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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】立体駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/06 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
E04H6/06 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018179741
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020051076
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516313900
【氏名又は名称】株式会社日本パーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】遠山 恒幸
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-231689(JP,A)
【文献】実開平05-064362(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 - 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段及び複数列に配置されるパレットを備え、
前記パレットにはそれぞれ車両を積載でき、
前記パレットは少なくとも昇降動作することで、それぞれの前記パレット上の前記車両が入出庫でき、
列方向の前記パレット間には歩廊を有し、
前記パレットと前記歩廊との間には歩廊外側隙間を有し、
前記パレットの両側には、パレット端部立ち上がりを形成し、
一対の前記パレット端部立ち上がりの間にパレットタイヤ踏み板が形成され、
前記パレット端部立ち上がりが、
前記パレットタイヤ踏み板の側端から上方に立ち上げた立上壁と、
前記立上壁の上端からパレット外方に延出させた天面と、
前記天面の外端から下方に立ち下げた立下壁と
からなる立体駐車装置であって、
前記天面の横幅を、前記歩廊外側隙間の1.6倍以下とし、
前記立上壁の外方、前記天面の下方、及び前記立下壁の内方に、補強部材を設け、
前記補強部材は、前記パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有し、
前記補強部材が、
前記天面に平行な第1板材と、
前記第1板材の一方の側端から下方に折り曲げた第2板材と
を備え、
前記第1板材を前記天面に面接触させ、
前記第2板材を前記立上壁又は前記立下壁に面接触させ、
前記補強部材と前記パレット端部立ち上がりとを、前記パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し
前記補強部材と前記パレット端部立ち上がりとの前記溶接を、
前記補強部材と前記立下壁とを接合する第1溶接位置と、
前記補強部材と前記立上壁とを接合する第2溶接位置と
で行う
ことを特徴とする立体駐車装置。
【請求項2】
前記補強部材が、
前記第1板材の他方の側端から下方に折り曲げた第3板材と、
前記第2板材の下端及び前記第3板材の下端と連続して前記第1板材と平行な第4板材と
を備え、
前記第1板材を前記天面に面接触させ、
前記第2板材を前記立下壁に面接触させた
ことを特徴とする請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項3】
前記第2板材と前記立下壁の下端とを前記第1溶接位置として前記溶接で接合し、
前記第3板材と前記立上壁の外面とを前記第2溶接位置として前記溶接で接合した
ことを特徴とする請求項2に記載の立体駐車装置。
【請求項4】
前記第1板材を前記天面に面接触させ、
前記第2板材を前記立上壁に面接触させた
ことを特徴とする請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項5】
前記第1板材の他方の端部と前記立下壁とを前記第1溶接位置として前記溶接で接合し、
前記第2板材の下端と前記立上壁とを前記第2溶接位置として前記溶接で接合した
ことを特徴とする請求項4に記載の立体駐車装置。
【請求項6】
前記第1板材を前記天面に面接触させ、
前記第2板材を前記立下壁に面接触させた
ことを特徴とする請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項7】
前記第1板材の他方の端部と前記立上壁とを前記第2溶接位置として前記溶接で接合し、
前記第2板材の下端と前記立下壁とを前記第1溶接位置として前記溶接で接合した
ことを特徴とする請求項6に記載の立体駐車装置。
【請求項8】
前記補強部材が、
前記第1板材の他方の側端から下方に折り曲げた第3板材を備え、
前記第1板材を前記天面に面接触させ、
前記第2板材を前記立下壁に面接触させ、
前記第3板材を前記立上壁に面接触させた
ことを特徴とする請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項9】
前記第2板材と前記立下壁とを前記第1溶接位置として前記溶接で接合し、
前記第3板材と前記立上壁の外面とを前記第2溶接位置として前記溶接で接合した
ことを特徴とする請求項8に記載の立体駐車装置。
【請求項10】
複数段及び複数列に配置されるパレットを備え、
前記パレットにはそれぞれ車両を積載でき、
前記パレットは少なくとも昇降動作することで、それぞれの前記パレット上の前記車両が入出庫でき、
列方向の前記パレット間には歩廊を有し、
前記パレットと前記歩廊との間には歩廊外側隙間を有し、
前記パレットの両側には、パレット端部立ち上がりを形成し、
一対の前記パレット端部立ち上がりの間にパレットタイヤ踏み板が形成され、
前記パレット端部立ち上がりが、
前記パレットタイヤ踏み板の側端から上方に立ち上げた立上壁と、
前記立上壁の上端からパレット外方に延出させた天面と、
前記天面の外端から下方に立ち下げた立下壁と
からなる立体駐車装置であって、
前記天面の横幅を、前記歩廊外側隙間の1.6倍以下とし、
前記立上壁の外方、前記天面の下方、及び前記立下壁の内方に、補強部材を設け、
前記補強部材は、前記パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有し、
前記補強部材が、
前記天面に平行な第1板材と、
前記第1板材の一方の側端から下方に折り曲げた第2板材と
を備え、
前記第1板材を前記天面に面接触させるか、
又は
前記第2板材を前記立上壁若しくは前記立下壁に面接触させ、
前記補強部材と前記パレット端部立ち上がりとを、前記パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、
前記補強部材が、
前記第2板材の下端から前記パレットタイヤ踏み板の底面に沿って折り曲げた第3板材を備え、
前記第2板材を前記立上壁に面接触させ、
前記第3板材を前記パレットタイヤ踏み板に面接触させた
ことを特徴とする立体駐車装置。
【請求項11】
前記第1板材と前記立下壁とを前記溶接で接合し、
前記第3板材と前記パレットタイヤ踏み板の前記底面とを前記溶接で接合した
ことを特徴とする請求項10に記載の立体駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場として利用される立体駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体駐車装置は、複数段及び複数列に配置されるパレットを備え、パレットにはそれぞれ車両を積載でき、パレットは少なくとも昇降動作することで、それぞれのパレット上の車両が入出庫できる(例えば、特許文献1から特許文献3)。
パレットは、両側にパレット端部立ち上がりを形成し、一対のパレット端部立ち上がりの間にパレットタイヤ踏み板が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-15002号公報
【文献】特開2016-211321号公報
【文献】特開2018-66255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近の自動車メーカーは横幅の広い車両を多く販売しているため、パレットの横幅を広げないと入出庫するのに何回も切り返さなければならない状況が多く見受けられる。
従って、パレットタイヤ踏み板の有効幅を拡げる必要があるが、パレットタイヤ踏み板を拡げると、拡げたパレットタイヤ踏み板に比例して1台分の間口寸法が大きくなり、立体駐車装置の全体寸法が大きくなってしまう。
立体駐車装置の全体寸法が大きくなると、既設の立体駐車装置に代えて設置する場合には、例えば新たに掘削作業が必要となってしまう。
【0005】
そこで本発明は、1台分の間口寸法を変えずにパレットタイヤ踏み板の有効幅を拡げることができる立体駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の立体駐車装置は、複数段及び複数列に配置されるパレット10を備え、前記パレット10にはそれぞれ車両Aを積載でき、前記パレット10は少なくとも昇降動作することで、それぞれの前記パレット10上の前記車両Aが入出庫でき、列方向の前記パレット10間には歩廊4を有し、前記パレット10と前記歩廊4との間には歩廊外側隙間4Hを有し、前記パレット10の両側には、パレット端部立ち上がり10Xを形成し、一対の前記パレット端部立ち上がり10Xの間にパレットタイヤ踏み板10Yが形成され、前記パレット端部立ち上がり10Xが、前記パレットタイヤ踏み板10Yの側端から上方に立ち上げた立上壁11と、前記立上壁11の上端からパレット10外方に延出させた天面12と、前記天面12の外端から下方に立ち下げた立下壁13とからなる立体駐車装置であって、前記天面12の横幅12Hを、前記歩廊外側隙間4Hの1.6倍以下とし、前記立上壁11の外方、前記天面12の下方、及び前記立下壁13の内方に、補強部材20を設け、前記補強部材20は、前記パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有し、前記補強部材20が、前記天面12に平行な第1板材21A、21B、21C、21Dと、前記第1板材21A、21B、21C、21Dの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22A、22B、22C、22Dとを備え、前記第1板材21A、21B、21C、21Dを前記天面12に面接触させ、前記第2板材22A、22B、22C、22Dを前記立上壁11又は前記立下壁13に面接触させ、前記補強部材20と前記パレット端部立ち上がり10Xとを、前記パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合し、前記補強部材20と前記パレット端部立ち上がり10Xとの前記溶接Tを、前記補強部材20と前記立下壁13とを接合する第1溶接位置と、前記補強部材20と前記立上壁11とを接合する第2溶接位置とで行うことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の立体駐車装置において、前記補強部材20が、前記第1板材21Aの他方の側端から下方に折り曲げた第3板材23Aと、前記第2板材22Aの下端及び前記第3板材23Aの下端と連続して前記第1板材21Aと平行な第4板材24Aとを備え、前記第1板材21Aを前記天面12に面接触させ、前記第2板材22Aを前記立下壁13に面接触させたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の立体駐車装置において、前記第2板材22Aと前記立下壁13の下端とを前記第1溶接位置として前記溶接Tで接合し、前記第3板材23Aと前記立上壁11の外面とを前記第2溶接位置として前記溶接Tで接合したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の立体駐車装置において、前記第1板材21を前記天面12に面接触させ、前記第2板材22を前記立上壁11に面接触させたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の立体駐車装置において、前記第1板材21の他方の端部と前記立下壁13とを前記第1溶接位置として前記溶接Tで接合し、前記第2板材22の下端と前記立上壁11とを前記第2溶接位置として前記溶接Tで接合したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載の立体駐車装置において、前記第1板材21を前記天面12に面接触させ、前記第2板材22を前記立下壁13に面接触させたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の立体駐車装置において、前記第1板材21の他方の端部と前記立上壁11とを前記第2溶接位置として前記溶接Tで接合し、前記第2板材22の下端と前記立下壁13とを前記第1溶接位置として前記溶接Tで接合したことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の立体駐車装置において、前記補強部材20が、前記第1板材21の他方の側端から下方に折り曲げた第3板材23を備え、前記第1板材21を前記天面12に面接触させ、前記第2板材22を前記立下壁13に面接触させ、前記第3板材23を前記立上壁11に面接触させたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項8に記載の立体駐車装置において、前記第2板材22と前記立下壁13とを前記第1溶接位置として前記溶接Tで接合し、前記第3板材23と前記立上壁11の外面とを前記第2溶接位置として前記溶接Tで接合したことを特徴とする。
請求項10記載の本発明の立体駐車装置複数段及び複数列に配置されるパレット10を備え、前記パレット10にはそれぞれ車両Aを積載でき、前記パレット10は少なくとも昇降動作することで、それぞれの前記パレット10上の前記車両Aが入出庫でき、列方向の前記パレット10間には歩廊4を有し、前記パレット10と前記歩廊4との間には歩廊外側隙間4Hを有し、前記パレット10の両側には、パレット端部立ち上がり10Xを形成し、一対の前記パレット端部立ち上がり10Xの間にパレットタイヤ踏み板10Yが形成され、前記パレット端部立ち上がり10Xが、前記パレットタイヤ踏み板10Yの側端から上方に立ち上げた立上壁11と、前記立上壁11の上端からパレット10外方に延出させた天面12と、前記天面12の外端から下方に立ち下げた立下壁13とからなる立体駐車装置であって、前記天面12の横幅12Hを、前記歩廊外側隙間4Hの1.6倍以下とし、前記立上壁11の外方、前記天面12の下方、及び前記立下壁13の内方に、補強部材20を設け、前記補強部材20は、前記パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有し、前記補強部材20が、前記天面12に平行な第1板材21Eと、前記第1板材21Eの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Eとを備え、前記第1板材21Eを前記天面12に面接触させるか、又は前記第2板材22Eを前記立上壁11若しくは前記立下壁13に面接触させ、前記補強部材20と前記パレット端部立ち上がり10Xとを、前記パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合し、前記補強部材20が、前記第2板材22の下端から前記パレットタイヤ踏み板10Yの底面に沿って折り曲げた第3板材23Eを備え、前記第2板材22を前記立上壁11に面接触させ、前記第3板材23を前記パレットタイヤ踏み板10Yに面接触させたことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載の立体駐車装置において、前記第1板材21と前記立下壁13とを前記溶接Tで接合し、前記第3板材23と前記パレットタイヤ踏み板10Yの前記底面とを前記溶接Tで接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天面の横幅が歩廊外側隙間の1.6倍以下であることで、特に長手方向に十分な強度を確保できないパレットであっても、パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有する補強部材を備え、補強部材とパレット端部立ち上がりとを、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、更には、第1板材を天面に面接触させるか、又は第2板材を立上壁若しくは立下壁に面接触させることでパレット強度を確保できるため、パレットタイヤ踏み板の有効幅を拡げることができ、従来の間口寸法を変更することなく、幅広の車両を駐車でき、又は入出庫がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による立体駐車装置の外観構成図
図2】同立体駐車装置の動作を示す正面図
図3】同立体駐車装置の外観構成図
図4】同立体駐車装置の昇降機構とバランス機構を示す要部構成図
図5】同立体駐車装置の下段のパレットを示す要部構成図
図6】同立体駐車装置のパレットに設ける補強部材を示す構成図
図7】同立体駐車装置のパレットに設ける他の実施例による補強部材を示す構成図
図8】同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図
図9】同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図
図10】同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による立体駐車装置は、天面の横幅を、歩廊外側隙間の1.6倍以下とし、立上壁の外方、天面の下方、及び立下壁の内方に、補強部材を設け、補強部材は、パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有し、補強部材が、天面に平行な第1板材と、第1板材の一方の側端から下方に折り曲げた第2板材とを備え、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立上壁又は立下壁に面接触させ、補強部材とパレット端部立ち上がりとを、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、補強部材とパレット端部立ち上がりとの溶接を、補強部材と立下壁とを接合する第1溶接位置と、補強部材と立上壁とを接合する第2溶接位置とで行うものである。
本実施の形態によれば、天面の横幅が歩廊外側隙間の1.6倍以下であることで、特に長手方向に十分な強度を確保できないパレットであっても、パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有する補強部材を備え、補強部材とパレット端部立ち上がりとを、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、更には、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立上壁又は立下壁に面接触させることでパレット強度を確保できる。従って、天面の横幅を歩廊外側隙間の1.6倍以下とすることができるため、パレットタイヤ踏み板の有効幅を拡げることができ、従来の間口寸法を変更することなく、幅広の車両を駐車でき、又は入出庫がしやすくなる。
また、本実施の形態によれば、立上壁の外方、天面の下方、及び立下壁の内方に、補強部材を設けているため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に影響を与えることがない。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による立体駐車装置において、補強部材が、第1板材の他方の側端から下方に折り曲げた第3板材と、第2板材の下端及び第3板材の下端と連続して第1板材と平行な第4板材とを備え、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立下壁に面接触させたものである。
本実施の形態によれば、第1板材、第2板材、第3板材、及び第4板材で筒状に形成され、第1板材を天面に、第2板材を立下壁に、それぞれ面接触させることでパレットの長手方向の強度を高めることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による立体駐車装置において、第2板材と立下壁の下端とを第1溶接位置として溶接で接合し、第3板材と立上壁の外面とを第2溶接位置として溶接で接合したものである。
本実施の形態によれば、第2板材と立下壁の下端との溶接、及び第3板材と立上壁の外面との溶接を、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで行うために強度な接合となる。
また、本実施の形態によれば、第2板材と立下壁の下端とを溶接し、第3板材と立上壁の外面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に溶接の影響を与えることがない。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による立体駐車装置において、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立上壁に面接触させたものである。
本実施の形態によれば、第1板材を天面に、第2板材を立上壁に、それぞれ面接触させることでパレットの長手方向の強度を高めることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による立体駐車装置において、第1板材の他方の端部と立下壁とを第1溶接位置として溶接で接合し、第2板材の下端と立上壁とを第2溶接位置として溶接で接合したものである。
本実施の形態によれば、第1板材の他方の端部と天面又は立下壁との溶接、及び第2板材の下端と立上壁との溶接を、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで行うために強度な接合となる。
また、本実施の形態によれば、第1板材の他方の端部と天面又は立下壁とを溶接し、第2板材の下端と立上壁とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に溶接の影響を与えることがない。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態による立体駐車装置において、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立下壁に面接触させたものである。
本実施の形態によれば、第1板材を天面に、第2板材を立下壁に、それぞれ面接触させることでパレットの長手方向の強度を高めることができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による立体駐車装置において、第1板材の他方の端部と立上壁とを第2溶接位置として溶接で接合し、第2板材の下端と立下壁とを第1溶接位置として溶接で接合したものである。
本実施の形態によれば、第1板材の他方の端部と天面又は立上壁との溶接、及び第2板材の下端と立下壁との溶接を、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで行うために強度な接合となる。
また、本実施の形態によれば、第1板材の他方の端部と天面又は立上壁とを溶接し、第2板材の下端と立下壁とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に溶接の影響を与えることがない。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態による立体駐車装置において、補強部材が、第1板材の他方の側端から下方に折り曲げた第3板材を備え、第1板材を天面に面接触させ、第2板材を立下壁に面接触させ、第3板材を立上壁に面接触させたものである。
本実施の形態によれば、第1板材を天面に、第2板材を立下壁に、第3板材を立上壁に、それぞれ面接触させることでパレットの長手方向の強度を高めることができる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第8の実施の形態による立体駐車装置において、第2板材と立下壁とを第1溶接位置として溶接で接合し、第3板材と立上壁の外面とを第2溶接位置として溶接で接合したものである。
本実施の形態によれば、第2板材と立下壁との溶接、及び第3板材と立上壁の外面との溶接を、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで行うために強度な接合となる。
また、本実施の形態によれば、第2板材と立下壁とを溶接し、第3板材と立上壁の外面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に溶接の影響を与えることがない。
【0018】
本発明の第10の実施の形態の立体駐車装置は天面の横幅を、歩廊外側隙間の1.6倍以下とし、立上壁の外方、天面の下方、及び立下壁の内方に、補強部材を設け、補強部材は、パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有し、補強部材が、天面に平行な第1板材と、第1板材の一方の側端から下方に折り曲げた第2板材とを備え、第1板材を天面に面接触させるか、又は第2板材を立上壁若しくは立下壁に面接触させ、補強部材とパレット端部立ち上がりとを、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、補強部材が、第2板材の下端からパレットタイヤ踏み板の底面に沿って折り曲げた第3板材を備え、第2板材を立上壁に面接触させ、第3板材をパレットタイヤ踏み板に面接触させたものである。
本実施の形態によれば、天面の横幅が歩廊外側隙間の1.6倍以下であることで、特に長手方向に十分な強度を確保できないパレットであっても、パレット端部立ち上がりの長手方向長さの少なくとも60%の長さを有する補強部材を備え、補強部材とパレット端部立ち上がりとを、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで、所定ビード長さの溶接で接合し、更には、第1板材を天面に面接触させるか、又は第2板材を立上壁又は立下壁に面接触させることでパレット強度を確保できる。従って、天面の横幅を歩廊外側隙間の1.6倍以下とすることができるため、パレットタイヤ踏み板の有効幅を拡げることができ、従来の間口寸法を変更することなく、幅広の車両を駐車でき、又は入出庫がしやすくなる。
また、本実施の形態によれば、第2板材を立上壁に、第3板材をパレットタイヤ踏み板に、それぞれ面接触させることでパレットの長手方向の強度を高めることができる。
【0019】
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態による立体駐車装置において、第1板材と立下壁とを溶接で接合し、第3板材とパレットタイヤ踏み板の底面とを溶接で接合したものである。
本実施の形態によれば、第1板材と立下壁との溶接、及び第3板材とパレットタイヤ踏み板の底面との溶接を、パレット端部立ち上がりの長手方向に所定ピッチで行うために強度な接合となる。
また、本実施の形態によれば、第1板材と立下壁とを溶接し、第3板材とパレットタイヤ踏み板の底面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板の有効幅や歩廊外側隙間に溶接の影響を与えることがない。
【実施例
【0020】
以下本発明の一実施例による立体駐車装置について説明する。
図1は本実施例による立体駐車装置の外観構成図であり、図1(a)は同立体駐車装置の正面図、図1(b)は同立体駐車装置の側面図である。
【0021】
本実施例による立体駐車装置は、複数段及び複数列に配置されるパレット10を備えている。図1では、3段2列の立体駐車装置を示している。
上下3段に配列されるパレット10は、一対の前側固定柱1Fと一対の後側固定柱1Rとで囲まれる空間に配置され、一対の前側固定柱1F及び一対の後側固定柱1Rに対して昇降動作する。また、上下3段に配列されるパレット10は、4本のパレット支柱2に固定されている。昇降動作は、昇降用モータ3によって行われる。
【0022】
図2は同立体駐車装置の動作を示す正面図であり、図2(a)は上段のパレットが入出庫状態、図2(b)は中段のパレットが入出庫状態、図2(c)は下段のパレットが入出庫状態にあることを示している。
【0023】
図2に示すように、本実施例は、地表面tから掘削したピット内に、一対の前側固定柱1Fと一対の後側固定柱1Rとを配置する立体駐車装置である。
上下3段に配列されるパレット10は、4本のパレット支柱2に固定されているため、共に昇降動作を行う。
パレット10にはそれぞれ車両Aを積載でき、パレット10は少なくとも昇降動作することで、それぞれのパレット10上の車両Aが入出庫できる。
【0024】
図3は同立体駐車装置の外観構成図であり、図3(a)は同立体駐車装置の上面図、図3(b)は図3(a)のX-X端面図である。
【0025】
列方向のパレット10間には歩廊4を有し、パレット10と歩廊4との間には歩廊外側隙間4Hを有している。
パレット10の両側には、パレット端部立ち上がり10Xを形成し、一対のパレット端部立ち上がり10Xの間にパレットタイヤ踏み板10Yが形成されている。
一対のパレット端部立ち上がり10Xには、それぞれ補強部材20を設けている。
【0026】
図4は同立体駐車装置の昇降機構とバランス機構を示す要部構成図であり、図4(a)は要部構成斜視図、図4(b)は要部構成端面図である。
【0027】
駆動軸5には、昇降用モータ3の駆動を伝達する駆動用スプロケット6を設けている。
パレット10の入出庫側に配置する前側昇降機構40Fは、一方の前側固定柱1Fの上部に、前側吊上用駆動体41F及び前側昇降用チェーン端末クロス金具42Fを設け、下段のパレット10に、前側昇降チェーンホイール43Fを設けている。前側昇降用チェーン44Fは、一端を前側昇降用チェーン端末クロス金具42Fに取り付け、他端側を前側吊上用駆動体41Fに取り付け、前側昇降チェーンホイール43Fの下部に当接させている。
パレット10の反入出庫側に配置する後側昇降機構40Rは、一方の後側固定柱1Rの上部に、後側吊上用駆動体41R及び後側昇降用チェーン端末クロス金具42Rを設け、下段のパレット10に、後側昇降チェーンホイール43Rを設けている。後側昇降用チェーン44Rは、一端を後側昇降用チェーン端末クロス金具42Rに取り付け、他端側を後側吊上用駆動体41Rに取り付け、後側昇降チェーンホイール43Rの下部に当接させている。
【0028】
昇降用モータ3を正回転させることで、駆動用スプロケット6及び駆動軸5を介して前側吊上用駆動体41F及び後側吊上用駆動体41Rが正回転する。
前側吊上用駆動体41Fが正回転することで、前側昇降用チェーン44Fの他端側は前側吊上用駆動体41Fによって巻き上げられ、前側昇降用チェーン端末クロス金具42Fから前側吊上用駆動体41Fまでの前側昇降用チェーン44Fが短くなるため、前側昇降用チェーン44Fによって前側昇降チェーンホイール43Fは上方に押し上げられ、パレット10が上昇する。
また、後側吊上用駆動体41Rが正回転することで、後側昇降用チェーン44Rの他端側は後側吊上用駆動体41Rによって巻き上げられ、後側昇降用チェーン端末クロス金具42Rから後側吊上用駆動体41Rまでの後側昇降用チェーン44Rが短くなるため、後側昇降用チェーン44Rによって後側昇降チェーンホイール43Rは上方に押し上げられ、パレット10が上昇する。
【0029】
前側吊上用駆動体41Fが逆回転すると、前側昇降用チェーン44Fの他端側が前側吊上用駆動体41Fによって巻き下げられ、前側昇降用チェーン端末クロス金具42Fから前側吊上用駆動体41Fまでの前側昇降用チェーン44Fが長くなるため、前側昇降用チェーン44Fによって前側昇降チェーンホイール43Fは下方に押し下げられ、パレット10が降下する。
また、後側吊上用駆動体41Rが逆回転すると、後側昇降用チェーン44Rの他端側が後側吊上用駆動体41Rによって巻き下げられ、後側昇降用チェーン端末クロス金具42Rから後側吊上用駆動体41Rまでの後側昇降用チェーン44Rが長くなるため、後側昇降用チェーン44Rによって後側昇降チェーンホイール43Rは下方に押し下げられ、パレット10が降下する。
【0030】
パレット10の入出庫側にはバランス機構50Fが、パレット10の反入出庫側にはバランス機構50Rが設けられている。
バランス機構50F、50Rは、バランスチェーン51F、51Rと、下段のパレット10の両側方に配置する一対のバランスチェーンホイール52F、52Rと、一方のバランスチェーンホイール52F、52Rの外方に配置する補助ホイール53F、53Rと、一方の固定柱(図示せず)の下方に取り付けられる吊りボルト54F、54R及び位置規制ピン55F、55Rと、他方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられるバランス用チェーン端末金具56F、56Rとで構成している。
【0031】
図5は同立体駐車装置の下段のパレットを示す要部構成図であり、図5(a)は下段のパレットの上面構成図、図5(b)及び図5(c)は図5(a)の要部拡大上面図、図5(d)は図5(a)の要部拡大正面断面図である。
【0032】
図5(a)に示すように、下段のパレット10の両側方には、前側昇降チェーンホイール43F、後側昇降チェーンホイール43R、一対のバランスチェーンホイール52F、52R、及び補助ホイール53F、53Rを設けている。
図5(b)に示す、前側昇降チェーンホイール43Fの昇降チェーンホイール軸受45、及びバランスチェーンホイール52Fと補助ホイール53Fのバランスチェーンホイール軸受57は、図5(d)に示す揚上アーム60Fに取り付けられている。
また、図5(c)に示す、後側昇降チェーンホイール43Rの昇降チェーンホイール軸受45、及びバランスチェーンホイール52Rと補助ホイール53Rのバランスチェーンホイール軸受57についても、図5(d)に示す揚上アーム60Fと同様の揚上アーム60に取り付けられている。
また、バランスチェーンホイール52F、52Rについても、それぞれのバランスチェーンホイール軸受57は、同様の揚上アーム60に取り付けられている。
前側昇降チェーンホイール43F、後側昇降チェーンホイール43R、一対のバランスチェーンホイール52F、52R、及び補助ホイール53F、53Rは、揚上アーム60によってパレット10に取り付けられている。
図5(d)に示すように、揚上アーム60は、固定具61、62によってパレット端部立ち上がり10Xに固定される。固定具61、62によるパレット端部立ち上がり10Xへの固定には、補強短材63、64が用いられる。
【0033】
図6は同立体駐車装置のパレットに設ける補強部材を示す構成図であり、図6(a)は正面断面図、図6(b)は側面図である。
【0034】
図6(a)に示すように、パレット端部立ち上がり10Xは、パレットタイヤ踏み板10Yの側端から上方に立ち上げた立上壁11と、立上壁11の上端からパレット10外方に延出させた天面12と、天面12の外端から下方に立ち下げた立下壁13とからなる。
立上壁11は、パレットタイヤ踏み板10Yに対して90度以上の角度で立ち上げ、天面12の横幅12Hは、図3に示す歩廊外側隙間4Hに対して、0.5倍以上で1.6倍以下としている。
【0035】
補強部材20Aは、立上壁11の外方、天面12の下方、及び立下壁13の内方に設けている。
補強部材20Aは、天面12に平行な第1板材21Aと、第1板材21Aの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Aと、第1板材21Aの他方の側端から下方に折り曲げた第3板材23Aと、第2板材22Aの下端及び第3板材23Aの下端と連続して第1板材21Aと平行な第4板材24Aとを備え、第1板材21Aを天面12に面接触させ、第2板材22Aを立下壁13に面接触させている。
補強部材20Aは、第2板材22Aを立下壁13の下端に溶接T1で接合し、第3板材23Aを立上壁11の外面に溶接T2で接合している。なお、立上壁11がパレットタイヤ踏み板10Yに対して90度の角度で立ち上げている場合や、第3板材23Aを立上壁11に平行に形成する場合には、第4板材24Aを立上壁11の外面に溶接T2で接合することが好ましい。
補強部材20Aには、コラムや角型鋼管を用いることができる。
【0036】
図6(b)に示すように、補強部材20Aは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さ、より好ましくは80%以上の長さを有し、補強部材20Aとパレット端部立ち上がり10Xとを、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合している。
なお、補強部材20Aは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有していれば、複数部材に分離していてもよく、所定ピッチP、及び所定ビード長さBは、必ずしも一定である必要はない。
【0037】
本実施例によれば、第1板材21A、第2板材22A、第3板材23A、及び第4板材24Aで筒状に形成され、第1板材21Aを天面12に、第2板材22Aを立下壁13に、それぞれ面接触させることでパレット10の長手方向の強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、第2板材22Aと立下壁13の下端との溶接T1、及び第3板材23Aと立上壁11の外面との溶接T2を、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで行うために強度な接合となる。
また、本実施例によれば、第2板材22Aと立下壁13の下端とを溶接し、第3板材23Aと立上壁11の外面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板10Yの有効幅や歩廊外側隙間4Hに溶接の影響を与えることがない。
【0038】
図7は同立体駐車装置のパレットに設ける他の実施例による補強部材を示す構成図であり、図7(a)は正面断面図、図7(b)は側面図である。補強部材以外については上記実施例と同一であるので説明を省略する。
【0039】
図7(a)に示すように、補強部材20Bは、立上壁11の外方、天面12の下方、及び立下壁13の内方に設けている。
補強部材20Bは、天面12に平行な第1板材21Bと、第1板材21Bの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Bとを備え、第1板材21Bを天面12に面接触させ、第2板材22Bを立上壁11に面接触させている。
補強部材20Bは、第1板材21Bの他方の端部と天面12又は立下壁13とを溶接T3で接合し、第2板材22Bの下端と立上壁11とを溶接T4で接合している。
【0040】
図7(b)に示すように、補強部材20Bは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さ、より好ましくは80%以上の長さを有し、補強部材20Bとパレット端部立ち上がり10Xとを、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合している。
なお、補強部材20Bは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有していれば、複数部材に分離していてもよく、所定ピッチP、及び所定ビード長さBは、必ずしも一定である必要はない。
【0041】
本実施例によれば、第1板材21Bを天面12に、第2板材22Bを立上壁11に、それぞれ面接触させることでパレット10の長手方向の強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、第1板材21Bの他方の端部と天面12又は立下壁13との溶接T3、及び第2板材22Bの下端と立上壁11との溶接T4を、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで行うために強度な接合となる。
また、本実施例によれば、第1板材21Bの他方の端部と天面12又は立下壁13とを溶接し、第2板材22Bの下端と立上壁11とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板10Yの有効幅や歩廊外側隙間4Hに溶接の影響を与えることがない。
【0042】
図8は同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図であり、図8(a)は正面断面図、図8(b)は側面図である。補強部材以外については上記実施例と同一であるので説明を省略する。
【0043】
図8(a)に示すように、補強部材20Cは、立上壁11の外方、天面12の下方、及び立下壁13の内方に設けている。
補強部材20Cは、天面12に平行な第1板材21Cと、第1板材21Cの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Cとを備え、第1板材21Cを天面12に面接触させ、第2板材22Cを立下壁13に面接触させている。
補強部材20Cは、第1板材21Cの他方の端部と天面12又は立上壁11とを溶接T5で接合し、第2板材22Cの下端と立下壁13とを溶接T6で接合している。
【0044】
図8(b)に示すように、補強部材20Cは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さ、より好ましくは80%以上の長さを有し、補強部材20Cとパレット端部立ち上がり10Xとを、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合している。
なお、補強部材20Cは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有していれば、複数部材に分離していてもよく、所定ピッチP、及び所定ビード長さBは、必ずしも一定である必要はない。
【0045】
本実施例によれば、第1板材21Cを天面12に、第2板材22Cを立下壁13に、それぞれ面接触させることでパレット10の長手方向の強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、第1板材21Cの他方の端部と天面12又は立上壁11との溶接T5、及び第2板材22Cの下端と立下壁13との溶接T6を、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで行うために強度な接合となる。
また、本実施例によれば、第1板材21Cの他方の端部と天面12又は立上壁11とを溶接し、第2板材22Cの下端と立下壁13とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板10Yの有効幅や歩廊外側隙間4Hに溶接の影響を与えることがない。
【0046】
図9は同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図であり、図9(a)は正面断面図、図9(b)は側面図である。補強部材以外については上記実施例と同一であるので説明を省略する。
【0047】
図9(a)に示すように、補強部材20Dは、立上壁11の外方、天面12の下方、及び立下壁13の内方に設けている。
補強部材20Dは、天面12に平行な第1板材21Dと、第1板材21Dの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Dと、第1板材21Dの他方の側端から下方に折り曲げた第3板材23Dを備え、第1板材21Dを天面12に面接触させ、第2板材22Dを立下壁13に面接触させ、第3板材23Dを立上壁11に面接触させている。
補強部材20Dは、第2板材22Dと立下壁13とを溶接T7で接合し、第3板材23Dと立上壁11の外面とを溶接T8で接合している。
【0048】
図9(b)に示すように、補強部材20Dは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さ、より好ましくは80%以上の長さを有し、補強部材20Dとパレット端部立ち上がり10Xとを、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合している。
なお、補強部材20Dは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有していれば、複数部材に分離していてもよく、所定ピッチP、及び所定ビード長さBは、必ずしも一定である必要はない。
【0049】
本実施例によれば、第1板材21Dを天面12に、第2板材22Dを立下壁13に、第3板材23Dを立上壁11に、それぞれ面接触させることでパレット10の長手方向の強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、第2板材22Dと立下壁13との溶接T7、及び第3板材23Dと立上壁11の外面との溶接T8を、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで行うために強度な接合となる。
また、本実施例によれば、第2板材22Dと立下壁13とを溶接し、第3板材23Dと立上壁11の外面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板10Yの有効幅や歩廊外側隙間4Hに溶接の影響を与えることがない。
【0050】
図10は同立体駐車装置のパレットに設ける更に他の実施例による補強部材を示す構成図であり、図10(a)は正面断面図、図10(b)は側面図である。補強部材以外については上記実施例と同一であるので説明を省略する。
【0051】
図10(a)に示すように、補強部材20Eは、立上壁11の外方、天面12の下方、及び立下壁13の内方に設けている。
補強部材20Eは、天面12に平行な第1板材21Eと、第1板材21Eの一方の側端から下方に折り曲げた第2板材22Eと、第2板材22Eの下端からパレットタイヤ踏み板10Yの底面に沿って折り曲げた第3板材23Eを備え、第2板材22Eを立上壁11に面接触させ、第3板材23Eをパレットタイヤ踏み板10Yに面接触させている。
補強部材20Eは、第1板材21Eと立下壁13とを溶接T9で接合し、第3板材23Eとパレットタイヤ踏み板10Yの底面とを溶接T10で接合している。
【0052】
図10(b)に示すように、補強部材20Eは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さ、より好ましくは80%以上の長さを有し、補強部材20Eとパレット端部立ち上がり10Xとを、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで、所定ビード長さBの溶接Tで接合している。
なお、補強部材20Eは、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向長さ10Lの少なくとも60%の長さを有していれば、複数部材に分離していてもよく、所定ピッチP、及び所定ビード長さBは、必ずしも一定である必要はない。
【0053】
本実施例によれば、第2板材22Eを立上壁11に、第3板材23Eをパレットタイヤ踏み板10Yに、それぞれ面接触させることでパレット10の長手方向の強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、第1板材21Eと立下壁13との溶接T9、及び第3板材23Eとパレットタイヤ踏み板10Yの底面との溶接T10を、パレット端部立ち上がり10Xの長手方向に所定ピッチPで行うために強度な接合となる。
また、本実施例によれば、第1板材21Eと立下壁13とを溶接し、第3板材23Eとパレットタイヤ踏み板10Yの底面とを溶接するため、パレットタイヤ踏み板10Yの有効幅や歩廊外側隙間4Hに溶接の影響を与えることがない。
なお、補強部材20を複数部材に分離して用いる場合には、図6から図10に示す補強部材20A、20B、20C、20D、20Eの中から少なくとも複数の形態を組み合わせて用いることもでき、図6から図10に示す補強部材20A、20B、20C、20D、20E以外の形態を一部に含んでいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、地下1段地上1段昇降式立体駐車装置、地下1段地上2段昇降式立体駐車装置、地下2段地上1段以上の昇降横行式立体駐車装置、地上2段以上の昇降横行式立体駐車装置、地下1段地上1段以上の昇降横行式立体駐車装置に適用できる。
【符号の説明】
【0055】
1R 後側固定柱
1F 前側固定柱
2 パレット支柱
3 昇降用モータ
4 歩廊
4H 歩廊外側隙間
5 駆動軸
6 駆動用スプロケット
10 パレット
10L 長手方向長さ
10X パレット端部立ち上がり
10Y パレットタイヤ踏み板
11 立上壁
12 天面
12H 横幅
13 立下壁
20 補強部材
20A 補強部材
20B 補強部材
20C 補強部材
20D 補強部材
20E 補強部材
21A 第1板材
21B 第1板材
21C 第1板材
21D 第1板材
21E 第1板材
22A 第2板材
22B 第2板材
22C 第2板材
22D 第2板材
22E 第2板材
23A 第3板材
23D 第3板材
23E 第3板材
24A 第4板材
40R 後側昇降機構
40F 前側昇降機構
41R 後側吊上用駆動体
41F 前側吊上用駆動体
42R 後側昇降用チェーン端末クロス金具
42F 前側昇降用チェーン端末クロス金具
43R 後側昇降チェーンホイール
43F 前側昇降チェーンホイール
44R 後側昇降用チェーン
44F 前側昇降用チェーン
45 昇降チェーンホイール軸受
50F、50R バランス機構
51F、51R バランスチェーン
52F、52R バランスチェーンホイール
53F、53R 補助ホイール
54F、54R 吊りボルト
55F、55R 位置規制ピン
56F、56R バランス用チェーン端末金具
57 バランスチェーンホイール軸受
60 揚上アーム
60F 揚上アーム
61、62 固定具
63、64 補強短材
A 車両
B 所定ビード長さ
P 所定ピッチ
t 地表面
T 溶接
T1 溶接(第1溶接位置)
T2 溶接(第2溶接位置)
T3 溶接(第1溶接位置)
T4 溶接(第2溶接位置)
T5 溶接(第2溶接位置)
T6 溶接(第1溶接位置)
T7 溶接(第1溶接位置)
T8 溶接(第2溶接位置)
T9 溶接
T10 溶接
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10