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特許7194723光電子チップを接触させるための位置公差に無感応な接触モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】光電子チップを接触させるための位置公差に無感応な接触モジュール
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20221215BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20221215BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221215BHJP
   G01R 1/067 20060101ALN20221215BHJP
【FI】
G01R31/28 L
G01R1/073 E
G01R1/06 F
H01L21/66 C
H01L21/66 X
G01R1/073 F
G01R1/067 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020507091
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 DE2018100642
(87)【国際公開番号】W WO2019029765
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】102017117839.2
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017008618.4
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017010066.7
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018002032.1
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501325543
【氏名又は名称】イエーノプティーク オプティカル システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】グナウシュ トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ビュトナー ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】カーデン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ユハス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グルントマン アルミン
(72)【発明者】
【氏名】フォン フライホルト ティロ
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-242216(JP,A)
【文献】特開2004-273948(JP,A)
【文献】特開2011-242208(JP,A)
【文献】特開2002-098849(JP,A)
【文献】特開2013-056371(JP,A)
【文献】特開平07-125315(JP,A)
【文献】特表2014-503856(JP,A)
【文献】特開2000-068520(JP,A)
【文献】特開2007-003782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/28-31/3193
1/06-1/073、
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子チップ(2)の連続的接触のための接触モジュール(1)であって、各場合において、前記光電子チップ(2)の少なくとも1つと前記接触モジュール(1)との間で電気及び光信号(S、S)を送信する目的のためのものであり、前記連続的に接触される光電子チップ(2)及び前記接触モジュール(1)は、公差のために互いに対して異なる調整位置に配置され、
電気及び光信号線(1.1.1.1、1.2.1.1)は、前記接触モジュール(1)に配置され、前記電気及び光信号線(1.1.1.1、1.2.1.1)は、それぞれ電気又は光入力部又は出力部を有し、前記電気又は光入力部又は出力部は、前記接触モジュール(1)上の電気又は光入力部又は出力部(EeK、EoK、AeK、AoK)として、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)の電気又は光入力部又は出力部(EeC、EoC、AeC、AoC)にそれぞれ割り当てられ、
前記接触モジュール(1)上の前記電気入力部及び出力部(EeK、AeK)は、接触ピン(1.1.2)によってそれぞれ形成され、前記接触ピン(1.1.2)は、前記電気信号(S)を送信するために、前記調整位置のそれぞれにおいて、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)の前記電気入力部又は出力部(EeC、AeC)の1つとそれぞれ機械的に接触し、前記電気入力部又は出力部(EeC、AeC)は、それぞれ電気接触プレート(2.1)によって形成され、及び
前記接触モジュール(1)上の前記光入力部及び出力部(EoK、AoK)並びに前記少なくとも1つの光電子チップ(2)の前記光入力部及び出力部(EoC、AoC)は、一緒に、それぞれのペアにおいて、前記光信号(S)を送信するための光自由ビーム領域の範囲を定める、接触モジュール(1)において、
前記接触モジュール(1)から前記少なくとも1つの光電子チップ(2)に送信された前記光信号(S)は、前記調整位置のそれぞれにおいて、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)の前記光入力部(EoC)を照射し、
前記接触モジュール(1)は、前記接触ピン(1.1.2)及び前記電気信号線(1.1.1.1)が案内されるプリント回路基板(1.1.1)を備えた電子モジュール(1.1)と、前記光及び/又は電気信号線(1.2.1.1、1.1.1.1)が案内される光ブロック(1.2.1)を備えた光モジュール(1.2)であって、前記光及び/又は電気信号線(1.2.1.1、1.1.1.1)は、前記接触モジュール(1)上の前記光入部及び出力部(EoK、AoK)につながる、光モジュール(1.2)とを含み、前記プリント回路基板(1.1.1)及び前記光ブロック(1.2.1)は、相互に調整される方式で固定的に配置され、及び
前記光信号線(1.2.1.1)は、前記光ブロック(1.2.1)に統合された導波路であることを特徴とする接触モジュール(1)。
【請求項2】
形成されるそれぞれの前記光自由ビーム領域の長さ及び前記光信号(S)の少なくともわずかに発散する放射のため、前記光信号(S)はそれぞれ、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)のそれぞれの前記光入力部(EoC)の開口部より大きい、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)上の前記光入力部(EoC)の1つの面積を照明し、それにより、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)の前記光入力部(EoC)は前記調整位置のそれぞれにおいて照射されることを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項3】
前記プリント回路基板(1.1.1)及び前記光ブロック(1.2.1)は、異なる材料で作製され、前記電気及び光信号線(1.1.1.1、1.2.1.1)が異なる技術によって互いに無関係に作製されたことを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項4】
前記光信号(S)のビーム断面における強度分布は、ガウス分布に対応することを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項5】
前記光信号(S)のビーム断面における強度分布は、トップハット分布に対応することを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項6】
前記電子モジュール(1.1)上に存在する全ての接触ピン(1.1.2)が、前記光ブロック(1.2.1)を過ぎて、その周りに、及び/又は必要に応じてそこに形成される開口部を通して前記光電子チップ(2)に接触するように、前記光ブロック(1.2.1)は、貫通孔及び/又は開口部を含むその寸法及び幾何学形状を具体化されることを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項7】
前記光自由ビーム領域に少なくとも1つのビーム整形素子が存在し、それにより、前記光信号(S)は、幾何学的に及び/又はその強度分布において整形されることを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのビーム整形素子は、前記光信号(S)の前記強度分布を均質化する構造化グレーグラッドフィルタであることを特徴とする、請求項7に記載の接触モジュール(1)。
【請求項9】
前記接触モジュール(1)上の前記光入力部又は出力部(EoK、AoK)を形成する前記導波路の前記入力部又は出力部は、前記光ブロック(1.2.1)内に位置し、及び前記入力部又は出力部のそれぞれの前に統合ミラー(1.2.1.2)があり、前記統合ミラー(1.2.1.2)は、前記導波路から到来する前記光信号(S)を、前記少なくとも1つの光電子チップ(2)に結合するために必要とされる方向に偏向させることを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光電子チップ(2)によって送信された前記光信号(S)は、前記調整位置のそれぞれにおいて、前記接触モジュール(1)上の前記光入力部(EoK)に完全に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の接触モジュール(1)。
【請求項11】
前記導波路は、それぞれテーパ(5.1)で終了し、前記テーパ(5.1)は、前記導波路の入口において導波路断面に適合された断面を有し、且つ前記調整位置のそれぞれにおいて、前記光信号(S)の全放射強度を前記導波路内に完全に導き、前記テーパ(5.1)に入射する前記光信号(S)のビーム断面は、前記テーパ(5.1)の入口開口部(5.1.1)より小さいことを特徴とする、請求項10に記載の接触モジュール(1)。
【請求項12】
前記統合ミラー(1.2.1.2)は、凹面鏡として設計されることを特徴とする、請求項9に記載の接触モジュール(1)。
【請求項13】
前記導波路は、それぞれ上流導波路グループにおいて終了し、前記上流導波路グループの端部は、前記光入力部(EoK)の1つを一緒に形成し、前記光入力部(EoK)の1つは、各調整位置において完全に照射され、それにより、1つのみの導波路に入るよりも大きい割合の信号強度が結合されることを特徴とする、請求項10に記載の接触モジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国特許出願公開第2006/0109015号明細書から一般的に周知であるような、光電子チップを試験するための接触モジュールに関する。
【0002】
本発明は、PIC(光集積回路)として周知である、光電的に集積された回路をウェーハレベルで試験し且つそれに適格性を付与する分野に関する。従来の純粋に電気的に集積された回路、いわゆるIC(集積回路)とは対照的に、PICは、光機能性及び電気回路を集積する。
【背景技術】
【0003】
例えば、CMOS技術を用いたICの製造において、一方ではプロセスを監視するために、且つ他方では品質制御を実行するために試験及び測定が様々な製造ステップで実行される。確立された試験は、ウェーハの完成後の電気的なウェーハレベル試験である。ここで、機能するチップ及び機能しないチップが識別されてウェーハマップに記録され、それによって歩留まりを決定する。機能するチップは、KGD(良品であることが分かっているベアチップ)とも呼ばれる。ウェーハを個別のチップに分類する場合、機能しないチップは除かれる。ウェーハレベル試験に必要とされる試験機器は、関連する接触モジュール(プローブカードとも呼ばれる)と共にウェーハプローバ及びウェーハテスタの形態で利用可能である。接触モジュールは、ウェーハテスタの装置側におけるインターフェース(入力部及び出力部)を、ウェーハプローバに固定されたウェーハのチップにおける個別のインターフェース(入力部及び出力部)と接続する。基本的に、接触モジュールは、それが1つのみのチップ又は幾つかのチップと同時に接触するような方法で設計することができる。接触のためのチップが依然としてウェーハにおけるまとまりとして存在することも絶対に必要なわけではない。ウェーハの幾つかのチップと同時に又は次々に接触するために、チップは、互いに対して固定され且つ定義された位置を有する必要があるのみである。この余地は、本発明による接触モジュールと同様に、先行技術の接触モジュールにも与えられる。
【0004】
純粋に電子的なチップ(ICを備えた半導体チップ)を試験するための試験機器は、コストの最適化のために高スループットを備えた最も多様なICの高容量を適格とできるように数十年間にわたって最適化及び多様化されてきた。
【0005】
PICは、通常、同じ確立された半導体プロセス、例えばCMOS技術を用いて製造される。IC製造と比較したPICの非常に小さい生産量は、概して、PICの機能試験ではなく、プロセス特性付けのための試験のみが半導体工場において実行されるという事実につながった。機能特性付けは、最終顧客の責任であり、且つ切り取られたチップ上で実行されることが多い。用いられる試験機器は、独立した別個の電気及び光接触モジュールを利用し、且つスループットのために最適化されない。特に、それは、複数のPICの並列測定を可能にしない。
【0006】
ウェーハレベルにおけるPICの試験は、技術文献(非特許文献1)に説明されているように、通常、結合点としての統合された格子結合器によるPICレベルからの光の結合及び遮断を必要とする。格子結合器は、チップにおける機能コンポーネント又はウェーハ、例えばスクライブレーン又は隣接するチップにおける犠牲構造であり得る。
【0007】
先行技術によれば、技術文献(非特許文献2)に説明されているように、ガラスファイバベースのシステムがウェーハレベル試験のために使用される。これらは、個別ガラスファイバを介してチップの結合点に光を結合し、且つ結合点から光を遮断するガラスファイバベースの光モジュールを含む。反復可能な光結合を保証するために、ガラスファイバは、最大で数マイクロメートルの距離において結合点に対してサブマイクロメートルの精度で調整される必要がある。これは、ヘキサポッド及び圧電素子と組み合わせて、高精度アクチュエータの支援でのみ可能である。他方では、最大結合効率を達成するように設計された時間のかかる能動調整シーケンスがそれぞれの個別の光結合操作前に実行されなければならない。
【0008】
従って、既存のウェーハレベル試験システムは、
・チップの全ての光結合点の次々の順次的で時間のかかる接触、即ちチップの全ての光結合点の並列接触が不可能であるか又は非常に限られた範囲でのみ可能であり、幾つかのチップの並列接触が全く不可能であること、
・従来のウェーハプローバが、複雑でコスト集約的な修正でのみ改良することができ、その後、もはやICのウェーハレベル試験に使用できないか又は限られた範囲でのみ使用することができるような装置側の特別な解決法、
・永続的に接続されず、即ち別々に保持及び調整されなければならない別個の電子及び光モジュール
によって特徴付けられる。
【0009】
前述の特許文献1は、接触プレート(プローブ基板)及び再分配プレート(再分配基板)を含む、電気及び光入力部及び出力部を備えたチップ(試験すべき対象物- DUT140)を試験するための光電子接触モジュール(プローブモジュール)を開示している。接触モジュールは、試験機器(自動試験設備 - ATE)とDUTとの間のインターフェースを構成し、及びDUTから且つDUTに信号を伝えて、試験機器へのインターフェースのためにこれらの信号を再分配するために、電気接触部(電気プローブ)、光接触部(光プローブ)、光学素子及びそれらの組み合わせで設計される。
【0010】
接触プレート及び再分配プレートへの分離は、接触モジュールのモジュール設計をもたらし、モジュール設計は、接触部が損傷された場合、接触プレートが交換され得る一方、再分配プレートが比較的高価な電気及び光分配ネットワークと共に引き続き使用され得るという利点を有する。
【0011】
光入力部及び出力部に関して、これらは、接触プレート及び/又は再分配プレートに位置する光学素子を介して作製され、且つ様々な結合機構、例えば自由放射、準自由放射又は導波路(導波管)に調和されることが開示されている。言及した適切な光学素子は、回折素子及び屈折素子を含む。光検出器又は光源は、DUTへのインターフェースに直接位置し、且つ次に接触プレート上の光入力部又は出力部を構成し得ることも述べられている。
【0012】
加えて、前述の特許文献1は、光信号が光学素子とDUTへのインターフェースとの間の自由空間を通して案内される、自由ビーム又は準自由ビーム接続を用いた光結合設計のために、光信号が、送信された信号の高結合効率を達成するために集束されるか又は平行にされることを教示している。従って、ここでの信号結合は、信号をできるだけ完全に結合するという概念に従う。
【0013】
信号送信のために、前述の特許文献1の例示的な実施形態において、インターフェースに面する接触プレートの側部から接触プレートを通してDUTに光信号を案内すること、光学素子を介して光信号をDUTの裏面に転送すること及び光信号を光受信器に案内することが提案されている。接触プレートを通した案内は、接触プレート材料が透過性である光信号のための波長を用いることにより、又は例えば反射性の金属化されたスルーホール、光誘電体、フォトニック結晶導波路若しくは光ファイバを通して光信号のための経路を物理的に作製することにより行うことができる。スルーホールの形態の経路は、光透過材料、例えば重合体でも充填され得る。
【0014】
前述の特許文献1の別の例示的な実施形態によれば、光及び電気信号線(光及び配電ネットワーク)は、別個の再分配プレート上で具体化される。電気信号がエッジ領域の上における接触プレートの上の第1の再分配プレートに結合されるように、DUTから接触プレートのエッジ領域に電気信号を案内することが提案されている。これは、第1の再分配プレートに開口部を形成できるようにし、開口部において電気信号のみが再分配され、その開口部を通して、光信号は、上方の別個の第2の再分配プレートに案内される。
【0015】
要約すると、前述の特許文献1は、接触モジュール(ある理由のため、例えば電気信号送信のための機械的接触部の摩滅に起因して接触プレート及び再分配プレートに分割される)が、どのように光信号線を追加的に装備され得るかに関する多くの概念を提示している。これは、接触モジュールの電気入力部及び出力部のDUTへの機械的接触のための可能な公差が光入力部及び出力部に移転され得ないという事実を完全に無視している。
【0016】
一定の電気信号の送信は、DUT上に存在する接触プレート(接触パッド)を備えた接触モジュール上に存在するピンの機械的接触(これは、3つの全ての空間方向における数μmの比較的大きい位置公差内で保証することができる)を要求するが、光信号送信の品質は、その目標位置からのサブマイクロメートル範囲におけるはるかに小さいずれによって既に影響を受ける。
【0017】
前述の特許文献1に説明されているように、光信号の結合効率のみが光ビームを平行にするか又は集束させることによって最適化される場合、接触モジュール全体は、サブマイクロメートルの範囲において高精度で調整されなければならない。そうでなければ、測定における調整依存の反復性は、説明された用途に十分ではない。これは、従って、接触モジュールが、X、Y及びZ方向における数μmの範囲での電気接触のための従来の電気ウェーハプローバにおける典型的な調整公差を利用できないことを意味する。とりわけ圧電アクチュエータなどの様々なアクチュエータ及び直線軸又はヘキサポッドを用いた複雑で高価な特別なウェーハプローバ解決法が、DUTに対して接触モジュールを高精度で調整するために必要とされる。
【0018】
更なる重大な点は、ピンの明確な電気的調整のために、Z方向において典型的には数十μmのいわゆるオーバードライブが設定されることである。即ち、電気接触パッドとピンの初期接触後、接触モジュールは、明確で信頼できる接触を保証するためにZ方向において追加の量だけ移動される。ピンの摩滅及び変形は、動作中にオーバードライブを調整することによって通常補償される。前述の特許文献1に説明されているように、光ビームを単純に平行にするか又は集束させる場合、Z方向における作動距離は、正確に反復可能な結合のためにマイクロメートル範囲においてのみ変化し得る。従って、この種の光結合は、確立された電気接触方法と適合しない。
【0019】
加えて、前述の特許文献1は、前面又は裏面のいずれかにおける接触プレート(プローブ基板)の表面上の光信号の送信を説明するのみである。
【0020】
前面上でのみ案内される光信号は、追加素子(フォトダイオード)によって電気信号に変換され、次に例えば電気的な貫通接続によって裏面に案内されるか、又は例えば前面上のファイバによって直接に減結合されなければならない。接触モジュールとDUTとの間の典型的には数十μm~数百μmの有利な短い作動距離の結果として利用可能な空間のため、接触モジュールとDUTとの間にこのいずれかのための空間がほとんど存在しない。作動距離が小さいほど、光結合の効率がそれだけ高く、同時に光結合に影響する公差がそれだけ小さい。
【0021】
加えて、いわゆる電子カンチレバー、垂直及びMEMSプローブカードなど、電気接触のための既存の技術を使用することが好都合である。これらはまた、通常、DUTへの距離が小さく、且つプローブカードとDUTとの間に自由空間をほとんど有しない。
【0022】
裏面上を案内される光信号は、接触モジュールの基板厚さより大きい非常に高い光作動距離及び従って既に上記で説明した欠点を必然的に有する。更に、それは、電気信号への変換のためにファイバ又は追加素子のいずれかと接触するために接触プレート(プローブ基板)の裏面上の空間も必要とする。この設置空間は、例えば、電気接触のために垂直プローブカードを使用する場合に利用可能でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】米国特許出願公開第2006/0109015号明細書
【非特許文献】
【0024】
【文献】“Grating Couplers for Coupling between Optical Fibers and Nanophotonic Waveguides”(D.Taillaert et al,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45,No.8A,2006,p.6071-6077)
【文献】“Test-station for fleible Semi-automatic wafer-level silicon photonics testing”(J.De Coster et al,21th IEEE European Test Symposium,ETS 2016,Amsterdam,Netherlands,May 23-27,2016.IEEE 2016,ISBN 978-1-4673-9659-2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、光電子チップと接触するための位置公差に無感応な光電子接触モジュールを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
光電子チップの連続的接触のための接触モジュールであって、各場合において、光電子チップの少なくとも1つと接触モジュールとの間で電気及び光信号を送信する目的のためのものであり、連続的に接触される光電子チップ及び接触モジュールは、公差のために互いに対して異なる調整位置に配置され、電気及び光信号線が、接触モジュールに配置され、電気及び光信号線は、それぞれ電気又は光入力部又は出力部を有し、電気又は光入力部又は出力部は、接触モジュール上の電気又は光入力部又は出力部として、少なくとも1つの光電子チップの電気又は光入力部又は出力部にそれぞれ割り当てられ、接触モジュール上の電気入力部及び出力部は、接触ピンによってそれぞれ形成され、接触ピンは、電気信号を送信するために、調整位置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの光電子チップの電気入力部又は出力部の1つとそれぞれ機械的に接触し、電気入力部又は出力部は、それぞれ電気接触プレートによって形成され、及び接触モジュール上の光入力部及び出力部と、少なくとも1つの光電子チップの光入力部及び出力部とは、一緒に、それぞれのペアにおいて、光信号を送信するための自由ビーム光学領域の範囲を定める、接触モジュールについて、この目的は、接触モジュールから少なくとも1つの光電子チップに送信された光信号が、調整位置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの光電子チップの光入力部を照射すること、及び接触モジュール上の光入力部が、調整位置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの光電子チップによって送信された光信号によって照射されるか、又は少なくとも1つの光電子チップによって送信された光信号が、調整位置のそれぞれにおいて、接触モジュール上の光入力部に完全に結合されることにおいて達成される。
【0027】
有利には、接触モジュールは、電気信号線が案内されるプリント回路基板を備えた電子モジュールと、光及び/又は電気信号線が案内される光ブロックを備えた光モジュールであって、光及び/又は電気信号線は、接触モジュール上の光入部及び出力部につながる、光モジュールとを含み、プリント回路基板及び光ブロックは、相互に調整される方式で固定的に配置される。
【0028】
好ましくは、プリント回路基板及び光ブロックは、電気及び光信号線を作製するために異なる技術が互いに無関係に用いられ得るように異なる材料で作製される。
【0029】
有利には、光信号線は、光ブロックに統合された(一体化された)導波路である。
【0030】
接触モジュール上の光入力部の少なくとも1つが、光信号の入射ビーム断面より大きいフォトダイオードの感光面によって形成され、それにより、光信号が、調整位置のそれぞれにおいて、感光面に完全に入射し、及びフォトダイオードが、光信号を電気信号に変換し、且つ電気信号線の1つを介してそれを送信する場合に更に有利である。
【0031】
好ましくは、自由ビーム領域は、各場合において、光信号が、接触モジュール又は少なくとも1つのチップ上の光入力部の開口部より大きい、接触モジュール又はチップ上の光入力部の面積を照明するように具体化され、それにより、それぞれの光入力部は、調整位置のそれぞれにおいて照射される。
【0032】
有利には、接触モジュール上の光入力部又は出力部を形成する導波路の入力部又は出力部は、光ブロック内に位置し、及び入力部又は出力部のそれぞれの前に統合ミラーがあり、統合ミラーは、少なくとも1つのチップから到来し、且つ光ブロック内に自由に放射される光信号を導波路に向かって偏向させるか、又は導波路から到来する光信号を、少なくとも1つのチップに結合するために必要とされる方向に偏向させる。
【0033】
好ましくは、光信号のビーム断面における強度分布は、ガウス分布に対応する。
【0034】
有利には、光信号のビーム断面における強度分布は、トップハット分布に対応する。
【0035】
好ましくは、導波路は、それぞれテーパ部で終了し、テーパ部は、導波路の入口において導波路断面に適合された断面を有し、且つ調整位置のそれぞれにおいて、光信号の全放射強度を導波路内に完全に導き、テーパ部に入射する光信号のビーム断面は、テーパ部の入口開口部より小さい。
【0036】
有利には、ミラーは、凹面鏡として設計される。
【0037】
好ましくは、導波路は、それぞれ上流導波路グループにおいて終了し、上流導波路グループの端部は、光入力部の1つを一緒に形成し、光入力部の1つは、各調整位置において完全に照射され、それにより、1つのみの導波路に入るよりも大きい割合の信号強度が結合される。
【0038】
更に、自由ビーム領域に少なくとも1つのビーム整形素子が存在し、それにより、光信号が、幾何学的に及び/又はその強度分布において整形される場合に有利である。
【0039】
好ましくは、ビーム整形素子は、光信号の強度分布を均質化する構造化グレーグラデーションフィルタである。
【0040】
本発明は、例示的な実施形態及び図面に関連して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】ウェーハの幾つかのチップと試験機器との間における接触モジュールを介した信号送信のための第1のブロック図を示す。
図2】ウェーハの幾つかのチップと試験機器との間の信号送信のための第2のブロック図を示す。
図3a-b】単一のチップと接触するように構成された接触モジュールの第1の例示的な実施形態を示す。
図4】接触モジュールの第2の例示的な実施形態を示す。
図5a-b】2つの異なる調整位置における、フォトダイオードを介した光モジュールへの光信号の結合を示す。
図5c-e】光モジュールにおけるフォトダイオードの3つの可能な取り付け位置を示す。
図6a-d】光モジュールにおける導波路の異なるように設計された入力部を示す。
図7】光モジュールにおいてフォトダイオードの上流に配置された幾つかの導波路を示す。
図8-12】光信号に影響を及ぼす追加のビーム整形素子を備えた光モジュールの異なる実施形態を示す。
図13】光信号に影響を及ぼすためのフィルタを備えた光モジュールの実施形態を示す。
図14】光ブロックへの光信号の結合を示す上方からの図である。
図15】2つのチップと接触するための光ブロックを示す。
図16a-b】垂直ピンを備えた接触モジュールを示す。
図17】4つのチップと接触するための接触モジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1にブロック図で示されているように、先行技術から周知の接触モジュールと同様に、本発明による接触モジュール1は、試験される光電子チップ2を備えたウェーハが固定されるウェーハプラットフォーム3、例えばウェーハプローバと、光信号S及び電気信号Sを生成及び評価するための試験機器4との間に配置される。接触モジュール1は、同時に試験される1つ又は複数の光電子チップ2(説明の単純化のために以下ではチップ2と呼ぶ)の個別のインターフェースと、試験機器4の特定の装置関連インターフェースとの間の信号関連の接続を確立する。インターフェースは、それぞれ電気又は光入力部及び出力部であり、それらから又はそれらに電気又は光信号S、Sが入力又は出力され、且つそれぞれ電気又は光信号線1.1.1.1、1.2.1.1を介してそれらに又はそれらから送信される。
【0043】
接触モジュール1は、好ましくは、プラグイン接続を用い、先行技術から周知の方法で電気インターフェースを介して試験機器4に接続される。試験機器4との光インターフェースは、好ましくは、関連するファイバ又はマルチファイバコネクタとのガラスファイバ接続を介して実現される。
【0044】
チップ2のインターフェースと接触するために、接触モジュール1及びウェーハプラットフォーム3は、互いに対して調整される。そうする際、公差は、チップ2の連続的な接触のために、異なる調整位置が取り上げられることを要求し得る。チップ2の光電子試験のために要求される調整精度は、公差限界に依存し、公差限界内において、インターフェースの信頼できる接触、即ち反復可能な信号送信がこれまでどおり保証され得る。
【0045】
先行技術と同様に、接触モジュール1上の電気入力部及び出力部EeK、AeKは、接触ピン1.1.2によってそれぞれ形成され、接触ピン1.1.2は、電気信号Sの送信のために、それぞれ少なくとも1つの光電子チップ2の電気入力部又は出力部EeC、AeCの1つと機械的に接触し、電気入力部又は出力部EeC、AeCは、それぞれ電気接触プレート2.1によって形成される。先行技術の記載で詳細に説明されたように、信頼できる電気接触のために要求される公差限界は、光接触のために要求される公差と比較して大きい。
【0046】
接触モジュール1における光入力部及び出力部EoK、AoK並びに光電子チップ2の光入力部及び出力部EoC、AoCは、一緒に、それぞれのペアにおいて、光信号Sを送信するために、自由ビーム領域(本明細書ではそのように呼ぶ)の範囲を定める。自由ビーム領域は、領域であって、それに沿って光ビームを含む光信号Sが光信号ガイド、特に導波路において案内されない領域であると理解される。この場合、ビームは、接触モジュール1の光入力部又は出力部EoK、AoKが接触モジュール1の外面に直接位置しない場合、チップ2と接触モジュール1との間の距離にわたる媒体としての空気においてのみ又は追加的に接触モジュール1の媒体において完全に影響されずに案内することができる。この自由ビーム領域(本明細書ではそのように呼ぶ)において、ビーム整形及びビーム偏向素子は、接触モジュール1に入るビームを導波路入力部に導くために、及び/又はビームを幾何学的に若しくはその強度分布において整形するために、及びチップ2に結合するように接触モジュール1から出現するビームを調製するために接触モジュール1に設けることができる。
【0047】
光信号Sの反復可能な送信を保証するために、即ちチップ2及び接触モジュール1の光入力部EoC、EoKに結合される信号の強度が所定の変動範囲を超過しないことを保証するために、様々な代替の方策が、本発明に従い、接触モジュール1上の光入力部及び出力部EoK、AoKを含む自由ビーム領域の実施形態のために取られ、これらの方策は、本発明に従って接触モジュール1のための様々な例示的な実施形態で説明される。
【0048】
全ての例示的な実施形態において、形成されるそれぞれの自由ビーム領域の長さのため、光電子チップ2の光入力部EoCのいずれかが調整位置のそれぞれにおいて光信号Sによって照射される(それは、光信号Sの少なくともわずかに発散する放射で可能である)ように、及び/又はそれぞれの自由ビーム領域において、接触モジュール1の光出力部AoK及び光電子チップ2の光入力部EoCにおいて若しくはそれらの間に光手段が存在する(光手段は、光信号Sを形成する)ように、接触モジュール1上の光出力部AoKは、光電子チップ2のそれぞれの光入力部EoCに対して配置され、それにより、チップ2における光入力部EoCは、調整位置のそれぞれにおいて光信号Sによって照射される。
【0049】
更に、形成されるそれぞれの自由ビーム領域の長さのため、接触モジュール1の光入力部EoKが調整位置のそれぞれにおいて光信号Sによって照射されるように、及び/又はそれぞれの自由ビーム領域において、光電子チップ2の光出力部AoC及び接触モジュール1の光入力部EoKにおいて又はそれらの間に光手段が存在する(光手段は、光信号Sを形成する)ように、接触モジュール1上の光入力部EoKの全て又は幾つかは、光電子チップ2のそれぞれの光出力部AoCに対して配置され、それにより、接触モジュール1上の光入力部EoKは、調整位置のそれぞれにおいて光信号Sによって照射される。
【0050】
代替として、形成されるそれぞれの自由ビーム領域の長さのため、接触モジュール1上の光入力部EoKが調整位置のそれぞれにおいて光信号Sによって照射されるように、及び/又はそれぞれの自由ビーム領域において、光電子チップ2の光出力部AoC及び接触モジュール1の光入力部EoKにおいて又はそれらの間に光手段が存在する(光手段は、光信号Sを形成する)ように、接触モジュール1上の光入力部EoKの全て又は幾つかは、光電子チップ2のそれぞれの光出力部AoCに対して配置され、それにより、光電子チップ2によって送信された光信号Sは、調整位置のそれぞれにおいて接触モジュール1上の光入力部EoKに完全に結合される。
【0051】
この説明の目的上、ビーム整形手段(ビーム整形素子)は、ビーム内の幾何学的なビーム形状又は強度分布に影響する任意の素子を指す。
【0052】
接触モジュール1は、ここで、定義された方法で互いに対して配置される1つ又は複数のコンポーネントからなり得る。それは、モノリシックコンポーネントでもあり得、その上に、電気及び光入力部及び出力部EeK、EoK、AeK、AoKは、チップ2と接触するようにチップ2に面して配置され、これらの入力部及び出力部のそれぞれは、分配ネットワークの形態の電気又は光信号線1.1.1.1、1.2.1.1を介して、試験機器4のインターフェースに接続される入力部及び出力部につながる。また、先行技術と同様に、接触モジュール1は、ここで、チップ2の光及び電気接触のための接触プレートと、信号分配のための1つ又は複数の分配プレートとを含み得る。接触モジュール1上の入力部及び出力部EeK、EoK、AeK、AoKが本発明によって具体化される他の実施形態が考えられる。
【0053】
特に有利には、接触モジュール1は、プリント回路基板1.1.1を備えた電子モジュール1.1であって、好ましくは先行技術から周知のカンチレバー又は垂直プローブカードに対応し、且つその上に電気入力部及び出力部EeK、AeKが配置される、電子モジュール1.1と、光ブロック1.2.1を備えた光モジュール1.2であって、その上に光入力部及び出力部EoK、AoKが配置され、光入力部及び出力部EoK、AoKが、光ブロック1.2.1に統合され、且つ光信号線1.2.1.1を形成する導波路の入力部及び出力部によって又は特別な場合にはフォトダイオード6の感光面6.1によってここで形成される、光モジュール1.2とを含む。
【0054】
従って、接触モジュール1上の電気入力部及び出力部EeK、AeKだけでなく、電気信号線1.1.1.1と、自らの光入力部及び出力部EoK、AoKを備えた光信号線1.2.1.1とは、異なる製造プロセスによって互いに無関係に作製することができる。光又は電気であるかにかかわらず、全ての入力部及び出力部が、試験中のチップ2に対して調整され得る共通配置を形成することを保証するために、プリント回路基板1.1.1及び光ブロック1.2.1は、互いに調整される方法で固定される。
【0055】
光ブロック1.2.1は、好ましくは、モノリシックであり、且つプリント回路基板1.1.1と異なる材料、即ち統合導波路の形態の光信号線1.2.1.1の作製に適した材料で作られる。導波路の形態で光ブロック1.2.1に光信号線1.2.1.1を作製するために、小さい相互公差のみで非常に正確に光信号線1.2.1.1を製造できるようにする技術が用いられ得る。これらは、レーザベースの直接書き込み方法を含む。一方では光ブロック1.2.1の基板材料の光学特性を変更することにより、これらは、導波路の導入を可能にし、他方では基板材料の構造を局所的に変更することにより、基板材料の湿式化学エッチング挙動の局所的な修正及び従ってサブマイクロメートル精度でガラス基板材料への直接的な後続のエッチングによるミラーなどの光学素子の作製を可能にする。このように作製された素子の位置及び形状は、レーザの書き込みパラメータを変えることによって直接柔軟に適合させることができる。
【0056】
概念が光信号S(破線)を試験機器4送信することである図1による接触モジュール1とは対照的に、図2による接触モジュール1の概念は、チップ2から到来する光信号Sを、試験機器4に送信される電気信号S(破線/点線)に変換することである。次に、接触モジュール1上の光入力部EoKは、光受信器によって有利に形成される。この場合、電気信号Sのみが試験機器4に案内される必要があり、それが、純粋に電子的なチップを試験するための従来の試験機器4を光電子チップ2のタスクに適応させるために要求される労力を低減することが有利である。
【0057】
電子モジュール1.1と、光ブロック1.2.1を備えた光モジュール1.2とを含む接触モジュール1の有利な実施形態において、光ブロック1.2.1は、電子モジュール1.1上に存在する全ての接触ピン1.1.2が、光ブロック1.2.1を過ぎて、その周りに、及び/又は必要に応じてそこに形成される開口部を通してチップ2に接触できるような方法で貫通孔及び/又は開口部を含むその寸法及び幾何学形状(ジオメトリ)において有利に具体化される。これは、1つのモノリシックブロックにおける全ての光インターフェースの集積化を可能にする。
【0058】
物理的接触が電気インターフェースにおいて確立されると、光ブロック1.2.1は、小さい定義された距離だけチップ2から離れて存在する。
【0059】
接触モジュール1の第1の例示的な実施形態が図3a及び図3bに示されている。
【0060】
接触モジュール1は、電子モジュール1.1及び光モジュール1.2を含む。電子モジュール1.1は、その技術的設計において、純粋に電子的なチップのための従来の接触モジュールに対応する。それは、プリント回路基板1.1.1と、例としてここではカンチレバーピンとして設計された接触ピン1.1.2と、プリント回路基板1.1.1に割り当てられたキャリアプレート1.1.3とを含む。電気接触は、チップ2の電気接触プレート2.1と接触ピン1.1.2との物理的接触により、電子モジュール1.1を介して確立される。
【0061】
光モジュール1.2は、光信号線1.2.1.1を備えた光ブロック1.2.1からなり、各光信号線1.2.1.1は、導波路の形態であるか又は特別な場合には幾つかの導波路の形態でもあり、それらは、1つの導波路と、各導波路の前の統合ミラー1.2.1.2(例えば、図4を参照されたい)と、V溝を備えたファイバホルダ1.2.2と同様に、ガラスファイバ1.2.3と、単一ファイバコネクタ又はマルチファイバコネクタ1.2.4とを形成するために光ブロック1.2.1内で組み合わされる。導波路1.2.1.1は、レーザ直接書き込みプロセスによって製造され、ミラー1.2.1.2は、レーザ支援エッチングプロセスによって製造される。従って、導波路は、局所化された修正基板材料により、レーザエネルギの入力の結果として形成され、それは、特に基板材料の屈折率と比較して局所的な屈折率修正によって特徴付けられる。ミラー1.2.1.2は、基板材料におけるエッチングされた凹部のインターフェースによって形成される。光ブロック1.2.1の基板材料は、ガラス、好ましくはボロフロートガラスであり、且つ数百μm~数ミリメートル、好ましくは0.5~1mm範囲の厚さを有する。光接触/結合は、チップ2と接触モジュール1との間の距離にわたってチップ2との直接接触なしに行われる。光ファイバ1.2.3及び導波路1.2.1.1は、モノモード及びマルチモード動作の両方のために、且つ可視光からIR範囲までの波長範囲のために設計することができる。好ましい実施形態は、O~Lバンドの波長範囲においてモノモード動作である。光入力部及び出力部において又はそれらの間において、ビーム経路における追加のビーム整形素子なしに光ブロック1.2.1.1の導波路1.2.1.1において案内された光信号Sは、各場合において、光モジュールの光出力部AoKの1つにおけるミラー1.2.1.2を介して、光信号Sのビーム断面にガウスモードプロファイルを備えてチップ2の光入力部EoCに結合される。接触モジュール1とチップ2との間の作動距離は、典型的には、数十μm~数百μmである。好ましい変形形態において、作動距離は、ビーム断面が、ここでは格子結合器のモード径と等しい光入力部EoCの開口部のサイズよりはるかに大きい面積を照明するように慎重に選択され、格子結合器は、光信号Sを結合するために光入力部EoCに存在する。より大きい照明面積、即ち光入力部EoCが照射されるため、結合効率が低減されるが、調整感応性も低減される。これは、所与の調整精度のための測定におけるより高い反復性を可能にし、且つ結合された信号強度の単に小さい変動範囲につながる。例えば、好ましい作動距離は、100μmである。従って、結合は、効率のためにはそれほどでもないが、主として調整感応性における最大限の低減のために最適化される。
【0062】
試験機器4から到来する光信号Sは、ガラスファイバ1.2.3に結合され、且つ次にファイバ又はマルチファイバコネクタにより、光ブロック1.2.1の導波路1.2.1.1に横に結合される。ファイバホルダ1.2.2と光ブロック1.2.1との間の接続面は、後方反射を回避するために、例えばガラスファイバ1.2.3の方向に垂直に8°の角度で面取りされる(図示せず)。チップ2への垂直結合は、ミラー1.2.1.2によって達成され、ミラー1.2.1.2は、光ブロック1.2.1における導波路の端部にそれぞれ存在する(図3a及び3bには示されていない)。好ましい変形形態において、ミラー1.2.1.2は、全反射で作動する。
【0063】
チップ2に面するファイバホルダ1.2.2の側部は、チップ2に面する光ブロック1.2.1の側部を超えて突出しない。これは、小さい作動距離のため、接触中にチップ2と光モジュール1.2の衝突を回避するために重要である。
【0064】
ミラー1.2.1.2及び導波路を製造するために用いられる方法は、
・基板で作製される光ブロック1.2.1内の全てのミラー1.2.1.2及び導波路1.2.1.1並びに従って光インターフェースが、サブマイクロメートルの精度で互いに対して配置され得るようにし、
・基板内のミラー1.2.1.2及び導波路の自由な位置決めを可能にし、
・250μm、127μm及びそれ未満のミラー1.2.1.2の距離(ピッチ)並びに従って光出力部及び入力部の距離を可能にし、
・ミラー角を調整することにより、チップ2の光入力部EoCに配置された光結合素子、例えば典型的には8~20°の放射プロファイルを備えた格子結合器に対する光信号Sの異なる放射角にビーム角を調整できるようにし、
・他のチップ2に適合される接触モジュール1のための光インターフェースの位置の速く、柔軟で、コスト効率のよい変更を可能にする。
【0065】
電子モジュール1.1は、プリント回路基板1.1.1と、キャリアプレート1.1.3と、セラミック支持体1.1.4と、それに接着された接触ピン1.1.2、この場合にはカンチレバーピンとを含む。光モジュール1.2は、好ましくは、キャリアプレート1.1.3上の例えば3つの固定点を介して電子モジュール1.1に接着され、キャリアプレート1.1.3は、有利には、金属フレームである。基本的に、光ブロック1.2.1は、プリント回路基板1.1.1に直接装着することもできる。プリント回路基板1.1.1も装着されるキャリアプレート1.1.3への光モジュール1.2の装着は、次の理由で有利である。
・接触ピン1.1.2による同時的な信頼できる電気接触を伴って、チップ2への光モジュール1.2の定義された光作動距離を達成するために、接触ピン1.1.2及び光モジュール1.2の光ブロック1.2.1は、Z方向において互いに非常に正確に整列されなければならない。加えて、接触ピン1.1.2の接触圧力による接触モジュール1の機械負荷下で接触モジュール1の多くてもわずかな変形のみが生じるべきである。これらの態様の両方が、プリント回路基板1.1.1を支持するために、且つ光ブロック1.2.1を固定するために金属フレームの使用によって保証される。
・例えば、接触ピン1.1.2としてのカンチレバーピンを備えた電子モジュール1.1を製造する場合、ピンのZ高さは、通常、ウェーハプラットフォーム3への固定基準との接触モジュール1のクランプ点を基準とする。キャリアプレート1.1.3として金属フレームを用いると、これらの基準点は、光モジュール1.2のための固定点が高精度で統合される金属フレームに位置する。従って、光モジュール1.2は、Z方向における固定点への位置的に正確な接着により、接触ピン1.1.2の先端の基準面に対して厳密に平行平面且つ正確に取り付けることができる。電子モジュール1.1への光モジュール1.2の平行平面の取り付けは、光モジュール1.2が、小さい作動距離のため、接触中に動作においてチップ2と衝突することも防ぐ。
【0066】
図3a及び3bによる接触モジュール1の第1の例示的な実施形態は、チップ2のエッジ領域の3つの側部における電子モジュール1.1により、1つのみのチップ2の電気接触を可能にする。チップ2のエッジ領域における第4の側部は、光モジュール1.2のためのアクセスとして使用される。
【0067】
図4に示されている第2の例示的な実施形態において、光ブロック1.2.1の形状及び統合導波路の形態の光信号線1.2.1.1のルーティングは、チップ2の光及び電気インターフェースのレイアウト構成に適合され、チップ2において、電気インターフェースは、チップ2のエッジ領域における全ての側部に配置され、光インターフェースは、中央エリアに配置される。図4における図解は、光ブロック1.2.1における導波路の柔軟なルーティングの単なる例である一方、導波路及びミラー1.2.1.2の互いに対する無視できる位置公差を維持する。
【0068】
図3a、3b及び4による接触モジュール1の第1及び第2の例示的な実施形態において、チップ2から到来する光信号Sは、それらがそれぞれ光ブロック1.2.1に自由に照射され、且つミラー1.2.1.2を介して導波路の1つに向かって偏向された後、導波路の形態の光信号線1.2.1.1に結合される。それに応じて、導波路から出現する信号は、それぞれ光ブロック1.2.1を通して自由に案内され、ミラー1.2.1.2を介してチップ2に向かって偏向され、且つチップ2の光入力部EoCに結合される。自由ビーム経路の異なる実施形態が図6a~d及び図7~14に関連して後に説明される。
【0069】
代替として、図5a~bに示されているように、第3の例示的な実施形態による、光モジュール1.2の信号線への光信号Sの結合は、フォトダイオード6を介して実行することもでき、次に、フォトダイオード6の感光面6.1は、この説明の意味では光モジュール1.2における信号線の光入力部EoKを構成する。この特別な場合、光モジュール1.2における光入力部EoKは、最も広い意味で電気信号線1.1.1.1と接続される。これに関連して、フォトダイオード6へのチップ2の作動距離及びフォトダイオード6の感光面6.1のサイズは、所望の調整無感応性を達成するために組み合わされることが決定的に重要である。これは、接触モジュール1に対するチップ2の各公差関連の調整位置のそれぞれ(その2つが図5a~5bに示されている)において、フォトダイオード6によって検出された光信号Sの強度が、測定のために許容できる変化のみにつながる選択された作動距離において、フォトダイオード6の感光面6.1が十分に大きい場合に該当する。
【0070】
好ましくは、フォトダイオード6とチップ2との間の距離は、高効率及び最大調整無感応性の両方を達成するためにできるだけ小さく選択される。しかしながら、チップ2への結合のために要求される作動距離(接触モジュール1上の光出力部AoKとチップ2の光入力部EoCとの間の光自由ビーム領域の最小長さ)と無関係に、チップ2からの減結合のための作動距離(チップ2の光出力部AoCと接触モジュール1上の光入力部EoKとの間の光自由ビーム領域の最小長さ)を変更できるように、図5c~eは、上面の、上面又は下面に形成された凹部の、且つ下面の、光モジュール1.2におけるフォトダイオード6の1つにおける3つの一般的に可能な取り付け位置を示す。
【0071】
フォトダイオード6の接触は、例えば、フリップチップはんだ付け若しくはケーブル、例えばフレックスケーブルへの直接的なボンディングによって又は追加の再分配及び安定化のためにセラミックホルダを用いて行うことができる。別の選択肢は、フォトダイオード6を光ブロック1.2.1に直接取り付けることである。フレックスケーブルは、フォトダイオード6に直接隣接して配置、例えば接着され得、接触は、ボンディングによって行われる。好ましくは、電気通信において一般に用いられる高速InGaAs/InPフォトダイオードがO~Lバンドの波長範囲のために使用される。それらの感度は、ダイオード表面全体にわたって非常に均質である。
【0072】
以下において、上述の実施形態と任意選択的に組み合わせることができる更なる例示的な実施形態は、異なる方策を示し、それにより、光信号Sは、それが調整感応性なしに導波路の光入力部に結合され得るような方法で影響される。
【0073】
例示的な実施形態の第1のグループにおいて、光信号Sの光結合において十分な効率と共に同時に光学調整感応性の低減は、ビーム断面及び/又はビームプロファイル(ビーム断面にわたる強度分布)を最適化するために追加のビーム整形素子の必要なしに可能にされる。
【0074】
チップ2から到来する光信号Sを接触モジュール1に結合する場合、調整感応性を低減するための基本構成に加えて、図6a~6dは、3つの変形形態を示し、そこでは、接触モジュール1上の光入力部EoKとしての導波路の入力部が信号の結合強度を増加させるために特に設計される。
・変形形態a)は、以前に記載された例示的な実施形態に関連して既に説明されたように、追加の最適化なしの基本構成を図6aに示す。光信号Sは、チップ2の光出力部AoCから放射され、チップ2において、結合素子、例えば格子結合器がある角度で、即ち発散方式で配置され、ミラー1.2.1.2に当たり、且つ低効率で導波路1.2.1.1の入力部によって検出される。なぜなら、導波路断断面は、入射ビーム断面の小部分のみをカバーし、その小部分は、任意の調整位置で導波路の入力部を照射するからである。
・変形形態b)は、図6bにおいてテーパ部5.1を示し、テーパ部5.1は、導波路断面に適合された断面を導波路の入口に有し、且つテーパ部5.1に入る光信号Sのビーム断面が、適合してテーパ部5.1の入口開口部5.1.1より小さい場合、任意の調整位置において光信号Sの全放射線強度を導波路内に完全に導く。
・変形形態c)は、図6cにおいて、テーパ部5.1の代わりに幾つかの導波路(導波路グループ)を用い、互いに最小距離で配置されたそれらの導波路の2つが示され、その2つは、例えば、直接レーザ書き込みによって作成された接合によって結合され、従ってまた信号の強度の大きい割合を吸収する。幾つかの導波路は、全ての調整位置において全て完全に照射される。
・変形形態d)は、入射光信号Sを導波路に集束させるために、ミラー1.2.1.2としての凹面鏡と、調整位置のそれぞれにおける集束位置公差にかかわらず、信号を導波路に完全に結合するための、変形形態b)について説明したようなテーパ部5.1とを図6dにおいて用いる。
【0075】
変形形態b)~d)は、互いに組み合わせることもできる。
【0076】
図7は、光信号Sが調整位置のそれぞれにおいて等しい数の導波路に結合される例示的な実施形態を示し、等しい数の導波路は、全てフォトダイオード6若しくはフォトダイオードアレイに通じるか、又は(図面に示されていないが)接合(Y接合)を介して導波路に組み合わされるかのいずれかである。
【0077】
図8図12に示されている例示的な実施形態の第2のグループにおいて、調整無感応性の増加は、追加ビーム整形素子、この場合には回折光学素子5.3、屈折光学素子5.2又はそれらの組み合わせによって達成される。
【0078】
これらの例は、それぞれ接触モジュール1上の光出力部AoKの1つとチップ2の光入力部EoCの1つとの間の自由ビーム領域に関係する。
【0079】
図8は、光ブロック1.2.1上の基板に直接形成されたマイクロレンズの形態の屈折光学素子5.2を用いる例示的な実施形態を示す。高調整無感応性を維持するために、レーザ選択エッチング又はレーザ若しくはステッパベースのグレートーンリソグラフィなどの方法であって、基板に導入された導波路への屈折光学素子5.2の正確な整列を可能にし、従って大きい公差を追加的に要求せずに最適なビーム整形を保証する方法が用いられる。
【0080】
代替として、ここには示されていないが回折光学素子5.3がこれらの方法を用いて導入され得る。
【0081】
図9は、回折光学素子5.3の使用を示し、回折光学素子5.3は、ガウスプロフィルを備えたビーム断面にわたる強度分布から1つの素子におけるトップハット強度分布及びビーム集束へとビーム整形を組み合わせる。回折光学素子5.3は、導波路を備えた光ブロック1.2.1上の、例えばシリコンなどの好ましくは高屈折材料の別個の基板に配置される。
【0082】
図10は、例えば、ガラス又は更にシリコンで作製された更なる基板におけるマイクロレンズによるビーム整形(トップハット生成)及び別個の集束のために、シリコンなどの高屈折材料で好ましくは作製された、別個の基板における回折光学素子5.3の使用を示す。
【0083】
図11は、ビーム整形(トップハット)のための別個の基板(例えば、シリコン)からなる回折光学素子5.3と、集束のための更なる別個の基板(例えば、ガラス)における2つの別個のマイクロレンズとの使用を示す。
【0084】
図12は、マイクロレンズの使用を示し、マイクロレンズは、ビーム整形のために例えばシリコンの別個の基板上で機械加工される。別個の基板上において、機械的要素がマイクロレンズの正確なパッシブアライメントのために設けられる。
【0085】
図13は、減光フィルタとも呼ばれるフィルタ5.4、この場合には構造化グレースケールフィルタの使用を示し、フィルタ5.4は、ビームプロファイル最適化のために使用される。それは、ビーム断面にわたる強度分布に影響を及ぼし、従ってまたビーム整形素子を構成する。示されているものは、ガウスプロフィルからのトップハットプロファイルの生成である。光ブロック1.2.1における導波路及びミラー1.2.1.2に関する高位置精度のために、構造化グレーグラデーションフィルタは、示されているように、光ブロック1.2.1又は別個の要素に好ましくは直接適用される。グレーグラデーションフィルタのために適用された層は、IR範囲における放射を吸収し、且つ従って光信号Sの断面にわたって光信号S内の強度分布を均質化する。コーティング材料を選択すること及びコーティング厚さを調整することにより、光学密度及び反射は、例えば、システムにおける散乱光及び従って光漏話を最小化するように最適化することができる。
【0086】
ビーム経路における全ての光インターフェースにおいて、波長及び用途のために最適化された反射防止コーティングが、送信を増加させ、且つ後方反射を最小化するために使用され得る。好ましくは、例えばSiOを用いる機械的及び化学的に安定したARコーティングが用いられる。これは、電子モジュールには典型的である測定中の掃除が光モジュール及び従って光ブロックを損傷しないように光ブロックを保護する。
【0087】
図3a~bに示されているように、互いに整列され、且つV溝を備えて設計されたファイバホルダ1.2.2における光ブロック1.2.1に存在する導波路と整列される、試験機器4から到来する光信号Sの、ガラスファイバ1.2.3を介した横結合は、制限を必然的に伴う。これは、電気接触がチップ2の側部で行われず、チップ2上で導波路がガラスファイバ1.2.3へと外側に横に案内されることを意味する。
【0088】
図4に示されている例示的な実施形態は、この問題への限られた解決法のみを提供する。
【0089】
実際の代案は、側部からではなく、上から光ブロック1.2.1に光信号Sを結合することである。この目的のために、第2のミラー1.2.1.2は、図14に従って光ブロック1.2.1に実現され、光信号Sは、ファイバ又はマルチファイバコネクタ1.2.4を介して上から結合される。ファイバ又はマルチファイバコネクタ1.2.4は、光ブロック1.2.1(図示せず)上又は電子モジュール1.1のキャリアプレート1.1.3上のいずれかに直接取り付けることができる。
【0090】
1つのチップ2に接触するための図3に示されている例示的な実施形態は、図15に示されているような幾つかのチップ2の並列接触に拡張することができる。これは、スループットを増加させ、測定時間を短縮する。ここで決定的に重要な要因は、選択された製造プロセスから与えられる、互いに対する光インターフェースの高位置精度を達成するために、光ブロック1.2.1への全ての光インターフェースのモノリシックな統合である。図は、2つのチップ2の並列測定を示すが、構成は、より多くのチップ2の並列測定に拡張することができる。
【0091】
カンチレバーピン1.1.2が電気接触のための接触ピンとして用いられる、図3a~bに示されている例示的な実施形態の修正形態において、垂直ピンは、図16a及び16bに示されている別の例示的な実施形態において用いられる。光ブロック1.2.1は、電子モジュール1.1のキャリアプレート1.1.3の下面に取り付けられる。垂直ピン及びミラー1.2.1.2の数及び構成は、単に例としてのみ示され、且つ接触モジュール1の異なる設計に適合され得る。
【0092】
垂直ピンを備えた電子モジュール1.1を用いて、並列に2つのチップ2を2回測定するための接触モジュール1の概略図が図17に示されている。構造及び取り付けは、光ブロック1.2.1が垂直ピンの通過のための幾つかの開口部を含み、且つそれに応じて導波路のルーティングが適合されることを除いて、図16a及び16bによる例示的な実施形態に類似している。例示的な実施形態は、2つのチップ2の3回以上の並列測定に拡張することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 接触モジュール
1.1 電子モジュール
1.1.1 プリント回路基板
1.1.1.1 電気信号線
1.1.2 接触ピン
1.1.3 キャリアプレート
1.1.4 セラミック支持体
1.2 光モジュール
1.2.1 光ブロック
1.2.1.1 光信号線(特に導波路)
1.2.1.2 ミラー
1.2.2 ファイバホルダ
1.2.3 ガラスファイバ
1.2.4 ファイバコネクタ
2 (光電子)チップ
2.1 接触プレート
3 ウェーハプラットフォーム
4 試験機器
5.1 テーパ部
5.1.1 テーパ部5.1の入口開口部
5.2 屈折光学素子
5.3 回折光学素子
5.4 フィルタ
6 フォトダイオード
6.1 感光面
電気信号
光信号
oK 接触モジュール1上の光入力部
oK 接触モジュール1上の光出力部
oC 光電子チップ2の光入力
oC 光電子チップ2の光出力部
eK 接触モジュール1上の電気入力部
eK 接触モジュール1上の電気出力部
eC 光電子チップ2の電気入力部
eC 光電子チップ2の電気出力部
図1
図2
図3a-b】
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17