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特許7194753熱源システムの管理装置、熱源システムの管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】熱源システムの管理装置、熱源システムの管理方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20221215BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20221215BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20221215BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/52
F24F11/84
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020559913
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2019045719
(87)【国際公開番号】W WO2020116190
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2018226468
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 徳臣
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-170065(JP,A)
【文献】特開2010-025466(JP,A)
【文献】特開2011-002112(JP,A)
【文献】特開2014-009824(JP,A)
【文献】特開2014-115010(JP,A)
【文献】実開平05-010936(JP,U)
【文献】国際公開第2015/194020(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配水管で接続された複数の熱源機器の少なくともいずれかを用いて構成される複数系統の熱源システムの管理装置であって、
予め設定された、前記複数系統の熱源システムの構成に関する複数のシステム構成パターン情報、および、前記熱源システムの系統ごとの複数の運転パターン情報を記憶する設定情報記憶部と、
前記設定情報記憶部に記憶された複数のシステム構成パターン情報のいずれかが指定されると、前記複数系統の熱源システムを当該システム構成パターン情報で示される構成にするための制御情報を生成し、前記熱源システムの系統ごとに、該当する複数の運転パターン情報のいずれかが指定されると、各系統の熱源システム内の機器を該当する運転パターン情報に従って運転させるための制御情報を生成する制御情報生成部とを備え
前記複数の運転パターン情報は、前記複数の熱源機器に関する運転モード、設定温度、およびデマンド制御レベルの組み合わせごとに設定されることを特徴とする熱源システムの管理装置。
【請求項2】
前記複数系統の熱源システムの構成は、前記配水管内に設置された複数の切替バルブの開閉状態を切り替えることで変更されることを特徴とする請求項1に記載の熱源システムの管理装置。
【請求項3】
前記設定情報記憶部に記憶される前記複数のシステム構成パターン情報にはそれぞれ、該当する構成で前記複数の熱源システムが稼働するときに管理対象の負荷機器により提供される機能を示す名称情報が付加され、前記複数の運転パターン情報にはそれぞれ、該当する運転パターンで該当する負荷機器が稼働するときに当該負荷機器により提供される機能を示す名称情報が付加されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱源システムの管理装置。
【請求項4】
前記設定情報記憶部は、前記システム構成パターン情報および前記運転パターン情報の適用スケジュールが設定されたスケジュール情報を記憶し、
前記制御情報生成部は、前記設定情報記憶部に記憶された適用スケジュールに従って、前記複数系統の熱源システムを該当するシステム構成パターンで示される構成にするための制御情報および各系統の熱源システム内の機器を該当する運転パターン情報に従って運転させるための制御情報を生成することを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の熱源システムの管理装置。
【請求項5】
前記設定情報記憶部に記憶されたシステム構成パターン情報、運転パターン情報、および現在日時から所定期間先までの適用スケジュール情報は、ユーザの操作により変更可能に設定されることを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の熱源システムの管理装置。
【請求項6】
配水管で接続された複数の熱源機器の少なくともいずれかを用いて構成される複数系統の熱源システムの管理装置が、
予め設定された、前記複数系統の熱源システムの構成に関する複数のシステム構成パターン情報、および、前記熱源システムの系統ごとに設定された、前記複数の熱源機器に関する運転モード、設定温度、およびデマンド制御レベルの組み合わせごとの複数の運転パターン情報を記憶し、
記憶された複数のシステム構成パターン情報のいずれかが指定されると、前記複数系統の熱源システムを当該システム構成パターン情報で示される構成にするための制御情報を生成し、前記熱源システムの系統ごとに、該当する複数の運転パターン情報のいずれかが指定されると、各系統の熱源システム内の機器を該当する運転パターン情報に従って運転させるための制御情報を生成する
ことを特徴とする熱源システムの管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、熱源システムの管理装置、熱源システムの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や倉庫などの規模の大きい施設には、建屋ごとまたは設備ごとに構築された複数の系統の熱源システムが備えられ、各熱源システムから該当する系統内の空調機器等の負荷機器に温冷水が供給される。これらの各系統の熱源システム内には、温冷水を生成する多数の熱源機器が、配水管で接続されて設置されている。
【0003】
このような施設において、各系統の熱源システムで必要とする熱エネルギーは、季節等により大きく異なる。例えば、冷却専用系統の熱源システムでは夏場に多くの熱エネルギーを必要とし、加熱専用系統の熱源システムでは、冬場に多くの熱エネルギーを必要とする。そのため、当該施設内で、需要に応じて各系統に所属させる熱源機器の台数を適宜変更してシステムの機器構成を変更することで、効率よく必要な温冷水を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-83058号公報
【発明の概要】
【0005】
上述したような規模の大きい施設では、設置される熱源機器の数が膨大であり、施設内の各系統に所属させる熱源機器を変更するには操作が煩雑になる。そのため、どの熱源機器をどの系統の熱源システムに所属させるかを予め設定したシステム構成パターンを複数(例えば8個)用意しておき、季節ごと等で管理者が適用するシステム構成パターンを変更することが行われている。
【0006】
このように処理することにより、管理者は簡易な操作で施設内の各系統の熱源システムを季節に適した構成に変更することができるが、運転モードや設定温度、デマンド制御のON/OFF、熱源種別ごとの運転優先順位など、具体的な運転制御内容に関してはやはり管理者が手動で変更する必要があり、処理が煩雑であるとともに設定間違いが発生する可能性が高くなるという問題があった。
【0007】
発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数系統の熱源システムを備えた施設内で、各熱源システムの構成および運転制御内容を、簡易な操作で変更可能な熱源システムの管理装置、熱源システムの管理方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、実施形態に係る空調機の熱源システムの管理装置は、配水管で接続された複数の熱源機器の少なくともいずれかを用いて構成され、制御情報生成部を備える。制御情報生成部は、予め設定された複数のシステム構成パターン情報のいずれかが指定されると、複数系統の熱源システムを該当する構成にするための制御情報を生成する。また、熱源システムの系統ごとに、予め設定された複数の運転パターン情報のいずれかが指定されると、各系統の熱源システム内の機器を該当する運転パターン情報に従って運転させるための制御情報を生成する。複数の運転パターン情報は、複数の熱源機器に関する運転モード、設定温度、およびデマンド制御レベルの組み合わせごとに設定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1および第2実施形態に係る管理装置を用いた施設管理システムの構成を示す全体図である。
図2図2は、本発明の第1および第2実施形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
図3図3(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る管理装置に記憶されるシステム構成パターン情報の一例である。
図4図4(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る管理装置に記憶される運転パターン情報の一例である。
図5図5は、本発明の第1および第2実施形態に係る管理装置を用いた施設管理システムの変更後の構成を示す全体図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る管理装置で表示されたマスタースケジュール情報内の所定月のカレンダー情報の一例を示す画面構成図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る管理装置で表示されたマスタースケジュール情報内の所定日の詳細スケジュール情報の一例を示す画面構成図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る管理装置で表示されたマスタースケジュール情報をそのシステムの管理画面内に表示させたときの一例を示す画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《第1実施形態》
本実施形態による熱源システムを用いた施設管理システム1Aの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態による施設管理システム1Aは、管理対象の負荷機器ごとに設けられた複数の系統システムと、これらの各系統システムに接続された設備管理装置200とを備える。本実施形態においては、施設管理システム1A内には、第1系統システム10と第2系統システム20との2つの系統システムが設けられている。第1系統システム10は負荷機器である冷却機器21を有する冷却専用のシステムであり、第2系統システム20は負荷機器である加熱機器22を有する加熱専用のシステムである。
【0011】
施設管理システム1A内には、中継器としてのモジュールコントローラ(MC)が2台(第1MC11Aおよび第2MC12A)設置され、各MCの配下にそれぞれ16台の熱源機器が接続されて熱源システムが構築されている。具体的には、第1MC11Aには熱源機器11-1~11-16が接続され、第2MC12Aには熱源機器12-1~12-16が接続されている。第1MC11Aおよび第2MC12Aはそれぞれ、設備管理装置200に接続されている。なお、MCの数は2台に限られず、施設の規模等に応じて設定される。同様に、熱源機器も16台に限られず、施設の規模等に応じて設定される。
【0012】
また、施設管理システム1A内には、各熱源機器11-1~11-16・・・12-1~12-16で生成された温冷水を冷却機器21または加熱機器22に送水する配水管である往水配管31と、冷却機器21または加熱機器22で熱交換された水を熱源機器11-1~11-16・・・12-1~12-16に戻す配水管である還水配管32とが設置されている。各熱源機器11-1~11-16・・・12-1~12-16は、熱交換により所定温度の温冷水を生成して該当する冷却機器21または加熱機器22に供給し、負荷機器からの還水を還水配管32から取り込んで再び所定温度の水を生成する。
【0013】
また、第1MC11Aに接続された熱源機器11-1~11-16のグループと、第2MC12Aに接続された熱源機器12-1~12-16のグループとの間の往水配管31内には第1切替バルブ41が設置され、同位置の還水配管32内には第2切替バルブ42が設置されている。また、第1MC11Aに接続された熱源機器11-1~11-16の中で、第2MC12Aに接続された熱源機器12-1~12-16のグループに隣接する11個の熱源機器11-6~11-16と、隣接しない5個の熱源機器11-1~11-5との間の往水配管31内には第3切替バルブ43が設置され、同位置の還水配管32内には第4切替バルブ44が設置されている。第1系統システム10および第2系統システム20の熱源システムはそれぞれ、配水管で接続された複数の熱源機器11-1~11-16および12-1~12-16の少なくともいずれかが、切替バルブ41~44の開閉状態に基づいて接続されている。
【0014】
設備管理装置200は、図2に示すように、設定情報記憶部201と、入力部202と、表示情報生成部203と、表示部204と、制御情報生成部205と、通信部206とを有する。
【0015】
設定情報記憶部201は、予め設定された、施設管理システム1A内のシステム構成に関する複数のシステム構成パターン情報、および、施設管理システム1A内の系統ごとに予め設定された、複数の運転パターン情報を記憶する。入力部202は、施設管理システム1Aの管理者による操作情報を入力する。表示情報生成部203は、入力部202から入力された指示に従って、設定情報記憶部201に記憶された情報を用いた表示情報を生成する。表示部204は、表示情報生成部203で生成された表示情報を表示する。
【0016】
制御情報生成部205は、設定情報記憶部201に記憶された情報、および入力部202から入力された情報に基づいて、管理者により指定されたシステム構成パターン情報で示される構成になるように、システム1A内の切替バルブ41~44の開閉を切り替えるための制御情報を生成する。また、制御情報生成部205は、管理者により系統システムごとに指定された運転パターン情報に従って、各系統システム内の機器を動作させるための制御情報を生成する。通信部206は、制御情報生成部205で生成された制御情報を、該当する機器に送信する。
【0017】
なお、本実施形態では設備管理装置200で制御信号を生成し該当する機器に制御信号を送信しているが、これに限らず別の制御装置から制御信号を送信し、設備管理装置200は切替バルブ41~44の切替状態を受信し、その情報を記憶する態様としてもよい。
【0018】
本実施形態において、設備管理装置200の設定情報記憶部201には、予め設定された、施設管理システム1A内のシステム構成に関する8個のシステム構成パターン情報(第1システム構成パターン情報~第8システム構成パターン情報)が記憶されている。
【0019】
例えば、第1システム構成パターン情報として、図3(a)に示すように、第1MC11Aに接続された熱源機器11-1~11-16が第1系統に所属し、第2MC12Aに接続された熱源機器12-1~12-16が第2系統に所属する情報が記憶されている。また、第2システム構成パターンとして、図3(b)に示すように、第1MC11Aに接続された熱源機器内の熱源機器11-1~11-5が第1系統に所属し、熱源機器11-6~11-16および第2MC12Aに接続された熱源機器12-1~12-16が第2系統に所属する情報が記憶されている。
【0020】
これらのシステム構成パターン情報にはそれぞれ、当該構成で当該熱源システムが稼働するときに、管理対象の負荷機器(冷却機器21および加熱機器22)に提供される機能を示す名称情報が付加されている。この名称情報としては例えば、「冷却優先」、「加熱優先」、「冷却加熱同時取り出し」等がある。
【0021】
また、設定情報記憶部201には、予め、施設管理システム1A内の第1系統システム10および第2系統システム20それぞれについて予め設定された、運転制御内容を示す複数の運転パターン情報が記憶されている。
【0022】
例えば、第1系統システム10の運転パターン情報として、図4(a)に示すように、第1-1運転パターン情報[運転モード「冷却」、設定温度「7.0℃」、デマンド制御レベル「0」]、第1-2運転パターン情報[運転モード「冷却」、設定温度「7.0℃」、デマンド制御レベル「1」]、第1-3運転パターン情報[運転モード「冷却」、設定温度「8.0℃」、デマンド制御レベル「2」]、第1-4運転パターン情報[運転モード「加熱」、設定温度「45.0℃」、デマンド制御レベル「0」]、第1-5運転パターン情報[運転モード「加熱」、設定温度「45.0℃」、デマンド制御レベル「1」]、第1-6運転パターン情報[運転モード「停止」、設定温度「7.0℃」、デマンド制御レベル「0」]、第1-7運転パターン情報[運転モード「停止」、設定温度「7.0℃」、デマンド制御レベル「0」]、第1-8運転パターン情報[運転モード「停止」、設定温度「7.0℃」、デマンド制御レベル「0」]が記憶されている。また、第2系統システム20の運転パターン情報として、図4(b)に示すように、第2-1運転パターン情報・・・第2-8運転パターン情報が記憶されている。
【0023】
これらの運転パターン情報にはそれぞれ、該当する運転パターンで該当する負荷機器が稼働するときに当該負荷機器により提供される機能を示す名称情報が付加されている。この名称情報としては例えば、「冷却」、「加熱」、「省エネ」、「ガス機優先」等がある。
【0024】
これらの情報が記憶された状態で、管理者の操作により、施設管理システム1A内のシステム構成および各系統システム内の機器の運転制御内容が変更されるときに実行される処理について説明する。初期状態では、施設管理システム1A内が第1システム構成パターン情報に基づいて構成されており、第1系統システム10内の機器が第1-1運転パターン情報に基づいて制御され、第2系統システム20内の機器が第2-1運転パターン情報に基づいて制御されている。第1システム構成パターン情報に基づいて構成されたシステム構成では、第1切替バルブ41および第2切替バルブ42が閉状態にされ、第3切替バルブ43および第4切替バルブ44が開状態にされることで、第1系統システム10および第2系統システム20にはそれぞれ16台ずつの熱源機器が所属している。このとき、表示情報生成部203では、現在システム1A内が、第1システム構成パターン情報に従って構成され、第1系統システム10内の機器が第1-1運転パターン情報に基づいて制御され、第2系統システム20内の機器が第2-1運転パターン情報に基づいて制御されていることを示す表示情報が生成され、表示部204に表示されている。このとき、第1システム構成パターン情報、第1-1運転パターン情報、および第2-1運転パターン情報の名称情報も併せて表示される。
【0025】
そして、設備管理装置200において、管理者により名称情報が参照されて施設管理システム1A内のシステム構成を第2システム構成パターン情報に基づくシステム構成に変更するための操作が行われると、入力部202からその操作情報が入力される。
【0026】
操作情報が入力されると、制御情報生成部205により、第1切替バルブ41および第2切替バルブ42を開状態にし、第3切替バルブ43および第4切替バルブ44を閉状態にするための制御情報が生成され、通信部206から各切替バルブ41~44に送信される。各切替バルブ41~44では、送信された制御情報に従って開閉状態が切り替えられる。
【0027】
このように切替バルブ41~44の開閉が切り替えられると、図5に示すように、第1系統システム10に所属する熱源機器が、熱源機器11-1~11-5の5台になるように変更され、第2系統システム20に所属する熱源機器が、熱源機器11-6~11-16および熱源機器12-1~12-16の27台になるように変更される。
【0028】
また、管理者により、施設管理システム1A内の第1系統システム10内の機器の動作を、第1-1運転パターン情報に基づく制御から第1-2運転パターン情報に基づく制御に変更し、第2系統システム20内の機器の動作を、第2-1運転パターン情報に基づく制御から第2-2運転パターン情報に基づく制御に変更するための操作が行われると、入力部202からこれらの操作情報が入力される。
【0029】
操作情報が入力されると、制御情報生成部205により、第1系統システム10内の機器を第1-2運転パターン情報に基づいて動作させるための制御情報が生成され、通信部206から該当する熱源機器に送信される。また、第2系統システム20内の機器を第2-2運転パターン情報に基づいて動作させるための制御情報が生成され、通信部206から該当する熱源機器に送信される。各熱源機器では、送信された制御情報に従って運転が実行される。
【0030】
以上の第1実施形態によれば、多数の熱源機器を有する複数系統の熱源システムを備えた施設内で、各熱源システムの構成および各熱源機器の運転制御内容を、管理人が簡易な操作で変更することができる。例えば、上述した第1実施形態では、変更の際に、8つのシステム構成パターンそれぞれに対し、各系統の運転制御内容を8つの運転パターンの中から選択することができ、様々な需要状態に対応して設定状態を簡易に変更することができる。
【0031】
本実施形態においてシステム1A内に構築された系統システムは2つであるが、さらに多数の系統システム(例えば3~16系統)を構築してもよい。その場合は、構築されたすべての系統に関し、それぞれ所定数(例えば8個)の運転パターン情報が予め記憶される。このような多数の系統システムが構築された施設管理システムに適用することで、さらに複雑な運転制御内容の操作を簡略化させることができる。
【0032】
《第2実施形態》
上述した第1実施形態では、施設管理システム1A内のシステム構成と運転制御内容が、管理人が指定したパターンに従って切り替えられる場合を示したが、第2実施形態では、予め設定されたスケジュール情報に従ってこれらが切り替えられる場合について説明する。
【0033】
第2実施形態による施設管理システム1Bの構成は、第1実施形態で説明した施設管理システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施形態において設備管理装置200の設定情報記憶部201には、1日の中における、システム構成および運転制御内容の適用スケジュールの適用パターンを示す複数のスケジュール情報が記憶されている。また、適用するスケジュール情報を日ごとに示したマスタースケジュール情報をさらに記憶する。制御情報生成部205は、設定情報記憶部201に記憶されたマスタースケジュール情報に従って、各系統内の機器を動作させるための制御情報を生成する。
【0035】
本実施形態において、設備管理装置200の設定情報記憶部201には、1日の中でのシステム構成および運転制御内容の適用スケジュールのパターンを示す複数のスケジュール情報が記憶されている。例えば、第1週間スケジュール情報(W1)として、システム構成は終日第1システム構成パターンを適用し、運転制御内容は、8時~20時までは第1系統は第1-2運転パターン情報、第2系統は第2-2運転パターン情報を適用し、それ以外の時間帯は、第1系統は第1-1運転パターン情報、第2系統は第2-1運転パターン情報を適用する情報が予め設定されて記憶されている。このようにして、第2週間スケジュール情報(W2)、第3週間スケジュール情報(W3)・・・、第1特異日スケジュール情報(S1)、第2特異日スケジュール情報(S2)が予め設定され、記憶されている。
【0036】
そして、管理者の操作により、マスタースケジュール情報の生成処理を開始する操作が行われると、表示情報生成部203により月間カレンダーの表示情報が生成され、表示部204に表示される。管理者は、表示された月間カレンダー情報上で、どの日にどのスケジュール情報を適用するかを指定する操作を行う。同様にして、各月のカレンダー情報上でスケジュール情報を日ごとに指定する操作を行うことで、施設管理システム1Bのマスタースケジュール情報が生成される。生成されたマスタースケジュール情報の一例を、図6に示す。
【0037】
図6は、マスタースケジュール情報の中の所定月のカレンダー情報を示しており、当該月の1日~19日には第1週間スケジュール情報(W1)を適用し、20日には第2特異日スケジュール情報(S2)を適用し、21日~31日には第2週間スケジュール情報(W2)を適用する情報が入力されたことが示されている。スケジュール情報の指定操作は、日ごとに行ってもよいし、一週間ごと、曜日ごと、または月ごとに一括して行ってもよい。
【0038】
生成されたマスタースケジュール情報は、現在日時から先の所定期間、例えば1週間分に関しては、管理者により手動で変更可能となるように設定されている。このように設定されることにより、マスタースケジュール情報の生成時以降に予定が入ったイベント等により空調システムの稼働時間を変更したい場合等に対応することができる。
【0039】
例えば、図6のカレンダー情報の中から、マスタースケジュール情報を変更したい日付「9月21日」を指定することで、図7に示すような当該日の詳細スケジュール情報140が表示される。詳細スケジュール情報140は、最上段に帯状の日付表示部を有し、その下段に選択された日付と当該日の時間軸とを表示する日時表示部を備えている。さらにその下段には、日時表示部の時間軸に対応して、システム構成パターンの時間帯ごとの設定状態を示したシステム構成パターン表示部141、運転パターンの時間帯ごとの設定状態を示した運転パターン表示部142、時間帯ごとの温度設定状態を示した設定温度表示部143、およびデマンドレベルの時間帯ごとの設定状態を示したデマンドレベル表示部144が上下に順次並べて表示されており、時間軸に沿って推移する各項目の設定状態が1画面にて視認できるように表示されている。このように表示された当該詳細スケジュール情報140内の設定変更したい項目を選択して、設定内容の更操作を行うことができる。
【0040】
このようにして生成されたマスタースケジュール情報が設定情報記憶部201に記憶されると、制御情報生成部205により、当該マスタースケジュール情報に基づいて施設管理システム1B内の各機器を動作させるための制御情報が生成される。具体的には、切替バルブ41~44の開閉状態を切り替えるための制御情報、および各系統システムの熱源システム内の機器を該当する運転パターン情報に従って運転させるための制御情報が生成される。生成された制御情報は、通信部206を介して該当する機器に送信される。各機器では、設備管理装置200から送信された制御情報に従って、動作が実行される。
【0041】
また、図8に示すように、管理者の操作により表示される、施設管理システム1B内の熱源機器やMCに関する機器状態表示エリア105を有する管理画面100内の下部に、詳細スケジュール情報の一部を示す簡易スケジュール表示エリア150を表示させるようにしてもよい。機器状態表示エリア105には、タブで指定された系統システム内に構築された配水管の構成の概略図が表示されて水の流れる方向が矢印で示されるとともに、配水管に接続された熱源機器グループごとの情報が、概略図の該当する位置に表示される。簡易スケジュール表示エリア150には、システム構成パターン表示部151と、その下方に配置された運転パターン表示部152とが表示される。
【0042】
また、簡易スケジュール表示エリア150の右方には、詳細スケジュール表示画面を開くためのスケジュールボタン170、過去のトレンドを表示する画面を開くためのトレンドボタン171、過去の消費電力量表示画面を開くための電力量ボタン172等のその他画面を開くためのアイコンが表示されている。これにより、管理画面100の状態で不足している情報を表示するためのその他の画面へのアクセスを容易にしている。
【0043】
以上の第2実施形態によれば、多数の熱源機器を有する複数系統の熱源システムを備えた施設内で、各熱源システムの機器構成および各熱源機器の運転制御内容を、予め日ごとに設定したパターンに自動で切り替えて運転させることができる。
【0044】
上記のように、本実施形態による施設管理システムの設備管理装置は、運転パターンとシステム構成パターンとを分けて設定し、さらにそれらを同一時間軸上に並べて表示させるため、高い視認性と操作性を有する。これにより柔軟な設定操作とシステム構成、運転状況の確認と設定操作を容易に行うことができる。
【0045】
すなわち、従来は様々な運転パターンにシステム構成を考慮した様々な状態を個々の場合に分けて設定していたが、本実施形態で示したようにシステム構成パターンと運転パターンを表示しそれぞれを設定可能とすることで、これらのパターンの組み合わせにより、設定項目を簡易的に視認性よく表示しつつ、複雑な設定操作を簡易的に行うことができる。また、必要に応じて個々の設定項目へのアクセスも直観的に行うことができ、システムの状態確認および設定操作を容易に行うことができる。
【0046】
また、システム構成パターン情報について、上記の実施形態では配管バルブの切替によって、システム構成を変更しているが、この他にも、動作する熱源機器のグルーピングを行うことでシステム構成パターンを変更するようにしてもよい。
【0047】
例えば、第1系統システムの11-1~11-5の内、運転する機器を3台とし残り2台をバックアップ機器とする等の設定を機器構成パターンとして登録してもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8