(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】ガスコンロシステム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20221216BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20221216BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20221216BHJP
【FI】
F24C3/12 L
F24C3/12 E
F24C15/00 M
G10L15/00 200N
(21)【出願番号】P 2018167834
(22)【出願日】2018-09-07
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】光藤 公一
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-163537(JP,A)
【文献】特開2017-223401(JP,A)
【文献】特開平07-167428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00- 3/14
F24C 9/00-15/14
G10L 15/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から無線送信された指示データに応じて動作を行うガスコンロと、
前記指示データを無線送信可能な情報処理端末と、
を有し、
前記情報処理端末は、
音声指示を検出する音声指示検出部と、
前記音声指示検出部で検出された前記音声指示に応じた前記指示データを無線送信する端末側無線送信部と、
を有し、
前記ガスコンロは、
制御対象となる電気部品と、
前記端末側無線送信部から無線送信された前記指示データを受信するコンロ側無線受信部と、
前記コンロ側無線受信部が前記指示データを受信した場合に、前記指示データに応じて前記電気部品の動作を制御する動作制御部と、
所定の情報送信条件が成立した場合に、前記ガスコンロの状態を示す情報、又は使用者に対する所定の確認情報、の少なくともいずれかに対応する端末宛情報を、前記情報処理端末に無線送信するコンロ側無線送信部と、
を有し、
前記情報処理端末は、
前記コンロ側無線送信部から無線送信された前記端末宛情報を受信する端末側無線受信部と、
前記端末側無線受信部が前記端末宛情報を受信した場合に、前記ガスコンロの状態を示す情報又は前記所定の確認情報の少なくともいずれかを、表示又は音声の少なくともいずれかによって報知する報知部と、
を有し、
前記報知部は、
表示部と、
前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、所定の表示条件の成立に応じて、音声認識対象の言葉として予め定められた複数種類の候補語を前記表示部に表示し、
前記音声指示検出部は、前記表示部に表示された複数の前記候補語のうち、いずれかの前記候補語を前記音声指示として検出し、
前記端末側無線送信部は、いずれかの前記候補語が前記音声指示検出部で検出された場合に、前記音声指示検出部で検出された前記候補語に対応する前記指示データを無線送信する
ガスコンロシステム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記所定の表示条件の成立に応じて複数種類の前記候補語を前記表示部に表示する場合、表示時点で選択可能な前記候補語を他の文字と異なる態様で表示する請求項
1に記載のガスコンロシステム。
【請求項3】
前記表示制御部は、いずれかの前記候補語が前記音声指示検出部で検出された場合に、前記音声指示検出部で検出された前記候補語を他の候補語と区別して示す候補語特定画像を前記表示部に表示する
請求項
1又は請求項
2に記載のガスコンロシステム。
【請求項4】
前記コンロ側無線送信部は、前記所定の情報送信条件が成立した場合に、前記ガスコンロの状態情報を含む前記端末宛情報を前記情報処理端末に無線送信し、
前記表示制御部は、前記端末側無線受信部が前記状態情報を含む前記端末宛情報を受信した場合に、前記状態情報によって特定される前記ガスコンロの状態の画像を前記表示部に表示する
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のガスコンロシステム。
【請求項5】
前記状態情報は、使用されているガスバーナの位置、又は使用されているガスバーナの火力、の少なくともいずれかを示す情報を含み、
前記表示制御部は、前記端末側無線受信部が前記状態情報を含む前記端末宛情報を受信した場合に、使用されているガスバーナの位置、又は使用されているガスバーナの火力、の少なくともいずれかを特定する画像を前記表示部に表示する
請求項
4に記載のガスコンロシステム。
【請求項6】
前記コンロ側無線送信部は、前記ガスコンロにおけるいずれかのガスバーナが点火中のガスバーナである場合において当該点火中のガスバーナの消火動作を行う前に前記端末宛情報を前記情報処理端末に無線送信し、
前記報知部は、前記端末側無線受信部が前記端末宛情報を受信した場合に、前記点火中のガスバーナの点火延長を問い合わせる情報を前記所定の確認情報として報知し、
前記端末側無線送信部は、前記点火延長を問い合わせる情報を前記報知部が報知した後、前記音声指示検出部が音声による所定の延長指示を検出した場合に、前記所定の延長指示に対応する前記指示データを無線送信し、
前記動作制御部は、前記コンロ側無線受信部が前記所定の延長指示に対応する前記指示データを受信した場合に、前記点火中のガスバーナの点火を延長する
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のガスコンロシステム。
【請求項7】
前記コンロ側無線送信部は、前記コンロ側無線受信部が受信した前記指示データが、いずれかの前記電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、前記端末宛情報を前記情報処理端末に無線送信し、
前記報知部は、前記端末側無線受信部が前記端末宛情報を受信した場合に、前記所定の確認情報として前記所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報を報知し、
前記端末側無線送信部は、前記所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報を前記報知部が報知した後、前記音声指示検出部が音声による所定の変更指示を検出した場合に、前記所定の変更指示に対応する前記指示データを無線送信し、
前記動作制御部は、前記コンロ側無線受信部が前記所定の変更指示に対応する前記指示データを受信した場合に、前記変更対象に前記所定の変更動作を行わせる
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のガスコンロシステム。
【請求項8】
前記動作制御部は、前記コンロ側無線受信部が受信した前記指示データが、いずれかの前記電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、前記変更対象に前記所定の変更動作を行わせ、
前記コンロ側無線送信部は、前記動作制御部が前記変更対象に前記所定の変更動作を行わせる場合において前記所定の変更動作の開始前又は開始後に前記端末宛情報を前記情報処理端末に無線送信し、
前記報知部は、前記端末側無線受信部が前記端末宛情報を受信した場合に、前記所定の変更動作が正しいか否かを問い合わせる情報又は前記所定の変更動作がなされたことを伝える情報の少なくともいずれかを前記所定の確認情報として所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知し、
前記所定の終了条件は、前記音声指示検出部が音声による所定の返答を検出することである
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のガスコンロシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示される音信号制御式コンロは、制御ユニットに音信号制御ユニットが付設された構成をなす。音信号制御ユニットは、加熱器の所定の作動に対応した少なくとも1個の制御用音信号を格納したメモリと、音信号入力部と、入力された音信号を認識する音信号認識部と、認識した音信号をメモリ内の制御用音信号と照合する音信号照合部とを備えた構成をなす。この音信号制御式コンロは、音が入力された時、音信号照合部での照合で音信号認識部が認識した音信号と格納された音信号とが一致した時、その音信号に対応して制御ユニットがバーナの作動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されるコンロは、使用者の音声命令を認識し、それに従った制御を行い得るものであるため、例えば他の作業中で手が離せない場合や、手が汚れていて操作しづらい場合等に有効である。しかし、特許文献1の技術は、使用者の音声を検出するための機能やコンロ内に設けており、コンロ外の端末を利用して音声認識を行えないシステムである。
【0005】
本発明は上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、コンロ外の情報処理端末を利用してユーザの音声指示を認識することができ、且つ、その情報処理端末を利用してガスコンロに関する有用な情報をユーザに報知することができる構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つであるガスコンロシステムは、
外部から無線送信された指示データに応じて動作を行うガスコンロと、
前記指示データを無線送信可能な情報処理端末と、
を有し、
前記情報処理端末は、
音声指示を検出する音声指示検出部と、
前記音声指示検出部で検出された前記指示に応じた前記指示データを無線送信する端末側無線送信部と、
を有し、
前記ガスコンロは、
制御対象となる電気部品と、
前記端末側無線送信部から無線送信された前記指示データを受信するコンロ側無線受信部と、
前記コンロ側無線受信部が前記指示データを受信した場合に、前記指示データに応じて前記電気部品の動作を制御する動作制御部と、
所定の情報送信条件が成立した場合に、前記ガスコンロの状態を示す情報、又は使用者に対する所定の確認情報、の少なくともいずれかに対応する端末宛情報を、前記情報処理端末に無線送信するコンロ側無線送信部と、
を有し、
前記情報処理端末は、
前記コンロ側無線送信部から無線送信された前記端末宛情報を受信する端末側無線受信部と、
前記端末側無線受信部が前記端末宛情報を受信した場合に、前記ガスコンロの状態を示す情報又は前記所定の確認情報の少なくともいずれかを、表示又は音声の少なくともいずれかによって報知する報知部と、
を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記ガスコンロシステムは、情報処理端末が音声による指示を検出し、その音声指示に応じた指示データを情報処理端末からガスコンロに無線通信によって与えることができる。よって、音声認識のための装置をガスコンロ内に設けることを必須とすることなく、音声によってガスコンロを操作し得るシステムを実現できる。しかも、所定の情報送信条件が成立した場合には、ガスコンロから情報処理端末に対して、ガスコンロの状態を示す情報又は使用者に対する所定の確認情報の少なくともいずれかに対応する端末宛情報を無線送信することができる。そして、情報処理端末は、この端末宛情報を受信した場合に、ガスコンロの状態を示す情報又は所定の確認情報の少なくともいずれかを、表示又は音声の少なくともいずれかによって報知することができる。よって、情報処理端末の機能を利用してガスコンロに関する有用な情報をユーザに報知することができ、ガスコンロを顕著に高機能化せずともユーザの利便性を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1のガスコンロシステムを概略的に例示する斜視図である。
【
図2】実施例1のガスコンロシステムにおけるガスコンロでの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
【
図3】実施例1のガスコンロシステムの電気的構成について、主にガスコンロの電気的構成を具体的に例示するブロック図である。
【
図4】実施例1のガスコンロシステムの電気的構成について、主に情報処理端末の電気的構成を具体的に例示するブロック図である。
【
図5】実施例1のガスコンロシステムの情報処理端末で実行される音声対応制御の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】
図5の音声対応制御における対応処理(例えばコンロ右対応処理)の流れを例示するフローチャートである。
【
図7】
図6の対応処理における便利機能対応処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図8】実施例1のガスコンロシステムの情報処理端末で実行される音声対応制御の概要を説明する説明図である。
【
図9】音声対応制御中の第1選択肢等の表示状態を例示する説明図である。
【
図10】
図9で表示される第1選択肢のうちのコンロ右が選択されたときの第2選択肢等の表示状態を例示する説明図である。
【
図11】
図10で表示される第2選択肢のうちの便利機能が選択されたときの第3選択肢等の表示状態を例示する説明図である。
【
図12】便利機能として煮ものが選択された後に
図5において第1選択肢が表示される場合の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に例示する。但し、本発明は以下の例に限定されない。
ガスコンロシステムは、表示部と、表示部の表示を制御する表示制御部と、を備えていてもよい。表示制御部は、所定の表示条件の成立に応じて、音声認識対象の言葉として予め定められた複数種類の候補語を表示部に表示するように機能してもよい。音声指示検出部は、表示部に表示された複数の候補語のうち、いずれかの候補語を音声指示として検出するように機能してもよい。端末側無線送信部は、いずれかの候補語が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語に対応する指示データを無線送信するように機能してもよい。
このようにすれば、ユーザは表示部に表示された複数種類の候補語を見た上で、候補語を選んで言葉として発することができる。表示部に表示される候補語は、音声認識対象の言葉として予め定められたものであるため、音声認識対象の言葉がどのような言葉であるかユーザが思い出しながら発したり、推測して発したりする事態が生じにくくなり、ユーザは、表示部に表示されたいずれかの候補語を選んで言えば、音声認識対象の言葉が音声として正確に認識されやすくなる。
【0010】
表示制御部は、所定の表示条件の成立に応じて複数種類の候補語を表示部に表示する場合、表示時点で選択可能な候補語を他の文字と異なる態様で表示してもよい。
このようにすれば、ユーザは、どのような言葉を音声によって選択できるのか視覚によって迅速に把握しやすくなる。
【0011】
表示制御部は、いずれかの候補語が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語を、他の候補語と区別して示す候補語特定画像を表示部に表示するように機能してもよい。
このようにすれば、ユーザが発声した候補語が検出された場合に、その候補語を他の候補語と区別して視覚的に伝えることができる。よって、ユーザは、自身が発声した音声が認識されたか否かをより確実に把握できるようになる。
【0012】
報知部は、表示部と、表示部の表示を制御する表示制御部と、を備えていてもよい。コンロ側無線送信部は、所定の情報送信条件が成立した場合に、ガスコンロの状態情報を含む端末宛情報を情報処理端末に無線送信するように機能してもよい。表示制御部は、端末側無線受信部が状態情報を含む端末宛情報を受信した場合に、状態情報によって特定されるガスコンロの状態の画像を表示部に表示するように機能してもよい。
このようにすれば、ガスコンロの状態を状態情報によって情報処理端末側に伝え、ガスコンロの状態を情報処理端末に表示される画像によってユーザに視認させることができる。このようにすれば、ユーザは、ガスコンロ近傍でガスコンロを直接見るだけでなく、情報処理端末によってもガスコンロの状態を把握することができ、例えば、ガスコンロから離れた位置でガスコンロの状態を視覚的に認識することも可能となる。
【0013】
状態情報は、使用されているガスバーナの位置、又は使用されているガスバーナの火力、の少なくともいずれかを示す情報を含んでいてもよい。表示制御部は、端末側無線受信部が状態情報を含む端末宛情報を受信した場合に、使用されているガスバーナの位置、又は使用されているガスバーナの火力、の少なくともいずれかを特定する画像を表示部に表示するように機能してもよい。
このようにすれば、使用されているガスバーナの位置、又は使用されているガスバーナの火力、などの有用な情報を、情報処理端末によってユーザに知らしめることができる。
【0014】
コンロ側無線送信部は、ガスコンロにおけるいずれかのガスバーナが点火中のガスバーナである場合において当該点火中のガスバーナの消火動作を行う前に端末宛情報を情報処理端末に無線送信するように機能してもよく、報知部は、端末側無線受信部が端末宛情報を受信した場合に、点火中のガスバーナの点火延長を問い合わせる情報を所定の確認情報として報知するように機能してもよい。この場合、端末側無線送信部は、点火延長を問い合わせる情報を報知部が報知した後、音声指示検出部が音声による所定の延長指示を検出した場合に、所定の延長指示に対応する指示データを無線送信するように機能してもよく、動作制御部は、コンロ側無線受信部が所定の延長指示に対応する指示データを受信した場合に、点火中のガスバーナの点火を延長するように機能してもよい。
このようにすれば、ガスコンロにおいて消火動作を行う前に、点火延長をユーザに問い合わせることができる。ユーザは、問い合わせの時点で消火動作ではなく点火の延長を望む場合には、音声による所定指示を行えばよく、このようにすれば、その所定指示を認識させて点火を延長することができる。よって、その時点では、消火動作を望まないのに、意図に反して消火がなされてしまい、その消火に気付かないまま放置されてしまうような事態や、或いは、消火に気付いて手作業等によって点火動作を再度行ったりするような事態を回避しやすくなる。
【0015】
コンロ側無線送信部は、コンロ側無線受信部が受信した指示データが、いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、端末宛情報を情報処理端末に無線送信するように機能してもよく、報知部は、端末側無線受信部が端末宛情報を受信した場合に、所定の確認情報として所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報を報知するように機能してもよい。この場合、端末側無線送信部は、所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報を報知部が報知した後、音声指示検出部が音声による所定の変更指示を検出した場合に、所定の変更指示に対応する指示データを無線送信するように機能してもよく、動作制御部は、コンロ側無線受信部が所定の変更指示に対応する指示データを受信した場合に、変更対象に所定の変更動作を行わせるように機能してもよい。
このようにすれば、ユーザは音声によって電気部品の変更動作を指示することができるようになる。但し、このように音声指示によって電気部品の変更動作を指示できるようにすると、雑音や言い間違えなどによって使用者の本来の意図に反して電気部品の変更動作が指示されてしまう虞もあるが、上記構成によれば、音声指示に応じた変更動作を行う前に、その変更動作を実行するか否かを問い合わせることができる。そして、その問い合わせに対して所定の変更指示がなされた場合に、変更動作を実行するように機能させることができる。このようにすれば、雑音や言い間違えなどによって使用者の意図に反した変更動作がなされてしまうことを防ぎやすくなる。
【0016】
動作制御部は、コンロ側無線受信部が受信した指示データが、いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、変更対象に所定の変更動作を行わせるように機能してもよく、コンロ側無線送信部は、動作制御部が変更対象に所定の変更動作を行わせる場合において所定の変更動作の開始前又は開始後に端末宛情報を情報処理端末に無線送信するように機能してもよい。この場合、報知部は、端末側無線受信部が端末宛情報を受信した場合に、所定の変更動作が正しいか否かを問い合わせる情報又は所定の変更動作がなされたことを伝える情報の少なくともいずれかを所定の確認情報として所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知するように機能してもよい。そして、所定の終了条件は、音声指示検出部が音声による所定の返答を検出することであってもよい。
このようにすれば、ユーザは音声によって電気部品の変更動作を指示することができるようになる。但し、このように音声指示によって電気部品の変更動作を指示できるようにすると、雑音や言い間違えなどによって使用者の意図に反して電気部品の変更動作が指示されてしまう虞もあるが、上記構成によれば、変更動作が行われる場合に、その変更動作が正しいか否かを問い合わせる情報又は変更動作がなされたことを伝える情報の少なくともいずれかを所定の確認情報として所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知することができる。このような報知が繰り返されれば、万が一使用者の意図に反して電気部品の変更動作がなされたとしても使用者はその状態に気付くことができ、使用者が意図しない変更動作が継続してしまうことを防止し得る。一方で、使用者は、変更動作が意図する動作であった場合、音声によって所定の返答を行えば報知の繰り返しを容易に終了させることができる。
【0017】
<実施例1>
以下、実施例1について、図面を参照して説明する。
図1で示すガスコンロシステム100は、主に、ガスコンロ1と情報処理端末90とによって構成されている。以下の説明では、ガスコンロシステム100がガスコンロ用制御装置101として構成された例を代表例として説明する。
【0018】
まず、ガスコンロ1について説明する。
図1のように、ガスコンロ1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なビルトインコンロとして構成されている。ガスコンロ1は、コンロ本体1Aの上面を構成する天板2(トッププレート)から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、がそれぞれ設けられ、その左右のコンロ部4A,4Bの間で後方寄りに後コンロ部4Cが設けられている。天板2の下方においてコンロ本体1Aの内部中央付近にはグリル3が設けられている。グリル3は、被調理物を収納してグリルバーナ(ガスバーナ54:
図2)で加熱調理するグリル庫を備え、このグリル庫は、グリル扉3Bによって開閉可能とされている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3には、
図2で示すガスバーナ51,52,53,54がそれぞれ設けられている。なお、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4Cは、それぞれコンロ右、コンロ左、コンロ後ともいう。グリル3は、グリルオーブンともいう。
【0019】
図2のように、複数のガスバーナ51,52,53,54には、複数の分岐供給路61,62,63,64がそれぞれ接続され、これら分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐する構成をなす。共通供給路60は、ガスバーナ51,52,53,54への共通のガス経路であり、複数の分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐するとともに各ガスバーナ51,52,53,54に向けてガスを導くように配設された供給路である。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられる。共通供給路60から分岐してガスバーナ51に続く分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51Gと、分岐供給路61を開閉可能な閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ52に続く分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52Gと、分岐供給路62を開閉可能な閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ53に続く分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53Gと、分岐供給路63を開閉可能な閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。
【0020】
安全弁51G、閉止弁51F、火力調整弁51Eは、
図3で示すステッピングモータM1によって駆動されるようになっており、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲になったときに安全弁51Gが開放し、モータM1の回転角度が第2角度範囲になったときに閉止弁51Fが開放し、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲及び第2角度範囲よりも大きい第3角度範囲のときに回転角度に応じて火力調整弁51Eの開度が設定されるようになっている。具体的には、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Aの動作によってステッピングモータM1の回転角度が制御されることで火力調整弁51Eの開度が制御され、ガスバーナ51での火力が火力調整弁51Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Bの動作によってステッピングモータM2の回転角度が制御されることで火力調整弁52Eの開度が制御され、ガスバーナ52での火力が火力調整弁52Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Cの動作によってステッピングモータM3の回転角度が制御されることで火力調整弁53Eの開度が制御され、ガスバーナ53での火力が火力調整弁53Eの開度に応じて定まる。グリル3のガスバーナ54(グリルバーナ)は、グリル3内において上側に配置される上バーナ54Aと、グリル3内において上バーナ54Aよりも下側に配置される下バーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐してガスバーナ54にガスを導く分岐供給路64には、更に、分岐供給路64から分岐して上バーナ54Aにガスを導く第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下バーナ54Bにガスを導く第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54Gと閉止弁54Fとが設けられ、第1供給路65Aには複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには電磁弁54Kが設けられている。電磁弁54H,54J,54Kの開閉は、制御回路10によって制御される。
【0021】
図1に示すように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dが設けられている。回転操作部6Aは、右コンロ部4Aの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Bは、左コンロ部4Bの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Cは、後コンロ部4Cの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Dは、グリル3の点火、消火、火力調整を行うものであり、これらはいずれも、押圧操作可能に構成され、且つ回転操作可能に構成されている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。そして、
図3の電気的構成で示すように、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するようにスイッチ30A,30B,30C,30Dがそれぞれ設けられ、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が突出位置から退避位置(消火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が退避位置から突出位置(点火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。
【0022】
更に、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように変位検出部32A,32B,32C,32Dがそれぞれ設けられ、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部の変位(回転位置)を各回転操作部に対応する変位検出部が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御回路10に与えられる。
【0023】
図2のように、上バーナ54Aにガスを導く主経路として第1供給路65Aが構成され、この第1供給路65Aに設けられた電磁弁54Jを迂回するように、電磁弁54Jの経路と並列の経路であるバイパス路66Aが設けられている。電磁弁54Hが開放した状態で電磁弁54Jが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、電磁弁54H,54Jがいずれも開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第1供給路65A又はバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、下バーナ54Bにガスを導く主経路として第2供給路65Bが構成され、この第2供給路65Bに設けられた電磁弁54Kを迂回するように、電磁弁54Kの経路と並列の経路であるバイパス路66Bが設けられている。電磁弁54Kが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。また、電磁弁54Kが開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第2供給路65B又はバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。
【0024】
また、
図2、
図3のように、各ガスバーナ51,52,53のそれぞれの近くにはサーミスタ51C,52C,53Cがそれぞれ設けられている。そして、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。具体的には、サーミスタ51Cは、右コンロ部4Aに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Aは、サーミスタ51Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ52Cは、左コンロ部4Bに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Bは、サーミスタ52Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ53Cは、後コンロ部4Cに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Cは、サーミスタ53Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、
図2ではサーミスタ51C,52C,53Cを概念的に示しているが、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれの配置は、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4Cのそれぞれに載置された調理容器に近接し得る位置(具体的には、調理容器に対して直接的に又は他部材を介して間接的に接触し得る位置)であればよい。サーミスタ54Cは、グリル3内に配置され、グリル3の庫内の所定位置の温度を検出し、温度信号入力回路44Dは、サーミスタ54Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、
図2、
図3では図示は省略しているが、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対がそれぞれ設けられ、各熱電対のそれぞれに対応して温度信号入力回路がそれぞれ設けられている。これら温度信号入力回路はいずれも、対応する熱電対で生じた起電力に応じた信号を制御回路10に入力する。
【0025】
各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接してイグナイタ26A,26B,26C,26Dがそれぞれ設けられ、イグナイタ26A,26B,26C,26Dのそれぞれに対応してイグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。例えば、ガスバーナ51に対応してイグナイタ26Aが設けられ、イグナイタ回路46Aは、スイッチ30Aの点火操作に応じてイグナイタ26Aを駆動し、イグナイタ26Aで火花を放電させてガスバーナ51に点火する。
【0026】
制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、
図3のように、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマー、I/Oインタフェースなどを備える。制御回路10は、上述した各電磁弁(
図3では図示を省略)、イグナイタ26A,26B,26C,26D、複数のモータM1,M2,M3,M4、ブザー装置12、音声装置14などを制御し得る。ブザー装置12は、圧電ブザー装置などの公知のブザー装置として構成されている。音声装置14は、メロディ、メッセージなどの音声を発する装置であり、例えば、スピーカやスピーカに対して音声信号を与える駆動回路などを備え、制御回路10からの指示に対応した音声を発するように動作する。不揮発性メモリ16は、制御回路10によって書き込み及び読み出しが可能とされた公知の不揮発性メモリである。操作部18は、操作ボタンやタッチパネルなどの公知の入力インタフェースによって構成され、ユーザの操作に応じた情報を制御回路10に入力し得るものである。また、上述した電気部品を含め、様々な電気部品に電力を供給するように電源回路48が設けられている。電源回路48は電池ボックスに収容された電池49(例えば2つの乾電池)からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有しており、電源回路48で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0027】
更に、電池49の出力電圧(電池49における高電位側端子の電位と低電位側端子の電位との電位差)を検出する電池電圧検出回路50が設けられており、電池電圧検出回路50は電池49の出力電圧を示すアナログ電圧値を制御回路10に入力し得るように構成されている。
【0028】
更に、ガスコンロ1には、外部装置と無線通信を行うための通信回路である無線通信部20が設けられている。無線通信部20は、無線受信部の一例に相当し、公知の無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの公知の無線通信規格に従った通信方式など)によって外部装置と無線通信を行い得る装置である。
図3には、外部装置の一例としてスマートフォンとして構成された情報処理端末90を例示している。
【0029】
次に、情報処理端末90について説明する。
図4のように、情報処理端末90は、制御回路91、記憶部92、無線通信部93、表示装置94、操作部95、入力回路96A、マイク96B、出力回路97A、スピーカ97Bなどを備える。情報処理端末90は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。情報処理端末90は、ガスコンロ用制御装置を構成する要部である。なお、
図3では、スマートフォンとして構成された情報処理端末90を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればスマートフォン以外の構成であってもよい。また、
図4では、ガスコンロ1については一部部品のみを例示し、他の部品の図示を省略している。
【0030】
制御回路91は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。記憶部92は、情報を記憶し得る装置であれば良く、例えば、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの公知の半導体記憶装置を複数種類備えた構成とすることができる。無線通信部93は、無線送信部の一例に相当し、公知の無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの公知の無線通信規格に従った通信方式など)で無線通信を行い得る通信装置である。無線通信部93は、ガスコンロ1の無線通信部20と無線通信を行い得る。
【0031】
表示装置94は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部95は、例えば、表示装置94の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示装置94の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示装置94を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示装置94は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部95は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0032】
入力回路96Aは、マイク96Bで集音された音声のアナログ信号をデジタル信号(集音された音声に対応する電気信号)に変換し、制御回路91に入力する公知の音声入力回路として構成されている。本構成では、マイク96B、入力回路96A、制御回路91が音声指示検出部の一例に相当し、ユーザの声によってなされる指示(音声指示)を検出するように機能する。出力回路97Aは、制御回路91からの制御信号に基づき、制御回路91から与えられた音声のデジタル信号をアナログ信号に変換してスピーカ97Bに出力する公知の音声出力回路として構成されている。
【0033】
情報処理端末90での音声認識機能の原理を簡単に説明する。音声認識は、周知の音声認識技術を用いることができる。具体的には、記憶部92(例えば不揮発性メモリ)に記憶する「音響モデルデータ」と、入力された音声信号(波形)のマッチング(照合)で行うとよい。「音響モデルデータ」とは、平均的な発音データを基に作られた音声の単語辞書を意味する。マッチングには、例えば「HMM(Hidden Markov Model)」と呼ばれる理論を用いるとよい。マッチングは通常10~20ミリ秒の単位で、単語の先頭から順次行うのがよい。なお、音声認識技術は、公知の様々な音声認識方式を採用することができ、外部からマイク96Bに入力された音声を解析して当該音声に含まれる言葉を認識し得る方式であれば、具体的な方式は特に限定されない。
【0034】
次に、音声対応処理について説明する。
図5で示す音声対応処理は制御回路91によって実行される処理であり、例えば、所定の開始条件の成立(例えば、電源投入、或いは電源投入後の所定のトリガ条件(例えばユーザによる操作部95に対する所定操作など))に応じて初回の処理が実行され、初回の処理が実行された後には、繰り返し実行されるようになっている。なお、以下で説明する音声対応処理は、例えば、情報処理端末90をガスコンロ1と無線通信可能な位置(例えば、ガスコンロ1の周辺のキッチンカウンター上など)に配置した状態で実行すれば、ユーザが情報処理端末90を手に持って操作せずともハンズフリー状態で好適に行うことができる。
【0035】
制御回路91は、
図5の音声対応処理を開始した場合、まず、ステップS1において第1選択肢を表示する。本構成では、第1選択肢として複数の言葉が予め登録されており、ステップS1では、第1選択肢として登録された言葉を表示装置94の表示画面に表示する。表示装置94は、表示部の一例に相当する。
図8の説明図で示すように、制御回路91では、第1選択肢として「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」の6種類の言葉(項目)が予め定められており、6種類の言葉(項目)を特定するための情報は記憶部92に記憶されている。制御回路91は、ステップS1において第1選択肢を表示する場合、記憶部92に記憶された情報に基づき、第1選択肢として登録された言葉(「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」)を
図9のように情報処理端末90の表示装置94に表示する。
図9には、ステップS1の処理によって第1選択肢を表示装置94に表示したときの表示例を示しており、
図9の例では、第1選択肢として登録された言葉(「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」)の各画像111を表示装置94に同時に表示している。なお、以下の説明では、このように、第1選択肢として、「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」が定められた例を代表例として説明する。
【0036】
図9の例では、ステップS1で表示装置94に表示される画像において第1選択肢の項目の各画像111が含まれ、これらの画像111は、選択可能であることを示す特定色(例えば、赤色)の文字とされている。なお、第1選択肢の項目の画像111以外の文字を表示する場合、第1選択肢の項目の画像111の表示態様と異なる表示態様で文字を表示することが望ましい。具体的には、画像111以外の文字を表示する場合、上記特定色以外の色の文字で表示することが望ましく、画像111とは文字サイズが異なる画像とすることがより望ましい。
【0037】
制御回路91は、ステップS1の後、ステップS2において、ステップS1で表示された複数の第1選択肢(即ち、各画像111で示される文字)のうち、いずれかを選択する音声指示があったか否かを判定する。制御回路91は、ステップS2において、いずれの第1選択肢の音声も検出されていないと判定した場合(ステップS2でNoの場合)、ステップS1に戻り、
図9のように表示装置94に複数の第1選択肢を表示した状態を維持する。具体的には、制御回路91は、
図9のように表示装置94に複数の第1選択肢(「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」)を表示している状態で、いずれの第1選択肢の音声もマイクに入力されない間は、ステップS1の後にステップS2でNoと判定する処理を繰り返し、
図9のように表示装置94に複数の第1選択肢を表示した状態を継続する。
【0038】
制御回路91は、ステップS1で
図9のように表示装置94に複数の第1選択肢を表示し、その表示状態を継続しているときに表示装置94に表示される複数の第1選択肢のうちのいずれかの第1選択肢を音声として検出した場合(ステップS2でYesの場合)、ステップS3において、その検出した音声指示(音声として検出された第1選択肢)を特定する。具体的には、
図9のような表示がなされているときに複数の第1選択肢(「火を消す」「コンロ右」「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」「機器情報」)のうちのいずれかの言葉が音声としてマイク96Bに入力された場合、制御回路91は、ステップS3において、そのマイク96Bに入力された音声を入力回路96Aが変換した信号に基づき、複数の第1選択肢のうちのいずれの言葉(項目)がマイク96Bに音声入力(選択)されたのかを特定する処理を行う。
【0039】
制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「火を消す」である場合、ステップS4において「火を消す」に対応する対応処理を行う。ステップS4の対応処理は、例えば、ガスコンロ1に設けられた全てのガスバーナ51,52,53,54を消火状態にする処理である。制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「コンロ右」である場合、ステップS5において「コンロ右」に対応する対応処理を行う。制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「コンロ左」である場合、ステップS6において「コンロ左」に対応する対応処理を行う。制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「コンロ後」である場合、ステップS7において「コンロ後」に対応する対応処理を行う。制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「グリルオーブン」である場合、ステップS8において「グリルオーブン」に対応する対応処理を行う。制御回路91は、ステップS3で特定した言葉(第1選択肢)が「機器情報」である場合、ステップS9において「機器情報」に対応する対応処理を行う。
【0040】
本構成では制御回路91が表示制御部の一例に相当し、表示部の一例である表示装置94の表示を制御するように機能する。そして、上述したように、制御回路91(表示制御部)は、所定の表示条件の成立に応じて、
図9のように、音声認識対象の言葉として予め定められた複数種類の候補語を表示装置94に表示する。「所定の表示条件の成立」は、例えば、
図5の制御を開始するための「所定の開始条件の成立」であり、具体的には、電源投入がなされたこと、或いは電源投入後に所定のトリガ条件が成立したこと(例えばユーザによって操作部95に対して所定操作がなされたことなど)などが挙げられる。そして、音声指示検出部の一例に相当するマイク96B、入力回路96A、制御回路91は、
図9のように複数種類の候補語が表示装置94に表示されているときに、表示装置94に表示された複数の候補語のうち、いずれかの候補語を音声指示として検出するように機能する。そして、端末側無線送信部の一例に相当する制御回路91及び無線通信部93は、
図9のように複数種類の候補語が表示装置94に表示されているときにいずれかの候補語が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語に対応する指示データ(具体的には、検出された候補語を特定し得る情報を含んだ指示データ)をステップS4~S9において無線送信するように機能する。例えば、ステップS2、S3において「コンロ右」の音声が上記音声指示検出部によって検出される場合(ステップS1で第1選択肢が表示されたときに「コンロ右」の音声がマイク96Bに入力される場合)、ステップS5では、「コンロ右」に対応する指示データ(「コンロ右」を特定し得る情報を含んだ指示データ)を上記端末側無線送信部が無線送信するように機能する。
【0041】
ステップS1で
図9のように複数種類の候補語(第1選択肢)が表示装置94に表示された後、その表示状態においていずれかの候補語が音声指示検出部で検出された場合、表示制御部の一例に相当する制御回路91は、
図10のように、音声指示検出部で検出された候補語を他の候補語と区別して示す候補語特定画像115を表示部に表示する。
図10の例では、候補語特定画像115は、音声指示検出部で検出された候補語(第1選択肢)である「コンロ右」の文字を、他の候補語(「コンロ後」「コンロ左」「グリルオーブン」「機器情報」「火を消す」)を文字で表した各画像の各文字とは異なる態様で表示する画像となっている。具体的には、候補語特定画像115に含まれる「コンロ右」の文字は、他の候補語(「コンロ後」「コンロ左」「グリルオーブン」「機器情報」)の各画像116に含まれる文字と比較してサイズが異なっている。また、別の候補語である「火を消す」の画像112に含まれる文字と比較して色が異なっている。
【0042】
図10の例では、
図10のように複数の候補語が表示装置94に表示された表示時点で選択不能な候補語を、選択不能であることを示す態様で表している。
図10の例では、候補語特定画像115の「コンロ右」の文字が「黒色」且つ「大サイズ」で表示されており、他の候補語(「コンロ後」「コンロ左」「グリルオーブン」「機器情報」)の各画像116の文字は、候補語特定画像115の文字よりも小さい「小サイズ」且つ「黒色」の文字で表示されている。このように、
図10の例では、候補語特定画像115に含まれる「コンロ右」の文字も、他の候補語の各画像116に含まれる「コンロ後」「コンロ左」「グリルオーブン」「機器情報」の文字も黒色で示されており、黒色で表された項目は、音声によって選択不能な項目となっている。つまり、
図10の例では、「コンロ右」「コンロ後」「コンロ左」「グリルオーブン」「機器情報」の文字を黒色(選択不能であることを示す色)で表すことで、
図10のような表示状態のときにこれらの項目が音声によって選択できないことを示している。
【0043】
一方、
図10の例では、
図10のように複数の候補語が表示装置94に表示された表示時点で選択可能な候補語(「火力大」「火力中」「便利機能」「火を消す」「音声操作終了」)を、他の文字(選択不能な候補語を示す文字)と異なる態様(赤色且つ大サイズの文字)で表示している。つまり、
図10の例では、「火力大」「火力中」「便利機能」「火を消す」「音声操作終了」の文字を赤色(選択可能であることを示す色)で表すことで、
図10のような表示状態のときにこれらの項目が音声によって選択できることを示している。
【0044】
ここで、
図5のステップS5~S8で行われる各処理の具体例を説明する。ステップS5~S8で行われる各処理は、いずれかのコンロ又はグリルを対象として、その対象の動作を制御する処理である。以下では、コンロ右(右コンロ部4A)を対象とするステップS5の処理の具体的内容を代表例として説明するが、ステップS6~S8の各処理も同様であり、ステップS6~S8の各処理は、「コンロ左」「コンロ後」「グリルオーブン」のそれぞれを対象としてステップS5と同様に行う。
【0045】
制御回路91は、
図5のステップS5の処理を実行する場合、
図6のような流れでコンロ右(右コンロ部4A)に対応する対応処理を実行する。なお、ステップS6~S8の各処理を実行する場合、各処理に対応する装置を対象として
図6と同一の処理を実行する。
【0046】
コンロ右(右コンロ部4A)を対象とするステップS5において
図6のような流れで対応処理を行う場合、この対応処理では、まず、ステップS11において、当該対応処理で対象となっている装置(コンロ右(右コンロ部4A))に対応する第2選択肢を表示する。本構成では、
図6の対応処理で対象となる装置(ここでは「コンロ右」)に対応する第2選択肢として複数の言葉(項目)が予め登録されており、ステップS11では、第2選択肢として登録された複数の言葉(項目)を表示装置94(表示部)の表示画面に表示する。具体的には、
図8の説明図で示すように、コンロ右(右コンロ部4A)に対応する第2選択肢として「便利機能」「火力大」「火力中」「火力小」「火を消す」「音声操作終了」の6種類の言葉(項目)が予め定められており、制御回路91は、ステップS11において、これらの言葉を情報処理端末90の表示装置94に表示する。
図10には、
図6の対応処理がコンロ右(右コンロ部4A)を対象としている場合にステップS11の処理によって第2選択肢を表示装置94に表示したときの表示例を示している。ステップS11の処理によって表示装置94に表示される画像では、コンロ右(右コンロ部4A)に対応付けられた複数の第2選択肢の各画像112が含まれており、各画像112で表示される言葉(項目)の文字は、上述したように音声によって選択可能であることを示す特定色(例えば、赤色)の文字とされている。なお、
図10のように、ステップS11で表示される画像では、音声によって選択不能である言葉(項目)については、その特定色以外の色の文字とされている。なお、本明細書において音声によって選択可能な言葉とは、その言葉の音声がマイク96Bに入力されたときに、その言葉が制御回路91によって認識され、その認識に応じて所定の処理が開始される言葉である。
【0047】
制御回路91は、ステップS11の後、ステップS12において、第2選択肢のいずれかを選択する音声指示があったか否かを判定する。制御回路91は、ステップS12において、いずれの第2選択肢の音声も検出されていないと判定した場合(ステップS12でNoの場合)、ステップS11に戻り、
図10のように表示装置94に複数の第2選択肢を表示した状態を維持する。具体的には、制御回路91は、
図10のように表示装置94に複数の第2選択肢(具体的には、「火力大」「火力中」「便利機能」「火を消す」「音声操作終了」の各項目)を表示している状態で、いずれの第2選択肢の音声もマイク96Bに入力されない間は、ステップS11の後にステップS12でNoと判定する処理を繰り返し、
図10のように表示装置94に複数の第2選択肢を表示した状態を継続する。
【0048】
制御回路91は、ステップS12において第2選択肢のいずれかを選択する音声指示があったと判定した場合、ステップS13において、音声指示で選択された内容(即ち、選択された第2選択肢)を特定する。具体的には、制御回路91は、ステップS11で
図10のように表示装置94に複数の第2選択肢を表示し、その表示状態を継続しているときに表示装置94に表示される複数の第2選択肢のうちのいずれかの第2選択肢を音声として検出した場合(ステップS12でYesの場合)、ステップS13において、その検出した音声指示(音声として検出された第2選択肢)を特定する。具体的には、
図10のような表示がなされているときに複数の第2選択肢(「火力大」「火力中」「便利機能」「火を消す」「音声操作終了」の各項目)のうちのいずれかの言葉が音声としてマイク96Bに入力された場合、制御回路91は、ステップS13において、そのマイク96Bに入力された音声を入力回路96Aが変換した信号に基づき、複数の第2選択肢のうちのいずれの言葉(項目)がマイク96Bに音声入力(選択)されたのかを特定する処理を行う。
【0049】
制御回路91は、例えば、ステップS13で特定された第2選択肢が「便利機能」である場合、ステップS14では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)についての「便利機能」に対応する対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)についての「便利機能」を実行することを指示する指示データを無線送信する。また、ステップS13で特定された第2選択肢が「火力大」である場合、ステップS15では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)の火力を「大」にする対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)を火力大にすることを指示する指示データを無線送信する。また、ステップS13で特定された第2選択肢が「火力中」である場合、ステップS16では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)の火力を「中」に対応する対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)を火力中にすることを指示する指示データを無線送信する。また、ステップS13で特定された第2選択肢が「火力小」である場合、ステップS17では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)の火力を「小」に対応する対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)を火力小にすることを指示する指示データを無線送信する。また、ステップS13で特定された第2選択肢が「火を消す」である場合、ステップS18では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)を「消火」する対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)を消火することを指示する指示データを無線送信する。また、ステップS13で特定された第2選択肢が「音声操作終了」である場合、ステップS19では、
図6の処理で対象となっている右コンロ(右コンロ部4A)の音声操作を終了する対応処理を行い、そのために右コンロ(右コンロ部4A)の音声操作を終了することを指示する指示データを無線送信する。例えば、右コンロ部4Aが小火力となっている状態でステップS15の処理を行う場合、端末側無線送信部の一例に相当する制御回路91及び無線通信部93は、右コンロ部4Aの火力を「大」に指示することを指示する指示データをガスコンロ1に無線送信し、コンロ側無線受信部の一例に相当する制御回路10及び無線通信部20は、端末側無線送信部から無線送信された当該指示データを受信する。
【0050】
図5、
図6の例では、ステップS5~S8のいずれかの処理を開始する場合(即ち、
図6の処理を開始する場合)も、「所定の表示条件の成立」の一例に相当し、表示制御部の一例に相当する制御回路91は、このような条件の成立に応じてステップS11の処理を行い、
図10のように複数種類の候補語(第2選択肢)を表示装置94(表示部)に表示する。そして、制御回路91(表示制御部)は、複数種類の候補語(第2選択肢)を表示装置94に表示する場合、その表示時点(即ち、ステップS11の開始時点)で選択可能な候補語(第2選択肢)を他の文字と異なる態様(具体的には、選択不能な項目の文字色とは異なる色)で表示する。そして、
図10のような表示状態のときに、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)は、表示装置94に表示された複数の候補語(第2選択肢)のうち、いずれかの候補語を音声指示として検出し得る。そして、端末側無線送信部(制御回路91、無線通信部93)は、いずれかの候補語(第2選択肢)が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語に対応する指示データを無線送信する。なお、制御回路91(表示制御部)は、いずれかの候補語(第2選択肢)が音声指示検出部で検出された場合に、
図11のように、音声指示検出部で検出された候補語(第2選択肢)を他の候補語と区別して示す候補語特定画像118を表示装置94に表示する
【0051】
ステップS15~S18の処理で無線送信される指示データは、変更対象となる電気部品を特定する情報と、変更対象となる電気部品に対する変更動作を特定する情報とを含む。例えば、
図6の処理がコンロ右(右コンロ部4A)を対象としている場合にステップS15で無線送信される指示データは、「コンロ右(右コンロ部4A)を特定する情報」と「火力を大火力にする制御を特定する情報」とを含む。そして、このように無線送信された指示データをコンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が受信した場合、制御回路10は、所定条件の成立に応じて、その指示データで指定された電気部品にその指示データで指定された動作を行わせる。
【0052】
具体的には、ステップSS15~S18のいずれかがなされることに応じてコンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が上述の指示データ(いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータ)を受信した場合、コンロ側無線送信部の一例に相当する制御回路10及び無線通信部20は、「所定の端末宛情報」を情報処理端末90に無線送信する。この「所定の端末宛情報」は、ユーザへの問い合わせを指示する指示情報を含んでおり、例えば、「コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が受信した上述の指示データで指定された変更動作を実行するか否かの問い合わせを指示する指示情報」を含んでいる。
【0053】
このようにコンロ側無線送信部から送信された「所定の端末宛情報」を端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が受信した場合、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、「所定の確認情報」の一例として「いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知する。「いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」は、コンロ右(右コンロ部4A)が変更対象であれば、「コンロ右の火力を大火力に変更してよろしいでしょうか」「コンロ右の火力を強めてよろしいでしょうか」といったメッセージなどが挙げられ、変更対象となる電気部品と変更動作とを特定し得るメッセージであることが望ましい。このメッセージはスピーカ97Bから音声によって報知してもよく、表示装置94にて画像によって報知してもよく、音声と画像の両方によって報知してもよい。また、これらのメッセージは、同様の趣旨のメッセージに置き換えることができる。また、メッセージは「変更動作を許可しますか」といった簡易なメッセージであってもよい。
【0054】
そして、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、このように「いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知部が報知した後、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)が「音声による所定の変更指示」を検出した場合に、「所定の変更指示に対応する指示データ」を無線送信する。「音声による所定の変更指示」としては、「はい」「YES」「変更」などの、変更を指示する音声指示(変更を許可する音声指示)が挙げられる。「所定の変更指示に対応する指示データ」は、音声指示検出部が上記「音声による所定の変更指示」を検出したことを条件として情報処理端末90からガスコンロ1に対して無線送信される特定の指示データである。具体的には、報知部が上述した「いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知した後、一定時間が経過する前に、予め定められた変更指示の音声(例えば、「はい」「YES」「変更」など)がマイク96Bに入力された場合、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、所定の変更指示に対応する指示データ(具体的には、上記「問い合わせる情報」に対してユーザが許可する返答を行ったことを特定する所定情報を含んだ指示データ)を無線送信する。
【0055】
このように端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)が「所定の変更指示に対応する指示データ」を無線送信した場合において、コンロ側無線受信部が当該「所定の変更指示に対応する指示データ」を受信した場合、動作制御部の一例に相当する制御回路10は、上記「変更対象となる電気部品」に上記「所定の変更動作」を行わせる。例えば、コンロ右(右コンロ部4A)を対象としてステップS15の処理がなされた場合、コンロ右(右コンロ部4A)が「変更対象となる電気部品」であり、火力を大火力に変更することが「所定の変更動作」であり、このような場合に、コンロ側無線受信部が上記「所定の変更指示に対応する指示データ」を受信した場合、制御回路10は、コンロ右(右コンロ部4A)の火力を大火力に変更するようにモータM1の回転角度を制御する。なお、ここではステップS15の処理を例示したが、ステップS16、S17でも、火力が変更される場合には同様の処理を行うことができる。
【0056】
制御回路91は、
図5におけるステップS5~S8のいずれの処理を行う場合でも、
図6のような流れで対応処理を行うことができ、
図6の処理においてステップS14の処理を実行する場合には、
図7のような流れで「便利機能」に対応する対応処理を実行する。この対応処理では、まず、ステップS21において、「便利機能」に対応する第3選択肢を表示する。本構成では、「便利機能」に対応する第3選択肢として複数の言葉(項目)が予め登録されており、ステップS21では、第3選択肢として登録された言葉(項目)を表示装置94(表示部)の表示画面に表示する。具体的には、
図8の説明図で示すように、「便利機能」に対応する第3選択肢として「タイマー」「煮もの」「湯沸し」「温度設定」「火を消す」「音声操作終了」の6種類の言葉(項目)が予め定められており、制御回路91は、ステップS21において、これらの言葉を情報処理端末90の表示装置94に表示する。
図11には、ステップS21の処理によって第3選択肢を表示装置94に表示したときの表示例を示している。なお、
図8では、コンロ右及びコンロ左に対応する第3選択肢を例示しているが、コンロ後やグリルオーブンについても同様の第3選択肢を用意しておくことができる。なお、コンロ後やグリルオーブンについての第3選択肢は、コンロ右及びコンロ左に対応する第3選択肢とは異なるものとしてもよい。
【0057】
制御回路91は、
図6で示すステップS11の処理の実行によって
図10のような画像(複数の候補語(第2選択肢)が示された画像)を表示しているときに「便利機能」の候補語(第2選択肢)を検出してステップS14の処理を行う場合、
図11のような画像を表示装置94に表示し、「便利機能」の言葉(項目)の画像118と、「便利機能」に対応付けられた第3選択肢の言葉(項目)の各画像113とを表示装置94に同時に表示する。各画像113で表示される項目の文字は、選択可能であることを示す特定色(例えば、赤色)の文字とされている。第3選択肢の各画像113以外の文字は、その特定色以外の色の文字とされており、第1選択肢の各画像117に含まれる文字も、選択中の「便利機能」の画像118に含まれる文字も上記特定色以外の色(例えば黒色)とされている。
【0058】
制御回路91は、ステップS21の後、ステップS22において、第3選択肢のいずれかを選択する音声指示があったか否かを判定する。制御回路91は、ステップS22において、いずれかの第3選択肢の音声も検出されていないと判定した場合(ステップS22でNoの場合)、ステップS21に戻り、
図11のように複数の第3選択肢を表示した状態を維持する。具体的には、制御回路91は、
図11のように表示装置94に複数の第3選択肢(具体的には、「温度設定」「タイマー」「煮もの」「湯沸し」「火を消す」「音声操作終了」の各項目)を表示している状態で、いずれの第3選択肢の音声もマイク96Bに入力されない間は、ステップS21の後にステップS22でNoと判定する処理を繰り返し、
図11のように表示装置94に複数の第3選択肢を表示した状態を継続する。
【0059】
制御回路91は、ステップS22において第3選択肢のいずれかを選択する音声指示があったと判定した場合、ステップS23において、音声指示で選択された内容(即ち、選択された第3選択肢)を特定する。具体的には、制御回路91は、ステップS21で
図11のように表示装置94に複数の第3選択肢を表示し、その表示状態を継続しているときに表示装置94に表示される複数の第3選択肢のうちのいずれかの第3選択肢を音声として検出した場合(ステップS22でYesの場合)、ステップS23において、その検出した音声指示(音声として検出された第3選択肢)を特定する。具体的には、
図11のような表示がなされているときに複数の第3選択肢(「温度設定」「タイマー」「煮もの」「湯沸し」「火を消す」「音声操作終了」の各項目)のうちのいずれかの言葉(項目)が音声としてマイク96Bに入力された場合、制御回路91は、ステップS23において、そのマイク96Bに入力された音声を入力回路96Aが変換した信号に基づき、複数の第3選択肢のうちのいずれの言葉(項目)がマイク96Bに音声入力(選択)されたのかを特定する処理を行う。制御回路91は、ステップS23で特定された第3選択肢が「タイマー」である場合、ステップS24では
図7で対象となっている装置について「タイマー」に対応する対応処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「タイマー」の処理を実行することを指示する指示データを無線送信する。ステップS23で特定された第3選択肢が「煮もの」である場合、ステップS25では
図7で対象となっている装置について「煮もの」に対応する対応処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「煮もの」の処理を実行することを指示する指示データを無線送信する。ステップS23で特定された第3選択肢が「湯沸し」である場合、ステップS26では
図7で対象となっている装置について「湯沸し」に対応する対応処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「湯沸し」の処理を実行することを指示する指示データを無線送信する。ステップS23で特定された第3選択肢が「温度設定」である場合、ステップS27では
図7で対象となっている装置について「温度設定」に対応する対応処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「温度設定」の処理を実行することを指示する指示データを無線送信する。ステップS23で特定された第3選択肢が「火を消す」である場合、ステップS28では
図7で対象となっている装置を「消火」する対応処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「消火」の処理を実行することを指示する指示データを無線送信する。ステップS23で特定された第3選択肢が「音声操作終了」である場合、ステップS29では
図7で対象となっている装置の音声操作を終了する処理を行い、そのために
図7で対象となっている装置について「音声操作終了」を実行することを指示する指示データを無線送信する。
【0060】
図6、
図7の例では、ステップS14の処理を開始する場合(即ち、
図7の処理を開始する場合)も、「所定の表示条件の成立」の一例に相当し、表示制御部の一例に相当する制御回路91は、このような条件の成立に応じてステップS21の処理を行い、
図11のように複数種類の候補語(第3選択肢)を表示装置94(表示部)に表示する。そして、制御回路91(表示制御部)は、複数種類の候補語(第3選択肢)を表示装置94に表示する場合、その表示時点(即ち、ステップS21の開始時点)で選択可能な候補語(第3選択肢)を他の文字と異なる態様(具体的には、選択不能な項目の文字色とは異なる色)で表示する。そして、
図11のような表示状態のときに、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)は、表示装置94に表示された複数の候補語(第3選択肢)のうち、いずれかの候補語を音声指示として検出し得る。そして、端末側無線送信部(制御回路91、無線通信部93)は、いずれかの候補語(第3選択肢)が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語に対応する指示データを無線送信する。なお、
図11のような表示状態のときに音声によって「煮もの」が選択された場合、ステップS25にて「煮もの」対応処理を開始することになる。この場合、情報処理端末90からガスコンロ1に対して「煮もの」対応処理を指示する指示データが送信され、ガスコンロ1において「煮もの」対応処理が行われることになる。なお、制御回路91は、ガスコンロ1に対して「煮もの」対応処理を指示する指示データを送信した後、
図7の処理を終了し、再び、
図5で示す音声対応処理を開始することになるが、このときにステップS1で第1選択肢を表示する際に「煮もの」対応処理が継続して実行されている場合、
図12のように、実行中の処理を示す情報を含んだ画像114を、その実行中の処理を実行している装置(
図12の例ではコンロ右)を示す画像と対応付けて表示するとよい。
図12の例では、第1選択肢の項目の各画像111のうち、処理が実行されている装置の画像(
図12では「コンロ右」の文字画像)については、その装置で実行中の処理を特定する画像114とともに近接させて表示している。
【0061】
本構成のガスコンロシステム100において、ガスコンロ1のコンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、所定の情報送信条件が成立した場合に、ガスコンロ1の状態情報を含む端末宛情報を情報処理端末90に無線送信する。そして、情報処理端末90の表示制御部(制御回路91)は、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記状態情報を含む端末宛情報を受信した場合に、状態情報によって特定されるガスコンロ1の状態の画像を表示部(表示装置94)に表示する。「所定の情報送信条件」は、例えば、ユーザによってガスコンロ1に対して何らかの指示(例えば、操作部やセンサーなどの入力インタフェースに対する所定操作)がなされた場合であってもよく、所定の開始時点(例えば、
図5の制御の開始時点)から一定時間毎のタイミングであってもよく、情報処理端末90から何らかの要求情報が送信された場合(例えば、ユーザが情報処理端末90に対して予め定められた所定操作(ガスコンロ1に所定コマンドを無線送信するための所定操作等)を行った場合など)であってもよい。
【0062】
具体的には、ガスコンロ1のコンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、上記「所定の情報送信条件」が成立した場合、その成立時点で使用されているガスバーナの位置、使用されているガスバーナの火力、を示す情報などの状態情報を含んだ端末宛情報を情報処理端末90に無線送信する。状態情報のうち、「使用されているガスバーナの位置を示す情報」は、ガスバーナ51~54の中でいずれのガスバーナが点火中であるのかを特定する情報である。また、状態情報のうち、「使用されているガスバーナの火力を示す情報」は、点火中のガスバーナで設定中の火力を特定する情報であり、点火中のガスバーナが複数存在している場合には、それぞれのガスバーナに対応付けた形で火力を特定する情報が含められる。従って、情報処理端末90は、このような状態情報を含んだ端末宛情報を取得すれば、どのガスバーナがどのような火力で使用されているのかを特定することができる。
【0063】
このように、ガスコンロ1から「状態情報を含んだ端末宛情報」が無線送信された場合において、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記「状態情報を含んだ端末宛情報」を受信した場合、情報処理端末90の制御回路91(表示制御部)は、その端末宛情報に基づき、使用されているガスバーナの位置、使用されているガスバーナの火力、などを特定する画像を表示装置94に表示する。例えば、ガスバーナ51~53の各々の火力が3段階(大火力、中火力、小火力)に調整可能であり、ガスバーナ54A,54Bの各々の火力が2段階(大火力、小火力)に調整可能である場合において、右コンロ部4A(コンロ右)のガスバーナ51の火力が小火力、左コンロ部4B(コンロ左)のガスバーナ52の火力が大火力、後コンロ部4C(コンロ後)のガスバーナ53の火力が中火力、グリル3(グリルオーブン)のガスバーナ54A,54Bの火力が小火力であるとき、上記「状態情報を含んだ端末宛情報」をガスコンロ1から無線送信する場合には、ガスバーナ51~54の全てが点火中であることを特定する情報と、ガスバーナ51が火力が小火力、ガスバーナ52の火力が大火力、ガスバーナ53の火力が中火力、ガスバーナ54A,54Bの火力が小火力であることを特定する情報が状態情報に含まれる。このような場合において、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が「状態情報を含んだ端末宛情報」を受信した場合、制御回路91(表示制御部)は、
図9のように、右コンロ部4A(コンロ右)におけるガスバーナ51の火力の画像131を小火力に対応する画像(1本のラインによって火力を示す画像)とし、左コンロ部4B(コンロ左)におけるガスバーナ52の火力の画像132を大火力に対応する画像(9本のラインによって火力を示す画像)とし、後コンロ部4C(コンロ後)におけるガスバーナ53の火力の画像133を中火力に対応する画像(5本のラインによって火力を示す画像)とし、グリル3(グリルオーブン)におけるガスバーナ54A,54Bの火力の画像134A,134Bを小火力に対応する画像(1本のラインによって火力を示す画像)とするように表示装置94に表示する。
【0064】
ここで、本構成の効果を例示する。
ガスコンロシステム100は、情報処理端末90が音声による指示を検出し、その音声指示に応じた指示データを情報処理端末90からガスコンロ1に無線通信によって与えることができる。よって、音声認識のための装置をガスコンロ1内に設けることを必須とすることなく、音声によってガスコンロ1を操作し得るシステムを実現できる。しかも、所定の情報送信条件が成立した場合には、ガスコンロ1から情報処理端末90に対して、ガスコンロ1の状態を示す情報又は使用者に対する所定の確認情報の少なくともいずれかに対応する端末宛情報を無線送信することができる。そして、情報処理端末90は、この端末宛情報を受信した場合に、ガスコンロ1の状態を示す情報又は所定の確認情報の少なくともいずれかを、表示又は音声の少なくともいずれかによって報知することができる。よって、情報処理端末90の機能を利用してガスコンロ1に関する有用な情報をユーザに報知することができ、ガスコンロ1を顕著に高機能化せずともユーザの利便性を格段に高めることができる。
【0065】
ガスコンロシステム100は、表示部(表示装置94)と、表示部の表示を制御する表示制御部(制御回路91)と、を備える。そして、表示制御部は、所定の表示条件の成立に応じて、音声認識対象の言葉として予め定められた複数種類の候補語を表示部に表示するように機能する。音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)は、表示部に表示された複数の候補語のうち、いずれかの候補語を音声指示として検出するように機能し、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、いずれかの候補語が音声指示検出部で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語に対応する指示データを無線送信するように機能する。このようにすれば、ユーザは表示部に表示された複数種類の候補語を見た上で、候補語を選んで言葉として発することができる。表示部に表示される候補語は、音声認識対象の言葉として予め定められたものであるため、音声認識対象の言葉がどのような言葉であるかユーザが思い出しながら発したり、推測して発したりする事態が生じにくくなり、言い間違えなども生じにくくなる。ユーザは、表示部に表示されたいずれかの候補語を選んで言えば、音声認識対象の言葉が音声として正確に認識されやすくなる。
【0066】
表示制御部(制御回路91)は、所定の表示条件の成立に応じて複数種類の候補語を表示部(表示装置94)に表示する場合、表示時点で選択可能な候補語を他の文字と異なる態様で表示する。このようにすれば、ユーザは、どのような言葉を音声によって選択できるのか視覚によって迅速に把握しやすくなる。
【0067】
表示制御部(制御回路91)は、いずれかの候補語が音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)で検出された場合に、音声指示検出部で検出された候補語を、他の候補語と区別して示す候補語特定画像を表示部(表示装置94)に表示するように機能する。このようにすれば、ユーザが発声した候補語が検出された場合に、その候補語を他の候補語と区別して視覚的に伝えることができる。よって、ユーザは、自身が発声した音声が認識されたか否かをより確実に把握できるようになる。
【0068】
コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、所定の情報送信条件が成立した場合に、ガスコンロ1の状態情報を含む端末宛情報を情報処理端末90に無線送信するように機能し、表示制御部(制御回路91)は、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記状態情報を含む端末宛情報を受信した場合に、上記状態情報によって特定されるガスコンロ1の状態の画像を表示部(表示装置94)に表示するように機能する。このようにすれば、ガスコンロ1の状態を上記状態情報によって情報処理端末90側に伝え、ガスコンロ1の状態を情報処理端末90に表示される画像によってユーザに視認させることができる。このようにすれば、ユーザは、ガスコンロ1近傍でガスコンロ1を直接見るだけでなく、情報処理端末90によってもガスコンロ1の状態を把握することができ、例えば、ガスコンロ1から離れた位置でガスコンロ1の状態を視覚的に認識することも可能となる。
【0069】
上記状態情報は、使用されているガスバーナの位置及び使用されているガスバーナの火力を示す情報を含み、表示制御部(制御回路91)は、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記状態情報を含む端末宛情報を受信した場合に、使用されているガスバーナの位置及び使用されているガスバーナの火力を特定する画像を表示部(表示装置94)に表示するように機能する。このようにすれば、使用されているガスバーナの位置及び使用されているガスバーナの火力などの有用な情報を、情報処理端末90によってユーザに知らしめることができる。
【0070】
本構成では、コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、ガスコンロ1のいずれかのガスバーナが「点火中のガスバーナ」である場合において、当該「点火中のガスバーナ」の消火動作を行う前に所定の端末宛情報を情報処理端末90に無線送信するように機能する。このような無線送信がなされると、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記所定の端末宛情報を受信する。そして、このように端末側無線受信部が上記所定の端末宛情報を受信すると、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、点火中のガスバーナの点火延長を問い合わせる情報を所定の確認情報として報知する。そして、「ガスバーナ51の点火延長を問い合わせる情報」を報知部が報知した後、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)が音声による「所定の延長指示」を検出した場合に、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、「所定の延長指示に対応する指示データ」を無線送信し、このように無線送信された「所定の延長指示に対応する指示データ」をコンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が受信した場合に、動作制御部(制御回路10)は、対象となっている上記「点火中のガスバーナ」の点火を延長する。
例えば、右コンロ部4A(コンロ右)のガスバーナ51の点火中にガスバーナ51を消火する所定条件が成立した場合又はガスバーナ51を消火する所定条件の成立時期が近づいた場合に、コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)が情報処理端末90に向けて所定の問い合わせコマンドを含んだ端末宛情報を無線送信する。
「ガスバーナ51を消火する所定条件が成立した場合」は、ガスバーナ51の消火タイミングを自動で決定する自動プログラムが動作する場合において、その自動プログラムで定められたガスバーナ51の消火条件が成立した場合が挙げられる。例えば、ガスバーナ51の動作時間(点火継続時間)を所定の開始タイミング(点火開始タイミングやタイマー操作の設定タイミングなど)から設定された時間が経過するタイミングまでの所定時間に定めるような自動プログラムが動作する場合において、上記所定時間が経過した場合であってもよい。或いは、ガスバーナ51に対応するサーミスタ51Cの温度が予め定められた閾値温度に達した場合にガスバーナ51を消火する自動プログラムが動作する場合において、サーミスタ51Cの温度が上記閾値温度に達した場合などであってもよい。「ガスバーナ51を消火する所定条件の成立時期が近づいた場合」は、ガスバーナ51の消火タイミングを自動で決定する自動プログラムが動作する場合において、その自動プログラムで定められたガスバーナ51の消火条件が成立する前段階の所定条件が成立したタイミングが挙げられる。例えば、ガスバーナ51の動作時間(点火継続時間)を所定の開始タイミング(点火開始タイミングやタイマー操作の設定タイミングなど)から設定された時間が経過するタイミングまでの所定時間に定めるような自動プログラムが動作する場合において、上記所定時間が経過するタイミングよりも一定時間前のタイミングに達した場合であってもよい。或いは、ガスバーナ51に対応するサーミスタ51Cの温度が予め定められた閾値温度に達した場合にガスバーナ51を消火する自動プログラムが動作する場合において、サーミスタ51Cの温度が上記閾値温度よりも少し低い所定温度に達した場合などであってもよい。
コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、右コンロ部4A(コンロ右)のガスバーナ51の点火中に上記「ガスバーナ51を消火する所定条件が成立した場合」又は上記「ガスバーナ51を消火する所定条件の成立時期が近づいた場合」に所定の端末宛情報を情報処理端末90に無線送信する。このような無線送信がなされると、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記所定の端末宛情報を受信する。この場合の「所定の端末宛情報」は、予め定められた特定のコマンドを含んだ情報であって且つ制御回路91が特定のコマンドを認識できる情報であればよく、より望ましくは、消火されようとする上記点火中のガスバーナを特定する情報を含んでいればよい。
そして、このような特定コマンドを含んだ端末宛情報を端末側無線受信部が受信すると、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、点火中のガスバーナ(ガスバーナ51)の点火延長を問い合わせる情報を所定の確認情報として報知する。「点火中のガスバーナ(ガスバーナ51)の点火延長を問い合わせる情報」としては、例えば、「右コンロがもうすぐ自動消火します。消火してよろしいでしょうか」などのメッセージや「右コンロの点火を延長しますか」などのメッセージが挙げられる。或いは、単に「点火を延長しますか」などのメッセージであってもよい。このようなメッセージはスピーカ97Bから音声によって報知してもよく、表示装置94にて画像によって報知してもよく、音声と画像の両方によって報知してもよい。また、「音声による所定の延長指示」としては、「右コンロがもうすぐ自動消火します。消火してよろしいでしょうか」などのメッセージを用いる場合には、「いいえ」「NO」「点火延長」などの、点火の延長を指示する言葉を発する音声指示が挙げられる。また、「右コンロの点火を延長しますか」などのメッセージを用いる場合には、「はい」「YES」「点火延長」などの、点火の延長を指示する言葉を発する音声指示が挙げられる。
端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、ガスバーナ(ガスバーナ51)の点火延長を問い合わせる情報を報知部が報知した後、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)が音声による所定の延長指示を検出した場合に、所定の延長指示に対応する指示データを無線送信する。具体的には、ガスバーナ(ガスバーナ51)の点火延長を問い合わせる情報を報知部が報知してから一定時間内に上記「点火の延長を指示する言葉」の音声がマイク96Bに入力された場合、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)が「所定の延長指示に対応する指示データ」をガスコンロ1に向けて無線送信する。「所定の延長指示に対応する指示データ」は、音声指示検出部が上記「点火の延長を指示する言葉」を検出したことを条件として情報処理端末90からガスコンロ1に対して無線送信される特定の指示データであり、対象となっているガスバーナ(自動プログラムで消火されようとしているガスバーナ51)の点火の延長を指示する指示データである。このように「所定の延長指示に対応する指示データ」が無線送信されると、コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)はその指示データを受信し、コンロ側無線受信部が「所定の延長指示に対応する指示データ」を受信したことに応じて、ガスコンロ1の動作制御部(制御回路10)は、対象となっているガスバーナ(自動プログラムで消火されようとしているガスバーナ51)の点火を延長する。動作制御部(制御回路10)は、対象となっているガスバーナ(消火されようとしているガスバーナ51)の点火を延長する場合、予め定められた一定時間だけ延長してもよく、ユーザによる消火操作がなされるまで期間を決めずに延長してもよい。
以上のような特徴を採用すれば、ガスコンロ1において自動プログラムに従った消火動作を行う前に、点火延長をユーザに問い合わせることができる。ユーザは、問い合わせの時点で消火動作ではなく点火の延長を望む場合には、音声による所定指示を行えばよく、このようにすれば、その所定指示を認識させて点火を延長することができる。よって、その時点では、消火動作を望まないのに、意図に反して消火がなされてしまい、その消火に気付かないまま放置されてしまうような事態や、或いは、消火に気付いて手作業等によって点火動作を再度行ったりするような事態を回避しやすくなる。
【0071】
本構成では、コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が受信した指示データがいずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、所定の端末宛情報を情報処理端末90に無線送信する。そして、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記端末宛情報を受信した場合に、所定の確認情報として「所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知する。そして、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、「所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知部が報知した後、音声指示検出部(マイク96B、入力回路96A、制御回路91)が音声による所定の変更指示を検出した場合に、「所定の変更指示に対応する指示データ」を無線送信し、動作制御部(制御回路10)は、コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が「所定の変更指示に対応する指示データ」を受信した場合に、上記変更対象に所定の変更動作を行わせる。
このようにすれば、ユーザは音声によって電気部品の変更動作を指示することができるようになる。但し、このように音声指示によって電気部品の変更動作を指示できるようにすると、雑音や言い間違えなどによって使用者の本来の意図に反して電気部品の変更動作が指示されてしまう虞もあるが、上記構成によれば、音声指示に応じた変更動作を行う前に、その変更動作を実行するか否かを問い合わせることができる。そして、その問い合わせに対して所定の変更指示がなされた場合に、変更動作を実行するように機能させることができる。このようにすれば、雑音や言い間違えなどによって使用者の意図に反した変更動作がなされてしまうことを防ぎやすくなる。
【0072】
上述したように、本構成において、動作制御部(制御回路10)は、コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)が受信した指示データが、いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を指示するデータである場合に、所定条件の成立に応じて、その変更対象に所定の変更動作を行わせるように機能する。このように動作制御部(制御回路10)が変更対象に所定の変更動作を行わせる場合において変更動作の開始前又は開始後には、コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、所定の端末宛情報を情報処理端末90に無線送信するように機能してもよい。そして、端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が上記所定の端末宛情報を受信した場合に、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、「所定の変更動作が正しいか否かを問い合わせる情報」又は「所定の変更動作がなされたことを伝える情報」の少なくともいずれかを所定の確認情報として所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知してもよい。
例えば、上述した例では、コンロ右(右コンロ部4A)を対象として
図6の処理を行う場合においてコンロ右(右コンロ部4A)が小火力のときに
図6のステップS15の処理を行う場合、端末側無線送信部(制御回路91及び無線通信部93)は、コンロ右(右コンロ部4A)の火力を「大」にすることを指示する指示データをガスコンロ1に無線送信し、コンロ側無線受信部(制御回路10及び無線通信部20)は、端末側無線送信部から無線送信された指示データ(右コンロ部4Aを変更対象として右コンロ部4Aの火力を「大」に変更することを指示する指示データ)を受信する。そして、このようにコンロ側無線受信部が当該指示データ(右コンロ部4Aの火力を「大」に変更することを指示する指示データ)を受信した場合、動作制御部(制御回路10)は、その指示データに従った変更動作、即ち、上記変更対象である右コンロ部4Aの火力を変更前の小火力から大火力に変更する動作を行わせる。
そして、変更対象である右コンロ部4Aに対し、火力を小火力から大火力に変更する変更動作を行った場合、コンロ側無線送信部(制御回路10及び無線通信部20)は、所定の端末宛情報を情報処理端末90に無線送信してもよい。この場合の「所定の端末宛情報」は、予め定められた特定のコマンドを含んだ情報であって且つ制御回路91が特定のコマンドを認識できる情報であればよく、望ましくは、上記変更対象を特定する情報と上記変更動作の内容とを含んだ情報とすればよい。例えば、「上記変更対象についての上記変更動作が正しいか否かを問い合わせること指示する指示情報」や「上記変更対象について上記変更動作がなされたことを伝えることを指示する指示情報」などを含んだ情報とすればよい。
そして、このようにコンロ側無線送信部から送信された「所定の端末宛情報」を端末側無線受信部(制御回路91及び無線通信部93)が受信した場合、報知部(制御回路91、表示装置94、出力回路97A、スピーカ97B)は、「所定の確認情報」として「変更対象(右コンロ部4A)についてなされた変更動作(大火力に変更する動作)が正しいか否かを問い合わせる情報」又は「変更対象(右コンロ部4A)について変更動作(大火力に変更する動作)がなされたことを伝える情報」を所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知する。この場合、「変更対象(右コンロ部4A)についてなされた変更動作(大火力に変更する動作)が正しいか否かを問い合わせる情報」は、「右コンロの火力は大火力です。正しいでしょうか」といったメッセージや、「右コンロの火力が大火力に変更されました。正しいでしょうか」といったメッセージなどが挙げられる。或いは、単に「火力が大火力に変更されました。正しいでしょうか」といったメッセージや「変更動作が行われました。正しいでしょうか」といったメッセージなどであってもよい。また、「変更対象(右コンロ部4A)について変更動作(大火力に変更する動作)がなされたことを伝える情報」は、「右コンロの火力が大火力に変更されました。確認してください」といったメッセージや「右コンロの火力が大火力に変更されました」といったメッセージなどが挙げられる。或いは、単に「火力が大火力に変更されました」といったメッセージや「変更動作が行われました」といったメッセージを伝えてもよい。このメッセージはスピーカ97Bから音声によって報知してもよく、表示装置94にて画像によって報知してもよく、音声と画像の両方によって報知してもよい。上記メッセージを繰り返し報知する場合、一定時間毎に報知を繰り返してもよく、それ以外の所定条件が成立する毎に報知を行うように報知を繰り返してもよい。また、報知の終了の条件となる「所定の終了条件」は、「音声指示検出部が音声による所定の返答を検出すること」などが挙げられ、「所定の返答」としては、「Yes」「はい」「正しい」「OK」などの音声返答が挙げられる。つまり、「所定の端末宛情報」を端末側無線受信部が受信することに応じて報知部が所定の確認情報(「変更対象(右コンロ部4A)についてなされた変更動作(大火力に変更する動作)が正しいか否かを問い合わせる情報」又は「変更対象(右コンロ部4A)について変更動作(大火力に変更する動作)がなされたことを伝える情報」)を繰り返し報知する場合、その繰り返しの報知がなされる期間においてマイク96Bに上記所定の返答の音声(「Yes」「はい」「正しい」「OK」などの音声)が入力された場合に繰り返しの報知を終了する。なお、このような繰り返しの報知を行う場合、繰り返しの報知が開始されてから所定時間が経過した場合にも繰り返しの報知を終了するように終了条件を付加してもよく、繰り返しの報知の報知回数が一定回数に達した場合にも繰り返しの報知を終了するように終了条件を付加してもよい。
本構成では、ユーザが音声によって電気部品の変更動作を指示することができるが、音声指示によって電気部品の変更動作を指示できるようにすると、雑音や言い間違えなどによって使用者の意図に反して電気部品の変更動作が指示されてしまう虞がある。しかし、上記構成によれば、変更動作が行われる場合に、その変更動作が正しいか否かを問い合わせる情報又は変更動作がなされたことを伝える情報の少なくともいずれかを所定の確認情報として所定の終了条件が成立するまで繰り返し報知することができる。このような報知が繰り返されれば、万が一使用者の意図に反して電気部品の変更動作がなされたとしても使用者はその状態に気付くことができ、使用者が意図しない変更動作が継続してしまうことを防止し得る。一方で、使用者は、変更動作が意図する動作であった場合、音声によって所定の返答を行えば報知の繰り返しを容易に終了させることができる。
【0073】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0074】
上記実施例では、ガスコンロの例としてビルトインコンロを例示したが、テーブルコンロであってもよい。
【0075】
上記実施例では、ガスバーナ51,52,53,54が設けられたガスコンロ1を例示したが、ガスバーナの数はこれよりも多くても少なくてもよい。例えば、1つのガスバーナのみが設けられ、1つのイグナイタのみが設けられるようなガスコンロなどであってもよい。
【0076】
上記実施例では、いずれかの電気部品を変更対象として所定の変更動作を行う場合に、「所定の変更動作を実行するか否かを問い合わせる情報」を報知するようにしているが、変更動作が消火や火力を弱める場合などの「緊急性を有する可能性がある所定動作」の場合に、このような報知を行わないようにしてもよい。
【0077】
上記実施例では、制御対象となる電気部品としてコンロ右(右コンロ部4A)、コンロ左(左コンロ部4B)、コンロ後(後コンロ部4C)、グリルオーブン(グリル3)を例示したが、ガスコンロを構成する一部要素であり且つ電気的な制御が可能な部品であればこれらの例に限定されない。例えば、ブザー装置12や音声装置14が変更対象となる電気部品であってもよく、イグナイタ26A,26B,26C,26Dが変更対象となる電気部品であってもよい。
【0078】
上記実施例では、使用されているガスバーナの位置及び使用されているガスバーナの火力を特定する画像の一例を示したが、使用されているガスバーナの位置及び使用されているガスバーナの火力を特定し得る画像であれば、この例に限定されない。例えば、「右コンロ、左コンロ、後コンロ、グリルオーブンが点火中です」といった情報や、「右コンロが点火中です。左コンロ、後コンロ、グリルオーブンは消火中です。」といった情報のように、使用されているガスバーナの位置を伝える文字情報が含まれていてもよい。或いは、「右コンロ-小火力、左コンロ-大火力、後コンロ-中火力、グリルオーブン-消火状態」といった情報のように、各々のガスバーナの火力を特定し得る文字情報が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…ガスコンロ
10…制御回路(動作制御部、コンロ側無線受信部、コンロ側無線送信部、)
12…ブザー装置(電気部品)
14…音声装置(電気部品)
20…無線通信部(コンロ側無線受信部、コンロ側無線送信部)
26A,26B,26C,26D…イグナイタ(電気部品)
51,52,53,54…ガスバーナ
90…情報処理端末
91…制御回路(音声指示検出部、端末側無線送信部、端末側無線受信部、表示制御部、報知部)
93…無線通信部(端末側無線送信部、端末側無線受信部)
94…表示装置(表示部、報知部)
96A…入力回路(音声指示検出部)
96B…マイク(音声指示検出部)
97A…出力回路(報知部)
97B…スピーカ(報知部)
100…ガスコンロシステム
M1,M2,M3,M4…モータ(電気部品)