(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 15/05 20210101AFI20221216BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20221216BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221216BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20221216BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/03 X
G03B17/02
G03B30/00
H04N5/225 100
H04N5/225 600
H04N5/225 700
(21)【出願番号】P 2020199978
(22)【出願日】2020-12-02
(62)【分割の表示】P 2017562155の分割
【原出願日】2016-10-17
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】P 2016009588
(32)【優先日】2016-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】町井 栄司
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-088262(JP,A)
【文献】特開2013-121142(JP,A)
【文献】特開2007-150101(JP,A)
【文献】特開2004-297660(JP,A)
【文献】特開2004-215223(JP,A)
【文献】特開2006-033296(JP,A)
【文献】特開2014-157309(JP,A)
【文献】特開2005-204729(JP,A)
【文献】特開2015-146033(JP,A)
【文献】特開2010-193182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/03
G03B 17/02
G03B 30/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像ユニットと、
前記被写体に照明光を照射する発光素子と、
前記撮像ユニットが実装された第1のリジッド基板と、前記発光素子が実装された第2のリジッド基板と、
を含み、前記第1のリジッド基板と前記第2のリジッド基板とはフレキシブル基板を介して電気的に接続される回路基板と、を有し、
前記第1のリジッド基板は、前記撮像ユニットが実装される面上において、前記発光素子が実装された面と前記撮像ユニットが実装された面とが同じ方向を向くように、前記第2のリジッド基板を保持した保持部を有し、
前記保持部は、前記撮像ユニットとは異なる位置に離間して配置され、
前記第2のリジッド基板は、前記第1のリジッド基板面の高さよりも高さを有して配置されている、
カメラモジュール。
【請求項2】
被写体を撮像する撮像ユニットと、
前記被写体に照明光を照射する発光素子と、
前記撮像ユニットが実装された第1のリジッド基板と、前記発光素子が実装された第2のリジッド基板と、
を含み、前記第1のリジッド基板と前記第2のリジッド基板とはフレキシブル基板を介して電気的に接続される回路基板と、を有し、
前記第1のリジッド基板は、前記撮像ユニットが実装される面上において、前記発光素子が実装された面と前記撮像ユニットが実装された面とが同じ方向を向くように、前記第2のリジッド基板を保持可能な保持部を有し、
前記保持部は、前記撮像ユニットとは異なる位置に離間して配置され、
前記第2のリジッド基板は、前記第1のリジッド基板面の高さよりも高さを有して配置可能なように構成されている、
カメラモジュール。
【請求項3】
前記保持部は、前記第1のリジッド基板における前記撮像ユニットが実装される面側が開口した中空のケース状に構成され、
前記保持部の内部の空間に所定電子部品が配置されている、
請求項1または請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記保持部は、前記所定電子部品が発生する電磁ノイズをシールドするシールド部材である、
請求項3に記載のカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像ユニット及び発光素子を有するカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、撮像ユニットと、照明光の照射用の発光素子とを備え、これらをフレキシブル基板により接続したカメラモジュールを開示している。
【0003】
特許文献1のカメラモジュールでは、撮像ユニットはフレキシブル基板の一端側の第1の面に実装され、発光素子はフレキシブル基板の他端側の第2の面に実装されている。そして、フレキシブル基板が折り返されることにより、発光素子側が撮像ユニット上に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカメラモジュールでは、撮像ユニットはフレキシブル基板の一端側の第1の面に実装され、発光素子はフレキシブル基板の他端側の第2の面に実装されている。そして、フレキシブル基板が折り返されることにより、発光素子側が撮像ユニット上に配置されている。
【0006】
ここで、特許文献1のカメラモジュールでは、撮像ユニットと発光素子とは、フレキシブル基板における異なる面に実装されているため、部品の実装工程が複雑化する。
【0007】
本開示は、撮像ユニットや発光素子の実装工程を簡略化しつつ、発光素子による照明光の照射範囲を適切に確保可能なカメラモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のカメラモジュールは、
被写体を撮像する撮像ユニットと、
前記被写体に照明光を照射する発光素子と、
前記撮像ユニットが実装された第1のリジッド基板と、前記発光素子が実装された第2のリジッド基板と、前記第1のリジッド基板と前記第2のリジッド基板とを接続可能なフレキシブル基板と、を含む回路基板と、を有し、
前記第1のリジッド基板は、前記撮像ユニットが実装される面上において、前記発光素子が実装された面と前記撮像ユニットが実装された面とが同じ方向を向くように、前記第2のリジッド基板を保持した保持部を有し、
前記保持部は、前記撮像ユニットとは異なる位置に離間して配置され、
前記第2のリジッド基板は、前記第1のリジッド基板面の高さよりも高さを有して配置されている。
【0009】
本開示の第2の態様のカメラモジュールは、
被写体を撮像する撮像ユニットと、
前記被写体に照明光を照射する発光素子と、
前記撮像ユニットが実装された第1のリジッド基板と、前記発光素子が実装された第2のリジッド基板と、前記第1のリジッド基板と前記第2のリジッド基板とを接続可能なフレキシブル基板と、を含む回路基板と、を有し、
前記第1のリジッド基板は、前記撮像ユニットが実装される面上において、前記発光素子が実装された面と前記撮像ユニットが実装された面とが同じ方向を向くように、前記第2のリジッド基板を保持可能な保持部を有し、
前記保持部は、前記撮像ユニットとは異なる位置に離間して配置され、
前記第2のリジッド基板は、前記第1のリジッド基板面の高さよりも高さを有して配置可能なように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示のカメラモジュールによれば、撮像ユニットや発光素子の実装工程を簡略化しつつ、発光素子による照明光の照射範囲を適切に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るカメラモジュールを有する電子機器の上面(前面)側の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るカメラモジュールを有する電子機器の下面(背面)側の斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るカメラモジュール(第1の状態)の斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るカメラモジュール(第1の状態)の平面図である。
【
図6】
図6は、
図2の矢印Bで示すカメラモジュール配設部分の拡大平面図である。
【
図8】
図8は、第1のフレキシブル基板部を1回折り返した状態のカメラモジュールの平面図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の効果及び課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1を説明する。
【0015】
[1.構成]
[1-1.電子機器の概要]
図1は、本実施形態に係るカメラモジュールを有する電子機器の上面(前面)側の斜視図である。
図1では、便宜上、電子機器100の厚さ方向の一側を「上面側」、他側を「下面側」と記載している。
図1に示されるように、電子機器100は、タブレット型コンピュータである。電子機器100は、上面に、表示部101、操作スイッチ102、及びインジケータ103を有する。表示部101は、例えば液晶表示パネルである。また、表示部101は、ユーザのタッチ操作を受付可能なタッチパネルである。操作スイッチ102は、ユーザの押下操作を受付可能なハードウェアスイッチである。インジケータ103は、電子機器100の動作状態等を表示可能な表示器である。インジケータ103は、例えば発光ダイオード(Light-emitting Diode:LED)により構成される。
【0016】
電子機器100は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Disk)等の記憶装置(記録装置)、並びにバッテリ等を内蔵している。ROM、SSDには、OS(Operating System)、種々のアプリケーションプログラム、種々のデータ等が格納されている。CPUは、OS、アプリケーションプログラム、種々のデータを読み込み、ユーザの操作内容等に応じて演算処理を実行することにより、種々の機能を実現する。
【0017】
図2は、本実施形態に係るカメラモジュールを有する電子機器100の下面(背面)側の斜視図である。電子機器100は、カメラを備えており、筐体本体110の下面を構成する蓋130にカメラ用の開口130aが設けられている。以下、カメラを構成するカメラモジュールの構成について説明する。
【0018】
[1-2.カメラモジュールの構成]
図3、
図4、
図5を参照して、カメラモジュールの構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るカメラモジュールの斜視図である。
図4は、本実施形態に係るカメラモジュールの平面図である。
図5は、
図4の矢印Aによる矢視図である。なお、
図3、
図4、
図5は、第1の状態のカメラモジュール200を示しており、後述する
図6、
図7は、第2の状態のカメラモジュール200を示している。第1の状態とは、後に詳述するが、
図3に示されているように、回路基板230を構成する第1のフレキシブル基板部233が折り返されておらず、第1のリジッド基板部231、第2のリジッド基板部232、第1のフレキシブル基板部233、及び第2のフレキシブル基板部234が概ね同一平面状にある状態である。第2の状態とは、後述する
図6、
図7に示すように、第1のフレキシブル基板部233が折り返されて、第2のリジッド基板部232が第1のリジッド基板部231上に配置されている状態である。
【0019】
カメラモジュール200は、撮像ユニット210と、複数個の発光ダイオード220と、回路基板230とを有する。以下、発光ダイオード220を、適宜LED220という。
【0020】
撮像ユニット210は、光学レンズ等を含む光学系211、CCD(Charge-Coupled Device)等の撮像素子、制御部等を内蔵しており、光学系211を介して撮像素子の撮像面上に形成された被写体像に応じた撮像データを生成し、生成した撮像データを電子機器100の中央演算処理装置に出力する。
【0021】
LED220は、被写体に照明光を照射する。LED220は、例えば白色LED等の高輝度のLEDで構成される。
【0022】
回路基板230は、リジッドフレキシブル基板(Rigid flexible printed wiring board)により構成され、第1のリジッド基板部231と、第2のリジッド基板部232と、第1のフレキシブル基板部233と、第2のフレキシブル基板部234とを有する。リジッドフレキシブル基板は、柔軟性を有していない硬質(リジッド)な基板部(リジッド基板部)と、柔軟性を有する(フレキシブルな)基板部(フレキシブル基板)とを、一体的に形成した基板である。第1の状態における回路基板230では、前述のように、第1のリジッド基板部231、第2のリジッド基板部232、第1のフレキシブル基板部233、及び第2のフレキシブル基板部234は、同一平面状にある。そして、回路基板230全体としての第1の主面230f上に、撮像ユニット210やLED220等の各種の部品が実装されている。第1の主面230fの裏側の第2の主面には、部品は実装されていない。つまり、回路基板230は、片面実装基板として構成されている。
【0023】
第1のリジッド基板部231は、柔軟性を有していない硬質な基板部である。第1のリジッド基板部231の第1の主面231f(回路基板230の第1の主面230fの一部)には、撮像ユニット210、カメラ制御LSI(Large Scale Integrated Circuit)250、他、種々の回路部品が実装されている。また、第1の主面231fには、第1の主面231f側が開口した中空状のシールドケース240が、カメラ制御LSI250を覆うように設けられている。第1のリジッド基板部231における第1の主面231fとは反対側の第2の主面231gには、部品は実装されていない。
【0024】
第2のリジッド基板部232は、柔軟性を有していない硬質な基板部である。第2のリジッド基板部232の第1の主面232f(回路基板230の第1の主面230fの一部)には、LED220、他、種々の回路部品が実装されている。第2のリジッド基板部232の第1の主面232fとは反対側の第2の主面232gには、部品は実装されていない。
【0025】
第1のフレキシブル基板部233は、柔軟性を有するフィルム状の基板部であり、折り返し(折り畳み)可能である。第1のフレキシブル基板部233は、第1のリジッド基板部231の回路と第2のリジッド基板部232の回路とを電気的に接続する。第1のフレキシブル基板部233は、第1のリジッド基板部231と第2のリジッド基板部232とをコネクタレスで接続している。第1のフレキシブル基板部233は、概ね互いに直交する方向に延びる第1の部分233aと第2の部分233bとを備え、平面視で略L字状の形状を有する。
【0026】
第2のフレキシブル基板部234は、柔軟性を有するフィルム状の基板部であり、折り返し(折り畳み)可能である。第2のフレキシブル基板部234は、第1のリジッド基板部231の回路と電子機器100の回路とを電気的に接続する。第2のフレキシブル基板部234は、第1のリジッド基板部231とコネクタレスで接続される。第2のフレキシブル基板部234の他端側には、電子機器100のコネクタ150に接続可能な端子部234aが形成されている。
【0027】
第1のフレキシブル基板部233が折り曲げられていない平坦な状態、つまり第1の状態における回路基板230では、前述のように、第1のリジッド基板部231、第2のリジッド基板部232、第1のフレキシブル基板部233、及び第2のフレキシブル基板部234は、同一平面状にある。そして、第1のリジッド基板部231において撮像ユニット210が実装された第1の主面231fと、第2のリジッド基板部232においてLED220が実装された第1の主面232fとは、同じ方向を向いている。
【0028】
ここで、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに配置されたシールドケース240は、第2のリジッド基板部232を第1のリジッド基板部231に対して第1の主面231fよりも高い位置で保持させるための保持部として利用可能に構成されている。そして、第1のフレキシブル基板部233を後述するように2回折り返すことにより、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fと第2のリジッド基板部232の第1の主面232fとが同じ方向を向いた状態で第2のリジッド基板部232をシールドケース240の上面部240fに配置し、その状態で固定可能なように構成されている。具体的に、シールドケース240の上面部240fには、複数の突起240a、240b、240cが形成されているとともに、第2のリジッド基板部232には、複数の凹部232a、232b、232cが形成されており、第2のリジッド基板部232をシールドケース240の上面部240fに配置して、複数の凹部232a、232b、232cと複数の突起240a、240b、240cとを係合させることにより、第2のリジッド基板部232をシールドケース240の上面部240fに位置決めして配置可能なように構成されている。
【0029】
[1-3.電子機器に取り付けられたカメラモジュールの構成]
電子機器100に取り付けられた状態でのカメラモジュール200の構成について説明する。
図6は、
図2の矢印Bで示すカメラモジュール配設部分の拡大平面図である。
図7は、
図6の矢印Cによる矢視図である。
【0030】
カメラモジュール200は、電子機器100に取り付けられた状態では、第2のリジッド基板部232が、第2のリジッド基板部232の複数の凹部232a、232b、232cとシールドケース240の複数の突起240a、240b、240cとが係合された状態で、第1のリジッド基板部231のシールドケース240の上面部240fに固定されている。第1のフレキシブル基板部233は2回折り返されており、第1のリジッド基板部231において撮像ユニット210が実装された第1の主面231fと、第2のリジッド基板部232においてLED220が実装された第1の主面232fとは、同じ方向を向いている。そして、第2のリジッド基板部232は、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fよりも高い位置でシールドケース240により保持される。
【0031】
第1のリジッド基板部231にはネジ挿通孔231hが形成されており、当該ネジ挿通孔231hに、ネジ140が挿通されて、電子機器100の筐体本体110の下側部分を構成する下側筐体本体112aに螺合されることにより、第1のリジッド基板部231(カメラモジュール200)が、蓋130の開口に対向する位置において下側筐体本体112aに固定される。
【0032】
第2のフレキシブル基板部234の他端側の端子部234aは、電子機器100のコネクタ150に接続される。
【0033】
[1-4.第2の状態のカメラモジュールの作成]
図3~
図5に示す、第1の状態のカメラモジュール200から、
図6、
図7に示す、第2の状態のカメラモジュール200を作成する手順について説明する。
【0034】
まず、
図4に示す第1の状態のカメラモジュール200において、第1のフレキシブル基板部233を第1の折り曲げ線L1で折り返すことにより、
図8に示すように、第2のリジッド基板部232を裏返しの状態とする。
【0035】
次に、第1のフレキシブル基板部233を、第1の折り曲げ線L1に直交する第2の折り曲げ線L2で折り返して、第2のリジッド基板部232をさらに裏返しにし、
図6に示すように、第2のリジッド基板部232と第1のリジッド基板部231とを同じ方向を向かせる。そして、この状態の第2のリジッド基板部232を、シールドケース240の上面部240fに配置する。このとき、第2のリジッド基板部232の複数の凹部232a、232b、232cとシールドケース240の複数の突起240a、240b、240cとを係合させる。これにより、第2のリジッド基板部232がシールドケース240の上面部240f上の所定の取り付け位置に配置される。なお、第2のリジッド基板部232の第2の主面232g側とシールドケース240の上面部240fとは、例えば両面テープ等を利用して固定する。
【0036】
このようにして作成された第2の状態のカメラモジュール200では、撮像ユニット210とLED220とが平面的に接近した状態となっている。また、LED220は、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに対して離間した位置に嵩上げされた状態となっている。
【0037】
次に、第2の状態のカメラモジュール200を電子機器100の下側筐体本体112aにネジ140により固定する。なお、第1の状態のカメラモジュール200を電子機器100の下側筐体本体112aの内壁部にネジ140により固定した後、第2の状態に変形させてもよい。
【0038】
[1-5.作用]
本実施形態の作用を説明する。まず本開示の課題を
図9の比較例を参照して説明する。
【0039】
図9は、比較例を説明する図である。比較例では、基板1231の第1の主面1231f上に撮像ユニット1210とLED1220が直接実装されている。電子機器においては、小型化等のために基板1231の面積は制限され、その結果、撮像ユニット1210とLED1220とが近接することが多い。また、照明光による被写体背後の影の発生を抑制するためにも、撮像ユニット1210とLED1220とは近接させることが好ましい。しかし、撮像ユニット1210の高さはLED1220の高さよりも高い場合が多く、その結果、LED1220の照明光の照射領域Rcのうちの一部の領域Rsが撮像ユニット1210により遮られることがあった。
【0040】
また、基板1231の第1の主面1231fだけでは部品の実装面積が不足して、LED1220を複数配置することができず、被写体を十分に照射可能な光量を得るのは困難であった。その結果、暗い状況での撮像画像の画質が低下しやすかった。さらに、第2の主面1231g側にも部品1251を実装しなければならず、つまり、基板1231の両面に部品の実装を行わなければならず、部品の実装工程や実装コストが、片面実装の場合よりも増加した。
【0041】
図10は、本実施形態の効果及び課題を説明する図である。本実施形態では、LED220は、シールドケース240上に配置される。そのため、LED220の配置位置は、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに配置する場合よりも、高くなる。そのため、平面的に比較例とほぼ同じ位置条件で配置した場合でも、LED220の照明光の照射領域Rpが撮像ユニット210によって遮られなくなる。よって、撮像ユニット210とLED220とを接近させて配置しつつ、LED220の照明光が撮像ユニット210により遮られないようにできる。
【0042】
また、比較例では、撮像ユニット1210による照明光の遮蔽の問題から第1の主面1231fにおいてLED1220を配置可能な面積が限られ、複数のLED1220を配置するのが困難であった。しかし、本実施形態のように、第1の主面231fよりも高い位置に存在する、シールドケース240の上面部240fを利用することにより、撮像ユニット210によって照明光が遮られない領域を増加させることができ、この領域を利用してLED220を複数配置できる。そのため、照明光の光量を増加させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、シールドケース240は、第1のリジッド基板部231の第1の主面231f側が開口した中空状であるので、シールドケース240の上面部240fの下方の空間を利用して、第1のリジッド基板部231における第1の主面231f上に種々の部品を配置することができる。本実施形態では、シールドケース240の上面部240fの下方の空間にカメラ制御用LSIを配置している。このように、本実施形態では、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに加え、シールドケース240の上面部240fにも部品を実装することができる。
【0044】
また、回路基板230は、第1のリジッド基板部231と第2のリジッド基板部232とを第1のフレキシブル基板部233によりコネクタレスで接続しているので、コネクタが不要な分、第1のリジッド基板部231及び第2のリジッド基板部232における部品の実装面積を増加させることができる。
【0045】
また、第1の状態のカメラモジュール200では、回路基板230を片面実装の基板とでき、片面実装用の実装装置を利用して種々の部品を実装できる。これにより、部品の実装工程を簡略化し、かつ実装コストを低減できる。
【0046】
[2.効果等]
本実施形態の第2の状態のカメラモジュール200は、
被写体を撮像する撮像ユニット210と、
被写体に照明光を照射するLED220(発光素子)と、
撮像ユニット210及びLED220(発光素子)が第1の主面230f(231f、232f)に実装された回路基板230と、を有する。
【0047】
回路基板230は、
撮像ユニット210が実装された第1のリジッド基板部231と、
LED220(発光素子)が実装された第2のリジッド基板部232と、
第1のリジッド基板部231と第2のリジッド基板部232とを接続可能な第1のフレキシブル基板部233(フレキシブル基板部)と、を含む。
【0048】
第1のフレキシブル基板部233(フレキシブル基板部)が、第2のリジッド基板部232の第1の主面232fが第1のリジッド基板部231の第1の主面231fと同じ方向を向き、かつ第2のリジッド基板部232が第1のリジッド基板部231の第1の主面231fから離間した位置にある状態で、第2のリジッド基板部232を保持したシールドケース240(保持部)を有する。
【0049】
これにより、撮像ユニット210やLED220(発光素子)の実装工程を簡略化しつつ、LED220(発光素子)による照明光の照射範囲を適切に確保できる。
【0050】
本実施形態の第1の状態のカメラモジュール200は、
被写体を撮像する撮像ユニット210と、
被写体に照明光を照射するLED220(発光素子)と、
撮像ユニット210及びLED220(発光素子)が第1の主面230f(231f、232f)に実装された回路基板230と、を有する。
【0051】
回路基板230は、
撮像ユニット210が実装された第1のリジッド基板部231と、
LED220(発光素子)が実装された第2のリジッド基板部232と、
第1のリジッド基板部231と第2のリジッド基板部232とを接続能な第1のフレキシブル基板部233(フレキシブル基板部)と、を含む。
【0052】
第2のリジッド基板部232の第1の主面232fが第1のリジッド基板部231の第1の主面231fと同じ方向を向き、かつ第2のリジッド基板部232が第1のリジッド基板部231の第1の主面231fから離間した位置にある状態で配置可能なように構成されているとともに、離間した位置で第2のリジッド基板部232を保持可能なシールドケース240(保持部)を有する。
【0053】
これにより、撮像ユニット210やLED220(発光素子)の実装工程を簡略化しつつ、LED220(発光素子)による照明光の照射範囲を適切に確保できる。
【0054】
本実施形態において、
シールドケース240(保持部)は、第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに配置され、少なくとも第1の主面231f側が開口した中空のケース状に構成されている。
【0055】
シールドケース240(保持部)の内部の空間にカメラ制御LSI250(所定電子部品)が配置されている。
【0056】
これにより、シールドケース240(保持部)の上面側を利用してLED220(発光素子)を配置し、シールドケース240(保持部)の内部の空間を利用してカメラ制御LSI250(所定電子部品)を配置できる。
【0057】
本実施形態において、保持部は、カメラ制御LSI250(所定電子部品)が発生する電磁ノイズをシールドするシールドケース240(シールド部材)である。
【0058】
これにより、カメラ制御LSI250(所定電子部品)が発生する電磁ノイズをシールドするシールドケース240(シールド部材)を利用して保持部を構成できる。
【0059】
本実施形態において、回路基板230は、第1のリジッド基板部231と、第2のリジッド基板部232と、第1のフレキシブル基板部233(フレキシブル基板部)とを一体で形成したリジッドフレキシブル基板により構成されている。
【0060】
これにより、第1のリジッド基板部231と、第2のリジッド基板部232とを、第1のフレキシブル基板部233(フレキシブル基板部)を介してコネクタレスで接続して、カメラモジュール200を小型化できる。
【0061】
(他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
【0062】
そこで、以下、他の実施の形態を説明する。
【0063】
前記実施形態では、発光素子はLED220である。しかし、本開示において、発光素子は、LED220でなくとも、照明光を照射可能な素子であればどのようなものでもよい。
【0064】
前記実施形態では、保持部は、シールドケース240により構成されている。しかし、本開示において保持部はシールドケース240に限らず、LED220等の発光素子を第1のリジッド基板部231の第1の主面231fに対して離間した位置で保持できるものであればどのようなものでもよい。例えば、保持部は、嵩上げのための台でもよいし、撮像ユニット210の側面等に取り付けた取り付け板であってもよい。
【0065】
前記実施形態では、第1のフレキシブル基板部233を2回折り返して、第2のリジッド基板部232を、第1のリジッド基板部231に配置するようになっている。しかし、本開示において、折り返しの回数は偶数回であればよく、例えば4回や6回であってもよい。
【0066】
前記実施形態では、本開示のカメラモジュールをタブレット型コンピュータに適用した例について説明した。しかし、本開示の電子機器は、カメラモジュールを搭載する電子機器に広く適用できる。
【0067】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0068】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0069】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、撮像ユニット及び発光素子を有するカメラモジュールにおいて広く利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
100 電子機器
101 表示部
102 操作スイッチ
103 インジケータ
110 筐体本体
112a 下側筐体本体
130 蓋
130a 開口
140 ネジ
150 コネクタ
200 カメラモジュール
210 撮像ユニット
211 光学系
220 LED
230 回路基板
230f 第1の主面
231 第1のリジッド基板部
231f 第1の主面
231g 第2の主面
231h ネジ挿通孔
232 第2のリジッド基板部
232a,232b,232c 凹部
232f 第1の主面
232g 第2の主面
233 第1のフレキシブル基板部
233a 第1の部分
233b 第2の部分
234 第2のフレキシブル基板部
234a 端子部
240 シールドケース
240a,240b,240c 突起
240f 上面部
250 カメラ制御LSI
L1 第1の折り曲げ線
L2 第2の折り曲げ線
Rp 照射領域