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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20221215BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20221215BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F28F9/02 301Z
F28D9/02
F28F3/08 311
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021526512
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 KR2019010573
(87)【国際公開番号】W WO2020101152
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139643
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0094296
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョン ウク
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-105577(JP,A)
【文献】特開2000-292089(JP,A)
【文献】特表2017-522536(JP,A)
【文献】特開2016-003844(JP,A)
【文献】特開2013-230476(JP,A)
【文献】特開2017-133783(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0116498(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/02
F28F 3/08
F02M 26/32
F24F 7/16
F28D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側が開放し、一体の管状に形成されたハウジングと、
互いに離隔して高さ方向に積層され、前記ハウジングの内部に収容された複数個のチューブと、
前記複数個のチューブの長さ方向の両端部に嵌合し、外側周面がハウジングの内側面に接触した第1ヘッダおよび第2ヘッダと、
前記複数個のチューブに嵌合し、外側周面がハウジングの内側面に接触したバッフルをさらに含み、
前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、
前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触して接合され、
前記複数個のチューブは、積層される方向の面から接合突起が突出形成され、前記接合突起がハウジングの内側面に接触し、
前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に段差が形成され、
前記段差に対応する長さ方向の位置にチューブの接合突起が配置され、前記接合突起がハウジングの段差に接触し、
前記ハウジングは、段差を基準として長さ方向にバッフル接合部が形成された側にはハウジングの内側に突出して前記接合突起と接触する部分がないことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記ハウジングは、バッフル接合部とバッフル接合部の前方側ハウジングをラウンド状に連結するガイド部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記バッフル接合部が形成された部分で高さ方向にハウジングの内側距離は、バッフルの高さより小さく形成されることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に段差が形成され、
前記バッフルは、前記段差に係止される長さ方向の位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触し、
前記バッフル接合部の突出高さが前記段差の突出高さより低く形成されることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に支持突起が形成され、
前記支持突起に対応する長さ方向の位置にチューブの接合突起が配置され、前記接合突起がハウジングの支持突起に接触することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記ハウジングは、段差を基準として長さ方向の一側にハウジングの外側に凸状に複数個の補強リブが突出形成され、前記補強リブは、幅より長さが長く形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記複数個のチューブに嵌合され、外側周面がハウジングの内側面に接触したバッフルをさらに含み、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触して接合され、
前記補強リブは、長さ方向にバッフル接合部の前方に形成されることを特徴とする請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記チューブには、長さ方向にバッフルの位置を固定可能なバッフルストッパが突出形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記チューブには、長さ方向に第1ヘッダおよび第2ヘッダがチューブに嵌められる位置を制限可能なヘッダストッパが突出形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記バッフルは、
高さ方向に沿って形成された支持部と、前記支持部から幅方向に延設され、高さ方向に互いに離隔して配置された複数個の延長部とを含み、
前記延長部は、チューブの間および高さ方向に最外側チューブの外側にそれぞれ配置され、前記支持部は、チューブの幅方向の側面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記支持部および高さ方向に最外側チューブの外側に配置された延長部からそれぞれ長さ方向に折り曲げ部が延設され、前記折り曲げ部がハウジングの内側面に接触することを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記ハウジングは、長さ方向の一側の高さ方向の一面に排気ガスが流入される排気ガス流入口が形成され、長さ方向の他側の高さ方向の一面に排気ガスが排出される排気ガス排出口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記排気ガス流入口および排気ガス排出口は、ハウジングの長さ方向の中央部を基準として両側が非対称に形成されることを特徴とする請求項13に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記ハウジングは、幅方向の一面に冷却水が流入される冷却水流入口および冷却水が排出される冷却水排出口が形成され、
前記冷却水流入口および冷却水排出口は、高さ方向に互いに離隔して形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温の排気ガスを冷却水と熱交換させ、排気ガスの熱エネルギーを回収する熱交換器に関し、耐圧性および耐久性を向上できる熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンは、燃焼時に熱エネルギーを発生するが、一般的に、冷却水によりエンジンを冷却させてエンジンが過熱することを防止する。
【0003】
しかし、エンジンで発生し、外部に廃棄される熱エネルギーは、排気ガスとして排出されるエネルギーがより大きく、これは、エンジンの熱効率が低くなる結果をもたらす。
【0004】
これを解決するために、エンジンで燃焼後、排気管を介して排気ガスとして廃棄される熱エネルギーを冷却水の加熱に使用する排気熱回収装置が使用されている。
【0005】
従来の排気熱回収装置は、複数個の冷却水流路が複数個の排気ガス流路と互いに隣接して形成された熱交換器を使用するが、この際、熱交換器は、一般的に、組立性のためにハウジングを二つの部分に分けられた形態で形成し、ハウジングの内部にチューブ、ピン、バッフルおよびヘッダの組立体であるコア部を入れてハウジングを結合した後、ろう付け(brazing)などで溶接した形態で熱交換器が構成される。
【0006】
しかし、かかる熱交換器は、ハウジングに溶接による継手が形成されるため、熱交換媒体の圧力および熱衝撃によってハウジングが捻れる変形が発生するか、ハウジングの継手部分またはチューブ、バッフルおよびヘッダが、ハウジングと接合された接合部が破損することが発生するという問題がある。
【0007】
これを解決するために、ハウジング、チューブ、ヘッダ、ピンなどの素材の厚さを増大しているが、これは、熱交換器の重量を増加させ、製造コストを上昇させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許10‐2017‐0124951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するために導き出されたものであって、本発明の目的は、継手なしに一体に形成された管状にハウジングを形成し、ハウジングにチューブとバッフルが接触するように結合して、耐圧性および耐久性が向上した熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明の熱交換器は、両側が開放し、一体の管状に形成されたハウジングと、互いに離隔して高さ方向に積層され、前記ハウジングの内部に収容された複数個のチューブと、前記複数個のチューブの長さ方向の両端部に嵌合し、外側周面がハウジングの内側面に接触した第1ヘッダおよび第2ヘッダと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記複数個のチューブに嵌合し、外側周面がハウジングの内側面に接触したバッフルをさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触して接合されることを特徴とする。
【0013】
また、前記ハウジングは、バッフル接合部とバッフル接合部の前方側ハウジングをラウンド状に連結するガイド部が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記バッフル接合部が形成された部分で高さ方向にハウジングの内側距離は、バッフルの高さより小さく形成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に段差が形成され、前記バッフルは、前記段差に係止される長さ方向の位置に配置されることを特徴とする。
【0016】
また、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触し、前記バッフル接合部の突出高さが前記段差の突出高さより低く形成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記複数個のチューブは、積層される方向の面から接合突起が突出形成され、前記接合突起がハウジングの内側面に接触することを特徴とする。
【0018】
また、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に段差が形成され、前記段差に対応する長さ方向の位置にチューブの接合突起が配置され、前記接合突起がハウジングの段差に接触することを特徴とする。
【0019】
また、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状に支持突起が形成され、前記支持突起に対応する長さ方向の位置にチューブの接合突起が配置され、前記接合突起がハウジングの支持突起に接触することを特徴とする。
【0020】
また、前記ハウジングは、段差を基準として長さ方向の一側にハウジングの内側に突出した部分がなく形成されることを特徴とする。
【0021】
また、前記ハウジングは、段差を基準として長さ方向の一側にハウジングの外側に凸状に複数個の補強リブが突出形成され、前記補強リブは、幅より長さが長く形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記複数個のチューブに嵌合され、外側周面がハウジングの内側面に接触したバッフルをさらに含み、前記ハウジングは、チューブが積層された高さ方向の面から内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、前記バッフルは、前記バッフル接合部に対応する長さ方向の位置に配置され、バッフル接合部に接触して接合され、前記補強リブは、長さ方向にバッフル接合部の前方に形成されることを特徴とする。
【0023】
また、前記チューブには、長さ方向にバッフルの位置を固定可能なバッフルストッパが突出形成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記チューブには、長さ方向に第1ヘッダおよび第2ヘッダがチューブに嵌められる位置を制限可能なヘッダストッパが突出形成されることを特徴とする。
【0025】
また、前記バッフルは、高さ方向に沿って形成された支持部と、前記支持部から幅方向に延設され、高さ方向に互いに離隔して配置された複数個の延長部とを含み、前記延長部は、チューブの間および高さ方向に最外側チューブの外側にそれぞれ配置され、前記支持部は、チューブの幅方向の側面に配置されることを特徴とする。
【0026】
また、前記支持部および高さ方向に最外側チューブの外側に配置された延長部からそれぞれ長さ方向に折り曲げ部が延設され、前記折り曲げ部がハウジングの内側面に接触することを特徴とする。
【0027】
また、前記ハウジングは、長さ方向の一側の高さ方向の一面に排気ガスが流入される排気ガス流入口が形成され、長さ方向の他側の高さ方向の一面に排気ガスが排出される排気ガス排出口が形成されることを特徴とする。
【0028】
また、前記排気ガス流入口および排気ガス排出口は、ハウジングの長さ方向の中央部を基準として両側が非対称に形成されることを特徴とする。
【0029】
また、前記ハウジングは、幅方向の一面に冷却水が流入される冷却水流入口および冷却水が排出される冷却水排出口が形成され、前記冷却水流入口および冷却水排出口は、高さ方向に互いに離隔して形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の熱交換器は、ハウジングに継手がないことから、熱交換媒体の圧力に対する耐圧性が向上し、熱衝撃に強いという利点がある。
【0031】
また、チューブとバッフルがハウジングと接触して接合されることから、熱交換媒体の圧力によってチューブが破損することを防止できるという利点がある。
【0032】
また、熱衝撃によるハウジングの変形が少なく、チューブ、ヘッダおよびバッフルの接合部が破損する可能性が低くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態による熱交換器を示す組立斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による熱交換器を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による熱交換器のチューブ、バッフルおよびヘッダの分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による熱交換器を示す正面断面図である。
図5】本発明の第1実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
図6】本発明の第1実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
図7】本発明の第2実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
図8】本発明の第2実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明による熱交換器の実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1および図2は本発明の一実施形態による熱交換器を示す組立斜視図および分解斜視図であり、図3は本発明の一実施形態による熱交換器のチューブ、バッフルおよびヘッダの分解斜視図であり、図4は本発明の一実施形態による熱交換器を示す正面断面図である。
【0036】
図に示すように、本発明の一実施形態による熱交換器は大きくハウジング100、チューブ200、インナーピン300、バッフル400、第1ヘッダ500および第2ヘッダ600で構成される。
【0037】
ハウジング100は、継手のない一体の管状に形成され、長さ方向の両側が開放するように形成される。また、ハウジング100は、高さ方向の下面の長さ方向の一側に排気ガスが流入される排気ガス流入口110が形成され、他側には排気ガスが排出される排気ガス排出口120が形成され、長さ方向にハウジング100の中央部を基準として両側が非対称に形成される。また、ハウジング100の幅方向の側面の長さ方向の一側には、冷却水が流入される冷却水流入口130が形成され、他側には、冷却水が排出される冷却水排出口140が形成され、冷却水流入口130と冷却水排出口140は、高さ方向に互いに離隔して形成される。また、ハウジング100は、高さ方向の上面および下面から内側に凸状に段差160が突出形成され、段差160に隣接して長さ方向の一側に内側に凸状にバッフル接合部150が突出形成される。この際、バッフル接合部150は、段差160より突出した高さが低く形成され、バッフル接合部150は、ハウジング100の内周面と傾斜してもしくはラウンド状にガイド部151が連結される。すなわち、ガイド部151は、長さ方向にバッフル接合部150の前方側ハウジング100とバッフル接合部150をラウンド状に連結し、ガイド部151によって長さ方向にバッフル接合部150が形成された位置にバッフル400が容易に挿入される。また、バッフル接合部150が形成された部分で高さ方向にハウジング100の内側の距離は、バッフル400の高さより小さく形成され、上下側バッフル接合部150の間にバッフル400が挿入された時に、バッフル400および積層されたチューブ200が高さ方向に圧縮されて互いに密着する。ここで、バッフル接合部150、ガイド部151および段差160は、断面形態が一定に形成された継手のない管状のハウジング100に外力を加えて、内側に凸状に突出した形態で変形するように形成され、ハイドロフォーミングや深絞りなど様々な方法によって継手なしに一体に形成される。
【0038】
チューブ200は、ハウジング100の内部に流入される排気ガスが通過する排気ガス流路を形成する部分であり、排気ガスがチューブ200の内部に沿って流動するように管状に形成される。また、チューブ200は、高さ方向の両面で接合突起210が凸状に突出形成され、隣合うチューブ200の接合突起210同士が接触するように複数個のチューブ200が高さ方向に積層されて、隣合うチューブ200の高さ方向の上面と下面が互いに離隔して配置されるこれにより、チューブ200の間の離隔した空間および高さ方向に最外側に配置されたチューブ200とハウジング100との間の空間は、冷却水が流動する冷却水流路になることができる。また、高さ方向の最外側に配置されたチューブ200の高さ方向の外側に形成された接合突起210は、ハウジング100の内側に突出形成された段差160および支持突起170に当接するように配置される。また、チューブ200は、長さ方向に中央部分にバッフル400の位置固定のためのバッフルストッパ220が突出形成され、長さ方向の両側にヘッダ500、600の位置固定のためのヘッダストッパ230が突出形成される。
【0039】
インナーピン300は、チューブ200それぞれの内側に挿入されて備えられ、インナーピン300は、多様に形成され、一例として、幅方向に行きながらしわ状に形成されたコルゲートピン(オフセットピン)やコルゲートピンの形態で長さ方向に沿ってしわ状に形成されたウェーブピンになることができる。
【0040】
バッフル400は、ハウジング100とチューブ200との間の空間を区切って冷却水が流動する流路を形成する部分であり、バッフル400は、複数個のチューブ200に嵌合し、外側周面がハウジング100の内側面のうちバッフル接合部150に密着する。この際、バッフル400は、高さ方向に沿って延設された支持部410および支持部410から延設され、高さ方向に互いに離隔した複数個の延長部420で構成される。すなわち、図に示すように、フォークの端部のように形成される。また、支持部410および高さ方向の最外側の延長部420の周縁から長さ方向に折り曲げられた形態で折り曲げ部411、421が延設される。これにより、バッフル400は、チューブ200の長さ方向の中央部分に形成されたバッフルストッパ220と接合突起210との間に沿って幅方向に延長部420が挿入される形態でチューブ200にバッフル400が嵌められて組み立てられ、バッフル400の延長部420は、チューブ200の間および高さ方向に最外側チューブ200の外側にそれぞれ配置され、前記支持部410は、チューブ200の幅方向の側面に配置される。この際、バッフル400は、支持部410で折り曲げられた折り曲げ部411が、ハウジング100の幅方向の内側面に接触し、延長部420で折り曲げられた折り曲げ部421が、ハウジング100の高さ方向の内側面に接触する。また、延長部420の自由端は、ハウジング100の幅方向の内側面から特定の距離を離隔して配置され、離隔距離は、20mm以内に形成される。また、流入した冷却水が延長部420の自由端とハウジング100との間の空間を介してUターンして流動しやすく、十分な熱交換性能を確保することができる。また、折り曲げ部411、421は、ハウジング100の段差160を基準としてバッフル接合部150が形成された方向側に折り曲げ形成され、バッフル200がハウジング100のバッフル接合部150が形成された部分に挿入されやすいようにすることができる。
【0041】
第1ヘッダ500は、バッフル400を基準としてチューブ200の長さ方向の一側端部に嵌合され、第1ヘッダ500は、外側周面がハウジング100の内周面に接触するようにハウジング100の内部に挿入されて結合される。この際、第1ヘッダ500は、高さ方向および幅方向の平面上に形成される支持部510にチューブ挿入孔511が形成され、チューブ挿入孔511にチューブ200が挿入される。また、支持部510の周縁から長さ方向に延長された形態で折り曲げ部520が形成され、折り曲げ部520がハウジング100の内周面に接触する。
【0042】
第2ヘッダ600は、バッフル400を基準としてチューブ200の長さ方向の他側端部に嵌合され、第2ヘッダ600は、第1ヘッダ500と同様、外側周面がハウジング100の内周面に接触するようにハウジング100の内部に挿入されて結合される。この際、第2ヘッダ600は、高さ方向および幅方向の平面上に形成される支持部610にチューブ挿入孔611が形成されて、チューブ挿入孔611にチューブ200が挿入される。また、支持部610の周縁から長さ方向に延長した形態で折り曲げ部620が形成され、折り曲げ部620がハウジング100の内周面に接触する。また、第1ヘッダ500と第2ヘッダ600は、チューブ200の長さ方向の端部に形成されたヘッダストッパ230に係止される位置まで挿入されて結合され、第1ヘッダ500と第2ヘッダ600によって、チューブ200の長さ方向の両端部分でチューブの間およびチューブとハウジングの間が塞がっている形態にできる。
【0043】
これにより、ハウジング100の排気ガス流入口110に流入した排気ガスは、チューブ200の内部を通過し、排気ガス排出口120を介して排出され、冷却水は、ハウジング100の冷却水流入口130に流入し、バッフル400によって区切られた左側のチューブ200の間およびチューブ200とハウジング100との間の空間に沿って流動し、バッフル400の延長部420の自由端とハウジング100との間を介してUターンし、また、バッフル400によって区切られた右側のチューブ200の間およびチューブ200とハウジング100との間の空間に沿って流動し、ハウジング100の冷却水排出口140を介して排出されて排気ガスと熱交換される。
【0044】
ここで、ハウジング100の内部にチューブ200、インナーピン300、バッフル400、第1ヘッダ500および第2ヘッダ600が収容されて組み立てられた状態で、ろう付けにより構成要素間の接触する面が接合される。これによって、積層されたチューブ200とバッフル400とハウジング100が高さ方向側の面同士が互いに接触して接合されるため、流動する熱交換媒体の圧力に対する耐圧性が向上し、熱衝撃に対する耐久性も向上することができる。
【0045】
また、ハウジング100は、段差160を基準として長さ方向にバッフル接合部150が形成された側には内側に突出した部分がないように形成され、ハウジング100の内部にバッフル400を挿入して結合する時に、バッフル400がかからず容易に挿入することができる。また、ハウジング100は、段差160を基準として長さ方向にバッフル接合部150が形成された側には内側に突出した部分がないため、ハウジング100の外側に凸状に補強リブ180が突出形成されて、ハウジング100の構造的な強度を向上させることができる。また、補強リブ180は、複数個で構成されて、複数個の補強リブ180が幅方向に離隔して配置され、補強リブ180は、長さ方向にバッフル接合部150より前方に形成される。ここで、長さ方向にハウジング100の排気ガス流入口110が形成された側が前方側になり、排気ガス排出口120が形成された側が後方側になる。また、補強リブ180は、幅より長さが長く形成され、長さ方向に沿って長く延設された形態になる。
【0046】
以下、本発明の熱交換器を製造する製造方法について説明する。
【0047】
図5および図6は本発明の第1実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
【0048】
図5を参照すると、本発明の第1実施形態による熱交換器の製造方法は、両側が開放した一体の管状にハウジングを形成するハウジング形成ステップと、高さ方向に複数個のチューブを積層するチューブ積層ステップと、積層されたチューブをハウジングの内部に挿入するチューブ挿入ステップと、長さ方向の両側で第1ヘッダおよび第2ヘッダをハウジングの内部に挿入し、第1ヘッダと第2ヘッダが複数個のチューブの長さ方向の両端部に嵌合され、第1ヘッダと第2ヘッダの外側周面がハウジングの内側面に接触するように組み立てるヘッダ挿入ステップとを含む。
【0049】
また、ハウジング形成ステップでは、高さ方向の面から内側に凸状に段差が突出形成され、段差に隣接した長さ方向の一側に段差より低い高さで内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、チューブ積層ステップとチューブ挿入ステップとの間に、積層された複数個のチューブにバッフルを嵌めて固定してチューブおよびバッフル組立体を形成するチューブおよびバッフル組立体形成ステップをさらに含み、チューブ挿入ステップでは、ハウジングの段差を基準として長さ方向にバッフル接合部が形成された側でチューブおよびバッフル組立体をハウジングの内部に挿入して組み立て、この際、バッフルがハウジングの段差に係止され、バッフルの外側周面がバッフル接合部に接触する位置までチューブおよびバッフル組立体を挿入することができる。
【0050】
先ず、両側が開放され、継手がない一体の管状にハウジング100を形成し、この際、ハイドロフォーミングなどの方法で高さ方向の面から内側に凸状に段差160が突出形成され、段差160に隣接した長さ方向の一側に段差160より低い高さで内側に凸状にバッフル接合部150が突出するようにハウジング100を形成する。また、予め作製したチューブ200とバッフル400を組み立て、この際、チューブ200の内部にはインナーピン300が挿入されてもよく、インナーピン300が備えられたチューブ200を高さ方向に複数個積層した後、バッフル400を幅方向にチューブ200の中央部に嵌めて固定し、チューブ200およびバッフル400組立体を形成することができる。
【0051】
図6を参照すると、以降、ハウジング100の内部にチューブ200およびバッフル400組立体を挿入して組み立て、この際、ハウジング100の段差160を基準として長さ方向にバッフル接合部150が形成された側からチューブ200およびバッフル400組立体を挿入して組み立てる。この際、バッフル400がハウジング100の段差160に係止され、バッフル400の外側周面がバッフル接合部150に接触する位置までチューブ200およびバッフル400組立体を挿入することができる。次に、長さ方向の両側で第1ヘッダ500および第2ヘッダ600をハウジング100の内部に挿入し、第1ヘッダ500と第2ヘッダ600が複数個のチューブ200の長さ方向の両端部に嵌合され、第1ヘッダ500と第2ヘッダ600の外側周面がハウジング100の内側面に接触するように組み立てることで熱交換器の組立が完了することができる。以降、組み立てられた熱交換器をろう付けして、部品間の接触面が互いに接合された状態で製造された熱交換器にできる。
【0052】
ここで、チューブおよびバッフル組立体は、ヘッダが結合していない状態でハウジングの内部に挿入されるため、チューブおよびバッフル組立体をハウジングに挿入し、組み立てることが容易である。
【0053】
図7および図8は本発明の第2実施形態による熱交換器の製造方法を示す正面断面図である。
【0054】
図7を参照すると、本発明の第2実施形態による熱交換器の製造方法は、両側が開放した一体の管状にハウジングを形成するハウジング形成ステップと、高さ方向に複数個のチューブを積層し、第1ヘッダを複数個のチューブの長さ方向の端部に嵌合し、チューブおよび第1ヘッダ組立体を形成するチューブおよび第1ヘッダ組立体の形成ステップと、チューブおよび第1ヘッダ組立体をハウジングの内部に挿入し、第1ヘッダの外側周面がハウジングの内側面に接触するように組み立てるチューブおよび第1ヘッダ挿入ステップと、長さ方向に第1ヘッダ側を支持した状態で第2ヘッダをハウジングの内部に挿入し、第2ヘッダが複数個のチューブの長さ方向の端部に嵌合し、第2ヘッダの外側周面がハウジングの内側面に接触するように組み立てる第2ヘッダ挿入ステップと、を含むことができる。
【0055】
また、ハウジング形成ステップでは、高さ方向の面から内側に凸状に段差が突出形成され、段差に接した長さ方向の一側に段差より低い高さで内側に凸状にバッフル接合部が突出形成され、チューブおよび第1ヘッダ組立体形成ステップとチューブおよび第1ヘッダ挿入ステップとの間に、積層された複数個のチューブにバッフルを嵌めて固定し、チューブ、バッフルおよび第1ヘッダ組立体を形成するチューブ、バッフルおよび第1ヘッダ組立体の形成ステップをさらに含み、チューブおよび第1ヘッダ挿入ステップでは、ハウジングの段差を基準として長さ方向にバッフル接合部が形成された側からチューブ、バッフルおよび第1ヘッダ組立体をハウジングの内部に挿入して組み立て、この際、バッフルがハウジングの段差に係止され、バッフルの外側周面がバッフル接合部に接触する位置までチューブおよびバッフル組立体を挿入することができる。
【0056】
先ず、両側が開放し、継手がない一体の管状にハウジング100を形成し、この際、ハイドロフォーミングなどの方法で高さ方向の面から内側に凸状に段差160が突出形成され、段差160に隣接した長さ方向の一側に段差160より低い高さで内側に凸状にバッフル接合部150が突出するようにハウジング100を形成する。また、予め作製しておいたチューブ200とバッフル400および第1ヘッダ500を組み立て、この際、チューブ200の内部にはインナーピン300が挿入されていてもよく、インナーピン300が備えられたチューブ200を高さ方向に複数個積層した後、バッフル400を幅方向にチューブ200の中央部に嵌めて固定し、第1ヘッダ500をチューブ200の端部に嵌めて固定することで、チューブ200、バッフル400および第1ヘッダ500組立体を形成することができる。
【0057】
図8を参照すると、以降、ハウジング100の内部にチューブ200、バッフル400および第1ヘッダ500組立体を挿入して組み立て、この際、ハウジング100の段差160を基準として長さ方向にバッフル接合部150が形成された側からチューブ200、バッフル400および第1ヘッダ500組立体を挿入して組み立てる。この際、バッフル400がハウジング100の段差160に係止され、バッフル400の外側周面がバッフル接合部150に接触する位置までチューブ200、バッフル400および第1ヘッダ500組立体を挿入することができる。次に、長さ方向に第1ヘッダ500が支持された状態で、その反対側で第2ヘッダ600をハウジング100の内部に挿入し、第2ヘッダ600がチューブ200の端部に嵌合されるようにして組立が完了することができる。この際、第1ヘッダ500と第2ヘッダ600は、外側周面がハウジング100の内側面に接触するように組み立てられる。以降、組み立てられた熱交換器をろう付けして、部品間の接触面が互いに隣接された状態で製造された熱交換器にできる。
【0058】
ここで、チューブ、バッフルおよび第1ヘッダ組立体は、第1ヘッダが予めチューブに結合した状態でハウジングの内部に挿入されるため、挿入後にもチューブの整列状態が良好で、第2ヘッダをチューブの端部に嵌めて組み立てることが容易である。
【0059】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。また様々な変形実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
100 ハウジング
110 排気ガス流入口
120 排気ガス排出口
130 冷却水流入口
140 冷却水排出口
150 バッフル接合部
151 ガイド部
160 段差
170 支持突起
180 補強リブ
200 チューブ
210 接合突起
220 バッフルストッパ
230 ヘッダストッパ
300 インナーピン
400 バッフル
410 支持部
411 折り曲げ部
420 延長部
421 折り曲げ部
500 第1ヘッダ
510 支持部
511 チューブ挿入孔
520 折り曲げ部
600 第2ヘッダ
610 支持部
611 チューブ挿入孔
620 折り曲げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8