(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】リングを圧延するための、径方向/軸方向のリング圧延機
(51)【国際特許分類】
B21B 5/00 20060101AFI20221215BHJP
B21H 1/06 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B21B5/00
B21H1/06 C
(21)【出願番号】P 2020513681
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2018000409
(87)【国際公開番号】W WO2019048076
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】102017008449.1
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511240092
【氏名又は名称】シューラー プレッセン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Schuler Pressen GmbH
【住所又は居所原語表記】Schuler-Platz 1, 73033 Goeppingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】オーベルマイアー,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイケルト,ヨッヘン
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-202521(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106111858(CN,A)
【文献】特開昭58-025833(JP,A)
【文献】特開2017-136644(JP,A)
【文献】特開2015-030029(JP,A)
【文献】特開平07-185711(JP,A)
【文献】実開昭57-136541(JP,U)
【文献】国際公開第2016/020869(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102581181(CN,A)
【文献】特開2015-202522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 5/00
B21H 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングを圧延するための、径方向/軸方向のリング圧延機であって、軸方向の圧延デバイス(11)及び径方向の圧延デバイス(12)を有し、前記径方向の圧延デバイス(12)は主ローラ(14)及びローラ主軸(15)を有し、それらの間でリングを形付けることができ、前記ローラ主軸(15)はその上部領域で、前記ローラ主軸(15)が長手方向の範囲と垂直方向に前記主ローラ(14)に向かう方向と、その反対方向に移動することができる方法で水平方向に調整できるように、第1の直線調整デバイス(17)に支持された主軸受けヘッド部(16)において保持され、
前記第1の直線調整デバイス(17)
は、前記主軸受けヘッド部(16)及びローラ主軸(15)と
ともに1つのユニットとして、第2の直線調整デバイス(18)によって垂直に
移動して調整することができ、それによって前記ローラ主軸(15)は前記リングの内空間から引き出され、その中に導入することができることを特徴とする、径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項2】
前記ローラ主軸(15)は、前記主軸受けヘッド部(16)において移動しないよう保持されることを特徴とする、請求項1に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項3】
前記ローラ主軸(15)は、締付け具によって前記主軸受けヘッド部(16)に保持されることを特徴とする、請求項1または2に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項4】
前記主軸受けヘッド部(16)は、少なくとも1つの水平方向キャリア(19)に嵌合されることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれかに記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項5】
前記キャリア(19)は、前記第1の直線調整デバイス(17)の誘導キャリッジ(20)を介して、移動可能に係合されることを特徴とする、請求項4に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項6】
前記第1の直線調整デバイス(17)の前記誘導キャリッジ(20)を、前記第2の直線調整デバイスの垂直方向に延びる通路(22)に沿って調整できることを特徴とする、請求項5に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項7】
前記第1の直線調整デバイス(17)の前記誘導キャリッジ(20)を、前記第2の直線調整デバイス(18)の前記通路(22)に固定できることを特徴とする、請求項6に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項8】
前記固定は、締付け具によって実施されることを特徴とする、請求項7に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項9】
誘導キャリッジ(20)を、前記ローラ主軸(15)が前記リングから完全に出される範囲まで、垂直方向上向きに移動させられることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項10】
前記ローラ主軸(15)はその上端部において、前記主軸受けヘッド部(16)に解放可能に固定できる主軸受け要素(31)に、保持されることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項11】
前記主軸受け要素(31)は、締付け具によって前記主軸受けヘッド部(16)に固定できることを特徴とする、請求項10に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【請求項12】
前記ローラ主軸(15)は、前記長手方向の軸の周りにモータ(32)によって回転させることができることを特徴とする、請求項1~11のうちいずれか一項に記載の径方向/軸方向のリング圧延機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸方向圧延デバイス及び径方向圧延デバイスを有する、リングを圧延するための、径方向/軸方向のリング圧延機に関する。径方向圧延デバイスは、主ローラ及びローラ主軸を有し、それらの間でリングを形付けることができる。ローラ主軸はその上部領域を、主軸受けヘッド部で保持され、主軸受けヘッド部は、ローラ主軸がその長手方向範囲に対して垂直方向に、主ローラに向かう方向、及びその反対方向に動かせる方法で、水平方向に調整可能なように、第1の直線調整デバイスで支持される。
【背景技術】
【0002】
言及されたタイプの径方向/軸方向のリング圧延機は、独国特許出願公開第102016101939号明細書に記載され、金属素材またはリングプリフォームから継ぎ目のないリングを圧延するために使用される。リングプリフォームは、元の径から所望の最終の径までの、異なるローラによって形付けられる。軸方向の圧延デバイスは、この事例では、デバイスの回転軸またはデバイスと平行な軸の方向でリングを形付ける役割、すなわちリングの側部フランクを形付ける役割を担う。径方向の圧延デバイスは、リングをデバイスの垂直方向に延びる方向に形付ける役割、すなわち形成するよう意図されるリングの半径の方向に形付ける役割を担う。用語「軸方向」及び「径方向」は、この説明の文脈にしたがって使用される。
【0003】
公知の径方向/軸方向の圧延機において、リングプリフォームは実質的に水平のテーブルに設置され、ローラ主軸は、例えば上方からリングの内空間に導入される。ローラ主軸は、垂直方向に移動され得るよう、テーブルの上方に配置された主軸受けヘッド部に支持され、ローラ主軸の下端部がテーブルの下方に配置された下部主軸受けに係合するまで、下降させることができる。
【0004】
圧延作業の終わりにおいて、圧延したリングを取り外すことができるよう、ローラ主軸を圧延したリングから引き出さなければならない。それは、主軸上昇デバイスを用いて主軸受けヘッド部に対してローラ主軸を垂直方向上向きに引き上げることによって、実施することができる。この事例において、上部位置の主軸上昇デバイスが、主軸受けヘッド部の上方上向きに、比較的大きい範囲に突出するため、例えばクレーンによって、リングプリフォームはリング圧延機に配置されるか、または完成したリングがリング圧延機から取り外されることにより、主軸上昇デバイスが損傷を受けるか、または曲げられる恐れがある。
【0005】
リングプリフォームを径方向に形付けることは、主ローラとローラ主軸との間で行われる。この目的で、これら2つの構成要素の間の空間を調整する必要がある。これは、機械フレームに対して水平方向の直線調整デバイスで、調整可能な方法で誘導される主軸上昇デバイスを担持する主軸受けヘッド部によって、公知の径方向/軸方向のリング圧延機によって行われる。水平方向の直線調整デバイスによって、主軸受けヘッド部を調整することによって、ローラ主軸を主ローラに向けて径方向に、及びその反対方向に動かすことができる。
【0006】
径方向/軸方向のリング圧延機は、圧延しようとするリングの特定のサイズだけではなく、異なるリングサイズにも使用される。この事例において、軸方向高さで大幅に異なり得るリングが圧延される。特に、小さい内径を有する比較的小さいリング、及びそれに対応する小さいローラ主軸径、ならびに、小さい軸方向のリング高さを伴い、下方主軸受けと上部主軸受けとの間の空間が大きすぎる場合に、比較的高い曲げ負荷がローラ主軸に生じる。主軸上昇デバイスを使用して、上部主軸受けを主軸受けヘッド部に対して下降させることによって、ローラ主軸の曲げ延長が減少され、それに従って形付けプロセスの間の曲げ負荷が減少されることが知られている。しかしこの場合、上部主軸受けと主軸受けヘッド部との間で垂直方向のずれを調整し、主軸ヘッド部に吸収されるべき曲げトルクをもたらすことは、不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102016101939号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、構造的に簡単な方法で、圧延しようとするリングのサイズに対する外形関係の調整が可能な、リングを圧延するための径方向/軸方向のリング圧延機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、特許請求項1の特徴を有する径方向/軸方向のリング圧延機によって、実現される。この場合、ローラ主軸をリングの内空間から引き出し、その中に導入することができ、垂直方向における第2の直線調整デバイスによって、ユニットとして調整され得る主軸受けヘッド部及びローラ主軸を伴う、第1の直線調整デバイスが提供される。
【0010】
本発明によると、従来技術において主軸受けヘッド部に形成される主軸昇降デバイスを用いないで実行することが可能であること、及びローラ主軸が主軸受けヘッド部にしっかりと嵌合され得ることが、基本的な検討の基となる。ローラ主軸の垂直方向の調整において、主軸受けヘッド部に対しては調整されない。しかし代わりに、ローラ主軸は、ユニットとして主軸受けヘッド部及び主軸受けヘッド部の水平方向の第1の直線調整デバイスと共に、調整され得る。このように、主軸受けヘッド部と上部主軸受けとの間に形成され得るずれは、確実に防止される。
【0011】
本発明によると、ローラ主軸と主軸受けヘッド部との間には相対的な調整がないので、主軸昇降デバイスが主軸受けヘッド部を大幅に越えて上向きに突出する問題も防止される。
【0012】
主軸受けヘッド部の水平方向の調整のため、及びそれによるローラ主軸の径方向の調整のための、第1の直線調整デバイスは、水平方向に延びるか、または少なくとも重要な水平方向の構成要素と共に延びる。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ、特に2つの平行の水平キャリアに、好ましくはしっかりと嵌合された主軸受けヘッド部が提供される。これらのキャリアは、移動可能に第1の直線調整デバイスの誘導キャリッジを貫通して係合され、そこで水平方向に誘導され得る。主軸受けヘッド部の反対側に面する誘導キャリッジの側において、例えば液圧シリンダなどの調整運動のための駆動デバイスが、好ましくは配置される。
【0013】
ローラ主軸は、主軸受けヘッド部に、好ましくは固定する方法及び移動しない方法で保持される。例えば摩耗のために、ローラ主軸を交換する必要がある場合、主軸受けヘッド部とローラ主軸との間の接続は、解放する必要がある。この事例において、締付け具、特に液圧式締付け具によって主軸受けヘッド部に保持され得る、ローラ主軸が提供される。
【0014】
第1の直線調整デバイス、主軸受けヘッド部、及びローラ主軸のユニットの、垂直方向の調整は、好ましくは第2の直線調整デバイスの垂直方向に延びる通路に沿って調整することが可能な、第1の直線調整デバイスの誘導キャリッジによって実施される。例えばこの通路は、機械フレームにしっかりと取り付けられ得る垂直方向の誘導コラムによって形成される。調整運動は、好ましくは少なくとも1つの液圧ピストン/シリンダユニットによって実施される。
【0015】
第1の直線調整デバイス、したがって主軸受けヘッド部及びローラ主軸を、所定の位置に固定するために、好ましくは第1の直線調整デバイスの誘導キャリッジを、第2の直線調整デバイスに無段階で固定またはしっかりと取り付けられ得る。詳細には、この固定は締付け具によって実施され、この締付けは液圧及び/または空圧によって実施することができる。
【0016】
ローラ主軸の上端部は、主軸受け要素によって、主軸受けヘッド部にしっかりと取り付けられる。ローラ主軸を交換するために、主軸受け要素は主軸受けヘッド部から上向き方向に取り外すことができる。新しいローラ主軸は、その後新しい主軸受け要素と共に上方から再び主軸受けヘッド部の中に導入され、その後、主軸受けヘッド部に固定され得る。代替として、主軸受け要素を、古いローラ主軸から分離して新しいローラ主軸に装着し、次に主軸受け要素を新しいローラ主軸と共に、主軸受けヘッド部の中に挿入することも可能である。
【0017】
径方向/軸方向のリング圧延機の、例えば加工品の交換中などの所謂非生産時の動作において、ローラ主軸は、例えば主軸受けヘッド部、詳細には主軸受け要素に嵌合されたモータによって、長手方向軸の周りを回転可能に駆動させることができる。ローラ主軸の回転の結果、その冷却を促進させることができる。径方向/軸方向のリング圧延機の動作中、すなわちリングの圧延中に、このモータのスイッチを止めるか、またはスイッチを受動状態に入れることができる。
【0018】
好ましくは、垂直方向上向きに、ローラ主軸がリングから完全に出される範囲まで移動させることができる誘導キャリッジが提供される。このように、リングの交換または新しいリングプリフォームの挿入は容易にされる。
【0019】
さらにローラ主軸の有効延長すなわち下部主軸受けと上部主軸受けヘッダ部との間の空間を、圧延しようとするリングの高さに調節できるよう、特に下部リングの圧延のために短くすることができるよう、下向きに移動させることができる誘導キャリッジが提供される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、その上端部が主軸受け要素に保持されるローラ主軸が提供される。主軸受け要素は、主軸受けヘッド部に解放可能に固定することができる。この事例において、取外し可能な主軸受け要素を、主軸受けヘッド部に、好ましくは締付け具によって固定することができる。
【0021】
ローラ主軸を回転可能に駆動するモータは、好ましくは圧延しようとするリングの圧延トルクとは関係なく、ローラ主軸を駆動する。この事例において、モータは、例えば加工品の交換中など、径方向/軸方向のリング圧延機の非生産時の動作の間に、例えばその時間中にローラ主軸をより良好に冷却するために、ローラ主軸も駆動することができるよう構成される。好ましくは通常の圧延プロセス中に、モータはスイッチを受動状態に入れられる。
【0022】
ローラ主軸の上端部に嵌合される主軸受け要素は、生じる傾斜トルク及び/または圧延トルクを主軸受けヘッド部の中に導入できるよう、好ましくは主軸受けヘッド部に保持される。
【0023】
テーブル上に水平向きに設置されたリングプリフォームを圧延するために、垂直方向の第2の直線調整デバイスが、上部位置から作動され、それによって誘導キャリッジが主軸受けヘッド部及びローラ主軸と共にコラムの通路に沿って下向き方向に動かされ、ローラ主軸がリングプリフォームを貫通してその下端部と係合し、下部主軸受けと係合するまで下降される。同時、またはその後に、第1の直線調整デバイス17は作動され、それによって主軸受けヘッド部は、誘導キャリッジに対して主ローラの方向に、リングプリフォームRがこれら2つの構成要素の間でしっかりと保持されるまで、ローラ主軸と共に移動される。その後、形付け動作は通常の方法で実施される。
【0024】
本発明のさらなる詳細及び特徴は、図面を参照して以下の実施形態の説明から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ローラ主軸がリングプリフォームから上向きに引き上げられた位置に配置されている、径方向/軸方向のリング圧延機の斜視図である。
【
図2】ローラ主軸が下降されて、リングプリフォームを貫通して係合されている、
図1による径方向/軸方向のリング圧延機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び
図2は、径方向/軸方向のリング圧延機10の斜視側面図である。径方向/軸方向のリング圧延機10は、ベースフレーム23を有し、その上で軸方向の圧延デバイス11は、好ましくは移動可能に取り付けられる。軸方向の圧延デバイス11はフレーム24を有し、その上で2つのテーパーが付いたローラ25が従来技術の方法で支持される。
【0027】
軸方向の圧延デバイス11から空間をとって、ベースフレーム23上に径方向の圧延デバイス12が配置される。径方向の圧延デバイス12は、ベースフレーム23にしっかりと位置付けられたフレーム26を有する。径方向の圧延デバイス12は、従来技術の方法による主ローラ14を有する。主ローラ14は、垂直方向の回転軸D1周りに回転可能に支持される。主ローラ14に加えて、水平方向のテーブル13が提供され、その上に環状ブランクまたはリングプリフォームRを、図に示されるように設置することができる。
【0028】
径方向の圧延デバイス12のフレーム26上には、垂直方向のコラム21が配置される。垂直方向のコラム21は、第2の直線調整デバイス18の垂直方向の直線通路22を形成し、それによって誘導キャリッジ20は、両矢印S2で表わされるように、コラム21の通路22に沿って垂直方向に調整することができる。
【0029】
誘導キャリッジ20は、固定された位置または無段階のいずれかで、通路22に沿って任意の所望の位置に、締付け具によってコラム21に固定することができる。
【0030】
誘導キャリッジ20は、第1の直線調整デバイス17の一部であり、水平に延びる2つの平行の誘導穴27を有し、それらを介してロッド状のキャリア19がそれぞれ延びる。ここでキャリア19は、誘導穴27の中で移動可能に支持される。
【0031】
図1による、軸方向の圧延デバイス11に面する右端部において、キャリア19を互いに接続する共通の主軸受けヘッド部16が、キャリア19に取り付けられる。
【0032】
主軸受けヘッド部16の反対側に面する誘導キャリッジ20の側において、2つのキャリア19はヨーク28によって接続される。ヨーク28と誘導キャリッジとの間には、液圧調整デバイス29が配置され、それによって、キャリア19、したがって主軸受けヘッド部16も、両矢印S1によって表わされるように、水平方向に軸方向の圧延デバイス11の方向に、及びその反対方向に調整することができる。
【0033】
垂直方向に自由に下向きに突出し、かつ軸方向に延びた、すなわちリングプリフォームRの垂直方向の回転軸と平行であるローラ主軸15が、主軸受けヘッド部16にしっかりと取り付けられる。
【0034】
誘導キャリッジ20が、コラム21の通路22に沿って垂直方向に調整される場合、キャリア19、主軸受けヘッド部16、及びローラ主軸15も、それに従って同時に垂直方向に調整される。それによって、ローラ主軸15は、上方からリングプリフォームRの内空間の中に導入され、そこを貫通して誘導され得る。したがって、ローラ主軸15も、誘導キャリッジ20を上げることによって、リングプリフォームRまたはそこから形成されたリングの内空間から上昇させて出すことができる。
【0035】
テーブル13の下方において、従来技術の方法で下部主軸受け30が提供され、そこでローラ主軸15の下端部を導入することができ、それによって下端部及び上端部の両方が保持される。
【0036】
所望のサイズのリングを形成するために、リングプリフォームRの形付けが完了した後、軸方向の圧延デバイスは、リングから再び後退され、第1の直線移動デバイス17は、主軸受けヘッド部16が誘導キャリッジ20から離れるように移動され、その結果、主ローラ14とローラ主軸15との間の空間は増加する。同時に、またはその後、誘導キャリッジ20は、第2の直線移動デバイス18をコラム21の通路22に沿って作動させることによって上げられ、それによってローラ主軸15は、リングから上昇して出されて自由になり、好適な上昇デバイスによってテーブル13から取り外すことができる。
【0037】
ローラ主軸15の上端部は、主軸受け要素31によって、主軸受けヘッド部16にしっかりと取り付けられる。ローラ主軸15を交換するために、主軸受け要素31は主軸受けヘッド部16から上向き方向に取り外すことができる。新しいローラ主軸15は、その後新しい主軸受け要素31と共に上方から再び主軸受けヘッド部16の中に導入され、その後、主軸受けヘッド部16に固定され得る。代替として、主軸受け要素31を古いローラ主軸15から分離して新しいローラ主軸15に嵌合し、次に主軸受け要素31を新しいローラ主軸15と共に、主軸受けヘッド部16の中に挿入するか、または主軸受け要素31を取り外すことなく機械のローラ主軸15を交換することも可能である。
【0038】
ローラ主軸15は、特に径方向/軸方向のリング圧延機の非生産時の間に、ローラ主軸15を冷却するために、モータ32によって回転可能に駆動させることができる。