(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】外部固定具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/64 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
A61B17/64
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018061522
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2021-01-19
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ,ムニス
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィット アール.,ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー シー.,シナー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-539012(JP,A)
【文献】中国実用新案第201168944(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2015/0204635(US,A1)
【文献】特表2014-521383(JP,A)
【文献】米国特許第04244360(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外部固定具アセンブリと、
第2の外部固定具アセンブリと、
第1の角度を付けた支柱及び第2の角度を付けた支柱を含む多ピンクランプであって、前記第1の角度を付けた支柱が前記第1の外部固定具アセンブリ内に受容され、前記第2の角度を付けた支柱が前記第2の外部固定具アセンブリ内に受容されている多ピンクランプと、
前記多ピンクランプ内に受容されている少なくとも1つのピンと、
少なくとも3つの接続部を有し、前記第1の外部固定具アセンブリを前記第1の角度を付けた支柱に締め付け、前記多ピンクランプ内に受容されている前記ピンを回転させ
、前記接続部のうちの少なくとも2つが異なる接続構造を有する多目的器具と、
を備え
、
前記多目的器具は、近位端部と、
前記近位端部と反対側に設けられた遠位端部と、
前記第1の外部固定具アセンブリを前記第1の角度を付けた支柱に締め付けるために前記遠位端部に設けられたナットドライバと、
前記第1の外部固定具アセンブリを前記第1の角度を付けた支柱にさらに締め付けるために前記近位端部と前記遠位端部との間に設けられたレンチ部分と、
前記ナットドライバを通って挿入され前記ピンの端部と係合して前記ピンを並進及び/または回転するAOドライブアダプタとを含む、システム。
【請求項2】
前記多ピンクランプが、第1のプレート及び第2のプレートを備え、前記第1のプレート及び第2のプレートがそれらの間にチャネルを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のプレートが、その内壁上に形成された1つ以上の溝を含み、前記第2のプレートが、その内壁上に形成された1つ以上の対応する溝を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記多ピンクランプが、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に延在する少なくとも1つの締付ボルトを含み、前記少なくとも1つの締付ボルトが、前記チャネルの幅を制御する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記多ピンクランプが、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に延在する一対の締付ボルトを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の外部固定具アセンブリが、第1のクランプアセンブリ、第2のクランプアセンブリ、前記第1のクランプアセンブリ及び前記第2のクランプアセンブリを通って延在するシャフト、及びキャップアセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記キャップアセンブリがナットを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記多目的器具は、最初に前記第1の外部固定具アセンブリを締め付け、さらに前記第1の外部固定具アセンブリを締め付け、かつ前記第1の外部固定具アセンブリ内で受容される追加のピンを回転及び/または並進させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記多ピンクランプが、複数の骨ピン受容孔を有する内部摺動部材を備え、前記内部摺動部材は、前記内部摺動部材が前記第1のプレート及び第2のプレートに対して摺動するときに複数の骨ピンを固設するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月10日に出願された米国特許出願第15/455,317号の一部継続出願であり、この出願は、2016年5月11日に出願された米国特許出願第15/151,843号の一部継続出願であり、この出願は、2015年12月4日に出願され、現在米国特許第9,539,029号として発行された米国特許出願第14/958,961号の一部継続出願であり、この出願は、2015年12月3日に出願された米国特許出願第14/957,793号の継続出願であり、これらは各々、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、外部固定具アセンブリに関し、具体的には、複数のクランプを有する外部固定具アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
外部固定具は、骨折部を整復し骨の治癒を促進するための長期間治療法として外傷事故において長く使用されている。しかしながら、近年、外部固定具は、より確実な固定方法を決定し、適用することができるまで骨折部を安定させるための方法として、多重外傷患者に対して使用されている。この一時的な安定化を行うための現在の外部固定具の使用は、扱い難く、また、時間がかかり得る。
【0004】
故に、軽量の迅速アセンブリ外部固定具に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
この発明の概要は、発明を実施するための形態において下でさらに説明される概念の選択したものを簡略形態で紹介する。この発明の概要は、特許請求された主題の主な特徴または本質的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を限定するために使用することも意図していない。
【0006】
1つの実施形態によれば、外部固定具システムは、例えば折れた骨の反対側に位置付けられた複数のピンを、さらに1つのロッドと接続するように構成された、複数の外部固定具アセンブリを含むことができる。固定具アセンブリは、固定具アセンブリがロック解除位置にあるときに互いに対して回転するように構成された、複数のクランプアセンブリを含むことができる。例えば折れた1つまたは複数の骨を安定させるために、ピン及び/またはロッドの相対的位置付けが達成されると、クランプアセンブリが適切な位置に固定され、互いに対してそれ以上回転することができないように、固定具アセンブリをロック位置まで移動させることができる。
【0007】
1つの実施形態において、外部固定具アセンブリは、遠位端部及び近位端部を有するシャフトを含む。近位端部は、少なくとも1つの雄ねじを有する。複数のクランプアセンブリが、シャフトに沿って遠位端部から近位端部まで延在する。付勢部材が、隣接する複数のクランプアセンブリの間に配置される。キャップアセンブリが、シャフトの近位端部を覆うように配置される。キャップアセンブリは、複数のクランプアセンブリをシャフトの遠位端部に向かって付勢するように適合される。
【0008】
代替の一実施形態において、外部固定具アセンブリは、フランジを有する遠位端部と、少なくとも1つの雄ねじを有する近位端部とを備えるシャフトを含む。クランプアセンブリは、シャフトに沿って遠位フランジの近位に配置される。ラチェットアセンブリは、クランプアセンブリを遠位フランジに向かって付勢する。ラチェットアセンブリは、半径方向に延在するバットレスフランジを有するラチェットバットレスと、フランジを通って延在する孔とを備える。孔は、シャフトがそこを通って延在することを可能にするようにサイズ決定される。複数の指状突起が、孔の周囲に近位に延在する。複数の指状突起の各々は、シャフトの近位端部の少なくとも1つの雄ねじに係合するように適合された複数の内部ラチェット歯を有する。ラチェットハウジングは、バットレスフランジに係合するように適合された半径方向に延在するハウジングフランジを有する遠位端部と、シャフトの少なくとも1つの雄ねじにねじ込み可能に係合するように適合された少なくとも1つの雌ねじを有する近位端部とを備える。
【0009】
なおも別の代替の実施形態において、外部固定具アセンブリは、ラチェットアセンブリを含む。ラチェッティングアセンブリは、ラチェッティングバットレスと、ラチェットハウジングとを備える。ラチェッティングフランジは、その中に形成されたバットレス軸方向孔を有する環状フランジと、環状フランジから第1の方向において外方へ延在するタングと、環状フランジから第1の方向において外方に延在する複数の指状突起を有する。複数の指状突起が、孔を取り囲む。複数の指状突起の各々が、複数の内部ラチェット歯を含む。ラチェットハウジングは、その中に形成されたハウジング軸方向孔を有する環状フランジと、フランジに取り付けられた本体とを有する。環状フランジは、外部輪郭表面と、レンチングバットレスの環状フランジを受容するように適合された第1の半径方向に延在するキャビティと、タングを受容するように適合された軸方向に延在するスロットとを有する。本体は、その外周の周囲に延在する複数の外部平坦表面と、複数の指状突起を受容するように適合された第2の半径方向に延在するキャビティと、第2の半径方向に延在するキャビティに隣接する雌ねじ通路とを有する。
【0010】
さらに別の代替の実施形態において、外部固定具アセンブリは、第1の連結端部及び第1の自由端部を有する第1のシャフトと、第2の連結端部及び第2の自由端部を有する第2のシャフトと、第1の連結端部及び第2の連結端部を枢動可能に保持する連結器とを備える。第1のクランプアセンブリは、連結器と第1の自由端部との間で、第1のシャフトに配置される。第1のクランプアセンブリは、連結器の近位に配置された第1の内側クランプ部材を備える。第1の内側クランプ部材は、第1の内側スロットを有する。第1の外側クランプ部材は、第1の自由端部の近位に配置される。第1の外側クランプ部材は、第1の外側スロットを有する。第1の付勢部材は、第1の付勢部材が第1の内側クランプ部材を第1の外側クランプ部材に向かって付勢するように、第1の内側スロット及び第1の外側スロットに配置される。第2のクランプアセンブリは、連結器と第2の自由端部との間で、第2のシャフトに配置される。第2のクランプアセンブリは、連結器の近位に配置された第2の内側クランプ部材を備える。クランプ部材の第2は、第2の内側スロットを有する。第2の外側クランプは、第2の自由端部の近位に配置される。第2の外側クランプ部材は、第2の外側スロットを有する。第2の付勢部材は、第2の付勢部材が第2の内側クランプ部材を第2の外側クランプ部材に向かって付勢するように、第2の内側スロット及び第2の外側スロットに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の態様、特徴、及び利点が、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面からより完全に明らかになり、図面において、同じ参照番号は、類似する、または同一の要素を識別する。
【
図1】隣接する骨を固定するために使用されている、第1の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図1A】同じ骨の折れた部分を固定するために使用されている、
図1に示される外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図2】ロッド及びピンが接続された、
図1に示される外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図3】
図1に示される外部固定具アセンブリの分解斜視図である。
【
図4】
図1に示される外部固定具アセンブリの断面における側面図である。
【
図5】
図1に示される外部固定具アセンブリと共に使用されるラチェットアセンブリの分解断面図である。
【
図6】隣接する骨を固定するために使用されている、第2の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図7】ロッドが接続された、
図6に示される外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図7A】ロッド及びピンが接続された、
図6に示される外部固定具アセンブリの斜視図である。
【
図8】
図6に示される外部固定具アセンブリの分解斜視図である。
【
図9】
図6に示される外部固定具アセンブリの断面における側面図である。
【
図10】一方のシャフトをもう一方のシャフトに対して枢動させた、
図9に示される外部固定具アセンブリの断面における側面図である。
【
図11】隣接する骨を固定するために使用されている、第3の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの上面斜視図である。
【
図12】
図11の外部固定具アセンブリのクランプアセンブリの拡大図である。
【
図13】隣接する骨を固定するために使用されている、第4の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの上面斜視図である。
【
図14】
図13の外部固定具アセンブリの一対のクランプアセンブリの拡大図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、第1のクランプアセンブリと第2のクランプアセンブリとの間の接合面の正面図である。
【
図16】
図15の第1のクランプアセンブリ及び第2のクランプアセンブリの断面図である。
【
図17】いくつかの実施形態による、歯付ロック半部の歯の拡大図である。
【
図18】いくつかの実施形態による、完全に締め付けた構築物の第1のクランプアセンブリ及び第2のクランプアセンブリの拡大図である。
【
図19】いくつかの実施形態による、ロッドの側面図である。
【
図20】いくつかの実施形態による、ピンの側面図である。
【
図21】足の骨と共に動作する、いくつかの外部固定具アセンブリの後面斜視図である。
【
図22】足の骨と共に動作する、いくつかの外部固定具アセンブリの正面斜視図である。
【
図24】いくつかの実施形態による、多ピンクランプの上面斜視図である。
【
図26】ドリルスリーブを有し、ドリルガイドとして使用される
図24の多ピンクランプの側面図である。
【
図27】ドリルスリーブの除去された
図26の多ピンクランプの側面図である。
【
図28】使用中の代替の多ピンクランプの斜視図である。
【
図29】いくつかの実施形態による、内部摺動部材を有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
【
図32】いくつかの実施形態による、内部摺動部材の1つの変形例の上面図である。
【
図33】いくつかの実施形態による、内部摺動部材の第2の変形例の上面図である。
【
図34】ドリルスリーブを有し、ドリルガイドとして使用される
図29の多ピンクランプの側面図である。
【
図35】ドリルスリーブの除去された
図34の多ピンクランプの側面図である。
【
図36】いくつかの実施形態による、一体型クランプに取り付けられた代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
【
図37】いくつかの実施形態による、角度を付けたロッドを有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
【
図38】いくつかの実施形態による、オフセットされた締付ナットを有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
【
図39】いくつかの実施形態による、カムを含む
図38の多ピンクランプの上面断面図である。
【
図40】いくつかの実施形態による、3つの異なる機能を行う多目的器具を示す。
【
図41】いくつかの実施形態による、多目的器具の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図において、同じ数字は、全体を通して同じ要素を示す。特定の用語は、本明細書において便宜のみのために使用され、本発明に関する限定として解釈されるべきではない。用語は、具体的に述べられる語、その派生語、及び類似の意味を含む語を含む。下に例示される実施形態は、網羅的であることを意図するものではなく、または本発明を開示した正確な形態に限定することを意図しない。これらの実施形態は、本発明の原理、その用途、及び実際の使用を最良に説明するように、また、当業者が本発明を最良に利用することを可能とするように選択され、記載される。
【0013】
本明細書において「1つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」に言及することは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所における「1つの実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているとは限らず、別個のまたは代替の実施形態が必ずしも他の実施形態と相互排他的であるとは限らない。同じことが「実現形態」という用語に当てはまる。
【0014】
本出願において使用されるとき、「例示的」という語は、実施例、事例、または例示としての役割を果たすことを意味するように本明細書において使用される。本明細書で「例示的」であると説明される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。むしろ、例示的という語の使用は、概念を具体的な様式で提示することを意図する。
【0015】
さらに、「または(or)」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味することを意図する。すなわち、別途指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「Xは、AまたはBを用いる」は、自然な包括的置換のうちのいずれかを意味することを意図する。すなわち、XがAを用いる、XがBを用いる、または、XがA及びBの両方を用いる場合、「Xは、AまたはBを用いる」は、前述の事例のうちのいずれによっても満たされる。加えて、本出願及び添付の特許請求の範囲において使用される冠詞「a」及び「an」は、別途指定されない限り、または文脈から単数形を対象とすることが明らかでない限り、一般に、「1つ以上」を意味するものと解釈されるべきである。
【0016】
別途明確に指示されない限り、各数値及び範囲は、「約」または「ほぼ」という語が、その値または範囲の数値の前に付いているかのように、おおよそのものであると解釈されるべきである。
【0017】
特許請求の範囲における図面番号及び/または図の参照符号の使用は、特許請求の範囲の解釈を容易にするために、特許請求される主題の1つ以上の可能な実施形態を識別することを意図する。そのような使用は、そうした特許請求の範囲を、対応する図に示される実施形態に必ずしも限定するものとして解釈されるものではない。
【0018】
本明細書に記載される例示的な方法のステップは、必ずしも記載した順番で行うことを必要とするとは限らないと理解されるべきであり、そのような方法のステップの順番は、単に例示的なもの過ぎないと理解されるべきである。同様に、本発明の様々な実施形態と矛盾しない方法で、追加的なステップをそのような方法に含むことができ、特定のステップを省略すること、または組み合わせることができる。
【0019】
以下の方法の特許請求の範囲における要素が、該当する場合に、対応するラベル付けによって特定の順序で列挙されていても、別途、特許請求の範囲の列挙が、そうした要素のうちのいくつかまたは全てを実施するための特定の順序を含意しない限り、そうした要素は、必ずしもその特定の順序で実施されるように限定されることを意図するとは限らない。
【0020】
また、本説明の目的で、「連結する」、「連結している」、「連結された」、「接続する」、「接続している」、または「接続された」という用語は、必須ではないが、2つ以上の要素を直接的または間接的に互いに接合または接続し、1つ以上の追加要素の介在が想定される、当技術分野において既知の、または今後開発される任意の様態を指す。その逆に、「直接的に連結された」、「直接的に接続された」等の用語は、そのような追加的な要素がないことを含意する。
【0021】
本開示は、骨折部を固定するために使用することができる外部固定具の実施形態を提供する。本発明の外部固定具は、外科医が骨折部を迅速かつ確実に安定させることを可能にする接続を提供する。
【0022】
1つの実施形態によれば、外部固定具システムは、例えば折れた骨の反対側に位置付けられた複数のピンを、さらに1つのロッドと接続するように構成された、複数の外部固定具アセンブリを含むことができる。各固定具アセンブリは、固定具アセンブリがロック解除位置にあるときに互いに対して回転するように構成された、複数のクランプアセンブリを含むことができる。例えば1つまたは複数の折れた骨を安定させるために、ピン及び/またはロッドの相対的位置付けが達成されると、固定具アセンブリは、クランプアセンブリが適切な位置に固定されるように、ロック位置まで移動させることができ、それによって骨折部を安定させることができる。
【0023】
図1~
図5を参照すると、第1の例示的な実施形態による、外部固定具アセンブリ100(「固定具アセンブリ100」)が示される。
図1及び
図1Aに具体的に示されるように、固定具アセンブリ100は、ロッド50及びピン60と併せて使用して、隣接する骨70、72を固定し、安定させるために(
図1に示す)、または同じ骨70の折れた部分74、76を安定させる(
図1Aに示す)。大腿骨70及び脛骨72が
図1に示され、大腿骨70が
図1Aに示されるが、当業者は、固定具アセンブリ100を、ロッド50及びピン60と共に使用して、他の骨、及び他の骨の対を同様に固定することができることを認識するであろう。骨の例としては、大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、橈骨、尺骨、及び指骨が挙げられるが、これらに限定されない。外部固定具システムの特定の構成が本明細書に例示されるが、ロッド50、ピン60、及び固定具アセンブリ100の数、種類、及び場所を、骨の種類及び場所、骨折部、外科医の選択等に基づいて修正または変更できることが認識されるであろう。
【0024】
図2に示されるように、固定具アセンブリ100を使用して、複数の接続器アセンブリの使用を通じてロッド50及びピン60を解放可能に固定することができる。例示的な一実施形態において、ロッド50は、例えば炭素繊維等の、剛性材料から構築することができ、また、随意に、例えばチタン等の材料で被覆して、ロッド50をMRIの使用にさらに適合させることができる。ロッド50を、本用途に対して適切な性質を有する任意の適切な材料で形成できることが想定される。ロッド50は、第1の直径を有する。ロッド50の長さは、特定の用途に対する必要性に応じて変更することができる。
【0025】
ピン60は、骨70、72の中へ挿入される、セルフタッピング端部62等の、骨係合端部を含むことができる。ピン60はまた、任意の適切な生体適合性材料から構築することもできる。随意に、端部62は、感染症の可能性を低減するために、例えば銀または銀イオン等の、抗菌材料で被覆することができる。ピン60は、ロッド50の第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。ピン60の長さ及び直径は、患者または怪我に応じて、ならびに外科医の選択に応じて変更することができる。
【0026】
図1A及び
図2は、単一のロッド50及び単一のピン60を固定するために使用されている固定具アセンブリ100を示すが、当業者は、固定具アセンブリ100を使用して、特定の状況及び怪我に応じて、
図1に示されるように2つのロッド50、さらには2つのピン60(図示せず)を接続することができることを認識するであろう。
【0027】
図4に示されるように、固定具アセンブリ100は、そこを通って延在する長手方向軸102を含む。本明細書において使用するとき、「長手方向の」、「長手方向に」、「軸方向の」、及び「軸方向に」という用語は、長手方向軸102の長さに沿った方向、または長手方向軸102に平行に延在する方向を指す。さらに、「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、長手方向軸102に対して垂直に延在する方向、または長手方向軸から外方へ延在する方向を指す。
【0028】
ここで
図2及び
図3を参照すると、固定具アセンブリ100は、シャフト110と、シャフト110に沿って延在する複数のクランプアセンブリ120、150とを含む。シャフト110は、長手方向軸102に沿って延在する。付勢部材160は、隣接する複数のクランプアセンブリ120、150の間に配置される。キャップまたはラチェットアセンブリ170は、クランプアセンブリ120、150をシャフト110上に固定する。
【0029】
シャフト110は、遠位端部112と、遠位及び112から離れて延在する近位端部114とを有する。固定具アセンブリ100に関して本明細書において使用されるとき、「遠位」という用語は、
図4のページの最下部に向かう方向を指し、「近位」という用語は、
図4のページの最上部に向かう方向を指す。
【0030】
遠位端部112は、半径方向に延在するフランジ116と、フランジ116の近位端部から延在する少なくとも1つの平坦表面117とを含む。
図4は、2つの平坦表面117に示すが、当業者は、シャフト110が、2つよりもより多いまたは少ない平坦表面117を含むことができると認識するであろう。
【0031】
シャフト110の近位端部114は、少なくとも1つの雄ねじ118を有する。随意に、遠位端部112と近位端部114との間のシャフト115の長さは、略円形とすることができ、すなわち、任意の平坦表面またはねじ山を含まないことができる。シャフト110は、クランプアセンブリ120、150及びその上のラチェットアセンブリ170の挿入を可能にするのに十分な長さである。
【0032】
クランプアセンブリ120、150は、クランプアセンブリ120がフランジ116に係合し、クランプアセンブリ150がクランプアセンブリ120に係合するように、シャフト110に沿って遠位端部112から近位端部114に向かって延在する。2つのクランプアセンブリ120、150が示されるが、当業者は、2つを超えるクランプアセンブリ120、150を固定具アセンブリ100と共に使用することができることを認識するであろう。代替的に、単一のクランプアセンブリ120のみが、固定具アセンブリ100共に使用されることが想定され得る。
【0033】
クランプアセンブリ120、150は、必ずではないが、互いに同一とすることができる。クランプアセンブリ120は、下側部材122と、下側部材122の近位から延在する上側部材124とを含む。下側部材122は、シャフト110がそこを通って延在することを可能にするようにサイズ決定された、軸方向に延在する通路126を含む。通路126は、シャフト110の平坦表面117と係合して、クランプアセンブリ120の下側部材122がシャフト110に対して回転することを防止するように適合された内部平坦表面128を含むことができる。
【0034】
下側部材122は、ロッド50の一部分を受容するようにサイズ決定された半径を有する第1の略U字形状部分130を含む。下側側材122はまた、第1の凹状部分130から離れて半径方向に配置され、ピン60の一部分を受容するようにサイズ決定された半径を有する第2の略U字形状部分131も含む。
図3に示されるように、下側部材122はまた、上側部材124に向かってそこから近位方向に外方に延在する複数のタング132も含む。
【0035】
上側部材124は、シャフト110がそこを通って延在することを可能にするようにサイズ決定された、軸方向に延在する通路134を含む。上側部材136は、上側部材124が下側部材122に向かって付勢されるときに、ロッド50が、下側部材122の第1の略U字形状部分130及び上側部材124の第1の略逆U字形状部分136によって形成されたキャビティ138において受容されるように、ロッド50の一部分を受容するようにサイズ決定された半径を有する第1の略逆U字形状部分136をさらに含む。
【0036】
上側部材124はまた、上側部材124が下側部材122に向かって付勢されるときに、ピン60が、下側部材122の第2の略逆U字形部分131及び上側部材124の第2の略逆U字形部分140によって形成されたキャビティ142において受容されるように、第1の略逆U字形部分136から離れて半径方向に配置され、ピン60の一部分を受容するようにサイズ決定された半径を有する、第2の略逆U字形部分140も含む。
【0037】
図3に示されるように、上側部材124はまた、その中に形成された複数のスロット144も含み、よって、各スロット144は、下側部材122からタング132を解放可能に受容するように適合され、それによって、上側部材124が下側部材122に対して長手方向軸102を中心に回転することを防止する。上側部材124はまた、付勢部材160を受容するようにサイズ決定されたばねキャビティ146も含む。歯付ロック半部148は、ばねキャビティ146を取り囲む。
【0038】
クランプアセンブリ150が、内部平坦表面128の代わりに、クランプアセンブリ150がシャフト110を中心に自由に回転することができ、また、クランプアセンブリ120に対しても回転することができるように、シャフト110の直径よりも十分に大きい、軸方向に延在する通路126´を有する部材122´を含むことを除いて、クランプアセンブリ150は、クランプアセンブリ120に類似する。
図3及び
図4に示されるように、クランプアセンブリ150は、クランプ120に対して「逆さま」にシャフト110に挿入され、よって、クランプアセンブリ150の歯付ロック半部148がクランプアセンブリ120の歯付ロック半部148と係合することができ、よって、クランプアセンブリ150がクランプアセンブリ120に対して付勢されるときに、クランプアセンブリ150の歯付ロック半部148がクランプアセンブリ120の歯付ロック半部148に係合し、クランプアセンブリ120に対するクランプアセンブリ150の回転を防止する。
【0039】
各歯付ロック半部148は、複数の歯または同類のものを含む。例示的な一実施形態において、各歯付ロック半部148は、クランプアセンブリ150をクランプアセンブリ120に対して約4°で割り出すことができるように、約90個の歯を含む。しかしながら、当業者は、各歯付ロック部148が、クランプアセンブリ120に対するクランプアセンブリ150の割り出し量を適宜に調整することができるように、90個よりも多いまたは少ない歯を含むことができることを認識するであろう。
【0040】
図3に示されるように、付勢部材160は、クランプアセンブリ120とクランプアセンブリ150との間に配置され、また、ばねキャビティ146内でクランプアセンブリ120とクランプアセンブリ150との間に保持される。例示的な一実施形態において、付勢部材160は、螺旋ばねであるが、当業者は、他の種類の付勢部材を使用することができることを認識するであろう。付勢部材160は、クランプアセンブリ120及びクランプアセンブリ150が、キャビティ138の中へ挿入することができるロッド50及び/またはキャビティ142の中へ挿入することができるピン160に確実に係合するように、クランプアセンブリ120及びクランプアセンブリ150を互いに離れるように付勢する。
【0041】
図3~
図5を参照すると、ラチェットアセンブリ170は、ラチェットアセンブリ170がクランプアセンブリ120、150をシャフト110の遠位端部112及びフランジ116に向かって付勢することによって、クランプアセンブリ120、150が互いに対して回転できないように、シャフト110の近位端部114を覆うように配設される。ワッシャ162は、ラチェットアセンブリ170によってクランプアセンブリ150上に印加される圧縮力を分散させるために、第2のクランプアセンブリ150とラチェットアセンブリ170との間に軸方向に配設される。
【0042】
ラチェットアセンブリ170は、シャフト110に沿って近位端部114から遠位端部112に向かって軸方向に並進するように適合されたラチェッティングバットレス172を備える。ラチェッティングバットレス172は、軸方向に延在する孔176をその中に有する、半径方向に延在する環状フランジ174を備える。孔176は、シャフト112がそこを通って延在することを可能にするようにサイズ決定される。タング177は、フランジ174から長手方向に外方へ延在する。
【0043】
複数の指状突起178は、孔176の周囲に近位に延在する。複数の指状突起178の各々は、シャフト110の近位端部114の雄ねじ118に係合するように適合された複数の長手方向に離間された内部ラチェット歯180を有する。隙間181は、指状突起178を長軸102から離れるように付勢することを可能にするように、隣接する指状突起178の各々の間に延在し、それによって、ラチェットアセンブリ170がシャフト110の上へ押圧されるときに、ねじ118をラチェット歯180に沿ってラチェット駆動することを可能とする。
【0044】
ラチェットハウジング182は、ラチェッティングバットレス172を覆うように配置される。ラチェットハウジング182は、バットレスフランジ174に係合するように適合された半径方向に延在するハウジングフランジ186を有する、遠位端部184を含む。フランジ186は、タング177がスロット188の中へ挿入されるときに、ラチェットハウジング182がラチェットバットレス172に対して回転できないように、フランジ174からのタング177を受容するように適合されたスロット188を含む。
【0045】
ハウジングフランジ186の外部表面は、ユーザがシャフト110を中心にラチェットハウジング182を手動で回転させることができるようにするための把持表面を提供する、例えば、ギザギザのある表面等の、輪郭表面を含む。ハウジングフランジ186の内部は、ラチェットバットレス172の環状フランジ174を受容するように適合された第1の半径方向に延在するキャビティ190を含む。
【0046】
ラチェットハウジング182は、シャフト110の雄ねじ118とねじ込み可能に係合するように適合された少なくとも1つの雌ねじ194を伴う雌ねじ通路193を有する基体192をさらに含む。本体192は、その外周の周囲に延在する複数の平坦表面196をさらに備える。平坦表面196は、固定具アセンブリ100を締め付けてロッド50(複数可)及び/またはピン60(複数可)を固定するために、例えばレンチまたは他のトルク付与装置(図示せず)等の工具の適用を可能とする。本体192はまた、複数の指状突起178を受容するように適合された第2の半径方向に延在するキャビティ198も含む。
図4に示されるように、キャビティ198は、指状突起178をシャフト110から離れるように付勢することを可能にして、ラチェッティングバットレス172がシャフト110に沿って遠位方向に摺動することを可能にするのに十分に大きい。
【0047】
固定具アセンブリ100を組み立てるには、第1のクランプアセンブリ120を、シャフト110の近位端部114から遠位端部112シャフト110へ摺動させて、フランジ116の底部に到達させる。第1のクランプアセンブリ120は、歯付ロック半部148がシャフト100の近位端部114に面するように整列される。次に、付勢部材160の少なくとも一部分がばねキャビティ146内に着座するように、付勢部材160をシャフト110に沿って摺動させる。
【0048】
次いで、第2のクランプアセンブリ150を、シャフト110の近位端部114から第1のクランプアセンブリ120に向かって摺動させる。第2のクランプアセンブリ150は、歯付ロック半部148がシャフト100の遠位端部112に面するように整列され、よって、付勢部材160の少なくとも残りの部分が第2のクランプアセンブリ150のばねキャビティ146内に着座され、また、第2のクランプアセンブリ150の歯付ロック半部148が第1のクランプアセンブリ120の歯付ロック半部148に面する。
【0049】
ワッシャ162は、シャフト110上を摺動する。次いで、ラチェットアセンブリ170がシャフト110上を摺動し、よって、雌ねじ194がシャフト110の雄ねじ118に係合する。この時点で、キャビティ138、142は、ロッド50がキャビティ138の中へ摺動することを可能にし、また、ピン60がキャビティ142の中へ摺動すること可能にし、さらに、第2のクランプアセンブリ150が第1のクランプアセンブリ120に対して軸方向に回転することを可能にするのに十分に大きい。
【0050】
この状態において、外科医は、ロッド50及びピン60を固定具アセンブリ100に対して所望の位置の整列させることができる。外科医は、次いで、ラチェットアセンブリ170をシャフト110に沿って遠位方向にさらに摺動させることによってラチェットアセンブリ170を一時的に締め付け、次いで、ラチェットハウジング182の平坦表面196にレンチまたは他のコート(court)印加装置(図示せず)を適用して、ラチェットハウジング182をシャフト110に対して回転させることによって固定具アセンブリ100の最終的な締め付けを行うことができる。
【0051】
ラチェットアセンブリ170は、バー50及び/またはピン60へのクランプアセンブリ120、150の迅速な適用を可能とする。ラチェットアセンブリ170はまた、外科医が固定具100をバー50(複数可)及びピン60(複数可)と共に組み立てる間に、固定具アセンブリ100を一時的に締め付けるための迅速な方法も提供する。セットされると、例えば電動の、トルク制限アダプタを使用して、ラチェットアセンブリ170の最終的な締め付けを適用することができる。
【0052】
1つの実施形態によれば、例えば1つ以上の折れた骨の部位において、外部固定具システムを設置する方法は、1つ以上のピン60を罹患した骨(例えば、骨折部の反対側)の中へ挿入することと、1つ以上の固定具アセンブリ100を各ピン60に取り付けることと、隣接する固定具アセンブリ100の間に1つ以上のロッド50を接続することによって、1つ以上のピン60を隣接するピン60に固定することと、を含むことができる。例えば複数の骨または複数の骨折部を架橋するために、構築物を延伸することが必要である場合、同じ固定具アセンブリ100を同様に使用して、2つ以上のロッド50を共に接続することができる。
【0053】
外部固定具アセンブリ200(「固定具アセンブリ200」)の代替の実施形態が、
図6~
図10に示される。
図6は、患者の隣接する骨70、72を固定し、安定させるために、ロッド50及びピン60の両方と共に使用している固定具アセンブリ200を示す。
図7は、2つのロッド50を略平行の配設で固定するために使用されている固定具アセンブリ200を示し、一方で、
図7Aは、単一のロッド50及び単一のピン60を捩じれた配置で固定するために使用されている固定具アセンブリ200を示す。
【0054】
図8に示される固定具アセンブリ200の分解図、及び
図9に示される断面図を参照すると、固定具アセンブリ200は、第1の連結端部204及び第1の自由端部206を有する第1のシャフト202を含む。第1の連結端部204は、外径D1を有する。第1の自由端部206は、外径D1よりも細い直径を有する。第1の連結端部204は、略平坦面208及び略凸状外面209を有する第1のリップ207において終結する。第1の長手方向軸210は、第1のシャフト202の長さに沿って延在する。
【0055】
同様に、第2のシャフト212は、第2の連結端部214と、第2の自由端部216とを有する。第2の連結端部214は、外径D2を有する。第2の自由端部216は、外径D2よりも細い直径を有する。第2の連結端部214は、略平坦面218及び略凸状外面219を有する第2のリップ217において終結する。第2の長手方向軸220は、第2のシャフト212の長さに沿って延在する。
【0056】
連結器230は、第1の連結端部204及び第2の連結端部214をその中で枢動可能に保持する。連結器230は、第1の連結端部204の略凸状外面209を受容するように輪郭形成された凹状接合面234を有する、第1のカップ、またはクラムシェル部分232を含む。加えて、第1のクラムシェル部分232は、直径D3を有する開口部236を有し、よって、第1の連結端部204の外径D1が直径D3よりも小さいが、第1のリップ207が開口部236のサイズよりも大きく、よって、第1のシャフト202が開口部236を通って挿入されるときに、第1のリップ207が第1のクラムシェル部分232内に保持される。
【0057】
同様に、連結手段230はまた、第2の連結端部214の略凸状外面219を受容するように輪郭形成された凹状接合面244を有する、第2のカップ、またはクラムシェル部分242も含む。加えて、第2のクラムシェル部分242は、直径D4を有する開口部246を有し、よって、第2の連結端部214の外径D2が直径D4よりも小さいが、第2のリップ217が開口部246のサイズよりも大きく、よって、第2のシャフト212が開口部246を通って挿入されるときに、第2のリップ217が第2のクラムシェル部分242内に保持される。
【0058】
例示的な一実施形態において、第1のクラムシェル部分232は、雌ねじ238を含み、第2のクラムシェル部分242は、合致する雄ねじ248を含み、よって、第1のクラムシェル部分232を第2のクラムシェル部分242にねじ式に接続することができる。随意に、第1のクラムシェル部分232が第2のクラムシェル部分242から分離することを防止するために、第1のクラムシェル部分232は、雌ねじ238及び雄ねじ248の接続部において第2のクラムシェル部分242に溶接すること、または別様には永続的に固定することができる。
【0059】
本明細書において使用するとき、「内側」という用語は、連結器230に向かう方向を定義するために使用され、「外側」という用語は、連結手段230から離れる方向を定義するために使用される。第1のクランプアセンブリ250は、連結器230と第1のシャフト202の第1の自由端部206との間で第1のシャフト202上に配置される。第1のクランプアセンブリ250は、連結器230に近接して配置された第1の内側クランプ部材252を含む。第1の内側クランプ部材252は、第1の内側スロット260を有する。第1の内側スロット260は、シャフト端部263に位置する開口端部262と、指状突起端部265に位置する盲端部264とを有する。指状突起端部265は、90°を超える円弧で延在する円弧状切欠266を含む。ドリル通路268は、盲端部264の形成を可能にするように、指状突起端部265を斜めに通って延在する。
【0060】
第1の内側クランプ部材252はまた、第1の内側クランプ部材252が凹状接合部234の少なくとも一部に沿って摺動できるように、第1のクラムシェル部分232の凹状接合部234に係合する凹状表面269も含む。加えて、第1の内側クランプ部材252は、第1のシャフト202がそこを通過することを可能にするようにサイズ決定された貫通開口部270を含む。貫通開口部270は、貫通開口部270と第1のシャフト202との間に最小限の隙間が存在するようにサイズ決定される。
【0061】
第1のクランプアセンブリ250は、第1の自由端部206に近接して配置された第1の外側クランプ部材272をさらに含む。第1の外側クランプ部材272は、第1の外側スロット280を有する。第1の外側スロット280は、シャフト端部283に位置する開口端部282と、指状突起端部285に位置する盲端部284とを有する。指状突起端部285は、90°を超える円弧で延在する円弧状切欠286を含む。ドリル通路288は、盲端部284の形成を可能にするように、指状突起端部285を斜めに通って延在する。第1の内側クランプ部材252の凹状表面269に類似して、第1の外側クランプ部材272はまた、凹状表面289も含む。加えて、第1の外側クランプ部材272は、第1のシャフト202の自由端部206がそこを通過することを可能にするようにサイズ決定された貫通開口部290を含む。
【0062】
例示的な一実施形態において、第1の外側クランプ部材272は、一般に、横軸291を挟んで第1の内側クランプ部材252の鏡像である。第1の内側クランプ部材252及び第1の外側クランプ部材272がシャフト202上に組み立てられるとき、
図9に示されるように、保持キャビティ292が、指状突起端部265と指状突起端部285との間に形成される。保持キャビティ292は、180°を超える円弧で延在する壁部分を有する。例示的な一実施形態において、保持キャビティ292は、その中へのロッド50の挿入を可能にするようにサイズ決定される。
【0063】
第1の付勢部材294は、第1の内側スロット260及び第1の外側スロット280内に配置される。例示的な一実施形態において、第1の付勢部材294は、第1の付勢部材294が第1の内側クランプ部材252を第1の外側クランプ部材272に向かって付勢するように、第1の内側スロット260の盲端部264の中へ挿入される第1の端部296、及び第1の外側スロット280の盲端部284の中へ挿入される第2の端部297を有するC字形状のばねである。
【0064】
第1のワッシャ295は、第1のシャフト202を覆うように、かつ第1の外側クランプ部材272に対して配置される。第1のワッシャ295は、凹状表面289と係合するための、輪郭形成された内側表面297を有する。ナット298は、第1のシャフト202上へねじ込み、第1のクランプアセンブリ250を連結器230に対して固定する。
【0065】
第1のクランプアセンブリ250に類似して、第2のクランプアセンブリ350は、連結器230と第2の自由端部216との間で第2のシャフト212に配置されている。第2のクランプアセンブリ350は、連結器230に近接して配置された第2の内側クランプ部材352を含む。第2の内側クランプ部材352は、第2の内側スロット360を有する。第2の内側スロット360は、シャフト端部363に位置する開口端部362と、指状突起端部365に位置する盲端部364とを有する。指状突起端部365は、90°を超える円弧で延在する円弧状切欠366を含む。ドリル通路368は、盲端部364の形成を可能にするように、指状突起端部365を斜めに通って延在する。
【0066】
第2の内側クランプ部材352はまた、第2の内側クランプ部材352が凹状接合部334の少なくとも一部に沿って摺動できるように、第2のクラムシェル部分242の凹状接合部334に係合する凹状表面369も含む。加えて、第2の内側クランプ部材352は、第2のシャフト212がそこを通過することを可能にするようにサイズ決定された貫通開口部370を含む。貫通開口部370、貫通開口部370と第2のシャフト212との間に最小限の隙間が存在するようにサイズ決定される。
【0067】
第2のクランプアセンブリ350は、第2の自由端部216に近接して配置された第2の外側クランプ部材372をさらに含む。第2の外側クランプ部材372は、第2の外側スロット380を有する。第2の外側スロット380は、シャフト端部383に位置する開口端部382と、指状突起端部385に位置する盲端部384とを有する。指状突起端部385は、90°を超える円弧で延在する円弧状切欠386を含む。ドリル通路388は、盲端部384の形成を可能にするように、指状突起端部385を斜めに通って延在する。第2の内側クランプ部材352の凹状表面369に類似して、第2の外側クランプ部材372はまた、凹状表面389も含む。加えて、第2の外側クランプ部材372は、第2のシャフト212の自由端部216がそこを通過することを可能にするようにサイズ決定された貫通開口部390を含む。
【0068】
例示的な一実施形態において、第2の外側クランプ部材372は、一般に、横断軸391を挟んで第2の内側クランプ部材352の鏡像である。第2の内側クランプ部材352及び第2の外側クランプ部材372がシャフト212上に組み立てられるとき、
図9に示されるように、保持キャビティ392が、指状突起端部365と指状突起端部385の間に形成される。保持キャビティ392は、180°を超える円弧で延在する壁部分を有する。例示的な一実施形態において、保持キャビティ392は、その中へのピン60の挿入を可能にするようにサイズ決定される。
【0069】
第2の付勢部材394は、第2の内側スロット360及び第2の外側スロット380内に配置される。例示的な一実施形態において、第2の付勢部材394は、第2の付勢部材394が第2の内側クランプ部材352を第2の外側クランプ部材372に向かって付勢するように、第2の内側スロット360の盲端部364の中へ挿入される第1の端部396、及び第2の外側スロット380の盲端部384の中へ挿入される第2の端部397を有するC字形状のばねである。
【0070】
第2のワッシャ395は、第2のシャフト212を覆うように、かつ第2の外側クランプ部材372に対して配置される。第2のワッシャ395は、凹状表面389と係合するための、輪郭形成された内側表面397を有する。ナット398は、第2のシャフト212上へねじ込まれて、第2のクランプアセンブリ350を連結器230に対して固定する。
【0071】
固定具アセンブリ200を組み立てるには、第1のリップ207が第1のクラムシェル部分232及び第2のシャフト212に着座するように、第1のシャフト202を第1のクラムシェル部分232の中へ挿入し、そして、第2のリップ217が第2のクラムシェル部分242に着座するように、第2のシャフト212が第2のクラムシェル部分242の中へ挿入する。次いで、第1のクラムシェル部分232及び第2のクラムシェル部分242を、互いに対して確実に固定する。
【0072】
第1の内側クランプ部材252及び第1の外側クランプ272を、第1の内側スロット260及び第1の外側スロット280が互いに整列され、第1のクランプアセンブリ250を形成するように、互いに隣り合わせに配置する。次いで、第1の付勢部材294を、第1の付勢部材294の第1の端部296が第1の内側スロット260の盲端部264の中へ挿入され、付勢部材294の第2の端部297が第1の外側スロット280の盲端部284の中へ挿入されるように、第1の内側スロット260及び第1の外側スロット280を通して挿入し、それによって、第1の内側クランプ部材252及び第1の外側クランプ部材272を互いに固定し、そして、圧縮力を提供して、第1の内側クランプ部材252の指状突起端部265及び第1の外側クランプ部材272の指状突起端部285を互いに向かって付勢する。
【0073】
次いで、第1のクランプアセンブリ250を第1のシャフト202の上を摺動させ、よって、第1のシャフト202が貫通開口部270、290を通って延在し、第1のシャフト202が第1の内側スロット260及び第1の外側スロット280を通って延在し、よって、第1のシャフト202が第1の内側スロット260及び第1の外側スロット280内で第1の付勢部材294を保持する。ワッシャ295を第1のシャフト202の上を摺動させ、次いで、ナット298を第1のシャフト202の上へねじ込み、第1のクランプアセンブリ250を連結器230に対して固定する。
【0074】
同様に、第2の内側クランプ部材352及び第2の外側クランプ372を、第2の内側スロット360及び第2の外側スロット380が互いに整列され、第2のクランプアセンブリ350を形成するように、互いに隣り合わせに配置する。次いで、第2の付勢部材394を、第2の付勢部材394の第1の端部396が第2の内側スロット360の盲端部364の中へ挿入され、付勢部材394の第2の端部397が第2の外側スロット380の盲端部384の中へ挿入されるように、第2の内側スロット360及び第2の外側スロット380を通して挿入し、それによって、第2の内側クランプ部材352及び第2の外側クランプ部材372を互いに固定し、そして、圧縮力を提供して、第2の内側クランプ部材352の指状突起端部365及び第2の外側クランプ部材372の指状突起端部385を互いに向かって付勢する。
【0075】
次いで、第2のクランプアセンブリ350を第2のシャフト212の上を摺動させ、よって、第2のシャフト212が貫通開口部370、390を通って延在し、第2のシャフト212が第2の内側スロット360及び第2の外側スロット280を通って延在し、よって、第2のシャフト212が第2の内側スロット360及び第2の外側スロット380内で第2の付勢部材394を保持する。ワッシャ395を第2のシャフト212の上を摺動させ、次いで、ナット398を第2のシャフト212の上へねじ込み、第2のクランプアセンブリ350を連結器230に対して固定する。
【0076】
ロッド50は、保持キャビティ292の中へ挿入することができる。保持キャビティ292が、180°を超える円弧を画定する壁部分を有するので、ロッド50が保持キャビティ292内にあると、付勢部材294の圧縮作用及びナット298の締め付けが、ロッド50を保持キャビティ292内で確実に保持する。
【0077】
同様に、ピン60は、保持キャビティ392の中へ挿入することができる。保持キャビティ392が、180°を超える円弧を画定する壁部分を有するので、ピン60が保持キャビティ392内にあると、付勢部材394の圧縮作用及びナット298の締め付けが、ピン60を保持キャビティ392内で確実に保持する。
【0078】
第1のシャフト210を中心に第1のクランプアセンブリ250を回転させるために、ナット298を十分に緩めて、そのような回転を可能にすることができる。第1の付勢部材294の圧縮作用は、第1のクランプアセンブリ250内でのロッド50の保持に悪影響を及ぼすことなく、ロッド50を保持キャビティ292内で保持して、そのような回転を可能にする。
【0079】
同様に、第2のシャフト220を中心に第2のクランプアセンブリ350を回転させるために、ナット398を十分に緩めて、そのような回転を可能にすることができる。第2の付勢部材394の圧縮作用は、第2のクランプアセンブリ350内でのピン60の保持に悪影響を及ぼすことなく、ピン60を保持キャビティ392内で保持して、そのような回転を可能にする。
【0080】
加えて、第1の連結端部204の直径D1が第1のクラムシェル部分232の開口部236の直径D3よりも小さく、かつ第2の連結端部214の直径D2が第2のクラムシェル部分242の開口部246の直径D4よりも小さいので、第1のシャフト202の第1の長手方向軸210は、必ずしも第2のシャフト212の第2の長手方向軸220と共線である必要はない。
図10に示されるように、第1の長手方向軸210は、第2の長手方向軸220に対して斜角βで延在し、第1のクランプアセンブリ250が第2のクランプアセンブリ350に対して角度的に枢動することを可能にし、それによって、第2のクランプアセンブリ350に対する第1のクランプアセンブリ250の角度調整を可能にする。
図7Aは、そのような角度調整の一実施例を示す。
【0081】
1つの実施形態によれば、例えば1つ以上の骨折した部位において、外部固定具システムを設置する方法は、骨折部の片側において第1のピン60を罹患した骨の中へ挿入することと、骨折部の反対側において第2のピン60を挿入することと、第1の固定具アセンブリ200を第1のピン60に取り付け、第2の固定具アセンブリ200を第2のピン60に取り付けることと、第1のクランプアセンブリ250または第2のクランプアセンブリ350を、第1のクランプアセンブリ250または第2のクランプアセンブリ350のもう一方に対して、ロッド50を受容するための位置に連接することと、第1及び第2のピン60を共に固定するために、第1の固定具アセンブリ200と第2の固定具アセンブリ200との間でロッド50を接続することと、を含むことができる。例えば複数の骨または複数の骨折部を架橋するために、構築物を延伸することが必要である場合、第3の固定具アセンブリ200を連接し、位置付けて、ロッド50を追加のロッド50に固定し、接続することができる。
【0082】
図11は、隣接する骨を固定するために使用されている、第3の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの上面斜視図である。外部固定具アセンブリ300は、先の実施形態に類似する特徴を備え、第1のクランプアセンブリ320と、第2のクランプアセンブリ350と、ラチェットアセンブリ370と、構成要素の各々を通って延在するシャフト310とを含む。第1のクランプアセンブリ320は、下側部材321´に動作可能に取り付けられた上側部材324´を備え、それによって、1つ以上のピンまたはロッドを受容するための一対のスロットを形成する。同様に、第2のクランプアセンブリ350は、下側部材321に動作可能に取り付けられた上側部材324を備え、それによって、1つ以上のピンまたはロッドを受容するための一対のスロットを形成する。しかしながら、本実施例において、1つ以上のピンまたはロッドを受容するためのスロットのうちの少なくとも1つは、1つ以上の平坦表面によって形成される(
図12に示す)。このような平坦表面を提供することによって、これは、スロット内に挿入される任意のピンまたはロッドの挿入及び除去の両方を容易にする、明確に成形されたスロットを好都合に提供する。
【0083】
いくつかの実施形態において、第1のクランプアセンブリ320は、第1の下向き凹状部分336´及び第2の下向き凹状部分340´を有する上側部材324´を備える。いくつかの実施形態において、第1の下向き凹状部分336´及び第2の下向き凹状部分340´は、U字形状またはV字形状である。加えて、第1のクランプアセンブリ320は、第1の上向き凹状部分330´及び第2の上向き凹状部分331´を有する下側部材321´をさらに備える。いくつかの実施形態において、第1の上向き凹状部分330´及び第2の上向き凹状部分331´は、U字形状またはV字形状である。いくつかの実施形態において、第1の下向き凹状部分336´は、第1の上向き凹状部分330´に面し、それによって、ロッドまたはピンを受容するための第1のスロットを第1のクランプアセンブリに形成する。いくつかの実施形態において、第2の下向き凹状部分340´は、第2の上向き凹状部分331´に面し、それによって、ロッドまたはピンを受容するための第2のスロットを第1のクランプアセンブリに形成する。いくつかの実施形態において、第1のクランプアセンブリ320の第1のスロット及び第2のスロットは、同じサイズである。他の実施形態において、第1のクランプアセンブリ320の第1のスロット及び第2のスロットは、異なるサイズである。
【0084】
いくつかの実施形態において、第2のクランプアセンブリ350は、第1の下向き凹状部分336及び第2の下向き凹状部分340を有する上側部材324を備える。いくつかの実施形態において、第1の下向き凹状部分336及び第2の下向き凹状部分340は、U字形状またはV字形状である。加えて、第2のクランプアセンブリ350は、上向き平坦部分330及び上向き凹状部分331をさらに備える。いくつかの実施形態において、第1の下向き凹状部分336は、第1の上向き平坦部分330に面し、それによって、ロッドまたはピンを受容するための第1のスロットを第2のクランプアセンブリに形成する。いくつかの実施形態において、第2の下向き凹状部分340は、第2の上向き凹状部分331に面し、それによって、ロッドまたはピンを受容するための第2のスロットを第2のクランプアセンブリに形成する。
【0085】
図12は、
図11の外部固定具アセンブリのクランプアセンブリの拡大図である。この図から、クランプアセンブリ350が、どのように、ロッドまたはピンを受容するための第1のスロットと、ロッドまたはピンを受容するための第2のスロットとを含むのかが分かり、第1のスロットは、第2のスロットとは異なる。クランプアセンブリ350の第1のスロットは、上向き平坦部分330に対向する第1の下向き凹状部分336によって形成され、一方で、クランプアセンブリ350の第2のスロットは、上向き凹状部分331に対向する第2の下向き凹状部分340によって形成される。換言すれば、第1のスロットは、平坦表面に対向する単一の円弧によって形成され、一方で、第2のスロットは、対向する2つの円弧によって形成される。
【0086】
図12に示されるように、第1のスロットは、平坦部分330と凹状部分336との間に延在する平坦表面332、334をさらに含み、それによって、該部分を接続して、第1のスロットを形成する。平坦表面を有する第1のスロットを提供することによって、これは、ロッドまたはピンを容易に挿入することができるだけでなく、第1のスロットから容易に除去することもできるスロットを好都合に作成する。
図12に示されるように、第2のスロットは、第2の下向き凹状部分340が上向き凹状部分331に移行することによって形成され、それによって、2つの円弧で形成されたスロットを形成する。
【0087】
図13は、隣接する骨を固定するために使用されている、第4の例示的な実施形態による外部固定具アセンブリの上面斜視図である。外部固定具アセンブリ400は、先の実施形態に類似する特徴を備え、第1のクランプアセンブリ420と、第2のクランプアセンブリ450と、ラチェットアセンブリ470と、構成要素の各々を通って延在するシャフト410とを含む。第1のクランプアセンブリ420は、下側部材421´に動作可能に取り付けられた上側部材424´を備え、それによって、1つ以上のピンまたはロッドを受容するための一対のスロットを形成する。しかしながら、第2のクランプアセンブリ450は、下側部材421に動作可能に取り付けられた上側部材424を備え、それによって、単一のロッドを受容するための単一のスロットのみが形成される。
図13に示されるように、単一のスロットは、ロッド/ピンフリー区間433に対向する。換言すれば、第1のクランプアセンブリ420及び第2のクランプアセンブリ450を含む外部固定具400は、1つ以上のピンまたはロッドを受容するための合計3つのスロットを含む。ロッドを受容するための単一のスロットを有する第2のクランプアセンブリ450を提供することによって、これは、より単純な接続機構を好都合に提供し、手術中に外科医が混同する危険性を好都合に低減させる。
【0088】
図14は、
図13の外部固定具アセンブリの一対のクランプアセンブリの拡大図である。この図から、クランプアセンブリ450が、どのように、ロッド/ピンフリー区間433に対向する、ロッドを受容するための第1のスロットを含むのかが分かる。クランプアセンブリ450の第1のスロットは、第1の上向き凹状部分430に対向する第1の下向き凹状部分436によって形成される。ロッド/ピンフリー区間433は、互いに対してV字形状の開口部を形成する2つの平坦表面437、439で形成される。2つの平坦表面437、439は、ロッド及びピンのどちらも、それらの間に形成された凹部に保持されない(またはいくつかの場合において、受容されない)ようにサイズ決定され、成形される。
【0089】
クランプアセンブリ450とは対照的に、クランプアセンブリ420は、1つ以上のロッド及び/またはピンを受容するための2つの対向するスロットを含む。第1のスロットは、第1の上向き凹状部分430´に対向する第1の下向き凹状部分436´で形成され、一方で、第2のスロットは、第2の上向き凹状部分431´に対向する第2の下向き凹状部分440´で形成される。
図14に示されるように、ロッドを受容するための第1のスロットは、ピンを受容するための第2のスロットよりも大きい。
【0090】
図15は、いくつかの実施形態による、第1のクランプアセンブリと第2のクランプアセンブリとの間の接合面の正面図である。第1のクランプアセンブリ120は、上方に延在する歯付ロック半部148を備え、一方で第2のクランプアセンブリ150は、下方に延在する歯付ロック半部を備える。いくつかの実施形態において、第1のクランプアセンブリ120は、雌嵌合特徴の形態で上向きに延在する歯付ロック半部148を備え、一方で、第2のクランプアセンブリ150は、雌嵌合特徴に受容される雄嵌合特徴の形態で下向きに延在する歯付ロック半部148を備える。いくつかの実施形態において、下方に延在する歯付ロック半部148及び上方に延在する歯付ロック半部はどちらも、斜状星形噛合手段の形態で溝を備える。ロック半部148の両方が互いに係合されたとき、斜状星形噛合手段が互いに係合し、しれによって、第1のクランプアセンブリ120と第2のクランプアセンブリ150との間の相対的な回転が防止される。加えて、好都合に、雄嵌合特徴及び雌嵌合特徴のギザギザ部分はまた、締め付ける時点で、星形噛合手段の溝が自己整列することも可能にする。第1のクランプアセンブリ120及び第2のクランプアセンブリ150が締め付けられると、(
図18に示されるように)斜状星形噛合手段が完全に密着され、外部から視認できない。本明細書で開示される斜状星形噛合手段は、上記の外部固定具の任意の実施形態と共に使用することができる。
【0091】
図16は、
図15の第1のクランプアセンブリ及び第2のクランプアセンブリの断面図である。この図から、第2のクランプアセンブリ150が、どのように、内部斜状星形噛合手段の形態で歯付ロック半部148を含むことが分かる。第2のクランプアセンブリ150の斜状星形噛合手段は、上で述べたように、第1のクランプアセンブリ120の斜状星形噛合手段に係合する。
【0092】
図17は、いくつかの実施形態による、歯付ロック半部の歯の拡大図である。歯付ロック半部148の歯147は、クランプアセンブリ150のシャフト(例えば、シャフト110)を受容するための開口部の周囲に同心円状に配設され、それによって、斜状星形噛合手段を形成する。いくつかの実施形態において、歯147は、開口部の周囲に連続的に形成され、一方で、他の実施形態において、歯147は、開口部の周囲に断続的に形成される。
【0093】
図18は、いくつかの実施形態による、完全に締め付けた構築物の第1のクランプアセンブリ及び第2のクランプアセンブリの拡大図である。完全に締め付けた構築物において、第1のクランプアセンブリ120及び第2のクランプアセンブリ150は、それらの星形噛合手段が視認できないように互いに係合される。好都合に、斜状星形噛合手段は、クランプアセンブリが、互いに対する回転に抵抗することを可能にする。加えて、この斜状星形噛合手段はまた、クランプアセンブリが締め付けられるたびに、強固で安定した保持を提供する。
【0094】
図19は、いくつかの実施形態に従って上記の外部固定具のうちのいずれかと共に使用されるロッドの側面図である。ロッド50は、生体適合性材料で形成することができる。いくつかの実施形態において、ロッド50は、炭素繊維で形成される。いくつかの実施形態において、ロッド50は、追加の材料で被覆して、MRIの使用にさらに適合させることができる。
【0095】
図20は、いくつかの実施形態に従って上記の外部固定具のうちのいずれかと共に使用されるピンの側面図である。ピン60は、近位部分61及び遠位部分62で構成することができる。近位部分61は、ハンドヘルド器具への迅速な接続を可能にする、1つ以上の溝または特徴を備えることができる。いくつかの実施形態において、近位部分61は、AO迅速接続アダプタを備える。遠位部分62は、骨に挿入することができる1つ以上のねじ山を備えることができる。いくつかの実施形態では、2つ以上のピンが、上で説明した外部固定具のうちのいずれかと共に使用される。ピンは、セルフタッピングピン、及び/またはセルフタッピング/セルフドリルピンとすることができる。いくつかの実施形態において、ピンは、好都合に、ピン周囲の感染を防止するために、ヒドロキシルアパタイト被覆を有する。ピンの長さ及び直径は、患者及び外科医の選択に応じて変更することができる。いくつかの実施形態において、ピンは、ピンの端部が切断された場合、それでも、別の器具(例えば、キーレスチャック)によって除去を容易に達成することができるように、その軸に沿って切り欠かれた溝を有することができるように提供される。当業者は、異なる種類のピンを上で説明した外部固定具のうちのいずれかと共に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、2つのピンを外部固定具と共に使用することができ、それによって、第1のピンは、AO迅速接続アダプタを有し、一方で、第2のピンは、AO迅速接続アダプタを有しない。
【0096】
図21は、足の骨と共に動作する、いくつかの外部固定具アセンブリの後面斜視図である。
図22は、足の骨と共に動作する、いくつかの外部固定具アセンブリの正面斜視図である。これらの実施形態では、1つ以上の外部固定具アセンブリ400が、1つ以上のロッド50またはピン60と共に組み立てられて、足の骨を安定させる。いくつかの実施形態において、一対の外部固定具アセンブリ400は、そこを通して、脛骨74の中へ延在する1つ以上のピン60を受容する。これらの外部固定具アセンブリ400はまた、それらを下側外部固定具アセンブリ400に接続する1つ以上のロッド50も受容する。これらの下側外部固定具アセンブリ400は、踵骨(calcaneus)(または踵骨(heel bone))72の中へ延在する1つ以上のピン60を含む。当業者は、
図21及び
図22に示される構築物が限定的でないこと、ならびにロッド50及びピン60が、腓骨、足根骨、中足骨、及び/または指骨を含む、脚部もしくは足部の他の骨の中へ延在させることができることを認識するであろう。
【0097】
いくつかの実施形態では、1つ以上の多ピンクランプが、上で開示された外部固定具アセンブリのうちのいずれかと共に使用され得る。多ピンクランプは、そこを通って骨部材と係合する骨ピンを受容するように構成されている。好都合に、多ピンクランプが、そうでなければさらに多くの外部固定具アセンブリを必要としたであろう構築物に対応し、それによって患者に対しての全システムのかさばりを減らす。
【0098】
図23は、使用中の多ピンクランプの斜視図である。多ピンクランプ500は、1つ以上の外部固定具アセンブリ400(本実施形態においては4つ)と共に使用されるように構成され、特定の患者にとって理想的な構築物を形成する。好都合に、多ピンクランプ500は、システム全体における外部固定具アセンブリ400の数を低減するのに役立ち、それによってかさばりを減らす。
【0099】
図23に示されるように、多ピンクランプ500は、それを通して1つ以上のピン60を受容することが可能な第1の万力プレート512及び第2の万力プレート514を備える。多ピンクランプ500を通ったピン60は、1つ以上の骨部材と係合することが可能である。本実施形態において、ピン60は脛骨74に係合する。加えて、多ピンクランプ500は、一対の角度を付けた支柱532、534をさらに備える。角度を付けた支柱532、534は、外部固定具アセンブリ400内に各々に受容されることが可能である。これらの外部固定具アセンブリの各々は、また、下側外部固定具アセンブリ400に取り付けられるロッド50を受容することが可能である。下側外部固定具アセンブリ400は、各々がそれを通して1つ以上の骨部材に係合可能なピン60を含む。本実施形態において、下側ピン60は踵骨(calcaneus)または踵骨(heel bone)に係合する。使用中の多ピンクランプ500が
図13に示されるような1つ以上の外部固定具アセンブリ400と共に示される一方で、当業者は、多ピンクランプ500が本明細書に記載の外部固定具アセンブリのいずれかと共に使用され得ることを認識するであろう。
【0100】
図24は、いくつかの実施形態による、多ピンクランプの上面斜視図である。多ピンクランプ500は、第1の万力プレート512、第2の万力プレート514、第1の保持ナット542を介して第1の万力プレート512に接続された第1の角度を付けた支柱532、及び第2の保持ナット544を介して第2の万力プレート514に接続された第2の角度を付けた支柱534を備える。多ピンクランプ500は、第1の万力プレート512と第2の万力プレート514との間に形成されたチャネル520を通して1つ以上のピン60を受容するように構成されている。チャネル520を通して1つ以上のピン60が挿入されるとき、チャネル520は、第1の万力プレート512と第2の万力プレート514を互いにより近くに移動することで狭くされ得る。第1の万力プレート512及び第2の万力プレート514は、第1及び第2の締付ボルト562、564を介して互いにより近くに移動され得る。
【0101】
図24に示されるように、多ピンクランプ500は、一対の万力プレート512、514を利用し、その中に1つ以上のピン60を受容する。いくつかの実施形態では、第1の万力プレート512は、第2の万力プレート514の鏡像である。
図24に示されるように、第1の万力プレート512は、第2の万力プレート514と、平行または実質的に平行である。他の実施形態では、第1の万力プレート512は、第2の万力プレート514に対して非平行の角度にある。万力のプレート512、514は、組み合わせてその間で1つ以上のピン60をその中に受容するためのチャネル520を形成する。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1の万力プレート512は、内壁に沿って形成された1つ以上の溝522を含み得る。
図24に示されるように、第1の万力プレート512は、溝522a、522b、522c、522d、522e、及び522fを含む。加えて、第2の万力プレート514は、内壁に沿って形成された1つ以上の対応する溝524を含み得る。
図24に示されるように、第2の万力プレート514は、溝524a、524b、524c、524d、524e、及び524fを含む。好都合に、溝522、524は、その中に1つ以上のピン60を受容するために離間された受容する表面を提供する。1つ以上のピン60が万力プレート512、514によって圧縮されるとき、万力プレート512、514は、各1つのピン60に少なくとも4つの接触線を好都合に提供し、それによってしっかりした把持及び安定した構成物を保証する。
【0103】
1つ以上のピン60がチャネル520内に受容されるとき、チャネル520は、締付ボルト562、564を回転することによって狭くされ得る。好都合に、締付ボルト562、564は、多ピンクランプ500の異なる領域で提供される。例えば、締付ボルト562は、多ピンクランプ500の上側部分の上にあるが、一方で、締付ボルト564は、多ピンクランプ500の下側部分の上にある。これは、締付ボルト562、564の各々が独立して制御されることを可能にし、所望により他の部分に対して多ピンクランプ500の一部分の上で、より固いクランプを可能にする。いくつかの実施形態において、多ピンクランプ500は、単一の締付ボルトを備える。他の実施形態では、3つ以上の締付ボルトが提供され得る。当業者は、締付ボルト562、564の第1の方向への回転が、チャネル520が1つ以上のピン60上で狭まることを引き起こすが、一方で、締付ボルト562、564の第1の方向とは逆の第2の方向への回転が、チャネル520が広がることを引き起こし、それによって1つ以上のピン60を解放すことを認識するであろう。
【0104】
いくつかの実施形態において、多ピンクランプ500は、第1の角度を付けた支柱532及び第2の角度を付けた支柱534をさらに含む。第1の角度を付けた支柱532は、第1の万力プレート512から外向きに延在するが、一方で、第2の角度を付けた支柱534は、第2の万力プレート514から外向きに延在する。これらの支柱532、534の各々は、(
図23に示されるように)外部固定具アセンブリのクランプ内で受容されることが可能であり、それによって安定した構築物を形成する。いくつかの実施形態において、支柱532、534のうちの1つのみが角度付けられるが、一方で、もう1つは直線である。いくつかの実施形態において、両方の支柱532、534は直線である。
【0105】
図24に示されるように、第1の角度を付けた支柱532は、第1の保持ナット542に接続される。同様に、第2の角度を付けた支柱534は、第2の保持ナッツ544に接続される。保持ナット542、544は、角度を付けた支柱532、534をそれらそれぞれの万力プレート512、514に固設するように好都合に働く。いくつかの実施形態において、角度を付けた支柱532、534は、保持リング546、548(
図25に示される)を介して、それらそれぞれの保持ナット542、544に固設され得る。他の実施形態において、角度を付けた支柱532、534は、締り嵌めまたはスナップフィットを介して、それらそれぞれの保持ナット542、544に固設され得る。さらに他の実施形態において、角度を付けた支柱532、534は、それぞれの保持ナット542、544に、またはそれぞれの万力プレート512、514に直接、溶接され得る。
図25に示されるように、第1の保持ナット542は、第1の万力プレート512に螺着され得て、一方で、第2の保持ナット544は、第2の万力プレート514に螺着され得る。
【0106】
図25は、
図24の多ピンクランプの断面図である。この断面図から、第1の角度を付けた支柱532が第1の保持リング546を介して第1の保持ナット542に取り付けられ、一方で第2の角度を付けた支柱534が第2の保持リング548を介して第2の保持ナット544に取り付けられることが分かる。第1の保持ナット542は、第1の万力プレート512の外部ねじ516と係合する内部ねじ552を備え、それによって第1の角度を付けた支柱532をそこに固設することができる。同様に、第2の保持ナット544は、第2の万力プレート514の外部ねじ518と係合する内部ねじ554を備え、それによって第2の角度を付けた支柱534をそこに固設することができる。いくつかの実施形態において、角度を付けた支柱532、534は、保持ナット542、544をそれらそれぞれの万力プレート512、514に取り付ける前に、それらそれぞれの保持ナット542、544に事前に組み立てられ得る。
【0107】
図25に示されるように、万力プレート512、514は、それを通して1つ以上のピンを受容するためのチャネル520を形成する。1つ以上の締付ボルト562、564(
図24に示される)が、回転を介して万力プレート512、514を共に移動するために使用される。
図25の図から、締付ボルト562の1つであるボルトシャフト566が、チャネル520にわたって延在し、万力プレート512、514と接続することが分かる。
【0108】
いくつかの実施形態において、多ピンクランプ500は、骨内にピンを導くドリルガイドとしてそれ自体使用され得る。
図26及び27は、多ピンクランプ500がドリルガイドとして使用され得ることを示す。
【0109】
図26は、ドリルスリーブを有し、ドリルガイドとして働く
図24の多ピンクランプの側面図である。多ピンクランプ500は、それを通してピンを挿入する前に、1つ以上のドリルスリーブ580を受容することが可能である。1つ以上のドリルスリーブ580の各々は、その中にピンを受容するための内部管腔を有する管状部材であり得る。次いで、1つ以上のピン60は、ガイドとしてドリルスリーブ580を使用する骨内に導かれ得る。ピン60が適切に位置付けられると、ドリルスリーブ580は、多ピンクランプ500から除去され得て、多ピンクランプ500は、1つ以上のピン60上で締め付けられ得る。
【0110】
図27は、ドリルスリーブが除去された
図26の多ピンクランプの側面図である。ドリルスリーブ580が除去され、万力プレート512、514は1つ以上のピン60上で締付ボルト562、564の回転を介して締め付け得る。
【0111】
図28は、使用中の代替的な多ピンクランプの斜視図である。代替的な多ピンクランプ600は、1つ以上のピン60をその中に受容するための本体620を備える。本体620は、締め付けナット628を介して並進し得る内部摺動部材660(
図31に示される)を収容し、それによって以下により詳細に論じられるワンステップロック機構を有利に提供する。多ピンクランプは、第1の保持ナット642に接続される第1の角度を付けた支柱632及び第2の保持ナット644に接続される第2の角度を付けた支柱634を備える。第1の角度を付けた支柱632は、多ピンクランプ600の第1の外側側壁に接続される一方で、第2の角度を付けた支柱634は、多ピンクランプ600の第2の外側側壁に接続される。構築物の残りは、
図23で示されるものと類似し、いくつかの外部固定具アセンブリ400、ピン60、及びロッド50を含む。
【0112】
図29は、いくつかの実施形態による、内部摺動部材を有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。多ピンクランプ600は、第1の外側側壁624、第2の外側側壁626、及びその間に形成される1つ以上のピン60を受容するための一連の開口部または孔622を有する本体650を備える。多ピンクランプ600は、第1の保持ナット642を介して第1の外側側壁624に取り付けられる第1の角度を付けた支柱632及び第2の保持ナット644を介して第2の外側側壁626に取り付けられる第2の角度を付けた支柱634をさらに備える。
【0113】
図29に示されるように、多ピンクランプ600は、第1の外側側壁624及び第2の外側側壁626を有する本体620を備える。本体620は、実質的に密着され、それを通して1つ以上のピン620を受容するための1つ以上の開口部622を含む。いくつかの実施形態では、本体620は、それを通して各々がピン60を受容することができる開口部622a、622b、622c、622d、622e、及び622fを備える。いくつかの実施形態では、開口部622は丸みを帯び、一方で他の実施形態では、開口部622は丸みを帯びていない。いくつかの実施形態では、開口部622は互いから均一に離間され、一方で他の実施形態では、開口部622の間の間隔は変化し得る。
【0114】
多ピンクランプ600の本体620は、内部摺動部材660(
図31に示される)に有利に密着する。摺動部材660は、本体620の開口部622と対応する1つ以上の孔または開口部662を含む。内部摺動部材660の開口部662が本体620の開口部622に整列され、骨ピン60はそれを通して受容され得る。骨ピン60がそれを通って受容されると、本体620に取り付けられる締め付けナット628は、回転され得る。締め付けナット628の回転が、内部摺動部材660の本体620内部への並進を引き起こし、それによって内部摺動部材660の開口部662の、本体620の開口622とのずれを引き起こす。このずれは、骨ピン60が内部摺動部材660の開口部662と本体620の開口部622とのの間でクランプされる原因となり、それによってその内部に骨ピン60を固設する。好都合に、多ピンクランプ600は、締め付けナット628の単一の回転を介してその中で受容される1つ以上の骨ピン60上で締め付け、それによってワンステップロック機構を提供する。締め付けナット628の逆の回転は、内部摺動部材660の開口部662の、本体620の開口部622との整列を引き起こし、それによって、1つ以上のピン上でクランプを緩める。
【0115】
いくつかの実施形態において、多ピンクランプ600は、第1の角度を付けた支柱632及び第2の角度を付けた支柱634をさらに含む。第1の角度を付けた支柱632は、本体620の第1の外側側壁624から外向きに延在するが、一方で、第2の角度を付けた支柱634は、本体620の第2の外側側壁626から外向きに延在する。これらの支柱632、634の各々は、(
図28に示されるように)外部固定具アセンブリのクランプ内で受容されることが可能であり、それによって安定した構築物を形成する。いくつかの実施形態において、支柱632、634のうちの1つのみが角度付けられるが、一方で、もう1つは直線である。いくつかの実施形態において、両方の支柱632、634は直線である。
【0116】
図29に示されるように、第1の角度を付けた支柱632は、第1の保持ナット642に接続される。同様に、第2の角度を付けた支柱634は、第2の保持ナッツ644に接続される。保持ナット642、644は、角度を付けた支柱632、634をそれらそれぞれの側壁624、626に固設するように好都合に働く。いくつかの実施形態において、角度を付けた支柱632、634は、保持リング646、648(
図31に示される)を介して、それらそれぞれの保持ナット642、644に固設され得る。他の実施形態において、角度を付けた支柱632、634は、締り嵌めまたはスナップフィットを介して、それらそれぞれの保持ナット642、644に固設され得る。さらに他の実施形態において、角度を付けた支柱632、634は、それぞれの保持ナット642、644に、または本体620のそれぞれの外側側壁624、626に直接、溶接され得る。
図31に示されるように、第1の保持ナット642は、第1の外側側壁624に螺着され得て、一方で、第2の保持ナット644は、第2の外側側壁626に螺着され得る。
【0117】
図30は、
図29の多ピンクランプの上面断面図である。この断面図から、第1の角度を付けた支柱632が第1の保持リング646を介して第1の保持ナット642に取り付けられ、一方で第2の角度を付けた支柱634が第2の保持リング648を介して第2の保持ナット644に取り付けられることが分かる。第1の保持ナット642は、本体620の第1の外側側壁の外部ねじ616と係合する内部ねじ652を備え、それによって第1の角度を付けた支柱632をそこに固設することができる。同様に、第2の保持ナット644は、本体620の第2の外側側壁の外部ねじ618と係合する内部ねじ654を備え、それによって第2の角度を付けた支柱634をそこに固設することができる。いくつかの実施形態において、角度を付けた支柱632、634は、保持ナット642、644をそれらの内壁に取り付ける前に、それらそれぞれの保持ナット642、644に事前に組み立てられ得る。
【0118】
図31は、
図29の多ピンクランプの正面断面図である。この図から、内部摺動部材660が多ピンクランプ600の本体620内に受容されることが分かる。内部摺動部材660は、1つ以上の骨ピン60をその中に受容するために、複数の孔または開口部662a、662b、662c、662d、662e、及び662fを備える。内部摺動部材660は、第1の端部と第2の端部をさらに含み、第1の端部は、ねじ山付き支柱668を備える。ねじ山付き支柱668は、本体620の開口部を通って延在し、締め付けナット628の雌ねじ664とねじ込み可能に係合するように構成された。
【0119】
図32は、いくつかの実施形態による、内部摺動部材の1つの変形例の上面図である。内部摺動部材660aは、多ピンクランプ600の本体620内に受容されることが可能である。内部摺動部材660aは、それを通る複数の開口部662を含む細長い本体を備える。本実施形態の開口部は、楕円形である。内部摺動部材660aの移行は、ロックナット628の回転を介して制御され得る。
【0120】
図33は、いくつかの実施形態による、内部摺動部材の第2の変形例の上面図である。内部摺動部材660bは、多ピンクランプ600の本体620内に受容されることが可能である。内部摺動部材660aは、それを通る複数の開口部662を含む細長い本体を備える。本実施形態の開口部は、非対称であり、角度の付いたまたは傾斜した特徴部を有する。いくつかの実施形態では、傾斜した特徴部は、内部摺動部材660b内で受容される1つ以上のピン60上でより早い圧縮を誘発するのに役立つ。内部摺動部材660bの移行は、ロックナット628の回転を介して制御され得る。
【0121】
図34は、ドリルスリーブを有し、ドリルガイドとして働く
図29の多ピンクランプの側面図である。多ピンクランプ600は、それを通してピンを挿入する前に、1つ以上のドリルスリーブ580を受容することが可能である。1つ以上のドリルスリーブ580の各々は、その中にピンを受容するための内部管腔を有する管状部材であり得る。次いで、1つ以上のピン60は、ガイドとしてドリルスリーブ580を使用する骨内に導かれ得る。ピン60が適切に位置付けられると、ドリルスリーブ580は、多ピンクランプ600から除去され得て、多ピンクランプ600は、1つ以上のピン60上で締め付けられ得る。
【0122】
図35は、ドリルスリーブが除去された
図34の多ピンクランプの側面図である。ドリルスリーブ580が除去され、内部摺動部材660が締め付けナット628の回転を介して並進され得て、それによりその中で受容される1つ以上のピン60上でクランプする。
【0123】
図36は、いくつかの実施形態による、一体型クランプに取り付けられた代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
図24の多ピンクランプのように、多ピンクランプ700は、第1の万力プレート712、第2の万力プレート714、第1の万力プレートと第2の万力プレートとの間に形成されるチャネル720、チャネル720の幅を狭めるための一対の締め付けボルト762、764を備える。しかしながら、本実施形態において、多ピンクランプ700は、第1の関節742及び第2の関節744をさらに含み、第1の関節742は、1U字形状クランプ732に取り付けられ、第2の関節744は、2U字形状クランプ734に取り付けられる。
【0124】
第1の関節742は、ねじ止め、締り嵌め、または溶接を介して第1の万力プレート712に取り付けられ得る。U字形状クランプ732は、第1の関節742から上向きに延在する。U字形状クランプ732は、その中でロッドまたはピンを受容するためのチャネルを形成する第1の顎部742及び第2の顎部746を備える。顎部742、746は、クランプボルト736を介して制御され得る。第2の関節744は、ねじ止め、締り嵌め、または溶接を介して第2の万力プレート714に取り付けられ得る。U字形状クランプ734は、第2の関節744から上向きに延在する。U字形状クランプ734は、その中でロッドまたはピンを受容するためのチャネルを形成する第1の顎部744及び第2の顎部748を備える。顎部742、746は、クランプボルト738を介して制御され得る。
【0125】
図37は、いくつかの実施形態による、角度を付けたロッドを有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
図24の多ピンクランプのように、多ピンクランプ800は、第1の万力プレート812、第2の万力プレート814、第1の万力プレートと第2の万力プレートとの間に形成されるチャネル820、チャネル820の幅を狭めるための一対の締め付けボルト862、864を備える。しかしながら、本実施形態において、多ピンクランプ800は、第1の角度を付けたバーまたはロッド832及び第2の角度を付けたバーまたはロッド834をさらに含み、その各々はそれぞれ第1及び第2の万力プレートに直接接続される。いくつかの実施形態では、角度を付けたバー832、834は、それぞれの第1及び第2の万力プレート上に溶接、プレスフィット、またはねじ止めされ得る。いくつかの実施形態では、角度を付けたバー832、834の各々は、クランプ中(例えば、外部固定具アセンブリ内)に受容され得て、それによって安定した構築物を作成する。
【0126】
図38は、いくつかの実施形態による、オフセットされた締付ナットを有する代替の多ピンクランプの上面斜視図である。
図29の多ピンクランプのように、多ピンクランプ900は、その中に1つ以上の骨ピン60を受容するための開口部922を含む本体920を備える。本体920は、締め付けナット928によって制御され得る移動可能な内部部材960と密着する。本実施形態では、締め付けナット928は、本体920の中央の長手方向軸からオフセットされる。本体の長手方向軸に沿って内部摺動部材は垂直に並進する
図29の多ピンクランプと対照的に、本実施形態では、移動可能な内部部材960は回転する。内部部材960が回転するとき、移動可能な内部部材960に沿って形成される1つ以上のカム926は、本体920内に受容される骨ピン60と係合し、それによって、その内部に骨ピン60を固設する。
【0127】
図38に示されるように、多ピンクランプ900の本体920は、本体920の各側壁に一つずつある一対の関節942、944に取り付けられる。第1の関節942は、第1のクランプボルト936を介して動作させられる一対の顎部を有する1U字形状クランプ932に取り付けられる。第2の関節944は、第2のクランプボルト938を介して動作させられる一対の顎部を有する2U字形状クランプ934に取り付けられる。
【0128】
図39は、いくつかの実施形態による、カムを含む
図38の多ピンクランプの上面断面図である。この図から、移動可能な内部部材960の内側カム926は移動可能な内部部材960の回転上で骨ピン60と係合するように構成されることが分かる。オフセットされた締め付けナット928(
図38に示される)は、多ピンクランプ900の本体920内に1つ以上の骨ピン60を固設する固有の手段をこのように有利に提供する。
【0129】
外部固定具アセンブリの組み立てを補助するために、1つ以上の工具が提供され得る。これらの工具は以下の機能の1つ以上を実行するために使用され得る:(i)外部固定具アセンブリのキャップまたはラチェットアセンブリの最初の締め付け、(ii)外部固定具アセンブリのキャップまたはラチェットアセンブリの最後の締め付け、及び(iii)外部固定具アセンブリ内への1つ以上の骨ピンの前進または設置。いくつかの実施形態では、これらの機能の各々を実行するために複数の器具(例えば、3つ)が使用され得る。しかしながら、1つの器具を運んだり、別のものに取り替えたりすることは負担となり得る。故に、本出願は、上述した3つの機能の各々を有利に実行し得る多目的器具を提供する。この多目的器具は、本明細書に記載された3つの機能の各々を対応することができる特徴部を含み、それによってキット内の器具の数を低減する。
【0130】
図40は、いくつかの実施形態による、3つの異なる機能を行う多目的工具または器具を示す。多目的器具1000は、(1)外部固定具アセンブリ400のキャップまたはラチェットアセンブリ470の最初の締め付け、(2)外部固定具アセンブリ400のキャップまたはラチェットアセンブリ470の最後の締め付け、及び(3)外部固定具アセンブリ内への1つ以上の骨ピン60の前進または設置を含む、複数の機能を実行することが有利に可能である。これらの機能は、以下で論じられる。
【0131】
まず、多目的器具1000は、外部固定具アセンブリ400のキャップまたはラチェットアセンブリ470の最初の締め付けのために使用され得る。ピン60またはロッド50が、外部固定具アセンブリ400内部に受容され、一時的に保持された後、多目的器具の遠位端部は、キャップまたはラチェットアセンブリ470のナットに係合し得て、キャップまたはラチェットアセンブリ470の回転を引き起こす。この回転は、第1のクランプアセンブリ420及び第2のクランプアセンブリ450のクランプが圧縮し、外部固定具アセンブリ400内に保持される任意のピン60またはロッド50上での圧縮及び締め付けを引き起こす。
【0132】
二番目に、多目的器具1000は、外部固定具アセンブリのキャップまたはラチェットアセンブリ470の最後の締め付けのために使用され得る。最初の締め付けに続いて、ナットの回転を介してキャップまたはラチェットアセンブリ470をさらに締め付けることが所望され得る。多目的器具1000は、レンチ部分1020(
図41に示される)がキャップまたはラチェットアセンブリ470のナットをさらに締め付けることが可能であるように配向され得る。これが、外部固定具アセンブリ400に保持される任意のピン60またはロッド50にさらなる圧縮を提供するのに役立つ。
【0133】
三番目に、多目的器具1000は、外部固定具アセンブリの1つ以上の骨ピン60を前進または設置するために使用され得る。
図40に示されるように、多目的器具1000の遠位端部は、(例えば、AO接続を介して)骨ピン60の端部と係合するように構成されている。次いで、多目的器具1000は、外部固定具アセンブリ400に対して移動可能であるように、骨ピン60を並進及び/または回転することができる。多目的器具1000は、外部固定具アセンブリ400内部に骨ピン60を設置及び/または外部固定具アセンブリ400内に既に受容されている骨ピン60を移動することが可能である。
【0134】
図41は、いくつかの実施形態による、多目的器具の上面斜視図である。多目的器具1000は、近位部分及び遠位部分を備える。近位部分は、ハンドル1010を含む。遠位部分は、ナットドライバ1020、レンチ部分1030、及びAOドライブアダプタ1040を含む。これら特徴部の各々が、上述の3つの機能のうち1つを実行するために有利に役立つ。
【0135】
ナットドライバ1020は、多目的器具1000の遠位端部上にドライバを備える。
図41に示されるように、ナットドライバ1020は、キャップまたはラチェットアセンブリ470のナットを回すことが可能な六角ドライバまたは任意の他の好適なドライバの形状であり得る。ナットドライバ1020は、キャップまたはラチェットアセンブリ470のナットの最初の締め付けが可能である。多目的器具1000は、ナットに取り付き得て、それによって器具は軸方向に回転され得て、最初の締め付けを達成する。
【0136】
レンチ部分1030は、多目的器具1000の近位端部と遠位端部との間にレンチを備える。レンチ部分1030は、外部固定具アセンブリ400のクランプをさらに締め付けるためにキャップまたはラチェットアセンブリ470上でナットを回すことがさらに可能である。
【0137】
AOドライブアダプタ1040は、ナットドライバ1020に対して近位に形成される内部管腔を備える。アダプタ1040(
図43に最もよく示される)は、その内部にピン60を受容及び接続可能である。ドライバの軸方向の回転は、外部固定具アセンブリのクランプに対してアダプタ1040内のピン60の並進及び/または回転を引き起こす。
【0138】
図42は、
図41の多目的器具の正面図である。この図から、ナットドライバ1020及び内側AOドライブアダプタ1040の輪郭が分かる。輪郭は、異なる構成要素に対応する異なる形状である。本実施形態では、ナットドライバ1020は、キャップまたはラチェットアセンブリ470の六角ナットに対応するように輪郭付けられるが、一方で、内側AOドライブアダプタ1040は、ピン60のAO接続も対応するために、部分的に丸みを帯び、部分的に平坦である。
【0139】
図43は、
図41の多目的器具の側面断面図である。この図から、ナットドライバ1020、AOドライブアダプタ1040、及びレンチ部分1030を含む上述の3つ全ての特徴部が分かる。ナットドライバ1020は、間隙管腔1035を介してAOドライブアダプタ1040に接続される。
【0140】
図44は、
図41の多目的器具の側面図である。この図から、レンチ部分1030を含む多目的器具1000の外側表面が分かる。
【0141】
本発明の本質を説明するために記述され、例示された部品の細部、材料、及び配設における様々な変更が、以下の特許請求の範囲において表される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることがさらに理解されるであろう。