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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】スライドレールキット
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/43 20170101AFI20221215BHJP
【FI】
A47B88/43
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021072803
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022053472
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】109133460
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-078540(JP,A)
【文献】特開2018-050023(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0363108(US,A1)
【文献】特開2017-124155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに適用可能なスライドレールキットであって、前記ラックは、少なくとも1つの取り付け構造を含み、前記少なくとも1つの取り付け構造は、第1の所定の部分及び第2の所定の部分を有し、当該スライドレールキットは、
レール部材;及び
前記レール部材上に配置された支持ブラケットであって、前記支持ブラケットは、第1の取り付け機能及び第2の取り付け機能を含み、前記第1の取り付け機能は前記ラックの前記第1の所定の部分に取り付けられるように構成されている、支持ブラケット;
を含み、
前記第2の取り付け機能は、弾性部材及び取り付け部材を含み、前記取り付け部材は前記弾性部材上に配置され、且つ前記取り付け部材は、前記弾性部材の弾性力に応答して、前記ラックの前記第2の所定の部分に取り付けられるように構成され、
前記ラックの前記少なくとも1つの取り付け構造は、複数の穴を含み、各穴は、複数の壁によって規定され、前記複数の壁は、少なくとも前壁及び後壁を含み、前記前壁は前記第1の所定の部分であり、前記後壁は前記第2の所定の部分であり、前記複数の穴は、少なくとも第1の穴及び第2の穴を含み、前記レール部材は、前記支持ブラケットの前記第1の取り付け機能を介して前記第1の穴の前記前壁と係合することができ、且つ前記レール部材は、前記支持ブラケットの前記第2の取り付け機能を介して前記第2の穴の前記後壁と係合することができる、スライドレールキット。
【請求項2】
前記支持ブラケットの前記第1の取り付け機能は、第1のセクション及び第2のセクションを有し、前記第2のセクションは前記第1のセクションに対して曲がっており、前記第1のセクションは、前記第1の穴の前記前壁と係合するように構成されており、前記複数の壁は、前記第1のセクションの上下にそれぞれ配置された上壁及び下壁をさらに含む、請求項1のスライドレールキット。
【請求項3】
前記ラックは接続機能を有し、前記支持ブラケットはさらに接続構造を有し、且つ前記接続構造は、前記ラックの前記接続機能にロックされるための締結部材を提供するように構成される、請求項1に記載のスライドレールキット。
【請求項4】
前記支持ブラケットは、長手方向部分と、前記長手方向部分に対して横方向の高さを有する突出部分とを含み、前記支持ブラケットは、前記長手方向部分を介して前記レール部材に接続され、前記第1の取り付け機能及び前記第2の取り付け機能は、前記突出部分上に配置され、当該スライドレールキットは、前記レール部材に対して移動可能な少なくとも1つの可動レールをさらに含む、請求項1に記載のスライドレールキット。
【請求項5】
ラックに適用可能なスライドレールキットであって、前記ラックは少なくとも1つの支柱を含み、前記少なくとも1つの支柱は第1の支柱側、前記第1の支柱側と反対の第2の支柱側、第1の穴及び第2の穴を有し、前記第1の穴は第1の所定の部分を有し、前記第2の穴は第2の所定の部分を有し、当該スライドレールキットは、
レール部材;
前記レール部材上に配置された支持ブラケット;
前記支持ブラケット上に配置された第1の取り付け機能であって、前記第1の取り付け機能は第1のセクションを有し、前記第1のセクションは前記支持ブラケットから横方向に延びる、第1の取り付け機能;及び
以下:
前記支持ブラケットに弾性的に接続された弾性部材;及び
前記弾性部材上に配置された取り付け部材;
を含む第2の取り付け機能;
を含み、
前記レール部材が前記ラックの前記少なくとも1つの支柱に対して第1の位置に配置されている場合、前記第1の取り付け機能は前記第1の穴を貫通し、且つ前記第2の取り付け機能の前記取り付け部材は、前記弾性部材が弾性的に変形するように、前記少なくとも1つの支柱の前記第1の支柱側に隣接し;
前記レール部材が前記ラックの前記少なくとも1つの支柱に対して第2の位置に配置されている場合、前記第1の取り付け機能の前記第1のセクションは、前記第1の穴の前記第1の所定の部分に隣接し、且つ前記取り付け部材は、前記弾性部材の弾性力に応答して、前記第2の穴を貫通し、且つ前記取り付け部材は、前記第2の穴の前記第2の所定の部分に隣接する;
スライドレールキット。
【請求項6】
前記第1の取り付け機能はさらに第2のセクションを有し、前記第2のセクションは前記第1のセクションに接続され、前記レール部材が前記ラックの前記少なくとも1つの支柱に対して前記第2の位置にあるとき、前記第1の取り付け機能の前記第2のセクションは、前記少なくとも1つの支柱の前記第2の支柱側に隣接し、且つ前記支持ブラケットは、前記少なくとも1つの支柱の前記第1の支柱側に隣接している、請求項5に記載のスライドレールキット。
【請求項7】
前記レール部材が前記ラックの前記少なくとも1つの支柱に対して前記第2の位置に配置されている場合、前記第1の穴の上壁及び下壁は、それぞれ、前記第1の取り付け機能の前記第1のセクションの上下に配置されており、前記上壁及び下壁は、前記支持ブラケットが上下に動かないように構成されている、請求項に記載のスライドレールキット。
【請求項8】
前記弾性部材は、操作部分及び弾性アームを含み、前記操作部分は前記弾性アームに接続されており、前記取り付け部材は前記弾性アーム上に配置され、前記操作部分は、前記少なくとも1つの支柱の前記第2の穴から前記取り付け部材を取り外すために、ユーザによって操作されるように構成されており、前記支持ブラケットは制限部分を有し、前記弾性部材の前記弾性アームは、対応機能を有し、且つ前記対応機能は、前記弾性部材の前記弾性アームが過度に動かされるのを防ぐための前記制限部分に対応する、請求項5に記載のスライドレールキット。
【請求項9】
前記取り付け部材は、ヘッド部分、ネック部分、及び本体部分を含み、前記ネック部分は前記ヘッド部分と前記本体部分に接続され、前記ヘッド部分のサイズが前記本体部分のサイズよりも大きい、前記本体部分のサイズが前記ネック部分のサイズよりも大きい、前記ネック部分は係合スロットであり、前記弾性部材は鍵穴を有し、且つ前記鍵穴は、入口部分と、前記入口部分と連絡するブロッキング部分とを有し、前記取り付け部材の前記ネック部分及び前記本体部分は、前記入口部分を貫通することができ、前記取り付け部材を前記ブロッキング部分に移動させると、前記ブロッキング部分の内壁は、前記取り付け部材の前記係合スロットと係合することができる、請求項5に記載のスライドレールキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、スライドレール、より具体的には、ラックに適用可能なスライドレールキットに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
一般に、運ばれる物体(電子機器など)は、通常、ラックシステムの少なくともスライドレールを介してラックに取り付けることができる。ラックには複数の支柱があり、ラックの仕様や種類に応じて、スライドレールの複数の取り付け部分を取り付けるために、支柱には多くの異なる取り付け機能(features)がある。
取り付け機能と取り付け部分には、通常、少なくとも1つのスライドレールをラックに取り付けるための工具(ネジなど)が必要である。
【0003】
しかし、市場の要求の多様化に伴い、スライドレールとラックの相互取り付け又は取り外しを容易にするスライドレール製品をどのように開発するかが問題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の要約
本発明は、ラックに適用可能なスライドレールキットに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、スライドレールキットは、ラックに適用可能なスライドレールキットを含む。ラックは、少なくとも1つの取り付け構造を含む。少なくとも1つの取り付け構造は、第1の所定の部分及び第2の所定の部分を有する。スライドレールキットは、レール部材と支持ブラケットを含む。
支持ブラケットはレール部材に配置されている。レール部材は、第1の取り付け機能及び第2の取り付け機能を含む。第1の取り付け機能は、ラックの第1の所定の部分に取り付けられるように構成される。第2の取り付け機能は、弾性部材及び取り付け部材を含む。取り付け部材は弾性部材上に配置され、取り付け部材は、弾性部材の弾性力に応答して、ラックの第2の所定の部分に取り付けられるように構成される。
【0006】
本発明のさらに別の態様によれば、スライドレールキットはラックに適用可能であり、ラックは少なくとも1つのラックを含む。少なくとも1つのラックは、第1の穴、第2の穴、第1の支柱側、及び第1の支柱側の反対側の第2の支柱側を有する。第1の穴は、第1の所定の部分を有する。第2の穴は、第2の所定の部分を有する。スライドレールキットは、レール部材、支持ブラケット、第1の取り付け機能、及び第2の取り付け機能を含む。支持ブラケットはレール部材に配置されている。第1の取り付け機能は、支持ブラケットに配置されている。第1の取り付け機能は第1のセクションを有する。第1のセクションは、支持ブラケットから横方向に伸びている。第2の取り付け機能は、弾性部材及び取り付け部材を含む。弾性部材は、支持ブラケットに弾性的に接続されている。取り付け部材は弾性部材上に配置されている。レール部材がラックの少なくとも1つの支柱に対して第1の位置に配置されている場合、第1の取り付け機能は第1の穴を貫通し、且つ、第2の取り付け機能の取り付け部材は、弾性部材が弾性的に変形するように、少なくとも1つの支柱の第1の支柱側に隣接する。レール部材がラックの少なくとも1つの支柱に対して第2の位置に配置されている場合、第1の取り付け機能の第1のセクションは、第1の穴の第1の所定の部分に隣接し、且つ、取り付け部材は、弾性部材の弾性力に応答して、第2の穴を貫通し、且つ、取り付け部材は、第2の穴の第2の所定の部分に隣接する。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、当業者には間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態による一対のスライドレールキットを介してラックに取り付けられた運搬物体を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による、ラックに取り付けられた1つのスライドレールキットを示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態によるスライドレールキットを示す分解図である。図3Aは、図3の一部の拡大図である。
図4図4は、本発明の実施形態による画角でのスライドレールキットを示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態による別の画角でのスライドレールキットを示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態によるスライドレールキット及びラックを示す分解図である。
図7図7は、本発明の一実施形態による、スライドレールキット及びラックの取り付けプロセスを画角で示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態による、スライドレールキット及びラックの取り付けプロセスを別の画角で示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による、画角でラックに取り付けられているスライドレールキットを示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態による、別の画角でラックに取り付けられているスライドレールキットを示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態による、取り付け部材が取り付け位置に配置されるように、第1の状態にあるスライドレールキットの弾性部材を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態による、取り付け部材が取り付け位置に配置されていないように、第2の状態にあるスライドレールキットの弾性部材を示す図である。
図13図13は、本発明の一実施形態による、締結部材を介してラックに取り付けられているスライドレールキットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
図2に関連して図1に示されるように、本発明の実施形態の運搬物体20は、一対のスライドレールキット22を介してラックに取り付けられ得る。さらに、各スライドレールキット22は、レール部材24及び支持ブラケット26を含む。好ましくは、スライドレールキット22は、レール部材24に対して移動可能な少なくとも1つの可動レールをさらに含む。本実施形態では、第1の可動レール28及び第2の可動レール30を2つの可動レールとして使用する。第1の可動レール28(例えば、中間レール)は、レール部材24(例えば、外側レール)と第2の可動レール30(例えば、内側レール)との間に移動可能に取り付けられる。レール部材24、第1の可動レール28及び第2の可動レール30は、互いに対して長手方向に移動することができる。ここで、レール部材24は、支持ブラケット26を介してラックの少なくとも1つの支柱(第1の支柱32a及び第2の支柱32bなど)に取り付けられる。他方、第2の可動レール30は、運搬物体20を運ぶために使用することができる。本実施形態では、X軸方向は長手方向(又はスライドレールの長さ方向)であり、Y軸方向は横方向(又はスライドレールの横方向)であり、Z軸方向は垂直方向(又はスライドレールの高さ方向)であることに留意されたい。
【0010】
図3図4及び図5に示されるように、支持ブラケット26は、レール部材24上に配置される。本実施形態では、支持ブラケット26は、レール部材24の裏側に固定して配置され、支持ブラケット26は、レール部材24の一部と見なすことができる。他の代替の実施形態では、支持ブラケット26はレール部材24と統合することができるので、本発明はそれに限定されない。支持ブラケット26は、第1の側L1の位置の反対側に第1の側L1及び第2の側L2を有する。支持ブラケット26は、第1の取り付け機能34及び第2の取り付け機能36を含む。ここで、第2の取り付け機能36は、弾性部材38及び取り付け部材40を含み、取り付け部材40は、弾性部材38上に配置されている。
【0011】
好ましくは、弾性部材38はばね板であり、弾性部材38は、接続部分42、操作部分44、及び接続部分42と操作部分44との間に配置された弾性アーム46(図4に示す)とを包含し、接続部分42は、支持ブラケット26の第1の側L1に接続されている(固定接続されているが、これに限定されないなど)。取り付け部材40は、弾性アーム46上に配置され、操作部分44は、ユーザの操作を容易にするために、弾性アーム46に対して所定の角度で傾斜している。
【0012】
好ましくは、支持ブラケット26は、支持ブラケット26の第1の側L1及び第2の側L2を接続する空間47を有する。空間47は、穴又はギャップであり得る。本実施形態では、空間47は穴であるが、実施は限定されない。他方、取り付け部材40は、ヘッド部分48と、ヘッド部分48に接続された本体部分50とを有する。ヘッド部分48のサイズは、本体部分50のサイズよりも大きく、ヘッド部分48は、弾性部材38の弾性アーム46の片側でブロックされている。本体50は、空間47を貫通して、支持ブラケット26の第1の側L1から第2の側L2に通過することができる(図5に示されるように)。さらに、第1の取り付け機能34は、支持ブラケット26の第2の側L2に配置されている(図5に示されているように)。
【0013】
好ましくは、第1の取り付け機能34及び第2の取り付け機能36(の取り付け部材40)は、支持ブラケット26の異なる高さの2つの位置に配置される(図5に示されるように)。
【0014】
図6に示されるように、ラックの第1の支柱32aなどの支柱は、少なくとも1つの取り付け構造を含む。少なくとも1つの取り付け構造は、第1の所定の部分52及び第2の所定の部分54を有する。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの取り付け構造は、複数の穴を含む。穴の間に所定の距離が形成され、穴は、第1の支柱32aの互いに対して異なる高さの位置に配置される。本実施形態では、第1の穴H1及び第2の穴H2を例として取り上げて説明する。各穴H1、H2は、第1の支柱32aの第1の支柱ト側S1及び第2の支柱側S2と連絡している。
【0016】
好ましくは、各穴H1、H2は、複数の壁によって規定される。例えば、第1の穴H1及び第2の穴H2は、それぞれ、前壁、後壁、上壁及び下壁によって規定される。本実施形態では、第1の穴H1の前壁を第1の所定の部分52として使用し、第2の穴H2の後壁は、第2の所定の部分54として使用されるが、実施は限定されない。
【0017】
好ましくは、支持ブラケット26の第1の取り付け機能34は、第1のセクション34a及び第2のセクション34bを有する。第1のセクション34aは、支持ブラケット26の第2の側L2から所定の距離にわたって横断方向(又は横方向)に延びる。第2のセクション34bは、第1のセクション34aに対して曲げられている。例えば、第2のセクション34bは、第1のセクション34aに対して実質的に垂直に曲げられている。
【0018】
図8に関連して図7に示されるように、レール部材24は、支持ブラケット26を介してラックの支柱に取り付けられる。さらに、レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第1の位置P1に配置されている場合、支持ブラケット26の第1の取り付け機能34は、第1の穴H1を貫通して、第1の支柱32aの第1の支柱側S1から第2の支柱側S2に通過することができる(図7に示すように)。他方、第2の取り付け機能36の取り付け部材40の本体部分50は、(図7に示されるように)第1の支柱32aの第1の支柱側S1に隣接し、その結果、弾性部材38の弾性アーム46が第1の横方向K1に移動し、第1の横方向K1とは反対の第2の横方向に弾性力を蓄積する(図8に示すように)。好ましくは、支持ブラケット26は制限部分56を有し、且つ弾性部材38の弾性アーム46は、制限部分56に対応する対応機能58を有し、その結果、弾性部材38の弾性アーム46が第1の横方向K1に沿って移動すると、対応機能58及び制限部分56は、弾性部材38の弾性アーム46が第1の横方向K1に沿って過度に移動するのを防ぐために互いにブロックする(図8に示すように)。
【0019】
図10に関連して図9に示されるように、レール部材24が第1の所定の方向D1(前方向などであるがこれに限定されない)に沿って第1の位置P1からラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に移動するとき、第1の取り付け機能34は、ラックの第1の所定の部分52に取り付けられるように構成され、取り付け部材40は、レール部材24がラックに対して自由に動くのを防ぐために、弾性部材38の弾性力に応答して、ラックの第2の所定の部分54に取り付けることができる。
【0020】
具体的には、レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に配置されると、レール部材24が第2の位置P2から第1の所定の方向D1に沿ってラックに対して移動するのを防ぐために(図9に示されるように)、支持ブラケット26の第1の取り付け機能34の第1のセクション34aは、第1の穴H1(すなわち、第1の所定の部分52)の前壁と係合することができる。他方、レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に配置されている場合、第2の取り付け機能36の取り付け部材40の本体部分50は、第2の穴H2に対応するので、弾性部材38の弾性アーム46は、(図10に示されるように)第2の横方向K2に沿って弾性力を解放し、その結果、レール部材24がラックに対して第2の位置P2から第2の所定の方向D2(後方方向などであるがこれに限定されない)に沿って移動するのを防ぐため、取り付け部材40の本体部分50は、第2の横方向K2に沿った弾性アーム46の弾性力に応答して、第1の支柱32aの第2の穴H2の後壁と係合することができる(すなわち、図9に示されるように、第2の所定の部分54)。ここで、第2の所定の方向D2と第1の所定の方向D1は反対方向である。
【0021】
好ましくは、レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に配置される場合、レール部材24がラックに対して第2の位置P2から上向き又は下向きに移動するのを防ぐため(図9に示すように)、第1の穴H1の上壁60及び下壁62は、それぞれ、第1の取り付け機能34の第1のセクション34aの上下に配置されている。
【0022】
好ましくは、レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に位置するとき、第1の所定の部分52の側面に隣接する第1の取り付け機能34の第2のセクション34bを介して、レール部材24は、ラックに対して第2の位置P2から横方向に移動することが防止される(図9に示されるように)。
【0023】
図12に関連して図11に示されるように、第2の位置P2のレール部材24がラックの第1の支柱32aから取り外される場合、ユーザは、第1の横方向K1に沿って動作部分44に力を加えて弾性アーム46を駆動することができ、その結果、取り付け部材40の本体部分50は、第2の穴H2の後壁ともはや係合しない(すなわち、第2の所定の部分54とはもはや関わっていない)、その結果、レール部材24は、第2の所定の方向D2に沿って第2の位置P2から第1の位置P1に戻ることができ、ラックから取り外すことができる。
【0024】
図3Aに示す図と併せて図3を参照してください。図3Aは、図3の一部の拡大図である。好ましくは、取り付け部材40は、ヘッド部分48と本体部分50との間に接続されたネック部分49をさらに有する。本体部分50のサイズは、ネック部分49のサイズよりも大きく、その結果、ネック部分49は、例えば、係合スロットである。他方、弾性部材38の弾性アーム46は鍵穴を有し、鍵穴は入口部分64と入口部分64と連絡するブロッキング部分66とを有する。取り付け部材40のヘッド部分48の輪郭は、鍵穴のブロッキング部分66の輪郭よりも大きい。取り付け部材40のネック部分49及び本体部分50は、入口部分64を貫通することができ、取り付け部材40は、ブロッキング部分66に移動することができる。取り付け部材40のネック部分49と係合しているブロッキング部分66の内壁を通して、取り付け部材40は、弾性部材38の弾性アーム46上に配置することができる。好ましくは、対応機能58と制限部分56との間の相互ブロッキングを介して、弾性部材38の弾性アーム46が第1の横方向K1に過度に移動することが防止され、その結果、取り付け部材40の本体部分50は、第1の横方向K1に沿って空間47を離れることができない(図12に示すように)。
【0025】
図13に関連して図11に示されるように、ラックの第1の支柱32aは接続機能68を有し、支持ブラケット26はさらに接続構造70を有する(図11に示されるように)。接続機能68は、例えば、ねじ穴(この部分は、図6を参照することもできる)であり、接続構造70は、取り付け穴である。レール部材24がラックの第1の支柱32aに対して第2の位置P2に配置されている場合、接続構造70は、締結部材72のねじ部分を提供して、接続機能68(図12に示されるように)を貫通して固定し、レール部材24を第2の位置P2にロックするように構成される。
【0026】
図4及び図5に示されるように、支持ブラケット26は、長手方向部分74及び突出部分76を備えることに留意されたい。突出部分76は、長手方向部分74に対して横方向の高さを有し、支持ブラケット26は、長手方向部分74を介してレール部材24に接続されており、第1の取り付け機能34(図5に示される)及び第2の取り付け機能36(図4に示される)は、突出部分76上に配置される。ここで、支持ブラケット26の厚さは、突出部分76によって増加させることができ、これは、支持ブラケット26(又はレール部材24)の構造的強度を改善し得る。
【0027】
従来技術と比較して、本実施形態のスライドレールキット20は、以下の観点により、従来技術に勝る利点を有する:
1. 第2の取り付け機能36は、弾性部材38及び取り付け部材40を含む。ユーザは、取り付け部材40の本体部分50が、第1の支柱32aの第2の所定の部分54(第2の穴H2の後壁など)ともはや係合しないように、弾性部材38に力を加えることができる。これにより、レール部材24を第2の位置P2から第1の位置P1に戻すことができ、ラックから取り外すことができる。
2. レール部材24が第2の位置P2でラックに取り付けられる場合、ラックの第1の所定の部分52及び第2の所定の部分54に、それぞれ第1の取り付け機能34及び第2の取り付け機能を介してそれぞれ取り付けることができることを除いて、レール部材24(支持ブラケット26)は、代わりに、締結部材72を介してラックにロックすることもできる。
3. 支持ブラケット26は、長手方向部分74と、長手方向部分74に対して横方向の高さを有する突出部分76とを包含する。突出部分76を通して、支持ブラケット26の厚さを増加させることができ、これは、支持ブラケット26(又はレール部材24)の構造的強度を改善し得る。
【0028】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に観察するであろう。 したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲及び範囲によってのみ制限されると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0029】
20 運搬物体
22 スライドレールキット
24 レール部材
26 支持ブラケット
28 第1の可動レール
30 第2の可動レール
32a 第1の支柱
32b 第2の支柱
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【文献】US10,314,394B2
【文献】US10,034,406B2
【文献】US2007/0039913A1
図1
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