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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】端末
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20221216BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20221216BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221216BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04B7/06 984
H04W72/04 136
H04W72/04 131
H04W72/04 133
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018558940
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2017043281
(87)【国際公開番号】W WO2018123441
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2016252004
(32)【優先日】2016-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 敬佑
(72)【発明者】
【氏名】武田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】Intel Corporation,On Phase Tracking for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611981,2016年11月06日,[検索美:2017.06.06],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611981.zip>
【文献】LG Electronics,Reference Signal for Frequency offset and Phase Tracking[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611809,2016年11月05日,[検索日:2017.06.05],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611809.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Reference signal design for phase tracking[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611240,2016年11月05日,[検索日:2017.06.01],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611240.zip>
【文献】National Instruments,Study of Time and Frequency Density of Phase Noise RS[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1612624,2016年11月04日,[検索日:2017.06.14],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1612624.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Reference signal design for phase noise compensation in HF[online], 3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1608822,2016年10月01日,[検索日:2016.12.09],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1608822.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/06
H04W 72/04
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、
特定した前記時間方向の密度、及び、特定した前記周波数方向の密度に基づいて、前記PT-RSを受信する受信部と、
を具備し、
前記PT-RSのマッピング設定は、DM-RS(Demodulation Reference Signal)のアンテナポートに対応付けられている、
末。
【請求項2】
端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、
特定した前記時間方向の密度、及び、特定した前記周波数方向の密度に基づいて、前記PT-RSを受信する受信部と、
を具備し、
前記時間方向の密度は、複数のレイヤに共通に設定される、
末。
【請求項3】
端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、
特定した前記時間方向の密度、及び、特定した前記周波数方向の密度に基づいて、前記PT-RSを受信する受信部と、
を具備し、
前記PT-RSのマッピング設定は、複数のレイヤに個別に設定される、
末。
【請求項4】
端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、
特定した前記時間方向の密度、及び、特定した前記周波数方向の密度に基づいて、前記PT-RSを受信する受信部と、
を具備し、
前記PT-RSがマッピングされる前記リソースは、端末毎に設定される、
末。
【請求項5】
端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、
特定した前記時間方向の密度、及び、特定した前記周波数方向の密度に基づいて、前記PT-RSを受信する受信部と、
を具備し、
前記PT-RSがマッピングされる前記リソースは、キャリア周波数毎に設定される、
末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける端末に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTEからの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継システム(例えば、LTE-A(LTE-Advanced)、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、5G+(5G plus)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれる)も検討されている。
【0003】
将来の無線通信システム(例えば、5G)では、超高速、大容量化、超低遅延などの要求を達成するために、広帯域の周波数スペクトルを利用することが検討されている。このため、将来の無線通信システムでは、既存のLTEシステムにおいて用いられる周波数帯よりも高い周波数帯(例えば、30~70GHz帯)を用いること、及び、多数のアンテナ素子を用いる大規模(Massive)MIMO(Multiple Input Multiple Output)を用いることが検討されている。
【0004】
また、将来の無線通信システムでは、サブフレーム内におけるチャネル推定及び信号復調に要する処理時間の短縮を実現するため、復調用参照信号(例えば、DMRS(Demodulation Reference Signal)。以下、「復調用RS」と呼ぶこともある)を、サブフレームの前方にマッピングすることが検討されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 36.300 v13.4.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 13),” June 2016
【文献】R1-165575, Qualcomm, Ericsson, Panasonic, NTT Docomo, ZTE, Convida, Nokia, ASB, Sony, Intel, “Way Forward On Frame Structure,” May 2016.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サブフレームの前方に復調用RSをマッピングする場合、ユーザ端末(UE:User Equipment)では、単に、復調用RSに基づくチャネル推定値を用いて復調を行うと、チャネルの時間変動に追従できず、位相の時間的変動(位相変動)の影響に起因して、チャネル推定精度が劣化してしまう。このため、サブフレーム内において位相変動を補正するための補正用参照信号(以下、「補正用RS」と呼ぶこともある)をマッピングすることが考えられる。しかしながら、補正用RSのマッピング方法については十分に検討がなされていない。
【0007】
本発明の一態様は、補正用RSを効率良くマッピングできるユーザ端末及び無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る端末は、端末にスケジュールされたMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて、下りリンクのリソースにマッピングされたPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)の時間方向の密度を特定し、前記端末にスケジュールされたリソースブロック数に基づいて、前記PT-RSの周波数方向の密度を特定する制御部と、前記PT-RSを受信する受信部と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、補正用RSを効率良くマッピングできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る無線基地局の構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図3A】実施の形態1に係る補正用RSが送信される場合のマッピング例を示す図である。
図3B】実施の形態1に係る補正用RSが送信されない場合のマッピング例を示す図である。
図4A】実施の形態2に係る補正用RSが送信される場合のマッピング例を示す図である。
図4B】実施の形態2に係る補正用RSが送信されない場合のマッピング例を示す図である。
図5A】実施の形態3に係る補正用RSのマッピング例を示す図である。
図5B】実施の形態3に係る補正用RSのマッピング例を示す図である。
図5C】実施の形態3に係る補正用RSのマッピング例を示す図である。
図6】復調用RSの第1のマッピング例を示す図である。
図7】復調用RSの第2のマッピング例を示す図である。
図8】本発明に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
上述したように、復調用RSをサブフレームの前方にマッピングした場合には位相変動を補正するための補正用RSをマッピングすることが考えられる。ユーザ端末は、補正用RSを用いて位相変動を補正しつつ、チャネル推定を行う方法により、チャネル推定精度の劣化を抑えられる。
【0013】
ところで、位相雑音の影響は、ユーザ端末に対して設定される各種パラメータ(例えば、キャリア周波数、変調方式等)によって異なる。例えば、キャリア周波数、変調方式(変調多値数又はMCS(Modulation and Coding Scheme)インデックス)が低い場合には、位相雑音の影響は比較的小さくなる一方、キャリア周波数、変調方式が高い場合には、位相雑音の影響は比較的大きくなる。
【0014】
よって、位相雑音の影響が比較的小さい場合には、ユーザ端末は、補正用RSを用いなくても復調処理を精度良く行える可能性が高い。すなわち、位相雑音の影響が比較的小さい場合には、ユーザ端末に対する補正用RSは不要となる。
【0015】
このため、例えば、仮に、各サブフレームにおいて補正用RSをマッピング(挿入)する設定では、上述したような補正用RSが不要となるユーザ端末に対しては、補正用RSのオーバヘッドの増大に起因してスループット低下を招いてしまうという課題が生じる。
【0016】
そこで、本実施の形態では、ユーザ端末にシグナリングされるパラメータに基づいて、補正用RSをマッピングするか否か(すなわち、マッピングのon/off)を決定する。
【0017】
<無線通信システム>
本実施の形態に係る無線通信システムは、少なくとも、図1に示す無線基地局10及び図2に示すユーザ端末20を備える。ユーザ端末20は、無線基地局10に接続(アクセス)している。無線基地局10は、ユーザ端末20に対して、下り制御チャネル(例えば、PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を用いてDL制御信号を送信し、下りデータチャネル(例えば、下り共有チャネル:PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を用いてDLデータ信号、復調用RS及び補正用RSを送信する。
【0018】
<無線基地局>
図1は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。図1に示す無線基地局10は、制御部101と、送信信号生成部102と、符号化・変調部103と、マッピング部104と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部105と、送信部106と、アンテナ107と、を含む構成を採る。
【0019】
制御部101(スケジューラ)は、DLデータ信号、DL制御信号、復調用RS及び補正用RS等のスケジューリング(例えば、リソース割当)を行う。制御部101は、各サブフレームの先頭のシンボルに復調用RSがマッピングされ、各サブフレームの所定のサブキャリアの先頭以外の所定のシンボルに補正用RSがマッピングされるようにスケジューリングを行う。また、制御部101は、ユーザ端末20に設定された情報(パラメータ)に基づいて、当該ユーザ端末20に対する補正用RSのマッピングの有無(マッピングパターン)を設定する。なお、補正用RSのマッピング(配置)設定の詳細については後述する。
【0020】
制御部101は、スケジューリング結果を示すスケジューリング情報を送信信号生成部102及びマッピング部104に出力する。
【0021】
また、制御部101は、例えば、無線基地局10と端末20との間のチャネル品質に基づいて、DLデータ信号のMCS(符号化率、変調方式等)を設定し、MCS情報を送信信号生成部102及び符号化・変調部103へ出力する。なお、DLデータ信号に対するMCSは、無線基地局10が設定する場合に限定されず、後述するようにユーザ端末20が設定してもよい。ユーザ端末20がMCSを設定する場合、無線基地局10は、ユーザ端末20からMCS情報を受信すればよい(図示せず)。
【0022】
送信信号生成部102は、送信信号(DLデータ信号、DL制御信号を含む)を生成する。例えば、DL制御信号には、制御部101から出力されたスケジューリング情報(例えば、DLデータ信号のリソース割当情報)又はMCS情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)が含まれる。送信信号生成部102は、生成した送信信号を符号化・変調部103に出力する。
【0023】
符号化・変調部103は、例えば、制御部101から入力されるMCS情報に基づいて、送信信号生成部102から入力される送信信号に対して、符号化処理及び変調処理を行う。符号化・変調部103は、変調後の送信信号をマッピング部104に出力する。
【0024】
マッピング部104は、制御部101から入力されるスケジューリング情報に基づいて、符号化・変調部103から入力される送信信号を所定の無線リソース(下りリンクリソース)にマッピングする。また、マッピング部104は、スケジューリング情報に基づいて、参照信号(復調用RS又は補正用RS)を所定の無線リソース(下りリンクリソース)にマッピングする。なお、補正用RSは、例えば、ユーザ端末20毎に個別の参照信号(UE specific RS)であっても、ユーザ端末20間において共通の参照信号(common RS)でもよい。マッピング部104は、無線リソースにマッピングされたDL信号をIFFT部105に出力する。
【0025】
IFFT部105は、マッピング部104から入力される周波数領域信号であるDL信号に対してIFFT処理を行い、時間領域信号であるDL信号(つまり、OFDMシンボルで構成される信号)を送信部106に出力する。なお、図1及び図2では、DL信号の信号波形の一例としてOFDM変調に基づく信号波形を用いた。しかし、DL信号の信号波形は、これに限定されず、他の方式(例えば、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)又はDFT-S-OFDM(DFT-Spread-OFDM))に基づく信号波形でもよい。
【0026】
送信部106は、IFFT部105から入力されるベースバンドのDL信号に対して、アップコンバート、増幅等の送信処理を行い、無線周波数信号(DL信号)をアンテナ107から送信する。
【0027】
<ユーザ端末>
図2は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。図2に示すユーザ端末20は、アンテナ201と、受信部202と、FFT(Fast Fourier Transform)部203と、信号分離部204と、制御部205と、チャネル推定部206と、チャネル補正部207と、復調・復号部208と、を含む構成を採る。
【0028】
受信部202は、アンテナ201において受信された無線周波数信号(DL信号)に対して、増幅、ダウンコンバート等の受信処理を行い、ベースバンドのDL信号をFFT部203に出力する。
【0029】
FFT部203は、受信部202から入力される時間領域信号であるDL信号に対してFFT処理を行い、周波数領域信号であるDL信号を信号分離部204に出力する。
【0030】
信号分離部204は、FFT部203から入力されるDL信号からDL制御信号、復調用RS及び補正用RSを分離(デマッピング)し、復調用RSをチャネル推定部206に出力し、補正用RSをチャネル補正部207に出力し、DL制御信号を復調・復号部208に出力する。なお、信号分離部204は、ユーザ端末20に対して設定されたパラメータに基づいて、補正用RSのマッピング設定(マッピングパターン)を特定する。補正用RSのマッピング(配置)方法の詳細については後述する。また、補正用RSは復調用RSとともにチャネル推定部206に出力されてもよい。
【0031】
また、信号分離部204は、復調・復号部208から入力されるスケジューリング情報(例えば、リソース割当情報)に基づいて、DL信号からDLデータ信号を分離(デマッピング)し、DLデータ信号を復調・復号部208に出力する。
【0032】
制御部205は、例えば、無線基地局10と端末20との間のチャネル品質に基づいて、DLデータ信号の符号化及び変調に使用されるMCS(符号化率及び変調方式)を設定し、MCS情報を信号分離部204及び復調・復号部208に出力する。なお、DLデータ信号に対するMCSは、上述したように、無線基地局10において設定され、DL制御信号によってユーザ端末20へ通知されてもよく、ユーザ端末20(制御部205)が設定してもよい。
【0033】
チャネル推定部206は、信号分離部204から入力される復調用RS(および補正用RS)を用いてチャネル推定を行い、推定結果であるチャネル推定値を復調・復号部208に出力する。
【0034】
チャネル補正部207は、信号分離部204から入力される補正用RSを用いてチャネル推定を行い、各シンボルのチャネル推定値の差分を計算する方法により、位相変動量(時間変動量)を算出して復調・復号部208に出力する。
【0035】
復調・復号部208は、信号分離部204から入力されるDL制御信号を復調する。なお、遅延時間を短縮する目的で、復調・復号部208は、位相変動量を用いずにチャネル推定値のみを用いてDL制御信号の復調を行ってもよい。また、復調・復号部208は、復調後のDL制御信号に対して復号処理(例えば、ブラインド検出処理)を行う。復調・復号部208は、DL制御信号を復号することによって得られた自機宛てのスケジューリング情報等の制御情報を、信号分離部204に出力する。
【0036】
また、復調・復号部208は、チャネル推定部206から入力されるチャネル推定値及びチャネル補正部207から入力される位相変動量、及び、制御部205から入力されるMCSに基づいて、信号分離部204から入力されるDLデータ信号を復調する。具体的には、復調・復号部208は、復調対象のDLデータ信号がマッピングされたリソース(例えば、サブキャリア)のチャネル推定値を、位相変動量に応じて補正し、復調対象の信号を補正後のチャネル推定値を用いてチャネル補償(等化処理)を行い、チャネル補償後のDLデータ信号を復調する。また、復調・復号部208は、例えば、制御部205から入力されるMCSに基づいて、復調後のDLデータ信号を復号し、得られた受信データを、アプリケーション部(図示せず)に転送する。なお、アプリケーション部は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。
【0037】
<無線基地局10及びユーザ端末20の動作>
次に、上述した無線基地局10及びユーザ端末20の動作について詳細に説明する。
【0038】
図3A及び図3Bは、本実施の形態に係る復調用RS及び補正用RSのマッピング例を示す。
【0039】
図3A及び図3Bに示す各ブロックは、1シンボルと1サブキャリアとにより定義される無線リソース領域である1REを表す。また、図3では、1サブフレームは、14シンボルで構成される。図3A及び図3Bでは、リソースの割り当て単位となるリソースユニット(RU:Resource Unit。リソースブロック、リソースブロックペア等とも呼ばれる)は、14シンボルと12サブキャリアとにより構成される168RE(Resource Element)により定義される。
【0040】
また、図3A及び図3Bでは、復調用RS及び補正用RSのみを示し、サブフレーム内にマッピングされるDLデータ信号を省略している。図3Aは補正用RSがマッピングされる例(マッピングパターン)を示し、図3Bは補正用RSがマッピングされない例を示す。
【0041】
図3A及び図3Bに示すように、復調用RSは、サブフレームの1番目のシンボル(先頭のシンボル)の周波数方向にマッピングされる。また、図3Aに示すように、ユーザ端末20に対して補正用RSが送信される場合、補正用RSは、サブフレームの2番目以降のシンボルにマッピングされる。
【0042】
本実施の形態では、ユーザ端末20にシグナリングされる、当該ユーザ端末20に関するパラメータ(詳細は後述する)に基づいて、当該ユーザ端末20に対して補正用RSがマッピングされるか否かが決定される。
【0043】
すなわち、無線基地局10は、ユーザ端末20に設定したパラメータに応じて、補正用RSをマッピングするか否か(補正用RSのon/off設定)を決定する。
【0044】
また、ユーザ端末20は、自機に設定されたパラメータ(詳細は後述する)に応じて、補正用RSがマッピングされたか否かを判断する。ユーザ端末20は、例えば、図3Aに示すように補正用RSがマッピングされていると判断した場合、DL信号から補正用RSを抽出し、補正用RSを用いてチャネル推定値の補正を行い、補正後のチャネル推定値を用いてDLデータ信号を復調する。ユーザ端末20は、図3Aに示す補正用RSを用いて位相変動を補正する方法によりチャネル推定精度を向上できる。
【0045】
一方、ユーザ端末20は、図3Bに示すように補正用RSがマッピングされていないと判断した場合、チャネル推定値の補正を行わずに、復調用RSから算出されたチャネル推定値を用いてDLデータ信号を復調する。ここで、図3Bでは、図3Aのように補正用RSがマッピングされる代わりに、例えば、DLデータ信号がマッピングされてもよい。つまり、図3Bでは、ユーザ端末20に対して、補正用RSの代わりにDLデータ信号がマッピングされるので、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0046】
このように、サブフレームにおいて補正用RSが多くマッピングされるほど、位相変動の補正に起因してチャネル推定精度が向上する一方、サブフレーム内の補正用RSが占める割合が高くなり、オーバヘッドが増大する。換言すると、サブフレームにおいて補正用RSが少ないほど、フレーム内の補正用RSが占める割合が低くなり、オーバヘッドが低減する一方、位相変動の補正に起因するチャネル推定精度の向上度合いが小さくなる。つまり、RUにおいて補正用RSがマッピングされる割合に応じて、チャネル推定精度とオーバヘッドとの間にトレードオフの関係がある。
【0047】
例えば、チャネル推定精度に着目すると、復調用RSによってユーザ端末20で十分なチャネル推定精度が得られる場合には、補正用RSはマッピングされる必要がない。つまり、復調用RSによってユーザ端末20において十分なチャネル推定精度が得られない状況において当該ユーザ端末20に対して補正用RSをマッピングすることで、補正用RSに起因するチャネル推定精度の向上により、スループット向上を図ることが好ましい。
【0048】
また、オーバヘッドに着目すると、所定数の補正用RSがマッピングされる場合、ユーザ端末20に割り当てられるリソース量が小さいほど、割当リソースに対する補正用RSの割合が高くなるので、ユーザ端末20におけるスループットが低下してしまう。よって、この場合には補正用RSに起因するチャネル推定精度の向上よりも、補正用RSのオーバヘッドの削減に起因するスループット向上を優先することが好ましい。
【0049】
そこで、本実施の形態では、例えば、チャネル推定精度の向上及びオーバヘッド削減の何れを優先するかを基準として、各ユーザ端末20に設定されるパラメータに基づいて補正用RSのマッピング方法(マッピングの有無)が設定されてもよい。例えば、ユーザ端末20に設定されるパラメータに応じて、所要のチャネル推定精度を確保しつつ、オーバヘッドを抑えるように、補正用RSのマッピングの有無が設定されてもよい。
【0050】
補正用RSのマッピング設定を決定するための、ユーザ端末20に関するパラメータには、以下のパラメータが一例として挙げられる。
【0051】
(1)変調方式又はMCSインデックス
ユーザ端末20に設定される変調方式が高い場合(例えば、変調多値数が閾値以上の場合)、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、変調方式が低い場合(例えば、変調多値数が閾値未満の場合)、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。閾値は例えば、16QAMとしてもよく、他の値でもよい。また、変調方式又はMCSインデックスは、上述したように、無線基地局10からユーザ端末20に通知されてもよく、ユーザ端末20が設定してもよい。
【0052】
変調方式が低い場合(例えば、BPSK,QPSK等)には、変調方式が高い場合(例えば、16QAM、64QAM、256QAM等)と比較して、信号点が配置されるコンスタレーションにおける位相変動の影響は小さい。すなわち、変調方式が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、変調方式が低い場合には、図3Bのように補正用RSがマッピングされない分、ユーザ端末20はDLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、ユーザ端末20に設定された変調方式が低い場合には、ユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0053】
一方、ユーザ端末20に設定された変調方式が高い場合には、ユーザ端末20は、図3Aに示すように、補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。
【0054】
なお、ユーザ端末20に対して複数レイヤ送信が行われる場合、補正用RSのマッピング設定は、複数のレイヤに共通に設定されてもよく、各レイヤに個別に設定されてもよい。
【0055】
例えば、複数のレイヤのうち、最も低い変調方式(又はMCSインデックス)に基づく補正用RSのマッピングが複数のレイヤに共通に設定されてもよい。この処理により、複数のレイヤの全体において補正用RSに起因するオーバヘッドを削減できる。または、複数のレイヤのうち、最も高い変調方式(又はMCSインデックス)に基づく補正用RSのマッピングが複数のレイヤに共通に設定されてもよい。この処理により、全てのレイヤにおいて十分なチャネル推定精度が得られ、ユーザ端末20は、DLデータ信号を正常に復調できる。
【0056】
または、複数のレイヤの各々に設定された変調方式に応じて、複数のレイヤ毎の補正用RSのマッピングが設定されてもよい。この処理により、複数のレイヤ毎に所要のチャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減できる。
【0057】
(2)多重レイヤ数
ユーザ端末20に設定される多重レイヤ数が多い場合(例えば、多重レイヤ数が閾値以上の場合)、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、多重レイヤ数が少ない場合(例えば、多重レイヤ数が閾値未満の場合)、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0058】
多重レイヤ数が多いほど、所要のチャネル推定精度は高くなるので、ユーザ端末20は、図3Aに示すように、復調用RSよりも後のシンボルにマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。一方、多重レイヤ数が少ないほど、所要のチャネル推定精度は低くなり、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られるので、ユーザ端末20は、図3Bに示すように、補正用RSがマッピングされない分、DLデータ信号をより多く受信することで、所要のチャネル推定精度を確保しつつ、スループットを向上できる。
【0059】
または、ユーザ端末20に設定される多重レイヤ数が少ない場合、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、多重レイヤ数が多い場合、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。例えば、補正用RSがレイヤ毎に定義される場合には、多重レイヤ数が多いほど、補正用RSのオーバヘッドが増大する。よって、多重レイヤ数が多い場合には、補正用RSをマッピングしないことで、オーバヘッドを削減することができ、スループットの低下を抑えられる。
【0060】
(3)割当リソース数
ユーザ端末20に割り当てられたリソース数(例えば、RU数又はRB数)が多い場合(例えば、割当リソース数が閾値以上の場合)、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、割り当てられたリソース数が少ない低い場合(例えば、割当リソース数が閾値未満の場合)、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0061】
割当リソース数が少ないほど、割当リソース全体に対する補正用RSが占める割合は大きくなる。よって、割当リソース数が少ない場合には、補正用RSをマッピングしないことに起因するオーバヘッドの削減を優先する方法により、ユーザ端末20におけるスループットの低下を防止できる。
【0062】
(4)キャリア周波数
ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が高い場合(例えば、キャリア周波数が閾値以上の場合)、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、キャリア周波数が低い場合(例えば、キャリア周波数が閾値未満の場合)、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0063】
キャリア周波数が低い場合には、キャリア周波数が高い場合と比較して、位相変動の影響は小さい。すなわち、キャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られる。また、キャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、図3Bのように補正用RSがマッピングされない分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0064】
一方、ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が高い場合には、ユーザ端末20は、図3Aに示すように、補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。
【0065】
(5)ユーザ端末20のカテゴリ
各ユーザ端末20は、各ユーザ端末20の性能(通信速度、対応する通信帯域幅等)に応じたカテゴリ(UEカテゴリ)に区分される。
【0066】
ユーザ端末20のカテゴリが高い性能を示すカテゴリの場合、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、低い性能を示すカテゴリの場合、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0067】
例えば、無線基地局10及びユーザ端末20は、ユーザ端末20のカテゴリと補正用RSのマッピングの有無との関連付けを予め保持し、当該関連付けに基づいて、各ユーザ端末20のマッピング設定を行えばよい。
【0068】
高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20には高性能の受信機が備えられていることが想定される。よって、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、図3Bのように補正用RSがマッピングされない分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0069】
一方、低い性能を示すカテゴリの場合、ユーザ端末20の受信機の性能が低いことが想定される。よって、低い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、図3Aに示すように、補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。
【0070】
または、ユーザ端末20のカテゴリが狭帯域での通信を想定しているカテゴリ(例えば、カテゴリM1又はカテゴリ0又はNB1)である場合、図3Bに示すように補正用RSがマッピングされず、ユーザ端末20のカテゴリが狭帯域での通信を想定しているカテゴリ以外のカテゴリである場合、図3Aのように補正用RSがマッピングされてもよい。
【0071】
カテゴリM1、0、NB1のような狭帯域通信を想定したカテゴリの場合には、ユーザ端末20が使用可能な狭帯域のリソース全体に対する補正用RSが占める割合は大きくなる。よって、カテゴリM1、0、NB1のような狭帯域通信を想定したカテゴリの場合には、補正用RSをマッピングしないことに起因するオーバヘッドの削減を優先する方法により、ユーザ端末20におけるスループットの低下を防止できる。
【0072】
(6)ユーザ端末20の移動速度
例えば、ユーザ端末20の移動速度が速い場合(例えば、移動速度が閾値値以上の場合)、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、ユーザ端末20の移動速度が遅い場合(例えば、移動速度が閾値未満の場合)、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0073】
低速移動時のユーザ端末20では、位相変動が小さく、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSに起因して十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、低速移動時のユーザ端末20は、図3Bのように補正用RSがマッピングされない分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、低速移動時のユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0074】
一方、高速移動時のユーザ端末20では、位相変動が激しくなることが想定される。よって、高速移動時のユーザ端末20は、図3Aに示すように、補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。
【0075】
なお、無線基地局10及びユーザ端末20は、例えば、ユーザ端末20の移動状態(高速移動、又は、低速移動)を示すインデックス(例えば、high speed flag)に応じてユーザ端末20の移動速度を特定してもよいし、初期アクセス等のデータ信号送信の前段の通信において移動速度に類する情報が明示的もしくは暗示的に得られる場合は、その情報に応じて移動速度を特性してもよい。
【0076】
(7)無線基地局10の能力
例えば、ユーザ端末20が接続する無線基地局10がスモールセルの場合、図3Aのように補正用RSがマッピングされ、ユーザ端末20が接続する無線基地局10がマクロセルの場合、図3Bのように補正用RSがマッピングされなくてもよい。
【0077】
マクロセルである無線基地局10は、スモールセルよりも処理能力(例えば、RF回路の性能)が高いことが想定される。よって、マクロセルに接続するユーザ端末20は、例えば、マクロセルから送信された精度の高い信号の復調用RSを用いて十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、マクロセルに接続するユーザ端末20は、図3Bのように補正用RSがマッピングされない分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、マクロセルに接続するユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0078】
一方、スモールセルは、マクロセルと比較して、構成を簡易化され、無線基地局10の処理能力(例えば、RF回路の性能)が低いことが想定される。よって、スモールセルに接続するユーザ端末20は、スモールセルから送信される復調用RSを用いても十分なチャネル推定精度が得られない可能性がある。そこで、スモールセルに接続するユーザ端末20は、図3Aに示すように、補正用RSを用いて位相変動を補正する方法により、チャネル推定精度を向上できる。
【0079】
以上、補正用RSのマッピング設定を決定するための、ユーザ端末20に設定されるパラメータの一例について説明した。
【0080】
なお、補正用RSをマッピングするか否かを決定するための判断基準となるユーザ端末20に関するパラメータは、上述したパラメータ(1)~(7)に限定されず、その他のパラメータ(例えば、ユーザ端末20のスループット(チャネル推定精度又はオーバヘッド)に影響を与えるパラメータ)でもよい。
【0081】
また、補正用RSのマッピングの有無は、上述したパラメータ(1)~(7)の何れか1つに応じて決定される場合に限らず、複数のパラメータの組み合わせに応じて決定されてもよい。具体的には、上記パラメータ(1)~(7)(又は他のパラメータ)のうちの複数のパラメータの組み合わせがとり得るパターンに対してインデックスが関連付けられ、無線基地局10及びユーザ端末20は、当該ユーザ端末20に設定される複数のパラメータの実際の値の組み合わせに対応するインデックスに応じて補正用RSのマッピング設定を決定してもよい。
【0082】
例えば、変調方式(MCSインデックス)とキャリア周波数の組み合わせと、補正用RSのマッピングの有無(on/off)とが関連付けられてもよい。すなわち、変調方式として設定され得る複数の候補と、キャリア周波数として設定され得る複数の候補との組み合わせに対して、補正用RSのマッピングの有無がそれぞれ関連付けられている。この場合、ユーザ端末20は、自機に設定された変調方式及びキャリア周波数の組み合わせに関連付けられたインデックスに応じて、補正用RSがマッピングされているか否かを判断すればよい。補正用RSのマッピングの有無は、変調方式及びキャリア周波数の組み合わせに限定されず、他のパラメータの組み合わせでもよく、3個以上のパラメータの組み合わせでもよい。
【0083】
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態では、無線基地局10は、ユーザ端末20に設定するパラメータに応じて、当該ユーザ端末20に対して補正用RSを送信するか否かを判断する。また、ユーザ端末20において、受信部202、信号分離部204は、下りリンクリソースにマッピングされたDLデータ信号及び復調用RSを受信し、復調・復号部208は、復調用RSを用いてDLデータ信号を復調する。また、下りリンクリソースには、ユーザ端末20にシグナリングされるユーザ端末20に関するパラメータに応じて補正用RSがマッピングされ、受信部202、信号分離部204は、パラメータに基づいて補正用RSのマッピングパターン(マッピングの有無)を特定し、復調・復号部208は、補正用RSを用いてDLデータ信号を復調する。
【0084】
こうすることで、ユーザ端末20に応じて補正用RSに起因するオーバヘッドの増大を抑えつつ、位相変動に起因するチャネル推定精度の劣化を抑えられるように、補正用RSのマッピング設定が決定される。この処理により、ユーザ端末20では、チャネル推定精度の劣化を抑えつつ、補正用RSのオーバヘッドに起因するスループットの低下を抑えられる。すなわち、本実施の形態によれば、サブフレームの前方に復調用RSをマッピングする場合に、補正用RSをユーザ端末20の状態に応じて効率良くマッピングできる。
【0085】
また、本実施の形態では、ユーザ端末20は、自機に設定されるパラメータに応じて、補正用RSのマッピング設定を判断する。すなわち、ユーザ端末20に対して、補正用RSのマッピング設定は、他のパラメータのシグナリングによって暗黙的に(implicitに)通知される。この処理により、補正用RSのマッピング設定の通知のための追加シグナリングが不要となる。
【0086】
(実施の形態2)
将来の無線通信システムにおいて、復調用RSをサブフレームの前方にマッピングする場合、ユーザ端末の高速移動時におけるチャネル推定精度を確保するために、サブフレームの前方にマッピングされる復調用RSの他に復調用RS(Additional DMRS。以下、「追加復調用RS」と呼ぶ)が追加されることが考えられる。
【0087】
すなわち、復調用RSをサブフレームの前方にマッピングする場合には、実施の形態1において説明した補正用RS、及び、追加復調用RSがマッピングされる可能性がある。
【0088】
しかしながら、補正用RS及び追加復調用RSの双方がマッピングされると、無線リソース全体に対する参照信号の占める割合が高くなり、DLデータ信号をマッピングするためのリソースが減少し、スループットの低下を招いてしまうという課題が生じる。
【0089】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、追加復調用RSの設定に応じて、補正用RSのマッピング(配置)を制御することを着想し、本発明に至った。
【0090】
本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末は、実施の形態1に係る無線基地局10及びユーザ端末20と基本構成が共通するので、図1及び図2を用いて説明する。
【0091】
以下、本実施の形態に係る無線基地局10及びユーザ端末20の動作について詳細に説明する。
【0092】
本実施の形態では、無線基地局10は、ユーザ端末20に対する追加復調用RSの設定に応じて、補正用RSをマッピングするか否か(補正用RSのon/off設定)を決定する。また、ユーザ端末20は、自機に対する追加復調用RSの設定に応じて、補正用RSのマッピングの有無を判断する。
【0093】
具体的には、補正用RSは、追加復調用RSがマッピングされるサブフレームではマッピングされず、追加復調用RSがマッピングさないサブフレームではマッピングされる。
【0094】
図4A及び図4Bは、本実施の形態に係る復調用RS、補正用RS及び追加復調用RS(Additional DMRS)のマッピング例を示す。図4Aは、補正用RSがマッピングされる例を示し、図4Bは、追加復調用RSがマッピングされる例を示す。なお、追加復調用RSは、例えば、ユーザ端末20毎の個別の参照信号(UE specific RS)でもよい。
【0095】
なお、図4A及び図4Bでは、図3A及び図3Bと同様、リソースユニット(RU)は、14シンボルと12サブキャリアとにより構成される168REにより定義される。また、図4A及び図4Bでは、1サブフレームは、14シンボルで構成される。また、図4A及び図4Bでは、復調用RS、補正用RS及び追加復調用RSのみを示し、サブフレーム内にマッピングされるDLデータ信号を省略している。また、図4A及び図4Bに示すように、復調用RSは、サブフレームの1番目のシンボル(先頭のシンボル)の周波数方向にマッピングされる。
【0096】
図4Aに示すように、ユーザ端末20に対して追加復調用RSがマッピングされないサブフレームでは、補正用RSがマッピングされる。なお、図4Aでは、一例として、補正用RSは、サブフレームの2番目以降のシンボルにマッピングされる。ユーザ端末20は、図4Aに示す補正用RSを用いて位相変動を補正することにチャネル推定精度を向上できる。
【0097】
また、図4Bに示すように、ユーザ端末20に対して追加復調用RSがマッピングされるサブフレームでは、補正用RSはマッピングされない。図4Bでは、ユーザ端末20は、復調用RS及び追加復調用RSを用いてチャネル推定値を算出する。この処理により、高速移動時のチャネル変動に追従することができ、チャネル推定精度を向上できる。
【0098】
すなわち、図4A及び図4Bに示すように、各サブフレームでは、位相変動を補正するための補正用RSと、追加復調用RSとが同時にマッピングされず、補正用RS又は追加復調用RSの何れかがマッピングされる。この処理により、リソース全体に対して参照信号(復調用RS、補正用RS、又は追加復調用RS)が占める割合が高くなること、つまり、オーバヘッドの増大を抑え、スループットの低下を防止できる。
【0099】
また、本実施の形態では、ユーザ端末20は、自機に対する追加復調用RSの設定に応じて、補正用RSがマッピングされているか否かを判断する。すなわち、ユーザ端末20に対して、補正用RSのマッピング設定は、他のパラメータ(追加復調用RS)のシグナリングによって暗黙的に(implicitに)通知される。この処理により、補正用RSのマッピング設定の通知のための追加シグナリングが不要となる。
【0100】
なお、追加復調用RSの設定は、無線基地局10からユーザ端末20に対してシグナリングによって通知される。つまり、追加復調用RSの設定は、実施の形態1において説明したように、ユーザ端末20に設定されるパラメータの一つであると云える(例えば、パラメータ(8)として扱ってもよい)。例えば、本実施の形態では、追加復調用RSの設定と、実施の形態1において説明したユーザ端末20に設定されるパラメータ(例えば、(1)~(7))の少なくとも1つとを組み合わせて、組み合わせに応じて、補正用RSのマッピング設定を決定してもよい。
【0101】
例えば、無線基地局10及びユーザ端末20は、追加復調用RSが設定されるサブフレームでは、上述したように補正用RSがマッピングされないと判断し、追加復調用RSが設定されないサブフレームでは、実施の形態1において説明したように、ユーザ端末20に関するパラメータに応じて補正用RSがマッピングされるか否かを判断してもよい。
【0102】
また、本実施の形態では、各サブフレームにおいて補正用RS及び追加復調用RSの何れか1つが設定される場合について説明した。しかし、補正用RS及び追加復調用RSの何れか1つが設定される場合に限定されず、ユーザ端末20の通信環境に応じて補正用RS及び追加復調用RSの双方がマッピングされるサブフレームが存在してもよい。例えば、ユーザ端末20が高速移動している場合には、補正用RS及び追加復調用RSの双方を用いて、位相変動を補正しつつ、チャネル推定精度を向上させてもよい。
【0103】
また、ユーザ端末20に対して追加復調用RSが設定されている場合に、補正用RSを常にマッピングしない場合に限らず、追加復調用RSのパターンに応じて、補正用RSのマッピングの有無を決定してもよい。例えば、追加復調用RSがマッピングされるREの個数(密度)が比較的少ないサブフレームおよび/又は追加復調用RSの時間方向挿入個数が比較的少ないサブフレームでは、補正用RSをマッピングしてもよい。換言すると、追加復調用RSのマッピングに起因する、リソース全体に占める参照信号の割合の増加度合いが小さい場合、および/又は、位相変動の補正効果が小さいと想定される場合には、補正用RSをマッピングしてもよい。この処理により、オーバヘッドの増大を防ぎつつ、位相変動を補正してチャネル推定精度を向上できる。
【0104】
(実施の形態3)
本実施の形態では、補正用RSは、ユーザ端末個別のUE specific RSであるとする。このとき、仮に、周波数方向において一定の間隔で補正用RSがマッピングされると、ユーザ端末に対するリソース割当によっては、リソースサイズが補正用RSのマッピング間隔よりも小さくなり、割当リソース内に補正用RSがマッピングされない場合もある。この場合、ユーザ端末は、補正用RSに起因する位相変動の補正を行うことができず、チャネル推定精度が劣化してしまうという課題がある。
【0105】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、ユーザ端末の割当リソースに応じて、補正用RSのマッピング(配置)を制御することを着想し、本発明に至った。
【0106】
本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末は、実施の形態1に係る無線基地局10及びユーザ端末20と基本構成が共通するので、図1及び図2を用いて説明する。
【0107】
以下、本実施の形態に係る無線基地局10及びユーザ端末20の動作について詳細に説明する。
【0108】
本実施の形態では、無線基地局10は、ユーザ端末20に設定されたパラメータ(リソース等)に応じて、補正用RSをマッピングする周波数方向の位置、又は、周波数方向における補正用RSの密度を決定する。また、ユーザ端末20は、自機に設定されたパラメータ(リソース等)に応じて、補正用RSがマッピングされた周波数方向の位置、又は、周波数方向における補正用RSの密度を特定する。つまり、無線基地局10及びユーザ端末20は、ユーザ端末20に設定されたパラメータに応じて、当該ユーザ端末20に対する補正用RSのマッピングパターン(マッピング位置、密度等)を設定する。
【0109】
図5A図5B図5Cは、周波数方向におけるリソースユニット(RU#1~RU#12)の一例を示す。例えば、図5A図5B図5Cにおいて、補正用RSがマッピングされるRUは、図3Aに示すマッピング設定に対応し、補正用RSがマッピングされるRU以外のRUは、図3Bに示すマッピング設定に対応する。
【0110】
図5A図5B図5Cでは、ユーザ#1に対してRU#4~RU#12の8RUが割り当てられ、ユーザ#2に対してRU#1~RU#3の3RUが割り当てられている。
【0111】
図5A図5B図5Cに示すように、各ユーザ端末20(ユーザ#1、#2)に割り当てられたリソース内に少なくとも1つの補正用RSがマッピングされる。
【0112】
具体的には、図5Aでは、ユーザ#1及びユーザ#2に対して1つのRUに補正用RSがマッピングされる。図5Aでは、補正用RSは、ユーザ#1の割当リソース(RU#4~RU#12)の中心であるRU#8、及び、ユーザ#2の割当リソース(RU#1~RU#3)の中心であるRU#2にそれぞれマッピングされる。
【0113】
例えば、システム帯域の端に相当するリソースでは、信号の歪みが生じやすい。よって、各ユーザ端末20に割り当てられたリソース内における補正用RSのマッピング位置をリソースの中心とすることで、システム帯域の端へのマッピングが避けられ、補正用RSが歪んでしまうことを回避できる。また、サブキャリアが離れるほどチャネルの時間変動の相関が小さくなる場合、補正用RSをリソースの中心とすることで、補正時の誤差を軽減できる。
【0114】
また、図5Bでは、ユーザ#1及びユーザ#2に対して2つのRUに補正用RSがマッピングされる。図5Bでは、補正用RSは、ユーザ#1の割当リソース(RU#4~RU#12)のうち、RU#6,RU#10、及び、ユーザ#2の割当リソース(RU#1~RU#3)のうち、RU#1,#3にそれぞれマッピングされる。この処理により、各ユーザ端末20は、受信した複数の補正用RSを用いた補間処理により、補正用RSがマッピングされていないリソースについてもチャネル推定値を補正し、図5Aの場合と比較してチャネル推定精度を向上できる。
【0115】
また、図5Cでは、ユーザ#1に対して1つのRUに補正用RSがマッピングされ、ユーザ#2に対して5個のRUに補正用RSがマッピングされる。図5Bでは、補正用RSは、ユーザ#1の割当リソース(RU#4~RU#12)のうち、RU#4,RU#6,RU#8,RU#10,RU#12、及び、ユーザ#2の割当リソース(RU#1~RU#3)のうち、RU#2にそれぞれマッピングされる。このように、例えば、ユーザ端末20に割り当てられたリソースのサイズに応じてマッピングされる補正用RSの個数を調整することで、補正用RSのオーバヘッドの増大を防ぎつつ所要のチャネル推定精度を実現できる。
【0116】
なお、各ユーザ端末20に割り当てられるリソース内の補正用RSの個数は、1、2個に限定されず、3個以上でもよい。また、各ユーザ端末20に割り当てられるリソース内の補正用RSのマッピング位置は、図5A図5Cに示す例に限定されず、リソース内で等間隔に配置されてもよく、分散して配置されてもよく、集中的に配置されてもよい。例えば、補正用RSは、リソース内におけるシステム帯域の中心周波数側のRUにマッピングされてもよい。この処理により、図5Aと同様、システム帯域の端へのマッピングが避けられ、補正用RSが歪んでしまうことを回避できる。または、補正用RSは、リソース内の両端(または両端付近)のRUにマッピングされてもよい。この処理により、ユーザ端末20は、補正用RSがマッピングされたRUの間のRUについて、補正用RSを用いた内挿補間処理により、チャネル推定精度を向上できる。
【0117】
また、本実施の形態では、ユーザ端末20に関するパラメータ(例えば、実施の形態1で説明したパラメータ(1)~(7))に応じて、ユーザ端末20に割り当てられたリソースにおける、補正用RSがマッピングされるRUの密度が設定されてもよい。補正用RSがマッピングされるRUの個数を指定する場合は、割当リソースサイズに関わらずユーザ当たりの補正用RSの個数が一定となり所要の補正用RSのチャネル推定精度を実現できる。これに対し、補正用RSがマッピングされるRUの密度を指定する場合は割当リソースサイズに関わらず補正用RSのオーバヘッドサイズを一定にできる。
【0118】
ユーザ端末20に割り当てられたリソースにおける補正用RSの密度を設定するための、ユーザ端末20に関するパラメータには、以下のパラメータが一例として挙げられる。
【0119】
(1)変調方式又はMCSインデックス
ユーザ端末20に設定される変調方式が高い場合(例えば、変調多値数が閾値以上の場合)、図5Bに示すように、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし(個数を多くし)、変調方式が低い場合(例えば、変調多値数が閾値未満の場合)、図5Aに示すように、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低く(個数を少なく)してもよい。また、変調方式又はMCSインデックスは、上述したように、無線基地局10からユーザ端末20に通知されてもよく、ユーザ端末20が設定してもよい。
【0120】
なお、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度の候補は複数あってもよい。例えば、変調方式の変調多値数を昇順又は降順に複数のグループに分け、変調方式が高いほど、補正用RSの密度を高くしてもよい。例えば、図5A図5B図5Cのユーザ#1に着目すると、変調方式を3つのグループに分けた場合、変調方式が最も低いグループでは図5Aに示すマッピングパターン(1つのRUにマッピング)を設定し、変調方式が2番目に低いグループでは図5Bに示すマッピングパターン(2つのRUにマッピング)を設定し、変調方式が最も高いグループでは図5Cに示すマッピングパターン(5個のRUにマッピング)を設定してもよい。
【0121】
すなわち、各ユーザ端末20に設定される変調方式に応じて、各ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度がそれぞれ設定される。
【0122】
変調方式が低い場合(例えば、BPSK、QPSK等)には、変調方式が高い場合(例えば、16QAM、64QAM、256QAM等)と比較して、信号点が配置されるコンスタレーションにおける位相変動の影響は小さい。すなわち、変調方式が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、変調方式が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSの密度が低く設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。すなわち、変調方式が低い場合には、ユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0123】
一方、ユーザ端末20に設定された変調方式が高い場合には、ユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する処理によりチャネル推定精度を向上できる。
【0124】
なお、ユーザ端末20に対して複数レイヤ送信が行われる場合、補正用RSのマッピング設定(密度設定)は、複数のレイヤに共通に設定されてもよく、各レイヤに個別に設定されてもよい。
【0125】
例えば、複数のレイヤのうち、最も低い変調方式(又はMCSインデックス)に基づく補正用RSの密度が複数のレイヤに共通に設定されてもよい。この処理により、複数のレイヤの全体において補正用RSに起因するオーバヘッドを削減できる。または、複数のレイヤのうち、最も高い変調方式(又はMCSインデックス)に基づく補正用RSの密度が複数のレイヤに共通に設定されてもよい。この処理により、全てのレイヤにおいて十分なチャネル推定精度が得られ、ユーザ端末20は、DLデータ信号を正常に復調できる。
【0126】
または、複数のレイヤの各々に設定された変調方式に応じて、複数のレイヤ毎の補正用RSの密度が設定されてもよい。この処理により、複数のレイヤ毎に所要のチャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減できる。
【0127】
(2)多重レイヤ数
ユーザ端末20に設定される多重レイヤ数が多い場合(例えば、多重レイヤ数が閾値以上の場合)、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、多重レイヤ数が少ない低い場合(例えば、多重レイヤ数が閾値未満の場合)、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。
【0128】
多重レイヤ数が多いほど、所要のチャネル推定精度は高くなるので、ユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する処理により、チャネル推定精度を向上できる。一方、多重レイヤ数が少ないほど、所要のチャネル推定精度は低くなり、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られるので、ユーザ端末20は、補正用RSの密度が低く設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、所要のチャネル推定精度を確保しつつ、スループットを向上できる。
【0129】
または、ユーザ端末20に設定される多重レイヤ数が少ない場合、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、多重レイヤ数が多い場合、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。例えば、補正用RSがレイヤ毎に定義される場合には、多重レイヤ数が多いほど、補正用RSのオーバヘッドが増大する。よって、多重レイヤ数が多い場合には、補正用RSの密度を低くすることで、オーバヘッドを削減することができ、スループットの低下を抑えられる。
【0130】
(3)割当リソース数
ユーザ端末20に割り当てられたリソース数(リソースサイズ。例えば、RU数又はRB数)が多い場合(例えば、割当リソース数が閾値以上の場合)、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、ユーザ端末20に割り当てられたリソース数が少ない低い場合(例えば、割当リソース数が閾値未満の場合)、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。
【0131】
割当リソース数が少ないほど、割当リソース全体に対する補正用RSが占める割合は大きくなる。よって、割当リソース数が少ない場合には、補正用RSの密度を低くする方法によりオーバヘッドの削減を優先し、ユーザ端末20におけるスループットの低下を防止できる。
【0132】
(4)キャリア周波数
ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が高い場合(例えば、キャリア周波数が閾値以上の場合)、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、キャリア周波数が低い場合(例えば、キャリア周波数が閾値未満の場合)、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。
【0133】
キャリア周波数が低い場合には、キャリア周波数が高い場合と比較して、位相変動の影響は小さい。すなわち、キャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、十分なチャネル推定値が得られる。よって、キャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、補正用RSの密度が低く設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が低い場合には、ユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0134】
一方、ユーザ端末20に設定されるキャリア周波数が高い場合には、ユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSによって位相変動を補正する処理により、チャネル推定精度を向上できる。
【0135】
(5)ユーザ端末20のカテゴリ
ユーザ端末20のカテゴリが高い性能を示すカテゴリの場合、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くし、低い性能を示すカテゴリの場合、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くしてもよい。
【0136】
高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20には高性能の受信機が備えられていることが想定される。よって、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSによって十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、補正用RSが低密度に設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、高い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0137】
一方、低い性能を示すカテゴリの場合、ユーザ端末20の受信機の性能が低いことが想定される。よって、低い性能を示すカテゴリのユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する処理により、チャネル推定精度を向上できる。
【0138】
または、ユーザ端末20のカテゴリが狭帯域での通信を想定しているカテゴリ(例えば、カテゴリM1又はカテゴリ0又はカテゴリNB1)である場合、図5Aに示すようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くし、ユーザ端末20のカテゴリが狭帯域での通信を想定しているカテゴリ以外のカテゴリである場合、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くしてもよい。
【0139】
カテゴリM1、0、NB1のような狭帯域通信を想定したカテゴリの場合には、ユーザ端末20が使用可能な狭帯域のリソース全体に対する補正用RSが占める割合は大きくなる。よって、カテゴリM1、0、NB1のような狭帯域通信を想定したカテゴリの場合には、補正用RSの密度を低くする方法によりオーバヘッドの削減を優先して、ユーザ端末20におけるスループットの低下を防止できる。
【0140】
(6)ユーザ端末20の移動速度
例えば、ユーザ端末20の移動速度が速い場合(例えば、移動速度が閾値値以上の場合)、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、ユーザ端末20の移動速度が遅い場合(例えば、移動速度が閾値未満の場合)、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。
【0141】
低速移動時のユーザ端末20では、位相変動が小さく、補正用RSによって位相変動を補正しなくても、復調用RSに起因して十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、低速移動時のユーザ端末20は、補正用RSが低密度に設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、低速移動時のユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0142】
一方、高速移動時のユーザ端末20では、位相変動が激しくなることが想定される。よって、高速移動時のユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する処理により、チャネル推定精度を向上できる。
【0143】
なお、無線基地局10及びユーザ端末20は、例えば、ユーザ端末20の移動状態(高速移動、又は、定速移動)を示すインデックス(例えば、high speed flag)に応じてユーザ端末20の移動速度を特定してもよいし、初期アクセス等のデータ信号送信の前段の通信において移動速度に類する情報が明示的もしくは暗示的に得られる場合は、その情報に応じて移動速度を特性してもよい。
【0144】
(7)無線基地局10の能力
例えば、ユーザ端末20が接続する無線基地局10がスモールセルの場合、図5Bのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を高くし、ユーザ端末20が接続する無線基地局10がマクロセルの場合、図5Aのようにユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を低くしてもよい。
【0145】
マクロセルである無線基地局10は、スモールセルよりも処理能力(例えば、RF回路の性能)が高いことが想定される。よって、マクロセルに接続するユーザ端末20は、例えば、マクロセルから送信された精度の高い復調用RSを用いて十分なチャネル推定精度が得られる。すなわち、マクロセルに接続するユーザ端末20は、補正用RSが低密度に設定される分、DLデータ信号をより多く受信することで、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。つまり、マクロセルに接続するユーザ端末20は、チャネル推定精度を確保しつつ、補正用RSのオーバヘッドを削減し、スループットを向上できる。
【0146】
一方、スモールセルは、マクロセルと比較して、構成を簡易化され、無線基地局10の処理能力(例えば、RF回路の性能)が低いことが想定される。よって、スモールセルに接続するユーザ端末20は、スモールセルから送信される復調用RSを用いても十分なチャネル推定精度が得られない可能性がある。そこで、スモールセルに接続するユーザ端末20は、高密度にマッピングされた補正用RSを用いて位相変動を補正する処理により、チャネル推定精度を向上できる。
【0147】
以上、補正用RSのマッピング設定(密度設定)を決定するための、ユーザ端末20に設定されるパラメータの一例について説明した。
【0148】
なお、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度を決定するための判断基準となるユーザ端末20に関するパラメータは、上述したパラメータ(1)~(7)に限定されず、その他のパラメータ(例えば、ユーザ端末20のスループット(チャネル推定精度又はオーバヘッド)に影響を与えるパラメータ)でもよい。例えば、実施の形態2で説明した追加復調用RS(Additional DMRS)が設定されるサブフレームでは、補正用RSの密度を低くし、追加復調用RSが設定されないサブフレームでは、補正用RSの密度を高くしてもよい。
【0149】
また、ユーザ端末20の割当リソースにおける補正用RSの密度は、上述したパラメータ(1)~(7)、又は追加復調用RSの設定(例えば、パラメータ(8)とする)の何れか1つに応じて決定される場合に限らず、複数のパラメータの組み合わせに応じて決定されてもよい。具体的には、上記パラメータ(1)~(8)(又は他のパラメータ)のうちの複数のパラメータの組み合わせがとり得るパターンに対してインデックスが関連付けられ、無線基地局10及びユーザ端末20は、当該ユーザ端末20に設定される複数のパラメータの実際の値の組み合わせに対応するインデックスに応じて補正用RSのマッピング設定を決定してもよい。
【0150】
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態では、無線基地局10は、ユーザ端末20に設定されるパラメータに応じて当該ユーザ端末20に割り当てられたリソースにおける補正用RSのマッピング設定(マッピング位置又は密度)を判断する。また、ユーザ端末20は、自機に設定されるパラメータに応じて自機に割り当てられたリソースにおける補正用RSのマッピング設定を特定する。このとき、各ユーザ端末20に割り当てられたリソース内には、少なくとも1つの補正用RSがマッピングされる。また、ユーザ端末20に割り当てられたリソース内にマッピングされる補正用RSの密度は、当該ユーザ端末20にシグナリングされるパラメータに応じて設定される。
【0151】
こうすることで、補正用RSに起因するオーバヘッドの増大を抑えつつ、位相変動に起因するチャネル推定精度の劣化を抑えられるように、ユーザ端末20毎に補正用RSのマッピング設定が決定される。この処理により、ユーザ端末20では、チャネル推定精度の劣化を抑えつつ、補正用RSのオーバヘッドに起因するスループットの低下を抑えられる。すなわち、本実施の形態によれば、サブフレームの前方に復調用RSをマッピングする場合に、補正用RSをユーザ端末毎に効率良くマッピングできる。
【0152】
また、本実施の形態では、ユーザ端末20は、自機に設定されるパラメータに応じて、補正用RSのマッピング設定(マッピング位置又は密度)を判断する。すなわち、ユーザ端末20に対して、補正用RSのマッピング設定は、他のパラメータのシグナリングによって暗黙的に(implicitに)通知される。この処理により、補正用RSのマッピング設定の通知のための追加シグナリングが不要となる。
【0153】
以上、各実施の形態について説明した。
【0154】
なお、上記の説明において、MU-MIMO(Multi User MIMO)多重が適用される場合、補正用RSのマッピング設定(マッピングの有無、マッピング位置、密度など)は、多重されるユーザ端末20毎に異なる設定でもよく、多重されるユーザ端末20に対して共通の設定としてもよい。
【0155】
また、上記の説明では、1RUを14シンボルと12サブキャリアとにより構成される168REにより定義した。しかし、本実施の形態では、RUの定義(シンボル数及びサブキャリア数)に関して特に制限は無い。
【0156】
また、本実施の形態では、補正用RSの系列生成手順に関しても特に制限は無い。例えば、PCID(Physical Cell Identities)、VCID(Virtual Cell Identities)、UE-ID(User Equipment Cell Identities)のいずれか又はそれら内の複数の組み合わせ系列シードとするPN(Pseudo Noise)系列を生成し、当該PN系列を用いて補正用RSを生成してもよい。あるいは、PN系列の代わりに、Zadoff-Chu系列等の他の系列を用いて補正用RSを生成してもよい。
【0157】
また、上記の説明では、復調用RSがRUの各サブキャリアの先頭のシンボルにマッピングされる場合を一例として示している。しかし、本実施の形態では、これに限られず、復調用RSがRUの前方のシンボル(先頭からk番目(kは2以上の整数、例えばk=3)までのシンボル)のいずれかにマッピングされていればよい。この場合、補正用RSは、復調用RSがマッピングされたシンボルよりも後方のシンボルにマッピングされても良いし、全シンボルに渡ってマッピングされても良い。例えば、図6に示すように、無線基地局10は、各サブキャリアの先頭シンボルにDL制御信号をマッピングし、各サブキャリアの2番目のシンボルに復調用RSをマッピングしてもよい。また、図7に示すように、無線基地局10は、一部のサブキャリア(図7では1サブキャリア間隔)の先頭シンボルに復調用RSをマッピングしてもよい。さらに、複数のシンボル(例えば2および3番目のシンボル)にマッピングされても良い。
【0158】
また、補正用RSのマッピングパターンは、図3A図4A図5A図5B図5C又は図6に示すパターンに限定されない。例えば、1RU内において(図3A図4A図5A等)、補正用RSは、何れのサブキャリアにマッピングされてもよく、2つ以上のサブキャリアにマッピングされてもよい。また、補正用RSは、図3A図4A図5Aに示すように2番目のシンボル以降に連続してマッピングされる場合に限定されず、一部のシンボル(例えば、最後尾のシンボル)にマッピングされてもよく、一定間隔ごとにマッピングされてもよい。
【0159】
また、追加復調用RSのマッピングパターンは、図4Bに示すパターンに限定されない。例えば、1RU内において、追加復調用RSは、何れのシンボルにマッピングされてもよく、2つ以上のシンボルにマッピングされてもよく、時間方向にマッピングされてもよく、複数のシンボル及び複数のサブキャリアに分散してマッピングされてもよい。
【0160】
また、上記の説明では、ユーザ端末20に設定されるパラメータによって、補正用RSのマッピング設定を無線基地局10からユーザ端末20へ暗黙的に通知する場合について説明した。しかし、補正用RSのマッピング設定の一部又は全ては、シグナリングによって明示的(explicit)に通知されてもよい。通知の方法は、例えば、上位レイヤ(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control))シグナリング、又は、物理レイヤ(PHY)シグナリングによってユーザ端末20に通知される方法でもよい。また、シグナリングによって通知される値は、例えば、マッピング設定の値そのものでもよく、マッピング設定の複数のパターンに付与されたインデックスの値でもよい。例えば、パターン1(インデックス#1)には補正用RSの基準となる密度のパターンが関連付けられ、パターン2(インデックス#2)には補正用RSの基準となる密度に対して低い密度(密度が疎)のパターンが関連付けられ、パターン3(インデックス#3)には補正用RSの基準となる密度に対して高い密度(密度が密)のパターンが関連付けられてもよい。
【0161】
また、マッピング設定として通知されるパラメータは、例えば、復調用RS及び補正用RSのマッピング位置を示すマッピングパターンでもよく、各信号の送信周期、信号の個数、使用される系列、及び、使用されるアンテナポート数等でもよい。また、通知される値は、設定値そのものでもよく、複数の設定値の候補にそれぞれ付されたインデックス値、もしくは複数の設定値の候補にまとめて付されたインデックス値、でもよい。インデックス値を用いることで、設定値そのものを通知する場合よりも、マッピング設定の通知に要するシグナリングサイズを低減できる。
【0162】
また、上記の説明では、無線基地局10からユーザ端末20への下りリンクの通信について説明した。しかし、上記実施の形態は、ユーザ端末20から無線基地局10への上りリンクの通信に対しても適用できる。この場合、図1に示す無線基地局10(データ(補正用RS)の送信側の構成)の構成を上りリンクにおけるユーザ端末の構成に置き換え、図2に示すユーザ端末20(データ(補正用RS)の受信側の構成)の構成を上りリンクにおける無線基地局の構成に置き換えてもよい。
【0163】
上りリンクの場合、具体的には、無線基地局は、上りリンクのMCS又は上りリンクのリソース割り当て等を含む制御情報を、例えばPDCCH等を用いてユーザ端末に通知する。なお、上りリンクのMCSは、ユーザ端末が設定してもよい。次に、ユーザ端末は、無線基地局から通知された制御情報(例えば、上述したパラメータ(1)~(8)等)に基づいて、補正用RSの設定(マッピングの有無、又は、マッピング位置、密度等)を決定する。そして、ユーザ端末は、復調用RS及びULデータ信号を上りリンクリソースにマッピングし、送信する。また、ユーザ端末は、決定した設定に従って補正用RSを上りリンクリソースにマッピングし、送信する。一方、無線基地局は、ユーザ端末に通知した制御情報に基づいて、補正用RSの設定(マッピングの有無、又は、マッピング位置、密度等)を特定する。そして、無線基地局は、復調用RS、ULデータ信号を受信し、特定した設定に従って補正用RSを受信する。そして、無線基地局は、補正用RSを受信した場合、当該補正用RSを用いてULデータ信号を復調する。
【0164】
こうすることで、下りリンクの場合と同様、上りリンクにおいても、無線基地局では、ユーザ端末毎にチャネル推定精度の劣化を抑えつつ、補正用RSのオーバヘッドに起因するスループットの低下を抑えられる。また、ユーザ端末は自機に設定された制御情報に応じて補正用RSの設定を決定し、無線基地局はユーザ端末に設定した制御情報に応じて、ユーザ端末での補正用RSのマッピング設定を特定できるので、補正用RSのマッピング設定の通知のための追加シグナリングが不要となる。
【0165】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0166】
例えば、本発明の一実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本発明の一実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0167】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0168】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、一以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、一以上のチップで実装されてもよい。
【0169】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0170】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部101、送信信号生成部102、符号化・変調部103、マッピング部104、IFFT部105、FFT部203、信号分離部204、制御部205、チャネル推定部206、チャネル補正部207、復調・復号部208などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0171】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、無線基地局10の制御部101は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0172】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0173】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0174】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送信部106、アンテナ107、アンテナ201、受信部202などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0175】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0176】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0177】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0178】
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0179】
(適応システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0180】
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0181】
(基地局の操作)
本明細書において基地局(無線基地局)によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS-GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
【0182】
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)に出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0183】
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
【0184】
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0185】
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0186】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0187】
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0188】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0189】
(「システム」、「ネットワーク」)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0190】
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0191】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0192】
(基地局)
基地局(無線基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0193】
(端末)
ユーザ端末は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE(User Equipment)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0194】
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0195】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0196】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。また、補正用RSは、TRS(Tracking RS)、PC-RS(Phase Compensation RS)、PTRS(Phase Tracking RS)、Additional RSと呼ばれてもよい。また、復調用RS及び補正用RSは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。また、復調用RS及び補正用RSは同じ名称(例えば復調RS)で規定されてもよい。
【0197】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0198】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0199】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0200】
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレーム、タイムユニット等と呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
【0201】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
【0202】
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。
【0203】
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
【0204】
リソースユニットは、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースユニットの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースユニットで構成されてもよい。また、リソースユニットは、リソースブロック(RB:Resource Block)、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア、スケジューリングユニット、周波数ユニット、サブバンドと呼ばれてもよい。また、リソースユニットは、1つ又は複数のREで構成されてもよい。例えば、1REは、リソース割当単位となるリソースユニットより小さい単位のリソース(例えば、最小のリソース単位)であればよく、REという呼称に限定されない。
【0205】
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
【0206】
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0207】
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0208】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0209】
本特許出願は2016年12月26日に出願した日本国特許出願第2016-252004号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016-252004号の全内容を本願に援用する。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0211】
10 無線基地局
20 ユーザ端末
101,205 制御部
102 送信信号生成部
103 符号化・変調部
104 マッピング部
105 IFFT部
106 送信部
107,201 アンテナ
202 受信部
203 FFT部
204 信号分離部
206 チャネル推定部
207 チャネル補正部
208 復調・復号部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8