(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】SAW又はBAWデバイスを有するターボマシン、測定配設及び設置方法
(51)【国際特許分類】
G01K 7/16 20060101AFI20221215BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20221215BHJP
G01K 1/024 20210101ALI20221215BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20221215BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20221215BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G01K7/16 Z
G01K1/14 L
G01K1/024
F01D25/00 V
F02C7/00 A
F02C9/00 A
(21)【出願番号】P 2021536032
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2019025469
(87)【国際公開番号】W WO2020126092
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】102018000020677
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョルビ、フィリッポ
(72)【発明者】
【氏名】マラッツォ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マリス、ロレンツォ
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-214971(JP,A)
【文献】国際公開第2017/164987(WO,A1)
【文献】特開2012-255706(JP,A)
【文献】特表平11-504112(JP,A)
【文献】特開2009-222589(JP,A)
【文献】特開2007-304087(JP,A)
【文献】特開2016-19282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
F01D 25/00
F02C 7/00、9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ及びステータを備えるターボマシン(10)であって、前記ロータが、互いに離れている低温ゾーン及び高温ゾーンを有し、前記ターボマシンが、
アンテナ(520)と電気的に結合され、かつ前記低温ゾーン内に位置するSAW又はBAWデバイス(45、46、512、514)と、
前記高温ゾーン内に位置する少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイス(532、536、538)と、
前記SAW又はBAWデバイス(45、46、512、514)と前記少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイス(532、536、538)とを電気的に結合する少なくとも1つの第1のケーブル(542、546、548)と、
少なくともある時間間隔の間、前記SAW又はBAWデバイス(45、46、512、514)の前記アンテナ(520)に近接した前記ステータ上に位置するアンテナを有する質問器(47、48)と、を更に備え、
前記第1のケーブル(542)が、前記SAW又はBAWデバイス(512)と前記温度感知インピーダンスデバイス(532)とを電気的に結合し、
前記ターボマシンが、前記第1のケーブル(542)と同一の第2のケーブル(544)を更に備え、
前記第2のケーブル(544)が、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス(512)と電気的に結合され、第2の端部で短絡(550)若しくは開放されるか、又は整合インピーダンスデバイスと結合されている、ターボマシン(10)。
【請求項2】
前記第1のケーブル(542、546、548)が、同軸ケーブルである、請求項1に記載のターボマシン(10)。
【請求項3】
前記第1
のケーブル(542)が、金属製の導電性コア(542A)であって、セラミック材料で作製された管状電気絶縁層(542B)によって包囲され、
前記管状電気絶縁層(542B)の径方向外側において金属製の前記ケーブルのシースである管状導電性シールド(542C)によって包囲されている、導電性コア(542A)を備える、請求項2に記載のターボマシン(10)。
【請求項4】
前記質問器(47、48)が、300KHz~3GHzの範
囲の周波数でRF信号を伝送することによって、前記SAW又はBAWデバイス(45、46)に質問するように配設されている、請求項1
から3のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項5】
前記第1のケーブル(542)と同一の第3のケーブルを更に備え、前記第2のケーブル(544)が、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス(512)と電気的に結合され、第2の端部で短絡され(550)、前記第3のケーブルが、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス
(512)と電気的に結合され、第2の端部で開放されている、請求項1
から4のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項6】
前記SAW又はBAWデバイス(45、46)が
、前記ロータのシャフト(40)又はホイール(41)又はスペーサに固定されている、請求項1
から5のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項7】
前記SAW又はBAWデバイス(45、46)が、前記ロータのシャフト(40)又はホイール(41)又はスペーサ(27)の凹座の内側に位置する、請求項1
から6のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項8】
前記質問器(47、48)の前記アンテナが、軸受領域(44)又はノズルアセンブリに位置する、請求項1
から7のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項9】
前記SAW又はBAWデバイス(512、514)と電気的に結合され、かつ前記高温ゾーンの異なる場所に位置する2つ又は3つ又は4つの温度感知インピーダンスデバイス(532、536、538)を備える、請求項1
から8のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項10】
その質量を均衡させるように、前記ロータ内又はそれらの上に位置する2つ又は3つ又は4つ又は5つのSAW又はBAWデバイス(512、514)を備える、請求項1
から9のいずれか1項に記載のターボマシン(10)。
【請求項11】
回転機
械のロータにおける環境パラメータを測定するための配設(500)であって、
アンテナ(520)と電気的に結合され、かつ前記ロータの第1のゾーン内に位置するように配設されたSAW又はBAWデバイス(512、514)と、
前記ロータの前記第1のゾーンから離れた前記ロータの第2のゾーンに位置するように配設された少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイス(532、536、538)と、
前記SAW又はBAWデバイス(512、514)と前記少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイス(532、536、538)とを電気的に結合する少なくとも1つの第1のケーブル(542、546、548)と、を備え、
前記第1のケーブル(542)が、前記SAW又はBAWデバイス(512)と前記
パラメータ感知インピーダンスデバイス(532)とを電気的に結合し、前記配設
(500)が、前記第1のケーブル(542)と同一の第2のケーブル(544)を更に備え、前記第2のケーブル(544)が、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス(512)と電気的に結合され、第2の端部で短絡(550)若しくは開放されるか、又は整合インピーダンスデバイスと結合されている、配設(500)。
【請求項12】
前記第1のケーブル(542、546、548)が、同軸ケーブルである、請求項11に記載の配設(500)。
【請求項13】
前記第1
のケーブル(542)が、金属製の導電性コア(542A)であって、セラミック材料で作製された管状電気絶縁層(542B)によって包囲され、
前記管状電気絶縁層(542B)の径方向外側において金属製の前記ケーブルのシースである管状導電性シールド(542C)によって包囲されている、導電性コア(542A)を備える、請求項12に記載の配設(500)。
【請求項14】
前記第1のケーブル(542)と同一の第3のケーブルを更に備え、前記第2のケーブル(544)が、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス(512)と電気的に結合され、第2の端部で短絡され(550)、前記第3のケーブルが、第1の端部で前記SAW
又はBAWデバイス
(512)と電気的に結合され、第2の端部で開放されている、請求項11
から13のいずれか1項に記載の配設(500)。
【請求項15】
前記SAW又はBAWデバイス(512、514)と電気的に結合され、前記ロータの前記第1のゾーンから離れた前記ロータの異なる場所に位置するように配設された2つ又は3つ又は4つのパラメータ感知インピーダンスデバイス(532、536、538)を備える、請求項11
から14のいずれか1項に記載の配設(500)。
【請求項16】
それらの質量を均衡させるように、前記ロータ内又はその上に位置するように配設された2つ又は3つ又は4つ又は5つのSAW又はBAWデバイス(512、514)を備える、請求項11
から15のいずれか1項に記載の配設(500)。
【請求項17】
回転機
械のロータに測定配設(500)を設置するための方法であって、
A)SAW又はBAWデバイス(512、514)及び関連付けられたアンテナ(520)を前記ロータの第1のゾーンに固定するステップと、
B)前記ロータの前記第1のゾーンから離れた前記ロータの第2のゾーン内に、少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイス(532、536)を固定するステップと、
C)少なくとも1つの第1のケーブル(532、546
)を、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンまで延伸するように、前記ロータに固定するステップと、
D)前記SAW又はBAWデバイス(512、514)を前記第1のケーブル(542、546)の第1の端部に、前記少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイス(532、536)を前記第1のケーブル(542、546)
の第2の端部に電気的に結合するステップと、
E)第2のケーブル(544
)を、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンまで延伸するように、前記ロータに固定するステップと、
F)前記SAW又はBAWデバイス(512)を前記第2のケーブル(544)の第1の端部に、短絡回路(550)を前記第2のケーブル(544)
の第2の端部に電気的に結合するステップと、を含む、方法。
【請求項18】
第3のケーブ
ルを、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンまで延伸するように、前記ロータに固定するステップと、
前記SAW又はBAWデバイス(512)を前記第3のケーブルの第1の端部に、開回路を前記第3のケーブル
の第2の端部に電気的に結合するステップと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
G)前記ロータの前記第1のゾーンから離れた前記ロータの第3のゾーン内に、他のパラメータ感知インピーダンスデバイス(538)を固定するステップと、
H)他のケーブル(548
)を、前記第1のゾーンから前記第3のゾーンまで延伸するように、前記ロータに固定するステップと、
L)前記SAW又はBAWデバイス(514)を前記他のケーブル(548)の第1の端部に、前記他のパラメータ感知インピーダンスデバイス(538)を前記他のケーブル(548)
の第2の端部に電気的に結合するステップと、を含む、請求項17
又は18に記載の方法。
【請求項20】
2つ又は3つ又は4つ又は5つのSAW又はBAWデバイス(512、514)及び関連付けられたアンテナが、それらの質量を均衡させるように、前記ロータ内又はその上に固定されている、請求項17
から19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、SAW又はBAWデバイスを有するターボマシン、測定配設及び設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボマシン、例えばガスタービンエンジンでは、特にその運転中に、1つ以上の環境パラメータ、例えば温度を監視する必要がある。
【0003】
回転機械のロータで環境パラメータ、例えばロータのゾーンの温度を監視することは、第1のパラメータが測定されなければならず、次いで測定値がロータから例えば電子監視ユニットに移送される必要があるため、困難である。したがって、過去に無線通信技術が使用されてきた。
【0004】
既知のように、SAW(=表面音響波)及びBAW(=バルク音響波)デバイスは、受動無線通信に好適な環境パラメータセンサとして使用されてもよく、質問器が適切な質問RF信号をこのようなデバイスに送信する場合、センサは、応答RF信号を返し、質問信号と応答信号との間の差は、デバイスによって検出される環境パラメータの値に依存する(SAW又はBAWデバイスは、例えば温度などの特定の環境パラメータを検出するように設計されてもよい)。
【0005】
SAW又はBAWデバイスを、ターボマシンのロータを監視するための受動通信パラメータセンサとして使用する試みが過去に行われた。
【0006】
しかしながら、非常に迅速に(例えば、最大20,000rpm)回転し、高振動及び/又は高加速力及び/又は高温(例えば、最大1,000℃)及び/又は高圧(例えば、最大200atm)及び/又は強力ガスで動作する、「石油及びガス」の分野で使用されるターボマシンのようなターボマシン内のSAW又はBAWデバイスを通じた正確な測定及び信頼性の高い通信を達成することは容易ではない。更に、このようなターボマシンの全て又はほとんど全ての構成要素は金属製であり、これは、質問器とトランスポンダとの間、すなわちSAW又はBAWデバイスとの間のRF通信を困難にする。
【0007】
したがって、特にその動作中、正確かつ確実に、ターボマシンのロータで1つ以上の環境パラメータを監視することが可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
一態様によれば、本明細書に開示される主題は、ロータ及びステータを備えるターボマシンに関し、ロータは、互いに離れている低温ゾーン及び高温ゾーンを有し、ターボマシンは、アンテナと電気的に結合され、かつ低温ゾーン内に位置するSAW又はBAWデバイスと、高温ゾーン内に位置する少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイスと、SAW又はBAWデバイスと少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイスとを電気的に結合する少なくとも1つの第1のケーブルと、少なくともある時間間隔の間、SAW又はBAWデバイスのアンテナに近接したステータ上に位置するアンテナを有する質問器と、を更に備え、加えて、第1のケーブルは、SAW又はBAWデバイスと温度感知インピーダンスデバイスとを電気的に結合し、ターボマシンは、第1のケーブルと同一の第2のケーブルを更に備え、第2のケーブルは、第1の端部でSAWデバイスと電気的に結合され、第2の端部で短絡若しくは開放されるか、又は整合インピーダンスデバイスと結合されている。
【0009】
別の態様によれば、本明細書に開示される主題は、回転機械、特にターボマシンのロータで環境パラメータを測定するための配設に関するものであり、配設は、アンテナと電気的に結合され、かつロータの第1のゾーン内に位置するように配設されたSAW又はBAWデバイスと、ロータの第1のゾーンから離れたロータの第2のゾーンに位置するように配設された少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスと、SAW又はBAWデバイスと少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスとを電気的に結合する少なくとも1つの第1のケーブルと、を備え、加えて、第1のケーブルは、SAW又はBAWデバイスと温度感知インピーダンスデバイスとを電気的に結合し、この配設は、第1のケーブルと同一の第2のケーブルを更に備え、第2のケーブルは、第1の端部でSAWデバイスと電気的に結合され、第2の端部で短絡若しくは開放されるか、又は整合インピーダンスデバイスと結合されている。
【0010】
更に別の態様によれば、本明細書に開示される主題は、回転機械、特にターボマシンのロータで測定配設を設置するための方法に関し、この方法は、A)SAW又はBAWデバイス及び関連付けられたアンテナをロータの第1のゾーンに固定するステップと、B)ロータの第1のゾーンから離れたロータの第2のゾーン内に、少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスを固定するステップと、C)少なくとも1つの第1のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第2のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、D)SAW又はBAWデバイスを、第1のケーブルの第1の端部に、少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスを第1のケーブルの第2の端部に電気的に結合するステップと、E)第2のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第2のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、F)SAW又はBAWデバイスを第2のケーブルの第1の端部に、短絡回路を第2のケーブルの第2の端部に電気的に結合するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の開示された実施形態、及びその付随する利点の多くのより完全な理解は、添付図面と関連して考慮されるときに、以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されるように、容易に取得されるだろう。
【
図1】ターボマシン、すなわちガスタービンエンジンの実施形態の概略縦断面図を示す。
【
図3】
図2に含まれるロータホイールの詳細な部分斜視図を示す。
【
図5】環境パラメータを測定するための配設の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ターボマシンのロータで1つ以上の環境パラメータを監視するためには、無線通信技術が必要である。
【0013】
SAW又はBAWデバイス(特にSAWデバイス)は、通信中にデバイスとトランスポンダとの間の距離が小さい(例えば、10cm未満)場合、トランスポンダとの有効な通信を可能にする。ターボマシンでは、デバイスをそのロータ及びトランスポンダに、それらが良好に通信できるように配置することが可能である。
【0014】
更に、ターボマシンのロータには、SAW又はBAWデバイスが良好に機能することができる場所が存在する。
【0015】
しかしながら、SAW又はBAWデバイスの通信及び/又は機能が困難であるか、又は更に不可能である、ターボマシンのロータの場所で、1つ以上のパラメータ、例えば温度を測定することが必要である。
【0016】
したがって、SAW又はBAWデバイスを少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスと組み合わせ、SAW又はBAWデバイスが、環境パラメータが測定されるべき位置に置かれている間に、それが通信し、かつ機能することができるように配置され、これらの2つの場所は互いに離れており、非常に遠く(例えば、10~100cm)離れている場合もある。
【0017】
更に、SAW又はBAWデバイス及びインピーダンスデバイスは、ケーブルを介して電気的に接続されている。ケーブルは、例えば、設置を容易にするために、かつ/又は信頼できる接続を可能にするように、適切にルーティングされてもよい。ケーブルは、測定精度を低下させ得るノイズを捕捉することを回避するために、同軸ケーブルであることが好ましい。
【0018】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照すると、その1つ以上の実施例が図面に示されている。各実施例は、本開示を限定するものではないが、本開示の説明によって提供される。実際に、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、一実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所における語句「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の外観は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0019】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(その)」、及び「said(該)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「comprising(備える)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」という用語は、非排他的であり、挙げられた要素以外に更に要素があり得ると意味することを意図している。
【0020】
ここで図面を参照すると、
図1は、ガスタービン11、燃焼器12、及び圧縮機13を含むガスタービンエンジン10を概略的に示す。
【0021】
ガスタービン11の第1の部分111が強調されている(円を参照されたい)。
図2は、部分111を詳細に示す。この実施形態によれば、部分111はガスタービン11の中間部である。
図3は、
図2に含まれるロータホイールの詳細な部分斜視図である。
【0022】
ガスタービン11の第2の部分112が強調されている(円を参照されたい)。
図4は、部分112を詳細に示す。この実施形態によれば、部分112は軸受が位置するガスタービン11の端部である。
【0023】
燃焼器12の部分121が強調されている(円を参照されたい)。この実施形態によれば、部分121は、ガスタービン11のすぐ上流にプレナムにある燃焼器12の端部である。
【0024】
図2は、ガスタービンのステージの静止ノズルアセンブリ21及び回転バケットアセンブリ22の部分断面図を示す。更なる静止ノズルアセンブリ23がこのステージの左側に部分的に示され、回転バケットアセンブリ24がこのステージの右側に部分的に示されている。ロータには、軸方向に離間したロータホイール(例えば、
図2の25及び26並びに
図4の41)及びスペーサ(例えば、
図2の27)が、例えば、円周方向に離間した、軸方向に延在する複数のボルト(例えば、
図2及び
図4の28はボルトのシャンクである)によって接合されている。図示した例では、静止ノズルアセンブリ21及び静止ノズルアセンブリ23の各々は、ロータを包囲する複数の円周方向に離間した静止ステータブレードを含む。一般に、タービンでは、静止ノズルアセンブリの間で、ロータと共に回転すると、ロータホイール上にそれぞれ取り付けられたロータブレード又は「バケット」が存在し、
図2では、例えば、静止ノズルアセンブリ21と22との間には、ロータホイール25上に取り付けられたロータブレード又は「バケット」29が存在する(例えば、
図3も参照されたい)。
【0025】
各バケット(例えば、
図2の29及び
図4の42)は、シャンクによって半径方向に支持された翼部分を含む。バケットのダブテール部分(半径方向内側にシャンクへと延在し、
図2及び
図4に詳細には示されていない)のダブテール部分は、ロータホイールに形成された略対応するダブテール部分(例えば、
図3の31)との接続のために適合される(例えば、
図2及び
図4を参照されたい)。バケットは、典型的には一体鋳造され、そのシャンクにおいて、隣接するノズルアセンブリ上に形成されたノズルシールランドと協働して、バケット及びロータホイールに半径方向に隣接して位置するホイール空間空洞内への高温燃焼ガスの摂取を制限する、軸方向に突出した内側及び外側エンゼルウィングシールを含む。エンゼルウィングシールとノズルシールランドとを交互にすることによって、また、曲がりくねった又は蛇行した放射状間隙が確立されるようにそれらを位置させることによって、ホイール空間空洞内への高温燃焼ガス侵入が阻害される。高温燃焼ガスの摂取はまた、ホイール空間空洞を通って流れる冷却器パージ空気によっても阻害され、そのうちの一部が間隙を介して出ようとすることを理解されたい。
【0026】
図3は、例えば、ロータホイール25の2つの側面32(
図2も参照されたい)及び33を強調する。これらの表面の各々は、環状であり、表面32は、「外側表面」であり、表面33は、表面32よりもガスタービン11のシャフトに近い「中間表面」であり、例えば、表面33よりもガスタービン11のシャフトにより近い第3の側面、すなわち「内側表面」が存在してもよい(
図2及び
図3の実施形態を参照すると、中間表面及び内側表面は、例えば、ボルト28の軸が分配される円周によって分割されてもよい)。
【0027】
図4は、ロータホイール41及び関連付けられた回転バケット42を含むガスタービン11の最後のステージの回転バケットアセンブリの部分断面図を示す。ロータホイール41は、ガスタービン11のシャフト40に取り付けられている。静止構成要素43(すなわち、ガスタービン11のステータの構成要素)は、ロータホイール41及びシャフト40に面する。軸受44は、静止構成要素43とシャフト40との間に位置する。
【0028】
図4は、例えば、ロータホイール41の3つの側面41A及び41B及び41Cを強調する。表面41Aは、環状の「外側表面」(
図3の表面32と同様であってもよい)であり、表面41Bは、表面41Aよりもシャフト40に近い環状の「中間表面」(
図3の表面33と同様であってもよい)であり、表面41Cは、表面41Bよりもシャフト40に近い円形の「内側表面」であり、シャフト40のための穴を有する。外側表面及び中間表面は、リブによって分割されてもよい。中間表面と内側表面とは、ボルト28の軸が分配されている円周によって分割されてもよい。
【0029】
図4は、例えば、構成要素43の2つの表面43A及び43Bを強調する。表面43Aは、両方の表面41A及び41Bに面している(かつ、それに非常に近い)。表面43Bは、シャフト40の側面の一部分に面している(かつ、それに非常に近い)。表面43A及び43Bは、表面43Bが表面43Aよりも軸受44に近い場合であっても、(軸受44の)軸受領域において考慮され得る。以下から明らかになるように、いくつかの異なる実施形態が可能である。したがって、回転機械のロータで環境パラメータを測定するために有利であっても、ロータホイールの表面に近い軸受領域の表面(
図4に示すような)は厳密に必要ではない。したがって、回転機械のロータで環境パラメータを測定するために有利であっても、シャフトの表面に近い軸受領域での表面(
図4に示すような)が厳密に必要ではない。
【0030】
図4は、かなり概略的であり、図示された構成要素のサイズ及び位置は、実際の機械を反映しないことに留意されたい。また、例えば、ボルトの詳細を省略する(破線を参照されたい)。
【0031】
図5は、環境パラメータを測定するための配設500の例示的な実施形態を示す。ワイヤを介して電気的に接続された第1のSAW(あるいはBAW)デバイス512と、第2のSAW(又は代替的にBAW)デバイス514を組み込む電気デバイス510が存在し、第1のSAWデバイス512は、トランスポンダと通信するためのワイヤを介してアンテナ520に電気的に接続され、第2のSAWデバイス514は、ワイヤを介して接地590に電気的に接続されている。第1及び第2のSAWデバイス512及び514の各々は、パラメータ感知インピーダンスデバイス、例えば温度感知抵抗器に接続するための第1のポート及び第2のポートを有する。第1のSAWデバイス512の第1のポートは、インピーダンスデバイス532に電気的に接続されている。第1のSAWデバイス512の第2のポートは、短絡回路550に電気的に接続されている。あるいは、それは、開回路又は整合インピーダンスデバイス、すなわち、固定インピーダンスデバイスに接続されてもよい。第2のSAWデバイス514の第1のポートは、インピーダンスデバイス536に電気的に接続されている。第2のSAWデバイス514の第2のポートは、インピーダンスデバイス538に電気的に接続されている。
【0032】
本説明では、「connection(接続)」、「connect(s)(接続する)」、及び「connecting/ed(接続している/された)」という用語は、「direct electrical connection(直接電気的接続)」、「directly electrically connect(s)(直接電気的に接続する)」及び「directly electrically connecting/ed(直接電気的に接続している/された)」を意味しないことに留意されたい。換言すれば、例えば、構成要素Aが構成要素Bに接続されている場合、1つ以上の電気的構成要素が構成要素Aと構成要素Bとの間に配置されてもよく、又はそれ以外の電気的構成要素が構成要素Aと構成要素Bとの間に配置されなくてもよい。しかしながら、特許請求の範囲では、「couple(s)(結合する)」及び「coupling/ed(結合する/された)」という用語が使用される。
【0033】
代替的な実施形態によれば、測定配設は、1つのSAW若しくはBAWデバイス、又は3つ以上のSAW若しくはBAWデバイスを含んでもよい。
【0034】
代替的な実施形態によれば、SAW又はBAWデバイスのポートのうちの1つは、未使用のまま、特に接続されていなくてもよい。
【0035】
図5の実施形態では、SAWデバイスとパラメータ感知インピーダンスデバイスとの間の接続は、ケーブル、特に2つのワイヤ電気ケーブルを介して行われる。
図5は、ケーブル542、546及び548を示す。ケーブル542、546及び548と同一又は同様であるケーブル544は、パラメータ感知インピーダンスデバイスへの接続のために使用されない。好ましくは、これらのケーブルは同軸ケーブルである(具体的にはケーブル542及び544を参照されたい)。
【0036】
図5の配設は、ターボマシン10のロータで、環境パラメータ、特に3つのパラメータを測定するように設計されている。電気デバイス510は、ロータの第1のゾーン内に位置するように配設され、デバイス510を特定の場所に位置させることによって、第1及び第2のSAWデバイス512及び514の両方は、デバイス510のサイズが典型的には5~20mmであるため、ほぼ同じ位置に位置する。パラメータ感知インピーダンスデバイス532、536及び538は、第1のゾーンから離れたロータの他のゾーンに位置するように配設され、ケーブル542、546及び548は、
図5では非常に短いものとして示されているが、それらは典型的には、例えば、10cm~100cmであり、典型的には異なる長さを有する。
【0037】
図5の実施形態によれば、同軸ケーブル542は、金属製の導電性コア542Aであって、セラミック材料で作製された管状電気絶縁層542Bによって包囲され、好ましくはまた金属製のケーブルのシースである管状導電性シールド542Cによって包囲されている、導電性コア542Aを備える。コア542Aの金属は、特に、銅又はニッケルである。層542Bのセラミック材料は、特に、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムなどのセラミック酸化物である。シールド/シース542Cの金属は、特に鋼であり、より具体的にはステンレス鋼である。第1の端部では、ケーブル542が第1のSAWデバイス512のポートに(例えば、2本のワイヤを介して)電気的に接続され、一方、第2の端部では、ケーブル542がデバイス532に(適切に)電気的に接続されている。同様の考慮事項は、デバイス550がパラメータ感知インピーダンスデバイスではないことを念頭に置いて、ケーブル544、546及び548に適用することができる。
【0038】
第1及び第2のSAWデバイス512及び514は、単一の質問を通じて、
図1のターボマシン10のロータの3つの別個かつ遠隔の場所で3つのパラメータ値、例えば3つの温度値を得ることができるように、単一の質問器によって(適切に)質問されてもよい。これらの3つの場所は、デバイス532、536及び538が位置する場所である。
【0039】
質問信号が、例えば、SAWデバイス512によって受信されるとき、それは、その出力ポート全て、すなわち、
図5の実施形態による2つのポート(右側及び左側の1つ)に「転送される」ことに留意されたい。このようなデバイスは、有利には、第2のポートからの信号出力が第1のポートからの信号出力に対して遅延するように設計されてもよく、この場合、第1のポートに接続されたケーブル及びインピーダンスに起因した質問への第1の応答、並びに、第2のポートに接続されたケーブル及びインピーダンスに起因した同じ質問への第2の応答が存在する。同じ質問に対する2つの連続的な応答の間の遅延は、例えば、1-100μs(マイクロ秒)の範囲であってもよい。
【0040】
一般に、ターボマシンの1つ以上のロータでいくつかの環境パラメータを監視する必要があり、これらの場合、2つ以上の測定配設が使用されてもよい。複数のSAW及び/又はBAWデバイス、特にアンテナに関連付けられたSAW及び/又はBAWデバイスのセットを一体化する電気デバイスを使用する場合、測定配設による振動を回避する、又は低減するために、その質量を均衡させるように、それらをターボマシン内に、又はその上に位置させることが好ましい。
【0041】
図5の実施形態は、特に有利な解決策を含む。第1のケーブル542は、デバイス512の第1のポートをパラメータ感知インピーダンスデバイス532に接続し、第2のケーブル544は、デバイス512の第2のポートを短絡回路550に接続する。第2のケーブル544は、第1のケーブル542と同一であることが好ましい。第1のケーブル542及び/又は第2のケーブル544は、好ましくは同軸型であり、より好ましくは同じ同軸型である。デバイス532及び短絡回路550がロータの同じ場所に位置する場合、その電気的接続の悪影響は補償されてもよく、特にケーブルに沿った温度変動に起因する悪影響が補償され得る。この結果は、ケーブル542及びケーブル544がロータに沿って平行に走る場合、更により良好に達成される。
【0042】
図5の実施形態の更なる改善は、好ましくは第1のケーブル542と同一であり、好ましくは同軸型の第3のケーブルを使用し、それをデバイス512の第3のポートに、一方の側から、別の側の開回路に接続することで構成されてもよい。デバイス532、短絡回路550及び開回路がロータの同じ場所に位置する場合、その電気的接続の任意の悪影響は補償されてもよく、特に、温度変動に起因するインピーダンス及び伝搬定数の変動を含むケーブルに沿った温度変動に起因する任意の悪影響が補償され得る。
【0043】
2つの同一の(又は類似の)ケーブルに基づく上述の補償及び3つの同一の(又は類似の)ケーブルに基づく上述の補償は、有利には、同じSAW及び/又はBAWデバイスからの別個かつ遅延した応答を、ロータの(基本的に)同じ温度条件の同じ質問と比較することによって有利に実施され得る。例えば、
図5の場合、第1の応答は、デバイス532に起因してもよく、第2の応答は短絡回路550に起因してもよい。例えば、3つの同一(又は同様の)ケーブルの場合、第1の応答はインピーダンスデバイスに起因してもよく、第2の応答は短絡回路に起因してもよく、第3の応答は開回路に起因してもよい。
【0044】
【0045】
ターボマシン10、具体的にはガスタービンエンジンは、少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つのステータを含み、ガスタービン11、燃焼器12、及び圧縮機13に分割されてもよい。ターボマシン10の運転中、温度は均一に分配されない。例えば、タービン11を参照しても、温度は場所ごとに変化しており、本発明者らは、互いに離れている、例えば、温度が50~150℃、又は更に低い(例えば、0~50℃)少なくとも1つの低温ゾーン、及び、例えば、250~400℃又は更に高い(例えば、400~800℃)少なくとも1つの高温ゾーンが存在すると仮定することができる。燃焼器12及び圧縮機13に同様の考慮事項が適用される。この場合、監視対象となり得る環境パラメータは、温度、ターボマシンのロータ、特にタービンのロータの様々な場所での温度である。
【0046】
温度を監視するために、ターボマシン10は、
図5の配設500と同一又は類似の少なくとも1つの配設を含んでもよい。具体的には、ターボマシンは、
-アンテナに電気的に接続され、かつ低温ゾーン内に位置する、少なくとも1つのSAW又はBAWデバイス(例えば、
図4のデバイス45若しくは46、又は
図5のデバイス512若しくは514を参照されたい)と、
-少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイス(例えば、
図3のデバイス34若しくは36、又は
図5のデバイス532若しくは536若しくは538を参照されたい)、特に、高温ゾーン内に位置する温度感知抵抗器と、
-少なくとも1つのSAW又はBAWデバイスと少なくとも1つの温度感知インピーダンスデバイスとを電気的に接続する、少なくとも1つの第1のケーブル(例えば、
図4のケーブル451若しくは452若しくは461若しくは462、又は
図5のケーブル542若しくは546若しくは548を参照されたい)と、
-少なくともある時間間隔の間、SAW又はBAWデバイス(45、46、512、514)のアンテナ(520)に近接したステータ上に位置するアンテナを有する質問器(例えば、
図4の47及び48を参照されたい)と、を備えてもよい。
【0047】
図4に見られるように、質問器47はSAWデバイス45に近接し、質問器48はSAWデバイス46に近接している。このような距離は、例えば、1~100mm、好ましくは2~20mmであってもよい。質問器が定常であり、ステータに固定され、SAW又はBAWデバイスが移動し、ロータに固定されていることを考慮するべきである。したがって、
図4は、質問器及びトランスポンダが最小距離である場合の状況に対応する。ロータの回転速度が例えば12,000rpmである場合、「最小距離」と見なされ得る時間間隔は、例えば約1msであってもよく(このとき、質問器信号は質問器によってトランスポンダに伝送され、トランスポンダからの応答信号が質問器によって受信される)、ロータの回転速度が例えば1,200rpmである場合、「最小距離」と見なされ得る時間間隔は、例えば約10msであってもよい(このとき、質問器信号は質問器によってトランスポンダに送信され、トランスポンダからの応答信号が質問器によって受信される)ターボマシンが異なる速度で回転するように設計されている場合、最高回転速度が主に考慮されなければならない。
【0048】
質問器は、300KHz~3GHzの範囲の周波数、好ましくは300MHz~3GHzの範囲、更により好ましくは1GHz~3GHzの範囲の周波数でRF信号を伝送することによって、SAW又はBAWデバイスに質問するように配設されている。
【0049】
デバイス512及びデバイス532を参照して
図5に示すように、デバイス45及び/又はデバイス46は、2つのケーブル、特に同軸ケーブルに電気的に接続されても、単一の場所で温度を測定するための2つのポートを使用してもよい。
【0050】
デバイス514及びデバイス536及び538、デバイス45及び/又はデバイス46を参照して
図5に示すように、2つの場所、例えば、
図3のデバイス34及び35の場所で温度を測定するための2つのポートを使用してもよい。
【0051】
図4では、(トランスポンダとして作用する)SAW(又はBAW)デバイス45及びそのアンテナは、好ましくは溶接によってロータのホイール41に固定され、(トランスポンダとして作用する)SAW(又はBAW)デバイス46及びそのアンテナは、好ましくは溶接によってロータのシャフト40に固定されている。図には示されていない第3の可能性は、好ましくは溶接によって、SAW又はBAWデバイスをロータのスペーサ(例えば、
図2のスペーサ27を参照されたい)に固定することである。デバイス45及び46は、凹座の内側に位置してもよく、その一方で、そのアンテナは、好ましくはこのようなシートの外側領域にある。
【0052】
図4では、質問器47及び48並びにそのアンテナは、軸受44の領域に位置する。図には示されていない別の可能性は、ノズルアセンブリ(例えば、
図2のノズル21及びノズル23を参照されたい)に1つ以上の質問器を位置させることである。
【0053】
既に述べたように、ターボマシンは、SAW又はBAWデバイスに電気的に接続され、かつ、ターボマシンの1つ以上の高温ゾーンの異なる場所に位置する、いくつかの温度感知インピーダンスデバイスを含んでもよい。例えば、
図1を参照すると、ロータタービン11に、かつ/又は燃焼器12のロータに、かつ/又は圧縮機13のロータには、いくつかのインピーダンスデバイスが存在してもよい。
【0054】
図4は、非対称的な方法で、かつロータの異なる部分に位置する2つの(トランスポンダとして作用する)SAW(又はBAW)デバイスを示す。しかしながら、いくつかのインピーダンスデバイスが必要である場合、その質量を均衡させるために、ロータ内又はロータ上に、セット、例えば、2つ又は3つ又は4つ又は5つのSAW又はBAWデバイスを配置することが有利である。例えば、ターボマシンは、120°若しくは90°オフセットされたホイールの同じ円周上のデバイス45のような3つ若しくは4つのデバイス、及び/又は180°若しくは120°オフセットされたシャフトの同じ円周上のデバイス46のような2つ若しくは3つのデバイスを含んでもよい。
【0055】
図4の配設500と同一又は類似の測定配設を、
図1の回転機械、特にターボマシン10のロータに設置するための方法は、一般に、
A)(より一般的に、少なくとも1つの)SAW又はBAWデバイス及びロータの第1のゾーン内の関連付けられたアンテナを固定するステップと、
B)ロータの第1のゾーンから離れたロータの第2のゾーン内に、少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスを固定するステップと、
C)少なくとも1つの第1のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第2のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、
D)SAW又はBAWデバイスを第1のケーブルの第1の端部に、少なくとも1つのパラメータ感知インピーダンスデバイスを第1のケーブルの第2の端部に電気的に接続するステップと、を含み、
これは、例えば、配設500のデバイス512及び514の各々に適用される。
【0056】
測定配設のいくつかの実施形態によれば(例えば、デバイス512に関する限り配設500に適用される)、また、以下の、
E)第2のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第2のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、
F)SAW又はBAWデバイスを第2のケーブルの第1の端部に、短絡回路を第2のケーブルの第2の端部に電気的に接続するステップと、が提供されてもよく、
この場合、第1のケーブル及び第2のケーブルは、好ましくは平行に走る。
【0057】
測定配設のいくつかの実施形態によれば、また、以下の、
-第3のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第2のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、
-SAW又はBAWデバイスを第3のケーブルの第1の端部に、開回路を第3のケーブルの第2の端部に電気的に接続するステップと、が提供されてもよく、
この場合、第1のケーブル及び第2のケーブル及び第3のケーブルは、好ましくは平行に走る。
【0058】
測定配設のいくつかの実施形態によれば(例えば、デバイス514に関する限り配設500に適用される)、また、以下の、
G)ロータの第1のゾーンから離れたロータの第3のゾーン内に、他のパラメータ感知インピーダンスデバイスを固定するステップと、
H)他のケーブル、特に同軸ケーブルを、第1のゾーンから第3のゾーンまで延伸するように、ロータに固定するステップと、
L)SAW又はBAWデバイスを他のケーブルの第1の端部に、他のパラメータ感知インピーダンスデバイスを他のケーブルの第2の端部に電気的に接続するステップと、が提供されてもよい。
【0059】
いくつかのSAW又はBAWデバイスが使用される場合、その質量を均衡させるために、それらをロータ内又はロータ上に(可能であればそのアンテナと併せて)固定することが有利である。