(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】調理支援システム
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20221216BHJP
F24C 3/02 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
F24C7/04 301A
F24C3/02 H
(21)【出願番号】P 2018186923
(22)【出願日】2018-10-01
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
(72)【発明者】
【氏名】染澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】田口 絢葉
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-216307(JP,A)
【文献】特開2001-248867(JP,A)
【文献】特開2003-249336(JP,A)
【文献】特開2006-097974(JP,A)
【文献】国際公開第2013/026766(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/104989(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/00- 7/06
F24C 3/00- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と
、
前記コンロの上面を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した前記コンロの上面の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段で取得された画像データを参照して、前記調理容器が予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定する容器位置判定手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であ
り、
前記照射制御手段は、前記容器位置判定手段での判定結果を受けて、前記適正領域内に前記調理容器が存在しない場合に、前記光照射手段から光を照射させる調理支援システム。
【請求項2】
前記照射制御手段は、前記適正領域内に前記調理容器が一定時間以上存在しない場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項
1に記載の調理支援システム。
【請求項3】
前記加熱部上における前記調理容器の有無を検出する容器有無検出手段を備え、
前記照射制御手段は、前記容器有無検出手段の検出結果を受けて、前記加熱部上に前記調理容器が存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項1
又は2に記載の調理支援システム。
【請求項4】
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記加熱部上における前記調理容器の有無を検出する容器有無検出手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記容器有無検出手段の検出結果を受けて、前記加熱部上に前記調理容器が存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる調理支援システム。
【請求項5】
前記照射制御手段は、前記加熱部上に前記調理容器が予め定めた一定時間以上存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項
3又は4に記載の調理支援システム。
【請求項6】
前記照射制御手段は、前記加熱部を作動したタイミングで、前記光照射手段から光を照射させる請求項1~5のいずれか一項に記載の調理支援システム。
【請求項7】
前記コンロの周辺における人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する動き検知手段を備え、
前記照射制御手段は、前記動き検知手段での検知結果を受けて、前記コンロの周辺において、人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項1~6のいずれか一項に記載の調理支援システム。
【請求項8】
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記コンロの周辺における人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する動き検知手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記動き検知手段での検知結果を受けて、前記コンロの周辺において、人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、前記光照射手段から光を照射させる調理支援システム。
【請求項9】
前記加熱部がガスバーナであり、
前記ガスバーナの周辺における炎を検出する炎検出手段を備え、
前記照射制御手段は、前記炎検出手段での検出結果を受けて、前記ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項1~
8のいずれか一項に記載の調理支援システム。
【請求項10】
前記照射制御手段は、前記ガスバーナの炎が前記所定領域内に、予め定めた一定時間以上存在している場合に、前記光照射手段から光を照射させる請求項
9に記載の調理支援システム。
【請求項11】
調理容器が載置される加熱部としてのガスバーナを有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記ガスバーナの周辺における炎を検出する炎検出手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記炎検出手段での検出結果を受けて、前記ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に予め定めた一定時間以上存在している場合に、前記光照射手段から光を照射させる調理支援システム。
【請求項12】
前記照射制御手段は、前記光照射手段からの光の照射を開始してから、予め定めた一定時間経過後に、前記光照射手段からの光の照射を停止させる請求項1~
11のいずれか一項に記載の調理支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
調理容器が載置される加熱部を有したコンロや、加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段などを備えた調理支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の調理支援システムにおいては、例えば、加熱部(ガスバーナ等)上に調理容器を配置して調理を行う際に、加熱部の所定の位置に対して調理容器の位置がずれていると、調理容器の加熱が不均一になるため、熱効率が悪く、また、焼きムラも生じ易くなる。
【0003】
また、調理容器の位置ズレが生じていると、調理容器の取っ手部がコンロ上から水平方向に向けて通路等に突出した状態になる可能性が高く、利用者が衣服の一部を取っ手部に引っ掛けてしまい易くなる虞がある。そのため、衣服の一部が取っ手部に引っ掛かって調理容器が傾き、調理容器内の高温の内容物が飛散したり、調理容器がコンロ上から脱落したりして、利用者の火傷等といった重大な問題が引き起こされかねない。
【0004】
そこで、従来、調理容器が加熱部の所定の位置に配置されていないことを利用者に報知し、調理容器の位置調整が必要であることを利用者に認識させる技術として、例えば、特許文献1に開示されたレンジフードが提案されている。このレンジフードは、レンジフードの下方に配設された加熱調理器の天板上の全領域が撮像範囲に入るように画角が調整されたカメラが設けられており、カメラによって撮像された画像データはレンジフード制御部に入力されるように構成されている。そして、このレンジフードにおいては、加熱調理器の画像を基に、加熱調理器に配設された五徳の中心位置と、調理容器の重心位置との偏差を算出し、この算出した偏差が予め設定した閾値以上か否かを判定することで、調理容器の位置が五徳の位置に対して偏っていないか否かを判定し、調理容器の位置が偏っている場合にはその旨を報知するメッセージを適宜表示部に表示させるとともに、適宜音発生部によって所定の音を発生させる。
【0005】
したがって、上記特許文献1記載のレンジフードによれば、表示部に表示されるメッセージや音発生部から発せられる音によって、調理容器が加熱調理器上の適切な位置に配置されていないことを利用者が知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1記載のレンジフードは、調理容器が適切な位置に配置されていないことを利用者に報知することができ、調理容器の位置の調整が必要であることを認識した利用者が調理容器の位置を調整することができる。しかしながら、利用者が調理容器の位置を適切な位置に調整する際に、調理容器の適切な配置位置をガイドするような機能は備えていない。
【0008】
そのため、利用者は、位置の調整を自身の感覚に頼って行わなければならず、調理容器を適切な位置に調整することが難しい。また、利用者が調理容器を適切な位置に配置したと判断しても、実際には適切な位置からずれた位置に調理容器が配置された状態となる場合があるため、位置調整を行ったにもかかわらず、調理容器の位置が適切の位置に対して偏っていると判定され、利用者が位置の調整を再度行わなければならなくなり、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要になる。
【0009】
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、コンロの加熱部における加熱正規位置を利用者に示すことができ、利用者が調理容器を加熱部上の適切な位置に配置することができるようになり、更に、調理容器の位置調整が必要なタイミングで、加熱正規位置を利用者に示すことができる調理支援システムの提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る調理支援システムの特徴構成は、
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記コンロの上面を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した前記コンロの上面の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段で取得された画像データを参照して、前記調理容器が予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定する容器位置判定手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記容器位置判定手段での判定結果を受けて、前記適正領域内に前記調理容器が存在しない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0011】
上記特徴構成では、照射制御手段によって、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から光照射手段によって照射される。例えば、コンロの天板などに加熱正規位置を示す光を発する機構などを設けた場合には、加熱部上に調理容器を配置すると加熱正規位置を示す光が調理容器によって遮られることになるため、利用者は、加熱正規位置を示す光を基に調理容器を適切な位置に調整することができない。これに対して、本願発明においては、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から照射されるため、調理容器を加熱部上に配置した際に、加熱正規位置を示す光が調理容器の表面や外縁部、調理容器の周囲のコンロ上面に照射された状態となる。そのため、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0012】
更に、光照射手段の作動が照射制御手段によって制御されており、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで光が照射されるようになっているため、調理容器の位置調整が必要ないタイミング、言い換えれば、利用者に対して加熱正規位置を示す必要がないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。
【0013】
尚、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングとは、例えば、利用者が調理を開始するタイミングや、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングなどであり、このようなタイミングで加熱正規位置を示す光を照射するように光照射手段を制御することで、上記のように、不必要なタイミングで光が照射されるのを防ぐことができる。
【0014】
上記特徴構成では、撮影手段によってコンロ上面が撮影され、画像データ取得手段が当該コンロ上面の画像データを取得する。そして、容器位置判定手段は、画像データ取得手段で取得された画像データを参照して、調理容器が予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定する。その後、容器位置判定手段での判定結果を受けた照射制御手段は、適正領域内に調理容器が存在しない場合に、光照射手段から光を照射させる。例えば、利用者が鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を適正範囲外まで移動させている場合には、容器位置判定手段において、調理容器が適正範囲内に存在しないと判定されるため、この判定結果を受けた照射制御手段は、光照射手段から光を照射させる。
このように、上記特徴構成によれば、調理容器が予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定し、利用者が鍋振り等を行って加熱部上から調理容器を適正領域外まで移動させ、加熱部上から移動させた調理容器を再度加熱部上に載置するような場合、即ち、調理容器の位置調整が必要となるような場合に、加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。更に、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0015】
更に、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記適正領域内に前記調理容器が一定時間以上存在しない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
例えば、利用者が鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させる場合において、鍋振り等の程度(鍋を振り幅の大きさなど)が小さいような場合には、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となる可能性が低く、加熱正規位置を示す光を照射する必要性は高くない。したがって、このような場合には、光の照射を控えることが好ましい。
上記特徴構成では、容器位置判定手段での判定結果を受けた照射制御手段は、適正領域内に調理容器が一定時間以上存在しない場合に、光照射手段から光を照射させる。ここで、加熱部上に調理容器が存在しない時間は、鍋振りの程度が小さい場合と大きい場合とを比較すると、小さい場合の方が短くなるものであり、鍋振り等の程度の違いによって変化するものである。そこで、上記特徴構成においては、利用者が調理容器の位置調整を容易に行い得る程度の調理容器の移動を行った場合(言い換えれば、程度の小さい鍋振り等を行った場合)に加熱部上に調理容器が存在しなくなる時間を予め定めて、この予め定めた一定時間以上、適正領域内に調理容器が存在していない場合に、光照射手段から光を照射させる。これにより、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が煩雑な作業を要することなく調理容器を適切な位置に配置可能な場合には光照射手段から光を照射せず、加熱正規位置を利用者に示す必要がある場合には光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止してすることができる。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。
【0016】
また、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記加熱部上における前記調理容器の有無を検出する容器有無検出手段を備え、
前記照射制御手段は、前記容器有無検出手段の検出結果を受けて、前記加熱部上に前記調理容器が存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0017】
上述したように、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングとしては、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングがある。ここで、例えば、鍋振り等を行うために加熱部上から移動させるために調理容器を持ち上げたりした場合、加熱部上から調理容器が存在しなくなる。したがって、加熱部上における調理容器の有無を検出することによって、鍋振り等を行うための調理容器の移動があったか否かを判断することが可能となる。
そこで、上記特徴構成では、容器有無検出手段が加熱部上における調理容器の有無を検出する。その後、容器有無検出手段での検出結果を受けた照射制御手段は、加熱部上に調理容器が存在していない場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、加熱部上における調理容器の有無を基に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングといった調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。更に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る調理支援システムの特徴構成は、
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記加熱部上における前記調理容器の有無を検出する容器有無検出手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記容器有無検出手段の検出結果を受けて、前記加熱部上に前記調理容器が存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0019】
上記特徴構成では、照射制御手段によって、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から光照射手段によって照射される。例えば、コンロの天板などに加熱正規位置を示す光を発する機構などを設けた場合には、加熱部上に調理容器を配置すると加熱正規位置を示す光が調理容器によって遮られることになるため、利用者は、加熱正規位置を示す光を基に調理容器を適切な位置に調整することができない。これに対して、本願発明においては、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から照射されるため、調理容器を加熱部上に配置した際に、加熱正規位置を示す光が調理容器の表面や外縁部、調理容器の周囲のコンロ上面に照射された状態となる。そのため、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
更に、光照射手段の作動が照射制御手段によって制御されており、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで光が照射されるようになっているため、調理容器の位置調整が必要ないタイミング、言い換えれば、利用者に対して加熱正規位置を示す必要がないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。
上述したように、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングとしては、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングがある。ここで、例えば、鍋振り等を行うために加熱部上から移動させるために調理容器を持ち上げたりした場合、加熱部上から調理容器が存在しなくなる。したがって、加熱部上における調理容器の有無を検出することによって、鍋振り等を行うための調理容器の移動があったか否かを判断することが可能となる。
そこで、上記特徴構成では、容器有無検出手段が加熱部上における調理容器の有無を検出する。その後、容器有無検出手段での検出結果を受けた照射制御手段は、加熱部上に調理容器が存在していない場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、加熱部上における調理容器の有無を基に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングといった調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。更に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0023】
更に、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記照射制御手段は、前記加熱部上に前記調理容器が予め定めた一定時間以上存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0024】
上述したように、鍋振り等の程度(鍋を振り幅の大きさなど)が小さいような場合には、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となる可能性が低く、加熱正規位置を示す光を照射する必要性は高くない。したがって、このような場合には、光の照射を控えることが好ましい。
上記特徴構成においては、利用者が調理容器の位置調整を容易に行い得る程度の調理容器の移動を行った場合(言い換えれば、程度の小さい鍋振り等を行った場合)に加熱部上に調理容器が存在しなくなる時間を予め定めて、この予め定めた一定時間以上、加熱部上に調理容器が存在していない場合に、光照射手段から光を照射させる。これにより、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が煩雑な作業を要することなく調理容器を適切な位置に配置可能な場合には光照射手段から光を照射せず、加熱正規位置を利用者に示す必要がある場合には光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることもできる。
【0025】
また、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記照射制御手段は、前記加熱部を作動したタイミングで、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、利用者が調理を開始するために加熱部を作動したタイミングで光照射手段から加熱正規位置を示す光が照射される。したがって、利用者が調理を開始するタイミング、即ち、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることもできる。更に、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0027】
また、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記コンロの周辺における人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する動き検知手段を備え、
前記照射制御手段は、前記動き検知手段での検知結果を受けて、前記コンロの周辺において、人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0028】
上述したように、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングとは、調理を開始するタイミングや、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングである。ここで、調理を開始する場合、利用者は、加熱部を作動させるためのスイッチ等を操作するためにコンロの周辺に近づいたり、加熱部上に調理容器を載置したりするため、コンロの周辺において人や調理容器に動きがある。また、調理中に鍋振り等を行った場合、コンロの周辺において人や調理容器に動きがある。
そこで、上記特徴構成では、動き検知手段がコンロの周辺における人及び調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する。その後、動き検知手段での検知結果を受けた照射制御手段は、コンロの周辺において、人及び調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、コンロ周辺における人及び調理容器のいずれか又は両方の動きがあったことを基に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、調理を開始するタイミングや鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングなどの調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。また、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0029】
上記目的を達成するための本発明に係る調理支援システムの特徴構成は、
調理容器が載置される加熱部を有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記コンロの周辺における人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する動き検知手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記動き検知手段での検知結果を受けて、前記コンロの周辺において、人及び前記調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0030】
上記特徴構成では、照射制御手段によって、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から光照射手段によって照射される。例えば、コンロの天板などに加熱正規位置を示す光を発する機構などを設けた場合には、加熱部上に調理容器を配置すると加熱正規位置を示す光が調理容器によって遮られることになるため、利用者は、加熱正規位置を示す光を基に調理容器を適切な位置に調整することができない。これに対して、本願発明においては、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から照射されるため、調理容器を加熱部上に配置した際に、加熱正規位置を示す光が調理容器の表面や外縁部、調理容器の周囲のコンロ上面に照射された状態となる。そのため、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
更に、光照射手段の作動が照射制御手段によって制御されており、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで光が照射されるようになっているため、調理容器の位置調整が必要ないタイミング、言い換えれば、利用者に対して加熱正規位置を示す必要がないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。
上述したように、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングとは、調理を開始するタイミングや、鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングである。ここで、調理を開始する場合、利用者は、加熱部を作動させるためのスイッチ等を操作するためにコンロの周辺に近づいたり、加熱部上に調理容器を載置したりするため、コンロの周辺において人や調理容器に動きがある。また、調理中に鍋振り等を行った場合、コンロの周辺において人や調理容器に動きがある。
そこで、上記特徴構成では、動き検知手段がコンロの周辺における人及び調理容器のいずれか又は両方の動きを検知する。その後、動き検知手段での検知結果を受けた照射制御手段は、コンロの周辺において、人及び調理容器のいずれか又は両方の動きがあった場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、コンロ周辺における人及び調理容器のいずれか又は両方の動きがあったことを基に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、調理を開始するタイミングや鍋振り等を行うために加熱部上から調理容器を移動させ、再度調理容器を加熱部上に載置するタイミングなどの調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。また、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0031】
また、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記加熱部がガスバーナであり、
前記ガスバーナの周辺における炎を検出する炎検出手段を備え、
前記照射制御手段は、前記炎検出手段での検出結果を受けて、前記ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に存在していない場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0032】
加熱部がガスバーナである場合、ガスバーナが作動している間に鍋振り等を行うと、加熱部上から調理容器が移動することでガスバーナの炎の形状が変化する。例えば、加熱部上に調理容器が存在する場合には、加熱部上に調理容器が存在しない場合と比較して、ガスバーナで発生している炎が調理容器の底面に沿って側方に伸びたような形状となり、調理容器が存在する位置には炎が存在しなくなる。そのため、調理容器が存在するような領域(例えば、ガスバーナの真上など)を所定領域とし、炎がこの所定領域内に存在している場合を、加熱部上に調理容器が存在していない場合と判断することが可能である。
そこで、上記特徴構成では、炎検出手段が加熱部の周辺における炎を検出する。その後、炎検出手段での検出結果を受けた照射制御手段は、加熱部の炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、鍋振り等を行うためにガスバーナ上から調理容器を移動させ、再度調理容器をガスバーナ上に載置するタイミング、即ち、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。また、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、上記と同様に、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器をガスバーナ上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
【0033】
更に、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記ガスバーナの炎が前記所定領域内に、予め定めた一定時間以上存在している場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0034】
上述したように、鍋振り等の程度(鍋を振り幅の大きさなど)が小さいような場合には、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となる可能性が低く、加熱正規位置を示す光を照射する必要性は高くない。したがって、このような場合には、光の照射を控えることが好ましい。
上記特徴構成においては、利用者が調理容器の位置調整を容易に行い得る程度の調理容器の移動を行った場合(言い換えれば、程度の小さい鍋振り等を行った場合)に加熱部上に調理容器が存在しなくなる時間を予め定めて、この予め定めた一定時間以上、ガスバーナの炎が、予め定めた所定領域内に存在している場合に、光照射手段から光を照射させる。これにより、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が煩雑な作業を要することなく調理容器を適切な位置に配置可能な場合には光照射手段から光を照射せず、加熱正規位置を利用者に示す必要がある場合には光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。
【0035】
上記目的を達成するための本発明に係る調理支援システムの特徴構成は、
調理容器が載置される加熱部としてのガスバーナを有したコンロと、
前記加熱部に向けて上方から指向性を有する光を照射する光照射手段と、
前記調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、前記光照射手段から光を照射させるように前記光照射手段の作動を制御する照射制御手段と、
前記ガスバーナの周辺における炎を検出する炎検出手段とを備え、
前記光照射手段から照射する光は、前記加熱部における加熱正規位置を示す光であり、
前記照射制御手段は、前記炎検出手段での検出結果を受けて、前記ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に予め定めた一定時間以上存在している場合に、前記光照射手段から光を照射させる点にある。
【0036】
上記特徴構成では、照射制御手段によって、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から光照射手段によって照射される。例えば、コンロの天板などに加熱正規位置を示す光を発する機構などを設けた場合には、加熱部上に調理容器を配置すると加熱正規位置を示す光が調理容器によって遮られることになるため、利用者は、加熱正規位置を示す光を基に調理容器を適切な位置に調整することができない。これに対して、本願発明においては、加熱正規位置を示す光が加熱部の上方から照射されるため、調理容器を加熱部上に配置した際に、加熱正規位置を示す光が調理容器の表面や外縁部、調理容器の周囲のコンロ上面に照射された状態となる。そのため、調理容器表面やコンロ上面に、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れ、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器を加熱部上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
更に、光照射手段の作動が照射制御手段によって制御されており、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで光が照射されるようになっているため、調理容器の位置調整が必要ないタイミング、言い換えれば、利用者に対して加熱正規位置を示す必要がないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。
加熱部がガスバーナである場合、ガスバーナが作動している間に鍋振り等を行うと、加熱部上から調理容器が移動することでガスバーナの炎の形状が変化する。例えば、加熱部上に調理容器が存在する場合には、加熱部上に調理容器が存在しない場合と比較して、ガスバーナで発生している炎が調理容器の底面に沿って側方に伸びたような形状となり、調理容器が存在する位置には炎が存在しなくなる。そのため、調理容器が存在するような領域(例えば、ガスバーナの真上など)を所定領域とし、炎がこの所定領域内に存在している場合を、加熱部上に調理容器が存在していない場合と判断することが可能である。
そこで、上記特徴構成では、炎検出手段が加熱部の周辺における炎を検出する。その後、炎検出手段での検出結果を受けた照射制御手段は、加熱部の炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射させる。このように、ガスバーナの炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、加熱正規位置を示す光を照射させるようにしていることで、鍋振り等を行うためにガスバーナ上から調理容器を移動させ、再度調理容器をガスバーナ上に載置するタイミング、即ち、調理容器の位置調整が必要な所定のタイミングで加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。また、照射された加熱正規位置を示す光によって、他の部分よりも輝度の高い部分が現れるため、上記と同様に、この現れた輝度の高い部分を基に、利用者は調理容器をガスバーナ上の適切な位置に容易に配置することができ、調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となることもない。
上述したように、鍋振り等の程度(鍋を振り幅の大きさなど)が小さいような場合には、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が調理容器を適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となる可能性が低く、加熱正規位置を示す光を照射する必要性は高くない。したがって、このような場合には、光の照射を控えることが好ましい。
上記特徴構成においては、利用者が調理容器の位置調整を容易に行い得る程度の調理容器の移動を行った場合(言い換えれば、程度の小さい鍋振り等を行った場合)に加熱部上に調理容器が存在しなくなる時間を予め定めて、この予め定めた一定時間以上、ガスバーナの炎が、予め定めた所定領域内に存在している場合に、光照射手段から光を照射させる。これにより、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が煩雑な作業を要することなく調理容器を適切な位置に配置可能な場合には光照射手段から光を照射せず、加熱正規位置を利用者に示す必要がある場合には光照射手段から加熱正規位置を示す光を照射することができ、調理容器の位置調整が必要ないタイミングで光が照射されるのを防止することができる。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。
【0037】
また、本発明に係る調理支援システムの更なる特徴構成は、前記照射制御手段は、前記光照射手段からの光の照射を開始してから、予め定めた一定時間経過後に、前記光照射手段からの光の照射を停止させる点にある。
【0038】
上記特徴構成によれば、光照射手段から光の照射が開始された後、予め定めた一定時間(例えば、利用者が調理容器の位置調整を行い得るのに十分な時間)経過後に、照射制御手段によって光照射手段からの光の照射が停止されるため、照射時間が無駄に長くなるのを抑えることができる。また、消費エネルギーの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】第1実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る調理支援システムを示した側面図である。
【
図3】第1実施形態に係る調理支援システムのレンジフードを示した底面図である。
【
図4】第1実施形態に係る調理支援システムのガスコンロを示した平面図である。
【
図5】第1実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した図である。
【
図6】第1実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED光の照射が制御される一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る調理支援システムにおいて、調理容器を所定の位置に配置する過程を説明するための図である。
【
図8】第2実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した図である。
【
図9】第2実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED光の照射が制御される一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した斜視図である。
【
図11】第3実施形態に係る調理支援システムのガスコンロを示した平面図である。
【
図12】第3実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した図である。
【
図13】第3実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED光の照射が制御される一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図14】第4実施形態に係る調理支援システムの概略構成を示した図である。
【
図15】第4実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED光の照射が制御される一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して第1実施形態に係る調理支援システムについて説明する。尚、本実施形態では、コンロの一つの態様として、コンロがガスコンロGCである場合を例示して説明する。
【0041】
図1~
図5に示すように、第1実施形態に係る調理支援システムは、調理容器T(
図7参照)が上方に配置されるガスバーナ(加熱部)4を有したガスコンロGCと、ガスバーナ4に向けて光を照射するLED照射部(光照射手段)20とを備えており、ガスコンロGCの上方にはレンジフード10が配設されている。また、
図5に示すように、第1実施形態に係る調理支援システムは、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングで、LED照射部20から光を照射させるように当該LED照射部20の作動を制御する照射制御部(照射制御手段)43と、ガスコンロGCの上面を撮影するカメラ(撮影手段)35と、カメラ35で撮影したガスコンロGC上面の画像データを取得する画像データ取得部(画像データ取得手段)41と、画像データ取得部41で取得された画像データを参照して、調理容器Tが予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定する容器位置判定部(容器位置判定手段)42とを備えている、尚、本実施形態においては、照射制御部43、画像データ取得部41及び容器位置判定部42は、調理支援システムを構成する各部の作動を制御する各種制御部(図示せず)を備えた制御装置40に組み込まれている。また、制御装置40は、各種データを記憶する記憶部44を備えている。
【0042】
ガスコンロGCは、コンロ本体2と、コンロ本体2の上面を形成し、耐熱性の素材(耐熱ガラスやセラミックなど)からなるトッププレート3とを備えている。
【0043】
トッププレート3は、その上面に、ガスを燃料とした2つのガスバーナ4が設けられている。また、各ガスバーナ4には、調理容器Tの被加熱部を載置するための五徳5が設けられており、各ガスバーナ4の点火、消火及び火力調節等は、コンロ本体2の前面右側に設けられたバーナ操作部6を押し操作及び回転操作等することにより行うことができるようになっている。尚、ガスバーナ4の点火及び消火を行うための操作が行われた場合、点火操作があったことを知らせる信号(バーナ点火信号)又は消火操作があったことを知らせる信号(バーナ消火信号)が無線通信により制御装置40に送信される。また、各ガスバーナ4は、調理容器T底面の温度を検出したり、調理容器Tの有無を検出したりするための鍋底センサ4aを有しており、当該鍋底センサ4aでの検出結果が無線通信により制御装置40に送信される。
【0044】
コンロ本体2は、左右方向中央部にグリルGを備え、コンロ本体2の前面側にはグリル扉7が形成されている。グリルGでの加熱の開始、終了、加熱温度の調製及び加熱時間の調整等は、コンロ本体2の前面左側に設けられたグリル操作部8を操作することにより行うことができるようになっている。尚、グリルGでの被調理物の調理に伴う排気等は、トッププレート3の上面後部に設けられた排気口9から排気される。
【0045】
レンジフード10は、ガスコンロGCの上方に設けられており、箱状のハウジング11や、このハウジング11の下部に設けられた平面視略四角形状の整流板12、ハウジング11の上部に設けられた排気部13、ハウジング11に設けられ、ガスコンロGCを照明する照明ランプ14などを備えている。
【0046】
ハウジング11は、その下部に開口を有しており、この下部の開口に対応する位置に、ハウジング11の下面周縁部との間に吸気部11aとなる隙間を空けた状態で整流板12が配置され、整流板12とハウジング11とにより、排気部13と連通する内部空間が形成されている。
【0047】
排気部13は、図示しない送風機などを備えている。排気部13によれば、送風機を作動させることにより、ガスコンロGCでの調理で発生した煙や湯気、臭気等の排気が吸気部11aから吸い込まれて内部空間に取り込まれ、内部空間に取り込まれた排気が外部に排出される。
【0048】
照明ランプ14は、ハウジング11の下面後側の周縁部に埋め込まれている。排気部13における送風機の作動や、照明ランプ14の点灯、消灯等は、ハウジング11の前面に設けられたレンジフード操作部15を操作することにより行うことができるようになっている。尚、少なくとも照明ランプ14の点灯及び消灯を行うための操作が行われた場合、点灯操作があったことを知らせる信号(照明点灯信号)又は消灯操作があったことを知らせる信号(照明消灯信号)が無線通信により制御装置40に送信される。
【0049】
LED照射部20は、LED光源やバッテリ、無線受信機などがハウジング11に内蔵された形態で構成され、指向性の強いLED光L1を照射することができるようになっている。具体的に、LED照射部20は、ガスバーナ4の加熱正規位置を示すLED光L1を水平方向に向けて照射することができる態様でハウジング11の前方側内壁に内蔵されている。また、本実施形態においては、整流板12下面における、ガスバーナ4の中心位置の真上に位置する箇所に反射部材30が取り付けられている。尚、反射部材30は、ミラー部31と、当該ミラー部31を揺動自在に支持するベース部32とを有しており、LED照射部20とほぼ同じ高さ位置に位置するように、取付部材33によって着脱自在に取り付けられている。
【0050】
したがって、本実施形態に係る調理支援システムにおいて、
図2に示すように、反射部材30のミラー部31をベース部32に対して揺動させてミラー部31の首振り角度を適宜調整することで、LED照射部20から照射されたLED光L1が反射部材30のミラー部31によってガスバーナ4に向けて反射され、ガスバーナ4の真上から当該ガスバーナ4の中心位置にLED光L1が照射される。尚、本実施形態において、LED照射部20から照射される光の照射形状は点型であり、ガスバーナ4の中心位置(
図4中の黒丸)には、他の部分よりも輝度の高い点が現れるようになっている。
【0051】
カメラ35は、ハウジング11における前方側の周縁部下面に下方に向けて配置されており、トッププレート3上の全領域が撮像範囲に入るようになっている。このカメラ35は、撮像対象を複数の画素に分割し、R,G,Bの各色成分に分解してカラー画像として撮像可能であり、撮像された画像のデータは、後述する制御装置40に無線通信で送信されるようになっている。また、カメラ35は、制御装置40によって作動が制御され、本実施形態において、カメラ35は、制御装置40がバーナ点火信号を受信した際に起動され、制御装置40がバーナ消火信号を受信した際に停止される。
【0052】
図5に示すように、制御装置40は、上述したように、調理支援システムを構成する各部の作動を制御する各種制御部(図示せず)を備えるとともに、画像データ取得部41、容器位置判定部42、照射制御部43及び記憶部44を備えており、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理機能及び半導体メモリなどの情報記憶機能を有する電気回路部を用いて構成される装置である。尚、制御装置40の配置位置は、バーナ操作部6やレンジフード操作部15などに適宜設定すれば良い。
【0053】
画像データ取得部41は、カメラ35で撮影したガスコンロGC上面(言い換えれば、トッププレート3上面)の画像データを取得する機能部であり、画像データ取得部41により取得された画像データは、記憶部44に記憶できるようになっている。
【0054】
容器位置判定部42は、画像データ取得部41で取得された画像データを参照して、調理容器Tが予め定めた適正領域内に存在するか否かを判定する機能部である。具体的に、容器位置判定部42は、取得した画像データ中において、ガスバーナ4の中心位置(
図4中の黒丸)を中心とする所定の大きさの円R(
図4中の二点鎖線)内に、取っ手部分を除く調理容器Tの重心Tg(以下、単に「調理容器Tの重心Tg」という)が存在するか否かを判定し、調理容器Tの重心Tgが上記円R内に存在する場合には調理容器Tが予め定めた適正領域内に存在し、上記円R内に存在しない場合には調理容器Tが予め定めた適正領域内に存在しないと判定する。尚、上記円Rの大きさは、適宜設定することができるが、半径0.5~1.5cmの円であることが好ましく、本実施形態においては、半径1cmとしている。また、調理容器Tの重心Tgが所定の大きさの円R内に存在するか否かの判定は、パターンマッチングなどの既知の技術を利用することができる。
【0055】
照射制御部43は、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングで、LED照射部20から光を照射させるように、当該LED照射部20の作動を制御する機能部である。本実施形態においては、容器位置判定部42において、調理容器Tの重心Tgが上記円R内に存在しない場合に、調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングであるとして、LED照射部20の作動を制御し、当該LED照射部20からLED光L1の照射を開始させる。更に、照射制御部43は、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始させた場合、照射開始から一定時間経過後に、LED光L1の照射を停止させる。尚、LED光L1の照射を停止させるまでの時間は、利用者が調理容器Tの位置調整に要する時間を考慮して適宜設定することができ、本実施形態においては、照射開始から10秒経過後にLED光L1の照射を停止させるようにしている。
【0056】
次に、本実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED照射部20からのLED光L1の照射が制御される一連の流れについて、
図6のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、利用者が調理を行うために調理容器Tをガスバーナ4上に載置した後、ガスバーナ4の点火を行うための操作を行って調理を開始し、調理中に鍋振りを行い、その後、利用者が調理をやめるためにガスバーナ4の消火を行うための操作を行う場合の流れに沿ったものである。
【0057】
工程#10において、制御装置40はバーナ点火信号を受信したか否かを判定し、バーナ点火信号を受信した場合には、工程#11に移行してカメラ35を起動させ、工程#12に移行する。具体的に、利用者がガスバーナ4上に調理容器Tを載置した後にガスバーナ4の点火を行うための操作を行うと、バーナ点火信号が制御装置40に送信され、当該バーナ点火信号を受信した制御装置40はカメラ35を起動させる。
【0058】
工程#12において、カメラ35はガスコンロGC上面を撮影した後、工程#13に移行する。工程#13において、画像データ取得部41は、カメラ35で撮影したガスコンロGC上面の画像データを取得し、工程#14に移行する。
【0059】
工程#14において、容器位置判定部42は、画像データ取得部41で取得された画像データを参照して、調理容器Tの重心Tgが、ガスバーナ4の中心位置を中心とする円R内に存在するか否かを判定し、存在しない場合には工程#15へ移行し、存在する場合には工程#18へ移行する。具体的に、利用者が鍋振りを行い、調理容器Tがガスバーナ4上から持ち上げられて当該調理容器Tが大きく移動し、画像データ取得部41で取得された画像データにおいて、調理容器Tの重心Tgが上記円R内に存在していない場合には、工程#15へ移行する。一方、調理容器Tの移動が小さく、画像データ取得部41で取得された画像データにおいて、調理容器Tの重心Tgが上記円R内に存在する場合には、工程#18へ移行する。
【0060】
工程#15において、照射制御部43は、容器位置判定部42での判定結果を受けて、LED照射部20の作動を制御してLED光L1の照射を開始させる。これにより、
図7に示すように、鍋振りによって調理容器T(本例ではフライパン)が大きく移動し、調理容器Tを再度ガスバーナ4上(より具体的に言えば、五徳5上)に載置する際、即ち、利用者が位置調整を必要とするタイミングにおいて、ガスバーナ4の中心位置を示すLED光L1が調理容器Tの表面(調理容器Tがガスバーナ4の周辺に存在しない場合にはガスバーナ4の中心位置)に照射され、ガスバーナ4の中心位置を示す輝度の高い部分(
図7中の黒丸)が調理容器Tの表面(又はガスバーナ4の中心位置)に現れた状態となる。したがって、利用者は、調理容器T表面(又はガスバーナ4の中心位置)に現れる輝度の高い部分を基に、調理容器Tをその重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致するように容易に位置を調整して五徳5上に配置することができる。
【0061】
そして、工程#16において、照射制御部43は、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから一定時間(本実施形態では10秒間)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#17に移行し、当該工程#17において、照射制御部43は、LED照射部20の作動を制御してLED光L1の照射を停止させて、工程#14に戻る。具体的に、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから10秒経過した後にLED光L1の照射が停止される。
【0062】
一方、工程#18において、制御装置40はバーナ消火信号を受信したか否かを判定し、バーナ消火信号を受信した場合には、工程#19に移行してカメラ35を停止させ、一連の制御が終了する。一方、バーナ消火信号を受信していない場合には、工程#14に戻る。具体的には、利用者がガスバーナ4の消火を行うための操作を行った場合には、バーナ消火信号が制御装置40に送信され、制御装置40がカメラ35を停止させて、調理を支援するための一連の制御が終了する。一方、バーナ消火信号を受信していない場合には、調理を支援するための一連の制御を続行する。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る調理支援システムによれば、加熱正規位置たるガスバーナ4の中心位置にガスバーナ4の上方からLED光L1を照射することができる。これにより、調理容器Tがガスバーナ4上に位置していると、ガスバーナ4の中心位置を示す輝度の高い部分が調理容器T表面に現れる。したがって、利用者は、この輝度の高い部分を基に、調理容器Tを適切な位置、即ち、調理容器Tを重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致する位置に煩雑な作業を要することなく容易に配置することができる。
【0064】
更に、利用者が鍋振り等を行って、ガスバーナ4上から調理容器Tを大きく移動させ、移動させた調理容器Tを再度ガスバーナ4上に載置するような場合、言い換えれば、利用者が調理容器Tの位置調整を必要とする場合に加熱正規位置を示すLED光L1を照射し、利用者が調理容器Tの位置調整を必要としないような場合にはLED光L1の照射を行わないようにすることができるため、LED光L1の無駄な照射を抑えることができ、また、消費エネルギーを削減できる。加えて、LED光L1の照射を開始してから一定時間経過後に、当該LED光L1の照射を停止するようにしており、必要以上に照射時間が長くなることもない。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることもできる。
【0065】
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る調理支援システムは、主として、ガスバーナ4上における調理容器Tの有無を容器有無検出手段としての鍋底センサ4aによって検出し、この検出結果を基に、LED照射部20の作動を制御する点が第1実施形態と異なっている。以下、第2実施形態の調理支援システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0066】
第2実施形態の調理支援システムは、
図8に示すように、調理支援システムを構成する各部の作動を制御する制御部(図示せず)を備えるとともに、LED照射部20の作動を制御する照射制御部51及び鍋底センサ4aによる検出結果などの各種データを記憶する記憶部52を備えた制御装置50を有している。
【0067】
第2実施形態の調理支援システムにおける照射制御部51は、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングで、LED照射部20からLED光L1が照射されるように、当該LED照射部20の作動を制御する機能部である。例えば、利用者が鍋振り等を行うためにガスバーナ4上から調理容器Tを移動させる場合において、鍋振り等の程度(調理容器Tの振り幅の大きさなど)が小さいような場合には、利用者に加熱正規位置を示さずとも、利用者が調理容器Tを適切な位置に配置するために煩雑な作業が必要となる可能性が低く、加熱正規位置を示す光を照射する必要性はそれほど高くない。したがって、このような場合には、LED光L1の照射を控えることが好ましい。
【0068】
第2実施形態においては、鍋底センサ4aでの検出結果を受けて、ガスバーナ4上に調理容器Tが予め定めた一定時間以上存在しない場合に、調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングであるとして、LED照射部20の作動を制御し、当該LED照射部20からLED光L1の照射を開始させる。ここで、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在しない時間は、鍋振りの程度が小さい場合と大きい場合とを比較すると、小さい場合の方が短くなるものであり、鍋振り等の程度の違いによって変化するものである。
【0069】
そこで、第2実施形態に係る調理支援システムにおいては、利用者が調理容器Tの位置調整を容易に行い得る程度の調理容器Tの移動を行った場合(言い換えれば、程度の小さい鍋振り等を行った場合)にガスバーナ4上に調理容器Tが存在しなくなると考えられる時間を予め一定時間と定めて、この予め定めた一定時間以上、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在していない場合に、LED照射部20からLED光L1を照射させる。尚、上記予め定める一定時間は、0.2秒以上1.5秒以下であることが好ましく、本実施形態では、1秒としている。
【0070】
また、利用者が調理を開始するためにガスバーナ4を点火するための操作を行った場合、適切な調理を行うために調理容器Tの位置調整が必要となる。そこで、本実施形態において、照射制御部51は、バーナ点火信号を受信した場合も、調理容器Tの位置調整の必要があるタイミングであるとして、LED照射部20の作動を制御してLED光L1の照射を開始させる。
【0071】
尚、照射制御部51は、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始させた場合、照射開始から一定時間経過後に、LED光L1の照射を停止させる。また、上記LED光L1の照射を停止させるまでの時間は、利用者が調理容器Tの位置調整に要する時間を考慮して適宜設定することができ、本実施形態においては、照射開始から10秒経過後にLED光L1の照射を停止させるようにしている。
【0072】
次に、第2実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED照射部20からのLED光L1の照射が制御される一連の流れについて、
図9のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、利用者が調理を行うために調理容器Tをガスバーナ4上に載置した後、ガスバーナ4の点火を行うための操作を行って調理を開始し、調理中に鍋振りを行い、その後、利用者が調理をやめるためにガスバーナ4の消火を行うための操作を行う場合の流れに沿ったものである。
【0073】
工程#20において、制御装置50の照射制御部51はバーナ点火信号を受信したか否かを判定し、バーナ点火信号を受信した場合には、工程#21に移行してLED照射部20からのLED光L1の照射を開始させる。これにより、利用者が調理容器Tの位置調整を必要とするタイミングで、ガスバーナ4の中心位置を示すLED光L1が調理容器Tの表面に照射され、ガスバーナ4の中心位置を示す輝度の高い部分が調理容器Tの表面に現れることになる。したがって、利用者は、調理容器T表面に現れる輝度の高い部分を基に、調理容器Tをその重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致するように容易に位置を調整して五徳5上に配置することができる。
【0074】
そして、工程#22において、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから一定時間(10秒間)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#23に移行し、当該工程#23において、照射制御部51は、LED照射部20の作動を制御してLED光L1の照射を停止させて工程#24に移行する。具体的に、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから10秒経過した後に、LED光L1の照射が停止される。
【0075】
工程#24において、照射制御部51は、鍋底センサ4aからの検出結果を受けて、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在するか否かを確認し、存在しない場合には工程#25に移行し、存在する場合には工程#30に移行する。具体的に、利用者が鍋振りを行い、調理容器Tがガスバーナ4上から持ち上げられると、調理容器Tがガスバーナ4上に存在しないことを鍋底センサ4aが検出し、この検出結果を受けることで、照射制御部51は、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在しないことを確認する。一方、利用者が鍋振りを行っていない場合には、調理容器Tがガスバーナ4上に存在することを鍋底センサ4aが検出し、この検出結果を受けることで、照射制御部51は、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在することを確認する。
【0076】
工程#25において、照射制御部51は、調理容器Tが存在しないことを確認してから一定時間(本実施形態では1秒)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#26に移行し、工程#26において、照射制御部51は、鍋底センサ4aからの検出結果を受けて、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在するか否かを再度確認し、存在しない場合には工程#27に移行して、照射制御部51によりLED照射部20の作動が制御され、LED光L1の照射が開始される。一方、調理容器Tがガスバーナ4上に存在している場合には工程#24に戻る。具体的に、照射制御部51において、調理容器Tがガスバーナ4上に存在しないことが確認されてから1秒経過した後に、調理容器Tがガスバーナ4上に存在しないことが再度確認された場合には、照射制御部51がLED照射部20の作動を制御してLED照射部20からのLED光L1の照射を開始させる。一方、照射制御部51において、調理容器Tがガスバーナ4上に存在しないことが確認されてから1秒経過した後に、調理容器Tがガスバーナ4上に存在することが確認された場合には、利用者が調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングでないとして、LED光L1の照射は開始されない。
【0077】
工程#28において、照射制御部51は、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから一定時間(10秒間)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#29に移行し、当該工程#29において、照射制御部51がLED照射部20の作動を制御してLED光L1の照射を停止させて、工程#24に戻る。具体的に、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始してから10秒経過した後にLED光L1の照射が停止される。
【0078】
工程#30において、制御装置50はバーナ消火信号を受信したか否かを判定し、バーナ消火信号を受信した場合には一連の制御が終了し、バーナ消火信号を受信していない場合には、工程#24に戻る。具体的に、利用者がガスバーナ4の消火を行うための操作を行った場合には、バーナ消火信号が制御装置50に送信され、調理を支援するための一連の制御が終了する。一方、バーナ消火信号を受信していない場合には、調理を支援するための一連の制御を続行する。
【0079】
以上のように、第2実施形態に係る調理支援システムによれば、加熱正規位置たるガスバーナ4の中心位置にガスバーナ4の上方からLED光L1を照射することができ、利用者は、調理容器T表面などに現れる輝度の高い部分を基に、調理容器Tを適切な位置(調理容器Tを重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致する位置)に煩雑な作業を要することなく容易に配置することができる。
【0080】
更に、利用者が調理容器Tの位置調整を必要とする場合に加熱正規位置を示すLED光L1を照射し、利用者が調理容器Tの位置調整を必要としていないような場合はLED光L1の照射を行わないようにすることができるため、LED光L1の無駄な照射を抑えることができる。また、消費エネルギーを削減できる。加えて、LED光L1の照射を開始してから一定時間経過後に、当該LED光L1の照射を停止するようにしており、必要以上に照射時間が長くなることもない。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることもできる。
【0081】
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る調理支援システムは、主として、ガスコンロGC上の利用者及び調理容器Tのいずれか又は両方の動きを超音波センサ61によって検知し、この検知結果を基に、LED照射装置60の作動を制御する点が上記各実施形態と異なっている。以下、第3実施形態の調理支援システムについて説明するが、上記各実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0082】
第3実施形態の調理支援システムは、
図10~
図12に示すように、上記各実施形態におけるLED照射部20に代えて2つのLED照射装置60を備えている。このLED照射装置60は、直方体形状の筐体内にLED光源やバッテリ、無線受信機などが収容された形態で構成されており、前方側斜め上方に向けてLED光L2を照射することができるように、適宜取付部材によって、トッププレート3の上面後部且つガスバーナ4の後方に着脱自在に取り付けられている。
【0083】
この調理支援システムにおいては、反射部材30のミラー部31(
図2参照)をベース部32(
図2参照)に対して揺動させてミラー部31の首振り角度を適宜調整することで、LED照射装置60から照射されたLED光L2を反射部材30のミラー部31によってガスバーナ4に向けて反射させることができ、ガスバーナ4の真上から当該ガスバーナ4の中心位置にLED光L2を照射することができる。尚、本実施形態において、LED照射装置60から照射される光の照射形状は点型であり、ガスバーナ4の中心位置には、他の部分よりも輝度の高い点が現れるようになっている。
【0084】
更に、第3実施形態の調理支援システムにおいては、LED照射装置60内に動き検知手段としての超音波センサ61が内蔵され、
図11に示すように、各超音波センサ61からガスバーナ4側に向けて超音波Pが発信されるようになっており、ガスコンロGCの周辺(ガスバーナ4の周辺やガスコンロGCの前方など)での利用者や調理容器Tの動きを検知することができるようになっている。尚、超音波センサ61の検知結果は、無線通信によって制御装置65に送信される。
【0085】
また、第3実施形態の調理支援システムは、
図12に示すように、調理支援システムを構成する各部の作動を制御する制御部(図示せず)を備えるとともに、LED照射装置60の作動を制御する照射制御部66及び超音波センサ61による検知結果などの各種データを記憶する記憶部67を備えた制御装置65を有している。
【0086】
第3実施形態の調理支援システムにおける照射制御部66は、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングで、LED照射装置60からLED光L2が照射されるように、当該LED照射装置60の作動を制御する機能部である。上述したように、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングとは、調理を開始するタイミングや、鍋振り等を行うためにガスバーナ4上から調理容器Tを移動させ、再度調理容器Tをガスバーナ4上に載置するタイミングである。ここで、調理を開始する場合、利用者は、ガスバーナ4の点火を行うためにバーナ操作部6を操作する際にガスコンロGC周辺に近づいたり、ガスバーナ4上に調理容器Tを載置したりするため、ガスコンロGCの周辺において人や調理容器Tに動きがある。また、調理中に鍋振り等を行った場合にも、ガスコンロGCの周辺において人や調理容器Tに動きがある。
【0087】
そこで、第3実施形態の照射制御部66においては、超音波センサ61での検知結果を受けて、ガスコンロGCの周辺において、人及び調理容器Tのいずれか又は両方の動きがあった場合に、調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングであるとして、LED照射装置60の作動を制御し、当該LED照射装置60からLED光L2の照射を開始させる。
【0088】
尚、第3実施形態においても、照射制御部66は、LED照射装置60からのLED光L2の照射を開始させた場合、照射開始から一定時間経過後に、LED光L2の照射を停止させる。また、上記LED光L2の照射を停止させるまでの時間は、利用者が調理容器Tの位置調整に要する時間を考慮して適宜設定することができ、本実施形態においては、照射開始から10秒経過後にLED光L2の照射を停止させるようにしている。
【0089】
次に、第3実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED照射装置60からのLED光L2の照射が制御される一連の流れについて、
図13のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、利用者が既に調理を開始している状態において鍋振りを行い、その後、利用者が調理をやめるためにガスバーナ4の消火を行うための操作を行う場合の流れに沿ったものである。
【0090】
工程#40において、制御装置65の照射制御部66は、超音波センサ61からの検知結果を受けて、ガスコンロGCの周辺において人及び調理容器Tのいずれか又は両方の動きがあったか否かを確認し、動きがあった場合には工程#41に移行して、照射制御部66によりLED照射装置60の作動が制御され、LED光L2の照射が開始される。一方、動きがない場合には工程#44に移行する。具体的に、利用者が鍋振りを行うために調理容器Tの取っ手部に手を伸ばした場合、その手の動きが超音波センサ61で検知され、照射制御部66において、ガスコンロGCの周辺で少なくとも人又は調理容器Tの動きがあったことが確認され、照射制御部66がLED照射装置60の作動を制御してLED照射装置60からのLED光L2の照射を開始させる。一方、利用者が特に動作を行っていない場合には、超音波センサ61が人及び調理容器Tの動きを検知しないため、照射制御部66において、ガスコンロGCの周辺で人及び調理容器Tの動きがないことが確認され、利用者が調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングではないとして、LED光L2の照射は開始されない。
【0091】
工程#42において、照射制御部66は、LED照射装置60からのLED光L2の照射を開始してから一定時間(10秒間)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#43に移行し、当該工程#43において、照射制御部66がLED照射装置60の作動を制御してLED光L2の照射を停止させて、工程#40に戻る。具体的に、LED照射装置60からのLED光L2の照射を開始してから10秒経過した後にLED光L2の照射が停止される。
【0092】
工程#44において、制御装置65はバーナ消火信号を受信したか否かを判定し、バーナ消火信号を受信した場合には一連の制御が終了し、バーナ消火信号を受信していない場合には、工程#40に戻る。具体的に、利用者がガスバーナ4の消火を行うための操作を行った場合には、バーナ消火信号が制御装置65に送信され、調理を支援するための一連の制御が終了する。一方、バーナ消火信号を受信していない場合には、調理を支援するための一連の制御を続行する。
【0093】
以上のように、第3実施形態に係る調理支援システムによれば、加熱正規位置たるガスバーナ4の中心位置にガスバーナ4の上方からLED光L2を照射することができ、利用者は、調理容器T表面などに現れる輝度の高い部分を基に、調理容器Tを適切な位置(調理容器Tを重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致する位置)に煩雑な作業を要することなく容易に配置することができる。
【0094】
更に、利用者が調理容器Tの位置調整を必要とする場合に加熱正規位置を示すLED光L2を照射し、利用者が調理容器Tの位置調整を必要としていないような場合はLED光L2の照射を行わないようにすることができるため、LED光L2の無駄な照射を抑えることができる。また、消費エネルギーを削減できる。加えて、LED光L2の照射を開始してから一定時間経過後に、当該LED光L2の照射を停止するようにしており、必要以上に照射時間が長くなることもない。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることもできる。
【0095】
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係る調理支援システムは、主として、ガスバーナ4の周辺における炎を赤外線センサ71によって検出し、この検出結果を基に、LED照射装置70の作動を制御する点が上記各実施形態と異なっている。以下、第4実施形態の調理支援システムについて説明するが、上記各実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0096】
第4実施形態の調理支援システムは第3実施形態の調理支援システムと略同様の構成を備えたものであるが、LED照射装置70には、第3実施形態におけるLED照射装置60の超音波センサ61に代えて、ガスバーナ4で発生している炎を検出するための赤外線センサ71が内蔵されており、赤外線センサ71の検出結果は、無線通信によって制御装置75に送信される。
【0097】
また、第4実施形態の調理支援システムは、
図14に示すように、調理支援システムを構成する各部の作動を制御する制御部(図示せず)を備えるとともに、LED照射装置70の作動を制御する照射制御部76及び赤外線センサ71による検出結果などの各種データを記憶する記憶部77を備えた制御装置75を有している。
【0098】
第4実施形態の調理支援システムにおける照射制御部76も、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングで、LED照射装置70からLED光L2が照射されるように、当該LED照射装置70の作動を制御する機能部である。上述したように、鍋振り等を行うためにガスバーナ4上から調理容器Tを移動させ、再度調理容器Tをガスバーナ4上に載置するタイミングは、調理容器Tの位置調整が必要な所定のタイミングである。ここで、ガスバーナ4が作動して炎が発生している間に鍋振り等を行うと、ガスバーナ4上から調理容器Tを移動させることで、ガスバーナ4で発生している炎の形状が、調理容器Tの底面に沿って側方に伸びた形状から上方に向けて伸びた形状に変化し、調理容器Tが存在位置には炎が検出されなくなる。
【0099】
そこで、第4実施形態の照射制御部76においては、赤外線センサ71での検出結果を受けて、炎が予め定めた所定領域内に存在している場合に、調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングであるとして、LED照射装置70の作動を制御し、当該LED照射装置70からLED光L2の照射を開始させる。尚、予め定めた所定領域とは、調理容器Tがガスバーナ4上に載置されている場合と載置されていない場合とを区別できる領域であれば、特に限定されるものでなく、本実施形態においては、本実施形態においては調理容器Tが配置されている場合には炎が検出されなくなる領域としている。
【0100】
尚、第4実施形態においても、照射制御部76は、LED照射装置70からのLED光L2の照射を開始させた場合、照射開始から一定時間経過後に、LED光L2の照射を停止させる。また、上記LED光L2の照射を停止させるまでの時間は、利用者が調理容器Tの位置調整に要する時間を考慮して適宜設定することができ、本実施形態においては、照射開始から10秒経過後にLED光L2の照射を停止させるようにしている。
【0101】
次に、第4実施形態に係る調理支援システムにおいて、LED照射装置70からのLED光L2の照射が制御される一連の流れについて、
図15のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、利用者が既に調理を開始している状態において鍋振りを行い、その後、利用者が調理をやめるためにガスバーナ4の消火を行うための操作を行う場合の流れに沿ったものである。
【0102】
工程#50において、制御装置75の照射制御部76は、赤外線センサ71からの検出結果を受けて、ガスバーナ4で発生している炎が予め定めた所定領域内に存在しているか否かを判定し、存在している場合には工程#51に移行して、照射制御部76によりLED照射装置70の作動が制御され、LED光L2の照射が開始される。一方、存在していない場合には工程#54に移行する。具体的に、利用者が鍋振りを行うために調理容器Tをガスバーナ4上から持ち上げた場合、ガスバーナ4で発生している炎の形状が、調理容器Tの底面に沿って側方に伸びた形状から上方に伸びた形状へと変化し赤外線センサ71によって検出される炎が所定領域内(調理容器Tが存在している場合に炎が検出されなくなる領域)に存在することになるため、照射制御部76において、ガスバーナ4で発生している炎が所定領域内に存在していると判定され、当該照射制御部76がLED照射装置70の作動を制御してLED照射装置70からのLED光L2の照射を開始させる。一方、利用者が鍋振り等を行っておらず、調理容器Tがガスバーナ4上に存在する場合には、赤外線センサ71によって検出される炎が所定領域内に存在しないことになるため、照射制御部76において、ガスバーナ4で発生している炎が所定領域内に存在していないと判定され、利用者が調理容器Tの位置調整を行う必要があるタイミングではないとして、LED光L2の照射は開始されない。
【0103】
工程#52において、照射制御部76は、LED照射装置70からのLED光L2の照射を開始してから一定時間(10秒間)経過したか否かを判定し、経過している場合には工程#53に移行し、当該工程#53において、照射制御部76がLED照射装置70の作動を制御してLED光L2の照射を停止させて、工程#50に戻る。具体的に、LED照射装置70からのLED光L2の照射を開始してから10秒経過した後にLED光L2の照射が停止される。
【0104】
工程#54において、制御装置75はバーナ消火信号を受信したか否かを判定し、バーナ消火信号を受信した場合には一連の制御が終了し、バーナ消火信号を受信していない場合には、工程#50に戻る。具体的に、利用者がガスバーナ4の消火を行うための操作を行った場合には、バーナ消火信号が制御装置75に送信され、調理を支援するための一連の制御が終了する。一方、バーナ消火信号を受信していない場合には、調理を支援するための一連の制御を続行する。
【0105】
以上のように、第4実施形態に係る調理支援システムによって、加熱正規位置たるガスバーナ4の中心位置にガスバーナ4の上方からLED光L2を照射することができ、利用者は、調理容器T表面などに現れる輝度の高い部分を基に、調理容器Tを適切な位置(調理容器Tを重心Tgがガスバーナ4の中心位置と一致する位置)に煩雑な作業を要することなく容易に配置することができる。
【0106】
更に、利用者が調理容器Tの位置調整を必要とする場合に加熱正規位置を示すLED光L2を照射し、利用者が調理容器Tの位置調整を必要としていないような場合はLED光L2の照射を行わないようにすることができるため、LED光L2の無駄な照射を抑えることができる。また、消費エネルギーを削減できる。加えて、LED光L2の照射を開始してから一定時間経過後に、当該LED光L2の照射を停止するようにしており、必要以上に照射時間が長くなることもない。また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。
【0107】
〔別実施形態〕
〔1〕上記第1実施形態において、ガスバーナ4の中心位置を中心とする所定の大きさの円Rを適正領域とし、この円R内に調理容器Tの重心Tgが存在する場合を、調理容器Tが適正領域内に存在していると判定するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、適正領域としての円内に調理容器T全体が収まっている場合を、調理容器Tが適正領域内に存在していると判定するようにしても良い。
また、上記第1実施形態において、カメラ35をハウジング11における前方側の周縁部下面に配置するようにしているが、カメラ35の配置位置は特に限定されるものではなく、少なくともガスバーナ4の周辺領域が撮像範囲に入るように適当な位置に配置すれば良い。
更に、第1実施形態では、調理容器Tが適正領域内に存在しない場合に、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始するようにしているが、これに限られるものではない。上述したように、鍋振り等の程度によっては、利用者に加熱正規位置を示す必要がない場合もある。そこで、調理容器Tが適正領域内に一定時間以上存在しない場合に、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始するようにしても良い。このようにすれば、加熱正規位置を示す必要性が低いタイミングでのLED光L1の照射を控えることができ、また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。尚、上記一定時間は、0.2秒以上1.5秒以下であることが好ましい。
【0108】
〔2〕第2実施形態においては、ガスバーナ4上に調理容器Tが予め定めた一定時間以上存在しない場合に、LED照射部20の作動を制御し、LED照射部20からのLED光L1の照射を開始させるようにしているが、これに限られるものではない。即ち、鍋底センサ4aでの検出結果を受けて、ガスバーナ4上に調理容器Tが存在しない場合に、即座にLED照射部20からのLED光L1の照射を開始させるようにしても良い。
【0109】
〔3〕第3実施形態においては、動き検知手段として超音波センサを用いるようにしているが、人や調理容器の動きを検知可能なものであれば、動き検知手段として他のセンサ等を用いても良い。
また、動き検知手段をLED照射装置から独立したものとし、ガスコンロGC周辺における人や調理容器の動きを検知可能な状態で適当な位置に配置するようにしても良い。
【0110】
〔4〕第4実施形態においては、炎検出手段として赤外線センサを用いるようにしているが、炎を検出可能なものであれば、炎検出手段として他のセンサ等を用いても良い。
また、炎検出手段をLED照射装置から独立したものとし、ガスバーナ4で発生している炎を検出可能な状態で適当な位置に配置するようにしても良い。
更に、第4実施形態においては、ガスバーナ4の炎が所定領域内に存在している場合に、LED照射装置70からのLED光L2の照射を開始するようにしているが、これに限られるものではない。上述したように、鍋振り等の程度によっては、利用者に加熱正規位置を示す必要がない場合もあるため、炎が所定領域内に一定時間以上存在している場合に、LED照射装置70からのLED光L2の照射を開始するようにしても良い。このようにすれば、加熱正規位置を示す必要性が低いタイミングでのLED光L2の照射を控えることができ、また、消費エネルギーの更なる削減を図ることができる。尚、上記一定時間は、0.2秒以上1.5秒以下であることが好ましい。
【0111】
〔5〕上記各実施形態において、照射制御部43,51,66,76は、照明点灯信号を受信した場合に、LED照射部20又はLED照射装置60,70の作動を制御してLED光L1,L2の照射を開始させ、照明消灯信号を受信した場合に、LED照射部20又はLED照射装置60,70の作動を制御してLED光L1,L2の照射を停止させるようにしても良い。
【0112】
〔6〕上記各実施形態では、LED照射部20又はLED照射装置60,70から照射される光の照射形状を点型とし、ガスバーナ4の中心位置に輝度の高い点が現れるようにしているが、照射される光の照射形状は、ガスバーナ4の中心位置を示す輝度の高い部分が現れる形状であれば特に限定されるものはなく、例えば、星形や十字型であっても良いし、調理容器Tの平面形状と略同じ形状の環であっても良い。
また、ガスバーナ4の中心位置に他の部分よりも輝度の高い点が現れるようにしているが、これに限られるものではなく、ガスバーナ4の中心位置近傍に他の部分よりも輝度の高い点が現れるようにしても良い。
更に、LED照射部20及びLED照射装置60,70の設置箇所も特に限定されるものではなく、単独又は反射部材30との組み合わせによって、ガスバーナ4に向けて上方からLED光を照射することができれば、設置箇所は適宜変更しても良い。
【0113】
〔7〕上記各実施形態において、調理支援システムがレンジフード10を備えた構成としたが、調理支援システムがレンジフードを備えていなくても良い。レンジフードを備えていない場合、例えば、トッププレート上にLED照射装置を載置し、天井に反射部材を配置し、LED照射装置から照射されたLED光を反射部材によってガスバーナ4に向けて反射させる構成を採用できる。
【0114】
〔8〕上記各実施形態では、コンロの一つの形態として、コンロがガスコンロである場合を例にとって説明したが、第1~第3実施形態においては、コンロがIHコンロであっても良い。
【0115】
〔9〕上記各実施形態では、ガスバーナ4の加熱正規位置を示す光をLEDを用いて照射するようにしているが、指向性の高い光であれば特に限定されるものではなく、レーザー等を用いるようにしても良い。
【0116】
〔10〕上記各実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、コンロの加熱部における加熱正規位置を利用者に示すことができ、利用者が調理容器を加熱部上の適切な位置に配置することができるようになり、更に、調理容器の位置調整が必要なタイミングで、加熱正規位置を利用者に示すことができる調理支援システムに利用できる。
【符号の説明】
【0118】
4 ガスバーナ
4a 鍋底センサ
20 LED照射部
35 カメラ
41 画像データ取得部
42 容器位置判定部
43,51,66,76 照射制御部
60,70 LED照射装置
61 超音波センサ
71 赤外線センサ
L1,L2 LED光
GC ガスコンロ
T 調理容器