(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】接続要素、メカニカル継手、及びメカニカル継手における2つの接続要素の使用
(51)【国際特許分類】
F16B 45/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
F16B45/00 A
(21)【出願番号】P 2020552149
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(86)【国際出願番号】 FI2018050914
(87)【国際公開番号】W WO2019115880
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-08-11
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】520207778
【氏名又は名称】ハリー・ヨーフス
【氏名又は名称原語表記】Harry JAFS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ハリー・ヨーフス
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06113205(US,A)
【文献】特開2014-181720(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0102777(KR,A)
【文献】英国特許出願公開第02093085(GB,A)
【文献】米国特許第05097643(US,A)
【文献】特開2005-054960(JP,A)
【文献】特公昭38-000285(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00- 5/12
12/00-12/60
45/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部(21)、第2端部(22)、及び前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間に延在する前面(23)を有する基部(2)と、
前記基部(2)から突出する接続部(3)と、
を備える、メカニカル継手(10)のための接続要素(1)であって、
前記接続部(3)は、
前記基部(2)の前記前面(23)から突出するように配置された突出部(4)と、
前記突出部(4)から前記基部(2)の前記第1端部(21)の方向へ延在する当接部(5)であって、間隙(6)が前記当接部(5)と前記基部(2)の前記前面(23)との間に形成され、前記間隙(6)の底部(61)が前記突出部(4)によって形成されており、前記間隙(6)の領域における前記基部(2)の前記前面(23)の部分に平行である前面(51)と、前記基部(2)の前記前面(23)に面する背面(52)とを有し、前記当接部(5)の前記背面(52)と前記基部(2)の前記前面(23)との間の距離は、前記間隙(6)の前記底部(61)に向かって減少しており、前記前面(51)と前記背面(52)との間に前記前面(51)から前記背面(52)へと延在する端面(53)をさらに有する前記当接部(5)と、
を備え、
前記当接部(5)の前記端面(53)は、断面円弧の凸形状である第1形状を有し、前記間隙(6)の前記底部(61)は前記第1形状に対応する断面円弧の凹形状で、前記端面(53)が面接触する第2形状を有
し、
前記接続部(3)は遠位端(31)と近位端(32)とを有し、前記遠位端(31)は前記基部(2)の前記第1端部(21)の方に向いており、前記近位端(32)は前記基部(2)の前記第2端部(22)の方に向いており、前記当接部(5)の前記端面(53)は前記接続部(3)の前記遠位端(31)を形成し、
前記接続要素(1)は、前記接続部(3)の前記遠位端(31)と前記基部(2)の前記第1端部(21)との間に自由部分を有し、前記自由部分は、前記近位端(32)と前記遠位端(31)との間の接続部(3)の長さ(b)よりも長い長さ(a)を有することを特徴とする接続要素(1)。
【請求項2】
第1端部(21)、第2端部(22)、及び前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間に延在する前面(23)を有する基部(2)と、
前記基部(2)から突出する接続部(3)と、
を備える、メカニカル継手(10)のための接続要素(1)であって、
前記接続部(3)は、
前記基部(2)の前記前面(23)から突出するように配置された突出部(4)と、
前記突出部(4)から前記基部(2)の前記第1端部(21)の方向へ延在する当接部(5)であって、間隙(6)が前記当接部(5)と前記基部(2)の前記前面(23)との間に形成され、前記間隙(6)の底部(61)が前記突出部(4)によって形成されており、前記間隙(6)の領域における前記基部(2)の前記前面(23)の部分に平行である前面(51)と、前記基部(2)の前記前面(23)に面する背面(52)とを有し、前記当接部(5)の前記背面(52)と前記基部(2)の前記前面(23)との間の距離は、前記間隙(6)の前記底部(61)に向かって減少しており、前記前面(51)と前記背面(52)との間に前記前面(51)から前記背面(52)へと延在する端面(53)をさらに有する前記当接部(5)と、
を備え、
前記接続要素(1)は、前記基部(2)の第1端部及び/又は第2端部に設けられて停止面を提供する別体の停止要素(80)をさらに備えることを特徴とする接続要素(1)。
【請求項3】
前記基部(2)は、前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間に前記前面(23)と反対の位置に延在する背面(24)、及び前記前面(23)と前記背面(24)との間で前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間に延在する第1及び第2側面(25,26)を有し、前記停止面は前記基部(2)の前記前面(23)を横切る方向に延在するように、前記基部(2)の前記前面(23)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の接続要素(1)。
【請求項4】
前記接続要素(1)に配置される一体的な停止要素(8)を備え、前記一体的な停止要素(8)は、少なくとも1つの前記第1及び第2側面(25,26)に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の接続要素(1)。
【請求項5】
前記別体の停止要素(80)は、
第1端部(83)、第2端部(84)、及び前記第1端部(83)と前記第2端部(84)との間に延在する前面(85)を有する基板(82)と、
前記基板(82)から突出し、前記基板(82)の前記前面(85)から離れる方向に延在し、前記前面(23)と前記背面(24)との間の前記基部(2)の高さ(d)より高い高さ(c)を有する少なくとも1つの側壁(86)と、
を備え、
前記少なくとも1つの側壁(86)が前記停止面(81)を提供するために配置されるように、前記基部(2)の前記背面(24)が、前記基板(82)の前記前面(85)に接触して配置され得ることを特徴とする、請求項3に記載の接続要素(1)。
【請求項6】
前記当接部(5)の前記端面(53)は、前記当接部(5)の前記前面(51)に平行で、かつ、前記第1端部と前記第2端部との間の前記基部(2)の方向に対して横方向である曲率軸(z)を有する凸状であり、前記間隙(6)の前記底部(61)は、同じ曲率半径を有する対応する対向形状を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の接続要素(1)。
【請求項7】
前記当接部(5)は、前記接続部(3)の前記遠位端(31)と前記接続部(3)の前記近位端(32)との間に延在する少なくとも1つの斜面部(9)を有し、前記少なくとも1つの斜面部(9)は、前記当接部(5)の前記前面(51)の少なくとも縁部に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の接続要素(1)。
【請求項8】
第1接続要素(1a)と第2接続要素(1b)とを備え、
それぞれの接続要素(1a,1b)は、
第1端部(21)、第2端部(22)、及び前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間に延在する前面(23)とを有する基部(2)と、
前記基部(2)から突出している接続部(3)と、
を備える、2つの部品を機械的に接続するためのメカニカル継手(10)であって、
前記接続部(3)は、
前記基部(2)の前記前面(23)から突出するように配置された突出部(4)と、
前記突出部(4)から前記基部(2)の前記第1端部(21)の方向へ延在する当接部(5)であって、間隙(6)が前記当接部(5)と前記基部(2)の前記前面(23)との間に形成され、前記間隙(6)の底部(61)が前記突出部(4)によって形成されており、前記間隙(6)の領域における前記基部(2)の前記前面(23)の部分に平行である前面(51)と、前記基部(2)の前記前面(23)に面する背面(52)とを有し、前記当接部(5)の前記背面(52)と前記基部(2)の前記前面(23)との間の距離は、前記間隙(6)の前記底部(61)に向かって減少しており、前記前面(51)と前記背面(52)との間に前記前面(51)から前記背面(52)へと延在する端面(53)をさらに有する前記当接部(5)と、
を備え、
前記メカニカル継手を形成するために、前記第1接続要素(1a)の前記当接部(5)は、断面円弧の凸形状である第1形状を有し、前記間隙(6)の前記底部(61)は前記第1形状に対応する断面円弧の凹形状で、前記端面(53)が面接触する第2形状を有し、
前記第1接続要素(1a)の前記当接部(5)の前記端面(53)が、前記間隙(6)の前記底部(61)を形成する前記第2接続要素(1b)の前記突出部(4)に接触して提供されていることを特徴とするメカニカル継手(10)。
【請求項9】
前記第1接続要素(1a)及び/又は前記第2接続要素(1b)が、停止面を提供する停止要素(8,80)をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載のメカニカル継手(10)。
【請求項10】
前記停止要素(8,80)は、前記第1接続要素(1a)の前記当接部(5)が前記基部(2)の前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間の方向に対して前記前面(23)の平面上で横方向に移動するのを防止するように配置されていること、
又は、前記停止要素(8,80)は、前記第2接続要素(1b)の前記当接部(5)が前記基部(2)の前記第1端部(21)と前記第2端部(22)との間の方向に対して前記前面(23)の平面上で横方向に移動するのを防止するように配置されていることを特徴とする、請求項9に記載のメカニカル継手(10)。
【請求項11】
前記第1及び第2接続要素(1a,1b)は、請求項1から7のいずれかに記載の接続要素(1)に従うことを特徴とする、請求項8から10のいずれかに1つに記載のメカニカル継手(10)。
【請求項12】
機械的な接続を提供するためのメカニカル継手(10)における、請求項1から7のいずれかに記載の2つの接続要素(1)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続要素に関し、特に独立請求項1の前提部分に記載の接続要素に関する。
【0002】
本発明は、メカニカル継手にさらに関し、特に独立請求項9の前提部分に記載のメカニカル継手に関する。
【0003】
本発明は、独立請求項14に記載のメカニカル継手における2つの接続要素の使用にさらに関する。
【背景技術】
【0004】
従来技術では、多くの種類のメカニカル継手が知られている。従来のメカニカル継手の多くは、メカニカル継手を形成するための工具を使用すること、又は、メカニカル継手を分離することが不可能である、若しくは仮に可能であったとしてもメカニカル継手を破壊することなくはできないように、メカニカル継手を形成する部材をくさび留めすることによって継手をロックし、その結果、メカニカル継手は同じ部材を使用して再形成され得ないようなメカニカル継手のいずれかを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、メカニカル継手のための接続要素と、2つの部品を機械的に連結するためのメカニカル継手とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、独立請求項に記載されていることを特徴とする接続要素とメカニカル継手とによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0007】
本発明は、第1端部、第2端部、及び前記第1端部と前記第2端部との間に延在する前面を有する基部と、前記基部から突出する接続部とを備える、メカニカル継手のための接続要素を提供するという考えに基づく。前記接続部は、前記基部の前記前面から突出するように配置された突出部と、前記突出部から前記第1端の方向へ延在する当接部であって、間隙が前記当接部と前記基部の前記前面との間に形成され、前記間隙の底部が前記突出部によって形成されている前記当接部とを備える。前記当接部は、前記間隙の領域における前記基部の前記前面の部分に平行である前面と、前記基部の前記前面に面する背面とを有する。前記当接部は、前記前面と前記背面との間に前記前面から前記背面へと延在する端面をさらに有する。
【0008】
本発明は、2つの部品を機械的に接続するためのメカニカル継手を提供するという考えにさらに基づく。前記メカニカル継手は、第1接続要素と第2接続要素とを備え、それぞれの接続要素は、第1端部、第2端部、及び前記第1端部と前記第2端部との間に延在する前面とを有する基部と、前記基部から突出している接続部とを備える。前記接続部は、前記基部の前記前面から突出するように配置された突出部と、前記突出部から前記基部の前記第1端部の方向へ延在する当接部であって、間隙が前記当接部と前記基部の前記前面との間に形成され、前記間隙の底部が前記突出部によって形成されている前記当接部とを備える。前記当接部は、前記間隙の領域における前記基部の前記前面の部分に平行である前面と、前記基部の前記前面に面する背面とを有する。前記当接部は、前記前面と前記背面との間に前記前面から前記背面へと延在する端面をさらに有する。前記メカニカル継手を形成するために、前記第1接続要素の前記当接部は、前記第2接続要素の前記間隙内に嵌められるように配置され、前記第2接続要素の前記当接部は、前記第1接続要素の前記間隙内に嵌められるように配置され、前記第1接続要素の前記当接部の前記前面は、前記第2接続要素の前記基部の前記前面に当接されるように配置され、前記第1接続要素の前記当接部の前記背面は、前記第2接続要素の前記当接部の前記背面に当接されるように配置される。
【0009】
本出願に開示されている接続要素とメカニカル継手とは、一例として、テーブルレッグとテーブルカバー、ベッドレッグとベッドフレームのような家具の部品を接合する場合に、家具産業に最も有利に適している。言い換えれば、接続要素とメカニカル継手とは、一例として、家具、棚、収納棚、足場又はフレームの部品を連結する場合に有利である。当該接続要素は、前述の部品の例のような、永久的に又は取り外し可能に、2つ以上の部品を接合するのに適している。当該メカニカル継手は、分解されることが意図されていない永久的な接合とすることに適している、又は、接続を外してさらに再接続されるように意図されている解放可能な継手に最も適している。
【0010】
本発明の利点は、メカニカル継手を形成するために、たった1種類の接続要素しか必要でないことである。言い換えれば、本発明に係るメカニカル継手を形成するために、たった2つの同様の接続要素しか、機械的な接続を形成するのに必要ではない。当該メカニカル継手は、工具を使用することなく形成される。当該メカニカル継手は、接続要素をくさび留めすることなく形成され得るものであり、その結果、メカニカル継手が外されたときに、接続要素が他のメカニカル継手を形成するために再使用される。1つのタイプの接続要素しか必要でないため、メカニカル継手を形成する接続要素の製造は簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、開示された図面への言及と共に特定の実施形態によって詳細に説明される。
【
図1a】本発明に係る接続要素を一側面から示す図。
【
図3a】本発明に係る接続要素の一実施形態を一側面から示す図。
【
図4a】本発明に係る接続要素の他の実施形態を一側面から示す図。
【
図5a】本発明に係る停止要素を一側面から見た図。
【
図6b】
図6aの接続要素と停止要素とを前面から見た図。
【
図7a】本発明に係る接続要素を一側面から示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1a及び1bは、本発明に係る接続要素1を示す。
図1a及び1bは、接続要素の同じ側面から見た同じ接続要素1であるが、異なる配置であることを示す。接続要素1は、第1端部21、第2端部22、及び第1端部21と第2端部22との間に延在する前面23を有する基部2を備える。基部2は、第1端部21と第2端部22との間に延びる長さと、基部2の長手方向
を横切る方向に延びる幅とを有する長手の部分である。基部2は、第1端部21と第2端部22との間に前面23と反対の位置に延在する背面24と、前面23と背面24との間で第1端部21と第2端部22との間に延在する第1及び第2側面25,26とを有する。基部2は、前面23と背面24との間の距離によって定義される厚みを有する。
【0013】
接続要素は、基部2から突出する接続部3をさらに備え、接続部3は、基部2の前面23から突出するように配置された突出部4と、突出部4から基部2の第1端部21の方向へ延在する当接部5であって、間隙6が当接部5と基部2の前面23との間に形成され、間隙6の底部61が突出部4によって形成されている当接部5とを備える。突出部4と当接部5とは、一体的な接続部3を形成するように、一体的である。
【0014】
当接部5は、間隙6の領域において基部2の前面23の部分に平行な前面51と、基部2の前面23に対向する背面52とを有する。当接部5は、前面51と背面52との間に、前面51から背面52に向かって延在する端面53をさらに有する。
【0015】
図1cは、前面から見た接続要素を示す。接続部3は、遠位端31と近位端32とを有し、遠位端31は基部2の第1端部21に向いており、近位端32は基部2の第2端部22に向いている。当接部5の端面53は、接続部3の遠位端31を形成する。本発明のこの実施形態では、当接部5の前面51は、接続部3の遠位端31から接続部3の近位端32まで延在する。本発明の他の実施形態では、突出部4は、前面51が接続部3の近位端32まで延在しなくてもよいような異なる形状を有してもよい。接続部3は、近位端32と遠位端31との間に延びる長さbを有する。接続要素1は、接続部3の遠位端31と基部2の第1端部21との間に自由部分(free portion)を有する。言い換えると、自由部分は、基部2の第1端部21と接続部3の遠位端31との間にある接続要素1の部分である。自由部分は、近位端32と遠位端31との間の接続部3の長さbよりも長い、長さaを有する。
【0016】
好ましくは、接続要素1は、接続要素1を対象物に接続するための開口部7を、基部2の端部にさらに備える。
【0017】
当接部5の背面52と基部2の前面23との間の距離は、間隙6の底部61に向かって同一である又は減少するように配置されている。言い換えれば、間隙6は、間隙6の底部61に向かって均一又はテーパ状であり、このことは、基部2の長手方向を横切る方向で、当接部5の前面51を横切る方向の間隙6の幅、すなわち当接部5の背面52と基部2の前面23との間の距離によって定義される幅は、等しい又は減少し、その結果、間隙6は底部61に向かって同一又はテーパ状であるということを意味する。
【0018】
当接部5の端面53は第1形状を有し、間隙6の底部61は、第1形状と対応する対向形状(compatible counter form)である第2形状を有する。
図1b及び1cは、当接部5の端面53のための曲率軸(curvature axis)である軸zを示す本発明の好ましい実施形態を示す。当接部5の端面53は、当接部5の前面51に平行で、第1端部と第2端部との間の基部2の方向に対して横方向である曲率軸zを有する凸状であり、間隙6の底部61は、同じ曲率半径(radius of curvature)を有する対応する対向形状を有する。当接部5の端面53の凸形状は、図に示すように、曲面状のすなわち丸みを帯びた外へ向かう面である。当接部5の端面53は、凸形状以外の代替の形状を有していてもよいが、本発明に係るメカニカル継手10には、凸形状が最も有利な形状である。例えば、当接部5の端面53は、平坦面又はテーパ面であってもよい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、突出部4によって形成される間隙6の底部61と延在する当接部5の端面53との間に延在する当接部5の部分は、当接部5の背面52と、当接部5の背面52に対向する領域における基部2の前面23との間に形成される間隙6と対応する対向形状を有する。言い換えると、間隙6は、同様の接続要素の間隙6に提供されることになる当接部5の部分と同じ形状を有する。さらに言い換えると、結合している2つの接続要素があるとき、第2接続要素の間隙6に提供されている第1接続要素の当接部5は間隙6に密に嵌合しており、このことは、当接部と間隙とは互いに対応する同様の形状を有することを意味する。
【0020】
図2aは、本発明に係る2つの接続要素を示し、ここでは、接続要素1は、
図1a~1cに示されているものと同様であり、従って、明瞭性のために、
図1a~1cに関連して示されている全ての参照番号は、
図2a及び2bには示されていない。
図2aは、
図1a~1cに示されている接続要素1と同様である第1接続要素1aと第2接続要素1bを示す。第1接続要素1aは、第2接続要素1bに対して上下逆である。
図2aから分かるように、長さaを有する自由部分は、近位端32と遠位端31との間の接続部3の長さbよりも長い。
【0021】
図2bは、2つの同様の接続要素1が互いに接触して配置されている、本発明に係るメカニカル継手10を示す。第1接続要素1aの接続部3は、第1接続要素1aの当接部5の前面51が第2接続要素1bの基部2の前面23に接触し、第1接続要素1aの当接部5の背面52が第2接続要素1bの当接部5の背面52に接触するように、第2接続要素1bの間隙6に提供されている。第1接続要素1aの当接部5の端面53は、第2接続要素1bの間隙6の底部61に接して配置されている。さらに、第2接続要素5の当接部5の前面51は、第1接続要素5の基部2の前面23に接して提供されている。
【0022】
図3a及び3bは、本発明に係る接続要素の一実施形態を示し、接続要素1は、停止面を提供する停止要素8をさらに備える。停止面は、基部2の前面23
を横切る方向に延在するように、基部2の前面23の外側に配置されている。本発明のこの実施形態では、停止要素8は、一体的な停止要素8として接続要素1に配置され、当該一体的な停止要素8は、第1及び第2側面25,26の少なくとも1つに設けられている。
図3bは、本発明のこの実施形態では、停止要素8は、基部2の第1及び第2側面25,26の両方に設けられていることを示す。停止要素8は、停止要素8の内側に提供されている停止面81が当接部5と基部2の前面23との間に形成される間隙61に面し、停止面81が基部2の前面23から当接部5に向かって延在するように、基部2に設けられている。言い換えると、停止面81は、基部2の側面から間隙61を少なくとも部分的に塞ぐ。停止面81は、他の接続要素と共にメカニカル継手を形成する接続要素が間隙6から外れるのを防止するように配置されている。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、接続要素1の基部2は、第1端部21と第2端部22との間で実質的に同じ幅を有する形状、又は、丸みを帯びた第1端部21及び第2端部22を除いて、第1端部21と第2端部22との間で実質的に同じ幅を有する形状を有する。好ましくは、接続部3及び特に当接部5は、基部2と同じ幅を有する。基部2の幅は、基部2の第1及び第2側面25,26との間に延びる寸法である。
【0024】
図4a及び4bは、本発明に係る接続要素の他の実施形態を示し、接続要素1は、停止面を提供する停止要素8をさらに備える。停止面は、基部2の前面23
を横切る方向に延在するように、基部2の前面23の外側に配置される。本発明のこの実施形態では、停止要素8は一体的な停止要素8として接続要素1に配置され、一体的な停止要素8は基部2の第1端部21及び/又は基部2の第2端部22に設けられている。
図4a及び4bは、本発明のこの実施形態では、停止要素8が基部2の第1及び第2端部21,22の両方に設けられていることを示す。停止要素8は、停止要素8の内側に設けられている停止面81が接続部3に面するように、すなわち、基部2の第1端部21に設けられている停止要素8が接続部3の遠位端31に面する停止面81を有し、基部2の第2端部22に設けられている停止要素8が接続部3の近位端32に面する停止面81を有するように、基部2の端部に設けられている。停止面81は、停止面81が基部2の前面23
を横切る方向であるように、接続部3と同じ方向で、基部2の前面23から離れる方向に延在するように配置されている。停止面81は、基部2の前面23の外側に配置されている。言い換えると、停止要素8は、基部2の端部21,22から突出するように配置されている。
【0025】
図5a及び5bは、本発明に係る停止要素を示し、接続要素1は停止面を提供する停止要素8,80を備え、当該停止面は、基部2の前面23
を横切る方向に延在するように、基部2の前面23の外側に配置されている。本発明のこの実施形態では、停止要素80は、別体の停止要素80として提供されている。別体の停止要素80は基板82を備え、当該基板82は、第1端部83、第2端部84、当該第1端部83と当該第2端部84との間に延在する前面85、及び基板82から突出している少なくとも1つの側壁86を有する。基板82の前面85から離れる方向に延在する少なくとも1つの側壁86は、前面23から側壁86の頂部までの距離によって定義される高さcを有し、その高さcは、前面23と背面24との間の距離によって定義される基部2の高さdよりも高い。基部2の背面24は、少なくとも1つの側壁86が停止面81を提供するために配置されるように、基板82の前面85に接触して配置され得る。これらは、
図6a及び6bでより詳細に示される。
【0026】
図6a及び6bは、互いに接している接続要素と別体の停止要素80とを示している。本実施形態では、接続要素1は、基部2の背面24が別体の停止要素80の基板82の前面85に接触するように、別体の停止要素80に接して提供されている。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、停止要素80は、第1端部83と第2端部84との間で実質的に同じ幅を有する形状、又は、丸みを帯びた第1端部83及び第2端部84を除いて、第1端部83と第2端部84との間で実質的に同じ幅を有する形状を有する。
【0028】
図3a~6bすべてにおいて、停止要素8,80は、第1接続要素1aの当接部5が基部2の第1端部21と第2端部22との間の方向に対して横方向に動くのを防止するように配置されている、又は、停止要素8,80は、第2接続要素1bの当接部5が基部2の第1端部21と第2端部22との間の方向に対して横方向に動くのを防止するように配置されている。
【0029】
言い換えれば、第1接続要素1a及び/又は第2接続要素1bは、第1接続要素1aと第2接続要素1bとで形成されるメカニカル継手10における移動を防止するための停止面を提供する停止要素8,80をさらに備えてもよい。
【0030】
メカニカル継手10において、第1接続要素1aの当接部5の端面53は、間隙6の底部61を形成する第2接続要素1bの突出部4に接触して提供されている。
【0031】
複数の図に見られるように、好ましくは、接続部3は、基部2と実質的に同じ幅を有する。あるいは、又は加えて、当接部5は、基部2と実質的に同じ幅を有する。
【0032】
図7a及び7bは本発明の一実施形態を示し、当接部5は、接続部3の遠位端31と接続部3の近位端32との間に延在する少なくとも1つの斜面部9を有し、当該少なくとも1つの斜面部9は当接部5の前面51の縁部に配置されている。
図7a及び7bでは、2つの斜面部9が、当接部5の前面51の両側の縁部にある。
【0033】
メカニカル継手10は、先に開示された接続要素1a,1bから形成されることができ、先に説明された接続要素1a,1bは、機械的な接続を提供するためにメカニカル継手10で使用され得る。
【0034】
本発明は、図面に示された例に関して上記の通り説明された。しかし、本発明は、上記の例に決して限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変わってもよい。