(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】不燃性喫煙装置およびその要素
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20221215BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20221215BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2019518276
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2017075254
(87)【国際公開番号】W WO2018065489
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-09-11
(32)【優先日】2016-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】シャヒン バケット
(72)【発明者】
【氏名】リ サン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121143(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0120224(US,A1)
【文献】特表2015-512617(JP,A)
【文献】国際公開第2016/062777(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性喫煙要素であって、
プレベイパー製剤材料を収容するように構成されるプレベイパー製剤貯蔵部と、
前記プレベイパー製剤貯蔵部に結合され、前記プレベイパー製剤材料の少なくとも一部分を加熱して発生したベイパーにするように、かつチャネルの第一の部分に前記発生したベイパーを提供するように構成される、発熱体と、
前記チャネルの第二の部分にあり、前記発生したベイパーを受けるように位置付けられる、たばこハウジングであって、たばこを含む、たばこハウジングと、
前記発生したベイパーの少なくとも第一の部分を前記不燃性喫煙要素の端部に向けて方向付けるための前記たばこハウジング内の少なくとも一つの気流要素と、を備え、
前記気流要素が、
前記たばこハウジングの第一の端部分から前記たばこハウジングの対向する第二の端部分まで延在し、且つ、前記たばこハウジングを第一の部分と第二の部分に分離し、前記第一の部分が、前記発生したベイパーの前記第一の部分が前記たばこに晒されることを防ぐように構成される、不燃性喫煙要素。
【請求項2】
前記発生したベイパーの前記第一の部分が、前記発生したベイパーの全体の65パーセントである、請求項1に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項3】
前記気流要素が管である、請求項1
又は2に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項4】
前記管が、0.5ミリメートル~3ミリメートルの内径を有する、請求項
3に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項5】
前記管が、2ミリメートル~2.5ミリメートルの内径を有する、請求項
4に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項6】
前記気流要素が、前記たばこハウジングを二つのセクションに区分する、請求項1~
5のいずれかに記載の不燃性喫煙要素。
【請求項7】
前記気流要素が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)および金属のうちの少なくとも一つを含む、請求項1~
6のいずれかに記載の不燃性喫煙要素。
【請求項8】
不燃性喫煙要素であって、
プレベイパー製剤材料を収容するように構成されるプレベイパー製剤貯蔵部と、
前記プレベイパー製剤貯蔵部に結合され、前記プレベイパー製剤材料の少なくとも一部分を加熱して発生したベイパーにするように、かつチャネルの第一の部分に前記発生したベイパーを提供するように構成される、発熱体と、
前記チャネルの第二の部分に延在する仕切りであって、前記仕切りが、長軸方向に延在し、前記チャネルの前記第二の部分を単一の空気流路部分とたばこ部分に区分し、前記単一の空気流路部分および前記たばこ部分が、前記発生したベイパーを受けるように位置付けられ、前記たばこ部分が、
たばこを有し、前記発生したベイパーの第一の部分を受けるように位置付けられる、たばこ要素を含み、
前記仕切りの前記位置が所望の量の発生したベイパーが、前記たばこ要素を通過することなく前記チャネルを通って流れることを可能にする、仕切りと、
内径を有し、前記長軸方向に延在するハウジングであって、前記プレベイパー製剤貯蔵部、前記発熱体、および前記仕切りを収容し、前記仕切りが、前記ハウジングに対して第一の半径方向にその内径の65パーセントの距離で、および前記ハウジングに対して対向する第二の半径方向に前記内径の35パーセントの距離で位置付けられる、ハウジングと、
を備える、不燃性喫煙要素。
【請求項9】
前記仕切りが金属を含み、前記発熱体により生成された熱を伝導して、前記たばこを加熱するように構成される、請求項
8に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項10】
前記単一の空気流路部分が、前記たばこ部分よりも容積が大きい、請求項
8または
9に記載の不燃性喫煙要素。
【請求項11】
不燃性喫煙装置であって、
請求項1~
7のいずれかに記載の不燃性喫煙要素と、
前記発熱体に電力を供給するように構成される、電源と、
を備える、不燃性喫煙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、一般的に、不燃性喫煙装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置は、プレベイパー製剤をベイパー(蒸気)へと気化させるために使用される。これらの電子ベイピング装置は、eベイピング装置と呼ばれる場合がある。eベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化させてベイパーを生成するヒーターを含む。eベイピング装置は、電源と、カートリッジまたはヒーターを含むeベイピングタンクと、プレベイパー製剤を保持できる貯蔵部とを含む幾つかのeベイピング要素を含んでもよい。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、不燃性喫煙装置に関連する。不燃性喫煙装置は、プレベイパー製剤を加熱するヒーターを有してもよく、発生したベイパーを受けるたばこ要素に熱を提供しうる。より詳細には、例示的な実施形態による不燃性喫煙装置は、発生したベイパーをたばこ要素に晒し、プレベイパー製剤をたばこ要素に晒し、またはその両方を行う。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、プレベイパー製剤材料を収容するように構成されるプレベイパー製剤貯蔵部と、プレベイパー製剤貯蔵部に結合され、プレベイパー製剤材料の少なくとも一部分を加熱して、発生したベイパーにし、発生したベイパーをチャネルの第一の部分に提供するように構成される発熱体と、チャネルの第二の部分にあり、発生したベイパーを受けるように位置付けられるたばこハウジングであって、たばこを含む、たばこハウジングと、発生したベイパーの少なくとも第一の部分を不燃性喫煙要素の端部に向けて方向付けるためのたばこハウジング内の少なくとも一つの気流要素と、を含む不燃性喫煙要素を開示する。
【0005】
例示的な実施形態では、気流要素は、たばこハウジングの第一の端部分からたばこハウジングの対向する第二の端部分まで延在する。
【0006】
例示的な実施形態では、気流要素は、たばこハウジングを第一の部分と第二の部分に分離し、第一の部分は、発生したベイパーの第一の部分がたばこに晒されることを防ぐように構成される。
【0007】
例示的な実施形態では、発生したベイパーの第一の部分は、発生したベイパーの全体の約65パーセントである。
【0008】
例示的な実施形態では、気流要素は管である。
【0009】
例示的な実施形態において、管は0.5ミリメートル~3ミリメートルの内径を有する。
【0010】
例示的な実施形態において、管は2ミリメートル~2.5ミリメートルの内径を有する。
【0011】
例示的な実施形態では、気流要素は、たばこハウジングを二つのセクションに区分する。
【0012】
例示的な実施形態では、気流要素は、PEEKおよび金属のうちの少なくとも一つを含む。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、プレベイパー製剤材料を収容するように構成されるプレベイパー製剤貯蔵部と、プレベイパー製剤貯蔵部に結合され、プレベイパー製剤材料の少なくとも一部分を加熱して、発生したベイパーにし、発生したベイパーをチャネルの第一の部分に提供するように構成される発熱体と、チャネルの第二の部分に延在する仕切りであって、仕切りが、長軸方向に延在し、チャネルの第二の部分を単一の空気流路部分とたばこ部分に区分し、単一の空気流路部分およびたばこ部分が、発生したベイパーを受けるように位置付けられ、たばこ部分が、たばこを有し、発生したベイパーの第一の部分を受けるように位置付けられる、たばこ部分を含む、仕切りと、を含む、不燃性喫煙要素を開示する。
【0014】
例示的な実施形態では、仕切りは、金属を含み、発熱体により生成された熱を伝導して、たばこを加熱するように構成される。
【0015】
例示的な実施形態では、単一の空気流路部分は、たばこ部分よりも容積が大きい。
【0016】
例示的な実施形態では、不燃性喫煙要素は、内径を有し、長軸方向に延在するハウジングを含み、ハウジングは、プレベイパー製剤貯蔵部、発熱体、および仕切りを収容し、仕切りは、ハウジングに対して第一の方向におけるその直径の65パーセントの距離、およびハウジングに対して第二の方向におけるその直径の35パーセントの距離に位置付けられる。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、プレベイパー製剤材料を収容するように構成されるプレベイパー製剤貯蔵部と、プレベイパー製剤貯蔵部に結合され、プレベイパー製剤材料の少なくとも一部分を加熱して、発生したベイパーにし、発生したベイパーをチャネルの第一の部分に提供するように構成される発熱体と、発熱体に電力を供給するように構成される電源と、チャネルの第二の部分にあり、発生したベイパーを受けるように位置付けられるたばこハウジングであって、たばこを含む、たばこハウジングと、発生したベイパーの少なくとも第一の部分を不燃性喫煙要素の端部に向けて方向付けるためのたばこハウジング内の少なくとも一つの気流要素と、を含む不燃性喫煙装置を開示する。
【0018】
例示的な実施形態の上記およびその他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによってさらに明らかとなる。添付の図面は、例示的な実施形態を描写することを意図したものであり、意図された特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に従うたばこ要素を含む不燃性喫煙装置の断面図である。
【
図2A】
図2Aは、例示的な実施形態に従う
図1の不燃性喫煙装置とともに使用される口側の端部インサートの斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、例示的な実施形態に従う
図2Aの口側の端部インサートの線2B-2Bに沿った断面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態に従う、不燃性喫煙装置が気流ダイバータを含む実施形態の断面図である。
【
図4】
図4は、例示的な実施形態に従う
図3の不燃性喫煙装置の気流ダイバータの拡大図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態に従う、不燃性喫煙装置が気流ダイバータを含む実施形態の断面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態に従う
図6の不燃性喫煙装置の線A-Aに沿った断面図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態に従う、不燃性喫煙装置が気流ダイバータを含む実施形態の断面図である。
【
図8】
図8は、例示的な実施形態に従う、スリーブ組立品をさらに含む不燃性喫煙装置の断面図である。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態に従う不燃性喫煙装置とともに使用される口側の端部インサートの第二の実施形態の断面図である。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態に従う
図9の口側の端部インサートの分解組立図である。
【
図11A】
図11Aは、たばこ要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図11B】
図11Bは、たばこ要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図12】
図12は、不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図13A】
図13Aは、たばこ要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図13B】
図13Bは、たばこ要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図15A】
図15Aは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図15B】
図15Bは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図15C】
図15Cは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図15D】
図15Dは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図15E】
図15Eは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図16A】
図16Aは、チャネル内に仕切りを含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図16B】
図16Bは、チャネル内に仕切りを含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【
図17】
図17は、例示的な実施形態によるガスケットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
幾つかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0021】
それに応じて、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態の能力を有する一方で、その実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0022】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に結合される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に結合される、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0023】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0024】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0025】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0026】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。従って、図に図示された領域は、本質的に概略的なものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を図示することを意図せず、例示的な実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0027】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0028】
図1は、例示的な実施形態に従う不燃性喫煙装置60を示す。不燃性喫煙装置60は、交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)70と、再利用可能な取り付け具(または第二のセクション)72を備え、これは、接続部205a/b(例えば、205aは、カートリッジ70上の雄ねじ接続部であり、205bは、再利用可能な取り付け具72上の雌ねじ接続部である)において、または、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、または留め金のうちの少なくとも一つなどの他の便利品によって互いに結合される。第一のセクション70は、長軸方向に延在する外側管6(またはハウジング)と、外側管またはハウジング6の中に同軸に位置付けられる内側管62と、を含む。内側管62は、外側空気通路(またはチャネル)9を画定する。たばこ要素23は、外側空気通路9内にあり、かつヒーター14の下流にある。たばこ要素23は、多孔性アルミニウム管内にあってもよく、または多孔性形態に処理され、もしくは形成されてもよい。
【0029】
「たばこ要素」という用語は、例えば、たばこ葉、たばこプラグ、再構成たばこ、圧縮たばこロッドの形状または粉末を含むいくつかのたばこ植物材料を意味しうる。
【0030】
たばこ要素23はまた、たばこシート、再構成たばこ葉または葉巻たばこラッパーなどのたばこで巻き付けられてもよい。
【0031】
第二のセクション72も長軸方向に延在する外側管6’(またはハウジング)を含んでもよい。代替的な実施形態では、外側管6および6’を第一のセクション70と第二のセクション72との両方の単一のチューブハウジングとすることができ、また不燃性喫煙装置60全体を使い捨てとすることができる。
【0032】
不燃性喫煙装置60はまた、内側管62と上流シール15とによって部分的に画定される中央空気通路20を含むことができる。さらに、不燃性喫煙装置60は、プレベイパー製剤供給貯蔵部22を含む。プレベイパー製剤供給貯蔵部22は、プレベイパー製剤材料および随意にその中にプレベイパー製剤材料を保存するように動作可能なプレベイパー製剤貯蔵媒体21を含む。
【0033】
実施形態では、プレベイパー製剤供給貯蔵部22は、外側管6と内側管62との間の外側環状部内に収容される。環状部は、プレベイパー製剤材料のプレベイパー製剤供給貯蔵部22からの漏れを防ぐために、シール15によって上流端部において、およびプレベイパー製剤ガスケット10によって下流端部においてシールされる。
【0034】
実施形態では、ヒーター14はまた、シール15によって画定される中央空気通路20の一部分の下流に、かつこれと離間した関係で、内側管62内に収容される。ヒーター14は、ワイヤコイル、平面体、セラミック体、単線、抵抗線のカゴ、またはその他の好適な形態でありうる。
【0035】
芯28は、芯28がプレベイパー製剤材料をヒーター14と近接する関係で配置されるように、プレベイパー製剤供給貯蔵部22内のプレベイパー製剤材料と連通し、かつヒーター14と連通する。芯28は、繊維質かつ可撓性の材料で構築されてもよい。芯28は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有する少なくとも一つのフィラメントを含んでもよい。例えば、芯28は、ガラス(またはセラミック)フィラメントを含みうるフィラメントの束を含んでもよい。別の実施形態では、束は、ガラスフィラメントの曲がりくねりの群(例えば、こうした曲がりくねりのうちの三つ)を備え、この配置はすべて、フィラメント間のすきま空間を介して毛細管作用によってプレベイパー製剤を引き出す能力を有する。
【0036】
第二のセクション72内の電源1は、ヒーター14の両端に電圧をかけるために、ヒーター14へと動作可能に接続されうる(以下で説明されるように)。不燃性喫煙装置60は、中央空気通路20、内側管62の他の部分、またはその両方へと空気を送達するように動作可能である少なくとも一つの空気吸込み口44も含む。
【0037】
図1~
図2Bに示すように、不燃性喫煙装置60は、少なくとも二つの軸から離れた分岐出口24を有する口側の端部インサート8をさらに含む。口側の端部インサート8は、内側管62の内部およびガスケット10を通して延在する中央通路63を介して中央空気通路20と流体連通する。
【0038】
さらに、ヒーター14は長軸方向を横断する方向に延在し、プレベイパー製剤材料を気化して発生したベイパーを形成するのに十分な温度へとプレベイパー製剤材料を加熱する。他の実施形態において、ヒーター14は、長軸方向になどの別の様式に配置されうる。
【0039】
発生したベイパーはその後、陰圧を口側の端部インサート8に加えると、たばこ要素23内に流れる。ヒーター14は、ヒーター14が陰圧の印加の間にたばこ要素23を加熱するように、たばこ要素23から設定された距離にあってもよく、またはたばこ要素23に接触していてもよい。例えば、ヒーター14は、たばこ要素23から10ミリメートル未満に置かれてもよい。ヒーター14は、口側の端部インサート8において50℃の温度を生成するように配置されてもよい。さらに、ヒーター14は、たばこ要素23を50℃~200℃の温度に加熱し、プレベイパー製剤を400℃に加熱しうる。
【0040】
ヒーター14は、たばこ要素23を温めるがたばこを燃焼しない。したがって、たばこ要素23の加温は不燃性と言及されうる。セクション70は、たばこ要素23およびヒーター14を含むので、セクション70は、不燃性喫煙要素と言及されうる。
【0041】
図1を参照すると、芯28、プレベイパー製剤供給貯蔵部22、および口側の端部インサート8は、カートリッジ70内に収容され、また電源1は第二のセクション72内に収容される。一実施形態では、第一のセクション(カートリッジ)70は使い捨てであり、また第二のセクション(取り付け具)72は再使用可能である。上記で説明されたように、ねじ接続部205によって第一のセクション70と第二のセクション72とを取り付けることができ、これによってプレベイパー製剤供給貯蔵部22を使い尽くした時に下流のセクション70を交換することができる。分離した第一のセクション70と第二のセクション72とを有することは、数多くの利点を提供する。第一に、第一のセクション70が少なくとも一つのヒーター14、プレベイパー製剤供給貯蔵部22、および芯28を収容する場合、第一のセクション70が交換される時に、プレベイパー製剤と接触している可能性がある要素はすべて廃棄される。したがって、異なる口側の端部インサート8(例えば、異なるプレベイパー製剤材料を使用する場合)の間の二次汚染は起こらない。また、第一のセクション70が好適な間隔で交換される場合にも、ヒーターがプレベイパー製剤によって詰まるようになる可能性が低くなる。随意に、第一のセクション70および第二のセクション72は、係合された時に一緒に係止されるように配置される。
【0042】
実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口44は、一つまた二つの空気吸込み口44、44’を含む。あるいは、三つ、四つ、五つ、またはそれ以上の空気吸込み口があってもよい。二つ以上の空気吸込み口44、44’がある場合、空気吸込み口44、44’は不燃性喫煙装置60に沿って異なる場所に位置する。例えば、
図1に示すように、センサー16が陰圧の印加を感知するとヒーター14へ電力を供給するように、空気吸込み口44aを不燃性喫煙装置60の上流端部にセンサー16と隣接して位置付けることができる。空気吸込み口44aは、口側の端部インサートでの引き込みがセンサー16を有効にするように、口側の端部インサート8と通じるべきである。空気吸込み口44aからの空気はその後、電源1に沿って流れ、またシール15内の中央空気通路20、内側管62のその他の部分、または外側管6のうちの少なくとも一つへと流れることができる。少なくとも一つの追加的な空気吸込み口44、44’は、シール15に隣接し、かつその上流に、または任意の他の所望の場所に位置することができる。空気吸込み口44、44’のサイズおよび数を変化させることは、不燃性喫煙装置60の引き出し抵抗を確立することも助けることができる。
【0043】
一実施形態では、ヒーター14は芯28と連通し、またプレベイパー製剤材料を気化して発生したベイパーを形成するために十分な温度まで芯28の中に収容されたプレベイパー製剤材料を加熱するように配置される。
【0044】
ヒーター14は、芯28を囲むワイヤコイルであってもよい。好適な電気抵抗性材料の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられる。適切な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられる。例えば、ヒーターは、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層をもつ材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。一実施形態では、ヒーター14は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含む。一実施形態では、ヒーター14は、ニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成される。一実施形態では、ヒーター14は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターであることができる。
【0045】
別の実施形態において、ヒーター14は、一般に権利付与されたU.S.Pat.No.5,595,706 to Sikka et al.filed Dec.29,1994に記載されるような鉄アルミナイド(例えば、FeAlまたはFe.sub.3Al)またはニッケルアルミナイド(例えば、Ni.sub.3Al)で構成されてもよい。鉄アルミナイドの使用は特に、それらが高い比抵抗を示すという点で有利である。FeAlは、約180マイクロオームの比抵抗を示し、一方で、ステンレス鋼は、約50~91マイクロオームを示す。比抵抗が高いほど、電源(電池)1から引き出される、またはこれに負荷をかける電流が低くなる。
【0046】
一実施形態では、ヒーター14は、少なくとも部分的に芯28を囲むワイヤコイルを含む。その実施形態では、ワイヤーは、金属ワイヤーである。ヒーターコイルは、芯28の長さに沿って部分的に延在してもよい。ヒーターコイルは、芯28の周囲に全体的または部分的に延在しうる。別の実施形態では、ヒーターコイルは芯28と接触していない。
【0047】
ヒーター14は、芯28の中のプレベイパー製剤を熱伝導によって加熱する。あるいは、ヒーター14からの熱は、熱伝導要素によってプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、またはヒーター14は、使用中に不燃性喫煙装置60を通して引き込まれ、流入する周囲空気へと熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0048】
一実施形態では、芯は、セラミック材料またはセラミック繊維を含む。上述のように、芯28は、少なくとも部分的にヒーター14によって囲まれている。さらに、実施形態では、芯28の端部部分29、31がプレベイパー製剤供給貯蔵部22と接触するように、芯28は内側管62にある向かい合った開口部を通って延在する。
【0049】
この芯28は、複数のフィラメントまたは一束のフィラメントを含みうる。一実施形態では、フィラメントは、不燃性喫煙装置60の長軸方向に対して横断方向に概して整列されてもよいが、例示的な実施形態はこの方向に限定されない。一実施形態では、芯28の構造は、ヒーター14に対するフィラメント間のすきま空間を介して毛細管作用によってプレベイパー製剤を引き出す能力を有するセラミックフィラメントを形成する。芯28は、略十字型、クローバー型、Y字型、または他の好適な形状の断面を有するフィラメントを含むことができる。
【0050】
芯28は、適切な任意の材料または材料の組み合わせを含む。適切な材料の例には、ガラスフィラメントおよびセラミックまたはグラファイトをベースにした材料がある。さらに、芯28は密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、適切な任意の毛細管を有する場合がある。プレベイパー製剤の特性と組み合わされた芯28の毛細管特性は、ヒーター14の過熱を避けるためにヒーター14の区域で芯28が常に湿潤状態になることを確実にする。
【0051】
芯を使用する代わりに、ヒーター14は、十分な毛細管の多孔性材料であることができ、それは、迅速に熱を生成することができる高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗ヒーターと一体となる。
【0052】
その他の例示的な実施形態では、ヒーター14は、一緒に半円形に曲げられて組み合わされた二つの片を有するシート金属で作られうる。その他の例示的な実施形態では、ヒーター14は、芯28の内部に置かれる蛇行状ヒーター、メッシュヒーター、平板状ヒーター、NotchCoil(商標)を有するWismec Theoremヒーター、らせん状ヒーター、セラミック加熱フィルム、渦巻状ヒーター、またはプラチナヒーターのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0053】
一実施形態では、芯28およびプレベイパー製剤供給貯蔵部22のプレベイパー製剤貯蔵媒体21は、アルミナセラミックで構築される。別の実施形態では、芯28はガラス繊維を含み、プレベイパー製剤貯蔵媒体21はセルロース系材料またはポリエチレンテレフタラートを含む。
【0054】
実施形態では、電源1は、不燃性喫煙装置60内で陽極が陰極の下流となるように配置された電池を含んでもよい。陽極コネクター4は電池の下流端部に接続する。ヒーター14は、二本の間隙を介した導線によって電池へと接続される。
【0055】
ヒーター14および導線の巻かれていない端部部分27と端部部分27’(
図4参照)との間の接続は導電性が高くかつ温度耐性がある一方で、ヒーター14は、接触によってではなく主にヒーター14に沿って発熱を生じるように抵抗が大きい。
【0056】
電池は、リチウム-イオン電池、またはその変形のうちの一つ(例えば、リチウム-イオンポリマー電池)であってもよい。あるいは、バッテリーは、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。この場合、不燃性喫煙装置60は、電源のエネルギーが消耗するまで利用可能である。あるいは、電源1は充電式であってもよく、また電池を外部充電装置によって充電できるようにする回路を含んでもよい。この場合、充電する時、回路は所望の(あるいは、所定の)数の陰圧の適用に対する電力を提供し、その後は回路を外部充電装置へと再接続する必要がある。
【0057】
不燃性喫煙装置60は、センサー16を含む制御回路も含む。センサー16は、空気圧力の降下を感知し、電源1からヒーター14への電圧の印加を開始するように動作可能である。制御回路はまた、ヒーター14が作動している時に点灯するよう動作可能なヒーター作動灯48を含むことができる。一実施形態では、ヒーター作動灯48は、ヒーター作動灯(例えば、発光ダイオード(LED))48を含み、また陰圧が印加されている間にヒーター作動灯48が石炭燃焼中のように見えるように、不燃性喫煙装置60の上流端部にある。さらに、ヒーター作動灯48は、成人たばこ消費者から見えるように配置することができる。加えて、ヒーター作動灯48は、eベイピングシステムの診断に利用することができる。該灯48はまた、プライバシーのために、成人たばこ消費者が該灯48を有効化する、無効化する、または有効化および無効化を行うことができるように構成することができるため、該灯48は、所望であれば、ベイピング中でも有効化しないものとなる。
【0058】
少なくとも一つの空気吸込み口44aは、センサー16が、陰圧を示す気流を感知し、電源1およびヒーター14が作動していることを示すためのヒーター作動灯48を起動させるようにセンサー16に隣接して位置する。
【0059】
制御回路は、センサー16に組み込まれ、センサー16に応答して電力をヒーター14へと、例えば最大の時間リミッター付きで供給する。
【0060】
あるいは、制御回路は、陰圧の印加のために手動で動作可能なスイッチを含んでもよい。ヒーター14への電流供給の時間は、気化されるプレベイパー製剤の所望の量に応じて予め設定されてもよい。この目的のために、制御回路はプログラマブルであってもよい。あるいは、回路は、センサー16が圧力降下を検出する限り、電力をヒーターへと供給してもよい。
【0061】
作動された時、ヒーター14は、ヒーターによって囲まれた芯28の一部分を約10秒間未満、より好ましくは約7秒間未満、加熱する。したがって、電力サイクルは、約2秒間~約10秒間(例えば、約3秒間~約9秒間、約4秒間~約8秒間、または約5秒間~約7秒間)の時間の範囲とすることができる。
【0062】
実施形態では、プレベイパー製剤供給貯蔵部22は、プレベイパー製剤材料を含むプレベイパー製剤貯蔵媒体21を含む。
図1では、プレベイパー製剤供給貯蔵部22は、内側管62と外側管6との間、かつストッパー10とシール15との間の外側環状部内に収容される。したがって、プレベイパー製剤供給貯蔵部22は、中央空気通路20を少なくとも部分的に囲み、またヒーター14および芯28はプレベイパー製剤供給貯蔵部22の部分の間に延在する。
【0063】
プレベイパー製剤貯蔵媒体21は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6ミクロン~約15ミクロン(例えば、約8ミクロン~約12ミクロン、または約9ミクロン~約11ミクロン)のサイズの範囲である直径を有してもよい。プレベイパー製剤貯蔵媒体21は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は無関係にサイズ設定されてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の好適な形状の断面を有することができる。
【0064】
別の例示的な実施形態では、プレベイパー製剤貯蔵媒体21は、たばこフィルターまたはたばこスラリーであってもよい。
【0065】
また、プレベイパー製剤材料は、不燃性喫煙装置60で使用するために好適な沸点を有する。沸点が高すぎる場合、ヒーター14は芯28内のプレベイパー製剤を気化することができない場合がある。しかし、沸点が低すぎる場合、ヒーター14が作動されていない間に、プレベイパー製剤の気化が起こる場合がある。
【0066】
プレベイパー製剤は、発生したベイパーに変換されうる材料または材料の組み合わせである。 例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工の香料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにそれらの組み合わせを含むがこれに限定されない、液体、固体またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0067】
プレベイパー製剤は、加熱に伴い放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ要素を含んでもよい。たばこ要素がプレベイパー製剤内にある時、たばこ要素の物理的整合性は保持される。例えば、たばこ要素は、プレベイパー製剤中の2~30重量パーセントであってもよい。
【0068】
例えば、たばこ要素は、シートまたは断片の形態であり、プレベイパー製剤がプレベイパー製剤貯蔵媒体21に加えられた後に加えられうる。
【0069】
組み立てられた構成における不燃性喫煙装置60による動作時、陰圧は、口側の端部インサート8に印加されうる。この陰圧は、不燃性喫煙装置60内で内部圧力降下を引き起こすことができ、それは、空気吸込み口44/44’を経由して、入口気流が装置60に入るようにしうる。内部圧力降下はまた、空気が空気吸込み口44aを通って(セクション72を通じて延びる気流経路を介して)引き込まれるのにつれて、セクション72内の内部圧力降下を引き起こしうる。セクション72内に形成される内部圧力降下は、センサー16によって感知されうる。センサー16は次に、電源1を含む電気回路を遮断するように動作しうる。次に、導線は、ヒーター14を活性化するために、電流をヒーター14に運ぶ。活性化されたヒーター14は次に、芯28を介してヒーター14の方に引き込まれたプレベイパー製剤材料を加熱し、気化させる。
【0070】
プレベイパー製剤材料は、芯28における毛細管作用によって、プレベイパー製剤供給貯蔵部22およびプレベイパー製剤貯蔵媒体21のうちの少なくとも一つからヒーター14の近傍に移動される。一実施形態では、
図3に示すように、芯28は、第一の端部部分29と、第二の反対側の端部部分31と、を有する。第一の端部部分29および第二の端部部分31は、その中に収容されたプレベイパー製剤材料と接触するためにプレベイパー製剤貯蔵媒体21の向かい合う側面の中へと延在する。ヒーター14が作動される時に、芯28のその中央部分の中のプレベイパー製剤がヒーター14によって気化され、プレベイパー製剤材料を気化させて、発生したベイパーを形成するように、ヒーター14は芯28の中央部分を少なくとも部分的に囲む。陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、(香味付きのベイパーを生成するために)たばこ要素23を通って、さらに口側の端部インサート8の外へと流れる。
【0071】
発生したベイパーは、たばこ要素をフローストリーム内へ溶出させうる。いくつかの熱的反応がまた、発生したベイパーとたばこ要素との間に存在しうる。
【0072】
実施形態の一つの利点は、プレベイパー製剤供給貯蔵部22内のプレベイパー製剤材料が酸素から保護され(酸素は概して、芯を介してプレベイパー製剤貯蔵部分に入ることができないので)、その結果、プレベイパー製剤材料の劣化のリスクが著しく減少することである。さらに、外側管6が透明でないいくつかの実施形態では、プレベイパー製剤供給貯蔵部22が光から保護され、その結果、プレベイパー製剤材料の劣化のリスクが著しく減少する。従って、高いレベルの貯蔵寿命および清浄度を維持することができる。
【0073】
図2Aおよび
図2Bに示すように、口側の端部インサート8は少なくとも二つ(例えば、三つ、四つ、または五つ以上)の分岐する出口24を含む。口側の端部インサート8の出口24は、軸から離れた通路80の端部に位置し、また不燃性喫煙装置60の長軸方向に対して外向きの角度(すなわち、放散する角度)を有する。本明細書で使用される場合、「軸から離れた」という用語は不燃性喫煙装置60の長軸方向に対してある角度を有することを意味する。また、口側の端部インサート(または流れガイド)8は、使用時に、香味付きのベイパーを実質的に均一に分配するように、口側の端部インサート8の周りに均一に分布した出口を含んでもよい。したがって、ベイパーを単一の場所へと向かわせる軸上の単一のオリフィスのみを有するeベイピング装置と比較して、香味付きのベイパーは様々な方向に移動する。
【0074】
加えて、出口24および軸から離れた通路80は、口側の端部インサートにおける内部表面81および軸から離れた通路の内部表面のうちの少なくとも一つにおけるベイパー衝撃へと持ち込まれる気化されていないプレベイパー製剤の液滴が除去または分解されるように配置される。実施形態では、口側の端部インサートの出口は軸から離れた通路の端部に位置し、かつ使用時に香味付きのベイパーをより完全に分配し、液滴を除去するように、外側管6の中心軸に対して5~60度の角度を有してもよい。
【0075】
各々の出口は、約0.015インチ~約0.090インチ(例えば、約0.020インチ~約0.040インチ、または約0.028インチ~約0.038インチ)の直径を有することが好ましい。所望する場合は、不燃性喫煙装置60の引き出し抵抗(RTD)を調節するために、出口の数とともに、出口24および軸から離れた通路80のサイズを選択することができる。
【0076】
図1に示すように、口側の端部インサート8の内部表面81は、略ドーム型表面を含むことができる。あるいは、
図2Bに示すように、口側の端部インサート8の内部表面81’は、略平面状の端部表面を有する円筒状または円錐台状であることができる。内部表面は、その表面にわたって実質的に均一であり、または口側の端部インサート8の長軸方向軸を中心として対称である。しかし、他の実施形態では、内部表面は不規則な形状であることができ、他の形状を有することができ、またはその両方であることができる。
【0077】
口側の端部インサート8は、セクション70の外側管6の中に一体的に取り付けられてもよい。さらに、口側の端部インサート8は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるポリマーで形成されてもよい。所望する場合、口側の端部インサート8は着色されてもよい。
【0078】
実施形態では、不燃性喫煙装置60はまた、気流ダイバータまたは気流ダイバータ手段の種々の実施形態を含む。気流ダイバータは、引き込まれた空気がヒーターを冷却する傾向を弱めるようにヒーターにおけるまたはそのおおよそ周りの気流を管理するように動作可能であり、そうしないとベイパー放出の低下をもたらす可能性がある。
【0079】
一実施形態では、
図3および
図4に示すように、不燃性喫煙装置60は、シール15内の中央空気通路20の下流端部82において不浸透性プラグ30を含む気流ダイバータを含むことができる。中央空気通路20は、シール15および内側管62内で軸方向に延在する中央通路である。シール15は、外側管6と内側管62との間の環状部の上流端部をシールする。気流ダイバータは、中央空気通路20からの空気を内側管62に向かって外向きに、およびシール15の下流端部部分の外側周辺と内側管62の内壁との間に画定される外側空気通路9の中へと方向付けるための少なくとも一つの半径方向空気チャネル32を含んでもよい。
【0080】
中央空気通路20の穴の直径は、少なくとも一つの半径方向空気チャネル32の直径と実質的に同一である。さらに、中央空気通路20の穴および少なくとも一つの半径方向空気チャネル32の直径は、約1.5ミリメートル~約3.5ミリメートル(例えば、約2.0ミリメートル~約3.0mm)の範囲であってもよい。随意に、不燃性喫煙装置60の引き出し抵抗を制御するために、中央空気通路20の穴および少なくとも一つの半径方向空気チャネル32の直径を調節することができる。使用時に、気流のより小さい部分がヒーター14の中央部分に方向付けられるように、空気は中央空気通路20の穴の中へ、少なくとも一つの半径方向空気チャネル32を通して、そして外側空気通路9の中へと流れ、これにより加熱サイクルの間ヒーター14上の気流の前述の冷却効果を減少または最小化する。したがって、入ってくる空気は、ヒーター14の中央から遠ざかるように方向付けられ、またヒーターを通過する空気速度は、空気がヒーター14の中央部分に真っ直ぐ沿って方向付けられたシール15の中央開口部を通って流れる時と比較して減少する。
【0081】
別の実施形態では、
図5および
図6に示すように、気流ダイバータは、シール15の下流端部およびヒーター14との間に位置付けられたディスク34の形状であることができる。ディスク34は、外側管状壁90の下流端部における横軸方向の壁内に少なくとも一つの開口部36を含む。少なくとも一つの開口部36は、入ってくる空気が管62の内側壁の方へ外側に方向付けられるように軸から離れていてもよい。陰圧の印加の間、ディスク34は、成人たばこ消費者による強くまたは長い吸い込みの結果として気流の傾向に反作用してヒーターを冷却するように、ヒーター14の中央部分から離れて気流を分岐させるように動作可能である。したがって、ヒーター14は、陰圧の印加の間に生成されたベイパー量における液滴を減少し、または防ぐように、加熱サイクルの間の冷却を実質的に減少し、または防ぐ。
【0082】
さらに別の実施形態では、
図7に示すように、気流ダイバータは、短い中央空気通路20の下流端部82から延在する円錐台状のセクション40を含む。他の実施形態と比較して中央空気通路20を短くすることによって、ヒーター14は、中央空気通路20から遠く離れて位置付けられ、それはヒーター14と接触する前に気流の速度を落とすことを許容し、気流の傾向を少なくしてヒーター14を冷却する。あるいは、ヒーター14は、口側の端部インサート8の近くに、かつ中央空気通路20から遠く離れて移動し、十分な時間、十分な空間、または十分な時間かつ空間において気流が速度を落とすことを許容し、同様の冷却減少効果を達成することができる。
【0083】
円錐台状のセクション40の付加により、気流の速度を落とすことができるより大きな直径のサイズの穴が提供され、その結果、ヒーター14におけるまたはヒーター14の周りでの気流速度が、陰圧サイクルの間のヒーター14上の空気の冷却効果を弱めるように減少する。円錐台状のセクション40の大きい方(出口)の端部の直径は、約2.0ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲であり、好ましくは約2.5ミリメートル~約3.5ミリメートルの範囲である。
【0084】
中央空気通路20の穴の直径および円錐台状のセクション40の小さい端部、大きい端部、または小さいおよび大きい端部の直径は、不燃性喫煙装置60の引き出し抵抗を制御するように調節されうる。
【0085】
種々の実施形態の気流ダイバータは、気流速度(気流の速度、気流の方向、またはその速度および方向)を制御することによって気流の向きを変える。例えば、気流ダイバータは、特定の方向に気流を向けること、気流の速度を制御すること、またはその両方を行うことができる。気流の速度は、気流経路の断面積を変えることによって制御されてもよい。収縮したセクションを通る気流は、速度を増大する一方で、幅の広いセクションを通る気流は、速度を減少する。
【0086】
外側管6、内側管62、またはその両方は、任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成されうる。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セラミック、およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。一実施形態では、材料は軽量であり、脆くない。
【0087】
図8に示すように、不燃性喫煙装置60はまた、不燃性喫煙装置60の第一のセクション70に隣接した外側管6の周りで取り外し可能に、回転可能に、または取り外し可能に、かつ回転可能に位置付けられるスリーブ組立品87を含むことができる。さらに、スリーブ組立品87は、成人たばこ消費者に送達する前に発生したベイパーの温度を維持するように第一のセクション70の少なくとも一部分を断熱する。実施形態では、スリーブ組立品87は、不燃性喫煙装置60の周りで回転可能であり、溝穴88が第一のセクション70において空気吸込み口44と並び、陰圧が不燃性喫煙装置60に印加された時に空気が不燃性喫煙装置60内へ通ることを許容するように、スリーブ組立品の周りに横軸方向に間隔をおいて配置される溝穴88を含む。ベイピングの前またはベイピングの間、成人たばこ消費者は、空気吸込み口44がスリーブ組立品87によって少なくとも部分的に塞がれるようにスリーブ組立品87を回転させることができ、それによって、不燃性喫煙装置60の引き出し抵抗、換気、またはその両方を調節する。
【0088】
スリーブ組立品87は、シリコーンまたは他の柔軟な材料で作られ、それは柔らかい口あたりを成人たばこ消費者に提供する。しかし、スリーブ組立品87は、一つ以上の部分で形成されてもよく、プラスチック、金属およびその組み合わせを含む様々な材料から形成されてもよい。実施形態では、スリーブ組立品87は、シリコーンで形成される単一の部分である。スリーブ組立品87は、他の不燃性喫煙装置とともに取り外されても、再利用されてもよく、または第一のセクション70とともに廃棄されてもよい。スリーブ組立品87は、任意の適切な色であってもよく、グラフィック、またはその他のしるし、またはその両方を含むことができる。
【0089】
図9および
図10に示すように、代替の実施形態では、不燃性喫煙装置は、動かない部分27および回転可能な部分25を有する口側の端部インサート8を含むことができる。出口24、24’は、動かない部分27および回転可能な部分25のそれぞれに位置する。出口24、24’のうち一つ以上は、示したように位置合わせされ、香味付きのベイパーが成人たばこ消費者の口に入ることを許容する。しかし、回転可能な部分25は、動かない部分27における出口24のうち一つ以上を少なくとも部分的に塞ぐように口側の端部インサート8内を回転することができる。したがって、出口の香味付きのベイパー量は、陰圧の各印加で変化されうる。出口24、24’は、出口24、24’が分岐するように口側の端部インサート8に形成されうる。
【0090】
別の実施形態では、気流ダイバータは、ヒーター14に隣接するがすぐ上流にある追加的な第二の芯要素を含む。第二の芯要素は、ヒーター14の周りで気流の部分を分岐させる。
【0091】
図1、
図3、
図5、
図7および
図8は、外側空気通路内にたばこ要素を示すが、例示的な実施形態はそれに限定されない。
【0092】
図11Aは、たばこ要素1150を含む不燃性喫煙装置1100の例示的な実施形態を示す。不燃性喫煙装置1100は、不燃性喫煙装置60と類似している。したがって、簡潔性のために異なる部分のみを説明する。
【0093】
不燃性喫煙装置1100は、プレベイパー製剤供給貯蔵部22aを含む。プレベイパー製剤供給貯蔵部22aは、プレベイパー製剤供給貯蔵部22aが長軸方向において短いことを除いて、プレベイパー製剤供給貯蔵部22と同様である。
【0094】
第一のセクション70aは、長軸方向に延在する外側管6(またはハウジング)と、外側管またはハウジング6の中に同軸に位置付けられる内側管62aと、を含む。内側管62aは、第一の外側空気通路9aを画定する。第一の外側空気通路9aは、第二の外側空気通路9bに通じている。
【0095】
内側管62aの端部および口側の端部インサート8は、第二の外側空気通路9bを画定する。別の言い方をすると、外側管6は、第二の外側空気通路9bの緯度方向における直径を画定しうる。示すように、第二の外側空気通路9bの緯度方向における直径は、第一の外側空気通路9aの緯度方向における直径より大きい。
【0096】
たばこ要素1150は第二の外側空気通路9b内にある。たばこ要素1150は、例えば、口側の端部インサート8を取り外して、たばこ要素1150を第二の外側空気通路9b内に挿入することによって、第二の外側空気通路9b内に挿入されてもよい。
【0097】
たばこ要素1150は、たばこストランド、巻かれたたばこ、またはフィルターを含むがそれらに限定されない、圧縮された形態のたばこを意味するたばこプラグであってもよい。たばこプラグは、例えば、天然のたばこ、再構成シートたばこ、またはアルミニウムで巻き付けられてもよい。ただ一つのたばこプラグが示されているが、複数のたばこプラグが使用されてもよいことは理解されるべきである。繊維状セグメント(例えば、酢酸セルロース、他の合成ファイバー、または天然ファイバー)が、複数のたばこプラグの間に配置されてもよい。
【0098】
例えば、円筒形のハウジング1185はたばこを保持する。円筒形のハウジング1185は、例えば、アルミニウムで作られうる。円筒形のハウジング1185は、外側空気通路9bの直径に適合する外径を有する。ハウジング6の長軸方向軸に沿って、メッシュスクリーン1175および1180は、円筒形のハウジング1185の端部に適合し、円筒形のハウジング1185内でたばこを囲む。
図11Aに示すように、メッシュスクリーン1175および1180は、空気が円筒形のハウジングの一方の端部からたばこを通って、口側の端部インサート8に最も近い円筒形のハウジング1185の端部の外へ通ることを可能にする開口部1182を含む。
【0099】
たばこ要素1150は、ヒーター14によって生成される発生したベイパーがたばこを通り抜けることができるように配置される。例えば、たばこ要素1150は、口側の端部インサート8からの第一の距離およびプレベイパー製剤供給貯蔵部22からの第二の距離の間隔において配置されうる。第一の距離および第二の距離は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0100】
陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、たばこ要素1150を通って、さらに口側の端部インサート8の外へと流れる。ヒーター14は、たばこ要素1150から設定された距離にあってもよく、またはたばこ要素1150と接触していてもよく、したがって、ヒーター14は、陰圧の印加の間、たばこをある温度(上記で説明されたような)に加熱する。実施例では、ヒーター14は、たばこ要素1150から1~5ミリメートルに置かれてもよい。
【0101】
内側管62aは、口側の端部インサート8に対して長軸方向にヒーター14を通って延在するように示されているが、ヒーター14は、第二の外側空気通路9b内に延在するように配置されてもよいことが理解されるべきである。結果として、たばこ要素1150は、ヒーター14から間隔をおいて配置されてもよく、または
図11Bに示すように、ヒーター14と接触していてもよい。
図11Bでは、ヒーター14は、セクション70bの第二の外側空気通路9b内にある。したがって、プレベイパー製剤供給貯蔵部11a、ヒーター14、およびたばこ要素1150は、連続的に配置される。
【0102】
ガスケット10が示されていないが、不燃性喫煙装置11は、ガスケット10を含んでもよい。
【0103】
図12は、不燃性喫煙装置1200の例示的な実施形態を示す。
図12は、たばこ要素1250を含む不燃性喫煙装置1200の例示的な実施形態を示す。不燃性喫煙装置1200は、セクション70cが口側の端部インサート8、たばこ要素23およびガスケット10を含まないことを除いて不燃性喫煙装置60と類似しており、不燃性喫煙装置1200はさらに、インサート1210を含む。したがって、簡潔性のために異なる部分のみを説明する。
【0104】
口側の端部インサート8およびガスケット10を取り除くことにより、不燃性喫煙装置1200は、たばこインサート1210を受けるように嵌合する受入れ区域1205を含む。受入れ区域1205は、外側管6およびプレベイパー製剤供給貯蔵部22の端部によって画定される。
【0105】
たばこインサート1210は、紙巻たばこまたは葉巻たばこであってもよい。例えば、たばこインサートは、例えば、フィルター付きの紙巻たばこ、フィルターのない紙巻たばこ、シガリロ、フィルター付きの葉巻たばこフィルター、先端部がある葉巻たばこ、または先端部のない葉巻たばこもしくはシガリロであってもよい。しかしながら、例示的な実施形態は、それに限定されない。
【0106】
たばこインサート1210は、着脱可能なインサートである。
図12に示す実施例では、たばこインサート1210は、紙巻たばこまたは紙巻たばこの一部分であってもよい。たばこインサート1210は、フィルター1220およびたばこ要素1250を含む。たばこインサートが先端部のない葉巻たばこまたはシガリロである例示的な実施形態では、たばこインサートは、フィルターを含まない。
【0107】
チッピングペーパー1255は、フィルター1220およびたばこ要素1250と部分的に重なりうる。チッピングペーパー1255は、外側管6に沿って延在するたばこインサート1210の表面区域を覆いうる。したがって、チッピングペーパー1255は、剛性をたばこインサート1210に提供し、受入れ区域1205への容易な挿入を可能にする。アルミ箔がまた、追加的なチッピングペーパーを用いて、または用いずに、たばこ要素1250を収容するために使用されてもよい。
【0108】
ヒーター14の位置は、
図12に示す位置に限定されない。例えば、ヒーター14は、ヒーター14がたばこ要素1250に近接する、たばこ要素1250と接触する、またはその両方であるように、外側空気通路9の端部に位置付けられてもよい。別の例示的な実施形態では、ヒーター14は、
図11Bに示すものと同様に、外側空気通路9の外へ突出していてもよい。
【0109】
ヒーター14は、たばこ要素1250から設定された距離にあってもよく、またはたばこ要素1250と接触していてもよく、したがって、ヒーター14は、陰圧の印加の間、たばこ要素1250をある温度(上記で説明されたような)に加熱する。
【0110】
組み立てられた構成における不燃性喫煙装置1200による動作時、陰圧は、たばこインサート1210に印加されうる。陰圧は、不燃性喫煙装置1200内で内部圧力降下を引き起こすことができ、それは、空気吸込み口44/44’を経由して、入口気流が装置1200に入るようにしうる。内部圧力降下はまた、空気が空気吸込み口44aを通って(セクション72を通じて延びる気流経路を介して)引き込まれるのにつれて、セクション72内の内部圧力降下を引き起こしうる。セクション72内に形成される内部圧力降下は、センサー16によって感知されうる。センサー16は次に、電源1を含む電気回路を遮断するように動作しうる。次に、導線は、ヒーター14を活性化するために、電流をヒーター14に運ぶ。活性化されたヒーター14は次に、芯28を介してヒーター14の方に引き込まれたプレベイパー製剤の一部分を加熱し、気化させる。
【0111】
プレベイパー製剤材料は、芯28における毛細管作用によって、プレベイパー製剤供給貯蔵部22およびプレベイパー製剤貯蔵媒体21のうちの少なくとも一つからヒーター14の近傍に移動される。ヒーター14が作動される時に、芯28のその中央部分の中のプレベイパー製剤は、ヒーター14によって気化され、プレベイパー製剤材料を気化させて、発生したベイパーを形成する。陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、(たばこ風味ベイパーを形成するために)たばこ要素1250を通って、さらにフィルター1220の外へと流れる。
【0112】
図12に示す実施例では、フィルター1220は、酢酸セルロース(CA)フィルターであってもよい。トリアセチンなどのCAフィルター要素は、発生したベイパーに溶出されうる。発生したベイパーにおける蒸気相ニコチンおよび他の揮発性要素は、たばこの存在によって減少されうる。
【0113】
図13Aは、不燃性喫煙装置1300の例示的な実施形態を示す。
【0114】
不燃性喫煙装置1300は、セクション70dがたばこ要素23を含まないことを除いて不燃性喫煙装置60と類似しており、不燃性喫煙装置1300はさらに、着脱可能なマウスピース1310を含む。したがって、簡潔性のために異なる部分のみを説明する。
【0115】
着脱可能なマウスピース1310は、たばこ要素1320を含む。たばこ要素1320は、プラグまたはバッグ内に収容され、マウスピース1310の内部に取り付けられうる。着脱可能なマウスピース1310は、外側管6の一部分にわたって適合し、着脱可能なマウスピースとセクション70dとの間にシールを形成する。着脱可能なマウスピース1310は、外側管6上に摺動する、または接続機構(例えば、雄/雌)を用いて外側管6に接続することによってシールを形成しうる。
【0116】
組み立てられた構成における不燃性喫煙装置1300による動作時、陰圧は、着脱可能なマウスピース1310に印加されうる。陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、口側の端部インサート8を通って、たばこ要素1320内へ、さらに空気通路1330を通って着脱可能なマウスピース1310の外へと流れる。
【0117】
ヒーター14は、たばこ要素1320から設定された距離にあってもよく、またはたばこ要素1320と接触していてもよく、したがって、ヒーター14は、陰圧の印加の間、たばこ要素1320をある温度(上記で説明されたような)に加熱する。
【0118】
別の例示的な実施形態では、口側の端部インサート8およびガスケット10は、
図13Bに示すように省かれてもよい。
図13Bに示す実施形態では、管6aは
図13Aの管6よりも短い。
【0119】
他の例示的な実施形態では、たばこ要素は、プレベイパー製剤供給貯蔵部内にあってもよく、プレベイパー製剤プレベイパー製剤貯蔵媒体として機能してもよく、またはその両方であってもよい。
【0120】
例えば、
図14Aおよび
図14Bは、プレベイパー製剤供給貯蔵部の例示的な実施形態を示す。プレベイパー製剤供給貯蔵部22aは、プレベイパー製剤供給貯蔵部22のように用いられうる。
【0121】
示されるように、プレベイパー製剤供給貯蔵部22aは、プレベイパー製剤1402、中間管1404、たばこ要素1410、および内側管62’を含む。内側管62’は、空気通路9を画定し、例えば、金属グリッド、スクリーンまたはメッシュを含みうる。
【0122】
別の例示的な実施形態では、内側管62’は、任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成されうる内側管62であってもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セラミック、およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0123】
中間管1404はガラス繊維を含んでもよい。プレベイパー製剤1402は、中間管1404と外側管6との間にあり、またプレベイパー製剤貯蔵媒体21内にあってもよい。
【0124】
たばこ要素1410は、内側管62’と中間管1404との間にある。たばこ要素1410は、例えば、たばこシート、断片、粉末、ビーズ、またはスポンジであってもよい。内側管62’は、熱伝達を助けるためにたばこ内に突出するエクステンダーを含んでもよい。
【0125】
動作時、陰圧が不燃性喫煙装置に印加され、上記で説明されたように、それはヒーター14を起動しうる。ヒーターは、プレベイパー製剤1402を加熱して発生したベイパーを形成し、その発生したベイパーは、ヒーター14から、(たばこ風味ベイパーを形成するために)たばこ要素1410を通って、さらに空気通路9内へと流れる。
【0126】
結果として、たばこ要素1410は、発生したベイパーによる熱、またヒーター14による熱に晒される。したがって、たばこアロマが発生したベイパーに与えられる。
【0127】
例示的な実施形態では、不燃性喫煙装置内のある量のたばこ要素(例えば、フィルター)は、紙巻たばこの場合とおおよそ同様の数の陰圧の印加をもたらしうる。あるいは、ある量のたばこ要素は、決まった数の陰圧の印加をもたらしうる。
【0128】
例示的な実施形態において、たばこ要素はニコチンを除去されていてもよい。
【0129】
図1~
図14Bで説明された例示的な実施形態は、二つ以上の位置におけるたばこ要素を利用するように組み合わされうる。例えば、第一のたばこ要素は、プレベイパー製剤供給貯蔵部内でプレベイパー製剤と組み合わせることができ、第二のたばこ要素は、通路9内にあってもよい。他の例示的な実施形態において、第一のたばこ要素は、プレベイパー製剤供給貯蔵部内でプレベイパー製剤と組み合わせることができ、第二のたばこ要素は、第二の外側空気通路9bにおけるたばこプラグであってもよい。別の例示的な実施形態において、第一のたばこ要素は、プレベイパー製剤供給貯蔵部内でプレベイパー製剤と組み合わせることができ、第二のたばこ要素は、インサートまたは着脱可能なマウスピース内にあってもよい。別の例示的な実施形態において、第一のたばこ要素は、通路9内にあることができ、第二のたばこ要素は、インサートまたは着脱可能なマウスピース内にあってもよい。
【0130】
例示的な実施形態は、プレベイパー製剤を加熱し、また熱をたばこ要素に提供しうるヒーターを有する不燃性喫煙装置を提供する。より詳細には、例示的な実施形態による不燃性喫煙装置は、発生したベイパーをたばこ要素に晒し、プレベイパー製剤をたばこ要素に晒し、またはその両方を行う。たばこ要素がプレベイパー製剤内にある時、たばこ要素の物理的整合性は保持される。
【0131】
他の例示的な実施形態では、不燃性喫煙装置は、発生したベイパーをたばこ要素に晒し、プレベイパー製剤をたばこ要素に晒し、またはその両方を行うポッド装置またはタンク装置であることができる。
【0132】
単一のヒーターが
図1~
図14Bに関して説明されたが、例示的な実施形態は、複数のヒーター不燃性喫煙装置を含んでもよい。第一のヒーターは、プレベイパー製剤を気化させるためのヒーター14であってもよく、第二のヒーターは、たばこ要素を加熱するために使用されてもよい。第二のヒーターは、たばこ要素を貫通していてもよい。
【0133】
図15A~
図15Cは、不燃性喫煙装置1500の例示的な実施形態を示す。
図15Bは、不燃性喫煙装置1500の例示的な実施形態の半分解図を示す。
図15Cは、ガスケット1560および気流要素1570の平面図を示す。
【0134】
図15Aは、たばこ要素1550を収容するたばこハウジング1540を含む不燃性喫煙装置1500の例示的な実施形態を示す。不燃性喫煙装置1500は、セクション70cが口側の端部インサート8およびたばこ要素23を含まないことを除いて不燃性喫煙装置60と類似しており、不燃性喫煙装置1500はさらに、インサート1510を含む。したがって、簡潔性のために異なる部分のみを説明する。
【0135】
不燃性喫煙装置1500は、インサート1510を受けるように嵌合する受入れ区域1505を含む。受入れ区域1505は、外側管6およびガスケット10によって画定される。
【0136】
たばこインサート1510は、ガスケット1560および気流要素1570を含む紙巻たばこまたは葉巻たばこであってもよい。例えば、たばこインサート1510は、例えば、フィルター付きの紙巻たばこ、フィルターのない紙巻たばこ、シガリロ、フィルター付きの葉巻たばこフィルター、先端部がある葉巻たばこ、または先端部のない葉巻たばこ/シガリロであってもよい。しかしながら、例示的な実施形態は、それに限定されない。
【0137】
たばこインサート1510は、着脱可能なインサートである。
【0138】
たばこインサート1510は、フィルター1520、たばこハウジング1540、ガスケット1560、および気流要素1570を含む。ガスケット1560のみが
図15Aに示される一方で、追加的なガスケットが存在してもよいことは理解されるべきである。例えば、長い気流要素のために、第二のガスケットが、管を安定させるためにたばこハウジング1540とフィルター1520との間に用いられてもよい。実施例では、たばこハウジング1540は、長軸方向における15~25ミリメートルの長さ、および8ミリメートルの幅を有しうる。
【0139】
ガスケット1560は、ガスケット10とたばこ要素1550との間にある。ガスケット1560は、たばこ要素1550がチャネル9内に漏れることを防ぎ、気流要素1570を保持する。
【0140】
ガスケット1560は、円柱状の受入れ部分1560aおよび穴1560bを含む。穴1560bは、チャネル9をたばこ要素1550に接続し、したがって、発生したベイパーがチャネル9からたばこ要素1550内に、ついで、フィルター1520内に流れることが可能となる。気流要素1570は、気流要素1570を円柱状の受入れ部分1560a内に挿入することによって、ガスケット1560に取り付けられる。気流要素1570および円柱状の受入れ部分1560aは、フェルールを用いて接続されてもよい。例えば、特定の識別を有するフェルールが、その特定の識別に対応する気流要素1570とともに用いられてもよい。フェルールは、その際、ガスケット1560内に組み込まれる。あるいは、気流要素1570は、受入れ部分1560aに接着される。
【0141】
図15Cは、ガスケット1560および気流要素1570の構成をより詳細に示す。示されるように、受入れ部分1560aは、ガスケット1560のベース部1560cから突出する。ベース部1560cは円形状である。穴1560bは、受入れ部分1560aの長軸方向において、第一の露出表面から第二の露出表面へとベース部1560cを通じて延在する。
【0142】
図15Aに戻って参照すると、気流要素1570は、たばこハウジング1540を通じて装置1500の長軸方向に延在する。別の言い方をすると、気流要素1570は、チャネル9からフィルター1520への空気通路を提供する。気流要素1570は、PEEKおよびステンレス鋼のうちの少なくとも一つで作られる毛細管であってもよい。
【0143】
気流要素1570は、たばこハウジング1540の第一の端部分からたばこハウジング1540の対向する第二の端部分まで長軸方向に延在する。気流要素1570は、貯蔵部に最も近いガスケット1560の一部分からフィルター1520へと延在する、円柱状の表面1572を含む。チャネル1574は、貯蔵部に最も近いガスケット1560の一部分からフィルター1520へと延在する気流要素1570の内径(ID)である、気流要素1570の内側表面領域により画定される。気流要素1570は、所望の量の発生したベイパー(例えば、20パーセント)がたばこ要素1550を通過することなく、ハウジング1540を通って流れることを可能にする。残りの量の発生したベイパー(例えば、80パーセント)は、たばこ要素1550を通り抜ける。気流要素1570は、たばこ要素1550に晒されない所望の量の発生したベイパーがたばこ要素1550と反応することを防ぐ。例示的な実施形態では、たばこ要素1550を通過することなく、ハウジング1540を通って流れる所望の量の発生したベイパーは、65パーセントである。
【0144】
気流要素1570のサイズ(例えば、内部体積)は、チャネル1574を通って流れる所望の量の発生したベイパーに基づく。例示的な実施形態では、気流要素1570は、0.5ミリメートル~3ミリメートルの内径および0.5~1.5ミリメートルの外径を有する。その他の例示的な実施形態では、気流要素1570は、2ミリメートル~2.5ミリメートルの内径を有する。例示的な実施形態では、気流要素1570は、1.59ミリメートルの外径および1.02ミリメートルの内径を有する。気流要素1570は、15~25ミリメートルの長さであってもよいが、ハウジング6の長さに基づいて、長くてもまたは短くてもよい。気流要素1570は、一定の内径または変化する内径を有してもよい。
【0145】
図15Aに示す実施形態では、気流要素1570は、たばこ要素1550を二つの等しい半分部分1550aと1550bに区分する。しかし、気流要素1570は、発生したベイパーがたばこ要素1550を通過することなく、ハウジング1540を通って流れることを可能にする任意の位置に置かれてもよい。加えて、複数の気流要素が、たばこ要素1550に晒されない所望の量の発生したベイパーを生成するための一つのものの代わりに用いられてもよい。気流要素1570は、フィルター1520に向かって直線状、らせん状または曲線状であることができる。
【0146】
凝縮を避けるために、気流要素1570は加熱されうる。加熱した時に、気流要素1570はまた、たばこ要素1550に熱を提供する。例えば、気流要素1570およびガスケット1560は、導電材料(例えば、ステンレス鋼)で作られうる。ガスケット1560は、ヒーター14に接続されて、気流要素1570に熱を伝導する。ガスケット1560は、ヒーター14からガスケット1560までハウジング6に沿ったワイヤーによって、ヒーター14に接続されてもよい。
【0147】
チッピングペーパー1555は、フィルター1520およびたばこハウジング1540と部分的に重なりうる。チッピングペーパー1555は、外側管6に沿って延在するたばこインサート1510の表面区域を覆いうる。したがって、チッピングペーパー1555は、剛性をたばこインサート1510に提供し、受入れ区域1505への容易な挿入を可能にする。アルミ箔がまた、追加的なチッピングペーパーを用いて、または用いずに、たばこ要素1550を収容するために使用されてもよい。
【0148】
ヒーター14の位置は、
図15Aに示す位置に限定されない。例えば、ヒーター14は、ヒーター14がたばこ要素1550に近接する、たばこ要素1550と接触する、またはその両方であるように、外側空気通路9の端部に位置付けられてもよい。別の例示的な実施形態では、ヒーター14は、外側空気通路9の外へ突出していてもよい。
【0149】
組み立てられた構成における不燃性喫煙装置1500による動作時、陰圧は、たばこインサート1510に印加されうる。陰圧は、不燃性喫煙装置1500内で内部圧力降下を引き起こすことができ、それは、空気吸込み口44/44’を経由して、入口気流が装置1500に入るようにしうる。内部圧力降下はまた、空気が空気吸込み口44aを通って(セクション72を通じて延びる気流経路を介して)引き込まれるのにつれて、セクション72内の内部圧力降下を引き起こしうる。セクション72内に形成される内部圧力降下は、センサー16によって感知されうる。センサー16は次に、電源1を含む電気回路を遮断するように動作しうる。次に、導線は、ヒーター14を活性化するために、電流をヒーター14に運ぶ。活性化されたヒーター14は次に、芯28を介してヒーター14の方に引き込まれたプレベイパー製剤の一部分を加熱し、気化させる。
【0150】
プレベイパー製剤材料は、芯28における毛細管作用によって、プレベイパー製剤供給貯蔵部22およびプレベイパー製剤貯蔵媒体21のうちの少なくとも一つからヒーター14の近傍に移動される。ヒーター14が作動される時に、芯28のその中央部分の中のプレベイパー製剤は、ヒーター14によって気化され、プレベイパー製剤材料を気化させて、発生したベイパーを形成する。陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、たばこ要素1550およびチャネル1574を通って、さらにフィルター1520の外へと流れる。
【0151】
図15Aに示す実施例では、フィルター1520は、酢酸セルロース(CA)フィルターであってもよい。トリアセチンなどのCAフィルター要素は、発生したベイパーに溶出されうる。発生したベイパーにおける蒸気相ニコチンおよび他の揮発性要素は、たばこの存在によって減少されうる。
【0152】
図15Dは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の別の例示的な実施形態を示す。
【0153】
図15Dに示すように、不燃性喫煙装置1500’は不燃性喫煙装置1500と類似している。従って、異なる部分のみを説明する。
【0154】
不燃性喫煙装置1500’は、気流要素1570’を含むたばこインサート1510’を含む。気流要素1570’は、たばこハウジング1540の第一の端部分からたばこインサート1510’の端部1588まで長軸方向に延在する。チャネル1574’は、貯蔵部に最も近いガスケット1560の一部分からフィルター1520へと延在する気流要素1570’の内径である、気流要素1570’の内側表面領域により画定される。
図15Dに示すように、チャネル1574’は露出される。したがって、気流要素1570’は、発生したベイパーがフィルター1520’およびたばこ要素1550に晒されることなしに、チャネル9から不燃性喫煙装置1500’の外への空気経路を形成する。
【0155】
図15Eは、たばこのためのたばこハウジングおよびたばこハウジング内の気流要素を含む不燃性喫煙装置の別の例示的な実施形態を示す。
【0156】
図15Eに示すように、不燃性喫煙装置1500’’は、たばこインサート1510’’が第二のガスケット1590を含む点を除いて、不燃性喫煙装置1500と同じである。第二のガスケット1590は、ガスケット1560と同じであってもよいが、それに限定するものではない。ガスケット1590は、たばこハウジング1540の中央(例えば、たばこハウジング1540のいずれかの端部から40~60パーセント)にある。ガスケット1590は、追加的な安定性を気流要素1570に提供する。さらに、気流要素1570がフィルター1520を通じて延在しない一実施形態において付加的なガスケットが示される一方で、第二のガスケットは、
図15Dに示すように、たばこインサート1510’’において省かれてもよいことは理解されるべきである。
【0157】
図15A~
図15Eにおける例示的な実施形態がガスケット1560を示す一方で、たばこインサートがガスケット1560を有さなくてもよいことは理解されるべきである。ガスケット1560が存在しない場合、気流要素1570は、ガスケット10に接続されうる。
【0158】
図16Aは、チャネル内に仕切りを含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【0159】
図16Aは、たばこ要素1650および仕切り1660を含む不燃性喫煙装置1600の例示的な実施形態を示す。不燃性喫煙装置1600は、セクション70cが口側の端部インサート8およびたばこ要素23を含まないことを除いて不燃性喫煙装置60と類似しており、不燃性喫煙装置1600はさらに、インサート1610を含む。したがって、簡潔性のために異なる部分のみを説明する。
【0160】
口側の端部インサート8を取り除くことにより、不燃性喫煙装置1600は、たばこインサート1610を受けるように嵌合する受入れ区域1605を含む。受入れ区域1605は、外側管6およびガスケット10によって画定される。
【0161】
たばこインサート1610は、着脱可能なインサートである。
図16Aに示す実施例では、たばこインサート1610は、紙巻たばこまたは紙巻たばこの一部分であってもよい。たばこインサート1610は、フィルター1620およびたばこ要素1650を含む。たばこインサート1610が先端部のない葉巻たばこ/シガリロである例示的な実施形態では、たばこインサート1610は、フィルターを含まない。
【0162】
仕切り1660は、たばこインサート1610の外側壁(例えば、チッピングペーパー)1655に取り付けられる。仕切り1660は、外側壁1655に接着されてもよい。仕切り1660が外側壁1655に取り付けられた後に、たばこ1650は、インサート1610内に挿入されてもよい。
【0163】
仕切り1660は、装置1600の長軸方向に延在するステンレス鋼壁であってもよく、長軸方向における空気流路9とフィルター1620との間のチャネル1680を空気流路1680aとたばこチャネル1680bに区分する。空気流路1680aおよびたばこチャネル1680bは、ガスケット10、ハウジング6、仕切り1660およびフィルター1620によって画定される。チャネル1680は、発生したベイパーがガスケット1670を通じてチャネル9からチャネル1680内へ流れるので、チャネル9の第二の部分と見なされうる。
【0164】
仕切り1660は、たばこインサート1610aの一部分を二つの区画の空気流路1680に分離し、ここにおいて、たばこチャネル1680bは、たばこ要素1650と、たばこを含まない空気流路1680aとを含む。仕切り1660の位置は、所望の量の発生したベイパー(例えば、20パーセント)がたばこ要素1650を通過することなく、チャネル1680を通って流れることを可能にする。残りの量の発生したベイパー(例えば、80パーセント)は、たばこ要素1650を通り抜ける。仕切り1650は、たばこ要素1650に晒されない所望の量の発生したベイパーがたばこ要素1650と反応することを防ぐ。例示的な実施形態では、たばこ要素1650を通過することなく、チャネル1680を通って流れる所望の量の発生したベイパーは、65パーセントである。したがって、空気流路1680aは、たばこチャネル1680bよりも容積が小さくてもよい。仕切り1660は、ハウジング6の第一の半径方向におけるハウジング6の直径の65パーセントの距離、およびハウジング6の対向する第二の半径方向におけるハウジング6の直径の35パーセントの距離に位置付けられうる。
【0165】
仕切り1660は、1ミリメートルの厚さを有してもよく、また加熱されて凝縮を避けることができる。仕切り1660の長さおよび幅は、チャネル1680bの長さおよび幅に依存する。例示的な実施形態では、仕切り1660は、チャネル1680bと同じ(長軸方向における)長さおよび幅(例えば、15~25ミリメートルの長さおよび8ミリメートルの幅)を有する。
【0166】
加えて、加熱された仕切り1660は、たばこ要素1650を加熱しうる。加熱した時に、仕切り1660はまた、たばこ要素1650に熱を提供する。例えば、仕切り1660およびガスケット10は、導電材料(例えば、ステンレス鋼)で作られうる。ガスケット10は、ヒーター14に接続されて、それにより、仕切り1660に熱を伝導する。仕切り1660は、ヒーター14からガスケット1560までハウジング6に沿ったワイヤーによって、ヒーター14に接続されてもよい。
【0167】
チッピングペーパー1655は、フィルター1620およびたばこ要素1650と部分的に重なりうる。チッピングペーパー1655は、外側管6に沿って延在するたばこインサート1610の表面区域を覆いうる。したがって、チッピングペーパー1655は、剛性をたばこインサート1610に提供し、受入れ区域1605への容易な挿入を可能にする。アルミ箔がまた、追加的なチッピングペーパーを用いて、または用いずに、たばこ要素1650を収容するために使用されてもよい。
【0168】
ヒーター14の位置は、
図16Aに示す位置に限定されない。例えば、ヒーター14は、ヒーター14がたばこ要素1650に近接する、たばこ要素1650と接触する、またはその両方であるように、外側空気通路9の端部に位置付けられてもよい。別の例示的な実施形態では、ヒーター14は、
図11Bに示すものと同様に、外側空気通路9の外へ突出していてもよい。
【0169】
ヒーター14は、たばこ要素1650から設定された距離にあってもよく、またはたばこ要素1650と接触していてもよく、したがって、ヒーター14は、陰圧の印加の間、たばこ要素1650をある温度(上記で説明されたような)に加熱する。
【0170】
組み立てられた構成における不燃性喫煙装置1600による動作時、陰圧は、たばこインサート1610に印加されうる。陰圧は、不燃性喫煙装置1600内で内部圧力降下を引き起こすことができ、それは、空気吸込み口44/44’を経由して、入口気流が装置1600に入るようにしうる。内部圧力降下はまた、空気が空気吸込み口44aを通って(セクション72を通じて延びる気流経路を介して)引き込まれるのにつれて、セクション72内の内部圧力降下を引き起こしうる。セクション72内に形成される内部圧力降下は、センサー16によって感知されうる。センサー16は次に、電源1を含む電気回路を遮断するように動作しうる。次に、導線は、ヒーター14を活性化するために、電流をヒーター14に運ぶ。活性化されたヒーター14は次に、芯28を介してヒーター14の方に引き込まれたプレベイパー製剤の一部分を加熱し、気化させる。
【0171】
プレベイパー製剤材料は、芯28における毛細管作用によって、プレベイパー製剤供給貯蔵部22およびプレベイパー製剤貯蔵媒体21のうちの少なくとも一つからヒーター14の近傍に移動される。ヒーター14が作動される時に、芯28のその中央部分の中のプレベイパー製剤は、ヒーター14によって気化され、プレベイパー製剤材料を気化させて、発生したベイパーを形成する。陰圧が印加されることによって、発生したベイパーは、ヒーター14から、たばこ要素1650および空気流路1680aを通って、さらにフィルター1620の外へと流れる。
【0172】
図16Aに示す実施例では、フィルター1620は、酢酸セルロース(CA)フィルターであってもよい。トリアセチンなどのCAフィルター要素は、発生したベイパーに溶出されうる。発生したベイパーにおける蒸気相ニコチンおよび他の揮発性要素は、たばこの存在によって減少されうる。
【0173】
図16Bは、チャネル内に仕切りを含む不燃性喫煙装置の例示的な実施形態を示す。
【0174】
図16Bに示すように、不燃性喫煙装置1600’は不燃性喫煙装置1600と類似している。従って、異なる部分のみを説明する。
【0175】
示されるように、ガスケット1670は、フィルター1620と、チャネル1680aおよび1680bとの間に位置する。ガスケット1670は、たばこインサート1610’の安定性を増大する。
【0176】
図17は、例示的な実施形態によるガスケットを示す。
図17に示すように、ガスケット1705は、外側の環状壁1710および内側の環状壁1715を含む。内側の環状壁1715は、ガスケット1705を通じる円柱状のチャネル1720を画定する。内側の環状壁1715は、受入れ部分1562と同じ内径を有しうる。別の言い方をすると、内側の環状壁1715は、気流要素1570を受けるように嵌合する。外側の環状壁1710および内側の環状壁1715は、ボトム部分1725により共に接続される。円柱状のチャネル1720は、2ミリメートルの内径を有し、ガスケットは、8ミリメートルの外径および6ミリメートルの内径を有する。
【0177】
図18A~
図18Eは、たばこハウジングの他の例示的な実施形態を示す。示されるように、
図18A~
図18Eに示す例示的な実施形態は、たばこハウジングおよびガスケット10のない不燃性喫煙装置の一部分を示す。その代わりに、ガスケット1560は、プレベイパー製剤供給貯蔵部22に隣接する。簡潔性のために、
図18A~
図18Eの例示的な実施形態と
図15A~
図15Eの例示的な実施形態の異なる部分のみを説明する。
【0178】
図18Aに示すように、ガスケット1560は、プレベイパー製剤供給貯蔵部22に隣接する。気流要素1570aは、たばこハウジング1840aを通じて延在する。たばこハウジング1840aおよび気流要素1570aは、たばこハウジング1840aおよび気流要素1570がガスケット10の不存在のために長いことを除いて、たばこハウジング1540および気流要素1570とそれぞれ同じである。
【0179】
図18Bは、別の例示的な実施形態によるたばこハウジングを示す。
図18Aと同様に、ガスケット1560は、たばこハウジング1840bの一方の端部を画定し、プレベイパー製剤供給貯蔵部22に隣接する。対向する端において、ガスケット1705は、たばこハウジング1840bの他方の端部を画定する。気流要素1570aは、チャネル9から、たばこハウジング1840bを通じて、マウスピース1850まで延在する。
図18B~
図18Eに示す実施形態において、チッピングペーパーは、たばこを含むように用いられうる。
【0180】
図18Cは、別の例示的な実施形態によるたばこハウジングを示す。たばこハウジング1840cは、たばこハウジング1840cがたばこハウジング1840cの中央に別のガスケット1562を含むことを除いて、
図18Bに示したたばこハウジング1840bと同じである。ガスケット1562はガスケット1560と同じである。
【0181】
図18Dは、別の例示的な実施形態によるたばこハウジングを示す。たばこハウジング1840dは、たばこハウジング1840dがガスケット1705の代わりにガスケット1564を含むことを除いて、
図18Cに示したたばこハウジング1840cと同じである。ガスケット1564はガスケット1562および1560と同じである。
【0182】
図18Eは、別の例示的な実施形態によるたばこハウジングを示す。たばこハウジング1840eは、たばこハウジング1840eがガスケット1562の代わりにガスケット1705aを含むことを除いて、
図18Cに示したたばこハウジング1840cと同じである。ガスケット1705aはガスケット1705と同じである。
【0183】
例示的な実施形態が説明されているため、これらは多くの方法で変化しうることが明らかであろう。こうした変形は、例示的な実施形態の意図する範囲から逸脱するものとして見なされるべきではなく、当業者であれば明らかであるようなこうした修正のすべては、以下の特許請求の範囲の範囲内に含めるべきであることを意図している。