(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】包装袋および包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 33/12 20060101AFI20221216BHJP
B31B 70/86 20170101ALI20221216BHJP
【FI】
B65D33/12
B31B70/86
(21)【出願番号】P 2019026770
(22)【出願日】2019-02-18
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大場 進太郎
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-059385(JP,A)
【文献】特開2010-006442(JP,A)
【文献】特開2004-042918(JP,A)
【文献】実開昭62-168339(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/12
B31B 70/86
B31B 155/00
B31B 160/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体が収容される本体部と、
前記本体部の天面を封止するシール部と、
前記天面に形成された持手部とを有する包装袋であって、
前記本体部は、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムで形成され、
前記シール部は、前記筒状フィルムの開口を封止するように構成され、
前記天面は、前記シール部が形成される天面上部と、前記天面上部の一部と重なる天面下部とを有し、
前記持手部は、帯状部材で構成され、
前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記天面上部の前記一部に接合され
、
前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が、前記幅方向の他端に向かって湾曲する、包装袋。
【請求項2】
被包装体が収容される本体部と、
前記本体部の天面を封止するシール部と、
前記天面に形成された持手部とを有する包装袋であって、
前記本体部は、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムで形成され、
前記シール部は、前記筒状フィルムの開口を封止するように構成され、
前記天面は、前記シール部が形成される天面上部と、前記天面上部の一部と重なる天面下部とを有し、
前記持手部は、帯状部材で構成され、
前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記天面上部の前記一部に接合され、
前記持手部が、前記長手方向と交差する方向に並ぶ2つの帯状部材で構成され、
前記2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材が、前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されてなる折返部を有する、包装袋。
【請求項3】
前記帯状部材は、前記幅方向の他端が開放されており、
前記他端が前記2つの帯状部材の他方の帯状部材側に位置するように、前記帯状部材が配置されている、請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記本体部の幅方向における前記天面の両端部に接合されている、請求項1
乃至3の何れか一項に記載の包装袋。
【請求項5】
前記持手部は、前記帯状部材が前記天面上部に重なるように配置されている、請求項1
乃至4の何れか一項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記帯状部材の前記長手方向の両端部の少なくとも一方の端部が、折り返された状態で接合されている、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項7】
前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が、前記幅方向の他端に向かって湾曲する、請求項
2または3に記載の包装袋。
【請求項8】
前記持手部が、前記長手方向と交差する方向に並ぶ2つの帯状部材で構成されている、請求項
1に記載の包装袋。
【請求項9】
前記2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材が、前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されてなる折返部を有する、請求項
8に記載の包装袋。
【請求項10】
前記帯状部材は、前記幅方向の他端が開放されており、
前記他端が前記2つの帯状部材の他方の帯状部材側に位置するように、前記帯状部材が配置されている、請求項
9に記載の包装袋。
【請求項11】
被包装体が収容される本体部と、前記本体部の天面を封止するシール部と、前記天面に形成された持手部とを有し、
前記本体部は、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムで形成され、
前記シール部は、前記筒状フィルムの開口を封止するように構成され、
前記天面は、前記シール部が形成される天面上部と、前記天面上部の一部と重なる天面下部とを有し、
前記持手部は、帯状部材で構成され、
前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記天面上部の前記一部に接合されている、包装袋の製造方法であって、
前記筒状フィルムをガセット状に折り込んで、前記筒状フィルムに一対のガセット部を形成するガセット形成工程と、
前記筒状フィルムの開口を封止して、前記シール部を形成するシール工程とを有し、
前記ガセット形成工程と前記シール工程との間に、前記ガセット部に熱遮蔽板を据え付けて、熱の伝導を遮断する熱遮断工程を有し、
前記シール工程で、前記帯状部材を前記ガセット部に接合して、前記持手部を形成する、包装袋の製造方法。
【請求項12】
前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記本体部の幅方向における前記天面の両端部に接合されている、請求項11に記載の包装袋の製造方法。
【請求項13】
前記持手部は、前記帯状部材が前記天面上部に重なるように配置されている、請求項11または12に記載の包装袋の製造方法。
【請求項14】
前記帯状部材の前記長手方向の両端部の少なくとも一方の端部が、折り返された状態で接合されている、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
【請求項15】
前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が、前記幅方向の他端に向かって湾曲する、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
【請求項16】
前記持手部が、前記長手方向と交差する方向に並ぶ2つの帯状部材で構成されている、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
【請求項17】
前記2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材が、前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されてなる折返部を有する、請求項16に記載の包装袋の製造方法。
【請求項18】
前記帯状部材は、前記幅方向の他端が開放されており、
前記他端が前記2つの帯状部材の他方の帯状部材側に位置するように、前記帯状部材が配置されている、請求項17に記載の包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋および包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー等の物品を包装する包装袋は、包装される物品が収容される本体部と、本体部の上部に本体部と一体に設けられた持手部と、持手部に設けられた指掛部とを有する。このような包装袋では、トイレットペーパー等の購入者等が、持手部の指掛部に指を掛けることで、包装袋の持手部を掴むことができ、包装袋に収容された物品を持ち運ぶことができる。
【0003】
例えば、特許第4856412号公報(特許文献1)の
図2等には、被包装体が収容される本体部の上側に設けられた上端縁に、1つの指掛穴(切れ目)が形成された包装袋が開示されている。また、特許第4226932号公報(特許文献2)の
図1等には、本体部の上部に設けられた把持部に、2つの指掛穴(ミシン目)が形成されたロール製品収納用包装袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4856412号公報
【文献】特許第4226932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の包装袋は、持手部の指掛部に指を掛けて持手部を掴んだときに、包装袋に収容される被包装体の重量や嵩、包装袋の持ち方等によって、手指や手のひらが締め付けられたり、持ち運びの際に手指等が痛くなる場合がある。また、包装袋を持ち運ぶ際に、持手部が伸びたり、破断する場合がある。そのため、被包装体が収容された状態で包装袋が持ちづらく、また持ち運びの際に包装袋が破損することがある。
【0006】
本発明の課題は、持ちやすく、破損しにくい包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、被包装体が収容される本体部と、前記本体部の天面を封止するシール部と、前記天面に形成された持手部とを有する包装袋であって、前記本体部は、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムで形成され、前記シール部は、前記筒状フィルムの開口を封止するように構成され、前記天面は、前記シール部が形成される天面上部と、前記天面上部の一部と重なる天面下部とを有し、前記持手部は、帯状部材で構成され、前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記天面上部の前記一部に接合されている、包装袋である。
【0008】
本明細書において、ガセット状に折り込むとは、筒状フィルムの周面を径方向の内側に折り込んで、一対の山折りと谷折りを形成すること示す。また、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムは、開口がシール部で封止された状態で本体部を構成する。
【0009】
また、本体部は、天面と、天面と本体部の高さ方向に対向する底面と、天面および底面と連続する正面と、天面および底面と連続して正面と奥行方向に対向する背面と、天面、底面、正面および背面と連続して幅方向に対向する一対の側面を有する。また、天面は、天面上部が本体部の正面及び背面に連続し、天面下部が天面上部に連続しかつ本体部の一対の側面と連続する。
【0010】
また、天面上部の一部と天面下部が重なるとは、本体部の高さ方向に天面上部の一部に天面下部が対面することを示す。また、天面下部と重なる天面上部の一部とは、本体部に被包装体が収容された状態で、天面上部のうち天面下部の上面に位置する一対の三角形状に囲まれた部分を示す。さらに、帯状部材の両端部が、天面上部に接合されるとは、帯状部材の両端部と天面上部との間に接合部が形成されることを示す。
【0011】
第1の態様では、帯状部材の長手方向の両端部が、天面下部と重なる天面上部の一部に接合されているため、本体部の天面に帯状の持手部を形成することができる。これにより、第1の態様では、持手部に手指または掌(以下、手指等という)をかける(入れるまたは挿入する)ことが容易である。また、第1の態様では、持手部が帯状部材で形成されているため、持手部を手指等で簡単に掴む(または握る)ことができる。そのため、第1の態様によれば、持ちやすい包装袋を提供することができる。
【0012】
また、第1の態様では、帯状部材で構成された持手部を手指等で簡単に掴める(または握れる)ことで、手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなったりすることが抑制される。そのため、第1の態様によれば、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷を和らげる(または緩和する)ことができる。さらに、第1の態様では、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷が緩和されることで、被包装体が収容された包装袋を持ち運ぶ場合に、包装袋が破損しにくくなる。
【0013】
本発明に係る第2の態様は、前記帯状部材の長手方向の両端部が、前記本体部の幅方向における前記天面の両端部に接合されている、包装袋である。本明細書において、本体部の幅方向とは、天面下部と連続する一対の側面が対向する方向を示す。
【0014】
また、帯状部材の長手方向の両端部が本体部の幅方向における天面の両端部に接合されるとは、帯状部材の長手方向の一方の端部が、本体部の幅方向の天面の一方の端部に接合し、帯状部材の長手方向の他方の端部が、本体部の幅方向の天面の他方の端部に接合することを示す。すなわち、帯状部材の長手方向の一方の端部と本体部の幅方向の天面の一方の端部との間に接合部(第1接合部)が形成され、帯状部材の長手方向の他方の端部と本体部の幅方向の天面の他方の端部との間に接合部(第2接合部)が形成される。
【0015】
第2の態様では、帯状部材の長手方向の両端部が本体部の幅方向における天面の両端部に接合されることで、持手部として手指等で掴む(または握る)ことができる部分(天面上部に接合された帯状部材の長手方向の両端部を除いた部分)を大きくすることができる。これにより、持手部に手指または掌(以下、手指等という)をかける(入れるまたは挿入する)ことがより容易になり、持手部を手指等でより簡単に掴む(または握る)ことができる。
【0016】
本発明に係る第3の態様は、前記持手部は、前記帯状部材が前記天面上部に重なるように配置されている、包装袋である。本明細書において、帯状部材が天面上部に重なるとは、天面の天面上部に対して帯状部材が対面することを示す。
【0017】
第3の態様では、持手部を構成する帯状部材がこのように天面に重なるため、持手部を掴んだときに、持手部を構成する帯状部材が、手指等に対して面状に当たりやすくなる。言い換えると、手指等に対して持手部が線状に当たりにくくなる。これにより、第3の態様では、より持ちやすい包装袋を提供することができる。
【0018】
また、第3の態様では、持手部を構成する帯状部材が手指等に対して面状に当たりやすくなることで、持手部によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなったりすることをさらに抑制することができる。そのため、第3の態様によれば、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷がさらに緩和され、包装袋がより破損しにくくなる。
【0019】
本発明に係る第4の態様は、前記帯状部材の前記長手方向の両端部の少なくとも一方の端部が、折り返された状態で接合されている、包装袋である。ここで、帯状部材の長手方向の両端部の少なくとも一方の端部とは、帯状部材の長手方向における両方の端部またはいずれか一方の端部を示す。また、帯状部材の端部が折り返された状態で接合されるとは、帯状部材の両端部および両折返端部(両端部が折り返された部分)が天面に接合されることを示す。
【0020】
第4の態様では、帯状部材の端部が折り返された状態で天面上部に接合されていることで、持手部を構成する帯状部材の端部を天面に接合した状態で補強することができる。すなわち、帯状部材の両端部および両折返端部が天面に接合され、帯状部材の接合部が補強される。そのため、第4の態様によれば、持手部が天面から破断するのを抑制することができる。
【0021】
本発明に係る第5の態様は、前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が、前記幅方向の他端側に湾曲する、包装袋である。帯状部材の幅方向の少なくとも一端とは、帯状部材の幅方向における両端またはいずれか一端を示す。また、幅方向の他端に向かって湾曲するとは、帯状部材の幅方向の少なくとも一端が該幅方向の他端側に凹状に湾曲する(湾曲部または凹部となる)ことを示す。
【0022】
第5の態様では、このように帯状部材の幅方向の少なくとも一端が湾曲するため、湾曲する帯状部材の幅方向の一端側から手指等が入れやすくになる。また、このように幅方向の一端が湾曲する帯状部材は、帯状部材の幅方向の長さが短くなるため、このような帯状部材で構成された持手部は掴みやすい。そのため、第5の態様によれば、さらに持ちやすい包装袋を提供することができる。
【0023】
本発明に係る第6の態様は、前記持手部が、前記長手方向と交差する方向に並ぶ2つの帯状部材で構成されている、包装袋である。本明細書において、長手方向と交差する方向とは、帯状部材の長手方向に略直交する方向に沿う方向、または帯状部材が天面上部に接合された状態の帯状部材の幅方向を示す。
【0024】
第6の態様では、このように持手部が2つの帯状部材で構成されることで、持手部は複数の部材に分れて構成されたものとなる。このような構成では、手指等で持手部を掴んだ(握った)ときに、手指等の状態に合わせて持手部が捩れる(または一部が重なり合う)。言い換えると、帯状部材は、手指等に馴染んだ形に変形する(またはフィットする)。そのため、第6の態様によれば、持手部を安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
【0025】
本発明に係る第7の態様は、前記2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材は、前記帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されている、包装袋である。ここで、2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材とは、2つの帯状部材のうちの両方の帯状部材またはいずれか一方の帯状部材を示す。また、帯状部材の幅方向の少なくとも一端とは、各帯状部材の幅方向の両端またはいずれか一端を示す。
【0026】
第7の態様では、帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されることで、持手部を構成する帯状部材の折り返えされた一端が補強される。また、帯状部材がこのように折り返されることで、帯状部材が厚み方向に2つ(または2枚)重なったものとなるため、帯状部材の強度を高めることができる。これにより、第7の態様では、持手部が伸びたり、破断するのをさらに抑制する(より破損しにくい包装袋を提供する)ことができる。
【0027】
本発明に係る第8の態様は、前記帯状部材は、前記幅方向の他端が開放されており、前記他端が前記2つの帯状部材の他方の帯状部材側に位置するように、前記帯状部材が配置されている、包装袋である。本明細書において、他端が開放するとは、幅方向の一端が折り返されることによって、幅方向の他端に構成される帯状部材の隙間を示す。さらに、他方の帯状部材側に位置するとは、2つの帯状部材のうち少なくとも一方の帯状部材の開放する他端が、持手部の手指等が挿入される側に位置しないことを示す。
【0028】
第8の態様では、持手部を構成する帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返され、幅方向の他端が開放されているため、帯状部材自体が捩れ易い。そのため、第8の態様では、帯状部材の強度を高めながら、帯状部材で構成された持手部を安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
【0029】
また、第8の態様では、2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材の開放する幅方向の他端が他方の帯状部材側に位置するように該一方の帯状部材を配置することで、該一方の帯状部材の開放する幅方向の他端が、持手部の手指等が挿入される側に位置しないものとなる。これにより、手指等を持手部に挿入する際に、持手部を構成する帯状部材に手指等が引っ掛かりにくくなる。そのため、第8の態様では、帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返されて、幅方向の他端が開放されている場合でも、持手部に対する手指等の挿入が阻害されにくい。
【0030】
本発明に係る第9の態様は、上記の包装袋の製造方法であって、前記筒状フィルムをガセット状に折り込んで、前記筒状フィルムに一対のガセット部を形成するガセット形成工程と、前記筒状フィルムの開口を封止して、前記シール部を形成するシール工程とを有し、前記ガセット形成工程と前記シール工程との間に、前記ガセット部に熱遮蔽板を据え付けて、熱の伝導を遮断する熱遮断工程を有し、前記シール工程で、前記帯状部材を前記ガセット部に接合して、前記持手部を形成する、包装袋の製造方法である。
【0031】
本明細書において、ガセット部は、筒状フィルムをガセット状に折り込むことにより、筒状フィルムに形成される一対の山折りと谷折りで構成された部分を示す。また、熱遮蔽板をガセット部に据え付けるとは、筒状フィルムに形成された一対の山折り間で熱の伝導(または伝達)を遮断することを示す。
【0032】
第9の態様では、ガセット形成工程とシール工程との間に、このような熱遮断工程を設けることで、持手部を構成する帯状部材を天面に接合する際に天面上部同士が接合されることを防ぐことができる。これにより、第9の態様では、本体部の天面を形成しながら、手指等で掴む(または握る)ことができる持手部を、持手部の天面に確実に形成することができる。
【0033】
また、シール工程で、帯状部材をガセット部に接合して、持手部を形成することで、持手部の形成とシール部の形成を同時に行うことができる。これにより、第9の態様では、帯状部材をガセット部に接合して持手部を形成する場合でも、包装袋の製造コストの上昇を抑制することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一態様によれば、持ちやすく、破損しにくい包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装袋を示す図である。
【
図2】第1実施形態の変形例に係る包装袋を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る包装袋を本体部の天面側から視た図である。
【
図4】第1実施形態に係る包装袋を本体部の正面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る包装袋を本体部の側面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る包装袋において指掛部に手指等を挿入する前の状態を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る包装袋において指掛部に手指等を挿入した状態を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る包装袋において持手部を掴んだ状態を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る包装袋を本体部の正面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る包装袋を本体部の側面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る包装袋を本体部の天面側から視た図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る包装袋の持手部を示す図である。
【
図14】本発明の第5実施形態に係る包装袋の持手部を示す図である。
【
図15】第4実施形態の変形例に係る包装袋の持手部を示す図である。
【
図16】第5実施形態の変形例に係る包装袋の持手部を示す図である。
【
図17】本実施形態に係る包装袋の製造方法を示すフローチャートである。
【
図18】本実施形態に係る包装袋を製造する製造ラインを示す図である。
【
図19】本実施形態に係る包装袋の製造方法における熱遮断工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す説明では、各図において共通する部分について、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。さらに、各図において、包装袋の幅方向(左右方向)をX方向とし、高さ方向(上下方向)をY方向とし、奥行方向(前後方向)をZ方向とする。なお、包装袋の高さ方向において、包装袋の上端側を上方、包装袋の下端側を下方という場合がある。
【0037】
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装袋100を示す図である。
図2は、第1実施形態の変形例に係る包装袋100を示す図である。
図3は、第1実施形態に係る包装袋を本体部の天面側から視た図である。
図4は、第1実施形態に係る包装袋を本体部の正面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
図5は、第1実施形態に係る包装袋を本体部の側面側から視た本体部の天面付近を示す図である。
図6は、
図3のA-A線断面図である。
【0038】
図1及び
図2において、包装袋100は、本体部10、シール部20、持手部30を備えている。なお、包装袋100は、本発明の包装袋の一例であり、本体部10、シール部20、持手部30は、本発明の包装袋を構成する本体部、シール部、持手部の各一例である。
【0039】
本体部10は、被包装体Tが収容される包装袋100の本体(袋本体)を構成する。本体部10は、樹脂製のフィルム(以下、樹脂フィルムという)等で形成することができる。本体部10は、この樹脂フィルムがサイドシールにより筒状にされ、筒状になった樹脂フィルム(以下、筒状フィルムという)がガセット状に折り込まれた構造になっている(
図1、
図2参照)。
【0040】
ここで、ガセット状に折り込むとは、後述する筒状フィルムTFの周面を径方向の内側に折り込んで、一対の山折り(第1折目GF1)と谷折り(第2折目GF2)を形成すること示す(
図18、
図19参照)。また、ガセット状に折り込まれた筒状フィルムTFは、開口が後述するシール部20で封止された状態で本体部10を構成する。
【0041】
本体部10を形成する樹脂フィルムの材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、PE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムとしてPE、PE/EVOH/PEを用いる場合、樹脂フィルムの厚みは10μm以上70μm以下とすることができ、好ましくは15μm以上60μm以下、より好ましくは20μm以上50μm以下である。
【0042】
また、本体部10は、天面11と、天面11と本体部10の高さ方向(Y方向)に対向する底面12と、天面11および底面12と連続する正面13と、天面11および底面12と連続して正面13と奥行方向(Z方向)に対向する背面14と、天面11、底面12、正面13および背面14と連続して幅方向(X方向)に対向する一対の側面15、16を有する。
【0043】
さらに、天面11は、本体部10に被包装体Tが収容された状態で、天面上部11Aと、天面上部11Aの一部と重なる天面下部11Bとを有する。そして、天面上部11Aは、本体部10の正面13及び背面14に連続し、天面下部11Bは、天面上部11Aに連続しかつ本体部10の一対の側面15、16と連続する。
【0044】
なお、天面上部11Aと天面下部11Bの関係について、理解を容易にするため、
図4、
図5では、天面下部11Bに対して天面上部11Aが上方にわずかに持ち上げられた状態で示されている。また、天面上部11Aは、天面下部11Bと連続する部分に、天面下部11Bと略同一形状の折返部を有するが、理解を容易にするため、この折返部については、各図における図示を省略する。
【0045】
本体部10は、被包装体Tの一例としてロール状のトイレットペーパーが12個収容されている(
図1、
図2参照)。なお、被包装体の形態は、ロール状に限定されず、積層状等の他の形態で収容されていてもよい。また、本体部10に収容される被包装体は、トイレットペーパーに限定されるものではなく、キッチンペーパー、ペーパータオル、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品を収容することができる。
【0046】
さらに、
図1に示す例では、12個のロール状のトイレットペーパー(被包装体T)が、1段に4個並べられたものを3段に積み上げた状態で本体部10内に収容されている。また、
図2に示す例では、12個のトイレットペーパー(被包装体T)が、1段に12個並べた状態で本体部10に収容されている。なお、本体部10に収容される物品の個数は、限定されず、1つでもよく、
図1、
図2に示すように複数であってもよい。また、本体部10内に収容される被包装体の配列は、
図1、
図2に示す配列に限定されるものではない。
【0047】
シール部20は、本体部10の天面11を封止する。具体的には、シール部20は、筒状フィルムTFの開口を封止するように構成されることで、天面上部11Aに形成される。シール部20は、熱融着(ヒートシール)や接着剤、粘着剤等による接着等で構成することができる。なお、シール部20を熱融着(ヒートシール)で形成する場合は、例えば、上述のガセット状に折り込まれた樹脂フィルムを熱版で型押しする手法(スタンプ方式)を用いることができる。
【0048】
持手部30は、
図1、
図2に示すように、本体部10の天面11に形成され、包装袋100を手指等または掌(以下、手指等という)で掴むまたは握る部分(持手または取っ手)を構成する。持手部(帯状部材)30の材質は、特に限定されず、本体部10と同様に、樹脂フィルム等を用いることができる。
【0049】
持手部30の形状は、特に限定されないが、例えば、持手部30の厚み方向(Y方向)に見たときの輪郭形状を長方形等の四角形にすることができる(
図3参照)。具体的には、持手部30は、
図1~
図6に示すように、帯状部材で構成することができる。持手部(帯状部材)30の大きさ、特に限定されないが、本体部10の天面11の大きさ、シール部20の範囲等によって定めることができる。
【0050】
なお、持手部30を構成する帯状部材の形状が長方形の場合、持手部30の大きさは、例えば、帯状部材の長手方向(X方向)の長さを150mm以上500mm以下にすることができ、好ましくは160mm以上400mm以下、より好ましくは170mm以上300mm以下である。また、帯状部材の幅方向(Z方向)の幅を、35mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上130mm以下、より好ましくは45mm以上100mm以下である。
【0051】
持手部30を構成する帯状部材は、本体部10の天面11(天面上部11A)に形成される。持手部(帯状部材)30が天面11に接合される態様は、特に限定されないが、上述のシール部20の形成と同様に、熱融着、接着等を用いることができる。
【0052】
本実施形態では、持手部30は、長手方向(X方向)と交差する方向(Z方向)に並ぶ2つの帯状部材31、32で構成されている(
図1~
図6参照)。ここで、長手方向(X方向)と交差する方向(Z方向)は、帯状部材31、32の長手方向(X方向)に略直交する方向に沿う方向、または帯状部材31、32が天面上部11Aに接合された状態の帯状部材31、32の幅方向(Z方向)を示す。
【0053】
持手部30を構成する帯状部材31の長手方向(X方向)の両端部31A、31Bは、天面下部11Bと重なる天面上部11Aの一部(
図3に示す三角形状に囲まれた部分)OL1に接合されている。また、帯状部材32の長手方向(X方向)の両端部32A、32Bは、天面下部11Bと重なる天面上部11Aの一部(
図3に示す三角形状に囲まれた部分)OL2に接合されている。すなわち、帯状部材31の両端部31A、31Bおよび帯状部材32の両端部32A、32Bには、天面上部11Aとの間に接合部40が形成される(
図3参照)。
【0054】
具体的には、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の両端部31A、31B、32A、32Bが、本体部10の幅方向(X方向)における天面11の両端部TE1、TE2に接合されている(
図3~
図5参照)。ここで、本体部10の幅方向(X方向)とは、天面下部11Bと連続する一対の側面15、16が対向する方向を示す(
図1、
図3参照)。
【0055】
すなわち、帯状部材31の両端部31A、31Bには、天面11(天面上部11A)の両端部TE1、TE2との間に接合部40(第1接合部41)が形成される。また、帯状部材32の両端部32A、32Bには、天面11(天面上部11A)の両端部TE1、TE2との間に接合部40(第2接合部42)が形成される(
図3~
図5参照)。
【0056】
本実施形態では、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の一方の端部31A、32Aが、本体部10の幅方向(X方向)の天面11の一方の端部TE1に接合し、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の他方の端部31B、32Bが、本体部10の幅方向(X方向)の天面11の他方の端部TE2に接合されている(
図3~
図5参照)。
【0057】
また、本実施形態では、持手部30は、帯状部材31、32が天面上部11Aに重なるように配置されている(
図1~
図6参照)。ここで、帯状部材31、32が天面上部11Aに重なるとは、天面11の天面上部11Aに対して帯状部材31、32が対面することを示す。
【0058】
図7~
図9は、本実施形態に係る包装袋100の使用態様を示す図である。ここでは、
図7~
図9を参照しながら、本実施形態による本発明の効果について説明する。
【0059】
本実施形態では、上述のように、帯状部材31の長手方向(X方向)の両端部31A、31Bが、天面下部11Bと重なる天面上部11Aの一部OL1に接合されている。また、帯状部材32の長手方向(X方向)の両端部32A、32Bが、天面下部11Bと重なる天面上部11Aの一部OL2に接合されている。そのため、本実施形態では、本体部10の天面11に帯状の持手部30を形成することができる(
図7参照)。
【0060】
これにより、本実施形態では、持手部30に手指等Pを容易にかける(入れるまたは挿入する)ことができる(
図8参照)。また、本実施形態では、持手部30が帯状部材31、32で形成されているため、持手部30を手指等Pで簡単に掴む(または握る)ことができる(
図9参照)。そのため、本実施形態によれば、持ちやすい包装袋100を提供することができる。
【0061】
また、本実施形態では、帯状部材31、32で構成された持手部30を手指等Pで簡単に掴める(または握れる)ことで、手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなったりすることが抑制される。そのため、本実施形態によれば、持手部30を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷を和らげる(または緩和する)ことができる(
図9参照)。さらに、本実施形態では、持手部30を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷が緩和されることで、被包装体Tが収容された包装袋100を持ち運ぶ場合に、包装袋100が破損しにくくなる(
図9参照)。
【0062】
本実施形態では、上述のように、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の両端部31A、31B、32A、32Bが本体部10の幅方向(X方向)における天面11の両端部TE1、TE2に接合されることで、持手部30として手指等Pで掴む(または握る)ことができる部分を大きくすることができる(
図8、
図9参照)。
【0063】
言い換えると、天面上部11Aに接合された帯状部材31、32の長手方向(X方向)の基部31C、32C(帯状部材31、32の両端部31A、31B、32A、32Bを除いた部分)が大きくなる。これにより、本実施形態では、持手部30に手指等Pをかける(または入れる)ことがより容易になり、持手部30を手指等Pでより簡単に掴む(または握る)ことができる(
図8、
図9参照)。
【0064】
本実施形態では、上述のように、持手部30を構成する帯状部材31、32が天面11(天面上部11A)に重なるため、持手部30を掴んだときに、持手部30を構成する帯状部材31、32が、手指等Pに対して面状に当たりやすくなる(
図8、
図9参照)。言い換えると、手指等Pに対して持手部30が線状に当たりにくくなる。これにより、本実施形態では、より持ちやすい包装袋100を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態では、持手部30を構成する帯状部材31、32が手指等Pに対して面状に当たりやすくなることで、持手部30によって手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなったりすることをさらに抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、持手部30を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷がさらに緩和され、包装袋100がより破損しにくくなる。
【0066】
本実施形態では、上述のように、持手部30が2つの帯状部材31、32で構成されることで、持手部30は複数の部材に分れて構成されたものとなる。このような構成では、手指等Pで持手部30を掴んだ(握った)ときに、手指等Pの状態に合わせて持手部30が捩れる(または一部が重なり合う)。言い換えると、弾性部材は、手指等Pに馴染んだ形に変形する(またはフィットする)。そのため、本実施形態によれば、持手部30を安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
【0067】
図10は、本発明の第2実施形態に係る包装袋100を本体部10の正面側から視た本体部10の天面11付近を示す図である。
図11は、第2実施形態に係る包装袋100を本体部10の側面側(右側面側)から視た本体部10の天面11付近を示す図である。なお、
図10、
図11において、第1実施形態と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
第2実施形態に係る包装袋100では、
図10、
図11に示すように、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の両端部の少なくとも一方の端部31A、31B、32A、32Bが、折り返された状態で接合されている。ここで、帯状部材31、32の長手方向(X方向)の両端部の少なくとも一方の端部は、帯状部材31、32の長手方向(X方向)における両方の端部またはいずれか一方の端部を示す。
【0069】
本実施形態では、帯状部材31の長手方向(X方向)の両端部31A、31Bがいずれも折り返した状態で接合されている。また、帯状部材32の長手方向(X方向)の両端部32A、32Bがいずれも折り返された状態で接合されている(
図10、
図11参照)。
【0070】
本実施形態では、帯状部材31の長手方向(X方向)の両端部31A、31Bが折り返された状態で接合されることにより、帯状部材31の両端部31A、31Bおよび両折返端部(両端部31A、31Bが折り返された部分)31D、31Eが天面11に接合され、帯状部材32の両端部32A、32Bおよび両折返端部(図示しない折返端部と折返端部32E)が天面11に接合され、帯状部材31、32の接合部40が補強される(
図10、
図11参照)。
【0071】
本実施形態では、帯状部材31の端部31A、31Bが折り返された状態で天面上部11Aに接合されていることで、帯状部材31の端部31A、31Bと天面上部11Aの両端部TE1、TE2との間の接合部40(第1接合部41)を補強することができる。また、帯状部材32の端部32A、32Bが折り返された状態で天面上部11Aに接合されていることで、帯状部材32の端部32A、32Bと天面上部11Aの両端部TE1、TE2との間の接合部40(第2接合部42)を補強することができる。これにより、本実施形態では、持手部30が天面11から破断するのを抑制することができる(
図10、
図11参照)。
【0072】
図12は、本発明の第3実施形態に係る包装袋100を本体部10の天面11側から視た図である。なお、
図12において、第1実施形態と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態に係る包装袋100では、帯状部材31の幅方向(Z方向)の少なくとも一端が、幅方向(Z方向)の他端に向かって湾曲する。また、帯状部材32の幅方向(Z方向)の少なくとも一端が、幅方向(Z方向)の他端に向かって湾曲する。
【0073】
ここで、帯状部材31の幅方向(Z方向)の少なくとも一端とは、帯状部材31の幅方向(Z方向)における両端31F、31Gまたはいずれか一端を示す。また、帯状部材32の幅方向(Z方向)の少なくとも一端とは、帯状部材32の幅方向(Z方向)における両端32F、32Gまたはいずれか一端を示す。
【0074】
また、幅方向(Z方向)の他端に向かって湾曲するとは、帯状部材31では、帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲することを示す。すなわち、帯状部材31の基部31Cが、湾曲部(または凹部)CP1を構成する。言い換えると、帯状部材31の両端部31A、31Bの幅に対して基部31Cの幅が、両端部31A、31Bから帯状部材31の中央部に向かって狭くなる。
【0075】
また、帯状部材32では、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲することを示す。すなわち、帯状部材32の基部32Cが、湾曲部(または凹部)CP2を構成する。言い換えると、帯状部材32の両端部32A、32Bの幅に対して基部32Cの幅が、両端部32A、32Bから帯状部材32の中央部に向かって狭くなる。
【0076】
本実施形態では、帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲する。また、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する。なお、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端が湾曲する構成は、本実施形態に限定されるものではない。
【0077】
本実施形態では、このように帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の少なくとも一端31F、32Fが湾曲するため、湾曲する帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端31F、32F側から手指等Pが入れやすくになる(
図12参照)。また、このように幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが湾曲する帯状部材31、32では、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の幅が、帯状部材の両端部から中央部に向かって短くなるため、このような帯状部材31、32で構成された持手部30は掴みやすい(
図12参照)。そのため、本実施形態の包装袋100は、さらに持ちやすいものとなる。
【0078】
図13は、本発明の第4実施形態に係る包装袋100の持手部30を示す図である。
図14は、本発明の第5実施形態に係る包装袋100の持手部30を示す図である。なお、
図13、
図14において、第1実施形態(
図6)と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
第4実施形態に係る包装袋100では、2つの帯状部材31、32の少なくとも一方の帯状部材において、幅方向(Z方向)の少なくとも一端が折り返されている(
図13参照)。また、第5実施形態に係る包装袋100でも、2つの帯状部材31、32の少なくとも一方の帯状部材において、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の少なくとも一端が折り返されている(
図14参照)。
【0080】
ここで、2つの帯状部材31、32の少なくとも一方の帯状部材とは、2つの帯状部材31、32のうちの両方の帯状部材またはいずれか一方の帯状部材を示す。また、帯状部材31の幅方向(Z方向)の少なくとも一端は、帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fおよび/または31Gを示す。また、帯状部材32の幅方向(Z方向)の少なくとも一端は、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fおよび/または32Gを示す。
【0081】
第4実施形態に係る包装袋100では、帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが折り返されており、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが折り返されている(
図13参照)。また、第5実施形態に係る包装袋100では、帯状部材31の幅方向(Z方向)の両端31F、31Gが折り返されており、また、帯状部材32の幅方向(Z方向)の両端32F、32Gが折り返されている(
図14参照)。
【0082】
第4実施形態では、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが折り返されることで、持手部30を構成する帯状部材31、32の折り返えされた一端31F、32Fが補強される(
図13参照)。また、第5実施形態では、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の両端31F、32F、31G、32Gが折り返されることで、持手部30を構成する帯状部材31、32の両端31F、32F、31G、32Gが補強される(
図14参照)。
【0083】
また、第4実施形態では、帯状部材31、32が上述のように折り返されることで、帯状部材31、32が厚み方向(Y方向)に2枚重なったようになるため、帯状部材31、32の強度を高めることができる(
図13参照)。また、第5実施形態では、帯状部材31、32が上述のように折り返されることで、帯状部材31、32が厚み方向(Y方向)に3枚重なったようになるため、帯状部材31、32の強度をさらに高めることができる(
図14参照)。
【0084】
これにより、第4実施形態に係る包装袋100は、持手部30が伸びたり、破断することがより抑制される(
図13参照)。また、第5実施形態に係る包装袋100は、持手部30が伸びたり、破断することがさらに抑制される(
図14参照)。
【0085】
図15は、第4実施形態の変形例に係る包装袋100の持手部30を示す図である。
図16は、第5実施形態の変形例に係る包装袋100の持手部30を示す図である。なお、
図15及び
図16において、第1実施形態(
図6)と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
上述の第4実施形態および第4実施形態の変形例に係る包装袋100は、いずれも帯状部材31または32は、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gが開放されている。すなわち、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gが、開放部OP1、OP2を構成する(
図13、
図15参照)。
【0087】
また、上述の第5実施形態および第5実施形態の変形例に係る包装袋100は、いずれも帯状部材31または32は、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gが開放されている。すなわち、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gに、開放部OP1、OP2が構成される(
図14、
図16参照)。
【0088】
ここで、帯状部材31、32の他端31G、32Gが開放するとは、幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが折り返されることによって、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の他端31G、32Gに隙間が形成されることを示す(
図13~16参照)。
【0089】
第4実施形態、第4実施形態の変形例、第5実施形態、および第5実施形態の変形例では、いずれも持手部30を構成する帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが折り返され、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gが開放されているため、帯状部材31、32自体が捩れ易い(
図13~
図16参照)。そのため、これらの実施形態では、帯状部材31、32の強度を高めながら、帯状部材31、32で構成された持手部30を安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
【0090】
また、帯状部材31、32の他端31G、32Gが開放する実施形態のうち、第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例では、帯状部材31の開放された他端31Gが帯状部材32側に位置するように、帯状部材31が配置されている。また、帯状部材32の開放された他端32Gが帯状部材31側に位置するように、帯状部材32が配置されている(
図15、
図16参照)。
【0091】
言い換えると、第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例では、帯状部材31の開放する他端31Gは、持手部30の手指等Pが挿入される側(本体部10の正面13側)に位置しない。また、帯状部材32の開放する他端32Gも、持手部30の手指等Pが挿入される側(本体部10の背面14側)に位置しない。(
図15、
図16参照)
【0092】
これにより、第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例では、手指等Pを持手部30に挿入する際に、持手部30を構成する帯状部材31、32に手指等Pが帯状部材31、32の開放された他端31G、32Gに引っ掛かることがない。そのため、第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例では、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが折り返されて、幅方向(Z方向)の他端31G、32Gが開放されている場合でも、持手部30に対する手指等Pの挿入が阻害されにくい(
図15、
図16参照)。
【0093】
図17は、本実施形態に係る包装袋の製造方法を示すフローチャートである。
図18は、本実施形態に係る包装袋を製造する製造ライン200を示す図である。
図19は、本実施形態に係る包装袋の製造方法における熱遮断工程の一例を示す図である。ここでは、
図17~
図19を参照しながら、本発明の実施形態に係る包装袋の製造方法について説明する。なお、
図18、
図19において、第1実施形態と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
本実施形態に係る包装袋の製造方法は、
図17に示すように、原反フィルム搬出工程ST11、筒状フィルム形成工程ST12、ガセット形成工程ST13、熱遮断工程ST14、シール工程ST15、及びガセットシート巻取工程ST16を有する。本実施形態に係る包装袋の製造方法により、上述した本実施形態の包装袋を製造することができる。このような包装袋の製造方法は、本発明に係る包装袋の製造方法の一例である。
【0095】
原反フィルム搬出工程ST11では、
図18に示す製造ライン200において、包装袋100の材料である原反フィルムRFを包装袋100の製造工程内に搬出する。具体的には、製造ライン200の搬出部110にて、原反フィルムRFが捲巻された搬出ロール111から原反フィルムRFを原反フィルム搬送部120に搬出する。そして、原反フィルムRFは、原反フィルム搬送部120により搬送方向MDに搬送される。
【0096】
筒状フィルム形成工程ST12では、
図18に示すように、原反フィルム搬送部120から搬送された原反フィルムRFを筒状にして、筒状フィルムTFを形成する。具体的には、筒状フィルム形成部130にて、原反フィルムRFを搬送方向MDと略直交する方向(幅方向)に半分に折り、原反フィルムRFの両端部をヒートシールで貼り合わせる(サイドシールSSを行う)。形成された筒状フィルムTFは、筒状フィルム搬送部140により、搬送方向MDに搬送される。
【0097】
ガセット形成工程ST13では、
図18に示すように、筒状フィルム搬送部140から搬送された筒状フィルムTFをガセット状に折り込んで、ガセット状のシート(以下、ガセットシートという)GSを形成する。具体的には、ガセット形成部150にて、筒状フィルムTFの幅方向の両端縁に折り板151、152を当てることで、筒状フィルムTFがガセット状に折り込まれ、筒状フィルムTFに一対のガセット部を形成する。
【0098】
ガセット形成部150において、折り板151、152の材質は、特に限定されず、例えば、ステンレス等の剛性部材を用いることができる。形成されたガセットシートGSには、幅方向の両端部に一対の第1折目GF1が形成され、内側に一対の第2折目GF2が形成される(
図18、
図19参照)。
【0099】
なお、一対の第1折目GF1および一対の第2折目GF2は、筒状フィルムTFに形成されたガセット部を構成する。この一対のガセット部を有する筒状フィルムTFは、ガセットシートGSを構成する。形成されたガセットシートGSは、ガセットシート搬送部160により、搬送方向MDに搬送される。
【0100】
熱遮断工程ST14では、
図18に示すように、ガセットシート搬送部160から搬送されたガセットシートGS内で熱の伝導を遮断する。具体的には、熱遮蔽部170にて、ガセットシートGSを構成する筒状フィルムTFのガセット部(第1折目GF1および第2折目GF2)に一対の熱遮蔽板171、172を据え付ける(
図18、
図19参照)。ここで、熱遮蔽板171、172をガセット部(第1折目GF1および第2折目GF2)に据え付けるとは、筒状フィルムTFに形成された一対の第1折目GF1間で熱を遮断することを示す。
【0101】
熱遮蔽板171、172の材質は、例えば、セラミック板、ガラス板、金属板等を用いることができる。なお、熱遮蔽板は、熱伝導性が低く、熱により熱遮蔽板自体が溶解したり変形したりすることがない材質であることが好ましい。
【0102】
シール工程ST15では、
図18、
図19に示すように、熱遮蔽部170で熱の伝導が遮断されたガセットシートGSをヒートシールによりシールする。具体的には、シール形成部180にて、筒状フィルムTFの開口を封止することにより、各包装袋(半製品HS)を隔てるシール部20をガセットシートGSに形成する。このように、本実施形態では、ガセット形成工程ST13とシール工程ST15との間に、熱遮断工程ST14を有するものとなる、
【0103】
また、シール工程ST15では、
図18、
図19に示すように、シール部20の形成と同時に帯状部材31、32をガセット部に接合する。具体的には、帯状部材31の両端部31A、31Bおよび帯状部材32の両端部32A、32Bを、熱の伝導が遮断された一対の第1折目GF1に接合する。なお、帯状部材31、32の接合方法は、シール部20の形成と同様に、ヒートシールで行うことができる。
【0104】
ガセットシート巻取工程ST16では、シール部20が形成されたガセットシートGS(半製品HS)を、巻取部190で巻取ロール191に巻き取る。なお、巻取ロール191に捲回されたガセットシートGS(半製品HS)は、保管可能に管理され、必要に応じて、所定の間隔で(例えば、半製品HSのシール部20に沿って)切断することにより、包装袋100が得られる。なお、ガセットシートGS(半製品HS)は、巻取部190で巻き取らずに、そのまま所定の間隔で切断して、各包装袋100として扱ってもよい。
【0105】
本実施形態に係る包装袋の製造方法では、ガセット形成工程ST13とシール工程ST15との間に、このような熱遮断工程ST14を設けることで、持手部30を構成する帯状部材31、32を天面11に接合する際に天面上部11A同士が接合されることを防ぐことができる。これにより、本実施形態では、本体部10の天面11を形成しながら、手指等Pで掴む(または握る)ことができる持手部30を、持手部30の天面11に確実に形成することができる。
【0106】
また、シール工程ST15で、帯状部材31、32をガセット部(一対の第1折目GF1)に接合して持手部30を形成することで、持手部30の形成とシール部20の形成を同時に行うことができる。これにより、本実施形態では、帯状部材31、32を本体部の天面(天面上部)に接合して持手部30を形成する場合でも、包装袋100の製造コストの上昇を抑制することができる。
【実施例】
【0107】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
【0108】
[試験体(包装袋)]
試験体として、包装袋100を用いた。包装袋100は、
図17に示す包装袋の製造方法により製造した。具体的には、ポリエチレン製の樹脂フィルム(厚み:約25μm)から筒状フィルムTFを形成し、筒状フィルムTFをガセット状に折り込んでガセット部(第1折目GF1および第2折目GF2)を有するガセットシートGSを形成し、ガセットシートGS(ガセット部を有する筒状フィルムTF)の端部(開口)をヒートシールで封止して、本体部10の天面11にシール部20を形成し、シール部20を除くガセット部の第1折目GF1に帯状部材31、32を接合して、本体部10の天面11(天面上部11A)に持手部30を形成して、包装袋100を得た。持手部30を構成する帯状部材31、32には厚み約60μmのポリエチレンを用い、帯状部材31、32の大きさは、それぞれ長手方向(X方向)の長さを約210mmとし、幅方向(Z方向)の幅を約50mmとした。得られた包装袋100の本体部10に、ロール状のトイレットペーパーT(大王製紙株式会社製の「エリエール トイレットティシュー 60mシングル(147g/ロール)」)12個を1段に4個並べられたものを3段に積み上げた状態で収容した(
図1参照)。
【0109】
[指入れ試験]
試験体(包装袋100)の持手部30に、
図7~
図9に示すように、ユーザーが右手の人差し指、中指、薬指、小指を掛けて、包装袋100の持手部30を掴んだ(または握った)ときの持ちづらさを、以下の5段階で評価した。この場合、実施例及び比較例ごとに10人より試験を行った結果を点数化し、その平均値を算出した。なお、平均値が4.0以上の場合に、指入れ試験の結果が良好であると評価した。
5点:持ちづらさを全く感じない
4点:持ちづらさはごく小さいと感じる
3点:持ちづらさは小さいと感じる
2点:持ちづらさを大きく感じる
1点:持ちづらさを非常に大きく感じる
【0110】
[振り子試験]
試験体(包装袋100)について、振り子試験を行った。振り子試験では、指入れ試験と同様に、試験体(包装袋100)の持手部30を掴み(または握り)、さらに包装袋100を180°の範囲で振り子のように10往復移動させた。このとき、包装袋100の耐久性を、以下の基準で評価した。この場合、各実施例及び比較例につき5回行った。なお、〇の場合は振り子試験の結果は、○の場合は良好、×の場合は不良と評価した。
○:5回中1回も破損が確認できなかった
×:5回中1回以上破損を確認した
【0111】
[指掛け試験]
上記の振り子試験を1回行った後、1人のユーザーにおける手指等Pへ締め付けの程度を、下記の5段階で評価した。この場合、実施例及び比較例ごとに10人のユーザーにより試験を行った結果を点数化し、その平均値を算出した。なお、平均値が4.0以上の場合に、指掛け試験の結果が良好であると評価した。
5点:指への締め付けが全くない
4点:指への締め付けはごく小さい
3点:指への締め付けは小さい
2点:指への締め付けが大きい
1点:指への締め付けが非常に大きい
【0112】
以下、実施例及び比較例について、説明する。
【0113】
[実施例1]
持手部30を、2つの長方形の帯状部材31、32で構成し、帯状部材31、32を、天面上部11Aに重なるように配置した(
図1~
図6参照)。帯状部材31、32は、長手方向(X方向)の両端部31A、31B、32A、32Bを本体部10の幅方向(X方向)における天面11(天面上部11A)の両端部TE1、TE2に接合した(
図1、
図3~
図6参照)。作製した包装袋100について、指入れ試験、振り子試験、指掛け試験を行い、評価した。結果を表1に示す。
【0114】
[実施例2]
帯状部材31の長手方向(X方向)の両端部31A、31Bをいずれも折り返した状態で接合し(帯状部材31の長手方向(X方向)に折り返された部分(折返端部)31D、31Eの長さを約10mmとし)、帯状部材32の長手方向(X方向)の両端部32A、32Bをいずれも折り返した状態で接合した(帯状部材32の長手方向(X方向)に折り返された部分(一部図示しない折返端部32E)の長さを約10mmとし)(
図10、
図11参照)以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0115】
[実施例3]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し(帯状部材31の基部31Cの幅方向(Z方向)の最小幅を約30mmとし)、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(帯状部材32の基部32Cの幅方向(Z方向)の最小幅を約30mmとした)(
図12参照)以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0116】
[実施例4]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例2と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0117】
[実施例5]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:1回、開放部の向き:外向き)(
図13参照)以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0118】
[実施例6]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:1回、開放部の向きが外向きである)(
図13参照)以外は、実施例2と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0119】
[実施例7]
帯状部材31の開放された他端31Gが帯状部材32側に位置し、帯状部材32の開放された他端32Gが帯状部材31側に位置する(持手部の折返:1回、開放部の向きが内向きである)(
図15参照)以外は、実施例5と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0120】
[実施例8]
帯状部材31の開放された他端31Gが帯状部材32側に位置し、帯状部材32の開放された他端32Gが帯状部材31側に位置する(持手部の折返:1回、開放部の向きが内向きである)(
図15参照)以外は、実施例6と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0121】
[実施例9]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例5と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0122】
[実施例10]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例6と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0123】
[実施例11]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例7と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0124】
[実施例12]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図10~
図12、
図15参照)以外は、実施例8と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0125】
[実施例13]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の両端31F、31Gが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の両端32F、32Gが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:2回)(
図14参照)以外は、実施例5と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0126】
[実施例14]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の両端31F、31Gが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の両端32F、32Gが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:2回)(
図14参照)以外は、実施例6と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0127】
[実施例15]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の両端31F、31Gが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の両端32F、32Gが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:2回)(
図16参照)以外は、実施例7と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0128】
[実施例16]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の両端31F、31Gが折り返され、他端31Gが開放され、帯状部材32の幅方向(Z方向)の両端32F、32Gが折り返され、他端32Gが開放されている(持手部の折返:2回)(
図16参照)以外は、実施例8と同様に作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0129】
[実施例17]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例13と同様に作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0130】
[実施例18]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例14と同様に作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0131】
[実施例19]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例15と同様に作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0132】
[実施例20]
帯状部材31の幅方向(Z方向)の一端31Fが、該幅方向(Z方向)の他端31G側に凹状に湾曲し、帯状部材32の幅方向(Z方向)の一端32Fが、該幅方向(Z方向)の他端32G側に凹状に湾曲する(
図12参照)以外は、実施例16と同様に作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0133】
[比較例1]
本体部の上部に持手部が形成され、持手部に楕円状の1つのスリット(指掛部)を設け、楕円の周囲のうち下端の一部を残すように指掛部を配置し(指掛部の中央部を持手部の上端側に配置し、指掛部の両端部を持手部の下端側に配置し)、指掛部の長手方向(X方向)の長さを約50mm、持手部の高さ方向(Y方向)の幅を約10mmとした(特許文献1参照)以外は、実施例1と同様に包装袋を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0134】
[比較例2]
本体部の上部に持手部が形成され、持手部に楕円状の2つのスリット(指掛部と指掛部)を設け、指掛部と指掛部を楕円形状が略左右対称になるように持手部の長手方向(X方向)に並べて配置し(指掛部の中央部及び指掛部の中央部を持手部の下端側に配置し、指掛部の両端部及び指掛部の両端部を持手部の上端側に配置し)、持手部の長径を約30mmとしち、持手部の短径を約15mmとし、指掛部間の距離を最短で約20mmとした(特許文献2参照)以外は、実施例1と同様に包装袋100を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
表1~表3より、持手部30として、帯状部材31、32を、天面上部11Aに重なるように配置し、帯状部材31の両端部31A、31Bおよび帯状部材32の両端部32A、32Bを、本体部10の天面11(天面上部11A)の両端部TE1、TE2に接合した包装袋100で、指入れ試験、指掛け試験の結果はいずれも4.0以上(良好)であり、振り子試験は○(良好)であった(実施例1~20)。
【0139】
これに対して、本体部の上部に持手部が形成され、持手部に指掛部が形成された従来の包装袋は、指入れ試験の結果はいずれも4.0未満(不良)となり、指掛け試験の結果は2つのスリットを有するものが4.0未満(不良)となり、振り子試験の結果はいずれも×(不良)となった(比較例1、2)。
【0140】
また、帯状部材31、32の幅方向(Z方向)の一端31F、32Fを、該幅方向(Z方向)の他端31G、32G側に凹状に湾曲させることにより、指入れ試験の結果が向上した(実施例3、4、9~12、17~20)。
【0141】
また、持手部30として幅方向(Z方向)の一端31F、32Fが折り返された帯状部材31、32を用いることにより、指掛け試験の結果が向上し(実施例5~20)、両端31F、31Gが折り返された帯状部材31と両端32F、32Gが折り返され31Gが折り返された帯状部材32を用いることにより、指掛け試験の結果がさらに向上し(実施例13~20)。
【0142】
また、帯状部材31の開放された他端31Gが帯状部材32側に位置し、帯状部材32の開放された他端32Gが帯状部材31側に位置する持手部30を用いることにより、指入れ試験の結果が向上した(実施例7、8、11、12、15、16、19、20)。
【0143】
これらの結果から、持手部を帯状部材で構成し、帯状部材を天面の天面上部に重なるように配置して、帯状部材の長手方向の両端部を、天面下部と重なる天面上部の一部(本体部の幅方向における天面の両端部)に接合した包装袋は、持ちやすく、破損しにくいものであることが判った。
【0144】
また、持手部を構成する帯状部材の長手方向の両端部の少なくとも一方の端部が、折り返された状態で接合された包装袋は、持手部を構成する帯状部材の端部を天面に接合した状態で補強することができるため、持手部が天面から破断するのを抑制することができることが判った。
【0145】
また、帯状部材の幅方向の少なくとも一端が、幅方向の他端側に凹状に湾曲する包装袋は、さらに持ちやすいものであることが判った。
【0146】
また、2つの帯状部材の少なくとも一方の帯状部材が、帯状部材の幅方向の少なくとも一端が折り返された包装袋は、さらに持ちやすく、破損しにくいものであることが判った。さらに、帯状部材の幅方向の他端が開放されており、他端が2つの帯状部材の他方の帯状部材側に位置するように、帯状部材が配置された包装袋は、さらに持ちやすいものであることが判った。
【0147】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0148】
100 包装袋
T 被包装体(トイレットペーパー)
10 本体部
11 天面
11A 天面上部
11B 天面下部
OL1 天面上部の一部
OL2 天面上部の一部
12 底面
13 正面
14 背面
15 側面
16 側面
20 シール部
30 持手部
31 帯状部材
31A 端部
31B 端部
31C 基部
31D 折返端部
31E 折返端部
31F 一端
31G 他端
32 帯状部材
32A 端部
32B 端部
32C 基部
32E 折返端部
32F 一端
32G 他端
40 接合部
41 第1接合部
42 第2接合部
CP1 湾曲部(凹部)
CP2 湾曲部(凹部)
OP1 開放部
OP2 開放部
P 手指等
200 製造ライン
110 搬出部
111 搬出ロール
120 原反フィルム搬送部
130 筒状フィルム形成部
140 筒状フィルム搬送部
150 ガセット形成部
151 折り板
152 折り板
160 ガセットシート搬送部
170 熱遮蔽部
171 熱遮蔽板
172 熱遮蔽板
180 シール形成部
190 巻取部
191 巻取ロール
MD 搬送方向
RF 原反フィルム
SS サイドシール
TF 筒状フィルム
GS ガセットシート
GF1 第1折目
GF2 第2折目
HS 半製品