(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】工作機械及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B23B 1/00 20060101AFI20221216BHJP
G05B 19/4093 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
B23B1/00 Z
G05B19/4093 M
(21)【出願番号】P 2018202337
(22)【出願日】2018-10-26
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】野口 賢次
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 仁志
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-177267(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045383(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/056526(WO,A1)
【文献】特開2013-059841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 1/00
B23B 37/00
B24B 1/04
G05B 19/4093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持するワーク保持手段と、
前記ワークを切削加工する工具を保持する刃物台と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の送り方向に相対移動させる送り手段と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを前記ワークの軸心を中心として相対回転させる回転手段と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の振動条件で前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させる振動手段と、
前記ワークと前記工具とを互いに相対回転させた状態で前記送り方向に相対移動させつつ前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて前記工具による前記ワークの振動切削加工を行うとともに、前記振動切削加工を行った後に前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの仕上げ代を前記工具により切削する仕上げ切削加工を行うように、前記送り手段、前記回転手段及び前記振動手段の作動を制御する制御部と、を有する工作機械であって、
前記振動切削加工を行う前に、前記振動条件に基づいて前記振動切削加工を実行したときに前記ワークに残る仕上げ代を算出
し、前記仕上げ代は、前記振動切削加工後に行う前記仕上げ切削加工における最大切取り量であり、且つ、前記最大切取り量は、前記ワークの切残し量及び前記工具の前記ワークへの切込み量の和である仕上げ代算出手段と、
前記仕上げ代算出手段により算出された前記仕上げ代が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに警告を発する警告手段を有する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに、前記仕上げ代が前記閾値以下となるように、前記振動切削加工の振動条件を変更する振動条件変更手段を有する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項4】
前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに、前記仕上げ代が前記閾値以下となるように、前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの前記仕上げ代の一部を前記工具により切削する加工を追加する加工追加手段を有する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項5】
前記振動切削加工が、互いに切込み量が相違する複数のパスに分けて行われるとともに、
前記振動切削加工の複数の前記パスが、所定回のパスが前回のパスによる切削加工済みの部分を通るように設定されている、請求項1~4の何れか1項に記載の工作機械。
【請求項6】
前記振動切削加工が前記ワークへのネジ切り加工である、請求項1~5の何れか1項に記載の工作機械。
【請求項7】
ワークを保持するワーク保持手段と、
前記ワークを切削加工する工具を保持する刃物台と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の送り方向に相対移動させる送り手段と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを前記ワークの軸心を中心として相対回転させる回転手段と、
前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の振動条件で前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させる振動手段と、を有する工作機械に用いられる制御装置であって、
前記ワークと前記工具とを互いに相対回転させた状態で前記送り方向に相対移動させつつ前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて前記工具による前記ワークの振動切削加工を行うとともに、前記振動切削加工を行った後に前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの仕上げ代を前記工具により切削する仕上げ切削加工を行うように、前記送り手段、前記回転手段及び前記振動手段の作動を制御する制御部と、
前記振動切削加工を行う前に、前記振動条件に基づいて前記振動切削加工を実行したときに前記ワークに残る仕上げ代を算出
し、前記仕上げ代は、前記振動切削加工後に行う前記仕上げ切削加工における最大切取り量であり、且つ、前記最大切取り量は、前記ワークの切残し量及び前記工具の前記ワークへの切込み量の和である仕上げ代算出手段と、
前記仕上げ代算出手段により算出された前記仕上げ代が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具によりワークを切削加工する工作機械及びその制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械として、ワークを保持するワーク保持手段と、ワークを切削加工する工具を保持する刃物台と、ワーク保持手段に保持されたワークと工具とを所定の送り方向に相対移動させる送り手段と、ワーク保持手段に保持されたワークと工具とをワークの軸心を中心として相対回転させる回転手段と、ワーク保持手段に保持されたワークと工具とを所定の振動条件でワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させる振動手段と、ワークと工具とを、互いに相対回転させた状態で送り方向に相対移動させつつワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて工具によるワークの振動切削加工を行うとともに、振動切削加工を行った後にワークと工具とをワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ送り方向に相対移動させてワークの仕上げ代を工具により切削する仕上げ切削加工を行うように、送り手段、回転手段及び振動手段の作動を制御する制御部と、を有する工作機械が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような工作機械では、互いに切込み量が相違する複数のパスに分けて振動切削加工を行う構成とするとともに、これら複数のパスを所定回のパスが前回のパスによる切削加工済みの部分を通る設定とすることで、振動切削加工時に工具によりワークが切削されない空振り期間を生じさせて、切屑を順次分断しながらワークの切削加工を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の工作機械では、振動切削加工においてワークを所定の径にまで振動切削加工しても、当該切削後のワークの表面には、工具の振動の軌跡に応じた形状で所定の径よりも径方向外側に突出する切残し部分が生じるので、振動条件によっては振動切削加工の完了後にワークに生じる切残し部分が大きくなり、ワークを仕上げ切削加工する際に、工具に過大な負荷が加わる虞があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、振動切削加工後に行う仕上げ切削加工において工具に過大な負荷が加わることを防止することが可能な工作機械及びその制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の工作機械は、ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の送り方向に相対移動させる送り手段と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを前記ワークの軸心を中心として相対回転させる回転手段と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の振動条件で前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させる振動手段と、前記ワークと前記工具とを互いに相対回転させた状態で前記送り方向に相対移動させつつ前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて前記工具による前記ワークの振動切削加工を行うとともに、前記振動切削加工を行った後に前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの仕上げ代を前記工具により切削する仕上げ切削加工を行うように、前記送り手段、前記回転手段及び前記振動手段の作動を制御する制御部と、を有する工作機械であって、前記振動切削加工を行う前に、前記振動条件に基づいて前記振動切削加工を実行したときに前記ワークに残る仕上げ代を算出し、前記仕上げ代は、前記振動切削加工後に行う前記仕上げ切削加工における最大切取り量であり、且つ、前記最大切取り量は、前記ワークの切残し量及び前記工具の前記ワークへの切込み量の和である仕上げ代算出手段と、前記仕上げ代算出手段により算出された前記仕上げ代が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の工作機械は、上記構成において、前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに警告を発する警告手段を有するのが好ましい。
【0009】
本発明の工作機械は、上記構成において、前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに、前記仕上げ代が前記閾値以下となるように、前記振動切削加工の振動条件を変更する振動条件変更手段を有するのが好ましい。
【0010】
本発明の工作機械は、上記構成において、前記判定手段により前記仕上げ代算出手段によって算出された前記仕上げ代が前記閾値を超えていると判定されたときに、前記仕上げ代が前記閾値以下となるように、前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの前記仕上げ代の一部を前記工具により切削する加工を追加する加工追加手段を有するのが好ましい。
【0011】
本発明の工作機械は、上記構成において、前記振動切削加工が、互いに切込み量が相違する複数のパスに分けて行われるとともに、前記振動切削加工の複数の前記パスが、所定回のパスが前回のパスによる切削加工済みの部分を通るように設定されているのが好ましい。
【0012】
本発明の工作機械は、上記構成において、前記振動切削加工が前記ワークへのネジ切り加工であるのが好ましい。
【0013】
本発明の制御装置は、ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の送り方向に相対移動させる送り手段と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを前記ワークの軸心を中心として相対回転させる回転手段と、前記ワーク保持手段に保持された前記ワークと前記刃物台に保持された前記工具とを所定の振動条件で前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させる振動手段と、を有する工作機械に用いられる制御装置であって、前記ワークと前記工具とを互いに相対回転させた状態で前記送り方向に相対移動させつつ前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて前記工具による前記ワークの振動切削加工を行うとともに、前記振動切削加工を行った後に前記ワークと前記工具とを前記ワークの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ前記送り方向に相対移動させて前記ワークの仕上げ代を前記工具により切削する仕上げ切削加工を行うように、前記送り手段、前記回転手段及び前記振動手段の作動を制御する制御部と、前記振動切削加工を行う前に、前記振動条件に基づいて前記振動切削加工を実行したときに前記ワークに残る仕上げ代を算出し、前記仕上げ代は、前記振動切削加工後に行う前記仕上げ切削加工における最大切取り量であり、且つ、前記最大切取り量は、前記ワークの切残し量及び前記工具の前記ワークへの切込み量の和である仕上げ代算出手段と、前記仕上げ代算出手段により算出された前記仕上げ代が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動切削加工後に行う仕上げ切削加工において工具に過大な負荷が加わることを防止することが可能な工作機械及びその制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態の工作機械の構成を概略で示す図である。
【
図2】
図1に示す工作機械の工具とワークとの関係を概略で示す図である。
【
図3】ワークに対する工具の加工経路を示す説明図である。
【
図4】加工プログラムのチェック手順を示すフローチャート図である。
【
図5】仕上げ切削加工を複数回のパスに分けて行う場合のワークに対する工具の加工経路を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ例示説明する。
【0017】
図1に示す本発明の一実施の形態である工作機械100は、軸心をZ軸方向に向けて配置された主軸110を有している。主軸110は先端にチャック120を備えており、チャック120によりワークWを保持することができる。すなわち、主軸110はワークWを保持するワーク保持手段として構成されている。
【0018】
主軸110に保持されるワークWとしては、例えば鋼材等の金属材料によって断面円形の棒状に形成された部材を用いることができる。
【0019】
工作機械100は切削工具台130Aを備えている。切削工具台130Aは、ワークWを切削加工するバイト等の工具130を保持する刃物台として構成されており、切削工具台130Aには工具130が装着されている。
【0020】
主軸110は、図示しない主軸モータの動力によって回転駆動されるように主軸台110Aに支持されている。主軸モータとしては、例えば、主軸台110Aの内部において主軸台110Aと主軸110との間に構成されるビルトインモータ等を採用することができる。主軸110が回転することにより、主軸110に保持されたワークWと切削工具台130Aに保持された工具130とが主軸110の軸心を中心として相対的に回転する。すなわち、主軸110は、主軸110に保持されたワークWと工具130とをワークWないし主軸110の軸心を中心として相対回転させる回転手段としての機能を有している。
【0021】
工作機械100のベッド側にはX軸方向送り機構150が設けられている。X軸方向送り機構150は、ベッド側と一体的なベース151と、Z軸方向に対して上下方向で直交するX軸方向に延びるX軸方向ガイドレール152とを備えている。X軸方向ガイドレール152はベース151に固定されている。X軸方向ガイドレール152には、X軸方向送りテーブル153がX軸方向ガイド154を介してスライド自在に支持されている。
【0022】
X軸方向送りテーブル153には、リニアサーボモータ155の可動子155aが設けられ、ベース151には、リニアサーボモータ155の固定子155bが設けられている。X軸方向送りテーブル153は、リニアサーボモータ155により駆動されてX軸方向ガイドレール152に沿ってX軸方向に移動することができる。
【0023】
切削工具台130AはX軸方向送りテーブル153に搭載されている。X軸方向送りテーブル153がX軸方向に移動すると、X軸方向送りテーブル153とともに切削工具台130AがX軸方向に移動し、工具130のX軸方向への移動が行われる。
【0024】
また、X軸方向送りテーブル153は、工具130をワークWに対して所定の切込み量(切込み深さ)となるようにX軸方向へ移動させた後、切削加工の際に、切削工具台130Aに保持された工具130を主軸110に保持されたワークWに対して、主軸110の軸心(Z軸方向)に垂直なX軸方向に所定の振動条件で相対的に振動させることができる。すなわち、X軸方向送り機構150は、主軸110に保持されたワークWと工具130とを所定の振動条件でワークWの軸心に垂直なX軸方向に相対的に振動させる振動手段としての機能を有している。
【0025】
工作機械100のベッド側にはZ軸方向送り機構160が設けられている。Z軸方向送り機構160は、ベッド等のZ軸方向送り機構160の固定側と一体的なベース161と、Z軸方向に延びてベース161に固定されたZ軸方向ガイドレール162とを備えている。Z軸方向ガイドレール162には、Z軸方向送りテーブル163がZ軸方向ガイド164を介してスライド自在に支持されている。
【0026】
Z軸方向送りテーブル163には、リニアサーボモータ165の可動子165aが設けられ、ベース161には、リニアサーボモータ165の固定子165bが設けられている。Z軸方向送りテーブル163は、リニアサーボモータ165により駆動されてZ軸方向ガイドレール162に沿ってZ軸方向に移動することができる。
【0027】
主軸台110AはZ軸方向送りテーブル163に搭載されている。Z軸方向送りテーブル163がZ軸方向に移動すると、Z軸方向送りテーブル163とともに主軸台110AがZ軸方向に移動し、主軸110のZ軸方向への移動が行われる。
【0028】
X軸方向送り機構150とZ軸方向送り機構160とが協動して動作することにより、主軸110に保持されたワークWと切削工具台130Aに保持された工具130とを所定の送り方向に相対移動させることができる。すなわち、X軸方向送り機構150よるX軸方向への切削工具台130A(工具130)の移動と、Z軸方向送り機構160による主軸台110A(主軸110)のZ軸方向への移動とにより、主軸110に保持されたワークWと工具130とを任意の送り方向に相対的に移動させることができる。このように、X軸方向送り機構150とZ軸方向送り機構160は、送り手段として構成されている。
【0029】
図2に示すように、主軸モータにより主軸110を回転駆動してワークWと工具130とを相対的に回転させた状態で、ワークWと工具130とを任意の送り方向に相対的に移動させつつワークWの軸心に垂直な方向(切込み方向)に相対的に振動させることにより、工具130によってワークWを振動切削する振動切削加工を行うことができる。また、振動切削加工を行った後、ワークWと工具130とを、ワークWの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく、相対的に回転させた状態で任意の送り方向に相対的に移動させることにより、ワークWの仕上げ代を工具130により切削する仕上げ切削加工を行うことができる。
【0030】
工作機械1は制御装置Cを有している。制御装置Cとしては、例えば、CPU(中央演算処理装置)等の演算部とメモリ等の記憶部とを備えたマイクロコンピュータを用いることができる。制御装置Cには、例えば、振動切削加工や仕上げ切削加工の加工プログラムが入力され、記憶部に記憶されている。加工プログラムは、振動切削加工におけるワークWに対する工具130の振動の振動条件を含む。
【0031】
主軸110(主軸モータ)、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160は制御装置Cに接続されている。
【0032】
制御装置Cは制御部C1としての機能を有している。制御部C1は、記憶部に記憶された加工プログラムに基づいて、上記振動切削加工及び仕上げ切削加工を行うように、主軸110、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160の作動を制御する。すなわち、制御部C1は、ワークWと工具130とを互いに相対回転させた状態で送り方向に相対移動させつつワークWの軸心に垂直な方向に相対的に振動させて工具130によるワークWの振動切削加工を行うように、主軸110、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160の作動を制御する。上記した振動切削加工における工具130の振動は、記憶部に記憶された加工プログラム中の振動条件に基づいて実行される。また、制御部C1は、上記の振動切削加工を行った後、ワークWと工具130とをワークWの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ送り方向に相対移動させてワークWの仕上げ代を工具130により切削する仕上げ切削加工を行うように、主軸110、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160の作動を制御する。
【0033】
図3に示すように、本実施の形態においては、工作機械1は、上記の振動切削加工が、互いに切込み量が相違する複数のパスに分けて行われる構成となっている。すなわち、工作機械1は、ワークWの軸方向の同一の送り位置において、ワークWに対する工具130の切込み量をパス毎に徐々に大きくしながら工具130による振動切削加工を繰り返し行うことで、ワークWに所定の切込み量の加工を行う。
【0034】
また、上記構成において、振動切削加工の上記した複数のパスは、所定回のパスが前回のパスによる切削加工済みの部分を通るように設定されている。すなわち、振動切削加工における工具130の所定回のパスが前回のパスに対して位相が所定の角度(図示する場合では180度)だけずらされることにより、所定回のパスがワークWの前回のパスよる切削加工済みの部分を通るように設定されている。ワークWの外周面の所定回のパスによる切削部分に、前回のパスの切削済みの部分が含まれる設定とすることで、工作機械1は、振動切削加工時に、当該部分において切削中に工具130がワークWに対して何ら切削を行わずに空削りする空振り期間を生じさせて、切屑を順次分断しながらワークWの切削加工を行うことができる。これにより、振動切削加工時における切屑の処理を容易にすることができる。
【0035】
図3においては、振動切削加工における複数のパスのうち最後の4回のパスをパスn-4、パスn-3、パスn-2及びパスn-1として示し、仕上げ切削加工のパスをパスnとして示す。なお、各パスにおいて、nは自然数である。振動切削加工のパスは4回に限らず、任意に設定することができる。
【0036】
図2に示すように、本実施の形態においては、上記した振動切削加工は、ワークWの外周面に螺旋状のネジ溝を切削加工するネジ切り加工である。上記した振動切削加工でワークWにネジ切り加工を行うことで、当該加工後のネジ溝に切屑が絡み付くことを防止して、当該ネジ切り加工を効率良く且つ正確に行うことができる。
【0037】
制御装置Cは仕上げ代算出手段C2としての機能を有している。仕上げ代算出手段C2は、振動切削加工を行う前、より具体的には制御装置Cに加工プログラムが入力された後であって当該加工プログラムに基づいて工具130によるワークWの振動切削加工を実行する前に、記憶部に記憶されている加工プログラムに基づいて、当該加工プログラムに基づいて工具130によるワークWの振動切削加工を実行したときに、当該振動切削加工の完了後にワークWに残ると予測される仕上げ代を算出する。仕上げ代は、振動切削加工の後に行われる仕上げ切削加工においてワークWから切削されて除去される部分である。
【0038】
仕上げ代算出手段C2による仕上げ代の算出についてより具体的に説明する。
【0039】
ワークWが所定の外径となるように工具130の切込み量を設定して振動切削加工の最後のパスにおける加工を行うと、ワークWの外周面には工具130の振動による軌跡に応じた形状で所定の径よりも径方向外側に突出する切残し部分が生じることになる。特に、振動切削加工の複数のパスを、所定回のパスが前回のパスによる切削加工済みの部分を通るように設定した場合には、ワークWの外周面には、最後のパスとその1回前のパスにおける工具130の軌跡に応じた形状で所定の径よりも径方向外側に突出する切残し部分が生じることになる。仕上げ代算出手段C2は、記憶部に記憶されている加工プログラムに基づいて振動切削加工を行ったときに、上記のようにワークWの外周面に生じると予測される切残し量(切残し部分の径方向の高さ)を加工プログラム(及びワークWの形状、外径等)に基づいて算出する。そして、仕上げ代算出手段C2は、算出した切残し量に、仕上げ切削加工における工具130のワークWへの切込み量を加えることで、仕上げ切削加工における仕上げ代、すなわち仕上げ切削加工のパスにおいて工具130がワークWから切削除去する最大切取り量を算出する。仕上げ切削加工がゼロカットで指令されている場合には、算出した切残し量が仕上げ代ないし最大切取り量となる。
【0040】
本実施の形態では、
図3に示すように、振動切削加工の複数のパスは、工具130のワークWの軸心に垂直な方向の振動の振幅が、所定回のパスにおいて前回のパスよりも小さくなるように設定されている。当該設定により、振動切削加工を完了したときにワークWに残る切残し量を低減することができる。なお、振動切削加工の全てのパスで振動の振幅が同一に設定される構成とすることもできる。
【0041】
制御装置Cは判定手段C3としての機能を有している。判定手段C3は、仕上げ代算出手段C2により算出された仕上げ代(最大切取り量)が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
【0042】
判定手段C3による判定に用いられる所定の閾値は、ワークWの材質、形状、外径、工具130の材質、形状、主軸110の回転速度、その他の切削条件等に応じて適宜設定される値であり、予め実験等により定められて制御装置Cに入力され、記憶部に記憶されている。閾値は、仕上げ切削加工において切削される想定切取り量の倍数で設定してもよく、絶対値で設定することもできる。
【0043】
仕上げ代算出手段C2により算出された仕上げ代(最大切取り量)が所定の閾値以下であると判定手段C3により判定されると、制御装置Cは、記憶部に記憶されている加工プログラムに異常が無いと判断し、操作者から加工実施の指令が入力されたときに加工を実施可能な状態とされる。
【0044】
一方、制御装置Cは、警告手段C4としての機能を有しており、判定手段C3により仕上げ代算出手段C2によって算出された仕上げ代(最大切取り量)が所定の閾値を超えていると判定されたときには、警告手段C4により、記憶部に記憶されている加工プログラムにエラー(異常)があることを示す警告が発せられる。本実施の形態では、警告手段C4は、例えば制御装置Cに設けられたモニタに当該エラーがあることを表示することで警告を発する構成とされている。
【0045】
なお、警告手段C4は、仕上げ代算出手段C2によって算出された仕上げ代が所定の閾値を超えていることで加工プログラムにエラーがあることを工作機械1の操作者に認識させることができれば、例えば制御装置Cに接続された警告灯を点燈する構成としたり、制御装置Cに接続された警報発生源から警報音を発する構成としたりするなど、他の方法ないし構成で警告を発する構成とすることもできる。
【0046】
次に、
図4に基づいて本実施の形態の工作機械1において、ワークWに所定の形状のネジ切り加工を行う前に、当該加工のために制御装置Cに入力された加工プログラムのエラーをチェックする手順について説明する。
【0047】
加工プログラムが制御装置Cに入力されると、振動切削加工が行なわれる前に、ステップS1において、仕上げ代算出手段C2は、記憶部に記憶された加工プログラムに基づき、当該加工プログラムに基づいて工具130によるワークWの振動切削加工を実行したときに当該振動切削加工の完了後にワークWに残る切残し量を算出する。
【0048】
次に、ステップS2において、仕上げ代算出手段C2が、ステップS1において算出した切残し量に、仕上げ切削加工における工具130のワークWへの切込み量(加工プログラムに記載されている)を加えて、仕上げ切削加工における仕上げ代、すなわち仕上げ切削加工のパスにおけるワークWからの最大切取り量を算出する。
【0049】
次に、ステップS3において、予め設定されて記憶部に記憶されている閾値が呼び出されると、ステップS4において、判定手段C3が、ステップS2において算出された切取り量(仕上げ代)がステップS4において呼び出された所定の閾値以下であるか否かを判定する。
【0050】
ステップS4において、判定手段C3によって切取り量が閾値以下であると判定されると、ステップS5において、制御装置Cが加工プログラムに異常がないと判断し、加工プログラムのエラーのチェックが終了する。
【0051】
上記チェックにおいて加工プログラムに異常がないと判断された場合には、工作機械1はワークWの加工を実施可能な状態とされる。したがって、制御装置Cに操作者から加工実施の指令が入力されると、制御部C1が主軸110、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160の作動を制御して、ワークWに対する振動切削加工及び仕上げ切削加工が順次実行される。
【0052】
一方、ステップS4において、切取り量が閾値を超えていると判定されると、ステップS6において、警告手段C4により制御装置Cのモニタに加工プログラムにエラー(異常)があることが表示される。モニタにエラーが表示されることにより、操作者は、当該加工プログラムに基づいてワークWの加工を実施すると、仕上げ切削加工において工具130が切削する仕上げ代(最大切取り量)が大きくなって、工具130に過大な負荷が加わる虞があることを認識することができる。当該エラーを認識した操作者は、制御装置Cに記憶させた加工プログラムにおける振動条件等を修正することができる。
【0053】
警告手段C4による警告が発生られたときに、制御装置Cのモニタに、振動切削加工における工具130の振動の波形ないしコンター図(振動の輪郭の図)を表示する構成とすることもできる。これにより、切残し量ないし最大切取り量を操作者に直感的に認識させて、加工プログラムの操作者の手動による修正を容易に行い得るようにすることができる。
【0054】
工作機械1では、X軸方向送り機構150の機械的な追従性の限界ないし切屑を確実に分断するとの要求により、振動切削加工における工具130の振幅を、仕上げ切削加工において工具130が切削する最大切取り量を閾値以下となる程度にまで小さくすることが出来ない場合がある。この場合、当該加工プログラムに基づいてワークWの加工を実行すると、仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わる虞がある。
【0055】
これに対し、本実施の形態の工作機械1では、ワークWの加工を実行する前に、加工プログラムのエラーをチェックすることにより、操作者が、ワークWを実際に加工する前に、仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わる虞があることを認識することができる。これにより、ワークWの加工を実行する前に加工プログラムを修正することが可能となるので、エラーを有する加工プログラムに基づいてワークWが加工されることを未然に防止して、振動切削加工後に行う仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わることを防止することができる。また、工具130に過大な負荷が加わることを防止することで、工具130に破損等が生じることを防止することができる。
【0056】
特に、工作機械1によってワークWにネジ切り加工を行う場合には、振動切削加工の完了後にワークWに生じる切残し量が大きくなると、ワークWを仕上げ切削加工する際に工具130に加わる負荷か顕著に大きくなり、工具130に破損の虞や寿命の低減を生じさせるとともに仕上げ面の精度が低下する虞があるが、本実施の形態の工作機械1によれば、ワークWにネジ切り加工を行う場合であっても、エラーを有する加工プログラムに基づいてワークWが加工されることを未然に防止して、振動切削加工後に行う仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わることを防止することができる。これにより、工作機械1によってワークWにネジ切り加工を行う場合において、工具130の寿命を向上させるとともに、ネジ切り部分の仕上げ精度を高めることができる。
【0057】
さらに、本実施の形態の工作機械1によれば、加工プログラムに基づいて工具の軌跡の画像を算出し、当該画像における工具の軌跡と目標のワークの形状とを画像上で比較することで加工時にワークに過大な負荷が加わるか否かを判定する方法に比べて、より容易かつ正確に、仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わる虞があることを判定することができる。
【0058】
本実施の形態では、
図4のステップS4において、切取り量が閾値を超えていると判定されたときに、ステップS6において、警告手段C4により制御装置Cのモニタに加工プログラムにエラー(異常)があることを表示する構成とし、当該エラーを認識した操作者が加工プログラムを修正する構成としているが、ステップS4において切取り量が閾値を超えていると判定されたときに、ステップS6において、加工プログラムを制御装置Cにより自動的に修正する構成とすることもできる。
【0059】
この場合、例えば、
図1に二点鎖線で示すように、制御装置Cに振動条件変更手段C5としての機能を設けた構成とすることができる。振動条件変更手段C5は、ステップS4において切取り量が閾値を超えていると判定されたときに、切取り量(仕上げ代)が閾値以下となるように加工プログラムに含まれる振動切削加工の振動条件を自動的に変更する。振動条件変更手段C5は、例えば、振動切削加工の振動条件を、振動切削加工の最後のパスの振幅を修正前よりも小さくするように修正する。これにより、振動切削加工が完了した後にワークWの外周面に残る切残し量(切残し部分の径方向の高さ)を修正前よりも小さくして、仕上げ切削加工において工具130が切削する最大切取り量を閾値以下とすることができる。
【0060】
振動条件変更手段C5は、ステップS4において切取り量が閾値を超えていると判定されたときに、振動切削加工の振動条件を、振動切削加工の最後のパスの振幅を修正前よりも小さくするように修正する構成に限らず、振動切削加工の最後のパスに加えてその前回のパスの振幅を修正前よりも小さくするように修正するなど、振動切削加工が完了した後にワークWの外周面に残る切残し量を修正前よりも小さくすることができれば、当該修正の方法は種々変更可能である
【0061】
また、例えば、
図1に二点鎖線で示すように、制御装置Cに、振動条件変更手段C5に替えて加工追加手段C6としての機能を設けた構成とすることができる。加工追加手段C6は、ステップS4において切取り量が閾値を超えていると判定されたときに、
図5に示すように、振動切削加工の後であって仕上げ切削加工の前に、ワークWと工具130とをワークWの軸心に垂直な方向に相対的に振動させることなく互いに相対回転させつつ送り方向に相対移動させてワークWの仕上げ代の一部を工具130により切削する加工(
図5において、nパスとして示す)を追加する。当該追加の加工は、仕上げ代の一部を切削加工する際の切取り量が上記した閾値以下となるように設定される。1度の追加の加工では、仕上げ代を上記した閾値以下とすることができない場合には、それぞれ切取り量が上記した閾値以下となる複数の加工を追加して、これらの追加の加工により仕上げ代を順次切削除去する構成とすることもできる。このような構成により、仕上げ切削加工が行われる前に、ワークWの外周面に残る切残し量(切残し部分の径方向の高さ)を修正前よりも小さく加工することができる。これにより、仕上げ切削加工(
図5において、n+1パスとして示す)において工具130が切削する最大切取り量を閾値以下として、仕上げ切削加工において工具130に過大な負荷が加わることを防止することができる。
【0062】
上記した振動条件変更手段C5を設けた構成では、X軸方向送り機構150の機械的な追従性の限界ないし切屑を確実に分断するとの要求により、振動切削加工における工具130の振幅を、仕上げ切削加工において工具130が切削する最大切取り量を閾値以下となる程度にまで小さくすることが出来ない場合があるが、加工追加手段C6を設けた構成とすれば、このような場合でも、仕上げ切削加工において工具130が切削する最大切取り量を閾値以下とすることができる。また、追加の加工のパスは、振動切削加工において加工済みの部分を通るので、切屑を分断しつつ切削加工を行うことができる。
【0063】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0064】
本実施の形態においては、主軸台110Aと切削工具台130Aの両方を移動する構成としているが、主軸台110Aまたは切削工具台130Aの何れか一方を工作機械100のベッド側に移動不能に固定し、何れか他方をX軸方向及びZ軸方向に移動させる構成とすることもできる。
【0065】
本実施の形態においては、X軸方向送り機構150及びZ軸方向送り機構160を、それぞれリニアサーボモータ155、165によって駆動される構成としているが、ボールネジとサーボモータとを備えたものなど、他の駆動装置等によって駆動される構成とすることもできる。
【0066】
本実施の形態においては、工具130に対してワークWを回転させる構成としたが、ワークWに対して工具130を回転させる構成としてもよい。この場合、工具130としてドリル等の回転工具が考えられる。
【0067】
本実施の形態においては、工作機械1は、X軸方向送り機構150とZ軸方向送り機構160とに加えて、主軸110に保持されたワークWと工具130とを、Z軸方向及びX軸方向に直交するY軸方向に相対移動させるY軸方向送り機構を備えた構成とすることもできる。Y軸方向送り機構は、X軸方向送り機構150と同様の構造とすることができる。
【0068】
本実施の形態においては、工作機械1を、ワークWにネジ切り加工を行うものとしたが、これに限らず、ワークWにネジ切り以外の切削加工を行うものとすることもできる。
【符号の説明】
【0069】
100 工作機械
110 主軸
110A 主軸台
120 チャック
130 工具
130A 切削工具台
150 X軸方向送り機構
151 ベース
152 X軸方向ガイドレール
153 X軸方向送りテーブル
154 X軸方向ガイド
155 リニアサーボモータ
155a 可動子
155b 固定子
160 Z軸方向送り機構
161 ベース
162 Z軸方向ガイドレール
163 Z軸方向送りテーブル
164 Z軸方向ガイド
165 リニアサーボモータ
165a 可動子
165b 固定子
C 制御装置
C1 制御部
C2 仕上げ代算出手段
C3 判定手段
C4 警告手段
C5 振動条件変更手段
C6 加工追加手段