(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】弁制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B29C 33/04 20060101AFI20221215BHJP
B29C 35/04 20060101ALI20221215BHJP
B29L 30/00 20060101ALN20221215BHJP
【FI】
B29C33/04
B29C35/04
B29L30:00
(21)【出願番号】P 2020542953
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(86)【国際出願番号】 DE2019000033
(87)【国際公開番号】W WO2019154452
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】102018001132.2
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513044038
【氏名又は名称】ハールブルク・フロイデンベルガー マシーネンバウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】シュテーマン アンドレアス
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-140184(JP,A)
【文献】特開2008-168490(JP,A)
【文献】特開2008-162269(JP,A)
【文献】特開昭62-033611(JP,A)
【文献】特開2011-079147(JP,A)
【文献】特開2013-000922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 35/00-35/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の閉ループ制御回路(4)に流体を供給する弁制御装置(1)であって、
制御される弁(6,10)が
前記流体用のラインの領域に配置されており、
1つの主ライン(3)がそれぞれ、割り当てられた閉ループ制御回路(4)を流体用中央供給装置(5)に接続し、切換弁として形成されている弁(6)が、主ライン(3)の領域にそれぞれ配置され、制御ユニット(2)の援助により開閉するように設計されており、少なくとも1つの第3の
弁が閉ループ制御弁(10)として形成されている弁制御装置(1)において、
前記少なくとも1つの閉ループ制御弁(10)が
、前記流体用中央供給装置(5)から分岐した二次供給ライン(7)であって、流れ方向において前記少なくとも1つの閉ループ制御弁(10)の下流に配置された複数の二次ライン(8)に分岐している少なくとも1つの二次供給ライン(7)に配置されており
、前記二次ライン(8)のそれぞれは合計地点(9)でそれぞれの主ライン(3)に合流し、それぞれの二次ライン(8)が切換弁として形成されている少なくとも1つの弁(6)を有し、前記弁(6,10)が
前記制御ユニット(2)に接続しており、前記弁(6
,10)の機能が前記制御ユニット(2)の援助により制御
可能であることを特徴とする弁制御装置(1)。
【請求項2】
前記弁(6,10)が、過熱蒸気、飽和蒸気、伝熱流体及び/又は冷却流体を制御するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弁がタイヤ加熱プレスの領域に配置されている、ことを特徴とする請求項1~2の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項4】
流体の平行供給のための供給部が前記少なくとも1つの閉ループ制御弁(10)の下流に配置されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
切換弁として形成されている弁(6)が前記平行供給の領域に配置されている、ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
P閉ループ制御システムと連続的なPI閉ループ制御システム又はPID閉ループ制御システムの組み合わせが、前記弁(6,10)の配置と少なくとも1つの閉ループ制御回路(4)のための前記制御ユニット(2)の組み合わせによって形成される、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
それぞれの閉ループ制御回路(4)のために少なくとも1つの割り当てられたセンサー(11)を有する、ことを特徴とする請求項1~6の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項8】
前記センサー(11)は温度センサーとして形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
弁の状態を制御するためにP閉ループ制御システム及び/又はPI閉ループ制御システム及び/又はPID閉ループ制御システムを実施する閉ループコントローラを有する、ことを特徴とする請求項1~8の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項10】
弁(6,10)を制御する方法であって、弁(6,10)は流体用のラインの領域に配置されており、前記流体はそれぞれ少なくとも1つの主ライン(3)を通って割り当てられた閉ループ制御回路(4)に供給され、前記閉ループ制御回路(4)の閉ループ制御変数に影響を与え、方法ステップにおいて、前記閉ループ制御変数の利用可能な値がセンサー(11)の援助によりそれぞれの前記閉ループ制御回路(4)において直接又は間接的に把握され、前記閉ループ制御変数の実測値と所望値の間の差が決定され、閉ループ制御回路(4)に割り当てられた前記弁(6,10)の制御は、前記閉ループ制御変数に基づいて閉ループ式に行われ、前記弁(6,10)は制御ユニット(2)の援助により作動され、その結果流体は、それぞれの前記弁(6,10)が弁状態に従って配置されるラインを流れる方法において、
切換弁として形成された少なくとも2つの弁(6)は主ライン(3)にそれぞれ配置され、少なくとも1つの閉ループ制御弁(10)は少なくとも1つの二次供給ライン(7)に配置され、切換弁として形成された少なくとも1つの弁(6)は、前記二次供給ライン(7)から分岐したそれぞれの二次ライン(8)に配置されており、前記主ライン(3)に配置された前記弁(6)は、それぞれの方法ステップにおいてそれらが開かれ又は閉じられるように作動され、二次ライン(8)に配置された前記弁(6)の少なくとも1つは別な方法ステップにおいて開かれ、前記閉ループ制御弁(10)は、別な方法ステップにおいて前記二次供給ライン(7)を流れる前記流体の流量を調節するために作動され、その結果、前記二次供給ライン(7)を通る前記流体の流量は、少なくとも1つの閉ループ制御回路(4)のための少なくとも1つの主ライン(3)を通る前記流体の流量に加えられる、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記所望値と前記実測値の間の最大の差を有する前記閉ループ制御回路(4)が方法ステップにおいて決定され、この閉ループ制御回路(4)に割り当てられ二次ライン(8)に配置された前記少なくとも1つの弁(6)だけが、次の方法ステップにおいて開けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記主ラインに配置された前記弁の弁状態がP閉ループ制御システムを用いて制御され、前記二次供給ライン(7)に配置された前記少なくとも1つの閉ループ制御弁(10)の弁状態がPI閉ループ制御システム又はPID閉ループ制御システムを用いて制御される、ことを特徴とする請求項10及び11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項13】
前記閉ループ制御回路の閉ループ温度制御が実行される、ことを特徴とする請求項10~12の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか一項に記載の装置が使用される、ことを特徴とする請求項10~13の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~9のいずれか一項に記載の弁制御装置(1)が、加熱プレスの少なくとも2つのアセンブリの加熱を制御するために使用されることを特徴とする、タイヤを加硫する加熱プレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体用のラインの領域に配置された複数の弁を制御するための方法に関し、少なくとも1つの第1の弁が主ラインの領域に配置された切換弁として形成され、少なくとも1つの第2の弁が閉ループ制御弁(closed-loop control valve)として形成されている。
【0002】
本発明はさらに、流体用のラインの領域に配置された複数の弁を制御するための装置に関し、少なくとも1つの第1の弁が主ラインの領域に配置された切換弁として形成され、少なくとも1つの第2の弁が閉ループ制御弁として形成されている。
【0003】
本発明はさらに、複数の構成部品又はアセンブリを加熱するために複数の弁を制御する装置を有する加熱プレスに関する。
【背景技術】
【0004】
複数の弁を制御する対応する方法及び装置は、異なる技術設備で使用される。例えば、空気圧システムの分野と油圧システムの分野の両方における適用が知られている。
【0005】
閉ループ制御弁は、予め設定可能な量の流体を供給し及び/又は流体に予め設定可能な圧力を与えるためにしばしば使用される。このような閉ループ制御弁の使用は、特に複雑で分岐したラインシステムの場合に比較的高いコストを生じさせる。
【0006】
それぞれの設備のために閉ループ制御弁を使用する閉ループ制御回路(closed-loop control circuits)の数は、投資の理由のためしばしば不均衡に減少し、複数の閉ループ制御回路を組み合わせる必要がある。この状況は、設備製造を、場合によっては温度精度が必要になるが保証され得ない状況に繰り返し至らしめる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、発生するコストが減少するように、導入部で述べたタイプの方法を改良することである。
【0008】
本発明の別な目的は、軽減された製造努力と低減された製造コストが実現されるように、導入部で述べたタイプの装置を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
対応する目的は、方法請求項の及び装置請求項の特徴の組み合わせによって達成される。
【0010】
本発明に従う弁制御装置が、多数の弁を作動させるために使用できる少なくとも1つの制御ユニットを有する。
【0011】
本発明の異なる実施形態では、弁は、前記少なくとも1つの制御ユニットの援助により電気的に及び/又は空気圧により及び/又は油圧により作動されてもよい。
【0012】
さらに、1つの実施形態では、本発明に従う弁制御装置が少なくとも3つの弁を有する。
【0013】
本発明に従う1つの実施形態では、閉ループ制御回路に割り当てられた少なくとも2つの弁が、弁制御装置の援助により制御され得、閉ループ制御回路はそれぞれ、少なくとも1つの主ライン又は主流路を介して流体の中央供給装置に結合される。少なくとも1つの切換弁又は制御弁が主ラインの領域にそれぞれ配置されており、その二つの状態「開」及び「閉」が制御ユニットの援助により調節でき、その結果、流体の閉ループ制御回路への供給が、それぞれの(複数の)主ラインを介してスイッチオン又はオフされ得る。
【0014】
流体は、例えば、飽和蒸気、過熱蒸気、水、油、ガス、白水の形態の伝熱流体又はその混合物である。この場合、閉ループ制御回路は加熱回路によって与えられる。
【0015】
しかしながら、本発明によれば、例えば冷却回路などの他の適用も閉ループ制御回路として考えられ、流体は対応する特性、例えば冷媒の特性を有する。
【0016】
弁制御装置の本発明に従う1つの実施形態では、二次ライン又は追加流路における弁も作動され得る。二次ライン又は追加流路はそれぞれ、合計地点で閉ループ制御回路に接続した主ラインに合流している。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、主ラインに通じていない二次ラインの端部は互いに接続している。流体の中央供給装置に接続した少なくとも1つの二次供給ラインが、この接続点に接続している。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、好ましくは切換弁として形成されている少なくとも1つの弁が、二次ラインの領域にそれぞれ配置されている。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、切換弁又は閉ループ制御弁として形成されている少なくとも1つの弁が、二次供給ラインの領域に配置されている。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態では、弁又は作動可能な弁の少なくとも1つが、閉ループ制御弁又は調整弁として形成され、その開きの程度が制御ユニットの援助により調節できる。
【0021】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの二次供給ラインの領域に配置された前記少なくとも1つの弁が、閉ループ制御弁として形成され、その結果、二次供給ラインを流れる流体の流量が閉ループにより制御され得る。
【0022】
本発明の1つの実施形態では、流体の追加流量が閉ループ制御回路に割り当てられた前記少なくとも1つの二次ラインを介してそれぞれの主ラインに供給され得るように、弁が作動可能である。
【0023】
本発明の1つの実施形態では、装置は少なくとも1つの温度センサーを有する。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサーが各々の閉ループ制御回路に割り当てられている。
【0025】
加熱回路又は冷却回路の形態の閉ループ制御回路の閉ループ温度制御の場合、閉ループ制御回路に割り当てられた少なくとも1つのセンサーが、温度センサーとして形成されている。
【0026】
本発明の1つの好ましい実施形態では、閉ループ制御回路に割り当てられた前記少なくとも1つのセンサーからの測定値が読み取られ、決定された測定値が評価され得、それぞれの閉ループ制御回路に割り当てられる弁が制御される。
【0027】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、それは、閉ループ式に少なくとも1つの閉ループ制御回路において温度を制御するために使用できる閉ループコントローラを有する。それにより、閉ループ制御回路に割り当てられた前記少なくとも1つの温度センサーから読み取られた測定値が所望値と比較され、対応する閉ループ制御回路に割り当てられた弁と二次供給ラインの領域に配置された前記少なくとも1つの弁が作動され得る。
【0028】
本発明の1つの実施形態では、閉ループコントローラは、P閉ループコントローラ(比例制御器)又はPI閉ループコントローラ(比例積分調節器)として形成されている。
【0029】
本発明の1つの好ましい実施形態では、閉ループコントローラは、PID閉ループコントローラ(比例積分微分(PID)調節計)として形成されている。
【0030】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、それは、少なくとも2つの閉ループコントローラを有し、その少なくとも1つの第1閉ループコントローラは、それぞれの1又は複数の主ラインを介して閉ループ式に閉ループ制御回路への流体供給を制御し、その少なくとも1つの別な閉ループコントローラは、二次供給ライン及びそれぞれの1又は複数の二次ラインを介して閉ループ式に閉ループ制御回路への流体供給を制御する。
【0031】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの第1閉ループコントローラは、P閉ループコントローラ(比例制御器)として形成され、前記少なくとも1つの別な閉ループコントローラは、PID閉ループコントローラ(比例積分微分(PID)調節計)として形成されている。それらは本発明に従う1つの特に好ましい実施形態では連続的に接続できる。
【0032】
本発明の1つの実施形態では、少なくとも1つの主ライン及び/又は少なくとも1つの二次ライン及び/又は少なくとも1つの二次供給ライン及び/又は少なくとも1つの流体用供給装置及び/又は少なくとも1つの閉ループ制御回路が、本発明に従う装置の一部である。
【0033】
弁制御装置の本発明に従う1つの実施形態によれば、金属ブロックが中央構成部品として使用され、複数の主流路及び追加流路を具備しており、追加流路は上の記載に従って主流路に合流している。
【0034】
前記ブロックは、例えば、鋼、特にステンレス鋼又はアルミニウムから製造されてもよい。流路内の金属部品が磨滅することになるキャビテーションの問題が実際に生じるので、ステンレス鋼からの製造は特に好ましい。例えばオーステナイトで作られるステンレス鋼がここで特に耐久性があると判明している。
【0035】
本発明に従う加熱プレスは、上に記載した実施形態の1つにおいて本発明に従う少なくとも1つの弁制御装置を有する。閉ループ制御回路は好ましくは、この場合加熱回路として形成され、流体は伝熱流体の形態である。
【0036】
本発明に従う弁制御方法は、1つの実施形態バリエーションにおいて少なくとも以下のステップを有する。
1. 主ラインの領域に配置された弁の作動(「開」又は「閉」)
2. 閉ループ制御回路に割り当てられたセンサーからのセンサー測定値の読み取り
3. センサー測定値と閉ループ制御回路に割り当てられる所望値の比較
4. 二次ラインに配置された弁の作動、その結果少なくとも1つの二次ラインの領域における少なくとも1つの弁が開く
5. 二次供給ラインにおける流量を調節するために、二次供給ラインの領域に配置された前記少なくとも1つの弁の作動
【0037】
1つの有利な実施形態バリエーションでは、本発明に従う弁制御方法はさらに、実測値と所望値の間の最大の差を有する閉ループ制御回路を決定するステップを有し、最大の差を有する閉ループ制御回路に割り当てられた二次ラインにおける前記少なくとも1つの弁だけが開くように、二次ラインに配置された弁はステップ5に従って作動される。
【0038】
弁を制御する方法の本発明に従う1つの実施形態バリエーションでは、複数の弁が流体のラインの領域に配置され、流体は、それぞれ少なくとも1つの主ラインを介して割り当てられた閉ループ制御回路に供給され、閉ループ制御回路の閉ループ制御変数(closed-loop control variable)がそれにより影響される。方法ステップにおいて、それぞれの閉ループ制御回路における閉ループ制御変数の利用可能な値がセンサーの援助により把握され、閉ループ制御変数の実測値と所望値の間の差が更なる方法ステップで決定される。閉ループ制御回路に割り当てられた弁の制御は、閉ループ制御変数に基づいて閉ループ式に行われ、弁は制御ユニットの援助により作動され、その結果流体は、それぞれの弁が弁状態に従って配置されるラインを流れる。さらに、切換弁の形態の2つの弁はそれぞれ主ラインに配置され、少なくとも1つの閉ループ制御弁は少なくとも1つの二次供給ラインに配置され、切換弁の形態の少なくとも1つの弁は、二次供給ラインから分岐したそれぞれの二次ラインに配置される。それぞれの方法ステップにおいて、主ラインに配置された弁は、それらが開かれ又は閉じられるように作動され、二次ラインに配置された弁の少なくとも1つは別な方法ステップにおいて開かれる。別な方法ステップでは、閉ループ制御弁は、二次供給ラインを流れる流体の流量を調節するために作動され、その結果、二次供給ラインを通る流体の流量は、少なくとも1つの閉ループ制御回路のための少なくとも1つの主ラインを通る流体の流量に加えられる。
【0039】
1つの好ましいバリエーションでは、本発明に従う弁制御方法は、本発明に従う弁制御装置を使用する。
【0040】
1つの好ましいバリエーションでは、本発明に従う弁制御方法は、タイヤ加熱プレスの領域で使用される。
【0041】
しかしながら、個々の機械のための設置建設の他の領域における又は温度管理されたプロセス工学の分野における、例えば押し出し機における本発明に従う装置の使用及び/又は本発明に従う方法の使用も意図される。
【0042】
特に少なくとも1つの閉ループ制御弁が前記少なくとも1つの二次供給ラインの領域で使用されるとき、本発明に従う弁制御方法及び本発明に従う弁制御装置は、多数の加熱回路の閉ループ温度制御の改善された精度と速度を可能にする。
【0043】
それぞれの加熱回路のために少なくとも1つの閉ループ制御弁を使用するのに比べて、製造コストも減少する。
【0044】
本発明の例示の実施形態は図面に概略的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】閉ループ制御弁及び多数の切換弁を使用するための単純化された回路図を示す。
【
図2】本装置の制御ユニット/閉ループコントローラに関連する付加的な詳細を有する
図1に従う回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明に従う弁制御装置(1)の回路図を概略的に示す。弁制御装置(1)は中央制御ユニット(2)を有する。弁制御装置(1)はまた、4つの主ライン(3)を有する。この場合、1つの主ライン(3)はそれぞれ、割り当てられた閉ループ制御回路(4)を流体用の中央供給装置(5)に接続する。
【0047】
切換弁として形成されている弁(6)が、主ライン(3)の領域にそれぞれ配置されており、制御ユニット(2)の援助により開閉する。それぞれの弁(6)が開いていると、流体はそれぞれの主ライン(3)を通ってそれぞれの閉ループ制御回路(4)に流れる。
【0048】
主ライン(3)に加えて、二次供給ライン(7)が、流体の中央供給装置(5)から分岐し、4つの二次ライン(8)に分岐している。二次ライン(8)のそれぞれは合計地点(9)でそれぞれの主ライン(3)に合流する。ゆえに、二次ライン(8)は閉ループ制御回路(4)の各々に割り当てられている。
【0049】
切換弁として形成されている弁(6)が、二次ライン(8)の領域にそれぞれ配置されている。二次ライン(8)の領域に配置された弁(6)の各々は、制御ユニット(2)の援助により個々に作動され得、その結果、当該弁は開閉する。
【0050】
閉ループ制御弁(10)として形成されている弁(6)が、二次供給ライン(7)の領域に配置されている。閉ループ制御弁(10)は制御ユニット(2)の援助により作動され得、その結果、二次供給ライン(7)を通る流体の流量が、閉ループ制御弁(10)が完全に閉じているときに存在する流量とループ制御弁(10)が完全に開いているときに存在する流量の間の範囲に調節され得る。
【0051】
ゆえに、流体の定められた付加的な流量が、二次ライン(8)における弁(6)と二次供給ライン(7)における閉ループ制御弁(10)を作動させることで合計地点(9)にて主ライン(3)のそれぞれにおいて開始される。
【0052】
少なくとも1つのセンサー(11)が、それぞれの閉ループ制御回路(4)に割り当てられた態様で閉ループ制御回路(4)の領域に配置されており、閉ループ制御回路(4)の領域に存在する閉ループ制御変数を直接又は間接的に把握するために使用される。
【0053】
センサー(11)の援助により把握された測定値は制御ユニット(2)の援助により評価でき、その結果、閉ループ制御回路は弁(6,10)を作動させることで制御ユニット(2)の援助により閉ループ制御式に制御される。
【0054】
主流路(3)及び追加流路(8)は、例えばステンレス鋼から製造されたブロック(12)に一体化されている。
【0055】
図1に加えて、
図2は、閉ループ式に加熱回路の温度を制御するように設計された弁制御装置(1)の例を用いた制御ユニット(2)の複数の要素の構造及び機能的関係を示す。
【0056】
制御ユニット(2)は、例えばPLC閉ループコントローラモジュールとして形成されている閉ループコントローラ(13)を有する。
【0057】
熱交換器(14)が、加熱回路として形成されている閉ループ制御回路(4)の領域にそれぞれ配置されている。凝縮物が、凝縮物流出部(15)を介して凝縮物フラスコとして形成されている凝縮物容器(16)に排出される。凝縮物排出部(17)が凝縮物容器(16)から離れて延びる。
【0058】
凝縮物の温度は、それぞれの温度センサー(11)又は温度プローブの援助により凝縮物容器(16)の領域で把握される。
【0059】
温度センサー(11)からの温度測定値は、制御ユニット(2)の援助により読み取られ、閉ループコントローラ(13)に伝送される。
【0060】
本発明に従う原理の説明を、タイヤ加熱プレスのための適用の例を用いて以下に行う。結局、本発明によって、多数の加熱回路における温度の安価な複合的な閉ループ制御がもたらされる。
【0061】
様々な加熱回路が、タイヤ加熱プレスの外部加熱のために必要とされる。顧客要求に依存して又は設置製造業者への危険を軽減するために、2~8の閉ループ制御回路がそれぞれのプレスのために使用される。詳細にはそれぞれのキャビティのための閉ループ制御回路は例えば次のようである。
【0062】
1.加熱板「上部に」
2.加熱板「底部に」
3.型
4.下側型シェル
5.別な加熱回路に対する特別なソリューション
【0063】
個々の加熱回路は、主流路を介して伝熱流体を供給され、こうして加熱プレスのそれぞれの構成部品/アセンブリを加熱する。
【0064】
加熱回路の温度は温度センサーの援助により把握され、制御ユニットによってそれぞれの所望値と比較される。加熱回路温度の基本的な閉ループ制御が、閉ループコントローラを実装したP閉ループ制御システム(P closed-loop control system)又はPI閉ループ制御システム(PI closed-loop control system)の援助により、主流路における弁を開閉することで実行される。
【0065】
追加の閉ループ制御システム(closed-loop control system)が、追加流路を介してこの基本閉ループ制御システムに接続されてもよい。本発明の1つの実施形態では、この追加の閉ループ制御システムは、閉ループコントローラを実装したPID閉ループ制御システム(PID closed-loop control system)によって提供され、PID閉ループ制御システムは、二次供給ラインにおける伝熱流体の流量を制御するために閉ループ制御弁の作動を指定する。
【0066】
本発明の1つの実施形態では、所望値と実測値の間の最大の差を有する加熱回路がそれぞれ決定され、追加の閉ループ制御システムを接続することでほぼ等しくされる。
【0067】
結局、PID閉ループ制御システムが、それぞれの加熱回路において基本閉ループ制御システム(「オン/オフ」閉ループ制御システム)に重ね合わされる。
【0068】
この場合、正確な閉ループ制御のための要求が保証されているPID閉ループコントローラが使用される。しかしながら、本発明はさらに、PI又はP閉ループコントローラの援助により容認により十分正確な閉ループ制御の目的を達成することも考慮する。ゆっくりな閉ループプレス制御の基本的特徴は、本体の大きな質量及び閉ループ式に制御される温度により生じる遅延時間である。
【0069】
本発明の1つの実施形態では、「オン/オフ」閉ループ制御の原理に従って作動する4つの閉ループ制御回路が弁バンクで創出された。それぞれの閉ループコントローラはそれ自身のソフトウェア閉ループ制御回路を有する。閉ループ制御プログラムにおけるサブルーチンが、最大の閉ループ制御偏差(ずれ)を有する閉ループ制御回路を常に選択する。PID閉ループコントローラは合計地点で選択される閉ループ制御回路に接続しており、温度差を減少させる。これは、要求に応じて加熱回路の変化において実行される。
【符号の説明】
【0070】
1 弁制御装置
6 弁
7 二次供給ライン
8 二次ライン
10 弁