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特許7194775情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20221215BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G01C21/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021089781
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022008124
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2020108708
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】内藤 万馬
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-102668(JP,A)
【文献】特開2015-194370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両のバッテリーを充電する充電ステーションの位置を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
前記バッテリーへの充電が可能であったか否かを示す充電実績情報を記憶する充電実績情報記憶部と、
前記充電実績情報に基づく評価値を算出する評価値算出部と
前記充電ステーションを検索する検索条件を含む検索要求を取得する取得部と、
前記地図情報に基づいて、前記検索条件に合致する前記充電ステーションを検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記充電ステーション及び前記評価値算出部が算出した前記評価値を出力する評価値出力部と、
を備え、
前記充電実績情報は、前記バッテリーへの充電が可能であった場所である充電位置と、前記バッテリーへの充電が可能であった日時である充電日時と、を含み、
前記評価値算出部は、前記検索部が検索した日時から過去に亘る所定の期間に含まれる前記充電日時を有する前記充電実績情報であって、
前記検索部が検索した前記充電ステーションの位置から所定の領域に含まれる前記充電位置を有する前記充電実績情報に基づいて、前記評価値を算出することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記バッテリーの充電量又は前記電動車両の航行可能距離と、前記電動車両の位置とを含む情報を前記電動車両から受信する受信部と、
前記充電量又は前記航行可能距離が所定の閾値を超えて増加したと判定した場合、前記受信部が前記情報を受信した日時及び前記電動車両の位置に基づいて、前記充電実績情報を生成し、前記充電実績情報記憶部に登録する充電実績情報登録部と、
を備える請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理端末の位置を含む位置情報を前記情報処理端末から受信する、又は前記電動車両の位置を含む位置情報を前記電動車両から受信する受信部と、
前記受信部が前記位置情報を受信した日時及び前記受信部が受信した前記位置情報が示す位置に基づいて、前記電動車両が前記充電ステーションの位置から所定の範囲の領域内に継続して所定の時間以上滞在したと判定した場合、前記日時及び前記位置情報が示す位置に基づいて前記充電実績情報を生成し、前記充電実績情報記憶部に登録する充電実績情報登録部と、
を備える請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置と、前記電動車両とを有する情報処理システムであって、
前記電動車両は、前記検索部が検索した前記充電ステーションを目的地として、現在地からの経路を案内するナビゲーション装置を備える情報処理システム。
【請求項5】
電動車両のバッテリーを充電する充電ステーションの位置を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、前記バッテリーへの充電が可能であったか否かを示す充電実績情報を記憶する充電実績情報記憶部と、にアクセス可能なコンピュータによる情報処理方法であって、
前記地図情報に基づいて、検索条件に合致する前記充電ステーションを検索する検索ステップと、
前記充電実績情報は、前記バッテリーへの充電が可能であった場所である充電位置と、前記バッテリーへの充電が可能であった日時である充電日時と、を含み、
前記検索ステップが検索した日時から過去に亘る所定の期間に含まれる前記充電日時を有する前記充電実績情報であって、
前記検索ステップが検索した前記充電ステーションの位置から所定の領域に含まれる前記充電位置を有する前記充電実績情報に基づいて、評価値を算出する評価値算出ステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
電動車両のバッテリーを充電する充電ステーションの位置を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、前記バッテリーへの充電が可能であったか否かを示す充電実績情報を記憶する充電実績情報記憶部と、にアクセス可能なコンピュータのための情報処理プログラムであって、
前記地図情報に基づいて、検索条件に合致する前記充電ステーションを検索する検索ステップと、
前記充電実績情報は、前記バッテリーへの充電が可能であった場所である充電位置と、前記バッテリーへの充電が可能であった日時である充電日時と、を含み、
前記検索ステップが検索した日時から過去に亘る所定の期間に含まれる前記充電日時を有する前記充電実績情報であって、
前記検索ステップが検索した前記充電ステーションの位置から所定の領域に含まれる前記充電位置を有する前記充電実績情報に基づいて、評価値を算出する評価値算出ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両への充電が可能な充電ステーションに関する情報を提供する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリーに蓄えた電気エネルギーを車の動力に使用して走行する電動車両が急速に普及している。電気車両は、例えば、ハイブリッド自動車、若しくは電気自動車が挙げられる。電動車両においては、充電の際、バッテリーを充電する充電ステーションの位置をナビゲーション装置の地図上に表示させる技術が知られている。
【0003】
この種の情報処理装置としては、例えば、特許文献1には、電動車両を充電させる充電ステーションの位置を地図上に表示させる充電情報提供装置が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、電動車両を充電する充電ステーションではないが、例えば、特許文献2には、複数の機器からそれぞれ機器の状態を表す状態情報を取得し、取得された状態情報を反映した機器の配置位置を表す地図を表示させる情報処理装置が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/024521号
【文献】特開2019-215648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザが電動車両のバッテリーを充電ステーションで充電させようとしても、例えば、充電ステーションの故障により電動車両への充電ができない場合もある。
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その課題は、比較的簡単な方法で電動車両の充電が可能な充電ステーションを示す評価値を取得することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、本開示の情報処理装置は、地図情報記憶部と、充電実績情報記憶部と、評価値算出部と、を備える。上記地図情報記憶部は、地図情報を記憶する。上記地図情報は、充電ステーションの位置を示す位置情報を含む。上記充電ステーションは、電動車両のバッテリーを充電することができるように構成されている。上記充電実績情報記憶部は、充電実績情報を記憶する。上記充電実績情報は、上記バッテリーへの充電が可能であったか否かを示す。上記評価値算出部は、上記充電実績情報に基づく評価値を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、比較的簡単な方法で電動車両の充電が可能な充電ステーションを示す評価値を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2A】第1の実施の形態に係る情報処理システムの地図DBに格納される充電ステーション情報の構成を示す模式図である。
図2B】第1の実施の形態に係る情報処理システムの充電実績DBに格納される充電実績情報の構成を示す模式図である。
図2C】第1の実施の形態に係る情報処理システムにおいて評価値が付された充電実績情報の構成を示す模式図である。
図3】第1の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電ステーションの検索を行った場合の電動車両と情報処理端末と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図4図3の充電ステーション検索処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
図5】第1の実施の形態に係る情報処理システムの充電ステーション検索処理において充電実績情報の評価期間に対する絞り込みを説明する図である。
図6】第1の実施の形態に係る情報処理システムの充電ステーション検索処理において充電実績情報の評価地点に対する絞り込みを説明する図である。
図7】第1の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電実績情報を登録する場合の電動車両と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第1の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電実績情報を登録する場合の電動車両と情報処理装置との間の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図10】第2の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電ステーションの検索を行った場合の電動車両と情報処理端末と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第2の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電実績情報を登録する場合の情報処理端末と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】第3の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図13】第3の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電ステーションの検索を行った場合の電動車両と情報処理端末と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図14】第3の実施の形態に係る情報処理システムにおいて充電実績情報を登録する場合の情報処理端末と情報処理装置との間の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】充電ステーションの検索結果が一覧形式で表示される例を示す摸式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
<情報処理システム1の構成>
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システム1の概略構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置4が電動車両2の運転者が携行する情報処理端末3に充電可能な充電ステーションに関する情報を提供するように構成されている。以下、充電ステーションに関する情報を、充電ステーション情報ともいう。充電ステーションは、電動車両2のバッテリーを充電する充電装置を備えた施設である。情報処理システム1は、図1に示すように、例えば、電動車両2と、情報処理端末3と、情報処理装置4と、を備える。電動車両2は、電動車両2のバッテリーに蓄えた電力を用いて走行する。電動車両2は、例えば、EV(Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)が含まれる。情報処理端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はノートパソコンが含まれる。情報処理装置4は、電動車両2への充電が可能な充電ステーションに関する情報を、情報処理端末3に提供する。情報処理装置4は、例えば、サーバで構成される。情報処理端末3と情報処理装置4とは、通信ネットワーク5を介して、通信することができるように構成されている。情報処理端末3は、通信ネットワーク5を介して、電動車両2と通信することができるように構成されている。情報処理装置4は、通信ネットワーク5を介して、電動車両2と通信することができるように構成されている。通信ネットワーク5は、無線の通信ネットワークである。通信ネットワーク5は、例えば、公衆回線網、インターネット網、専用通信網、WiFi(登録商標)網、及び近距離無線通信網が含まれる。電動車両2と情報処理端末3との間と、情報処理端末3と情報処理装置4との間は、同じ通信ネットワーク5を介して、通信されてもよい。電動車両2と情報処理端末3との間と、情報処理端末3と情報処理装置4との間は、異なる通信ネットワーク5を介して、通信されてもよい。
【0012】
・電動車両2
電動車両2は、車両通信部21と、位置取得部22と、ナビゲーション部23と、出力部24と、車両制御部25と、を備える。
【0013】
車両通信部21は、情報処理端末3と相互に通信できるように構成されている。車両通信部21は、情報処理端末3と相互に通信する場合、例えば、近距離無線通信網を利用して通信を行うことができる。車両通信部21は、情報処理装置4と相互に通信できるように構成されている。車両通信部21は、情報処理装置4と相互に通信する場合、例えば、公衆回線網を利用して通信を行うことができる。車両通信部21は、適宜、電動車両2に関する情報を情報処理装置4へ送信するように構成されている。適宜とは、例えば、所定の時間間隔であり、所定の契機である。本実施の形態では、車両通信部21は、所定の時間間隔、又は電動車両2のACC電源がオフからオンになった場合に、電動車両2に関する情報を情報処理装置4に送信する。以下、電動車両2に関する情報を、車両情報ともいう。車両情報には、例えば、電動車両2の位置、電動車両2のバッテリーの充電量、電動車両2の航行可能距離が含まれる。車両通信部21は、情報処理端末3から充電ステーション情報を受信するように構成されている。充電ステーション情報は、情報処理端末3において、ナビゲーションの目的地として設定されている。充電ステーション情報は、例えば、充電ステーションの位置を含む情報である。充電ステーションの位置は、例えば、緯度及び経度を含む。充電ステーションの位置は、緯度及び経度に加え、高度を含んでもよい。
【0014】
位置取得部22は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)から受信した電波に基づいて、電動車両2の現在の位置を取得するように構成されている。電動車両2の位置は、例えば、緯度及び経度を含む。電動車両2の位置は、例えば、緯度及び経度に加え、高度を含んでもよい。位置取得部22は、例えば、GNSSから受信した電波を受信して位置を特定するセンサとして、GNSSモジュールを利用することができる。GNSSモジュールは、電動車両2の位置を取得する場合、緯度及び経度に加えて、取得した時刻を示す時間を取得してもよい。
【0015】
ナビゲーション部23は、ナビゲーション装置の一部として機能する。ナビゲーション部23は、地図情報を備えている。ナビゲーション部23は、地図情報に基づいて目的地までの経路を検索する。ナビゲーション部23は、地図及び経路案内に関する情報を出力部24に出力するように構成されている。ナビゲーション装置は、車両通信部21と、位置取得部22と、ナビゲーション部23と、出力部24と、を含む構成としてもよい。
【0016】
出力部24は、電動車両2の位置、地図、及び目的地までの経路案内に関する情報を出力するインターフェースである。出力部24は、例えば、ディスプレイ、及びスピーカで構成される。ディスプレイは、例えば、液晶表示装置、若しくはEL(Electro Luminescence)表示装置が挙げられる。
【0017】
車両制御部25は、バッテリーに蓄えられた電力を用いて電動車両2の駆動を制御するように構成されている。
【0018】
・情報処理端末3
以下では、情報処理端末3を、電動車両2の運転手が携行する情報処理端末3として説明するが、電動車両2に同乗者がいる場合には、同乗者が携行する情報処理端末3としてもよい。
【0019】
情報処理端末3は、端末通信部31と、端末入力部32と、端末出力部33と、端末制御部34と、を備える。
【0020】
端末通信部31は、電動車両2と相互に通信できるように構成されている。また、端末通信部31は、情報処理装置4と相互に通信できるように構成されている。端末通信部31は、充電ステーションの検索要求を情報処理装置4に送信するように構成されている。端末通信部31は、充電ステーションの検索結果を情報処理装置4から受信するように構成されている。端末通信部31は、情報処理端末3においてナビゲーションの目的地として設定した充電ステーションに関する充電ステーション情報を、電動車両2に送信するように構成されている。
【0021】
端末入力部32は、情報処理装置4に対して、充電ステーションの検索条件を入力するインターフェースである。端末入力部32は、例えば、タッチパネルにより構成される。充電ステーションの検索条件は、例えば、地域に関する条件である。
【0022】
端末出力部33は、情報処理装置4から送信された充電ステーションの検索結果に関する情報を出力するインターフェースである。以下、充電ステーションの検索結果に関する情報を結果情報ともいう。端末出力部33は、例えば、ディスプレイで構成される。ディスプレイは、例えば、液晶表示装置、若しくはEL(Electro Luminescence)表示装置が挙げられる。
【0023】
端末制御部34は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、及びCPU(Central Processing Unit)で構成される。端末制御部34には、情報処理システム1を利用するためのプログラム35が記憶されている。
【0024】
端末制御部34は、プログラム35を実行することにより、充電ステーションに関する検索処理の情報処理端末3側の処理を実行する。詳しくは、端末制御部34は、情報処理装置4に対する充電ステーションの検索条件の入力に関する制御を行うことができる。端末制御部34は、及び情報処理装置4から受信した結果情報が示す検索結果の表示に関する制御を行うことができる。
【0025】
端末制御部34は、プログラム35を実行することにより、ナビゲーションの目的地として設定された充電ステーションに関する充電ステーション情報を電動車両2に送信する制御を行うことができる。
【0026】
なお、図示しないが、情報処理端末3は、情報処理端末3の現在の位置を示す位置情報を取得できるように構成されている。情報処理端末3には、例えば、GNSSモジュールが設けられている。情報処理端末3の位置は、例えば、緯度及び経度を含む。情報処理端末3の位置は、緯度及び経度に加え、高度を含んでもよい。
【0027】
・情報処理装置4
情報処理装置4は、サーバ通信部41と、サーバ記憶部42と、サーバ制御部43と、を備える。
【0028】
サーバ通信部41は、電動車両2と相互に通信できるように構成されている。また、サーバ通信部41は、情報処理端末3と相互に通信できるように構成されている。サーバ通信部41は、適宜、電動車両2から車両情報を受信するように構成されている。サーバ通信部41は、情報処理端末3を介して、電動車両2から車両情報を受信するように構成されてもよい。サーバ通信部41は、情報処理端末3から充電ステーションの検索要求を受信するように構成されている。サーバ通信部41は、充電ステーションの検索結果を情報処理端末3に送信するように構成されている。また、サーバ通信部41は、充電ステーションの評価値を情報処理端末3に送信するように構成されている。サーバ通信部41は、送信部と、受信部と、を備えている。言い換えれば、送信部は、充電ステーションの評価値を出力する評価値出力部といえる。また、受信部は、充電ステーションの検索要求を取得する取得部ともいえる。
【0029】
サーバ記憶部42は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される。サーバ記憶部42は、地図データベース44と、充電実績データベース45と、を備えている。以下では、データベースをDBと略して表記する場合がある。
【0030】
図DB44は、地図情報を記憶するデータベースである。ここで、地図情報は、ノードのデータを含んで構成される。ノードのデータは、例えば、ノードの位置を示す位置情報、及びノードの属性を示す属性情報である。本実施の形態では、充電ステーション情報をノードのデータとして記憶するように構成されている。したがって、充電ステーション情報は、地図DB44に格納されていると言える。
【0031】
充電ステーション情報は、例えば、図2Aに示すように、ステーションIDと、位置と、充電規格と、を含んだデータ構成をしている。ステーションIDは、充電ステーションを一意に識別可能な情報である。位置は、充電ステーションが設置されている場所である。充電ステーション情報の位置は、例えば、緯度及び経度を含む。充電ステーション情報の位置は、緯度及び経度に加え、高度を含んでもよい。充電ステーション情報の位置は、例えば、施設の中心位置に設定されている。充電規格は、充電規格の方式である。充電規格には、例えば、充電用のプラグ形状、電圧、電流、配電方式、若しくは制御機構に関する規格がある。制御機構に関する規格には、例えば、急速充電、若しくは普通充電を示す情報が含まれてもよい。制御機構に関する規格には、例えば、電動車両2と充電ステーションとが通信を行う場合、通信方法を示す情報が含まれてもよい。
【0032】
充電実績DB45は、充電実績情報を記憶するデータベースである。充電実績情報は、電動車両2への充電が可能であった場合に登録される情報である。つまり充電実績情報は、充電ステーションに備えられた充電装置が故障していなかった場合に登録される情報である。言い換えれば、充電実績情報は、過去に充電が可能であったことを示す履歴情報ともいえる。
【0033】
次に、充電実績DB45に格納される充電実績情報のデータ構成を、図2Bに示す。充電実績情報は、例えば、登録日時と、位置と、を含んで構成される。登録日時は、充電実績情報を充電実績DB45に登録した日時である。詳しくは、情報処理装置4が、電動車両2からアップロードされた車両情報に基づいて、バッテリーへの充電が行われたと判断したときの日時である。位置は、例えば、アップロードされた車両情報に含まれる電動車両2の位置である。
【0034】
サーバ記憶部42には、情報処理装置4のサーバ制御部43の各機能を実行するためのプログラムが記憶されている。プログラムは、例えば、情報処理装置4のROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、若しくはHDD(Hard Disk Unit)で構成される記憶装置に格納される。プログラムは、記憶装置に格納されるだけでなく、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)ディスク、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)が挙げられる。情報処理装置4において実行されるプログラムは、通信ネットワーク5を介して配信されてもよい。
【0035】
サーバ制御部43は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成されている。サーバ制御部43は、機能的には、検索部46と、評価値算出部47と、充電実績登録部48と、を備えている。
【0036】
検索部46は、情報処理端末3からの充電ステーションの検索要求に対して、検索処理を実行する機能を有する。検索部46は、検索結果を出力する機能を有する。検索要求は、例えば、地域に関する検索条件を含んでいる。検索結果は、検索条件に合致する、充電ステーション情報及び充電実績情報である。充電ステーション情報は、地図DB44から取得可能である。充電実績情報は、充電実績DB45から取得可能である。
【0037】
評価値算出部47は、検索部46の検索結果に含まれていた充電実績情報に基づいて、充電ステーションの評価値を算出する機能を有する。評価値は、現時点において、充電ステーションが充電可能か否かを示す指標である。言い換えれば、評価値は、充電ステーションが故障なく充電できるか否かを、過去の充電実績から推定した評価を表す。評価値算出部47は、例えば、評価値を数値で表せるように構成してもよい。この場合、評価値算出部47は、評価値の数値が高くなるに従って、充電の可能性がより高くなるように評価値を設定してもよい。また、評価値算出部47は、例えば、評価値を星印の数で表せるように構成してもよい。この場合、評価値算出部47は、星印の数が多くなるに従って、充電の可能性がより高くなるように評価値を設定してもよい。評価値算出部47は、例えば、評価値の算出対象となった充電ステーションに該当する充電実績情報の直近の一定期間の累積件数に基づいて、充電ステーションの評価値を算出するようにしてもよい。ここで、直近の一定期間とは、例えば、現在から3か月前までの期間としてもよい。この場合、評価値算出部47は、現在から3か月前までの期間の充電実績情報だけを抽出し、評価値を算出する。
【0038】
次に、評価値が付された充電ステーション情報のデータ構成を、図2Cに示す。評価値が付された充電ステーション情報は、充電ステーションの検索結果として、情報処理装置4のサーバ通信部41から情報処理端末3に送信される。
【0039】
充電実績登録部48は、例えば、電動車両2からアップロードされた車両情報のバッテリーの充電量又は航続可能距離に基づいて、電動車両2に充電が行われたと判断した場合に充電実績情報を生成する。充電実績登録部48は、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する機能を有する。充電実績情報は、図2Bに示した充電実績情報である。
【0040】
ここで、充電実績登録部48が電動車両2に充電が行われたと判断する場合とは、例えば、電動車両2におけるバッテリーの充電量が所定の閾値を超えて増加した場合が挙げられる。言い換えれば、充電実績登録部48は、バッテリーの蓄電残量が所定の閾値を超えて増加すれば、電動車両2に充電が行われたと推定すればよい。また、充電実績登録部48が電動車両2に充電が行われたと判断する別の場合は、電動車両2の航続可能距離が所定の閾値を超えて増加した場合が挙げられる。所定の閾値を設けたのは、例えば、ヘッドライトを消した場合やエアコンをオフにした場合を排除するためである。ヘッドライトを消した場合やエアコンをオフにした場合にも電動車両2の充電量や航続可能距離が若干増加することがある。そのため、充電実績登録部48は、バッテリーを充電することなく充電量や航続可能距離が増加する場合を排除することができる。
【0041】
情報処理装置4は、物理的に一つからなる装置でもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステムから構成されてもよい。情報処理装置4は、例えば、情報処理装置4を3つの機能にそれぞれ分散した装置で構成されもよい。情報処理装置4は、3つの機能にそれぞれ分散した装置として、例えば、第1サーバと、第2サーバと、第3サーバと、を備えるようにしてもよい。第1サーバは、例えば、電動車両2と車両情報のやりとりをすることができるように構成される。第2サーバは、例えば、地図DB44を備えている。第2サーバは、例えば、検索要求に基づいて地図DB44を検索する機能を有する。第3サーバは、例えば、充電実績DB45を備えている。第3サーバは、充電実績情報を登録するとともに充電ステーションの評価値を算出する機能を有する。
【0042】
<情報処理システム1の動作>
次に、情報処理システム1の動作について説明する。まず、図3を用いて、電動車両2の運転手が情報処理端末3を用いて充電ステーションの検索を行う場合の情報処理システム1の動作について説明する。図3は、情報処理端末3を用いて充電ステーションの検索を行う場合の電動車両2、情報処理端末3、及び情報処理装置4の間の処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートのステップをSで示す。なお、前提として、情報処理端末3は、プログラム35が起動している状態にある。
【0043】
・充電ステーションの検索
情報処理端末3は、電動車両2の運転手による検索条件の入力に基づいて、充電ステーションの検索指示を受け付ける(S1)。情報処理端末3は、充電ステーションの検索指示を受け付けると、検索条件を含む検索要求を情報処理装置4に送信する(S2)。検索条件は、例えば、地域に関する条件である。地域に関する条件は、例えば、運転手が電動車両2のバッテリーを充電させたい地域が挙げられる。具体的には、地域に関する条件は、運転手が情報処理端末3の端末入力部32で指定した位置から所定の範囲が挙げられる。地域に関する条件は、電動車両2、若しくは情報処理端末3の現在の位置から所定の範囲であってもよい。
【0044】
情報処理装置4は、情報処理端末3から検索要求を受信すると、検索条件に基づいて充電ステーション検索処理を実行する(S3)。
【0045】
ここで、図4を用いて、充電ステーション検索処理について説明する。図4は、図3のS3の充電ステーション検索処理の流れを、より詳しく示すフローチャートである。
【0046】
まず、情報処理装置4は、検索条件に基づいて地図DB44から検索条件に合致する充電ステーション情報を取得する(S11)。例えば、検索条件が地域Aである場合には、地図DB44から地域Aに存在する充電ステーションの充電ステーション情報を取得する。なお、充電ステーション情報には、充電ステーションの経度及び緯度の情報が、含まれている。
【0047】
また、充電ステーション情報は、経度及び緯度に追加する追加情報として、例えば、稼動情報、満空情報、コネクタ情報、営業情報が、含まれていてもよい。稼動情報は、例えば、充電ステーションが休止中、又は充電ステーションが故障中であるかを示す。満空情報は、例えば、充電ステーションが満車状態か空車状態かを示す。コネクタ情報は、例えば、電動車両と電気的及び機械的に充電ステーションと接続させるために充電ステーションが採用しているコネクタ形式を示す。営業情報は、例えば、充電ステーションの営業時間、若しくは充電ステーションの営業日時を示す。ここで、充電ステーション情報は、追加情報が含まれる場合、当該充電ステーションと追加情報とが関連付けられて、予め地図DB44に記憶されている。
【0048】
次に、情報処理装置4は、評価期間に該当する充電実績情報を充電実績DB45から取得する(S12)。評価期間とは、評価値を算出する期間である。例えば、評価期間を、現在から過去3か月の期間とする場合、情報処理装置4は、登録日時が現在から過去3か月の期間に含まれる充電実績情報だけを、評価対象の充電ステーションの充電実績情報として取得する。情報処理装置4は、登録日時が現在日時に近いほど、より信頼度が高い情報として扱うことができる。情報処理装置4は、登録日時が現在日時に近いほど信頼度が高い情報とみなし、充電ステーションの新設及び充電ステーションの廃止に対応させることもできる。
【0049】
次に、S12の評価期間に該当する充電実績情報を取得する処理の概要を、図5を用いて説明する。情報処理装置4は、例えば、現在日時を2020年7月10日22時00分とする場合、過去3か月の期間に含まれない登録日時が2020年3月の充電実績情報を取得しない。図5では、登録日時が2020年3月7日11時11分の場合、2020030711と例示している。情報処理装置4は、図5で示すように、2020年3月の充電実績情報を取得しない場合、評価期間に対する絞り込みとして、登録日時202003071111を排除している。
【0050】
次に、情報処理装置4は、S12において取得された充電実績情報の中から、さらにステーションIDごとに評価地点に該当する充電実績情報を取得する(S13)。評価地点とは、例えば、地図DB44に記憶された充電ステーションの位置から所定の範囲内を意味する。所定の範囲内とは、例えば、地図DB44に記憶された充電ステーションの位置を中心として、東西南北それぞれ所定の距離離れた矩形の領域とすることができる。所定の距離は、例えば、50m×50mが挙げられる。所定の距離は、例えば、5m×5mとしてもよい。つまり、情報処理装置4は、充電実績情報の位置が、評価対象となる充電ステーションの位置から所定の範囲内にある充電実績情報だけを、評価対象の充電ステーションとして取得する。充電実績情報に含まれる位置情報は、正確でない場合も考えられる。情報処理装置4は、評価地点に該当する充電実績情報を取得することで、正確でないと推定される位置情報を排除することができる。
【0051】
図6は、S13の評価地点に該当する充電実績情報を取得する処理の概要を説明する図である。情報処理装置4は、例えば、図6に示すように、評価対象となる充電ステーション近傍に充電実績情報d1~d4が存在する場合、充電実績情報d1~d4のうち、評価対象となる充電ステーションから所定の範囲にある領域R1内の充電実績情報d1及び充電実績情報d3を取得し、領域R1外の充電実績情報d2及び充電実績情報d4を取得しない。ここで、領域R1は、図6に例示されているように、矩形の形状であってもよいが、矩形の形状だけに限らない。領域R1は、例えば、多角形、楕円形、又は円形の形状でもよい。領域R1は、円形の形状の場合、例えば、当該R1領域を、バッテリーが充電された電動車両2の位置を中心として、所定の半径の円形の形状に設定されてもよい。情報処理装置4は、所定の半径として、例えば、11mに設定することができる。
【0052】
ところで、GNSSモジュールは、例えば、電動車両2の位置を正確に検出できない場合もある。そのため、情報処理装置4は、車両情報に含まれる緯度経度から充電実績情報として計上される位置情報が不安定となる虞がある。また、情報処理装置4は、一意に決まる充電ステーションに対して、不安定な車両情報からの位置情報をマッチングさせる必要がある。
【0053】
そこで、情報処理装置4は、充電実績情報を作成するにあたり、電動車両2が充電ステーションで充電された車両情報に含まれる位置を、近傍の充電スポット地点の情報に集約させる。情報処理装置4は、事前に、車両情報に含まれる位置を近時の充電スポット地点の情報に集約させることで、充電ステーションの位置を正規化させることができる。情報処理装置4は、例えば、車両情報に含まれる位置に加え、車両情報に含まれる位置と所定の範囲内にある地図DBに含まれる充電ステーションの位置を充電実績DBに追加させることで情報を集約させることができる。情報処理装置4は、事前に充電ステーションの位置を正規化させることで、充電ステーションの検索に先立ってデータの事前選別により、処理速度を向上させることができる。情報処理装置4は、充電ステーションと、充電ステーションに対応する充電実績情報とを、情報処理端末からの要求に応じて返信する際において、処理速度の向上に寄与する。また、情報処理装置4は、事前に充電ステーションの位置の正規化にあたり、地図DBに含まれる充電ステーションの位置が近傍にない車両情報については充電実績DBに登録させなくともよい。これにより、情報処理装置4は、家庭の充電設備を充電ステーションとして充電実績DBに登録されることを除くこともできる。
【0054】
次に、情報処理装置4は、ステーションIDごとに、S13で取得された充電実績情報に基づいて評価値を算出する(S14)。評価値は、例えば、評価期間及び評価地点に該当した充電実績情報の数としてもよい。評価値は、例えば、評価期間及び評価地点に該当した充電実績情報の数に所定の演算を施すことにより評価値を算出してもよい。例えば、充電実績情報の登録日時の新しさや充電実績情報の位置と充電ステーションの位置の距離に対して重み付けをし、評価値を算出してもよい。
【0055】
図3に戻り、情報処理装置4は、充電ステーション検索処理の検索結果を情報処理端末3に送信する(S4)。充電ステーション検索処理の検索結果は、図2Cに示す充電ステーション情報である。
【0056】
情報処理端末3は、情報処理装置4から検索結果を受信すると、端末出力部33に検索結果を表示する(S5)。例えば、検索条件に合致した充電ステーションの充電ステーション情報を一覧形式で表示してもよいし、検索条件に合致した充電ステーションのアイコン及び評価値を地図上に表示するようにしてもよい。アイコンは、充電規格の種類を示すアイコンとしてもよい。
【0057】
情報処理端末3は、例えば、図15に示すように、一覧形式の検索結果330を端末出力部33に表示する。図15に例示される一覧表には、検索結果の充電ステーションに関する情報が、含まれている。なお、図15の例では、評価値は、星印の数で表されている。充電ステーションに関する情報には、例えば、充電ステーションの評価値情報に加え、充電ステーションの名称情報と、充電ステーションの所在地情報が挙げられる。充電ステーションの所在地情報は、例えば、住所、又は緯度経度が挙げられる。
【0058】
星印の数による評価値の表し方として、例えば、過去の使用回数を考慮する、評価値の表示方法がある。
【0059】
評価値の表示方法は、例えば、図15に示すように、1番上の充電ステーションに星印が一つの場合、1番上の充電ステーションには過去3カ月以内に1回の充電実績があることを示している。評価値の表示方法は、例えば、上から2番目の充電ステーションに星印がない場合、上から2番目の充電ステーションには過去3カ月以内に充電実績がないことを示している。評価値の表示方法は、例えば、上から3番目の充電ステーションに星印が二つの場合、上から3番目の充電ステーションには過去3カ月以内に2回ないし5回の充電実績があることを示す。評価値の表示方法は、例えば、上から4番目の充電ステーションに星印が三つの場合、上から4番目の充電ステーションには過去3カ月以内に6回以上の充電実績があることを示す。言い換えれば、情報処理端末3は、所定の期間における充電実績の回数ごとにカテゴリ分けされて、評価値が端末出力部33に表示できるように構成されている。
【0060】
また、星印の数による他の評価値の表し方としては、過去の使用回数のみを考慮する場合だけに限られない。情報処理端末3は、例えば、過去に充電された時点が所定時点よりも古い場合、評価値にマイナスの評価を加算してもよい。情報処理端末3は、例えば、過去の使用回数に基づいて星印の数を求めた上で、最後に充電された時点が、半月以上、かつ1月未満前であれば、星印を一つ減らして端末出力部33に表示させてもよい。情報処理端末3は、例えば、過去の使用回数に基づいて星印の数を求めた上で、最後に充電された時点が、1月以上、3月未満前であれば、星印を二つ減らして端末出力部33に表示させてもよい。
【0061】
次に、情報処理端末3は、電動車両2の運転手による入力に基づいて、検索結果の中から選択された充電ステーションをナビゲーションの目的地として設定すると、(S6)情報処理端末3は、設定された目的地に関する充電ステーション情報を電動車両2に送信する(S7)。
【0062】
電動車両2は、目的地とされた充電ステーション情報を受信すると、充電ステーションの位置に基づいて充電ステーションまでの経路案内をナビゲーション部23が行う(S8)。
【0063】
・充電実績情報の登録
次に、図7を用いて、情報処理装置4が充電実績情報を登録する場合の情報処理システム1の動作について説明する。図7は、情報処理装置4が充電実績情報を登録する場合の電動車両2と情報処理装置4との間の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7は、電動車両2が車両情報をアップロードするタイミングにおける情報処理システム1の動作を示している。図7では、電動車両2から情報処理装置4へ車両情報のアップロードが図示されているが、電動車両2から情報処理端末3を介して、情報処理装置4にアップロードされてもよい。
【0064】
電動車両2が車両情報をアップロードすると(S21)、アップロードされた日時を含む車両情報が情報処理装置4に送信される(S22)。図7におけるステップS21,S22の流れは、例えば、第1サーバ、第2サーバ、及び第3サーバが、分散されている構成の場合、次のようなものであってもよい。つまり、電動車両2は、例えば、車両情報を定期的に第1サーバにアップロードする(S21)。そして、第2サーバは、第1サーバに対して、車両情報の取得を要求する。車両情報が、日時、緯度、及び経度等をCVSファイル形式で第1サーバに保存されている場合、第2サーバは、第1サーバに対して、CVSファイルの取得を要求する。第1サーバは、当該要求に応じて、上記アップロードされた車両情報を第2サーバに送信する(S22)。
【0065】
情報処理装置4は、受信した車両情報に基づいて、電動車両2の航続可能距離が増加したか否かを判定する(S23)。情報処理装置4は、例えば、航続距離が前回送信された車両情報の航続距離よりも所定の閾値以上に増加した場合を、電動車両2の航続可能距離が増加した場合と判定してもよい。
【0066】
情報処理装置4が電動車両2の航続可能距離が増加したと判定した場合(S23:YES)、情報処理装置4は、受信した情報に基づいて充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する(S24)。より具体的には、情報処理装置4は、アップロードされた車両情報に含まれる電動車両2の位置を、充電実績情報の位置として設定し、アップロードされた日時を、登録日時として設定して、充電実績情報を生成する。情報処理装置4が電動車両2の航続可能距離が増加していないと判定した場合(S23:NO)、情報処理装置4は、充電実績情報を生成せず、処理を終了する。
【0067】
なお、図7に示す処理では、情報処理装置4は、S23において電動車両2の航続可能距離が増加したか否かを判定したが、これとは別に、S23において電動車両2のバッテリーの充電量が増加したか否かを判定してもよい。情報処理装置4が電動車両2のバッテリーの充電量が増加したと判定した場合、情報処理装置4は、充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録するようにしてもよい。
【0068】
以上、情報処理システム1では、情報処理装置4は、電動車両2からアップロードされる車両情報に基づいて、電動車両2の航続可能距離が所定の閾値を超えて増加した場合を電動車両2が充電された場合とみなして、充電実績情報を登録蓄積する。情報処理装置4は、情報処理端末3から充電ステーションの検索要求を受けた場合、充電実績情報を用いた評価値を算出し、算出した評価値を検索結果として情報処理端末3に表示する。そのため、情報処理システム1によれば、比較的簡単な方法で電動車両の充電が可能な充電ステーションを報知することができる。
【0069】
情報処理システム1では、情報処理装置4は、評価対象となる充電ステーションに対して、評価地点及び評価期間に該当する充電実績情報だけを抽出する。そのため、情報処理システム1によれば、より信頼度の高い評価値を提供することができる。
【0070】
<変形例>
・手動評価
情報処理システム1では、情報処理装置4は、電動車両2からアップロードされる車両情報に基づいて航続可能距離が増加したか否か、つまり充電が行われた否かを判定したが、これに代えて又は加えて、電動車両2の運転手の手動評価に基づいて充電が行われた否かを判定してもよい。
【0071】
図8は、情報処理装置4が手動評価を加味して充電実績情報を登録する場合の電動車両2、情報処理端末3と情報処理装置4との間の処理の流れを示すフローチャートである。S21からS23までの工程は、図7と同一なので説明を省略する。
【0072】
情報処理装置4が電動車両2の航続可能距離が増加したと判定した場合(S23:YES)、情報処理装置4は、評価依頼処理を実行する(S25)。評価依頼処理は、電動車両2の運転者に充電が可能であったか否かを回答してもらうための処理である。情報処理装置4は、評価依頼処理において、評価入力画面を情報処理端末3に送信する(S26)。
【0073】
評価入力画面を表示した情報処理端末3は、電動車両2の運転者の入力に基づいて、評価を受け付けると(S27)、受け付けた評価を情報処理装置4に送信する(S28)。ここで、評価とは、例えば、「充電できた」又は「充電できなかった」の2択のいずれかとしてもよい。
【0074】
情報処理装置4は、受信した評価をもとに充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する(S29)。例えば、「充電できた」という肯定的な評価の場合に、図2Bに示す充電実績情報を生成してもよい。
【0075】
この変形例によれば、運転手による手動評価を加味することにより、充電ステーションの評価値に対する信頼性をより高めることができる。
【0076】
・電動車両
第1の実施の形態の情報処理システム1は、情報処理端末3を構成要素としたが、情報処理端末3を構成要素としなくてもよい。すなわち、電動車両2は、情報処理端末3の上記機能を具備するようにしてもよい。この場合、電動車両2は、充電ステーションの検索を情報処理装置4に依頼して、情報処理装置4から充電ステーションの検索結果を表示する機能を有する。また、情報処理システム1が上記手動評価の構成をさらに備える場合には、電動車両2は、評価入力の機能を有する。
【0077】
[第2の実施の形態]
<情報処理システム201の構成>
図9は、第2の実施の形態に係る情報処理システム201の概略構成図である。情報処理システム201は、情報処理装置204が電動車両2の運転者が携行する情報処理端末203に充電可能な充電ステーションに関する情報を提供するように構成されている。情報処理システム201は、図9に示すように、電動車両2と、情報処理端末203と、情報処理装置204と、を備えている。情報処理システム201は、情報処理システム1と比べて、情報処理装置204による電動車両2の充電検知の方法が異なっている。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した同一の機能を有する部位及び同一の処理には同一の参照符号を付し、その説明については省略する。
【0078】
・情報処理端末203
情報処理端末203は、端末通信部231と、端末入力部32と、端末出力部33と、端末制御部234と、を備える。なお、図示しないが、情報処理端末203は、情報処理端末203の現在の位置を示す位置情報を取得できるように構成されている。情報処理端末203には、例えば、GNSSモジュールが設けられている。情報処理端末203の位置は、例えば、緯度及び経度を含む。
【0079】
端末通信部231は、情報処理装置204及び電動車両2と相互に通信できるように構成されている。端末通信部231は、充電ステーションの検索要求を情報処理装置204に送信するように構成されている。端末通信部231は、充電ステーションの検索結果を情報処理装置204から受信するように構成されている。端末通信部231は、情報処理端末203においてナビゲーションの目的地として設定した充電ステーションに関する情報を、電動車両2及び情報処理装置204に送信するように構成されている。端末通信部231は、情報処理端末203の位置を情報処理装置204に送信するように構成されている。
【0080】
端末制御部234は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、及びCPU(Central Processing Unit)で構成される。端末制御部234には、情報処理システム201を利用するためのプログラム235が記憶されている。
【0081】
端末制御部234は、プログラム235を実行することにより、充電ステーションに関する検索処理の情報処理端末203側の処理を実行する。詳しくは、端末制御部234は、情報処理装置204に対する充電ステーションの検索条件の入力に関する制御、及び情報処理装置204から受信した検索結果の表示に関する制御を行うことができる。
【0082】
端末制御部234は、プログラム235を実行することにより、ナビゲーションの目的地として設定された充電ステーションに関する情報を電動車両2及び情報処理装置204に送信する制御を行うことができる。また、端末制御部234は、所定の時間間隔で、情報処理端末203の位置を含む情報を情報処理装置204に送信する制御を行うことができる。
【0083】
・情報処理装置204
情報処理装置204は、サーバ通信部241と、サーバ記憶部42と、サーバ制御部243と、を備える。
【0084】
サーバ通信部241は、電動車両2及び情報処理端末203と相互に通信できるように構成されている。サーバ通信部241は、適宜、電動車両2から車両情報を受信するように構成されている。サーバ通信部241は、情報処理端末203から充電ステーションの検索要求を受信するように構成されている。サーバ通信部241は、充電ステーションの検索結果を情報処理端末203に送信するように構成されている。サーバ通信部241は、情報処理端末203から目的地として設定された充電ステーションに関する情報を受信するように構成されている。サーバ通信部241は、適宜、情報処理端末203の位置を受信するように構成されている。
【0085】
サーバ制御部243は、機能的には、検索部46と、評価値算出部47と、充電実績登録部248と、を備えている。
【0086】
充電実績登録部248は、情報処理端末203からアップロードされる情報処理端末203の位置及び日時に基づいて、電動車両2に充電が行われたと判断した場合に充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する機能を有する。充電実績情報は、図2Bに示した充電実績情報である。
【0087】
より詳しくは、充電実績登録部248は、目的地として設定された充電ステーションの位置周辺にジオフェンスを設定する。例えば、充電ステーションの位置から半径数十メートルの境界円をジオフェンスとして設定してもよい。充電実績登録部248は、情報処理端末203からアップロードされた情報処理端末203の位置及び日時に基づいて、情報処理端末203が所定の時間、ジオフェンス内に継続的に存在していたと判定した場合に、電動車両2は充電が行われたものと判断する。所定の時間とは、例えば、電動車両2が充電に要する時間である。例えば、所定の時間を数十分としてもよい。
【0088】
なお、情報処理装置204は、物理的に一つからなる装置でもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステムから構成されてもよい。
【0089】
<情報処理システム201の動作>
次に、情報処理システム201の動作について説明する。まず、図10を用いて、電動車両2の運転手が情報処理端末203を用いて充電ステーションの検索を行う場合の情報処理システム201の動作について説明する。図10は、情報処理端末203を用いて充電ステーションの検索を行う場合の電動車両2、情報処理端末203、及び情報処理装置204の間の処理の流れを示すフローチャートである。なお、前提として、情報処理端末203は、プログラム235が起動している状態にある。
【0090】
・充電ステーションの検索
S1からS8までの工程は、第1の実施の形態の工程と同一であるため、S31以降の工程について説明する。
【0091】
情報処理端末203は、電動車両2の運転手による入力に基づいて、検索結果の中から選択された充電ステーションをナビゲーションの目的地として設定すると(S6)、設定された充電ステーションのステーションIDを情報処理装置204に送信する(S31)。
【0092】
情報処理装置204は、ステーションIDを受信すると、ステーションIDに基づいて、地図DB44の充電ステーション情報を参照し、該当する充電ステーションの位置周辺にジオフェンスを設定する(S32)。例えば、地図DB44に記憶された充電ステーションの位置から半径数十メートルの境界円をジオフェンスとして設定してもよい。
【0093】
・充電実績情報の登録
次に、図11を用いて、情報処理装置204が充電実績情報を登録する場合の情報処理システム201の動作について説明する。図11は、情報処理装置204が充電実績情報を登録する場合の情報処理端末203と情報処理装置204との間の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11は、情報処理端末203が位置情報をアップロードするタイミングにおける情報処理システム201の動作を示している。
【0094】
情報処理端末203が位置情報をアップロードすると(S41)、アップロードされた日時を含む位置情報が情報処理装置4に送信される(S42)。以下、情報処理端末203からアップロードされた情報処理端末203の位置及び日時に関する情報をアップロード情報という。
【0095】
情報処理装置204は、アップロード情報の情報処理端末203の位置に基づいて、情報処理端末203が設定したジオフェンス内に存在しているか否かを判定する(S43)。情報処理装置204は、情報処理端末203が設定したジオフェンス内に存在していると判定した場合には(S43:YES)、ジオフェンス内に継続して一定時間存在しているか否かを判定する(S44)。一定時間は、例えば、電動車両2が充電に要する時間である。
【0096】
情報処理装置204は、情報処理端末203がジオフェンス内に継続して一定時間存在していると判定した場合には(S44:YES)、充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する(S45)。より具体的には、情報処理装置204は、S44の条件を満たしたときのアップロード情報の情報処理端末203の位置を、充電実績情報の位置として設定し、S44の条件を満たしたときのアップロード情報の日時を、登録日時として設定して、充電実績情報を生成する。
【0097】
情報処理装置204は、情報処理端末203がジオフェンス内に存在していないと判定した場合(S43:NO)、又は継続してジオフェンス内に存在していない場合には(S44:NO)、充電実績情報を生成せず、処理を終了する。
【0098】
以上、情報処理システム201では、情報処理装置204は、目的地とした充電ステーションに対してジオフェンスを設定する。情報処理装置204は、情報処理端末203からアップロードされる情報に基づいて、情報処理端末203がジオフェンス内に継続して一定時間、存在する場合を電動車両2が充電された場合とみなして、充電実績情報を登録蓄積する。情報処理装置204は、情報処理端末203から充電ステーションの検索要求を受けた場合、充電実績情報を用いた評価値を算出し、算出した評価値を検索結果として情報処理端末203に表示する。そのため、情報処理システム201によれば、比較的簡単な方法で電動車両の充電が可能な充電ステーションを報知することができる。
【0099】
情報処理システム201では、情報処理装置204は、評価対象となる充電ステーションに対して、評価地点及び評価期間に該当する充電実績情報だけを抽出する。そのため、情報処理システム201によれば、より信頼度の高い評価値を提供することができる。
【0100】
<変形例>
・車両情報
情報処理装置204は、情報処理端末203の位置に基づいて、ジオフェンス内に継続して一定時間滞在しているか否かの判定を行ったが、判定方法はこれに限定されない。例えば、情報処理装置204は、電動車両2からアップロードされる車両情報に含まれる、電動車両2の位置に基づいて、ジオフェンス内に継続して一定時間滞在しているか否かの判定を行ってもよい。
【0101】
・手動評価
情報処理システム201でも、情報処理システム1と同様に、図11に示す判定に代えて又は加えて、電動車両2の運転手の手動評価に基づいて充電が行われた否かを判定するようにしてもよい。例えば、情報処理装置204は、電動車両2がジオフェンス内に継続して一定時間滞在していると判定した場合、評価依頼処理を実行するようにしてもよい。充電ステーションの評価値に対する信頼性をより高めることができる。
【0102】
[第3の実施の形態]
<情報処理システム301の構成>
図12は、第3の実施の形態に係る情報処理システム301の概略構成図である。情報処理システム301は、情報処理装置304が電動車両2の運転者が携行する情報処理端末303に充電可能な充電ステーションに関する情報を提供するように構成されている。情報処理システム301は、図12に示すように、電動車両2と、情報処理端末303と、情報処理装置304と、を備えている。情報処理システム301は、情報処理システム201と比べて、ジオフェンスの設定主体を情報処理装置204から情報処理端末303とする点が異なっている。第3の実施の形態においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した同一の機能を有する部位及び同一の処理には同一の参照符号を付し、その説明については省略する。
【0103】
・情報処理端末303
情報処理端末303は、端末通信部331と、端末入力部32と、端末出力部33と、端末制御部334と、を備える。なお、図示しないが、情報処理端末303は、情報処理端末303の現在の位置を示す位置情報を取得できるように構成されている。情報処理端末303には、例えば、GNSSモジュールが設けられている。情報処理端末303の位置は、例えば、緯度及び経度を含む。
【0104】
端末通信部331は、情報処理装置304及び電動車両2と相互に通信できるように構成されている。端末通信部331は、充電ステーションの検索要求を情報処理装置304に送信するように構成されている。端末通信部331は、充電ステーションの検索結果を情報処理装置304から受信するように構成されている。端末通信部331は、情報処理端末303においてナビゲーションの目的地として設定した充電ステーションに関する情報を、電動車両2に送信するように構成されている。端末通信部331は、情報処理端末303が電動車両2に対して充電が行われたと判定した場合、充電実績情報を登録する要求を情報処理装置304に送信するように構成されている。以下、充電実績情報を登録する要求を、充電実績登録要求という。
【0105】
端末制御部334は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Access Memory)、及びCPU(Central Processing Unit)で構成される。端末制御部334には、情報処理システム301を利用するためのプログラム335が記憶されている。
【0106】
端末制御部334は、プログラム335を実行することにより、充電ステーションに関する検索処理の情報処理端末303側の処理を実行する。詳しくは、端末制御部334は、情報処理装置304に対する充電ステーションの検索条件の入力に関する制御、及び情報処理装置304から受信した検索結果の表示に関する制御を行うことができる。
【0107】
端末制御部334は、プログラム335を実行することにより、ナビゲーションの目的地として設定された充電ステーションに関する情報を電動車両2に送信する制御を行うことができる。
【0108】
端末制御部334は、ジオフェンス機能を有する。詳しくは、端末制御部334は、目的地として設定した充電ステーションの位置付近にジオフェンスを設定する制御を行い、情報処理端末303がジオフェンス内に滞在しているか否かの判定制御を行う。例えば、充電ステーションの位置から半径数十メートルの境界円をジオフェンスとして設定してもよい。端末制御部334は、情報処理端末303がジオフェンス内に継続して一定時間、存在していた判定した場合には、電動車両2は充電が行われたものと判断し、充電実績登録要求を情報処理装置304に送信する制御を行う。
【0109】
・情報処理装置304
情報処理装置304は、サーバ通信部41と、サーバ記憶部42と、サーバ制御部343と、を備える。
【0110】
サーバ通信部341は、電動車両2及び情報処理端末303と相互に通信できるように構成されている。サーバ通信部341は、適宜、電動車両2から車両情報を受信するように構成されている。サーバ通信部341は、情報処理端末303から充電ステーションの検索要求を受信するように構成されている。サーバ通信部341は、充電ステーションの検索結果を情報処理端末303に送信するように構成されている。サーバ通信部341は、情報処理端末303から充電実績登録要求を受信するように構成されている。充電実績登録要求は、アップロードされた日時、及び情報処理端末303の位置を含む。
【0111】
サーバ制御部343は、機能的には、検索部46と、評価値算出部47と、充電実績登録部348と、を備えている。
【0112】
充電実績登録部348は、情報処理端末303から充電実績登録要求を受信した場合、充電実績登録要求に基づいて充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する機能を有する。充電実績情報は、図2Bに示した充電実績情報である。より具体的には、充電実績登録部348は、充電実績登録要求に含まれる情報処理端末203の位置を、充電実績情報の位置として設定し、充電実績登録要求に含まれるアップロード日時を、登録日時として設定して、充電実績情報を生成する。
【0113】
なお、情報処理装置304は、情報処理装置4と同様に、物理的に一つからなる装置でもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステムから構成されてもよい。
【0114】
<情報処理システム301の動作>
次に、情報処理システム301の動作について説明する。まず、図13を用いて、電動車両2の運転手が情報処理端末303を用いて充電ステーションの検索を行う場合の情報処理システム301の動作について説明する。図13は、情報処理端末303を用いて充電ステーションの検索を行う場合の電動車両2、情報処理端末303、及び情報処理装置304の間の処理の流れを示すフローチャートである。なお、前提として、情報処理端末303は、プログラム335が起動している状態にある。
【0115】
S1からS8までの工程は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の工程と同一であるため、S51の工程について説明する。
【0116】
情報処理端末303は、電動車両2の運転手による入力に基づいて、検索結果の中から選択された充電ステーションをナビゲーションの目的地として設定すると(S6)、設定した充電ステーションの位置周辺にジオフェンスを設定する(S51)。ジオフェンスの設定は、例えば、地図DB44に記憶された充電ステーションの位置を示す緯度経度を中心に所定の半径の範囲内とすることができる。
【0117】
・充電実績情報の登録
次に、図14を用いて、情報処理装置304が充電実績情報を登録する場合の情報処理システム301の動作について説明する。図14は、情報処理装置304が充電実績情報を登録する場合の情報処理端末303と情報処理装置304との間の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図14は、情報処理端末303が位置情報を取得するタイミングにおける情報処理システム301の動作を示している。
【0118】
情報処理端末303は、情報処理端末303の位置を取得すると(S61)、取得した情報処理端末303の位置に基づいて、情報処理端末303が設定したジオフェンス内にいるか否かを判定する(S62)。情報処理端末303は、情報処理端末303が設定したジオフェンス内にいると判定した場合には(S62:YES)、位置情報の取得日時に基づいてジオフェンス内に継続して一定時間滞在しているか否かを判定する(S63)。
【0119】
情報処理端末303は、情報処理端末303がジオフェンス内に継続して一定時間存在していると判定した場合には(S63:YES)、充電実績情報を登録する指示を情報処理装置304に送信する(S64)。これにより、情報処理端末303の位置、アップロード日時を含む充電実績登録要求が情報処理装置304に送信される(S65)。
【0120】
情報処理端末303は、情報処理端末303がジオフェンス内に存在していないと判定した場合(S62:NO)、又は継続してジオフェンス内に存在していないと判定した場合(S63:NO)、充電実績登録要求を送信せず、処理を終了する。
【0121】
情報処理装置304は、充電実績登録要求を受信すると、充電実績登録要求に基づいて充電実績情報を生成し、生成した充電実績情報を充電実績DB45に登録する(S66)。より具体的には、情報処理装置304は、充電実績情報登録要求に含まれる情報処理端末203の位置を、充電実績情報の位置として設定し、電実績情報登録要求に含まれるアップロード日時を、登録日時として設定して、充電実績情報を生成する。
【0122】
以上、情報処理システム301では、情報処理端末303は、目的地とした充電ステーションに対してジオフェンスを設定する。情報処理端末303は、自己の位置情報に基づいて、情報処理端末303がジオフェンス内に継続して一定時間、存在する場合を電動車両2が充電された場合とみなして、充電実績情報を登録蓄積する。情報処理装置304は、情報処理端末303から充電ステーションの検索要求を受けた場合、充電実績情報を用いた評価値を算出し、算出した評価値を検索結果として情報処理端末303に表示する。そのため、情報処理システム301によれば、比較的簡単な方法で電動車両の充電が可能な充電ステーションを報知することができる。
【0123】
情報処理システム301では、情報処理装置304は、評価対象となる充電ステーションに対して、評価地点及び評価期間に該当する充電実績情報だけを抽出する。そのため、情報処理システム301によれば、より信頼度の高い評価値を提供することができる。
【0124】
<変形例>
・手動評価
第3の実施の形態の情報処理システム301でも、情報処理システム1と同様に、図14に示す判定に加えて、電動車両2の運転手の手動評価に基づいて充電が行われた否かを判定するようにしてもよい。例えば、情報処理装置304は充電実績登録要求を受信した場合、評価依頼処理を実行するようにしてもよい。充電ステーションの評価値に対する信頼性をより高めることができる。
【0125】
・電動車両
第3の実施の形態の情報処理システム301は、情報処理端末303を構成要素としたが、情報処理端末303を構成要素としなくてもよい。すなわち、電動車両2は、情報処理端末303の上記機能を具備するようにしてもよい。この場合、電動車両2は、充電ステーションの検索を情報処理装置304に依頼して、情報処理装置304から充電ステーションの検索結果を表示する機能と、ジオフェンス機能と、を有する。また、情報処理システム301が上記手動評価の構成をさらに備える場合には、評価入力の機能を有する。
【0126】
[その他の実施の形態]
・実施の形態の組み合わせ
上記第1の実施の形態と上記第2の実施の形態を組み合わせてもよい。また、上記第1の実施の形態と上記第3の実施の形態を組み合わせてもよい。つまり、情報処理システムが、電動車両2の航続可能距離の増加により充電が行われたと判定し、かつジオフェンス機能による電動車両2の位置及び滞在時間の判定により充電が行われたと判定した場合に、充電実績情報を登録するようにしてもよい。第1の実施の形態と第2の実施の形態と第3の実施の形態の各構成は、適宜に相互に組み合わせて利用してもよい。
【0127】
・充電ができなかった否定的な評価の充電実績情報
上記実施の形態において、手動評価に基づく判定処理の工程を加えた場合、充電ができた肯定的な評価の場合にだけ充電実績情報を登録するようにしたが、充電ができなかった否定的な評価の場合も充電実績情報を登録するようにしてもよい。この場合、評価値の算出において、肯定的な評価の充電実績情報は加算対象、否定的な評価の充電実績情報は減算対象として評価値を算出するようにしてもよい。
【0128】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴う構成もまた、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1,201,301 情報処理システム
2 電動車両
3,203,303 情報処理端末
4,204,304 情報処理装置
5 通信ネットワーク
21 車両通信部
22 位置取得部
23 ナビゲーション部
24 出力部
31,231,331 端末通信部
32 端末入力部
33 端末出力部
34,234,334 端末制御部
35,235,335 プログラム
41,241,341 サーバ通信部
42 サーバ記憶部
43,243,343 サーバ制御部
44 地図DB
45 充電実績DB
46 検索部
47 評価値算出部
48,248,348 充電実績登録部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15