(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ロータ、モータ、及び、ロータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 1/278 20220101AFI20221215BHJP
H02K 15/03 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H02K1/278
H02K15/03 Z
(21)【出願番号】P 2020558281
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(86)【国際出願番号】 JP2019044056
(87)【国際公開番号】W WO2020105479
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2018218067
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大堀 竜
(72)【発明者】
【氏名】米川 孝二
(72)【発明者】
【氏名】金井 猛
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-050244(JP,A)
【文献】特表2015-511110(JP,A)
【文献】特開平06-315245(JP,A)
【文献】実開平03-040849(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/278
H02K 15/03
H02K 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータの磁界を受けて回転する
回転軸を有するロータであって、
前記回転軸と一体に回転
し、略円筒状のコア本体部と、前記コア本体部の外周面から放射方向に突出する複数の突極と、を有するロータコアと、
前記ロータコアの外周部に配置され
、隣接する複数の前記突極の間に配置される複数の永久磁石と、
前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側
とを覆い、
前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、
前記コア本体部の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される環状部と、前記環状部の外周面から放射方向に突出して、各前記突極の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される複数の脚部と、を有し、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面と前記フランジ部
との間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコア
とに当接する荷重受けブロックと、を備え
、
前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の少なくとも一方側の端部は、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の同側の端部よりも外側に突出し、
前記荷重受けブロックの前記フランジ部との当接部は、回転軸線に沿う方向について、前記永久磁石の前記端部よりも外側位置に配置されていることを特徴とすることを特徴とするロータ。
【請求項2】
前記荷重受けブロックの前記脚部は、前記ロータコアの前記突極のうちの、前記永久磁石との当接領域よりも回転軸線を中心とした径方向外側位置まで延びていることを特徴とする請求項
1に記載のロータ。
【請求項3】
前記荷重受けブロックは、前記ロータコアと係合して、前記ロータコアの回転軸線を中心とした周方向の変位を規制するコア規制部を有することを特徴とする請求項
1または
2に記載のロータ。
【請求項4】
前記コア規制部は、前記環状部から回転軸線に沿う方向に突設されて、前記コア本体部の内周の係合部に係止される係止爪によって構成されていることを特徴とする請求項
3に記載のロータ。
【請求項5】
前記環状部の内周面のうちの、前記係止爪の突設される領域の近傍には、前記コア本体部と回転軸線に沿う方向で当接する膨出部が設けられていることを特徴とする請求項
4に記載のロータ。
【請求項6】
前記環状部の外周縁部には、前記永久磁石と回転軸線に沿う方向で当接して、前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の変位を規制する第1磁石規制部が設けられていることを特徴とする請求項
1~5のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項7】
前記脚部には、前記永久磁石と回転軸線を中心した周方向で当接して、前記永久磁石の前記周方向の変位を規制する第2磁石規制部が設けられていることを特徴とする請求項
1~6のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項8】
前記荷重受けブロックは、前記マグネットカバーの外側に突出する磁石位置検知用突起を有することを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のロータと、
前記ロータの外周側に配置されて、磁界を発生するステータと、を備えていることを特徴とするモータ。
【請求項10】
ステータの磁界を受けて回転する
回転軸を有するロータの製造方法であって、
前記回転軸と一体に回転し、略円筒状のコア本体部と、前記コア本体部の外周面から放射方向に突出する複数の突極と、を有するロータコアと、
前記ロータコアの外周部に配置され、隣接する複数の前記突極の間に配置される複数の永久磁石と、
前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側とを覆い、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、
前記コア本体部の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される環状部と、前記環状部の外周面から放射方向に突出して、各前記突極の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される複数の脚部と、を有し、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面と前記フランジ部との間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコアとに当接する荷重受けブロック
と、を配置する工程と、
前記ロータコア、複数の前記永久磁石、及び、前記荷重受けブロックの外側に略筒状のマグネットカバーを配置する工程と、
前記マグネットカバーの回転軸線方向の端縁を径方向内側にかしめて、当該マグネットカバーのかしめ部を前記荷重受けブロックの端面に当接させる工程と、
を有
し、
前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の少なくとも一方側の端部は、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の同側の端部よりも外側に突出し、
前記荷重受けブロックの前記フランジ部との当接部は、回転軸線に沿う方向について、前記永久磁石の前記端部よりも外側位置に配置されることを特徴とするロータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、そのロータを用いるモータ、及び、ロータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のワイパー装置等に用いられるモータとして、コイルが巻回されたステータの径方向内側に、永久磁石を有するロータが配置されたものがある。この種のモータに用いられるロータの永久磁石の配置方式として、ロータコアの外周部に永久磁石を配置するもの(SPM:Surface Permanent Magnet)がある。
【0003】
この方式を採用したロータでは、ロータコアの外周部に複数の永久磁石が組付けられ、その状態でロータコアと永久磁石の外側が略筒状のマグネットカバーによって覆われている。マグネットカバーは、略筒状の周壁内にロータコアと永久磁石を配置した後に、軸方向(回転軸線に沿う方向)の端部がロータコアの端部に固定されている。
【0004】
マグネットカバーの軸方向の端部の固定手段としては、マグネットカバーの端縁に予め折り曲げ片を設けておき、その折り曲げ片を折り曲げてロータコアの端面の孔や窪み部に係止させるもの(例えば、特許文献1参照。)や、かしめによるもの等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マグネットカバーの端縁に折り曲げ片を設け、その折り曲げ片をロータコアの端面の孔や窪み部に係止したロータにおいては、ロータコアと永久磁石に対するマグネットカバーの組付け作業が容易になる反面、組付け強度の面では、かしめによるものに劣る。
【0007】
しかし、かしめによってマグネットカバーをロータコアに固定したロータにおいては、マグネットカバーの端縁をかしめる際に、大きなかしめ荷重が永久磁石に伝達され易い。そして、かしめ作業の際に、マグネットカバーのかしめ部を通して永久磁石に大きなかしめ荷重が伝達されると、永久磁石に損傷や劣化が生じることが懸念される。
【0008】
本発明の課題は、マグネットカバーのかしめに伴う永久磁石の損傷や劣化を未然に防止することができるロータ、モータ、及び、ロータの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るロータは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るロータは、ステータの磁界を受けて回転する回転軸を有するロータであって、前記回転軸と一体に回転し、略円筒状のコア本体部と、前記コア本体部の外周面から放射方向に突出する複数の突極と、を有するロータコアと、前記ロータコアの外周部に配置され、隣接する複数の前記突極の間に配置される複数の永久磁石と、前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側とを覆い、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、前記コア本体部の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される環状部と、前記環状部の外周面から放射方向に突出して、各前記突極の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される複数の脚部と、を有し、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面と前記フランジ部との間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコアとに当接する荷重受けブロックと、を備え、前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の少なくとも一方側の端部は、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の同側の端部よりも外側に突出し、前記荷重受けブロックの前記フランジ部との当接部は、回転軸線に沿う方向について、前記永久磁石の前記端部よりも外側位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、ロータコアと複数の永久磁石とは、荷重受けブロックとともにマグネットカバーの内側に配置され、マグネットカバーのフランジ部がかしめられることにより、マグネットカバーと固定される。フランジ部がかしめられる際には、フランジ部とその内側の部材に大きな荷重が作用するが、ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面とフランジ部の間には、荷重受けブロックが配置されているため、かしめ荷重が永久磁石に作用しにくくなる。
【0011】
この場合、荷重受けブロックのフランジ部との当接部が、回転軸線に沿う方向について、永久磁石の端部よりも外側位置に配置されているため、かしめ荷重が直接永久磁石に作用しにくくなる。したがって、本構成を採用した場合には、永久磁石の長さを充分に確保しつつも、かしめによる永久磁石の損傷や劣化を有利に防止することができる。
【0012】
また、この場合、荷重受けブロックに、ロータコアのコア本体部と突極の各端面に重ねて配置される環状部と脚部が設けられているため、回転軸線に沿う方向の長さの長い永久磁石の端部を、隣接する一対の脚部と環状部の外周面とに囲まれた空間部に配置することができる。したがって、本構成を採用した場合には、永久磁石の長さを充分に確保しつつも、永久磁石の端部にかしめ荷重が入力されるのをより有利に抑制することができる。
【0013】
前記荷重受けブロックの前記脚部は、前記ロータコアの前記突極のうちの、前記永久磁石との当接領域よりも回転軸線を中心とした径方向外側位置まで延びていることが望ましい。
この場合、永久磁石のうちの、脚部による支持領域(脚部の当接領域)の近傍にかしめ荷重が入力されにくくなり、かしめ荷重による永久磁石の損傷や劣化を有利に防止することが可能になる。
【0014】
前記荷重受けブロックは、前記ロータコアと係合して、前記ロータコアの回転軸線を中心とした周方向の変位を規制するコア規制部を有する構成であっても良い。
この場合、荷重受けブロックに対するロータコアの周方向変位をコア規制部によって規制できるため、荷重受けブロックとロータコアとの周方向の位置関係を正確に設定することができる。
【0015】
前記コア規制部は、前記環状部から回転軸線に沿う方向に突設されて、前記コア本体部の内周の係合部に係止される係止爪によって構成されるようにしても良い。
この場合、コア規制部である係止爪がコア本体部の内周の係合部に係止されるため、かしめ荷重が、荷重受けブロックの外周側から径方向内側に向かって作用した場合に、係止爪が径方向内側に変位することにより、係止爪に過大な応力が集中しなくなる。したがって、本構成を採用した場合には、かしめ荷重の入力に伴う係止爪(コア規制部)の破損を防止することができる。
【0016】
前記環状部の内周面のうちの、前記係止爪の突設される領域の近傍には、前記コア本体部と回転軸線に沿う方向で当接する膨出部が設けられるようにしても良い。
この場合、環状部の内周面の係止爪の近傍が膨出部によって補強されるため、ロータコアの内周面に回転軸を圧入するときの大きな荷重を、膨出部によって受け止めることができる。したがって、本構成を採用した場合には、ロータコアに対する回転軸の圧入時にロータコアが軸方向に位置ずれするのを防止することができる。
【0017】
前記環状部の外周縁部には、前記永久磁石と回転軸線に沿う方向で当接して、前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の変位を規制する第1磁石規制部が設けられるようにしても良い。
この場合、永久磁石の回転軸線に沿う方向の位置ずれを、環状部の外周の第1磁石規制部で規制することができる。
【0018】
前記脚部には、前記永久磁石と回転軸線を中心した周方向で当接して、前記永久磁石の前記周方向の変位を規制する第2磁石規制部が設けられるようにしても良い。
この場合、永久磁石の周方向の位置ずれを、脚部の第2磁石規制部で規制することができる。
【0019】
前記荷重受けブロックは、前記マグネットカバーの外側に突出する磁石位置検知用突起を有する構成であっても良い。
この場合、マグネットカバー内にロータコアと永久磁石と荷重受けブロックが組付けられた後に、マグネットカバー内の永久磁石の位置を、磁石位置検知用突起を利用して正確に検知することができる。したがって、マグネットカバー内の永久磁石に対して正確に着磁を行うことができる。
【0020】
また、本発明に係るモータは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るモータは、前記いずれかのロータと、当該ロータの外周側に配置されて、磁界を発生するステータと、を備えていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るロータの製造方法は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るロータの製造方法は、ステータの磁界を受けて回転する回転軸を有するロータの製造方法であって、前記回転軸と一体に回転し、略円筒状のコア本体部と、前記コア本体部の外周面から放射方向に突出する複数の突極と、を有するロータコアと、前記ロータコアの外周部に配置され、隣接する複数の前記突極の間に配置される複数の永久磁石と、前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側とを覆い、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、前記コア本体部の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される環状部と、前記環状部の外周面から放射方向に突出して、各前記突極の回転軸線に沿う方向の端面に重ねて配置される複数の脚部と、を有し、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面と前記フランジ部との間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコアとに当接する荷重受けブロックと、を配置する工程と、前記ロータコア、複数の前記永久磁石、及び、前記荷重受けブロックの外側に略筒状のマグネットカバーを配置する工程と、前記マグネットカバーの回転軸線方向の端縁を径方向内側にかしめて、当該マグネットカバーのかしめ部を前記荷重受けブロックの端面に当接させる工程と、を有し、前記永久磁石の回転軸線に沿う方向の少なくとも一方側の端部は、前記ロータコアの回転軸線に沿う方向の同側の端部よりも外側に突出し、前記荷重受けブロックの前記フランジ部との当接部は、回転軸線に沿う方向について、前記永久磁石の前記端部よりも外側位置に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ロータコアの回転軸線に沿う方向の端面とフランジ部の間に荷重受けブロックが配置されているため、マグネットカバーのかしめに伴う永久磁石の損傷や劣化を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】実施形態のモータユニットの
図1のII-II線に沿う断面図である。
【
図4】第1実施形態のロータの
図3のIV-IV線に沿う断面図である。
【
図6】マグネットカバーを取り去った第1実施形態のロータの斜視図である。
【
図7】マグネットカバーを取り去った第1実施形態のロータの平面図である。
【
図9】第1実施形態の荷重受けブロックの斜視図である。
【
図10】第1実施形態の変形例1の荷重受けブロックの斜視図である。
【
図11】マグネットカバーを取り去った第1実施形態の変形例1のロータの平面図である。
【
図12】第1実施形態の変形例2のロータコアの平面図である。
【
図13】第1実施形態の変形例3のロータコアの平面図である。
【
図14】第1実施形態の変形例4のロータコアの平面図である。
【
図16】第2実施形態のロータの
図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。
【
図17】第2実施形態のロータの分解斜視図である。
【
図18】マグネットカバーを取り去った第2実施形態のロータの斜視図である。
【
図19】マグネットカバーを取り去った第2実施形態のロータの一部の平面図である。
【
図20】マグネットカバーを取り去った第2実施形態のロータの一部の部分断面上視図である。
【
図21】第2実施形態の変形例1のロータの
図16と同様の断面図である。
【
図22】第2実施形態の変形例2のマグネットカバーの平面図である。
【
図23】第2実施形態の変形例2のロータの斜視図である。
【
図25】第3実施形態のロータの
図24のXXV-XXV線に沿う断面図である。
【
図26】第3実施形態のロータの分解斜視図である。
【
図27】マグネットカバーを取り去った第3実施形態のロータの斜視図である。
【
図28】マグネットカバーを取り去った第3実施形態のロータの平面図である。
【
図29】第3実施形態の荷重受けブロックの斜視図である。
【
図30】第3実施形態のロータの
図25のXXX部の拡大断面図である。
【
図31】第3実施形態の変形例1のロータの
図25のXXXI部に対応する拡大断面図である。
【
図32】第3実施形態の変形例2の荷重受けブロックの斜視図である。
【
図33】第3実施形態の変形例3の荷重受けブロックの斜視図である。
【
図34】第3実施形態の変形例4の荷重受けブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する各実施形態や変形例においては、同一部分に共通符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
【0025】
(モータユニット)
図1は車両に用いられるモータユニット1の斜視図である。
図2は、モータユニット1の
図1のII-II線に沿う断面図である。
モータユニット1は、例えば、車両のワイパー装置の駆動源として用いられる。
図1,
図2に示すように、モータユニット1は、モータ2と、モータ2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ2の駆動制御を行うコントローラ4と、を備えている。
なお、以下の説明において、単に「軸方向」という場合は、モータ2の回転軸31の回転軸線方向に沿う方向を意味し、単に「周方向」という場合は、回転軸31の周方向を意味するものとする。また、単に「径方向」という場合は、回転軸31の径方向を意味するものとする。
【0026】
(モータ)
モータ2は、モータケース5と、モータケース5内に収納された略円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に配置され、ステータ8に対して回転可能に設けられたロータ9と、を備えている。本実施形態のモータ2は、ステータ8に電力を供給する際にブラシを必要としない、いわゆるブラシレスモータである。
【0027】
(モータケース)
モータケース5は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた材料によって形成されている。モータケース5は、軸方向で分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6と第2モータケース7は、それぞれ有底円筒状に形成されている。
第1モータケース6は、底部10が減速部3のギヤケース40と接続されるように、当該ギヤケース40と一体成形されている。底部10の径方向略中央には、モータ2の回転軸31を挿通可能な貫通孔が形成されている。
【0028】
また、第1モータケース6と第2モータケース7の各開口部6a,7aには、径方向外側に向かって張り出す外フランジ部16,17がそれぞれ形成されている。モータケース5は、外フランジ部16,17同士を突き合わせて内部空間が形成されている。モータケース5の内部空間には、ステータ8とロータ9が配置されている。ステータ8は、モータケース5の内周面に固定されている。
【0029】
(ステータ)
ステータ8は、積層した電磁鋼板等から成るステータコア20と、ステータコア20に巻回される複数のコイル24と、を備えている。ステータコア20は、円環状のコア本体部21と、コア本体部21の内周部から径方向内側に向かって突出する複数(例えば、6つ)のティース22と、を有している。コア本体部21の内周面と各ティース22は、樹脂製のインシュレータ23によって覆われている。コイル24は、インシュレータ23の上から対応する所定のティース22に巻回されている。各コイル24は、コントローラ4からの給電により、ロータ9を回転させるための磁界を生成する。
【0030】
(ロータ)
ロータ9は、ステータ8の径方向内側に微小隙間を介して回転自在に配置されている。ロータ9は、内周部に回転軸31が圧入固定される略筒状のロータコア32と、ロータコア32の外周部に組付けられた4つの永久磁石33(
図5~
図7参照。)と、を備えている。本実施形態では、回転軸31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体に形成されている。回転軸31とウォーム軸44は、モータケース5とギヤケース40とに回転自在に支持されている。回転軸31とウォーム軸44は、回転軸線(軸心C)回りに回転する。なお、永久磁石33としては、例えば、フェライト磁石が用いられる。しかしながら、永久磁石33は、これに限るものではなく、ネオジムボンド磁石やネオジム焼結磁石等を適用することも可能である。
ロータ9の詳細構造については後に説明する。
【0031】
(減速部)
減速部3は、モータケース5と一体化されたギヤケース40と、ギヤケース40内に収納されたウォーム減速機構41と、を備えている。ギヤケース40は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた金属材料によって形成されている。ギヤケース40は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されている。ギヤケース40は、ウォーム減速機構41を内部に収容するギヤ収容部42を有する。また、ギヤケース40の側壁40bには、第1モータケース6が一体形成されている箇所に、第1モータケース6の貫通孔とギヤ収容部42を連通する開口部43が形成されている。
【0032】
ギヤケース40の底壁40cには、略円筒状の軸受ボス49が突設されている。軸受ボス49は、ウォーム減速機構41の出力軸48を回転自在に支持するためのものであり、内周側に不図示の滑り軸受が配置されている。軸受ボス49の先端部内側には、不図示のOリングが装着されている。また、軸受ボス49の外周面には、剛性確保のための複数のリブ52が突設されている。
【0033】
ギヤ収容部42に収容されたウォーム減速機構41は、ウォーム軸44と、ウォーム軸44に噛合されるウォームホイール45と、により構成されている。ウォーム軸44は、軸方向の両端部が軸受46,47を介してギヤケース40に回転可能に支持されている。ウォームホイール45には、モータ2の出力軸48が同軸に、かつ一体に設けられている。ウォームホイール45と出力軸48とは、これらの回転軸線が、ウォーム軸44(モータ2の回転軸31)の回転軸線(軸心C)と略直交するように配置されている。出力軸48は、ギヤケース40の軸受ボス49を介して外部に突出している。出力軸48の突出した先端には、モータ駆動する対象物品と接続可能なスプライン48aが形成されている。
【0034】
また、ウォームホイール45には、不図示のセンサマグネットが設けられている。このセンサマグネットは、後述するコントローラ4に設けられた磁気検出素子61によって位置を検出される。つまり、ウォームホイール45の回転位置は、コントローラ4の磁気検出素子61によって検出される。
【0035】
(コントローラ)
コントローラ4は、磁気検出素子61が実装されたコントローラ基板62を有している。コントローラ基板62は、磁気検出素子61がウォームホイール45のセンサマグネットに対向するように、ギヤケース40の開口部40a内に配置されている。ギヤケース40の開口部40aはカバー63によって閉塞されている。
【0036】
コントローラ基板62には、ステータコア20から引き出された複数のコイル24の端末部が接続されている。また、コントローラ基板62には、カバー63に設けられたコネクタ11(
図1参照。)の端子が電気的に接続されている。コントローラ基板62には、磁気検出素子61の他に、コイル24に供給する駆動電圧を制御するFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子からなるパワーモジュール(不図示)や、電圧の平滑化を行うコンデンサ(不図示)等が実装されている。
【0037】
(第1実施形態のロータの詳細構造)
図3は、第1実施形態のロータ9の斜視図であり、
図4は、
図1のIV-IV線に沿う断面図である。また、
図5は、ロータ9の分解斜視図である。
これらの図に示すように、ロータ9は、回転軸31(
図2参照。)とともに回転軸線(軸心C)回りに回転可能なロータコア32と、ロータコア32の外周部に配置された4つの永久磁石33と、ロータコア32の軸方向の一端側と他端側にそれぞれ配置される一対の荷重受けブロック70と、ロータコア32及び永久磁石33を一対の荷重受けブロック70とともに軸方向及び径方向外側から覆う金属製のマグネットカバー71と、を備えている。
【0038】
図6は、マグネットカバー71を取り去ったロータ9の斜視図であり、
図7は、マグネットカバー71を取り去ったロータ9の平面図である。また、
図8は、ロータコア32の平面図である。
ロータコア32は、略円筒状のコア本体部32Aと、コア本体部32Aの外周面から放射方向に突出する4つの突極32Bと、を有している。ロータコア32は、例えば、軟磁性粉を加圧成形したり、複数の電磁鋼板を軸方向に積層したりして形成されている。
【0039】
4つの突極32Bは、コア本体部32Aの外周上に等間隔に突出し、かつ、その突出部分が軸方向に延びている。本実施形態では、コア本体部32Aの外周面は、ロータ9の軸心C(回転軸線)を中心とした略円形形状に形成されている。各突極32Bのうちの、ロータコア32の円周方向に臨む側面は、平坦面によって構成されている。ロータコア32の円周方向で隣接する突極32B間には、永久磁石33が組付けられる。
【0040】
本実施形態では、永久磁石33は軸方向視で略円弧状に形成されている。ただし、永久磁石33の内周側はロータ9の軸心C(回転軸線)を中心とした略円弧形状(コア本体部32Aの外周面とほぼ合致する略円弧形状)に形成されているが、永久磁石33の外周側は、内周側よりも曲率半径の小さい円弧形状に形成されている。ロータコア32の各突極32Bは、ロータ9の軸心C(回転軸線)から径方向外側の端部までの距離が、ロータ9の軸心C(回転軸線)から永久磁石33の外周面の最大膨出部33c(
図7参照)までの距離とほぼ同じになるように形成されている。
【0041】
各永久磁石33の軸方向の長さは、
図4に示すように、ロータコア32の突極32Bの軸方向長さよりも長くなるように形成されている。本実施形態の場合、各永久磁石33は、ロータコア32に組付けられた状態において、突極32Bに対して軸方向の一端側と他端側にほぼ同長さだけ突出するように設定されている。
【0042】
永久磁石33の円弧方向の両端部には、
図7に示すように、突極32Bの平坦な側面と当接可能な当接面33aと、当接面33aの径方向外側の端部から突極32Bと離間する方向に傾斜して延びる傾斜面33bと、が設けられている。
【0043】
また、ロータコア32の内周面には、
図8に示すように、ロータ9の軸心C(回転軸線)を中心とした4つ円弧面72と、隣接する円弧面72の間から径方向外側に向かって延びる逃げ溝73が形成されている。各逃げ溝73は、径方向外側に向かって同長さ延び、延び方向の端部は、円弧状の係合部73aとされている。各逃げ溝73の係合部73aには、後述する荷重受けブロック70の係止爪74(コア規制部)が嵌入される。また、ロータコア32の内周の4つの円弧面には、モータ2の回転軸31が圧入固定される。
【0044】
マグネットカバー71は、円筒状の周壁71aと、周壁71aの軸方向の一端部と他端部からそれぞれ径方向内側に屈曲して延びる一対のフランジ部71b,71cと、を有している。周壁71aの内側には、ロータコア32及び永久磁石33が一対の荷重受けブロック70とともに配置される。一対のフランジ部71b,71cの少なくとも一方は、周壁71aの内側に、ロータコア32及び永久磁石33を一対の荷重受けブロック70とともに配置した状態で、かしめによって塑性変形させられる、かしめフランジとされている。以下では、一方のフランジ部71bは予め曲げ形成され、他方のフランジ部71cは、ロータコア32等の装填後にかしめによって形成されるものとして説明する。
【0045】
図9は、荷重受けブロック70の斜視図である。
図9(A)は、荷重受けブロック70を軸方向の一端側から見た図であり、
図9(B)は、荷重受けブロック70を軸方向の他端側から見た図である。
図4,
図5において、ロータコア32の上側と下側に配置される各荷重受けブロック70は同形状であり、両者は上下を反転させた状態でロータコア32に組付けられている。
荷重受けブロック70は、ロータコア32のコア本体部32Aの軸方向の端面に重ねて配置される環状部70Aと、環状部70Aの外周面から放射方向に突出して、ロータコア32の各突極32Bの軸方向の端面に重ねて配置される4つの脚部70Bと、を有している。4つの脚部70Bは、環状部70Aの外周上に等間隔に突出している。荷重受けブロック70は、例えば、硬質樹脂によって形成されている。荷重受けブロック70は、軸方向視でロータコア32とほぼ重なる形状に形成されている。
【0046】
各荷重受けブロック70は、ロータコア32の軸方向の端面に重ねて配置され、径方向外側領域の一部がロータコア32の端面とマグネットカバー71のフランジ部71b,71cとの間に配置される。本実施形態では、
図4中の下方側のフランジ部71cがかしめフランジとなり、フランジ部71cのかしめ作業時に、かしめ荷重がフランジ部71cを通して下方の荷重受けブロック70の脚部70Bによって受け止められる。
【0047】
荷重受けブロック70の各脚部70Bの軸方向の厚みは、ロータコア32の突極32Bからの永久磁石33の突出長さよりも厚くなるように設定されている。したがって、荷重受けブロック70のフランジ部71c(かしめフランジ)との当接部は、軸方向に関して、永久磁石33の軸方向の端部よりも外側位置に配置されている。また、本実施形態の場合、各脚部70Bは、径方向に関して、ロータコア32の対応する突極32Bの径方向の端部と等しい径方向位置まで延びている。
なお、脚部70Bは、必ずしも、ロータコア32の対応する突極32Bの径方向の端部と等しい径方向位置まで延びている必要はないが、少なくとも、突極32Bのうちの、永久磁石33との当接領域a1(当接面33aと接する領域)よりも径方向外側位置まで延びていることが望ましい。
【0048】
荷重受けブロック70の環状部70Aの内周縁部のうちの、各脚部70Bの延長上位置には、軸方向に略沿ってロータコア32側に向かって突出する係止爪74が一体に形成されている。係止爪74は、断面が略半円状に形成され、荷重受けブロック70がロータコア32の端面に組付けられたときに、ロータコア32の内周の逃げ溝73(係合部73a)に嵌合されるようになっている。荷重受けブロック70は、各係止爪74が対応する逃げ溝73(係合部73a)に嵌合されることにより、ロータコア32との径方向の相対変位を規制される。
【0049】
荷重受けブロック70の環状部70Aの外周縁部のうちの、各隣接する脚部70Bの略中間位置には、各永久磁石33の軸方向変位を規制する磁石規制片75(第1磁石規制部)が径方向外側に向かって突設されている。磁石規制片75は、環状部70Aの軸方向の厚みよりも薄く形成され、環状部70Aのうちの、軸方向外側に偏った位置から径方向外側に突出している。磁石規制片75には、ロータコア32の突極32B間に組付けられた永久磁石33の軸方向の端部が当接可能とされている。
【0050】
また、荷重受けブロック70の各脚部70Bの基部寄りの側面には、一対の圧入突起76(第2磁石規制部)が形成されている。各圧入突起76は、軸方向に沿って延び、かつ、ロータコア32に近接する側に向かって膨出高さが次第に低くなるように形成されている。
外周部に永久磁石33が配置されたロータコア32に対し、荷重受けブロック70が組付けられると、荷重受けブロック70の隣接する脚部70B間に各永久磁石33の端部が挿入配置される。このとき、永久磁石33の当接面33aは圧入突起76に当接する。これにより、永久磁石33の周方向の変位が規制される。
【0051】
さらに、荷重受けブロック70の各脚部70Bの基部寄りの軸方向の端面(係止爪74の突出する側と逆側の端面)には、略円柱状の磁石位置検知用突起77が軸方向に沿って形成されている。また、磁石位置検知用突起77は、フランジ部71cの内周部において、マグネットカバー71の外側に突出している。
本実施形態のロータ9は、マグネットカバー71内にロータコア32と永久磁石33と荷重受けブロック70が組付けられた後に、マグネットカバー71内の永久磁石33に対して着磁が行われる。磁石位置検知用突起77は、この着磁の際に、マグネットカバー71内の永久磁石33の位置を検出するために使用される。
【0052】
(ロータの組付け)
ロータ9の組付けに際しては、最初に、ロータコア32の外周部に永久磁石33を配置し、その状態でロータコア32の軸方向の各端面に荷重受けブロック70を仮組みし、その状態でそのアッセンブリをマグネットカバー71内に挿入する。このとき、マグネットカバー71の一方のフランジ部71bは予め屈曲させて形成されている。
次に、この状態からマグネットカバー71の軸方向の他方の端縁にかしめを行い、塑性変形によってフランジ部71c(かしめフランジ)を形成するとともに、フランジ部71cを荷重受けブロック70の各脚部70Bの端面に圧接させる。この結果、ロータコア32と永久磁石33は、荷重受けブロック70とともにマグネットカバー71の内部に固定される。
【0053】
以上のように、本実施形態のロータ9は、ロータコア32の軸方向の端面と、マグネットカバー71のフランジ部71c(かしめフランジ)と、の間に荷重受けブロック70が配置され、荷重受けブロック70がフランジ部71cとロータコア32とに当接する。このため、フランジ部71cがかしめられる際には、その際のかしめ荷重を荷重受けブロック70で受け止めることができる。この結果、マグネットカバー71内の永久磁石33に直接かしめ荷重が作用しなくなり、永久磁石33の損傷や劣化を未然に防止することが可能になる。
【0054】
また、本実施形態のロータ9は、永久磁石33の軸方向の端部がロータコア32の軸方向の端部よりも外側に突出し、荷重受けブロック70のうちのフランジ部71c(かしめフランジ)との当接部が、永久磁石33の端部よりも外側位置に配置されている。このため、本実施形態のロータ9では、永久磁石33の長さを充分に確保しつつも、かしめによる永久磁石33の損傷や劣化を荷重受けブロック70によって有利に防止することができる。
【0055】
特に、本実施形態のロータ9は、ロータコア32が、略円筒状のコア本体部32Aと、コア本体部32Aの外周面から放射方向に突出する複数の突極32Bと、を有し、複数の永久磁石33が、隣接する複数の突極32Bの間に配置されて突極32Bに当接している。そして、荷重受けブロック70は、コア本体部32Aの軸方向の端面に重ねて配置される環状部70Aと、環状部70Aの外周面から放射方向に突出し、各突極32Bの軸方向の端面に重ねて配置される複数の脚部70Bと、を有している。このため、軸方向の長さの長い永久磁石33の端部を、荷重受けブロック70の隣接する一対の脚部70Bと環状部70Aの外周面とに囲まれた空間部に配置することができる。したがって、本実施形態のロータ9では、永久磁石33の長さを充分に確保しつつも、永久磁石33の端部にかしめ荷重が入力されるのをより有利に抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態のロータ9は、荷重受けブロック70の脚部70Bが、ロータコア32の対応する突極32Bの径方向の端部と等しい径方向位置まで延びているため、かしめ荷重が永久磁石33の径方向外側の端部に入力されにくい。
ただし、荷重受けブロック70の脚部70Bは、ロータコア32の突極32Bのうちの、永久磁石33との当接領域よりも径方向外側位置まで延びていれば、永久磁石33のうちの、脚部70Bによる支持領域(脚部70Bの当接領域)の近傍にかしめ荷重が入力されるのを有利に防止することができる。
【0057】
また、本実施形態のロータ9では、ロータコア32と係合してロータコア32の周方向の変位を規制する係止爪74(コア規制部)が荷重受けブロック70に設けられている。このため、ロータコア32を荷重受けブロック70に対して周方向に正確に位置決めすることができる。
【0058】
特に、本実施形態のロータ9では、荷重受けブロック70に突設された係止爪74が、コア本体部32Aの内周の逃げ溝73(係合部73a)に係止される構成とされている。このため、かしめ作業時に、かしめ荷重が荷重受けブロック70の外周側から径方向内側に向かって作用することがあっても、係止爪74が逃げ溝73内で変位し、係止爪74に過大な応力が集中するのを抑制することができる。したがって、この構成を採用した場合には、かしめ荷重の入力に伴う係止爪74の破損を防止することができる。
【0059】
さらに、本実施形態のロータ9は、荷重受けブロック70の環状部70Aに、永久磁石33と軸方向で当接して、永久磁石33の軸方向の変位を規制する磁石規制片75(第1磁石規制部)が設けられている。このため、永久磁石33の軸方向の位置ずれを、環状部70Aの外周の磁石規制片75によって規制することができる。
【0060】
また、本実施形態のロータ9では、荷重受けブロック70の脚部70Bの側面に、永久磁石33の周方向の変位を規制する圧入突起76が設けられている。このため、永久磁石33の周方向の位置ずれを、脚部70Bの圧入突起76によって規制することができる。また、圧入突起76は、永久磁石33の端面(当接面33a)に圧接されることにより、永久磁石33の軸方向のガタツキも抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態のロータ9では、マグネットカバー71の外側に突出する磁石位置検知用突起77が荷重受けブロック70に突設されている。このため、マグネットカバー71内にロータコア32と永久磁石33と荷重受けブロック70を組付けた後に、磁石位置検知用突起77を利用して永久磁石33の位置を正確に検知することができる。したがって、本構成を採用した場合には、マグネットカバー71内の永久磁石33に対して正確に着磁を行うことができる。
【0062】
(第1実施形態の変形例1)
図10は、第1実施形態の変形例1の荷重受けブロック70の斜視図であり、
図11は、マグネットカバーを取り去ったロータ9の平面図である。
本変形例のロータ9は、基本的な構成は上記のものとほぼ同様であるが、荷重受けブロック70の形状が上記のものと一部異なっている。荷重受けブロック70は、環状部70Aと4つの脚部70Bを有し、環状部70Aの内周縁部のうちの、各脚部70Bの延長上位置に係止爪74が突設されている。環状部70Aの内周面のうちの各脚部70Bの延長上位置には、径方向内側に膨出する膨出部78が形成されている。膨出部78は、係止爪74の径方向の幅よりも広い幅に形成されている。係止爪74は、膨出部78に一部が跨るように環状部70Aの内周縁部に突設されている。膨出部78は、ロータコア32のコア本体部32Aの端面のうちの、逃げ溝73の縁部に軸方向で当接可能とされている。
【0063】
本変形例では、荷重受けブロック70の環状部70Aの内周面のうちの、係止爪74の付根部(近傍)が膨出部78によって補強される。このため、ロータコア32の内周面にモータの回転軸31が軸方向から圧入されるときに、ロータコア32に作用する大きな圧入荷重を膨出部78によって受け止めることができる。したがって、本変形例の構成を採用した場合には、ロータコア32に対する回転軸31の圧入時に、ロータコア32が軸方向に位置ずれするのを防止することができる。
【0064】
(第1実施形態の変形例2~4)
図12,
図13,
図14は、第1実施形態の変形例2~4の各ロータコア32を示す平面図である。
各変形例のロータコア32は、荷重受けブロック側の係止爪が係合される受容部の形状のみが異なり、他の部分の構成は上記のものと同様である。
図12に示す変形例2では、ロータコア32のコア本体部32Aに形成される受容部が半円形状の孔69によって構成されている。
図13に示す変形例3では、ロータコア32のコア本体部32Aに形成される受容部が逃げ溝73Aと、逃げ溝73Aの端部の三角形状の係合部73Aaによって構成されている。
図14に示す変形例4では、ロータコア32のコア本体部32Aに形成される受容部が逃げ溝73Bと、逃げ溝73Bの端部の四角形状の係合部73Baによって構成されている。
【0065】
(第2実施形態のロータの詳細構造)
図15は、第2実施形態のロータ109の斜視図であり、
図16は、ロータ109の
図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。また、
図17は、ロータ109の分解斜視図であり、
図18は、マグネットカバー71を取り去ったロータ109の斜視図である。
第2実施形態のロータ109は、ロータコア132の外周部に4つの永久磁石33が配置される点、ロータコア132の軸方向の両端部に一対の荷重受けブロック170が重ねて配置される点、荷重受けブロック170がロータコア132や永久磁石33とともに略円筒状のマグネットカバー71の内側に収容される点、マグネットカバー71の軸方向の両端部にフランジ部71b,71cが設けられ、一方のフランジ部71cが、かしめフランジを構成する点等の基本構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態のロータ109は、ロータコア132に対する荷重受けブロック170の係合部の構造が第1の実施形態のロータ9と大きく異なっている。
【0066】
ロータコア132は、略円筒状のコア本体部132Aと、コア本体部132Aの外周面から放射方向に突出する4つの突極132Bと、を有している。各突極132Bの径方向外側の端面には、軸方向に沿って延びる凹溝53が形成されている。また、コア本体部132Aの内周面は、逃げ溝等のない滑らかな周面形状に形成されている。
【0067】
また、荷重受けブロック170は、ロータコア132のコア本体部132Aの軸方向の端面に重ねて配置される環状部170Aと、環状部170Aの外周面から放射方向に突出して、ロータコア132の各突極132Bの軸方向の端面に重ねて配置される4つの脚部170Bと、を有している。環状部170Aの外周縁部のうちの、各隣接する脚部170Bの略中間位置には、第1実施形態と同様に、各永久磁石33の軸方向変位を規制する磁石規制片75(第1磁石規制部)が径方向外側に向かって突設されている。各脚部170Bの基部側の側面には、一対の圧入突起76(第2磁石規制部)が形成されている。また、各脚部170Bの基部寄りには、軸方向に沿ってマグネットカバー71の外側に突出する磁石位置検知用突起77が形成されている。
【0068】
図19は、マグネットカバーを取り去ったロータ9の一部の平面図であり、
図20は、ロータコア32の突極132Bを断面にして示したロータの一部の上視図である。
荷重受けブロック170は、各脚部170Bの径方向外側の端部に係止爪54が一体に形成されている。係止爪54は、脚部170Bの径方向外側の端部から軸方向に屈曲し、ロータコア132の対応する突極132Bの凹溝53に径方向外側から嵌合可能とされている。係止爪54は、突極132Bの凹溝53に嵌合されることにより、ロータコア32の周方向の変位を規制する。
【0069】
以上のように、本実施形態のロータ109は、ロータコア132に対する荷重受けブロック170の係合部の構造こそ第1実施形態と異なっているが、その他は第1実施形態と同様の基本構成とされている。このため、上述した第1実施形態とほぼ同様の基本的な効果を得ることができる。
【0070】
(第2実施形態の変形例1)
図21は、第2実施形態の変形例1のロータ109Aの
図16と同様の断面図である。
変形例1のロータ109Aでは、ロータコア132の外周に配置される永久磁石33は、軸方向の一端側だけがロータコア132の同側の端面に対して軸方向外側まで延びている。このため、荷重受けブロック170は、ロータコア132の軸方向の一端側にのみ配置されている。この場合も、マグネットカバー71のフランジ部71cをかしめる際には、その荷重を荷重受けブロック170によって受け止めることができる。したがって、この変形例1の場合も、永久磁石33の損傷や劣化を抑制することができる。
【0071】
(第2実施形態の変形例2)
図22は、第2実施形態の変形例2のマグネットカバー71Bの平面図であり、
図23は、第2変形例のロータ109Bの斜視図である。
本変形例は、マグネットカバー71Bに予め形成しておく側のフランジ部71bに、荷重受けブロック170の磁石位置検知用突起77に対応した貫通孔56が形成されている。貫通孔56には、マグネットカバー71B内に配置された荷重受けブロック170の磁石位置検知用突起77が嵌入されている。磁石位置検知用突起77は、貫通孔56を通してマグネットカバー71Bの外部に突出している。
【0072】
本変形例のロータ109Bでは、荷重受けブロック170の磁石位置検知用突起77がマグネットカバー71Bの貫通孔56に嵌合されるため、磁石位置検知用突起77を通して荷重受けブロック170をマグネットカバー71Bに対して位置決めすることができる。
【0073】
(第3実施形態のロータの詳細構造)
図24は、第3実施形態のロータ209の斜視図であり、
図25は、ロータ209の
図24のXXV-XXV線に沿う断面図である。また、
図26は、ロータ209の分解斜視図であり、
図27,
図28は、マグネットカバー71を取り去ったロータ209の斜視図と平面図である。
第3実施形態のロータ209は、ロータコア32の外周部に4つの永久磁石33が配置される点、ロータコア32の軸方向の両端部に一対の荷重受けブロック270が重ねて配置される点、荷重受けブロック270がロータコア32や永久磁石33とともに略円筒状のマグネットカバー71の内側に収容される点、マグネットカバー71の軸方向の両端部にフランジ部71b,71cが設けられている点等の基本構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態のロータ209は、ロータコア32の軸方向の両端部に重ねて配置される荷重受けブロック270の構造が第1の実施形態のロータ9と大きく異なっている。
【0074】
図29は、荷重受けブロック270の斜視図である。
図29(A)は、荷重受けブロック270を軸方向の一端側から見た図であり、
図29(B)は、荷重受けブロック270を軸方向の他端側から見た図である。
荷重受けブロック270は、環状部270Aと、環状部270Aの外周面から放射方向に突出する4つの脚部270Bと、環状部270A及び脚部270Bの軸方向外側に一体に連結されて、環状部270Aから径方向外側に張り出す孔開き円板状の端部壁270Cと、を有している。環状部270Aは、ロータコア32のコア本体部32Aの軸方向の端面に重ねて配置される。4つの脚部270Bは、ロータコア32の各突極32Bの軸方向の端面に重ねて配置される。端部壁270Cは、ロータコア32の軸心Cから脚部270Bの先端部までの長さとほぼ同寸法の半径の円板形状(孔開き円板形状)に形成されている。端部壁270Cは、円周方向で隣接する脚部270Bの間の空間を脚部270Bの軸方向外側位置で閉塞している。
【0075】
端部壁270C上の隣接する各脚部270Bの間の位置には、円形状の確認孔57が形成されている。確認孔57は、荷重受けブロック270が、永久磁石33を保持したロータコア32とともにマグネットカバー71内に組付けられたときに、各永久磁石33の位置をロータコア32の外部から目視確認し得るように各永久磁石33の軸方向の端面と対向する位置に形成されている。本実施形態の場合、確認孔57は、各永久磁石33と一対一で対応するように4つ設けられている。
【0076】
本実施形態のロータ209の場合、荷重受けブロック270の軸方向外側の端部が略円板状の端部壁270Cによって覆われている。このため、荷重受けブロック270が、永久磁石33を保持したロータコア32とともにマグネットカバー71に挿入され、その状態でマグネットカバー71の端部(フランジ部71b,71c)がかしめられると、マグネットカバー71の端部は、端部壁270Cの外周の全域を覆うように当該端部壁270Cにかしめ固定される。
【0077】
ここで、荷重受けブロック270の端部壁270Cは、マグネットカバー71の端部がかしめられたときに、端部壁270Cの外周全域に均一にかしめ荷重が作用するように軸方向外側の面が平坦に形成されている(
図29(A)参照)。これに対し、端部壁270Cの軸方向内側の面には、
図29(B)に示すように放射方向に延びる複数の補強リブ58が突設されている。本実施形態の場合、補強リブ58は、端部壁270Cの軸方向内側の面の周方向で隣接する各脚部270Bの間に二つずつ配置されている。
【0078】
補強リブ58は、荷重受けブロック270を樹脂によって型成形したときに、端部壁270Cの周域に凹みや波うち等の変形が生じるのを抑制する。さらに、補強リブ58は、マグネットカバー71の端部のかしめ時に、かしめ荷重によって荷重受けブロック270の端部壁270Cの外周縁部が変形するのを抑制する。つまり、補強リブ58は、端部壁270Cの外周縁部の剛性を高める。また、補強リブ58は、荷重受けブロック270が、永久磁石33を保持したロータコア32とともにマグネットカバー71内に組付けられたときに、永久磁石33の軸方向の端面に対峙する。補強リブ58は、永久磁石33に軸方向に過大な荷重が作用したときに、永久磁石33の端面に当接することにより、永久磁石33の軸方向の変位を規制する。
なお、補強リブ58は、永久磁石33の端面に常時当接するようにしても良い。この場合、補強リブ58は、永久磁石33の軸方向変位を規制する第1磁石規制部を構成する。
【0079】
また、荷重受けブロック270の環状部270Aには、端部壁270Cからの突出高さの低い凹部59が複数個所に形成されている。各凹部59は、環状部270Aのうちの、円周方向で隣り合う各脚部270Bの基端部間に配置されている。
【0080】
ここで、荷重受けブロック270は、マグネットカバー71内に組付けられたときに、
図29(B)にドットを入れて示した部分(環状部270Aの軸方向内側の端面のうちの凹部59を除く領域と、各脚部270Bの軸方向内側の端面)が、ロータコア32のコア本体部32Aと突極32Bの軸方向の端面に当接する。
【0081】
本実施形態では、荷重受けブロック270の軸方向内側に突出する領域が、凹部59を挟んで周方向で4つのブロックに分離されている。このため、各ブロックの端面をロータコア32の軸方向の端面に正確に当接させるための成形型の調整を容易に行うことができる。
【0082】
図30は、
図25に示すロータ209のXXX部の拡大断面図である。
同図に示すように、荷重受けブロック270の端部壁270Cのうちの軸方向外側の端部には、外径が他の部位(以下、「一般部270Ca」と呼ぶ)よりも若干小さい小径部270Cbが形成されている。一般部270Caと小径部270Cbの間は、一般部270Caから小径部270Cbに向かって先細り状に傾斜した傾斜面270Ccによって接続されている。一般部270Caと傾斜面270Ccの間は、鈍角をなす角部64aによって構成されている。なお、一般部270Caと傾斜面270Ccの間は、円弧状の曲面部によって構成しても良い。また、小径部270Cbの軸方向外側の端部(端部壁270Cの軸方向外側の端部)は、円弧状の曲面部64bによって構成されている。
【0083】
端部壁270Cの外周の上記の角部64aと曲面部64bとは、マグネットカバー71の軸方向の端部(フランジ部71b)を荷重受けブロック270に対してかしめる際に、二つのかしめ起点となる。つまり、角部64aは、マグネットカバー71の軸方向の端部にかしめ荷重が加えられたときに、最初のかしめ起点(第1のかしめ起点)となり、曲面部64bは、マグネットカバー71の軸方向の端部にかしめ荷重が加えられたときに、次のかしめ起点(第2のかしめ起点)となる。
【0084】
したがって、本実施形態のこの構成を採用した場合には、マグネットカバー71の軸方向の端部のかしめ時に、マグネットカバー71から荷重受けブロック270に作用する応力を緩和し、荷重受けブロック270の劣化や損傷を防ぐことができる。
【0085】
また、本実施形態のロータ209は、荷重受けブロック270に端部壁270Cが設けられ、その端部壁270Cが各永久磁石33の軸方向外側を覆う構成とされている。このため、マグネットカバー71の端部のかしめ時や、ロータ209と他のモータ部品との組付け時等に、永久磁石33に不要な外力が作用して永久磁石33に損傷が生じるのを未然に防止することができる。
【0086】
(第3実施形態の変形例1)
図31は、変形例1のロータの
図25のXXXI部に対応する拡大断面図である。
上記の実施形態では、荷重受けブロック270の端部壁270Cのうちの軸方向外側の端部に小径部270Cbを形成し、一般部270Caと小径部270Cbの間に傾斜面270Ccを設けるとともに、一般部270Caと傾斜面270Ccの間に鈍角状の角部64aを設けている。これにより、端部壁270Cに第1のかしめ起点と第2のかしめ起点を設けている。これに対し、本変形例の荷重受けブロック270は、端部壁270Cの外周に、一般部270Caと端部壁270Cの軸方向の外側の端面を接続する傾斜面270Cdが形成されている。傾斜面270Cdの一般部270Caの側には緩やかな鈍角をなす角部64cが形成され、傾斜面270Cdの軸方向外側の端部には曲面部64dが形成されている。
【0087】
この変形例の場合、角部64cが第1のかしめ起点を構成し、曲面部64dが第2のかしめ起点を構成している。この変形例では、第1のかしめ起点である角部64cの角度がより緩やかになるため、マグネットカバー71のかしめ作業をより容易に行うことができる。
【0088】
(第3実施形態の変形例2-3)
図32は、変形例2の荷重受けブロック270aの斜視図であり、
図33は、変形例3の荷重受けブロック270bの斜視図である。
上記の実施形態では、荷重受けブロック270の端部壁270Cのうちの周方向で隣接する各脚部270Bの間に、放射方向に延びる二つの補強リブ58が突設されているが、端部壁270Cのうちの周方向で隣接する各脚部270Bの間には、
図32に示すように、補強リブ58を一つのみ放射状に突設しても良い。また、補強リブ58は、
図43に示すように、端部壁270Cのうちの周方向で隣接する各脚部270Bの間に、三つ以上のものを放射状に突設しても良い。
【0089】
(第3実施形態の変形例4)
図34は、変形例4の荷重受けブロック270cの斜視図である。
変形例4の荷重受けブロック270cは、端部壁270Cのうちの周方向で隣接する各脚部270Bの間に、放射方向に延びる補強リブ58の他に端部壁270Cの円周方向に沿って延びる周方向リブ65が突設されている。補強リブ58や周方向リブ65の数は任意に設定することができる。
【0090】
この変形例4の場合、端部壁270Cに、放射方向に延びる補強リブ58と周方向リブ65が突設されているため、端部壁270Cの周域に凹みや波うち等の変形が生じるのをより確実に抑制することができるうえ、端部壁270Cの外周縁部の剛性もより高めることができる。
【0091】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
2…モータ
8…ステータ
9,109,109A,109B,209…ロータ
31…回転軸
32,132…ロータコア
32A,132A…コア本体部
32B,132B…突極
33…永久磁石
70,170,270,270a,270b,270c…荷重受けブロック
70A,170A…環状部
70B,170B…脚部
71,71B…マグネットカバー
71c…フランジ部
73a,73Aa,73Ba…係合部
74…係止爪(コア規制部)
75…磁石規制片(第1磁石規制部)
76…圧入突起(第2磁石規制部)
77…磁石位置検知用突起
78…膨出部