(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】除塵機のスクリーン構造
(51)【国際特許分類】
E02B 5/08 20060101AFI20221216BHJP
B01D 29/00 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
E02B5/08 101A
B01D23/02 B
(21)【出願番号】P 2019077486
(22)【出願日】2019-04-16
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501126478
【氏名又は名称】水機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 秀昭
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-050330(JP,A)
【文献】特開2009-030347(JP,A)
【文献】特開平06-228935(JP,A)
【文献】特開2009-243263(JP,A)
【文献】特開2006-214150(JP,A)
【文献】特開2009-270350(JP,A)
【文献】実開平04-015624(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/08
B01D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路内に設置される除塵機のスクリーン構造であって、
左右に一対の縦枠部材と、
上下方向に複数段に分けて相互に平行に配置した支持バーを有し、
前記複数の支持バーはそれぞれ両端部にて前記縦枠部材と連結してあり、
水路を横切る方向に相互平行に配置した同じ奥行幅の複数のスクリーンバーを有し、
前記スクリーンバーの後部側を前記複数の支持バーに連結支持して
あり、
前記スクリーンバーは後部側に突設した上下一対の連結片を有し、
前記上下の連結片の間に前記支持バーを差し込み連結支持してあることを特徴とする除塵機のスクリーン構造。
【請求項2】
前記複数の支持バーは縦方向の補助部材で補強されていることを特徴とする請求項1記載の除塵機のスクリーン構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川や水路に設置し、流水から塵芥を除去するための除塵機に関し、特にそのスクリーン構造に係る。
【背景技術】
【0002】
水路等に設置される除塵機にあっては、流水によって運ばれてくる塵芥をスクリーンにて除去するとともに、流水を下流側に安全に流下させることが必要なことから、スクリーンに沿って上方側に塵芥を掻き揚げ搬出するレーキが取り付けられている。
従って、スクリーンにはレーキの櫛歯による塵芥の掻揚性が要求されるとともに、流水抵抗に対する剛性が要求される。
【0003】
特許文献1には、形状の異なる2種類のバー2A,2Bを交互に並設したスクリーン構造を開示する。
しかし、同公報に開示するスクリーン構造にあっては、2種類のバー2A,2Bの並設により、下流側であるバーの後端部の位置がバラバラになるため、バーの剛性を確保するのが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造が簡単でありながら、高剛性でレーキによる塵芥の掻揚性に優れた除塵機のスクリーン構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水路内に設置される除塵機のスクリーン構造であって、左右に一対の縦枠部材と、上下方向に複数段に分けて相互に平行に配置した支持バーを有し、前記複数の支持バーはそれぞれ両端部にて前記縦枠部材と連結してあり、水路を横切る方向に相互平行に配置した同じ奥行幅の複数のスクリーンバーを有し、前記スクリーンバーの後部側を前記複数の支持バーに連結支持してあることを特徴とする。
ここで、スクリーンバーは後部側に突設した上下一対の連結片を有し、前記上下の連結片の間に前記支持バーを差し込み連結支持してあるのが好ましい。
この場合に、複数の支持バーは縦方向の補助部材で補強されていてもよい。
【0007】
ここで縦枠部材は、水路の幅方向両側に沿って、それぞれ下端側が上流側に位置し、上端側がそれよりやや下流側に位置するように斜め上方に向けて左右一対に設けられる。
また、複数段に分けて略水平方向に配置される支持バーは、縦枠の傾きに合せて下段から上段に向けて下流側に斜めに少しずつずれながら、この縦枠に両端部が連結される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るスクリーン構造にあっては、複数のスクリーンバーの後端部を横方向(略水平方向)に配置した支持バーで支えるように連結したので、構造が簡単でありながら高剛性である。
また、スクリーンバーの後端部で支持バーに連結したので、レーキの歯がスクリーンバーの間に沿って上昇する際に、特許文献1に記載されている横方向の連結棒がバーの側面を貫通するように配置されているのと比較して、レーキの歯が届かないデットスペースが少なくなり、塵芥の掻揚性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るスクリーン構造を適用した自動除塵機の例を示し、(a)は正面図、(b)は断面略図を示す。
【
図2】レーキの一部及びスクリーンの部分斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るスクリーン構造の例を以下、図に基づいて説明する。
図1は、自動除塵機の例を示すが、本発明はスクリーン構造に特徴があるので、他の部分は模式的に示し、簡略化してある。
図2は、スクリーン付近の部分拡大斜視図を示す。
SUS等のバー材からなる縦枠部材12,12を両側に配置し、その間に上下方向に所定の間隔を設けて、水平方向に配置した複数段の支持バー13を有する。
支持バー13の両端部は、それぞれ左右の縦枠に溶接等にて連結してある。
縦枠部材12は、水路中において下端側が上流側に位置し、上端側はそれよりも下流側に位置するように傾斜している。
【0011】
図2に示すように、上下方向に配置した複数のスクリーンバー11が複数段の支持バー13により、このスクリーンバー11の後端部側が支えられるように斜めに配置されている。
複数のスクリーンバー11は、相互に平行に配置してあり、スクリーンの目開き部を形成する。
このスクリーンの目開き部に沿って、レーキ11のくし状の複数の歯1aが上昇することで、目開き部に有していた塵芥が掻き揚げられ、上部側から搬出される。
レーキ1は、駆動部2により塵芥を掻き上げながら上昇する。
図示を省略したが、レーキ1が下降する際には、レーキの歯1aがスクリーンバーの目開き部から離間させた状態になる。
【0012】
スクリーンバー11は、SUS等のバー材からなり、後端部から突設した上下一対の連結片からなる連結部11aを有する。
この上下一対の連結片の間の凹部に、水平方向に配置したバー材からなる支持バーの前端部側を差し込むように連結支持させてある。
この連結部11aは、支持バー13と溶接接合してある。
この状態の横断面図を
図3に示す。
複数のスクリーンバー11の前後方向の幅寸法(奥行幅)は、皆同じであり、スクリーンバー11の後端部が横方向に一直線上になるように配置してある。
即ち、スクリーンバー11の前端側も横方向に一直線上に並んでいるので、レーキ1に複数の歯1aをくし状に配置してある歯1aの先端部の目開き部に入り込む深さが均一になる。
また、スクリーンバー11の後端部から突設させた上下一対の連結片により形成した連結部11aの凹部の深さを調整することにより、スクリーンバー11の後端部11bと支持バー13の前端部13aとの間に所定の隙間dを有するようにしてもよい。
このようにすると、隙間dを有することで、レーキ1の歯1aの先端部1bがスクリーンバー11の後端部11bよりも下流側に位置するように設定することができ、掻き揚げ時のデットスペースが解消する。
【0013】
図3は、スクリーンの右側半分の横断面図であり、左右にそれぞれ上下方向に配置した断面L字形状の補助部材14にて補強した例になっている。
【符号の説明】
【0014】
1 レーキ
1a 歯
11 スクリーンバー
11a 連結部
12 縦枠部材
13 支持バー
14 補助部材