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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】エネルギー蓄積デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20221215BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20221215BHJP
   H01M 50/469 20210101ALI20221215BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20221215BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20221215BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20221215BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/466
H01M50/469
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/107
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019550576
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 GB2018050693
(87)【国際公開番号】W WO2018167513
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2019-11-12
(31)【優先権主張番号】1704293.8
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・マドセン
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/133233(WO,A1)
【文献】欧州特許第01348237(EP,B1)
【文献】国際公開第2013/038946(WO,A1)
【文献】特表2002-518816(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102012018040(DE,A1)
【文献】特開2014-002836(JP,A)
【文献】特開2016-042433(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1588688(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0038027(US,A1)
【文献】特表2014-519166(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2008-0036250(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058-10/0587
H01M 50/40-50/497
H01M 50/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、マンドレルと、巻回されたまたは折り畳まれた少なくも1つの連続的なセパレータ材料シートと前記マンドレルの長手方向軸に直交する一方向に沿って配列された2以上の別個の陽極及び2以上の別個の陰極とを備える組立体と、を備え、
前記容器が、内部空間を形成するベース及び内面を備え、
前記マンドレルが、前記容器内に位置付けられており、前記マンドレル及び前記内面が、前記容器内にキャビティを画成するために間隔をあけており、
前記セパレータ材料シートが、前記マンドレルの周りに配設されており、前記キャビティ内に複数の別個のセパレータ層を形成し、
少なくとも1つの前記陽極及び陰極が、別個の前記セパレータ層それぞれ間の空間を占めるように設けられており、前記容器の外面の少なくとも一部が、湾曲外郭を有し、
前記マンドレルは、第1マンドレル面と腕体とを有し、
前記長手方向軸に対し垂直な断面において、前記第1マンドレル面は湾曲しており、前記腕体はほぼ平坦であり、前記第1マンドレル面の一端は前記腕体の一端に接続されており、前記第1マンドレル面の他端は前記腕体に接続されておらず
前記マンドレルが、第2マンドレル面を有しており、
前記マンドレルの前記第2マンドレル面が、湾曲しており、前記マンドレルの長手方向に対する前記マンドレルの横断面が、楕円状を有しており、
前記容器の少なくとも1つの壁が、前記マンドレルの湾曲面に対向する凹状内面を有している、
エネルギー蓄積デバイス。
【請求項2】
前記凹状内面が、容器壁の外面の少なくとも一部における湾曲外郭に起因して形成されていることを特徴とする請求項に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項3】
前記マンドレルの表面が、前記容器の前記内面の湾曲と同軸であることを特徴とする請求項に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー蓄積デバイスの容器に関する。より具体的には、本発明は、電気化学セルのための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気蓄積デバイス内に収容された電気化学セルは、製品の安全性を保証するために気を付けてパッケージする必要がある反応性のあるかつ有害な材料を備える。パッケージは、有害な材料を収容し、また、セルが充放電する際に材料の温度及び容積における変化に適応しなければならない。所望の堅牢性を有することと同様に、パッケージは、同様に、エネルギー蓄積デバイスの全体エネルギー密度を減少させないように、軽量かつ容積効率のよい必要がある。パッケージ及びパッケージの設計は、同様に、いかなる不要な抵抗の増加をエネルギー蓄積デバイスに付与することを回避しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エネルギー蓄積技術における進展は、エネルギー密度を増加させた電気化学セルを作りだした。これにより、従来の電気化学セルと比較して充放電サイクル中におけるより高い動作温度及び活性材料の大きな容量変化を招き得る。従来のエネルギー蓄積のパッケージは、エネルギー密度を増加させたセルを安全にかつ効率よく適用できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1態様によれば、エネルギー離蓄積デバイスが提供され、このエネルギー蓄積デバイスは、容器と、マンドレルと、少なくも1つのセパレータ材料シートと、2以上の別個の電極と、を備え、容器は、内部空間を形成するベース及び内面を備え、マンドレルは、容器内に位置付けられており、マンドレル及び内面は、容器内にキャビティを画成するために間隔をあけており、セパレータ材料シートは、マンドレルの周りに配設されており、キャビティ内に複数の別個のセパレータ層を形成し、少なくとも1つの電極は、別個のセパレータ層それぞれ間の空間を占めるように設けられており、容器の外面の少なくとも一部は、湾曲外郭を有している。
【0005】
本発明は、高エネルギー密度の電気化学蓄積デバイスを提供し、この電気化学蓄積デバイスは、アレイ状に組み合わせると他の同様のデバイスと互いにぴったりと付き得る一方で、アレイ状にあるときに隣接するエネルギー蓄積デバイスとの接触を低減した外面も有する。これによりアレイの全体エネルギー密度が低減するが、外面の湾曲部分によって引き起こされたデバイス間の空隙により、冷却流体は、デバイス間を流動し、充放電中にデバイスから過剰な熱を引き離すことが可能となる。
【0006】
本発明にかかる別個の電極シート及び収縮可能なマンドレルの組合せにより、セパレータ材料内に巻回された連続的なアノード/カソード電極材料シートに依存する主な巻回型セルとは対照的に、セルが、弾性を有する保護容器内に格納された効率よく接続された高エネルギー密度電極の積層体を備えることが可能となる。このようなデバイスは、2以上の別個の陽極及び2以上の別個の陰極を備え得る。充放電サイクル中において、デバイスそれぞれ内の収集エネルギー密度電極材料は、デバイスから離れるように放射される必要がある所定量の熱を生成すると予想される。さらに、デバイス間の空気または流体間隙により、アレイ状にあるデバイスの熱暴走において、絶縁を可能とする。
【0007】
マンドレル面は、湾曲し得る。マンドレルの湾曲面は、パッケージ内で電極面にわたって均一な積重圧力を付与し得る。また、マンドレル面は、マンドレルの形状に効率的に反応しかつ適合し得、セルの膨張中における圧力の積み上げを解放する。マンドレルは、マンドレル面が容器の内面の湾曲と同心状となるように形付けられ得る。さらに、マンドレルの形状は、同様に、容器の全体外形と同心状となり得る。本発明は、マンドレルの周囲に巻回される電気化学セルの構成部材に依存しておらず、マンドレルの主な機能は、充放電中の電極容積にしたがって膨縮することによって、セパレータ材料を容器の内面に当接支持することである。
【0008】
マンドレルは、単一面を有し、円状または弧状の形状であり得る、または、マンドレルは、第2面を有するように形付けられ得る。例えば、マンドレルの第2面は、マンドレルの横断面形状が楕円状となるように湾曲し得る。代替的な構成において、第2マンドレル面は、平坦であり、容器の別の内壁または内面に当接して配置され得る。あるいは、第2マンドレル面は、セパレータ材料と接触し得、圧縮力を付与し得る。第2マンドレル面と接触するセパレータ材料は、第1マンドレル面と接触するセパレータ材料と同じでも異なっていてもよい。
【0009】
容器の内面は、湾曲し得、それにより、容器は、ほぼ筒状の形状である。マンドレルは、マンドレルの長手方向軸が容器の長手方向軸と位置合わせされるように位置付けられ得る。この形態において、キャビティは、ほぼ管状であり、セパレータ材料シートは、マンドレルの周囲に巻回されてキャビティを充填する。この形態におけるデバイスは、比較的容易に構成される。しかしながら、セパレータ材料シートが渦巻状でありかつセパレータ材料層それぞれのサイズが異なることに起因して、電極のサイズは、パッケージ軸に沿ってマンドレルから離間するにしたがって増加する。
【0010】
別の形態において、容器は、内面とは反対側にある第2内面を備えるように形付けられ得る。例えば、容器は、対向する面が湾曲した立方体または直方体の形状であり得る。この別の形態において、パッケージ軸は、内面から第2内面まで容器を通過し得、マンドレルは、パッケージ軸に沿って位置付けられて第2キャビティを形成する。少なくとも1つのセパレータ材料シートは、第2キャビティ内に配設され、パッケージ軸に沿って第2の複数のセパレータ層を形成し、1以上の電極は、第2セパレータ層間に設けられる。ほぼ立方体状または直方体状の容器を有することにより、電極を同様のサイズとすることが可能となる。さらに、この実施形態において、マンドレルの周りにセパレータ材料シートを配設することは、複数の形態を取り得る。例えば、セパレータ材料シートは、マンドレルの周りに巻回され得る、または、セパレータ材料シートは、キャビティ内に折り畳まれ得る。1を越えるキャビティがある場合、少なくとも1つのセパレータ材料シートは、キャビティそれぞれ内に設けられ得る。キャビティそれぞれは、少なくとも1つのセパレータ材料シートを備える。さらに、別個のセパレータ材料のロール体は、キャビティそれぞれに設けられ得る。1を越えるセパレータ材料シートを有することによって、1以上のキャビティ内での様々なパッケージ配置を可能とし、同様に、デバイスの一部分における電極またはセパレータ材料の損傷を隔離し得ることを意味する。
【0011】
容器の内面及び/または外面は、凹状であり得る。マンドレル面を向く表面を湾曲させることによって、より均一な圧力をキャビティ内にあるセルにかけ得る。これにより、電極とセパレータ材料との間に均一な圧力を付与し、セルの効率を改善する。
【0012】
本発明をより良好に理解するために、かつ、本発明をどのように実施しうるかをより明確に示すために、以下の図面を参照しながら、例として、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のエネルギー蓄積デバイスを示す概略分解図である。
図2a】エネルギー蓄積デバイス内にあるセパレータ材料及びマンドレルの別のレイアウトを示す概略図である。
図2b】エネルギー蓄積デバイス内にあるセパレータ材料及びマンドレルの別のレイアウトを示す概略図である。
図2c】エネルギー蓄積デバイス内にあるセパレータ材料及びマンドレルの別のレイアウトを示す概略図である。
図2d】エネルギー蓄積デバイス内にあるセパレータ材料及びマンドレルの別のレイアウトを示す概略図である。
図3a】本発明の別の実施形態にかかるエネルギー蓄積デバイスを示す概略図である。
図3b】本発明の別の実施形態にかかるエネルギー蓄積デバイスを示す概略図である。
図3c】本発明の別の実施形態にかかるエネルギー蓄積デバイスを示す概略図である。
図4a】別の容器形状のアレイを示す概略図である。
図4b】別の容器形状のアレイを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、エネルギー蓄積デバイス1を示しており、このエネルギー蓄積デバイスは、容器2、収縮可能なマンドレル3、セパレータ材料4及び別個の電極5を備える。容器2は、共にエネルギー蓄積デバイス1の材料を形成する筐体6、ベース7及びキャップ8を有する。筐体6は、堅牢な材料で形成されており、外部物質がデバイス1を貫通するまたは破裂させることを回避する。筐体6は、深絞り加工/圧延加工/形状加工されており、それにより、電気化学セルの構成部材、すなわち収縮可能なマンドレル3、セパレータ材料4及び電極5を保持するための内部空間9を形成する。筐体6は、空間9を向く内面10を有する。ベース7及びキャップ8は、筐体6の開口端部を覆うように設けられており、電気化学セルの構成部材3、4、5を包囲する。ベース7及びキャップ8を筐体6とは別の部品として示しているが、筐体6が事前に形成されたベース7及びキャップ8を有し得るまたはベース及びキャップに取り付けられ得ることを想定可能である。
【0015】
マンドレル3は、第1マンドレル面11と、腕体13によって接続された第2マンドレル面12と、を有する。マンドレル3は、プラスチックまたは金属のような柔軟な材料からなる単一片から形成されている。マンドレル3の横断面は、概してS字形状を有しており、その外郭は、楕円状である。マンドレル3は、S字形状に垂直な長手方向軸Lを有しており、このS字形状は、湾曲面11、12及び腕体13によって形成されている。マンドレル3は、その長手方向軸Lに沿って延在しており、そのため、マンドレルは、長さについて、容器2と同様である。マンドレル3の全体横断面形状は、マンドレルの長手方向軸Lの全長に沿って同じである。
【0016】
マンドレル3は、マンドレルを容器2の内部空間9内に配置し得るように形成されている。マンドレル3を内部空間9内に位置付けると、キャビティ9aは、マンドレル面11、12と容器2の内面10との間に残る。マンドレル3の形状に起因して、中空デッドスペースの柱は、マンドレル面11、12と腕体13との間に存在し、長手方向軸Lに沿って延在する。中空柱は、マンドレル3のための空間が折り畳むことを可能とし、また、電気化学セルの構成部材3、4、5を容器2内に配置したときにベース7の少なくとも一部への溶接のためのアクセスを提供する。
【0017】
マンドレル3は、パッケージ軸Pの方向で収縮可能であり、このパッケージ軸は、セパレータ材料4に関して後述する。一般に、マンドレル3は、マンドレルの横断面のほぼ楕円状の外郭がサイズにおいて減少するように、収縮し得るかつ/または変形し得る。マンドレル3が占める空間9の容積は、マンドレル3が収縮するにしたがって減少する。さらに、マンドレル面11、12は、外部圧力を受けて変形し得、そのため、湾曲部または円弧部は、表面にかかる収縮力に従って変化し得る。
【0018】
図1に示すようなセパレータ材料4は、電子的に絶縁する多孔性材料の連続シートである。セパレータ材料4は、巻かれて容器2とマンドレル3との間のキャビティ9a内に位置付けられている。セパレータ材料4は、巻回軸W回りでマンドレル3の周囲に巻回されており、この巻回軸は、電気化学セルの容器2が容器の完全な形態にあるときにマンドレル3の長手方向軸と重なる。セパレータ材料シート4を巻回軸W回りに巻回すると、複数層のセパレータ材料は、セパレータ材料自体に巻き付くにつれて形成される。完全なエネルギー蓄積デバイス1において、セパレータ材料4は、容器2内に配設されており、パッケージ軸Pに沿って配置された複数のセパレータ層を形成する。これにより、セパレータ材料の層4間に空間14を形成し、これら空間には、電極が占める。
【0019】
電極5は、巻回したセパレータ材料4の空間14内においてパッケージ軸Pに沿って位置付けられている。簡素化のため、2つの電極5のみ(1つのアノード及び1つのカソードがセパレータ材料4と共にセルを形成する)を図1に示す。しかしながら、本発明にかかる電気化学セルの容器2は、多数の電極5を収容し得、複数の電気化学セルを形成する。
【0020】
電極5それぞれは、タブ15a、15bを備えており、これらタブは、ベース7及びキャップ8の内面に固定され得る。タブ15a、15bを電極5それぞれに設けることによって、電極5それぞれの電流経路長を低減し、セルの内部抵抗を減少させる。
【0021】
セルが充放電する際、電極5は、膨縮し得る。電極5が膨張して内部空間9内の容積をより多く占めると、マンドレル3は、収縮する。同様に、電極が圧縮すると、マンドレル3は、膨張して容積を再度占めつつ、セパレータ材料4と電極5との間でパッケージ軸Pに沿って一定の収縮力をかける。湾曲したマンドレル面11、12は、電極5の表面にわたって均一な圧力を維持することを保証する。
【0022】
本発明の範囲内にある様々な代替の電気化学セルの容器2の配置を概略的に図2aから図2dに示す。電気化学セルの容器2は、マンドレル3の長手方向軸Lに沿う断面で示されており、簡素化のために電極5を示していない。電気化学セルの容器2それぞれは、正方形の容器2として過剰に簡素化した態様で示されている。しかしながら、当然ながら、セパレータ材料4は、湾曲して、容器2の内部空間9を占める。
【0023】
図2aにおいて、2つのセパレータ材料シート4は、マンドレル3の周囲に巻回されている。マンドレル3は、セパレータ材料4の巻回軸Wに沿って位置付けられている。セパレータ材料シート4は、マンドレル3の長手方向軸L回りで同軸である。複数の層14は、電極5を収容するために巻回したセパレータ材料4の層4間に設けられている。電極5は、パッケージ軸Pに沿って配列されている。
【0024】
図2bにおいて、マンドレル3には、単一の湾曲面11が設けられている。マンドレル腕体13は、容器2の内面10に当接して置かれている。1つのセパレータ材料シート4は、内部空間9内に設けられており、巻回軸W回りに巻回されている。巻回軸Wは、マンドレル3の長手方向軸Lと重なっていない。別個の層14は、電極を収容するためにセパレータ材料4のロール体で設けられている。電極5は、パッケージ軸Pに沿って配列されている。
【0025】
図2c及び図2dは、本発明のさらなる代替を示しており、これら図において、セパレータ材料シート4のロール体または折畳体は、マンドレル3の周囲にあるキャビティ9aに位置付けられており、セパレータ4は、マンドレル3の周囲に巻回されていない。図2cにおけるデバイスは、キャビティ9aそれぞれにおいて2つの巻いたセパレータ材料シート4を備える。図2dにおいて、複数のセパレータ材料シート4は、キャビティ9a内に折り畳まれている。電極5は、セパレータ材料4の螺旋状層または折畳体内に配置され得る。これら場合において、マンドレル3は、単に、デバイス1内にある電極5の膨張を吸収するように機能しており、材料4、5をその周囲に巻回するためのボビンを形成しない。
【0026】
図1における容器2は、筒状として示されているが、同様に、任意の多角柱状のセルの形状を形成し得る。本発明のデバイス1における横断面の概略図を図3aから図3cに示す。単に図面を簡素化するために、キャビティ9a内にある連続したロール状シートに替えて同心状のリングとしてセパレータ材料4の層を示す。電極5を破線として概略的に示し、巻いたセパレータ材料シート4間にある層14内のどこかに位置付けられ得る。図3aは、図1の完全なデバイス1の簡略化した横断面図を示す。内面10は、1つの連続面であり、マンドレル面11、12は、同じ内面10の異なる領域を向く。
【0027】
図3bは、ほぼ直方体状の容器2を有するデバイス1を示しており、マンドレル面11、12を向く内面は、凹面である。セパレータ材料4は、折り畳まれており、または、巻回されており、それにより、マンドレル面11、12と容器2の内面10との間のキャビティ9bを充填する。セパレータ材料4は、パッケージ軸Pに沿って層14を設けるように構成されており、これら層には、電極5が詰まっている。凹状内面10の曲率は、マンドレル面11、12の曲率と同様であり、それにより、均一な圧力をセパレータ材料4の層14内にある電極5の表面にわたってかける。
【0028】
図3cは、ほぼ直平行六面体状の容器2を有するデバイス1を示しており、デバイス1は、電気化学セルが充填された1つのみのキャビティ9aを有する。マンドレル面11を向く内面10は、凹面である。セパレータ材料4は、折り畳まれており、または、巻回されており、それにより、マンドレル面11、12と容器2の内面10との間のキャビティ9cを充填する。セパレータ材料4は、パッケージ軸Pに沿って層14を設けるように構成されており、これら層には、電極5が詰まっている。凹状内面10の曲率は、マンドレル面11、12の曲率と同様であり、それにより、均一な圧力をセパレータ材料4の層14内にある電極5の表面にわたってかける。
【0029】
図3aから図3cに示す例において、外部筐体の曲率は、内面10の凹状と一致しており、外部筐体は、外部の直平行六面体状を設けるように扁平にされ得る。しかしながら、筐体6の曲率を維持するのに有益であり得る。
【0030】
図4a及び図4bは、図3b及び図3cにかかるエネルギー蓄積デバイス1のアレイを各別に示す。筐体6の曲率は、アレイに配設したときに容器2間の間隙16を可能とする。湾曲した筐体6は、隣接する容器2間の物理的接触を低減することを保証する。空気のような流体は、容器2間の間隙16内に供給され得る。容器2間の接触を低減することにより、隣接するデバイス1間に発生する熱移送を低くすることを保証する。また、流体は、容器のアレイにわたって自由に流動し、デバイス1内のセルから放出される過剰な熱を除去する冷却剤として機能する。
【符号の説明】
【0031】
1 エネルギー蓄積デバイス、2 容器、3 マンドレル、4 セパレータ材料シート、5 電極、9 内部空間、9a,9b,9c キャビティ、
10 凹状内面、11 第1マンドレル面,湾曲面、12 第2マンドレル面,湾曲面
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a-3c】
図4a
図4b