(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ディスプレイユニット製造システム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20221215BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20221215BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G02F1/13 101
G02F1/1335 510
G09F9/00 342
(21)【出願番号】P 2020536229
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(86)【国際出願番号】 KR2019003237
(87)【国際公開番号】W WO2019182348
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0034080
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521241281
【氏名又は名称】杉金光電(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197701
【氏名又は名称】長野 正
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【氏名又は名称】中村 成美
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】ボム・ソク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ジン・リム
(72)【発明者】
【氏名】ハン・スク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジン・ジャン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0119810(KR,A)
【文献】特開2009-204607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0002137(US,A1)
【文献】特開2015-108663(JP,A)
【文献】特開2017-094477(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0976191(KR,B1)
【文献】特開2007-313514(JP,A)
【文献】特開2009-250893(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016288(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/016287(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/137-1/141
G02F 1/1335,1/13363
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに光学フィルムを付着させる光学フィルム付着部を含むパネル搬送経路と、
光学フィルムの付着したパネル
における、当該光学フィルム自体の不良の有無、当該光学フィルムの当該パネルへの付着に関する不良の有無、の少なくとも何れかを検査する検査部と、
前記検査部による検査結果に基づいて、光学フィルムが剥離されたパネルを格納するパネル格納部と、
前記パネル格納部に格納されたパネルを前記パネル搬送経路へ投入するか否かを調節する制御部とを含む、ディスプレイユニット製造システムであって、
前記パネル搬送経路は、
パネルの一面に第1光学フィルムを付着させる第1光学フィルム付着部を含む第1パネル搬送経路と、
パネルの他面に第2光学フィルムを付着させる第2光学フィルム付着部を含む第2パネル搬送経路とを備え、
前記パネル格納部は、
第1光学フィルムが剥離され第2光学フィルムが付着しているパネルと、第1光学フィルムおよび第2光学フィルムが剥離されたパネルとを格納し、格納されたパネルを前記第1パネル搬送経路に投入可能な第1パネル格納部と、
第1光学フィルムが剥離されておらず第2光学フィルムが剥離されたパネルを格納し、格納されたパネルを前記第2パネル搬送経路に投入可能な第2パネル格納部とを含み、
前記第1光学フィルム付着部は、パネルを挟んで上下に離隔配置される一対のローラを含み、
前記第1パネル格納部から前記第1パネル搬送経路に投入されるパネルが第1光学フィルムおよび第2光学フィルムの両方が剥離されたパネルであるか、第1光学フィルムが剥離され第2光学フィルムが付着しているパネルであるかに基づいて、少なくともいずれか1つのローラの上下移動制御により、前記一対のローラの間の間隔は調節可能である、ディスプレイユニット製造システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記パネル搬送経路の上流側でのパネルの供給が忙しくない場合に、前記パネル格納部に格納されたパネルが前記パネル搬送経路に投入できるように前記パネル格納部を制御する、請求項1に記載のディスプレイユニット製造システム。
【請求項3】
前記検査部による検査結果が不良であ
る場合に、パネルから前記光学フィルムを剥離する剥離部と、
前記剥離部から前記パネル格納部にパネルを搬送するパネル補助搬送経路とを含む、請求項1または請求項2に記載のディスプレイユニット製造システム。
【請求項4】
前記検査部による検査結果が不良であり、前記不良の原因が第1光学フィルムおよび第2光学フィルムの少なくともいずれか1つに基づくと判定された場合に、パネルから前記不良の原因になる光学フィルムを剥離する剥離部をさらに含み、
前記検査部によって、前記不良の原因が第1光学フィルムおよび第2光学フィルムの両方に基づくと判定された場合に、前記剥離部は、パネルから第1光学フィルムおよび第2光学フィルムをすべて剥離し、第1光学フィルムおよび第2光学フィルムがすべて剥離されたパネルは前記第1パネル格納部に格納される、請求項1に記載のディスプレイユニット製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに光学フィルムを付着させてディスプレイユニットを製造するディスプレイユニット製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、パネルに光学フィルムを付着させて光学表示素子を製造する光学フィルム付着システムの生産効率を高めるための研究が活発に進められている。
【0003】
一方、パネルに光学フィルムを付着させて製造された光学表示素子が電源の駆動によってディスプレイ機能が行われる光学表示素子に駆動チップを装着するなどの後工程が必要になる。
【0004】
映像をディスプレイするディスプレイユニットは、液晶パネルまたは有機ELパネルに光学フィルムが付着して製造できる。
【0005】
一般的なディスプレイユニット製造システムは、複数のパネルに光学フィルムを連続的に供給および付着する工程を行うが、工程を行う過程における光学フィルムの付着位置ずれ、異物流入などによって光学フィルムの付着したパネルの不良が誘発されることがある。
【0006】
このような不良パネルは、光学フィルムを剥離して光学フィルムを再付着させる必要がある。
【0007】
不良判定パネルの管理に関する従来技術は、光学フィルムの付着したパネルが不良か否かが検知された場合に、当該パネルを別途に搬出して剥離した後、そのパネルに手動で光学フィルムを付着させるか、連続工程ラインに配置されていない光学フィルム付着装置を用いて光学フィルムを付着させる方式を利用しており、不良パネルを搬出する搬出ラインを構築および/または連続工程ラインに用いられる光学フィルム付着装置のほか、不良判定パネルから光学フィルムが剥離されたパネルに光学フィルムを付着させる別途の付着装置を備えなければならないので、設備構築による空間の無駄使いおよび工程速度の効率性が低下する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、不良パネルに対して光学フィルムを剥離して光学フィルムの再付着を必要とする不良パネルの管理を、パネルが連続的に搬送される連続工程上で行われるようにするディスプレイユニット製造システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、パネルに光学フィルムを付着させる光学フィルム付着部を含むパネル搬送経路と、光学フィルムの付着したパネルが不良か否かを検査する検査部と、前記検査部による検査結果に基づいて、光学フィルムが剥離されたパネルを格納するパネル格納部と、前記パネル格納部に格納されたパネルを前記パネル搬送経路へ投入するか否かを調節する制御部とを含む、ディスプレイユニット製造システムを提供する。
【0010】
本実施形態において、前記制御部は、前記パネル搬送経路の上流側でのパネルの供給が忙しくない場合に、前記パネル格納部に格納されたパネルが前記パネル搬送経路に投入できるように前記パネル格納部を制御することができる。
【0011】
本実施形態において、前記検査部による検査結果が不良であり、前記不良の原因が光学フィルムに基づくと判定された場合に、パネルから前記光学フィルムを剥離する剥離部と、前記剥離部から前記パネル格納部にパネルを搬送するパネル補助搬送経路とを含むことができる。
【0012】
本実施形態において、前記パネル搬送経路は、パネルの一面に第1光学フィルムを付着させる第1光学フィルム付着部を含む第1パネル搬送経路と、パネルの他面に第2光学フィルムを付着させる第2光学フィルム付着部を含む第2パネル搬送経路とを備えることができる。
【0013】
本実施形態において、前記パネル格納部は、第1光学フィルムが剥離されたパネルを格納し、格納されたパネルを前記第1パネル搬送経路に投入可能な第1パネル格納部と、第2光学フィルムが剥離されたパネルを格納し、格納されたパネルを前記第2パネル搬送経路に投入可能な第2パネル格納部とを含むことができる。
【0014】
本実施形態において、前記検査部による検査結果が不良であり、前記不良の原因が第1光学フィルムおよび第2光学フィルムの少なくともいずれか1つに基づくと判定された場合に、パネルから前記不良の原因になる光学フィルムを剥離する剥離部をさらに含み、前記検査部によって、前記不良の原因が第1光学フィルムおよび第2光学フィルムの両方に基づくと判定された場合に、前記剥離部は、パネルから第1光学フィルムおよび第2光学フィルムをすべて剥離し、第1光学フィルムおよび第2光学フィルムがすべて剥離されたパネルは前記第1パネル格納部に格納される。
【0015】
本実施形態において、前記第1光学フィルム付着部は、パネルを挟んで上下に離隔配置される一対のローラを含み、前記第1パネル格納部から前記第1パネル搬送経路に投入されるパネルに第2光学フィルムが付着しているか否かに基づいて、前記一対のローラの間の間隔は調節可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によれば、検査部による検査結果すなわち、光学フィルムの付着したパネルの不良が判定された場合、当該パネルから光学フィルムを剥離した後に格納するパネル格納部と、連続工程でパネルの付着工程が行われるパネル搬送経路へパネル格納部に格納されたパネルを投入するか否かを調節する制御部とを含むので、不良判定パネルから光学フィルムを剥離してパネルを再利用する不良判定パネルの管理の面で連続工程上のパネル搬送経路、特にパネル搬送経路上の光学フィルム付着部を利用できるという点から、別途の設備構築による空間を節約し、連続工程上で工程速度を低下させずに管理できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システムを説明するための側面模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システムを説明するための平面模式図である。
【
図3】パネルの種類による第1光学フィルム付着部の作動様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、添付した図面とともに詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施形態は本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義される。一方、本明細書で使われた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文章で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システムを説明するための側面模式図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システムを説明するための平面模式図である。
【0020】
図1および
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システム100は、パネルに光学フィルムを付着させてディスプレイユニットを製造できるように、パネル供給部110と、パネル搬送経路120、130と、第1光学フィルム搬送経路140と、第2光学フィルム搬送経路150と、検査部160と、パネル格納部170と、制御部(図示せず)とを含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態に用いられるパネルは、液晶層を備える液晶パネルおよび/または有機EL層を備えるOLEDパネルであってもよいが、この種類に制限されない。一方、液晶パネルの場合、両面上に偏光フィルムを備える光学フィルムが互いにクロスニコルの関係が形成できるように配置される必要があり、一面および他面それぞれに対して光学フィルムが付着、すなわち少なくとも2回の付着が必要になる。OLEDパネルの場合、一面にのみ偏光フィルムを備える光学フィルムが配置されても良いので、少なくとも1回の付着が必要になる。以下、説明の便宜上、両面ともに光学フィルムが付着する必要のある液晶パネルを基準として説明する。
【0022】
パネル供給部110は、外部から輸送されたパネルPをパネル搬送経路120、130に沿って搬送できるように投入するパネル投入部111と、パネル投入部111から投入されたパネルPを洗浄するパネル洗浄部112とを含むことができる。
【0023】
パネル搬送経路120、130は、パネル供給部110から供給されたパネルを搬送し、パネルに光学フィルムを付着させるためのパネルの搬送経路であってもよい。パネル搬送経路120、130は、パネルに光学フィルムを付着させる光学フィルム付着部121、131を含むことができる。光学フィルム付着部121、131は、パネルに光学フィルムを付着可能な手段であればその種類が制限されないが、一例として、パネルおよび光学フィルムを加圧したまま通過させる一対のローラが用いられる。パネル搬送経路は、パネルPの一面に第1光学フィルムF1を付着させる第1光学フィルム付着部121を含む第1パネル搬送経路120と、パネルPの他面に第2光学フィルムを付着させる第2光学フィルム付着部131を含む第2パネル搬送経路130とを備えることができる。
【0024】
第1パネル搬送経路120は、第1光学フィルムF1をパネルに付着させる第1光学フィルム付着部121と、第1光学フィルム付着部121の下流側に配置され、一面に光学フィルムの付着したパネルを水平に回転および/または上下反転させるパネル旋回/反転部122と、パネル旋回/反転部122の下流側に配置され、第1光学フィルムF1の付着位置を測定する第1光学フィルム付着位置測定部123とを含むことができる。
【0025】
第2パネル搬送経路130は、第1光学フィルム付着位置測定部123の下流側に配置され、第2光学フィルムF2をパネルPに付着させる第2光学フィルム付着部131と、第2光学フィルム付着部131の下流側に配置され、両面に光学フィルムの付着したパネルを反転させるパネル反転部132と、パネル反転部132の下流側に配置され、第2光学フィルムF2の付着位置を測定する第2光学フィルム付着位置測定部133とを含むことができる。
【0026】
第1光学フィルム搬送経路140は、第1光学フィルム搬送経路140の最上流側に配置され、第1光学フィルムF1を供給する第1光学フィルム供給部141と、第1光学フィルム供給部141の下流側に配置され、第1光学フィルム供給部141から供給される第1光学フィルムF1を切断する第1光学フィルム切断部142と、第1光学フィルム切断部142の下流側に配置され、第1光学フィルムF1から第1キャリアフィルムを剥離する第1光学フィルム剥離部143と、第1光学フィルム搬送経路140の最下流側に配置され、第1光学フィルムF1をパネルPに付着させるために第1光学フィルムF1から剥離された第1キャリアフィルムを巻取る第1キャリアフィルム巻取部144とを含むことができる。
【0027】
第2光学フィルム搬送経路150は、第2光学フィルム搬送経路150の最上流側に配置され、第2光学フィルムF2を供給する第2光学フィルム供給部151と、第2光学フィルム供給部151の下流側に配置され、第2光学フィルム供給部151から供給される第2光学フィルムF2を切断する第2光学フィルム切断部152と、第2光学フィルム切断部152の下流側に配置され、第2光学フィルムF2から第2キャリアフィルムを剥離する第2光学フィルム剥離部153と、第2光学フィルム搬送経路150の最下流側に配置され、第2光学フィルムF2がパネルPに付着するために第2光学フィルムF2から剥離された第2キャリアフィルムを巻取る第2キャリアフィルム巻取部154とを含むことができる。
【0028】
検査部160は、光学フィルムF1、F2の付着したパネルPが不良か否かを検査することができる。このような検査部160は、第1光学フィルム付着位置測定部123、161と、第2光学フィルム付着位置測定部133、162と、欠陥検査部163とを含むことができる。
【0029】
第1光学フィルム付着位置測定部123、161または第2光学フィルム付着位置測定部133、162は、撮像装置(図示せず)のイメージ取得および演算によってパネルPの適正位置に光学フィルムF1、F2が付着したか否かを検査することができる。
【0030】
欠陥検査部163は、予め設定された光学検査基準に基づいて、パネルの欠陥の有無を自動判定する自動光学検査(Auto Optical Inspeciton、AOI)により光学フィルムF1、F2の付着したパネルPが欠陥か否かを検査することができる。ここで、欠陥は、異物あるいは気泡の流入、光学フィルムのスクラッチおよび損傷などの現象を意味することができる。
【0031】
そして、検査部160によって判定された結果すなわち、検査されたパネルPが良品判定パネルP_aか、不良判定パネルP_dか、不良の原因が第1光学フィルムF1にあるか、第2光学フィルムF2にあるかについて判定された結果を所定の制御部(図示せず)に伝送することができる。
【0032】
制御部は、良品と判定された良品判定パネルP_aが後続工程のための経路に搬送できるように搬送ラインを制御し、不良判定パネルP_bのうち、不良の原因が光学フィルムF1、F2に基づくと判定されたパネルの場合には、当該光学フィルムF1、F2を剥離するための経路に搬送できるように搬送ラインを制御することができる。
【0033】
パネル格納部170は、検査部160による検査結果に基づいて、光学フィルムが剥離されたパネルを格納することができる。このようなパネル格納部170は、複数のパネルが格納できるように複数の空間に区画されたカセットであってもよい。パネル格納部170は、第1パネル格納部171と、第2パネル格納部172とを含むことができる。
【0034】
第1パネル格納部171は、第1光学フィルムF1が剥離されたパネルPを格納し、第1パネル搬送経路120に格納されたパネルPを投入することができる。
【0035】
第2パネル格納部172は、第2光学フィルムF2が剥離されたパネルPを格納し、第2パネル搬送経路130に格納されたパネルPを投入することができる。
【0036】
制御部は、パネル搬送経路120、130へパネル格納部170に格納されたパネルを投入するか否かを調節することができる。例えば、パネル搬送経路120、130の上流側でのパネルPの供給が忙しくない場合に、パネル格納部170に格納されたパネルがパネル搬送経路120、130に投入できるようにパネル格納部170を制御することができる。これによって、パネル搬送経路120、130の上流側でのパネルPの供給が中断または遅く進行しても、パネル搬送経路120、130によっては光学フィルムの付着工程が連続的に行われるようにできるという利点がある。
【0037】
本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システム100は、剥離部180と、パネル洗浄部190と、パネル補助搬送経路S1、S2とをさらに含んでもよい。
【0038】
剥離部180は、検査部160による検査結果が不良であり、その不良の原因が光学フィルムF1、F2に基づくと判定された場合に、パネルPから光学フィルムF1、F2を剥離する装置であってもよい。このような剥離部180は、検査部160による検査結果が不良であり、その不良の原因が第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2の少なくともいずれか1つに基づくと判定された場合に、パネルPから不良の原因になる光学フィルムF1、F2を剥離することができる。例えば、剥離部180は、不良の原因が第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2のいずれか1つに基づくと判定された場合に、そのいずれか1つの光学フィルムだけを剥離し、残りの1つの光学フィルムは剥離しなくてもよく、不良の原因が第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2ともに基づくと判定された場合に、第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2ともを剥離することができる。
【0039】
この時、不良の原因が第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2ともに基づくと判定され、剥離部180によって第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2がすべて剥離されたパネルPは、第1パネル格納部171および第2パネル格納部172のうち、第1パネル格納部171に格納されることが好ましい。
【0040】
パネル洗浄部190は、光学フィルムF1、F2が剥離されたパネルPが粘着剤あるいはその他の異物によって汚染している可能性があるので、その汚染を除去するために備えられる。
【0041】
パネル補助搬送経路S1、S2は、剥離部180あるいはパネル洗浄部190からパネル格納部171、172にパネルを搬送するための経路であってもよい。
【0042】
図3は、パネルの種類による第1光学フィルム付着部の作動様子を示す模式図である。
【0043】
第1パネル格納部171には、第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2のうち、第1光学フィルムF1だけが剥離されたパネルP+F2、第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2ともが剥離されたパネルPの、2種類のパネルが格納される。
【0044】
一方、以下、第1パネル搬送経路120の上流側が忙しくなく、第1パネル格納部171から第1パネル搬送経路120にパネルが投入される場合を仮定して説明する。
【0045】
第1光学フィルム付着部121には、光学フィルムが付着しない状態のパネルが投入される場合が一般的である。しかし、本発明の実施形態では、第1パネル格納部171に格納されたパネルのうち、第1光学フィルムF1だけが剥離されたパネルP+F2すなわち、第2光学フィルムF2は付着している状態のパネルP+F2が第1光学フィルム付着部121に投入される場合もあり得る。
【0046】
したがって、第1パネル格納部171から第1パネル搬送経路120に投入されるパネルに第2光学フィルムF2が付着しているか否かに基づいて、一対のローラ121a、121b間の間隔は調節されることが好ましい。例えば、一対のローラ121a、121bのうち、少なくともいずれか1つのローラはゴム系の弾性素材を含むようにして、第2光学フィルムF2が付着しているか否かによって、投入されるパネルの厚さに対応して弾性素材を含むゴムローラが弾性変形できるようにする。他の例としては、一対のローラ121a、121bのうち、少なくともいずれか1つのローラ121aを上下移動制御して、パネルPに第2光学フィルムF2が付着しているか否かによって、一対のローラ121a、121b間の間隔を調節することができる。すなわち、パネルPに第2光学フィルムF2が付着していない
図3(a)の場合よりは、パネルPに第2光学フィルムF2が付着している
図3(b)の場合に、一対のローラ121a、121b間の間隔をさらに離隔可能にすることができる。
【0047】
一方、第2光学フィルムF2が付着しているパネルP+F2が第1パネル搬送経路120に投入されて第1光学フィルムF1が付着する場合には、第1光学フィルムF1が付着した後のパネルP+F1+F2を、通常の場合と同じく、第2パネル搬送経路130に搬送させることができ、または別途の搬送ライン(図示せず)を通して後続工程が行われるようにしてもよい。もし、第2パネル搬送経路130に搬送させる場合には、第1光学フィルムF1および第2光学フィルムF2ともが付着している状態であるため、当該パネルP+F1+F2に対しては、第2光学フィルム付着部131による第2光学フィルムの付着工程が省略されてもよい。
【0048】
一方、不良判定パネルの管理に関する従来技術は、光学フィルムの付着したパネルが不良か否かが検知された場合に、当該パネルを別途に搬出して剥離した後、そのパネルに手動で光学フィルムを付着させるか、連続工程ラインに配置されていない光学フィルム付着装置を用いて光学フィルムを付着させる方式を利用しており、不良パネルを搬出する搬出ラインを構築および/または連続工程ラインに用いられる光学フィルム付着装置のほか、不良判定パネルから光学フィルムが剥離されたパネルに光学フィルムを付着させる別途の付着装置を備えなければならないので、設備構築による空間の無駄使いおよび工程速度の効率性が低下する問題があった。
【0049】
これに対し、本発明の一実施形態に係るディスプレイユニット製造システムは、検査部による検査結果すなわち、光学フィルムの付着したパネルの不良が判定された場合、当該パネルから光学フィルムを剥離した後に格納するパネル格納部と、連続工程でパネルの付着工程が行われるパネル搬送経路へパネル格納部に格納されたパネルを投入するか否かを調節する制御部とを含むので、不良判定パネルから光学フィルムを剥離してパネルを再利用する不良判定パネルの管理の面で連続工程上のパネル搬送経路、特にパネル搬送経路上の光学フィルム付着部を利用できるという点から、別途の設備構築による空間を節約し、連続工程上で工程速度を低下させずに管理できるという利点がある。
【0050】
たとえ、本発明が上述した好ましい実施例に関して説明されたが、発明の要旨と範囲を逸脱することなく多様な修正や変形をすることが可能である。したがって、添付した特許請求の範囲には、本発明の要旨に属する限り、かかる修正や変形を含む。
【符号の説明】
【0051】
100:ディスプレイユニット製造システム
110:パネル供給部
120:第1パネル搬送経路
121a、121b:ローラ
121:第1光学フィルム付着部
130:第2パネル搬送経路
131:第2光学フィルム付着部
140:第1光学フィルム搬送経路
150:第2光学フィルム搬送経路
160:検査部
170:パネル格納部
S1、S2:補助搬送経路