(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20221216BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20221216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221216BHJP
【FI】
F21S2/00 365
F21V21/30 300
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2019015225
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-11-18
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519036684
【氏名又は名称】エス ジー エフ アソシエイツ インク
【氏名又は名称原語表記】SGF Associates, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100114535
【氏名又は名称】森 寿夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075960
【氏名又は名称】森 廣三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155103
【氏名又は名称】木村 厚
(74)【代理人】
【識別番号】100194755
【氏名又は名称】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰樹
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07040783(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0151247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 21/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を備える照明器具本体と、照明器具本体を支持する支持具とを有する照明装置であって、
照明器具本体は球状部分を備えており、
支持具は、第1受部と、第2受部と、第1受部及び第2受部を固定するアームとを含み、
アームは、照明器具本体の球状部分を第1受部と第2受部とで挟みこんで照明器具本体の球状部分を支持する形状であり、
第1受部及び第2受部のうち少なくともいずれか一方は、円形の基部と当該円形の基部から照明器具本体の球状部分に向かって突出する円形の縁とを有するカップを備えており、
球状部分と第1受部とは、軸で支持されておらず、球状部分と第2受部とは、軸で支持されていない照明装置。
【請求項2】
照明器具本体の球状部分の周面には、複数の凹溝が設けられた形状である請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
第1受部又は第2受部は、照明器具本体の球状部分に摺接し、球状部分を回動自在に支えている請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
第1受部又は第2受部は、球状部分に対して接近又は離反する方向に変位させて、球状部分との摩擦抵抗を調節することが可能な螺子を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を備える照明器具本体と、照明器具本体を支持する支持具とを有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具本体と、支持具とを備えた照明装置としては、例えば、以下の特許文献1や特許文献2に記載されたようなものが既に知られている。
【0003】
特許文献1の照明装置は、発光素子を納める光源容器と、光源容器の背面に配される電源容器とを備える。電源容器は、支持アームによって、支持される。支持アームと、電源容器とは、ボルトによって螺子止めされている。そして、支持アームは、照明装置の設置面に対して、ボルトによって螺子止めされる。
【0004】
特許文献2の照明装置は、環状の第1枠体と、環状の第2枠体と、照明器具本体とを有する。照明器具本体は、引用文献2の
図2に示されているように、第1枠体に対して、軸支されており、上下方向に回動する。そして、環状の第1枠体は、天井等に固定された環状の第2枠体に、摺動可能な状態で内包されており、水平方向に360°回動できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-139242号公報
【文献】特開2014-143103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の照明装置は、支持アームと電源容器とを固定する螺子を第1軸とし、支持アームと接地面とを固定する螺子を第2軸とする。特許文献1の照明装置では、第2軸を中心として電源容器を回転させることにより、照明装置を水平方向に回転させ、第1軸を中心として照明装置を回転させることにより垂直方向に照明装置を回転させる。そして、第1軸及び第2軸の回転を組み合わせることによって、所望の方向に光を照射する構成である。
【0007】
特許文献2の照明装置は、照明器具本体と第1枠体とを回動可能に支える軸を第1軸とする。第1軸を中心として照明装置を回転させることにより、照明装置を垂直方向に回転させる。この照明装置は、第1枠体を水平方向に回転可能に支持する第2枠体を有する。第1枠体を第2枠体に対して回転させることにより、照明装置を水平方向に回転させる。そして、第1軸における回転と、第1枠体及び第2枠体における回転とを組み合わせることによって、所望の方向に光を照射する構成である。
【0008】
引用文献1の照明装置、引用文献2の照明装置は、共に、水平方向に対する回転と垂直方向に対する回転とを組み合わせて、照明装置の向きを変更するものである。このような、照明装置では、水平方向及び垂直方向の2つの動作を組み合わせて照明装置の向きを変更するため、照明装置の向きを変更する際の動作がぎこちなくならざるを得なかった。
【0009】
以上のような問題点に鑑みて、本発明は、照明装置の向きを円滑に変更することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
光源を備える照明器具本体と、照明器具本体を支持する支持具とを有する照明装置であって、照明器具本体は球状部分を備えており、支持具は、第1受部と、第2受部と、第1受部及び第2受部を固定するアームとを含み、アームは、照明器具本体の球状部分を第1受部と第2受部とで挟みこんで照明器具本体の球状部分を支持する形状であり、照明器具本体と第1受部とは、軸で支持されておらず、照明器具本体と第2受部とは、軸で支持されていない照明装置である。
【0011】
上記の照明装置では、照明器具本体は球状部分を備えており、この球状部分を第1受部と第2受部とによって、把持して支える構造となっている。このため、第1受部及び第2受部に対して、照明器具本体の球状部分を任意の方向に、摺動により回動させることによって、照明器具本体の向きを自由に変更することができる。
【0012】
上記の照明装置において、照明器具本体の球状部分の周面には、複数の凹溝が設けられた形状とすることが好ましい。球状部分の周面に凹溝を設けた形状とすることによって、球状部分の表面積を増大させることができる。すなわち、球状部分に放熱フィンの機能を持たせることによって、別途、放熱フィンを設ける必要がなくなる。これによって、照明装置を小型化することが可能になる。
【0013】
上記の照明装置において、第1受部又は第2受部は、照明器具本体の球状部分に摺接し、球状部分を回動自在に支える構成とすることが好ましい。これによって、照明器具本体の球状部分を安定して支えることが可能になる。
【0014】
上記の照明装置において、第1受部又は第2受部は、球状部分に対して接近又は離反する方向に変位させて、球状部分との摩擦抵抗を調節することが可能な螺子を備える構成とすることが好ましい。螺子を球状部分に接近又は離反させることによって、球状部分が回動する際の抵抗を変更することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照明装置の向きを円滑に変更することができる照明装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の照明装置を示す斜視図である。
【
図3】
図1の照明装置の照明器具本体を回動させた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の照明装置を取り付けた状態を示す図である。
【
図7】
図5の照明装置の照明器具本体を回動させた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図8の照明装置の照明器具本体を回動させた状態を示す斜視図である。
【
図11】第1受部及び第2受部の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、照明装置の実施形態として第1実施形態に係る照明装置1、第2実施形態に係る照明装置1b、及び第3実施形態に係る照明装置1cについて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
本実施形態の照明装置1は、
図1及び
図2に示したように、照明器具本体11と、照明器具本体11を支持する支持具14とを有する。まず、照明器具本体11の構成を説明し、その後、支持具14の構成を説明する。
【0019】
[照明器具本体]
照明器具本体は、光源と、照明器具本体を支持する球状部分を備える構成であればよい。
図1及び
図2の照明器具本体11は、光源として、
図2に示したように、LED素子111と、LED素子111から照射された光を反射させる反射鏡112と、反射鏡112の端部に固定されたレンズ133とを有する。
図2の例では、LED素子111は、LED素子が基盤の上に直接載せられたチップオンボードLED(COD LED)を使用している。反射鏡112は、一端と他端とに開口が設けられた円錐台状筒を使用している。筒の内面は、金属の蒸着などにより反射面とされており、入射した光を反射させる。レンズ133は、反射鏡112やLED素子111から入射した光を集光させて、所望の範囲を照らすために配置している。
図1及び
図2の例では、光源は、球状部分に内蔵されている。
【0020】
球状部分は、後述する支持具の第1受部と第2受部とによって挟み込んで支持し、回動させるのに適した形状であればよく、その具体的な形状は真球に限定されない。
図1及び
図2の照明器具本体11では、光を照射する正面部と、正面部の反対側に位置する背面部を除く、ほぼ全体が球状部分116となっている。そして、球状部分116の周面には、
図1に示したように、正面部から背面部に沿う方向(以下、前後方向と称する。)に延びる複数の凹溝114が平行に延びる形状となっている。凹溝114が設けられていない部分は、前後方向に延びる複数の突条115となっている。すなわち、凹溝114と突条115が交互に配されている。
図2に示したように、個々の突条115は、前後方向に沿って切断した断面において、略円弧状である。複数の突条115の先端部によって、照明器具本体11の外形が略球状に形作られている。すなわち、複数の突条115によって、光源を内蔵する照明器具本体11の略球形の筐体が構成されている。
【0021】
図2に示したように、球状部分116には、背面部に向かって窪んだ凹穴117が設けられている。凹穴117は、正面視において円形であり、円柱形状をしている。凹穴117は、底部の壁118と、正面視において円形に配された側壁119によって囲まれた空間となっている。この空間に、上述したレンズ133、反射鏡112、及びLED素子111が収納されている。具体的には、底部の壁118に接するようにLED素子111が配置されており、LED素子111は、固定具120によって、底部の壁118に対して固定される。固定具120は、正面視において、中央に貫通孔を有する円環状の板材である。貫通孔からLED素子111が露出する状態で固定具120と壁118との間にLED素子111を配置して、固定具120とを壁118とを螺子により連結する。底部の壁118、側壁119、及び複数の突条115は、一体に成形されたアルミニウムなどの金属で構成されている。このため、LED素子111から発せられた熱は、壁118、側壁119、複数の突条115を経て、大気中に拡散する。このように、壁118、及び側壁119は、ヒートシンクとして機能し、複数の突条115は、放熱フィンとして機能する。
【0022】
凹穴117には、
図2に示したように、レンズ133及び反射鏡112を支えるための支持部材130が嵌められている。支持部材130は、反射鏡を内包できる寸法を有する筒状体であり、基端部はLED素子111の固定具120に接触し、先端部には、レンズ133及び反射鏡を支える突起131が配されている。突起131は、支持部材130の内周面に配されるフランジ状である。反射鏡112は、その先端部分の外周部が突起131の先端に接するようにして支持される。突起131は、半径方向内側に突出するフランジ状である。レンズは、突起131の上に載せられて支持される。支持部材130は、突起131よりも先端よりの先端部の内周面に、筒状体132を固定するための螺子部を有している。筒状体132の外周面に設けられた対応する螺子部を支持部材130の螺子部に螺合させることより、筒状体132の下端部でレンズ133が抑えられ、支持部材130と、反射鏡112と、レンズ133とが一体化される。
【0023】
上記の固定具120と上記の支持部材130との間には、両者を着脱可能に固定するための永久磁石159が配されている。本実施形態では、永久磁石としてネオジウム磁石を使用している。支持部材130には、永久磁石159を収納するための窪みが設けられている。窪みに永久磁石は接着剤や螺子留めなどの適宜の手段により固定されている。固定具は、鉄などの磁性体で構成されているため、永久磁石159を備えた支持部材130を含む部材を着脱可能に固定することができる。
【0024】
本実施形態の照明装置1では、支持部材130と上記の側壁119とを連通する螺子穴に対して螺子160を螺合させている。上述の通り、支持部材130と固定具120とは、永久磁石159によって着脱可能に固定されている。磁力による固定では、外力によって、支持部材130を含む部材が意図せずに脱落する可能性がある。そこで、上記の螺子160によって、支持部材130が意図せずに脱落することを防止している。
【0025】
図2に示したように、球状部分116の背面部にも背面視において円形の凹穴121が設けられる。凹穴121も円柱状の穴となっている。底部の壁118は、正面部に設けられた円形の凹穴117と共通している。背面部の凹穴121は、背面視において円形に配される側壁122によって囲まれた空間となっている。この空間には、排熱装置124として、ファン及び駆動部125と、ファン及び駆動部を制御する基板126と、カバー127とが納められている。駆動部は小型モーターであり、駆動部とファンとはユニット化されている。
【0026】
図2に示したように、基板126は、底部の壁118に螺合された一対の第1螺子128の間に挟んで支持する。第1螺子128の上にファン及び駆動部125と、カバー127とを載せて、第1螺子128の上端部に設けられた螺子穴に、第2螺子129を螺合させて、ファン及び駆動部125とカバー127とを、背面部の凹穴121に対して固定する。
【0027】
背面側の凹穴121の側壁122は、正面側の凹穴117の側壁119、底部の壁118、及び複数の突条115と一体に成形されている。複数の突条115の基端部は、正面側の凹穴の側壁119と背面側の凹穴の側壁122とから球の外側へと突出する形状である。背面側の凹穴121の側壁122には、側壁122を貫通する通気孔123が、側壁122の内周面に沿って設けられている。この通気孔123は、背面部の凹穴121と、複数の突条115の間の空間とを連通させる。このため、排熱装置124を稼働させると、背面部から強制的に取り入れられた外気が、底部の壁118、側壁122に接触して、熱交換する。熱を帯びた空気は、通気孔123を経て、さらに側壁119、及び複数の突条115の熱を吸収しながら、照明装置1の外へと排出される。本実施形態の照明装置1では、球状部分116に光源、光源に関連する部材、及び排熱装置が内蔵されており、球状部分が放熱フィンとして機能するので、コンパクトである。
【0028】
光源の構成や、光源を固定する方法は、上記の例に限定されず、例えば、発光素子として、表面実装型LED(SMD型LED)を使用してもよいし、白熱球を使用してもよいし、反射鏡、支持部材、固定具等は省略又は構成を変更してもよい。また、例えば、レンズを複数枚使用してもよい。また、排熱装置の有無、通気孔の有無、それらの具体的構成も特に限定されない。例えば、排熱装置、それを設置するための背面部の凹穴121、又は通気孔などは省略してもよい。
【0029】
[支持具]
支持具は、第1受部と、第2受部と、第1受部及び第2受部を固定するアームを含んでおり、アームは、照明器具本体の球状部分を第1受部と第2受部とで挟み込んで照明器具本体の球状部分を支持する形状であればよい。
【0030】
本実施形態では、支持具14は、
図2に示したように、第1受部141と、第2受部142と、第1受部141及び第2受部142を固定するアーム143を含んでおり、アーム143は、照明器具本体11の球状部分116を第1受部141と第2受部142とで挟み込んで照明器具本体11の球状部分116を支持する形状となっている。
【0031】
図2に示したように、照明器具本体11の球状部分116と第1受部141とは、軸などで支持されておらず、同様に、照明器具本体11の球状部分116と第2受部142とは、軸などで支持されていない。球状部分116は、第1受部141と第2受部142とで挟み込んで、支持されている状態となっている。
【0032】
アーム143は、球状部分を第1受部と第2受部とで挟み込むことができるものであればよい。本実施形態のアーム143は、第1受部141と第2受部142とを先端部の内側に備えた一本の剛性体である金属板で構成される。この金属板は、球状部分を内包するのに足りる間隔を空けて配置される第1腕144及び第2腕145と、第1腕144の端部と第2腕145の端部を接続する基部146とからなる。基部146と第1腕144又は第2腕145との接続部分は、ラウンド形状となっている。アーム143は、全体としてU字状に構成されている。そして、第1腕144と第2腕145の先端部の内側に第1受部141と第2受部142とがそれぞれ配置されている。基部146の中ほどには、貫通孔147が配されている。支持具14を、壁や天井などの構造物に固定する際には、
図4に示したように、貫通孔147に螺子8を挿通して、壁や天井に照明装置1を固定することができる。
図4には示していないが、照明装置1のアーム143を固定するためのレールを備える部材を介して天井や壁に対して、照明装置1を固定してもよい。また、
図4には示していないが、照明装置には、電力を供給するコード類を接続してもよい。
【0033】
アームは、球状部分を第1受部と第2受部とで挟み込んで、球状部分を支える剛性を備えており、第1受部と第2受部との間に球状部分を押し込む際に、第1受部と第2受部との間隔が広がるように変形し、球状部分を嵌めた後は元の形状に戻る程度の弾性を備える素材で構成することが好ましい。たとえば、定型性と弾性変形する性質を備える金属やプラスチックで構成することができる。アームは、例えば、板材を曲げて構成することが好ましい。
【0034】
第1受部と第2受部は、球状部分を挟み込んで支持できるものであればよい。
図2の例では、第1受部141及び第2受部142は、球状部分116に摺接するカップから構成される。カップは、
図2に示したように、円形の板材から構成される基部148と、基部148から支持具14の内側に突出する円形の縁149とを有する。カップの縁149は、円形であり、円環部150を構成する。円環部150は球状部分116に線状に接触するため、比較的に小さい力で球状部分116を円環部150に対して摺動させて、球状部分116の向きを自由に変更することができる。これによって、
図3に示したように、固定された支持具14に対して自由に照明器具本体11を回動させることができる。
【0035】
支持具14と照明器具本体11とは、軸によって固定されておらず、摺動によって固定されているので、全方向に対して、円滑に回転させることが可能である。円環部は、線接触しているので、球状部分116に対する接触面積が小さいため、比較的に小さい力で球状部分116を回転させることができる。球状部分116には、複数の凹溝114が設けられているため、球状部分116と第1受部141とが接触する面積を小さくして、より円滑な操作感を得ることが可能となっている。また、複数の凹溝114が放熱フィンとして機能するため、別途、放熱フィンを設ける必要がないので、照明装置を小型化することができる。
【0036】
図2の例では、第1受部141は、プラスチックで構成されており、基部148が第1腕144に対して接面した状態で、第1腕144と基部148とが複数の螺子151によって固定されている。第2受部142も、プラスチックで構成されており、基部148が第2腕145に対して接面した状態で、第2腕145と基部148とが複数の螺子151によって固定されている。
【0037】
第1受部及び第2受部の構成は、
図2の構成に限定されず、例えば、球状部分の外形に添って湾曲する球状の面を有するパッドとしてもよい。また、
図11に示したように、第1受部141d及び第2受部142dを備えるようにアーム14dの構成を変更してもよい。
図11の例では、円形の縁149dに間欠的に切り欠き157を設けて、円環部150dが複数の球状部分116に沿う線に分断されている。なお、
図1のアーム14と共通する構成については、
図1と同様の符号を使用した。
【0038】
[第2実施形態]
第2実施形態の照明装置1bでは、
図5ないし7に示したように、照明器具本体の構成は、後述する透光部161及び支持部材130bを除いて、第1実施形態に係る照明器具本体と同様の構成であり、支持具14bの構成が第1実施形態に係る照明装置1とは異なる。
図5ないし
図7においては、第1実施形態と同様の構成を有する部材には、
図1ないし
図4で使用したのと同様の符号を使用した。
【0039】
[支持具]
本実施形態では、支持具14bは、
図5及び
図6に示したように、第1受部141bと、第2受部142bと、第1受部141b及び第2受部142bを固定するアーム143bを含んでおり、アーム143bは、照明器具本体11の球状部分116を第1受部141bと第2受部142bとで挟み込んで照明器具本体11の球状部分116を支持する形状となっている。
【0040】
アーム143bは、第1受部141bと第2受部142bとを先端部の内側に備えた一本の剛性体である金属板で構成される。この金属板は、球状部分を内包するのに足りる間隔を空けて配置される第1腕144b及び第2腕145bと、第1腕144bの端部と第2腕145bの端部を接続する基部146bとからなる。基部146bと第1腕144b又は第2腕145bとの接続部分は、ラウンド形状となっている。アーム143bは、全体としてU字状に構成されている。そして、第1腕144bと第2腕145bの先端部の内側に第1受部141bと第2受部142bとがそれぞれ配置されている。基部146bの中ほどには、貫通孔147bが配されている。
【0041】
図6の例では、第1受部141b及び第2受部142bは、球状部分116に摺接する貫通孔から構成される。貫通孔は、
図6に示したように、第1腕144b又は第2腕145bを貫通する円形の孔であり、円形の縁149bを有する。円形の縁149bは、円環部150bを構成する。円環部150bは球状部分116に線状に接触するため、比較的に小さい力で球状部分116を円環部150bに対して摺動させて、球状部分116の向きを自由に変更することができる。これによって、
図7に示したように、固定された支持具14bに対して自由に照明器具本体11を回動させることができる。
【0042】
[照明器具本体]
以下では、上記実施形態に係る照明器具1と異なる部分のみ説明する。本実施形態の照明装置1bでは、支持部材130bとして、上記の突起131を省略したものを使用している。そして、反射鏡112及びレンズ133を省略し、代わりに、ガラスやアクリル樹脂などの透明な素材で構成される透光部161を使用している。透光部161は、円錐台形状であり、LED素子111に対向する部分に上面が位置する。上面には円錐台形状の窪みを有する。透光部161の底面には、凹凸が形成されており、LED素子111から透光部161に入射する光を拡散させて、投射するように構成されている。なお、円錐台形状の上面とは下面に比して面積の小さい円が位置する部分であり、円錐台形状の下面とは上面に比して面積の大きい円が位置する部分である。
【0043】
透光部161には、光軸に交差する方向に突出するフランジ状の突起162を有する。筒状体132の下端部が突起162に接触するように構成されている。筒状体132を支持部材130bの内周面に設けられた螺子部に螺合させることによって、筒状体132の下端部で透光部161の突起162を押さえて、透光部161と、支持部材130bと、筒状体132とを一体化させている。
【0044】
[第3実施形態]
第3実施形態の照明装置1cは、その基本的な構成は、第1実施形態の照明装置1と同様であり、球状部分を回動させる際の力を調節することができる機構を備える点が相違する。
図8ないし
図10においては、第1実施形態と同様の構成を有する部材には、
図1ないし
図4で使用したのと同様の符号を使用した。
【0045】
第3実施形態では、
図8及び
図9に示したように、支持具は、第1受部141cと、第2受部142cと、第1受部141c及び第2受部142cを固定するアーム143cを含んでおり、アーム143cは、照明器具本体11の球状部分116を第1受部141cと第2受部142cとで挟み込んで照明器具本体11の球状部分116を支持する形状となっている。
【0046】
アーム143cは、第1受部141cと第2受部142cとを先端部の内側に備えた一本の剛性体である金属板で構成される。この金属板は、球状部分を内包するのに足りる間隔を空けて配置される第1腕144c及び第2腕145cと、第1腕144cの端部と第2腕145cの端部を接続する基部146cとからなる。基部146cと第1腕144c又は第2腕145cとの接続部分は、ラウンド形状となっている。アーム143cは、全体としてU字状に構成されている。そして、第1腕144cと第2腕の先端部の内側に第1受部141cと第2受部142cとがそれぞれ配置されている。基部146cの中ほどには、貫通孔147cが配されている。
【0047】
第1受部141c及び第2受部142cは、球状部分116に摺接するカップから構成される。カップは、
図9に示したように、円形の板材から構成される基部148cと、基部148cからアーム143cの内側に突出する円形の縁149cとを有する。カップの縁149cは、円形であり、円環部150cを構成する。円環部150cは球状部分116に線状に接触するため、比較的に小さい力で球状部分116を円環部150cに対して摺動させて、球状部分116の向きを自由に変更することができる。これによって、
図10に示したように、固定された支持具14cに対して自由に照明器具本体11を回動させることができる。
【0048】
第1受部141cは、プラスチックで構成されており、基部148cが第1腕144cに対して接面した状態で、第1腕144cと基部148cとが複数の螺子151cによって固定されている。第2受部も、プラスチックで構成されており、基部148cが第2腕145cに対して接面した状態で、第2腕145cと基部148cとが複数の螺子151cによって固定されている。
【0049】
第1受部141cは、
図9に示したように、球状部分に対して接近又は離反する方向にさせることができる螺子152を備えている。螺子152を球状部分116に接近するように捩じ込むことで、球状部分116と第1受部141cとの摩擦係数を増大させて、球状部分の回動を規制したり、回動操作を重くすることができる。螺子152を球状部分から離反する方向に退避させることで、球状部分116と第1受部141cとの摩擦係数を減少させて、球状部分の回動規制を解除したり、回動操作を軽くすることができる。第2受部142cもまた、螺子152を備えており、同様の操作により同様の効果を奏する。
【0050】
図9の例では、アーム143cの先端部分と、第1受部141cと、後述する規制部材153とに、それぞれを連通する貫通孔が設けられており、この貫通孔に対して螺子152が螺合されている。螺子152の先端部が球状部分116に直接接触して傷などをつけないようにシート状の緩衝材154と、緩衝材154を第1受部141cに固定するための固定具155とが、第1受部141cに設けられている。緩衝材は、螺子152の先端部を覆うように第1受部141cの基部148cに対して接面するように配置される。固定具155は、中央に貫通孔が設けられた環状体であり、緩衝材152に接面するように配され、螺子によって、第1受部に固定される。固定具155の貫通孔からは、螺子が突出できるようになっている。緩衝材152は、ゴムなどの弾性体から構成されており、滑り止めとしても機能する。第2受部142cもまた、同様の構成とされている。
【0051】
規制部材153は、第1受部141cの反対側に設けられており、アームの先端部分に接面するように固定される。規制部材は、アーム143cに設けた貫通孔と連通する貫通孔を中ほどに備える。貫通孔の周辺には、貫通孔に向かって下り勾配となる傾斜面から構成される規制部156が貫通孔の全周に配される。螺子152を捩じ込むと、螺子152の下端が規制部156に接触して、螺子の過剰な捩じ込みが防止される。これによって、球状部分の損傷や、第1受部141cの周辺部材の損傷が防止される。第2受部142cもまた同様の構成とされており、同様の効果を奏する。規制部材153の形状は特に限定されないが、
図8の例では、円盤状の部材である。
【符号の説明】
【0052】
11 照明器具本体
14 支持具
14b 支持具
14c 支持具
116 球状部分
141 第1受部
141b 第1受部
141c 第1受部
142 第2受部
142b 第2受部
142c 第2受部
143 アーム
143b アーム
143c アーム
114 凹溝
152 螺子