(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】水吐きユニット
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
(21)【出願番号】P 2019000054
(22)【出願日】2019-01-04
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆雄
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-013439(JP,A)
【文献】実開昭60-185796(JP,U)
【文献】特開2013-151789(JP,A)
【文献】特開平09-273187(JP,A)
【文献】特開2009-228299(JP,A)
【文献】登録実用新案第3114874(JP,U)
【文献】実開昭60-029231(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側配管と2次側配管との間に設置される水吐きユニットであって、
前記1次側配管と前記2次側配管とを連通させる主配管と、
前記主配管から分岐する分岐配管と、を有し、
前記主配管は、前記分岐配管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁を、備え、
前記分岐配管は、止水栓と、水吐き口と、当該分岐配管を封鎖する流路封鎖部材と、を上流から下流に向かってこの順に備
え、
前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続され、
前記流路封鎖部材は、閉栓用ブッシングであることを特徴とする水吐きユニット。
【請求項2】
前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、仕切弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の水吐きユニット。
【請求項3】
前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、逆止弁を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水吐きユニット。
【請求項4】
前記主配管は、前記逆止弁と前記流路切換弁との間に流量メータを備えることを特徴とする請求項3に記載の水吐きユニット。
【請求項5】
前記流路切換弁と、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と、を支持するベース部材を有することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【請求項6】
前記主配管を支持するベース部材を有し、
前記主配管の管軸方向と直交する2方向を上下方向および幅方向としたときに、
前記分岐配管は、前記主配管の前記幅方向の一方側に位置し、
前記ベース部材は、前記主配管の下方を前記管軸方向に延びる底部と、前記底部から上方に突出して前記流路切換弁および前記合流部分の前記幅方向の他方側に位置する壁部と、を有し、
前記底部は、前記主配管を下方から支持する支持部を備え、
前記壁部には、前記流路切換弁および前記合流部分が固定されていることを特徴とする請求項4に記載の水吐きユニット。
【請求項7】
前記流路切換弁、前記分岐配管および前記ベース部材を収容するユニットボックスを有し、
前記ユニットボックスは、天井に設けられた開口部と、前記開口部を開閉する蓋と、を備え、
前記開口部は、上方から見た場合に、前記流路切換弁、前記止水栓、および前記水吐き口と重なることを特徴とする請求項5または6に記載の水吐きユニット。
【請求項8】
前記分岐配管は、前記水吐き口に着脱可能に取り付けられて当該水吐き口を封鎖する止水用プラグを備えることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【請求項9】
1次側配管と2次側配管との間に設置される水吐きユニットであって、
前記1次側配管と前記2次側配管とを連通させる主配管と、
前記主配管から分岐する分岐配管と、を有し、
前記主配管は、前記分岐配管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁を、備え、
前記分岐配管は、止水栓と、水吐き口と、当該分岐配管を封鎖する流路封鎖部材と、を上流から下流に向かってこの順に備え
、
前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続され、
さらに、前記流路切換弁と、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と、を支持するベース部材を有し、
前記主配管の管軸方向と直交する2方向を上下方向および幅方向としたときに、
前記分岐配管は、前記主配管の前記幅方向の一方側に位置し、
前記ベース部材は、前記主配管の下方を前記管軸方向に延びる底部と、前記底部から上方に突出して前記流路切換弁および前記合流部分の前記幅方向の他方側に位置する壁部と、を有し、
前記底部は、前記主配管を下方から支持する支持部を備え、
前記壁部には、前記流路切換弁および前記合流部分が固定されていることを特徴とする水吐きユニット。
【請求項10】
前記流路封鎖部材は、閉栓用ブッシングであることを特徴とする請求項9に記載の水吐きユニット。
【請求項11】
前記流路封鎖部材は、止水栓であることを特徴とする請求項9に記載の水吐きユニット。
【請求項12】
前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、仕切弁を備えることを特徴とする請求項9から11のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【請求項13】
前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、逆止弁を備えることを特徴とする請求項9から12のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【請求項14】
前記主配管は、前記逆止弁と前記流路切換弁との間に流量メータを備えることを特徴とする請求項13に記載の水吐きユニット。
【請求項15】
前記流路切換弁、前記分岐配管および前記ベース部材を収容するユニットボックスを有し、
前記ユニットボックスは、天井に設けられた開口部と、前記開口部を開閉する蓋と、を備え、
前記開口部は、上方から見た場合に、前記流路切換弁、前記止水栓、および前記水吐き口と重なることを特徴とする請求項9から14のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【請求項16】
前記分岐配管は、前記水吐き口に着脱可能に取り付けられて当該水吐き口を封鎖する止水用プラグを備えることを特徴とする請求項9から15のうちのいずれか一項に記載の水吐きユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を流通する水を外部に吐出可能な水吐きユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
地中に配設された水道管の途中に設置される水道メータユニットは特許文献1に記載されている。同文献の水道メータユニットは、水の流通方向の上流から下流に向かって、止水栓、水道メータ、および逆止弁をこの順に備える。また、水道メータユニットは、止水栓、水道メータおよび逆止弁を収容するメータボックスを備える。メータボックスの上端には蓋が設けられている。水道メータユニットは、メータボックスの蓋が地表に露出するように地中に埋設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害時に、地中に配設された水道管を流通する水を利用できれば、被災者に水を供給することが容易となる。このような場合に、例えば、水道管の途中に設置された水道メータユニットのようなユニットから取水すれば、水道管に水吐き口を設けるなどの施工をすることなく、水を外部に供給できる。しかし、水道メータユニットから取水する場合には、止水栓から水道メータを取り外して、水吐管を接続しなければならない。従って、水道メータユニットからの取水は容易ではない。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、配管を流通する水を必要に応じて容易に外部に吐出できる水吐きユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、1次側配管と2次側配管との間に設置される水吐きユニットであって、前記1次側配管と前記2次側配管とを連通させる主配管と、
前記主配管から分岐する分岐配管と、を有し、前記主配管は、前記分岐配管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁を、備え、前記分岐配管は、止水栓と、水吐き口と、当該分岐配管を封鎖する流路封鎖部材と、を上流から下流に向かってこの順に備え、前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続され、前記流路封鎖部材は、閉栓用ブッシングであることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、水吐きユニットの内部の流路として、主配管を選択している場合には、水は主配管を経由して1次側配管から2次側配管に流れる。一方、水吐きユニットの内部の流路として分岐配管を選択した場合には、水は分岐配管を流れて水吐き口に達する。従って、流路切換弁の操作によって水吐きユニットの内部の流路を切り替えれば、1次側配管から2次側配管に流れる水を、水吐き口から外部に吐き出すことができる。また、分岐配管は、水吐き口の上流に止水栓を備えるので、止水栓の開閉によって水吐き口からの水の吐出を継断できる。また、本発明では、前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続されている。よって、分岐配管は、上流端および下流端が主配管に接続される。従って、分岐配管の上流端のみが主配管に接続されており、分岐配管が主配管に片持ち状態で接続されている場合と比較して、分岐配管が安定する。従って、分岐配管に外部から力が加わった場合でも、分岐配管と主配管との接続部分が破損することを防止できる。
【0008】
本発明において、前記流路封鎖部材は、止水栓とすることができる。このようにすれば、止水栓を開くことにより、1次側配管から分岐配管に流入する水を、2次側配管へ流す
ことができる。本発明において、前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、仕切弁を備えるものとすることができる。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の流量を調節できる。本発明において、前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、逆止弁を備えることが望ましい。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の逆流を防止できる。本発明において、前記主配管は、前記逆止弁と前記流路切換弁との間に流量メータを備えるものとすることができる。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の流量を測定できる。すなわち、メータユニットを、水吐きユニットとして用いることができる。従って、水道管を流れる水を、水道メータユニットから外部に供給できる。
【0009】
本発明において、前記主配管を支持するベース部材を有し、前記主配管の管軸方向と直交する2方向を上下方向および幅方向としたときに、前記分岐配管は、前記主配管の前記幅方向の一方側に位置し、前記ベース部材は、前記主配管の下方を前記管軸方向に延びる底部と、前記底部から上方に突出して前記流路切換弁および前記合流部分の前記幅方向の他方側に位置する壁部と、を有し、前記底部は、主配管を下方から支持する支持部を備え、前記壁部には、前記流路切換弁および前記合流部分が固定されているものとすることができる。このようにすれば、ベース部材によって、主配管および分岐配管を、バランスよく支持できる。
【0010】
次に、本発明の別の形態は、1次側配管と2次側配管との間に設置される水吐きユニットであって、前記1次側配管と前記2次側配管とを連通させる主配管と、前記主配管から分岐する分岐配管と、を有し、前記主配管は、前記分岐配管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁を、備え、前記分岐配管は、止水栓と、水吐き口と、当該分岐配管を封鎖する流路封鎖部材と、を上流から下流に向かってこの順に備え、前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続され、さらに、前記流路切換弁と、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と、を支持するベース部材を有し、前記主配管の管軸方向と直交する2方向を上下方向および幅方向としたときに、前記分岐配管は、前記主配管の前記幅方向の一方側に位置し、前記ベース部材は、前記主配管の下方を前記管軸方向に延びる底部と、前記底部から上方に突出して前記流路切換弁および前記合流部分の前記幅方向の他方側に位置する壁部と、を有し、前記底部は、前記主配管を下方から支持する支持部を備え、前記壁部には、前記流路切換弁および前記合流部分が固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、水吐きユニットの内部の流路として、主配管を選択している場合には
、水は主配管を経由して1次側配管から2次側配管に流れる。一方、水吐きユニットの内部の流路として分岐配管を選択した場合には、水は分岐配管を流れて水吐き口に達する。従って、流路切換弁の操作によって水吐きユニットの内部の流路を切り替えれば、1次側配管から2次側配管に流れる水を、水吐き口から外部に吐き出すことができる。また、分岐配管は、水吐き口の上流に止水栓を備えるので、止水栓の開閉によって水吐き口からの水の吐出を継断できる。また、前記分岐配管の下流端は、前記主配管における前記分岐部分よりも下流に接続されている。よって、分岐配管は、上流端および下流端が主配管に接続される。従って、分岐配管の上流端のみが主配管に接続されており、分岐配管が主配管に片持ち状態で接続されている場合と比較して、分岐配管が安定する。従って、分岐配管に外部から力が加わった場合でも、分岐配管と主配管との接続部分が破損することを防止できる。また、ベース部材によって、主配管および分岐配管を、バランスよく支持できる。
【0012】
本発明において、前記流路封鎖部材は、閉栓用ブッシングとすることができる。
【0013】
本発明において、前記流路封鎖部材は、止水栓とすることができる。このようにすれば、止水栓を開くことにより、1次側配管から分岐配管に流入する水を、2次側配管へ流すことができる。
【0014】
本発明において、前記流路封鎖部材は、止水栓とすることができる。このようにすれば、止水栓を開くことにより、1次側配管から分岐配管に流入する水を、2次側配管へ流すことができる。本発明において、前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、仕切弁を備えるものとすることができる。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の流量を調節できる。本発明において、前記主配管は、前記分岐配管の下流端が接続された前記主配管の合流部分と前記流路切換弁との間に、逆止弁を備えることが望ましい。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の逆流を防止できる。本発明において、前記主配管は、前記逆止弁と前記流路切換弁との間に流量メータを備えるものとすることができる。このようにすれば、1次側配管から主配管を介して2次側配管に流れる水の流量を測定できる。すなわち、メータユニットを、水吐きユニットとして用いることができる。従って、水道管を流れる水を、水道メータユニットから外部に供給できる。
【0015】
本発明において、前記流路切換弁、前記分岐配管および前記ベース部材を収容するユニットボックスを有し、前記ユニットボックスは、天井に設けられた開口部と、前記開口部を開閉する蓋と、を備え、前記開口部は、上方から見た場合に、前記流路切換弁、前記止水栓、および前記水吐き口と重なるものとすることができる。このようにすれば、水吐きユニットが地中に埋設される際に、ユニットボックスによって、流路切換弁、止水栓、水吐き口を保護できる。また、ユニットボックスの蓋を地表に露出させた状態で水吐きユニットを地中に埋設すれば、蓋を開くことにより、地上から、開口部を介して、流路切換弁および止水栓を操作できる。従って、水吐きユニットが地中に埋設された場合でも、水吐き口から水を外部に供給できる。
【0016】
本発明において、前記分岐配管は、前記水吐き口に着脱可能に取り付けられて当該水吐き口を封鎖する止水用プラグを備えるものとすることができる。このようにすれば、水吐き口から分岐配管に異物が入り込むことを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の水吐きユニットによれば、水道管などの配管を流通する水を必要に応じて容易に外部に吐出できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】水吐きユニットを上方から見た場合の平面図である。
【
図2】水吐きユニットを幅方向から見た場合の断面図である。
【
図3】水吐きユニットを管軸方向から見た場合の断面図である。
【
図4】変形例の水吐きユニットを上方から見た場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態である水吐きユニットを説明する。
【0020】
(水吐きユニット)
図1は、水道管の途中に設置された水吐きユニットを上方から見た場合の平面図である。水吐きユニットを幅方向から見た場合の断面図である。
図3は、
図1の水吐きユニットを管軸方向から見た場合の断面図である。
図1では、水吐きユニットのユニットボックスの蓋を取り外して示す。本例の水吐きユニット1は、配水管から家屋などの建造物に水道水を引き込む水道管の途中に設置される。
図1に示すように、水吐きユニット1は、水道管を構成する1次側配管2と2次側配管3との間に設置される。1次側配管2と2次側配管3とは地中に埋設されている。1次側配管2と2次側配管3とは、直線状に配置されている。
【0021】
水吐きユニット1は、ユニット本体5と、ユニット本体5を収容するユニットボックス6とを備える。ユニット本体5は、1次側配管2および2次側配管3と同軸に延びて1次側配管2および2次側配管3を接続する主配管8と、主配管8から分岐する分岐配管9と、を有する。以下の説明では、主配管8の管軸Lに沿った方向を管軸方向Xとし、管軸Lと直交する2方向を幅方向Yおよび上下方向Zとする。上下方向Zは、水吐きユニット1の設置した場合の設置姿勢における上下である。分岐配管9は、主配管8に対して、幅方向Yの一方側Y1に位置する。また、1次側配管2から2次側配管3に向かう方向は、水吐きユニット1における水の流通方向Sである。
【0022】
主配管8は、分岐配管9が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁11を備える。また、主配管8は、流路切換弁11の下流に仕切弁12を備える。流路切換弁11と仕切弁12との間には、直線状に延びる管部材13と、逆止弁14とが、上流から下流に向かってこの順に配置されている。主配管8における仕切弁12の下流には分岐配管9の下流端が接続されている。すなわち、主配管8における分岐配管9の合流部分には主配管側チーズ15が配置されている。主配管側チーズ15は、第1開口15a、第1開口15aと同軸の第2開口15b、第1開口15aおよび第2開口15bの軸線と直交する側方を向く第3開口15cを備える。主配管側チーズ15の第1開口15aは仕切弁12に接続されている。主配管側チーズ15の第2開口15bは2次側配管3に接続される。主配管側チーズ15の第3開口15cには、分岐配管9の下流端が接続される。従って、主配管8は、分岐配管9の分岐部分と合流部分との間に管部材13、逆止弁14、および仕切弁12を備える。
【0023】
分岐配管9は上流から下流に向かって、第1エルボ18、止水栓19、管継手20、分岐配管側チーズ21、閉栓用ブッシング22(流路封鎖部材)、および第2エルボ23を、この順に備える。第1エルボ18は、流路切換弁11に接続されている。第2エルボ23は、主配管側チーズ15の第3開口15cに接続されている。止水栓19は、ボール止水栓である。
【0024】
分岐配管側チーズ21は、第1開口21a、第1開口21aと同軸の第2開口21b、第1開口21aおよび第2開口21bの軸線と直交する上方を向く第3開口21cを備える。分岐配管側チーズ21の第1開口21aは管継手20を介して止水栓19に接続され
ている。分岐配管側チーズ21の第2開口21bには閉栓用ブッシング22が接続されている。従って、分岐配管9は、上流端および下流端が主配管8に接続されているが、分岐配管側チーズ21の下流端で封鎖されている。分岐配管側チーズ21の第3開口21cには、止水用プラグ25が着脱可能に接続されている。分岐配管側チーズ21の第3開口21cは、分岐配管9に流入する水を、分岐配管9から外部に吐き出す水吐き口である。
【0025】
ここで、
図2、
図3に示すように、ユニット本体5は、主配管8を支持するベース部材30を備える。ベース部材30は、主配管8の下方を管軸方向Xに延びる底部31と、主配管8の幅方向Yの他方側Y2に位置する壁部32と、を備える。
【0026】
図2に示すように、底部31は、1次側配管2の側の端部分に、上方に突出する第1支持部33を備える。第1支持部33には、流路切換弁11が載せられている。流路切換弁11は第1支持部33に固定されている。また、底部31は、2次側配管3の側の端部分に、上方に突出する第2支持部34および第3支持部35を備える。第2支持部34は第3支持部35の上流に位置する。第2支持部34には、仕切弁12が載せられている。仕切弁12は第2支持部34に固定されている。また、第3支持部35には、主配管側チーズ15(主配管8における分岐配管9の合流部分)が載せられている。主配管側チーズ15は、第3支持部35により下方から支持されている。
【0027】
図1、
図3に示すように、壁部32には、流路切換弁11、および主配管側チーズ15が固定されている。より詳細には、流路切換弁11には、幅方向Yの他方側Y2に突出する突出部41が設けられており、突出部41の先端部分が壁部32に固定されている。また、主配管側チーズ15には、幅方向Yの他方側Y2に突出する突部42が設けられており、突部42の先端部分が壁部32に固定されている。
【0028】
ユニットボックス6は、全体として、直方体形状をしている。ユニットボックス6は、流路切換弁11、管部材13、逆止弁14、仕切弁12、分岐配管9、およびベース部材30を収容する。
図2に示すように、ベース部材30は、ユニットボックス6の底板44に沿って延びる。
【0029】
ユニットボックス6は、その天井に開口部45を備える。開口部45は、上方から見た場合に、流路切換弁11、分岐配管9の止水栓19、および分岐配管側チーズ21(第3開口21c:水吐き口)と重なる。また、ユニットボックス6は、開口部45を開閉する蓋46を備える。
【0030】
また、ユニットボックス6は、管軸方向Xの一方の端壁50に円形の第1開口部51を備える。第1開口部51からは、主配管8の上流端部分が外側に突出する。主配管8の上端は1次側配管2に接続される。また、ユニットボックス6は、管軸方向Xの他方の端壁52に円形の第2開口部53を備える。第2開口部53からは、主配管8の下流端部分(主配管側チーズ15の下流端部分)が外側に突出する。主配管8の下流端は2次側配管3に接続される。ここで、水吐きユニット1は、ユニットボックス6の蓋46が地表に露出するようにして地中に埋設される。
【0031】
(水吐き動作)
水吐きユニット1が水道管の途中に設置された状態では、水吐きユニット1の内部の水路は、主配管8とされている。また、仕切弁12は、所定の開状態とされている。従って、1次側配管2から水吐きユニット1に流入する水は、主配管8を経由して、2次側配管3に向かう。なお、分岐配管9の止水栓19は閉状態とされている。止水用プラグ25は、分岐配管側チーズ21の第3開口21c(水吐き口)に取り付けられて当該第3開口21cを封鎖している。
【0032】
水吐きユニット1から水を吐き出す際には、ユニットボックス6の蓋46を開き、流路切換弁11を操作する。これにより、水吐きユニット1の内部の水路を、主配管8から分岐配管9に切り替える。また、止水用プラグ25を第3開口21c(水吐き口)から取り外す。その後、止水栓19を操作して閉状態とする。これにより、1次側配管2から水吐きユニット1に流入する水は、分岐配管9を流れて、閉栓用ブッシング22で堰き止められる。従って、水は、第3開口21c(水吐き口)から外部に吐き出される。
【0033】
また、流路切換弁11の操作に前後して、仕切弁12を操作して、仕切弁12を閉状態とする。これにより、主配管8における分岐配管9の分岐部分(流路切換弁11)と仕切弁12との間は、水が流通しない状態となる。なお、主配管8は逆止弁14を備えるので、水が2次側配管3の側から主配管8を逆流することがない。
【0034】
ここで、水の吐き出しを中断する際には、止水栓19を操作して、止水栓19を閉状態とする。また、水の吐き出しを停止する際には、流路切換弁11を操作して、水吐きユニット1の内部の水路を主配管8に切り替え、仕切弁12を所定の開き状態とする。これにより、1次側配管2からの水は、主配管8を経由して、2次側配管3に流れる。ここで、水吐きユニット1は、逆止弁14を備えるので、水が2次側配管3の側から逆流することがない。
【0035】
(作用効果)
本例によれば、流路切換弁11により、水吐きユニット1の内部の水路として主配管8を選択している場合には、水は主配管8を経由して1次側配管2から2次側配管3に流れる。一方、流路切換弁11により、水吐きユニット1の内部の水路として分岐配管9を選択した場合には、水は分岐配管9を流れて第3開口21c(水吐き口)に達する。従って、流路切換弁11の操作により水吐きユニット1内の水路を切り替えれば、1次側配管2から2次側配管3に流れる水を、第3開口21c(水吐き口)から外部に吐き出すことができる。従って、災害時には、水道管に水吐き口を設けるなどの施工をすることなく、水吐きユニット1から水を外部に吐き出して、被災者に供給できる。
【0036】
また、水道管の途中に水吐きユニット1を設置すれば、水道管の1次側配管2内の異物を第3開口21c(水吐き口)から外部に排出することができる。
【0037】
さらに、本例では、分岐配管9は、第3開口21c(水吐き口)の上流に止水栓19を備える。従って、止水栓19の開閉によって第3開口21c(水吐き口)からの水の吐き出しを継断できる。
【0038】
また、本例では、分岐配管9の下流端は、主配管8における分岐部分よりも下流に接続されている。これにより、分岐配管9は、上流端および下流端が主配管8に接続される。従って、分岐配管9の上流端のみが主配管8に接続されており、分岐配管9が主配管8に片持ち状態で接続されている場合と比較して、分岐配管9が安定する。また、分岐配管9に外部から力が加わった場合でも、分岐配管9と主配管8との接続部分が破損することを防止できる。
【0039】
さらに、主配管8は仕切弁12を備える。従って、1次側配管2から主配管8を介して2次側配管3に流れる水の流量を調節できる。また、主配管8は、逆止弁14を備える。従って、2次側配管3の側からの水の逆流を防止できる。
【0040】
また、本例では、主配管8を下方から支持するベース部材30が、主配管の幅方向Yの他方側Y2に位置する壁部32を備え、この壁部32に流路切換弁11と主配管側チーズ
15(主配管8と分岐配管9との合流部分)が固定されている。従って、ベース部材30により、主配管8および分岐配管9をバランスよく支持できる。
【0041】
また、分岐配管9の第3開口21c(水吐き口)には、止水用プラグ25が着脱可能に取り付けられている。よって、第3開口21c(水吐き口)から分岐配管9に異物が入り込むことを防止できる。
【0042】
さらに、本例は、流路切換弁11、分岐配管9およびベース部材30を収容するユニットボックス6を有し、ユニットボックス6は、天井に設けられた開口部45と、開口部45を開閉する蓋46と、を備える。そして、ユニットボックス6の開口部45は、上方から見た場合に、流路切換弁11、止水栓19、および第3開口21c(水吐き口)と重なる。従って、水吐きユニット1が地中に埋設される際に、ユニットボックス6によって、流路切換弁11、止水栓19、第3開口21c(水吐き口)を保護できる。従って、水吐きユニット1が地中に埋設されている場合でも、蓋46を開くことにより、地上から開口部45を介して流路切換弁11および止水栓19を操作可能となる。従って、水吐きユニット1が地中に埋設された場合でも、第3開口21c(水吐き口)から水を吐出させることができる。
【0043】
(変形例)
ここで、主配管8の逆止弁14および仕切弁12は、その一方、あるいは両方を省略することができる。
【0044】
また、分岐配管9の閉栓用ブッシング22をボール止水栓19などの止水栓19とすることができる。このようにすれば、止水栓19を開くことにより、1次側配管2から分岐配管9に流入する水を、2次側配管3へ流すことができる。
【0046】
(その他の実施の形態)
図4は、変形例の水吐きユニット1Aの平面図である。
図4では、ユニットボックス6の蓋46を取り外して示す。なお、水吐きユニット1Aは、主配管8の管部材13の替わりに、水道メータ60(流量メータ)を用いている。すなわち、水吐きユニット1Aの主配管8は、逆止弁14と流路切換弁11との間に水道メータ60を備える。なお、水吐きユニット1Aは、水道メータ60を除く他の構成は、水吐きユニット1と同一である。従って、その説明を省略する。
【0047】
本例によれば、1次側配管2から主配管8を介して2次側配管3に流れる水の流量を測定できる。すなわち、水吐きユニット1Aを、水道メータユニットとして用いることができる。従って、水道管を流れる水を、水道メータユニットから外部に供給できる。
【符号の説明】
【0048】
1…水吐きユニット、2…1次側配管、3…2次側配管、5…ユニット本体、6…ユニットボックス、8…主配管、9…分岐配管、11…流路切換弁、12…仕切弁、13…管部材、14…逆止弁、15…主配管側チーズ、15a…第1開口、15b…第2開口、15b…第2開口、15c…第3開口、18…第1エルボ、19…止水栓、20…管継手、21…分岐配管側チーズ、21a…第1開口、21b…第2開口、21c…第3開口、22…閉栓用ブッシング、23…第2エルボ、25…止水用プラグ、30…ベース部材、31…底部、32…壁部、33…第1支持部、34…第2支持部、35…第3支持部、41…突出部、42…突部、44…底板、45…開口部、46…蓋、50…一方の端壁、51…第1開口部、52…他方の端壁、53…第2開口部、60…水道メータ、X…管軸方向、
Y…幅方向、Z…上下方向