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特許7195049高いオイル含有量を有するエマルジョン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】高いオイル含有量を有するエマルジョン組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20221216BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20221216BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20221216BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20221216BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/49
A61K8/92
A61K9/107
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/20
A61K47/22
A61K47/26
A61K47/34
A61K47/44
A61Q5/12
A61Q19/00
A61Q19/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017565210
(86)(22)【出願日】2016-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2016085960
(87)【国際公開番号】W WO2016202268
(87)【国際公開日】2016-12-22
【審査請求日】2019-05-16
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/081755
(32)【優先日】2015-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ハイ チョウ
(72)【発明者】
【氏名】ソン, チン ロン
(72)【発明者】
【氏名】ホー, リン
(72)【発明者】
【氏名】リム, ラインリー
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】冨永 保
【審判官】野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-75764(JP,A)
【文献】特開2009-209103(JP,A)
【文献】特開2000-355520(JP,A)
【文献】特開平6-65596(JP,A)
【文献】特開2008-195665(JP,A)
【文献】特開2011-213668(JP,A)
【文献】特開昭60-94903(JP,A)
【文献】特開平10-218741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
A61K9/00-9/72
A61K47/00-47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)65重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~30重量%のポリオール;
(c)0.01重量%~重量%の両性界面活性剤
含むエマルジョン組成物であって、重量パーセントが組成物の総重量を基準とし、非イオン界面活性剤を実質的に含まないかまたは完全に含まない、エマルジョン組成物。
【請求項2】
(a)70重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~25重量%のポリオール;
(c)0.01~重量%の両性界面活性剤
含み、重量パーセントが組成物の総重量を基準とする、請求項1に記載のエマルジョン組成物。
【請求項3】
(a)70重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~25重量%のポリオール;
(c)0.01~重量%の両性界面活性剤
含み、重量パーセントが組成物の総重量を基準とする、請求項1または2に記載のエマルジョン組成物。
【請求項4】
組成物の総重量を基準として0.01重量%~5重量%の水を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項5】
両性界面活性剤が、ベタイン、アミンオキシド、アンホグリシネートおよびアンホプロピオネートからなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項6】
両性界面活性剤が、
(CHC(O)O (I)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N(CHC(O)O (II)
(式中、R、C ~Cアルキルまたはアルケニル基であり、ヒドロキル化されていてもよく
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
xは、2~4の整数であり、yは、1~4の整数である)
の一般式を有する化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項7】
両性界面活性剤が、
-N(CH-CH-COO (IX)
(式中、Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基である)
の一般式を有する化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項8】
が、C16~C22アルキルまたはC16~C22アルケニル基である、請求項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項9】
両性界面活性剤が、
-SO (III)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-SO (IV)
(式中、R、C ~Cアルキルまたはアルケニル基であり、ヒドロキル化されていてもよく
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
は、線状または分岐の、ヒドロキシル化されていてもよい~Cアルキル基であり;
xは、2~4の整数である)
の一般式を有する化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項10】
両性界面活性剤が、
-O (V)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-O (VI)
(式中、R、C ~Cアルキルまたはアルケニル基であり、ヒドロキル化されていてもよく
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
xは、2~4の整数である)
の一般式を有する化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項11】
両性界面活性剤が、
N(R)(CHC(O)O (VII)
または
C(O)N(R)(CH)xN(R)(CHC(O)O (VIII)
(式中、Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、水素またはC ~C基であり、C ~C 基は、ヒドロキル化されていてもよく
、ヒドロキシル化されていてもよい~Cまたは(CHC(O)O基であり;
zは、1~4の整数であり;
xは、2~4の整数であり;
は、カチオンである)
の一般式を有する化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項12】
ポリオールが、式:
-C(-R)(-OH)-[A-C(-OH)(R10)]-R11 (X)
(式中、
、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、C~Cヒドロカルビル、C~CシクロアルキルおよびC~C複素環部分からなる群から選択され;前記ヒドロカルビル部分は、飽和または不飽和、分岐または線状であり;前記ヒドロカルビル、シクロアルキルおよび複素環部分のそれぞれは、1つまたはいくつかの置換基で置換されていてもよく
Aは、共有結合または連結部分であり;
nは、1~10の整数である)
を有する化合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項13】
ポリオールが、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、グルコース、マルチトール、サッカロース、トレハロース、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項14】
香料をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年6月18日出願のPCT国際特許出願PCT/中国特許出願公開第2015/081755号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、エマルジョン組成物、特に、高含有量のオイルと、ポリオールと、両性界面活性剤とを含むエマルジョン組成物に関する。本エマルジョン組成物は、パーソナルケア用途、医薬用途または化粧品用途向けに使用され得る。
【背景技術】
【0003】
エマルジョン組成物は、クリーニングフォームおよびゲル、ボディローションおよびミルク、メーキャップオイル、マッサージオイルおよび治療特性を有するオイルなど、パーソナルケア製品、医薬品または化粧品向けに広く使用されている。そのようなエマルジョン組成物は優れた安定性、適切な粘度、および良好な透明性も有することが望ましい。そのようなエマルジョン組成物は高いオイル含有量を有することがまた有利であり、なぜなら、高いオイル含有量は特別な皮膚感触および良好な展延性を提供することができ、それがエマルジョン内相に含有される内部オイル相または活性成分/香料の速い放出にも役立つことができるからである。
【0004】
一般に、上に述べられたようなエマルジョン組成物は、疎水性オイル相と、水およびアルコールなどの親水性相との組み合わせを含有する。良好な安定性のそのようなエマルジョン組成物を提供するために、界面活性剤が多くの場合に乳化剤または安定剤として組成物中に含められる。従来、非イオン界面活性剤がそのような目的のために使用されてきており、最も使用される非イオン界面活性剤は、エトキシル化非イオン界面活性剤である。例えば、非イオン界面活性剤が水中オイル型エマルジョン用の乳化剤として使用できることが米国特許第5474776A号明細書に開示されている。しかし、エトキシル化界面活性剤は、特に、そのような界面活性剤が大量に使用される場合、環境に有害である可能性があるという懸念がある。
【0005】
エマルジョン系の複雑性のために、所望の用途の要件に適合することができるエマルジョン組成物を提供する課題が依然としてある。優れた安定性を有するエマルジョン組成物を提供することが必要とされている。高いオイル含有量の安定したエマルジョン組成物を提供することが必要とされている。組成物の安定性を維持するために最少量の界面活性剤を必要とするエマルジョン組成物を提供することがさらに必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
上記の目的は本発明によって達成できることが見出された。
【0007】
本発明の一態様では、
(a)65重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~30重量%のポリオール;
(c)0.01重量%~7.5重量%の両性界面活性剤;
(d)0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤
を含むエマルジョン組成物であって、重量パーセントが組成物の総重量を基準とする、エマルジョン組成物が提供される。
【0008】
好ましくは、本組成物は、
(a)70重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~25重量%のポリオール;
(c)0.01~7.5重量%の両性界面活性剤;
(d)0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤
を含み、重量パーセントは組成物の総重量を基準とする。
【0009】
より好ましくは、本組成物は、
(a)70重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~25重量%のポリオール;
(c)0.01~5重量%の両性界面活性剤;
(d)0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤
を含み、重量パーセントは組成物の総重量を基準とする。
【0010】
好ましくは、本エマルジョン組成物は、非イオン界面活性剤を実質的に含まないかまたは完全に含まない。
【0011】
両性界面活性剤は、ベタイン、アミンオキシド、アンホグリシネートおよびアンホプロピオネートからなる群から選択されてもよい。
【0012】
有利には、両性界面活性剤は、
(CHC(O)O (I)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N(CHC(O)O (II)
(式中、Rは、任意選択的にヒドロキシル化されているC~Cアルキルまたはアルケニル基であり;
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
xは、2~4の整数であり、yは、1~4の整数である)
の一般式を有する化合物である。
【0013】
好ましい一実施形態では、両性界面活性剤は、
-N(CH-CH-COO (IX)
(式中、Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基である)
の一般式を有する化合物である。
【0014】
有利には、両性界面活性剤は、
-SO (III)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-SO (IV)
(式中、Rは、任意選択的にヒドロキシル化されているC~Cアルキルまたはアルケニル基であり;
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり、
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
は、線状または分岐の、任意選択的にヒドロキシル化されているC~Cアルキル基であり;
xは、2~4の整数である)
の一般式を有する化合物である。
【0015】
有利には、両性界面活性剤は、
-O (V)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-O (VI)
(式中、Rは、任意選択的にヒドロキシル化されているC~Cアルキルまたはアルケニル基であり;
は、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、独立して、C~Cアルキルまたはアルケニル基、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;
xは、2~4の整数である)
の一般式を有する化合物である。
【0016】
有利には、両性界面活性剤は、
N(R)(CHC(O)O (VII)
または
C(O)N(R)(CH)xN(R)(CHC(O)O (VIII)
(式中、Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;
は、水素または任意選択的にヒドロキシル化されているC~C基であり;
は、任意選択的にヒドロキシル化されているC~C基または(CHC(O)O基であり;
zは、1~4の整数であり;
xは、2~4の整数であり;
は、カチオンである)
の一般式を有する化合物である。
【0017】
ポリオールは、式:
-C(-R)(-OH)-[A-C(-OH)(R10)]-R11 (X)
(式中、
、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、C~Cヒドロカルビル、C~CシクロアルキルおよびC~C複素環部分からなる群から選択され;前記ヒドロカルビル部分は、飽和または不飽和、分岐または線状であり;前記ヒドロカルビル、シクロアルキルおよび複素環部分のそれぞれは、1つまたはいくつかの置換基で任意選択的に置換されており;
Aは、共有結合または連結部分であり;
nは、1~10の整数である)
を有する化合物であってもよい。
【0018】
有利には、ポリオールは、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、グルコース、マルチトール、サッカロース、トレハロース、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特許請求の範囲を含めて、本説明の全体にわたって、用語「1つを含む」または「含む」は、特に明記しない限り、用語「少なくとも1つを含む」と同じ意味であると理解されるべきであり、「…~…」は、その両端を含むと理解されるべきである。
【0020】
本明細書で用いる場合、「重量パーセント」、「重量%」、「重量によるパーセント」、「重量による%」、およびそれらの変形は、組成物の総重量で割られ、100を乗じた物質の重量としての物質の濃度を意味する。
【0021】
任意の範囲の濃度、量または比率を明記する際、任意の特定の上方の濃度、量または比率は、それぞれ任意の特定の下方の濃度、量または比率に関連し得ることが指摘されるべきである。
【0022】
「アルキル」は、本明細書で用いる場合、直鎖または分岐の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、「非置換アルキル」および「置換アルキル」を両方とも包含することを意図し、その後者は、アルキル基の1個または複数個の炭素原子上の水素に置き換わっている置換基(ヒドロキシル基およびハロゲン基などの)を有するアルキル部分を意味する。「アルケニル」は、本明細書で用いる場合、少なくとも1個の二重結合を含有する脂肪族基を意味し、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」を両方とも包含することを意図し、その後者は、アルケニル基の1個または複数個の炭素原子上の水素に置き換わっている置換基(ヒドロキシル基およびハロゲン基などの)を有するアルケニル部分を意味する。
【0023】
本発明は、
(a)65重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~30重量%のポリオール;
(c)0.01重量%~7.5重量%の両性界面活性剤;
(d)0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤
を含むエマルジョン組成物であって、重量パーセントが組成物の総重量を基準とする、エマルジョン組成物に関する。
【0024】
とりわけ、本組成物は、
(a)70重量%~90重量%のオイル相;
(b)5重量%~25重量%のポリオール;
(c)0.01~7.5重量%の両性界面活性剤;
(d)0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤
を含み、重量パーセントは組成物の総重量を基準とする。
【0025】
好ましくは、本発明のエマルジョン組成物は、いかなる非イオン界面活性剤も実質的に含まないかまたは完全に含まない。
【0026】
本発明に好適なオイル相は、パーソナルケアまたは化粧品用に一般に使用されるエモリエントオイルであることができる。オイル相は、一般に、周囲温度(25℃)で液体であるオイル状物質である。あるいは、オイルは周囲温度で固体であってもよく、それは、ワックス状固体の形態で提供され、本発明の組成物に含め、乳化させることができる高温で液体になることができる。周囲温度で固体であるオイルが使用される場合、オイルは、好ましくは、-30℃~100℃の溶融温度を有し、より好ましくは、-30℃~70℃の溶融温度を有する。
【0027】
好適な液体オイルとしては、非極性オイル、例えば鉱油もしくはパラフィン、とりわけ、Arlamol HDとしてICI Surfactantsによって販売されるものなどのイソパラフィンオイル、または中位極性オイル、例えば、ホホバ油などの植物性グリセリドオイル、Arlamol M812(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)としてICI Surfactantsによって販売されるものなどの動物性グリセリドオイル、合成オイル、例えば、イソプロピルパルミテートならびにArlamol IPMおよびArlamol DOAとしてICI Surfactantsによって販売されるものなどの合成エステルオイル、エーテルオイル、特に、Eutanol G(オクチルコデカノール)としてHenkelによって販売されるものなどの2つの脂肪族、例えばC~C18アルキル残基のものもしくはDC200シクロメチコンオイルとしてDow Corningによって販売されるものなどのジメチシオンオイルなどのシリコーンオイル、もしくはそれらの親水性を向上させるためのポリオキシアルキレン側鎖を有するシリコーン、またはアルコキシレートエモリエント、例えば、Arlamol E(ステアリルアルコール 15-プロポキシレート)としてICI Surfactantsによって販売されるものなどの脂肪アルコールプロポキシレートなどの高極性オイルが挙げられる。好適なオイルとしてはまた、ホワイト鉱油およびジカプリリルカーボネートが挙げられる。周囲温度では固体であるが、本発明の組成物を製造するために典型的に用いられる温度では液体であることができる好適なオイルとしては、ホホバろう、牛脂およびココナッツろう/油が挙げられる。
【0028】
本発明によれば、オイルの混合物を使用することができる。いくつかのケースでは、固体オイルは、結果として生じる混合物の凝固点が好適に低いという条件で、液体オイルに完全にまたは部分的に溶解してもよい。オイルが周囲温度で固体である場合、結果として生じる分散系は厳密に解釈してエマルジョンでなくてもよい。しかし、そのような分散系は、あたかもそれが真のエマルジョンであるかのように挙動し、従って、用語エマルジョンは、本明細書ではそのような組成物を包含するために用いられる。
【0029】
本発明によれば、オイル相の含有量は、65重量%~90重量%の範囲、好ましくは、70重量%~90重量%の範囲、より好ましくは70重量%~85重量%の範囲にある。
【0030】
本発明との関連で、用語両性界面活性剤は、同じ分子に結合したカチオンおよびアニオン中心を両方とも有する化合物を意味する。特に、カチオン部分は、第一級、第二級、もしくは第三級アミンまたは第四級アンモニウムカチオンをベースとする。アニオン部分としては、カルボキシレ-ト、スルホネートおよびホスフェートが挙げられるが、それらに限定されない。より具体的には、両性界面活性剤は、C(O)O、SOHまたはSO 官能基と組み合わせてN-O官能基、第四級N官能基を有する化合物、ならびにC(O)OH、C(O)O、SOHまたはSO 官能基と組み合わせて第三級N官能基を有する化合物を意味する。
【0031】
両性界面活性剤およびそれらの特性の概観について、読者は、Amphoteric Surfactants,2nd ed.,E.G.Lomax,Ed.,1996,Marcel Dekkerを参照されたい。このクラスの界面活性剤としては、ベタイン、例えば、脂肪アルキルベタイン、脂肪アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、およびイミダゾリン類から誘導されるベタイン;アミンオキシド、例えば、脂肪アルキルアミンオキシドおよび脂肪アルキルアミドアミンオキシド;アンホグリシネートおよびアンホプロピオネート;ならびにいわゆる「バランスのとれた」アンホポリカルボキシグリシネートおよびアンホポリカルキシプロピオネートが挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤は、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体として広く記載することができるもので例示され、それらの化合物において脂肪族ラジカルは、直鎖または分岐鎖であることができ、ここで、脂肪族置換基の1つは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基、好ましくは、C16~C22アルキルまたはC16~C22アルケニル基を含有する。
【0033】
本発明の両性界面活性剤は、とりわけ、ベタイン、アミンオキシド、アンホグリシネートおよびアンホプロピオネートからなる群から選択されてもよい。
【0034】
ベタインは、構造:
(CHC(O)O (I)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N(CHC(O)O (II)
(式中、Rは、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、またはヒドロキシプロピル基など、任意選択的にヒドロキシル化されているC~C基であり;Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基であり;Rは、独立してそれぞれRおよびRについて定義されたようなC~C基またはC10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基から選択され;xは、2~4の整数であり、yは、1~4の整数であり;ここで、R~Rの任意の2つは、環構造を形成してもよい)
を有する化合物を含むクラスの両性界面活性剤である。C~C基は、アルキルまたはアルケニル基であってもよい。
【0035】
好ましくは、Rは、C16~C22アルキルまたはC16~C22アルケニルである。好ましくは、Rは、独立して、C~C基またはC16~C22アルキルまたはC16~C22アルケニル基から選択される。
【0036】
本発明との関連で、ベタインにはまた、上記の通り定義されるR、R、およびRを有する、(I)および(II)に従った構造を有するスルホベタインおよびヒドロキシスルホベタインが含まれ、式中、基(CHC(O)Oは、C1~4-SO 基(式中、C~C基は、任意選択的にヒドロキシル化されている)で置き換えられている。本化合物は、一般式:
-SO (III)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-SO (IV)
(式中、Rは、線状または分岐の、任意選択的にヒドロキシル化されているC~Cアルキル基であり、xは、式(II)で定義された通りである)
で例示されてもよい。
【0037】
アミンオキシドは、構造:
-O (V)
または
(R)(RC(O)NH(CH)(R)N-O (VI)
(式中、R、R、およびRならびにxは、上に記載された意味を有する)
を有する化合物を含むクラスの両性界面活性剤である。
【0038】
アンホグリシネートおよびアンホプロピオネートは、構造:
N(R)(CHC(O)O (VII)
または
C(O)N(R)(CH)xN(R)(CHC(O)O (VIII)
(式中、Rおよびxは、上に記載された意味を有し;Rは、水素または任意選択的にヒドロキシル化されているC~C基であり、Rは、任意選択的にヒドロキシル化されているC~C基または(CHC(O)O基であり、zは、1~4の整数であり、Yは、プロトンまたはナトリウムイオンなどのカチオンである)
を有する化合物を含むクラスの両性界面活性剤である。
【0039】
一般式(VII)および一般式(VIII)において、z=1である場合、化合物はアンホグリシネートであり、z=2である場合、化合物はアンホプロピオネートであることは十分理解される。
【0040】
特に、本発明の両性界面活性剤は、式(IX):
-N(CH-CH-COO (IX)
(式中、Rは、C10~C22アルキルまたはC10~C22アルケニル基である)
の化合物である。
【0041】
一般式(IX)において、好ましくは、Rは、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキルおよびC22アルキルなどのC16~C22アルキルである。またはC16アルケニル、C18アルケニル、C20アルケニルおよびC22アルケニルなどのC16~C22アルケニルである。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、式(IX)の化合物は、セチルベタイン、パルミチルベタインおよびオレイルベタインから構成される群において選択される。
【0043】
本発明によれば、本エマルジョン組成物は、0.01重量%~7.5重量%の両性界面活性剤、好ましくは0.01重量%~5重量%の両性界面活性剤、より好ましくは0.01重量%~2重量%の両性界面活性剤を含む。
【0044】
ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキル基を含むアルコール化合物である。とりわけ、ポリオールは、式(X):
-C(-R)(-OH)-[A-C(-OH)(R10)]-R11 (X)
(式中、
、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換の、分岐または線状のヒドロカルビル部分;および置換または非置換のカルボシクリルまたは複素環部分からなる群から選択され;
Aは、共有結合または連結部分であり;
nは、1~10、好ましくは1~5の整数である)
で表されてもよい。
【0045】
例えば、各R、R、R10およびR11は、独立して、飽和または不飽和であってもよいC~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~C複素環部分からなる群から選択されてもよく、ここで、前記アルキル部分は、分岐または線状であってもよく、前記アルキル、シクロアルキルおよび複素環部分は、1つまたはいくつかの置換基で任意選択的に置換されている。
【0046】
連結部分Aは、任意のジラジカルであってもよい。連結部分Aは、置換もしくは非置換ヒドロカルビレンまたは置換もしくは非置換の単環式もしくは多環式カルボシクリレンもしくはヘテロシクリレンと、任意選択的に、エーテル官能基などの1つまたはいくつかの官能基とを含んでもよい。
【0047】
用語「ヒドロカルビル」は、本明細書で用いる場合、炭素および水素原子から専らなる部分を意味する。本明細書で定義される場合、ヒドロカルビル部分は、分岐または線状であり、脂肪族である。ヒドロカルビル部分は、1つまたはいくつかの不飽和、すなわち、1つもしくはいくつかの二重結合または1つもしくはいくつかの三重結合、または両方を含有してもよい。本部分は、好ましくは、1~6個の炭素原子を含む。
【0048】
本発明に好適なポリオールとしては、ジアルコール、多価アルコール、単糖類および二糖類が挙げられる。好ましいポリオールとしては、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、グルコース、マルチトール、サッカロース、トレハロース、ポリエチレングリコールが挙げられ、グリセロール、ソルビトール、マルチトールが特に好ましい。
【0049】
ポリオール化合物は、本発明のために単独でまたはそれらの組み合わせでかのいずれかで使用されてもよい。ポリオールは、エマルジョン組成物の総重量を基準として5重量%~30重量%の範囲、好ましくは5重量%~25重量%の範囲、より好ましくは10重量%~25重量%の範囲で本エマルジョン組成物に組み入れられる。
【0050】
本発明の1つの目的は、エマルジョン組成物中の非イオン界面活性剤の量を最小限にすることである。本エマルジョン組成物は、エマルジョン組成物の総重量を基準として0重量%~0.5重量%の非イオン界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、本発明のエマルジョン組成物は、いかなる非イオン界面活性剤も実質的に含まないかまたは完全に含まない。本明細書で用いる場合、用語「実質的に含まない」は、本発明の組成物中の非イオン界面活性剤の不在に関して用いられる場合、組成物が、組成物の総重量を基準として、0.1重量%未満の非イオン界面活性剤、より好ましくは0.01重量%未満の非イオン界面活性剤を含むことを意味する。本明細書で用いる場合、用語「完全に含まない」は、本発明の組成物中の非イオン界面活性剤の不在(すなわち、0重量%のアニオン剤)に関して用いられる場合、組成物が非イオン界面活性剤をまったく含まないことを意味する。
【0051】
本発明のエマルジョン組成物は、水をさらに含んでもよい。水の量は、組成物の総重量を基準として0.01重量%~8重量%の範囲、好ましくは組成物の総重量を基準として0.01重量%~5重量%の範囲、より好ましくは組成物の総重量を基準として0.01重量%~2重量%の範囲にあってもよい。いくつかの態様では、本エマルジョン組成物は、水を実質的に含まない。本明細書で用いる場合、用語「実質的に含まない」は、本発明の組成物中の水の不在に関して用いられる場合、組成物が、組成物の総重量を基準として0.1重量%未満の水、より好ましくは0.01重量%未満の水を含むことを意味する。
【0052】
化粧品組成物、医薬品組成物またはパーソナルケア組成物に従来使用されている成分が本発明のエマルジョン組成物に添加されてもよいことは十分理解される。例としては、必要に応じて単独でまたは組み合わせての医学的に有効な成分、保湿成分、消炎剤、アニオン界面活性剤、消毒剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機および無機粉末、着色剤および香料が挙げられる。
【0053】
香料
香料について言及すると、本発明に好適な香料としては、起源が天然、半合成または合成であるものが挙げられる。好ましい香料は、炭化水素、アルデヒドまたはエステルを含むクラスの物質に割り当てられてもよい。香料としてはまた、構成要素、すなわち、アーモンド、リンゴ、サクランボ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、オレンジ、レモン、イチゴ、ラズベリーなどのフルーツ;ジャコウ;ラベンダー、ジャスミン、ユリ、モクレン、バラ、アイリス、カーネーションなどの花の香り;ローズマリー、タイム、セージなどのハーブの香り;マツ、トウヒ、スギなどの森林の香りの複雑な混合物を含んでもよい、天然抽出物および/またはエッセンスが挙げられる。
【0054】
他の好適な香料は、Peru(ペルー)バルサム、オリバナム樹脂状物質、エゴノキ、ラブダナム樹脂、ナツメグ、カッシアオイル、ベンゾイン樹脂、コリアンダー、クラリーセージ、ユーカリ、ゼラニウム、ラベンダー、メース抽出物、ネロリ、ナツメグ、スペアミント、ニオイスミレ葉、バレリアンおよびラバンジンなど、多数の源からのエッセンシャルオイル、樹脂状物質および樹脂である。
【0055】
香料のいくつかまたはすべては、カプセル化されてもよく、カプセル化することが有利である典型的な芳香成分としては、比較的低沸点のものが挙げられる。低いClog Pを有する、好ましくは3.0未満のClog Pの芳香成分(すなわち、水中へ分配されるであろうもの)をカプセル化することも有利である。本明細書で用いる場合、用語「Clog P」は、オクタノール/水分配係数(P)の計算される常用対数を意味する。
【0056】
さらなる好適な香料としては、フェニルエチルアルコール、テルピネオール、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール、ネロール、2-(1,1-ジメチルエチル)シクロ-ヘキサノールアセテート、ベンジルアセテート、およびオイゲノールが挙げられる。
【0057】
エッセンシャルオイル
本発明に好適なエッセンシャルオイルとしては、ハーブ、花、木、および他の植物に由来するオイルが挙げられる。エッセンシャルオイルの非限定的な例としては、ごま油、マカダミア堅果油、ティーツリーオイル、マツヨイグサ油、スパニッシュセージ油、スパニッシュローズマリー油、コリアンダー油、タイム油、ピメントベリー油、バラ油、アニス油、バルサム油、ベルガモット油、シタン油、シダー油、カモミール油、サージ油、クラリーセージ油、クローブ油、サイプレス油、ユーカリ油、フェンネル油、シーフェンネル油、フランキンセンス油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ジャスミン油、ジュニパー油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マジョラム油、ミルラ油、橙花油、オレンジ油、パチョリ油、コショウ油、黒コショウ油、プチグレン油、パイン油、ローズオットー油、ローズマリー油、ビャクダン油、スペアミント油、スパイクナード油、ベチバー油、ウィンターグリーン油、またはイランイランが挙げられる。当業者に知られている他のエッセンシャルオイルも本発明二関連して有用であると考えられる。
【0058】
構造化剤
本発明の組成物は、構造化剤を含むことができる。構造化剤は、ある種の態様では、レオロジー特性を組成物に提供して組成物の安定性に寄与することを支援する。他の態様では、構造化剤はまた、乳化剤または界面活性剤としても機能することができる。構造化剤の非限定的な例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均約1~約21個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均約1~約5個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
酸化防止剤
本組成物は、酸化防止剤をさらに含んでもよい。本発明の組成物で使用することができる酸化防止剤の非限定的な例としては、アセチルシステイン、アスコルビン酸ポリペプチド、アスコルビルジパルミテート、アスコルビルメチルシラノールペクチネート、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、BHA、BHT、t-ブチルヒドロキノン、システイン、システインHCl、ジアミルヒドロキノン、ジ-t-ブチルヒドロキノン、ジアセチルチオジプロピオネート、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、没食子酸ドデシル、エリソルビン酸、アスコルビン酸のエステル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、没食子酸エステル、ヒドロキノン、イソオクチルチオグリコレート、コウジ酸、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メチルシラノールアスコルベート、緑茶またはブドウ種子抽出物などの天然植物酸化防止剤、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、キノン類、ローズマリー酸、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビンナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、チオジグリコール、チオジクリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50、トコフェロール、トコフェルソラン、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレート、トコフェリルニチチネート、トコフェリルスクシネート、およびトリス(ノニルフェニル)ホスファイトが挙げられる。
【0060】
キレート化剤
本発明の組成物はまた、安全で有効な量のキレート化剤(chelator)またはキレート剤(chelating agent)を含んでもよい。本明細書で用いる場合、「キレート化剤」または「キレート剤」は、金属イオンが化学反応に容易に関与するかまたは化学反応を触媒することができないように錯体を形成することによって金属イオンをシステムから除去することができる活性剤を意味する。キレート剤の包含は、過度のスケーリングまたは肌のきめ変化に寄与し得るUV放射線、および皮膚損傷を引き起こし得る他の環境要因からの保護を提供するのにとりわけ有用である。
【0061】
脂肪沈着防止剤
本発明の組成物はまた、安全で有効な量の脂肪沈着防止剤を含んでもよい。好適な試剤としては、キサンチン化合物(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、およびアミノフィリン)が挙げられてもよいが、それらに限定されない。
【0062】
皮膚美白剤
本発明の組成物は、皮膚美白剤を含んでもよい。好適な皮膚美白剤としては、コージ酸、アルブチン、アスコルビン酸およびその誘導体、例えば、アスコルビルリン酸マグネシウムもしくはアスコルビルリン酸ナトリウムまたはアスコルビルリン酸の他の塩など、当技術分野で公知のものが挙げられる。
【0063】
ビタミン化合物
本組成物は、ビタミン化合物、それらの前駆体、および誘導体を含んでもよい。これらのビタミン化合物は、天然型または合成型のいずれかであってもよい。好適なビタミン化合物としては、ビタミンA(例えば、ベータカロテン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、レチニルパルミテート、レチニルプロピオネートなど)、ビタミンB(例えば、ナイアシン、ナイアシンアミド、リボフラビン、パントテン酸など)、ビタミンC(例えば、アスコルビン酸など)、ビタミンD(例えば、エルゴステロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなど)、ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロールなど)、およびビタミンK(例えば、フィトナジオン、メナジオン、フチオコールなど)化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0064】
保湿剤
本組成物は、保湿剤を含んでもよい。本発明の組成物で使用することができる保湿剤の非限定的な例としては、アミノ酸、コンドロイチン硫酸、ジグリセリン、エリスリトール、フルクトース、グルコース、グリセリン、グリセロールポリマー、グリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、蜂蜜、ヒアルロン酸、水素化蜂蜜、水素化デンプン加水分解物、イノシトール、ラクチトール、マルチトール、マルトース、マンニトール、天然保湿因子、PEG-15ブタンジオール、ポリグリセリルソルビトール、ピロリドンカルボン酸の塩、カリウムPCA、プロピレングリコール、グルクロン酸ナトリウム、ナトリウムPCA、ソルビトール、サッカロース、トレハロース、尿素、およびキシリトールが挙げられる。他の例としては、セチル化ラノリン、セチル化ラノリンアルコール、アラニン、藻類抽出物、アロエ・バーバデンシス(aloe barbadensis)、アロエ・バーバデンシス(aloe barbadensis)抽出物、アロエ・バーバデンシス(aloe barbadensis)ゲル、アルテア・オフィシナリス(althea officinalis)抽出物、アンズ(プルヌス・アルメニアカ(prunus armeniaca))核油、アルギニン、アルギニンアスパルテート、アルニカ・モンタナ(arnica montana)抽出物、アスパラギン酸、アボカド(ペルシア・グラチシマ(persea gratissima))油、バリアスフィンゴリピド、ブチルアルコール、蜜ろう、ベヘニルアルコール、ベータ-シトステロール、カバノキ(ベチュラ・アルバ(betula alba))樹皮抽出物、ルリジサ(ボラゴ・オフィシナリス(borago officinalis))抽出物、ブッチャーブルーム(ルスクス・アクレアツス(ruscus aculeatus)抽出物、ブチレングリコール、カレンデュラ・オフィシナリス(calendula officinalis)抽出物、カレンデュラ・オフィシナリス(calendula officinalis)油、カンデリア(ユーフォルビア・セリフェラ(euphorbia cerifera))ろう、キャノーラ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カルダモン(エレタリア・カルダモムム(elettaria cardamomum))油、カルナバ(コペルニシア・セリフェラ(copernicia cerifera))ろう、ニンジン(ダウクス・カロタ・サチバ(daucus carota sativa))油、ヒマシ(リシヌス・コムニス(ricinus communis))油、セラミド、セレシン、セテアレス-5、セテアレス-12、セテアレス-20、セテアリルオクタノエート、セテス-20、セテス-24、セチルアセテート、セチルオクタノエート、セチルパルミテート、カモミール(アンテミス・ノビリス(anthemis nobilis))油、コレステロール、コレステロールエステル、コレステリルヒドロキシステアレート、クエン酸、クラリ(サルビア・スクラレア(salvia sclarea))油、ココア(テオブロマ・カカオ(theobroma cacao))バター、ココ-カプリレート/カプレート、ココナッツ(ココス・ヌシフェラ(cocos nucifera))油、コラーゲン、コラーゲンアミノ酸、コーン(ジー・メイズ(zea mays))オイル、脂肪酸、デシルオレエート、ジメチコンコポリオール、ジメチコノール、ジオクチルアジペート、ジオクチルスクシネート、ジペンタエリスリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート、DNA、エリスリトール、エトキシジグリコール、エチルリノレート、ユーカリプタス・グロブルス(eucalyptus globulus)油、マツヨイグサ(オエノテラ・ビエンニス(oenothera biennis))油、脂肪酸、ゲラニウム・マクラツム(geranium maculatum)油、グルコサミン、グルコースグルタメート、グルタミン酸、グリセレス-26、グリセリン、グリセロール、グリセリルジステアレート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリルラウレート、グリセリルリノレート、グリセリルミリステート、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレート SE、グリシン、グリコールステアレート、グリコールステアレート SE、グリコサミノグリカン、ブドウ(ヴィティス・ヴィニフェラ(vitis vinifera))種子油、ハシバミ(コリラス・アメリカーナ(corylus americana))堅果油、ハシバミ(コリルス・アベラナ(corylus avellana))堅果油、ヘキシレングリコール、ヒアルロン酸、ハイブリッドベニバナ(カルタムス・チンクトリウス(carthamus tinctorius))油、水素化ヒマシ油、水素化ココ-グリセリド、水素化ココナッツ油、水素化ラノリン、水素化レシチン、水素化パームグリセリド、水素化パーム核油、水素化大豆油、水素化牛脂グリセリド、水素化植物性油、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、加水分解グリコサミノグリカン、加水分解ケラチン、加水分解大豆タンパク質、ヒドロキシル化ラノリン、ヒドロキシプロリン、イソセチルステアレート、イソセチルステアロイルステアレート、イソデシルオレエート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルラノレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソステアルアミドDEA、イソステアリン酸、イソステアリルラクテート、イソステアリルネオペンタノエート、ジャスミン(ジャスミナム・オフィシナレ(jasminum officinale))油、ホホバ(ブクサス・キネンシス(buxus chinensis))油、ケルプ、ククイノキ(アレウリテス・モルカナ(aleurites moluccana))堅果油、ラクタミドMEA、ラネス-16、ラネス-10アセテート、ラノリン、ラノリン酸、ラノリンアルコール、ラノリン油、ラノリンワックス、ラベンダー(ラバンデュラ・アングスティフォリア(lavandula angustifolia))油、レシチン、レモン(シトラス・メディカ・リモナム(citrus medica limonum))油、リノール酸、リノレン酸、マカダミア・テルニフォリア(macadamia ternifolia)堅果油、マルチトール、マトリカリア(カモミラ・レクチタ(chamomilla recutita))油、メチルグルコースセスキステアレート、メチルシラノールPCA、鉱油、ミンク油、モルティエラ油、ミリスチルラクテート、ミリスチルミリステート、ミリスチルプロピオネート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルドデカノール、オクチルドデシルミリステート、オクチルドデシルステアロイルステアレート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルパルミテート、オクチルサリシレート、オクチルステアレート、オレイン酸、オリーブ(オレア・エウロパエア(olea europaea))油、オレンジ(シトラス・アウランチウム・ダルシス(citrus aurantium dulcis))油、パーム(エラエイス・グイネエンシス(elaeis guineensis))油、パルミチン酸、パンテチン、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、パラフィン、PCA、モモ(プラヌス・ペルシカ(prunus persica))核油、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア(arachis hypogaea))油、PEG-8 C12-18エステル、PEG-15コカミン、PEG-150ジステアレート、PEG-60グリセリルイソステアレート、PEG-5グリセリルステアレート、PEG-30グリセリルステアレート、PEG-7水素化ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-60水素化ヒマシ油、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG40ソルビタンペルオレエート、PEG-5ソイステロール、PEG-10ソイステロール、PEG-2ステアレート、PEG-8ステアレート、PEG-20ステアレート、PEG-32ステアレート、PEG40ステアレート、PEG-50ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-150ステアレート、ペンタデカラクトン、ペパーミント(メンタ・ピペリタ(mentha piperita))油、ペトロラタム、リン脂質、ポリアミノ糖縮合物、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、ポリクオタニウム-24、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、プロピレングリコール、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、プロピレングリコールジオクタノエート、プロピレングリコールジペラルゴネート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールステアレート、プロピレングリコールステアレート SE、PVP、ピリドキシンジパルミテート、レチノール、レチノールパルミテート、米(オリザ・サティバ(oryza sativa))糠油、RNA、ローズマリー(ロスマリヌス・オフィシナリス(rosmarinus officinalis))油、ローズ油、ベニバナ(カルサムス・チンクトリウス(carthamus tinctorius))油、サージ(サルビア・オフィシナリス(salvia officinalis))油、ビャクダン(サンタルム・アルブム(santalum album))油、セリン、血清タンパク質、ごま(セサマム・インジクム(sesamum indicum))油、シアバター(ブチロスペルマム・パルキイ(butyrospermum parkii))、シルクパウダー、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ナトリウムPCA、ポリグルタミン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンステアレート、ソルビトール、大豆(グリシン・ソヤ(glycine soja))油、スフィンゴリピド、スクアラン、ステアルアミドMEA-ステアレート、ステアリン酸、ステアロキシジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、グリチルレチン酸ステアリル、ステアリルヘプタノエート、ステアリルステアレート、ヒマワリ(ヘリアンサス・アンヌス(helianthus annuus))種子油、スイートアーモンド(プルヌス・アミグダルス・ダルシス(prunus amygdalus dulcis))油、合成蜜ろう、トコフェロール、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレート、トリベへニン、トリデシルネオペンタノエート、トリデシルステアレート、トリエタノールアミン、トリステアリン、尿素、植物性油、水、ろう、小麦(トリチクム・ブルガレ(triticum vulgare))胚種油、ならびにイランイラン(カナンガ・オドラタ(cananga odorata))油が挙げられる。
【0065】
肌処理剤(Skin Treating Agent)
本発明の組成物は、1つまたは複数の肌処理剤を含有してもよい。好適な肌処理剤としては、肌しわを防ぐ、遅らせる、阻む、および/または取るために有効なものが挙げられる。好適な肌処理剤の例としては、乳酸およびグリコール酸などのアルファ-ヒドロキシ酸ならびにサリチル酸などのベータ-ヒドロキシ酸が挙げられる。
【0066】
抗ニキビ活性剤
本発明の組成物に有用な抗ニキビ活性剤の例としては、サリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、5-オクタノイルサリチル酸などのサリチル酸の誘導体、およびレゾルシノール;レチノイン酸およびその誘導体(例えば、シスおよびトランス)などのレチノイド;硫黄含有DおよびLアミノ酸ならびにそれらの誘導体および塩、特にそれらのN-アセチル誘導体(その好ましい例は、N-アセチル-L-システインである);リポ酸;ベンゾイルペルオキシド、オクトピロックス、テトラサイクリン、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロバニリド、アゼライン酸およびその誘導体、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、酢酸エチル、クリンアマイシンおよびメクロサイクリンなどの抗生物質および抗菌剤;フラボノイドなどのセボスタット;ならびにシムノール硫酸およびその誘導体、デオキシコール塩、およびコール酸塩などの胆汁酸塩が挙げられるが、それらに限定されない。
【0067】
抗しわおよび抗皮膚萎縮活性剤
本発明の組成物に有用な抗しわおよび抗皮膚萎縮活性剤の例としては、レチノイン酸およびその誘導体(例えば、シスおよびトランス);レチノール;レチニルエステル;ナイアシンアミド、サリチル酸およびその誘導体;硫黄含有DおよびLアミノ酸ならびにそれらの誘導体および塩、特にN-アセチル誘導体(その好ましい例はN-アセチル-L-システインである);チオール、例えば、エタンチオール;ヒドロキシ酸、フィチン酸、リボ酸;リゾホスファチジン酸、ならびに皮剥剤(例えば、フェノールなど)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】
非ステロイド系抗炎症活性剤(NSAIDS)
本発明の組成物に有用なNSAIDSの例としては、次のカテゴリー:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;およびオキシカムが挙げられるが、それらに限定されない。
【0069】
局所麻酔薬
本発明の組成物に有用な局所麻酔薬の例としては、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、およびそれらの薬学的に許容される塩が挙げられるが、それらに限定されない。
【0070】
抗菌剤および抗真菌性活性剤
本発明の組成物に有用な抗菌剤および抗真菌性活性剤の例としては、ベータ-ラクタム薬物、キノロン剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、ヘキサミジンイセチオネート、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシン、亜鉛エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシンステアレート、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、クロルヘキシジングルコネート、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、ヒプル酸メテナミン、メテナミンマンデレート、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、亜鉛ピリチオン、クリムバゾールおよびクロトリマゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0071】
酵素
本発明の組成物は、1つまたは複数の酵素を任意選択的に含んでもよい。好ましくは、そのような酵素は皮膚科学的に許容される。好適な酵素としては、ケラチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、サブチリシンなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0072】
日焼け防止活性剤
本発明の組成物に使用することができるUV吸収剤としては、化学的および物理的日焼け止めが挙げられる。使用することができる化学的日焼け止めの非限定的な例としては、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、PABAエステル(グリセリルPABA、アミルジメチルPABAおよびオクチルジメチルPABA)、ブチルPABA、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ベンゾフェノン類(オキシベンゾン、スリソベンゾン、ベンゾフェノン、およびベンゾフェノン-1~12)、シンナメート類(オクチルメトキシシンナメート、イソアミルp-メトキシシンナメート、オクチルメトキシシンナメート、シノキサート、ジイソプロピルメチルシンナメート、DEA-メトキシシンナメート、エチルジイソプロピルシンナメート、グリセリルオクタノエートジメトキシシンナメートおよびエチルメトキシシンナメート)、シンナメートエステル、サリシレート類(ホモメチルサリシレート、ベンジルサリシレート、グリコールサリシレート、イソプロピルベンジルサリシレートなど)、アントラニレート類、エチルウロカネート、ホモサレート、オクチサレート、ジベンゾイルメタン誘導体(例えば、アボベンゾン)、オクトクリレン、オクチルトリアゾン、ジガロイトリオレエート、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンと一緒のローソン、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンズオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、およびビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4-メチルベンジリデンカンファー、ならびにイソペンチル4-メトキシシンナメートが挙げられる。物理的日焼け止めの非限定的な例としては、カオリン、タルク、ペテロラタムならびに金属酸化物(例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)が挙げられる。
【0073】
増粘剤
シックナーまたはケル化剤などの増粘剤としては、組成物の粘度を高めることができる物質が挙げられる。シックナーとしては、組成物内の活性成分の効能を実質的に変更することなく組成物の粘度を高めることができるものが挙げられる。シックナーはまた、本発明の組成物の安定性を高めることができる。本発明のある種の態様では、シックナーとしては、水素化ポリイソブテンもしくはトリヒドロキシステアリン、または両方の混合物が挙げられる。
【0074】
本発明との関連で使用することができる追加の増粘剤の非限定的な例としては、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖類、およびゴムが挙げられる。カルボン酸ポリマーの例としては、アクリル酸、置換アクリル酸、ならびにこれらのアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびエステルに由来する1つまたは複数のモノマーを含有する架橋化合物であって、架橋剤が2個またはそれ以上の炭素-炭素二重結合を含有し、多価アルコールから誘導される架橋化合物が挙げられる。商業的に入手可能なカルボン酸ポリマーの例としては、サッカロースまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーであるカルボマーが挙げられる。
【0075】
多糖類の非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレ-ト、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。別の例は、セルロースポリマーのヒドロキシ基が、ヒドロキシアルキル化セルロースを形成するためにヒドロキシアルキル化され(好ましくは、ヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化され)、それが次にエーテル結合によってC置換10~C置換30直鎖または分岐鎖アルキル基でさらに変性されているアルキル置換セルロースである。典型的には、これらのポリマーは、C置換10~C置換30直鎖または分岐鎖アルコールとヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。他の有用な多糖類としては、3つの単位ごとに(1-6)結合グルコースを有する(1-3)結合グルコース単位の線状鎖を含むスクレオグルカンが挙げられる。
【0076】
本発明で使用することができるゴムの非限定的な例としては、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カルシウムカラギーナン、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、ケイ酸、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、ローカストビーンガム、ナットウガム、アルギン酸カリウム、カリウムカラギーナン、プロピレングリコールアルギネート、スクレロチウムガム、ナトリウムカルボキシメチルデキストラン、ナトリウムカラギーナン、トラガカントゴム、キサンタンゴム、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0077】
カチオン界面活性剤
本組成物は、第四級アンモニウム塩カチオン界面活性剤などのカチオン界面活性剤をさらに含んでもよい。第四級アンモニウム塩カチオン界面活性剤の非限定的な例としては、セチルアンモニウムクロリド、セチルアンモニウムブロミド、ラウリルアンモニウムクロリド、ラウリルアンモニウムブロミド、ステアリルアンモニウムクロリド、ステアリルアンモニウムブロミド、セチルジメチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルアンモニウムブロミド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルセチルジ牛脂ジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルアンモニウムクロリド、ジセチルアンモニウムブロミド、ジラウリルアンモニウムクロリド、ジラウリルアンモニウムブロミド、ジステアリルアンモニウムクロリド、ジステアリルアンモニウムブロミド、ジセチルメチルアンモニウムクロリド、ジセチルメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルメチルアンモニウムブロミド、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。好適なカチオン性第四級アンモニウム塩としてはまた、ジ牛脂ジメチルアンモニウムクロリド、ジ牛脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムアセテート、ジ牛脂ジプロピルアンモニウムホスフェート、ジ牛脂ジメチルアンモニウムナイトレート、ジ(ココナッツアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ココナッツアルキル)ジメチルアンモニウムブロミド、牛脂アンモニウムクロリド、ココナッツアンモニウムクロリド、ステアルアミドプロピルエチイジモニウムエトスルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロリド、ステアルアミドプロピルジメチルセテアリールアンモニウムトシレート、ステアルアミドプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ステアルアミドプロピルジメチルアンモニウムラクテート、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0078】
本発明のエマルジョン組成物は、典型的には、高含有量のオイルを含むポリオール中のオイル型エマルジョンである。そのような組成物に関連した1つの課題は、組成物の安定性を維持すること、および異なる成分の相分離を防ぐことが困難であることである。本発明によるエマルジョン組成物は、成分が均質の混合物を形成し、相分離がまったく起こらないような優れた安定性を有することができることが見出された。さらに、本組成物の安定性は、比較的低い量の両性界面活性剤単独の添加によって達成することができ、それは、エマルジョン用の乳化剤として一般に使用されるエトキシル化非イオン界面活性剤などの他の界面活性剤の添加を必ずしも必要としない。これは、エトキシル化界面活性剤によって引き起こされ得る環境への潜在的な有害影響を考慮すると特に有利である。
【0079】
本発明のエマルジョン組成物は、液体、ペースト、クリーム、ゲルなどの形態で提供することができる。本組成物は、クリーニングフォームおよびゲル、ボディローションおよびミルク、メーキャップ除去オイル、マッサージオイル、治療オイルまたはクリーム、ヘアオイルおよび抗UVゲルなどのパーソナルケア、医薬品および化粧品用に使用することができる。本組成物はまた、保湿、老化防止、美白、パック、ファンデーション、リップクリーム調合物などの他の外表皮膚組成物用に使用されてもよい。
【0080】
本エマルジョン組成物は、従来の混合法を用いて上記の成分を混合することによって調製され得る。好適な混合法は、当業者によって一般に行われる、個々の成分についての混合試験に従って容易に決定することができる。本エマルジョン組成物は、一般に、個々の成分を、それらを溶融させるためにそれらの融点よりも高い温度で混合し、溶融物を攪拌しながらほぼ室温に冷却することによって組み合わせされる。典型的には、本方法は、ポリオールと両性界面活性剤との混合物を加熱(約40℃~90℃下で調製する工程を含み、次に結果として生じた混合物は、本発明の組成物を得るためにオイル相と混合することができる。水および他の任意選択の成分はまた、当技術分野で一般に知られている混合技術を用いることによってエマルジョン組成物に添加することができる。
【0081】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0082】
ここで提供される実施例は、本発明の実施形態をさらに説明し、実証にするものである。実施例は単に例示目的のために示され、本発明の限定と解釈されるべきではない。
【実施例
【0083】
原材料:
Solvay社製のセチルベタイン;
Solvay社製のエルカミドプロピルヒドロキシスルテイン。
Solvay社製のステアロアンホ酢酸ナトリウム;
Sasol製の26#ホワイトオイル;
Croda社製のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;
BASF社製のカプリリルカーボネート;
Evonik社製のイソプロピルミリステート;
Solvay社製のポリソルベート20;
Solvay社製のセテアレス-25;
Solvay社製のPEG-40水素化ヒマシ油。
【0084】
実施例1
エマルジョン組成物試料を下の表1の処方に従って調製した(Sは試料を意味し、CSは比較試料を意味する)。
【0085】
【0086】
調製のために、相A中の成分を混ぜ合わせ、均質混合物が形成されるまで攪拌した。次に、相A混合物を70~75℃に加熱した。相B中の成分を混合し、結果として生じた混合物を攪拌しながら相A中へ滴加した。相Aと相Bとの混合物を、次に45℃よりも低い温度に冷却した。その後、脱イオン水を混合物に添加した。
【0087】
エマルジョン組成物試料を48時間にわたり周囲温度に保った。次に、試料の物理的外観を観察した。結果を下の表2に示す。
【0088】
【0089】
結果は、本発明によるエマルジョン組成物が優れた安定性を示し、相分離が48時間後にまったく観察されないことを示した。
【0090】
実施例2
エマルジョン組成物試料を下の表3の処方に従って、および実施例1に記載されたような方法に従って調製した。
【0091】
【0092】
エマルジョン組成物試料を48時間にわたり周囲温度で保った。次に、試料の物理的外観を観察した。結果を下の表4に示す。
【0093】
【0094】
結果は、本発明によるエマルジョン組成物が優れた安定性を示し、一方、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤(すなわち、ポリソルベート20)を両方とも含むエマルジョン組成物が不十分な安定性を示し、48時間後に相分離を受けることを示した。
【0095】
実施例3
別のセットの実験では、エマルジョン組成物試料を下の表5の処方に従って調製した。試料を実施例1のような手順に従って調製し、処理した。処理された試料の物理的外観を表6に示した。
【0096】
【0097】
【0098】
実施例4
別のセットの実験では、エマルジョン組成物試料を下の表7の処方に従って調製した。試料を実施例1のような手順に従って調製し、処理した。処理された試料の物理的外観を表8に示した。
【0099】
【0100】
【0101】
結果は、本発明による両性界面活性剤を含む組成物が透明かつ均質なエマルジョンを示すことを明らかにした。対照的に、非イオン界面活性剤(ポリソルベート20、セテアレス-25またはPEG-40水素化ヒマシ油)を含む組成物は、48時間後に相分離を示した。