。
【0099】
各紙幣収納装置118は、紙幣を紙幣収納装置118の中に取り込んで収納すること、および、紙幣収納装置118の中に収納している紙幣を繰り出すこと、が可能に構成されている。
【0100】
搬送部119は、搬送路を有している。搬送部119は、例えば、紙幣の長辺を先頭にして、紙幣と紙幣との間に間隔を空けて、紙幣を一枚ずつ、搬送路に沿って搬送するよう構成されている。搬送路は、図示は省略するが、多数のローラ、複数のベルト、これらを駆動するモータ、および複数のガイドの組み合わせによって構成されている。
【0101】
搬送部119は、上部筐体103の中に設けられたループ搬送路120を有している。ループ搬送路120は、前述したように識別部116を通る。搬送部119は、紙幣を、ループ搬送路120に沿って、図13における時計回り方向および反時計回り方向に搬送する。
【0102】
入金部111は、接続路121を介して、ループ搬送路120に接続されている。出金部113は、接続路122を介して、ループ搬送路120に接続されている。
【0103】
複数の紙幣収納装置118はそれぞれ、接続路123を介してループ搬送路120に接続されている。接続路123は、途中で分岐して、複数の紙幣収納装置118のそれぞれに接続されている。一時保留部115は、接続路124を介してループ搬送路120に接続されている。
【0104】
なお、図示は省略するが、ループ搬送路120と、接続路121,122,123,124との接続箇所には、紙幣の搬送先を切り替える分岐機構が設けられている。また、接続路123における各分岐箇所にも、分岐機構が設けられている。
【0105】
ループ搬送路120、および、接続路121,122,123,124における各所には、紙幣の通過を検知する通過センサが配設されている。搬送部119は、図示を省略するコントローラーからの指令を受けて、通過センサの検知信号に基づいて、搬送部119の各分岐機構を制御することにより、紙幣を、所定の搬送先に搬送する。
【0106】
第2実施形態では、遮音部材135が出金部113(図13参照)に適用されている。羽根車131は、本発明の回転体の例示である。底部132及び支持部133は、本発明のガイド部の例示である。
【0107】
同様に、第2実施形態では、遮音部材144が入金部111(図13参照)に適用されている。キッカローラ141及びフィードローラ142は、本発明の回転体の例示である。載置部143は、本発明のガイド部の例示である。
【0108】
なお、遮音部材は、出金部113または入金部111のいずれか一方にのみ設けられてもよい。
【0109】
以上説明したように、媒体処理部1は、紙幣処理装置100等の貨幣処理装置に適用できる。これにより、貨幣処理装置は、騒音が抑制される。
【0110】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した媒体処理部1が紙幣整理機に適用される例について説明する。
【0111】
図14は、第3の実施の形態に係る紙幣整理機200を示した外観図である。図15は、紙幣整理機200の内部構造を示した図である。第3実施形態では、第1実施形態で説明した遮音部材が、取込部202、リジェクト部203、第1集積部204a~204d、及び第2集積部207a~207d、それぞれに適用された紙幣処理装置200について説明する。なお、図15では、媒体処理部の詳細を簡略化して示している。
【0112】
紙幣整理機200は、基本モジュール201と、基本モジュール201に連結された拡張モジュール206と、を有する。基本モジュール201は、取込部202と、リジェクト部203と、第1集積部204a~204dと、操作表示部205と、を有する。拡張モジュール206は、第2集積部207a~207dを有する。
【0113】
操作表示部205は、基本モジュール201の前面で、第1集積部204a~204dの上方に配置されている。操作表示部205は、第1集積部204a~204dの水平方向略中央の位置に重なるように配置されている。具体的には、操作表示部205は、両外側の第1集積部204a,204dの間の水平方向中央を通る鉛直線を含む位置に配置されている。
【0114】
操作表示部205は、タッチパネル式の液晶表示装置であってもよい。操作表示部205は、画面上にボタンを表示し、表示したボタンによる各種情報の入力を受け付ける操作部として機能する。操作表示部205は、第1集積部204a~204dおよび第2集積部207a~207dのそれぞれに集積中の紙幣の種類、枚数等、各種情報を画面上に表示する表示部としても機能する。なお、操作表示部205は、タッチパネル式ではなく、物理的なボタンと、非タッチパネル式の液晶表示装置とを有してもよい。
【0115】
取込部202は、操作者が載置した複数紙幣を1枚ずつ装置内に取り込む機能を有する。リジェクト部203は、リジェクト紙幣を集積する機能を有する。リジェクト紙幣とは、識別部211で識別できない紙幣等を含む概念である。キッカローラ251、フィードローラ252、及びゲートローラ253によって、紙幣を取込部202から装置内部に取り込む。
【0116】
第1集積部204a~204dは、左右方向、別言すれば、水平方向に並んで配置されている。第1集積部204a~204dは、それぞれ、識別部211で識別できた正常紙幣を集積する機能を有する。底部232は、集積される紙幣の量に応じて上下方向に可動するステージである。
【0117】
第1集積部204a~204dは、操作表示部205が配置された装置前面側に、集積空間に集積された紙幣を抜き取るための開口部を有する。操作者は、開口部を介して、第1集積部204a~204dの集積空間に集積された紙幣を抜き取ることができる。操作者が、集積中の紙幣の有無を目視により確認しやすいように、開口部は、例えば、上端を頂点とする略五角形形状に形成されてもよい。開口部上端の頂点と該頂点から延びる2辺とで形成される開口部の上縁部は、前面側端部から背面側へかけての所定の範囲内で、前面側端部の高さが一番高く、背面側に行くに従って高さが低くなる傾斜面を有している。別言すれば、開口部の上縁部は、装置前面側の所定範囲内で背面側へ行くに従い下方に向けて傾斜した形状を有している。
【0118】
第1集積部204a~204dおよびリジェクト部203の各々は、LED(Light Emitting Diode)等の表示灯(図示せず)を備えてもよい。紙幣整理機200は、表示灯を点灯または点滅させて、操作者に、操作対象となる集積部の位置を報知する。例えば、第1集積部204a~204dが集積紙幣で満杯になって紙幣の抜取作業が必要になると、紙幣整理機200は、表示灯を点灯または点滅させて、抜き取り作業を報知する。
【0119】
第2集積部207a~207dは、識別部211で識別できた正常紙幣を集積する機能を有する。第2集積部207a~207dは、上下方向、別言すれば、鉛直方向に並んで配置されている。すなわち、第2集積部207a~207dの配列方向は、第1集積部204a~204dの配列方向と直交している。
【0120】
第2集積部207a~207dは、装置前面側に開口部を有する。操作者は、開口部を介して、第2集積部207a~207dに集積された紙幣を抜き取ることができる。
【0121】
第2集積部207a~207dの各々は、LED等の表示灯(図示せず)を有してもよい。紙幣整理機200は、表示灯を点灯または点滅させて、操作者に、操作対象となる第2集積部207a~207dの位置を報知する。例えば、第2集積部207a~207dが集積紙幣で満杯になって紙幣の抜取作業が必要になると、紙幣整理機200は、表示灯を点灯または点滅させて、抜き取り作業を報知する。
【0122】
取込部202は、載置された紙幣を紙幣整理機200の内部へ向けて繰出す。繰出された紙幣は、搬送ベルトを備える搬送部によって装置内を搬送される。搬送部の搬送路には、識別部211が設けられている。識別部211は、搬送部によって搬送される紙幣の種類を識別する。紙幣は、識別部211の識別結果に基づいて、リジェクト部203、第1集積部204a~204d、および第2集積部207a~207dのいずれかに搬送される。
【0123】
同様に、第3実施形態では、遮音部材255が取込部202に適用されている。キッカローラ251及びフィードローラ252は本発明の回転体の例示である。載置部254は本発明のガイド部の例示である。
【0124】
第3実施形態では、遮音部材225がリジェクト部203(図15参照)に適用されている。羽根車221は、本発明の回転体の例示である。底部222及び支持部223は、本発明のガイド部の例示である。
【0125】
同様に、第3実施形態では、遮音部材234が第1集積部204a、204b、204c、204dに適用されている。羽根車231は、本発明の回転体の例示である。羽根車設置部235は、本発明のガイド部の例示であり、羽根車231を配置するための貫通孔を有し、羽根車231により搬送される紙幣をガイドする。
【0126】
同様に、第3実施形態では、遮音部材244が第2集積部207a、207b、207c、207dに適用されている。羽根車241は、本発明の回転体の例示である。底部242及び支持部243は、本発明のガイド部の例示である。
【0127】
なお、遮音部材は、取込部202、リジェクト部203、第1集積部204a、204b、204c、204d)、第2集積部207a、207b、207c、207dの少なくとも1つに設けられてもよい。
【0128】
以上説明したように、媒体処理部1は、紙幣整理機200等の貨幣処理装置に適用できる。これにより、貨幣処理装置は、騒音が抑制される。
【符号の説明】
【0129】
1 媒体処理部
11aa~11ad,11ba,11bb,51a~51c,71 回転体
12,52 ガイド部
12a 湾曲部
12aa,12ab,12ba,12bb,41a,41b,52aa,61aa,61ba 孔
12b,132 底部
12c,133 支持部
12d 側部
13,53,74,135,144 遮音部材
14 回転軸
15 排出口
22,62,72 搬送路
31 センサ
41 第1部分
42a,42b 第2部分
43a,43b 切欠
52a,143 載置部
63 繰出口
72a 終端
73 集積部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15