(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 304D
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2020111006
(22)【出願日】2020-06-27
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
【審査官】荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-011134(JP,A)
【文献】特開2019-024535(JP,A)
【文献】特開2021-016494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤及び装飾部材が備えられ、それらを別の遊技盤及び装飾部材に交換して機種変更を行うことが可能な遊技機であって、
同じ機種の前記遊技盤と前記装飾部材が備えられているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に応じて出力を行う判別結果出力手段と、を備え
、
前記判別手段には、
前記装飾部材が取り付けられる支持部材に設けられる複数のスイッチと、
前記装飾部材に設けられ、前記支持部材に取り付けられると前記複数のスイッチの少なくとも1つのオンオフを切り替えるスイッチ切替部と、が備えられ、
前記スイッチのオンオフに応じて異なる出力を行って、前記複数のスイッチのオンオフパターンを報知するスイッチパターン報知手段を備える遊技機。
【請求項2】
前記スイッチパターン報知手段は、各前記スイッチに対応して設けられ前記スイッチのオンオフにより発光態様を異ならせる発光部を有し、
前記発光部は、複数の発光素子からなる、請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機は、遊技盤等の組付けられた構成部材を複数備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-183457号公報(段落[0082]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、遊技盤と他の構成部材とを、別の遊技盤及び構成部材と交換して遊技機の機種変更を行うことが考えられる。このように構成部材を交換する場合、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機が製造されるという問題が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、遊技盤及び装飾部材が備えられ、それらを別の遊技盤及び装飾部材に交換して機種変更を行うことが可能な遊技機であって、同じ機種の前記遊技盤と前記装飾部材が備えられているか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に応じて出力を行う判別結果出力手段と、を備え、前記判別手段には、前記装飾部材が取り付けられる支持部材に設けられる複数のスイッチと、前記装飾部材に設けられ、前記支持部材に取り付けられると前記複数のスイッチの少なくとも1つのオンオフを切り替えるスイッチ切替部と、が備えられ、前記スイッチのオンオフに応じて異なる出力を行って、前記複数のスイッチのオンオフパターンを報知するスイッチパターン報知手段を備える遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機の製造を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】前面扉から取り外されたトップユニットの正面図
【
図4】前面扉から取り外されたトップユニットの斜視図
【
図11】前板部材に取り付けられた複数のスイッチの背面斜視図
【
図18】固定部に取り付けられたトップユニットの背面図
【
図19】トップユニットが前面扉に取り付けられたときのスイッチの背面図
【
図22】別の機種のトップユニットが前側扉に取り付けられたときのスイッチの背面図
【
図25】別の機種のトップユニットが取り付けられた遊技機の正面図
【
図26】トップユニットが取り外された遊技機の正面図
【
図28】(A)遊技機の設定画面の正面図、(B)トップユニットの設定画面の正面図
【
図29】異常報知が解除されて遊技が開始された遊技機の正面図
【
図30】(A)トップユニットが取り付けられたときのスイッチ押圧部とフォトセンサの概念図、(B)トップユニットが取りつけられたときのフォトセンサの信号を表す表、(C)別の機種のトップユニットが取り付けられたときのスイッチ押圧部とフォトセンサの概念図、(D)別の機種のトップユニットが取りつけられたときのフォトセンサの信号を表す表
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び
図2に示されるように、本開示のパチンコ遊技機10(以下、単に「遊技機10」という。)は、遊技盤11Zと、遊技盤11Zを支持する支持枠12と、その支持枠12の前面を覆う前面扉30と、を備え、前面扉30の窓部30Wを通して遊技盤11Zの前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0009】
図2に示されるように、前面扉30は、前方から見ると支持枠12の略全体を覆う縦長の矩形状をなし、支持枠12と左端部同士がヒンジ結合されている。前面扉30は、通常時は支持枠12に重ねられた閉状態で右下の施錠部10Kにて施錠されている。なお、前面扉30の窓部30Wは、前面扉30に形成された前面開口30K(
図1参照)に後方から取り付けられた透光板(例えば、硝子板又はアクリル板)からなる。
【0010】
前面扉30のうち窓部30Wより下方には、上皿30U及び下皿30Dが上下に並べて設けられると共に、下皿30Dの右方には、発射ハンドル30Sが設けられている。発射ハンドル30Sを回動操作すると、上皿30Uに貯留された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技領域R1には、第1及び第2始動入賞口14A,14Bと大入賞口15が備えられ、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14Bに遊技球が入球すると特図当否判定が行われる。特図当否判定の結果は、遊技領域R1に設けられた表示部13にて報知される。大入賞口15は、通常は、可動扉15Tで閉塞されて遊技球が入球困難な状態になっていて、上記特図当否判定の結果が当りとなったときに開放されて遊技球が入球可能な状態となる。なお、第2始動入賞口14Bは、通常は開閉部材14Cで閉塞されていて、遊技領域R1に設けられた始動ゲート18への遊技球の入球により行われる普図当否判定で当りになると、開閉部材14Cにより開放される。また、遊技領域R1には、図示しない一般入賞口も設けられている。なお、上述した始動入賞口14A,14B、大入賞口15又は一般入賞口に遊技球が入球すると、賞球が上皿30Uに払い出される。
【0012】
さて、
図2に示されるように、前面扉30は、窓部30Wを囲む枠状の前面装飾部32を前面に備えている。前面装飾部32は、窓部30Wより下側の下部装飾部33と、窓部30Wの両側方の側縁装飾部34と、窓部30Wより上側の上部装飾部35と、を有している。なお、下部装飾部33は、上皿30U、下皿30D及び発射ハンドル30Sを有している。また、前面装飾部32は、前面開口30Kが形成されたベース枠30B(
図1参照)の前側に重ねられた状態で後側からネジ止め等で固定されている。
【0013】
図3~
図5に示されるように、上部装飾部35は、装飾ベース部36と、トップユニット60と、からなる。上部装飾部35のうち装飾ベース部36は、ベース枠30Bに後側からネジ止め等で固定されている。トップユニット60は、装飾ベース部36に対して交換可能に取り付けられる装飾部材である。
【0014】
以下では、上部装飾部35について詳説する。まず、上部装飾部35のうち装飾ベース部36について説明する。
図5に示されるように、装飾ベース部36は、ベース枠30Bにネジ止めされる第1ベース構成体37と、第1ベース構成体37の前面を覆う第2ベース構成体40と、第2ベース構成体40の上面を覆うベースカバー55と、を有している。第1ベース構成体37は、正面形状がベース枠30Bの上端部の形状と略同一の箱状をなし、前面側の左右方向の両端部にスピーカ24を有している。
【0015】
図5及び
図6に示されるように、第2ベース構成体40は、第1ベース構成体37の前面に重ねられる固定部41と、トップユニット60を支持するための装飾支持部材45と、第2ベース構成体40の前端部に位置する前板部材50と、を有している。固定部41は、第1ベース構成体37の前面に重ねられる後板42と、後板42の下端部から前方へ張り出した張り出し部43とを有し、その張り出し部43の上に装飾支持部材45が固定されている。なお、張り出し部43は前方に向かうにつれて上方へ近づくように傾斜していて、その下面(前面)は、前方から視認可能となり、装飾が施されている。
【0016】
図7及び
図8に示されるように、装飾支持部材45は、ケース46の内部に、押圧操作部材47と、1対の直動支持部材48と、押圧操作部材47と直動支持部材48との間を連絡する中継部材47Sと、圧縮コイルばね49と、を収容してなる。ケース46は、下面開放の上側ケース46Uと上面開放の下側ケース46Dとを備えている。上側ケース46Uの上面は、左右方向の中央部が陥没していて、その中央に中央貫通孔が形成され、この中央貫通孔の外縁からは起立壁46Bが上方へ突出している。上側ケース46Uの上面のうち、左右方向の両端部には、端部貫通孔46Cが形成されている。また、上側ケース46Uの前面には、左右方向の両端部に、上方へ起立した端部突出部46Aが形成されている。下側ケース46Dは、上側ケース46Uの両端部の下方に1つずつ配置され、側方へ開放した下部開放部46Eが形成されている。
【0017】
押圧操作部材47は、起立壁46Bの平面形状より一回り小さい平面正方形のブロック状をなし、起立壁46B内に配置されている。押圧操作部材47は、起立壁46Bをガイドとして上下方向に直動可能になっていて、通常は、上端部が起立壁46Bから突出している。また、押圧操作部材47の前後方向の両端には、下方へ突出した突出部47Aが形成されている。
【0018】
1対の直動支持部材48は、押圧操作部材47の下方で前後方向に並んで配置されており、前側(
図8における後側)の直動支持部材48は、押圧操作部材47より僅かに左方位置(
図8における右方位置)から右方(
図8における左方)へ延びた直線部48Aと、直線部48Aの先端に配置されたフック部48Fと、を有している。
図9に示されるように、直線部48Aは、下壁48A1と、下壁48A1から上方に突出した複数のリブ48A2と、を有している。フック部48Fは、上下方向に延びた鉛直部48Rと、鉛直部48Rの上端から右方へ延びた上フック部48Sと、鉛直部48Rの下端から右方へ延びた下フック部48Tと、を有している。上フック部48Sの右端部は、ケース46の右端寄り位置に配置され、上方から見て右側の端部貫通孔46Cから露出している一方、下フック部48Tの右端部は、上フック部48Sの右端よりも右方に位置し、下側ケース46Dの下部開放部46Eから右方へ突出している。
【0019】
後側の直動支持部材48は、上方から見て、押圧操作部材47の平面形状の中点を中心に前側の直動支持部材48と点対称に配置されている。即ち、後側の直動支持部材48は、押圧操作部材47より僅かに右方位置から左方へ延びていて、上フック部48Sの左端部は、ケース46の左端寄り位置に配置され、上方から見て左側の端部貫通孔46Cから露出している一方、下フック部48Tの左端部は、上フック部48Sの左端よりも左方に位置し、下側ケース46Dの下部開放部46Eから左方へ突出している。また、フック部48Fの前後方向の幅は、直線部48Aの前後方向の幅より大きくなっていて、前側の直動支持部材48では後方に突出する一方、後側の直動支持部材48では前方に突出し、両者の前後方向での位置は略同一になっている。
【0020】
これら1対の直動支持部材48は、ケース46に形成された図示しないレールにガイドされて左右方向に直動可能になっている。そして、1対の直動支持部材48は、それぞれ圧縮コイルばね49により付勢されている。具体的には、
図8及び
図9に示されるように、1対の直動支持部材48の下方には、それぞれに対応する圧縮コイルばね49が前後に並んで配置されている。前側の圧縮コイルばね49の左端は、前側の直動支持部材48の左端部に固定され、前側の圧縮コイルばね49の右端は、ケース46に固定されている。これにより、前側の直動支持部材48は、可動範囲の右端に付勢されている。前側の直動支持部材48が可動範囲の右端に配置されると、上フック部48Sの一部がケース46の右側の端部貫通孔46Cから上方から見て露出し、下フック部48Tの一部がケース46の右端部の下部開放部46Eから突出する。
【0021】
一方、後側の圧縮コイルばね49の右端は、後側の直動支持部材48の右端部に固定され、後側の圧縮コイルばね49の左端は、ケース46に固定されている。これにより、後側の直動支持部材48は、可動範囲の左端に付勢されている。後側の直動支持部材48が可動範囲の左端に配置されると、上フック部48Sの一部がケース46の左側の端部貫通孔46Cから上方から見て露出し、下フック部48Tの一部がケース46の左端部の下部開放部46Eから突出する。
【0022】
同図に示されるように、押圧操作部材47と1対の直動支持部材48との間には、L字状の中継部材47Sがそれぞれ配置されている。中継部材47Sは、L字の角部がケース46に軸支されて回動可能になっている。前側の中継部材47Sは、押圧操作部材47の少し左下に軸支され、第1壁47S1が右方へ延び、第2壁47S2が下方へ延びている。第1壁47S1の上面は、押圧操作部材47の突出部47Aに当接している。また、前側の直動支持部材48には、中継部材47Sの第2壁47S2に左側から当接する位置にリブ48A2が配置されている。一方、後側の中継部材47Sは、押圧操作部材47の少し右下に軸支され、第1壁47S1が左方へ延び、第2壁47S2が下方へ延びている。そして、前側の中継部材47Sと同様に、第1壁47S1の上面が押圧操作部材47の突出部47Aに当接し、第2壁47S2が、後側の直動支持部材48のリブ48A2に左側から当接される。
【0023】
上述したように、前側の直動支持部材48は右方へ付勢され、後側の直動支持部材48は左方へ付勢されている。これにより、装飾支持部材45では、常には、前側の直動支持部材48が可動範囲の右端に位置する一方、後側の直動支持部材48が可動範囲の左端に位置し、それぞれの上フック部48Sが上方から見て端部貫通孔46Cから露出すると共に、それぞれの下フック部48Tが下部開放部46Eから突出する。そして、中継部材47Sは、第2壁47S2が直動支持部材48に押されることにより第1壁47S1が水平になる姿勢に配置され、押圧操作部材47を押し上げる。これにより、押圧操作部材47が起立壁46Bから突出した状態になる。
【0024】
そして、押圧操作部材47が押し下げられると、
図10に示されるように、押圧操作部材47が各中継部材47Sを回動させ、各中継部材47Sが直動支持部材48を押し込むことで、前側の直動支持部材48が左方へ移動し、後側の直動支持部材48が右方へ移動する。すると、上フック部48Sの大部分が上方から見て端部貫通孔46Cより内側に配置された状態(端部貫通孔46Cからほとんど露出しない状態)となると共に、下フック部48Tの大部分が下部開放部46Eより内側に配置された状態(下部開放部46Eからほとんど露出しない状態)となる。以上が装飾支持部材45についての説明である。
【0025】
図4及び
図5に示されるように、装飾支持部材45のケース46の前面に、上述した前板部材50が重ねられて前側からネジ止めされている。
図11に示されるように、前板部材50は、前板本体51と、複数の発光素子が取り付けられた発光基板52と、複数のスイッチ53と、を有している。前板本体51は、長方形の前壁51Aと、前壁51Aの外縁全周から後方に突出した突壁51Bと、を有する透光部材からなる。発光基板52は、前板本体51の前壁51Aより一回り小さい大きさをなして前壁51Aの後側に配置されていて、発光素子から出射された光が前板本体51を透過して前側から視認可能となっている。また、突壁51Bの上辺部の後端側部分には、左右方向に延びる切欠き部51Uが形成されている。前板本体51は、前壁51Aの上側が後方に位置するように傾斜して配置されており、発光基板52も前板本体51の前壁51Aに沿って傾斜している。
【0026】
図11に示されるように、複数のスイッチ53は、前板本体51の上端部に後側から固定され、左右方向に並んでいる。本実施形態では、複数のスイッチ53は、前板部材50の右側(
図11における左側)部分に4つまとめて配置されていると共に、前板部材50の左側(
図11における右側)部分に3つまとめて配置されている。右側の4つのスイッチ53群と、左側の3つのスイッチ53群とは、それぞれ左右のスイッチ固定具54を介して前板本体51に固定されている。
【0027】
図12には、右側のスイッチ固定具54のみが外れた状態の前板本体51が示されている。同図に示されるように、スイッチ固定具54は、上板54Aと後板54Bとを有し、かつ、上板54Aと後板54Bとにかけて延びたスリット54Cが4本(左側のスイッチ固定具54では3本)形成されている。また、後板54Bには、4本(又は3本)のスリット54Cよりも外方に、後方に突出した1対のシャフト支持部54Dが形成されている。1対のシャフト支持部54Dの間には、シャフト53Sが固定されている。このスイッチ固定具54は、後板54Bが前板本体51の前壁51Aにネジ止めされることで固定されている。
【0028】
図12及び
図13に示されるように、スイッチ53は、シャフト53Sに挿通される円筒部53Aと、円筒部53Aから後方に延びた押圧板53Bと、円筒部53Aの外周面から張り出して周方向に延びた遮光板53Cと、を有している。詳細には、押圧板53Bは、円筒部53Aの後側上端部から略水平に延びた長方形板状をなしている。遮光板53Cは、シャフト53Sと垂直な扇状をなし、押圧板53Bの下面から円筒部53Aの前下部分まで延びている。シャフト53Sには、スイッチ53と共にトーションバネ53Xが挿通されている。トーションバネ53Xの両端部は、押圧板53Bの下面とスイッチ固定具54の後面とに当接していて、このトーションバネ53Xにより、スイッチ53は、押圧板53Bが略水平になる原点姿勢に付勢されている。なお、スイッチ53は、円筒部53Aから突出した突起部53Tがスイッチ固定具54に形成されたストッパ部54Sに当接することで位置決めされる。
【0029】
そして、スイッチ53の押圧板53Bが、トーションばね53Xの付勢力に抗して押し下げられると、スイッチ53が、シャフト53S回りに回動して、押圧板53Bが後側に下る傾斜姿勢となる。スイッチ53が傾斜姿勢になると、このスイッチ53に対応するフォトセンサSが、押圧板53により遮光され、オンになる(
図14参照)。なお、スイッチ53が原点姿勢となっているときには、フォトセンサSは遮光されず、オフとなる。
【0030】
詳細には、フォトセンサSは、各スイッチ53に対応して7つ、発光基板52に取り付けられている。各フォトセンサSは、スイッチ53の押圧板53が進入する隙間をあけて左右方向で対向する発光部52F1と受光部52F2とを有し、スイッチ53の円筒部53Aの前側やや斜め上方に配置されている。そして、発光部52F1から受光部52F2への光が、スイッチ53の姿勢変化によって押圧板53で遮られるか否かにより、フォトセンサSのオンオフが切り替えられる。なお、前板部材50が装飾支持部材45に重ねられた状態では、各スイッチ53が、装飾支持部材45の上側ケース46Uの1対の端部突出部46Aの間に配置される。
【0031】
図4及び
図5に示されるように、ベースカバー55は、前板部材50の後部と第1ベース構成体37の前端部との間に亘って配置された帯板状をなす。詳細には、前板部材50の切欠き部51Uに嵌り、装飾支持部材45の上側ケース46Uの左右の端部貫通孔46Cの間の上方に配置される長方形状の第1構成部55Aと、第1構成部55Aより後方に配置され、装飾支持部材45の上側ケース46Uのうち端部貫通孔46Cより後側部分に重ねられる第2構成部55Bと、第1ベース構成体37の前端部に重ねられる第3構成部55Cと、を有している。ベースカバー55は、後方へ向かうにつれて下るように傾斜している。なお、ベースカバー55では、左右方向の長さが、第1構成部55A、第2構成部55B、第3構成部55C、の順で長くなっていて、前後方向の長さが、第3構成部55C、第2構成部55B、第1構成部55Aの順で長くなっている。
【0032】
ベースカバー55の第1構成部55Aには、左右方向の中央に、開口55Kが形成され、この開口55Kには、前辺部を中心に回動可能な可動蓋57が取り付けられている。この開口55Kは、装飾支持部材45の押圧操作部材47の上方に位置し、可動蓋57を開くと押圧操作部材47が操作可能となる。また、第1構成部55Aの側縁と第2構成部55Bの前縁とにより構成される切り欠き58からは、端部貫通孔46Cが上方から見て露出している。
【0033】
第1構成部55Aにおける開口55Kの左右には、左右方向に延びた貫通孔56がそれぞれ形成されている。右側の貫通孔56は、右側の4つのスイッチ53群の上方に配置され、左側の貫通孔56は、左側の3つのスイッチ53群の上方に配置される。
図13に示されるように、貫通孔56は、スイッチ53のうち押圧板53Bの前端寄り位置から後端寄り位置までの間を露出させ、ベースカバー55(及び前板本体51の突壁51B)は、フォトセンサSからシャフト53Sまでの間を上方から覆っている。
【0034】
次に、トップユニット60について説明する。
図15及び
図16に示されるように、トップユニット60は、脱着ベース61に、湾曲横板65と、上部装飾板66と、を取り付けてなる。脱着ベース61は、右側脚部62と、左側脚部63と、右側脚部62と左側脚部63とを連絡する連絡部64と、を有し、全体形状が下向き「コ」の字状になっている。なお、右側脚部62及び左側脚部63は、互いに左右対称な形状をなしている。
【0035】
図15、
図16及び
図17に示されるように、連絡部64は、左右方向に延び、右側脚部62と左側脚部63との上端部同士の間に延びる第1構成部64Aと、第1構成部64Aの左右方向の両端部から下方へ延び、右側脚部62及び左側脚部63の内側部材62S,63Sの取り付け凹部62V,63Vにネジ止めされる1対の第2構成部64Bと、1対の第2構成部64Bの下端部の前端同士の間を連絡する第3構成部64Cと、を有している。第1構成部64Aには、上部装飾板66を取り付けるための支持板64A1が設けられている。また、連絡部64には、第1構成部64Aの左右方向の両端部と、1対の第2構成部64Bの下端部とに、下方へ延びたのち内側に曲がった固定用フック64Fが備えられている。これら固定用フック64Fは、装飾ベース部36の上フック部48S及び下フック部48Tと係合する(
図9参照)。
【0036】
なお、右側脚部62及び左側脚部63には、装飾シート61Sが収納可能となっている。具体的には、装飾シート61Sは、右側脚部62と左側脚部63の後面にそれぞれ開口したスリット62R,63Rに挿入されている。
【0037】
図17に示されるように、湾曲横板65は、左右方向に延びかつ前方に大きく湾曲した形状をなし、脱着ベース61の連絡部64に固定される。詳細には、湾曲横板65は、連絡部64の第1構成部64Aと第3構成部64Cとの間に差し渡される幅をなし、それら第1構成部64A及び第3構成部64Cにネジ止めされる。
【0038】
図15及び
図16に示されるように、上部装飾板66は、装飾板本体67とその前方に配置される装飾カバー69とからなる。装飾板本体67は、平面異形の板状をなす板部67Aと、板部67Aの後面に形成された後面支持突部67Bと、が一体成形されてなる。装飾カバー69は、装飾板本体67の板部67Aを一回り大きくした形状の透明部材からなり、板部67Aにネジ止めされている。
【0039】
後面支持突部67Bは、板部67Aの後面から突出した複数のリブ67Rを有し、それらリブ67Rの一部が、脱着ベース61の連絡部64の支持板64A1にネジ止めされている。そして、後面支持突部67Bの複数のリブ67Rのうち、板部67Aの下辺に沿って延びた下辺リブ67R1からは、スイッチ押圧部68が下方に突出している。
【0040】
スイッチ押圧部68は、装飾板本体67の右部と左部とに1つずつ配置され、下辺リブ67R1から垂下しかつ左右方向に延びる上側垂下壁68Aと、上側垂下壁68Aからさらに下方へ垂下した下側垂下壁68Bと、を有している。
図18に示されるように、右側のスイッチ押圧部68の上側垂下壁68Aは、装飾ベース部36(
図4参照)の右側の4つのスイッチ53群の上方に配置され、右側の4つのスイッチ53群の右端寄り位置から左端寄り位置までの間を延びていて、左側のスイッチ押圧部68の上側垂下壁68Aは、左側の3つのスイッチ53群の上方に配置され、左側の3つのスイッチ53群の右端寄り位置から左端寄り位置までの間を延びている。これら上側垂下壁68Aは、装飾ベース部36の各スイッチ53に当接しない。
【0041】
図18に示される装飾板本体67では、下側垂下壁68Bは、右側のスイッチ押圧部68にのみ設けられている。この下側垂下壁68Bは、右側のスイッチ押圧部68の上側垂下壁68Aの右端から、上側垂下壁68Aの左右方向の長さの1/2~1/3程の範囲に配置されていて、右側の4つのスイッチ53群のうち右側の2つのスイッチ53の押圧板53Bを押圧する(
図18及び
図19参照)。
【0042】
次に、トップユニット60の装飾ベース部36への着脱操作について説明する。トップユニット60を装飾ベース部36に装着する際は、
図17に示されるように、トップユニット60を装飾ベース部36の上方に配して徐々に下ろしていく。そして、トップユニット60の第1構成部64Aの固定用フック64Fが装飾ベース部36のベースカバー55の切り欠き58(及び端部貫通孔46C)を通過し、トップユニット60の第2構成部64Bの固定用フック64Fが装飾ベース部36の装飾支持部材45の上側ケース46Uの外方に配置される位置でトップユニット60をさらに下ろしていく。すると、トップユニット60の各固定用フック64Fが装飾ベース部36の上フック部48S及び下フック部48Tの上面に当接し、圧縮コイルばね49を弾性変形させながら直動支持部材48を内側へ直動させる。そして、各固定用フック64Fが上フック部48S及び下フック部48Tを通り過ぎると、圧縮コイルばね49が弾性復帰して直動支持部材48を戻し、各固定用フック64Fの上面と上フック部48S及び下フック部48Tの下面とが対向して、各固定用フック64Fと上フック部48S及び下フック部48Tとが係合し(
図9参照)、トップユニット60が装飾ベース部36に装着される。このとき、トップユニット60のスイッチ押圧部68の下側垂下壁68Bが対応するスイッチ53を押圧し、フォトセンサSがオンになる。また、トップユニット60が装飾ベース部36に装着されると、トップユニット60のスリット62Rの一部が装飾ベース部36に覆われ、装飾シート61Sを抜き出すことができなくなる。
【0043】
なお、トップユニット60が装飾ベース部36に装着されると、トップユニット60の内側部材62S,63Sに形成された係合部62S3,63S3(
図17参照)が、装飾ベース部36に形成された係合部36K(
図5参照)に係合する。
【0044】
トップユニット60を装飾ベース部36から取り外す際は、装飾ベース部36におけるベースカバー55の可動蓋57を開き、押圧操作部材47を下方へ押し込む。すると、直動支持部材48が内側に直動し、各固定用フック64Fと上フック部48S及び下フック部48Tとの係合が解除されるので(
図10参照)、押圧操作部材47を下方へ押し込んだままトップユニット60を持ち上げることでトップユニット60が取り外せる。
【0045】
本実施形態のトップユニット60では、湾曲横板65及び上部装飾板66には、遊技盤11Zの種類に応じた装飾(
図2に示す例では、犬の装飾)が施されている一方、脱着ベース61には、装飾シート61Sを除き、遊技盤11Zの種類に応じた装飾が施されていない。装飾シート61Sには、例えば、遊技盤11Zの種類に応じた装飾(
図2に示す例では、「ABC」という文字)が施されている。なお、本実施形態の遊技機10には、後述するように、トップユニット60の上部装飾板66に一体形成されたスイッチ押圧部68の下側垂下壁68BによりオンになったフォトセンサSの組合せが、遊技盤11Zの種類と対応しているか否かを判別する判別手段が設けられている。
【0046】
さて、遊技機10は、遊技ホールに備えられた遊技島に支持枠12が固定されて設置される。そして、例えば、一定期間(例えば、3~6箇月)に亘って使用されると、遊技機10の遊技盤11Zを新規の遊技盤11Yに交換する、所謂、「盤替え」が行われる。
図20~
図22には、新規の遊技盤11Yが取り付けられ、所謂、「新台」となった遊技機10が示されている。以下、盤替え前の遊技盤11Zと新規の遊技盤11Yとを、適宜、「旧遊技盤11Z」、「新遊技盤11Y」と記載して区別する。また、遊技盤11Z,11Yを区別しない場合には、単に遊技盤11ということとする。
【0047】
ところで、遊技機10の旧遊技盤11Zを単に新遊技盤11Yに交換すると、新遊技盤11Yの遊技の演出内容と前面扉30とがマッチしなくなるという問題が生じ得る。また、新台となったパチンコ遊技機10を一見しただけでは(特に、斜め前方から見ただけでは)、新遊技盤11Yに交換されていることに気づかなかったり、気づいてもパチンコ遊技機10の外観上、新鮮味に欠けるという問題が生じ得る。一方、旧遊技盤11Zの交換と共に前面扉30も交換する、所謂「新台入替」を行うと、上記した問題は解消されるが、大きな手間と費用が問題になる。
【0048】
これに対し、本実施形態の遊技機10は、旧遊技盤11Zから新遊技盤11Yへの交換に伴って、前面扉30のトップユニット60も交換することができるようになっている。その新規のトップユニット60と旧遊技盤11Z用のトップユニット60とでは、脱着ベース61が同一の構成である一方、湾曲横板65及び上部装飾板66の全体の装飾の態様が異なっている。具体的には、
図2に示される旧遊技盤11Z用のトップユニット60の例では、湾曲横板65及び上部装飾板66に「犬」を模した装飾が施されている一方、
図20に示される新遊技盤11Y用のトップユニット60の例では、湾曲横板65及び上部装飾板66に「猫」を模した装飾が施されている。
【0049】
このように本実施形態の遊技機10は、従来にはない機構の前面扉30を有し、トップユニット60を交換可能となっているので、盤替えを行う際に、前面扉30のうちトップユニット60のみを新遊技盤11Yに合わせて交換することが可能となる。これにより、新遊技盤11Yと共に前面扉30全体を交換する「新台入替」のような多大な手間と費用をかけずに、前面扉30を新遊技盤11Yに合った新鮮な雰囲気に変更することができる。つまり、この遊技機10によれば、盤替えによって新鮮味がありかつ手間と費用を抑えた機種変更を行うことができる。また、トップユニット60は、前面扉30のうち窓部30Wの上方の上縁部に配置されているので、目を引くことができ、遊技機10の印象を大きく変えることができる。
【0050】
また、新遊技盤11Y用のトップユニット60と旧遊技盤11Z用のトップユニット60とでは、右側脚部62及び左側脚部63に収容される装飾シート61Sの態様も異なっていて、例えば、旧遊技盤11Z用の装飾シート61Sには、「ABC」という文字が記載されている一方、新遊技盤11Y用の装飾シート61Sには、「XYZ」という文字が記載されている。これにより、それぞれの右側脚部62及び左側脚部63にも異なる装飾が施されることとなり、新遊技盤11Y用のトップユニット60と旧遊技盤11Z用のトップユニット60とは、前方から見ると全体が異なる態様になっている。
【0051】
本実施形態では、遊技盤11Z,11Yの種類に拘わらず共通した形状の脱着ベース61のうち右側脚部62及び左側脚部63に、装飾シート61Sを収容可能となっていて、異なる装飾シート61Sを収容することにより右側脚部62及び左側脚部63の見た目を異ならせることができるので、トップユニット60の見た目全体を遊技盤11Z,11Yの種類に応じて異ならせることができる。なお、トップユニット60を装飾ベース部36に取り付けた状態では、スリット62R,63Rの一部が装飾ベース部36の第2ベース構成体40の固定部41に覆われるので、装飾シート61Sが抜き取られることが防がれる。
【0052】
ここで、本実施形態の遊技機10では、遊技盤11Z,11Yの種類毎に、上部装飾板66のスイッチ押圧部68の形状が異なっている。具体的には、
図19に示されるように、旧遊技盤11Z用の上部装飾板66のスイッチ押圧部68では、上述したように、下側垂下壁68Bが右側(
図19における左側)のスイッチ押圧部68の右部にのみ配置されているのに対し、新遊技盤11Y用の上部装飾板66のスイッチ押圧部68では、
図21及び
図22に示されるように、下側垂下壁68Bが右側(
図21及び
図22における左側)のスイッチ押圧部68の左部と、左側のスイッチ押圧部68の右部とに配置されている。
【0053】
これにより、旧遊技盤11Zが取り付けられた遊技機10と新遊技盤11Yが取り付けられた遊技機10とでは、複数のスイッチ53群のうちスイッチ押圧部68により押圧されるスイッチ53が異なる。即ち、旧遊技盤11Zが取り付けられた遊技機10では、複数のスイッチ53群のうち右側の4つのスイッチ53群の右側の2つのスイッチ53が押圧され、新遊技盤11Yが取り付けられた遊技機10では、複数のスイッチ53群のうち右側の4つのスイッチ53群の左側の2つのスイッチ53と、左側の3つのスイッチ53群の右側の2つのスイッチ53とが押圧される。
【0054】
そして、遊技盤11Z,11Yの回路基板(例えば
図31に示すサブ制御基板82)は、各スイッチ53に対応してオンになったフォトセンサSからの信号を受信し、その組み合わせによって、上部装飾板66の種類(即ち、トップユニット60の種類)を識別し、遊技盤11Z,11Yの種類と一致しているかを判定し、報知する。詳細には、
図30(B)に示されるように、例えば、トップユニット60の種類は、7ビットの信号により判別される。例えば、7つのフォトセンサS1~S7のうち、トップユニット60のスイッチ押圧部68に押圧されたスイッチ53により遮光されたフォトセンサS2~S5(
図30(A)参照)が、オン信号(
図30(B)に「1」で表された信号)を出力する。一方、スイッチ押圧部68に押圧されなかったスイッチ53に対応するフォトセンサS1,S6,S7は、遮光されないため、オフ信号(
図30(B)に「0」で表された信号)を出力する。そして、これらのオンオフ信号を受信したサブ制御基板82が、受信した信号と、遊技盤11に備えられた記憶部(例えばサブ制御基板82のROM82C)に記憶された種類識別情報(例えば7ビットのデータ)と、を比較することで、遊技盤11とトップユニット60との機種が合致しているか否かを判別する。そして、本実施形態では、サブ制御基板82は、これらの機種が合致していないと判別したときには、表示部13により異常報知を行うと共に、主制御基板80に遊技の開始を禁止させる信号を出力する。
【0055】
本実施形態の遊技機10では、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していると判定されたときには、遊技機10の電源投入時から、表示部13に青色の画像が表示される。具体的には、例えば
図23及び
図24に示されるように、表示部13では、「トップユニットOK」というメッセージが表示されると共に、そのメッセージの背景が青色に表示される正常報知が行われる。正常報知は、予め定められた時間だけ継続して終了する。その後、遊技機10での遊技が開始可能となる。なお、正常報知において、青色の画像表示とメッセージ表示との何れか一方のみが行われてもよい。
【0056】
一方、本実施形態の遊技機10では、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していると判定されなかったときには、遊技機10の電源投入時から、表示部13に赤色の画像が表示される。具体的には、例えば
図25に示されるように、表示部13では、「トップユニットが違います」というメッセージが表示されかつそのメッセージの背景が赤色に表示される異常報知が行われると共に、遊技機10の遊技の開始が禁止される。即ち、このように遊技の開始が禁止される異常状態のときには、例えば、遊技球の発射ハンドル30Sが操作されても遊技球が発射されないか、又は、遊技球が入賞口に入球しても賞球の払い出し及び当否判定の実行が行われない。なお、本実施形態では、遊技機10の電源が最初に投入されたときの状態である初期状態では、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していると判定されなかった場合には、異常報知や遊技開始の禁止といった異常措置が継続する異常状態が、遊技機10の電源が切られるまで続く。なお、異常報知において、赤色の画像表示とメッセージ表示との何れか一方のみが行われてもよい。
【0057】
なお、本実施形態の例では、
図26に示されるように、トップユニット60が取り付けられていないときには(即ち、全てのフォトセンサSがオフのときには)、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していないときと同じ異常報知が行われるが、同じ異常報知が行われなくてもよい。例えば、どの機種のトップユニット60のスイッチ押圧部68も、少なくとも一つはスイッチ53を押圧する(フォトセンサSをオンにする)構成とすれば、全てのフォトセンサSがオフのときには、トップユニット60が取り付けられていない状態と判定することができる。そして、このように判定されたときには、トップユニット60が取り付けられていないという旨の報知が行われてもよい。この場合、例えば、表示部13におけるこの報知のメッセージの背景を異常報知及び正常報知とは異なる色に表示してもよい。また、遊技機10を、全てのフォトセンサSがオフのときには、遊技を開始できる構成としてもよい。また、遊技機10が、正常報知を行わず、異常報知のみを行う構成であってもよく、この場合、全てのフォトセンサSがオフのときには、異常報知を行わない構成であってもよい。
【0058】
ここで、本実施形態の遊技機10には、スイッチ53のオンオフ(フォトセンサSのオンオフ)を報知するスイッチパターン報知手段が設けられている。具体的には、
図26に示されるように、スイッチパターン報知手段は、前面扉30のうち前面装飾部32に覆われた部分に、複数の発光部90を備えている。各発光部90は、各スイッチ53(各フォトセンサS)に対応していて、フォトセンサSのオンオフに応じて異なる発光態様で(例えば異なる発光色で)出力を行う。例えば、発光部90は、フォトセンサSがオフのときには、赤色で発光し(
図26参照)、フォトセンサSがオンのときには、青色で発光する。遊技機10では、前面装飾部32が透光性を有しているので、前面装飾部32を取り付けたままでも、発光部90の発光が視認可能となっている。
図23~
図27では、発光部90を示すために、前面装飾部32の一部が取り外されている。
【0059】
なお、本実施形態では、複数の発光部90は、窓部30Wを囲むように並んでいる。詳細には、これら発光部90は、前面扉30の前面開口30K(
図1参照)の開口縁のうち左縁部と下縁部と右縁部に配置され、この開口縁の左縁部の上側部分から左回りに並ぶ7つの発光部90A~90Gが、左から右に並ぶ7つのスイッチ53に対応するフォトセンサS1~S7(
図30参照)にそれぞれ対応付けられている。
【0060】
本実施形態の例では、発光部90は、複数の発光素子91で構成される。同一の発光部90に属する発光素子91同士は、発光色が同じになっている。また、発光素子91は、発光部90毎に分かれて配置されていて、異なる発光部90に属する発光素子91同士は、混在していない。なお、
図23~
図27の例では、各発光部90は、4個の発光素子91から構成され、上皿30Uと下皿30Dの間に配置されて2つずつ左右に離れた発光素子91群は、同じ発光部90(発光部90D)に属し、フォトセンサS4(
図30参照)に対応する。
【0061】
ここで、
図27に示されるように、フォトセンサSが故障した場合等には、遊技盤11とトップユニット60の種類とが同じであるにもかかわらず、異常報知や遊技開始の禁止といった異常措置が行われる事態が生じ得る。この場合、遊技盤11とトップユニット60とが正常な組み合わせであるので、本来ならば遊技を開始できるはずなのに、遊技が開始できないという事態となる。このような問題を解決するべく、本実施形態の遊技機10では、このような異常措置が継続される異常状態の解除ができるようになっている。
【0062】
具体的には、操作ボタン29の操作により、異常状態を解除することができる解除設定と、異常状態が継続される継続設定とを切り替え可能となっている。解除設定されると、遊技機10では、異常措置が予め定められた規定時間(例えば、30秒)だけ継続して終了する。例えば、異常措置の実行中に操作ボタン29の解除設定が行われると、その後、上記規定時間だけ異常措置が継続し、その規定時間の終了時に異常措置が終了する。そして、遊技が開始される(
図29参照)。また、本実施形態では、これら解除設定と継続設定とが、遊技機10の電源が切られてから再度入れられた場合にも維持される(例えば、この設定データが、サブ制御基板82の不揮発性メモリに記憶される)。例えば、解除設定がされた状態で、遊技機10の電源が切られてから再度電源が入れられた場合、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していないと、電源投入時から異常措置が上記規定時間だけ実行され、この規定時間の終了と共に異常措置が終えられ、遊技が開始される。
【0063】
なお、操作ボタン29の上記解除操作は、例えば、
図28のようにして行われる。具体的には、例えば、異常措置又は正常報知の実行中に、操作ボタン29が押圧操作されると、
図28(A)に示す設定画面に表示部13が切り替わる。この画面で、例えば十字ボタン25(
図1参照)を操作して、複数のアイコンの中から「トップユニット設定」というアイコンを選択し、操作ボタン29を押圧操作すると、
図28(B)に示すトップユニット設定画面に表示部13が切り替わる。この画面で、「解除する」と表示されたアイコンを選択して操作ボタン29を押すと、遊技機10の異常措置の解除設定が行われる。また、この画面で、「解除しない」と表示されたアイコンを選択して操作ボタン29を押すと、遊技機10の異常措置の継続設定が行われる。なお、本実施形態では、初期状態では、遊技機10は継続設定されているため、異常措置が行われた場合には、その異常措置は、解除設定により解除されるか、又は遊技機10の電源が切られるか、又はトップユニット60が遊技盤11と同じ機種のトップユニット60に交換されるか、の何れかまで継続する。
【0064】
ここで、遊技機10では、上述のように何らかの不具合によって、遊技盤11とトップユニット60の種類が同じときにも、異常措置が行われることが起こり得るが(
図27参照)、その場合、フォトセンサSが故障しているかを確認することができるようになっている。具体的には、まず、
図26に示されるようにトップユニット60を外す。このとき、フォトセンサS(スイッチ53)が全てオフになり、全ての発光部90(発光素子91)が、赤に発光する。この状態で、スイッチ53を一つずつ上から押していけば、その押したスイッチ53に対応する発光部90の発光態様(色)が変化するか否かにより、当該スイッチ53に対応するフォトセンサSが故障しているかどうかを確認することが可能となる。もし、スイッチ53を押しても何れの発光部90も発光態様が変化しない場合には、フォトセンサSが故障している可能性があると判断することができる。なお、このようなフォトセンサSの故障の確認は、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していないのにもかかわらず、正常報知となる場合にも行うことができる。
【0065】
本実施形態では、前面扉30のうち交換されない装飾ベース部36に複数のスイッチ53(及び複数のフォトセンサS)を備える一方、トップユニット60に、遊技盤11Z,11Yの種類によって異なるスイッチ押圧部68を備え、トップユニット60と遊技盤11Z,11Yとが適合しているか否かが判定、報知されるので、遊技盤11Z,11Yのみを交換し、トップユニット60が交換されていないという事態が生じることを防ぐことが可能となる。また、トップユニット60は、遊技盤11Z,11Yの種類に拘わらず共通した脱着ベース61と、遊技盤11Z,11Yの種類による異なる湾曲横板65及び上部装飾板66を有するが、これらのうち上部装飾板66にスイッチ押圧部68が一体成形されているので、上部装飾板66とスイッチ押圧部68とが必ず一致する。
【0066】
また、本実施形態では、複数のフォトセンサSのオンオフパターンが報知されるので、例えばフォトセンサSが故障している場合に、それを把握し易くすることが可能となる。また、フォトセンサSのオンオフパターンが発光部90の発光態様により報知されるので、フォトセンサSのオンオフパターンを把握させ易くすることが可能となる。さらに、フォトセンサSのオンオフを報知する発光部90が、複数の発光素子91からなり、それら発光素子91の発光色が同じになっている。従って、発光部90が1つの発光素子91からなる場合に比べて、フォトセンサSのオンオフを発光部90で把握させ易くすることが可能となる。また、発光素子91が複数あることで、一部の発光素子91が故障してもフォトセンサSのオンオフを発光部90で把握させることが可能となる。
【0067】
本実施形態では、同じ機種の遊技盤11とトップユニット60が備えられていないと判断された場合に、異常報知されたり遊技開始が禁止される異常措置が実行されるので、同じ機種の遊技盤11とトップユニット60が備えられていない遊技機の製造を抑制することが可能となる。また、本実施形態の遊技機10では、異常措置が行われる異常状態を解除可能であるので、例えば、実際には同じ機種の遊技盤11とトップユニット60が備えられているのに、故障等でトップユニット60の誤検出があった場合でも、ずっと異常措置が行われたままとなることを防ぐことが可能となる。また、異常措置として異常報知と遊技開始の禁止との両方が行われるので、異常を早く把握させることが可能となると共に、異常状態のまま遊技が開始することを抑えることが可能となる。さらに、同じ機種の遊技盤11とトップユニット60が備えられている正常時に、異常報知とは異なる正常報知がなされるので、正常な状態であることをより確実に把握させることが可能となる。
【0068】
また、本実施形態の遊技機10では、異常措置の実行期間を変更することができるので、異常の誤検出があった場合等に、異常措置を必要以上に実行することを抑制できる。ここで、遊技機10は、解除設定にされている場合には、異常措置が規定時間継続した時に異常措置を終了させるようにしてもよい。なお、規定時間を短くして、実質的に異常措置が実行されないようにしてもよい。また、本実施形態の遊技機10では、解除設定と継続設定とが、遊技機10の電源が切れてから再度入れられたときにも維持されるので、状態の設定を遊技機10の電源を入れる度に行う場合に比べて、手間が軽減される。
【0069】
本実施形態では、フォトセンサSが、ベースカバー55の貫通孔56からずれた位置に配置され、ベースカバー55により上方から覆われているので、埃等により検出に不具合が生じることが防がれる。しかも、フォトセンサSによるスイッチ53の検出は、スイッチ53がフォトセンサSから前後方向でずれた位置を押圧されて回動することにより行われるので、例えば、トップユニット60の挿入方向がずれてスイッチ53が必要以上に押し込まれた場合でも、押圧板53Bの後端部が下側垂下壁68Bを通り過ぎるとそれ以上スイッチ53は回動しなくなるので、スイッチ53及びフォトセンサSの損傷が防がれる。
【0070】
なお、本実施形態の遊技機10の電気的な構成は、以下のようになっている。
図31に示されるように、遊技盤11に備えられた主制御基板80は、CPU81AとRAM81B及びROM81C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータとサブ制御基板82を結ぶ入出力回路を備えると共に、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73、一般入賞センサ、センター大入賞センサ、サイド大入賞センサ等が接続された中継回路、及び、発射ハンドル30Sのタッチセンサ28Sや払出される賞球を検出する払出センサ等が接続された払出制御基板、と接続される入出力回路も備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU81Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板82等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM81Bは、CPU81Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU81Aの作業領域を備える。ROM81Cには、CPU81Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値や確変移行抽選の判定値が書き込まれている。
【0071】
主制御基板80は、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致していないとサブ制御基板82が判定した場合に、サブ制御基板82から信号を受信し、遊技開始を禁止する処理を実行する(異常状態となる)。そして、主制御基板80は、解除設定がなされたという信号をサブ制御基板82から受信すると、異常状態を解除し、遊技を開始可能とする。
【0072】
サブ制御基板82は、遊技盤11に備えられ、主制御基板80と同様に、CPU82AとRAM82B、ROM82C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータ82Mを備える。マイクロコンピュータ82Mには、呼び名記憶テーブル100が記憶されたフラッシュメモリ82Fも備えられている。また、サブ制御基板82は、マイクロコンピュータ82Mと主制御基板80を結ぶ入出力回路を備えると共に、表示制御基板84、ランプ制御回路、操作ボタン29等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU82Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ、タイマー等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板84及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM82Bは、各種データの記憶領域とCPU82Aによる作業領域を有している。ROM82Cには、CPU82Aが実行するメインプログラムや、各種演出の制御データ等が記憶されている。
【0073】
サブ制御基板82は、フォトセンサS群からの信号を受信して、その信号から特定されるトップユニット60の機種が、例えばROM82Cに記憶された遊技盤11の機種データに対応しているか否かを判別する。また、サブ制御基板82は、操作ボタン29による解除設定や継続設定についての信号も受信する。そして、サブ制御基板82は、上記判別結果や設定についての信号を主制御基板80や表示制御基板84、ランプ制御回路等に出力し、それらに異常措置や発光部90の発光の制御を行わせる。なお、サブ制御基板82が、フォトセンサSからの信号を、主制御基板80を介して受信する構成であってもよい。また、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致しているか否かの判別を、主制御基板80が行ってもよい。
【0074】
表示制御基板84は、表示部13に設けられていて、サブ制御基板82からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出、及び確変遊技状態への移行の有無の表示画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。なお、主制御基板80、サブ制御基板82、表示制御基板84及びその他の回路(音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板85からの電源供給を受けて作動する。
【0075】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、機種変更の際に遊技盤10と共に交換される部材が、トップユニット60であったが、遊技機10を構成するその他の構成部材(例えば装飾部材)等であってもよい。このような構成部材としては、例えば、前面装飾部32を構成する部材であってもよいし、演出を行う可動部材であってもよいし、発射ハンドル30Sであってもよいし、操作ボタン29であってもよいし、遊技機10のうち外側から見えない位置に設けられた部材であってもよい。
【0076】
(2)上記実施形態では、異常報知や正常報知等の出力が、表示部13により行われたが、スピーカ24(
図31参照)による音声や音楽等で行われてもよいし、発光部材の発光により行われてもよいし、可動部材の動作により行われてもよく、この場合、例えば、可動演出部材の動作や操作部の振動等により行われてもよい。これらの場合においても、異常報知と正常報知を異なる態様で行えばよい。
【0077】
(3)上記実施形態において、異常報知と正常報知のうち何れか一方のみが行われてもよい。
【0078】
(4)上記実施形態では、スイッチ53(フォトセンサS)のオンオフを発光部90の発光色の相違によって報知したが、発光の点滅の有無や点滅間隔の相違により報知してもよい。
【0079】
(5)上記実施形態において、遊技盤11又はトップユニット60の種類の識別を、遊技盤11又はトップユニット60に付されたバーコードやQRコード等の識別子を読み取ることで行ってもよい。
【0080】
(6)遊技機10は、遊技盤11の種類に対応する出力(例えば記号等の画像)と、トップユニット60の種類に対応する出力を、それぞれ表示部13等に出力する構成であってもよい。この場合、遊技機10が、このようにすることで複数のフォトセンサSのオンオフパターンを報知する構成であってもよいし、遊技盤11とトップユニット60の種類が一致しているか否かを判定しない構成であってもよい。
【0081】
(7)上記実施形態では、スイッチ53が設けられていたが、スイッチ53が設けられずに、トップユニット60のスイッチ押圧部68が直接、フォトセンサSを遮光する構成であってもよい。また、トップユニット60を識別するためのセンサは、フォトセンサに限定されるものではない。
【0082】
(8)上記実施形態では、遊技機10は、電源が最初に入れられた初期状態で、異常報知が継続される継続設定になっていたが、解除設定になっていてもよい。
【0083】
(9)上記実施形態では、遊技機10が、解除設定と継続設定の切替を、遊技機10の電源投入後に行われる構成であったが、遊技機10の電源が切れた状態で行える構成であってもよい。
【0084】
(10)上記実施形態では、異常状態の解除設定を行うか否かを決定する操作部(操作ボタン29)が、遊技機10に備えられていたが、遊技機10に備えられていなくてもよい。この場合、異常状態の解除設定を、遊技機10に有線又は無線で接続される操作機器(例えば、スマートフォン等)で行ってもよい。
【0085】
(11)上記実施形態では、遊技機10の設定が、解除設定と継続設定に切替可能であったが、解除設定のままであってもよい。この場合、例えば、遊技機10が、電源投入後に予め定められた時間が経過した時に、異常措置が行われる異常状態が解除される構成となっていてもよい。
【0086】
(12)上記実施形態では、同じ機種の遊技盤11とトップユニット60が備えられていないと判定されたときに、異常報知と遊技開始の禁止との両方が行われたが、何れか一方のみが行われてもよいし、両方とも行われなくてもよい。
【0087】
(13)上記実施形態では、継続設定のときに異常措置が遊技機10の電源切られるまで継続したが、電源が切られる前に終わってもよい。この場合、継続設定のときの異常措置の継続時間を、解除設定のときよりも長くすればよい。
【0088】
<付記>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0089】
以下の特徴群は、遊技機に関し、「特許文献X(特開2018-183457号公報(段落[0082]等))の遊技機のように、遊技機は、遊技盤等の組付けられた構成部材を複数備えている」という背景技術について、「ところで、例えば、遊技盤と他の構成部材とを、別の遊技盤及び構成部材と交換して遊技機の機種変更を行うことが考えられる。このように構成部材を交換する場合、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機が製造されるという問題が生じ得る。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0090】
[特徴A1]
遊技盤及び装飾部材(トップユニット60)が備えられ、それらを別の遊技盤及び装飾部材に交換して機種変更を行うことが可能な遊技機であって、
同じ機種の前記遊技盤と前記装飾部材が備えられているか否かを判別する判別手段(サブ制御基板82、フォトセンサS、スイッチ53及びスイッチ押圧部68)と、
前記判別手段の判別結果に応じて出力を行う判別結果出力手段(サブ制御基板82)と、を備える遊技機。
【0091】
特徴A1によれば、同じ機種の遊技盤と構成部材が備えられているか否かを把握し易くなり、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機が製造されることを抑制可能となる。
【0092】
[特徴A2]
前記判別手段には、
前記装飾部材が取り付けられる支持部材(支持枠12)に設けられる複数のスイッチ(フォトセンサS、スイッチ53)と、
前記装飾部材に設けられ、前記支持部材に取り付けられると前記複数のスイッチの少なくとも1つのオンオフを切り替えるスイッチ切替部(スイッチ押圧部68)と、が備えられている、特徴A1に記載の遊技機。
【0093】
特徴A2のように、装飾部材の機種を、装飾部材によってオンオフが切り替わる複数のスイッチのオンオフパターンにより特定してもよい。
【0094】
[特徴A3]
前記判別手段には、
前記複数のスイッチのオンオフパターンから特定される前記装飾部材の機種が、前記遊技盤が有する機種データ(遊技盤11の記憶部に記憶された種類識別情報)に対応しているか否かを判別するデータ判別手段(サブ制御基板82)が備えられている、特徴A2に記載の遊技機。
【0095】
特徴A3の遊技機では、装飾部材の機種と遊技盤の機種データとが一致しているか否かを判別することで、装飾部材と遊技盤の機種が一致しているかを容易に判別することができる。
【0096】
[特徴A4]
前記スイッチのオンオフに応じて異なる出力を行って、前記複数のスイッチのオンオフパターンを報知するスイッチパターン報知手段(サブ制御基板82及び発光部90)を備える特徴A2又はA3に記載の遊技機。
【0097】
特徴A4では、複数のスイッチのオンオフパターンが報知されるので、例えばスイッチが故障している場合に、それを把握し易くすることが可能となる。
【0098】
[特徴A5]
前記スイッチパターン報知手段は、各前記スイッチに対応して設けられ前記スイッチのオンオフにより発光態様を異ならせる発光部を有する、特徴A4に記載の遊技機。
【0099】
特徴A5では、スイッチのオンオフパターンが発光態様により報知されるので、スイッチのオンオフパターンを把握させ易くすることが可能となる。
【0100】
[特徴A6]
前記発光部は、発光色が同じである複数の発光素子からなる、特徴A5に記載の遊技機。
【0101】
特徴A6では、スイッチのオンオフを報知する発光部が、複数の発光素子からなり、それら発光素子の発光色が同じになっている。従って、発光部が1つの発光素子からなる場合に比べて、スイッチのオンオフを発光部で把握させ易くすることが可能となる。また、発光素子が複数あることで、一部の発光素子が故障してもスイッチのオンオフを発光部で把握させることが可能となる。
【0102】
[特徴B1]
遊技盤及び装飾部材(トップユニット60)が備えられ、それらを別の遊技盤及び装飾部材に交換して機種変更を行うことが可能な遊技機であって、
同じ機種の前記遊技盤と前記装飾部材が備えられている正常時かそうではない異常時かを判別する判別手段(サブ制御基板82、フォトセンサS、スイッチ53及びスイッチ押圧部68)と、
前記判別手段により前記異常時と判別された場合に、前記正常時とは異なる異常状態となる異常措置部(主制御基板80、サブ制御基板82、表示制御基板84)と、
予め定められた解除条件の成立に起因して、前記異常状態を解除する解除手段(主制御基板80、サブ制御基板82)と、を備える遊技機。
【0103】
特徴B1によれば、同じ機種の遊技盤と装飾部材が備えられていないと判別された場合に、異常措置部が異常状態となるので、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機の製造を抑制することが可能となる。また、本特徴によれば、例えば、実際には同じ機種の遊技盤と装飾部材が備えられているのに、故障等で装飾部材の誤検出があった場合でも、ずっと異常状態となったままとなることを防ぐことが可能となる。
【0104】
[特徴B2]
前記異常措置部は、前記異常状態のときに遊技の開始を禁止する、特徴B1に記載の遊技機。
【0105】
特徴B2によれば、同じ機種の遊技盤と装飾部材が備えられていない異常時に、遊技が開始されることを防ぐことができる。
【0106】
[特徴B3]
前記異常措置部は、前記異常状態になると異常報知を行い、その異常報知を前記異常状態の間、継続する、特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0107】
特徴B3によれば、異常状態が解除されるまで異常報知が継続するので、異常状態をより確実に知らせることが可能となる。
【0108】
[特徴B4]
前記判別手段により前記正常時と判別されたときに、前記異常報知とは異なる出力を、予め定められた時間行う正常時出力手段(サブ制御基板82)を備える、特徴B3に記載の遊技機。
【0109】
特徴B4では、同じ機種の遊技盤と装飾部材が備えられている正常時に、異常報知とは異なる出力がなされるので、正常な状態であることをより確実に把握させることが可能となる。
【0110】
[特徴B5]
前記解除手段は、前記異常状態の解除を行うか否かを設定可能になっていて、前記解除が行われる解除設定がなされると前記解除条件が成立する、特徴B1からB4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0111】
特徴B5では、異常措置の実行期間を変更することができるので、異常の誤検出があった場合等に、異常措置を必要以上に実行することを抑制できる。
【0112】
[特徴B6]
前記解除手段は、前記解除設定がされている場合には前記異常状態が予め定められた規定時間継続した時に前記異常状態を終了させる、特徴B5に記載の遊技機。
【0113】
特徴B6のように、解除設定がされている場合には異常状態が規定時間が継続した時に異常措置を終了させるようにしてもよい。なお、規定時間を短くして、実質的に異常措置が実行されないようにしてもよい。
【0114】
[特徴B7]
操作されることで前記異常状態の前記解除を行うか否かを設定する操作部(操作ボタン29)を備える、特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
【0115】
特徴B7では、解除手段の解除の設定を行うことが容易となる。
【0116】
[特徴B8]
前記解除手段は、前記異常状態の前記解除設定を、前記遊技機の電源が切られてから再度前記遊技機の電源が入れられたときにも維持する、特徴B5からB7の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0117】
特徴B8では、解除手段の解除設定が、遊技機の電源が切れてから再度入れられたときにも維持されるので、解除設定を遊技機の電源を入れる度に行う場合に比べて、手間が軽減される。
【0118】
[特徴C1]
遊技盤と、
前記遊技盤の種類に対応付けられた遊技機構成部材(トップユニット60)が取り付けられる取付部(装飾支持部材45)と、
前記取付部に前記遊技機構成部材が取り付けられていない場合に、異常報知を行う報知手段(サブ制御基板82)と、を備える遊技機。
【0119】
特徴C1によれば、同じ機種の遊技盤と構成部材とが備えられていない遊技機の製造を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0120】
10 遊技機
11,11Y,11Z 遊技盤
13 表示部
53 スイッチ
60 トップユニット
80 主制御基板
82 サブ制御基板
90 発光部
91 発光素子
S フォトセンサ