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特許7195027新規の化合物およびこれを含む抗癌活性増進用薬学組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】新規の化合物およびこれを含む抗癌活性増進用薬学組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20221216BHJP
   C07D 487/14 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
C07D487/04 147
C07D487/14 CSP
A61K31/4985
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/337
A61K31/4745
A61K45/00 101
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021536764
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 KR2019018660
(87)【国際公開番号】W WO2020139044
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0170842
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0176706
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521273721
【氏名又は名称】ホロスメディック
【氏名又は名称原語表記】HOLOSMEDIC
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ギ チョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソク モ
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ヨ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョン モ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505027(JP,A)
【文献】特表2016-531880(JP,A)
【文献】特表2011-500774(JP,A)
【文献】特表2003-518124(JP,A)
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011.03.21[検索日 2022.05.30] CAS登録番号 1268968-87-1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1:
[化学式1]
【化1】

(前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっていて、
とR の少なくとも一方は水素ではない。)
で表される
ことを特徴とする化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~6員環を成して互いに連結される
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化学式1の化合物は、下記化学式4ないし化学式27:のうちいずれかである
【化2】
のうちいずれかである
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
下記化学式1:
[化学式1]
【化3】

(前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっている。)
で表される
ことを特徴とする化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む抗癌活性増進用薬学組成物。
【請求項5】
前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~6員環を成して互いに連結される
請求項4に記載の薬学組成物。
【請求項6】
前記nは、0~1の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;
前記Lは、C1~C2のアルキレンであり;
前記Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、前記Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルであるか、
前記Rと前記Rが5~6員環を成して互いに連結される、請求項4に記載の薬学組成物。
【請求項7】
前記抗癌活性増進は、抗癌剤または放射線の抗癌活性増進である
請求項4に記載の薬学組成物。
【請求項8】
前記抗癌剤は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つである
請求項7に記載の薬学組成物。
【請求項9】
前記タキサン系抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセルおよびカバジタキセルよりなる群から選ばれた少なくとも1つである
請求項8に記載の薬学組成物。
【請求項10】
前記カンプトテシン系抗癌剤は、イリノテカン、トポテカンおよびベロテカンよりなる群から選ばれた少なくとも1つである
請求項8に記載の薬学組成物。
【請求項11】
耐性癌に対する抗癌活性増進用である
請求項4に記載の薬学組成物。
【請求項12】
前記耐性癌は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つに対する耐性癌である
請求項11に記載の薬学組成物。
【請求項13】
前記耐性癌は、放射線に対する耐性癌である
請求項11に記載の薬学組成物。
【請求項14】
前記耐性癌は、甲状腺癌、胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、カポジ肉腫、子宮頸癌、すい臓癌、頭頸部癌、直腸癌、結腸癌、食道癌および前立腺癌よりなる群から選ばれた少なくとも1つである
請求項11に記載の薬学組成物。
【請求項15】
抗癌剤をさらに含む
請求項4に記載の薬学組成物。
【請求項16】
前記抗癌剤は、ナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン 、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ 、バンデタニブ、ニロチニブ、セマサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、パゾパニブ、トセラニブ、ニンテダニブ、レゴラフェニブ、セマクサニブ、チボザニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、レンバチニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカムアルバム、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、メチルアミノレブリン酸、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム、キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシン、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、カペシタビン、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトル、ロイコボリン、トレトニン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、オラパリブ、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストトラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、ボリノスタット、エンチノスタットおよびカルムスチンよりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む
請求項15に記載の薬学組成物。
【請求項17】
前記抗癌剤は、前記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩と1:0.001~1:1000のモル濃度比で含まれる
請求項15に記載の薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の化合物およびこれを含む抗癌活性増進用薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、全世界的に最も普遍的な死亡原因中の1つで、死亡原因の約12%を占めている。
【0003】
代表的な抗癌療法である化学療法(chemotherapy)は、単独でまたは放射能療法のような他の治療法と組み合わせて現在癌を治療するための最も効率的な治療法として使用されている。しかし、化学療法で癌治療薬物の効能は、癌細胞を殺すことができる能力に従うが、薬物の使用時に、癌細胞だけでなく、一般的な細胞にも作用することができるという問題がある。
【0004】
一方、癌幹細胞(cancer stem cell)が無制限再生能力を有する癌細胞であって、 腫瘍が幹細胞に由来するという仮設は、90年代末に急性骨髄性白血病で癌幹細胞になりうる細胞を免疫抑制マウスに移植して、ヒトの白血病がマウスで再現されることが発表されて、確かになり、以後、乳癌で癌幹細胞を証明することによって、固形癌腫でも幹細胞の存在を確信することになった。
【0005】
癌幹細胞は、自己再生能力があり、他の細胞へ分化できる能力も有する細胞であり、癌再発と転移の原因として作用する。特定の患者群は、癌幹細胞が活性化して、強い抗癌剤抵抗性を示すことになって、従来の抗癌療法では治療しにくい難治性癌患者に分類される。悪性腫瘍が見える多様な異質性は、幹細胞の多様な分化性と一致し、多くの標的治療にもかかわらず、絶えず発現する癌細胞の薬物抵抗性は、幹細胞の基本特性と一致する。
【0006】
癌幹細胞は、新しい標的治療分野になり得、正常幹細胞には損傷を与えることなく、癌幹細胞のみを標的とする治療を効率的に行うためには、癌幹細胞の維持と調節に重要な分子生物学的な特性や、その調節経路に対する知識と理解が必要である。
【0007】
癌幹細胞の仮設に基づいて様々な治療方法が考案されたが、その中で、多く知られた方法は、癌幹細胞の自己再生経路を利用する方法である。このような治療において重要な点は、正常幹細胞の自己再生は維持しつつ、癌幹細胞の自己再生のみを標的としなければならないことである。例として、Notch信号は、ガンマセクレターゼ(gamma secretase)という酵素により進行されるが、これに対する抑制剤(gamma secretase inhibitor)をNotch1が過発現した乳癌に使用すると、腫瘍抑制効果を達成することができる。Hedgehog信号体系を標的とする場合にも、抗癌効果を示すという最近報告があり、Hedgehog抑制剤であるシクロパミン(cyclopamine)を、腫瘍を異種移植(tumor xenograft)ある動物に投与したとき、劇的に腫瘍が萎縮したということである。その他にも、PI3K/AKT、MAPK、JAK2/STAT3信号機序(signaling pathway)と関連すると知られている。
【0008】
このように癌幹細胞の直接的なターゲット遺伝子を抑制する実験で癌幹細胞を抑制したり、癌幹細胞の上位信号伝達タンパク質を抑制して癌幹細胞を抑制する研究が多数進行されている。しかし、現在まで癌幹細胞を直接的にターゲッティングする抗癌剤や天然物由来抽出物の研究は殆どない実情であり、多くの腫瘍患者において腫瘍遺伝子の変異やタンパク質の変異によってターゲッティング実験に多くの困難が存在する。
【0009】
一方、癌幹細胞が有する抗癌剤抵抗性の核心原因が細胞内カルシウムイオンの輸送と貯蔵に関与するタンパク質である「SERCA(sarco/endoplasmic reticulum calcium ATPase)」にあることを明らかにした従来研究結果がある。
【0010】
一般癌細胞は、抗癌剤を投与すると、過度なストレスが誘発され、小胞体(endoplasmic reticulum,ER)でカルシウムイオンが過多分泌され、分泌されたカルシウムイオンがミトコンドリアに積もって、癌細胞の自殺につながる反面、癌幹細胞は、抗癌剤の投与時に、過度なカルシウムイオンの分泌を減らし、同時に過度に分泌されたカルシウムイオンをさらに小胞体に戻して入れることができるSERCA発現を増やして、カルシウムイオン濃度を調節することによって生存することが明らかにされた。すなわち、SERCAタンパク質は、小胞体ストレス信号伝達過程で生存信号伝達のための役割をすることができる。
【0011】
癌幹細胞が有する抗癌剤抵抗性を現れるようにする原因であるSERCAタンパク質をターゲットとする抑制剤として作用できる物質を開発して、癌幹細胞の成長を選択的に抑制できると、抗癌薬物による化学療法の効能を増加させて、さらに低い用量の薬物をもって優れた抗癌効果を現れるようにできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、新規の化合物を提供することを目的とする。
本発明は、抗癌活性増進用薬学組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1. 下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【0014】
[化学式1]
【化1】
【0015】
前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
【0016】
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
【0017】
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっている。
【0018】
2. 前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
【0019】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~6員環を成して互いに連結される、前記1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0020】
3. 前記nは、0~1の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;
前記Lは、C1~C2のアルキレンであり;
【0021】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、前記Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルであるか、
前記Rと前記Rが5~6員環を成して互いに連結される、前記1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0022】
4.下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む抗癌活性増進用薬学組成物:
【0023】
[化学式1]
【化2】
【0024】
前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
【0025】
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
【0026】
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっている。
【0027】
5. 前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
【0028】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~7員環を成して互いに連結される、前記4に記載の薬学組成物。
【0029】
6. 前記nは、0~1の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;
前記Lは、C1~C2のアルキレンであり;
【0030】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、前記Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルであるか、
前記Rと前記Rが5~6員環を成して互いに連結される、前記4に記載の薬学組成物。
【0031】
7. 前記抗癌活性増進は、抗癌剤または放射線の抗癌活性増進である、前記4に記載の薬学組成物。
【0032】
8. 前記抗癌剤は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つである、前記7に記載の薬学組成物。
【0033】
9. 前記タキサン系抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセルおよびカバジタキセルよりなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記8に記載の薬学組成物。
【0034】
10. 前記カンプトテシン系抗癌剤は、イリノテカン、トポテカンおよびベロテカンよりなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記8に記載の薬学組成物。
【0035】
11. 耐性癌に対する抗癌活性増進用である、請求項4に記載の薬学組成物。
【0036】
12. 前記耐性癌は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つに対する耐性癌である、前記11に記載の薬学組成物。
【0037】
13. 前記耐性癌は、放射線に対する耐性癌である、前記11に記載の薬学組成物。
【0038】
14. 前記耐性癌は、甲状腺癌、胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、カポジ肉腫、子宮頸癌、すい臓癌、頭頸部癌、直腸癌、結腸癌、食道癌および前立腺癌よりなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記11に記載の薬学組成物。
【0039】
15.抗癌剤をさらに含む、前記4に記載の薬学組成物。
【0040】
16. 前記抗癌剤は、ナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン 、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ 、バンデタニブ、ニロチニブ、セマサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、パゾパニブ、トセラニブ、ニンテダニブ、レゴラフェニブ、セマクサニブ、チボザニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、レンバチニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカムアルバム、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、メチルアミノレブリン酸、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム、キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシン、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、カペシタビン、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトル、ロイコボリン、トレトニン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、オラパリブ、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストトラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、ボリノスタット、エンチノスタットおよびカルムスチンよりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む、前記15に記載の薬学組成物。
【0041】
17. 前記抗癌剤は、前記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩と1:0.001~1:1000のモル濃度比で含まれる 前記15に記載の薬学組成物。
【0042】
18. 耐性癌がある対象に下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療的有効量を投与する段階を含む癌治療方法:
【0043】
[化学式1]
【化3】
【0044】
前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
【0045】
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
【0046】
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっている。
【0047】
19. 前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
【0048】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~6員環を成して互いに連結される、前記18に記載の癌治療方法。
【0049】
20. 前記nは、0~1の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;
前記Lは、C1~C2のアルキレンであり;
【0050】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、前記Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルであるか、
前記Rと前記Rが5~6員環を成して互いに連結される、前記18に記載の癌治療方法。
【0051】
21. 前記耐性癌は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つに対する耐性癌である、前記18に記載の癌治療方法。
【0052】
22. 前記耐性癌は、放射線に対する耐性癌である、前記18に記載の癌治療方法。
【0053】
23. 前記耐性癌は、甲状腺癌、胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、カポジ肉腫、子宮頸癌、すい臓癌、頭頸部癌、直腸癌、結腸癌、食道癌および前立腺癌よりなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記18に記載の癌治療方法。
【0054】
24. 耐性癌の治療に使用するための下記化学式1で表される化合物の用途:
【0055】
[化学式1]
【化4】
【0056】
前記化学式1で、
nは、0~4の整数であり;
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;
は、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;
は、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;
【0057】
は、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、
とRが4~7員環を成して互いに連結され;
【0058】
前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、これらは、互いに同じか、異なっている。
【0059】
25. 前記nは、0~2の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;
前記Lは、C1~C4のアルキレンであり;
【0060】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、前記Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、
前記Rと前記Rが4~6員環を成して互いに連結される、前記24に記載の用途。
【0061】
26. 前記nは、0~1の整数であり;
前記Rは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;
前記Lは、C1~C2のアルキレンであり;
【0062】
前記Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、前記Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルであるか、
前記Rと前記Rが5~6員環を成して互いに連結される、前記24に記載の用途。
【0063】
27. 前記耐性癌は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つに対する耐性癌である、前記 24に記載の用途。
【0064】
28. 前記耐性癌は、放射線に対する耐性癌である、前記 24に記載の用途。
【0065】
29. 前記耐性癌は、甲状腺癌、胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、カポジ肉腫、子宮頸癌、すい臓癌、頭頸部癌、直腸癌、結腸癌、食道癌および前立腺癌よりなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記 24に記載の用途。
【発明の効果】
【0066】
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、抗癌剤または放射線の抗癌活性を増進させることができ、癌細胞の増殖抑制および細胞死滅などを誘導して効果的に癌を治療することができる。
【0067】
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、抗癌剤または放射線に対する耐性を有する癌の耐性を克服し、効果的に耐性癌を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】パクリタキセルの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性甲状腺癌細胞に対して製造例1-1の化合物単独;パクリタキセル単独;またはパクリタキセルと製造例1-1の化合物の組合せを処理した後、処理時間に応じた細胞数の変化を測定した結果を示す図である。
図2】パクリタキセルの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性甲状腺癌細胞に対して製造例1-1の化合物単独;パクリタキセル単独;またはパクリタキセルと製造例1-1の化合物の組合せを処理した後、処理濃度に応じた細胞生存率の変化を測定した結果を示す図である。
図3】パクリタキセルの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性甲状腺癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;パクリタキセル単独を腹腔内注射;または製造例1-1の化合物を経口投与し、パクリタキセルを腹腔内注射した後、時間の経過に応じた腫瘍の体積変化を測定した結果を示す図である。
図4】イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞に対して製造例1-1の化合物単独;イリノテカン単独;またはイリノテカンと製造例1-1の化合物の組合せを処理した後、処理時間に応じた細胞数の変化を測定した結果を示す図である。
図5】イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;イリノテカン単独を経口投与;または製造例1-1の化合物とイリノテカンを経口投与した後、時間の経過に応じた腫瘍の体積変化を測定した結果を示す図である。
図6】イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;イリノテカン単独を経口投与;または製造例1-1の化合物とイリノテカンを経口投与した後、時間の経過に応じた腫瘍の重さ変化を測定した結果を示す図である。
図7】イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;イリノテカン単独を経口投与;または製造例1-1の化合物とイリノテカンを経口投与した後、時間の経過に応じたマウスの体重変化を測定した結果を示す図である。
図8】放射線照射後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞に対して製造例1-1の化合物単独処理;放射線照射;または製造例1-1の化合物の処理と放射線照射の組合せを行った後、処理時間に応じた細胞数の変化を測定した結果を示す図である。
図9】放射線照射後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;放射線を照射;または製造例1-1の化合物を経口投与し、放射線照射の組合せを行った後、時間の経過に応じた腫瘍の体積変化を測定した結果を示す図である。
図10】放射線照射後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;放射線を照射;または製造例1-1の化合物を経口投与し、放射線照射の組合せを行った後、時間の経過に応じた腫瘍の重さ変化を測定した結果を示す図である。
図11】放射線照射後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞を異種移植したマウスモデルに製造例1-1の化合物単独を経口投与;放射線を照射;または製造例1-1の化合物を経口投与し、放射線照射の組合せを行った後、時間の経過に応じたマウスの体重変化を測定した結果を示す図である。
図12】上皮性卵巣癌細胞株であるSKOV3とパクリタキセル抗癌剤に抵抗性を有する耐性細胞株で製作されたSKOV3-TRそれぞれに何も処理しないか(None)、エタノール(製造例の化合物溶媒)を処理するか、製造例1-2の化合物を処理した後、細胞の形態を確認した結果を示す図である。
図13】SKOV3-TR細胞株にパクリタキセル単独またはパクリタキセルと製造例1-2の化合物の組合せを処理し、72時間後のイメージを示す。
図14】SKOV3細胞株にパクリタキセル単独またはパクリタキセルと製造例1-2の化合物の組合せを処理し、72時間後のイメージを示す。
図15】SKOV3-TR細胞株でNone;エタノール;および製造例の化合物それぞれを2μMずつ処理し、72時間後の細胞数を示す図である。
図16】SKOV3細胞株でNone;エタノール;および製造例の化合物それぞれを2μMずつ処理し、72時間後の細胞数を示す図である。
図17】SKOV3-TR細胞株でNone;エタノール;DMSO(パクリタキセル溶媒);パクリタキセル単独;およびパクリタキセルおよび製造例の化合物それぞれ(2μM)の組合せを処理し、72時間後の細胞数を示す図である。
図18】SKOV3細胞株でNone;エタノール;DMSO;パクリタキセル単独;およびパクリタキセルおよび製造例の化合物それぞれ(2μM)の組合せを処理し、72時間後の細胞数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明の下記化学式1の化合物および/またはその薬学的に許容可能な塩は、小胞体ストレス信号伝達で生存信号伝達を担当するSERCAタンパク質の抑制効果を示すものである。
本発明は、下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【0070】
[化学式1]
【化5】
【0071】
化学式1でRは、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルでありうる。
化学式1でRは、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルでありうる。
化学式1でRは、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルでありうる。
【0072】
化学式1でRのアルキルおよびアリールアルキルは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル、ハロ基、アリール基、ハロアルキル、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換されてもよい。
化学式1でRのアルキルおよび/またはアリールアルキルが複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0073】
化学式1でRがアリールアルキルである場合、パラ位置にアルキル基、ハロ基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基またはフェニル基が置換されたものでありうる。
【0074】
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の非置換もしくは置換された飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、secブチル、tertブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシルおよびヘプタデシル等を含む。C1~C10のアルキルは、炭素数1~10のアルキルユニットを有するアルキルを意味し、C1~C10のアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれないものである。
【0075】
用語「アリール」は、全体的にまたは部分的に不飽和された置換もしくは非置換されたモノサイクリックまたはポリサイクリック炭素環を意味し、例えば、置換もしくは非置換されたフェニルでありうる。
【0076】
用語「アリールアルキル」は、アリール基で置換されたアルキルを意味し、例えば、ベンジル(フェニルメチル)、フェニルエチルまたはフェニルプロピルでありうる。アリール(C1~C4)アルキルは、アリール基で置換されたC1~C4のアルキルを意味する。
【0077】
化学式1でRは、C1~C6、C1~C4またはC1~C2のアルキルでありうる。化学式1でRのアルキルは、C1~C6のアルキル、ハロ基、アリール基、ハロアルキル、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換されてもよい。
【0078】
化学式1でRのアルキルが複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。化学式1でnは、0~4、0~2または0~1の整数でありうる。
【0079】
化学式1のnが0である場合、Rで置換されないものを意味する。化学式1でRは、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルでありうる。
化学式1でRは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルでありうる。
化学式1でRは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルでありうる。
【0080】
化学式1でRのアルキルおよびアリールアルキルは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル、ハロ基、アリール基、ハロアルキル、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換されてもよい。
化学式1でRのアルキルおよび/またはアリールアルキルが複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0081】
化学式1でRがアリールアルキルである場合、パラ位置にアルキル基、ハロ基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基またはフェニル基が置換されたものでありうる。
【0082】
化学式1でRは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルでありうる。化学式1でRは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルでありうる。化学式1でRは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチルまたはナフチルメチルでありうる。
【0083】
用語「シクロアルキル」は、非芳香族、飽和または部分的に不飽和炭化水素環基を意味し、例えば、シクロアルキルは、モノまたはビサイクリックでありうる。化学式1でRのアルキル、アリールアルキルおよびシクロアルキルは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル、ハロ基、アリール基、ハロアルキル、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換されてもよい。
【0084】
化学式1でRのアルキル、アリールアルキルおよび/またはシクロアルキルが複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0085】
化学式1でRがアルキルである場合、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基が置換されたものでありうる。例えば、アルキルチオ基は、メチルチオ基、エチルチオ基等でありうる。例えば、アリールアルキルチオ基は、フェニルチオ基、ベンジルチオ基等でありうる。
【0086】
化学式1でRおよびRは、4~7員環、4~6員環または5~6員環を成して互いに連結され得る。すなわち、RおよびRは、連結されて4角~7角環、4角~6角環または5角~6角環を形成するものでありうる。RおよびRが連結された4~7員環は、3~6個の炭素を含むことができる。RおよびRが連結された4~6員環は、3~5個の炭素を含むことができる。RおよびRが連結された5~6員環は、4~5個の炭素を含むことができる。化学式1でLは、直接結合であるか、C1~C6、C1~C4またはC1~C2のアルキレンでありうる。
【0087】
用語「アルキレン」は、直鎖状または分岐状の炭化水素鎖から誘導される2価の残基を意味し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、sec-ブチレン基、t-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基等でありうる。
【0088】
のアルキレンは、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換されてもよい。化学式1でLのアルキレンが複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0089】
化学式1でnは、0~4の整数であり;Rは、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり;Rは、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;Lは、直接結合であるか、C1~C6のアルキレンであり;Rは、水素、C1~C10のアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C8のシクロアルキルまたはアリール(C1~C4)アルキルであるか、RとRが4~7員環を成して互いに連結され;前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0090】
化学式1でnは、0~2の整数であり;Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり;Rは、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;Lは、C1~C4のアルキレンであり;Rは、水素、C1~C6のアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであり、Rは、水素、C1~C4のアルキル、C3~C6のシクロアルキルまたはアリール(C1~C2)アルキルであるか、RとRが4~6員環を成して互いに連結され;前記R~Rのアルキルと、前記R、RおよびRのアリールアルキル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0091】
化学式1でnは、0~1の整数であり;Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり;Rは、C1~C6のアルキルであり、前記Rが複数個である場合、これらは、互いに同じか、異なっており;Lは、C1~C2のアルキレンであり;Rは、水素、C1~C6のアルキル、フェニルメチルまたはフェニルエチルであり、Rは、水素、C1~C2のアルキル、C5~C6のシクロアルキル、フェニルメチル、フェニルエチルまたはナフチルメチルであるか、RとRが5~6員環を成して互いに連結され;前記R~Rのアルキル、前記R、RおよびRのフェニルメチル、フェニルエチルおよびナフチルメチル、前記Rのシクロアルキル、前記Lのアルキレンは、それぞれ独立して、C1~C6のアルキル基、ハロ基、アリール基、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルチオ基またはアリールアルキルチオ基の置換基で置換もしくは非置換され、複数個の置換基で置換される場合、各置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0092】
化学式1の化合物は、下記表1の化学式2、化学式5、化学式8~9、化学式13~34でありうる。
【0093】
【表1】
【0094】
薬学的に許容可能な塩は、例えば酸付加塩または金属塩でありうる。
【0095】
酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸のような無機酸類と、脂肪族モノおよびジカルボキシレート、フェニル-置換されたアルカノエート、ヒドロキシアルカノエートおよびアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族および芳香族スルホン酸類のような無毒性有機酸から形成され得る。このような薬学的に無毒な塩は、サルフェート、ピロサルフェート、バイサルフェート、サルファイト、バイサルファイト、ニトラート、ホスフェート、モノハイドロゲンホスフェート、ジハイドロゲンホスフェート、メタホスフェート、ピロホスフェート、クロライド、ブロミド、ヨージド、フルオライド、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホルメート、イソブチレート、カプレート、ヘプタノエート、プロピオレート、オキサレート、マロネート、スクシネート、スベレート、セバケート、フマレート、マリエート、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキサン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、テレフタレート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルネート、クロロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、β-ヒドロキシブチレート、グリコレート、マレート、タルトレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネートまたはマンデレートを含むことができる。例えば、化学式1で表される化合物の酸付加塩は、化合物を過量の酸水溶液中に溶解させ、塩を水和性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを使用して沈殿させて収得することができる。金属塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩でありうる。
【0096】
金属塩は、塩基を使用して製造することができ、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、化合物を過量のアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物溶液中に溶解し、非溶解化合物塩を濾過し、濾液を蒸発および/または乾燥させて収得することができる。
【0097】
前述した化学式1の化合物および/またはその薬学的に許容可能な塩は、小胞体ストレス信号伝達で生存信号伝達を担当するSERCAタンパク質の抑制剤としての役割をすることができる。
【0098】
また、本発明は、前述した化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む抗癌活性増進用薬学組成物を提供する。
化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、前述したところと同一である。
抗癌活性増進は、抗癌剤または放射線の抗癌活性増進でありうる。
本発明の組成物は、抗癌剤を利用した化学的治療法、放射線治療法または免疫治療法等の抗癌治療療法に対する効果を増進させることができる。
【0099】
「抗癌治療療法」は、癌を治療するための方法であって、例えば外科的切除治療法、抗癌剤を利用した化学的治療法、放射線治療法または免疫治療法でありうる。
用語「治療」は、病気が疑われる個体および発病個体の症状が好転したり有利に変更されるすべての行為を意味する。
本発明の組成物は、抗癌治療療法に対する抗癌補助剤として使用され得る。
抗癌剤は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤よりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。
【0100】
タキサン系抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセルおよびカバジタキセルよりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。カンプトテシン系抗癌剤は、イリノテカン、トポテカンおよびベロテカンよりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。
【0101】
本発明の組成物は、耐性癌に対する抗癌活性増進用である薬学組成物でありうる。
本発明の組成物は、抗癌治療療法に対する癌細胞の感受性を増加させることができ、耐性癌の耐性を克服することができる。
【0102】
用語「癌細胞の感受性増加」は、耐性がない癌細胞に対して成長抑制等の効果を示す濃度と比較して、耐性を獲得した癌細胞の成長抑制および細胞死滅等の効果を示す濃度が同等であるか、それ以上で上昇させる程度に達することを意味する。
【0103】
用語「耐性癌」とは、抗癌治療療法により癌の症状が好転、緩和、軽減または治療症状を示さない癌を意味する。耐性癌は、特定の抗癌治療療法に対して初めから耐性を有するものであってもよく、最初には耐性を示さなかったが、長時間の治療による癌細胞内の遺伝子変異等によって同じ治療療法に対する耐性が現れたものでありうる。
耐性癌は、放射線照射を通した放射線治療療法に対して耐性を有する癌、すなわち放射線に対する耐性癌でありうる。
耐性癌は、抗癌剤を利用した化学治療療法に対して耐性を有する癌、すなわち抗癌剤に対する耐性癌でありうる。
例えば、抗癌剤に対する耐性癌は、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つに対する耐性癌でありうる。
【0104】
タキサン系抗癌剤に対する耐性癌は、NF-κBやGRP78等のような生存信号伝達タンパク質によりタキサン系抗癌剤による癌細胞死滅効果が阻害されて発生するものでありうる。この場合、本発明の薬学組成物は、NF-κBやGRP78等のような生存信号伝達タンパク質の発現や活性を抑制させることによって、タキサン系抗癌剤に対する耐性を克服するものと見られる。
【0105】
カンプトテシン系抗癌剤に対する耐性癌は、PARPやNF-κB等のような生存信号伝達タンパク質によりカンプトテシン系抗癌剤による癌細胞死滅効果が阻害されて発生するものでありうる。この場合、本発明の薬学組成物は、PARPやNF-κB等のような生存信号伝達タンパク質の発現や活性を抑制させることによって、カンプトテシン系抗癌剤に対する耐性を克服するものと見られる。
【0106】
タキサン系抗癌剤および/またはカンプトテシン系抗癌剤に対する耐性癌は、小胞体ストレス信号伝達で生存信号伝達を担当するSERCAタンパク質の過発現および/または過度な活性化により癌細胞死滅効果が阻害されて発生するものでありうる。すなわち、SERCAタンパク質の阻害剤としてSERCAタンパク質の発現や活性を抑制させることができる本発明の薬学組成物は、タキサン系抗癌剤および/またはカンプトテシン系抗癌剤に対する耐性を克服することができる。
タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤に対しては、前述したところと同一である。
【0107】
耐性癌は、甲状腺癌、胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、カポジ肉腫、子宮頸癌、すい臓癌、頭頸部癌、直腸癌、結腸癌、食道癌および前立腺癌よりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。これらは、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つにより耐性が誘発された癌でありうる。
【0108】
本発明の組成物は、抗癌剤とともに併用投与され得、この場合、抗癌剤または放射線に対する耐性を克服させる抗癌増強効果(adjuvant effect)を示すことができる。本発明の組成物は、化学式1で表現される化合物またはその薬学的に許される塩;と抗癌剤をさらに含むことができる。
【0109】
この際、追加で含まれる抗癌剤は、ナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ 、バンデタニブ、ニロチニブ、セマサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、パゾパニブ、トセラニブ、ニンテダニブ、レゴラフェニブ、セマクサニブ、チボザニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、レンバチニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカムアルバム、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、メチルアミノレブリン酸、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム、キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシン、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、カペシタビン、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトル、ロイコボリン、トレトニン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、オラパリブ、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストトラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、ボリノスタット、エンチノスタットおよびカルムスチンよりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。
【0110】
本発明の組成物は、化学式1で表現される化合物またはその薬学的に許される塩の他に、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。
例えば、本発明の組成物は、パクリタキセル、ドセタキセルおよびカバジタキセルよりなる群から選ばれた少なくとも1つをさらに含むことができる。
例えば、本発明の組成物は、イリノテカン、トポテカンおよびベロテカンよりなる群から選ばれた少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0111】
例えば、本発明の組成物は、パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、イリノテカン、トポテカンおよびベロテカンよりなる群から選ばれた少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0112】
本発明の組成物は、化学式1で表現される化合物またはその薬学的に許される塩;と、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つ;以外にも、他の抗癌剤をさらに含むことができる。
【0113】
タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤以外に、他の抗癌剤は、ナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ 、バンデタニブ、ニロチニブ、セマサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、パゾパニブ、トセラニブ、ニンテダニブ、レゴラフェニブ、セマクサニブ、チボザニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、レンバチニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカムアルバム、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、メチルアミノレブリン酸、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム、キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシン、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、カペシタビン、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトル、ロイコボリン、トレトニン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、オラパリブ、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストトラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、ボリノスタット、エンチノスタットおよびカルムスチンよりなる群から選ばれた少なくとも1つでありうる。
【0114】
本発明の組成物は、化学式1で表現される化合物またはその薬学的に許される塩;と、タキサン系抗癌剤およびカンプトテシン系抗癌剤のうち少なくとも1つ;以外に、他の抗癌剤をさらに含むことによって、さらに優れた抗癌活性増進効果を示すことができる。
【0115】
本発明の薬学組成物は、化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩と抗癌剤を1:0.001~1:1000,1:0.01~1:100,1:0.1~1:50または1:0.1~1:20モル濃度比で含むことができる。
【0116】
本発明の薬学組成物は、カプセル、錠剤、顆粒、注射剤、軟こう剤、粉末または飲料の形態でありうる。
本発明の薬学組成物は、散剤、顆粒剤、カプセル、錠剤、水性懸濁液等の経口型剤形、外用剤、坐剤および注射剤の形態で剤形化して使用され得る。
【0117】
本発明の薬学組成物は、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。薬学的に許容可能な担体は、経口投与時には、結合剤、滑沢剤、崩解剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料等であり得、注射剤の場合には、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張剤、安定化剤等を混合して使用することができ、局所投与用の場合は、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤等を使用することができる。
【0118】
本発明の薬学組成物の剤形は、薬学的に許容される担体と混合して多様に製造され得、例えば、経口投与時には、錠剤、トローチ、カプセル、エリクシール(elixir)、サスペンション、シロップ、ウェハー等の形態で製造され得、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは多数回投薬形態で製造され得る。また、本発明の薬学組成物の剤形は、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、徐放性製剤などで製造され得る。
【0119】
製剤化のための担体、賦形剤および希釈剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレート、鉱物油、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤または防腐剤等でありうる。
【0120】
本発明の薬学組成物の投与経路は、これらに限定されるものではないが、口腔、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸が含まれる。
【0121】
本発明の薬学組成物は、経口または非経口投与され得、非経口投与時に、皮膚外用または腹腔内注射、直腸内注射、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射または胸部内注射の注入方式が選択され得る。
【0122】
本発明の薬学組成物の投与量は、患者の状態および体重、病気の程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なるが、当業者により適切に選択され得る。例えば、本発明の薬学組成物は、1日0.0001~1000mg/kgまたは0.001~500mg/kgで投与され得る。本発明の薬学組成物の投与は、一日に1回投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。前記投与量は、いかなる面においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0123】
また、本発明は、耐性癌の治療に使用するための化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の用途を提供する。
耐性癌、化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、前述した内容と同一であるので、具体的な説明は省略する。
【0124】
また、本発明は、耐性癌がある対象に前述した化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療的有効量を投与する段階を含む癌治療方法を提供する。
用語「投与」は、適切な方法で個体に所定の物質を導入することを意味する。
耐性癌、化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、前述した内容と同一であるので、具体的な説明は省略する。
【0125】
「耐性癌がある対象」は、耐性癌が発病したり、発病可能性が高くて、適切な治療を必要とする個体を意味するもので、抗癌治療療法として、例えば、外科的切除治療法、抗癌剤を利用した化学的治療法、放射線治療法または免疫治療法を受けたが、これに対して耐性を有して再発した個体でありうる。
耐性癌がある対象は、ヒト、牛、犬、ギニアピッグ、ウサギ、鶏または昆虫等を含むことができる。
【0126】
また、本発明は、耐性癌がある対象に前述した化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与する段階;および放射線を照射する段階;を含む放射線治療方法を提供する。
耐性癌、耐性癌がある対象、化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、前述した内容と同一であるので、具体的な説明は省略する。
放射線照射は、癌の放射線治療のために従来使用された任意の放射線照射方法または今後開発される癌に対する放射線照射方法が全部適用され得る。
【0127】
本発明の化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の投与と放射線照射を併用する場合、癌細胞または癌幹細胞の成長抑制および/または死滅誘導に相乗的な効果を付与して癌を効果的に予防または治療できるだけでなく、ひいては、放射線に対する耐性や、癌の転移または癌の再発を防止することができる。
【0128】
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を取って詳細に説明することとする。
製造例
1.製造例1-1:C101、L19031
【0129】
下記に記載された10段階の反応を経て2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione(C101)を製造した。各段階での合成方法を以下で具体的に説明する。
1)段階1
【0130】
[反応式1]
【化6】
【0131】
反応式1のようにベンゾフラン(1.0当量)をテトラヒドロフラン溶媒下で-78℃に冷却し、2.5Mのn-ブチルリチウム(1.2当量)溶液を添加した。-78℃を維持しつつ1時間撹拌し、エチルヨージド(2.0当量)を滴加した後、0℃で1時間撹拌した。反応完結を確認し、アンモニウムクロライド水溶液とエチルアセテートを使用して反応を終了した。有機層を蒸留水で洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、2-エチルベンゾフランを収得した。
2)段階2
【0132】
[反応式2]
【化7】
【0133】
2-エチルベンゾフラン(1.0当量)をメチレンクロライド(MC)に投入した後、0℃に冷却し、0℃を維持しつつ、スズ(IV)クロライド(1.5当量)、ジクロロメチルメチルエーテル(1.5当量)を順に投入した後、1時間撹拌した。反応完結を確認し、アンモニウムクロライド水溶液とメチレンクロライドを使用して反応を終了した。有機層を蒸留水で洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、2-ethylbenzofuran-3-carbaldehydeを収得した。
3)段階3
【0134】
[反応式3]
【化8】
【0135】
piperazine-2-carboxylic acid(1.0当量)、ジオキサンおよび蒸留水を入れ、5℃以下に冷却した。その後、di-tert-butyl dicarbonate(1.1当量)を10℃以下を維持しつつ投入した。室温で5時間撹拌後、炭酸ナトリウム(1.1当量)を投入し、5分間撹拌した。9-Fluorenylmethyl chloroformate(1.2当量)を投入し、一晩中撹拌後、減圧濃縮した。残渣にエチルアセテートと1M塩酸を入れ、pHを2~3にし、残渣がすべて溶けるまで激しく撹拌した。有機層をbrineで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥後、減圧濃縮した。EAで再結晶して、白色固体粉末である1-(((9H-fluoren-9-yl)methoxy)carbonyl)-4-(tert-butoxycarbonyl)piperazine-2-carboxylic acidを収得した。
4)段階4
【0136】
[反応式4]
【化9】
【0137】
1-(((9H-fluoren-9-yl)methoxy)carbonyl)-4-(tert-butoxycarbonyl)piperazine-2-carboxylic acid、ベンジルアルコール(1.02当量)とトリフェニルホスフィン(1.02当量)の無水メチレンクロライド溶液を窒素気流下で0℃に冷却した。0℃以下を維持しつつ、Diethyl Azodicarboxylate(DEAD)(1.02当量)を投入し、1時間撹拌した。水を投入して20分間激しく撹拌後、有機層を無水マグネシウムサルフェートで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、白色固体粉末である1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl 4-(tert-butyl)piperazine-1,2,4-tricarboxylateを収得した。
5)段階5
【0138】
[反応式5]
【化10】
【0139】
反応式5のように、室温で1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl 4-(tert-butyl)piperazine-1,2,4-tricarboxylateのメチレンクロライド(5.0ボリューム)溶液にトリフルオロ酢酸(TFA)(2.0ボリューム)を添加し、室温で30分間撹拌した。重炭酸ナトリウムで中和させた後、メチレンクロライドで抽出し、有機層をbrineで洗浄した。無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、濃縮させて、1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl piperazine-1,2-dicarboxylateを収得した。
6)段階6
【0140】
[反応式6]
【化11】
【0141】
室温で段階2を通じて収得した2-ethylbenzofuran-3-carbaldehyde(1.0当量)と段階5を通じて収得した1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl piperazine-1,2-dicarboxylate(1.2当量)を1,2-ジクロロエタン(DCE)に投入後、30分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.0当量)を入れ、室温で一晩中撹拌した。反応液にメチレンクロライドと水を入れ、20分間激しく撹拌した。分離した有機層をbrineで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、濃縮して、1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-1,2-dicarboxylateを収得した。
7)段階7
【0142】
[反応式7]
【化12】
【0143】
室温で1-((9H-fluoren-9-yl)methyl)2-benzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-1,2-dicarboxylate(1.0当量)をジメチルホルムアミドに溶解させた後、ピペリジン(10当量、溶媒中、25%ピペリジン)を投入し、1時間撹拌した。反応にエチルアセテートを入れた後、アンモニウムクロライド水溶液で溶液内のピペリジンを洗浄した。無水マグネシウムサルフェートで乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、benzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-2-carboxylateを収得した。
8)段階8
【0144】
[反応式8]
【化13】
【0145】
室温でbenzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-2-carboxylate(1.0当量)とN-(tert-Butoxycarbonyl)glycine(1.1当量)、そして(Benzotriazol-1-yloxy)tripyrrolidinophosphonium hexafluorophosphate(1.2当量)をジメチルホルムアミドで溶解させた後、N,N-ジイソメチルプロピルエチルアミン(1.5当量)を添加し、室温で一晩中撹拌した。アンモニウムクロライド水溶液とエチルアセテートを使用して反応を終了させた。得られた有機層をbrineで洗浄後、無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、benzyl 1-((tert-butoxycarbonyl)glycyl)-4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-2-carboxylateを収得した。
9)段階9
【0146】
[反応式9]
【化14】
【0147】
反応式9のように、室温で段階8を通じて収得したbenzyl 1-((tert-butoxycarbonyl)glycyl)-4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)piperazine-2-carboxylateをジクロロメタン(5.0ボリューム)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(2.0ボリューム)を添加して室温で30分間撹拌した。反応が完了した後、反応液を重炭酸ナトリウム水溶液で中和させ、メチレンクロライドで抽出した。無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、減圧濃縮して、benzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-1-glycylpiperazine-2-carboxylateを収得した。
10)段階10
【0148】
[反応式10]
【化15】
【0149】
段階9で収得したbenzyl 4-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-1-glycylpiperazine-2-carboxylateをイソプロパノール(5.0ボリューム)に溶解させた後、酢酸(1.5ボリューム)を入れて加温して、1時間撹拌した。反応が完結した後、重炭酸ナトリウム水溶液で中和した。反応物をメチレンクロライドで抽出し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した。減圧濃縮後、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione(化学式2)を収得した。
【0150】
[化学式2]
【化16】
【0151】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione(C101、L19031またはcandidate1で表現)。
【0152】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.58 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 4.50 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.64 (dd, J = 57.5, 13.0 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.71-2.81 (m, 3H), 2.11 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.07 - 2.01 (m, 1H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0153】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.32, 161.99, 158.34, 154.16, 129.60, 123.65, 122.56, 119.87, 110.94, 109.53, 57.18, 56.42, 51.84, 51.58, 44.75, 41.78, 20.18, 13.10;
MS (ESI) m/z for C18H21N3O3 [M+H]+ : calcd 328.1656, found 328.1655.
【0154】
2.製造例1-2:C101.HCl、L19001
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の最後に塩酸を使用して化学式3の塩酸塩を製造した。
【0155】
[化学式3]
【化17】
【0156】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride(C101.HClまたはL19001で表現)。
【0157】
3.製造例2:C102、L19002
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-L-alanineを使用し、最後に塩酸を使用して化学式4の塩酸塩を製造した。
【0158】
[化学式4]
【化18】
【0159】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-7-methylhexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride (C102 または L19002で表現).
【0160】
1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ7.78-7.72 (m, 1H), 7.53-7.47 (m, 1H), 7.36-7.29 (m, 2H), 4.69 (dd, J = 21.3, 12.3 Hz, 1H), 4.60-4.46 (m, 3H), 4.13 (dq, J = 13.8, 6.8 Hz, 1H), 3.99 - 3.91 (m, 1H), 3.66 (s, 1H), 3.20 - 3.02 (m, 3H), 2.98 (dq, J = 7.5, 2.0 Hz, 2H), 1.46 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.38 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
MS (ESI) m/z for C19H23N3O3 [M+H]+: calcd 342.1812, found 342.1813.
【0161】
4.製造例3:C105、L19033
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-L-2-cyclohexylglycineを使用して化学式5の化合物を収得した。
【0162】
[化学式5]
【化19】
【0163】
7-cyclohexyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C105 または L19033で表現).
【0164】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 2H), 4.53 (t, J = 12.3 Hz, 1H), 4.06 (ddd, J = 20.0, 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 28.0 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 13.0, 5.5 Hz, 1H), 3.58 - 3.49 (m, 2H), 2.90 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.75-2.65 (m, 1H), 2.15 - 1.93 (m, 4H), 1.83-1.60 (m, 4H), 1.48 (dd, J = 32.5, 12.0 Hz, 1H), 1.34-1.26 (m 4H), 1.28-1.04 (m, 3H) ;
【0165】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ167.02, 166.42, 165.05, 163.54, 158.33, 158.27, 154.16, 129.62, 129.57, 128.75, 127.80, 127.19, 123.64, 123.63, 122.54, 119.90, 119.87, 110.91, 109.63, 109.57, 60.34, 59.95, 57.52, 57.09, 56.57, 56.50, 51.98, 51.89, 51.78, 51.54, 43.67, 42.11, 41.95, 41.52, 29.49, 29.30, 26.78, 26.56, 26.53, 26.39, 26.08, 25.98, 25.87, 20.16, 13.11, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C24H31N3O3 [M+H]+ : calcd 410.2438 , found 410.2442.
【0166】
5.製造例4:C107、L19003
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-L-methionineを使用し、最後に塩酸を使用して化学式6の塩酸塩を製造した。
【0167】
[化学式6]
【化20】
【0168】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-7-(2-(methylthio)ethyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride (C107 または L19003で表現).
【0169】
1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ7.80-7.76 (m, 1H), 7.50-7.47 (m, 1H), 7.34-7.30 (m, 2H), 4.72-4.57 (m, 4H), 4.25-4.21 (m, 1H), 4.00 (t, J = 9.8 Hz, 1H), 3.70 (s, 1H), 3.41 - 3.32 (m, 1H), 3.24 - 3.07 (m, 2H), 3.00 (dq, J = 11.0, 3.9 Hz, 2H), 2.64 - 2.50 (m, 2H), 2.28 - 2.18 (m, 1H), 2.14-2.06 (m, 1H), 2.00 (d, J = 22.5 Hz, 3H), 1.38 (dt, J = 7.5, 3.5 Hz, 3H) ;
MS (ESI) m/z for C21H27N3O3S [M+H]+ : calcd 402.1846, found 402.1843.
【0170】
6.製造例5:C108、L19004
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-S-benzyl-L-cysteineを使用し、最後に塩酸を使用して化学式7の塩酸塩を製造した。
【0171】
[化学式7]
【化21】
【0172】
7-((benzylthio)methyl)-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride (C108 または L19004で表現).
【0173】
1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ7.78 - 7.69 (m, 1H), 7.49-7.46 (m, 1H), 7.29 - 7.26 (m, 7H), 4.70 - 4.64 (m, 1H), 4.59 (s, 1H), 4.53-4.39 (m, 2H), 4.36 - 4.32 (m, 1H), 3.94 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 3.51 (dd, J = 42.0, 13.2 Hz, 2H), 3.09 (dd, J = 14.5, 4.0 Hz, 2H), 3.03 (dd, J = 14.5, 3.5 Hz, 1H), 2.99 - 2.88 (m, 2H), 2.80 (ddd, J = 35.5, 14.5, 3.8 Hz, 2H), 1.36 (dt, J = 12.0, 7.5 Hz, 3H) ;
MS (ESI) m/z for C26H29N3O3S [M+H]+ : calcd 464.2002, found 464.2001.
【0174】
7.製造例6:C109、L19035
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-L-prolineを使用して化学式8の化合物を収得した。
【0175】
[化学式8]
【化22】
【0176】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)octahydro-6H-pyrazino[1,2-a]pyrrolo[1,2-d]pyrazine-6,11(2H)-dione (C109 または L19035で表現).
【0177】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.58 (dd, J = 13.0, 7.5 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24 - 7.15 (m, 2H), 4.45 (dd, J = 59.0, 13.0 Hz, 1H), 4.13 - 3.98 (m, 2H), 3.81 - 3.66 (m, 2H), 3.62-3.37 (m, 3H), 2.96 - 2.71 (m, 4H), 2.48 - 2.40 (m, 1H), 2.15 - 1.82 (m, 5H), 1.30 (dt, J = 16.0, 8.0 Hz, 3H) ;
【0178】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ167.19, 164.43, 163.30, 162.81, 158.31, 158.30, 154.16, 154.13, 129.66, 129.62, 123.63, 123.56, 122.58, 122.48, 119.97, 119.85, 110.90, 110.87, 109.75, 109.49, 61.16, 59.10, 58.76, 57.14, 56.28, 55.82, 52.01, 51.91, 51.67, 51.43, 45.51, 45.42, 42.04, 41.75, 31.82, 30.15, 29.96, 22.89, 22.07, 21.92, 20.19, 20.17, 14.37, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C21H25N3O3 [M+H]+ : calcd 368.1969, found 368.1974.
【0179】
8.製造例7-1:C111、L19037
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-L-phenylalanineを使用して、化学式9の化合物を製造した。
【0180】
[化学式9]
【化23】
【0181】
7-benzyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C111 または L19037で表現).
【0182】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.49 (dd, J = 12.5, 7.5 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.0, 5.0 Hz, 1H), 7.34-7.16 (m, 7H), 4.46 (dd, J = 39.5, 13.0 Hz, 1H), 4.34(d, J = 26.5 Hz, 1H), 3.83(dd, J = 10.5, 2.5 Hz, 0.5H), 3.55(dd, J = 62.5, 13.5 Hz, 1H), 3.39 (s, 1H), 3.35(dd, J = 13.5, 4.0 Hz, 0.5H), 3.30-3.21(m, 1H), 3.04(dd, J = 13.5, 4.0 Hz, 0.5H), 2.97(dd, J = 13.5, 4.0 Hz, 1H), 2.86-2.79(m, 1H), 2.76-2.69(m, 3H), 2.59(dd, J = 12.5, 3.0 Hz, 0.5H), 2.44(dd, J = 12.5, 3.5 Hz, 0.5H), 1.97-1.90(m, 1H), 1.69(dd, J = 12.0, 3.0 Hz, 0.5H), 1.28(dt, J = 7.5, 7.5 Hz, 3H) ;
【0183】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ167.02, 166.39, 164.80, 162.84, 158.28, 158.19, 154.13, 135.21, 135.03, 131.16, 130.32, 129.69, 129.63, 128.89, 128.79, 127.89, 127.52, 123.63, 123.59, 122.53, 122.48, 119.88, 119.82, 110.90, 110.88, 109.58, 109.43, 57.62, 56.35, 56.12, 55.96, 55.91, 55.32, 51.77, 51.40, 51.34, 51.30, 41.08, 41.4, 40.73, 20.16, 20.10, 13.10, 13.07 ;
MS (ESI) m/z for C25H27N3O3 [M+H]+ : calcd 418.2125, found 418.2129.
【0184】
9.製造例7-2:C111.HCl、L19005
製造例7-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例7-1の最後に塩酸を使用して化学式10の塩酸塩を製造した。
【0185】
[化学式10]
【化24】
【0186】
7-benzyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride(C111.HCl または L19005で表現).
【0187】
10.製造例8:C121、L19006
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-3-(1-naphthyl)-D-alanineを使用し、最後に塩酸を使用して化学式11の塩酸塩を製造した。
【0188】
[化学式11]
【化25】
【0189】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-7-(naphthalen-1-ylmethyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride (C121 または L19006で表現).
【0190】
1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ8.07 (dd, J = 18.8, 8.5 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 12.8, 8.0 Hz, 1H), 7.64 - 7.21 (m, 9H), 4.59 (s, 1H), 4.50-4.43 (m, 1H), 4.40 (d, J = 14.0 Hz, 0.5H), 4.23 (bs, 1H), 4.18 (d, J = 14 Hz, 0.5H), 4.02 (d, J = 11.5 Hz, 0.5H), 3.90 (dd, J = 14.0, 3.0 Hz, 0.5H), 3.81 (bs, 1H), 3.74 (dd, J = 14.0, 4.0 Hz, 0.5H), 3.54-3.49 (m, 1H), 3.36-3.20 (m, 1H), 3.09 (dd, J = 29.0, 11.5 Hz, 1H), 2.86-2.70 (m, 3.5H), 2.57 (d, J = 11.0 Hz, 0.5H), 2.17-2.08 (m, 0.5H), 1.31 (dt, J = 17.5, 7.5 Hz, 3H) ;
MS (ESI) m/z for C29H29N3O3 [M+H]+ : calcd 468.2282, found 468.2284.
【0191】
11.製造例9:C122、L19007
製造例1-1と同じ方法で合成するが、前述した製造例1-1の段階8で反応物質であるN-(tert-Butoxycarbonyl)glycineの代わりに、N-(tert-Butoxycarbonyl)-3-(2-naphthyl)-D-alanineを使用し、最後に塩酸を使用して化学式12の塩酸塩を製造した。
【0192】
[化学式12]
【化26】
【0193】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-7-(naphthalen-2-ylmethyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione hydrochloride (C122 または L19007で表現).
【0194】
1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ8.00 - 7.15 (m, 11H), 4.64 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.59 (s, 1H), 4.52 - 4.45 (m, 1H), 4.42 (s, 1H), 4.19 (d, J = 10.5 Hz, 0.5H), 3.65-3.33 (m, 3.5H), 3.27 (d, J = 11 Hz, 0.5H), 3.19-3.06 (m, 2H), 2.96-2.82 (m, 2H), 2.64-2.52 (m, 1.5H), 2.14 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 0.5H), 2.14 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 0.5H) 1.27 (dt, J = 27.0, 7.5 Hz, 3H) ;
MS (ESI) m/z for C29H29N3O3 [M+H]+ : calcd 468.2282, found 468.2283.
【0195】
12.製造例10:C201、L19008
製造例1-1で収得した化合物(化学式2)を出発物質として使用して下記反応式11の段階を追加的にさらに進めて、化学式13の化合物を収得した。
【0196】
[反応式11]
【化27】
【0197】
常温で2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dioneと水素化ナトリウム(2.0当量)、ジメチルホルムアミドを添加し、1時間撹拌後、メチルヨージドを入れて室温で一晩中撹拌した。TLCで反応を確認した後、アンモニウムクロライド水溶液とエチルアセテートで反応を終結した。有機層を水溶液で洗浄後、無水マグネシウムサルフェートで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-methylhexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dioneを収得した。
【0198】
[化学式13]
【化28】
【0199】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-methylhexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C201 または L19008で表現).
【0200】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.25 - 7.16 (m, 2H), 4.49 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.09 - 4.03 (m, 1H), 3.97-3.96 (m, 2H), 3.78 - 3.50 (m, 3H), 2.95 (s, 3H), 2.89 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.80-2.70 (m, 3H), 2.11 - 1.99 (m, 2H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ; 13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.73, 161.65, 158.36, 154.15, 129.62, 123.62, 122.56, 119.88, 110.91, 109.49, 57.45, 56.85, 51.76, 51.43, 51.40, 41.56, 33.62, 20.18, 13.08 ;
MS (ESI) m/z for C19H23N3O3 [M+H]+ : calcd 342.1812, found 342.1802.
【0201】
13.製造例11:C202、L19009
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、エチルヨージドを使用して化学式14の化合物を収得した。
【0202】
[化学式14]
【化29】
【0203】
8-ethyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C202 または L19009で表現).
【0204】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.23 - 7.16 (m, 2H), 4.48 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.07 - 4.03 (m, 1H), 4.01 - 3.91 (m, 2H), 3.72 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.59-3.52 (m 2H), 3.50 - 3.35 (m, 2H), 2.88 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.08 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.15 (t, J = 7.3 Hz, 3H) ;
【0205】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.20, 162.05, 158.29, 154.15, 129.63, 123.60, 122.53, 119.90, 110.89, 109.60, 57.54, 56.89, 51.81, 51.39, 48.81, 41.59, 41.12, 20.18, 13.08, 11.83 ;
MS (ESI) m/z for C20H25N3O3 [M+H]+ : calcd 356.1969, found 356.1955.
【0206】
14.製造例12:C203、L19010
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、ブチルブロミドを使用して化学式15の化合物を収得した。
【0207】
[化学式15]
【化30】
【0208】
8-butyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C203 または L19010で表現).
【0209】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24 - 7.16 (m, 2H), 4.48 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 3.72 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.60-3.52 (m, 2H), 3.37 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.88 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.80 - 2.69 (m, 3H), 2.07 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 11.5, 3.3 Hz, 1H), 1.57 - 1.49 (m, 2H), 1.36 - 1.28 (m, 5H), 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 3H) ;
【0210】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.43, 162.09, 158.28, 154.15, 129.63, 123.59, 122.52, 119.90, 110.88, 109.59, 57.52, 56.94, 51.80, 51.38, 49.34, 45.97, 41.59, 28.63, 20.17, 20.12, 13.95, 13.07 ;
MS (ESI) m/z for C22H29N3O3 [M+H]+ : calcd 384.2282, found 384.2260.
【0211】
15.製造例13:C204、L19011
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、ヘキシルブロミドを使用して化学式16の化合物を収得した。
【0212】
[化学式16]
【化31】
【0213】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-hexylhexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C204 または L19011で表現).
【0214】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24 - 7.16 (m, 2H), 4.48 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.72 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.59-3.52 (m, 2H), 3.37 (dd, J = 8.8, 6.8 Hz, 2H), 2.88 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.07 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (dd, J = 3.5, 11.5, Hz, 1H), 1.57 - 1.50 (m, 2H), 1.32-1.26 (t, J = 6.1 Hz, 9H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ;
【0215】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.41, 162.11, 158.30, 154.16, 129.63, 123.60, 122.53, 119.89, 110.89, 109.58, 57.53, 56.95, 51.81, 51.38, 49.36, 46.25, 41.60, 31.63, 26.55, 26.52, 22.73, 20.17, 14.22, 13.07 ;
MS (ESI) m/z for C24H33N3O3 [M+H]+ : calcd 412.2595, found 412.2566.
【0216】
16.製造例14:C206、L19012
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、ベンジルブロミドを使用して化学式17の化合物を収得した。
【0217】
[化学式17]
【化32】
【0218】
8-benzyl-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C206 または L19012で表現).
【0219】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.60 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.36 - 7.29 (m, 3H), 7.26 - 7.17 (m, 4H), 4.57 (q, J = 14.5 Hz, 2H), 4.46 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.85 (s, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.62-3.56 (m, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 1H), 2.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.73 (dd, J = 12.5, 3.5 Hz, 1H), 2.12 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (dd, J = 11.5, 3.5 Hz, 1H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0220】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.69, 161.91, 158.31, 154.18, 135.15, 129.63, 129.18, 128.72, 128.44, 123.63, 122.55, 119.90, 110.93, 109.59, 57.61, 56.97, 51.82, 51.37, 49.55, 48.77, 41.61, 20.20, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C25H27N3O3 [M+H]+ : calcd 418.2153, found 418.2093.
【0221】
17.製造例15:C207、L19013
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-メチルベンジルブロミドを使用して化学式18の化合物を収得した。
【0222】
[化学式18]
【化33】
【0223】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-(4-methylbenzyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C207 または L19013で表現).
【0224】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.26 - 7.17 (m, 2H), 7.14 (s, 4H), 4.52 (dd, J = 32.5, 14.0 Hz, 2H), 4.45 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 10.5, 2.5 Hz, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.61-3.56 (m, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 1H), 2.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.72 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.20 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.01 (dt, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0225】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.60, 161.97, 158.30, 154.18, 138.24, 132.11, 129.83, 129.64, 128.77, 123.63, 122.55, 119.90, 110.92, 109.60, 57.62, 56.97, 51.82, 51.37, 49.28, 48.66, 41.59, 21.36, 20.19, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C26H29N3O3S [M+H]+ : calcd 432.2282, found 432.2240.
【0226】
18.製造例16:C208、L19014
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-クルロロベンジルブロミドを使用して化学式19の化合物を収得した。
【0227】
[化学式19]
【化34】
【0228】
8-(4-chlorobenzyl)-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C208 または L19014で表現).
【0229】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.25 - 7.17 (m, 4H), 4.52 (dd, J = 23.5, 14.5 Hz, 2H), 4.46 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.84 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.61-3.56 (m, 2H), 2.88 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.10 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (td, J = 11.5, 3.5 Hz, 1H), 1.31 (t, J = 8.0 Hz, 3H) ;
【0230】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.78, 161.69, 158.32, 154.18, 134.41, 133.73, 130.09, 129.61, 129.37, 123.65, 122.55, 119.88, 110.94, 109.54, 57.56, 56.89, 51.81, 51.35, 48.96, 48.82, 41.64, 20.19, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C25H26ClN3O3 [M+H]+ : calcd 452.1736, found 452.1688.
【0231】
19.製造例17:C209、L19015
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-ブロモベンジルブロミドを使用して化学式20の化合物を収得した。
【0232】
[化学式20]
【化35】
【0233】
8-(4-bromobenzyl)-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C209 または L19015で表現).
【0234】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25 - 7.17 (m, 2H), 7.13 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.55-4.43 (m, 3H), 4.12 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.73 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.61 - 3.55 (m, 2H), 2.88 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 2.81-2.69 (m, 3H), 2.10 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 11.5, 3.0 Hz 1H), 1.31 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0235】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.79, 161.67, 158.32, 154.18, 134.24, 132.33, 130.41, 129.61, 123.65, 122.55, 122.52, 119.88, 110.94, 109.54, 57.55, 56.89, 51.81, 51.35, 49.03, 48.84, 41.64, 20.19, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C25H26BrN3O3 [M+H]+ : calcd 496.1230, found 496.1192.
【0236】
20.製造例18:C210、L19016
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-フルオロベンジルブロミドを使用して化学式21の化合物を収得した。
【0237】
[化学式21]
【化36】
【0238】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-(4-fluorobenzyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C210 または L19016で表現).
【0239】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25 - 7.17 (m, 4H), 7.02 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 4.53 (dd, J = 32.5, 14.5 Hz, 2H), 4.46 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.85 (s, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.59 (m, 2H), 2.88 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.11 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 11.5, 3.5 Hz, 1H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0240】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.72, 161.75, 158.31, 154.18, 131.07, 131.04, 130.56, 130.50, 129.62, 123.64, 122.55, 119.89, 116.20, 116.03, 110.93, 109.56, 57.58, 56.91, 51.82, 51.36, 48.87, 48.74, 41.62, 20.19, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C25H26FN3O3 [M+H]+ : calcd 436.2031, found 436.1994.
【0241】
21.製造例19:C211、L19017
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-トリフルオロメチルベンジルブロミドを使用して化学式22の化合物を収得した。
【0242】
[化学式22]
【化37】
【0243】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-(4-(trifluoromethyl)benzyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C211 または L19017で表現).
【0244】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.62-7.58 (m, 3H), 7.41 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.26-7.19 (m, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.47 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.73 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.62-3.57 (m, 2H), 2.90 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.82-2.71 (m, 3H), 2.12 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.03 (dt, J = 11.5, 3.5 Hz, 1H), 1.31 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0245】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.93, 161.55, 158.34, 154.18, 139.28, 129.60, 128.92, 126.21, 126.18, 126.15, 126.12, 123.66, 122.56, 119.87, 110.95, 109.52, 57.55, 56.88, 51.81, 51.35, 49.20, 49.03, 41.67, 20.19, 13.08 ;
MS (ESI) m/z for C26H26F3N3O3 [M+H]+ : calcd 486.1999, found 486.1958.
【0246】
22.製造例20:C212、L19018
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-シアノベンジルブロミドを使用して化学式23の化合物を収得した。
【0247】
[化学式23]
【化38】
【0248】
4-((8-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-1,4-dioxooctahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazin-2-yl)methyl)benzonitrile (C212 または L19018で表現).
【0249】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.64 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.30 (dt, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.19 (dt, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.47 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.63-3.56 (m, 2H), 2.90 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 2.81-2.72 (m, 3H), 2.12 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.04 (dt, J = 12.0, 3.5 Hz, 1H), 1.31 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0250】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ164.05, 161.42, 158.33, 154.17, 140.63, 132.98, 129.59, 129.16, 123.66, 122.55, 119.85, 118.57, 112.43, 110.95, 109.48, 57.50, 56.81, 51.80, 51.34, 49.33, 49.20, 41.70, 20.19, 13.09 ;
MS (ESI) m/z for C26H26N4O3 [M+H]+ : calcd 443.2078, found 443.2043.
【0251】
23.製造例21:C213、L19019
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-ニトロベンジルブロミドを使用して化学式24の化合物を収得した。
【0252】
[化学式24]
【化39】
【0253】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-(4-nitrobenzyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C213 または L19019で表現).
【0254】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ8.20 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.26-7.17 (m, 2H), 4.67 (s, 2H), 4.47 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.90 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.74 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.63 - 3.56 (m, 2H), 2.91 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.82-2.73 (m, 3H), 2.13 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.04 (dd, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H), 1.31 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0255】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ164.10, 161.37, 158.35, 154.18, 148.02, 142.61, 129.59, 129.30, 124.40, 123.67, 122.56, 119.85, 110.96, 109.47, 57.50, 56.81, 51.80, 51.34, 49.26, 49.11, 41.71, 20.19, 13.09 ;
MS (ESI) m/z for C25H26N4O5 [M+H]+ : calcd 463.1976, found 463.1939.
【0256】
23.製造例22:C214、L19020
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-フェニルベンジルブロミドを使用して化学式25の化合物を収得した。
【0257】
[化学式25]
【化40】
【0258】
8-([1,1'-biphenyl]-4-ylmethyl)-2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C214 または L19020で表現).
【0259】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.61 - 7.54 (m, 5H), 7.46 - 7.39 (m, 3H), 7.37-7.31 (m, 3H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 4.60 (q, J = 14.5 Hz, 2H), 4.46 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.14 (, J = 11.0 Hz, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.73 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.63-3.57 (m, 2H), 2.88 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.14 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 12.0, 3.5 Hz, 1H), 1.31 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0260】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.73, 161.91, 158.33, 154.19, 141.46, 140.70, 134.13, 129.65, 129.23, 129.08, 127.93, 127.76, 127.33, 123.65, 122.57, 119.92, 110.94, 109.59, 57.63, 56.97, 51.84, 51.38, 49.29, 48.84, 41.63, 20.21, 13.13 ;
MS (ESI) m/z for C31H31N3O3 [M+H]+ : calcd 494.2438, found 494.2394.
【0261】
24.製造例23:C215、L19021
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、フェニルエチルブロミドを使用して化学式26の化合物を収得した。
【0262】
[化学式26]
【化41】
【0263】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-phenethylhexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C215 または L19021で表現).
【0264】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.31-7.16 (m, 7H), 4.44 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 11.0, 3.5 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 3.70 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.65-3.54 (m, 3H), 3.51 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.91 - 2.85 (m, 3H), 2.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.71 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 1H), 2.03 - 1.95 (m, 2H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ;
【0265】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.53, 161.89, 158.30, 154.17, 138.14, 129.64, 128.97, 128.94, 127.06, 123.63, 122.55, 119.91, 110.92, 109.59, 57.48, 56.86, 51.82, 51.41, 50.13, 48.14, 41.60, 33.08, 20.19, 13.12 ;
MS (ESI) m/z for C26H29N3O3 [M+H]+ : calcd 432.2282, found 432.2239.
【0266】
25.製造例24:C216、L19022
製造例10と同じ方法で合成するが、反応物質であるメチルヨージドの代わりに、4-フルオロフェネチルブロミド(4-fluorophenethyl bromide)を使用して化学式27の化合物を収得した。
【0267】
[化学式27]
【化42】
【0268】
2-((2-ethylbenzofuran-3-yl)methyl)-8-(4-fluorophenethyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C216 または L19022で表現).
【0269】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.58 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 2H), 7.17 - 7.12 (m, 2H), 6.97 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 4.44 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.82 (d, J = 6.0, 2H), 3.69 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.63 - 3.47 (m, 4H), 2.88 - 2.83 (m, 3H), 2.79 - 2.70 (m, 3H), 2.01 - 1.95 (m, 2H), 1.29 (t, J = 7.8 Hz, 3H) ;
【0270】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ163.57, 161.78, 158.32, 154.16, 133.74, 133.72, 130.41, 130.34, 129.62, 123.63, 122.54, 119.89, 115.88, 115.71, 110.92, 109.55, 57.45, 56.82, 51.80, 51.41, 50.00, 47.95, 41.61, 32.20, 20.18, 13.10 ;
MS (ESI) m/z for C26H28FN3O3 [M+H]+ : calcd 450.2188, found 450.2155.
【0271】
26.製造例25:C302、L19023
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、メチルヨージドを使用して化学式28の化合物を収得した。
【0272】
[化学式28]
【化43】
【0273】
2-((2-methylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C302 または L19023で表現).
【0274】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.57 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 4.50 (d, J = 13.5Hz, 1H), 4.06 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.64 (dd, J = 52.0, 13.5 Hz, 2H), 3.46 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.75 (td, J = 12.5, 3.0 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.12 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.06 - 2.02 (td, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H) ;
【0275】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.24, 161.97, 154.13, 153.42, 129.60, 123.64, 122.61, 119.68, 110.83, 110.45, 57.17, 56.34, 51.95, 51.60, 44.76, 41.75, 12.48 ;
MS (ESI) m/z for C17H19N3O3 [M+H]+ : calcd 314.1499, found 314.1508.
【0276】
27.製造例26:C303、L19024
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で生成された2-エチルベンゾフランの代わりに、2-ブチルベンゾフランを購入して反応させ、化学式29の化合物を収得した。
【0277】
[化学式29]
【化44】
【0278】
2-((2-butylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C303 または L19024で表現).
【0279】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24-7.16 (m, 2H), 4.50 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.65 (dd, J = 66.0, 13.5 Hz, 2H), 3.47 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.89 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.77 - 2.71 (m, 3H), 2.12 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.03 (td, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H), 1.74 - 1.67 (m, 2H), 1.42 - 1.33 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.4 Hz, 3H) ;
【0280】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.35, 161.98, 157.33, 154.18, 129.57, 123.61, 122.52, 119.88, 110.92, 110.24, 57.20, 56.51, 51.96, 51.56, 44.76, 41.79, 30.60, 26.44, 22.63, 14.10 ;
MS (ESI) m/z for C20H25N3O3 [M+H]+ : calcd 356.1969, found 356.1979.
【0281】
28.製造例27:C304、L19025
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、ヘキシルブロミドを使用して化学式30の化合物を収得した。
【0282】
[化学式30]
【化45】
【0283】
2-((2-hexylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C304 または L19025で表現).
【0284】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24-7.16 (m, 2H), 4.65 (s, 1H), 4.47 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.04 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.64 (dd, J = 70.0, 13.0 Hz, 2H), 3.46 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.88 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.76 - 2.72 (m, 3H), 2.10 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.01 (td, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H), 1.75 - 1.66 (m, 2H), 1.37 - 1.28 (m, 5H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ;
【0285】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.27, 162.03, 157.39, 154.18, 129.59, 123.62, 122.53, 119.88, 110.93, 110.20, 57.18, 56.51, 51.94, 51.52, 44.72, 41.78, 31.79, 29.23, 28.48, 26.75, 22.79, 14.32 ;
MS (ESI) m/z for C22H29N3O3 [M+H]+ : calcd 384.2282, found 384.2292.
【0286】
29.製造例28:C306、L19026
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、ベンジルブロミドを使用して化学式31の化合物を収得した。
【0287】
[化学式31]
【化46】
【0288】
2-((2-benzylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C306 または L19026で表現).
【0289】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.64 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.31 - 7.19 (m, 6H), 4.47 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.14 (s, 2H), 4.05 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.69 (dd, J = 73.0, 13.5 Hz, 2H), 3.49 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.87 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.70 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 1H), 2.13 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.00 (dt, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H) ;
【0290】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.27, 162.01, 154.96, 154.40, 137.71, 129.45, 128.86, 128.79, 126.93, 124.06, 122.73, 120.07, 111.55, 111.23, 57.16, 56.58, 51.92, 51.58, 44.77, 41.73, 33.09 ;
MS (ESI) m/z for C23H23N3O3 [M+H]+ : calcd 390.1812, found 390.1820.
【0291】
30.製造例29:C308、L19027
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、4-クロロベンジルブロミドを使用して化学式32の化合物を収得した。
【0292】
[化学式32]
【化47】
【0293】
2-((2-(4-chlorobenzyl)benzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C308 または L19027で表現).
【0294】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.62 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.26 - 7.15 (m, 6H), 4.48 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H), 4.05 - 4.00 (m, 3H), 3.69 (dd, J = 58.0, 13.5 Hz, 2H), 3.46 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.87 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.70 (dt, J = 12.5, 3.0 Hz, 1H), 2.09 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.02 (dt, J = 11.5, 3.0 Hz, 1H) ;
【0295】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.01, 161.93, 154.40, 154.29, 136.14, 132.75, 130.12, 129.30, 128.96, 124.23, 122.83, 120.07, 111.75, 111.24, 57.12, 56.48, 51.88, 51.69, 44.80, 41.73, 32.43 ;
MS (ESI) m/z for C23H22ClN3O3 [M+H]+ : calcd 424.1423, found 424.1423.
【0296】
31.製造例30:C310、L19028
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、4-フルオロベンジルブロミドを使用して化学式33の化合物を収得した。
【0297】
[化学式33]
【化48】
【0298】
2-((2-(4-fluorobenzyl)benzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C310 または L19028で表現).
【0299】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.65-7.61 (m, 2H), 7.38 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.25-7.18 (m, 3H), 6.97 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 4.47 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.10 (s, 2H), 4.02 (d, J = 11.0 Hz, 1H) 3.97 (s, 2H), 3.69 (dd, J = 50.5, 13.5 Hz, 2H), 3.47 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 2.88 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.74-2.67 (m, 1H), 2.10 (t, J = 11.5 Hz, 1H), 2.032.06-2.00 (m, 1H) ;
【0300】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ165.41, 162.72, 162.33, 160.77, 154.50, 154.25, 133.36, 133.34, 130.22, 130.15, 129.28, 124.01, 122.68, 120.06, 115.59, 115.43, 111.60, 111.03, 57.08, 56.42, 51.79, 51.68, 44.65, 41.55, 32.13 ;
MS (ESI) m/z for C23H22FN3O3 [M+H]+ : calcd4 08.1718, found 408.1723.
【0301】
32.製造例31:C315、L19030
製造例1-1と同じ方法で合成するが、段階1(反応式1)で反応物質であるエチルヨージドの代わりに、フェニルエチルブロミドを使用して化学式34の化合物を収得した。
【0302】
[化学式34]
【化49】
【0303】
2-((2-phenethylbenzofuran-3-yl)methyl)hexahydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyrazine-6,9-dione (C315 または L19030で表現).
【0304】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.28-7.24 (m, 3H), 7.23 - 7.18 (m, 2H), 7.15 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.41 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.04 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.45 (dd, J = 84.0, 13.5 Hz, 2H), 3.42 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.03-3.09 (m, 4H), 2.69 - 2.63 (m, 2H), 2.04 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 1.87 - 1.80 (m, 1H) ;
【0305】
13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ166.24, 161.90, 155.71, 154.27, 141.08, 129.43, 128.72, 128.70, 126.49, 123.84, 122.62, 120.06, 111.15, 110.98, 57.17, 56.49, 51.75, 51.27, 44.77, 41.74, 34.57, 29.10;
MS (ESI) m/z for C24H25N3O3 [M+H]+ : calcd 404.1969, found 404.1972.
【0306】
前述した製造例によって合成された化学式2~化学式34の化合物構造を下記表2に示した。
【0307】
【表2】
【0308】
実験例
1.製造例1-1の化合物の抗癌治療活性増進効果
1-1. パクリタキセル活性増進効果
1-1-1.癌細胞に対する活性増進効果
【0309】
パクリタキセルの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性甲状腺癌細胞(ATC)に対して製造例1-1の化合物(150nM)単独;パクリタキセル(12nM)単独;またはパクリタキセル(5nM)と製造例1-1の化合物(70nM)の組合せを処理した後、処理時間に応じた細胞数の変化を確認した。また、パクリタキセル、製造例1-1の化合物およびパクリタキセルと製造例1-1の化合物組合せの処理濃度に応じた細胞生存率の変化を図1に示した。また、前記パクリタキセル、製造例1-1の化合物およびこれらの組合せの処理濃度に応じた細胞生存率の変化を測定し、その結果を図2に示した。
【0310】
図1および図2から分かるように、抗癌剤耐性甲状腺癌細胞にパクリタキセルを単独で処理した場合、陰性対照群に比べて癌細胞数および癌細胞の生存率に変化がなかったが、製造例1-1の化合物をパクリタキセルと共に処理した場合、幹細胞性甲状腺癌細胞の細胞数と細胞生存率が顕著に減少することを確認することができた。
【0311】
1-1-2.癌細胞移植マウスの腫瘍サイズ変化分析
パクリタキセルの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性甲状腺癌細胞をイン-ビトロで培養した後、BALB/cヌード雌マウスの左上わき腹の皮下に培養した細胞を2.0×10cell/マウスになるように注入した。7日後、10匹ずつグループ化した後、各グループ別に製造例1-1の化合物(60mg/kg)単独を経口投与;パクリタキセル(25mg/kg)単独を腹腔内注射;または製造例1-1の化合物(27mg/kg)を経口投与し、パクリタキセル(11mg/kg)を腹腔内注射した後、マウスを安楽死させ、60日間カリパスを利用して毎日腫瘍の体積変化を測定し、その結果を図3に示した。腫瘍の体積は、下記数式1を利用して評価した。
【0312】
[数式1]
腫瘍の体積=L×S/2
(ただし、Lは、最も長い直径、Sは、最も短い直径を意味する。)
【0313】
図3のように抗癌剤耐性甲状腺癌細胞を異種移植したマウスモデルにパクリタキセルを単独で投与した場合、陰性対照群に比べて腫瘍体積の変化がなかったが、製造例1-1の化合物をパクリタキセルと共に処理した場合、腫瘍の体積が顕著に減少することを確認することができた。
【0314】
1-2.イリノテカン活性増進効果
1-2-1.癌細胞に対する活性増進効果
イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞に対して製造例1-1の化合物(170nM)単独;イリノテカン(8.9μM)単独;またはイリノテカン(4.5μM)と製造例1-1の化合物(75nM)の組合せを処理した後、処理時間に応じた細胞数の変化を測定し、その結果を図4に示した。
【0315】
図4のように抗癌剤耐性胃癌細胞にイリノテカンを単独で処理した場合、陰性対照群に比べて癌細胞数に何の変化がなかったが、製造例1-1の化合物をイリノテカンと共に処理した場合、癌細胞の数が顕著に減少することを確認することができた。
【0316】
1-2-2.癌細胞移植マウスの腫瘍サイズ変化分析
イリノテカンの服用後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性胃癌細胞をイン-ビトロで培養した後、BALB/cヌード雌マウスの左上わき腹の皮下に培養した細胞を2.0×10cell/マウスになるように注入した。7日後、10匹ずつグループ化した後、各グループ別に製造例1-1の化合物(70mg/kg)単独を経口投与;イリノテカン(75mg/kg)単独を経口投与;または製造例1-1の化合物(32mg/kg)とイリノテカン(55mg/kg)を経口投与した後、マウスを安楽死させ、40日間カリパスを利用して毎日腫瘍の体積変化を測定し、図5に示した。腫瘍の体積は、前述した数式1により計算された。また、40日経過後、腫瘍の重さを測定し、その結果を図6に示し、41日間マウスの体重を測定し、その結果を図7に示した。
【0317】
図5および図6のように、抗癌剤耐性胃癌細胞を異種移植したマウスモデルにイリノテカンを単独で投与した場合、陰性対照群に比べて腫瘍体積や重さの変化がなかったが、イリノテカンと共に製造例1-1の化合物を共に処理した場合、腫瘍の体積および重さが顕著に減少することを確認することができた。また、図7のようにマウスモデルに製造例1-1の化合物を単独で投与したり、イリノテカンと共に併用投与した場合に、陰性対照群と比較してマウスの体重に変化がないことを見ることができるところ、毒性問題がないことを確認することができた。
【0318】
1-3.放射線治療活性増進効果
1-3-1.癌細胞に対する活性増進効果
放射線照射治療後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞に対して製造例1-1の化合物(150nM)単独で処理;Faxitron X線(Faxitro Bioptics,AZ,USA)を5Gyの強さで照射(RT);または製造例1-1の化合物(75nM)を処理し、前記X線を5Gyの強さで照射した後、処理時間に応じた癌細胞数の変化を測定し、その結果を図8に示した。
【0319】
図8のように、放射線耐性大腸癌細胞に放射線のみを照射した場合には、陰性対照群に比べて癌細胞数の変化がなかったが、放射線照射と共に製造例1-1の化合物を処理した場合、癌細胞の数が顕著に減少することを確認することができた。
【0320】
1-3-2.マウス腫瘍サイズ変化分析
放射線照射治療後、再発および転移した患者由来癌幹細胞性大腸癌細胞をイン-ビトロで培養した後、BALB/cヌード雌マウスの左上わき腹の皮下に培養した細胞を2.0×10cell/マウスになるように注入した。7日後、10匹ずつグループ化した後、各グループ別に製造例1-1の化合物(60mg/kg)を経口投与;Faxitron X線(Faxitro Bioptics,AZ,USA)を5Gyの強さで照射;または製造例1-1の化合物(27mg/kg)を経口投与し、前記X線を5Gyの強さで照射した後、マウスを安楽死させ、40日間カリパスを利用して毎日腫瘍の体積変化を測定し、その結果を図9に示した。腫瘍の体積は、前述した数式1により計算された。また、40日経過後、腫瘍の重さを測定し、その結果を図10に示し、41日間マウスの体重を測定し、その結果を図11に示した。
【0321】
図9および図10のように、放射線耐性大腸癌細胞を異種移植したマウスモデルに放射線のみを単独で照射した場合は、陰性対照群に比べて腫瘍体積や重さの変化がなかったが、放射線照射と共に製造例1-1の化合物を共に投与した場合、腫瘍の体積と重さが顕著に減少したことを確認することができた。
【0322】
また、図11のようにマウスモデルに製造例1-1の化合物を単独で投与したり、放射線照射と共に投与した場合に、陰性対照群と比較してマウスの体重に変化がないことを見ることができるところ、毒性問題がないことを確認することができた。
【0323】
2.製造例化合物の抗癌治療活性増進効果
2-1.実験方法
製造例化合物の抗癌治療活性増進効果を確認するために、製造例1-1~31により製造された化合物または塩(以下、製造例化合物)を利用し、上皮性卵巣癌細胞株であるSKOV3およびこれに由来してパクリタキセル抗癌剤に抵抗性を有する耐性細胞株で製作されたSKOV3-TRを対象に細胞実験を進めた。
【0324】
12-wellで成長している2つの細胞株に各製造例の化合物2μM単独;パクリタキセル(SKOV3の場合、0.2μM、SKOV3-TRの場合、5μM)単独;またはパクリタキセルと各製造例の化合物の組合せを処理した後、72時間後に生きている細胞数を測定した。パクリタキセルと製造例の化合物の併用処理は、まず、製造例の化合物それぞれを2μMずつ4時間前処理(pretreatment)した後、パクリタキセルをSKOV3-TR細胞株には5μM、SKOV3細胞株には0.2μM処理した。
【0325】
細胞の形態学的分析のために、パクリタキセルを処理して24時間、48時間、72時間後に、「None(何も処理しないサンプル)」、「DMSO(パクリタキセルの溶媒)」、「エタノール(製造例の化合物の溶媒)」、「パクリタキセル」、「パクリタキセル+エタノール」、「パクリタキセル+製造例1-2の化合物(L19001)」を処理した細胞のイメージを得た。
【0326】
また、細胞生存率の分析のために、パクリタキセルあるいは製造例化合物を単独処理したり、パクリタキセルと製造例化合物それぞれを併用処理し、72時間後に、Image J分析を通じて生きている細胞数を測定した。
【0327】
2-2.細胞形態学的分析
細胞の形態学的分析結果、DMSOおよびエタノールを単独処理した群の場合、何も処理しない群(None)と比較して特別な差異が見られないことから見て、本実験に使用された溶媒の量は細胞に影響を与えないことが分かった。また、製造例の化合物それぞれは、単独処理時にSKOV3-TRおよびSKOV3で特別な形態学的変化を引き起こすことはなかった。図12は、None、エタノール、製造例1-2の化合物(L19001、2μM)を処理した後、24時間、48時間、72時間後のイメージをキャプチャーしたものである。
【0328】
また、製造例化合物がパクリタキセルによる抗癌効能を増進させることができるかを確認するために、パクリタキセルを処理する4時間前に、製造例の化合物を前処理した後、パクリタキセルによる癌細胞死滅に及ぼす影響を評価した。パクリタキセル処理時に、SKOV3-TRおよびSKOV3で細胞死滅の誘発および細胞成長の抑制現象等によって生きている細胞数が減少したことを確認した。
【0329】
具体的に、耐性癌細胞株であるSKOV3-TRでは、製造例の化合物の処理によってこのような現象が例外なしにさらに目立ったのに対し、一般癌細胞株であるSKOV3では、製造例化合物の処理によるパクリタキセルの癌細胞死滅の相乗効果がSKOV3-TRのように顕著ではなかった。図13および図14は、2種類の細胞株にパクリタキセル単独あるいはパクリタキセル+製造例1-2の化合物(L19001)を処理して72時間後のイメージを示す。
【0330】
2-3.細胞生存率分析
Image Jプログラムを活用して生きている細胞数を測定することによって、2種類の癌細胞株の細胞生存率を分析した。
【0331】
図15図18のように、DMSOおよびエタノールを単独処理した群の場合、何も処理しない群(None)と比較して細胞生存率において特別な差異が見られないことから見て、本実験に使用された溶媒の量は、細胞生存率に影響を与えないことが分かった。
【0332】
製造例化合物が細胞生存率に影響を及ぼすかを確認するために、SKOV3-TRおよびSKOV3細胞株に製造例の化合物それぞれを2μMずつ処理した後、72時間後に細胞数を測定した。その結果、製造例の化合物それぞれを単独処理した場合、SKOV3-TRおよびSKOV3で細胞生存率に大きく影響を及ぼさなかった。図15および図16は、SKOV3-TRおよびSKOV3細胞株でNone、エタノールおよび製造例の化合物それぞれを処理した後、72時間後、細胞数を示す。
【0333】
また、製造例化合物がパクリタキセルによる抗癌効能を増進させることができるかを調べるために、パクリタキセルを処理する4時間前に、製造例化合物を2μMずつ前処理した後、パクリタキセルによる癌細胞死滅に及ぼす影響を評価した。その結果、パクリタキセルを単独処理する場合に比べて、製造例化合物を前処理した後、パクリタキセル処理時に、SKOV3-TRおよびSKOV3で細胞死滅の誘発および細胞成長の抑制現象などによって細胞数が減少することを確認した。特に、一般癌細胞株であるSKOV3に比べて耐性癌細胞株であるSKOV3-TRでは、製造例化合物の前処理によって細胞数が減少する現象が例外なしにさらに目立ったことを確認した。図17および図18は、SKOV3-TRおよびSKOV3細胞株でNone、DMSO、エタノール、パクリタキセル単独処理および製造例の化合物それぞれを前処理した後、パクリタキセル処理72時間後の細胞数を示す。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18