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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20221216BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/02 306D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018135433
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020012595
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】川勾 朗
(72)【発明者】
【氏名】村岡 孝章
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】帆足 正和
(72)【発明者】
【氏名】高井 均
(72)【発明者】
【氏名】今井 計裕
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-140345(JP,A)
【文献】特開2015-017781(JP,A)
【文献】特開2014-003442(JP,A)
【文献】特開2017-040432(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01479988(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 29/00
F25D 23/00
H01Q 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の本体と、前記本体の前面開口部を開閉可能にした扉とを備えた冷蔵庫で、前記本体の天面部にアンテナ部を有する無線通信基板を備え、前記無線通信基板は前記天面部の上部に配置した樹脂製の収納部材に収納されており、
前記天面部には開口部を形成し、前記収納部材は前記天面部と前記開口部を覆って形成され、前記無線通信基板は前記収納部材の底面部に接触しないように前記天面部に保持され、前記アンテナ部は前記開口部の鉛直投影面内で、前記天面部の上方に配置していることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記アンテナ部は前記天面部から遠ざかるように、前記無線通信基板は前記天面部に対して傾斜配置していることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記開口部の端面と前記アンテナ部との距離L1寸法は16mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
ホルダー部材を有し、前記ホルダ部材にあらかじめ前記無線通信基板を固定してユニット化した後、前記収納部材に前記ホルダー部材を固定したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記天面部に周辺の湿度を検知する湿度センサを備え、前記湿度センサと前記無線通信基板とは前記収納部材に収納されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記収納部材の近傍に前記扉のヒンジがあり、前記収納部材と前記ヒンジは同じカバーで覆われることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、外部機器と通信可能な無線通信手段を、筐体のヒンジ部近傍に配置し、ヒンジ部の軸から引き出された接続線に接続された無線通信手段を備えた冷蔵庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-17781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、無線通信手段と筐体の外箱の鋼板との距離が小さいため、無線通信手段から放射される電波が小さくなり、無線電波が届きにくくなるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、無線通信部から放射される電波がより大きくなるように、無線通信部と筐体の外板との距離をできるだけ大きくし、通信障害を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、金属製の本体と、前記本体の前面開口部を開閉可能にした扉とを備えた冷蔵庫で、前記本体の天面部にアンテナ部を有する無線通信基板を備え、前記無線通信基板は前記天面部に配置した樹脂製の収納部材に収納されており、前記無線通信基板は前記収納部材の底面部に接触しないように保持したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の冷蔵庫は、アンテナ部を天面部からできるだけ離して配置したので、電波障害を低減した冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図
図2図1のa-a断面図
図3】同冷蔵庫の部分斜視図
図4】同冷蔵庫の分解斜視図
図5】同冷蔵庫の要部平面図
図6図5のA-A断面図
図7】実施の形態2の要部分解斜視図
図8】実施の形態2の部分平面図
図9】実施の形態2の要部平面図
図10図9のA-A断面図
図11】同冷蔵庫の背面から見た部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1図2より冷蔵庫の構成について説明する。前方を開口した冷蔵庫本体1を備え、この冷蔵庫本体1は金属製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3と、前記外箱2および内箱3の間に発泡充填された発泡断熱材4とで構成してあり、仕切板5、6等によって複数の貯蔵室が仕切形成してあり、内部には発泡断熱材4が充填されている。また、前記冷蔵庫本体1の各貯蔵室は冷蔵庫本体1と同様の断熱構成を採用し、上方から回動式の冷蔵室扉7は、観音開き式の開閉扉で図1の正面から見て冷蔵室左扉7aが左ヒンジ21に回動可能に支持され、冷蔵室右扉7bが右ヒンジ22に回動可能に支持されている。また引出し式の上部冷凍室扉8および製氷室扉9、引出し式の下部冷凍室扉10、引出し式の野菜室扉11が前後方向に開閉自在としてある。
【0011】
冷蔵庫本体1内に形成した貯蔵室は、最上部の冷蔵室14と、冷蔵室14の下に設けた上部冷凍室15と、上部冷凍室15の横に設けた製氷室16と、上部冷凍室15および製氷室16の下に下部冷凍室17と、最下部に野菜室18を備えて構成している。そして、前記冷蔵室14には複数の棚板19が設けてあり、冷蔵室14の下部には冷却温度帯の異なるパーシャル室20が設けてある。
【0012】
上記冷蔵室14は、冷蔵保存するための貯蔵室で、具体的には、通常2~5℃に設定され冷却される。また、冷蔵室内に設けたパーシャル室20は微凍結保存に適した-1~-4℃に設定され、風量を制御してチルド室20として0~2℃にも設定可能である。
【0013】
野菜室18は、冷蔵室14と同等もしくは若干高く温度設定される貯蔵室で、具体的には、3~7℃に設定可能で冷却される。この野菜室18は野菜等の収納食品から発せられる水分により高湿度となるため、局所的に冷えすぎると結露することがある。そのため、比較的高い温度に設定することで冷却量を少なくし、局所的な冷えすぎによる結露発生を抑制している。
【0014】
また製氷室16と上部冷凍室15及び下部冷凍室17は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室で、約-18℃に設定され冷却されている。
【0015】
下部冷凍室17の背面には冷却室23があり、この冷却室23には冷凍サイクルを構成する冷却器24と、冷却器24の上方に冷気を前記各室に供給する冷却ファン25とが設置してある。そして更に冷却器24の下方にはガラス管ヒータ等で構成した除霜手段26(以下、ガラス管ヒータと称す)が設けてある。
【0016】
冷却器24は、冷蔵庫本体1の上部に形成した機械室31内の圧縮機27と、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを構成しており、圧縮機27によって圧縮された冷媒の循環によって冷却を行う。
【0017】
また、冷却ファン25は冷却器24の上方に設けてあり、その下流側に連なる冷蔵室ダクト28、冷凍室ダクト29、図示しない製氷室ダクト、野菜室ダクトを介して冷蔵室14、上部冷凍室15、下部冷凍室17、製氷室16、野菜室18に冷気を供給し、これら各室を冷却するようになっている。
【0018】
また上記の圧縮機27や冷却ファン25の運転制御、除霜手段26の通電制御、各室を設定温度に制御する温度センサ(図示しない)等の全体を制御する制御基板30が冷蔵庫本体1の外箱2の天面部2aに配置されている。
【0019】
図3図1の部分斜視図で、冷蔵庫本体1の天面部2aに左ヒンジカバー21aに覆われた左ヒンジ21を備え冷蔵室左扉7aを回動自在に支持している。また冷蔵室右扉7bが、天面部2aに備えた右ヒンジカバー22aに覆われた右ヒンジ22に回動自在に支持されている。冷蔵室左扉7aと冷蔵室右扉7bの横幅寸法は異なっており、図3のように、冷蔵室右扉7bの方が冷蔵室左扉7aよりも横幅寸法は大きく形成されている。
【0020】
これは下方の製氷室16と上部冷凍室15との横幅寸法に合わせて観音開き式の冷蔵室扉7を左右扉に割っているので横幅寸法が異なっている。
【0021】
また天面部2aで、左ヒンジカバー21aと右ヒンジカバー22aとの後方には制御基板カバー30aで覆われた制御基板30が配置し、制御基板30の後方で、冷蔵庫本体1の天面部2aから背面部2bに亘って切り欠いて形成された機械室31内の圧縮機27を覆う機械室カバー31aが配置している。
【0022】
次に右ヒンジカバーで覆われた右ヒンジ22の周辺構成について説明する。
【0023】
図4図3の右ヒンジ22の要部分解斜視図である。外箱2の天面部2aに右ヒンジ22がビス等で固定されており、右ヒンジ22の近傍の天面部2aに開口部2cが形成されている。この開口部2cを上方から塞いで基板収納部36が配置している。基板収納部36には無線通信基板34が収納され、右ヒンジカバー22aは、右ヒンジ22と基板収納部36とを覆うように配置している。
【0024】
図5は右ヒンジカバー22aを開放した平面図である。右ヒンジ22の近傍に湿度を検知する湿度センサ32を実装した湿度センサ基板33を備え、湿度センサ基板33と別の基板で形成された無線通信基板34を有し、無線通信部となるアンテナ部35は無線通信基板34に設けられている。
【0025】
冷蔵庫と無線通信可能に設定するために、ユーザは携帯端末機を使って初期設定を行う。初期設定時は、携帯端末機と無線通信基板34とで直接通信を行い、初期設定を行う。
【0026】
初期設定が完了すれば、ユーザは携帯端末機からインターネットを経由してアンテナ部35を介して無線通信基板34と無線通信可能で、宅内または宅外から冷蔵庫の貯蔵室の温度設定の変更、調理運転の開始などの設定を行うことができる。設定が完了すれば、無線通信基板34からアンテナ部35からインターネットを介してユーザの携帯端末機に設定完了の報告を行うことができる。
【0027】
湿度センサ基板33と無線通信基板34は、樹脂製の基板収納部36に収納されている。基板収納部36は、天面部2aに形成され、冷蔵室扉7側に湿度センサ基板収納部36aを備え、湿度センサ基板収納部36aの後方に無線通信基板収納部36bが一体形成されている。基板収納部36は右ヒンジ22の近傍に形成され、湿度センサ基板収納部36aと無線通信基板収納部36bとが天面部2aに形成された開口部2cから内箱3方向に入り込み開口部2cを塞ぐように構成され、基板収納部36は天面部2aの上部に重なって配置している。
【0028】
図6図5のA-A断面図である。湿度センサ基板収納部36aと無線通信基板収納部36bとは天面部2aの上部に重なって配置する部分と、開口部2cから下方に延在して発泡断熱材4に埋設される部分とがあり、基板収納部は段差形状に構成されている。また湿度センサ基板収納部36aと無線通信基板収納部36bとを前後に区画する区画壁36fが構成され、区画壁36fは、右ヒンジカバー22aに一体成形された突出片42と突き合わさって仕切られている。
【0029】
湿度センサ基板収納部36a内には湿度センサ基板33が湿度センサ基板収納部36aと一体に形成されたリブに支持されて略水平に配置され、室内の湿度を検知する湿度センサ32が実装されている。また湿度センサ基板33に形成された接続端子33aには配線37aがコネクタ37bで接続され、配線37aは天面の制御基板30から発泡断熱材4内に埋設され、開口部2cを通って開口した孔部36dから湿度センサ基板収納部36aに接続される。
【0030】
無線通信基板収納部36b内には無線通信基板34が無線通信基板収納部36bと一体で上方に向かって形成された保持部36eのリブに支持されており、無線通信基板34は天面部2aから所定寸法離して配置している。無線通信基板34の上面にはアンテナ部35が位置し、特に金属部材などとの距離が近いと電波障害を起こし、電波を打ち消し合って携帯端末等と通信できないというおそれがあり、誘電率が高い物質とアンテナ部との距離を確保する必要がある。
【0031】
アンテナ部35と金属部である天面部2aとの寸法が所定寸法離れるように、アンテナ部35の下方位置に金属部材が配置しないように、金属製の天面部2aを開口し開口部2cを形成している。また開口部2cの端面とアンテナ部35との距離L1寸法は所定寸法を確保して構成されており、具体的にはL1≧16mm以上である。
【0032】
無線通信基板34の投影面全体が開口部2cと対向するように開口部2cを形成してもよいが、開口部2cを大きく形成すると、外箱2の強度を低下するおそれがあり、無線通信基板34の少なくともアンテナ部35の投影面と対向する部分が開口し、さらにL1が16mm以上(実施例では16mm)となるように開口部2cの端部が形成されている。
【0033】
実施例の場合、図5のように、無線通信基板34のアンテナ部35と開口部2cを構成する端部との寸法が16mmとなるようにアンテナ部35が天面部2aから遠ざかるように無線通信基板34を傾斜配置している。無線通信基板34は保持部であるリブ36eに保持されて開口部2cと所定寸法離して形成されている。
【0034】
無線通信基板34の接続端子部34aには配線38aがコネクタ38bで接続され、配線38aは無線通信基板34の側部に配置するように這わされて配置する。図5のように、無線通信基板34の接続端子部34aは配線38aを埋設する孔部36dに対して無線通信基板34を挟んで対向する位置に配置し、配線38aが無線通信基板34の横を通過してコネクタ38bに接続されるように構成されている。上記のように配線38aを配線することで配線からの電波放射も損なうことなく通信に利用できる。
【0035】
また傾斜配置した無線通信基板34の天面部2aから離れる側にアンテナ部35、無線通信基板34の天面部2aに近づく側に接続端子部34aを配置したことで、アンテナ部35は金属製の天面部2aから遠ざかって電波損失を低減するとともに、接続端子部34aは、右ヒンジカバー22aと無線通信基板34との間にスペースが確保されるので、ヒンジカバー22aで上方を覆われる限られた空間の中に接続端子部34aを配置することができ、無効空間を無くして冷蔵庫の高さ寸法をコンパクトに設計することができる。
【0036】
配線37a、38aは、天面後方にある制御基板30から発泡断熱材4内に埋設され、孔部36dから天面部2aに開放され、また冷蔵室扉7に埋設された操作基板(図示しない)と接続した配線が冷蔵室扉7内を通って、ヒンジ22の孔部22cから一旦外側に開放されて、配線固定部22bで固定され、制御基板30から発泡断熱材4内を通って孔部36dから外側に開放された別の配線(図示しない)と接続される。
【0037】
また右ヒンジ22と基板収納部36とは右ヒンジカバー22aで上方を覆われており、アンテナ部35と右ヒンジカバー22aとの寸法は3mm以上離して配置している。右ヒンジカバー22aは樹脂製であるが、周囲の誘電部品とアンテナ部35との間に空間部となる距離を確保することで、アンテナ部35の共振周波数のずれを防ぎ、放射特性の劣化を抑制することができる。
(実施の形態2)
図7は、ユニット化したホルダー無線通信ユニットの分解斜視図である。無線通信基板34をホルダー部材40に固定しユニット化した後に無線通信基板収納部36bに収納する構成である。
【0038】
無線通信基板34は、無線通信基板収納部36bとは別部材のホルダー部材40に固定される。ホルダー部材40に無線通信基板を固定した後に、無線通信基板収納部36bに固定される。
【0039】
ホルダー部材40は、無線通信基板34の裏面を受ける基板収納部分40aと、無線通信基板34の幅を規制する幅規制部40bと、上方へ移動しないように押さえる押さえ部40cがホルダー部材40の底面部から上方に向かって延びて一体形成されている。そして無線通信基板34はアンテナ部35を上面として基板収納部分40aに載せ、幅規制部40bで無線通信基板34の両側部を規制して、押さえ部40cで無線通信基板34の上面の一部を押さえて保持している。
【0040】
無線通信基板34は基板収納部分40aによって、アンテナ部35が金属の天面部2aに形成された開口部2cの端部から16mm以上離れて配置するように傾斜配置している。また無線通信基板34は略矩形状であるが、ホルダー部材40の外郭は、少なくとも1つの角部が面取り部40dとなっている。
【0041】
そして無線通信基板34は、あらかじめホルダー部材40に固定されてユニット化した後、冷蔵庫天面の無線通信基板収納部36bへ取付ける時に、ホルダー部材40の面取り部を無線通信基板収納部36bの所定形状に合わせて配置するので、装着の間違えを防止することができ、作業性を高めることができる。
【0042】
また、無線通信基板34の接続端子部34aとコネクタ38bとの間には中継ハーネス39を備え、中継ハーネス39は中継配線39aと、中継配線39aの一方に中継コネクタ39bと、他方に中継コネクタ39cとを設けている。無線通信基板34をホルダー部材40に固定し、さらに接続端子部34aに一方の中継コネクタ39bをあらかじめ接続して中継配線39aを設けることで、ウレタン内に埋設されて天面部2aに飛び出した配線38aのコネクタ38bと中継ハーネス39の他方の中継コネクタ39cとを接続することができるので、冷蔵庫の組み立て工程での無線通信基板34の破損を防止することができ、接続作業の作業性を高めることができる。
【0043】
また図8は、図7とは異なる別のユニット化したホルダー無線通信ユニットの平面図である。ホルダー部材45は、無線通信基板34と中継ハーネス39との両方を下方から保持した構成で、無線通信基板34を収納する基板収納部分45aと、中継ハーネス39を収納するハーネス収納部分45bとを備えている。ホルダー45が基板収納部分45aとハーネス収納部分45bとを一体に形成しているので無線通信基板34の接続端子部34aと中継ハーネス39の中継コネクタ39bとの接続部分の保持力を維持することができ、接続作業時の破損や組立て時の破損を防止することができる。
【0044】
また図9は右ヒンジカバー22aを開放した平面図で、図8のホルダー部材45を基板収納部36に収納した図である。ホルダー部材45には無線通信基板34と中継ハーネス39はあらかじめ収納されて接続固定されてユニット化されており、この状態で基板収納部36に係合固定する。
【0045】
冷蔵庫本体1の制御基板30に接続された配線38aは発泡断熱材4内に埋設されて、天面部2aの孔部36dから外部へ延びて配置しており、あらかじめ無線通信基板34と中継ハーネス39とをホルダー部材45に組み立てた状態で、基板収納部36に係合固定して、その後に中継ハーネス39の中継配線39aと接続されているので、作業性を向上し、また組立て時の破損等を防止することができる。
【0046】
図10図9の断面A-A図である。天面部2aに設けた開口部2cの端面部にはまり込んで発泡断熱材4と直接接する基板収納部36の突部36gが形成されている。突部36gが開口部2cより下方に向かって形成されることで、発泡断熱材4と密着して固定される。
【0047】
この基板収納部36の無線基板収納部36bをベースとして、別部材のホルダー部材45を上部に配置し、ホルダー部材45に一体形成された基板収納部分40aによって無線通信基板34は保持されている。図10のように、無線通信基板34のアンテナ部35が金属部材と所定寸法距離が取れるように、基板収納部分40aによって無線通信基板34を傾斜配置している。
【0048】
このように配置することで、誘電率が高い周囲の金属部品との距離を確保することができ、無線通信電波が損失するのを抑制することができる。
【0049】
また、湿度センサ基板収納部36aの構成は図6と同様である。
【0050】
また、右ヒンジカバー22aには外気連通手段となる切欠き部41が形成され、切欠き部41によって右ヒンジカバー22aと天面部2aとの間に部分的に隙間ができるように構成されている。切欠き部41は少なくとも配線収納部36cに対向する位置と湿度センサ基板収納部36aの近傍に形成されている。
【0051】
切欠き部41を形成することで、右ヒンジカバー22a内の空気が外部の空気と連通するのでヒンジカバー22a内に結露が発生するのを防止することができ、基板の信頼性を確保することができ、また湿度センサの検知精度を高めることができる。
【0052】
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
金属製の本体1と、この本体1の前面開口部を開閉可能にした冷蔵室扉7とを備えた冷蔵庫で、本体1の天面部2aにアンテナ部35を有する無線通信基板34を備え、無線通信基板34は天面部2aに配置した樹脂製の基板収納部36に収納されており、無線通信基板34は基板収納部36の底面部に接触しないように保持されている。これによって誘電部品とアンテナ部35との距離を確保し、アンテナ部35の共振周波数のずれを防ぎ、放射特性の劣化を抑制することができる。
【0054】
また、基板収納部36に無線通信基板34を保持する保持部36eを形成し、無線通信基板34と天面部2aとのあいだに空間部を形成して、保持部36eは基板収納部36から上方に延びて形成されているので、アンテナ部35を金属部材の天面部2aから離すことができる。
【0055】
また、天面部2aに開口部2cを備え、開口部2cの鉛直投影面内に少なくとも無線通信基板34のアンテナ部35が配置している、基板収納部36は開口部2cを覆って形成されており、アンテナ部35の鉛直下面には金属製の天面部2aがなく、樹脂製の基板収納部36が開口部2cを覆っているので、金属部材による電波損失を抑制するとともに、断熱材のウレタン漏れを防止することができる。
【0056】
また、アンテナ部35は天面部2aから遠ざかるように、無線通信基板34は天面部2aに対して傾斜配置しているので、金属製の天面部2aから遠ざかって電波損失を低減することができる。
【0057】
また、天面部2aに周辺の湿度を検知する湿度センサ32を備え、湿度センサ32と無線通信基板34とは1つの基板収納部36に収納され、また、基板収納部36の近傍に冷蔵室扉7のヒンジ22があり、基板収納部36とヒンジ22は同じヒンジカバー22aで覆われるので、作業性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、家庭用冷蔵庫をはじめとして業務用の冷蔵庫に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 本体
2a 天面部
7 冷蔵室扉
34 無線通信基板
35 アンテナ部
36 基板収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11